JP2018089165A - 医療用綿棒 - Google Patents

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Abstract

【課題】体内に挿入して使用した際に、綿状体からの綿組織の離脱がより少ない医療用綿棒を提供する。【解決手段】手術時に体内に挿入されて使用される医療用綿棒であって、使用者が把持する棒状の軸部3と、軸部3の先端に設けられた綿状体2とを備え、綿状体2の表面はウレタンアクリレート樹脂でコートされており、コート厚みは100μm以上500μm以下とした。これにより、医療用綿棒の使用状況において、体内における綿状体からの綿組織の離脱を低減でき、且つ、綿状体における液体の吸収性や臓器への愛護牲といった使用上の性能も十分に維持できる。【選択図】図2

Description

本発明は医療用に用いられる綿棒に関し、より具体的には腹腔鏡手術等において体壁に設けた穴を介して患者の体内に挿入して使用する綿棒に関するものである。
腹腔鏡手術においては、患者の体壁に3mm〜10mm程度の穴が複数個所設けられ、それらの複数の穴にそれぞれトロッカー(トロカール)と呼ばれる筒状部材が取り付けられる。そして、腹腔鏡カメラや、メス、鉗子などの腹腔内の治療に用いられる術具は、各トロッカーの筒穴を介して腹腔内に導入される。
上記のような腹腔鏡手術においては、腹腔鏡カメラとともに術具の一つとして綿棒を腹腔内に挿入して使用する場合がある。この綿棒に体内の様々な液体を吸収させて除去したり施術対象を清掃する用途の他、施術対象である臓器や施術時に視野の妨げとなる臓器などを圧排、剥離あるいは牽引することで、腹腔鏡手術を補助する用途もある。
このように体内に綿棒を挿入して使用する際に、綿棒の先端に設けられた綿状体から微細な綿組織が離脱したり、綿状体の全部または一部が体内に脱落したりした場合には、手術後にも体内に綿組織が残存してしまい、手術後の患者の良好な回復の妨げになる場合があった。
ここで、医療用綿棒において綿組織が綿状体から体内に離脱した場合には、離脱した綿組織は手術後も体内に残存する可能性が高い。これは、手術終了時には洗浄液で腹腔内を洗浄し洗浄液を回収するが、全ての洗浄液を回収することは困難であることによる。この場合、体内に残存した洗浄液は腹膜等から吸収されることになるが、洗浄液内に浮遊する綿組織は吸収されずに残存してしまうのである。
手術時には使用器具等は全て滅菌処理されているが、体内に細菌が侵入する場合がある。体内に侵入した細菌は、通常はそのまま死滅してしまう場合が多いと思われるが、そこに綿状体から離脱した綿組織が存在した場合には、綿組織が細菌の培地となり細菌が増殖してしまう虞がある。そして、このことが、手術後の腹腔内膿瘍等の疾病を招来する危険性がある。
このように、体内で使用される医療用綿棒において、綿状体の綿組織からの離脱や綿状体自体の脱落を防止することの重要性は、一般的な用途の綿棒(特許文献1〜3参照)とは比較にならない。しかしながら、医療用綿棒において綿状体の綿組織からの離脱や、綿状体自体の脱落に対する適切な対策を行っているものは見られないのが実情であった。
特開平9−47377号公報 特開平6−285111号公報 実開平6−21783号公報
本発明は、上記のような状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、体内に挿入して使用した際に、綿状体からの綿組織の離脱がより少ない医療用綿棒を提供することであ
る。
前記の課題を解決するための本発明は、手術時に体内に挿入されて使用される医療用綿棒であって、
使用者が把持する棒状の軸部と、
前記軸部の先端に設けられた綿状体とを備え、
前記綿状体の表面はウレタンアクリレート樹脂でコートされており、
前記樹脂のコート厚みは100μm以上500μm以下であることを特徴とする医療用綿棒である。
本発明に係る医療用綿棒は、棒状の軸部と、この軸部の先端に綿組織により形成された綿状体とを含んで構成される。そして、発明者らの実験により、綿状体の表面を厚み100μm以上500μm以下のウレタンアクリレート樹脂でコートすることで、綿組織の離脱が充分に抑えられるとともに、綿状体における液体の吸収性や摩擦性能には殆ど影響を及ぼさないことが発見された。これによれば、体内における綿状体からの綿組織の離脱が少なく、より高い安全性と操作性を併せ持つ医療用綿棒を提供することが可能となる。
なお、体内に挿入して使用する医療用綿棒はその寸法、使用環境、使用方法において一般的な用途の綿棒とは全く異なる。また、前述のように、綿状体の綿組織からの離脱や、綿状体自体の脱落を防止することの重要性は、一般的な用途の綿棒とは比較にならない。このような医療用綿棒の使用状況において、体内における綿状体からの綿組織の離脱を低減でき、且つ、綿状体における液体の吸収性や摩擦性能といった使用上の性能に影響が生じない条件を見出した点が、本発明の技術的意義と言える。
また、本発明においては、前記綿状体は、塊状の綿球部が複数連結した形状を有し、前記綿球部の径と、前記軸部の径が略同じであるようにしてもよい。これによれば、医療用綿棒に許容される径の中で、綿状体における液体の吸収性と、軸部の強度及び剛性を最大にすることが可能である。また、綿状体と軸部の境界において段差が生じることがなく、使用時に綿状体と軸部の境界の段差が周囲の生体組織に引っ掛かる不都合を防止できる。よって、医療用綿棒の操作性及び信頼性をより高くすることが可能である。
また、本発明においては、前記軸部は、前記綿状体を略貫通する綿支持部を有し、前記綿支持部は、綿状体の先端の綿球部の中央部に配置する抜け止め用返しと、最後尾の綿球部の中央部に配置する形状保持用返しを有するようにしてもよい。
これによれば、抜け止め用返しにより綿状体が軸部から脱落することを防止できるとともに、抜け止め用返しと形状保持用返しにより、使用中に綿状体が変形することを防止できる。また、本発明においては、抜け止め用返しは綿状体の先端の綿球部の中央部に、形状保持用返しは綿状体の最後尾の綿球部の中央部に配置されているので、綿状体の先端における綿球部と最後尾における綿球部を固定でき、より確実に綿状体の形状を保持することが可能となる。さらに、各々の返しは、綿球部の中央部に配置されるため、使用中に、抜け止め用返しまたは形状保持用返しが露出してしまう不都合を抑制でき、各々の返しが配置された綿球部における十分な吸収性を確保することができる。よって、医療用綿棒の安全性と操作性をより高くすることが可能である。
また、本発明においては、前記抜け止め用返し及び、前記形状保持用返しは円筒形状を有し、前記軸部における、前記綿状体の直後の部分がテーパ状の形状を有するようにしてもよい。
これによれば、抜け止め用返し及び、形状保持用返しに明確なエッジ部分を設けることが可能となり、このエッジ部分により、より確実に綿状体の脱落及び変形を抑制することができる。また、前後両方向への綿状体の移動及び変形を抑制することができる。また、前記軸部における、前記綿状体の直後の部分をテーパ状とすることで、綿棒を体内に挿入する際に、軟質の綿状体と硬質の軸部との境界部分が体壁に設けた穴(若しくはトロッカーの筒穴)または体内の組織に引っ掛ることを防止できる。これにより、より安全に使用できる医療用綿棒を提供することができる。
また、本発明においては、前記軸部及び、前記綿球部の径は2.5mm以上3.5mm以下としてもよい。そうすれば、患者の体壁に設けた、より小径の穴(若しくは小径のトロッカーの筒穴)から医療用綿棒を体内に挿入することができる。例えば、φ3mmの使用器具を想定した細型のトロッカーに対しても良好に対応することが可能となる。
また、その場合には、前記抜け止め用返し及び前記形状保持用返しの径は、1.5mm以上2.3mm以下であってもよい。これによれば、綿状体の径と軸部の径とを略同じにした場合にも、抜け止め用返しまたは形状保持用返しが配置された綿球部において、充分な綿の厚みを確保することができ、充分な吸収性を維持することが可能である。
また、本発明においては、前記軸部及び、前記綿球部の径は4.5mm以上5.5mm以下としてもよい。そうすれば、広く使用されている、φ5mmの使用器具を想定したトロッカーに対しても良好に対応することが可能となる。
また、その場合には、前記抜け止め用返し及び前記形状保持用返しの径は、3.5mm以上4.3mm以下であってもよい。これによれば、綿状体の径と軸部の径とを略同じにした場合にも、抜け止め用返しまたは形状保持用返しが配置された綿球部において、充分な厚みを確保することができ、充分な吸収性を維持することが可能である。
また、本発明においては、前記綿支持部の長さは10mm以上15mm以下としてもよい。これによれば、充分な長さの綿状体を形成することが可能であり、充分な吸収性を確保することができるとともに、体内の組織を圧排、剥離あるいは牽引するために充分な摩擦力を発揮することができる。
また、本発明の医療用綿棒の全長は、400mm以上500mm以下としてもよい。これによれば、体内の組織を圧排、剥離あるいは牽引するために充分な操作性と作業範囲を確保することが可能である。
また、本発明における前記テーパ状の形状のテーパ角は40度以上50度以下としてもよい。これによれば、綿状体と軸部の境界で作業中に引っ掛かりが生じることをより確実に防止し、且つ、綿支持部の根元部に応力が集中することをより確実に抑制し、軸部全体としての強度及び剛性をより確実に確保することが可能である。
また、本発明においては、前記軸部はカーボンファイバーからなるようにしてもよい。これによれば、軸部及び、綿支持部の強度、剛性及び靱性をより確実に確保することが可能である。
なお、本発明においては、上記の課題を解決するための手段を、可能な限り組み合わせて使用することが可能である。
本発明によれば、体内に挿入して使用した際に、医療用綿棒における綿状体からの綿組
織の離脱をより少なくすることができる。
本発明の実施例に係る医療用綿棒の全体図及び、綿状体付近の拡大図である。 本発明の実施例に係る綿状体にウレタンアクリレート樹脂のコートをした場合の、綿組織の離脱抑制効果を示す表である。 本発明の実施例に係る医療用綿棒の綿状体付近の構成について詳細に説明するための図である。 本発明の実施例に係る医療用綿棒の綿状体付近の構成について詳細に説明するための第2の図である。 本発明の実施例における軸部の各部寸法について説明するための図である。
以下、本発明の具体的な実施例について図面に基づいて説明する。以下の実施例に記載されている構成要素の寸法、材質、形状、その相対配置等は、特に記載がない限りは発明の技術的範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
<実施例1>
本発明の実施例1について説明する。図1は本発明に係る医療用綿棒1の全体図及び、先端付近の領域Xの拡大図である。医療用綿棒1は円筒状の軸部3と、軸部3の先端側に設けられた綿状体2とからなる。医療用綿棒1は腹腔鏡手術の際に、患者の体壁に形成された穴、多くの場合には、患者の体壁に穿設されるトロッカーの筒穴を介して体内に挿入される。施術者は、軸部3を把持して医療用綿棒1を体内に挿入し、綿状体2に体内の様々な液体を吸収させることで施術対象の周囲を清掃し、施術し易い環境を整える。また、主に綿状体2の表面の摩擦抵抗を利用して、施術対象である臓器や近傍の臓器などを圧排、剥離あるいは牽引することで、施術スペースや視野を確保する。なお、以下において医療用綿棒1における綿状体2側を前側、軸部3側を後側とする。
軸部3の素材は特に限定されないが、本実施例において軸部3はカーボンファイバーにより形成されている。よって、軸部3は充分な強度と剛性を有するとともに適度は靱性を有し、施術中に不用意に変形したり、折れるなどの不都合が生じないようにされている。医療用綿棒1の長さ方向の全長は特に限定されないが、本実施例では約450mmとなっている。これにより、殆どの腹腔鏡手術において問題なく、体壁に形成された穴から医療用綿棒1を挿入し、施術対象部分に先端を届かせることができる。
また、軸部3の径についても特に限定されないが、4.5mm以上5.3mm以下とすることで、広く使用されているφ5mm対応のトロッカーの筒穴から良好に体内に挿入することが可能である。また、2.5mm以上3.3mm以下とすることで、より小径の穴を介しての挿入が可能となる。なお、上述のように本実施例では軸部3はカーボンファイバーで形成されているため軸部の径が上記の範囲であれば充分な強度、剛性及び靱性を確保することが可能である。
また、医療用綿棒1の綿状体2は、4つの球状の綿球部2a〜2dを有している。これにより、綿状体2と体内の組織との接触面積を増加させることができ、綿状体2による体内の組織の保持性を高めることが可能である。また、各綿球部2a〜2dの間の凹部に体内の組織の一部を絡め捕ることにより、液体のみならず組織自体を除去・清掃・取得することが可能である。本実施例では綿球部2a〜2bは球状の形状を有しているが、必ずしも正確な球状である必要はなく塊状であれば良い。
なお、本実施例においては、綿状体2を軸部3の綿支持部(後述)に形成した後、綿状体2にはウレタンアクリレート樹脂がコートされている。そして、ウレタンアクリレート樹脂のコート厚みは100μm以上500μm以下としている。これにより、綿状体2の綿組織が綿状体2から離脱することを抑制している。
図2には、本実施例における医療用綿棒1と、比較例として挙げた、コート無しの医療用綿棒2種について、綿棒を水中に浸漬した際に、綿状体から離脱して水中に遊離している粒子数を計測した結果を示す。より具体的には、ウレタンアクリレート樹脂を300μmの厚みでコートした綿棒を所定量の純水に浸漬し、10分間撹拌した後に、LPC(リキッドパーティクルカウンター:RION社製 KL−11)により0.5μm以上の粒子数の測定を行い、500mlの純水を用いた場合に換算した結果である。図2からも分かるように、本実施例に係る医療用綿棒に関しては、コート無しの医療用綿棒に比較し、離脱する綿組織が著しく減少している。
また、コート厚みを100μm以上500μm以下とすることで、綿状体2における吸水性及び、摩擦係数には大きな影響を及ぼさず、良好な安全性と操作性が得られることが分かった。すなわち、コート厚みが100μmより薄い状態(例えば、50μmまたは80μm)では、綿状体2からの綿組織の離脱量が10000以上まで増加した。また、コート厚みが500μmを超えると、綿状体2の表面が主に樹脂自体の性質を示すことで、綿状体2における吸水性が悪化しまたは綿状体2の表面が硬化して臓器に対して愛護的でなくなる危険性が生じた。なお、ウレタンアクリレート樹脂は生体適合性が認められる樹脂であり、その意味でも安全性が保障されている。
なお、本実施例において、綿状体2にウレタンアクリレート樹脂をコートする際には、回転ドラム式のバッファ部材(不図示)に一旦、所定厚みのウレタンアクリレート樹脂膜を形成し、当該バッファ部材に形成されたウレタンアクリレート樹脂膜を、綿状体2に転写することにより、綿状体2にウレタンアクリレート樹脂をコートしても構わない。また、バッファ部材に供給する樹脂材料の量を調整してバッファ部材に形成する樹脂膜の厚みを制御することで、綿状体2にコートされるウレタンアクリレート樹脂の厚みを制御しても構わない。なお、本実施例においては、綿状体2へのウレタンアクリレート樹脂の転写が完了した後に、UV光を照射して硬化させて、コートを完了させる。
次に、図3を用いて、綿状体2付近の構成についてより詳細に説明する。図3に示すように、綿状体2における各綿球部2a〜2dの径と、軸部3の径は略同寸法とされている。また、軸部3における綿状体2の後端付近にはテーパ部3aが設けられている。これにより、医療用綿棒1は、体壁に設けられた穴から体内に挿入された際に、綿状体2と軸部3との境界部がトロッカーに当接して円滑な挿入を阻害することや、体内組織に当接して体内組織を傷つけるなどの不都合を防止できる。また、軸部3における綿状体2と軸部3との境界部に応力が集中し、軸部3が当該部分で大きく変形したり破損したりすることを防止できる。
また、各綿球部2a〜2dの径と軸部3の径とを、トロッカーの筒穴径に合わせることで、当該トロッカーを用いる前提において、綿状体2による最大の吸収性と軸部3における最大の強度及び剛性を確保することが可能となる。
また、図4に示すように、軸部3は、綿状体2を支持するための綿支持部3bを有している。この綿支持部3bは、綿状体2の内部を略貫通する(先端に露出はしない)態様で綿状体2を支持している。そして、先端の綿球部2aの中心に相当する部分と、最後尾の綿球部2dの中心に相当する部分には、各々円筒状の抜け止め用返し3c及び、形状保持用返し3dを備えている。この抜け止め用返し3cにより、綿状体2が軸部3から脱落し
てしまうことを防止している。また、形状保持用返し3dは、綿状体2が軸部3から脱落することを、抜け止め用返し3cとともに防止し、且つ、綿状体2が軸部3から脱落しないまでも、その形状が変形してしまうことを防止している。ここで、綿状体2の変形とは、例えば、先端の綿球部2aは抜け止め用返し3cに保持されつつ、綿球部2b〜2dが先端側(前側)にずれるような場合を意味している。
なお、抜け止め用返し3c及び、形状保持用返し3dが各々、綿球部2a及び綿球部2dの中心に相当する部分に配置されているので、綿部分の厚みを最大限確保することができ、綿状体2の吸収性を維持するとともに、使用中に抜け止め用返し3cや形状保持用返し3dが露出することで、体内の組織を損傷する等の不都合を防止することが可能となっている。また、抜け止め用返し3c及び、形状保持用返し3dは円筒状の形状を有しているため、前後両側にエッジを効かせることが可能で、綿状体2の脱落や変形をより効果的に防止することが可能である。
図5には、軸部3単体の全体図を示す。図5においてD1は軸部径、D2は綿支持部3bの径、D3は抜け止め用返し3cの径、D4は形状保持用返し3dの径である。L1は軸部の全長、L2は綿支持部3bの長さ、L3は抜け止め用返し3cの長さ、L4は形状保持用返し3dの長さ、L5は、形状保持用返し3dの後端から綿支持部3bの後端までの長さを示している。
上記の軸部3の寸法は特に限定されず、医療用綿棒1の仕様によって適宜決定できるが、一例としては、
軸部径D1=φ3
綿支持部径D2=D1−1.8=φ1.2
抜け止め用返し径D3=D1−1=φ2
形状保持用返し径D4=D1−1.2=φ1.8
軸部全長L1=450
綿支持部長さL2=12mm
抜け止め用返し長さL3=1mm
形状保持用返し長さL4=1mm
形状保持用返し3dの後端から綿支持部3bの後端までの長さL5=1.5mm
テーパ部3aの傾斜角θ=45度としてもよい。
上記のD1〜D4の寸法によれば、体壁に形成する穴をより小さくする、より低侵襲性の高い手術に対応することが可能である。上記の寸法関係を採用した場合でも、本実施例においては軸部3の素材としてカーボンファイバーを用いているので、充分な強度、剛性及び靱性を確保することが可能である。また、抜け止め用返し径D3=D1−1、形状保持用返し径D4=D1−1.2という寸法を採用しているため、綿状体2の綿部分に充分な厚みを確保することができ、充分な吸収性を維持可能である。また、このことにより、抜け止め用返し3cや形状保持用返し3dが綿状体2から露出することを防止でき、露出した抜け止め用返し3cや形状保持用返し3dが体内の組織を損傷させることを防止可能である。また、テーパ角θを45度としているので、応力集中の防止及び引っ掛かり防止の効果と、軸部3の強度確保のバランスを適切にとることが可能となっている。
また、軸部3の寸法関係の他の例としては、各部の径を以下のように変更したものが挙げられる。
軸部径D1=φ5
綿支持部径D2=D1−1.8=φ3.2
抜け止め用返し径D3=D1−1=φ4
形状保持用返し径D4=D1−1.2=φ3.8
これによれば、広く使用されている、φ5mmの器具に対応したトロッカーの筒穴から、良好に医療用綿棒1を体内に挿入することを可能とするとともに、軸部3全体としての強度、剛性をより高めることが可能となる。
上記の実施例においては、綿状体2にコートする樹脂としてウレタンアクリレート樹脂を用いた例について説明したが、同様の効果が得られ、生体適合性がある樹脂であれば、他の樹脂を用いることを排除する趣旨ではない。例えば、光硬化性オリゴマーを例示した場合には、ポリエステル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレートなどを挙げることができる。
また、上記の実施例においては、綿状体2にウレタンアクリレート樹脂をコートする際には、回転ドラム式のバッファ部材に形成されたウレタンアクリレート樹脂膜を、綿状体2に転写する方法を例示したが、綿状体2にウレタンアクリレート樹脂をコートする方法は上記に限られない。例えば、綿状体2をウレタンアクリレート樹脂が貯留された槽に浸漬し、その浸漬時間を調整することでウレタンアクリレート樹脂の厚みを制御してもよい。また、ディスペンサーにより、ウレタンアクリレート樹脂を綿状体2に供給し、これを綿状体2の表面に拡散させることによりコートし、ディスペンサーによるウレタンアクリレート樹脂の供給量を調整することでウレタンアクリレート樹脂の厚みを制御してもよい。さらに、綿状体2にウレタンアクリレート樹脂を塗布後、所定寸法の枠を通すことにより余分なウレタンアクリレート樹脂を除去することでウレタンアクリレート樹脂の厚みを制御してもよい。
また、軸部3の寸法関係を上記に示した例に限定する趣旨でないことは当然である。
1・・・・医療用綿棒
2・・・・綿状体
2a〜2d・・・・綿球部
3・・・・軸部
3a・・・・テーパ部
3b・・・・綿支持部
3c・・・・抜け止め用返し
3d・・・・形状保持用返し

Claims (12)

  1. 手術時に体内に挿入されて使用される医療用綿棒であって、
    使用者が把持する棒状の軸部と、
    前記軸部の先端に設けられた綿状体とを備え、
    前記綿状体の表面はウレタンアクリレート樹脂でコートされており、
    前記樹脂のコート厚みは100μm以上500μm以下であることを特徴とする医療用綿棒。
  2. 前記綿状体は、塊状の綿球部が複数連結した形状を有し、
    前記綿球部の径と、前記軸部の径が略同じであることを特徴とする請求項1に記載の医療用綿棒。
  3. 前記軸部は、前記綿状体を略貫通する綿支持部を有し、
    前記綿支持部は、前記綿状体の先端の前記綿球部の中央部に配置する抜け止め用返しと、最後尾の前記綿球部の中央部に配置する形状保持用返しを有することを特徴とする請求項2に記載の医療用綿棒。
  4. 前記抜け止め用返し及び、前記形状保持用返しは円筒形状を有し、
    前記軸部における、前記綿状体の直後の部分がテーパ状の形状を有することを特徴とする請求項3に記載の医療用綿棒。
  5. 前記軸部及び、前記綿球部の径は2.5mm以上3.5mm以下であることを特徴とする請求項2から4のいずれか一項に記載の医療用綿棒。
  6. 前記抜け止め用返し及び前記形状保持用返しの径は、1.5mm以上2.3mm以下であることを特徴とする請求項3に記載の医療用綿棒。
  7. 前記軸部及び、前記綿球部の径は4.5mm以上5.5mm以下であることを特徴とする請求項2から4のいずれか一項に記載の医療用綿棒。
  8. 前記抜け止め用返し及び前記形状保持用返しの径は、3.5mm以上4.3mm以下であることを特徴とする請求項3に記載の医療用綿棒。
  9. 前記綿支持部の長さは10mm以上15mm以下であることを特徴とする請求項3または4に記載の医療用綿棒。
  10. 全長が400mm以上500mm以下であることを特徴とする請求項1から9のいずれか一項に記載の医療用綿棒。
  11. 前記テーパ状の形状のテーパ角は40度以上50度以下であることを特徴とする請求項4に記載の医療用綿棒。
  12. 前記軸部はカーボンファイバーからなることを特徴とする請求項1から11のいずれか一項に記載の医療用綿棒。
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