以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態に係る蓄電モジュールについて説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも本発明の好ましい一具体例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
(実施の形態)
まず、蓄電モジュール1の構成について、説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る蓄電モジュール1の外観を示す斜視図である。また、図2は、本発明の実施の形態に係る蓄電モジュール1を分解した場合の各構成要素を示す分解斜視図である。
なお、これらの図では、Z軸方向を上下方向として示しており、以下ではZ軸方向を上下方向として説明するが、使用態様によってはZ軸方向が上下方向にならない場合も考えられるため、Z軸方向は上下方向となることには限定されない。以下の図においても、同様である。
蓄電モジュール1は、外部からの電気を充電し、また外部へ電気を放電することができる装置である。例えば、蓄電モジュール1は、電力貯蔵用途や電源用途などに使用される高電圧の電池モジュールである。
これらの図に示すように、蓄電モジュール1は、複数の単位モジュール11、12及び13を有するモジュール群10、下側連結部材20、上側連結部材30及び冷却装置40を備えている。なお、蓄電モジュール1は、1つの単位モジュールしか備えていない構成でもかまわない。
モジュール群10は、X軸方向に一列に並ぶ複数の単位モジュール11、12及び13を備えている。また、単位モジュール11には、後述する正極外部端子のカバーである正極外部端子カバー11aと、後述する負極外部端子のカバーである負極外部端子カバー11bとが設けられている。蓄電モジュール1は、この正極外部端子カバー11a内の正極外部端子と、負極外部端子カバー11b内の負極外部端子とを介して、外部からの電気を充電し、また外部へ電気を放電する。
単位モジュール11、12及び13は、1以上の蓄電素子をモジュールケース14に収容した矩形状のモジュールであり、それぞれ同様の構成を有している。また、単位モジュール11、12及び13のうちの隣り合う単位モジュールの正極端子と負極端子とが電気的に接続されることで、単位モジュール11、12及び13内の全ての蓄電素子が直列に接続されている。この単位モジュール11、12及び13の詳細な構成についての説明は、後述する。
下側連結部材20及び上側連結部材30は、複数の単位モジュール11、12及び13を連結する部材であり、下側連結部材20は下側の連結部材、上側連結部材30は、上側の連結部材である。つまり、下側連結部材20と上側連結部材30とで単位モジュール11、12及び13を挟み込むように固定することで、単位モジュール11、12及び13を連結する。
具体的には、下側連結部材20及び上側連結部材30は、平板状の部材であり、例えば金属などの導電性の部材によって形成されている。これにより、単位モジュール11、12及び13を強固に安定して固定することができる。なお、通常、下側連結部材20及び上側連結部材30の表面を絶縁コーティングするのは困難であるため、下側連結部材20及び上側連結部材30は導電性の部材となっている。
また、下側連結部材20には、複数の単位モジュール11、12及び13のそれぞれが有するモジュールケース14が載置される。
ここで、下側連結部材20は、底部21と、第一立壁22と、第二立壁23とを有している。底部21は、複数の単位モジュール11、12及び13が載置される平板状部材である。第一立壁22は、複数の単位モジュール11、12及び13の配列方向の一端に設けられた立壁であり、第二立壁23は、当該配列方向の他端に設けられた立壁である。つまり、第一立壁22は、底部21の当該配列方向の一端から立ち上がるように設けられた壁であり、第二立壁23は、底部21の当該配列方向の他端から立ち上がるように設けられた壁である。
また、第一立壁22には、開口部22aが形成されており、第二立壁23には、開口部23aが形成されている。開口部22aは、第一立壁22の中央部分に形成された矩形状の貫通孔である。開口部23aは、第二立壁23の中央部分に形成された、Y軸方向に並ぶ3つの矩形状の貫通孔である。
ここで、開口部22a及び開口部23aは、後述の第一空間110bに連通する開口部である。つまり、開口部22a及び開口部23aが形成されていることで、第一空間110bが第一立壁22及び第二立壁23に遮られることなく、開口部22a及び開口部23aを介して蓄電モジュール1の外方と接続される。
なお、開口部22a及び開口部23aは、矩形状の貫通孔でなくともよく、円形状や三角形状などの貫通孔であってもよいし、矩形状や半円形状などの切り欠き等であってもかまわない。また、開口部22a及び開口部23aの個数についても、上記の個数には限定されない。
冷却装置40は、モジュール群10のX軸方向プラス側の側方に配置され、モジュール群10の内方に冷却媒体を流入させる冷却用のファンである。つまり、冷却装置40は、複数の単位モジュール11、12及び13の配列方向において、端部の単位モジュール13と対向する位置に配置されている。そして、冷却装置40は、モジュール群10のX軸マイナス側の端面から冷却媒体である外部の空気を吸い込み、複数の単位モジュール11、12及び13のそれぞれが有するモジュールケース14内方に当該空気を流入させる。そして、冷却装置40は、当該空気を、モジュール群10のX軸プラス側の端面から吐き出して冷却装置40の背面から排出する。
なお、冷却装置40は、モジュール群10のX軸プラス側の端面から外部の空気を吸い込み、モジュール群10のX軸マイナス側の端面から当該空気を吐き出す構成でもかまわない。また、冷却装置40がモジュール群10内に流入させる冷却媒体は空気には限定されず、冷却器などにより冷却された冷気などであってもよい。また、本実施の形態では、冷却装置40は、2つのファンを有しているが、冷却装置40が有するファンの個数は限定されない。また、冷却装置40は、モジュール群10内に冷却媒体を流入させるものであれば、ファンでなくともかまわない。
次に、モジュール群10に含まれる単位モジュール11、12及び13の詳細な構成について、説明する。なお、単位モジュール11、12及び13はそれぞれ同様の構成を有するため、以下では単位モジュール11についての説明を行い、単位モジュール12及び13の構成の説明については省略する。
図3は、本発明の実施の形態に係る単位モジュール11を分解した場合の各構成要素を示す分解斜視図である。
同図に示すように、単位モジュール11は、ケース本体100と蓋体700とからなるモジュールケース14、及び、モジュールケース14に収容される複数の蓄電素子200(同図では4つの蓄電素子200)と規制部材300とバスバー430と基板600とを備えている。なお、モジュールケース14内に収容される蓄電素子200は、複数でなくともよく、1つの蓄電素子200しか収容されていない構成でもかまわない。
モジュールケース14は、単位モジュール11の外装体を構成する矩形状(箱状)の容器である。モジュールケース14は、複数の蓄電素子200や基板600などを所定の位置に配置し、複数の蓄電素子200や基板600などを衝撃などから保護する。また、モジュールケース14は、例えばポリカーボネート等の樹脂などの絶縁性の材料により構成されており、蓄電素子200や基板600などが外部の金属部材などに接触することを回避する。
ここで、モジュールケース14は、ケース本体100と蓋体700とを有している。ケース本体100は、モジュールケース14の本体を構成する有底矩形筒状の部材である。蓋体700は、モジュールケース14の蓋を構成する部材であり、ケース本体100の開口を塞ぐ扁平な矩形状の部材である。
具体的には、ケース本体100内方に、複数の蓄電素子200、規制部材300、バスバー430の順に配置され、ケース本体100の開口部が蓋体700で閉止される。このように、重量物である複数の蓄電素子200を最下部に配置することで、単位モジュール11の安定性が向上する。なお、ケース本体100の詳細な構成の説明については、後述する。
ここで、複数の蓄電素子200は、ケース本体100内方に、Y軸方向に並んで配列されている。つまり、複数の蓄電素子200は、配列方向が、複数の単位モジュール11、12、13の配列方向と交差(本実施の形態では、直交)するように配置されている。言い換えれば、複数の単位モジュール11、12、13は、配列方向が、それぞれの単位モジュール11、12、13が有する複数の蓄電素子200の配列方向と交差(本実施の形態では、直交)するように配置されている。
規制部材300は、複数の蓄電素子200の上方に配置される扁平な矩形状の部材である。規制部材300は、例えば樹脂などの絶縁性の材料により構成されている。ここで、規制部材300は、ケース本体100内での複数の蓄電素子200の位置を規制する部材である。具体的には、規制部材300は、ケース本体100の内方に嵌め込まれ、複数の蓄電素子200を上方から押さえ込むことで、複数の蓄電素子200をケース本体100に固定する。
また、規制部材300には、基板600が載置される。このように、規制部材300は、蓄電素子200をケース本体100に固定する機能を有するとともに、基板600の載置台としても機能する。
バスバー430は、規制部材300の上方に配置される部材である。バスバー430は、金属など導電性の部材であり、複数の蓄電素子200同士を電気的に接続する。具体的には、バスバー430は、隣接する蓄電素子200において、1の蓄電素子200の正極端子または負極端子と、他の蓄電素子200の負極端子または正極端子とを接続する。
また、単位モジュール11には、正極外部端子カバー11a内に配置される正極外部端子410と、負極外部端子カバー11b内に配置される負極外部端子420とが設けられている。正極外部端子410及び負極外部端子420は、蓄電モジュール1が外部からの電気を充電し、また外部へ電気を放電するための電極端子である。つまり、蓄電モジュール1は、正極外部端子410及び負極外部端子420を介して、外部からの電気を充電し、また外部へ電気を放電する。
基板600は、複数の蓄電素子200の状態を取得し、監視し、制御することのできる基板であり、配線440によって複数の蓄電素子200に接続されている。ここで、配線440は、蓄電素子200の正極端子230または負極端子240と基板600とを繋ぐリード線である。なお、同図では、配線440は短く省略して図示している。
具体的には、基板600は、複数の蓄電素子200の充電状態や放電状態(電圧、温度などの電池状態)などを監視するための制御基板である。基板600には、例えば、当該監視を行ったり、リレーのオン、オフを制御したり、他の機器と通信を行ったりするための制御回路(図示せず)が設けられている。
また、基板600は、規制部材300上に配置され、かつ、蓋体700に覆われるように配置されている。つまり、基板600は、規制部材300と蓋体700とで挟まれることで、規制部材300と蓋体700とに保護されるように配置されている。また、このように、上部に電装部品を一体化させることで、蓄電モジュール1の組立性及びメンテナンス性が向上する。
次に、蓄電素子200の構成について、詳細に説明する。
図4は、本発明の実施の形態に係る蓄電素子200を内部を透視して示す斜視図である。また、図5は、本発明の実施の形態に係る蓄電素子200を下方から見た場合の外観を示す斜視図である。
蓄電素子200は、電気を充電し、また、電気を放電することのできる二次電池(単電池)であり、より具体的には、リチウムイオン二次電池などの非水電解質二次電池である。なお、蓄電素子200は、非水電解質二次電池には限定されず、非水電解質二次電池以外の二次電池であってもよいし、キャパシタであってもよい。
まず図4に示すように、蓄電素子200は、容器210、正極端子230及び負極端子240を備え、容器210は、上壁である容器蓋部220を備えている。また、容器210内方には、電極体250、正極集電体260及び負極集電体270が配置されている。なお、容器210の内部には電解液などの液体が封入されているが、当該液体の図示は省略する。
容器210は、金属からなる矩形筒状で底を備える筐体本体と、当該筐体本体の開口を閉塞する金属製の容器蓋部220とで構成されている。また、容器210は、電極体250等を内部に収容後、容器蓋部220と筐体本体とが溶接等されることにより、内部を密封することができるものとなっている。なお、容器210の材質は、特に限定されないが、例えばステンレス鋼やアルミニウムなど溶接可能な金属であるのが好ましい。
また、図5に示すように、容器210は、蓄電素子側面210a及び210bの周囲を覆う絶縁性のシート部材211と、蓄電素子底面210cを覆う絶縁性のシート部材212とを有している。ここで、蓄電素子側面210aは、容器210の長側面であり、蓄電素子側面210bは、容器210の短側面であり、蓄電素子底面210cは、容器210の底面である。
つまり、シート部材212は、蓄電素子底面210cを覆うことで、蓄電素子底面210cを保護して傷付きを防止し、絶縁性を確保するための絶縁シートである。また、シート部材211は、蓄電素子底面210cを覆うことなく、蓄電素子底面210cに隣接する側面である蓄電素子側面210a及び210bの周囲を覆うことで、蓄電素子側面210a及び210bを保護して傷付きを防止し、絶縁性を確保するための絶縁シートである。
このような構成により、蓄電素子底面210cの周囲に位置する、シート部材211とシート部材212との境目に、隙間が生じている。なお、シート部材211及びシート部材212は、絶縁性を有していなくともよく、この場合でも、傷付きを防止するという効果は得られる。
図4に戻り、電極体250は、正極と負極とセパレータとを備え、電気を蓄えることができる発電要素である。具体的には、電極体250は、正極と負極との間にセパレータが挟み込まれるように層状に配置されたものを全体が長円形状となるように巻回されて形成された巻回型の電極体である。なお、電極体250は、平板状極板を積層した積層型の電極体であってもかまわない。
ここで、正極は、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる長尺帯状の導電性の正極集電箔の表面に正極活物質層が形成された電極板であり、負極は、銅または銅合金からなる長尺帯状の導電性の負極集電箔の表面に負極活物質層が形成された電極板であり、セパレータは、微多孔性のシートである。なお、蓄電素子200に用いられる正極、負極及びセパレータは、特に従来用いられてきたものと異なるところはなく、蓄電素子200の性能を損なうものでなければ適宜公知の材料を使用できる。また、容器210に封入される電解液(非水電解液)としても、蓄電素子200の性能を損なうものでなければその種類に特に制限はなく様々なものを選択することができる。
正極端子230は、正極集電体260を介して、電極体250の正極に電気的に接続された電極端子であり、負極端子240は、負極集電体270を介して、電極体250の負極に電気的に接続された電極端子であり、いずれも容器蓋部220に取り付けられている。つまり、正極端子230及び負極端子240は、電極体250に蓄えられている電気を蓄電素子200の外部空間に導出し、また、電極体250に電気を蓄えるために蓄電素子200の内部空間に電気を導入するための金属製の電極端子である。
具体的には、蓄電モジュール1に備えられた複数の蓄電素子200のうち正極外部端子410側に配置された蓄電素子200の正極端子230が正極外部端子410と接続され、当該蓄電素子200の負極端子240は、隣接する蓄電素子200の正極端子230と接続される。また同様に、当該複数の蓄電素子200のうち負極外部端子420側に配置された蓄電素子200の負極端子240が負極外部端子420と接続され、当該蓄電素子200の正極端子230は、隣接する蓄電素子200の負極端子240と接続される。また、その他の蓄電素子200の正極端子230または負極端子240は、隣接する蓄電素子200の負極端子240または正極端子230と接続される。
正極集電体260は、電極体250の正極と容器210の側壁との間に配置され、正極端子230と正極とに電気的に接続される導電性と剛性とを備えた部材である。なお、正極集電体260は、正極の正極集電箔と同様、アルミニウムで形成されている。また、負極集電体270は、電極体250の負極と容器210の側壁との間に配置され、負極端子240と電極体250の負極とに電気的に接続される導電性と剛性とを備えた部材である。なお、負極集電体270は、負極の負極集電箔と同様、銅で形成されている。
次に、モジュールケース14のケース本体100について、詳細に説明する。
図6は、本発明の実施の形態に係るケース本体100の構成を示す斜視図である。また、図7は、本発明の実施の形態に係るケース本体100を上方から見た場合の平面図である。また、図8は、本発明の実施の形態に係るケース本体100内方に蓄電素子200が配置された状態を上方から見た場合の平面図である。
また、図9A及び図9Bは、本発明の実施の形態に係るケース本体100内方に蓄電素子200が配置された状態を拡大して示す断面図である。具体的には、図9Aは、図8に示されたケース本体100及び蓄電素子200をA−A断面で切断した場合のY軸マイナス側の部分を拡大して示す断面図である。また、図9Bは、図8に示されたケース本体100及び蓄電素子200をB−B断面で切断した場合のY軸マイナス側の部分を拡大して示す断面図である。
これらの図に示すように、ケース本体100は、ケース底面部110とケース側面部120と仕切部130とで構成され、上部に開口部が形成された有底矩形筒状の部材である。そして、このケース本体100上部の開口部から、複数の蓄電素子200が挿入され収容される。
本実施の形態では、蓄電素子200は、容器蓋部220が上方(Z軸プラス方向)に向くように、ケース本体100内に収容される。つまり、蓄電素子200の蓄電素子底面210cがケース底面部110に対向し、蓄電素子200の蓄電素子側面210a、210bがケース側面部120及び仕切部130に対向するように、ケース本体100内に蓄電素子200が収容される。
ケース底面部110は、ケース本体100の底面部であり、矩形状かつ平板状の部位である。ケース側面部120は、ケース底面部110の四方を覆う4つの矩形状かつ平板状の側面部からなる四角筒形状の部位である。仕切部130は、ケース本体100内方に配置される複数の蓄電素子200を仕切るための矩形状かつ平板状の部位である。
また、蓄電素子200から発せられる熱をケース本体100の外部へ放熱するために、ケース側面部120には、複数の矩形状の開口部が内周に沿って環状に形成されている。なお、ケース側面部120に形成された開口部は、矩形状には限定されない。
ここで、ケース側面部120は、当該複数の開口部を仕切る柱部120c〜120fを有している。柱部120c〜120fは、複数の単位モジュール11、12及び13の配列方向(X軸方向)と交差する方向(Z軸方向)に延びる柱状の部位である。
つまり、柱部120c〜120fのそれぞれは、当該複数の開口部のうちの隣り合う開口部の間に配置されている。言い換えれば、柱部120c〜120fのそれぞれは、ケース側面部120に形成された開口部を分割するように配置されており、また、柱部120c〜120fが有するそれぞれの柱状部位の両側方には、開口部が形成されている。
柱部120c及び120dは、モジュールケース14のケース側面部120が有する4つの側面部のうち、対向する一対の側面部のそれぞれに形成された長尺状の部位である。そして、当該対向する一対の側面部に形成されたそれぞれの柱部120c、120dは、複数の単位モジュール11、12及び13の配列方向において、異なる位置に設けられている。つまり、柱部120cと柱部120dとは、隣接するモジュールケース14が有する柱部と重ならないように、X軸方向の位置が異なる位置に設けられている。
また、柱部120e及び120fは、ケース側面部120が有する4つの側面部のうち、他の対向する一対の側面部のそれぞれに形成された長尺状の部位である。そして、それぞれの柱部120e、120fは、Y軸方向において、同じ位置に設けられている。これにより、隣接するモジュールケース14が有する柱部が重なって配置されるため、複数の単位モジュール11、12及び13の配列方向において、空気などの冷却媒体をスムーズに流すことができる。
なお、本実施の形態では、柱部120c及び120dは、それぞれ1本の柱状部位を有しており、柱部120e及び120fは、それぞれ2本の柱状部位を有しているが、当該柱状部位の本数は限定されない。
また、蓄電素子200から発せられた熱をケース側面部120の当該開口部へ導きやすいように、仕切部130は、蓄電素子200よりも高さ(Z軸方向の高さ)が低く形成されている。これによっても、複数の単位モジュール11、12及び13の配列方向(X軸方向)において、隣接する蓄電素子200の間に、空気などの冷却媒体をスムーズに流すことができる。
また、ケース本体100には、第一突出部100aと第二突出部100bとが形成されている。
第一突出部100aは、蓄電素子200の蓄電素子底面210cとケース底面部110とで空間が形成されるように、蓄電素子底面210c及びケース底面部110のうちの少なくとも一方から突出する突出部である。本実施の形態では、第一突出部100aは、ケース底面部110から突出する突出部であり、ケース底面部110に形成された四隅突出部111と四隅間突出部112と中央突出部113とを有している。
つまり、図9Aに示すように、第一突出部100a(同図では四隅突出部111及び中央突出部113)は、ケース本体100内方に配置される1以上の蓄電素子200のうちの少なくとも1つの蓄電素子200の蓄電素子底面210cと第一ケース面110aとで第一空間110bが形成されるように、第一ケース面110aから突出する突出部である。
ここで、第一ケース面110aとは、蓄電素子底面210cに対向するモジュールケース14の面である。つまり、第一ケース面110aは、ケース底面部110の上面(Z軸プラス側の面)である。
また、第一ケース面110aの蓄電素子底面210cに対応する領域には、貫通孔や切欠きなどの開口部が形成されていない。つまり、ケース底面部110の蓄電素子底面210cの直下の領域には、当該開口部が形成されていない。なお、ケース底面部110の蓄電素子底面210cの直下でない領域には開口部が形成されていてもかまわないが、蓄電素子200と下側連結部材20との間の絶縁性を確保するために、ケース底面部110の全体に開口部が形成されていないのが好ましい。
四隅突出部111は、蓄電素子200の蓄電素子底面210cの四隅に対応した位置に配置される矩形状の突出部である。つまり、四隅突出部111は、1つの蓄電素子200に対して、4つの突出部を有しており、ケース本体100内方に配置される全ての蓄電素子200に対応して形成されている。
四隅間突出部112は、隣り合う2つの四隅突出部111の間に配置される矩形状の突出部である。本実施の形態では、四隅間突出部112は、当該2つの四隅突出部111の間に1つ形成されていたり、2つ形成されていたりしているが、3つ以上形成されていてもかまわない。
中央突出部113は、蓄電素子200の蓄電素子底面210cの中央部分に対応した位置に配置される突出部である。中央突出部113は、1つの蓄電素子200に対して、蓄電素子底面210cの長手方向(X軸方向)に延びる3つの棒状の突出部を有しており、ケース本体100内方に配置される全ての蓄電素子200に対応して形成されている。なお、中央突出部113が有する突出部は3つでなくともかまわない。
なお、四隅突出部111及び四隅間突出部112の形状は、上方(Z軸プラス側)から見た場合に矩形状を有しているが、矩形状には限定されず、円形状、楕円形状または長円形状などであってもよい。また、中央突出部113の形状は、上方(Z軸プラス側)から見た場合に長円形状を有しているが、長円形状には限定されず、楕円形状、円形状または矩形状などであってもよい。
また、四隅突出部111、四隅間突出部112及び中央突出部113の突出高さ(Z軸方向の高さ)は、同じ高さになるように形成されている。つまり、蓄電素子200がケース本体100内方に配置された状態で、四隅突出部111、四隅間突出部112及び中央突出部113は、上面(Z軸プラス側の面)が、蓄電素子200の蓄電素子底面210cに面接触するように形成されている。
なお、本実施の形態では、四隅突出部111、四隅間突出部112及び中央突出部113は、ケース底面部110と一体に形成されているが、四隅突出部111、四隅間突出部112及び中央突出部113のうちのいずれか1つが、ケース底面部110と別体で構成されていてもかまわない。
第二突出部100bは、蓄電素子200の蓄電素子側面210a、210bとケース側面部120または仕切部130とで空間が形成されるように、蓄電素子側面210a、210bとケース側面部120または仕切部130とのうちの少なくとも一方から突出する突出部である。本実施の形態では、第二突出部100bは、ケース側面部120及び仕切部130から突出する突出部であり、ケース側面部120に形成された側面突出部121、122と、仕切部130に形成された仕切突出部131とを有している。
つまり、図9A及び図9Bに示すように、第二突出部100b(同図では側面突出部121及び仕切突出部131)は、ケース本体100内方に配置される1以上の蓄電素子200のうちの少なくとも1つの蓄電素子200の蓄電素子側面210a、210bと第二ケース面120a、130aとで第二空間120b、130bが形成されるように、第二ケース面120a、130aから突出する突出部である。
ここで、第二ケース面120a、130aとは、蓄電素子側面210a、210bに対向するモジュールケース14の面である。つまり、第二ケース面120aは、ケース側面部120の側面であり、第二ケース面130aは、仕切部130の側面である。
また、第一空間110bと第二空間120b、130bとは、接続されて形成されている。つまり、第一空間110b及び第二空間120b、130bは閉鎖された空間ではなく、第一空間110bと第二空間120b、130bとは繋がって形成されている。
また、第一空間110bは、図2に示された第一立壁22の開口部22a及び第二立壁23の開口部23aと連通している。つまり、第一空間110b及び第二空間120b、130bは、開口部22a及び開口部23aを介して、蓄電モジュール1の外方と接続される。
具体的には、単位モジュール11のモジュールケース14のケース側面部120に形成された柱部120eが仕切る3つの開口部のうちの中央の開口部と、第一立壁22に形成された開口部22aとが隣り合って配置されることで、当該中央の開口部内の空間と開口部22a内の空間とが連通している。また、単位モジュール13のモジュールケース14のケース側面部120に形成された柱部120fが仕切る3つの開口部と、第二立壁23に形成された3つの開口部23aとが隣り合って配置されることで、当該3つの開口部内の空間と開口部23a内の空間とが連通している。これにより、第一空間110b及び第二空間120b、130bは、開口部22a及び開口部23a内の空間と連通し、蓄電モジュール1の外方の空間と接続される。
側面突出部121、122は、ケース側面部120の内面の周囲に形成された矩形状の突出部であり、仕切突出部131は、仕切部130の両側面に形成された矩形状の突出部である。つまり、側面突出部121、122及び仕切突出部131は、ケース本体100内方に配置される全ての蓄電素子200の側面全体を取り囲むように側面全周にわたって形成されている。
なお、側面突出部121、122及び仕切突出部131の形状は、矩形状には限定されず、ケース側面部120から内方に向けて円柱状に突出した円柱形状や、円錐台形状、角錐台形状、円錐形状または角錐形状などであってもかまわない。
また、側面突出部121及び122の突出高さ(X軸またはY軸方向の高さ)は、同じ高さになるように形成され、仕切突出部131の突出高さ(Y軸方向の高さ)は、同じ高さになるように形成されている。つまり、蓄電素子200がケース本体100内方に配置された状態で、側面突出部121、122及び仕切突出部131は、先端面が、蓄電素子200の蓄電素子側面210aまたは210bに面接触するように形成されている。
なお、本実施の形態では、側面突出部121及び122は、ケース側面部120と一体に形成されているが、側面突出部121及び122のうちのいずれか1つが、ケース側面部120と別体で構成されていてもかまわない。また、本実施の形態では、仕切突出部131は、仕切部130と一体に形成されているが、仕切突出部131は、仕切部130と別体で構成されていてもかまわない。
次に、蓄電モジュール1の活用例について説明する。図10は、本発明の実施の形態に係る蓄電モジュール1を備える蓄電パック2の構成を示す斜視図である。
同図に示すように、蓄電パック2は、電池モジュール1が複数個(例えば10個〜40個)配列された大型の電源装置であり、電力貯蔵用途や大型の電源用途などに使用される電池パックである。蓄電パック2は、当該複数の蓄電モジュール1と、当該複数の蓄電モジュール1を収容するパックケース2aとを備えている。
そして、当該複数の蓄電モジュール1のうちの隣り合う蓄電モジュール1の正極外部端子410と負極外部端子420とが電気的に接続されることで、高電圧の蓄電パック2を構成している。なお、蓄電パック2に備えられる蓄電モジュール1の個数は、特に限定されない。
以上のように、本発明の実施の形態に係る蓄電モジュール1によれば、蓄電素子200の蓄電素子底面210cとモジュールケース14の第一ケース面110aとで第一空間110bが形成されるように、第一ケース面110aから突出する第一突出部100aを備えている。これにより、蓄電素子200から発せられる熱が、第一突出部100aによって形成された第一空間110bを介して放熱されるため、モジュールケース14内方に配置された蓄電素子200を効率よく冷却することができる。
したがって、蓄電素子200を冷却することができるため、図10に示された蓄電パック2のパックケース2a内で蓄電モジュール1を外部から冷却することなく、蓄電モジュール1を冷却することができる。
また、蓄電素子200の側面はシート部材211で覆われているため、蓄電素子200からの熱は、蓄電素子200の側面よりも底面からの方が放熱しやすい。このため、蓄電素子200の底面側に形成された第一空間110bを介して放熱させることで、蓄電素子200を効率よく冷却することができる。
また、蓄電素子底面210cの四隅に対応した位置に四隅突出部111が形成されているため、モジュールケース14内に蓄電素子200が配置された場合に、蓄電素子底面210cの四隅で蓄電素子200を支持することができる。このため、モジュールケース14内で蓄電素子200を安定して載置することができる。
また、蓄電素子底面210cの中央部分に対応した位置に中央突出部113が形成されているため、モジュールケース14内に蓄電素子200が配置された場合に、蓄電素子底面210cの中央部分で蓄電素子200を支持することができる。このため、モジュールケース14内で蓄電素子底面210cの中央部分が膨れてくるのを抑制し、モジュールケース14内で蓄電素子200を安定して載置することができる。
また、蓄電モジュール1は、蓄電素子200の蓄電素子側面210a、210bとモジュールケース14の第二ケース面120a、130aとで第二空間120b、130bが形成されるように、第二ケース面120a、130aから突出する第二突出部100bをさらに備えている。これにより、蓄電素子200から発せられる熱が、第二突出部100bによって形成された第二空間120b、130bを介して放熱されるため、モジュールケース14内方に配置された蓄電素子200を効率よく冷却することができる。
また、蓄電素子底面210c側の第一空間110bと蓄電素子側面210a、210b側の第二空間120b、130bとが繋がって形成されているため、蓄電素子200から発せられる熱が、第一空間110bと第二空間120b、130bとを介して放熱される。このため、蓄電素子200とモジュールケース14との間に当該熱がこもり難く、蓄電素子200を効率よく冷却することができる。
また、モジュールケース14の蓄電素子底面210cに対向する部分には貫通孔が形成されていないため、モジュールケース14を導電性部材の上に載置しても、蓄電素子200と当該導電性部材との間の絶縁性を確保することができる。つまり、蓄電素子200と当該導電性部材との間の短絡を防ぐためにモジュールケース14に貫通孔を形成しない構成であっても、蓄電素子200を効率よく冷却することができる。
また、蓄電モジュール1は、複数の単位モジュール11、12及び13を連結するとともにモジュールケース14が載置される導電性の下側連結部材20を備えているが、モジュールケース14の蓄電素子底面210cに対向する部分には貫通孔が形成されていないため、蓄電素子200と下側連結部材20との間の絶縁性を確保することができる。つまり、下側連結部材20に絶縁コーティングを行うのが困難であることなどにより導電性の下側連結部材20にモジュールケース14を載置しなければならないような構成であっても、蓄電素子200と下側連結部材20との間の短絡を防ぎつつ蓄電素子200を効率よく冷却することができる。
また、複数の単位モジュール11、12及び13を平板状部材である下側連結部材20の底部21に載置することで、複数の単位モジュール11、12及び13を揃えて配置することができるため、複数の単位モジュール11、12及び13を冷却する冷却媒体をスムーズに流すことができる。
また、隣り合う単位モジュールを電気的に接続することで、蓄電モジュール1内の複数の単位モジュール11、12及び13を容易に接続することができる。
また、複数の単位モジュール11、12及び13と複数の蓄電素子200とが直交して配置されるため、複数の単位モジュール11、12及び13の配列方向に冷却媒体を流すことで、複数の蓄電素子200の間に当該冷却媒体を流すことができる。
また、複数の単位モジュール11、12及び13を平板状部材である下側連結部材20の底部21に固定するために第一立壁22及び第二立壁23が設けられているが、複数の単位モジュール11、12及び13の配列方向に冷却媒体を流した場合に、第一立壁22及び第二立壁23によって、当該冷却媒体の流れが遮られる虞がある。このため、第一立壁22及び第二立壁23に第一空間110bに連通する開口部22a、23aを設けることで、複数の単位モジュール11、12及び13の配列方向に冷却媒体を流す際に、当該冷却媒体が開口部22a、23aを通って第一空間110bに流入し、また流出することができる。
また、蓄電モジュール1は、それぞれのモジュールケース14内方に冷却媒体を流入させる冷却装置40を備えているため、それぞれの単位モジュール11、12、13内にこもった熱を放熱させ、それぞれの単位モジュール11、12、13を効率よく冷却することができる。
つまり、冷却装置40によって冷却媒体が第二突出部100b付近に流入するため、第一空間110bから第二空間120b、130bを介して流れる熱気が、当該冷却媒体によって流され、放熱性を向上させることができる。
また、冷却装置40を、複数の単位モジュール11、12及び13の配列方向端部の単位モジュール13と対向する位置に配置することで、当該配列方向に冷却媒体を流すことができるため、複数の単位モジュール11、12及び13に冷却媒体を通過させて冷却することができる。
また、モジュールケース14のケース側面部120には、大きな開口が開いている方が蓄電素子200からの熱がモジュールケース14の外方に放出されやすいが、当該大きな開口によってモジュールケース14の強度が低下する。このため、モジュールケース14のケース側面部120が柱部120c〜120fを有することで、モジュールケース14の強度を向上させることができる。
また、モジュールケース14のケース側面部120が有する一対の側面部の柱部120c、120dが、複数の単位モジュール11、12及び13の配列方向において同じ位置に配置されていれば、2つのモジュールケース14を隣接して配置した場合に、柱部同士が重なることで、冷却媒体の当該配列方向への流れが当該柱部によって遮られてしまう。このため、柱部120cと柱部120dとを、当該配列方向において異なる位置に設けることで、柱部120cまたは120dによって当該配列方向に流れる冷却媒体の流れが遮られることなく、当該冷却媒体をスムーズに流すことができる。
(変形例1)
次に、上記実施の形態の変形例1について、説明する。図11は、本発明の実施の形態の変形例1に係る蓄電素子201を下方から見た場合の外観を示す斜視図である。また、図12A及び図12Bは、本発明の実施の形態の変形例1に係るケース本体内方に蓄電素子201が配置された状態を拡大して示す断面図である。具体的には、図12Aは、上記実施の形態における図9Aに対応する図であり、図12Bは、上記実施の形態における図9Bに対応する図である。
図11に示すように、蓄電素子201は、上記実施の形態における蓄電素子200の容器210に代えて、容器280を備えている。容器280は、蓄電素子側面280a、280b及び蓄電素子底面280cを有し、蓄電素子底面280cには、第一突出部281が形成されている。つまり、容器280は、上記実施の形態における蓄電素子200の容器210の蓄電素子底面210cに突出部が形成された構成を有している。
なお、容器280は、蓄電素子側面280a及び280bの周囲を覆う絶縁性のシート部材や、蓄電素子底面280cを覆う絶縁性のシート部材を有しているなど、蓄電素子201のその他の構成については、上記実施の形態における蓄電素子200と同様であるため、詳細な説明は省略する。
第一突出部281は、蓄電素子201の蓄電素子底面280cとケース底面部110とで空間が形成されるように、蓄電素子底面280cから突出する突出部であり、四隅突出部282と中央突出部283とを有している。
つまり、図12A及び図12Bに示すように、第一突出部281(同図では四隅突出部282及び中央突出部283)は、ケース本体内方に配置される1以上の蓄電素子201のうちの少なくとも1つの蓄電素子201の蓄電素子底面280cと第一ケース面110cとで第一空間110dが形成されるように、蓄電素子底面280cから突出する突出部である。ここで、第一ケース面110cとは、蓄電素子底面280cに対向するモジュールケースの面である。
四隅突出部282は、蓄電素子201の蓄電素子底面280cの四隅に対応した位置に配置される棒状の突出部である。つまり、四隅突出部282は、1つの蓄電素子201に対して、4つの突出部を有しており、ケース本体内方に配置される全ての蓄電素子201に対して形成されている。なお、四隅突出部282の形状は、棒状に限定されない。
中央突出部283は、蓄電素子201の蓄電素子底面280cの中央部分に対応した位置に配置される突出部である。中央突出部283は、1つの蓄電素子201に対して、蓄電素子底面280cの長手方向(X軸方向)に延びる1つの棒状の突出部を有しており、ケース本体内方に配置される全ての蓄電素子201に対して形成されている。なお、中央突出部283は、2つ以上の突出部を有していることにしてもよく、形状も棒状に限定されない。
また、四隅突出部282及び中央突出部283の突出高さ(Z軸方向の高さ)は、同じ高さになるように形成されている。つまり、蓄電素子201がケース本体内方に配置された状態で、四隅突出部282及び中央突出部283は、下面(Z軸マイナス側の面)が、ケース底面部110の第一ケース面110cに面接触するように形成されている。
なお、本変形例では、四隅突出部282及び中央突出部283は、容器280と一体に形成されているが、四隅突出部282及び中央突出部283のうちのいずれか1つが、容器280と別体で構成されていてもかまわない。
以上のように、本発明の実施の形態の変形例1に係る蓄電モジュールによれば、蓄電素子201の蓄電素子底面280cと第一ケース面110cとで第一空間110dが形成されるように、蓄電素子底面280cから突出する第一突出部281を備えている。これにより、蓄電素子201から発せられる熱が、第一突出部281によって形成された第一空間110dを介して放熱されるため、モジュールケース内方に配置された蓄電素子201を効率よく冷却することができる。
(変形例2)
次に、上記実施の形態の変形例2について、説明する。図13は、本発明の実施の形態の変形例2に係る蓄電素子202を下方から見た場合の外観を示す斜視図である。
同図に示すように、蓄電素子202は、上記変形例1における蓄電素子201の容器280に代えて、容器290を備えている。容器290は、蓄電素子側面290a、290b及び蓄電素子底面290cを有し、蓄電素子底面290cには、第一突出部291が形成され、蓄電素子側面290a、290bには、第二突出部294が形成されている。つまり、容器290は、上記変形例1における蓄電素子201の容器280の蓄電素子側面280a、280bに突出部が形成された構成を有している。
第一突出部291は、蓄電素子202の蓄電素子底面290cとケース底面部110とで空間が形成されるように、蓄電素子底面290cから突出する突出部であり、四隅突出部292と中央突出部293とを有している。この第一突出部291(四隅突出部292及び中央突出部293)については、上記変形例1における四隅突出部282及び中央突出部283と同様であるため、詳細な説明は省略する。また、蓄電素子202のその他の構成についても、上記実施の形態または変形例1における蓄電素子と同様であるため、詳細な説明は省略する。
第二突出部294は、蓄電素子202の蓄電素子側面290a、290bとケース側面部120または仕切部130とで空間が形成されるように、蓄電素子側面290a、290bから突出する突出部である。
つまり、第二突出部294は、ケース本体内方に配置される1以上の蓄電素子202のうちの少なくとも1つの蓄電素子202の蓄電素子側面290a、290bと、蓄電素子側面290a、290bに対向するモジュールケースの面である第二ケース面とで第二空間が形成されるように、蓄電素子側面290a、290bから突出する突出部である。
また、第二突出部294は、蓄電素子側面290aから突出する矩形状の長側面突出部295と、蓄電素子側面290bから突出する矩形状の短側面突出部296とを有している。つまり、第二突出部294は、蓄電素子側面290a、290bの周囲全体にわたって形成される複数の突出部を構成する長側面突出部295及び短側面突出部296を有している。なお、長側面突出部295及び短側面突出部296の形状及び個数は、同図に示した形状及び個数には限定されない。
また、長側面突出部295の突出高さ(Y軸方向の高さ)は、同じ高さになるように形成され、短側面突出部296の突出高さ(X軸方向の高さ)は、同じ高さになるように形成されている。つまり、蓄電素子202がケース本体内方に配置された状態で、長側面突出部295及び短側面突出部296は、先端面が、ケース側面部120または仕切部130に面接触するように形成されている。
なお、長側面突出部295及び短側面突出部296は、容器290と一体に形成されていてもよいし、長側面突出部295及び短側面突出部296のうちのいずれか1つが、容器290と別体で構成されていてもよい。
以上のように、本発明の実施の形態の変形例2に係る蓄電モジュールによれば、蓄電素子202の蓄電素子側面290a及び290bとモジュールケースの第二ケース面とで第二空間が形成されるように、蓄電素子側面290a及び290bから突出する第二突出部294をさらに備えている。これにより、蓄電素子202から発せられる熱が、第二突出部294によって形成された第二空間を介して放熱されるため、モジュールケース内方に配置された蓄電素子202を効率よく冷却することができる。
以上、本発明の実施の形態及びその変形例に係る蓄電モジュールについて説明したが、本発明は、上記実施の形態及びその変形例に限定されるものではない。つまり、今回開示された実施の形態及びその変形例は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。また、上記実施の形態及び上記変形例を任意に組み合わせて構築される形態も、本発明の範囲内に含まれる。
例えば、上記実施の形態及びその変形例では、蓄電モジュールは、冷却装置40を備えていることとしたが、蓄電モジュールは、冷却装置40を備えていない構成でもかまわない。また、蓄電モジュールは、下側連結部材20及び上側連結部材30を備えていることとしたが、蓄電モジュールは、下側連結部材20または上側連結部材30を備えていない構成でもかまわない。
また、上記実施の形態及びその変形例では、下側連結部材20及び上側連結部材30は、導電性の部材によって形成されていることとしたが、下側連結部材20及び上側連結部材30は、樹脂など絶縁性の部材によって形成されていてもよい。この場合、モジュールケースの第一ケース面の蓄電素子底面に対応する領域に貫通孔が形成されている構成でもかまわない。
また、上記実施の形態及びその変形例では、蓄電素子は、側面及び底面を覆うシート部材を有していることとしたが、当該蓄電素子は、当該シート部材を有していない構成でもかまわない。
また、上記実施の形態及びその変形例では、第一突出部は、蓄電素子底面の四隅に対応した位置に四隅突出部を有していることとしたが、第一突出部は、蓄電素子底面の四隅のうちの二隅または三隅に対応した位置に突出部を有していることにしてもよい。これによっても、蓄電素子底面の四隅のうちの少なくとも2箇所で蓄電素子を支持することができるため、モジュールケース内で蓄電素子を安定して載置することができる。また、第一突出部は、蓄電素子底面の中央部分に対応した位置に中央突出部を有していることとしたが、第一突出部は、中央突出部を有していない構成でもかまわない。
また、上記実施の形態及びその変形例では、蓄電モジュールは、第一突出部によって形成された第一空間と、第二突出部によって形成された第二空間とが接続されていることとしたが、第一空間と第二空間とが接続されていない構成でもかまわない。また、蓄電モジュールは、第二突出部を備えていることとしたが、第二突出部を備えていない構成でもかまわない。
また、上記実施の形態及びその変形例では、モジュールケースは、蓄電素子が収容される容器であることとしたが、モジュールケースは、蓄電素子を保持することができるセル間スペーサであってもよい。
また、上記実施の形態及びその変形例では、蓄電素子底面は、電極端子の反対側の面であることとしたが、蓄電素子を横倒しして、蓄電素子の短側面がモジュールケースの底面に対向するように配置してもよく、この場合には、蓄電素子底面は、蓄電素子の短側面となる。この場合、蓄電素子の短側面はシート部材で覆うことなく、蓄電素子の短側面以外の面をシート部材で覆う構成にしてもよい。