JP2018087515A - ロータリ圧縮機システム、ロータリ圧縮機、モータ及び設計方法 - Google Patents

ロータリ圧縮機システム、ロータリ圧縮機、モータ及び設計方法 Download PDF

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郁男 江崎
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Abstract

【課題】モータの積厚を低減した空調機用ロータリ圧縮機を提供する。【解決手段】ロータリ圧縮機システムは、ロータリ圧縮機と、前記ロータリ圧縮機が備えるモータを制御するセンサレスベクトル制御回路と、を備え、前記モータにおいて、ステータの積厚が20mm以上70mm以下の範囲にある、ロータリ圧縮機システム。センサレスベクトル制御回路ではMRAS制御が用いられ、ロータリ圧縮機が備えるピストンロータの角速度変動を抑制する。【選択図】図5

Description

本発明は、ロータリ圧縮機システム、ロータリ圧縮機、モータ及び設計方法に関する。
近年の省エネルギー化の要求に対し、空調機用の圧縮機においても、通年エネルギー消費効率(APF)が重視されている。一般に圧縮機は、低速運転時に効率が低下することが多く、低速域での効率改善がAPFの向上にも大きく役立つ。また、省エネルギー化の要求とは別に、常にコストダウンの要求が存在する。コストダウンの要求に対しては、例えば、圧縮機が備えるモータの積厚の低減が検討されることがある。
なお、特許文献1には、空調機に用いる圧縮機について、圧縮機が備えるモータのステータと密閉容器との接触面積を小さくすることで、ステータから密閉容器を通じて周囲空気に伝達される熱量を低減し、その熱量を冷媒の加熱に利用する技術が開示されている。特許文献1には、ステータの作成に関し、厚さ0.2mm〜0.4mmの電磁鋼板を100〜200枚程度積層することが記載されている。
特開2008−101558号公報
ところで、圧縮機が備えるモータの積厚を低減すると、それだけ軸回転方向のイナーシャが小さくなる。すると、シリンダ内のガス圧縮トルクの変動により、角速度の変動が生じ、モータの効率が低下してしまう。このモータ効率の低下は、特に低速域で顕著である。従って、モータ効率の向上のためには、ある程度のモータ積厚を確保する必要があり、モータ積厚の低減によるコストダウンが難しかった。
そこでこの発明は、上述の課題を解決することのできるロータリ圧縮機システム、ロータリ圧縮機、モータ及び設計方法を提供することを目的としている。
本発明の第1の態様は、ロータリ圧縮機と、前記ロータリ圧縮機が備えるモータを制御するセンサレスベクトル制御回路と、を備え、前記モータにおいて、ステータの積厚が20mm以上70mm以下の範囲にある、ロータリ圧縮機システムである。
本発明の第2の態様における前記ロータリ圧縮機システムでは、前記モータにおいて、ステータの積厚が20mm以上60mm以下の範囲にある。
本発明の第3の態様における前記ロータリ圧縮機システムでは、前記モータにおいて、ステータの積厚が20mm以上50mm以下の範囲にある。
本発明の第4の態様における前記ロータリ圧縮機システムでは、前記モータのステータの外径が100mm以上125mm以下の範囲にある。
本発明の第5の態様は、センサレスベクトル制御によって制御されるモータを備えた空調機用のロータリ圧縮機であって、前記モータにおいて、ステータの積厚が20mm以上70mm以下の範囲にある、ロータリ圧縮機である。
本発明の第6の態様は、空調機用のロータリ圧縮機に搭載し、センサレスベクトル制御によって制御するモータであって、ステータの積厚が20mm以上70mm以下の範囲にある、モータである。
本発明の第7の態様は、空調機用のロータリ圧縮機に搭載し、センサレスベクトル制御によって制御するモータについて、低速域における前記モータのモータ効率の閾値を設定し、異なる積厚を有する複数の試験用モータの中から、前記閾値を達成することができ且つ最も積厚が小さい試験用モータを選択し、選択した試験用モータの積厚を前記モータの積厚として設定する、設計方法である。
本発明によれば圧縮機のモータの積厚を低減し、コストダウンを実現することができる。
本発明の一実施形態におけるロータリ圧縮機の縦断面図である。 本発明の一実施形態におけるロータリ圧縮機の制御回路を示す第一の図である。 本発明の一実施形態におけるロータリ圧縮機の制御回路を示す第二の図である。 本発明の一実施形態におけるモータの回転数とモータ効率との関係を示す図である。 本発明の一実施形態におけるステータ積厚の設計方法の一例を示すフローチャートである。
<実施形態>
以下、本発明の一実施形態によるロータリ圧縮機システムを図1〜図5を参照して説明する。
図1は、本発明の第一実施形態におけるロータリ圧縮機の側方断面図である。
図1に示すように、本実施形態に係る圧縮機10は、モータ18と、モータ18によって回転されるクランクシャフト16と、クランクシャフト16の回転に伴って偏心回転するピストンロータ13A,13Bと、ピストンロータ13A,13Bを収容する圧縮室が内部に形成されたシリンダ12A,12Bと、シリンダ12A,12Bを囲うことで圧縮された冷媒が排出される吐出空間Vを形成するハウジング11と、を備えている。
この圧縮機10は、円筒形状のハウジング11に、ディスク状のシリンダ12A、12Bが上下2段に設けられた、いわゆる2気筒タイプのロータリ圧縮機である。シリンダ12A、12Bの内部には、各々、シリンダ内壁面の内側よりも小さな外形を有する円筒状のピストンロータ13A、13Bが配置されている。ピストンロータ13A、13Bは、各々、ハウジング11の中心軸線に沿った回転軸の偏心軸部14A、14Bに挿入固定されている。
上段側のシリンダのピストンロータ13Aと、下段側のピストンロータ13Bとは、その位相が互いに180°だけ異なるように設けられている。
また、上下のシリンダ12A、12Bの間には、ディスク状の仕切板15が設けられている。仕切板15により、上段側のシリンダ12A内の空間Rと、下段側の空間Rとが互いに連通せずに圧縮室R1とR2とに仕切られている。
クランクシャフト16は、シリンダ12Aに固定された上部軸受部17A、及びシリンダ12Bに固定された下部軸受部17Bにより、軸線O回りに回転可能に支持されている。
クランクシャフト16は、クランクシャフト16の中心線に直交する方向にオフセットした偏心軸部14A、14Bを有している。これら偏心軸部14A、14Bがクランクシャフト16の中心軸線回りに旋回することで、上下のピストンロータ13A、13Bがこの旋回に追従してシリンダ12A、12B内で、偏心回転する。
クランクシャフト16は、上部軸受部17Aから上方(すなわち、圧縮機10から見てモータ18が位置する方向)に突出している。クランクシャフト16における軸線O方向一方側の端部には、該クランクシャフト16を回転駆動させるためのモータ18のモータロータ19が一体に設けられている。モータロータ19の外周部に対向して、ステータ20が、ハウジング11の内周面に固定して設けられている。
圧縮機10には、圧縮機10に供給するのに先立って冷媒を気液分離するアキュムレータ24がステー25を介してハウジング11に固定されている。アキュムレータ24には、アキュムレータ24内の冷媒を圧縮機10に吸入させるための吸入管26A、26Bが設けられている。吸入管26A、26Bの先端部は、開口22A、22Bを通して、吸入ポート23A、23Bに接続されている。
圧縮機10は、アキュムレータ24の吸入口24aからアキュムレータ24の内部に冷媒を取り込む。具体的には、アキュムレータ24内で冷媒を気液分離して、その気相を吸入管26A、26Bから、シリンダ12A、12Bの吸入ポート23A、23Bを介し、シリンダ12A、12Bの内部空間である圧縮室R1、R2に供給する。
そして、ピストンロータ13A、13Bが偏心回転することにより、圧縮室R1、R2の容積が徐々に減少して冷媒が圧縮される。この冷媒は、モータ18の周囲を通過してから、上部に設けられた吐出口を経由して冷凍サイクルを構成する配管27に排出される。
図2は、本発明の一実施形態におけるロータリ圧縮機の制御回路を示す第一の図である。
図2にモータ18の制御を行うセンサレスベクトル制御回路1のブロック図を示す。図2に示すセンサレスベクトル制御回路1は、コンバータ31と、コンデンサ32と、リアクタ33と、インバータ34と、電流センサ35と、電流検出回路36と、A/D変換回路37と、PWM(Pulse Width Modulation)デュ−ティ計算回路38と、A/D変換回路39と、電圧検出回路40と、フルベクトル制御回路41と、を備えている。また、フルベクトル制御回路41は、2相/3相変換回路42と、2相/3相変換回路43と、電流PI制御回路44と、電流変換テーブル45と、速度PI制御回路46と、速度位置推定回路47と、減算器48と、減算器49と、を備える。
なお、ロータリ圧縮機システムは、回転速度制御装置60とセンサレスベクトル制御回路1とロータリ圧縮機10とを含んで構成される。
コンバータ31は、電力系統Eから入力される三相交流電流を整流する。コンデンサ32、リアクタ33は、整流された電圧を平滑化して直流電圧を生成する。インバータ34は、PWMデュ−ティ計算回路38が出力したデュ−ティ指令値に基づいて、直流入力電圧から3相の駆動電圧を生成し、圧縮機10が備えるモータ18に駆動電圧を供給する。これにより、センサレスベクトル制御回路1は、モータ18を駆動する。
電流検出回路36はモータ18に流れる電流を検出し、A/D変換回路37へ出力する。A/D変換回路37は、電流検出回路36が検出した電流をデジタル信号に変換し、変換後の信号をフルベクトル制御回路41へ出力する。フルベクトル制御回路41では、2相/3相変換回路42が、A/D変換回路37から入力した3相の信号を座標変換(dq変換)し、変換後の電流値id、iqを速度位置推定回路47に出力する。このとき2相/3相変換回路42は、後述するモータロータ19による磁極角度の前回の推定値θesを参照する。速度位置推定回路47は、電流値id、iqと、電流PI制御回路44が出力したdq座標系での電力指令値vd、vqを入力し、モータ18の回転速度の推定値ωesとモータロータ19の磁極角度(磁極位置の角度)の推定値θesを、例えば、MRAS(model reference adaptive system:モデル規範適応システム)と呼ばれる方法で算出する。
回転速度制御装置60は、回転速度の指令値ωcmdをフルベクトル制御回路41へ出力する。減算器48は、回転速度制御装置60による回転速度の指令値ωcmdと、速度位置推定回路47が推定した回転速度の推定値ωesとの偏差Δωを算出して、速度PI制御回路46へ出力する。速度PI制御回路46は、Δωに基づいてPI制御により、偏差を小さくする(0にする)トルク指令値を算出する。フルベクトル制御回路41は、電流変換テーブル45に基づいて、トルク指令値を電流指令値id´、iq´に変換する。減算器49は、電流指令値id´、iq´と、2相/3相変換回路42が出力したid、iqとの偏差Δid、Δiqを算出して、電流PI制御回路44へ出力する。電流PI制御回路44は、偏差Δid、Δiqに基づいてPI制御により、偏差を小さくする(0にする)電圧指令値vd、vqを算出する。電流PI制御回路44は、電圧指令値vd、vqを2相/3相変換回路43へ出力する。2相/3相変換回路43は、速度位置推定回路47が推定したモータロータ19の磁極角度の推定値θesを参照して電圧指令値vd、vqの2相から3相への座標変換を行い、変換後の電圧指令値VをPWMデュ−ティ計算回路38へ出力する。PWMデュ−ティ計算回路38は、電圧指令値Vと、電圧検出回路40が検出したインバータ34への直流入力電圧をA/D変換回路39でデジタル変換した信号とを入力し、デュ−ティ指令値を算出する。PWMデュ−ティ計算回路38は、算出したデュ−ティ指令値をインバータ34へ出力する。
図3は、本発明の一実施形態におけるロータリ圧縮機の制御回路を示す第二の図である。
図3に速度位置推定回路47のブロック図を示す。速度位置推定回路47は、電流推定回路50と、速度推定回路51と、積分回路52とを備える。電流推定回路50は、電力指令値vd、vqと、速度推定回路51が推定したモータロータ19の回転速度の推定値ω_Mを入力し、モータ18をモデル化した適応モデル(Adjustable Model)に基づいて、電流推定値id_est、iq_estを推定する。速度推定回路51は、電流推定値id_est、iq_estとid、iqを入力し、回転速度の推定(ω_M)を行う。積分回路52は、回転速度の推定値ω_Mを積分して、モータロータ19の磁極角度の推定値θesを算出する。速度位置推定回路47は、速度推定回路51が推定した回転速度の推定値ω_Mを回転速度の推定値ωesとして、積分回路52が算出したモータロータ19の磁極角度の推定値θesと共に出力する。
圧縮機10の内部は、高温高圧環境となるためピストンロータ13の位置を検出するセンサを設けることが難しい。図2、図3に示す制御回路によるセンサレスベクトル制御(例えばMRAS制御)よれば、センサを用いることなくモータロータ19の回転速度や磁極角度を高精度に検出することができる。また、モータロータ19とクランクシャフト16、ピストンロータ13A、13Bとは一体的に構成され回転するので、モータロータ19の磁極角度とピストンロータ13A、13Bの位置は一定の位置関係にあると考えられる。そのため、MRAS制御により、ピストンロータ13A、13Bの位置を高精度に推定し、ガス圧縮トルクの変動に対応して細やかにトルク制御を行うことでクランクシャフト16の角速度の変動を抑制することができる。一般にロータリ圧縮機では、シリンダ12A、12Bにおける冷媒ガスの圧縮が進むにつれ高圧冷媒ガスからの力を受けるため、1回の圧縮工程中にガス圧縮トルクが大きく変動する。その影響で圧縮工程中のクランクシャフト16の角速度には変動が生じる。しかし、本実施形態のMRAS制御を導入すると、モータロータ19の回転速度や磁極角度の推定値に現れる変動を抑制するように回転速度制御装置60が、回転速度の指令値を算出することにより、クランクシャフト16の角速度変動を抑制することができる。
圧縮工程中のガス圧縮トルク変動への対策を別の面から考えると、従来のモータ制御(例えばV/f制御)では、ガス圧縮トルク変動の影響を低減するためにモータロータ19のサイズをある程度大きく設計することでイナーシャを稼ぐ必要がある。このとき、ステータ20のロータ軸方向の積厚Td(図1)についても、モータロータ19のサイズに合わせてある程度大きく設計される。ステータ20は、モータロータ19の周方向に沿って配置された固定子鉄心(不図示)と、固定子鉄心に巻回された固定子巻線(不図示)等から構成される。固定子鉄心は、薄い鋼板を積層して構成される。ステータ20の積厚Tdは、例えば、この積層鋼板の数を減らすことで小さくすることができるが、上記のイナーシャ確保の制約から、積厚Tdの低減は容易ではない。しかし、MRAS制御の導入により、モータロータ19の回転速度を一定に保つことが可能となるため、上記の制約を考慮せずにステータ20の積厚Tdを低減できるようになる。ステータ20の積厚Tdを低減することにより、コストを削減することができる。
図4は、本発明の一実施形態におけるモータの回転数とモータ効率との関係を示す図である。
図4のグラフの縦軸はモータ効率、横軸はモータの回転数を示している。グラフG1、G2は、モータ効率と回転数との関係を定性的に示したグラフである。グラフG1は、例えば、従来のモータ制御方法(例えばV/f制御)によって、積厚Tdが小さいモータを駆動したときのモータ効率と回転数との関係を示している。グラフG1が示すように、積厚Tdが小さいモータ(イナーシャが小さいモータ)では、低速域でモータ効率が大幅に低下する。グラフG2は、例えば、従来のモータ制御方法(例えばV/f制御)によって、積厚Tdが大きいモータを駆動したときのモータ効率と回転数との関係を示している。グラフG2が示すように、積厚Tdが大きいモータ(イナーシャが大きいモータ)では、低速域でモータ効率の低下は比較的緩やかである。上記したように従来のモータ制御を用いる場合は、積厚Tdをある程度大きく設定することで、例えば、グラフG2が示すようなモータ効率を実現する。
次に本実施形態のMRAS制御による磁極角度の推定を含んだセンサレスベクトル制御を用いてモータ18を制御する場合を考える。センサレスベクトル制御を用いると、低速域においてもモータを効率よく回転させることができる。また、センサレスベクトル制御を用いると、負荷変動に対応して細やかにトルク制御を行って、一定速度でモータを回転させることができる。従って、センサレスベクトル制御を用いれば、積厚Tdを小さくしたモータ18であったとしても、低速域でのモータ効率を低下させることなく、グラフG2と同様のモータ効率を実現することができる。
次にステータ20の積厚低減の一例について説明する。出願人は、ステータ20の外径が105mmのモータ18に対し、センサレスベクトル制御を導入することで、積厚Tdを小さくする試みを行った。センサレスベクトル制御を行わない場合、上記のように積厚Tdを大きく取りイナーシャを稼ぐ必要がある。従来のモータ制御によって、所定の閾値以上のモータ効率を達成することを条件に設計されたモータにおける積厚Tdは75mmである。モータ効率の閾値については、例えば、図4において、回転数r1のときのモータ効率e1を閾値として定めることができる。この閾値に対して、センサレスベクトル制御を導入した場合、例えば、積厚Tdを55mmに設計したモータ18で同様のモータ効率を達成することできた。また、さらに高いモータ効率の閾値を設定した場合、積厚Tdを65mmに設計したモータ18でその閾値を達成することができた。
また、出願人は、ステータ20の外径が105mm、125mmの2種類のモータ18を用いて、何れもセンサレスベクトル制御を行ってガス圧縮トルクの変動に対し回転速度が一定となる制御を行うことを前提として、モータロータ19の外径を小型化する試みを行った。その結果、2種類のモータ18の何れについても、モータロータ19の外径を54.8mmから46.8mmに小型化することができた。小型化前後のモータロータ19のイナーシャはそれぞれ、従来(外径54.8mm)の場合が4.92×10(g・mm)、小型後(46.8mm)の場合が2.77×10(g・mm)であった。つまり、小型化の前後で、イナーシャを約0.563倍(2.77×10÷4.92×10)とすることができた。このイナーシャの低減を、モータロータ19の外径のサイズは維持したまま全て積厚を低減することにより実現したとすると、75mm×0.563=42.225により、積厚Tdの大きさを42mm程度まで低減できると考えられる。
また、上記の積厚Tdの値、55mm、65mm、42mmといった値は、モータ効率を所定の閾値以上に保つことを前提とした場合の値である。例えば、図4において回転数r1のときのモータ効率e2を閾値として定めた場合、さらに積厚Tdの値を低減することも可能である。実際に空調用のロータリ圧縮機に搭載する場合、積厚Tdを20mm程度まで低減しても、計算上、一定の性能が発揮できると考えられる。
従って、MRAS制御を用いたセンサレスベクトル制御によってモータ18の制御を行う場合、ステータ20の積厚Tdの値が20mm以上から70mm以下となるように設計しても、圧縮工程中のガス圧縮トルク変動に対応しつつモータ18の回転数を制御することができ、圧縮機10の性能を維持したまま運転することができる。また、ステータ20の積厚Tdを低減することで、コストダウンを実現することができる。
なお、モータ効率の閾値が高く設定する場合、センサレスベクトル制御を用いたとしてもある程度モータロータ19のイナーシャを大きく設定する必要があり、それに伴いステータ20の積厚Tdのサイズもある程度大きくする必要がある。その場合でも、従来制御(V/f制御)時における75mmの積厚サイズを、例えば、40mm以上65mm以下程度に低減することができ、コストダウンを実現することができる。
続いて、ステータ20の積厚の設計方法について図5を参照して説明する。
図5は、本発明の一実施形態におけるステータ積厚の設計方法の一例を示すフローチャートである。
この設計方法では、空調機用のロータリ圧縮機10に搭載し、MRAS制御を用いたセンサレスベクトル制御によって制御するモータ18について、低速域におけるモータ効率を所定の閾値以上を維持しつつ、ステータ20の積厚Tdにできるだけ低い値を設定する。
まず、低速域における所定のモータ回転数における目標となるモータ効率を設定する(ステップS1)。次にステータ積厚Tdの値が異なる複数のモータを対象にして、所定の負荷を与えてモータを駆動し、MRAS制御を用いたセンサレスベクトル制御によって回転制御を行う(ステップS2)。例えば、積厚Tdが各々75mm、65mm、55mm、45mm、35mm、25mmで、他のサイズ(ステータ外径等)を同じ値に設計した試験用モータを用意し、各モータに対して、センサレスベクトル制御回路1によって、ステップS1で定めた閾値に対応する低速域における回転数を含んだ範囲で回転数を変化させながらモータを駆動する。次にステップS2で駆動したモータの中から、目標のモータ効率を達成し且つ最も小さい積厚のモータを選択する(ステップS3)。選択したモータの積圧を設計値として決定する。これにより、積厚Tdを設計する。
本実施形態によれば、MRAS制御によって回転速度の変動を抑制することができるので、圧縮機10の性能を低下させることなく、ステータ20の積厚Tdを小さくすることができる。これによりモータ18の製造コストの削減、小型化による省スペース化を実現することができる。
なお、モータ18は、永久磁石同期モータ、誘導モータなど各種モータを適用することができる。
また、上記の実施形態では、ステータ外径が105mmの例、125mmの例を挙げたがこれに限定されない。例えば、ステータ外径が100mm〜112mm程度のモータ、ステータ外径が125mm〜135mm程度のモータ、ステータ外径が90mm程度のモータ、ステータ外径が170mm程度のモータにおいても同様に積厚Tdを低減することができる。
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記した実施の形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能である。また、この発明の技術範囲は上記の実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。なお、ロータリ圧縮機システムは、回転速度制御装置60とセンサレスベクトル制御回路1とロータリ圧縮機10とを含んで構成される。本実施形態のロータリ圧縮機システムは空調機に使用される。
1・・・センサレスベクトル制御回路
3、3´・・・ティース部
3d、3d´・・・ティース幅
4、4´・・・巻線スロット部
5、5´・・・ヨーク部
6、6´・・・磁石
10・・・圧縮機
11・・・ハウジング
12A,12B・・・シリンダ
13A,13B・・・ピストンロータ
16・・・クランクシャフト
18・・・モータ
19、19´・・・モータロータ
20、20´・・・ステータ
20d、20d´・・・ステータ外径
22A、22B・・・開口
23A、23B・・・吸入ポート
24・・・アキュムレータ
25・・・ステー
26A、26B・・・吸入管
31・・・コンバータ
32・・・コンデンサ
33・・・リアクタ
34・・・インバータ
35・・・電流センサ
36・・・電流検出回路
37・・・A/D変換回路
38・・・PWMデュ−ティ計算回路
39・・・A/D変換回路
40・・・電圧検出回路
41・・・フルベクトル制御回路
42、43・・・2相/3相変換回路
44・・・電流PI制御回路
45・・・電流変換テーブル
46・・・速度PI制御回路
47・・・速度位置推定回路
48・・・減算器
49・・・減算器
50・・・電流推定回路
51・・・速度推定回路
52・・・積分回路

Claims (7)

  1. ロータリ圧縮機と、
    前記ロータリ圧縮機が備えるモータを制御するセンサレスベクトル制御回路と、
    を備え、
    前記モータにおいて、ステータの積厚が20mm以上70mm以下の範囲にある、
    ロータリ圧縮機システム。
  2. 前記モータにおいて、ステータの積厚が20mm以上60mm以下の範囲にある、
    請求項1に記載のロータリ圧縮機システム。
  3. 前記モータにおいて、ステータの積厚が20mm以上50mm以下の範囲にある、
    請求項1に記載のロータリ圧縮機システム。
  4. 前記モータのステータの外径が100mm以上125mm以下の範囲にある、
    請求項1から請求項3の何れか1項に記載のロータリ圧縮機システム。
  5. センサレスベクトル制御によって制御されるモータを備えた空調機用のロータリ圧縮機であって、
    前記モータにおいて、ステータの積厚が20mm以上70mm以下の範囲にある、
    ロータリ圧縮機。
  6. 空調機用のロータリ圧縮機に搭載し、センサレスベクトル制御によって制御するモータであって、
    ステータの積厚が20mm以上70mm以下の範囲にある、
    モータ。
  7. 空調機用のロータリ圧縮機に搭載し、センサレスベクトル制御によって制御するモータについて、
    低速域における前記モータのモータ効率の閾値を設定し、
    異なる積厚を有する複数の試験用モータの中から、前記閾値を達成することができ且つ最も積厚が小さい試験用モータを選択し、
    選択した試験用モータの積厚を前記モータの積厚として設定する、
    設計方法。
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