JP2018084721A - 画像処理装置、画像投射装置およびプログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】色画素ずれおよび輝度画素ずれを容易に補正可能な画像処理装置、画像投射装置およびプログラムを提供すること。【解決手段】複数の第1光変調手段のそれぞれの間の画素ずれ情報に基づく第1の補正量を算出する第1の算出手段と、複数の第1光変調手段のそれぞれと第2光変調手段との間の画素ずれ情報に基づく第2の補正量を算出する第2の算出手段と、第1および第2の補正量に基づいて、入力された画像信号に対して画素ずれ補正を行う補正手段と、を有する。【選択図】図1
Description
本発明は、画像処理装置、画像投射装置およびプログラムに関する。
高ダイナミックレンジのディスプレイ装置として、光源からの照明光を光路上に直列に配置された2つの光変調素子によって二重変調する、二重変調画像投射装置が提案されている。二重変調画像投射装置は、赤色照明光、緑色照明光および青色照明光を複数の第1光変調素子によって変調した後に合成し、合成光を第2光変調素子によってさらに変調する。二重変調画像投射装置は、光学系を構成する部品の色収差や製造ばらつきなどによって、複数の第1光変調素子の画素の表示位置のずれ(色画素ずれ)が発生する。また、照明光の熱によって各光変調素子の固定部材やリレーレンズが熱変形する場合があり、この場合、変調光の光路が移動し、結果として複数の第1光変調素子および第2光変調素子の画素の対応ずれ(輝度画素ずれ)が発生する。色画素ずれおよび輝度画素ずれは、投射画像の画質の低下を招くおそれがある。特許文献1では、第1光変調素子の駆動信号を色ごとに補正することでサブピクセル単位での色画素ずれを補正する方法が開示されている。また、特許文献2では、変調光の光路をシフトする光路シフト手段により機械的に輝度画素ずれを補正する方法が開示されている。
特許文献1では、第1光変調素子と第2光変調素子との画素対応を考慮しておらず、色画素ずれ補正の結果、輝度画素ずれ量が増大し、画質低下を招くおそれがある。特許文献2では、光路シフト機構を機械的に高精度に調整する必要があり、振動などの衝撃や熱によって調整位置がずれやすい。
このような課題に鑑みて、本発明は、色画素ずれおよび輝度画素ずれを容易に補正可能な画像処理装置、画像投射装置およびプログラムを提供することを目的とする。
本発明の一側面としての画像処理装置は、複数の第1光変調手段のそれぞれの間の画素ずれ情報に基づく第1の補正量を算出する第1の算出手段と、前記複数の第1光変調手段のそれぞれと第2光変調手段との間の画素ずれ情報に基づく第2の補正量を算出する第2の算出手段と、前記第1および第2の補正量に基づいて、入力された画像信号に対して画素ずれ補正を行う補正手段と、を有することを特徴とする。
また、本発明の他の側面としての画像投射装置は、光源装置から射出された照明光を変調する第1光変調手段と、前記第1光変調手段からの光を変調する第2光変調手段と、前記第2光変調手段からの光を投射する投射手段と、入力された画像信号に対して画像処理を行う画像処理手段と、を有し、前記第1および第2光変調手段の一方は、複数の光変調手段を備え、前記画像処理手段は、前記複数の光変調手段のそれぞれの間の画素ずれ情報に基づく第1の補正量を算出する第1の算出手段と、前記複数の光変調手段のそれぞれと他方の光変調手段との間の画素ずれ情報に基づく第2の補正量を算出する第2の算出手段と、前記第1および第2の補正量に基づいて、前記画像信号に対して画素ずれ補正を行う補正手段と、を備えることを特徴とする。
また、本発明の他の側面としてのプログラムは、複数の第1光変調手段のそれぞれの間の画素ずれ情報に基づく第1の補正量を算出するステップと、前記複数の第1光変調手段のそれぞれと第2光変調手段との間の画素ずれ情報に基づく第2の補正量を算出するステップと、前記第1および第2の補正量に基づいて、入力された画像信号に対して画素ずれ補正を行うステップと、をコンピュータに実行させることを特徴とする。
本発明によれば、色画素ずれおよび輝度画素ずれを容易に補正可能な画像処理装置、画像投射装置およびプログラムを提供することができる。
以下、本発明の実施例について、図面を参照しながら詳細に説明する。各図において、同一の部材については同一の参照番号を付し、重複する説明は省略する。
図1を参照して、本発明の実施形態に係る画像投射装置100の構成について説明する。図1は、画像投射装置100の構成図である。画像投射装置100は、ランプユニット101、色変調パネル駆動回路102、色変調パネル103、輝度変調パネル駆動回路104、輝度変調パネル105、投射レンズ106、映像処理回路107、画像処理手段500およびメモリ110を備える。画像投射装置100は、色変調パネル103と、輝度変調パネル105と、を備える二重変調画像投射装置である。画像処理手段500は、補正回路(補正手段)108および算出回路(算出手段)109を備える。なお、画像処理手段500は、本実施形態では画像投射装置100に内蔵されているが、画像投射装置100とは異なる画像処理装置として構成されてもよい。
ランプユニット(光源装置)101から射出された照明光は、色光分離光学系(不図示)によって赤色(R)光、緑色(G)光および青色(B)光に分離された後、色ごとに設けられた色変調パネル103によって変調される。本実施形態では、色変調パネル103として、LCOS(Liquid Crystal on Silicon、反射型液晶パネル)が使用される。色変調パネル103により変調された変調光は、色光合成光学系(不図示)により合成される。色光合成光学系により合成された合成光は、リレーレンズにより輝度変調パネル105に導光される。導光された合成光は、輝度変調パネル105によってさらに変調される。輝度変調パネル105は、入射側偏光板、単板式の透過型液晶パネルおよび出射側偏光板により構成される。本実施形態では、色変調パネル103として使用される3つのLCOSおよび輝度変調パネル105の透過型液晶パネルは、マトリクス状に複数の画素が配置される、同じ解像度の液晶パネルである。複数の色変調パネル103の各画素と輝度変調パネル105の透過型液晶パネルの画素はそれぞれ1対1で対応している。輝度変調パネル105により変調された光は、投射レンズ106によりスクリーン(不図示)上にカラー画像(投射画像)として投射される。
なお、色変調パネル103として、透過型液晶パネルやDMD(デジタルミラーデバイス)を使用してもよい。また、輝度変調パネル105として、LCOSやDMDを使用してもよい。
映像処理回路107は、輝度変調パネル駆動回路104と補正回路108への入力信号を生成する。具体的には、映像処理回路107は、映像信号VSを画像信号ISおよび輝度信号YSに変換し、輝度信号YSを輝度変調パネル駆動回路104に出力し、画像信号ISを補正回路108に出力する。映像信号VSとは、パーソナルコンピュータ、DVDプレーヤ、テレビチューナなどの画像供給装置から出力されるHDMI(登録商標)信号、DVI信号、VGA信号などの各種映像信号である。画像信号ISおよび輝度信号YSとは、映像信号VSに基づいて解像度変換処理などの画像投射装置100に適した信号処理が施された信号である。本実施形態では、画像信号ISはR成分用の画像信号、G成分用の画像信号、およびB成分用の画像信号であり、輝度信号YSは映像信号VSの輝度成分の信号である。
補正回路108は、算出回路109により算出された補正量に基づいて、映像処理回路107から入力された画像信号ISに対して色画素ずれおよび輝度画素ずれを補正する画像処理を行う。色画素ずれとは、光学部材の色収差や製造ばらつきなどに起因してRGBごとの色変調パネル103の画素の表示位置がずれる現象である。また、輝度画素ずれとは、固定部材の劣化や光学部材の熱変形や製造ばらつきなどに起因して輝度変調パネル105の位置が光路に対してずれる現象である。色画素ずれおよび輝度画素ずれが補正された画像信号ISは、色変調パネル駆動回路102に入力される。色変調パネル駆動回路102は、入力された画像信号に基づいて、色変調パネル103を駆動させる駆動信号を生成する。
補正回路108は、画像信号ISに対して色画素ずれ補正を行う色画素ずれ補正回路(第1の補正手段)111と、画像信号ISに対して輝度画素ずれ補正を行う輝度画素ずれ補正回路(第2の補正手段)112と、を備える。色画素ずれ補正回路111は、R成分補正回路111a、G成分補正回路111bおよびB成分補正回路111cを備える。R成分補正回路111a、G成分補正回路111bおよびB成分補正回路111cはそれぞれ、R成分用、G成分用、B成分用の画像信号ISに対して色画素ずれ補正を行う。輝度画素ずれ補正回路112は、R成分補正回路112a、G成分補正回路112bおよびB成分補正回路112cを備える。R成分補正回路112a、G成分補正回路112bおよびB成分補正回路112cはそれぞれ、R成分用、G成分用、B成分用の画像信号ISに対して輝度画素ずれ補正を行う。
算出回路109は、色画素ずれ算出回路(第1の算出手段)113と、輝度画素ずれ算出回路(第2の算出手段)114と、を備える。色画素ずれ算出回路113は、色画素ずれに関する情報に基づいて色画素ずれ補正回路111が色画素ずれを補正する際に使用する色画素ずれ補正量(第1の補正量)を算出する。また、輝度画素ずれ算出回路114は、輝度画素ずれに関する情報に基づいて輝度画素ずれ補正回路112が輝度画素ずれを補正する際に使用する輝度画素ずれ補正量(第2の補正量)を算出する。色画素ずれ算出回路113は、R成分算出回路113a、G成分算出回路113bおよびB成分算出回路113cを備える。R成分算出回路113a、G成分算出回路113bおよびB成分算出回路113cはそれぞれ、R成分補正回路111a、G成分補正回路111b、およびB成分補正回路111cが色画素ずれを補正する際に使用する色画素ずれ補正量を算出する。輝度画素ずれ算出回路114は、R成分算出回路114a、G成分算出回路114bおよびB成分算出回路114cを備える。R成分算出回路114a、G成分算出回路114bおよびB成分算出回路114cはそれぞれ、R成分補正回路112a、G成分補正回路112b、およびB成分補正回路112cが輝度画素ずれを補正する際に使用する輝度画素ずれ補正量を算出する。
メモリ(不揮発性メモリ)110は、色画素ずれに関する情報が記録されたデータテーブル115、および輝度画素ずれに関する情報が記録されたデータテーブル116を記憶している。本実施形態では、色画素ずれ算出回路113は、データテーブル115から色画素ずれに関する情報を読み出す。また、輝度画素ずれ算出回路114は、データテーブル116から輝度画素ずれに関する情報を読み出す。
データテーブル115、116にはそれぞれ、画素ごとの色画素ずれに関する情報および輝度画素ずれに関する情報が記録されることが望ましい。しかしながら、メモリ110の記憶容量の節約のために、複数の画素を備えるブロックの代表点ごとの色画素ずれに関する情報および輝度画素ずれに関する情報が記録されてもよい。
データテーブル115には、操作パネルやリモートコントローラを用いた、ユーザによる調整で設定された色画素ずれ量が記録されてもよい。また、データテーブル115には、画像投射装置100によりテストパターンをスクリーンに投射して、画像投射装置100に内蔵されたカメラ(不図示)により得られた投射像撮像データに基づく色画素ずれ量が記録されてもよい。なお、カメラは、画像投射装置100に取り付けて使用されるものであってもよい。また、データテーブル115には、組み立て時に色収差情報が記録されてもよい。
データテーブル116には、操作パネルやリモートコントローラを用いた、ユーザによる調整で設定された輝度画素ずれ量が記録されてもよい。また、データテーブル116には、画像投射装置100によりテストパターンをスクリーンに投射して、画像投射装置100に内蔵されたカメラ(不図示)により得られた投射像撮像データに基づく輝度画素ずれ量が記録されてもよい。なお、カメラは、画像投射装置100に取り付けて使用されるものであってもよい。また、データテーブル116には、組み立て時に輝度変調パネル105の光路ずれ情報が記録されてもよい。
補正回路108は、後述するように、画素ずれを補正するために画像信号ISの信号レベルを補正する。なお、画素ずれとは、色画素ずれおよび輝度画素ずれの両方を含むずれのことである。二重変調画像投射装置では、色変調パネル103および輝度変調パネル105により光源からの光が二重に変調されるため、画像信号ISの信号レベルと投射画像の輝度の関係が比例関係にならない。精度良く画素ずれを補正するためには、画素ずれ補正を行う前に画像信号ISの信号レベルと投射画像の輝度とが比例関係となるように画像信号ISを補正することが望ましい。また、画像信号ISに対して画素ずれ補正による投射画像の画質劣化を抑制するための処理を行うことが望ましい。そこで、補正回路108は、図2に示されるように、色画素ずれ補正回路111の前段に、ガンマ補正回路117、色変調パネル特性補正回路118、輝度変調パネル特性補正回路119、ローパスフィルタ120を備えることが望ましい。図2は、補正回路108の構成図である。本実施形態では、色変調パネル特性補正回路(以下、第1特性補正回路という)118および輝度変調パネル特性補正回路(以下、第2特性補正回路という)119により特性補正手段が構成される。各手段の機能については、後述する。
本実施形態の画素ずれ補正処理について、図3のフローチャートを参照して説明する。図3は、画素ずれ補正処理を示すフローチャートである。本実施形態の画素ずれ補正処理は、画像処理手段500により、メモリから読み出した、コンピュータを処理装置として機能させるためのプログラムにしたがって実行される。プログラムは、例えば、コンピュータに読み取り可能な記録媒体に記録してもよい。
ステップS201では、算出回路109は、メモリ110から画素ずれに関する情報を読み出す。具体的には、色画素ずれ算出回路113は、データテーブル115から色画素ずれ補正を施す画素に応じて適切な色画素ずれに関する情報を読み出す。また、輝度画素ずれ算出回路114は、データテーブル116から輝度画素ずれ補正を施す画素に応じて適切な輝度画素ずれに関する情報を読み出す。また、算出回路109は、画像投射装置100の状態に基づいてメモリ110から読み出す情報を選択することが好ましい。画像投射装置100の状態とは、例えば、投射レンズ106のズームやシフトであり、この場合、算出回路109は、ズーム・シフト変化量に基づいて画像メモリから読み込む情報を選択する。なお、本実施形態では、算出回路109はメモリ110から画素ずれに関する情報を読み出しているが、画像投射装置100とは異なる記憶装置から画素ずれに関する情報を取得してもよい。
ステップS202では、算出回路109は、画素ずれに関する情報に基づいて補正回路108が画素ずれ補正を行う際に使用する画素ずれ補正量を算出する。具体的には、色画素ずれ算出回路113は、色画素ずれに関する情報に基づいて色画素ずれ補正回路111が色画素ずれを補正する際に使用する色画素ずれ補正量を算出する。より具体的には、R成分算出回路113a、G成分算出回路113bおよびB成分算出回路113cはそれぞれ、色成分ごとの色画素ずれ補正量を算出する。また、輝度画素ずれ算出回路114は、輝度画素ずれに関する情報に基づいて輝度画素ずれ補正回路112が輝度画素ずれを補正する際に使用する輝度画素ずれ補正量を算出する。より具体的には、R成分算出回路114a、G成分算出回路114bおよびB成分算出回路114cはそれぞれ、色成分ごとの輝度画素ずれ補正量を算出する。また、算出回路109は、前述したように、画像投射装置100の状態に基づいてメモリ110から読む出した情報に基づいて画素ずれ情報を算出することが好ましい。
ステップS203では、補正回路108は、映像処理回路107から色成分ごとの画像信号ISを取得する。
ステップS204では、ガンマ補正回路117は、色成分ごとの画像信号ISに対して、画像信号ISのガンマ値が所定のガンマ値、例えば2.2となるようにガンマ補正を行う。
ステップS205では、第1特性補正回路118は、色変調パネル103の特性に基づいて、ガンマ補正回路117から出力された画像信号ISを、入力された画像信号ISの信号レベルと色変調パネル103における輝度が比例関係となるように補正する。色変調パネル103の特性として、例えば、電圧‐反射率(V−R)特性や電圧−透過率(V−T)特性などを使用すればよい。
ステップS206では、第2特性補正回路119は、輝度変調パネル105の特性に基づいて、第1特性補正回路118から出力された画像信号ISを、入力された画像信号ISの信号レベルと輝度変調パネル105における輝度が比例関係となるように補正する。輝度変調パネル105の特性として、例えば、電圧−透過率(V−T)特性や電圧−透過率(V−T)特性などを使用すればよい。ステップS204からステップS206の処理により、画像信号ISの信号レベルと投射画像の輝度とが比例関係となるように補正することができる。
ステップS207では、ローパスフィルタ120は、第2特性補正回路119から出力された画像信号ISに対してローパスフィルタ処理を行う。このような処理を行うことで、画素ずれ補正を行う際、画像信号ISの高周波成分に起因して生じるモアレ等の発生を防止することができるため、投射画像の画質劣化を抑制することができる。
本実施形態では、画素ずれ補正を行う前に、ステップS204からステップS207の処理を実行することで、精度良く画素ずれを補正することが可能となるとともに、投射画像の画質劣化を抑制することが可能となる。本実施形態では画像信号に対して第1特性補正回路118および第2特性補正回路119から構成される特性補正手段による補正やローパスフィルタ120によるローパスフィルタ処理を行ったが、本発明はこの構成には限定されない。
ステップS208では、補正回路108は、算出回路109により算出された色画素ずれ補正量に基づいて、画像信号ISに対して色画素ずれ補正を行う。具体的には、色画素ずれ補正回路111が、色画素ずれ算出回路113により算出された色画素ずれ補正量に基づいて、ローパスフィルタ120から出力された画像信号ISに対して色画素ずれ補正を行う。
図4は、色画素ずれの説明図である。図4には、スクリーン上に投射レンズ106が投射画像を投射する領域(投射領域)が示されている。点線は、投射領域上での色変調パネル103の画素を仮想的に表している。画素401a〜401dは、G用の色変調パネル103の画素を表している。画素402は、画素401aに対応するR用の色変調パネル103の画素を表している。G(i、j)、G(i+1、j)、G(i、j+1)、G(i+1、j+1)(i、jは整数)はそれぞれ、画素401a〜401dの重心位置である。R(i、j)は、画素402の重心位置である。重心位置G(i、j)、R(i、j)は、光学部材の色収差に起因して水平方向へΔx、垂直方向へΔyだけずれている。3板式プロジェクタでは、重心位置G(i、j)、R(i、j)と画素401a、402に対応するB成分の画素の重心位置B(i、j)(不図示)の表示位置を重ね合わせることでRGBカラー画像を表現する。そのため、重心位置G(i、j)、R(i、j)は一致していることが望ましい。重心位置のずれ(色画素ずれ)は、投射画像において偽色や疑似輪郭の原因となり画質低下を招く。そこで、RGB用の色変調パネル103の画素の重心位置を合わせ込むことで、色画素ずれを補正する必要がある。図4では、重心位置R(i、j)、G(i、j)の一方の重心位置を他方の重心位置に対して水平方向へΔx、垂直方向へΔyだけずれがなくなる方向へ移動させればよい。
以下、図5を参照して、本実施形態の色画素ずれ補正について説明する。図5は、色画素ずれ補正の説明図である。本実施形態では、R用およびG用の色変調パネル103の画素の色画素ずれを補正する場合について説明する。本実施形態では、R用の色変調パネル103の画素をG用の色変調パネル103の画素に合わせ込むことで色画素ずれを補正する。
図5(a)は、R用およびG用の色変調パネル103の画素に色画素ずれが生じている状態を示している。点線は、投射領域上での色変調パネル103の画素を仮想的に表している。画素501a〜501iは、R用の色変調パネル103の画素を表している。画素502は、画素501eに対応するG用の色変調パネル103の画素を表している。
R成分算出回路113aは、データテーブル115から図5(b)に示される画素501a〜501iに対応する色画素ずれに関する情報を読み出す。図5(b)は、G用の色変調パネル103の画素の重心位置を基準とした場合の画素501a〜501iの重心位置の色画素ずれ量を示している。水平方向および垂直方向へ1画素だけ色画素ずれが生じている場合の色画素ずれ量を(1.0、1.0)とする。図5(b)では、画素501eの重心位置R(i、j)の色画素ずれ量は、(0.5、0.2)である。すなわち、画素501eの重心位置R(i、j)は、画素502の重心位置G(i、j)に対して水平方向へ0.5画素、垂直方向へ0.2画素だけずれている。本実施例では、図5(b)に示すように画素毎に異なる色画素ずれ量を記録している。例えば、重心位置R(i−1、j−1)と重心位置G(i−1、j−1)の色画素ずれ量は(0.6、0.3)である。これは、光学部材の色収差の度合いは光学部材の中央領域と周辺領域とで異なるため、このように画素、または複数画素領域毎に異なる色画素ずれ量を記録することで精度良く色画素ずれを補正できる。
R成分補正回路111aは、重心位置R(i、j)をずらすことで色ずれ画素補正を行う。本実施形態では、R成分補正回路111aは、R成分算出回路113aが算出した色ずれ画素補正量に基づいてR成分用の画像信号ISを補正することで、重心位置R(i、j)をずらす。具体的には、R成分補正回路111aは、画素501eに近接する画素の輝度成分を補正することで、重心位置R(i、j)を見かけ上ずらす。
図5(c)は、色画素ずれ補正前の画素501a〜501iの輝度を示している。図5(d)は、色画素ずれ補正後の画素501a〜501iの輝度を示している。色画素ずれ補正前の画素501eの輝度をRlum(i、j)、色画素ずれ補正後の画素501eの輝度をR’lum(i、j)、R成分算出回路113aにより算出された色画素ずれ補正量をa(i、j)とする。R成分補正回路111aは、色画素ずれ補正量a(i、j)と画素501eに近接する画素の輝度RlumN(i、j)に基づく以下の式(1)を用いて輝度R’lum(i、j)を算出する。
ただし、
R成分算出回路113aは、本実施形態では以下の式を用いて色画素ずれ補正量a(i、j)を算出する。
図5(b)の値を参照すると、色画素ずれ補正量a(i、j)は、(0.4 0.48 0.15 0.18)と算出される。また、図5(c)の値を参照すると、画素501eに近接する画素の輝度RlumN(i、j)は、以下のように表される。
したがって、R成分補正回路111aは、式(1)を用いて輝度R’lum(i、j)を以下のように0.4と算出する。
R成分補正回路111aは、同様に、輝度R’(i+1、j)、R’(i、j+1)、R’(i+1、j+1)を以下のように0.4、0.1、0.1と算出する。
以上のように、R成分補正回路111aは、入力された画像信号ISの信号レベルと算出された色画素ずれ補正量とを用いて式(1)により算出された輝度成分となるように、R成分の画像信号ISの画素ごとの輝度成分を補正する。このような補正により、輝度Rlum(i、j)は、図5(d)に示されるように、水平方向へ0.5、垂直方向へ0.2だけずれている。すなわち、画素501eの重心位置R(i、j)が見かけ上、水平方向へ0.5画素、垂直方向へ0.2画素ずれている。B成分用の画素信号ISについても同様の色画素ずれ補正処理を行うことで、色画素ずれを補正することができる。
なお、本実施形態では、G成分用の色変調パネル103の画素の重心位置を基準としてR成分用およびB成分用の色変調パネル103の画素の重心位置を合わせ込むことで色画素ずれを補正しているが、本発明はこれに限定されない。R成分用またはB成分用の色変調パネル103の画素の重心位置を基準としてもよい。
ステップS209では、補正回路108は、算出回路109により算出された輝度画素ずれ補正量に基づいて、画像信号ISに対して輝度画素ずれ補正を行う。具体的には、輝度画素ずれ補正回路112が、輝度画素ずれ算出回路114により算出された輝度画素ずれ補正量に基づいて、色画素ずれ算出回路113から出力された画像信号ISに対して輝度画素ずれ補正を行う。
図6は、輝度画素ずれの説明図である。図6には、投射領域が示されている。実線および点線は、投射領域上での色変調パネル103および輝度変調パネル105の画素を仮想的に表している。図6(a)は色画素ずれ補正前の状態、図6(b)は色画素ずれ補正後の状態を示している。画素601〜603はそれぞれ、R用、G用およびB用の色変調パネル103の画素を表している。画素604a〜604dはそれぞれ、輝度変調パネル105の画素を表している。画素601〜603、604aはそれぞれ、1対1で対応している。図6(a)に示されるように、色画素ずれ補正前では、画素601〜603の重心位置は一致していない。また、これらの画素のいずれも画素604aの重心位置Y(i,j)と一致していない。図6(b)に示されるように、色画素ずれ補正後では、補正後の画素601〜603の重心位置W(i、j)は一致しているが、重心位置Y(i,j)に対して水平方向へΔx、垂直方向へΔyだけずれている。すなわち、輝度画素ずれが生じている。輝度画素ずれが生じると輝度変調パネル105による正確な変調ができず、投射画像にモアレなどが発生し、画質低下を招く。そこで、重心位置Y(i,j)、W(i、j)を合わせ込むことで輝度画素ずれを補正する必要がある。図6(b)では、重心位置W(i,j)を重心位置Y(i,j)に対して水平方向へΔx、垂直方向へΔyだけずれがなくなる方向へ移動させればよい。
以下、図7を参照して、本実施形態の輝度画素ずれ補正について説明する。図7は、輝度画素ずれの説明図である。本実施形態では、R用の色変調パネル103の画素と輝度変調パネル105の画素との輝度画素ずれを補正する場合について説明する。本実施形態では、R用の色変調パネル103の画素を輝度変調パネル105の画素に合わせ込むことで輝度画素ずれを補正する。
図7(a)は、色画素ずれ補正後のR用の色変調パネル103の画素と輝度変調パネル105の画素に輝度画素ずれが生じている状態を示している。実線および点線は、投射領域上での色変調パネル103および輝度変調パネル105の画素を仮想的に表している。画素701a〜701iは、色画素ずれ補正後のR用の色変調パネル103の画素を表している。画素702は、画素701eに対応する輝度変調パネル105の画素を表している。
R成分算出回路114aは、データテーブル116から図7(b)に示される画素701a〜701iに対応する輝度画素ずれに関する情報を読み出す。図7(b)は、輝度変調パネル105の画素の重心位置を基準とした場合の画素701a〜701iの重心位置の輝度画素ずれ量を示している。水平方向および垂直方向へ1画素だけ輝度画素ずれが生じている場合の輝度画素ずれ量を(1.0、1.0)とする。図7(b)では、画素701eの重心位置R(i、j)の輝度画素ずれ量は、(0.2、0.2)である。すなわち、画素701eの重心位置R(i、j)は、画素702の重心位置Y(i,j)に対して水平方向へ0.2画素、垂直方向へ0.2画素だけずれている。本実施例では、図7(b)に示すように画素毎に異なる輝度画素ずれ量を記録している。例えば、重心位置R(i−1、j−1)と重心位置Y(i−1、j−1)の輝度画素ずれ量は(0.3、0.3)である。これは、光学部材の照明光の熱による影響や色収差の度合いは光学部材の中央領域と周辺領域とで異なるため、このように画素、または複数画素領域毎に異なる輝度画素ずれ量を記録することで精度良く輝度画素ずれを補正できる。
なお、データテーブル116は、輝度変調パネル105の画素の重心位置を基準とした場合の色画素ずれ補正後のRGB用の色変調パネル103の画素の重心位置の輝度画素ずれ補正量を記録していてもよい。しかしながら、データテーブル116は、メモリ110の記憶容量の節約のために、色画素ずれ補正において基準とした色の色変調パネル103の画素の重心位置の輝度画素ずれ補正量だけを記録しておくことが好ましい。本実施形態では、色画素ずれ補正においてG用の色変調パネル103の画素の重心位置を基準としているため、色画素ずれ補正後のR用およびB用の色変調パネル103の画素は、G用の色変調パネル103の画素の重心位置と一致する。そのため、データテーブル116にG用の色変調パネル103の画素の重心位置の輝度画素ずれ補正量が記録されていれば、他の色用の色変調パネル103の画素の重心位置の輝度画素ずれ補正量としても使用することができる。
R成分補正回路112aは、重心位置R(i、j)をずらすことで輝度画素ずれ補正を行う。本実施形態では、R成分算出回路114aが算出した輝度画素ずれ量に基づいてR成分用の画素信号ISを補正することで、重心位置R(i、j)をずらす。具体的には、R成分補正回路112aは、画素701eに近接する画素の輝度成分を補正することで、重心位置R(i、j)を見かけ上ずらす。
図7(c)は、輝度画素ずれ補正前の画素701a〜701iの輝度を示している。図7(d)は、輝度画素ずれ補正後の画素701a〜701iの輝度を示している。輝度画素ずれ補正前の画素701eの輝度をR’lum(i、j)、輝度画素ずれ補正後の画素701eの輝度をR”lum(i、j)、R成分算出回路114aにより算出された色画素ずれ補正量をb(i、j)とする。R成分補正回路112aは、輝度画素ずれ補正量b(i、j)と画素701eに近接する画素の輝度R’lumN(i、j)に基づく以下の式(2)を用いて輝度R”lum(i、j)を算出する。
ただし、
R成分算出回路114aは、本実施形態では以下の式を用いて輝度画素ずれ補正量b(i、j)を算出する。
図7(b)の値を参照すると、輝度画素ずれ補正量b(i、j)は、(0.64 0.24 0.24 0.09)と算出される。また、図7(c)の値を参照すると、画素701eに近接する画素の輝度R’lumN(i、j)は、以下のように表される。
したがって、R成分補正回路112aは、式(2)を用いて輝度R”lum(i、j)を以下のように0.256と算出する。
R成分補正回路112aは、同様に、輝度R”lum(i+1、j)R”lum(i、j+1)R”lum(i、j)を以下のように0.352、0.136、0.187と算出する。
以上のように、R成分補正回路111aは、入力された色画素ずれ補正後のR成分用の画像信号ISの輝度成分と算出された輝度画素ずれ補正量とを用いて式(2)により算出された輝度成分となるように、R成分の画像信号ISの画素ごとの輝度成分を補正する。このような補正により、輝度Rlum’(i、j)は、図7(d)に示されるように、水平方向へ0.2、垂直方向へ0.2だけずれている。すなわち、画素701eの重心位置R(i、j)が見かけ上、水平方向へ0.2画素、垂直方向へ0.2画素ずれている。G成分用およびB成分用の画像信号ISについても同様の輝度画素ずれ補正処理を行うことで、輝度画素ずれを補正することができる。
以上説明したように、本実施形態の画像投射装置は、色画素ずれおよび輝度画素ずれを外部から影響を受けることなく容易に補正することが可能である。
なお、本実施形態では、補正回路108は、画像信号ISに対して色画素ずれおよび輝度画素ずれを別々に補正する画像処理を行っているが、これらの画素ずれをまとめて補正する補正処理を行ってもよい。
また、本実施形態では、色変調パネル103が前段に輝度変調パネル105が後段に配置されているが、輝度変調パネル105が前段に色変調パネル103が後段に配置されてもよい。この場合、照明光を輝度変調パネル105によって変調した後に色光分離光学系により分離し、分離されたRGB光を色変調パネル103によってさらに変調する。
また、色変調パネル103と輝度変調パネル105の解像度が異なる場合、データテーブル115、116に記録されている色画素ずれ量および輝度画素ずれ量を適切な値に変更してもよい。例えば、輝度変調パネル105が色変調パネル103の解像度より高い場合、データテーブル116は、輝度変調パネル105の複数の画素の重心位置と色変調パネル103の画素の重心位置とのずれを記録してもよい。また、輝度変調パネル105の駆動信号に輝度画素ずれ補正処理を施してもよい。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
103 色変調パネル(第1光変調素子)
105 輝度変調パネル(第2光変調素子)
108 補正回路(補正手段)
113 色画素ずれ算出回路(第1の算出手段)
114 輝度画素ずれ算出回路(第2の算出手段)
500 画像処理手段(画像処理装置)
105 輝度変調パネル(第2光変調素子)
108 補正回路(補正手段)
113 色画素ずれ算出回路(第1の算出手段)
114 輝度画素ずれ算出回路(第2の算出手段)
500 画像処理手段(画像処理装置)
Claims (11)
- 複数の第1光変調手段のそれぞれの間の画素ずれ情報に基づく第1の補正量を算出する第1の算出手段と、
前記複数の第1光変調手段のそれぞれと第2光変調手段との間の画素ずれ情報に基づく第2の補正量を算出する第2の算出手段と、
前記第1および第2の補正量に基づいて、入力された画像信号に対して画素ずれ補正を行う補正手段と、を有することを特徴とする画像処理装置。 - 前記補正手段は、前記第1および第2の補正量に基づいて、前記画像信号の信号レベルを補正することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
- 前記補正手段は、前記第1の補正量に基づいて前記画像信号を補正する第1の補正手段と、前記第2の補正量に基づいて前記第1の補正手段により補正された前記画像信号を補正する第2の補正手段と、を有することを特徴とする請求項1または2に記載の画像処理装置。
- 前記補正手段は、第1および第2光変調手段の特性に基づいて前記画像信号を補正する特性補正手段と、前記画像信号にローパスフィルタ処理を行うフィルタ処理手段と、を有し、前記特性補正手段および前記フィルタ処理手段により処理された前記画像信号に対して画素ずれ補正を行うことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の画像処理装置。
- 前記第1の補正量は、前記複数の第1光変調手段のうち1つの第1光変調手段と他の第1光変調手段との間の画素ずれ情報に基づいて算出され、
前記第2の補正量は、前記1つの第1光変調手段と前記第2光変調手段との間の画素ずれ情報に基づいて算出されることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の画像処理装置。 - 前記複数の第1光変調手段のそれぞれの間の画素ずれ情報、および前記複数の第1光変調手段のそれぞれと前記2光変調手段との間の画素ずれ情報を記憶する記憶手段と、を更に有することを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の画像処理装置。
- 前記記憶手段は、前記複数の第1光変調手段のそれぞれの解像度および前記第2光変調手段の解像度に基づく前記複数の第1光変調手段のそれぞれと前記2光変調手段との間の画素ずれ情報を記憶することを特徴とする請求項6に記載の画像処理装置。
- 光源装置から射出された照明光を変調する第1光変調手段と、
前記第1光変調手段からの光を変調する第2光変調手段と、
前記第2光変調手段からの光を投射する投射手段と、
入力された画像信号に対して画像処理を行う画像処理手段と、を有し、
前記第1および第2光変調手段の一方は、複数の光変調手段を備え、
前記画像処理手段は、
前記複数の光変調手段のそれぞれの間の画素ずれ情報に基づく第1の補正量を算出する第1の算出手段と、
前記複数の光変調手段のそれぞれと他方の光変調手段との間の画素ずれ情報に基づく第2の補正量を算出する第2の算出手段と、
前記第1および第2の補正量に基づいて、前記画像信号に対して画素ずれ補正を行う補正手段と、を備えることを特徴とする画像投射装置。 - 前記第1の算出手段は、前記画像投射装置の状態に基づいて前記第1の補正量を算出することを特徴とする請求項8に記載の画像投射装置。
- 前記第2の算出手段は、前記画像投射装置の状態に基づいて前記第2の補正量を算出することを特徴とする請求項8または9に記載の画像投射装置。
- 複数の第1光変調手段のそれぞれの間の画素ずれ情報に基づく第1の補正量を算出するステップと、
前記複数の第1光変調手段のそれぞれと第2光変調手段との間の画素ずれ情報に基づく第2の補正量を算出するステップと、
前記第1および第2の補正量に基づいて、入力された画像信号に対して画素ずれ補正を行うステップと、をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
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