JP2018084522A - 物体検知装置および物体検知方法 - Google Patents

物体検知装置および物体検知方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ターゲットの位置を精度よく検知する物体検知装置を得る。【解決手段】ターゲット検出手段1は、ターゲットから反射された反射信号の周波数スペクトラムのピークを検出するピーク検出手段30と、ピーク検出結果にもとづきターゲットの距離・相対速度を算出する距離・相対速度算出手段31と、複数変調区間のピーク周波数スペクトラムから生成される共分散行列のうち、共分散行列加算禁止手段33で加算を禁止されていない共分散行列を加算した加算共分散行列に基づいてターゲットの方向を算出する方向算出手段32と、過去の複数のターゲットの検知結果からピーク周波数スペクトラムの発生するビート周波数を予測して予測ピーク周波数を算出するピーク予測手段35を有し、共分散行列加算禁止手段33は、予測ピーク周波数にもとづいて加算禁止区間を算出するようにした。【選択図】図1

Description

この発明は、対象物体(以下、「ターゲット」という)に送信信号(電波)を照射して、送信信号に基づくターゲットからの反射信号に基づいてターゲットを検知する物体検知装置および物体検知方法に関するものである。
従来の物体検知装置は、複数の変調区間を有する送信信号を送信する送信手段と、送信信号がターゲットで反射された反射信号を複数のアンテナにより受信する受信手段と、送信信号と受信手段により受信された複数の受信信号とをそれぞれミキシングして複数のビート信号を得るミキシング手段と、複数のビート信号をそれぞれ周波数解析する周波数解析手段と、周波数解析手段により解析された複数の周波数解析結果に基づいて、複数変調区間のピーク周波数スペクトラムが所定条件外のピーク周波数スペクトラムから生成される共分散行列を加算した加算共分散行列に基づいてターゲットの方向を算出するタミーゲット検出手段を備えている(特許文献1参照)。
つまり、ターゲット検出手段は、複数の変調区間のピーク周波数が所定条件、例えばピーク周波数が0付近である場合に、ピーク周波数が所定条件のピーク周波数スペクトラムから生成される共分散行列の加算を禁止するようにしている。
また、従来の物体検知装置として、周波数がノコギリ波状に変化するように周波数変調された高周波信号(チャープ)を複数回生成する第1変調期間と、周波数が三角波状に増加・減少するように周波数変調された高周波信号(FMCW)を生成する第2変調期間とを交互に繰り返して送信信号を送信し、ターゲットで反射された反射信号を受信して、その受信信号に基づいて前方物体である物標までの距離、物標の速度、物標の方位を観測するようにしたものがある(特許文献2参照)。
特開2010−127912号公報 特開2016−3873号公報
特許文献1の従来技術では、次の問題が生じる。
1)停止物ターゲットが存在しない場合も、停止物ターゲットが存在する可能性のある周波数範囲のピークを共分散行列の加算に使用しないため、必要以上にスナップショット数が少なくなる可能性があり、ひいては、測角精度の劣化を招く恐れがある。
2)ある周期に観測された複数のターゲットのピーク周波数の差分が小さい場合に共分散行列の加算を行わないこととしているが、ターゲットの中にUP区間とDOWN区間のペアリングを誤ったターゲットが含まれてしまうと、本来は複数ターゲットのピークが重複していないにもかかわらず、ペアリングが誤っていることでピークが重複したと判定してしまい、必要以上にスナップショット数が少なくなる可能性があり、ひいては、測角精度の劣化を招く恐れがある。
なお、この発明において、重複とは、同一のピーク周波数スペクトラムの成分に異なる距離・相対速度のピーク周波数スペクトラムの成分が重なってしまう現象を指す。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、スナップショット数の減少を解消することにより、測角精度の劣化を防止することを目的とした物体検知装置および物体検知方法を提供するものである。
この発明に係わる物体検知装置は、複数の変調区間を有する送信信号を送信する送信手段と、送信信号がターゲットで反射された反射信号を複数のアンテナで受信する受信手段と、送信信号と受信手段で受信された受信信号とをミキシングして複数のビート信号を得るミキシング手段と、ビート信号をそれぞれ周波数解析する周波数解析手段と、周波数解析手段により解析された周波数解析結果に基づいて、ターゲットの距離・相対速度・方向を算出するターゲット検出手段を備え、ターゲット検出手段は、ターゲットから反射された反射信号の周波数スペクトラムを検出するピーク検出手段と、ピーク検出手段によるピーク検出結果にもとづきターゲットの距離・相対速度を算出する距離・相対速度算出手段と、複数の変調区間のピーク周波数スペクトラムから生成される共分散行列のうち、共分散行列加算禁止手段で加算を禁止されていない共分散行列を加算した加算共分散行列に基づいてターゲットの方向を算出する方向算出手段と、距離および相対速度の情報を含む過去の複数のターゲットの検知結果からピーク周波数スペクトラムの発生するビート周波数を予測して予測ピーク周波数を算出するピーク予測手段を有し、共分散行列加算禁止手段は、予測ピーク周波数にもとづいて算出される加算禁止区間に含まれるピーク周波数スペクトラムの共分散行列の加算を禁止するようにしたものである。
この発明に係わる物体検知方法は、複数の変調区間を有する送信信号を送信する第1のステップと、送信信号がターゲットで反射された信号を受信信号として複数のアンテナで受信する第2のステップと、送信信号と受信信号とをミキシングして複数のビート信号を得る第3のステップと、ビート信号をそれぞれ周波数解析する第4のステップと、周波数解析の結果に基づいてターゲットの距離・相対速度・方向を算出する第5のステップとを有し、第5のステップは、ターゲットから反射された信号の周波数スペクトラムのピーク周波数を検出するステップと、ピーク周波数の検出結果にもとづきターゲットの距離・相対速度を算出するステップと、後記予測ピーク周波数にもとづいてピーク周波数スペクトラムの共分散行列の加算を禁止する区間を算出するステップと、複数の変調区間のピーク周波数スペクトラムから生成される共分散行列のうち、共分散行列の加算が禁止されていない共分散行列を加算した加算共分散行列に基づいてターゲットの方向を算出するステップと、距離および相対速度の情報を含む過去の複数のターゲットの検知結果からピーク周波数スペクトラムの発生するビート周波数を予測して予測ピーク周波数を算出するステップを有したものである。
この発明は、ピーク周波数スペクトラムから生成される共分散行列を加算した加算共分散行列に基づいてターゲットの方向を算出する際に、予測ピーク周波数にもとづいて算出される加算禁止区間に含まれるピーク周波数スペクトラムの共分散行列の加算を禁止するようにしたから、ターゲットの測角精度の劣化を防止することができ、従来の物体検知装置と比べて精度よくターゲットの位置を検知することができる。
この発明の実施の形態1に係わる物体検知装置のブロック図である。 この発明の実施の形態1に係わる物体検知装置の動作を説明するフローチャート図である。 この発明の実施の形態1の物体検知装置における、チャネル毎、変調区間毎における複素スペクトラムの振幅を表す図である。 この発明の実施の形態1の物体検知装置における、チャネルの変調区間毎における複素スペクトラムの加算禁止区間を表す図である。 この発明の実施の形態1の物体検知装置において、方位角度における複素スペクトラムの振幅を表す図である。
実施の形態1.
以下、この発明の実施の形態1における物体検知装置および物体検知方法を図1から図5に基づいて説明する。
図1はこの発明の実施の形態1に係わる物体検知装置のブロック図であり、図1において、物体検知装置は、マイクロコンピュータからなるターゲット検出手段1と、ターゲット検出手段1の制御下で制御電圧を出力する制御電圧発生器2と、制御電圧発生器2からの制御電圧に基づいて時間とともに周波数が単調に増加するUP区間、または、周波数が単調に減少するDOWN区間を持つように変調された送信信号を出力する制御電圧発振器(VCO=Voltage Controlled Oscillator)3と、制御電圧発振器3からの送信信号を分配する分配器4と、ターゲット40に対して送信信号W1を出射する送信アンテナ(送信手段)5とを備えている。
このような物体検知装置の代表例として、FMCW(Frequency Modulated Continuous Wave)レーダ装置が挙げられる。この発明ではUP区間を1つ、DOWN区間を1つ持ち、観測周期T[s]でUP区間およびDOWN区間の複数の変調区間で送受信を繰り返して信号処理を行うFMCWレーダ装置について説明する。
また、物体検知装置は、送信信号W1がターゲット40で反射された反射信号W2を受信する複数チャネル(たとえば、6チャネル)からなるアレイ状の受信アンテナ(受信手段)6〜11と、分配器4で分配された送信信号と複数チャネル分の受信信号とをそれぞれミキシングして複数チャネル分のビート信号を得るミキサ(ミキシング手段)12〜17と、複数チャネル分のビート信号をアナログ/ディジタル変換するA/Dコンバータ18〜23と、A/D変換された複数チャネル分のビート信号をそれぞれ周波数解析するFFT(Fast Fourier Transform:高速フーリエ変換)演算手段(周波数解析手段)24〜29を備えている。
FFT演算手段24〜29からの複数チャネル分のビート信号の周波数解析結果(複数チャネル分のビート周波数スペクトラム)は、ターゲット検出手段1に入力される。ターゲット検出手段1は、ターゲット40の距離、相対速度、方向を算出して、ターゲット情報として外部装置(図示せず)に出力する。
上記ターゲット情報を得るため、ターゲット検出手段1は、ビート信号の周波数解析結果からピーク周波数を検出するピーク検出手段30と、ピーク周波数に基づいてターゲット40の距離Rおよび相対速度Vを算出する距離・相対速度算出手段31と、複数チャネル分のピーク周波数スペクトラム、距離Rおよび相対速度Vからターゲット40の方向θを算出する方向算出手段32と、ターゲットのピーク周波数が所定条件である場合に、ピーク周波数が所定条件のピーク周波数スペクトラムから生成される共分散行列の加算を禁止する共分散行列加算禁止手段33と、ある観測周期で観測された複数のターゲットの距離、相対速度、方向等の観測結果と、過去の観測周期で観測された複数のターゲットの距離、相対速度、方向等の観測結果から、時系列で相関のあるターゲットを同一物体であるとして平滑化などの処理を行う時系列処理手段34と、ある観測周期で観測された複数のターゲットの距離、相対速度、方向等の観測結果から、次の周期に現れるピーク周波数を予測するピーク予測手段35を備えている。
なお、以降では、距離・相対速度算出手段31および方向算出手段32によって得られる距離、相対速度、方向等の観測結果を、「観測ターゲット」の観測結果と表現し、時系列処理手段34の出力として得られる観測結果を「時系列ターゲット」の観測結果と表現
して区別する。なお、時系列ターゲットの観測結果は、観測ターゲットとは明確に区別するために、平滑距離、平滑相対速度、平滑方向と表現する。
以下、図1に示したこの発明の実施の形態1に係る物体検知装置の動作について説明する。
まず、ターゲット検出手段1から制御電圧発生器2に対して変調開始命令が出力されると、制御電圧発生器2から複数変調区間(たとえば、三角状のUP/DOWN)の制御電圧が制御電圧発振器3に印加され、制御電圧発振器3からは、制御電圧にしたがってUP区間/DOWN区間に周波数変調された送信信号が出力される。
送信信号は、分配器4を介して送信アンテナ5とミキサ12〜17とに分配され、送信アンテナ5からターゲット40に向けて出射される。
一方、ターゲット40で反射された反射信号W2は、複数(たとえば、6個)の受信アンテナ6〜11により、6チャネル分(CH1〜CH6とする)の受信信号として受信され、個別のミキサ12〜17により送信信号とミキシングされる。
これにより、ミキサ12〜17からは、6チャネル分のビート信号が生成され、各ビート信号は、周波数が時間経過にともなって上昇するUP区間と、周波数が時間経過にともなって下降するDOWN区間とのそれぞれについて、A/Dコンバータ18〜23で各々ディジタルデータに変換される。
A/Dコンバータ18〜23から生成されたディジタルデータは、FFT演算手段24〜29により、個別にFFTを用いた周波数解析が施される。FFT演算手段24〜29により算出された6チャネル分の周波数解析結果(ビート周波数スペクトラム)は複素数データとして得られ、UP区間およびDOWN区間のそれぞれについて、ターゲット検出手段1に入力される。
ターゲット検出手段1内において、まず、ピーク検出手段30は、6チャネル分の周波数解析結果からピーク周波数を検出する。次に、距離・相対速度算出手段31は、ピーク検出手段30で検出されたピーク周波数からターゲット40の距離および相対速度を算出する。このとき、ありえない距離または相対速度の演算値は、ターゲット40の情報とは見なされずに除外される。
次いで、方向算出手段32は、距離および相対速度の算出に用いたピーク周波数に対応するピーク周波数スペクトラムに対し、超分解能到来方向推定処理を施すことにより、ターゲット40の方向θを算出する。ここでは、超分解能到来方向推定処理として、MUSIC(Multiple Signal Classification)法を用いるものとする。
具体的には、後述するように、方向算出手段32は、複数チャネル分の周波数解析結果に基づいて、観測ターゲットのUP区間ピーク周波数とDOWN区間ピーク周波数が所定範囲である場合に、共分散行列加算禁止手段33はピーク周波数が所定範囲のピーク周波数スペクトラムから生成される共分散行列の加算を禁止し、ピーク周波数が所定範囲外のピーク周波数スペクトラムから生成される共分散行列の固有値および固有ベクトルから、ターゲット40の方向または個数を算出する。
次いで、時系列処理手段34では、距離、相対速度、方向等の観測結果を過去の観測結果と平滑化してノイズの影響を抑えたり、過去の観測周期で十分継続して検知している物体であっても、ある観測周期でノイズ等の影響で観測ターゲットを検知できなかった場合に外挿したりする。時系列処理手段34は物体検知装置ではよく用いられるもので、追尾
処理手段と呼ばれる場合もある。ノイズ等の影響により距離、相対速度、方向等の観測結果のばらつきが大きい場合などは、時系列処理手段34を設けた方が後述のピーク予測手段35の予測ピークの精度が向上するため、この実施形態では時系列処理手段34がある場合について説明するが、時系列処理手段34は本発明においては必ずしも必須のものではない。
最後に、ピーク予測手段35では、時系列処理手段34で得られた時系列ターゲットの平滑距離、平滑相対速度、平滑方向等の観測結果から、次の周期に現れるピーク周波数を予測して予測ピークを算出する。予測ピークの情報は、次の周期にて、共分散行列加算禁止手段33での共分散行列の加算禁止の条件を決定するために使用する。前述のように時系列処理手段34を設けない場合は、距離・相対速度算出手段31、方向算出手段32の出力である距離、相対速度、方向等の観測情報をピーク予測手段35に直接入力する。すなわち、時系列処理手段34を設けない場合は、以降の説明において「時系列ターゲット」はすべて「観測ターゲット」と読み替えることに相当する。
次に、図2〜図5を参照しながら、図1に示したターゲット検出手段1の動作について具体的に説明する。
図2はターゲット検出手段1の動作手順を示すフローチャートである。図3は図2内のステップS101の処理を示す説明図であり、入力された6チャネル分のビート周波数スペクトラムの振幅を示している。また、図5は図2内のステップS111の処理を示す説明図であり、MUSICスペクトラムの一例を示している。
図2において、まず、ステップS101は、ピーク検出手段30が6チャネル分のビート周波数スペクトラムの振幅に対して、ピーク周波数を検出する。具体的には、図3に示すように、6チャネル分のビート周波数スペクトラムの振幅に対して、検出閾値を設け、検出閾値以上かつ前後のビート周波数の振幅より大きい振幅をピークと判定する。
なお、この発明では上述の方法でピークを判定するが、ピーク検出手段30でピーク周波数を検出する方法はさまざまである。たとえば、6チャネル分個別にピーク検出せずに、DBF(Digital Beam Forming)によって、所定の方向のゲインが強くなるようなビームを形成したうえでピーク周波数を検出してもよい。また、ピーク検出の方法としては、公知のCFAR(Constant False Alarm Rate)方式を用いてもよい。なお、この発明は、ピーク検出の方法には依存せず、ターゲット40からの反射成分と思われる周波数を抽出できればどのような方法でもよい。
図3において、(a)〜(f)はUP時の6チャネル分のビート周波数スペクトラムの振幅を示し、(g)〜(l)はDOWN時の6チャネル分のビート周波数スペクトラムの振幅を示しており、それぞれ、横軸はビート周波数、縦軸は振幅である。また、ピークとなった振幅のピーク周波数は、UP区間については「fbu」で示され、DOWN区間については「fbd」で示されている。
FMCWレーダ装置ではfbu、fbdを周波数の単位[Hz]で表現される場合もあるが、ここでは便宜上、FFTなどの離散周波数変換を行った場合は離散的な周波数として得られることから、FFT後の周波数の刻みを1周波数ビンと定義し、fbu、fbdの単位は[bin]とする。なお、公知のとおり、1周波数ビンを周波数[Hz]として表現する場合は、周波数ビンに対してFFT前の信号の観測時間の逆数を乗算すればよいだけである。
また、図3においてはfbuおよびfbdを1つだけしか示していないが、実際には周辺の環境によってピーク周波数の数は変動する。たとえば、移動する車両が複数存在する場合には、複数の車両の分だけピーク周波数が得られる場合もある。
図2に戻り、続いて、ステップS102は、距離・相対速度算出手段31が、ステップ
S101で得られたピーク周波数fbu、fbdから、ターゲット40の距離Rおよび相対速度Vを、一般的なFMCWレーダの原理に基づいて算出する。
いま、FFT後のビート周波数スペクトラムから離散的なピーク周波数が得られている場合について説明すると、FMCWレーダでは、fbu、fbdは距離R[m]および相対速度V[m/s]および、1周波数ビンあたりの距離ΔR[m/ビン]、1周波数ビンあたりの相対速度ΔV[m/s/ビン]から、次式のようにあらわすことができる。ここで、fbu、fbdは正負の周波数範囲を持ち、相対速度Vは接近方向が負、離反方向が正となるような符号を持つものとする。
fbu=−R/ΔR−V/ΔV ・・・(1)
fbd= R/ΔR−V/ΔV ・・・(2)
上記式はすなわち、距離Rが遠くなるほど、fbuは小さく、fbdは大きくなり、また、相対速度Vが接近方向に大きくなるほど、すなわち、負側に大きくなるほど、ドップラシフトの影響によりfbuおよびfbdが大きくなることを意味する。
上記式から、距離Rおよび相対速度Vは式(3)(4)であらわされる。
R=(−fbu+fbd)÷2 ・・・(3)
V=−(fbu+fbd)÷2 ・・・(4)
なお、FMCWレーダ装置の原理から、光速をC[m/s]、変調周波数幅をB[Hz]、送信波の波長をλ[m]、1ビン当たりの周波数をΔf[Hz]とすると、ΔR、ΔVは次式であらわすことができる。
ΔR=C/(2B) ・・・(5)
ΔV=Δf・λ/2 ・・・(6)
続いて、ステップS103は、距離・相対速度算出手段31が、算出された観測ターゲットの個数Kをカウントして記憶する。続いて、ステップS104は加算禁止区間を算出する。
この実施形態1では、ピーク予測手段35によって、過去の複数の時系列ターゲットの検知結果から、ピーク周波数スペクトラムの発生するピーク周波数を予測して予測ピーク周波数を算出し、加算禁止区間を設定する。
ピーク予測手段35では、過去の複数の時系列ターゲットの検知結果から、時系列ターゲットの数だけUP区間およびDOWN区間のピークをそれぞれ予測する。
具体的には、式(1)および式(2)に示した通り、距離Rおよび相対速度Vが既知であれば、fbu、fbdを導出できることから、過去に検知された時系列ターゲットの平滑距離および平滑相対速度から、次の周期の距離および相対速度を予測して予測距離および予測相対速度を算出し、その結果をもとに、fbuおよびfbdを予測する。
ここで、時系列ターゲットの平滑距離をRtgt、平滑相対速度Vtgtとすると、次の周期の予測距離Rpd、予測相対速度Vpd、UP区間のピーク予測値をfbupd、DOWN区間のピーク予測値をfbdpdは、それぞれ次式であらわされる。なお、Tは前述の通り、観測周期を表す。
Rpd=Rtgt+Vtgt×T ・・・(7)
Vpd=Vtgt ・・・(8)
fbupd=−Rpd/ΔR−Vpd/ΔV ・・・(9)
fbdpd= Rpd/ΔR−Vpd/ΔV ・・・(10)
ここでは等速直線運動を前提に式(7)、式(8)のように距離および相対速度を予測したが、たとえば相対速度の時間変化などから加速度を推定し、等加速度直線運動を前提
として次の周期の距離および相対速度を予測してもよいし、方向の情報も用いて、次の周期に観測される距離、相対速度、方向を予測してもよいし、カーブ中などは円運動を前提として距離および相対速度を予測するようにしてもよい。
また、UP区間とDOWN区間には厳密には変調時間分の時間差が存在するため、変調時間分の時間差の分だけ、距離および相対速度の予測値を変調区間ごと補正し(上記例ではUP区間とDOWN区間で個別に補正し)、fbupd、fbdpdを補正するようにしてもよい。また、ここでは観測周期Tを一定としているが、観測周期Tが一定である必要はなく、過去の観測周期から今回の観測周期の距離、相対速度が予測できればどのような値でもよい。
以上の計算により、複数の時系列ターゲット分の、各複数変調区間分(ここではUP区間、DOWN区間)の予測ピーク周波数を算出する。
次いで、加算禁止区間を設定する。実施の形態1では、過去の複数時系列ターゲット分の予測ピーク間の周波数差を計算し、その周波数差が所定のしきい値以下のとき、予測ピーク間の周波数差の導出に用いた予測ピーク周辺の周波数範囲を含むように加算禁止区間が決定される。
たとえば、時系列ターゲットAと時系列ターゲットBの2つの時系列ターゲット情報が1つ前の観測周期に得られており、時系列ターゲットAの予測ピークが式(7)〜(10)によって、fbupdA、fbdpdAで得られており、時系列ターゲットBの予測ピークが式(7)〜(10)によってfbupdB、fbdpdBで得られている場合について説明する。
UP区間の加算禁止区間は、UP区間の予測ピークによって算出される。まず、時系列ターゲットAと時系列ターゲットBのUP区間の予測ピークの差の絶対値Δfbupdを計算する。
Δfbupd=|fbupdA−fbupdB|
次いで、予測ピークの差Δfbupdがしきい値を下回っているか判定する。
ΔfbupdがUP区間重複判定しきい値TH01を上回っている場合は、予測ピークの差が大きい、すなわち、ピークは離れており、時系列ターゲットAと時系列ターゲットBのピークは今回の観測周期においてUP区間で重複する恐れがないと判定する。この場合は、加算禁止区間は設定されない。
ΔfbupdがUP区間重複判定しきい値TH01を下回っている場合は、予測ピークの差が小さい、すなわち、時系列ターゲットAと時系列ターゲットBのピークは今回の観測周期においてUP区間で重複する恐れがあると判定する。この場合、UP区間の加算禁止区間は、fbupdAとfbupdBを含むように設定される。
上記した「含むように」とは、たとえば、fbupdAが10ビン、fbupdBが8ビンで、UP区間重複判定しきい値TH01が3ビンである場合、8ビン〜10ビンを含むように、8ビン〜10ビン、または、7ビン〜10ビン、または、7ビン〜11ビンのように設定される。上記は一例であり、8ビン〜10ビンを含むようにある程度マージンを持って設定される。このように加算禁止区間にマージンを設定する理由は、過去の周期の時系列ターゲット情報には誤差が乗っており、予測ピークが必ずしも正確に算出されるとは限らないためである。
同様にして、DOWN区間の加算禁止区間は、DOWN区間の予測ピークによって算出される。計算方法はUP区間と同様にして決定する。
まず、時系列ターゲットAと時系列ターゲットBのDOWN区間の予測ピークの差の絶
対値Δfbdpdを計算する。
Δfbdpd=|fbdpdA−fbdpdB|
次いで、予測ピークの差Δfbdpdがしきい値を下回っているか判定する。
ΔfbdpdがDOWN区間重複判定しきい値TH02を上回っている場合は、予測ピークの差が大きい、すなわち、ピークは離れており、時系列ターゲットAと時系列ターゲットBのピークは今回の観測周期においてDOWN区間で重複する恐れがないと判定する。この場合は、加算禁止区間は設定されない。
ΔfbdpdがDOWN区間重複判定しきい値TH02を下回っている場合は、予測ピークの差が小さい、すなわち、時系列ターゲットAと時系列ターゲットBのピークは今回の観測周期においてDOWN区間で重複する恐れがあると判定する。この場合、DOWN区間の加算禁止区間は、fbdpdAとfbdpdBを含むように設定される。
以上説明した中でのパラメータ、UP区間重複判定しきい値TH01や、DOWN区間重複判定しきい値TH02や、加算禁止区間のマージンは、物体検知装置のハードウェア的な要因(たとえば、FMCWレーダ装置において、所望の変調傾きで精度よく変調できるか否かなど)や、信号対雑音電力比(SNR:Signal−to−Noise Ratio)などで変動することから、実際のハードウェア特性などを考慮して設計される。たとえば、実際に設計段階において物体検知装置を搭載した車両で走行して、その走行データを解析して決定するようにしてもよい。
以上、時系列ターゲットA、時系列ターゲットBの2つの時系列ターゲットが過去の観測周期で観測されている場合を例に説明したが、この処理を、過去の観測周期で観測されている時系列ターゲットの組み合わせの分だけ行い、加算禁止区間を設定する。
続いて、ステップS105は、方向算出手段32が、観測ターゲットのピーク周波数fbuとfbdが加算禁止区間内であるか判定する。
図4(a)に示すようにピーク周波数fbuとfbdの両方が加算禁止区間内の場合はステップS106へ進み、図4(b)に示すようにピーク周波数fbuのみが加算禁止区間内の場合はステップS107へ進み、図4(c)に示すようにピーク周波数fbdのみが加算禁止区間内の場合はステップS108へ進み、ピーク周波数fbuとfbdの両方が加算禁止区間内でない場合はステップS109へ進む。
ステップS106では、方向算出手段32は、ピーク周波数fbuとfbd両方が加算禁止区間内なので、共分散行列Rcを生成せず、ステップS113へ進む。この場合は方向が算出されないため、このように共分散行列Rcを生成できなかった観測ターゲット情報は破棄される。
ステップS107では、方向算出手段32は、MUSIC法に用いるための共分散行列Rcを生成する。ピーク周波数fbuが加算禁止区間内であるため、共分散行列加算禁止手段33において、ピーク周波数がfbuのビート周波数スペクトラムから生成される共分散行列の加算を禁止し、共分散行列Rcは、6×6次で以下の式(11)のように表される。
Figure 2018084522
なお、式(11)において、Yiはi番目(i=1,…,6)のチャネル(CHi)におけるピーク周波数fbdのビート周波数スペクトラムである。またYiはYiの複素共役を表している。
ステップS108では、方向算出手段32は、MUSIC法に用いるための共分散行列Rcを生成する。ピーク周波数fbdが加算禁止区間内なので、共分散行列加算禁止手段33において、ピーク周波数がfbdのビート周波数スペクトラムから生成される共分散行列の加算を禁止し、共分散行列Rcは、6×6次で以下の式(12)のように表される。
Figure 2018084522
なお、式(12)において、Xiはi番目(i=1,…,6)のチャネル(CHi)におけるピーク周波数fbuのビート周波数スペクトラムである。また、XiはXiの複素共役を表している。
ステップS109では、方向算出手段32は、MUSIC法に用いるための共分散行列Rcを生成する。ピーク周波数fbuとfbdの両方が加算禁止区間内ではないので、共分散行列Rcは、6×6次で、以下の式(13)のように表される。
Figure 2018084522
なお、式(13)において、Xiはi番目(i=1,…,6)のチャネル(CHi)におけるピーク周波数fbuのビート周波数スペクトラム、Yiはi番目(i=1,…,6)のチャネル(CHi)におけるピーク周波数fbdのビート周波数スペクトラムである。また、XiはXiの複素共役、YiはYiの複素共役を表している。
ステップS110は、方向算出手段32が、共分散行列Rcについて固有値、固有ベクトル解析を行い、固有値Λ1〜Λ6およびそれぞれに対応する固有ベクトルe1〜e6を求める。
続いて、ステップS111は、方向算出手段32が、固有値Λ1〜Λ6および固有ベクトルe1〜e6を用いて、一般的なMUSIC法に基づいて、以下の式(14)により、角度スペクトラムPm(θ)(MUSICスペクトラム)を算出する。
Figure 2018084522
なお、式(14)において、 eiは固有ベクトルeiの複素共役転置、Lは入射信
号数、λは波長、dは受信アンテナ6〜11の素子間隔である。
次に、ステップS112は、方向算出手段32において、MUSICスペクトラムがピークとなる方向θを抽出する。
具体的には、注目する方向のMUSICスペクトラムが、その前後の方向のMUSICスペクトラムよりも大きい場合に、その方向をピーク方向として算出する。
このように抽出されたピーク方向のうち、MUSICスペクトラムが大きいものから順に、ターゲット40の方向θとする。図5の例では、2個のターゲットの方向θとして、θ1およびθ2が算出されている。
なお、ステップS106〜S112は、MUSIC法の基本的な処理であり、すでに様々な公知文献で発表されているので、詳細については省略する。
次いで、ステップS113は、ステップS103でカウントした観測ターゲット個数K分の計算が終了したか否かを判定し、計算が終了していない(すなわち、NO)と判定されれば、ステップS105に戻って、ステップS105〜ステップS112の処理を繰り返し実行する。
一方、ステップS113において、観測ターゲット個数分の計算が終了した(すなわち、YES)と判定されれば、次いで、ステップS114に進み、時系列処理手段34の処理を実行する。
時系列処理手段34では、今回の観測周期で観測されたすべての観測ターゲットの距離、相対速度、方向等の観測結果と、過去の観測周期で観測されたすべての時系列ターゲットの平滑距離、平滑相対速度、平滑方向等の時系列処理結果を比較して、それぞれの観測結果が今回観測ターゲットと過去の時系列ターゲットで近ければ時系列で相関があるとして、時系列で相関があると判定された観測ターゲットについて、今回の距離、相対速度、方向等の観測結果を過去の時系列ターゲットの時系列処理結果と平滑化してノイズの影響を抑える。
また、過去の観測周期で長時間にわたって継続的に相関があると判定されていた物体であっても、今回の観測周期でノイズ等の影響で観測ターゲットを検知できなかった場合や、ステップS106で共分散行列を生成せず、方向情報が得られなかった場合などには、ただちに時系列ターゲット情報を消去するのではなく、所定の回数を上限として(たとえば3周期など)、時系列ターゲット情報を外挿したりする。外挿とは、過去の観測周期から今回得られるであろうターゲット情報を予測して出力することを意味し、たとえば、等速直線運動を仮定する場合は、過去に観測されていた平滑距離を平滑相対速度の分だけ変化させて出力することになる。また、過去の観測周期と今回の観測周期で相関が取れなかった場合は、今回の観測ターゲット周期を新たな時系列ターゲット情報として新規登録する。
なお、この発明では時系列処理手段34の具体的な処理方法には依存しないため、公知のどのような時系列処理手段34を用いてもよい。たとえば、平滑化の方法として、カルマンフィルタなどの公知の追尾フィルタを適用しても良いし、その他の追尾フィルタとしても良い。また、時系列処理手段34は前述のように省略してもよい。
最後に、時系列処理手段34の計算が終了したのち、ある程度時系列で相関のとれた時系列ターゲット情報(平滑距離、平滑相対速度、平滑方向など)を図示しない外部装置に出力する。ここである程度時系列で相関のとれたターゲットとしているのは、ノイズ等の影響で瞬時的に誤検知してしまったターゲット情報を外部出力しないためであるが、後段の外部装置に何らかの誤検知の判断機能を持つ場合はこの限りではない。たとえば、外部装置が、画像センサやレーザスキャナなどの別のセンサ情報と組み合わせて、いわゆるセンサフュージョン処理を行うような機能を持っている場合などがこれに相当する。
なお、同様の理由で、ノイズ等の影響で瞬時的に誤検知してしまったターゲット情報を予測ピークに反映しないために、予測ピーク算出時においても、ある程度時系列で相関のとれた時系列ターゲット情報を用いて予測ピークを算出するようにしても良い。
以上のような処理によって得られたターゲット情報は、自車が前方の障害物に衝突した際の被害を軽減する衝突被害軽減ブレーキシステム(CMB:Collision Mitigation Brake)、前方の車両に追従するアダプティブクルーズコントロールシステム(ACC:Adaptive Cruise Control)などで使用される。
実施の形態2.
次に、この発明の実施の形態2における物体検知装置および物体検知方法を説明する。
実施の形態1の処理では時系列ターゲットAと時系列ターゲットBの平滑距離・平滑相対速度が極端に近い場合、UP区間の予測ピークとDOWN区間の予測ピークが時系列タ
ーゲットAと時系列ターゲットBでほとんど同じ周波数になってしまい、長期間にわたって予測ピークが重複していると判定される恐れがある。このため、長期間にわたって、共分散行列が得られず、ターゲットの方向が算出できなくなってしまう恐れがある。
このような場合への対策の一つとして実施の形態2の発明は、予測ピーク算出の前段階で、あらかじめ距離・相対速度の似通ったものを一塊にしておくようにしたものである。
このような処理は、グルーピングやクラスタリングなどと呼ばれる場合もある。このようにしておけば、時系列ターゲットAと時系列ターゲットBの距離・相対速度が極端に近い場合は、一つのグループとして予測ピークを算出するので、予測ピークが重複していると判定されることを防ぐことができる。
実施の形態3.
次に、この発明の実施の形態3における物体検知装置および物体検知方法を説明する。
実施の形態3では、共分散行列の加算の禁止をキャンセルする、共分散行列加算禁止キャンセル手段を持つ物体検知装置について説明する。
すなわち、実施の形態1の共分散行列加算禁止手段33において、共分散行列の加算を禁止すると判定されていたとしても、所定の条件を満たした場合は共分散行列の加算の禁止をキャンセルする。
たとえば、時系列ターゲットAと時系列ターゲットBの距離が十分に離れており、時系列ターゲットAの方が近距離に存在する場合について考える。いま、FMCWレーダ装置では、式(1)、式(2)から明らかなように、たとえ距離が十分に離れていても相対速度によっては予測ピークがほぼ同じ周波数になる場合がある。一般に、時系列ターゲットAと時系列ターゲットBが同一の反射断面積(RCS:Radar Cross Section)を持つような物体であれば、距離が遠ければ遠いほど物体検知装置で検知される反射波強度(振幅、電力)は小さくなる。このため、仮に予測ピークがほぼ同じ周波数であったとしても、近い方の時系列ターゲットAの反射波強度(振幅、電力)は相対的に強く、遠い方の時系列ターゲットBの反射波強度(振幅、電力)は相対的に弱く観測される。
このような場合、仮に時系列ターゲットAと時系列ターゲットBのピーク周波数がほぼ同じ周波数になったとしても、時系列ターゲットAのピーク周波数スペクトラムの成分の方が相対的に強いと期待でき、このようなピーク周波数スペクトラムをスナップショットに加算したとしても、時系列ターゲットBに相当する今回の観測ターゲットの方向は正しく算出できない可能性が高いが、時系列ターゲットAに相当する今回の観測ターゲットの方向を正しく算出できると期待される。
このような場合には、観測ターゲットのUP区間とDOWN区間の両方のピーク周波数が時系列ターゲットAのUP区間の予測ピークfbupdAとDOWN区間の予測ピークfbdpdAに近い周波数である場合、共分散行列の加算の禁止をキャンセルする。
一方で、観測ターゲットのUP区間とDOWN区間のピーク周波数のいずれか一方でも、時系列ターゲットAの予想ピークfbuupAまたは予測ピークfbdpdAの周辺に存在しない場合には、共分散行列の加算の禁止をキャンセルしない。
これはすなわち、ターゲットAの予測ピークの算出に用いた予測距離および予測相対速度が、今回観測されたピーク周波数から式(3)式(4)によって算出された観測ターゲットの距離および相対速度に近ければ、当該観測ターゲットの共分散行列の加算を禁止しないことに相当する。
このように、共分散行列の加算の禁止をキャンセルすることにより、実施の形態1では、重複していると判定されて共分散行列の加算が禁止されていたような場合であっても、実
施の形態3では、少なくとも受信強度の相対的に強い方の観測ターゲットについては、スナップショット数の減少を抑えることができ、ひいては、測角精度が向上する。
以上の効果を実現するために、実施の形態3では、加算禁止キャンセル手段は、前記加算禁止区間の算出に使用された複数の時系列ターゲット間の予測距離が所定のしきい値以上離れている場合、そのなかで最も近い距離に観測されている時系列ターゲットを最近距離ターゲットとして記憶し、今回検知されている観測ターゲットのピーク周波数スペクトラムが加算禁止区間にあったとしても、今回検知されている観測ターゲットの距離および相対速度が最近距離ターゲットの予測距離および予測相対速度に近い場合は、共分散行列の加算を禁止しないように構成される。
ここで予測距離および予測相対速度とは、時系列処理手段34によって計算されるもので、たとえば、式(7)や式(8)によって計算されるものである。
実施の形態4.
次に、この発明の実施の形態4における物体検知装置および物体検知方法を説明する。
実施の形態3では時系列ターゲットAと時系列ターゲットBの距離が離れている場合について説明したが、時系列ターゲットAと時系列ターゲットBの距離が十分に離れていなかったとしても、時系列ターゲットAの方が時系列ターゲットBに比べて十分に反射が強いような場合(たとえば、時系列ターゲットAがトラックで、時系列ターゲットBが路側の樹木などの場合)、仮に時系列ターゲットAと時系列ターゲットBの予測ピークがほぼ同じ周波数であったとしても、反射が強い時系列ターゲットAの反射波強度(振幅、電力)は相対的に強く、反射が弱い時系列ターゲットBの反射波強度(振幅、電力)は相対的に弱く観測される。
このような場合には、観測ターゲットのUP区間とDOWN区間の両方のピーク周波数が時系列ターゲットAのUP区間の予測ピークfbupdAとDOWN区間の予測ピークfbdpdAに近い周波数である場合、共分散行列の加算の禁止をキャンセルする。
一方で、観測ターゲットのUP区間とDOWN区間のピーク周波数のいずれか一方でも、時系列ターゲットAの予想ピークfbuupAまたは予測ピークfbdpdAの周辺に存在しない場合には、共分散行列の加算の禁止をキャンセルしない。
これはすなわち、ターゲットAの予測ピークの算出に用いた予測距離および予測相対速度が、今回観測されたピーク周波数から式(3)式(4)によって算出された観測ターゲットの距離および相対速度に近ければ、当該観測ターゲットの共分散行列の加算を禁止しないことに相当する。
これにより、実施の形態3の発明と同様、共分散行列の加算の禁止をキャンセルすることにより、実施の形態1では、重複していると判定されて共分散行列の加算が禁止されていたような場合であっても、実施の形態4では、少なくとも受信強度の相対的に強い方のターゲットについては、スナップショット数の減少を抑えることができ、ひいては、測角精度が向上する。
以上の効果を実現するため、加算禁止キャンセル手段は、前記加算禁止区間の算出に使用された複数の時系列ターゲット間の予測振幅が所定のしきい値以上離れている場合、そのなかで最も予測振幅の大きい時系列ターゲットを最大振幅ターゲットとして記憶し、今回検知されている時系列ターゲットのピーク周波数スペクトラムが加算禁止区間にあったとしても、今回検知されている観測ターゲットの距離および相対速度が最大振幅ターゲットの予測距離および予測相対速度に近い場合は、共分散行列の加算を禁止しないように構成される。
ここで予測振幅とは、時系列処理手段34によって計算されるもので、過去のピーク周
波数の振幅の変化から、次の周期の振幅値を予測する。たとえば、前の周期の振幅値をそのまま今回の予測振幅としてもよいし、ノイズの影響を抑えるために過去の振幅の平滑値を算出し、それを今回の予測振幅としてもよい。
実施の形態5.
次に、この発明の実施の形態5における物体検知装置および物体検知方法を説明する。
ディジタル信号処理では、実施の形態1で示したように、離散フーリエ変換を用いて周波数解析を行うことが一般的である。このため、サンプリング定理に基づいて、周波数の折り返しが発生する。具体的には、A/Dコンバータ18〜23におけるサンプリング周波数がfsampの場合、FFTによって測定可能な周波数範囲は±fsamp/2内のみであり、その範囲を超えた周波数成分は、折り返して現れる。たとえば、fsamp=1MHzの場合、観測可能な周波数範囲は±500kHzであり、550kHzの信号は、−450kHzの信号として観測される。
このように、周波数の折り返しも考慮すると、ピーク周波数が重複する恐れのある周波数範囲は、実施の形態1の場合よりも多くの場合を考える必要がある。
たとえば、実施の形態1では時系列ターゲットAの予測ピークは、fbupdA、fbdpdAと説明したが、仮にfbupdAやfbdpdAが±fsamp/2を超えるような周波数となってしまう場合には、折り返しを含めて、どの周波数ビンにピークが存在するかを推定する。
また、実施の形態1のように、ビート信号の観測において、直交成分を観測しない場合(位相検波などと呼ばれる)、すなわち、直交検波を行わない場合、FFTの入力としては、複素数でなく、実数信号のみを入力することとなる(虚数部が常にゼロ)。この場合、FFT後の信号は、周波数の正負の区別がつかないので、たとえば、時系列ターゲットAのピーク周波数が本来は100kHzであったとしても、FFT後の信号としては、±100kHzの位置にピーク周波数が観測される。
このような場合は、実施の形態1で示した予測ピークから正負反転した部分まで考えて、時系列ターゲットAの予測ピークは±fbupdA、±fbdpdA、時系列ターゲットBの予測ピークは±fbupdB、±fbdpdBというように計算し、
(+fbupdA)と(+fbupdB)、
(+fbupdA)と(−fbupdB)、
(−fbupdA)と(+fbupdB)、
(−fbupdA)と(−fbupdB)
をそれぞれ比較して、ピークが重複する恐れがあるか否かを判定し、加算禁止区間を設定する。
以上、この発明の実施の形態を説明したが、この発明の主旨を逸脱しない範囲で、適宜変形が可能である。
たとえば、この発明では、図1に示すようにピーク予測手段35の出力を方向算出手段32に入力しているが、たとえば、距離・相対速度算出手段31に入力して、距離・相対速度算出する時点で、予めピークが重複するか否かをフラグ等で判定しておき、そのフラグ情報を含めて方向算出手段32に入力し、フラグ情報をもとに共分散行列加算禁止するか否かを判定するようにするなど、適宜処理の順序を入れ替えても良い。
また、方向算出手段32によりターゲット40の方向算出処理にMUSIC法を用いた場合を例示したが、他の方法、たとえばユニタリMUSIC法、ESPRIT法(Estimation of Signal Parameters via Rotation Invariance Techniques)、ユニタリESPRIT法などの
超分解能到来方向推定処理を用いたレーダ装置にもこの発明を適用することができる。特に、ユニタリ法を用いた場合には、共分散行列の実数部のみを使用すればよいので、演算量をさらに軽減することができる。
また、ターゲット40の距離Rおよび相対速度Vを検知する方式として、UP区間を1つ、DOWN区間を1つもつようなFMCW方式のレーダ装置を用いた場合を例示したが、UP区間やDOWN区間が2つ以上となるようなFMCW方式のレーダ装置にも適用が可能であるし、変調傾きの異なるUP区間やDOWN区間を複数持つようなレーダ装置にも適用が可能である。特に変調区間が複数存在する場合には加算禁止区間に入らないようなスナップショット数を多くすることができるので、測角精度の向上が期待できる。
さらに、ターゲット40の距離Rおよび相対速度Vを検知する方式として、FMCW方式のレーダ装置を用いた場合を例示したが、特許文献1に記載のように送信信号をパルス状に区切って変調したFM−パルスドップラー方式のレーダ装置や、特許文献2に記載のFCM(Fast Chirp Modulation)方式のレーダ装置など、その他の物体検知装置であっても、前述のように共分散行列をスナップショット加算して到来方向を推定するような物体検知装置であればこの発明を適用することができる。
以上、この発明の実施の形態を記述したが、この発明は実施の形態に限定されるものではなく、種々の設計変更を行うことが可能であり、その発明の範囲内において、各実施の形態を自由に組み合わせたり、各実施の形態を適宜、変形、省略することが可能である。
1:ターゲット検出手段、 2:制御電圧発生器、 3:制御電圧発振器、
4:分配器、5:送信アンテナ(送信手段)、6〜11:受信アンテナ(受信手段)、
12〜17:ミキサ(ミキシング手段)、 18〜23:A/Dコンバータ、
24〜29:FFT演算部(周波数解析手段)、 30:ピーク検出手段、
31:距離・相対速度算出手段、 32:方向算出手段、
33:共分散行列加算禁止手段、 34:時系列処理手段、 35:ピーク予測手段
この発明に係わる物体検知装置は、複数の変調区間を有する送信信号を送信する送信手段と、送信信号がターゲットで反射された反射信号を複数のアンテナで受信する受信手段と、送信信号と受信手段で受信された受信信号とをミキシングして複数のビート信号を得るミキシング手段と、ビート信号をそれぞれ周波数解析する周波数解析手段と、周波数解析手段により解析された周波数解析結果に基づいて、ターゲットの距離・相対速度・方向を算出するターゲット検出手段を備え、ターゲット検出手段は、ターゲットから反射された反射信号の周波数スペクトラムのピークを検出するピーク検出手段と、ピーク検出手段によるピーク検出結果にもとづきターゲットの距離・相対速度を算出する距離・相対速度算出手段と、複数の変調区間のピーク周波数スペクトラムから生成される共分散行列のうち、共分散行列加算禁止手段で加算を禁止されていない共分散行列を加算した加算共分散行列に基づいてターゲットの方向を算出する方向算出手段と、距離および相対速度の情報を含む過去の複数のターゲットの検知結果からピーク周波数スペクトラムの発生するビート周波数を予測して予測ピーク周波数を算出するピーク予測手段を有し、共分散行列加算禁止手段は、予測ピーク周波数にもとづいて算出される加算禁止区間に含まれるピーク周波数スペクトラムの共分散行列の加算を禁止するようにし、加算禁止区間は、過去のターゲットから予測された複数ターゲット分の予測ピーク間の周波数差が所定のしきい値以下のとき、予測ピーク間の周波数差の導出に用いた予測ピーク周辺の周波数範囲を含むように決定されるようにしたものである。
この発明に係わる物体検知方法は、複数の変調区間を有する送信信号を送信する第1のステップと、送信信号がターゲットで反射された信号を受信信号として複数のアンテナで受信する第2のステップと、送信信号と受信信号とをミキシングして複数のビート信号を得る第3のステップと、ビート信号をそれぞれ周波数解析する第4のステップと、周波数解析の結果に基づいてターゲットの距離・相対速度・方向を算出する第5のステップとを有し、第5のステップは、ターゲットから反射された信号の周波数スペクトラムのピーク周波数を検出するステップと、ピーク周波数の検出結果にもとづきターゲットの距離・相対速度を算出するステップと、後記予測ピーク周波数にもとづいてピーク周波数スペクトラムの共分散行列の加算を禁止する区間を算出するステップと、複数の変調区間のピーク周波数スペクトラムから生成される共分散行列のうち、共分散行列の加算が禁止されていない共分散行列を加算した加算共分散行列に基づいてターゲットの方向を算出するステップと、距離および相対速度の情報を含む過去の複数のターゲットの検知結果からピーク周波数スペクトラムの発生するビート周波数を予測して予測ピーク周波数を算出するステップを有し、共分散行列の加算を禁止する区間を算出するステップは、予測ピーク周波数にもとづいて算出される加算禁止区間に含まれるピーク周波数スペクトラムの共分散行列の加算を禁止するようにし、加算禁止区間は、過去のターゲットから予測された複数ターゲット分の予測ピーク間の周波数差が所定のしきい値以下のとき、予測ピーク間の周波数差の導出に用いた予測ピーク周辺の周波数範囲を含むように決定されるようにしたものである。

この発明に係わる物体検知装置は、複数の変調区間を有する送信信号を送信する送信手段と、送信信号がターゲットで反射された反射信号を複数のアンテナで受信する受信手段と、送信信号と受信手段で受信された受信信号とをミキシングして複数のビート信号を得るミキシング手段と、ビート信号をそれぞれ周波数解析する周波数解析手段と、周波数解析手段により解析された周波数解析結果に基づいて、ターゲットの距離・相対速度・方向を算出するターゲット検出手段を備え、ターゲット検出手段は、ターゲットから反射された反射信号の周波数スペクトラムのピークを検出するピーク検出手段と、ピーク検出手段によるピーク検出結果にもとづきターゲットの距離・相対速度を算出する距離・相対速度算出手段と、複数の変調区間のピーク周波数スペクトラムから生成される共分散行列のうち、共分散行列加算禁止手段で加算を禁止されていない共分散行列を加算した加算共分散行列に基づいてターゲットの方向を算出する方向算出手段と、距離および相対速度の情報を含む過去の複数のターゲットの検知結果からピーク周波数スペクトラムの発生するビート周波数を予測して予測ピーク周波数を算出するピーク予測手段を有し、共分散行列加算禁止手段は、予測ピーク周波数にもとづいて算出される加算禁止区間に含まれるピーク周波数スペクトラムの共分散行列の加算を禁止するようにし、加算禁止区間は、過去のターゲットから予測された複数ターゲット分の予測ピーク間の周波数差が所定のしきい値以下のとき、予測ピーク間の周波数差の導出に用いた予測ピーク周辺の周波数範囲を含むように決定され、更に加算禁止区間に含まれるピーク周波数スペクトラムであっても共分散行列の加算を禁止しない加算禁止キャンセル手段を有し、加算禁止キャンセル手段は、加算禁止区間の算出に使用された複数のターゲット間の予測距離が所定のしきい値以上離れている場合、そのなかで最も近い距離に観測されているターゲットを最近距離ターゲットとして記憶し、今回検知されているターゲットのピーク周波数スペクトラムが加算禁止区間にあったとしても、今回検知されているターゲットの距離および相対速度が最近距離ターゲットの予測距離および予測相対速度に近い場合は、共分散行列の加算を禁止しないようにしたものである。
この発明に係わる物体検知方法は、複数の変調区間を有する送信信号を送信する第1のステップと、送信信号がターゲットで反射された信号を受信信号として複数のアンテナで受信する第2のステップと、送信信号と受信信号とをミキシングして複数のビート信号を得る第3のステップと、ビート信号をそれぞれ周波数解析する第4のステップと、周波数解析の結果に基づいてターゲットの距離・相対速度・方向を算出する第5のステップとを有し、第5のステップは、ターゲットから反射された信号の周波数スペクトラムのピーク周波数を検出するステップと、ピーク周波数の検出結果にもとづきターゲットの距離・相対速度を算出するステップと、後記予測ピーク周波数にもとづいてピーク周波数スペクトラムの共分散行列の加算を禁止する区間を算出するステップと、複数の変調区間のピーク周波数スペクトラムから生成される共分散行列のうち、共分散行列の加算が禁止されていない共分散行列を加算した加算共分散行列に基づいてターゲットの方向を算出するステップと、距離および相対速度の情報を含む過去の複数のターゲットの検知結果からピーク周波数スペクトラムの発生するビート周波数を予測して予測ピーク周波数を算出するステップを有し、共分散行列の加算を禁止する区間を算出するステップは、予測ピーク周波数にもとづいて算出される加算禁止区間に含まれるピーク周波数スペクトラムの共分散行列の加算を禁止するようにし、加算禁止区間は、過去のターゲットから予測された複数ターゲット分の予測ピーク間の周波数差が所定のしきい値以下のとき、予測ピーク間の周波数差の導出に用いた予測ピーク周辺の周波数範囲を含むように決定され、更に加算禁止区間に含まれるピーク周波数スペクトラムであっても共分散行列の加算を禁止しない加算禁止キャンセルステップを有し、加算禁止キャンセルステップは、加算禁止区間の算出に使用された複数のターゲット間の予測距離が所定のしきい値以上離れている場合、そのなかで最も近い距離に観測されているターゲットを最近距離ターゲットとして記憶し、今回検知されているターゲットのピーク周波数スペクトラムが加算禁止区間にあったとしても、今回検知されているターゲットの距離および相対速度が最近距離ターゲットの予測距離および予測相対速度に近い場合は、共分散行列の加算を禁止しないようにしたものである。

Claims (8)

  1. 複数の変調区間を有する送信信号を送信する送信手段と、前記送信信号がターゲットで反射された反射信号を複数のアンテナで受信する受信手段と、前記送信信号と前記受信手段で受信された受信信号とをミキシングして複数のビート信号を得るミキシング手段と、前記ビート信号をそれぞれ周波数解析する周波数解析手段と、前記周波数解析手段により解析された周波数解析結果に基づいて、前記ターゲットの距離・相対速度・方向を算出するターゲット検出手段を備え、
    前記ターゲット検出手段は、前記ターゲットから反射された反射信号の周波数スペクトラムのピークを検出するピーク検出手段と、前記ピーク検出手段によるピーク検出結果にもとづきターゲットの距離・相対速度を算出する距離・相対速度算出手段と、前記複数の変調区間のピーク周波数スペクトラムから生成される共分散行列のうち、共分散行列加算禁止手段で加算を禁止されていない共分散行列を加算した加算共分散行列に基づいて前記ターゲットの方向を算出する方向算出手段と、距離および相対速度の情報を含む過去の複数のターゲットの検知結果からピーク周波数スペクトラムの発生するビート周波数を予測して予測ピーク周波数を算出するピーク予測手段を有し、
    前記共分散行列加算禁止手段は、前記予測ピーク周波数にもとづいて算出される加算禁止区間に含まれるピーク周波数スペクトラムの共分散行列の加算を禁止するようにした物体検知装置。
  2. 前記加算禁止区間は、過去のターゲットから予測された複数ターゲット分の予測ピーク間の周波数差が所定のしきい値以下のとき、前記予測ピーク間の周波数差の導出に用いた予測ピーク周辺の周波数範囲を含むように禁止区間が決定されることを特徴とする請求項1に記載の物体検知装置。
  3. 前記共分散行列加算禁止手段は、前記加算禁止区間に含まれるピーク周波数スペクトラムであっても共分散行列の加算を禁止しない加算禁止キャンセル手段を有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の物体検知装置。
  4. 前記加算禁止キャンセル手段は、前記加算禁止区間の算出に使用された複数のターゲット間の予測距離が所定のしきい値以上離れている場合、そのなかで最も近い距離に観測されているターゲットを最近距離ターゲットとして記憶し、今回検知されているターゲットのピーク周波数スペクトラムが加算禁止区間にあったとしても、今回検知されているターゲットの距離および相対速度が最近距離ターゲットの予測距離および予測相対速度に近い場合は、共分散行列の加算を禁止しないことを特徴とする請求項3に記載の物体検知装置。
  5. 前記加算禁止キャンセル手段は、前記加算禁止区間の算出に使用された複数のターゲット間の予測振幅が所定のしきい値以上離れている場合、そのなかで最も予測振幅の大きいターゲットを最大振幅ターゲットとして記憶し、今回検知されているターゲットのピーク周波数スペクトラムが加算禁止区間にあったとしても、今回検知されているターゲットの距離および相対速度が最大振幅ターゲットの予測距離および予測相対速度に近い場合は、共分散行列の加算を禁止しないことを特徴とする請求項3または請求項4に記載の物体検知装置。
  6. 前記予測ピーク周波数は、サンプリング定理に基づく周波数の折り返しを考慮して導出することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の物体検知装置。
  7. 前記予測ピーク周波数は、周波数が正負に折り返すことも考慮して導出することを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の物体検知装置。
  8. 複数の変調区間を有する送信信号を送信する第1のステップと、前記送信信号がターゲットで反射された信号を受信信号として複数のアンテナで受信する第2のステップと、前記送信信号と前記受信信号とをミキシングして複数のビート信号を得る第3のステップと、前記ビート信号をそれぞれ周波数解析する第4のステップと、前記周波数解析の結果に基づいてターゲットの距離・相対速度・方向を算出する第5のステップとを有し、
    前記第5のステップは、前記ターゲットから反射された信号の周波数スペクトラムのピーク周波数を検出するステップと、前記ピーク周波数の検出結果にもとづきターゲットの距離・相対速度を算出するステップと、後記予測ピーク周波数にもとづいてピーク周波数スペクトラムの共分散行列の加算を禁止する区間を算出するステップと、前記複数の変調区間のピーク周波数スペクトラムから生成される共分散行列のうち、共分散行列の加算が禁止されていない共分散行列を加算した加算共分散行列に基づいて前記ターゲットの方向を算出するステップと、距離および相対速度の情報を含む過去の複数のターゲットの検知結果からピーク周波数スペクトラムの発生するビート周波数を予測して予測ピーク周波数を算出するステップを有したことを特徴とする物体検知方法。
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