JP2018084001A - エレクトレット繊維シートの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】
本発明は、繊維シート表面へのダメージを抑え高品質、高性能なエレクトレット化繊維シートを生産可能にするエレクトレット化繊維シートの製造方法に関するものである。
【解決手段】
本発明は、粒子径が0.001〜100μmの微小水滴を噴霧し、非導電性繊維シートをエレクトレット化することを特徴とするエレクトレット繊維シートの製造方法である。
【選択図】 なし
本発明は、繊維シート表面へのダメージを抑え高品質、高性能なエレクトレット化繊維シートを生産可能にするエレクトレット化繊維シートの製造方法に関するものである。
【解決手段】
本発明は、粒子径が0.001〜100μmの微小水滴を噴霧し、非導電性繊維シートをエレクトレット化することを特徴とするエレクトレット繊維シートの製造方法である。
【選択図】 なし
Description
本発明は、繊維シート表面へのダメージを抑え高品質、高性能なエレクトレット繊維シートを生産可能にするエレクトレット繊維シートの製造方法に関するものである。
従来から、気体中の花粉や塵等を除去するためにエアフィルターが使用されており、そのエアフィルターの濾材として不織布が多く用いられている。エアフィルターに要求される性能は、ミクロなダストを多く捕集できる高捕集効率、および、エアフィルター内部を気体が通過する際に抵抗が少ない低圧力損失である。上記の高い捕集効率を有する濾材を得るためには、不織布を構成する単繊維が細繊度であることが適しているが、その一方で、単繊維を細繊度化するとその不織布が潰れやすくなり、繊維密度が増加することにより圧力損失が高くなるという課題がある。
また、圧力損失が低い濾材を得るためには、不織布を構成する単繊維が太繊度であることが適しているが、その一方で、単繊維を太繊度化すると不織布内の繊維表面積が減少してしまい、捕集効率が低下するという課題がある。このように、高捕集効率を有することと、低圧力損失を有することは相反する関係にある。
上記の課題を解決する方法として、不織布をエレクトレット化し、物理的作用に加えて静電気的作用を利用することにより、高捕集効率かつ低圧力損失を同時に満足させる試みがなされている。
例えば、アース電極上に不織布を接触させた状態で、このアース電極と不織布を共に移動させながら、非接触型印加電極で高圧印加を行なって連続的にエレクトレット化する、エレクトレット繊維シートの製造方法が提案されている(特許文献1参照。)。この提案は、不織布内に、電子の注入、イオンの移動および双極子の配向などを生ぜしめることにより、分極させ不織布に電荷を付与するというコロナ放電法によるものである。しかしながら、このようなコロナ放電法では、その製法上、帯電するのは主に繊維シートの表面のみであり、内部まで電荷を帯電させることが難しく、十分にエレクトレット化できる方法とは言い難いものであった。
そこで、このような課題を解決するエレクトレット化の方法として、水を繊維に接触させて帯電させる方法(ハイドロチャージ法)が提案されている。具体的には、繊維シートに対し、水の噴流もしくは水滴流を不織布内部まで水が浸透するのに十分な圧力で噴霧させてエレクトレット化する方法(特許文献2参照)や、繊維シートをスリット状のノズル上を通過させ、ノズルで水を吸引することにより繊維シートに水を浸透させて、エレクトレット化する方法(特許文献3参照)や飽和水蒸気または過熱水蒸気をノズルより噴出させて繊維シートに吹き付けることによりエレクトレット化する方法(特許文献4)が提案されている。
確かに、上記のハイドロチャージ法で得られるエレクトレット繊維シートは、水が繊維シート内部の繊維にまで接触することにより、エレクトレット繊維シート全体に帯電させることが可能である。しかしながら、上記のハイドロチャージ法を用いると、少なからず繊維シート表面へのダメージがあり、エレクトレット繊維シート表面の毛羽立ちやシートムラが悪化するという課題があった。
発明者等は、この課題について鋭意検討した結果、従来のハイドロチャージ法では、水滴の粒子径が大きいため、不織布内部まで水を浸透させ、十分にエレクトレット化させようとすると、高い圧力で噴霧する必要があることを突き止め、本発明に至った。すなわち、本発明は、上記の課題を解決せんとするものであって、粒子径が0.001〜100μmの微小水滴を噴霧し、非導電性繊維シートをエレクトレット化することを特徴とするエレクトレット繊維シートの製造方法である。
本発明によれば、非導電性繊維シートに粒子径が0.001〜100μmの微小水滴を噴霧し、不織布内部まで水を浸透させることにより、エレクトレット繊維シート表面の毛羽立ちやシートムラがなく、優れた塵埃捕集特性を有するエレクトレット繊維シートが得られる。また、粒子径が0.001〜100μmの微小水滴であることで、乾燥速度が速いため、乾燥工程を必要とせず、工程簡略化が可能である。
本発明は、粒子径が0.001〜100μmの微小水滴を噴霧し、非導電性繊維シートをエレクトレット化することを特徴とするエレクトレット繊維シートの製造方法である。以下に本発明の詳細を説明する。
本発明のエレクトレット繊維シートは、非導電性の繊維材料からなる非導電性繊維シートがエレクトレット化されてなる。このような非導電性繊維シートとしては、例えば、合成繊維製の織物、編物および不織布などを挙げることができる。特に、エアフィルター用の場合には、合成繊維からなる不織布が好ましく、中でもメルトブロー繊維不織布が好ましく用いられる。
ここでいう非導電性とは、体積抵抗率が1012・Ω・cm以上であることが好ましく、1014・Ω・cm以上であることがより好ましい態様である。
このような非導電性繊維シートの繊維材料としては、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートおよびポリ乳酸等のポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリフェニレンサルファイド系樹脂、フッ素系樹脂、ポリスチレンエラストマー、ポリオレフィンエラストマー、ポリエステルエラストマー、ポリアミドエラストマーおよびポリウレタンエラストマー等のエラストマー、およびこれらの共重合体または混合物などを挙げることができる。
これらの中でも、ポリオレフィン系樹脂を主体とする繊維材料が好ましく用いられる。ポリオレフィン系樹脂は、体積抵抗率が高く、また吸水性が低いため、繊維化したときの帯電性および電荷保持性が強いため、これらの効果によって高い捕集効率を達成することができる。
ポリオレフィン系樹脂の種類としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテンおよびポリメチルペンテン等のホモポリマーが挙げられる。また、これらのホモポリマーに異なる成分を共重合したコポリマーや、異なる2種以上のポリマーブレンド品を用いることもできる。これらの中でも、帯電保持性の観点から、ポリプロピレンおよびポリメチルペンテンが好ましく用いられる。また、安価に利用できるという観点から、ポリプロピレンがさらに好ましく用いられる。すなわち、ポリオレフィン系樹脂がポリプロピレンを主体に構成されていることが好ましい。
本発明で用いられる非導電性の繊維材料からなる非導電性繊維シートにおいては、耐候性を向上させ、またエレクトレット性能を良好にするという観点から、前記の繊維材料にヒンダードアミン系添加剤またはトリアジン系添加剤を少なくとも1種類配合することが好ましい態様である。
上記の2種類の添加剤のうち、ヒンダードアミン系化合物としては、例えば、ポリ[(6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)イミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル)((2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ)ヘキサメチレン((2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ)](BASF・ジャパン(株)製、“キマソーブ”(登録商標)944LD)、コハク酸ジメチル−1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン重縮合物(BASF・ジャパン(株)製、“チヌビン”(登録商標)622LD)、および2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチルマロン酸ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)(BASF・ジャパン(株)製、“チヌビン”(登録商標)144)などが挙げられる。
また、トリアジン系添加剤としては、例えば、ポリ[(6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)イミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル)((2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ)ヘキサメチレン((2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ)](BASF・ジャパン(株)製、“キマソーブ”(登録商標)944LD)、および2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−((ヘキシル)オキシ)−フェノール(BASF・ジャパン(株)製、“チヌビン”(登録商標)1577FF)などを挙げることができる。
これらの中でも、ヒンダードアミン系添加剤を使用することが好ましく、特に、ポリ[(6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)イミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル)((2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ)ヘキサメチレン((2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ)](BASF・ジャパン(株)製、“キマソーブ”(登録商標)944LD)が好ましく用いられる。
上記のヒンダードアミン系添加剤またはトリアジン系添加剤の添加量は、好ましくは0.5〜5質量%であり、より好ましくは0.7質量%以上であり、より好ましくは3質量%以下である。添加量をこの範囲とすることにより、エレクトレット化した際に優れた塵埃捕集特性を得ることができる。
本発明で用いられる非導電性繊維シートには、上記の添加剤の他に、熱安定剤、耐候剤および重合禁止剤等の、一般にエレクトレット加工用の非導電性繊維シートに使用されている添加剤を添加することができる。
本発明の非導電性繊維シートを構成する繊維の平均単繊維径は、0.1〜8.0μmの範囲であることが好ましい。平均単繊維径を好ましくは0.1〜8.0μm、より好ましくは0.3μm以上、さらに好ましくは0.5μm以上とし、より好ましくは7.0μm以下、さらに好ましくは5.0μm以下とすることにより、通気性と塵埃捕集特性に優れたエレクトレット繊維シートを得ることができる。
また、本発明の非導電性繊維シートの目付は、3〜100g/m2の範囲であることが好ましい。目付を3〜100g/m2、好ましくは5g/m2以上、より好ましくは10g/m2以上とし、好ましくは70g/m2以下、より好ましくは50g/m2以下とすることにより、通気性と塵埃捕集特性に優れたエレクトレット繊維シートを得ることができる。
本発明において、噴霧工程に用いる水としては、液体フィルター等で汚れを除去したものであって、できるだけ清浄なものを使用することが好ましい。特に、イオン交換水、蒸留水および逆浸透膜で透過した濾過水等の純水が好ましく用いられる。また、純水としてのレベルは、導電率で103μS/m以下であることが好ましく、さらに好ましくは102μS/m以下の純水である。また、上記の噴霧工程に用いる水には、捕集特性に影響を与えない範囲で、水溶性有機溶剤を混合させることができる。
本発明において、噴霧される微小水滴の粒子径は0.001〜100μmである。微小水滴の粒子径を0.001〜100μm、好ましくは0.01μm以上であり、〜好ましくは50μm以下とすることにより、非導電性繊維シート表面へのダメージを抑え、非導電性繊維シート内部まで水を接触させることができる。また、微小水滴の粒子径は、レーザー回折式粒度分布測定装置にて計測することができる。
本発明において、微小水滴の噴霧温度は、120℃以下であることが好ましく、より好ましくは110℃以下である。上記温度とすることによりエレクトレット効果の失活を防ぐことができる。
本発明で用いられる微小水滴の噴霧装置としては、コンプレッサー式ネブライザーや超音波式ネブライザー、超音波メッシュ式ネブライザーを適用することができる。ノズルからは煙霧状の微小水滴が発生するため、噴霧圧力はゼロと見なせる。そのため、非導電性繊維シートにノズルから発生した微小水滴を効率よく接触させるため、非導電性繊維シートを挟んでノズルと向かい合わせにサクションボックスを設け、透過する煙霧状の微小水滴を吸引することが好ましい。
本発明において、噴霧水量は、1m幅あたり10〜500mL/分であることが好ましい。噴霧水量が10mL/分/m未満の場合は、非導電性繊維シートと水の接触が不十分となり、電荷量が減少して高捕集効率が得られないことが考えられる。また、噴霧水量が500mL/分/mより多い場合は、非導電性繊維シート表面で水滴が凝集し、非導電性繊維シート内に効率よく浸透せず、高捕集効率が得られないことが考えられる。
本発明のエレクトレット繊維シートは、フィルターの濾材として好適に用いることができる。濾材としては、エアフィルター全般、中でも空調用フィルター、空気清浄機用フィルター、および自動車キャビンフィルターの高性能用途に好適であるが、その応用範囲はこれらに限られるものではない。
(1)平均単繊維径
平均単繊維径については、不織布の任意の場所から、3mm×3mmの測定サンプルを10個採取し、走査型電子顕微鏡で倍率を1000〜3000倍に調節して、採取した測定サンプルから繊維表面写真を各1枚ずつ、計10枚を撮影した。写真の中の繊維直径がはっきり確認できる繊維について有効数字0.01μmで測定し、平均した値を平均単繊維径とした。
平均単繊維径については、不織布の任意の場所から、3mm×3mmの測定サンプルを10個採取し、走査型電子顕微鏡で倍率を1000〜3000倍に調節して、採取した測定サンプルから繊維表面写真を各1枚ずつ、計10枚を撮影した。写真の中の繊維直径がはっきり確認できる繊維について有効数字0.01μmで測定し、平均した値を平均単繊維径とした。
(2)シート表面状態評価
タテ×ヨコ=15cm×15cmのエレクトレット繊維シートの両面を目視で観察し、欠点(毛羽、ピンホールなど)が0個以上5個未満なら良(A)、5個以上10個未満なら可(B)、10個以上なら悪(C)とした。
タテ×ヨコ=15cm×15cmのエレクトレット繊維シートの両面を目視で観察し、欠点(毛羽、ピンホールなど)が0個以上5個未満なら良(A)、5個以上10個未満なら可(B)、10個以上なら悪(C)とした。
(3)捕集性能(捕集効率)
タテ×ヨコ=15cm×15cmの測定用サンプルを採取し、それぞれのサンプルについて、図1に示す捕集効率測定装置を用いて捕集効率を測定した。この図1の捕集効率測定装置は、測定サンプルMをセットするサンプルホルダー1の上流側に、ダスト収納箱2を連結し、下流側に流量計3、流量調整バルブ4およびブロワ5を連結している。また、サンプルホルダー1にパーティクルカウンター6を使用し、切替コック7を介して、測定サンプルMの上流側のダスト個数と下流側のダスト個数とをそれぞれ測定することができる。さらに、サンプルホルダー1は圧力計8を備え、測定サンプルMの上流と下流での静圧差を読み取ることができる。
タテ×ヨコ=15cm×15cmの測定用サンプルを採取し、それぞれのサンプルについて、図1に示す捕集効率測定装置を用いて捕集効率を測定した。この図1の捕集効率測定装置は、測定サンプルMをセットするサンプルホルダー1の上流側に、ダスト収納箱2を連結し、下流側に流量計3、流量調整バルブ4およびブロワ5を連結している。また、サンプルホルダー1にパーティクルカウンター6を使用し、切替コック7を介して、測定サンプルMの上流側のダスト個数と下流側のダスト個数とをそれぞれ測定することができる。さらに、サンプルホルダー1は圧力計8を備え、測定サンプルMの上流と下流での静圧差を読み取ることができる。
捕集効率の測定にあたっては、ポリスチレン0.309U 10%溶液(メーカー:ナカライテスク(株))を蒸留水で200倍まで希釈し、ダスト収納箱2に充填する。次に、測定サンプルMを、サンプルホルダー1にセットし、風量をフィルター通過速度が4.5m/分になるように、流量調整バルブ4で調整し、ダスト濃度を1万〜4万個/2.83×10−4m3(0.01ft3)の範囲で安定させ、測定サンプルMの上流のダスト個数Dおよび下流のダスト個数dをパーティクルカウンター6(リオン社製、KC−01D)で1個の測定サンプル当り3回測定し、JIS K 0901(1991)「気体中のダスト試料捕集用ろ過材の形状、寸法並びに性能試験方法」に基づいて、下記の計算式を用いて、0.3〜0.5μm粒子の捕集効率(%)を求めた。3個の測定サンプルの平均値を、最終的な捕集効率とした。
・捕集効率(%)=〔1−(d/D)〕×100
(ただし、dは下流ダストの3回測定トータル個数を表し、Dは上流のダストの3回測定トータル個数を表す。)
[実施例1]
耐候剤として、ヒンダードアミン系化合物“キマソーブ”(登録商標)944(BASF・ジャパン(株)製)を1質量%含む、メルトフローレートが800g/10分のポリプロピレン(PP)を原料として、メルトブロー法により、目付が30g/m2で、平均繊維径が5.0μmのメルトブロー不織布(非導電性繊維シート)を製造した。続いて、タテ×ヨコ=15cm×15cmの非導電性繊維シートと超音波ネブライザー(新鋭工業株式会社製、COMFORT 2000 KU−400)のノズルとの距離が1cmとなるように設置、さらに非導電性繊維シートを挟んでノズルと向かい合わせにサクションボックスを設置し、噴霧水量4mL/分として、1分間、水を噴霧した。得られたエレクトレット繊維シートについて、シート表面状態観察と捕集性能測定を実施した。結果を表1に示す。
・捕集効率(%)=〔1−(d/D)〕×100
(ただし、dは下流ダストの3回測定トータル個数を表し、Dは上流のダストの3回測定トータル個数を表す。)
[実施例1]
耐候剤として、ヒンダードアミン系化合物“キマソーブ”(登録商標)944(BASF・ジャパン(株)製)を1質量%含む、メルトフローレートが800g/10分のポリプロピレン(PP)を原料として、メルトブロー法により、目付が30g/m2で、平均繊維径が5.0μmのメルトブロー不織布(非導電性繊維シート)を製造した。続いて、タテ×ヨコ=15cm×15cmの非導電性繊維シートと超音波ネブライザー(新鋭工業株式会社製、COMFORT 2000 KU−400)のノズルとの距離が1cmとなるように設置、さらに非導電性繊維シートを挟んでノズルと向かい合わせにサクションボックスを設置し、噴霧水量4mL/分として、1分間、水を噴霧した。得られたエレクトレット繊維シートについて、シート表面状態観察と捕集性能測定を実施した。結果を表1に示す。
[実施例2]
目付が25g/m2で、平均繊維径が2.3μmのメルトブロー不織布(非導電性繊維シート)を用いた以外は、実施例1と同じ条件でエレクトレット繊維シートを作製した。得られたエレクトレット繊維シートについて、シート表面状態観察と捕集性能測定を実施した。結果を表1に示す。
目付が25g/m2で、平均繊維径が2.3μmのメルトブロー不織布(非導電性繊維シート)を用いた以外は、実施例1と同じ条件でエレクトレット繊維シートを作製した。得られたエレクトレット繊維シートについて、シート表面状態観察と捕集性能測定を実施した。結果を表1に示す。
[比較例1]
実施例1で製造されたメルトブロー不織布(非導電性繊維シート)を、スプレー角度が50°(圧力0.6MPa時)で円状の噴霧形態となるノズル(スプレーイングシステムスジャパン製、型番B1/8 GG−SS−1)を用い、噴射面と非導電性繊維シート表面の距離が4cmとなるように設置し、非導電性繊維シートを走行させながら、水噴霧圧力を1.0MPaとし、噴霧水量を33L/分/m2として、ノズルから純水の噴流を衝突させた。次いで、水切り後に一晩自然乾燥することにより、エレクトレット繊維シートを得た。得られたエレクトレット繊維シートについて、シート表面状態観察と捕集性能測定を実施した。結果を表1に示す。
実施例1で製造されたメルトブロー不織布(非導電性繊維シート)を、スプレー角度が50°(圧力0.6MPa時)で円状の噴霧形態となるノズル(スプレーイングシステムスジャパン製、型番B1/8 GG−SS−1)を用い、噴射面と非導電性繊維シート表面の距離が4cmとなるように設置し、非導電性繊維シートを走行させながら、水噴霧圧力を1.0MPaとし、噴霧水量を33L/分/m2として、ノズルから純水の噴流を衝突させた。次いで、水切り後に一晩自然乾燥することにより、エレクトレット繊維シートを得た。得られたエレクトレット繊維シートについて、シート表面状態観察と捕集性能測定を実施した。結果を表1に示す。
[比較例2]
実施例1で製造されたメルトブロー不織布(非導電性繊維シート)を、純水が供給される水槽の水面に沿って走行させながら、その表面にスリット状の吸引ノズルを当接させて水を吸引することにより、非導電性繊維シート全面に水を浸透させ、次いで、水切り後に一晩自然乾燥することにより、エレクトレット繊維シートを得た。得られたエレクトレット非導電性について、シート表面状態観察と捕集性能測定を実施した。結果を表1に示す。
実施例1で製造されたメルトブロー不織布(非導電性繊維シート)を、純水が供給される水槽の水面に沿って走行させながら、その表面にスリット状の吸引ノズルを当接させて水を吸引することにより、非導電性繊維シート全面に水を浸透させ、次いで、水切り後に一晩自然乾燥することにより、エレクトレット繊維シートを得た。得られたエレクトレット非導電性について、シート表面状態観察と捕集性能測定を実施した。結果を表1に示す。
表1から明らかなように、本発明の実施例1〜2は、シート品位は良好であった。これに対し、比較例1〜2ではシート品位に劣る結果であった。また、同繊維径、同目付で比較すると(実施例1と比較例1〜2)、実施例1記載のものが、高い捕集効率を示した。
1:サンプルホルダー
2:ダスト収納箱
3:流量計
4:流量調整バルブ
5:ブロワ
6:パーティクルカウンター
7:切替コック
8:圧力計
M:測定サンプル
2:ダスト収納箱
3:流量計
4:流量調整バルブ
5:ブロワ
6:パーティクルカウンター
7:切替コック
8:圧力計
M:測定サンプル
Claims (5)
- 粒子径が0.001〜100μmの微小水滴を噴霧し、非導電性繊維シートをエレクトレット化することを特徴とするエレクトレット繊維シートの製造方法。
- 前記微小水滴の噴霧温度が120℃以下であることを特徴とする請求項1に記載のエレクトレット繊維シートの製造方法。
- 前記非導電性繊維シートがメルトブロー不織布である請求項1または2に記載のエレクトレット繊維シートの製造方法。
- 前記非導電性繊維シートがポリオレフィン系樹脂を主体に構成されている請求項1〜3のいずれか記載のエレクトレット繊維シートの製造方法。
- 前記ポリオレフィン系樹脂がポリプロピレンを主体に構成されている請求項4記載のエレクトレット繊維シートの製造方法。
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