JP2008214789A - エレクトレット繊維シートの製造方法 - Google Patents

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【課題】内部まで十分に、かつ高度にエレクトレット化された高品質で高性能のエレクトレット繊維シートを、効率よく生産可能にしたエレクトレット繊維シートの製造方法を提供する。
【解決手段】飽和水蒸気または過熱水蒸気を用いて、非導電性繊維シートをエレクトレット化することを特徴とする、或いは、前記飽和水蒸気または過熱水蒸気を、ノズルより噴出させて非導電性繊維シートに吹き付けることにより、非導電性繊維シートをエレクトレット化することを特徴とする、或いは、前記飽和水蒸気または過熱水蒸気は、0.3mm径のオリフィスより噴出させて非導電性繊維シートに吹き付ける際に、該オリフィスの手前における圧力が0.1〜0.4MPaであり、かつ温度が150℃以上であることを特徴とする、エレクトレット繊維シートの製造方法などを提供した。
【選択図】なし

Description

本発明は、気体中の微粒子の捕捉などに用いられるエレクトレット繊維シートの製造方法に関し、更に詳しくは、水蒸気を非導電性繊維シートに吹き付けることにより、高性能のエレクトレット繊維シートを簡便に製造する方法に関する。
従来、低圧力損失かつ高捕集性能を持つエアフィルターやマスクフィルターとして、エレクトレット繊維シートが使用されている。
エレクトレット化の方法としては、非導電性繊維シートに高電圧を印可して、コロナ放電により、エレクトレット化する方法が知られている。
しかしながら、コロナ放電による方法では、帯電量を多くするために、電圧をできるだけ上げる必要があるが、電圧を上げすぎると、高電圧電極とアース電極間に火花放電が発生し、シートを損傷するという問題がある。また、この方法では、シートの表層部分、すなわち、コロナイオンに曝されている部分にのみ電荷が蓄積してしまう。そして、その蓄積電荷により形成される反発電界により、コロナイオンがシート内部まで浸透することができず、その結果、シート内部まで十分に荷電されないという欠点を有する。
また、水を超音波、圧力、または凝縮によって、非導電性繊維シート内部に接触させ、その後、乾燥させることによりエレクトレット化する方法も知られている(例えば、特許文献1〜4参照。)。
上記特許文献1には、多量の捕捉電荷を有し得る熱可塑性非導電性微小繊維の不織ウェブ上に、水の噴流または水滴流を、濾過向上性エレクトレット電荷をウェブに提供するのに十分な圧力で、衝突させる工程および該ウェブを乾燥する工程を含む、エレクトレット濾過材を提供するための熱可塑性微小繊維の不織ウェブの荷電方法が開示されている。
また、上記特許文献2には、非導電性シートに水と水溶性有機溶剤との混合溶液を付与し、次いで該非導電性シートを乾燥することによりエレクトレット化するエレクトレット加工品の製造方法が開示されている。
さらに、上記特許文献3には、多孔性誘電体シートに、pH7を超える水溶液を、該水溶液が多孔性誘電体シート内を通過するのに十分な圧力で噴射させ、次いで乾燥することを特徴とするエレクトレット繊維シートの製造方法が開示されている。
また、上記特許文献4には、多孔性誘電体シートに、酸解離指数(pKa)3.0以上の有機もしくは無機化合物を少なくとも一種類以上含有する水溶液を、該水溶液が多孔性誘電体シート内を通過するのに十分な圧力で噴射させ、次いで乾燥することを特徴とするエレクトレット繊維シートの製造方法が開示されている。
しかし、上記のように、水を接触させてエレクトレット化する製造方法では、水との接触工程の後に、乾燥工程が必要となり、製造工程が2段階となる。また、水では、高度にエレクトレット化できないという欠点を有する。
そのため、高品質で高性能のエレクトレット繊維シートを、効率よく生産可能にしたエレクトレット繊維シートの製造方法が強く求められている。
特表平9−501604号公報 特開2004−047280号公報 特開2004−195357号公報 特開2004−066027号公報
本発明の目的は、上記問題点に鑑み、その内部まで十分に、かつ高度にエレクトレット化された高品質で高性能のエレクトレット繊維シートを、効率よく生産可能にしたエレクトレット繊維シートの製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するため、鋭意研究を重ねた結果、従来の水の噴射などに替えて、非導電性繊維シートに、高温、高圧の水蒸気を吹き付け、透過させることにより、エレクトレット化すると、水蒸気が非導電性繊維シートの隅々にまで接触し、均一な電荷分布を持つ高品質、高性能なエレクトレット繊維シートを製造できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の第1の発明によれば、飽和水蒸気または過熱水蒸気を用いて、非導電性繊維シートをエレクトレット化することを特徴とするエレクトレット繊維シートの製造方法が提供される。
また、本発明の第2の発明によれば、第1の発明において、前記飽和水蒸気または過熱水蒸気を、ノズルより噴出させて非導電性繊維シートに吹き付けることにより、非導電性繊維シートをエレクトレット化することを特徴とするエレクトレット繊維シートの製造方法が提供される。
本発明の第3の発明によれば、第1又は2の発明において、ノズルから、前記飽和水蒸気または過熱水蒸気を非導電性繊維シートに吹き付けて、該飽和水蒸気または過熱水蒸気が非導電性繊維シート内を透過する工程を含むことを特徴とするエレクトレット繊維シートの製造方法が提供される。
また、本発明の第4の発明によれば、第1〜3のいずれかの発明において、前記飽和水蒸気または過熱水蒸気は、0.3mm径のオリフィスより噴出させて非導電性繊維シートに吹き付ける際に、該オリフィスの手前における圧力が0.1〜0.4MPaであり、かつ温度が150℃以上であることを特徴とするエレクトレット繊維シートの製造方法が提供される。
さらに、本発明の第5の発明によれば、第1〜4のいずれかの発明において、前記非導電性繊維シートは、メルトブロー不織布であることを特徴とするエレクトレット繊維シートの製造方法が提供される。
本発明の第6の発明によれば、第1〜5のいずれかの発明において、前記非導電性繊維シートは、ヒンダードアミン系安定剤、トリアジン系添加剤又は脂肪酸アマイド系添加剤から選択される少なくとも1種の添加剤を含有することを特徴とするエレクトレット繊維シートの製造方法が提供される。
また、本発明の第7の発明によれば、第5の発明において、前記メルトブロー不織布は、ポリオレフィンを主体に構成されていることを特徴とするエレクトレット繊維シートの製造方法が提供される。
さらに、本発明の第8の発明によれば、第7の発明において、前記ポリオレフィンは、ポリプロピレンであることを特徴とするエレクトレット繊維シートの製造方法が提供される。
本発明のエレクトレット繊維シートの製造方法は、非導電性繊維シートに、高温の水蒸気を吹き付け、透過させることにより、水蒸気が非導電性繊維シートの隅々にまで接触し、均一な電荷分布を持つ、低圧損ながら高い粒子捕集効率を有する高品質、高性能なエレクトレット繊維シートを、効率よく製造できる。また、乾燥工程を必要としないので、液体を使用した従来のエレクトレット化よりも、工程が簡単である。
さらに、本発明の製造方法により得られたエレクトレット繊維シートは、水蒸気圧力をコントロールすることによって、従来のコロナ荷電法によるエレクトレット化よりも、高い捕集性能を有することができる。
本発明は、飽和水蒸気または過熱水蒸気を用いて、非導電性繊維シートをエレクトレット化することを特徴とするエレクトレット繊維シートの製造方法に係る。
以下に、本発明を詳細に説明する。
1.非導電性繊維シート
本発明において用いられる非導電性繊維シートは、非導電性を有する材料であれば、特に限定されない。例えば、合成繊維あるいは天然繊維の織物、編み物、不織布などの繊維シートを挙げることができる。これらの中でも、特に合成繊維シートが好ましい。
また、エアフィルターやマスクフィルターの場合には、合成繊維不織布が好ましく、中でも高性能フィルター用には、メルトブロー不織布を使用することが好ましい。
また、上記非導電性繊維シートの素材は、非導電性を有する材料であれば、特に限定されるものではない。例えば、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル、フッ素系樹脂、ポリフェニレンサルファイドなどが挙げられる。好ましくはポリオレフィン、特にポリプロピレンが好ましい。
さらに、本発明で用いられる非導電性繊維シートには、エレクトレット性能を良くする観点から、ヒンダードアミン系化合物、トリアジン系化合物、又は脂肪酸アマイド系化合物のうち少なくとも1種の添加剤を配合することが好ましい。このような添加剤を配合することにより、非導電性繊維シートの帯電性を向上させることが可能となる。特にヒンダードアミン系安定剤が好ましい。
本発明では、例えば、ヒンダードアミン系化合物が単独で含まれていてもよいし、ヒンダードアミン系化合物が2種類以上含まれていてもよいし、トリアジン系化合物が2種類以上含まれていてもよいし、脂肪酸アマイド系化合物が2種類以上含まれていてもよい。また、ヒンダードアミン系化合物とトリアジン系化合物と脂肪酸アマイド系化合物が混在していてもよい。
ヒンダードアミン系化合物としては、ポリ[(6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)イミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル)((2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ)ヘキサメチレン((2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ)](チバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社製、キマソープ944LD)、コハク酸ジメチル−1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン重縮合物(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社製、チヌビン622LD)、2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチルマロン酸ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社製、チヌビン144)などが挙げられる。
また、トリアジン系化合物としては、前述のポリ[(6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)イミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル)((2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ)ヘキサメチレン((2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ))(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社製、キマソープ944LD)、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン −2−イル)−5−((ヘキシル)オキシ)−フェノール(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社製、チヌビン1577FF)などを挙げることができる。
さらに、本発明において、非導電性繊維シートに配合して用いる脂肪酸アマイド系化合物は、エレクトレット化帯電率を向上させる機能を有する化合物である。本発明で用いることのできる脂肪酸アマイド系化合物としては、脂肪酸、不飽和脂肪酸のモノアマイド類、ビスアマイド類が挙げられ、例えば、ステアリン酸アマイド、バルミチン酸アマイド、ベヘニン酸アマイド、ミリスチン酸アマイド、エルカ酸アマイド、オレイン酸アマイド、カプリル酸アマイド、カプリン酸アマイド、リノール酸アマイド、リノレン酸アマイド、リジノールサンアマイド、パルミトレイン酸アマイド、ラウリン酸アマイド、アラキド酸アマイド、アラキジン酸アマイド、エイコセン酸アマイド、ブライジン酸アマイド、エライジン酸アマイド、N−ステアリルエルカ酸アマイド、N−(2−ハイドロキシメチル)・ステアリン酸アマイド、N−(2−ハイドロキシエチル)ラウリン酸アマイド、エチレンビスオレイン酸アマイド、エチレンビスステアリン酸アマイド、メチレンビスステアリン酸アマイド、ヘキサメチレンビスオレイン酸アマイド、ヘキサメチレンビスエルカ酸アマイド、オクタメチレンビスエルカ酸アマイド等を挙げることができる。
本発明において、非導電性繊維シートに配合する上記の添加剤の配合量は、非導電性繊維シートに対して0.05〜5重量%、好ましくは0.5〜3重量%である。配合量が0.05重量%未満では、繊維の電荷の維持効果が小さく、一方、5重量%を超えると、効果の飽和とともに、例えば、配合物が不織布化工程で分解し、製品の着発色、臭気、揮発成分の生成などの副作用が起きやすくなり、好ましくない。
2.水蒸気を用いる製造方法
本発明のエレクトレット繊維シートの製造方法は、非導電性繊維シートに、高温の飽和水蒸気または過熱水蒸気を吹き付け、透過させることにより、エレクトレット化することを特徴とするものである。
このように高温の水蒸気を透過させることにより、水蒸気が非導電性繊維シートの隅々にまで接触し、均一な電荷分布を持つ高品質、高性能なエレクトレット繊維シートを製造することが可能となる。
本発明による方法では、気体である水蒸気を使用するため、従来の水のような液体よりも、粘性が低く、非導電性繊維シートを透過させることは容易である。また、高温水蒸気を使用するため、乾燥工程を必要としない。たとえ、一部の水蒸気が凝縮して、繊維表面に付着したとしても、繊維自体が高温となるため、容易に再蒸発する。
本発明では、水蒸気の吹きつけ、透過工程には、水蒸気が非導電性繊維シートの隅々にまで接触し、均一な電荷分布を持つ高品質、高性能なエレクトレット繊維シートを製造できるものであれば、特に限定されない。
また、非導電性繊維シートの両面をネットで挟み込むことにより、水蒸気噴射時の繊維の配向変化や繊維の飛散を防止することができる。
また、オリフィスの手前における水蒸気の温度は、150℃以上が好ましく、特に160〜210℃が好ましい。温度が高すぎると、非導電性繊維シートの融点より高くなり、非導電性繊維シートを損傷する。逆に、温度が低すぎると、オリフィスの手前、または、非導電性繊維シート上で凝縮して、非導電性繊維シートを透過できず、また、乾燥工程も必要となる。
水蒸気は、2mm間隔で1列に並んだ0.3mm径のオリフィスより噴出させ、非導電性繊維シートに吹き付けることができる。オリフィスの手前における水蒸気の圧力は、0.4MPa以下が好ましく、0.1〜0.4MPa以下がより好ましく、特に0.1MPa〜0.3MPaが好ましい。圧力が高すぎると、非導電性繊維シートの繊維配向を変えて、ピンホールが発生する可能性がある。逆に圧力が低すぎると、水蒸気が非導電性シートを透過することができない。
水蒸気は、非導電繊維シートの片面にのみに、吹き付けても良いが、好ましくは水蒸気が均一に接触するように、両面から吹き付ける方が良い。
また、非導電性繊維シートを挟んで水蒸気ノズルと向かい合わせに、サクションボックスを設置し、透過する水蒸気を吸引することにより、透過する水蒸気量を増加させることもできる。また、このことにより、非導電繊維シート中に残留凝縮する水滴を、減少させる効果が生じる。
本発明を以下の実施例に基づいて詳細に説明するが、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。
[実施例1〜5]
ヒンダードアミン(登録商標:CHIMASSORB 944FD、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社製)を樹脂全体の1.0mass%含むポリプロピレンからなるメルトブロー不織布(目付20g/m、厚み0.21mm、通気度:50cc/cm/sec.)に、三菱レイヨン・エンジニアリング(株)のスチームジェット加工装置を使用して、表1の諸条件で、水蒸気を吹き付けてエレクトレット加工を行った。
尚、水蒸気圧力は、オリフィスの手前の圧力を、ラインスピードは、該メルトブロー不織布を挟んだコンベアーネットのスピードを、サクション圧力は、サクションボックス内の圧力を、測定したものである。
Figure 2008214789
[比較例1]
実施例1〜5で用いた前記物性のポリプロピレンメルトブロー不織布に、従来のコロナ荷電法により、エレクトレット加工を行った。
(濾過特性の評価):
実施例1〜5及び比較例1で得られたエレクトレット繊維シートについて、以下の濾過特性の評価を行った。
(1)捕集効率:
0.3μmのNaCl粒子の試験用粉塵含有空気を95L/min.の流量で通過させ、JIS Z8813の「浮遊粉じん濃度測定方法通則」に準じた光散乱光量積算方式により、通過前通過後の粉塵濃度を同時に連続的に測定し、次式により、捕集効率を求めた。
測定結果を表2に示す。
捕集効率(%)=(通過後の粉塵濃度[mg/m]−通過前の粉塵濃度[mg/m])/(通過前の粉塵濃度[mg/m])×100
(2)圧力損失:
捕集効率の試験と並行してアネロイド式圧力計を用い、0.3μmのNaCl粒子の試験用粉塵含有空気の通過前後の圧力を測定し、その差圧を求めた。
測定結果を表2に示す。
(3)qF値:
測定した粒子捕集効率および圧力損失から、濾過特性の指標であるqF値を下の数式より算出した。また、算出した濾過特性の評価結果も、表2に示す。qF値が大きいほど、高捕集効率かつ低圧力損失であると、いえる。
qF値[1/Pa]=−ln{(100−粒子捕集効率[%])/100}/圧力損失[Pa]
Figure 2008214789
水蒸気噴霧によりエレクトレット加工を行った実施例1〜5は、すべてコロナ荷電法によりエレクトレット加工を行った比較例1に比べて、高い粒子捕集効率を示したが、圧力損失も高くなった。水蒸気の吹きつけ及び吸引により、不織布自体が圧縮されたことによるものと、考察される。
実施例1及び2の水蒸気圧力0.2MPaおよび0.3MPaでは、粒子捕集効率が高く、qF値も、コロナ荷電法による比較例1より、高いものが得られた。
また、実施例1及び2のラインスピード5m/min.では、実施例3のラインスピード10m/min.と比べて、高いqF値となった。エレクトレット化の効果を高くするには、水蒸気との接触時間を十分とる必要があると考えられる。
さらに、実施例4及び5の水蒸気圧力0.4MPaの場合は、メルトブロー不織布にピンホールが多数見られた。これは、水蒸気圧力が高いために、水蒸気がメルトブロー繊維間隔を押し広げて穴があいたものである。このため、穴の部分から粒子が漏れ出して粒子捕集効率が下がったと考えられる。実施例4の5m/min.に比べて、実施例5の10m/min.のピンホールの頻度は、低かった。ラインスピードが速くなることによって、水蒸気との接触時間が減ったために、穴の頻度が減り、このためにラインスピードが速い実施例5の捕集効率が高くなったと、考察される。
この結果より、水蒸気圧力は、0.4MPa未満であることが望ましい。
本発明により、圧力損失が低く、高い捕集性能を示す高品質、高性能なエレクトレット繊維シートを製造できる。このような高品質、高性能なエレクトレット繊維シートは、エアフィルターやマスクフィルターに、好ましく用いることができるが、その応用範囲は、これらに限られるものではなく、種々の分野に適用可能である。

Claims (8)

  1. 飽和水蒸気または過熱水蒸気を用いて、非導電性繊維シートをエレクトレット化することを特徴とするエレクトレット繊維シートの製造方法。
  2. 前記飽和水蒸気または過熱水蒸気を、ノズルより噴出させて非導電性繊維シートに吹き付けることにより、非導電性繊維シートをエレクトレット化することを特徴とする請求項1に記載のエレクトレット繊維シートの製造方法。
  3. ノズルから、前記飽和水蒸気または過熱水蒸気を非導電性繊維シートに吹き付けて、該飽和水蒸気または過熱水蒸気が非導電性繊維シート内を透過する工程を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載のエレクトレット繊維シートの製造方法。
  4. 前記飽和水蒸気または過熱水蒸気は、0.3mm径のオリフィスより噴出させて非導電性繊維シートに吹き付ける際に、該オリフィスの手前における圧力が0.1〜0.4MPaであり、かつ温度が150℃以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のエレクトレット繊維シートの製造方法。
  5. 前記非導電性繊維シートは、メルトブロー不織布であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のエレクトレット繊維シートの製造方法。
  6. 前記非導電性繊維シートは、ヒンダードアミン系安定剤、トリアジン系添加剤又は脂肪酸アマイド系添加剤から選択される少なくとも1種の添加剤を含有することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のエレクトレット繊維シートの製造方法。
  7. 前記メルトブロー不織布は、ポリオレフィンを主体に構成されていることを特徴とする請求項5に記載のエレクトレット繊維シートの製造方法。
  8. 前記ポリオレフィンは、ポリプロピレンであることを特徴とする請求項7に記載のエレクトレット繊維シートの製造方法。
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