JP2018083879A - 難燃性マスターバッチ樹脂組成物及びその製造方法並びにこれを加工した成形体 - Google Patents
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Abstract
【課題】難燃剤が少ない配合量であっても十分な難燃性能を得ることが可能なマスターバッチ樹脂組成物及びその製造方法、並びにそれを加工した成形体を提供する。
【解決手段】本発明のマスターバッチ樹脂組成物は、混練分散部4に、溶媒に溶解又は分散させたホウ酸系化合物及び珪素含有化合物と、加熱溶融させたベース樹脂と、リン酸エステル類及びリン−窒素系化合物から選ばれる少なくとも一つのリン系化合物を所定量供給し、混合と同時に減圧ライン5から溶媒を気体の状態で除去し、次いで、押出部6から樹脂組成物を押し出すことにより、難燃性の高いマスターバッチ樹脂組成物を得る。
【選択図】図1
【解決手段】本発明のマスターバッチ樹脂組成物は、混練分散部4に、溶媒に溶解又は分散させたホウ酸系化合物及び珪素含有化合物と、加熱溶融させたベース樹脂と、リン酸エステル類及びリン−窒素系化合物から選ばれる少なくとも一つのリン系化合物を所定量供給し、混合と同時に減圧ライン5から溶媒を気体の状態で除去し、次いで、押出部6から樹脂組成物を押し出すことにより、難燃性の高いマスターバッチ樹脂組成物を得る。
【選択図】図1
Description
本発明は、難燃性の高いマスターバッチ樹脂組成物及びその製造方法並びにこれを加工した成形体に関する。
従来から、難燃性の高い熱可塑性樹脂組成物について様々な方法が提案されている。例えば、特許文献1には、熱可塑性樹脂100重量部と、ポリフェニレンエーテル系樹脂1〜30重量部と、窒素含有量とリン含有量の重量比(N/P)が所定の範囲にあるポリリン酸アンモニウム5〜25重量部を含有する難燃性樹脂組成物が提案されている。
特許文献2には、熱可塑性ポリエステルと必要に応じて相溶化剤を合計100重量部と、リン系難燃剤と窒素系難燃剤と必要に応じて硼酸金属塩を合計25〜125重量部と、繊維状強化材5〜200重量部含有する高電圧絶縁材料部品用樹脂組成物が提案されている。
特許文献3には、ポリトリメチレンテレフタレート樹脂30〜99重量部と、リン含有難燃剤とリン−窒素含有難燃剤からなる難燃剤1〜70重量部含有する難燃性樹脂組成物が提案されている。
特許文献2には、熱可塑性ポリエステルと必要に応じて相溶化剤を合計100重量部と、リン系難燃剤と窒素系難燃剤と必要に応じて硼酸金属塩を合計25〜125重量部と、繊維状強化材5〜200重量部含有する高電圧絶縁材料部品用樹脂組成物が提案されている。
特許文献3には、ポリトリメチレンテレフタレート樹脂30〜99重量部と、リン含有難燃剤とリン−窒素含有難燃剤からなる難燃剤1〜70重量部含有する難燃性樹脂組成物が提案されている。
しかし、従来の難燃性熱可塑性樹脂組成物は、難燃剤、防炎剤、難燃助剤を多量に配合する必要があった。例えば、特許文献1では、所定の範囲にあるポリリン酸アンモニウムをベース樹脂に対して5重量%以上と多量に配合する必要があった。特許文献2では、リン系難燃剤と窒素系難燃剤と必要に応じて硼酸金属塩を合計で25重量%以上と多量に配合する必要があった。特許文献3は、リン含有難燃剤とリン−窒素含有難燃剤を併用することにより1重量%の配合も記載されているが、実質5重量%以上でないと十分な難燃性が得られていない。
本発明は、前記従来の問題を解決するため、難燃剤が少ない配合量であっても十分な難燃性能を得ることが可能なマスターバッチ樹脂組成物及びその製造方法、並びにそれを加工した成形体を提供する。
本発明のマスターバッチ樹脂組成物は、 加熱溶融可能なベース樹脂と、難燃剤を含むマスターバッチ樹脂組成物であって、前記難燃剤は、リン酸エステル類及びリン−窒素系化合物から選ばれる少なくとも一つのリン系化合物がベース樹脂100質量部に対して1〜20質量部含み、ホウ酸系化合物がベース樹脂100質量部に対して0.1〜5質量部含み、珪素含有化合物がベース樹脂100質量部に対して0.1〜5質量部含むことを特徴する。
本発明の難燃性マスターバッチ樹脂組成物の製造方法であって、
樹脂溶融部と、減圧ラインを備えた混練分散部と、押出部を連続して接続し、
前記混練分散部に、溶媒に溶解又は分散させたリン酸エステル類、ホウ酸系化合物、及び珪素含有化合物と、加熱溶融させたベース樹脂とを供給し、混合と同時に前記減圧ラインから溶媒を気体の状態で除去し、次いで、押出部から樹脂組成物を押し出す工程を含むことを特徴とする。
樹脂溶融部と、減圧ラインを備えた混練分散部と、押出部を連続して接続し、
前記混練分散部に、溶媒に溶解又は分散させたリン酸エステル類、ホウ酸系化合物、及び珪素含有化合物と、加熱溶融させたベース樹脂とを供給し、混合と同時に前記減圧ラインから溶媒を気体の状態で除去し、次いで、押出部から樹脂組成物を押し出す工程を含むことを特徴とする。
本発明の難燃性マスターバッチ樹脂組成物の別の製造方法であって、
樹脂溶融部と、減圧ラインを備えた混練分散部と、押出部を連続して接続し、
前記混練分散部に、溶媒に溶解又は分散させたホウ酸系化合物、及び珪素含有化合物と、リン−窒素系化合物の粉体と、加熱溶融させたベース樹脂とを供給し、混合と同時に前記減圧ラインから溶媒を気体の状態で除去し、次いで、押出部から樹脂組成物を押し出す工程を含むことを特徴とする。
樹脂溶融部と、減圧ラインを備えた混練分散部と、押出部を連続して接続し、
前記混練分散部に、溶媒に溶解又は分散させたホウ酸系化合物、及び珪素含有化合物と、リン−窒素系化合物の粉体と、加熱溶融させたベース樹脂とを供給し、混合と同時に前記減圧ラインから溶媒を気体の状態で除去し、次いで、押出部から樹脂組成物を押し出す工程を含むことを特徴とする。
本発明の成形体は、熱可塑性樹脂を含み、前記マスターバッチ樹脂組成物は、前記熱可塑性樹脂100質量部に対して1〜10質量部含むことを特徴とする。
本発明は、加熱溶融可能なベース樹脂と難燃剤を含み、難燃剤としてリン系化合物を主剤とし、ホウ酸系化合物及び珪素含有化合物を助剤として少量配合することにより、前記マスターバッチ樹脂組成物にさらに成形体用樹脂を加えて最終成形体としたとき、マスターバッチ樹脂組成物の配合量、すなわち難燃剤の配合量が少なくても十分な難燃性能を得ることができる。
本発明は、加熱溶融可能なベース樹脂と、難燃剤を含むマスターバッチ樹脂組成物であって、前記難燃剤は、リン酸エステル類及びリン−窒素系化合物から選ばれる少なくとも一つのリン系化合物がベース樹脂100質量部に対して1〜20質量部含み、ホウ酸系化合物及び珪素含有化合物がベース樹脂100質量部に対してそれぞれ0.1〜5質量部含むことを特徴する。前記難燃剤を組み合わせることにより、前記マスターバッチ樹脂組成物にさらに成形体用樹脂を加えて最終成形体としたとき、マスターバッチ樹脂組成物の配合量、すなわち難燃剤の配合量が少なくても十分な難燃性能を得ることができる。
前記リン系化合物は、リン酸エステル類及びリン−窒素系化合物から選ばれる少なくとも一つの化合物が配合されている。リン酸エステル類とリン−窒素系化合物を併用することも可能であるが、各々単独でも使用することができる。
前記リン系化合物は、ベース樹脂100質量部に対して1〜20質量部含む。リン系化合物の好ましい含有量は、3〜17質量部であり、より好ましくは5〜15質量部である。リン系化合物が上記範囲内にあると、高い難燃性を得ることができる。
前記リン酸エステル類は、主として燃焼時に炭化層を生成し、酸素と熱を遮断する効果を有し、例えば、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリオクチルホスフェート、トリブトキシエチルホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、オクチルジフェニルホスフェート等の非ハロゲンリン酸エステル、下記式(1)または式(2)等で示される非ハロゲン縮合リン酸エステル、含ハロゲンリン酸エステル、含ハロゲン縮合リン酸エステル等が挙げられる。なかでも、非ハロゲン縮合リン酸エステルは、難燃性及び環境安全性の観点から好ましい。
前記リン酸エステル類は、水などの溶媒に溶解させた液体または固体で提供されるが、本発明においては、液体でベース樹脂に混練されることが好ましい。液体であると、樹脂内に均一に分散されるからである。
前記リン−窒素系化合物としては、主として窒素系ガスにより酸素を遮断する効果を有し、ポリリン酸アンモニウムおよびポリリン酸メラミン等のポリリン酸塩ならびにホスファゼン類を単独または併用して使用することができる。ポリリン酸塩としては、ポリリン酸アンモニウムであることが好ましい。ホスファゼン類としては、例えば、直鎖状ホスファゼン化合物、環状ホスファゼン化合物などが挙げられる。リン−窒素系化合物は、水などの溶媒に溶解させた液体または固体で提供されるが、固体の場合は、ベース樹脂に固体のままドライブレンドする方法、溶媒に分散させた分散液でブレンドする方法のいずれであってもよい。
前記ホウ酸系化合物は、主としてドリップを防止する効果を有し、例えば、ホウ酸、ホウ酸亜鉛、ホウ砂(ホウ酸ナトリウム)、メタホウ酸亜鉛、メタホウ酸バリウムなどが挙げられる。特に、ホウ酸及びホウ砂から選ばれる少なくとも一つの化合物であることが好ましい。当該化合物としては、難燃剤「SOUFA(ソウファ)」として市販されている。ホウ酸系化合物は、水などの溶媒に溶解させた液体または固体で提供されるが、本発明においては、液体でベース樹脂に混練されることが好ましい。液体であると、樹脂内に均一に分散されるからである。
前記ホウ酸系化合物は、ベース樹脂100質量部に対して0.1〜5質量部含む。ホウ酸系化合物の好ましい含有量は、0.3〜2質量部であり、より好ましくは0.5〜1質量部である。ホウ酸系化合物が上記範囲内にあると、高い難燃性を得ることができる。
前記珪素含有化合物は、主として無機遮断層を形成する効果を有し、例えば、アルミノシリケート(ゼオライトともいう)、シリカなどが挙げられる。特に、シリカとして、コロイダルシリカ及びシリカゲルから選ばれる少なくとも一つの化合物であることが好ましい。コロイダルシリカは、非晶質シリカコロイド粒子が水に分散された状態で提供されるため、本発明においては分散液でベース樹脂に混練されるので、樹脂内でシリカゾルの粒子が凝集することなく均一に分散されるから特に好ましい。前記コロイダルシリカは、日産化学工業社製「スノーテックス」として市販されている。
前記珪素含有化合物は、ベース樹脂100質量部に対して0.1〜5質量部含む。珪素含有化合物の好ましい含有量は、0.3〜2質量部であり、より好ましくは0.5〜1質量部である。珪素含有化合物が上記範囲内にあると、高い難燃性を得ることができる。
前記ベース樹脂は熱可塑性樹脂であることが好ましい。さらに、前記熱可塑性樹脂は、ポリオレフィン、ポリオキシメチレン(POM)、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ABS樹脂、AS樹脂、ポリエステル及び熱可塑性エラストマーから選ばれる少なくとも一つであるのが好ましい。この中でも、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリ乳酸、ポリブチレンサクシネート等のポリマー及びその共重合体から選ばれるポリエステルであることが好ましい。
前記マスターバッチ樹脂組成物には、ベース樹脂及び難燃剤に加えて、相溶化剤が配合されているのが好ましい。前記マスターバッチ樹脂組成物100質量部に対し、前記相溶化剤は1〜20質量部配合されているのが好ましい。より好ましい配合量は、3〜15質量部である。相溶化剤は、エチレン−アクリル酸−マレイン酸コポリマーなど極性基(親水基)を含むエチレン系コポリマーが好ましい。相溶化剤は、親水基を含む熱可塑性樹脂であることが好ましい。親水基を含む同種の樹脂を用いると、ベース樹脂と前述した難燃剤を液添するときに親和性が高く、より均一に分散することができる。
具体的な相溶化剤は、エチレン−アクリル酸エステルコポリマー、エチレン−アクリル酸−マレイン酸メチルコポリマーなど極性基(酸無水基)を含むエチレン系コポリマーが好ましい。極性基を含有するエチレン系コポリマーは、極性基を有することにより、液添される難燃剤との親和性が高くなる、及びベース樹脂よりも融点が比較的低いので、混練しやすいので、好ましい。融点(DSC法)は、70〜110℃であることが好ましい。より好ましい融点は、80〜105℃である。特に、エチレン−アクリル酸−マレイン酸コポリマーのように極性基として酸無水基を含むエチレン系コポリマーであると、ベース樹脂及び液添する難燃剤との親和性がより高く、好ましい。
本発明のマスターバッチ樹脂組成物の製造方法は、加熱溶融可能なベース樹脂と、難燃剤を溶融混練し、冷却してチップ化される。なお、「チップ」を「ペレット」と称する場合がある。
前記製造方法において、まず押出機を使用し、減圧ラインを備えた混練チャンバーに、押出部を連続して接続し、前記混練チャンバー内に、溶媒に溶解又は分散された難燃剤(例えば、リン酸エステル類、ホウ酸系化合物、及び珪素含有化合物)と、必要に応じて固体(粉体)でドライブレンドする難燃剤(例えば、リン−窒素系化合物)と、加熱溶融させた樹脂とを供給し、混合と同時に前記減圧ラインから溶媒を気体の状態で除去し、次いで、押出部から樹脂組成物を押し出すことにより、樹脂組成物が得られる。さらに相溶化剤を加えるとベース樹脂と難燃剤の混合が効率的となるため好ましい。
以下、図面を用いて説明する。図1は本発明の一実施態様で使用する押出機の模式的説明図である。この押出機1は、原料供給口2と、樹脂溶融部3と、混練分散部4と、減圧ライン5と、押出部6と、取り出し部7で構成されている。まず、樹脂溶融部3の原料供給口2から加熱溶融可能なベース樹脂と溶媒(例えば水)に溶解または分散させた難燃剤を供給する。供給前に両者を混合しておいても良い。場合によっては、一部の難燃剤を粉体で混合しても良い。次に混練分散部4に送り、混練分散部4では複数枚の混練プレートが回転しており、ここで樹脂と溶媒に溶解、あるいは溶媒に分散させた難燃剤は均一混合される。次いで減圧ライン5から溶媒(例えば水分)が(水)蒸気の状態で除去される。次いで押出部6から樹脂組成物が押し出され、冷却して取り出し部7から取り出され、冷却後カットすればペレット状の樹脂組成物となる。ペレットは例えば直径2mm、高さ2mmの円柱形とする。
前記の方法で得られたマスターバッチ樹脂組成物チップは、成形用樹脂と混合されて難燃性の成形体となる。マスターバッチ樹脂組成物は、成形用樹脂100質量部に対して、1〜10質量部配合されることが好ましい。より好ましくは、1.5〜7質量部が好ましく、さらにより好ましくは2〜5質量部である。つまり、得られる成形体には、主剤となるリン系化合物が0.01〜2質量部配合されることとなる。より好ましくは、0.025〜1.2質量部であり、さらにより好ましくは、0.1〜0.75質量部である。助剤となるホウ酸系化合物及び珪素含有化合物は、それぞれ0.001〜0.5質量部であることが好ましい。より好ましくは、0.0045〜0.14質量部であり、さらにより好ましくは0.01〜0.05質量部である。このように、本発明の構成であると、難燃剤の配合量が少なくても十分な難燃性能を得ることができる。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明する。本発明は、下記の実施例に限定されるものではない。なお、下記の実施例で添加量を単に%と表記した場合は、質量%を意味する。
(測定方法)
(1)難燃性
UL規格(UL94燃焼試験)に準じて、UL94HF発泡材料水平燃焼試験を行った。なお、前処理は12.4.1による。
(1)難燃性
UL規格(UL94燃焼試験)に準じて、UL94HF発泡材料水平燃焼試験を行った。なお、前処理は12.4.1による。
(実施例1)マスターバッチ樹脂組成物の製造
マスターバッチ樹脂組成物を以下の順番で製造した。
(1)難燃剤として、以下の化合物を準備した。
難燃剤A:ポリリン酸アンモニウム(末広化学工業社製)粉体
難燃剤B:ホウ酸及びホウ砂を含有する水溶液(商品名「SOUFA」、濃度23%)
難燃剤C:コロイダルシリカ水分散液(商品名「スノーテックスS」、日産化学工業社製、濃度30%)
(2)ベース樹脂として、ポリエチレンテレフタレートのペレット(直径2mm、高さ2mmの円柱形)を準備した。
(3)図1に示す押出機の原料供給口2からベース樹脂ペレット90質量部と、難燃剤A10質量部(ドライブレンド)、難燃剤B3.5質量部(液添)、難燃剤C2.5質量部(液添)、及び相溶化剤(エチレン−アクリル酸−マレイン酸共重合体(MFR80g/10分(190℃、2.16kg)、融点(DSC法)98℃)10質量部を供給した。
(4)押出機内における加工温度を280〜300℃に設定した。樹脂溶融部2では回転軸に沿って供給物を前に送り、混練分散部4では複数枚の混練プレートが回転しており、ここでベース樹脂、水に溶解または分散させた難燃剤B及びC、並びにドライブレンドさせた難燃剤Aは均一混合され、次いで減圧ライン5を真空(負圧)にすることで同時に水分を取り除いた。
(5)次いで、押出部6から樹脂組成物を押出、冷却して取り出し口7から取り出した。
(6)ペレタイザーに導き、ペレット化して、ポリエステル系難燃性マスターバッチ樹脂組成物を得た。
マスターバッチ樹脂組成物を以下の順番で製造した。
(1)難燃剤として、以下の化合物を準備した。
難燃剤A:ポリリン酸アンモニウム(末広化学工業社製)粉体
難燃剤B:ホウ酸及びホウ砂を含有する水溶液(商品名「SOUFA」、濃度23%)
難燃剤C:コロイダルシリカ水分散液(商品名「スノーテックスS」、日産化学工業社製、濃度30%)
(2)ベース樹脂として、ポリエチレンテレフタレートのペレット(直径2mm、高さ2mmの円柱形)を準備した。
(3)図1に示す押出機の原料供給口2からベース樹脂ペレット90質量部と、難燃剤A10質量部(ドライブレンド)、難燃剤B3.5質量部(液添)、難燃剤C2.5質量部(液添)、及び相溶化剤(エチレン−アクリル酸−マレイン酸共重合体(MFR80g/10分(190℃、2.16kg)、融点(DSC法)98℃)10質量部を供給した。
(4)押出機内における加工温度を280〜300℃に設定した。樹脂溶融部2では回転軸に沿って供給物を前に送り、混練分散部4では複数枚の混練プレートが回転しており、ここでベース樹脂、水に溶解または分散させた難燃剤B及びC、並びにドライブレンドさせた難燃剤Aは均一混合され、次いで減圧ライン5を真空(負圧)にすることで同時に水分を取り除いた。
(5)次いで、押出部6から樹脂組成物を押出、冷却して取り出し口7から取り出した。
(6)ペレタイザーに導き、ペレット化して、ポリエステル系難燃性マスターバッチ樹脂組成物を得た。
(実施例2)マスターバッチ樹脂組成物の製造
難燃剤Aとして、前記式(2)に示す芳香族縮合リン酸エステル(商品名CR−741)に代えた以外は、実施例1と同様の方法で、ポリエステル系難燃性マスターバッチ樹脂組成物を得た。
難燃剤Aとして、前記式(2)に示す芳香族縮合リン酸エステル(商品名CR−741)に代えた以外は、実施例1と同様の方法で、ポリエステル系難燃性マスターバッチ樹脂組成物を得た。
(実施例3)繊維の製造
実施例1のマスターバッチ樹脂組成物を用いた繊維を、以下の順番で製造した。
(1)実施例1のマスターバッチ樹脂組成物を4質量部と、成形体用樹脂としてポリエチレンテレフタレート(PET)100質量部を準備した。
(2)(1)の混合したペレットを溶融紡糸用の押出機の原料供給口から供給し、常法の溶融紡糸機を用いて、押出機で溶融混練した後、溶融紡糸した。その後、公知の延伸機を用いて延伸、カットして、繊度が6.6dtexのポリエチレンテレフタレート繊維を作製した。
実施例1のマスターバッチ樹脂組成物を用いた繊維を、以下の順番で製造した。
(1)実施例1のマスターバッチ樹脂組成物を4質量部と、成形体用樹脂としてポリエチレンテレフタレート(PET)100質量部を準備した。
(2)(1)の混合したペレットを溶融紡糸用の押出機の原料供給口から供給し、常法の溶融紡糸機を用いて、押出機で溶融混練した後、溶融紡糸した。その後、公知の延伸機を用いて延伸、カットして、繊度が6.6dtexのポリエチレンテレフタレート繊維を作製した。
(実施例4)繊維の製造
実施例2のマスターバッチ樹脂組成物に代えた以外は、実施例3と同様の方法で、繊度6.6dtexのポリエチレンテレフタレート繊維を作製した。
実施例2のマスターバッチ樹脂組成物に代えた以外は、実施例3と同様の方法で、繊度6.6dtexのポリエチレンテレフタレート繊維を作製した。
(比較例1)
市販されている繊度6.6dtexのポリエチレンテレフタレート繊維を用いた。
市販されている繊度6.6dtexのポリエチレンテレフタレート繊維を用いた。
(実施例5)
実施例3のポリエチレンテレフタレート繊維50質量部と、比較例1のポリエチレンテレフタレート繊維50質量部を開繊機で混ぜ合わせた混合綿を作製した。
実施例3のポリエチレンテレフタレート繊維50質量部と、比較例1のポリエチレンテレフタレート繊維50質量部を開繊機で混ぜ合わせた混合綿を作製した。
実施例3〜5のポリエチレンテレフタレート繊維綿の難燃性能を表1に示す。実施例3〜5の繊維綿は、UL94規格の難燃性を有することが確認できた。一方、比較例1の繊維綿は、着火した後激しく燃え、難燃性はなかった。
本発明の難燃性マスターバッチ樹脂組成物は、射出成形、押出成形、プレス成形など様々な成形法に適用できる。また成形体は繊維、フィルム、シート、丸棒、ボックス形状、平板等、様々な成形体に適用できる。
1 押出機
2 原料供給口
3 樹脂溶融部
4 混練分散部
5 減圧ライン
6 押出部
7 取り出し部
2 原料供給口
3 樹脂溶融部
4 混練分散部
5 減圧ライン
6 押出部
7 取り出し部
Claims (11)
- 加熱溶融可能なベース樹脂と、難燃剤を含むマスターバッチ樹脂組成物であって、前記難燃剤は、リン酸エステル類及びリン−窒素系化合物から選ばれる少なくとも一つのリン系化合物がベース樹脂100質量部に対して1〜20質量部含み、ホウ酸系化合物がベース樹脂100質量部に対して0.1〜5質量部含み、珪素含有化合物がベース樹脂100質量部に対して0.1〜5質量部含む、難燃性マスターバッチ樹脂組成物。
- 前記リン酸エステル類は、非ハロゲン縮合リン酸エステルである、請求項1に記載の難燃性マスターバッチ樹脂組成物。
- 前記リン−窒素系化合物は、ポリリン酸アンモニウムである、請求項1に記載の難燃性マスターバッチ樹脂組成物。
- 前記ホウ酸系化合物は、ホウ酸及びホウ砂から選ばれる少なくとも一つである、請求項1〜3のいずれかに記載の難燃性マスターバッチ樹脂組成物。
- 前記珪素含有化合物は、コロイダルシリカ、シリカゲルから選ばれる少なくとも一つである、請求項1〜4のいずれかに記載の難燃性マスターバッチ樹脂組成物。
- 前記ベース樹脂は、ポリエステルである、請求項1〜5のいずれかに記載の難燃性マスターバッチ樹脂組成物。
- 前記マスターバッチ樹脂組成物には、さらに相溶化剤が配合されている、請求項1〜6のいずれかに記載の難燃性マスターバッチ樹脂組成物。
- 請求項1〜7のいずれかに記載の難燃性マスターバッチ樹脂組成物の製造方法であって、
樹脂溶融部と、減圧ラインを備えた混練分散部と、押出部を連続して接続し、
前記混練分散部に、溶媒に溶解又は分散させたリン酸エステル類、ホウ酸系化合物、及び珪素含有化合物と、加熱溶融させたベース樹脂とを供給し、混合と同時に前記減圧ラインから溶媒を気体の状態で除去し、次いで、押出部から樹脂組成物を押し出す工程を含む、難燃性マスターバッチ樹脂組成物の製造方法。 - 請求項1〜7のいずれかに記載の難燃性マスターバッチ樹脂組成物の製造方法であって、
樹脂溶融部と、減圧ラインを備えた混練分散部と、押出部を連続して接続し、
前記混練分散部に、溶媒に溶解又は分散させたホウ酸系化合物、及び珪素含有化合物と、リン−窒素系化合物の粉体と、加熱溶融させたベース樹脂とを供給し、混合と同時に前記減圧ラインから溶媒を気体の状態で除去し、次いで、押出部から樹脂組成物を押し出す工程を含む、難燃性マスターバッチ樹脂組成物の製造方法。 - 前記混練分散部には、さらに相溶化剤を供給する、請求項8または9に記載の難燃性マスターバッチ樹脂組成物の製造方法。
- 請求項1〜7のいずれかに記載のマスターバッチ樹脂組成物が、前記ベース樹脂100質量部に対して1〜10質量部含む、成形体。
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