以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。なお、遊技機の一例としてパチンコ遊技機を示すが、本発明はパチンコ遊技機に限られず、コイン遊技機、スロットマシン等のその他の遊技機であってもよく、遊技を行なうことが可能な遊技機であれば、どのような遊技機であってもよい。
[第1実施形態]
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。図2は当り種別表である。
パチンコ遊技機1は、遊技媒体としての遊技球を遊技領域7に打込んで遊技が行なわれる遊技機である。パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取付けられる機構板(図示せず)と、それらに取付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)とを含む構造体である。パチンコ遊技機1では、遊技媒体としての遊技球を遊技領域に打込んで遊技が行なわれる。
ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4、および、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5等が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取付けられている。遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には、打込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
余剰球受皿(下皿)4を形成する部材には、たとえば下皿本体の上面における手前側の所定位置(たとえば下皿の中央部分)等に、スティック形状(棒形状)に構成され、遊技者が把持して複数方向(前後左右)に傾倒する操作が可能なスティックコントローラ122が取付けられている。なお、スティックコントローラ122には、遊技者がスティックコントローラ122の操作桿を操作手(たとえば左手等)で把持した状態において、所定の操作指(たとえば人差し指等)で押引操作すること等により所定の指示操作が可能なトリガボタン125(図3参照)が設けられ、スティックコントローラ122の操作桿の内部には、トリガボタン125に対する押引操作等による所定の指示操作を検知するトリガセンサ121(図3参照)が内蔵されている。また、スティックコントローラ122の下部における下皿の本体内部等には、操作桿に対する傾倒操作を検知する傾倒方向センサユニット123(図3参照)が設けられている。また、スティックコントローラ122には、スティックコントローラ122を振動動作させるためのバイブレータ用モータ126(図3参照)が内蔵されている。
打球供給皿(上皿)3を形成する部材には、たとえば上皿本体の上面における手前側の所定位置(たとえばスティックコントローラ122の上方)等に、遊技者が押下操作等により所定の指示操作を可能なプッシュボタン120が設けられている。プッシュボタン120は、遊技者からの押下操作等による所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン120の設置位置における上皿の本体内部等には、プッシュボタン120に対してなされた遊技者の操作行為を検知するプッシュセンサ124(図3参照)が設けられていればよい。図1に示す構成例では、プッシュボタン120とスティックコントローラ122の取付位置が、上皿及び下皿の中央部分において上下の位置関係にある。これに対して、上下の位置関係を保ったまま、プッシュボタン120及びスティックコントローラ122の取付位置を、上皿及び下皿において左右のいずれかに寄せた位置としてもよい。あるいは、プッシュボタン120とスティックコントローラ122との取付位置が上下の位置関係にはなく、たとえば左右の位置関係にあるものとしてもよい。なお、操作手段としては、レバースイッチ、および、ジョグダイヤル等のその他の操作手段を設けてもよい。
遊技領域7の中央付近には、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての演出図柄を変動表示(可変表示ともいう)可能な表示手段としての演出表示装置9が設けられている。遊技領域7における演出表示装置9の右側方には、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての第1特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器(第1変動表示部)8aと、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての第2特別図柄を変動表示する第2特別図柄表示器(第2変動表示部)8bとが設けられている。
第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bのそれぞれは、数字および文字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で構成されている。演出表示装置9は、液晶表示装置(LCD)で構成されており、表示画面において、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示に同期した演出図柄の変動表示を行なう演出図柄表示領域が設けられる。演出図柄表示領域には、たとえば左,中,右の3つの装飾用(演出用)の演出図柄を変動表示する図柄表示エリアが形成される。
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを特別図柄表示器(変動表示部)と総称することがある。
なお、この実施の形態では、2つの特別図柄表示器8a,8bを備える場合を示しているが、遊技機は、特別図柄表示器を1つのみ備えるものであってもよい。
第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bのそれぞれは、主基板(遊技制御基板)に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータによって制御される。演出表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴なって演出表示装置9で演出表示が実行され、第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴なって演出表示装置9で演出表示が実行されるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
より具体的には、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示は、変動表示の実行条件である第1始動条件または第2始動条件が成立(たとえば、遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14を通過(入賞を含む)したこと)した後、変動表示の開始条件(たとえば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことに基づいて開始され、変動表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、遊技球が通過するとは、入賞口やゲート等の予め入賞領域として定められている領域を遊技球が通過したことであり、入賞口に遊技球が入った(入賞した)ことを含む概念である。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。
第1特別図柄表示器8aに特定表示結果としての大当り表示結果(大当り図柄)が導出表示されたとき、または、第2特別図柄表示器8bに特定表示結果としての大当り表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときには、演出表示装置9においても、特定表示結果としての大当り表示結果(大当り図柄の組合せ)が導出表示される。このように変動表示の表示結果として特定表示結果が表示されたときには、遊技者にとって有利な価値(有利価値)が付与される有利状態としての特定遊技状態(大当り遊技状態)に制御される。
また、演出表示装置9において、最終停止図柄(たとえば左右中図柄のうち中図柄)となる図柄以外の図柄が、所定時間継続して、大当り図柄(たとえば左中右の図柄が同じ図柄で揃った図柄の組合せ)と一致している状態で停止、揺動、拡大縮小もしくは変形している状態、または、複数の図柄が同一図柄で同期して変動表示したり、表示図柄の位置が入れ替わっていたりして、最終結果が表示される前で大当り発生の可能性が継続している状態(以下、これら状態をリーチ状態という。)で行なわれる演出をリーチ演出という。
ここで、リーチ状態は、演出表示装置9の表示領域において停止表示された演出図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない演出図柄の変動表示が継続している表示状態、または、全部もしくは一部の演出図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動表示している表示状態である。言い換えると、リーチとは、複数の変動表示領域において識別情報が特定表示結果を構成しているが少なくとも一部の変動表示領域が変動表示中である状態をいう。この実施形態において、リーチ状態は、たとえば、左,右の図柄表示エリアで同じ図柄が停止し、中の図柄表示エリアで図柄が停止していない状態で形成される。リーチ状態が形成されるときの左,右の図柄表示エリアで停止された図柄は、リーチ形成図柄、または、リーチ図柄と呼ばれる。
そして、リーチ状態における表示演出が、リーチ演出表示(リーチ演出)である。また、リーチの際に、通常と異なる演出がランプや音で行なわれることがある。この演出をリーチ演出という。また、リーチの際に、キャラクタ(人物等を模した演出表示であり、図柄(演出図柄等)とは異なるもの)を表示させたり、演出表示装置9の背景画像の表示態様(たとえば、色等)を変化させたりすることがある。このキャラクタの表示や背景の表示態様の変化をリーチ演出表示という。また、リーチの中には、それが出現すると、通常のリーチに比べて、大当りが発生しやすいように設定されたものがある。このような特別のリーチをスーパーリーチという。
演出表示装置9の下方には、第1始動入賞口13を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aによって検出される。
また、第1始動入賞口(第1始動口)13を有する入賞装置の下方には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口14を有する可変入賞球装置15が設けられている。第2始動入賞口(第2始動口)14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14aによって検出される。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口14に入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置15が開状態になっている状態では、第1始動入賞口13よりも、第2始動入賞口14に遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口14に入賞しない。したがって、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、第2始動入賞口14よりも、第1始動入賞口13に遊技球が入賞しやすい。なお、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。以下、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
第2特別図柄表示器8bの上方には、第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する4つの表示器からなる第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器18bは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器8bでの変動表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
また、第2特別図柄保留記憶表示器18bのさらに上方には、第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器からなる第1特別図柄保留記憶表示器18aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器18aは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aでの変動表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13に入り第1始動口スイッチ13aで検出されると、第1特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(たとえば、特別図柄の変動表示が終了し、第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の変動表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の変動表示が開始される。すなわち、第1特別図柄および演出図柄の変動表示は、第1始動入賞口13への入賞に対応する。第1特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
遊技球が第2始動入賞口14に入り第2始動口スイッチ14aで検出されると、第2特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(たとえば、特別図柄の変動表示が終了し、第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の変動表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の変動表示が開始される。すなわち、第2特別図柄および演出図柄の変動表示は、第2始動入賞口14への入賞に対応する。第2特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
演出表示装置9は、第1特別図柄表示器8aによる第1特別図柄の変動表示時間中、および第2特別図柄表示器8bによる第2特別図柄の変動表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄の変動表示を行なう。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示と、演出表示装置9における演出図柄の変動表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示と、演出表示装置9における演出図柄の変動表示とは同期している。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置9において大当りを想起させるような演出図柄の組合せが停止表示される。
また、演出表示装置9の表示画面における下部の位置には、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計数(合算保留記憶数)を表示する保留記憶表示部(合算保留記憶表示部、保留表示エリア、図示せず)が設けられる。合算保留記憶表示部では、保留記憶表示として保留記憶数をたとえば所定画像の表示個数により特定可能な保留記憶画像(保留記憶情報のそれぞれに対応して1つずつ保留記憶画像を表示することにより、保留記憶数を特定する。)が表示される。このように、合計数を表示する合算保留記憶表示部が設けられていることによって、変動表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数の合計を把握しやすくすることができる。第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18b、および、演出表示装置9のそれぞれにおいて、保留記憶数を示すための発光表示および画像表示は、保留表示、または、保留記憶表示と呼ばれる。
また、図1に示すように、可変入賞球装置15の下方には、特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は開閉板を備え、第1特別図柄表示器8aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときと、第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ23で検出される。
大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置20が開放状態と閉鎖状態とを繰返す繰返し継続制御が行なわれる。繰返し継続制御において、特別可変入賞球装置20が開放されている状態が、ラウンドと呼ばれる。これにより、繰返し継続制御は、ラウンド制御とも呼ばれる。本実施の形態では、大当りの種別が複数設けられており、大当りとすることが決定されたときには、いずれかの大当り種別が選択される。
演出表示装置9の左方には、各々を識別可能な普通図柄を変動表示する普通図柄表示器10が設けられている。この実施の形態では、普通図柄表示器10は、0〜9の数字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、普通図柄表示器10は、0〜9の数字(または、記号)を変動表示するように構成されている。また、小型の表示器は、たとえば方形状に形成されている。
遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の変動表示が開始される。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄。たとえば、図柄「7」。)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ遊技者にとって不利な閉状態から遊技者にとって有利な開状態に変化する。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ32aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の変動表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。
また、演出表示装置9の上方には、役物12が設けられている。役物12は、遊技盤6と演出表示装置9との間に位置し、役物モータ17によって位置を変位することが可能である。役物12は、通常は遊技者から視認し難い場所に位置し、所定の演出が実行されるときに遊技者から視認可能な位置(たとえば、演出表示装置9の前方の位置)に移動する。
遊技盤6の下部には、入賞しなかった打球が取込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部および左右下部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する4つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、前面枠に設けられた枠LED28が設けられている。
また、プリペイドカードが挿入されることによって球貸しを可能にするプリペイドカードユニット(以下、単に「カードユニット」ともいう。)が、パチンコ遊技機1に隣接して設置される(図示せず)。
図2の当り種別表においては、大当りにおける当りの種別ごとに、大当り遊技状態の終了後の大当り確率、大当り遊技状態の終了後のベース、大当り遊技状態終了後の変動時間、大当りにおける開放回数(ラウンド数)、および、各ラウンドの開放時間が示されている。
具体的に、大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置20が、開放状態とされた後、所定の開放状態の終了条件(開放状態において所定期間(たとえば29秒間)が経過したこと、または、所定個数(たとえば10個)の入賞球が発生したという開放終了条件)が成立したことに応じて閉鎖状態とされる。そして、開放終了条件が成立すると、継続権が発生し、特別可変入賞球装置20の開放が再度行なわれる。継続権の発生は、大当り遊技状態における開放回数が予め定められた上限値となる15ラウンド(最終ラウンド)に達するまで繰返される。
「大当り」のうち、大当り遊技状態に制御された後、特別遊技状態として、通常状態(確変状態でない通常の遊技状態)に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である確変状態(確率変動状態の略語であり、高確率状態ともいう)に移行する大当りの種類(種別)は、「確変大当り」と呼ばれる。また、本実施の形態では、特別遊技状態としては、確変状態に付随して、特別図柄や演出図柄の変動時間(変動表示期間)が非時短状態よりも短縮される時短状態に制御される場合がある。なお、特別遊技状態としては、確変状態とは独立して時短状態に制御される場合があるようにしてもよい。
このように、時短状態に移行することによって、特別図柄や演出図柄の変動時間が短縮されるので、時短状態となったときには、有効な始動入賞が発生しやすくなり大当り遊技が行なわれる可能性が高まる。なお、「大当り」のうち、15ラウンドの大当り遊技状態に制御された後、確変状態に移行しない大当りの種類(種別)は、「通常大当り」と呼ばれる。
また、特別遊技状態としては、確変状態または時短状態に付随して、可変入賞球装置15が開状態になる頻度を高くすることにより可変入賞球装置15に遊技球が進入する頻度を高くして可変入賞球装置15への入賞を容易化(高進入化、高頻度化)する電チューサポート制御状態に制御される場合がある。電チューサポート制御状態は、後述するように高ベース状態であるので、以下の説明においては、主として高ベース状態と呼ぶ。
ここで、電チューサポート制御について説明する。電チューサポート制御としては、普通図柄の変動時間(変動表示開始時から表示結果の導出表示時までの時間)を短縮して早期に表示結果を導出表示させる制御(普通図柄短縮制御)、普通図柄の停止図柄が当り図柄になる確率を高める制御(普通図柄確変制御)、可変入賞球装置15の開放時間を長くする制御(開放時間延長制御)、および、可変入賞球装置15の開放回数を増加させる制御(開放回数増加制御)が行なわれる。このような制御が行なわれると、当該制御が行なわれていないときと比べて、可変入賞球装置15が開状態となっている時間比率が高くなるので、第2始動入賞口14への入賞頻度が高まり、遊技球が始動入賞しやすくなる(特別図柄表示器8a,8bや演出表示装置9における変動表示の実行条件が成立しやすくなる)。この制御によって第2始動入賞口14への入賞頻度が高まることにより、第2始動条件の成立頻度および/または第2特別図柄の変動表示の実行頻度が高まる遊技状態となる。
電チューサポート制御により第2始動入賞口14への入賞頻度が高められた状態(高頻度状態)は、発射球数に対して入賞に応じて賞球として払出される遊技球数の割合である「ベース」が、当該制御が行なわれないときと比べて、高い状態であるので、「高ベース状態」と呼ばれる。また、このような制御が行なわれないときは、「低ベース状態」と呼ばれる。また、このような制御は、可変入賞球装置15、すなわち、電動チューリップにより入賞をサポートすることにより可変入賞球装置15への入賞を容易化する制御であり、「電チューサポート制御」と呼ばれる。
この実施の形態においては、大当り確率の状態を示す用語として、「高確率状態(確変状態)」と、「低確率状態(非確変状態)」とを用い、ベースの状態の組合せを示す用語として、「高ベース状態(電チューサポート制御状態)」と、「低ベース状態(非電チューサポート制御状態)」とを用いる。
また、この実施の形態においては、大当り確率の状態およびベースの状態の組合せを示す用語として、「低確低ベース状態」、「低確高ベース状態」、および、「高確高ベース状態」を用いる。「低確低ベース状態」とは、大当り確率の状態が低確率状態で、かつ、ベースの状態が低ベース状態であることを示す状態である。「低確高ベース状態」とは、大当り確率の状態が低確率状態で、かつ、ベースの状態が高ベース状態であることを示す状態である。「高確高ベース状態」とは、大当り確率の状態が高確率状態で、かつ、ベースの状態が高ベース状態であることを示す状態である。
図2に示すように、15ラウンドの大当りとしては、通常大当りと確変大当りとの複数種類の大当りが設けられている。通常大当りは、15ラウンドの大当り遊技状態の終了後に、非確変状態、時短状態、および、高ベース状態(低確高ベース状態)に制御される大当りである。通常大当りにおいては、非確変状態が次回の大当りが発生するまでの期間継続し、時短状態、および、高ベース状態が、変動表示が100回という所定回数実行されるまでという条件と、次回の大当りが発生するまでという条件とのいずれか早い方の条件が成立するまでの期間継続する。なお、通常大当りは、非確変状態、非時短状態、および、非電チューサポート制御状態(低確低ベース状態)に制御される大当りとなるように制御するものであってもよい。
確変大当りは、15ラウンドの大当り遊技状態の終了後に、確変状態、時短状態、および、高ベース状態(高確高ベース状態)に移行する制御が行なわれる大当りである。確変大当りにおいては、このような高確高ベース状態が、変動表示が100回という所定回数実行されるまでという条件と、次回の大当りが発生するまでという条件とのいずれか早い方の条件が成立するまでの期間継続する。
図3は、主基板(遊技制御基板)および演出制御基板における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図3には、払出制御基板37等も示されている。主基板31には、プログラムにしたがってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムにしたがって制御動作を行なうCPU56およびI/Oポート部57を含む。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ROM54およびRAM55が内蔵された1チップマイクロコンピュータである。遊技制御用マイクロコンピュータ560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路503が内蔵されている。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板(図示省略)において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグ等)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムにしたがって制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行なう)ということは、具体的には、CPU56がプログラムにしたがって制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
乱数回路503は、特別図柄の変動表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路503は、初期値(たとえば、0)と上限値(たとえば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則にしたがって更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることに基づいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数回路503が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。
また、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23からの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、および大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令にしたがって駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄を変動表示する普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18bおよび普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行なう。
演出制御基板80は、演出制御用マイクロコンピュータ100、ROM102、RAM103、VDP109、および、I/Oポート部105等を搭載している。ROM102は、表示制御等の演出制御用のプログラムおよびデータ等を記憶する。RAM103は、ワークメモリとして使用される。ROM102およびRAM103は、演出制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されてもよい。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して演出表示装置9の表示制御を行なう。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、主基板31から演出制御基板80の方向への一方向にのみ信号を通過させる中継基板77を介して、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、演出表示装置9の変動表示制御を行なう他、ランプドライバ基板35を介して、枠側に設けられている枠LED28の表示制御を行なうとともに、音声出力基板70を介してスピーカ27からの音出力の制御を行なう等、各種の演出制御を行なう。
また、演出制御用CPU101は、スティックコントローラ122のトリガボタン125に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、トリガセンサ121から、I/Oポート部105の入力ポートを介して入力する。また、演出制御用CPU101は、プッシュボタン120に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、プッシュセンサ124から、I/Oポート部105の入力ポートを介して入力する。また、演出制御用CPU101は、スティックコントローラ122の操作桿に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、傾倒方向センサユニット123から、I/Oポート部105の入力ポートを介して入力する。また、演出制御用CPU101は、I/Oポート部105の出力ポートを介してバイブレータ用モータ126に駆動信号を出力することにより、スティックコントローラ122を振動動作させる。また、演出制御用CPU101は、モータ駆動回路(図示省略)を介して役物モータ17を駆動して役物12を動作させる。
図4は、各乱数を示す説明図である。図4においては、乱数の種別、更新範囲、用途、および、加算条件が示されている。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダムR:大当りにするか否かを判定する当り判定用のランダムカウンタである。ランダムRは、10MHzで1ずつ更新され、0から加算更新されてその上限である65535まで加算更新された後再度0から加算更新される。(2)ランダム1(MR1):大当りの種類(種別、通常大当り、および、確変大当りのいずれかの種別)および大当り図柄を決定する(大当り種別判定用、大当り図柄決定用)。(3)ランダム2(MR2):変動パターンの種類(種別)を決定する(変動パターン種別判定用)。(4)ランダム3(MR3):変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン判定用)。(5)ランダム4(MR4):普通図柄に基づく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)。(6)ランダム5(MR5):ランダム4の初期値を決定する(ランダム4初期値決定用)。
この実施の形態では、特定遊技状態である大当りとして、通常大当り、および、確変大当りという複数の種別が含まれている。したがって、大当り判定用乱数(ランダムR)の値に基づいて、大当りとする決定がされたときには、大当り種別判定用乱数(ランダム1)の値に基づいて、大当りの種別が、これらいずれかの大当り種別に決定される。さらに、大当りの種別が決定されるときに、同時に大当り種別判定用乱数(ランダム1)の値に基づいて、大当り図柄も決定される。したがって、ランダム1は、大当り図柄決定用乱数でもある。
また、変動パターンは、まず、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)を用いて変動パターン種別を決定し、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を用いて、決定した変動パターン種別に含まれるいずれかの変動パターンに決定する。そのように、この実施の形態では、2段階の抽選処理によって変動パターンが決定される。変動パターン種別とは、複数の変動パターンをその変動態様の特徴にしたがってグループ化したものである。変動パターン種別には、1または複数の変動パターンが属している。変動パターン種別は、変動種別と呼ばれる場合もある。
この実施の形態では、変動パターンが、リーチを伴なわない変動パターン種別である通常変動パターン種別と、リーチを伴なう変動パターン種別であるリーチ変動パターン種別とに種別分けされている。
このような変動パターン種別は、表示結果がはずれとなる場合に、時短状態であるときと、時短状態でないときとで、変動パターン種別の選択割合が異なるように設定されていることにより、時短状態であるときには、時短状態でないときと比べて、変動時間が短縮される。たとえば、時短状態では、時短状態でないときと比べて、変動時間の平均時間を短くするために、所定の変動パターンの変動時間が時短でないときよりも短く設定されたり、変動パターン種別のうち最も変動時間が短い変動パターン種別が選択される割合が高くなり、リーチ種別が選択されるときでも変動パターン種別のうち最も変動時間が短いノーマルリーチの変動パターンが選択される割合が高くなるように設定されたりすることで、時短状態でないときと比べて、変動時間の平均時間が短くなる。
なお、このような変動パターン種別は、変動表示をする各特別図柄の保留記憶数が所定数以上であるときと、所定数未満であるときとで選択割合が異なるように設定されることにより、変動表示をする各特別図柄の保留記憶数が所定数以上であるときには、各特別図柄の保留記憶数が所定数未満であるときと比べて、変動表示時間が短縮される保留数短縮制御を実行するようにしてもよい。たとえば、保留数短縮制御状態では、保留数短縮制御状態でないときと比べて、通常変動パターン種別のような変動表示時間が短い変動パターン種別が選択される割合が高くなるように設定されることで、保留数短縮制御状態でないときと比べて、変動表示時間の平均時間が短くなるようにしてもよい。また、保留数短縮制御では、保留数短縮制御状態でないときと比べて、同じ変動パターン種別が選択される場合でも、その変動パターン種別の変動表示時間自体を短くしてもよい。
また、変動パターンは、変動パターン種別を決定してから変動パターンを決定する2段階の決定方法ではなく、1回の乱数抽選により変動パターンが決定される1段階の決定方法としてもよい。
図5は、大当り判定テーブルおよび大当り種別判定テーブルを示す説明図である。図5(A)は、大当り判定テーブルを示す説明図である。大当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。大当り判定テーブルには、通常状態(確変状態でない遊技状態、すなわち非確変状態)において用いられる通常時(非確変時)大当り判定テーブルと、確変状態において用いられる確変時大当り判定テーブルとがある。
通常時大当り判定テーブルには、図5(A)の左欄に記載されている各数値が大当り判定値として設定され、確変時大当り判定テーブルには、図5(A)の右欄に記載されている各数値が大当り判定値として設定されている。確変時大当り判定テーブルに設定された大当り判定値は、通常時大当り判定テーブルに設定された大当り判定値と共通の大当り判定値(通常時大当り判定値または第1大当り判定値という)に、確変時固有の大当り判定値が加えられたことにより、確変時大当り判定テーブルよりも多い個数(10倍の個数)の大当り判定値(確変時大当り判定値または第2大当り判定値という)が設定されている。これにより、確変状態には、通常状態よりも高い確率で大当りとする判定がなされる。
CPU56は、所定の時期に、乱数回路503のカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数(ランダムR)の値と比較するのであるが、大当り判定用乱数値が図5(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(通常大当り、または、確変大当り)にすることに決定する。なお、図5(A)に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)を示す。
図5(B),(C)は、ROM54に記憶されている大当り種別判定テーブルを示す説明図である。図5(B)は、遊技球が第1始動入賞口13に入賞したことに基づく保留記憶(第1保留記憶ともいう)を用いて大当り種別を決定する場合(第1特別図柄の変動表示が行なわれるとき)に用いる第1特別図柄大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)である。図5(C)は、遊技球が第2始動入賞口14に入賞したことに基づく保留記憶(第2保留記憶ともいう)を用いて大当り種別を決定する場合(第2特別図柄の変動表示が行なわれるとき)に用いる第2特別図柄大当り種別判定テーブルである。
図5(B)、および、図5(C)の第1,第2特別図柄大当り種別判定テーブルのそれぞれは、変動表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別判定用の乱数(ランダム1)に基づいて、大当りの種別を「通常大当り」と「確変大当り」とのうちのいずれかに決定するとともに、大当り図柄を決定するために参照される。
図5(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルには、ランダム1の値と比較される数値であって、「通常大当り」、「確変大当り」のそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。図5(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルには、ランダム1の値と比較される数値であって、「通常大当り」、「確変大当り」のそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。
また、図5(B),(C)に示すように、大当り種別判定値は、第1特別図柄および第2特別図柄の大当り図柄を決定する判定値(大当り図柄判定値)としても用いられる。「通常大当り」に対応した判定値は、第1特別図柄および第2特別図柄の大当り図柄の「3」に対応した判定値としても設定されている。「確変大当り」に対応した判定値は、第1特別図柄および第2特別図柄の大当り図柄の「7」に対応した判定値としても設定されている。
大当り種別判定テーブルを用いて、CPU56は、大当り種別として、ランダム1の値が一致した大当り種別判定値に対応する種別を決定するともに、大当り図柄として、ランダム1の値が一致した大当り図柄を決定する。これにより、大当り種別と、大当り種別に対応する大当り図柄とが同時に決定される。
図5(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルと図5(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルとは、確変大当りに決定される割合が同じである。このような場合には、第1特別図柄と第2特別図柄とで大当り種別判定テーブルを分けなくてもよい。また、大当り種別として、大当り遊技状態での最大ラウンド数が異なる複数種類の大当りのうちから大当り種別を選択するときには、図5(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルの方が、図5(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルよりも、ラウンド数が多い大当り種別が選択される割合が高くなるように設定してもよい。このようにすれば、高ベース状態において、大当りの種別選択が遊技者にとって有利となり、遊技の興趣を向上させることができる。また、図5(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルの方が、図5(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルよりも、確変大当りに決定される割合を高くしてもよい。そうすることにより、第2特別図柄の変動表示の方が、第1特別図柄の変動表示よりも、確変大当りとなる割合を高くすることができる。また、第1特別図柄大当り種別判定テーブルの方が、第2特別図柄大当り種別判定テーブルよりも、確変大当りに決定される割合が高くなるようにしてもよい。
次に、図6を用いて、遊技制御用マイクロコンピュータ560において、特別図柄および演出図柄の変動パターンを選択決定するために用いる変動パターンテーブルについて説明する。図6は、変動パターンを決定するために用いる変動パターンテーブルを表形式で示す図である。
図6には、(a)に通常状態はずれ時判定テーブル、(b)に時短状態はずれ時判定テーブルが示されている。また、(c)に通常大当り時判定テーブル、(d)に確変大当り時判定テーブルが示されている。図6(a)〜(d)の各判定テーブルは、ROM54に記憶されており、遊技状態に応じて選択され、変動パターン種別および変動パターンを判定(決定)するために用いられる。
図6に示す判定テーブルは、ランダム2と変動パターン種別との関係を示す変動パターン種別判定テーブルと、各変動パターン種別についてランダム3と各種別に属する変動パターンとの関係を示す変動パターン判定テーブルとを含む。
図6の各テーブルでの「変動パターン種別」または「変動パターン」の欄において、「通常」または「通常変動」は、リーチとならない通常変動パターンを示す。
また、図6の各テーブルでの「ノーマルリーチ」は、リーチ状態となったときに特に派手な演出を実行しないノーマルリーチの変動パターンを示している。「スーパーリーチ」は、リーチ状態となったときに特別な演出画像を表示するリーチ演出を行なう変動パターンを示している。
また、前述したように、「スーパーリーチ」は、「ノーマルリーチ」と比べて大当りとなるときに選択される割合が高く、大当りとなる信頼度が高い変動パターンである。さらに、「スーパーリーチ」は、「ノーマルリーチ」と比べて変動時間が長い(たとえば、ノーマルリーチ10秒、スーパーリーチ30秒〜60秒)変動パターンである。なお、スーパーリーチには、4種類の変動パターンが設定されており、第1スーパーリーチ<第2スーパーリーチ<第3スーパーリーチ<第4スーパーリーチとなるような関係で大当り期待度(大当りとなる可能性)が高いことを示す。
なお、“期待度”とは、大当りに対する期待度、確変に対する期待度等を含む概念である。具体的には、大当りに対する期待度(信頼度ともいう)とは、各リーチ変動パターンが選択された場合に大当りとなる期待度(大当りとなる割合)であり、たとえば、リーチ変動が100回行なわれた場合に60回大当りとなるのであれば、大当りに対する期待度が60%(大当りが出現する出現率(確率)が60%)となる。また、確変に対する期待度とは、確変状態に移行する期待度(確変となる割合)のことをいう。
パチンコ遊技機1では、識別情報としての演出図柄、および、第1,第2特別図柄のそれぞれの変動表示が開始されてから表示結果が導出表示されるまで、演出表示装置9において、所定の演出態様としての擬似連と呼ばれる演出(以下、擬似連演出と称する)が実行される場合がある。擬似連とは、本来は1つの保留記憶に対応する1回の変動であるものを、複数の保留記憶に対応する複数回の変動が連続して行なわれているように見せる演出表示である擬似連続変動を示す略語である。
また、擬似連とは、1の始動入賞に対して、あたかも複数回の図柄の変動表示(可変表示)が実行されたかのように見せるために、1の始動入賞に対して決定された変動時間内にて、全部の図柄列(左,中,右)について仮停止と、再変動とを所定回数実行する(繰り返す)特殊な変動パターン(変動表示パターンともいう)のことを指す。たとえば、再変動の繰返し実行回数(初回変動およびその後の再変動を含む合計の変動回数であり、擬似連変動回数ともいう)が多い程、大当りとなる信頼度(大当りとなるときとはずれとなるときとを含むすべての選択割合に対して大当りとなるときに選択される割合の度合い、大当りとなる割合の程度、すなわち、大当りとなる信頼性の度合い)が高くなる。より具体的には、大当りと決定されたときに選択される割合が高くなることで、大当り遊技状態となるか否かを擬似連演出により示唆する。擬似連の変動パターンでは、演出表示装置9において通常的に変動表示(基本的に変動表示)する演出図柄に含まれない擬似連図柄(たとえば、所定の文字またはキャラクタ等が付された図柄(数字が付されていない図柄、擬似連専用図柄とも称する))が仮停止する。なお、擬似連においては、通常的に変動表示(基本的に変動表示)する演出図柄(本実施形態では数字図柄)が仮停止してもよい。演出表示装置9において仮停止される図柄の組合せが、仮停止図柄の組合せと呼ばれる。仮停止図柄の組合せは、大当り図柄の組合せ以外の図柄の組合せよりなる複数種類のチャンス目(以下、擬似連出目(擬似連チャンス目)という)のうちからいずれかの擬似連チャンス目に決定されるようにすればよい。
また、パチンコ遊技機1では、演出図柄が滑る演出が行なわれる場合がある。ここで、滑りとは、変動表示において図柄の停止直前に図柄を停止予測位置から滑らせる演出表示をいう。第2スーパーリーチにおいては、その後、左右の図柄表示エリアにおいてはずれ出目(はずれ図柄の組合せ)で仮停止していた2つの演出図柄のうち一方が滑った後停止することによりリーチ出目(リーチ図柄の組合せ)を形成し、リーチ演出が実行されるような演出である。
なお、はずれ時判定テーブルに示される変動パターンは、変動表示の最終的な表示結果が「はずれ」の表示結果となる変動パターンである。通常大当り時判定テーブルに示される変動パターンは、変動表示の最終的な表示結果が「通常大当り」の表示結果となる変動パターンである。確変大当り時判定テーブルに示される変動パターンは、変動表示の最終的な表示結果が「確変大当り」の表示結果となる変動パターンである。
これらの情報に基づいて、たとえば、図6(a)の「変動パターン」の欄に示された「第4スーパーリーチ (60秒)」という変動パターンは、「はずれ表示結果となる変動時間が60秒で実行される第4スーパーリーチの変動パターン」であることが示される。
図6のテーブルで「ランダム2範囲」および「変動パターン種別」という記載がされた欄は、「ランダム2範囲」と「変動パターン種別」との関係を示す変動パターン種別判定テーブル部としての機能を示す欄である。たとえば、図6(a)を例にとれば、「通常」、「ノーマルリーチ」、「スーパーリーチ」というような複数の変動パターン種別のそれぞれに、ランダム2(1〜251)のすべての値が複数の数値範囲に分けて割振られている。たとえば、図6(a)を例にとれば、所定のタイミングで抽出したランダム2の値が1〜251の乱数値のうち、140〜229に割振られた判定値のいずれかの数値と合致すると、変動パターン種別として「ノーマルリーチ」とすることが決定される。
また、図6のテーブルで「ランダム3範囲」および「変動パターン」という記載がされた欄は、「ランダム3範囲」と「変動パターン」との関係を示す変動パターン判定テーブル部としての機能を示す欄である。変動パターン種別判定テーブルの各種別に対応して示されている変動パターンが、各種別に属する変動パターンである。たとえば、図6(a)を例にとれば、「スーパーリーチ」の種別に属する変動パターンは、「第1スーパーリーチ」、「第2スーパーリーチ」、「第3スーパーリーチ」、および、「第4スーパーリーチ」である。
各変動パターン種別に対応する複数の変動パターンのそれぞれに、ランダム3(1〜220)のすべての値が、複数の数値範囲に分けて割振られている。たとえば、図6(a)を例にとれば、「スーパーリーチ」の変動パターン種別とすることが決定されたときに、所定のタイミングで抽出したランダム3が1〜220の乱数値のうち、1〜70に割振られた判定値のいずれかの数値と合致すると、「第1スーパーリーチ(30秒)」の変動パターンとすることが決定される。
第1特別図柄または第2特別図柄について変動表示結果がはずれとなるときには、変動パターンを決定するために、次のように判定テーブルを選択する。非時短状態において、変動表示結果がはずれとなるときには、図6(a)の通常状態はずれ時判定テーブルを選択する。一方、時短状態において、変動表示結果がはずれとなるときには、図6(b)の時短状態はずれ時判定テーブルを選択する。なお、図6(a),図6(b)の判定テーブルを用いることで、保留数に関わらず、通常状態はずれ時、時短状態はずれ時でのリーチ割合を一定にしている。
時短状態か否かにかかわらず第1特別図柄または第2特別図柄について変動表示結果が大当りとなるときには、変動パターンを決定するために、次のように判定テーブルを選択する。変動表示結果が通常大当りとなるときには、図6(c)の通常大当り時判定テーブルを選択する。時短状態か否かにかかわらず変動表示結果が確変大当りとなるときには、図6(d)の確変大当り時判定テーブルを選択する。
図6(b)の時短状態はずれ時判定テーブルでは、図6(a)の通常状態はずれ時判定テーブルと比べて、通常変動の変動時間が短く設定されている。そして、図6(b)の時短状態はずれ時判定テーブルでは、図6(a)の通常状態はずれ時判定テーブルと比べて、リーチ変動(ノーマルリーチ変動およびスーパーリーチ変動を含む)よりも変動時間が短い通常変動(非リーチはずれ変動(リーチとならずにはずれ表示結果となる変動))に決定される割合が高く、通常変動よりも変動時間が長いリーチ変動に決定される割合が低くなるように、データが設定されている。
これにより、非時短状態(通常状態)のときと比べて、時短状態のときの方が、変動時間が短い変動パターンが選択される割合が高いので、時短状態のときの方が、非時短状態のときよりも平均的に短い変動時間で変動表示が行なわれることとなる。このように判定テーブルを選択することにより時短状態を実現することができる。また、通常変動を非時短状態よりも時短状態ときの方が変動時間が短くなるように設定することで、時短状態中の保留消化を短縮することができる。
はずれとなるときに選択される図6(a)および図6(b)の判定テーブルでは、リーチの種別の選択割合がノーマルリーチ>スーパーリーチとなるような高低関係で選択されるようにデータが設定されている。一方、大当りとなるときに選択される図6(c)および図6(d)の判定テーブルでは、リーチの種別の選択割合がノーマルリーチ<スーパーリーチというような割合の高低関係で選択されるようにデータが設定されている。これにより、大当りとなるときには、はずれとなるときと比べ、スーパーリーチのリーチ演出が行なわれる割合(リーチが選択されるときにおけるスーパーリーチのリーチ演出が占める割合)が高くなるので、スーパーリーチのリーチ演出がされることにより、遊技者の期待感を高めることができる。
また、大当りのうち確変大当りとなるときに選択される図6(d)の判定テーブルでは、大当りのうち通常大当りとなるときに選択される図6(c)の判定テーブルと比べて、ノーマルリーチに対してスーパーリーチ演出の種別が選択される割合が高くなるようにデータが設定されている。これにより、確変大当りとなるときには、通常大当りとなるときと比べて、スーパーリーチのリーチ演出が行なわれる割合(リーチが選択されるときにおけるスーパーリーチのリーチ演出が占める割合)が高くなるので、スーパーリーチのリーチ演出が行なわれることにより、遊技者の確変大当りへの期待感を高めることができる。
なお、このような変動パターンは、変動表示をする第1特別図柄および第2特別図柄の合算保留記憶数(合計値)が所定数以上であるとき(たとえば、合算保留記憶数が3以上)と、所定数未満であるときとで選択割合が異なるように設定されることにより、合算保留記憶数が所定数以上であるときには、合算保留記憶数が所定数未満であるときと比べて、変動時間が短縮される保留数短縮制御を実行するようにしてもよい。ただし、保留数短縮制御が実行される条件下でも(たとえば、合算保留記憶数が3以上)リーチ(ノーマルリーチ、スーパーリーチ含む)の割合を一定にすることで、リーチに対する期待感が保たれる。また、リーチの中でもスーパーリーチのみ変動時間が短縮されないようにして、保留数時短制御を実行するようにしてもよい。さらに、保留数時短制御は変動時間が短い通常変動が高い割合で選択されるようにすることで実行可能としてもよく、各変動パターン自体の変動時間を短くすることで実行可能としてもよいし、その組合せでもよい。
図7は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。遊技制御用マイクロコンピュータ560においては、図7に示すように、遊技制御状態に応じて、各種の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100へ送信する。
図7のうち、主なコマンドを説明する。コマンド80XX(H)は、特別図柄の変動表示に対応して演出表示装置9において変動表示される演出図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である(それぞれ変動パターンXXに対応)。つまり、図6に示すような使用され得る変動パターンのそれぞれに対して一意な番号を付した場合に、その番号で特定される変動パターンのそれぞれに対応する変動パターンコマンドがある。「(H)」は16進数であることを示す。また、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。したがって、演出制御用CPU101は、コマンド80XX(H)を受信すると、演出表示装置9において演出図柄の変動表示を開始するように制御する。
コマンド8C01(H)〜8C03(H)は、大当りとするか否か、および大当り種別を示す表示結果指定コマンドである。
コマンド8D01(H)は、第1特別図柄の変動表示を開始することを示す第1図柄変動指定コマンドである。コマンド8D02(H)は、第2特別図柄の変動表示を開始することを示す第2図柄変動指定コマンドである。コマンド8F00(H)は、第1,第2特別図柄の変動を終了することを指定するコマンド(図柄確定指定コマンド)である。
コマンドA001〜A002(H)は、大当りの種別(通常大当り、または、確変大当り)ごとに大当り遊技状態開始を指定する大当り開始指定コマンドである。
コマンドA1XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放中の表示を示す大入賞口開放中指定コマンドである。A2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放後(閉鎖)を示す大入賞口開放後指定コマンドである。
コマンドA301〜A302(H)は、大当りの種別(通常大当り、または、確変大当り)ごとに大当り遊技状態終了を指定する大当り終了指定コマンドである。
コマンドA401(H)は、第1始動入賞があったことを指定する第1始動入賞指定コマンドである。コマンドA402(H)は、第2始動入賞があったことを指定する第2始動入賞指定コマンドである。
コマンドB000(H)は、遊技状態が通常状態(低確率状態)であることを指定する通常状態指定コマンドである。コマンドB001(H)は、遊技状態が時短状態(高ベース状態)であることを指定する時短状態指定コマンドである。コマンドB002(H)は、遊技状態が確変状態(高確率状態)であることを指定する確変状態指定コマンドである。
コマンドC0XX(H)は、合算保留記憶数を示す合算保留記憶数指定コマンドである。コマンドC100(H)は、合算保留記憶数が1減算されることを示す合算保留記憶数減算指定コマンドである。この実施の形態では、合算保留記憶数指定コマンドは、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への遊技球の始動入賞時(たとえば、後述する始動口スイッチ通過処理の実行時)に、演出制御用マイクロコンピュータ100に送られる。また、合算保留記憶数減算指定コマンドは、変動表示開始時(たとえば、後述する特別図柄変動表示中処理の実行時)に演出制御用マイクロコンピュータ100に送られる。なお、合算保留記憶指定コマンドおよび保留記憶数減算指定コマンドを兼用してもよい。たとえば、合算保留記憶数指定コマンドを、減算後の保留記憶数を特定可能なコマンドとして用いてもよい。なお、合算保留記憶数としてではなく、第1保留記憶数と第2保留記憶数とを特定可能なコマンドをそれぞれ送信し、演出制御用マイクロコンピュータ100が第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計値を合算保留記憶数として特定してもよい。
コマンドC2XX(H)およびコマンドC3XX(H)は、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への始動入賞時における大当り判定、大当り種別判定、変動パターン種別判定等の入賞時判定結果の内容を示す演出制御コマンドである。このうち、コマンドC2XX(H)は、入賞時判定結果のうち、大当りとなるか否か、および、大当りの種別の判定結果を示す図柄指定コマンドである。また、コマンドC3XX(H)は、入賞時判定結果のうち、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲となるかの判定結果(変動パターン種別の判定結果)を示す変動種別コマンドである。
この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560が、始動入賞時に、大当りとなるか否か、大当りの種別、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲となるかを判定する。そして、図柄指定コマンドのEXTデータに、大当りとなることを指定する値、および、大当りの種別を指定する値を設定し、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう。変動種別コマンドのEXTデータに変動パターン種別の判定結果としての判定値の範囲を指定する値を設定し、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう。この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100が、図柄指定コマンドに設定されている値に基づき、始動入賞時に、表示結果が大当りとなるか否か、および、大当りの種別を認識できるとともに、変動種別コマンドに基づき、変動パターン種別を認識できる。
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ560側での保留記憶に対応する乱数等のデータ(保留記憶データ)を保存する領域(保留記憶バッファ)の構成例を説明する。保留記憶バッファは、RAM55に設けられる。
第1保留記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。また、第2保留記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファには、ハードウェア乱数である大当り判定用乱数(ランダムR)、および、ソフトウェア乱数である大当り種別決定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)、および、変動パターン判定用乱数(ランダム3)が記憶される。
第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への入賞に基づいて、CPU56は、乱数回路503およびソフトウェア乱数を生成するためのランダムカウンタからこのような乱数値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)する処理を実行する。具体的に、第1始動入賞口13への入賞に基づいて、これら乱数値が抽出されて第1保留記憶バッファに保存される。また、第2始動入賞口14への入賞に基づいて、これら乱数値が抽出されて第2保留記憶バッファに保存される。
第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに前述のような始動入賞に関する情報が記憶されることを「保留記憶される」と示す場合がある。なお、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)は、始動入賞時に抽出して保存領域に予め格納しておくのではなく、後述する変動パターン設定処理(特別図柄の変動開始時)に抽出するようにしてもよい。
このように保留記憶バッファに記憶されたデータは、後述するように、始動入賞時に読出されて先読み予告演出のために用いられるとともに、変動表示開始時に読出されて変動表示のために用いられる。
第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への始動入賞があったときには、図柄指定コマンド、変動種別コマンド、第1(第2)始動入賞指定コマンド、および、合算保留記憶数指定コマンドというような、始動入賞時判定処理の判定結果を示すコマンドが、主基板31から演出制御基板80へと送信される。演出制御用マイクロコンピュータ100のRAM103に設けられた始動入賞時受信コマンドバッファには、受信した図柄指定コマンド、変動種別コマンド、第1(第2)始動入賞指定コマンド、および、合算保留記憶数指定コマンド等の各種コマンドを対応付けて格納できるように、受信したコマンドを特定可能なデータを記憶する記憶領域が確保されている。
この実施の形態において、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示に対応して行なわれる演出図柄の演出制御パターンは、複数種類の変動パターンに対応して、演出図柄の変動表示動作、リーチ演出等における演出表示動作、あるいは、演出図柄の変動表示を伴わない各種の演出動作というような、様々な演出動作の制御内容を示すデータ等から構成されている。また、予告演出制御パターンは、予め複数パターンが用意された予告パターンに対応して実行される予告演出となる演出動作の制御内容を示すデータ等から構成されている。各種演出制御パターンは、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応して、その制御内容を示すデータ等から構成されている。
次に、パチンコ遊技機1の動作について説明する。パチンコ遊技機1においては、主基板31における遊技制御用マイクロコンピュータ560が予め定められたメイン処理を実行すると、所定時間(たとえば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかりタイマ割込処理が実行されることにより、各種の遊技制御が実行可能となる。
メイン処理においては、たとえば、必要な初期設定処理、通常時の初期化処理、通常時以外の遊技状態復旧処理、乱数回路設定処理(乱数回路503を初期設定)、表示用乱数更新処理(変動パターンの種別決定、変動パターン決定等の各種乱数の更新処理)、および、初期値用乱数更新処理(普通図柄当り判定用乱数発生カウンタのカウント値の初期値の更新処理)等が実行される。
図8は、タイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込が発生すると、CPU56は、図8に示すステップS(以下、単に「S」と示す)20〜S34のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(S20)。次いで、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号を入力し、それらの状態判定を行なう(スイッチ処理:S21)。
次に、CPU56は、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18b、普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行なう表示制御処理を実行する(S22)。第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび普通図柄表示器10については、S32,S33で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
また、遊技制御に用いられる普通図柄当り判定用乱数および大当り種別判定用乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行なう(判定用乱数更新処理:S23)。CPU56は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行なう(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:S24,S25)。
さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行なう(S26)。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグにしたがって該当する処理を実行し、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
次いで、普通図柄プロセス処理を行なう(S27)。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグにしたがって該当する処理を実行し、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送出する処理を行なう(演出制御コマンド制御処理:S28)。さらに、CPU56は、たとえばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報等のデータを出力する情報出力処理を行なう(S29)。
また、CPU56は、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号に基づく賞球個数の設定等を行なう賞球処理を実行する(S30)。
この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(S31:出力処理)。
また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行なうための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行なう(S32)。
さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行なうための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行なう(S33)。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、S22において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器10における普通図柄の演出表示を実行する。
その後、割込許可状態に設定し(S34)、処理を終了する。以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は所定時間毎に起動されることになる。
図9は、特別図柄プロセス処理(S26)を示すフローチャートである。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を制御するための処理が実行される。特別図柄プロセス処理においては、始動口スイッチ通過処理を実行する(S312)。そして、内部状態に応じて、S300〜S307のうちのいずれかの処理を行なう。
遊技制御用マイクロコンピュータ560において、RAM55には、前述したように、第1始動入賞口13への始動入賞に基づいて得られる大当り判定用乱数等の保留記憶データ(第1保留記憶データ)が記憶される第1保留記憶バッファと、第2始動入賞口14への始動入賞に基づいて得られる大当り判定用乱数等の保留記憶データ(第2保留記憶データ)が記憶される第2保留記憶バッファとが設けられている。これら各保留記憶バッファには、各保留記憶の記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。
始動口スイッチ通過処理では、第1始動口スイッチ13aがオンしていれば、第1保留記憶数が上限値(たとえば、4)に達していないことを条件として、第1保留記憶データの記憶数を計数する第1保留記憶数カウンタの値を1増やし、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから数値データ(たとえば、大当り判定用乱数、変動パターン種別判定用乱数、および、変動パターン判定用乱数)を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)する処理を実行する。さらに、合算保留記憶数カウンタの値を1増やし、合算後の合算保留記憶数カウンタの値に対応した保留特定領域に「第1」を示すデータを保存(格納)する処理を実行する。一方、第2始動口スイッチ14aがオンしていれば、第2保留記憶数が上限値(たとえば、4)に達していないことを条件として、第2保留記憶データの記憶数を計数する第2保留記憶数カウンタの値を1増やし、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから数値データ(たとえば、大当り判定用乱数、変動パターン種別判定用乱数、および、変動パターン判定用乱数)を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)する処理を実行する。さらに、合算保留記憶数カウンタの値を1増やし、合算後の合算保留記憶数カウンタの値に対応した保留特定領域に「第2」を示すデータを保存(格納)する処理を実行する。
S300〜S307の処理は、以下のような処理である。特別図柄通常処理(S300)は、変動表示の表示結果を大当りとするか否かの決定、および、大当りとする場合の大当り種別の決定等を行なう処理である。変動パターン設定処理(S301)は、変動パターンの決定(変動パターン種別判定用乱数および変動パターン判定用乱数を用いた変動パターンの決定)、および、決定された変動パターンに応じて変動時間を計時するための変動時間タイマの計時開始等の制御を行なう処理である。
表示結果指定コマンド送信処理(S302)は、演出制御用マイクロコンピュータ100に、表示結果指定コマンドを送信する制御を行なう処理である。特別図柄変動中処理(S303)は、変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過すると特別図柄停止処理にプロセスを進める処理である。特別図柄停止処理(S304)は、決定された変動パターンに対応する変動時間の経過が変動時間タイマにより計時されたときに第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける変動表示を停止して停止図柄を導出表示させる処理である。
大入賞口開放前処理(S305)は、大当りの種別に応じて、特別可変入賞球装置20において大入賞口を開放する制御等を行なう処理である。大入賞口開放中処理(S306)は、大当り遊技状態中のラウンド表示演出用の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御、および、大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行なう処理である。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、大入賞口開放前処理(S305)に移行する。また、全てのラウンドを終えた場合には、大当り終了処理(S307)に移行する。大当り終了処理(S307)は、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行なわせるための制御等を行なう処理である。
次に、演出制御用マイクロコンピュータ100の動作を説明する。図10は、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)が実行する演出制御メイン処理を示すフローチャートである。
演出制御用CPU101は、電源が投入されると、演出制御メイン処理の実行を開始する。演出制御メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(たとえば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行なうための初期化処理を行なう(S701)。その後、演出制御用CPU101は、タイマ割込フラグの監視(S702)を行なうループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。演出制御メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(S703)、以下の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドがどのようなことを指示するコマンドであるかを特定可能なフラグ等のデータをセットする処理(たとえば、RAM103に設けられた各種コマンド格納領域に受信したコマンドを特定可能なデータを格納する処理等)等を行なう(コマンド解析処理:S704)。次いで、演出制御用CPU101は、演出制御プロセス処理を行なう(S705)。演出制御プロセス処理では、S704で解析した演出制御コマンドの内容にしたがって演出表示装置9での演出図柄の変動表示等の各種演出を行なうために、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出制御を実行する。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100が用いる乱数(演出図柄の左停止図柄決定用のSR1−1、演出図柄の中停止図柄決定用のSR1−2、演出図柄の右停止図柄決定用のSR1−3等)を生成するためのカウンタのカウント値を更新する乱数更新処理を実行する(S706)。このような乱数SR1−1〜SR1−3のそれぞれは、ソフトウェアによりカウント値を更新するランダムカウンタのカウントにより生成されるものであり、それぞれについて予め定められた範囲内でそれぞれ巡回更新され、それぞれについて定められたタイミングで抽出されることにより乱数として用いられる。
次いで、保留表示エリアにおける保留表示の表示状態の制御(保留表示の移動、消去等)を行なう保留記憶表示制御処理を実行する(S707)。
このような演出制御メイン処理が実行されることにより、演出制御用マイクロコンピュータ100では、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信され、受信した演出制御コマンドに応じて、演出表示装置9、各種ランプ、および、スピーカ27L,27R等の演出装置を制御することにより、遊技状態に応じた各種の演出制御が行なわれる。
図11は、図10に示された演出制御メイン処理における演出制御プロセス処理(S705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU101は、先読み演出を実行するか否かの決定、および、先読み演出の種類の選択をする先読み演出処理(S700)を実行した後、演出制御プロセスフラグの値に応じてS800〜S807のうちのいずれかの処理を行なう。
演出制御プロセス処理では、以下のような処理が実行される。演出制御プロセス処理では、演出表示装置9の表示状態が制御され、演出図柄の変動表示が実現されるが、第1特別図柄の変動に同期した演出図柄の変動表示に関する制御も、第2特別図柄の変動に同期した演出図柄の変動表示に関する制御も、一つの演出制御プロセス処理において実行される。
先読み演出処理(S700)は、先読み演出を実行するか否か等の先読み判定、および、先読み演出を実行するときの演出態様の決定等を行なう処理である。先読み演出とは、ある保留情報(保留記憶情報)に基づいた特別図柄の変動表示(図柄変動)の順番が到来する前に、その保留情報を先読みしてその保留情報に基づいた特別図柄の変動表示の内容を判定して、将来の特別図柄の変動表示がどのようになるかを、それよりも前の段階で予告をする等の演出技術である。たとえば、保留情報が大当りであるときに、当該保留情報による変動表示が実行される前に、当該保留情報に対応する保留表示の表示態様に基づいて、後に大当りが発生する可能性のあることを予告するといった類の演出が先読み演出として行なわれる。以下では、先読み演出の対象とした保留情報に基づいた変動表示を「ターゲットの変動表示」と称する。
変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)は、遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する処理等を行なう処理である。変動パターンコマンドを受信していれば、演出図柄変動開始処理に移行する。
演出図柄変動開始処理(S801)は、演出図柄(飾り図柄)の変動表示が開始されるように制御するための処理である。演出図柄変動中処理(S802)は、変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替えタイミングを制御する処理等を行なう処理である。演出図柄変動停止処理(S803)は、演出図柄(飾り図柄)の変動表示を停止し、変動表示の表示結果(最終停止図柄)を導出表示する制御を行なう処理である。
大当り表示処理(S804)は、変動時間の終了後、演出表示装置9に大当りの発生を報知するためのファンファーレ演出を表示する制御等の表示制御を行なう処理である。ラウンド中処理(S805)は、ラウンド中の表示制御を行なう処理である。ラウンド終了条件が成立したときに、最終ラウンドが終了していなければ、ラウンド後処理に移行し、最終ラウンドが終了していれば、大当り終了処理に移行する。ラウンド後処理(S806)は、ラウンド間の表示制御を行なう処理である。ラウンド開始条件が成立したら、ラウンド中処理に移行する。大当り終了演出処理(S807)は、演出表示装置9において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行なう処理である。
演出制御用CPU101は、変動表示の開始時から変動表示の停止時まで、および、大当り遊技状態開始時から大当り遊技状態終了時までの予め定められた演出制御期間中に、ROM102に格納されたプロセステーブルに設定されているプロセスデータに従って演出表示装置9等の演出装置(演出用部品)の制御を行なう。
プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と、表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データの組合せが複数集まったデータとで構成されている。表示制御実行データには、演出図柄(飾り図柄)の変動表示の変動時間(変動表示時間)中の変動態様を構成する各変動の態様を示すデータ等が記載されている。具体的には、演出表示装置9の表示画面の変更に関わるデータが記載されている。また、プロセスタイマ設定値には、その変動の態様での変動時間が設定されている。演出制御用CPU101は、プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている変動の態様で演出図柄を表示させる制御を行なう。このようなプロセステーブルは、各変動パターンに応じて用意されている。
図12は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動開始処理(S801)を示すフローチャートである。演出図柄変動開始処理において、演出制御用CPU101は、次のような処理を行なう。
演出図柄変動開始処理においては、変動表示結果をはずれとすることに決定されているか否か確認する(S601)。はずれとすることに決定されているか否かは、たとえば、表示結果指定コマンド格納領域に表示結果1指定コマンドが格納されているか否かによって判定される。はずれとすることに決定されている場合には、変動パターンコマンドとして、非リーチ変動パターンに対応したコマンドを受信したか否か確認する(S602)。非リーチ変動パターンに対応したコマンドを受信したか否かは、たとえば、変動パターンコマンド格納領域に格納されているデータによって判定される。
非リーチ変動パターンに対応したコマンドを受信したと判定した場合、ROM102に格納されたはずれ図柄決定用データテーブルを用いて、リーチにならないはずれの表示結果を演出図柄の最終停止として決定し(S604)、S616へ進む。はずれ図柄決定用データテーブルでは、複数種類の演出図柄のそれぞれに、SR1−1〜SR1−3のそれぞれの数値データが対応付けられている。
S604の処理では、所定のタイミングでSR1−1〜SR1−3のそれぞれから数値データ(乱数)を抽出し、はずれ図柄決定用データテーブルを用い、抽出した数値データに対応する図柄がそれぞれ左,中,右の演出図柄の変動表示結果となる停止図柄の組合せとして決定される。このように非リーチはずれの図柄の組合せを決定する場合において、抽出された乱数に対応する停止図柄が偶然大当り図柄の組合せと一致する場合には、はずれ図柄の組合せとなるように補正(たとえば、右図柄を1図柄ずらす補正)して各停止図柄が決定される。また、抽出された乱数に対応する停止図柄が偶然リーチ図柄となってしまう場合には、非リーチはずれ図柄の組合せとなるように補正(たとえば、右図柄を1図柄ずらす補正)して各停止図柄が決定される。
S602の処理で非リーチ変動パターンではないと判定した場合(リーチ変動パターンであると判定した場合)は、リーチ図柄の組合せを構成する演出図柄の停止図柄を決定し(S605)、S616へ進む。S605の処理では、所定のタイミングでSR1−1〜SR1−3のそれぞれから数値データ(乱数)を抽出し、はずれ図柄決定用データテーブルを用い、SR1−1から抽出された乱数に対応する図柄がリーチ状態を形成する左,右の各演出図柄の停止図柄として決定され、SR1−2から抽出されたカウンタの値と合致する乱数に対応する図柄が中図柄の停止図柄として決定される。また、この場合も、偶然大当り図柄の組合せとなってしまうときには、はずれ図柄の組合せとなるように補正(たとえば、中図柄を1図柄ずらす補正)して各停止図柄が決定される。
また、S601の処理ではずれとすることに決定されていない場合(大当りとすることが決定された場合)に(S601のN)、演出制御用CPU101は、大当りの種別に応じて、大当り図柄の組合せを構成する演出図柄の停止図柄を決定し(S603)、S616へ進む。
S603では、次のように大当りの種別に応じて当り図柄の組合せを決定する。表示結果2指定コマンドと表示結果3指定コマンドとのうちのどの表示結果指定コマンドが表示結果特定コマンド格納領域に格納されているかに基づいて、確変大当りと、通常大当りとのうちから、大当りの種別を判定し、確変大当りにすることに決定されていると判定したときには、所定のタイミングでSR1−1から数値データ(乱数)を抽出し、SR1−1と確変大当り図柄の組合せ(たとえば、左,中,右が「7,7,7」等の奇数のゾロ目の組合せ)との関係が設定されたデータテーブル(確変大当り図柄決定用テーブル)を用いて、抽出値からいずれかの確変大当り図柄の組合せを選択決定する。また、通常大当りにすることに決定されていると判定したときには、所定のタイミングでSR1−1から数値データ(乱数)を抽出し、SR1−1と通常大当り図柄の組合せ(たとえば、左,中,右が「4,4,4」等の偶数のゾロ目の組合せ)との関係が設定されたデータテーブル(通常大当り図柄決定用テーブル)を用いて、抽出値からいずれかの通常大当り図柄の組合せを選択決定する。このように決定された図柄が大当り遊技状態に制御される前の変動表示結果である最終停止図柄として用いられる。
図13は、タイマー演出およびブラックアウト演出を説明するためのタイミングチャートである。以下に、各種演出および、各演出の実行期間について説明する。
[タイマー演出]
タイマー演出は、保留記憶情報に基づく変動表示が実行されるときに、特定の演出を実行するまでの待ち時間等の演出期間をタイマー表示形式で示す期間表示を更新することによってタイマー表示が特定態様である0秒の表示となるまでの演出である。タイマー表示が0秒となったときには、予め設定されている複数種類の演出のうちからいずれかの演出が実行される。タイマー表示は、所定タイミングで設定された計時値の初期値から、カウントダウンされる計時値の更新が実行され、最終的には、タイマー表示の値が0(0秒を示す値)となる。このような、タイマー演出中に表示されるタイマー表示は、変動表示中の所定期間に亘って演出表示装置9の表示領域にタイマー画像90として表示される。なお、タイマー表示が0秒となるまでの演出ではなく、0秒となった後に実行される各種の演出を含めタイマー演出としてもよい。
[ブラックアウト演出]
ブラックアウト演出は、特別演出の一態様であり、画面をブラックアウトさせることにより、大当りの期待度を示唆する演出である。変動表示中にブラックアウト演出が実行された場合には、ブラックアウト演出が実行されない場合よりも大当り期待度が高い。ブラックアウト演出では、通常の画像を暗転させる暗転画像を所定時間表示させる演出が実行される。このように、ブラックアウト演出は、演出表示装置9の表示領域全体を暗くする演出である。よって、上記したようなタイマー演出が実行されている場合にブラックアウト演出が実行されると、ブラックアウト演出によりタイマー表示が遊技者から視認困難な状態となる。このように、ブラックアウト演出は、タイマー演出によるタイマー表示を視認困難または視認不能にする演出であるとも言える。ただし、ブラックアウト演出実行時にも、タイマー表示のカウントダウンはなされる。
[役物演出]
役物演出は、特別演出の一態様であり、役物12を移動させることにより、大当りの期待度を示唆する演出である。役物演出では、たとえば、役物12が落下(移動)して演出表示装置9の表示領域に重なるような位置で所定時間停止等する演出が実行される。変動表示中に役物演出が実行された場合には、役物演出が実行されない場合よりも大当り期待度が高い。役物演出では、役物12が演出表示装置9の表示領域に重なるような位置で停止等することで、演出表示装置9の表示領域を視認困難となる。よって、上記したようなタイマー演出が実行されていた場合に役物演出が実行されると、役物演出によりタイマー表示が遊技者から視認困難な状態となる。このように、役物演出は、タイマー演出によるタイマー表示を視認困難にする演出であるとも言える。ただし、役物演出実行時にも、タイマー表示のカウントダウンはなされる。
[ブラックアウト演出と役物演出との比較]
役物演出時は、ブラックアウト演出時と異なり、タイマー表示全体が隠れる訳ではないので、タイマー表示の数値の更新の一部を確認することは可能である。このように、同じ特別演出であってもブラックアウト演出と役物演出とでは、遊技者からのタイマー表示の見え方が異なる。
[演出実行期間]
以下、図13を用いて、タイマー演出およびブラックアウト演出における演出実行期間について説明する。横軸は、時間tを示す。時刻t1よりタイマー演出が開始される。たとえば、タイマー演出の演出実行期間が20秒に設定されている場合について説明する。タイマー演出が開始されると、タイマー画像90が表示される(図14参照)。タイマー演出の開始時には、タイマー表示91は20秒である。そして、タイマー画像90の領域内のタイマー表示91の数値が時間の経過とともに減算更新される(図14参照)。20秒間の数値の減算更新を実行した後、時刻t2においてタイマー演出が終了する。このとき、タイマー表示91は0秒となる。時刻t2において0秒となったことに基づいて、別の演出が実行される。
タイマー演出中であっても、ブラックアウト演出の実行条件が成立した場合は、ブラックアウト演出を実行可能である。ただし、タイマー演出とブラックアウト演出とを同時に実行する場合は、両演出の実行タイミングにいくつかの制限がある。たとえば、タイマー演出開始以降の期間T1(たとえば、2秒間)は、ブラックアウト演出の実行を制限するブラックアウト演出制限期間に設定されている。
ここで、ブラックアウト演出の実行を「制限する」とは、完全にブラックアウト演出の実行を禁止するものではない。たとえば、ブラックアウト演出の開始時にタイマー演出の実行画面が視認可能な程度に暗くなる場合であれば、当該ブラックアウト演出が実行される期間(たとえば、ブラックアウト演出のフェードイン時)は、ブラックアウト演出制限期間に含まれるようにしてもよい。また、このようなタイマー演出の実行画面が視認可能な程度に暗くするブラックアウト演出の期間を禁止するようにしてもよい。
また、画像を複数層で構成している場合には、ブラックアウト演出時の黒画像層を背景画像よりも後ろで表示しているときにおいて、ブラックアウト演出は禁止されているのではなく、制限されていると言える。このように、制限期間は、完全に禁止する期間であってもよいし、一部を制限する期間であってもよい。
このようなタイマー演出が開始されてからの期間T1はブラックアウト演出が実行が制限されるので、タイマー表示91およびブラックアウト演出を好適に実行することができる。なお、タイマー演出が実行(タイマー表示が表示)されてからブラックアウト演出が実行されるまでのタイミングは期間T1内で実行しないように固定で設定されているものでもよいし、タイマー演出が実行されてからの時間を測定し、所定タイミングでブラックアウト演出を実行してもよい。また、期間T1内でブラックアウト演出が実行されるように決定された場合は、ブラックアウト演出の実行タイミングを調整するようなものであってもよい。
ブラックアウト演出制限期間を過ぎると、ブラックアウト演出が実行可能となる。ブラックアウト演出は、ブラックアウト演出期間である期間T2(たとえば、5秒)の間実行される。ブラックアウト演出が終了した後の期間T3(たとえば、3秒間)は、タイマー演出が終了することを制限する(タイマー表示91を0秒としない)タイマー演出終了制限期間である。たとえば、ブラックアウト演出の終了時にタイマー演出の実行画面が視認可能な程度に暗くなる場合であれば、当該ブラックアウト演出が実行される期間(たとえば、ブラックアウト演出のフェードアウト時)は、ブラックアウト演出制限期間に含まれるようにしてもよい。
このように、ブラックアウト演出が終了した後の期間T3は期間表示が特定態様にならないので、タイマー表示91およびブラックアウト演出を好適に実行することができる。なお、ブラックアウト演出が実行されてからあるいはブラックアウト演出が終了してから数秒間は、タイマー表示を0秒としないタイミングが固定で設定されているものでもよいし、タイマー表示が0秒となるまでの時間を判定してブラックアウト演出を開始あるいは終了するようにしてもよい。
時刻t2のタイマー演出終了前の期間T4(たとえば、2秒)は、ブラックアウト演出の実行が制限されるブラックアウト演出制限期間となる。なお、ブラックアウト演出制限期間である期間T4をなくし、タイマー演出終了制限期間T3をタイマー演出の終了時間である0秒となるまで設定してもよい。このように、期間T4が設定されているため、タイマー表示91およびブラックアウト演出を好適に実行することができる。また、ブラックアウト演出の実行中にタイマー表示91が0秒にならないため、タイマー演出の興趣を低下させないようにすることができる。
図14は、タイマー演出およびブラックアウト演出を説明するための図である。図14(a)〜(e)は、図13で示したような、タイマー演出が20秒実行される場合の例である。図14により、タイマー演出中にブラックアウト演出が実行される場合を説明する。
図14(a)に示すように、タイマー演出が開始される場合、たとえば、タイマー表示91として、たとえば20秒を示す「20:00」という計時期間がタイマー画像90の表示領域に表示される。タイマー表示91に表示される期間は、秒以下2桁(百分の一の位)まで表示され、時間の経過とともにその値がカウントダウン(減算更新)される。
図14(b)は、20秒からカウントダウンされて5秒経過した際に表示されるタイマー表示91を示す図である。その後、図14(c)に示すように、画面を暗転させるブラックアウト演出が実行される。画面がブラックアウトすることにより、演出表示装置9上は黒い画像で覆われる。このため、タイマー演出が実行されているにも関わらず、タイマー表示91は視認不能となる。
図14(d)は、ブラックアウト演出が終了し、再びタイマー演出のみが実行されている状態になっている図である。ブラックアウト演出終了により、タイマー表示91は再び視認可能となる。タイマー表示は、ブラックアウト開始時点である「15:00」の表示から、ブラックアウト演出の実行期間である5秒が経過した後の「10:00」の表示に変わっている。このように、ブラックアウト演出の実行によりタイマー表示91が視認不能であったとしても、タイマー表示91は更新される。
さらに、図14(e)に示すように、タイマー表示91は、カウントダウンされ、特定態様である0秒を示す「00:00」で表示される。また、タイマーが「00:00」となったことがキャラクタ画像95および「GO」というセリフ画像により示される。そして、タイマー表示が0秒となったことに基づいて、複数種類の演出のうちからいずれかの演出が実行される。ここで、複数種類の演出とは、たとえば、擬似連の仮停止図柄が仮停止する演出やリーチ図柄が停止しリーチになったことを示す演出等が挙げられる。
このように、タイマー表示91が特定態様である0秒を示す「00:00」であるときには、ブラックアウト演出の実行が制限されるので、タイマー表示91およびブラックアウト演出を好適に実行することができる。また、ブラックアウト演出の実行中にタイマー表示91が0秒とならないため、タイマー表示91による演出の興趣を低下させないようにすることができる。また、ブラックアウト演出によりタイマー表示91が視認不能な状態であってもタイマー表示91は更新されるので、タイマー表示91およびブラックアウト演出を好適に実行することができる。
なお、タイマーが特定態様(0秒)となったことを「00:00」の表示で示さなくてもよい。たとえば、タイマーが特定態様(0秒)となったときに、「00:00」の表示をすることなく、図14(e)に示すようなキャラクタ画像95および「GO」というセリフ画像のような所定画像を表示することにより、タイマーが特定態様(0秒)となったことを示すようにしてもよい。
また、図14(c)に示したように、タイマー表示91が視認不能な状態であるときには、タイマー表示91が更新されていることが分かるように、所定の報知演出を実行してもよい。たとえば、所定の報知演出として、タイマーが減算されていることを音の出力による報知演出を実行することで示してもよいし、タイマーが減算されていることを遊技領域7に設けたランプの点灯や点灯による報知演出を実行することで示してもよい。
なお、図14(c)に示したように、ブラックアウト演出により、完全にタイマー表示91を視認不能にするものに限らず、タイマー表示91を視認困難とするものであってもよい。たとえば、画面が真っ暗になり完全にタイマー表示91が視認不能になっている状態ではなく、画面上は薄らとタイマー表示91が見えるようなものであってもよい。
図15は、特別演出実行決定テーブルを示す図である。特別演出実行決定テーブルは、特別演出を実行するか否かを決定するとともに、特別演出を実行する場合は、ブラックアウト演出および役物演出のうち、いずれの特別演出を実行するのかを決定するための抽選に用いるデータテーブルである。特別演出実行決定テーブルには、図15(A)の大当り時特別演出実行決定テーブルと、図15(B)のはずれ時特別演出実行決定テーブルとが含まれている。これらの特別演出実行決定テーブルは、演出制御基板80に設けられたROM102に記憶されている。ここで、特別演出とは、遊技者にとって有利な状態である大当り状態に制御されることを示す演出である。よって、特別演出が実行された場合には、特別演出が実行されなかった場合よりも大当りに対する期待度が高い。
図15(A)の大当り時特別演出実行決定テーブルは、所定のタイミングで抽出したSR2−1の値によって、「ブラックアウト演出を実行する>役物演出を実行する>特別演出を実行しない」という大小関係となるようにデータが設定されている。図15(B)のはずれ時特別演出実行決定テーブルは、所定のタイミングで抽出したSR2−1の値によって、「ブラックアウト演出を実行する<役物演出を実行する<特別演出を実行しない」という大小関係となるようにデータが設定されている。
図15(A),(B)でのデータの設定により、特別演出の対象となる変動表示の表示結果が大当り表示結果となるときには、はずれ表示結果となるときと比べ、特別演出が実行される割合が高くなる。また、大当り表示結果となるときには、役物演出よりもブラックアウト演出が実行される割合の方が高くなる。よって、特別演出が実行される場合には、特別演出が実行されない場合よりも、遊技者の大当りに対する期待度を高めることができる。さらに、ブラックアウト演出が実行される場合には、役物演出が実行される場合よりも、遊技者の大当りに対する期待度を高めることができる。
図15(A),(B)でのデータの設定により、はずれ表示結果となるときには、当り表示結果となるときに比べ、ブラックアウト演出よりも役物演出が実行される割合の方が高くなっている。はずれ表示結果は、大当り表示結果に対し相対的に多く実行される。つまり、大当りよりも実行される割合の高いはずれのパターンにおいて、役物演出は、ブラックアウト演出よりも高い割合で決定される。このようにすれば、ブラックアウト演出と役物演出とで実行割合が異なるので、遊技の興趣が向上する。
図16は、タイマー演出実行決定テーブルを示す図である。タイマー演出実行決定テーブルは、タイマー演出を実行するか否かを決定するための抽選に用いるデータテーブルである。タイマー演出実行決定テーブルには、図16(A)の大当り時タイマー演出実行決定テーブルと、図16(B)のはずれ時タイマー演出実行決定テーブルとが含まれている。これらのタイマー演出実行決定テーブルは、演出制御基板80に設けられたROM102に記憶されている。
図16(A)の大当り時タイマー演出実行決定テーブルは、所定のタイミングで抽出したSR2−2の値によって、「タイマー演出を実行する>タイマー演出を実行しない」という大小関係となるように、タイマー演出を実行する決定が選択される割合の方が高くなるようにデータが設定されている。図16(B)のはずれ時タイマー演出実行決定テーブルは、所定のタイミングで抽出したSR2−2の値によって、「タイマー演出を実行する<タイマー演出を実行しない」という大小関係となるように、タイマー演出を実行しない決定が選択される割合の方が高くなるようにデータが設定されている。
図16(A),(B)でのデータの設定により、タイマー演出の対象となる変動表示の表示結果が大当り表示結果となるときには、はずれ表示結果となるときと比べ、タイマー演出が実行される割合が高くなる。よって、タイマー演出が実行される場合には、タイマー演出が実行されない場合よりも、遊技者の大当りに対する期待度を高めることができる。
図17は、タイマー秒数決定テーブルを示す図である。タイマー秒数決定テーブルは、各変動パターンの変動時間毎にタイマー演出の実行されるタイマー秒数を決定するための抽選に用いるデータテーブルである。タイマー秒数決定テーブルは、演出制御基板80に設けられたROM102に記憶されている。
タイマー秒数決定テーブルでは、変動時間が30秒の変動表示(たとえば、第1スーパーリーチ)については、所定のタイミングで抽出したSR3の値によって、タイマー秒数を決定するためのタイマー選択時間として、5秒と10秒とが1:1の割合で決定されるようにデータが設定されている。また、変動時間が40秒の変動表示については、所定のタイミングで抽出したSR3の値によって、タイマー秒数を決定するためのタイマー選択時間として、10秒と20秒とが1:1の割合で決定されるようにデータが設定されている。また、変動時間が50秒の変動表示については、所定のタイミングで抽出したSR3の値によって、タイマー秒数を決定するためのタイマー選択時間として、20秒と30秒とが1:1の割合で決定されるようにデータが設定されている。また、変動時間が60秒の変動表示については、所定のタイミングで抽出したSR3の値によって、タイマー秒数を決定するためのタイマー選択時間として、30秒と40秒とが1:1の割合で決定されるようにデータが設定されている。
図17でのデータの設定により、タイマー演出で選択されるタイマー選択時間は、変動時間に対応して、変動時間が長い程、長いタイマー選択時間が選択される。なお、変動時間に対応して決定されるタイマー選択時間は、決定割合が1:1の場合を示したが、タイマー選択時間の割合が異なるようにしてもよい。また、変動表示の表示結果が大当りとなる場合とはずれとなる場合とで、タイマー選択時間が異なるようにしてもよい。このような場合には、大当りとなる場合の方がはずれとなる場合に比べ、タイマー選択時間として長い時間が選択されるようにすることが望ましい。このようにすることで、タイマー演出の時間が長いと大当りとなりやすいようにデータを設定することができる。
図17に示すように、タイマー選択時間が複数設けられているので、演出が多様となり、遊技の興趣を向上させることができる。
図18は、演出設定処理(S616)を示すフローチャートである。図18においては、演出図柄変動開始処理における演出設定処理に含まれる各種の演出の設定に関する処理のうち、タイマー演出および特別演出の設定に関係する処理が示されている。演出設定処理において、演出制御用CPU101は、次のような処理を行なうことによって、タイマー演出および特別演出で実行される各種演出を決定する。
まず、今回実行される変動表示の変動パターンがスーパーリーチの変動パターンであるか否かを今回の変動に際して受信した変動パターンコマンドに基づいて判定する(S630)。受信した変動パターンコマンドは、RAM103の記憶領域に設けられたコマンド格納領域に記憶されている。演出制御用CPU101は、RAM103の記憶領域を参照し、今回実行される変動表示を示す領域にスーパーリーチの変動パターンコマンドが格納されているか否かにより、スーパーリーチの変動パターンであるか否かを判定する。スーパーリーチの変動パターンでなければS631の処理へ移行する。スーパーリーチの変動パターンであれば、SR2−1の値を抽出し、抽出した乱数値と図15に示す特別演出実行決定テーブルとを用いて、今回の変動表示の表示結果が大当りか否か(はずれか)により、特別演出の実行の有無および、実行される場合には、特別演出の内容(ブラックアウト演出または役物演出のいずれを実行するか)を決定する(S631)。今回の変動表示の表示結果が大当りか否かは、今回実行される変動表示の表示結果が大当りであるか否かを今回の変動表示を実行するときに受信された表示結果コマンド等により判定する。
次いで、S632において、SR2−2の値を抽出し、抽出した乱数値と図16に示すタイマー演出実行決定テーブルとを用いて、今回の変動表示の表示結果が大当りか否か(はずれか)により、タイマー演出の実行の有無を決定する(S632)。次いで、S633においては、S632の決定結果に基づいて、タイマー演出が実行ありと決定されたか否かを判定する(S633)。タイマー演出の実行が決定されていなければ、S638の処理へ移行する。タイマー演出の実行が決定されていれば、S634において、SR3の値を抽出し、抽出した乱数値と図17に示すタイマー秒数決定テーブルとにより、タイマー演出を実行する秒数を決定する。
次いで、S635において、タイマー演出が実行されていると決定されている場合に、特別演出が実行ありに決定されているか否かを判定する(S635)。S635において、特別演出が実行ありに決定されていなければ、S638の処理へ移行する。特別演出が実行ありに決定されていれば、S635において実行されるタイマー演出が20秒以上であるか否かを判定する(S635)。タイマー演出の実行時間が20秒以上であれば、S636において、タイマー演出期間内で特別演出の実行タイミングを決定する(S636)。S635において、タイマー演出の実行時間が20以上でなければ、特別演出の実行を制限する(S637)。
ここで、S636においては、図13に示したように、制限期間を考慮した演出の決定が行なわれる。具体的には、決定されたタイマー演出の実行時間内で、タイマー表示が0秒とならないタイミングで特別演出を実行しないように設定される。なお、タイマー演出の実行時間に合わせて特別演出の実行時間の長さを変化させるようにしてもよい。逆に、特別演出の実行時間に合わせてタイマー演出の実行時間を調整してもよい。また、両演出の実行時間を調整してもよい。あるいは、予め定められた特別演出の実行タイミングに合わせてタイマー演出の開始時間および終了時間を調整してもよい。このように、タイマー演出と特別演出とはどのように調整してもよい。
次いで、S638においては、その他の演出を決定し、決定した演出を実行するように設定する。その他の演出として、たとえば、タイマー表示91が0秒となったことに基づいて実行される演出を複数種類の演出のうちからいずれかの演出が実行されるように決定する。ここで、タイマー表示91が0秒となったときに実行される演出について、一例を示す。タイマー表示91が0秒となったときに実行される演出には、たとえば、擬似連の仮停止図柄が仮停止する演出(たとえば、「NEXT」と記載された図柄が仮停止する)、リーチ図柄が停止しリーチになったことを示す演出(たとえば、リーチ図柄停止のタイミングで役物が動作する)、リーチ演出中において当該変動の大当り期待度を示す演出(たとえば、リーチ中に大当り期待度の高い背景に変化する)等である。なお、タイマー表示91が0秒となったときに実行される演出は、ここに示した演出に限らず、どのような演出であってもよい。
なお、特別演出の実行期間が20秒以上か否かを判定しているのは、図13に示すように、ブラックアウト演出等の特別演出の実行期間および、特別演出の制限期間、タイマー演出終了制限期間が設定されているため、これらの期間を考慮しているからである。タイマー演出が20秒未満であれば、制限期間が十分に取れないため、タイマー演出と特別演出とが好適に実現できない可能性がある。よって、このように一部のタイマー演出時間の場合に特別演出の実行を制限することで、タイマー演出(タイマー表示)と特別演出とを好適に実行することができる。
[役物演出]
図19は、タイマー演出および役物演出を説明するための図である。図19(a)〜(e)は、図13で示したような、タイマー演出が20秒実行される場合の例である。図14ではタイマー演出中にブラックアウト演出が実行される例について説明したが、図19によりタイマー演出中に役物演出が実行される場合について説明する。
[ブラックアウト演出と役物演出との比較]
ここで、上記したブラックアウト演出は、タイマー表示を全く見えなくすることで、遊技者にタイマー表示がどうなっているのかを意識させることができる。これに対し、役物演出は、タイマー表示の少なくとも一部を見えなくするものであり、役物越しにタイマー表示が少し見える分、遊技者の注目を集めることができる。また、役物演出は、ブラックアウト演出よりも演出実行確率が高い。また、タイマー演出中において、ブラックアウト演出が実行されたときは、役物演出が実行されたときよりも大当りの期待度が高い。
また、タイマー演出および役物演出における演出実行期間については、図13を用いて説明したように、タイマー演出およびブラックアウト演出における演出実行期間と同様である。なお、ブラックアウト演出と役物演出とで演出期間や演出制限期間が異なるようにしてもよい。
図19(a)に示すように、タイマー演出が開始される場合、たとえば、タイマー表示91として、たとえば20秒を示す「20:00」という計時期間がタイマー画像90の表示領域に表示される。
図19(b)は、20秒からカウントダウンされて5秒経過した際に表示されるタイマー表示91を示す図である。その後、図19(c)に示すように、役物を可動させる役物演出が実行される。役物12が移動(落下)して演出表示装置9の前面に重なるような位置で停止することにより、演出表示装置9の表示領域において、タイマー表示91の表示が視認困難となる。
図19(d)は、役物演出が終了し、役物が上昇することにより、再びタイマー演出が表示される状態になっている図である。役物演出終了により、タイマー表示91は再び視認可能となる。タイマー表示は、役物開始時点である「15:00」の表示から、役物演出の実行期間である5秒が経過したことを示す「10:00」の表示に変わっている。このように、役物演出の実行によりタイマー表示91が視認困難であったとしても、タイマー表示91は更新される。
さらに、図19(e)に示すように、タイマー表示91は、カウントダウンされ、特定態様である0秒を示す「00:00」で表示される。また、タイマーが「00:00」となったことがキャラクタ画像95および「GO」というセリフ画像により示される。そして、タイマー表示が0秒となったことに基づいて、複数種類の演出のうちからいずれかの演出が実行される。
このように、タイマー表示91が特定態様である0秒を示す「00:00」であるときには、役物演出の実行が制限されるので、タイマー表示91および役物演出を好適に実行することができる。また、役物演出の実行中にタイマー表示91が0秒とならないため、タイマー表示91による演出の興趣を低下させないようにすることができる。また、役物演出によりタイマー表示91が視認困難な状態であってもタイマー表示91は更新されるので、タイマー表示91および役物演出を好適に実行することができる。
また、図14に示すブラックアウト演出においてはタイマー表示91が全く見えない(視認不能である)が、図19に示す役物演出においてはタイマー表示91が一部見える(視認困難である)。このように、ブラックアウト演出と役物演出とでタイマー表示91の視認性が異なるので、特別演出の種類に応じたタイマー表示91とすることができ、遊技の興趣が向上する。
[作用演出]
図20は、タイマー演出、ブラックアウト演出および作用演出を説明するための図である。図20(a)〜(e)は、タイマー演出が20秒で開始される場合の例である。図20により、タイマー演出中にブラックアウト演出および作用演出が実行される場合について説明する。
作用演出は、タイマー演出が実行されているときに実行可能な演出である。作用演出が実行されることにより、タイマー表示の数値が変化するような演出である。たとえば、タイマー演出中にキャラクタが登場し、当該キャラクタが矢を打つことにより、タイマー表示91に矢が刺さり、これによって残り時間に作用するという演出を実行するものである。矢が刺さったときは、たとえば、残り時間が増加する、残り時間が減少する、または、残り時間のカウントダウンが一定期間停止するといった演出を実行する。
図20(a)に示すように、タイマー演出が開始される場合、たとえば、タイマー表示91として、たとえば20秒を示す「20:00」という計時期間がタイマー画像90の表示領域に表示される。
図20(b)は、20秒からカウントダウンされて3秒経過した際に表示されるタイマー表示91を示す図である。タイマー表示91は、17秒を示す「17:00」が表示される。このとき、演出表示装置9上の右下の位置に弓を持ったキャラクタを表す画像と矢を表す画像を含む作用演出画像93が表示される。図20(b)では、弓を持った人間が矢を引いている様子が作用演出画像93として表示される。
図20(b)の状態のから図20(c)に示すように、キャラクタが放った矢の画像がタイマー画像90に刺さることによりタイマー表示91が光る作用演出が実行される。このとき、演出表示装置9上では、タイマー表示91の計時期間が3秒増加したことを示す「+3」の文字が表示される。
図20(c)に示した作用演出により、図20(d)に示すように、タイマー表示91として17秒を示す「17:00」の表示が3秒増加して、20秒を示す「20:00」の表示に変わる。その後、図20(e)に示すように、画面を暗転させるブラックアウト演出が実行される。画面がブラックアウトすることにより、演出表示装置9上は黒い画像で覆われる。このため、タイマー演出が実行されているにも関わらず、タイマー表示91は視認不能となる。
図20(e)の状態以降は、図14(d)以降と同様であり、ブラックアウト演出終了により、タイマー表示91は再び視認可能となる。そして、タイマー表示が0秒となったことに基づいて、複数種類の演出のうちからいずれかの演出が実行される。
以上、図20で示したように、タイマー表示91に矢の画像が刺さり残り時間が増加する作用演出を実行するが、ブラックアウト演出により視認困難な状態である場合には、作用演出は実行しない。このようにすれば、タイマー表示91、ブラックアウト演出および作用演出を好適に実行することができる。
図21は、タイマー演出、ブラックアウト演出および作用演出を説明するための図である。図21(a)〜(d)は、タイマー演出が20秒で開始される場合の例である。図20ではブラックアウト演出前に作用演出を実行する例について説明したが、図21ではブラックアウト演出前に作用演出の準備状態となり、ブラックアウト演出後に作用演出が実行される場合について説明する。
図21(a)に示すように、タイマー演出が開始される場合、たとえば、タイマー表示91として、20秒を示す「20:00」という計時期間がタイマー画像90の表示領域に表示される。
図21(b)は、20秒からカウントダウンされて5秒経過した際に表示されるタイマー表示91を示す図である。タイマー表示91は、15秒を示す「15:00」が表示される。このとき、演出表示装置9上の右下の位置に弓を持ったキャラクタを表す作用演出画像93が表示される。弓矢を持った人間の右横には、作用演出が準備中であることを示す「準備中」の文字が表示される。
その後、図21(c)に示すように、画面を暗転させるブラックアウト演出が実行される。画面がブラックアウトすることにより、演出表示装置9上は黒い画像で覆われる。このため、タイマー演出が実行されているにも関わらず、タイマー表示91は視認不能となる。また、作用演出画像93も視認不能となる。
図21(d)は、ブラックアウト演出が終了し、再びタイマー演出のみが実行されている状態になっている図である。ブラックアウト演出終了により、タイマー表示91は再び視認可能となる。タイマー表示は、ブラックアウト開始時点である「15:00」の表示から、ブラックアウト演出の実行期間である5秒が経過した後の「10:00」の表示に変わっている。このように、ブラックアウト演出の実行によりタイマー表示91が視認不能であったとしても、タイマー表示91は更新される。
さらに、準備中であった作用演出から弓を放つ体制となったことを示す作用演出画像93が表示される。演出表示装置9上の右下の位置に弓を持ったキャラクタを表す作用演出画像93が表示されるとともに、矢を表す画像が表示される(弓を持った人間が矢を引いている様子が画像として表示される)。なお、ブラックアウト演出終了後も図21(b)に示すような準備中のままであってもよい。
図21(d)の状態以降は、タイマー演出が実行されることとなる。なお、作用演出により、増加するタイマー表示91の数値(時間)は、作用演出の実行タイミングにより異なるものであってもよい。また、作用演出により、増加するタイマー表示91の数値(時間)は、ブラックアウト演出が実行される場合の方がブラックアウト演出が実行されない場合よりも大きくなるようにしてもよい。
図22は、タイマー演出、ブラックアウト演出および作用演出を説明するための図である。図22(a)〜(d)は、タイマー演出が20秒で開始される場合の例である。図22では、ブラックアウト演出前に作用演出が開始され、ブラックアウト演出中に作用演出が実行および終了する場合について説明する。
図22(b)は、20秒からカウントダウンされて5秒経過した際に表示されるタイマー表示91を示す図である。タイマー表示91は、15秒を示す「15:00」が表示される。このとき、演出表示装置9上の右下の位置に弓を持ったキャラクタを表す作用演出画像93が表示される。図22(b)では、弓を持った人間が矢を引いている様子が画像として表示されている。
その後、図22(c)に示すように、画面を暗転させるブラックアウト演出が実行される。画面がブラックアウトすることにより、演出表示装置9上は黒い画像で覆われる。このため、タイマー演出が実行されているにも関わらず、タイマー表示91は視認不能となる。また、作用演出画像93も視認不能となる。図22に示す例では、作用演出画像93が表示されないが、作用演出による作用により、タイマー表示91の計時期間が10秒増加して、20秒を示す「20:00」になる。
図22(d)は、ブラックアウト演出が終了し、タイマー表示91は再び視認可能となる様子を示す。図22(d)以降は、再びタイマー演出のみが実行される。なお、図20〜図21に示した作用演出は、1回のみではなく複数回実行されようにしてもよい。
なお、役物演出を実行するときは、ブラックアウト演出を実行するときよりも作用演出の実行確率を高くしてもよい。逆に、ブラックアウト演出を実行するときは、役物演出を実行するときよりも作用演出の実行確率を高くしてもよい。
また、作用演出には、作用演出Aと作用演出Aよりも大当り期待度が高い作用演出Bとを備えてもよい。そして、ブラックアウト演出が実行される場合には、作用演出Bよりも作用演出Aの方が実行されやすく、役物演出が実行される場合には、作用演出Aよりも作用演出Bの方が実行されやすい。また、ブラックアウト演出が実行される場合には、作用演出Aよりも作用演出Bの方が実行されやすく、役物演出が実行される場合には、作用演出Bよりも作用演出Aの方が実行されやすいようにしてもよい。
また、ブラックアウト演出が実行されるときと役物演出が実行されるときとで、作用演出の視認性が異なるようにしてもよい。また、作用演出を実行するときには、プッシュボタン120等の操作手段を用いて実行してもよい。このような場合に、ブラックアウト演出中に作用演出が実行されるときには、表示画面が視認困難となるので、操作手段を用いた演出を実行しないようにするのが好ましい。それに対し、役物演出中に作用演出が実行されるときには、表示画面に視認可能となる領域が多いため、その視認可能な領域において操作手段を用いた演出を実行するようにしてもよい。たとえば、操作手段を用いた演出とは、作用演出の実行時に、プッシュボタン120の操作を促す画像を視認可能な領域に表示するような演出である。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態を説明する。第2実施形態のタイマー演出の実行中には、タイマー表示による期間表示が開始されてから期間表示が特定態様である0となるまでの期間において、タイマー表示をカウントダウンさせた後に、所定態様としてタイマー表示を数秒間に亘り停止させ、その所定態様を経由した後にタイマー表示の値を0にする場合がある。このように、タイマー表示のカウントダウンを数秒間停止する演出のことを、以下ではフリーズ演出と称する。なお、フリーズ演出としては、タイマー表示のカウントダウンが数秒間に亘り完全に停止するものではなく、所定の期間以上にカウントダウンが進まないようなものでもよい。たとえば、カウントダウンの途中の「15:47」のタイマー表示でフリーズ演出が発生した場合には、「15:46」→「15:47」→「15:46」のように、所定の数字と特定の数字との間を行き来することで、タイマー表示が所定期間以上にカウントダウンを進めないような演出としてもよい。また、「15:47」→「15:46」→「15:45」とカウントダウンが進むが、そのカウントダウンを実際の時間の計時よりも極端に遅くすることで、ほとんど時間が進んでいないような演出としてもよい。
図23は、第2実施形態におけるタイマー演出を説明するための図である。図23(a)〜(e)は、タイマー演出中にフリーズ演出が実行される場合のタイマー画像90におけるタイマー表示91の表示例を示す図である。また、図23(f)〜(i)は、タイマー演出中にフリーズ演出が実行されない場合のタイマー画像90におけるタイマー表示91の表示例を示す図である。図23(a)〜(e)では、タイマー演出を実行する期間として30秒の時間が選択されている。また、図23(f)〜(i)では、タイマー演出を実行する期間として20秒の時間が選択されている。
図23(a)に示すように、タイマー演出が開始される場合、たとえば、タイマー表示91として20秒を示す「20:00」という計時期間がタイマー画像90に表示される。なお、図示は省略するが、図14等で示した例と同様に、タイマー画像90は、演出表示装置9の画面の左上に表示される。タイマー表示91に表示される期間は、秒以下2桁(百分の一の位)まで表示され、時間の経過とともにその値がカウントダウンされる。図23(b)は、20秒からカウントダウンされて10秒経過した際に表示されるタイマー表示91を示す図である。図23(b)に示すように、10秒経過毎には、10秒を示す「10:00」が表示されたときに、タイマー表示91の上側にLOCK表示92が表示される。LOCK表示92は、表示画像がタイマー表示91に対して作用する作用演出であり、LOCKの文字で示す表示画像が、タイマー表示に付加される。LOCK表示92がタイマー表示91に付加されることにより、フリーズ演出が実行される。このように、LOCK表示92がタイマー表示91に付加されることにより、フリーズ演出の実行中であることを遊技者に容易に認識させることができる。
図23(c)は、図23(b)の状態から10秒間が経過したときの、タイマー表示91の表示態様を示す図である。図23(b),(c)に示すように、フリーズ演出が実行される場合は、「10:00」の表示のままで10秒間に亘りタイマー表示91の表示が停止されるとともに、LOCK表示92が付加される。10秒間のフリーズ期間経過後には、図23(d)に示すように、再度タイマー表示91がカウントダウンされる。その後、図23(e)に示すように、タイマー表示91は、カウントダウンされ、特定態様である0秒を示す「00:00」で表示される。そして、タイマー表示が0秒となったことに基づいて、複数種類の演出のうちからいずれかの演出が実行される。
次に、フリーズ演出が実行されない場合を図23(f)〜(i)により説明する。タイマー演出を実行する期間として20秒の時間が選択された場合、図23(f)に示すように、タイマー演出が開始される場合、たとえば、タイマー表示91として20秒を示す「20:00」という計時時間がタイマー画像90に表示される。図23(g)は、20秒からカウントダウンされて10秒経過した際に表示されるタイマー表示91を示す図である。図23(g)に示すように、10秒経過毎には、10秒を示す「10:00」が表示される。フリーズ演出が実行されないので、LOCK表示92は表示されない。
次いで、図23(h)に示すように、図23(g)から1秒経過したときには、図23(h)に示すように、タイマー表示が9秒を示す「09:00」で表示される。その後、図23(i)に示すように、タイマー表示91は、カウントダウンされ、特定態様である0秒を示す「00:00」で表示される。そして、タイマー表示が0秒となったことに基づいて、複数種類の演出のうちからいずれかの演出が実行される。ここで、図23(a)〜(i)では、秒以下2桁のタイマー表示91については、実際はカウントダウンしているが、図面上では詳細に開示していない。また、秒以下2桁を表示せず、「10」、「9」・・・「0」と秒数のみをカウントダウンしていくようにしてもよい。
このように、タイマー演出において表示されるタイマー表示91は、表示が開始されてからカウントダウンされ、特定態様である0秒を示す「00:00」となるまでの期間において、フリーズ演出を経由するパターンとフリーズ演出を経由しないパターンとが設けられている。よって、タイマー表示91によるカウントダウンが開始されてから0秒となるまでの期間におけるタイマー表示91の表示態様に遊技者を注目させることができる。
また、タイマー演出において、フリーズ演出が実行されるパターンでは、図23(b)〜(d)に示すように、フリーズ演出を10秒間実行した後に、再度タイマー表示91の更新が実行される。このようにすれば、タイマー表示91が0秒となるまでの期間におけるタイマー表示91の表示態様に遊技者を注目させることができる。
また、タイマー演出の実行される秒数であるタイマー秒数(タイマー表示の開始から0秒となるまでの時間)を決定するためのタイマー選択時間は異なるが、図23に示すように、フリーズ演出を実行しない場合とフリーズ演出を実行する場合とで、タイマー表示91の開始時の表示態様が同一(いずれも「20:00」で同じ)の場合がある。このようにすれば、タイマー表示91の開始時にフリーズ演出を経由するか否かがばれることがなく、意外性のある演出を実行することができる。
なお、第1実施形態で説明したような特別演出を、フリーズ演出中に実行してもよい。あるいは、特別演出の実行中にフリーズ演出を実行してもよい。また、特別演出とフリーズ演出との実行期間が一部重なるようにしてもよい。また、第2実施形態において、タイマー画像90は、演出表示装置9の画面の左上に表示されるようにしたが、これに限らず、演出表示装置9の中央下部の位置に、演出表示装置9の前方において一部が重なるように第2表示手段としてのサブ画像表示装置を設け、タイマー表示91をサブ画像表示装置の画面上に表示するようにしてもよい。
[第3実施形態]
次に、第3実施形態を説明する。第3実施形態では、第1実施形態および第2実施形態とは別のタイマー演出が実行される。第3実施形態におけるタイマー演出では、通常パターンのタイマー演出の他に特別パターンのタイマー演出が設定されている。通常パターンのタイマー演出とは、タイマー表示が開始されてからタイマー表示が0秒となるまでの期間において、タイマー表示の表示値が時間経過とともにカウントダウンされるのみのパターンである。それに対し、特別パターンのタイマー演出では、タイマー表示91がカウントダウンされ0秒となったときに、第1実施形態および第2実施形態で示した所定の演出が実行されるのではなく、スティックコントローラ122のような操作手段を用いる演出が実行される。スティックコントローラ122での遊技者の操作は、傾倒方向センサユニット123により検出される。具体的には、タイマー表示91がカウントダウンされ0秒となったときに、スティックコントローラ122を遊技者が引く操作を実行すると、0秒となっていたタイマー表示91の秒数が増加し、再度カウントダウンが実行される演出が行なわれる。このような、特別パターンは複数回実行されることがあり、最終的に0秒となったときに、第1実施形態および第2実施形態で示したような所定の演出が実行される。
図24は、第3実施形態におけるタイマー演出を説明するための図である。図24のうち図24(a)は、タイマー演出の特別パターンとして、タイマー選択時間20秒の2回パターンの場合のタイミングチャートを示す図である。2回パターンとは、タイマー演出の実行中に操作手段を用いた演出が2回実行される演出パターンを示している。また、図24(b)〜(i)は、図24(a)のパターンにおけるタイマー表示91の表示例を示す図である。まず、図24(a)〜(i)により特別パターンのタイマー演出について説明する。
図24(a)に示すように、タイマー演出として実行されるタイマー選択時間20秒の2回パターンでは、最初にタイマー表示91に「04:00」が表示される(図24(b))。なお、図示は省略するが、図14等で示した例と同様に、タイマー画像90は、演出表示装置9の画面の左上に表示される。この状態からタイマー表示91のカウントダウンが4秒間実行される。そして、タイマー表示91が「00:00」で示す値となったとき(図24(c))、スティックコントローラ122等の操作手段を操作する操作演出が実行される。スティックコントローラ122は、操作が有効な期間(以下、操作有効期間とも称する)が2秒間に設定されている。この操作有効期間である2秒の間にスティックコントローラ122を引く操作が遊技者により実行された場合には、「+04:00」が演出表示装置9の画面上に表示される(図24(d))。「+04:00」の表示は、残りの操作有効期間とその時間に1秒(タイマー表示の最少期間)加算した期間、演出表示装置9の画面上に表示されるとともに、タイマー表示91として「00:00」から秒数が増加し、「04:00」の値がタイマー画像90に表示される(図24(e))。
操作有効期間である2秒の間にスティックコントローラ122を引く操作が実行されなかった場合には、操作有効期間の終了時に「+04:00」の表示が自動的に演出表示装置9の画面上に表示される(図24(d))。「+04:00」の表示は、操作有効期間の終了後、1秒の間、演出表示装置9の画面上に表示されるとともに、タイマー表示91として「00:00」から秒数が増加し、「04:00」の値がタイマー画像90に表示される(図24(e))。
ここで、スティックコントローラ122が操作された場合も操作されなかった場合も、少なくとも1秒の間は、「+04:00」の表示が演出表示装置9の画面上に表示される(図24(d))。また、タイマー表示91として「00:00」から秒数が増加し、「04:00」の値がタイマー画像90に表示される(図24(e))。この時間に遊技者は、タイマー表示91の秒数が増加したことを認識することができる。操作有効期間(図24(a)の操作2秒)とタイマー表示91の増加秒数を示す演出表示装置9のタイマー表示期間(図24(a)のタイマー表示1秒)との合計期間は3秒間に設定されている。
その後、タイマー表示91は、「04:00」で示される4秒からカウントダウンを開始し、タイマー表示91が「00:00」で示す値となったとき(図24(f))に、再度、操作有効期間中にスティックコントローラ122を引く演出が実行される。2秒の間にスティックコントローラ122を引く操作が遊技者により実行された場合には、「+06:00」が演出表示装置9の画面上に表示される(図24(g))。「+06:00」の表示は、残りの操作有効期間とその時間に1秒加算した期間、演出表示装置9の画面上に表示されるとともに、タイマー表示91として「00:00」から秒数が増加し、「06:00」の値がタイマー画像90に表示される(図24(h))。
操作有効期間である2秒の間にスティックコントローラ122を引く操作が実行されなかった場合には、操作有効期間の終了時に「+06:00」の表示が自動的に演出表示装置9の画面上に表示される(図24(g))。「+06:00」の表示は、操作有効期間の終了後、1秒の間、演出表示装置9の画面上に表示されるとともに、タイマー表示91として「00:00」から秒数が増加し、「06:00」の値がタイマー画像90に表示される(図24(h))。
タイマー表示91が、6秒からカウントダウンを開始し、タイマー表示91が「00:00」で示す値となったとき(図24(i))に、所定の演出が実行される。タイマー表示91が0秒となったときに実行される演出には、第1実施形態で示した演出と同様であってもよいし、異なるものであってもよく、どのような演出であってもよい。
このように、特別パターンでは、タイマー演出が開始されタイマー表示91が0秒で示す値となったときに、タイマー表示91の秒数が増加し、再度カウントダウンが実行される演出が行なわれる。このような特別パターンのタイマー演出により、タイマー表示91のカウントダウンが開始されてから、タイマー表示91の値が最終的に0秒となるまでの期間における表示態様に遊技者を注目させることができる。
次に、以上に説明した実施の形態の変形例や特徴点等を以下に列挙する。
(1) 前述した実施の形態では、タイマー演出において、タイマー表示91として計時期間をタイマー画像90の表示領域に表示されるようにした。しかし、これに限らず、たとえば、爆弾や砂時計をタイマー画像90の表示領域に表示するようにしてもよい。たとえば、計時期間が20秒である場合に、爆弾を表示するときは、導火線に火が時間とともに短くなり、20秒後に爆弾を爆発させるようにすればよい。また、爆弾が徐々に大きくなるものや、爆弾が鼓動するようなものでもよい。また、計時期間が20秒である場合に、砂時計を表示するときは、20秒後に砂時計の砂が全て下に落ちるようにすればよい。
(2) 前述した実施の形態では、タイマー画像90の表示領域にタイマー表示91を表示し、時間の経過とともにタイマーの数値を減算する場合を示した。しかしながら、タイマー表示91は減算するものではなく加算されていくものでもよい。そして、所定の上限値に到達することにより演出が実行されるようにしてもよい。また、タイマー画像90の表示領域に爆弾を表示する場合、爆弾の更新表示について、爆弾の導火線を途中で長くしてもよいし、一旦火が消えることにより更新が止まるようにしてもよい。また、爆弾の鼓動を一旦停止するようにしてもよい。
(3) 前述した実施の形態では、役物演出の実行により演出表示装置9上の表示は視認困難となっているとき(図19(c)に示す状態)に、作用演出を実行するようにしてもよい。作用演出においては、図20(b)〜(d)において説明したものと同様の演出を行なえばよい。たとえば、図19(c)に示す状態においては、役物12の裏側において(視認困難な状態で)、タイマー表示91が15秒を示す「15:00」で表示されている。このとき、役物の裏側で作用演出が実行されるようにすればよい。たとえば、キャラクタを表す作用演出画像が役物12の裏側で表示され、キャラクタが放った矢の画像がタイマー画像90に刺さり、タイマー表示91の計時期間が3秒増加したことを示す「+3」が表示されるようにすればよい。これにより、タイマー表示91として15秒を示す「15:00」の表示が3秒増加して、役物12が元の位置に戻ったときに、18秒を示す「18:00」の表示に変わるようにすればよい。
(4) 前述した実施の形態では、図20(b)〜(d)においては、作用演出により、キャラクタが放った矢の画像がタイマー画像90に刺さり、タイマー表示91の計時期間が3秒増加する(作用演出の成功パターン)場合を示した。しかし、これに限らず、以下のように失敗パターンの作用演出を設けてもよい(ガゼの演出パターンを設けてもよい)。たとえば、図20(b)のように、画面上にキャラクタが登場するが、矢を放つことなく引き返して帰ってしまうような演出を行なうようにしてもよい。この場合、タイマー表示91に作用することがないので、計時期間の増加はない。また、たとえば、図20(b)のように画面上にキャラクタが矢を放つが、矢の画像がタイマー画像90に当たることなくはずしてしまう演出を行なうようにしてもよい。この場合、タイマー表示91に作用することがないので、計時期間の増加はない。
(5) 前述した実施の形態では、作用演出により、キャラクタが放った矢の画像がタイマー画像90に刺さる演出をするようにした。しかし、これに限らず、大当り期待度の高いスーパーリーチ中に演出表示装置9上にアクティブ表示を示す画像を表示するものにおいて、次のようにしてもよい。なお、アクティブ表示とは、現在実行されている変動表示に対応する画像である。たとえば、作用演出により、キャラクタが放った矢の画像がタイマー画像90に刺さるとともに、アクティブ表示を示す画像に刺さるようにしてもよい。このようにすることで、タイマー表示91の表示態様を変化させる演出(たとえば、タイマー表示91計時期間を増加させたり、タイマー表示91の表示色や形状を変える演出)を実行するとともに、アクティブ表示の表示態様を変える演出(たとえば、アクティブ表示の表示色を変える演出)を実行することができる。また、キャラクタが放った矢の画像がタイマー画像90に刺さるが、アクティブ表示を示す画像には刺さらないようにしてもよい。また、逆に、キャラクタが放った矢の画像がタイマー画像90に刺さらないが、アクティブ表示を示す画像には刺さるようにしてもよい。また、キャラクタが放った矢の画像が、タイマー画像90とアクティブ表示を示す画像のいずれにも刺さらないようにしてもよい。
(6) 前述した実施の形態では、図21(b)〜(d)のブラックアウト演出および作用演出において、ブラックアウト演出前と演出後とではキャラクタの表示態様は同じであった。しかし、これに限らず、たとえば、ブラックアウト演出前と演出後とでキャラクタの表示態様を変化させるようにしてもよい。たとえば、キャラクタの表示色やキャラクタ自体を変化させるようにしてもよい。このようにすれば、ブラックアウト演出中に作用演出を実行するキャラクタが変化するため、意外性に富んだ演出とすることができる。具体的には、キャラクタを弓の名人に変化させることで、キャラクタが放った矢の画像がタイマー画像90に刺さりやすくするようにしてもよい。また、ブラックアウト演出中にキャラクタが放つ矢の画像やキャラクタが持つ弓の画像の表示態様を変化させるようにしてもよい。たとえば、弓の大きさを大きくすることで、キャラクタが放った矢の画像がタイマー画像90に刺さりやすくするようにしてもよい。また、ブラックアウト演出前とブラックアウト演出後とでタイマー表示91の表示態様(表示色や形状)を変化させるようにしてもよい。
(7) 前述した実施の形態では、図18に示したように、演出設定処理において、まず、特別演出(ブラックアウト演出または役物演出)の実行の有無を決定(S631)し、次に、タイマー演出の実行の有無を決定(S632)し、最後に、その他の演出を決定(S638)するようにした。そして、その他の演出としては、タイマー演出実行後の予告演出等がある。しかし、演出の決定方法として以下のようにしてもよい。たとえば、まず、その他の演出として、予告演出の実行の有無を決定する。次に、当該予告演出に伴うタイマー演出の実行の有無を決定する。タイマー演出を実行する場合は、タイマー演出を実行する秒数を決定する。次に、特別演出(ブラックアウト演出または役物演出)の実行の有無を決定する。最後に、特別演出の実行タイミングを決定する。その際、図13に示した演出を制限する期間には実行しないようにする。また、予告出の実行期間と重なるときは、予告演出の実行期間の後に、特別演出を実行するようにしてもよい。
(8) 前述した実施の形態では、ブラックアウト演出あるいは役物演出によりタイマー表示91が視認不能な状態であるときには、タイマー表示91の更新を停止していた。しかし、ブラックアウト演出あるいは役物演出によりタイマー表示91が視認不能な状態であるときにタイマー表示91の更新を停止するようにしてもよい。すなわち、タイマー表示91が視認可能な状態であるときにタイマー表示91の更新をしてもよい。このように、ブラックアウト演出あるいは役物演出によりタイマー表示91が視認不能な状態であるときにタイマー表示91の更新を停止するので、タイマー表示91とブラックアウト演出あるいは役物演出とを好適に実行することができる。
(9) 前述した実施の形態では、タイマー演出で表示される期間表示として、時間とともにデジタル表示がカウントダウンされるタイマー表示91について説明した。しかし、タイマー表示91は、時間とともに数字がカウントアップし、所定時間になった場合に演出が実行されるようにしてもよい。また、時間経過を示す期間表示として数字で表示するものではなく、時間経過を示す砂時計画像を表示するもの(砂時計の砂の残り具合で時間を示すもの)、または、時間経過を示すゲージ画像を用いて表示するもの(ゲージの増加または減少により時間を示すもの)等、所定期間の終了タイミングを示唆可能な情報を時間の経過とともに変化させる演出であればどのような演出が用いられてもよい。
(10) 前述した実施の形態では、タイマー表示や砂時計画像、および、ゲージ画像等の期間表示を示す画像が表示されている期間では、そのような画像が表示されていない期間よりも大当り表示結果となることを期待できる演出の実行割合を高くするようにしてもよい。このような場合には、期間表示に対してフリーズ演出が実行されると、全体として期間表示が表示される時間が長くなり、大当り表示結果となることを期待できる演出の実行回数が増加する。よって、フリーズ演出を実行すること(期間表示を停止すること)で、期間表示を表示する時間を長くでき、遊技の興趣を向上させることができる。
(11) 前述した実施の形態では、フリーズ演出の実行前とフリーズ演出の実行後とで、タイマー表示91の表示態様を変化させてもよい。たとえば、フリーズ演出が実行される前のタイマー表示91で表示される数字の色を白色にし、フリーズ演出が実行された後のタイマー表示91で表示される数字の色を赤色にしてもよい。また、文字の色を変えるのではなく、タイマー表示91の枠の色を変化させてもよい。また、数字や枠の形状が異なるようにしてもよい。また、フリーズ演出の実行後ではなく、フリーズ演出の実行中にタイマー表示91の表示態様が変化するようにしてもよい。
(12) 前述した実施の形態では、期間表示(タイマー表示91)に対して付加されるLOCK表示92の表示画像が複数種類設けられていてもよい。また、大当り表示結果となるか否かにより、複数種類のLOCK表示92の表示画像のうちから付加される表示画像の種類が異なるようにしてもよい。
(13) 前述した実施の形態では、期間表示に作用する演出として、操作手段の操作を用いた演出を実行してもよい。たとえば、所定のタイミングでスティックコントローラ122等の操作手段を遊技者に操作させる演出を実行し、当該演出の結果成功するパターンの場合には作用演出が実行され、当該演出の結果失敗するパターンの場合には作用演出が実行されないようにしてもよい。
(14) 前述した実施の形態では、期間表示であるタイマー表示91が0秒を示したときに、再度タイマー表示91が表示され、その表示が更新される特別パターンを示した。このような特別パターンは、期間表示が再度表示される場合に、秒数が異なるものを示したが、秒数ではなく数字の色や枠の色が異なるようにしてもよい。また、数字や枠の形状が異なるようにしてもよい。
(15) 前述した実施の形態では、操作手段がスティックコントローラ122である場合を示したが、操作手段は、プッシュボタン120等の他の操作手段であってもよい。また、特別パターンにおいて、複数回操作手段が操作される場合には、1回目に用いられる操作手段と2回目に用いられる操作手段が異なるようにしてもよい。そして、第1の操作手段よりも第2の操作手段が操作された方が、大当りとなる期待度が高いようにしてもよい。
(16) 前述した実施の形態では、複数の操作手段による操作により特別パターンが実行される場合に、第1の操作手段と第2の操作手段を操作したときでは、増加される期間表示の秒数が異なるようにしてもよい。また、操作手段の違いにより操作有効期間が異なるようにしてもよい。たとえば、プッシュボタン120では、連打する操作により比較的長い時間が操作有効期間として設定され、スティックコントローラ122では、遊技者が引く動作によりプッシュボタン120の操作に比べ短い期間が操作有効期間に設定されるようにしてもよい。
(17) 前述した実施の形態では、同様の操作手段であっても、特別パターンの内容によって異なる操作を実行してもよい。たとえば、スティックコントローラ122を操作する場合に1回目の操作では、長い時間引くようにし、2回目の操作では、一回の引く操作が実行されるようにしてもよい。
(18) 前述した実施の形態では、期間表示として示されるタイマー表示91が0秒となったときに再度同じタイマー表示91が更新される場合を示した。しかし、タイマー表示91が0秒となったときに前回とは異なる別のタイマー表示91が表示されるようにしてもよい。
(19) 前述した実施の形態では、期間表示の表示期間に応じて、期間表示の表示態様が変更されるようにしてもよい。たとえば、期間表示として10秒からカウントダウンを開始し、開始時の数字の表示態様は白色で、残り3秒となったときに数字の色を赤色に変化させるようにしてもよい。
(20) 前述した実施の形態では、タイマー演出を先読み演出として実行してもよい。このような場合には、タイマー演出が実行されることで、保留表示やアクティブ表示の表示態様が変化するようにしてもよい。また、先読み演出として、ターゲットの変動表示においてタイマー演出が実行されることを示唆する表示を行なってもよい。たとえば、ターゲットの保留表示に対して「タイマー演出準備中」等の表示を行ない、ターゲットの保留表示に対応した変動表示の実行中にタイマー演出が実行されることを示唆してもよい。このようにすれば、遊技者はターゲットの変動表示においてタイマー演出が実行されることを、ターゲットの変動表示が開始される前に知ることができるので、遊技の興趣が向上する。
(21) 前述した実施の形態では、遊技機としてパチンコ機を例にしたが、前述した実施の形態に示した各種の設定は、メダルが投入されて所定の賭け数が設定され、遊技者による操作レバーの操作に応じて複数種類の図柄を回転させ、遊技者によるストップボタンの操作に応じて表示手段における図柄を停止させたときに停止図柄の組合せが特定の図柄の組合せになると、所定数のメダルが遊技者に払出されるスロットマシン(スロット機)に適用することも可能である。具体的には、スロットマシンにおいて設けられた演出表示装置等の表示装置において、タイマー表示が実行されるようにすればよい。また、演出表示装置とは別の役物にタイマー表示が表示されるようにしてもよい。また、スロットマシンにおいては、遊技者の動作を検出できるプッシュボタン等の操作手段を別途設けてもよいし、操作レバーやスタートスイッチを用いて遊技者動作が検出されるようにしてもよい。
(22) 前述した実施の形態では、遊技者にとって有利な有利状態として、大当り遊技状態を代表例として説明した。しかし、これに限らず、遊技者にとって有利な有利状態としては、高確率状態(確変状態)、時短状態、および、高ベース状態等のその他の有利状態が含まれてもよい。
(23) 前述した実施の形態では、変動時間およびリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータに通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターンコマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータに通知する様にしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、遊技制御マイクロコンピュータは、1つ目のコマンドでは擬似連の有無、滑り演出の有無等、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無等、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信する様にしてもよい。この場合、演出制御用マイクロコンピュータは2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間に基づいて変動表示における演出制御を行なうようにすればよい。なお、遊技制御用マイクロコンピュータの方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御用マイクロコンピュータの方で選択を行なう様にしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信する様にしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(たとえば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信する様にしてもよい。なお、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知する様にすることで、変動パターンコマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。このように2つのコマンドにより変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータに通知する構成においては、1つ目のコマンドを送信した後の2つ目のコマンドにおいて、入賞時演出処理による表示結果の判定結果、および、変動パターン種別のような先読み判定情報を送信し、その2つ目のコマンドを受信したことに基づいて、先読み予告の演出を実行するようにしてもよい。ここで擬似連とは、本来は1つの保留記憶に対応する1回の変動であるものの複数の保留記憶に対応する複数回の変動が連続して行なわれているように見せる演出表示である擬似連続変動を示す略語である。また、滑りとは、変動表示において図柄の停止直前に図柄を停止予測位置から滑らせる演出表示をいう。
(24) 本実施の形態として、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出す遊技機を説明したが、遊技媒体が封入され、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出すことなく遊技点(得点)を加算する封入式の遊技機を採用してもよい。封入式の遊技機には、遊技媒体の一例となる複数の玉を遊技機内で循環させる循環経路が形成されているとともに、遊技点を記憶する記憶部が設けられており、玉貸操作に応じて遊技点が記憶部に加算され、玉の発射操作に応じて遊技点が記憶部から減算され、入賞の発生に応じて遊技点が記憶部に加算されるものである。
(25) 前述した実施の形態では、たとえば「1」〜「9」の複数種類の特別図柄や演出図柄を変動表示し表示結果を導出表示する場合を示したが、変動表示は、そのような態様にかぎられない。例えば、変動表示される図柄と導出表示される図柄とが必ずしも同じである必要なく、変動表示された図柄とは異なる図柄が導出表示されるものであってもよい。また、必ずしも複数種類の図柄を変動表示する必要はなく、1種類の図柄のみを用いて変動表示を実行するものであってもよい。この場合、例えば、その1種類の図柄表示を交互に点灯および点滅を繰り返すことによって、変動表示を実行するものであってもよい。そして、この場合であっても、その変動表示に用いられる1種類の図柄が最後に導出表示されるものであってもよいし、その1種類の図柄とは異なる図柄が最後に導出表示されるものであってもよい。
(26) 前述した実施の形態では、「割合(比率、確率)」として、0%を越える所定の値を具体例に挙げて説明した。しかしながら、「割合(比率、確率)」としては、0%であってもよい。たとえば、所定の遊技期間における所定の遊技状態1の発生割合と他の遊技状態2との発生割合とを比較して、「一方の発生割合が他方の発生割合よりも高い」とした場合には、一方の遊技状態の発生割合が0%の場合も含んでいる。
(27) 前述した実施の形態では、変動表示の表示結果を確変大当りとすることが決定されたときの変動表示結果が導出表示された後、大当り遊技状態の終了後に、無条件で確変状態に制御される確変状態制御例を示した。しかし、これに限らず、特別可変入賞球装置20における大入賞口内に設けられた特定領域を遊技球が通過したことが検出手段により検出されたときに、確変状態に制御される、確変判定装置タイプの確変状態制御が実行されるようにしてもよい。
(28) なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。