JP2018080874A - ラジアントチューブの監視方法及びラジアントチューブの監視装置 - Google Patents

ラジアントチューブの監視方法及びラジアントチューブの監視装置 Download PDF

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祥大 小林
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Abstract

【課題】既存の炉を改造することなく、また、炉の操業を続行したまま、破損の発生が懸念されるラジアントチューブを破損前に検知することができるラジアントチューブの監視方法及びラジアントチューブの監視装置を提供する。
【解決手段】ラジアントチューブの監視方法は、ラジアントチューブの曲げ部に設けたサポートを炉壁の内面に突出形成された受け具の上に載せることで炉内に支持されているラジアントチューブを監視する方法であって、炉壁の外面上に設置されたひずみゲージにより炉壁のひずみ量を検出し、検出された炉壁のひずみ量に基づいてサポートと受け具との固着の有無を検知する。
【選択図】図1

Description

本発明は、熱処理炉の内部に支持されているラジアントチューブの監視方法及びラジアントチューブの監視装置に関する。
従来から、大気中ではない特殊なガス雰囲気下で鋼材等の被加熱部材の加熱処置を行う場合に、ラジアントチューブを用いた間接加熱が知られている。ラジアントチューブの内部に燃料ガス及び空気もしくは燃料ガス及び酸素を供給すると共に燃料ガスをバーナ等により燃焼することで、ラジアントチューブを発熱させ、ラジアントチューブの外面から放射された熱により炉内を搬送される被加熱部材が間接的に加熱される。
このようなラジアントチューブを用いた炉においては、ラジアントチューブの曲げ部に設けたサポートを、炉壁の内面に突出形成された受け具の上に、固定することなく、単に載せることにより、炉内にラジアントチューブが支持されることが多い。これは、炉内の温度変化によりラジアントチューブが膨張及び収縮した場合に、受け具上においてサポートがスライドすることで、ラジアントチューブの変形を吸収し、ラジアントチューブに作用する応力を低減するためである。
更に、特許文献1に開示されたラジアントチューブ支持装置のように、ラジアントチューブの曲げ部に設けられたサポートと、炉壁から炉内に突出する受け具との間にローラ等の回転部材を配置すれば、サポートと受け具の相対的な移動を円滑に行わせることができる。
ラジアントチューブの材質として、その使用環境から耐熱性に優れたものが使用されるが、高温環境下での長時間の使用により熱応力及びクリープ応力に曝される結果、ラジアントチューブに曲がり等の変形が発生し、変形が大きくなって亀裂等の破損に至るおそれがある。このようなラジアントチューブの亀裂は、ラジアントチューブを支持するサポートと炉壁の内面上に形成された受け具との固着が原因となることが多い。すなわち、ラジアントチューブが変形する際に、サポートと受け具との固着がラジアントチューブの自由な熱膨張及び熱収縮を阻害し、ラジアントチューブに過大な応力が発生して亀裂に至る。特許文献1に開示されたラジアントチューブ支持装置のように、サポートと受け具との間に回転部材を配置しても、長時間の炉の使用に際して、サポートと受け具とが回転部材と共に固着するおそれがある。
ラジアントチューブが破損した場合には、ラジアントチューブ内への炉内雰囲気ガスの流入による加熱効率の低下、炉内雰囲気ガス使用量の増加、及び、炉内圧力の低下、また、ラジアントチューブ内から炉内への燃焼ガス及び酸素の漏洩による炉内雰囲気の汚染、及び、炉内雰囲気の露点の上昇等が発生し、炉の操業上の問題及び被加熱部材に対する品質上の問題を招いてしまう。
上記の状況に対処するため、特許文献2には、ラジアントチューブ内において、燃料ガスの供給を停止させて熱処理炉内よりも負圧の状態で空気のみを流通させ、ラジアントチューブの入側と出側における酸素濃度の変化を検出することにより、ラジアントチューブの亀裂の有無を検知することが開示されている。
また、特許文献3には、ラジアントチューブの外表面に耐熱性絶縁塗料等の絶縁性物質を塗布した後、その絶縁性物質上に連続的に巻きつけた銅線等の導電性物質をランプと接続し、通電させることが開示されている。これにより、炉の操業中において亀裂等の破損がラジアントチューブに生じた場合に、導電性物質が破断され、通電していたランプが消灯するため、ラジアントチューブの破損を検知することができる。
特開平10−237539号公報 特開平3−295435号公報 特開2012−107811号公報
しかしながら、特許文献2に開示の技術では、ラジアントチューブの破損の有無を確認する目的でラジアントチューブ内に空気のみを流通させるため、ラジアントチューブ内部への燃料ガスの供給を停止する必要がある。すなわち、ラジアントチューブが破損しているか否かを確認する際には、検査対象のラジアントチューブの消火、亀裂調査、再点火を行う必要があり、非常に手間が掛かるという問題があった。
また、特許文献3に開示の技術では、各ラジアントチューブの外表面に予め絶縁物質を塗布し、その上に導電性物質を連続的に巻きつけるという、既存のラジアントチューブに対する改造が必要となり、手間が掛かると共にコストが嵩むという問題があった。
また、特許文献2及び特許文献3に開示の技術は、ラジアントチューブにおいて既に発生した破損を検知するものであるが、ラジアントチューブを支持するサポートと炉壁の内面上に形成された受け具との固着は、炉の内部において発生するため、炉の操業中に、オペレータが、目視により固着箇所を確認することは困難である。そのため、特許文献2及び特許文献3に開示の技術では、破損の発生が懸念されるラジアントチューブを破損前に検知することができない。
本発明は、このような従来の問題点を解消するためになされたものであり、既存の炉を改造することなく、また、炉の操業を続行したまま、破損の発生が懸念されるラジアントチューブを破損前に検知することができるラジアントチューブの監視方法及びラジアントチューブの監視装置を提供することを目的とする。
上記目的を解決するために、本発明のラジアントチューブの監視方法は、ラジアントチューブの曲げ部に設けたサポートを炉壁の内面に突出形成された受け具の上に載せることで炉の内部に支持されているラジアントチューブを監視する方法であって、炉壁の外面上に設置されたひずみゲージにより炉壁のひずみ量を検出し、検出された炉壁のひずみ量に基づいて、サポートと受け具との固着の有無を検知することを特徴とする。
また、本発明のラジアントチューブの監視方法は、ひずみゲージにより検出される炉壁のひずみ量が設定値以上になったときにサポートと受け具とが互いに固着していると検知することが好ましい。
また、ひずみゲージとして、炉壁の外面の面内方向におけるひずみ量を検出する直交ひずみゲージが用いられることが好ましい。
また、ひずみゲージは、炉壁の外面の面内方向において、受け具の配置位置から500mm以内の位置に設置されることが好ましい。
本発明のラジアントチューブの監視装置は、ラジアントチューブの曲げ部に設けたサポートを炉壁の内面に突出形成された受け具の上に載せることで炉の内部に支持されているラジアントチューブを監視する装置であって、炉壁の外面上に設置され、炉壁のひずみ量を検出するひずみゲージと、ひずみゲージにより検出された炉壁のひずみ量に基づいてサポートと受け具との固着の有無を検知する固着検知部と、を有することを特徴とする。
また、固着検知部は、ひずみゲージにより検出される炉壁のひずみ量が設定値以上になったときにサポートと受け具とが互いに固着していると検知することが好ましい。
また、ひずみゲージは、炉壁の外面の面内方向におけるひずみ量を検出する直交ひずみゲージであることが好ましい。
本発明のラジアントチューブの監視方法によれば、炉壁の外面上に設置されたひずみゲージにより炉壁のひずみ量を検出し、検出されたひずみ量に基づいて、ラジアントチューブのサポートと炉壁の内面に突出形成された受け具との固着の有無を検知するので、既存の炉を改造することなく、また、炉を操業したまま、破損の発生が懸念されるラジアントチューブを破損前に検知することができる。
本発明の実施の形態に係るラジアントチューブの監視装置が取り付けられた炉を示す部分断面図である。 実施例のシミュレーションに係る解析モデルを示す斜視図である。 実施例のシミュレーションにおいて得られた引張力と炉壁のひずみ量との関係を示すグラフである。
以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
図1に示すように、実施の形態に係るラジアントチューブの監視装置Mが、炉1に取り付けられている。
炉1は、例えば、鋼材等の被加熱部材の加熱処理を行うための既存の熱処理炉であり、炉壁2及び3と、両端部が炉壁3を貫通するラジアントチューブ4とを含む。
炉壁2は、炉1の外側に露出した鉄皮2aと、炉1の内側に露出した耐火物層2bとを有して構成される。また、炉壁3は、炉壁2と同様に、炉1の外側に露出した鉄皮3aと、炉1の内側に露出した耐火物層3bとを有して構成される。また、これらの炉壁2及び3の内面には、炉1の内側に向かって受け具5及び6がそれぞれ突出形成されている。
また、ラジアントチューブ4は、炉1内における被加熱部材を搬送する図示しない搬送経路に設置されて、被加熱部材を間接的に加熱するものであり、4つの直管4a、4c、4e及び4gと、3つの曲げ管4b、4d及び4fとを有して構成される。直管4aの一端は、炉1の炉壁3を貫通し、かつ、炉壁3に連結されており、直管4aの他端には、曲げ管4bの一端が連結されている。また、曲げ管4bの他端には、直管4cの一端が連結されており、直管4cの他端には、曲げ管4dの一端が連結されている。また、曲げ管4dの他端には、直管4eの一端が連結されており、直管4eの他端には、曲げ管4fの一端が連結されている。また、曲げ管4fの他端には、直管4gの一端が連結されており、直管4gの他端は、炉壁3を貫通し、かつ、炉壁3に連結されている。
また、炉壁2に近接する曲げ管4fには、炉壁2に向かって棒形状のサポート7が設けられており、炉壁3に近接する曲げ管4dには、炉壁3に向かって棒形状のサポート8が設けられている。サポート7は、炉壁2の内面に突出形成された受け具5に載せられており、サポート8は、炉壁3の内面に突出形成された受け具6に載せられている。
また、図示しないが、炉壁3を貫通して炉外に露出しているラジアントチューブ4の一端には、燃料ガス及び空気もしくは燃料ガス及び酸素をラジアントチューブ4内に供給するためのガス供給装置が接続されると共に、ラジアントチューブ4内において燃料ガス及び空気もしくは燃料ガス及び酸素を燃焼するためのバーナが取り付けられている。
また、ラジアントチューブ4の他端には、排ガス顕熱を回収するための図示しない廃熱回収装置が接続されている。
なお、被加熱部材として鋼材の加熱処理を行う場合には、図示しないガス供給装置が、例えば、コークス炉から排出されるメタンガス等を含む、いわゆるCガスを燃料ガスとしてラジアントチューブ4内に供給することができる。
また、ラジアントチューブの監視装置Mは、炉1の炉壁2の外面上に設置されたひずみゲージ9と、炉1の炉壁3の外面上に設置されたひずみゲージ10と、炉1の外部に設置され、ひずみゲージ9及び10と電気的に接続された固着検知部11を有している。ひずみゲージ9及び10は、炉壁2及び3に発生したひずみ量を検出し、固着検知部11は、ひずみゲージ9及び10により検出されたひずみ量に基づいて受け具5とサポート7との固着の有無、及び、受け具6とサポート8との固着の有無を検知する。
ひずみゲージ9は、炉壁2の外面、すなわち鉄皮2aの外面上に設置されて、炉壁2のひずみ量を検出するものである。図1において、ひずみゲージ9は、受け具5の上面の配置位置から、炉壁2の外面の面内方向において、距離L1だけ離れた位置に設置されている。
また、ひずみゲージ10は、炉壁3の外面、すなわち鉄皮3aの外面上に設置されて、炉壁3のひずみ量を検出するものである。図1において、ひずみゲージ10は、受け具6の上面の配置位置から、炉壁3の外面の面内方向において、距離L2だけ離れた位置に設置されている。
これらのひずみゲージ9及び10は、例えば、接着剤を用いて炉壁2及び3の外面に接着することができる。
ところで、長時間にわたる高温状態での使用により、受け具5及びサポート7が固着すると、ラジアントチューブ4に熱応力及びクリープ応力等が作用したときに、サポート7が固着している受け具5を介して炉壁2に対して応力が作用するため、受け具5の取り付け位置を起点として炉壁2にひずみが発生する。そのため、受け具5の取り付け位置に近い箇所ほど炉壁2のひずみ量は大きく、受け具5から遠い箇所ほど炉壁2のひずみ量は小さくなる。したがって、ひずみ量により、受け具5とサポート7との固着を精度良く検知するためには、ひずみゲージ9を受け具5に近い箇所に設置する、すなわち、受け具5の配置位置からひずみゲージ9までの距離L1を短くして、大きなひずみ量を検出することが好ましく、例えば、距離L1は、500mm以内に設定される。
受け具6が取り付けられている炉壁3についても、炉壁2と同様であり、受け具6の配置位置からひずみゲージ10までの距離L2を短くして、大きなひずみ量を検出することが好ましく、例えば、距離L2は、500mm以内に設定される。
また、炉1内の温度変化によるラジアントチューブ4の膨張及び圧縮に起因して炉壁2及び3に発生するひずみは、炉壁2及び3の外面に沿った2軸状態であるため、ひずみゲージ9及び10として、炉壁2及び3の外面の面内方向におけるひずみ量を検出するための直交ひずみゲージを用いることが好ましい。
固着検知部11は、炉1の外側に設置されて、ひずみゲージ9及び10により検出されたひずみ量に基づいて、受け具5とサポート7との固着の有無、及び、受け具6とサポート8との固着の有無を検知する。固着検知部11は、検出されたひずみ量が予め定められた設定値以上であるか否かを監視して、ひずみ量が設定値以上となった場合に、設定値以上のひずみ量を検出したひずみゲージの近傍に位置する受け具とサポートとが互いに固着していると検知する。例えば、図1において、ひずみゲージ9が検出したひずみ量が設定値以上であり、ひずみゲージ10が検出したひずみ量が設定値未満であった場合には、固着検知部11は、ひずみゲージ9の近傍に位置する受け具5及びサポート7が固着していると検知し、ひずみゲージ10の近傍に位置する受け具6及びサポート8は、固着していないと判断する。
また、ひずみゲージ9及び10が検出するひずみ量は、それぞれひずみゲージ9及び10の設置位置、すなわち、距離L1及びL2に応じて変化するため、距離L1及びL2に応じて、設定値を適切な値に予め設定する必要がある。例えば、距離L1及びL2が長い場合には、設定値を小さくすることが好ましく、距離L1及びL2が短い場合には、設定値を大きくすることが好ましい。この設定値は、例えば、シミュレーション等の数値解析及び実際の炉を用いた予備実験等により適切な値に設定されることができる。
このように、本発明の監視装置Mを用いることにより、既存の炉1を改造することなく、受け具とサポートとの固着の有無を検知することができる。
以下では、炉1が操業される際の監視装置Mの動作について説明する。
まず、図示しないガス供給装置によりラジアントチューブ4内に燃料ガス及び空気、もしくは燃料ガス及び酸素が供給されると共に、ラジアントチューブ4の一端に取り付けられた図示しないバーナにより、ラジアントチューブ4内の燃料ガスが燃焼される。これにより、ラジアントチューブ4が加熱され、被加熱部材は、ラジアントチューブ4から放射される熱により間接的に加熱される。
炉1の操業中において、監視装置Mのひずみゲージ9及び10により、常に、炉壁2及び3のひずみ量がそれぞれ検出され、検出されたひずみ量が、固着検知部11に送信される。固着検知部11は、ひずみゲージ9及び10から送信されたそれぞれのひずみ量を、予め設定されている設定値と比較することにより、受け具5とサポート7との固着の有無、及び、受け具6とサポート8との固着の有無を検知する。すなわち、ひずみゲージ9及び10から送信されたそれぞれのひずみ量が設定値以上となったときに、受け具5及びサポート7、並びに、受け具6及びサポート8がそれぞれ固着していると検知する。
以上のように、本発明のラジアントチューブの監視装置Mを用いれば、炉1の操業を続行したまま、また、既存の炉1を改造することなく、受け具5及び6とサポート7及び8との固着の有無を検知することができ、破損の発生が懸念されるラジアントチューブ4を破損前に検知することができる。
なお、図1に示すラジアントチューブ4は、3つの曲げ管4b、4d及び4fを有するW字型のラジアントチューブであるが、炉壁の受け具に載せられたサポートを有するものであれば、曲げ管の数は特に制限されない。すなわち、ラジアントチューブは、1つの曲げ管を有するU字型であっても良く、2つの曲げ管を有していても良い。
また、図1では、1つのラジアントチューブ4のみが示されているが、1つの炉に複数のラジアントチューブを設置することが多い。例えば、被加熱部材として鋼材を加熱するために用いられる炉の場合には、炉内に複数のラジアントチューブが配置される場合もある。このように、炉が複数のラジアントチューブを有する場合には、それぞれのラジアントチューブに対応して炉壁の外面上にひずみゲージを設置し、それぞれのラジアントチューブにおけるサポートと炉壁に突出形成された受け具との固着を検知する必要がある。
また、ラジアントチューブ4は、その配置方向について特に限定されるものではなく、ラジアントチューブ4を鉛直方向に立てて設置しても良く、水平方向に寝かせて設置しても良い。
また、監視装置Mの固着検知部11において、ひずみゲージ9及び10の少なくとも一方が検出したひずみ量が設定値以上となった場合には、そのまま炉1の操業を続行すると、ラジアントチューブ4の破損が発生するおそれが高くなるため、ラジアントチューブ4の燃焼を停止し、破損のおそれのないラジアントチューブのみを燃焼させることで炉1の操業を続行できる。炉1の操業を停止した際には、ラジアントチューブ4を新たなラジアントチューブに交換することが好ましい。特に、1つの炉に複数のラジアントチューブが設置されている場合には、ラジアントチューブ毎に、ラジアントチューブが取り付けられている炉壁部分と共にラジアントチューブを取り外せるように構成することができる。
また、固着検知部11により検知された、受け具5及び6とサポート7及び8との固着の有無を、オペレータに報知する手段を有することもできる。例えば、ひずみゲージ9及び10が検出したひずみ量が設定値以上であった場合に、受け具5及び6とサポート7及び8とが固着している旨を、表示部への表示、警告灯の点灯、音声又は報知音による警告等によりオペレータに知らせることができる。
以下、本発明の具体的実施例を挙げて、本発明のラジアントチューブの監視装置について、より詳細に説明する。ただし、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
実施例1においては、本発明の効果を確認するために、FEM(Finite Element Method:有限要素法)を用いて、炉壁に突出形成される受け具とラジアントチューブのサポートが固着した状態における、ラジアントチューブが熱収縮する場合の受け具及び炉壁の荷重量及びひずみ量を数値解析した。図2に、本実施例のFEMに用いたモデルを示す。図2に示すFEMモデルは、受け具15を有する炉壁12と、炉壁12の外面上に設置されたひずみゲージ19を含んで構成される。ひずみゲージ19は、受け具15の上面から、炉壁12の外面の面内において距離Hだけ離れた位置に配置されている。このFEMモデルにおいて、距離Hを200mm、炉壁12の厚さを6mmとし、更に、受け具15が0〜10000Nの引張力を受けた場合の炉壁の変位及びひずみ量を解析した。
この解析結果を図3に示す。すなわち、図3は、図2に示されるように、炉壁12に沿った水平方向であるx方向及び炉壁12に沿った鉛直方向であるz方向における炉壁のひずみ量Dx及びDzと受け具に負荷される引張力との関係を表すグラフである。図3に示されるように、FEMを用いた数値解析の結果、ひずみ量Dx及びDzは、それぞれ炉壁に作用する引張力の大きさに比例することが明らかとなった。そのため、炉壁の外面上にひずみゲージを設置し、炉壁12に沿ったx方向及びz方向のひずみ量を測定及び監視することにより、固着により炉壁に生じる引張力を検知することができ、その結果、ラジアントチューブの破損発生の可能性を予測することができる。
実施例1においては、ラジアントチューブに熱収縮が発生する場合の解析結果を示したが、ラジアントチューブが熱膨張する場合も同様である。すなわち、ひずみゲージ19が検出した2軸方向のひずみ量が、炉壁12に作用する押付力にそれぞれ比例することを示すことができる。
[実施例2]
実施例2においては、被加熱部材として鋼材の間接加熱を行うラジアントチューブを使用した炉において、炉壁の外面上に直交ひずみゲージを設置し、炉壁の内面に突出形成された受け具とラジアントチューブのサポートとの固着の有無を検知する実験を行った。実施例2において用いた炉及び固着検知部は、図1に示す炉1及び固着検知部11と同一である。また、実施例2において用いた直交ひずみゲージは、図1の炉壁2の外面上に設置されるひずみゲージ9の配置位置、すなわち、炉壁の受け具の上面から、炉壁の外面の面内方向において距離L1だけ離れた位置に設置されている。
表1に、実施例2の実験結果を示す。実施例2においては、表1に示すように、実験A〜実験Fに対応する6つの方法を用いて受け具とサポートとの固着の有無の検知を行った。実験A〜Cでは、距離L1(測定位置)が200mm又は400mmの位置に直交ひずみゲージを設置した。これらの実験では、ひずみ量の設定値を100με(1×10−4)として、直交ひずみゲージにより検出されたひずみ量が100με以上であった際に対象ラジアントチューブの消火措置を行って、又は、ひずみ量が100με以上であっても一定時間炉の操業を続行した後で炉の操業を停止して、受け具とサポートとの固着の有無及びラジアントチューブにおける亀裂発生の有無を目視確認した。実験D〜Fでは、距離L1が800mmの位置に直交ひずみゲージを設置した。これらの実験では、ひずみ量の設定値を50με(5×10−5)として、直交ひずみゲージにより検出されたひずみ量が50με以上であった際に対象ラジアントチューブの消火措置を行って、又は、ひずみ量が50με以上であっても一定時間炉の操業を続行した後で炉の操業を停止して、受け具とサポートとの固着の有無及びラジアントチューブにおける亀裂発生の有無を目視確認した。
実験Aは、距離L1が200mmの位置に直交ひずみゲージを設置し、この直交ひずみゲージにより100με以上のひずみ量を検出した際に、対象ラジアントチューブを消火した。炉の操業停止後、ラジアントチューブを目視確認したところ、受け具とサポートとが固着していたが、ラジアントチューブに亀裂は発生していなかった。
実験Bは、距離L1が200mmの位置に直交ひずみゲージを設置したが、この直交ひずみゲージにより100με以上のひずみ量を検出しなかったため、途中で対象ラジアントチューブを消火せずに一定時間操業させ続けた。炉の操業停止後、ラジアントチューブを目視確認したところ、受け具とサポートとは固着しておらず、ラジアントチューブに亀裂は発生していなかった。
実験Cは、距離L1が400mmの位置に直交ひずみゲージを設置し、この直交ひずみゲージにより100με以上のひずみ量を検出しても、対象ラジアントチューブを消火せずに一定時間操業させ続けた。炉の操業停止後、ラジアントチューブを目視確認したところ、受け具とサポートとは固着しており、ラジアントチューブに亀裂が発生していた。
実験Dは、距離L1が800mmの位置に直交ひずみゲージを設置し、この直交ひずみゲージにより50με以上のひずみ量を検出した際に、対象ラジアントチューブを消火した。炉の操業停止後、ラジアントチューブを目視確認したところ、受け具とサポートとが固着していたが、ラジアントチューブに亀裂は発生していなかった。
実験Eは、距離L1が800mmの位置に直交ひずみゲージを設置し、この直交ひずみゲージにより50με以上のひずみ量を検出しても、対象ラジアントチューブを消火せずに一定時間操業させ続けた。炉の操業停止後、ラジアントチューブを目視確認したところ、受け具とサポートとは固着しており、ラジアントチューブに亀裂が発生していた。
実験Fは、距離L1が800mmの位置に直交ひずみゲージを設置したが、この直交ひずみゲージにより50με以上のひずみ量を検出しなかったため、途中で対象ラジアントチューブを消火せずに一定時間操業させ続けた。炉の操業停止後、ラジアントチューブを目視確認したところ、受け具とサポートとは固着しておらず、ラジアントチューブに亀裂は発生していなかった。
以上の実施例2の結果により、受け具とサポートとが固着していると検知する際に用いる設定値を適切に設定して、炉壁のひずみ量を監視することにより、破損の発生が懸念されるラジアントチューブを破損前に検知することができるという本発明の効果は、明らかである。
1 炉、2,3,12 炉壁、2a,3a 鉄皮、2b,3b 耐火物層、4 ラジアントチューブ、4a,4c,4e,4g 直管、4b,4d,4f 曲げ管、5,6,15 受け具、7,8 サポート、9,10,19 ひずみゲージ、11 固着検知部、L1,L2,H 距離、M 監視装置。

Claims (8)

  1. ラジアントチューブの曲げ部に設けたサポートを炉壁の内面に突出形成された受け具の上に載せることで炉の内部に支持されている前記ラジアントチューブを監視する方法であって、
    前記炉壁の外面上に設置されたひずみゲージにより前記炉壁のひずみ量を検出し、
    検出された前記炉壁のひずみ量に基づいて、前記サポートと前記受け具との固着の有無を検知する
    ことを特徴とするラジアントチューブの監視方法。
  2. 前記ひずみゲージにより検出される前記炉壁のひずみ量が設定値以上になったときに前記サポートと前記受け具とが互いに固着していると検知する請求項1に記載のラジアントチューブの監視方法。
  3. 前記ひずみゲージとして、前記炉壁の前記外面の面内方向におけるひずみ量を検出する直交ひずみゲージが用いられる請求項1又は2に記載のラジアントチューブの監視方法。
  4. 前記ひずみゲージは、前記炉壁の前記外面の面内方向において、前記受け具の配置位置から500mm以内の位置に設置される請求項1〜3のいずれか一項に記載のラジアントチューブの監視方法。
  5. ラジアントチューブの曲げ部に設けたサポートを炉壁の内面に突出形成された受け具の上に載せることで炉の内部に支持されている前記ラジアントチューブを監視する装置であって、
    前記炉壁の外面上に設置され、前記炉壁のひずみ量を検出するひずみゲージと、
    前記ひずみゲージにより検出された前記炉壁のひずみ量に基づいて前記サポートと前記受け具との固着の有無を検知する固着検知部と、
    を有することを特徴とするラジアントチューブの監視装置。
  6. 前記固着検知部は、前記ひずみゲージにより検出される前記炉壁のひずみ量が設定値以上になったときに前記サポートと前記受け具とが互いに固着していると検知する請求項5に記載のラジアントチューブの監視装置。
  7. 前記ひずみゲージは、前記炉壁の前記外面の面内方向におけるひずみ量を検出する直交ひずみゲージである請求項5又は6に記載のラジアントチューブの監視装置。
  8. 前記ひずみゲージは、前記炉壁の前記外面の面内方向において、前記受け具の配置位置から500mm以内の位置に設置される請求項5〜7のいずれか一項に記載のラジアントチューブの監視装置。
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