以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照して詳細に説明する。
まず、本発明の通信システムが適用されるLTE−Aシステムへの適用が想定される通信方式について説明する。図1においては、基地局装置eNBから送信されるビームに垂直方向の指向性を持たせるビームフォーミング及びこれを利用するMIMO(例えば、3D MIMO/ビームフォーミングなどと呼ぶことがある)を示している。図2においては、高周波数帯域において細小化されたアンテナ素子から大量のビームを生成するビームフォーミング及びこれを利用するMIMO(例えば、Massive−antenna MIMO/ビームフォーミングなどと呼ぶことがある)を示している。
図1に示すように、3D MIMO/ビームフォーミングが適用される通信システムにおいては、基地局装置eNBのアンテナから、各ユーザ端末UE#0、UE#1に向けて水平方向に指向性を持ったビームが出力される。一方、各ユーザ端末UE#2、UE#3には、水平方向だけでなく垂直方向に指向性を持ったビームが出力される。このように、基地局装置eNBのアンテナからチルト角の異なるビームを出力させることで、セルC内の空間が複数のセクタ(図1においては、セクタS#1、S#2)に区分けされる。これらのセクタS#1及びS#2は、それぞれインナーセル及びアウターセルと呼ぶこともできる。なお、3D MIMO/ビームフォーミングが適用される基地局装置eNBのアンテナ構成の詳細については後述する。
図2に示すように、Massive−antenna MIMO/ビームフォーミングが適用される通信システムにおいては、高周波数帯域において細小化されたアンテナ素子から大量のビームが生成される。このMassive−antenna MIMO/ビームフォーミングにおいては、アンテナ素子毎に送信ウェイトを変えることで、最大でアンテナ素子数に対応したビームを生成できる。Massive−antenna MIMO/ビームフォーミングでは、各アンテナ素子におけるアンテナ利得の減少が、大量のビームフォーミングゲインにより補償されている。
ここで、図1に示す3D MIMO/ビームフォーミングが適用される基地局装置eNBのアンテナ構成について説明する。ここでは、特に、ビームに垂直方向の指向性を持たせるビームフォーミングを実現するアンテナ構成について説明する。このような基地局装置eNBにおいては、Nを2以上の整数として、N個の通信タイプのそれぞれに対応して少なくとも1つのグループに分けられる複数のアンテナ素子から構成されるアレーアンテナを備える。まず、このアレーアンテナが提供する複数の通信タイプについて説明する。
図3Aは、3D MIMO/ビームフォーミングが適用される基地局装置eNBが備えるアレーアンテナの概念図である。図3Aに示すように、アレーアンテナ10は、一方向に1列に配列された複数のアンテナ素子11から構成されている。図3Aには16個のアンテナ素子11が例示されている。例えば、アレーアンテナ10は、垂直偏波アンテナ10aと水平偏波アンテナ10bとを組み合わせた偏波アンテナで構成される。図3Bは垂直偏波アンテナ10aを単独で示した概念図であり、図3Cは水平偏波アンテナ10bを単独で示した概念図である。偏波アンテナが適用される場合、個々のアンテナ素子11は、それぞれ垂直偏波素子11Vと水平偏波素子11Hのセットで構成される。以下の説明では、無線基地局のアレーアンテナ10が、垂直に立設されている場合について説明するが、環境によってはアレーアンテナ10が斜め(横向きを含む)に配置されてもよい。
第1の通信タイプは、アレーアンテナ10を構成するアンテナ素子11の全体で1つのグループAを形成することによって、アンテナ全体で1つのアンテナブランチを構成するタイプである。第2の通信タイプは、アレーアンテナ10を上下に2分割する2つのグループB1,B2を形成することによって、アンテナ全体で2つのアンテナブランチを構成するタイプである。第3の通信タイプは、アレーアンテナ10を上下に4分割する4つのグループC1,C2,C3,C4を形成することによって、4つのアンテナブランチを構成するタイプである。ここでは、第1から第3の通信タイプを例示するが、アレーアンテナ10を構成するアンテナ素子11の垂直方向の分割数に応じて任意の数の通信タイプを設定可能である。また、最大ブランチ数はアンテナ素子11に応じて適宜選択可能である。
第1から第3の通信タイプの中では、第1の通信タイプが1ブランチを構成するアンテナ長が最も長い(アンテナ素子数が最も多い)。アンテナブランチ数が増えるのに従って1ブランチ当たりのアンテナ長が短くなる(アンテナ素子数が少なくなる)。一般的に、アレーアンテナによってビーム形成する場合、1ブランチ当たりのアンテナ素子数が多くなるのに従って、アンテナ利得が増大し、かつビーム幅を小さくできる。したがって、第1の通信タイプは、アンテナ全体を1アンテナブランチで構成するので、アンテナ利得が最大となり、セルエッジに向けたシャープなビームを形成できる。第2の通信タイプは、1ブランチ当たりのアンテナ素子数が半分であるので、第1の通信タイプに比べて、アンテナ利得が減少し、かつビーム幅が大きくなる。第3の通信タイプは、1ブランチ当たりのアンテナ素子数が第2の通信タイプから更に1/2に減少するので、第2の通信タイプに比べて、アンテナ利得が減少し、かつビーム幅が大きくなる。
3D MIMO/ビームフォーミングが適用される通信システムにおいては、プリコーディングウェイト(以下、単に「ウェイト」という)によってアレーアンテナ10のブランチ構成を切り替えることができる。ここで、アレーアンテナ10のブランチ構成をウェイトによって切り替える構成について説明する。
アレーアンテナ10にはグループ毎にウェイトが掛けられた送信信号がアンテナ素子11に入力される。ウェイトを制御することによってアレーアンテナ10で任意のアンテナブランチを構成できる。図4に示すように、アレーアンテナ10を構成する16個のアンテナ素子11は、最小アンテナブランチ単位(アンテナ素子数=4)で、同一のウェイトが掛けられた送信信号が供給される。図4には2つの送信信号S1,S2を合成可能な構成が示されているが、最大合成数はこれに限定されない。例えば、8アンテナポート伝送を提供する場合は、4つの送信信号S1〜S4を合成可能な構成が望ましい。ただし、送信信号S1〜S4は同一信号であっても良く、アレーアンテナ10に設定されるブランチ構成は送信信号に掛けられるウェイトの内容によって変化する。
第1の通信タイプでは、1つのグループAを構成する全てのアンテナ素子11に対して、同一のウェイトW(例えば、W11、W12、W13、W14=1、1、1、1)を掛けた送信信号S1を入力する。これにより、最大のアンテナ利得で、かつ最小のビーム幅の1つのビームを形成することができる。垂直偏波アンテナ10aと水平偏波アンテナ10bとでそれぞれ1つのビームが形成されるので、アンテナ装置(アレーアンテナ10)によって2つのビームが形成される。したがって、第1の通信タイプは、2アンテナポート伝送を提供できる。ユーザ端末UEが2×2のMIMO伝送をサポートしていれば、2×2のMIMO伝送が実現できる。また、ユーザ端末が1アンテナ伝送の構成であれば、2アンテナ送信、1アンテナ受信を実現でき、SFBC(Space−Frequency Block Coding)による空間周波数送信ダイバーシチを実現できる。
第2の通信タイプでは、グループB1のみを有効ブランチ化する送信信号S1に対してウェイト(W11、W12、W13、W14)=(1、1、0、0)を掛け、グループB2のみを有効ブランチ化する送信信号S2に対してウェイト(W11、W12、W13、W14)=(0、0、1、1)を掛ける。その結果、アレーアンテナ10の各アンテナ素子11には、グループB1を構成するアンテナ素子11に対して有効化するウェイト(W11、W12)=(1、1)を掛け、かつグループB2を構成するアンテナ素子11に対して無効化するウェイト(W13、W14)=(0、0)を掛けた送信信号S1を入力する。同時に、グループB1を構成するアンテナ素子11に対して無効化するウェイト(W11、W12)=(0、0)を掛け、かつグループB2を構成するアンテナ素子11に対して有効化するウェイト(W13、W14)=(1、1)を掛けた送信信号S2を入力する。これにより、グループB1及びB2に対応した2つのアンテナブランチによりビーム1、ビーム2を形成できる。垂直偏波アンテナ10aがビーム1、ビーム2を形成し、同時に水平偏波アンテナ10bがビーム3、ビーム4を形成するので、アレーアンテナ10は合計で4つのビームを並列に形成することができる。並列に形成される4つのビームをセルC内の同一エリアに向けることにより、4アンテナポート伝送が提供される。ユーザ端末が4×4のMIMO伝送をサポートしていれば、4×4のMIMO伝送が実現できる。
第3の通信タイプでは、アレーアンテナ10は、グループC1、C2、C3、C4を構成するブランチ毎にウェイトWを変えることで4ビームを形成できる。垂直偏波アンテナ10aが4ビームを形成し、同時に水平偏波アンテナ10bが4ビームを形成するので、アレーアンテナ10は合計で8つのビームを並列に形成することができる。並列に形成される8つのビームをセル内の同一エリアに向けることにより、8アンテナポート伝送が提供される。
次に、3D MIMO/ビームフォーミングが適用される基地局装置eNBによって提供される垂直セクタ化ビームの生成方法について説明する。なお、本明細書においては、チルト角を変えた複数のビーム(またはビームグループ)によって空間を複数のセクタに区分けすることを便宜的に垂直セクタ化と呼ぶものとする。
図5は、3D MIMO/ビームフォーミングが適用される基地局装置eNBのアレーアンテナ10によって形成される垂直セクタ化ビームの概念図である。ここで、アレーアンテナ10が垂直方向に延在する配置であれば、空間を垂直方向にセクタ化する複数ビームを形成できるが、アレーアンテナ10の傾きによっては必ずしも垂直方向にセクタ化されない。
アレーアンテナ10上で1つのグループAを構成する全アンテナ素子11に入力する送信信号S1に対して、同一のウェイトW(W11、W12、W13、W14=1、1、1、1)を掛けてビーム形成する。これにより、垂直偏波アンテナ10aが送信信号S1に対応してビームV1を形成し、水平偏波アンテナ10bが送信信号S1に対応してビームH1を形成する。アレーアンテナ10全体が1アンテナブランチを構成するので、上記した通信タイプ1によって形成されるビームのように、最大のアンテナ利得で、かつ最小のビーム幅を有するビームV1、H1を形成することができる。例えば、基地局装置eNBは、ビームV1、H1をセルエッジに向けて送信する。セルエッジに向けた同一チルト角を有するビームV1、H1が合成されたビームグループG1によって、2アンテナポート伝送が提供される。
一方、アレーアンテナ10上で1つのグループAを構成する各アンテナ素子11に入力する送信信号S2に、隣接ブランチ間で等間隔の位相差が与えられるようなウェイトW(W11、W12、W13、W14=1、exp(ja)、exp(2ja)、exp(3ja))を掛けてビーム形成する。ここで、記号“a”は位相差、“j”は複素共役を示す。ビームV1、H1のチルト角は、隣接ブランチ間の位相差“a”によって変化する。隣接ブランチ間の位相差“a”が大きくなるのに比例してチルト角が大きくなる。垂直偏波アンテナ10aが送信信号S2に対応してビームV2を形成し、水平偏波アンテナ10bが送信信号S2に対応してビームH2を形成する。例えば、基地局装置eNBは、ビームV2、H2をセル中央に向けて送信するチルト角に設定する。セル中央に向けた同一チルト角を有するビームV2、H2が合成されたビームグループG2によって、2アンテナポート伝送が提供される。ビームグループG2は、ビームV2、H2のチルト角(位相差a)を大きな値に設定することにより、よりセル中央に近い位置に向けたチルト角が設定される。
したがって、3D MIMO/ビームフォーミングが適用される通信システムにおいては、基地局装置eNBによってセルエッジに向けられたビームグループG1(2アンテナポート伝送)と、セル中央に向けられたビームグループG2(2アンテナポート伝送)とを並列に形成することができる。言い換えれば、アレーアンテナ10は、セル空間を垂直方向の複数区画にセクタ化し、ビームグループG1とビームグループG2のチルト角を異ならせて、各垂直セクタに向けてビームグループG1又はG2を形成できる。なお、空間が垂直方向にセクタ化されない場合を含むのであれば、一方のビームグループを第1のエリアに向け、他方のビームグループを第2のエリアに向けることもできる。
なお、図2に示すMassive−antenna MIMO/ビームフォーミングが適用される基地局装置eNBのアンテナ構成については、アンテナ素子数が大幅に増加する点を除き、3D MIMO/ビームフォーミングが適用される基地局装置eNBのアンテナ構成と同様の構成を有する。Massive−antenna MIMO/ビームフォーミングが適用される基地局装置eNBにおいては、通信対象となるユーザ端末UE毎にウェイトを選択し、選択したウェイトを送信信号に掛けて下りリンクで送信する。
3D MIMO/ビームフォーミングやMassive−antenna MIMO/ビームフォーミングなどの新たな通信方式が適用される通信環境においては、基地局装置eNBからユーザ端末UEへのシグナリング量が大幅に増大し得る。本発明者等は、これらの新たな通信方式が適用され、基地局装置eNBからユーザ端末UEへのシグナリング量が大幅に増大し得る通信環境において、どのように同期信号や報知信号等を含む下りリンクの測定対象信号を適切に送信するかといった技術的課題に着目し、本発明に至った。
すなわち、本発明の骨子は、下りリンクの測定対象信号用のプリコーディングウェイトを用いて下りリンクの測定対象信号にプリコーディングを行ってユーザ端末に送信し、ユーザ端末において、上記プリコーディングウェイトを用いて下りリンクの測定対象信号を復調し、当該下りリンクの測定対象信号に基づいて測定処理を行うことである。
以下の説明においては、基地局装置eNBから送信され、ユーザ端末UEで何らかの測定処理を行う必要がある信号を「下りリンクの測定対象信号」又は単に「測定対象信号」と呼ぶものとする。この下りリンクの測定対象信号には、例えば、同期信号、報知信号、制御信号及びページング信号などが含まれるが、これらに限定されるものではない。下りリンクの測定対象信号には、ユーザ端末UEで測定処理が必要であり、プリコーディングウェイト(以下、単に「ウェイト」という)によるプリコーディングが行われていない任意の信号を含むことができる。
下りリンクの測定対象信号を構成する同期信号には、例えば、PSS/SSS(Primary Synchronization Signal/Secondary Synchronization Signal)が含まれる。また、報知信号には、マスタ情報ブロック(MIB:Master Information Block)やシステム情報ブロック(SIB:System Information Block)が含まれる。さらに、制御信号には、PDCCH(Physical Downlink Control CHannel)やePDCCH(enhanced PDCCH)が含まれる。
ここで、ePDCCHは、PDSCH(Physical Downlink Shared CHannel)領域(データ信号領域)内の所定周波数帯域をPDCCH領域(制御信号領域)として使用するものである。PDSCH領域に割り当てられたePDCCHは、DM−RS(Demodulation−Reference Signal)を用いて復調される。なお、ePDCCHは、FDM型PDCCHと呼ばれてもよいし、UE−PDCCHと呼ばれてもよい。
本発明の第1の態様は、基地局装置eNBから、下りリンクの測定対象信号用のウェイトを用いて下りリンクの測定対象信号にプリコーディングを行ってユーザ端末UEに送信し、ユーザ端末UEにおいて、上記ウェイトを用いて下りリンクの測定対象信号を復調し、当該下りリンクの測定対象信号に基づいて測定処理を行う通信システムを提供する。
第1の態様においては、基地局装置eNBから、下りリンクの測定対象信号に対して下りリンクの測定対象信号用のウェイトを用いてプリコーディングが行われてユーザ端末UEに送信される。ユーザ端末UEにおいては、同じく下りリンクの測定対象信号用のウェイトを用いて復調され、復調後の下りリンクの測定対象信号に基づいて測定処理が行われる。このため、下りリンクの測定対象信号に対するプリコーディング及び復調を、基地局装置eNB及びユーザ端末UEで共通のウェイトを用いて行うことができるので、下りリンク共有データチャネル信号と下りリンクの測定対象信号とを適切に識別できる。これにより、3D MIMO/ビームフォーミングやMassive−antenna MIMO/ビームフォーミングなどの新たな通信方式が適用される通信環境においても、同期信号や報知信号等を含む下りリンクの測定対象信号を適切にユーザ端末UEに送信できる。この結果、これらの新たな通信方式が適用される通信システムの本来の性能を十分に発揮することが可能となる。
第1の態様において、基地局装置eNBは、下りリンクの測定対象信号用のウェイトとして、予め定められた一又は複数のウェイトを用いて下りリンクの測定対象信号に対するプリコーディングを行うことができる。この場合には、下りリンクの測定対象信号に対するプリコーディングに用いられるウェイトが予め定められることから、ウェイトを生成する処理を省略すると共に、誤ったウェイトの選択に起因する誤動作等の発生を抑制できる。
また、第1の態様において、基地局装置eNBは、予め定められた一又は複数のウェイトから特定のウェイトを選択して、下りリンクの測定対象信号に対するプリコーディングを行うことができる。例えば、基地局装置eNBは、(1)特定のユーザ端末UEに共通のウェイトを選択する方法と、(2)ユーザ端末UE毎に固有のウェイトを選択する方法とを切り替えることができる。前者においては、特定のユーザ端末UEに共通のウェイトが選択されることから、特定のユーザ端末UEの属性に適したウェイトを選択できる。一方、後者においては、ユーザ端末UE毎に固有のウェイトが選択されることから、各ユーザ端末UEで確実に下りリンクの測定対象信号を復調できる。
上記(1)の方法において、特定のユーザ端末UEを選択する方法としては、(1a)全てのユーザ端末UEを特定のユーザ端末UEとして選択する方法や、(1b)一定の基準に基づいてグループ化された1又は複数のユーザ端末UEを特定のユーザ端末UEに選択する方法が考えられる。前者においては、全てのユーザ端末UEに共通のウェイトが用いられる。このため、ウェイト選択に要する制御を不要とすると共に、プリコーディングに用いられるウェイトの数を削減できる。一方、後者においては、各グループに属するユーザ端末UE毎に共通のウェイトが用いられる。このため、各グループに属するユーザ端末UEの属性(例えば、位置)に適したウェイトを選択できる。
また、上記(1b)の方法において、ユーザ端末UEをグループ化する一定の基準については、例えば、ユーザ端末UEの位置を基準にグループ化する方法や、基地局装置eNBのアレーアンテナを構成するアンテナ素子の種別を基準にグループ化する方法が考えられる。前者においては、例えば、地理的に近いユーザ端末UEが同一のグループに属することとなる。このため、地理的に近いユーザ端末UEに適したウェイトを選択できる。一方、後者においては、例えば、共通のアンテナ素子から信号を受信するユーザ端末UEが同一のグループに属することとなる。このため、3D MIMO/ビームフォーミングやMassive−antenna MIMO/ビームフォーミングの適用時にアンテナ素子の種別に応じて異なるウェイトが選択される場合に最適なウェイトを選択できる。
なお、基地局装置eNBは、下りリンクの測定対象信号に含まれる全ての信号に選択された同一のウェイトを用いてプリコーディングを行うことができる。また、下りリンクの測定対象信号に含まれる一部の信号にのみ、選択されたウェイトを用いてプリコーディングを行うこともできる。例えば、下りリンクの測定対象信号が、同期信号、報知信号、制御信号及びページング信号で構成される場合、基地局装置eNBは、同期信号及び報知信号のみに選択されたウェイトを用いてプリコーディングを行うことができる。これにより、特定の測定対象信号のみに選択されたウェイトでプリコーディングを行うことができるので、ユーザ端末UEとの間で特定の測定対象信号を共有することを前提として、必要な測定対象信号のみをユーザ端末UEに送信できる。
また、基地局装置eNBは、上記(1)、(2)の方法で選択されたウェイトや、上記(1a)、(1b)の方法により決定された特定のユーザ端末UEや、上記(1b)の方法により選択されたグループ等を時間、周波数、空間領域で切り替えるようにしてもよい。例えば、(1)特定のユーザ端末UEに共通のウェイトを選択する方法を用いた場合には、時間領域で異なるウェイトを選択して切り替えるようにしてもよい。また、例えば、(1b)一定の基準に基づいてグループ化された1又は複数のユーザ端末UEを特定のユーザ端末UEに選択する方法を用いた場合には、時間、周波数、または空間領域で異なる特定のユーザ端末UEを選択して切り替えるようにしてもよい。
また、基地局装置eNBは、上記(1)、(2)の方法間でウェイトの選択方法を切り替えた場合のウェイトや、上記(1a)、(1b)の方法により決定された特定のユーザ端末UEや、上記(1b)の方法により選択されたグループ等の情報をユーザ端末UEに通知するようにしても良い。例えば、これらの情報は、上位レイヤシグナリング信号(例えば、RRCシグナリング)を用いて通知することができる。また、報知信号や下りリンク制御チャネル信号(PDCCH)を用いてこれらの情報を通知することもできる。このように選択されたウェイトや、選択された特定のユーザ端末UEを通知することにより、通知されたユーザ端末UEとの間で測定対象信号を復調するために必要な情報を確実に共有できる。
さらに、上記(1b)の方法において、ユーザ端末UEをグループ化する際には、予め定められた数のグループに分けることもできる。例えば、10個のグループを予め定めておき、ユーザ端末UEの位置を基準に各グループにグループ分けすることができる。この場合には、ユーザ端末UEで10個の各グループで用いられるウェイトを予め把握しておくことにより、基地局装置eNBから選択されたグループ等の情報を通知する必要がなくなる。これにより、ユーザ端末UEにおける測定処理の負荷が上昇するが、基地局装置eNBからユーザ端末UEに対するシグナリング量を低減できる。
一方、第1の態様において、ユーザ端末UEは、下りリンクの測定対象信号用のウェイトを予め保持しておくか、或いは、基地局装置eNBで選択されたウェイトの通知を受ける。そして、基地局装置eNBとの通信過程において、ユーザ端末UEは、上記ウェイトを用いて下りリンクの測定対象信号を復調し、その下りリンクの測定対象信号に基づいて測定処理を行う。また、ユーザ端末UEは、下りリンクの測定対象信号の種別に応じて、測定結果を基地局装置eNBに送信(フィードバック)することができる。
基地局装置eNBにて、上記(1)、(2)の方法が選択される場合、ユーザ端末UEは、予め定められたウェイト又は上位レイヤシグナリング等で通知されたウェイトを用いて下りリンクの測定対象信号を復調することができる。特に、上記(1a)、(2)の方法が選択される場合には、ユーザ端末UEにおいて、予め定められたウェイトを用いて下りリンクの測定対象信号を復調することが好ましい。これらの場合には、ユーザ端末UEにおける測定処理に基づく負荷が相対的に小さいからである。一方、上記(1b)の方法が選択される場合には、ユーザ端末UEにおいて、上位レイヤシグナリング等で通知されたウェイトを用いて下りリンクの測定対象信号を特定することが好ましい。この場合には、ユーザ端末UEにおける測定処理に基づく負荷が相対的に大きいからである。
ここで、ユーザ端末UEにおける下りリンクの測定対象信号に対する測定処理について説明する。ユーザ端末UEで行われる測定処理は、下りリンクの測定対象信号の種別に応じて必要となる処理が異なる。以下においては、LTE−Aシステムにおいて、ユーザ端末UEが基地局装置eNBとの間の通信過程を参照しながら、測定処理の内容について説明する。なお、ここでは、下りリンクの測定対象信号が、同期信号、報知信号、制御信号及びページング信号で構成される場合について説明するものとする。
LTE−Aシステムにおいて、ユーザ端末UEが基地局装置eNBとの間でデータチャネル/制御チャネルの送受信を開始するためには、次の手順が発生する。
(1)同期確立
ユーザ端末UEは、基地局装置eNBから同期信号を受信すると、基地局装置eNBとの間で同期を確立する。第1の態様において、同期信号には、基地局装置eNBで選択されたウェイトによりプリコーディングを行うことができる。ユーザ端末UEにおいては、予め定められたウェイト又は上位レイヤシグナリング等で通知されたウェイトを用いて、この同期信号を復調し、復調後の同期信号に基づいて測定処理を行うことで、基地局装置eNBとの間で同期を確立させる。すなわち、同期信号に対する測定処理とは、同期の確立に先立って同期信号を検出するための処理に相当する。
(2)MEASUREMENT
ユーザ端末UEは、基地局装置eNBから報知信号を受信すると、基地局装置eNBからの受信信号電力を測定する(MEASUREMENT)。同期信号と同様に、報知信号には、基地局装置eNBで選択されたウェイトによりプリコーディングを行うことができる。ユーザ端末UEにおいては、予め定められたウェイト又は上位レイヤシグナリング等で通知されたウェイトを用いて、この報知信号を復調し、復調後の報知信号に基づいて基地局装置eNBからの受信信号電力を測定する。すなわち、報知信号に対する測定処理とは、報知信号に基づいて基地局装置eNBからの受信信号電力を測定する処理に相当する。なお、ユーザ端末UEは、複数のセルについての受信信号電力を測定し、測定結果をMEASUREMENTレポートとして基地局装置eNBに送信(フィードバック)する。
(3)CSIフィードバック
ユーザ端末UEは、下り参照信号(CSI−RS)を受信してチャネル品質を測定し、CSI情報(CQI、PMI、RI)を基地局装置eNBへフィードバックする。
(4)データ信号/制御信号の送信
基地局装置eNBは、ユーザ端末UEに送信するデータ信号/制御信号に対してCSI情報に基づいてリソースを割り当て、ユーザ端末UEに対してデータ信号/制御信号を送信する。同期信号や報知信号と同様に、制御信号には、基地局装置eNBで選択されたウェイトによりプリコーディングを行うことができる。ユーザ端末UEにおいては、予め定められたウェイト又は上位レイヤシグナリング等で通知されたウェイトを用いて、この制御信号を復調し、復調後の制御信号に基づいて測定処理を行うことで、制御信号に含まれる制御情報を取得する。すなわち、制御信号に対する測定処理とは、制御情報の取得に先立って制御信号を検出するための処理に相当する。
(5)ページング信号の送信
ネットワーク側の主導でコネクション設定を行う場合、基地局装置eNBは、ページング信号(ページングチャネル)をユーザ端末UEに送信する。同期信号や報知信号と同様に、ページング信号には、基地局装置eNBで選択されたウェイトによりプリコーディングを行うことができる。ユーザ端末UEにおいては、予め定められたウェイト又は上位レイヤシグナリング等で通知されたウェイトを用いて、このページング信号を復調し、復調後のページング信号に基づいて測定処理を行うことで、ページング信号に含まれるページングメッセージを取得する。すなわち、ページング信号に対する測定処理とは、ページングメッセージの取得に先立ってページング信号を検出するための処理に相当する。
このように本発明の第1の態様においては、通信過程の各フェーズにおいて、下りリンクの測定対象信号に対するプリコーディング及び復調を、基地局装置eNB及びユーザ端末UEで共通のウェイトを用いて行うことができるので、下りリンク共有データチャネル信号と下りリンクの測定対象信号とを適切に識別できる。これにより、3D MIMO/ビームフォーミングやMassive−antenna MIMO/ビームフォーミングなどの新たな通信方式が適用される通信環境においても、同期信号や報知信号等を含む下りリンクの測定対象信号を適切にユーザ端末UEに送信できる。この結果、これらの新たな通信方式が適用される通信システムの本来の性能を十分に発揮することが可能となる。
本発明の第2の態様は、基地局装置eNBから、下りリンク共有チャネルデータの送信に用いられる周波数帯と異なる周波数帯に下りリンクの測定対象信号をマッピングしてユーザ端末UEに送信し、ユーザ端末UEにおいて、下りリンク共有チャネルデータ用の周波数帯と異なる周波数帯で下りリンクの測定対象信号を受信し、この下りリンクの測定対象信号に基づいて測定処理を行う通信システムを提供する。なお、第2の態様においても、下りリンクの測定対象信号には、例えば、同期信号、報知信号、制御信号及びページング信号などが含まれるが、これらに限定されるものではない。
第2の態様においては、基地局装置eNBから、下りリンク共有チャネルデータの送信に用いられる周波数帯と異なる周波数帯に下りリンクの測定対象信号がマッピングされてユーザ端末UEに送信される。ユーザ端末UEにおいては、下りリンク共有チャネルデータ用の周波数帯と異なる周波数帯で下りリンクの測定対象信号を受信し、この下りリンクの測定対象信号に基づいて測定処理が行われる。このため、下りリンク共有チャネルデータ用の周波数帯と異なる周波数帯で下りリンクの測定対象信号を通信できるので、下りリンク共有データチャネル信号と下りリンクの測定対象信号とを適切に識別できる。これにより、3D MIMO/ビームフォーミングやMassive−antenna MIMO/ビームフォーミングなどの新たな通信方式が適用される通信環境においても、同期信号や報知信号等を含む下りリンクの測定対象信号を適切にユーザ端末UEに送信できる。この結果、これらの新たな通信方式が適用される通信システムの本来の性能を十分に発揮することが可能となる。
第2の態様において、基地局装置eNBは、下りリンクの測定対象信号の送信に用いられる周波数帯として相対的に低い周波数帯(例えば、2GHz帯)を用いる一方、下りリンク共有チャネルデータの送信に用いられる周波数帯として相対的に高い周波数帯(例えば、3.5GHz帯)を用いることができる。この場合、基地局装置eNBは、相対的に高い周波数帯に3D MIMO/ビームフォーミングやMassive−antenna MIMO/ビームフォーミングを適用して下りリンク共有チャネルデータを送信できる。また、相対的に低い周波数帯には、既存のLTEシステムで利用される周波数帯を利用できる。
また、第2の態様において、基地局装置eNBは、下りリンクの測定対象信号の送信に用いられる周波数帯及び下りリンク共有チャネルデータの送信に用いられる周波数帯として、予め定められた周波数帯を用いることができる。この場合には、下りリンクの測定対象信号及び下りリンク共有チャネルデータ用の周波数帯が予め定められることから、ユーザ端末UEにおいて、確実に下りリンク共有データチャネル信号と下りリンクの測定対象信号とを適切に識別できる。
さらに、第2の態様において、基地局装置eNBは、下りリンクの測定対象信号の送信に用いられる周波数帯及び下りリンク共有チャネルデータの送信に用いられる周波数帯を、予め定められた周波数帯から選択することができる。この場合には、下りリンクの測定対象信号及び下りリンク共有チャネルデータ用の周波数帯が予め定められた周波数帯から選択されることから、下りリンクの測定対象信号に適した周波数帯を選択でき、効果的に下りリンクの測定対象信号をユーザ端末UEに送信できる。
なお、下りリンクの測定対象信号及び下りリンク共有チャネルデータ用の周波数帯が予め定められた周波数帯から選択する場合、基地局装置eNBは、選択した周波数帯をユーザ端末UEに通知するようにしても良い。例えば、これらの情報は、上位レイヤシグナリング信号(例えば、RRCシグナリング)を用いて通知することができる。また、報知信号や下りリンク制御チャネル信号(PDCCH)を用いてこれらの情報を通知することもできる。このように選択された下りリンクの測定対象信号及び下りリンク共有チャネルデータ用の周波数帯を通知することにより、通知されたユーザ端末UEとの間で無線通信に必要な情報を確実に共有できる。
以下、第2の態様に係る通信システムが適用されるネットワーク構成について説明する。図6は、本発明に係る通信システムが適用されるネットワーク構成の一例を示す図である。なお、図6においては、本発明に係る通信システムがヘテロジーニアスネットワーク(以下、適宜「HetNet」という)に適用される場合について示している。
図6に示すHetNet構成においては、マクロセルMとスモールセルSとが別周波数(F1、F2)で運用されている。マクロセルMとスモールセルSとを別周波数(F1、F2)で運用するためには、LTE−Aに規定されるキャリアアグリゲーションを用いることができる。Rel−10においては、既存システム(LTE)のシステム帯域を1単位とする複数のコンポーネントキャリア(CC: Component Carrier)を束ねて広帯域化するキャリアアグリゲーションが規定されている。
図6に示すHetNet構成は、スモールセルSにおいて従来のセルIDの概念がない、ユーザデータの伝送に特化した無線インターフェイス(NCT: New Carrier Type)を適用するコンセプトである。なお、スモールセルSの無線通信方式では、既存のキャリアとは異なる新たなキャリア(NCT)が用いられるが、この新たなキャリアは追加キャリア(Additional carrier)と呼ばれてもよいし、拡張キャリア(extension carrier)と呼ばれてもよい。
図6に示すHetNet構成においては、制御信号を伝送するC(Control)−plane及びユーザデータを伝送するU(User)−planeを、それぞれマクロセルM及びスモールセルSで別々にサポートする。例えば、マクロセルMがサポートするC−planeを2GHz帯で運用でき、スモールセルSがサポートするU−planeを3.5GHz帯で運用できる。
第2の態様においては、このようなHetNet構成が適用される通信システムにおいて、マクロセルMの基地局装置eNBから下りリンクの測定対象信号を送信する一方、スモールセルSの基地局装置eNBから、3D MIMO/ビームフォーミングやMassive−antenna MIMO/ビームフォーミングを適用して下りリンク共有チャネルデータを送信する。これにより、下りリンク共有チャネルデータ用の周波数帯と異なる周波数帯で下りリンクの測定対象信号をユーザ端末UEに送信できるので、ユーザ端末UEにて下りリンク共有データチャネル信号と下りリンクの測定対象信号とを適切に識別できる。この結果、ユーザ端末UEの移動に対する高い接続性を保持しつつ、広い帯域幅を用い、マクロセル/スモールセル間で干渉が生じない高速通信が実現できる。
特に、第2の態様においては、3D MIMO/ビームフォーミングやMassive−antenna MIMO/ビームフォーミングを適用して下りリンク共有チャネルデータを、ユーザデータの伝送に特化したNew Carrier Typeが適用される周波数帯にマッピングして送信できる。これにより、既存の制御信号(例えば、PDCCH)の割当て領域を持たないNew Carrier Typeを有効に活用しながら、下りリンク共有チャネルデータを送信できる。
以上の説明においては、本発明の第1の態様と、第2の態様とを別々に説明しているが、これらを組み合わせて構成することもできる。例えば、基地局装置eNBにおいて、通信環境の変化に応じて、第1の態様に関する制御と、第2の態様に関する制御とを切り替えることができる。この場合、通信環境の変化とは、通信対象となるユーザ端末UEの数や、通信対象となるユーザ端末UEの通信能力等が考えられる。このように第1の態様に関する制御と、第2の態様に関する制御とを切り替えることにより、下りリンクの測定対象信号の送信態様を適宜切り替えることができる。これにより、通信環境の変化に柔軟に対応しながら、下りリンクの測定対象信号を適切にユーザ端末UEに送信することが可能となる。
次に、図7を参照しながら、本実施の形態に係るユーザ端末UEを構成する移動局装置100(以下、「移動局100」という)及び基地局装置eNodeBを構成する基地局装置200(以下、「基地局200」という)を有する通信システム1について説明する。図7は、本実施の形態に係る移動局100及び基地局200を有する通信システム1の構成の説明図である。なお、図7に示す通信システム1は、例えば、LTEシステム又はSUPER 3Gが包含されるシステムである。また、この移動通信システム1は、IMT−Advancedと呼ばれても良いし、4Gと呼ばれても良い。
図7に示すように、通信システム1は、基地局200と、この基地局200と通信する複数の移動局100(1001、1002、1003、・・・100n、nはn>0の整数)とを含んで構成されている。基地局200は、上位局装置300と接続され、この上位局装置300は、コアネットワーク400と接続される。移動局100は、セル500において基地局200と通信を行っている。なお、上位局装置300には、例えば、アクセスゲートウェイ装置、無線ネットワークコントローラ(RNC)、モビリティマネジメントエンティティ(MME)等が含まれるが、これに限定されるものではない。上述した第2の態様に係る通信システム1において、基地局200は、マクロセルM又はスモールセルSの基地局装置を構成する。
各移動局(1001、1002、1003、・・・100n)は、同一の構成、機能、状態を有するので、以下においては、特段の断りがない限り移動局100として説明を進める。また、説明の便宜上、基地局200と無線通信するのは移動局100であるものとして説明するが、より一般的には移動端末装置も固定端末装置も含むユーザ装置(UE:User Equipment)でよい。
通信システム1においては、無線アクセス方式として、下りリンクについてはOFDMA(直交周波数分割多元接続)が、上りリンクについてはSC−FDMA(シングルキャリア−周波数分割多元接続)が適用される。OFDMAは、周波数帯域を複数の狭い周波数帯域(サブキャリア)に分割し、各サブキャリアにデータをマッピングして通信を行うマルチキャリア伝送方式である。SC−FDMAは、システム帯域を端末毎に1つ又は連続したリソースブロックからなる帯域に分割し、複数の端末が互いに異なる帯域を用いることで、端末間の干渉を低減するシングルキャリア伝送方式である。
ここで、LTE/LTE-Aシステムにおける通信チャネルについて説明する。下りリンクについては、各移動局10で共有されるPDSCHと、下りL1/L2制御チャネル(PDCCH、PCFICH、PHICH)とが用いられる。このPDSCHにより、ユーザデータ、すなわち、通常のデータ信号が伝送される。送信データは、このユーザデータに含まれる。なお、無線基地局200で移動局100に割り当てたコンポーネントキャリア(CC)やスケジューリング情報は、L1/L2制御チャネルにより移動局100に通知される。
上りリンクについては、各移動局100で共有して使用されるPUSCHと、上りリンクの制御チャネルであるPUCCHとが用いられる。このPUSCHにより、ユーザデータが伝送される。また、PUCCHにより、下りリンクの無線品質情報(CQI:Channel Quality Indicator)等が伝送される。
図8は、本実施の形態に係る基地局200の構成を示すブロック図である。図9は、本実施の形態に係る移動局100の構成を示すブロック図である。なお、図8及び図9に示す基地局200及び移動局100の構成は、本発明を説明するために簡略化したものであり、それぞれ通常の基地局装置及び移動局装置が有する構成は備えているものとする。
図8に示す基地局200において、不図示のスケジューラは、後述するチャネル推定部215#1〜215#Kから与えられるチャネル推定値に基づいて多重するユーザ数(多重ユーザ数)を決定する。そして、各ユーザに対する上下リンクのリソース割り当て内容(スケジューリング情報)を決定し、ユーザ#1〜#Kに対する送信データ#1〜#Kを対応するチャネル符号化部201#1〜201#Kに送出する。
送信データ#1〜#Kは、チャネル符号化部201#1〜201#Kでチャネル符号化された後、データ変調部202#1〜202#Kに出力され、データ変調される。この際、チャネル符号化及びデータ変調は、後述するMIMO切替部221#1〜221#Kから与えられるチャネル符号化率及び変調方式に基づいて行われる。データ変調部202#1〜202#Kでデータ変調された送信データ#1〜#Kは、不図示の離散フーリエ変換部で逆フーリエ変換され、時系列の信号から周波数領域の信号に変換されてサブキャリアマッピング部203に出力される。
サブキャリアマッピング部203においては、送信データ#1〜#Kを、後述するリソース割当制御部220から与えられるリソース割当情報に応じてサブキャリアにマッピングする。このとき、サブキャリアマッピング部203は、不図示の制御信号生成部から入力される制御信号#1〜#K、同期信号生成部から入力される同期信号、報知信号生成部から入力される報知信号、ページング信号生成部から入力されるページング信号を送信データ#1〜#Kと共にサブキャリアにマッピング(多重)する。このようにしてサブキャリアにマッピングされた送信データ#1〜#Kがプリコーディング乗算部204#1〜204#Kに出力される。
例えば、上述した第2の態様において、サブキャリアマッピング部203は、下りリンクの測定対象信号を構成する制御信号、同期信号、報知信号及びページング信号をマクロセルMで運用される低い周波数帯(例えば、2GHz帯)のサブキャリアにマッピングする。一方、サブキャリアマッピング部203は、送信データ#1〜#Kを、スモールセルSで運用される高い周波数帯(例えば、3.5GHz帯)のサブキャリアにマッピングする。すなわち、サブキャリアマッピング部203は、マッピング処理部を構成する。この場合、リソース割当制御部220は、測定対象信号に割り当てられるリソース割当情報及び送信データ#1〜#Kに割り当てられるリソース割当情報をサブキャリアマッピング部203に与える。
プリコーディング乗算部204#1〜204#Kは、後述するプリコーディングウェイト選択部219から与えられるウェイトに基づいて、アンテナTX#1〜TX#N毎に送信データ#1〜#Kを位相及び/又は振幅シフトする(プリコーディングによるアンテナTX#1〜アンテナTX#Nの重み付け)。プリコーディング乗算部204#1〜204#Kは、プリコーディングウェイト選択部219から与えられるウェイトによって通信タイプ(通信タイプ1から通信タイプ3)を選択可能であると共に、垂直セクタ化ビームのON/OFFを切り替えることができる。プリコーディング乗算部204#1〜204#Kにより位相及び/又は振幅シフトされた送信データ#1〜#Kは、マルチプレクサ(MUX)205に出力される。
マルチプレクサ(MUX)205においては、位相及び/又は振幅シフトされた送信データ#1〜#Kを合成し、アンテナTX#1〜TX#N毎の送信信号を生成する。マルチプレクサ(MUX)205により生成された送信信号は、逆高速フーリエ変換部(IFFT)206#1〜206#Nにて逆高速フーリエ変換して周波数領域の信号から時間領域の信号に変換される。そして、サイクリックプレフィクス(CP)付加部207#1〜207#NにてCPが付加された後、RF送信回路208#1〜208#Nへ出力される。そして、RF送信回路208#1〜208#Nで無線周波数帯に変換する周波数変換処理が施された後、デュプレクサ(Duplexer)209#1〜209#Nを介してアンテナTX#1〜TX#Nに出力され、アンテナTX#1〜TX#Nから下りリンクで移動局100に送出される。なお、アンテナTX#1〜TX#Nは、例えば、図1に示すアレーアンテナ10で構成される。
一方、移動局100から上りリンクで送出された送信信号は、アンテナTX#1〜TX#Nにより受信され、デュプレクサ(Duplexer)209#1〜209#Nにて送信経路と受信経路とに電気的に分離された後、RF受信回路210#1〜210#Nに出力される。そして、RF受信回路210#1〜210#Nにて、無線周波数信号からベースバンド信号に周波数変換される。周波数変換されたベースバンド信号は、CP除去部211#1〜211#NにてCPが除去された後、高速フーリエ変換部(FFT部)212#1〜212#Nに出力される。受信タイミング推定部213は、受信信号に含まれる参照信号から受信タイミングを推定し、その推定結果をCP除去部211#1〜211#Nに通知する。FFT部212#1〜212#Nは、入力された受信信号をフーリエ変換し、時系列の信号から周波数領域の信号に変換する。これらの周波数領域の信号に変換された受信信号は、データチャネル信号分離部214#1〜214#Kに出力される。
データチャネル信号分離部214#1〜214#Kは、FFT部212#1〜212#Nから入力された受信信号を、例えば、平均2乗誤差最小(MMSE:Minimum Mean Squared Error)や最尤推定検出(MLD:Maximum Likelihood Detection)信号分離法により分離する。これにより、移動局100から到来した受信信号は、ユーザ#1〜ユーザ#Kに関する受信信号に分離される。チャネル推定部215#1〜215#Kは、データチャネル信号分離部214#1〜214#Kで分離された受信信号に含まれる参照信号からチャネル状態を推定し、推定したチャネル状態を制御チャネル復調部216#1〜216#Kに通知する。
データチャネル信号分離部214#1〜214#Kにより分離されたユーザ#1〜ユーザ#Kに関する受信信号は、不図示のサブキャリアデマッピング部にてデマッピングされて時系列の信号に戻された後、データ復調部217#1〜217#Kでデータ復調される。そして、図示しないチャネル復号部#1〜#Kにてチャネル復号されることで送信信号#1〜送信信号#Kが再生される。
制御チャネル復調部216#1〜216#Kは、データチャネル信号分離部214#1〜214#Kで分離された受信信号に含まれる制御チャネル信号(例えば、PUCCH)を復調する。この際、制御チャネル復調部216#1〜216#Kにおいては、チャネル推定部215#1〜215#Kから通知されたチャネル状態に基づいて、それぞれユーザ#1〜ユーザ#Kに対応する制御チャネル信号を復調する。制御チャネル復調部216#1〜216#Kにより復調された各制御チャネル信号は、グループ選択/通信タイプ/CSI情報更新部218#1〜218#Kに出力される。
グループ選択/通信タイプ/CSI情報更新部218#1〜218#Kは、制御チャネル復調部216#1〜216#Kから入力された各制御チャネル信号(例えば、PUCCH)に含まれるチャネル状態情報(CSI)を抽出し、常にCSIを最新の状態に更新する。例えば、CSIには、PMI、RI及びCQIが含まれる。また、グループ選択/通信タイプ/CSI情報更新部218#1〜218#Kは、上位局装置300から通知される移動局100毎の通信タイプ情報を保持し、常に通信タイプ情報を最新の状態に更新する。通信タイプ情報は、例えば、上位局装置300から上位制御信号で通知される。
上述した第1の態様において、グループ選択/通信タイプ/CSI情報更新部218#1〜218#Kは、上記(1b)の方法に従って移動局100が属するグループを選択する。例えば、グループ選択/通信タイプ/CSI情報更新部218#1〜218#Kは、移動局100の位置を基準に移動局100が属するグループを選択でき、或いは、基地局200のアレーアンテナ10を構成するアンテナ素子の種別を基準に移動局100が属するグループを選択できる。グループ選択/通信タイプ/CSI情報更新部218#1〜218#Kは、グループを選択した場合には、常に最新のグループに関する情報(グループ情報)を保持する。
グループ選択/通信タイプ/CSI情報更新部218#1〜218#Kに更新されるグループ情報、CSI及び通信タイプ情報は、それぞれプリコーディングウェイト選択部219、リソース割当制御部220及びMIMO切替部221#1〜221#Kに出力される。
プリコーディングウェイト選択部219は、グループ選択/通信タイプ/CSI情報更新部218#1〜218#Kから入力されたグループ情報、CSI及び通信タイプ情報に基づいて、送信データ#1〜#Kに対する位相及び/又は振幅シフト量を示すウェイトを選択する。選択された各ウェイトは、プリコーディング乗算部204#1〜204#Kに出力され、送信データ#1〜送信データ#Kのプリコーディングに利用される。これらのプリコーディングウェイト選択部219及びプリコーディング乗算部204#1〜204#Kは、プリコーディング処理部を構成する。
例えば、上述した第1の態様において、プリコーディングウェイト選択部219は、下りリンクの測定対象信号に対して乗算される一又は複数のウェイトを予め保持する。また、プリコーディングウェイト選択部219は、予め保持されたウェイトから、特定の移動局100に共通のウェイトを選択し、或いは、移動局100毎に固有のウェイトを選択できる(上記(1)、(2)のウェイト選択方法)。また、特定の移動局100を決定する際、プリコーディングウェイト選択部219は、全ての移動局100を選択し、或いは、一定の基準に基づいてグループ化された1又は複数の移動局100を選択できる(上記(1a)、(1b)のUE選択方法)。さらに、一定の基準に基づいて移動局100をグループ化する際、プリコーディングウェイト選択部219は、移動局100の位置を基準にグループ化し、或いは、基地局200のアレーアンテナを構成するアンテナ素子の種別を基準にグループ化できる。
なお、グループ選択/通信タイプ/CSI情報更新部218#1〜218#K及びプリコーディングウェイト選択部219で選択された情報は、上位制御情報として、送信データに含めて移動局100に送信される。
リソース割当制御部220は、グループ選択/通信タイプ/CSI情報更新部218#1〜218#Kから入力されたCSI及び通信タイプ情報に基づいて、各移動局100に割り当てるリソース割当情報を決定する。リソース割当制御部220により決定されたリソース割当情報は、サブキャリアマッピング部203に出力され、送信データ#1〜送信データ#Kのマッピングに利用される。
例えば、上述した第2の態様において、リソース割当制御部220は、測定対象信号に割り当てられるリソース割当情報として、マクロセルMで運用される低い周波数帯(例えば、2GHz帯)のサブキャリアに対するリソース割当情報を決定する。一方、リソース割当制御部220は、送信データ#1〜#Kに割り当てられるリソース割当情報として、スモールセルSで運用される高い周波数帯(例えば、3.5GHz帯)のサブキャリアに対するリソース割当情報を決定する。
MIMO切替部221#1〜221#Kは、グループ選択/通信タイプ/CSI情報更新部218#1〜218#Kから入力されたCSI及び通信タイプ情報に基づいて、送信データ#1〜送信データ#Kに用いるMIMO伝送方式を選択する。例えば、通信タイプ1が指定されていれば、2×2MIMO伝送を選択し、通信タイプ2が指定されていれば、4×4MIMO伝送を選択することができる。そして、選択したMIMO伝送方式に応じた送信データ#1〜送信データ#Kに対するチャネル符号化率及び変調方式を決定する。決定されたチャネル符号化率は、それぞれチャネル符号化部201#1〜201#Kに出力され、決定された変調方式は、それぞれデータ変調部202#1〜202#Kに出力される。
一方、図9に示す移動局100において、基地局200から送出された送信信号は、送受信アンテナTRX#1〜TRX#Nにより受信され、デュプレクサ(Duplexer)101#1〜101#Nにて送信経路と受信経路とに電気的に分離された後、RF受信回路102#1〜102#Nに出力される。そして、RF受信回路102#1〜102#Nにて、無線周波数信号からベースバンド信号に周波数変換される。ベースバンド信号は、サイクリックプレフィクス(CP)除去部103#1〜103#NにてCPが除去された後、高速フーリエ変換部(FFT部)104#1〜104#Nに出力される。受信タイミング推定部105は、受信信号に含まれる参照信号から受信タイミングを推定し、その推定結果をCP除去部103#1〜103#Nに通知する。FFT部104#1〜104#Nは、入力された受信信号をフーリエ変換することによって、時系列の信号から周波数領域の信号に変換する。周波数領域の信号に変換された受信信号は、データチャネル信号分離部106に出力される。
データチャネル信号分離部106は、FFT部104#1〜104#Nから入力された受信信号を、例えば、平均2乗誤差最小(MMSE)や最尤推定検出(MLD)信号分離法により分離する。これにより、基地局200から到来した受信信号は、ユーザ#1〜ユーザ#Kに関する受信信号に分離され、移動局100のユーザ(ここでは、ユーザkとする)に関する受信信号が抽出される。データチャネル信号分離部106により分離されたユーザ#Kに関する受信信号は、不図示のサブキャリアデマッピング部にてデマッピングされて時系列の信号に戻された後、データ復調部107で復調される。そして、図示しないチャネル復号部にてチャネル復号されることで送信信号#Kが再生される。
同期/報知/ページング信号復調部108は、データチャネル信号分離部106で分離された受信信号に含まれる同期信号、報知信号及びページング信号を復調する。一方、制御信号復調部109は、データチャネル信号分離部106で分離された受信信号に含まれる制御信号(例えば、PDCCH)を復調する。この際、制御信号復調部109においては、図示しないチャネル推定部から通知されたチャネル状態に基づいて、ユーザ#Kに対応する制御信号を復調する。同期/報知/ページング信号復調部108による復調された同期信号、報知信号及びページング信号、並びに、制御信号復調部109により復調された各制御信号は、測定部110に出力される。
例えば、上述した第1の態様において、同期/報知/ページング信号復調部108は、下りリンクの測定対象信号を構成する同期信号、報知信号及びページング信号に対して乗算される一又は複数のウェイトを予め保持する。一方、制御信号復調部109は、下りリンクの測定対象信号を構成する制御信号に対して乗算される一又は複数のウェイトを予め保持する。同期/報知/ページング信号復調部108及び制御信号復調部109は、これらの測定対象信号に対するウェイトを用いて、同期信号、報知信号、ページング信号及び制御信号を復調する。
また、上述した第1の態様において、基地局200からウェイトが通知される場合、データ復調部107で復調されたデータ信号のうち、上位レイヤシグナリング信号で通知される情報(ウェイト)は、同期/報知/ページング信号復調部108及び制御信号復調部109に出力される。この場合、同期/報知/ページング信号復調部108及び制御信号復調部109は、基地局200から通知されたウェイトを用いて、同期信号、報知信号、ページング信号及び制御信号を復調する。
また、例えば、上述した第2の態様において、基地局200から測定対象信号又は下りリンク共有データ信号用の周波数帯が通知される場合、データ復調部107で復調されたデータ信号のうち、上位レイヤシグナリング信号で通知される情報(測定対象信号又は下りリンク共有データ信号用の周波数帯)は、データチャネル信号分離部106に出力される。この場合、データチャネル信号分離部106は、受信信号から分離した測定対象信号を同期/報知/ページング信号復調部108及び制御信号復調部109に出力する一方、受信信号から分離したデータ信号をデータ復調部107に出力する。
測定部110は、同期/報知/ページング信号復調部108から入力される同期信号、報知信号、ページング信号、或いは、制御信号復調部109から入力された制御信号の測定処理を行う。例えば、測定部110は、同期/報知/ページング信号復調部108からの同期信号に基づいて測定処理を行うことで、基地局200との間で同期を確立させる。また、同期/報知/ページング信号復調部108からのページング信号に基づいて測定処理を行うことで、ページング信号に含まれるページングメッセージを取得する。さらに、測定部110は、制御信号復調部109からの制御信号に基づいて測定処理を行うことで、制御信号に含まれる制御情報を取得する。
また、同期/報知/ページング信号復調部108からの報知信号に基づいて基地局200からの受信電力(例えば、RSRP:Reference Signal Received Power)を測定する。さらに、測定部110は、基地局200から送信される参照信号に基づいてチャネル品質(CQI)を測定する。また、測定部110は、測定したCQIに基づいてPMI及びRIを選択する。そして、CSI(CQI、PMI、RI)又はRSRPをフィードバック信号生成部111及びMIMO切替部112に通知する。
フィードバック信号生成部111は、基地局200にフィードバックするCSIフィードバック信号を生成する。この場合、CSIフィードバック信号には、測定部110から通知されたCQI、PMI及びRIや、RSRPが含まれる。フィードバック信号生成部110で生成されたフィードバック信号(CSIフィードバック、RSRPフィードバック)は、マルチプレクサ(MUX)113に出力される。
MIMO切替部112は、測定部110から入力されたCQI、PMI及びRIに基づいて、送信データ#Kに用いるMIMO伝送方式を選択する。そして、選択したMIMO伝送方式に応じた送信データ#Kに対するチャネル符号化率及び変調方式を決定する。決定されたチャネル符号化率は、それぞれチャネル符号化部114に出力され、決定された変調方式は、それぞれデータ変調部115に出力される。
一方、上位レイヤから送出されたユーザ#Kに関する送信データ#Kは、チャネル符号化部114によりチャネル符号化された後、データ変調部115にてデータ変調される。データ変調部115にてデータ変調された送信データ#Kは、不図示の直並列変換部で、時系列の信号から周波数領域の信号に変換されてサブキャリアマッピング部116に出力される。
サブキャリアマッピング部116においては、送信データ#Kを、基地局200から指示されたスケジュール情報に応じてサブキャリアにマッピングする。このとき、サブキャリアマッピング部116は、不図示の参照信号生成部により生成された参照信号#Kを、送信データ#Kと共にサブキャリアにマッピング(多重)する。このようにしてサブキャリアにマッピングされた送信データ#Kがプリコーディング乗算部117に出力される。
プリコーディング乗算部117は、送受信アンテナTRX#1〜TRX#N毎に送信データ#Kを位相及び/又は振幅シフトする。このとき、プリコーディング乗算部117は、制御信号復調部109で復調された制御信号で指定されるPMIに対応するウェイトに応じて位相及び/又は振幅シフトする。プリコーディング乗算部117により位相及び/又は振幅シフトされた送信データ#Kは、マルチプレクサ(MUX)113に出力される。
マルチプレクサ(MUX)113においては、位相及び/又は振幅シフトされた送信データ#Kと、フィードバック信号生成部111により生成された制御信号とを合成し、送受信アンテナTRX#1〜TRX#N毎の送信信号を生成する。マルチプレクサ(MUX)113により生成された送信信号は、逆高速フーリエ変換部118#1〜118#Nにて逆高速フーリエ変換して周波数領域の信号から時間領域の信号に変換された後、CP付加部119#1〜119#NでCPが付加されてRF送信回路120#1〜120#Nへ出力される。そして、RF送信回路120#1〜120#Nで無線周波数帯に変換する周波数変換処理が施された後、デュプレクサ(Duplexer)101#1〜101#Nを介して送受信アンテナTRX#1〜TRX#Nに出力され、送受信アンテナTRX#1〜TRX#Nから上りリンクで基地局200に送出される。
本発明は上記実施の形態に限定されず、様々変更して実施することが可能である。例えば、本発明の範囲を逸脱しない限りにおいて、上記説明におけるキャリア数、キャリアの帯域幅、シグナリング方法、処理部の数、処理手順については適宜変更して実施することが可能である。その他、本発明の範囲を逸脱しないで適宜変更して実施することが可能である。