JP2018029375A - 基地局装置、ユーザ端末及び通信制御方法 - Google Patents

基地局装置、ユーザ端末及び通信制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】通信の多様化に対応可能な基地局装置、ユーザ端末、通信システム及び通信制御方法を提供すること。
【解決手段】同期信号、報知信号及びチャネル状態測定用参照信号の少なくとも一つに対して、時間領域毎に異なるアンテナ、異なるウェイト及び異なるビームのいずれかを用いて送信を制御する制御部と、前記同期信号、報知信号及びチャネル状態測定用参照信号の少なくとも一つをユーザ端末に送信する送信部と、を具備する。
【選択図】図5

Description

本発明は、次世代移動通信システムにおける基地局装置、ユーザ端末、通信システム及び通信制御方法に関する。
UMTS(Universal Mobile Telecommunications System)ネットワークにおいて、さらなる高速データレート、低遅延などを目的としてロングタームエボリューション(LTE:Long Term Evolution)が検討されている(非特許文献1)。LTEではマルチアクセス方式として、下り回線(下りリンク)にOFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access)をベースとした方式を用い、上り回線(上りリンク)にSC−FDMA(Single Carrier Frequency Division Multiple Access)をベースとした方式を用いている。
LTEでは、複数のアンテナを用いてデータを送受信することでデータレート(周波数利用効率)を向上させるMIMO(Multi Input Multi Output)が規定されている。MIMOにおいては、送受信機に複数の送信/受信アンテナを用意し、送信側の異なる送信アンテナから同時に異なる情報系列を送信する。一方、受信側では、送信/受信アンテナ間で異なるフェージング変動が生じることを利用して、同時に送信された情報系列を分離して検出する。
MIMOの伝送方式として、同一のユーザ向けの送信情報系列が、異なる送信アンテナから同時に送信されるシングルユーザMIMO(SU−MIMO(Single User MIMO))と、異なるユーザ向けの送信情報系列が、異なる送信アンテナから同時に送信されるマルチユーザMIMO(MU−MIMO(Multiple User MIMO))とが提案されている。SU−MIMO及びMU−MIMOにおいては、アンテナに設定されるべき位相及び振幅の制御量(プリコーディングウェイト)に対応する最適なPMI(Precoding Matrix Indicator)をコードブックから選択し、これをチャネル情報(CSI:Channel State Information)として送信機にフィードバックする。送信機側では、受信機からフィードバックされたPMIに基づいて各送信アンテナを制御し、送信情報系列を送信する。
また、LTEからの更なる広帯域化及び高速化を目的として、LTEの後継システムも検討されている(例えば、LTEアドバンスト又はLTEエンハンスメントと呼ぶこともある(以下、「LTE−A」という))。このLTE−Aのシステムにおいては、データレート(周波数利用効率)を更に高めるために、基地局装置から出力されるビームに垂直方向の指向性を持たせるビームフォーミング及びこれを利用するMIMO(3D MIMO/ビームフォーミング)の適用が検討されている。また、高周波数帯域において細小化されたアンテナ素子から大量のビームを生成するビームフォーミング及びこれを利用するMIMO(Massive−antenna MIMO/ビームフォーミング)の適用が検討されている。さらに、基地局装置からの下りリンクの送信電力をフレキシブルに制御すること(Flexible DL power control)も検討されている。
このような新たな通信方式が適用されるシステムにおいては、ユーザ固有(UE−specific)の制御が必要となる。しかしながら、現状の構成では、ユーザ固有の制御が十分に行われておらず、システムの本来の性能を十分に発揮することができない。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、通信の多様化に対応可能な基地局装置、ユーザ端末、通信システム及び通信制御方法を提供することを目的とする。
本発明の基地局装置は、同期信号、報知信号及びチャネル状態測定用参照信号の少なくとも一つに対して、時間領域毎に異なるアンテナ、異なるウェイト及び異なるビームのいずれかを用いて送信を制御する制御部と、前記同期信号、報知信号及びチャネル状態測定用参照信号の少なくとも一つをユーザ端末に送信する送信部と、を具備することを特徴とする。
本発明によれば、通信の多様化に対応可能な基地局装置、ユーザ端末、通信システム及び通信制御方法を提供できる。
LTE−Aシステムへの適用が想定される通信方式の説明図である。 LTE−Aシステムへの適用が想定される通信方式の説明図である。 CQIに基づいてMCS(変調方式及び符号化率)を決定するためのステップの説明図である。 本実施の形態に係る通信システムのシステム構成の説明図である。 本実施の形態に係る基地局装置の構成を示すブロック図である。 本実施の形態に係る移動局装置の構成を示すブロック図である。
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照して詳細に説明する。まず、本発明の通信システムが適用されるLTE−Aシステムへの適用が想定される通信方式について説明する。図1及び図2は、LTE−Aのシステムへの適用が想定される通信方式について説明するための図である。
図1Aにおいては、基地局装置から送信されるビームに垂直方向の指向性を持たせるビームフォーミング及びこれを利用するMIMO(例えば、3D MIMO/ビームフォーミングなどと呼ぶことがある)について示している。図1Bにおいては、高周波数帯域において細小化されたアンテナ素子から大量のビームを生成するビームフォーミング及びこれを利用するMIMO(例えば、Massive−antenna MIMO/ビームフォーミングなどと呼ぶことがある)を示している。図2においては、基地局装置からの送信電力をフレキシブルに制御する通信方式(例えば、フレキシブル下りリンク電力制御と呼ぶことがある)について示している。
図1Aに示すように、3D MIMO/ビームフォーミングの適用される通信システムにおいては、基地局装置eNB1aのアンテナANTから、これまでと同様の水平方向のビームが出力されると共に、各ユーザ端末UE1a、UE2a、UE3a、UE4aに向けて垂直方向に指向性を持ったビームが出力される。このように、基地局装置eNB1aのアンテナANTからチルト角の異なるビームを出力させることで、空間は複数のセクタ(図1Aにおいては、セクタS1、S2)に区分けされる。なお、セクタS1、S2は、それぞれインナーセル、アウターセルと呼ぶことができる。ここで、チルト角とは、水平方向(例えば、地面)に対するビームの角度を示す。
例えば、図1Aにおいては、基地局装置eNB1aに近いセクタS1(インナーセル)に対してアンテナANTからチルト角の大きい2本のビームB1、B2が出力される。また、基地局装置eNB1aから遠いセクタS2(アウターセル)に対してアンテナANTからチルト角の小さい2本のビームB3、B4が出力される。3D MIMO/ビームフォーミングにおいては、アンテナANTを構成するアンテナ素子に乗算されるプリコーディングウェイトを変えることで、各セクタS1、S2に向けて指向性を持つビームが生成される。基地局装置eNB1aは、セクタS1において、ユーザ端末UE1a、UE2aと下りリンクの無線通信を行い、セクタS2において、ユーザ端末UE3a、UE4aと下りリンクの無線通信を行う。なお、複数のビームは、図1Aのように1つのアンテナANTから出力されても良いし、複数のアンテナ(不図示)から出力されても良い。図1Aでは、アンテナANTとして、垂直方向に配列された複数のアンテナ素子を含むアレーアンテナを用いる場合を例示している。
図1Bに示すように、Massive−antenna MIMO/ビームフォーミングが適用される通信システムにおいては、高周波数帯域において細小化されたアンテナ素子ANTeから大量のビームが生成される。このMassive−antenna MIMO/ビームフォーミングにおいては、アンテナ素子毎に乗算されるプリコーディングウェイトを変えることで、最大でアンテナ素子数に対応したビームを生成できる。また、Massive−antenna MIMO/ビームフォーミングでは、各アンテナ素子におけるアンテナ利得の減少が、大量のビームフォーミングゲインにより補償されている。
図2に示すように、フレキシブル下りリンク電力制御が適用される通信システムにおいて、基地局装置eNB1b、eNB2bの送信電力は、通信環境に応じて動的に制御される。例えば、基地局装置eNB1bの送信電力は、基地局装置eNB2bの送信電力より小さく制御されている。これにより、基地局装置eNB1bの送信範囲R1は、基地局装置eNB2bの送信範囲R2より狭く構成されている。基地局装置eNB1bは、送信範囲R1においてユーザ端末UE1b、UE2b、UE3bと下りリンクの無線通信を行い、基地局装置eNB2bは、送信範囲R2においてユーザ端末UE4b、UE5b、UE6bと下りリンクの無線通信を行う。なお、3D MIMO/ビームフォーミング又はMassive−antenna MIMO/ビームフォーミング(以下、「3D MIMO/ビームフォーミング等」という)とフレキシブル下りリンク電力制御とは、一方のみが適用されても良いし、双方が適用されても良い。
これらの通信方式が適用される通信システムにおいては、ユーザ固有の参照信号であるDM−RS(DeModulation−Reference Signal)を用いる送信モード(TM9)が有効である。このTM9は、LTE−A(Rel.10)で新たに追加された送信モードであり、ランク8までのMU−MIMOがサポートされている。また、TM9においては、DM−RSを用いて復調が行われる。なお、TM9をサポートするために、DCIフォーマット2Cが定義されている。
TM9において、下りリンクのチャネル品質情報(CQI:Channel Quality Indicator)は、CSI−RS(Channel State Information−Reference Signal)に基づいて測定される。ここで、CSI−RSは、3D MIMO/ビームフォーミング等やフレキシブル下りリンク電力制御が適用される場合であっても、ユーザ端末UEに適したプリコーディングや電力制御は行われていない。このため、3D MIMO/ビームフォーミング等やフレキシブル下りリンク電力制御が適用される場合においては、CSI−RSに基づいて測定されるCQIのみで、各ユーザ端末UEに対応する下りリンクの伝送路状態を適切に評価するのは困難である。
図3は、CQIに基づいてMCS(変調方式及び符号化率)を決定するためのステップの説明図である。上述のように、CSI−RSに基づいて測定されるCQIのみでは、ビームフォーミングや電力制御が適用される場合の伝送路状態を適切に評価できない。このため、基地局装置eNBは、ユーザ端末UEからCQIをフィードバックされると(ステップST1)、ビームフォーミングや電力制御の影響を考慮してCQIを補正する(ステップST2)。そして、基地局装置eNBは、補正後のCQIに基づいてMCSを決定する(ステップST3)。しかしながら、基地局装置eNBで行われる補正には誤差が存在するので、ビームフォーミングや電力制御を積極的に行って補正量が大きくなると、適切なMCSからのずれも大きくなり、通信特性が劣化してしまう。
CSI−RSと同様に、TM9においては、ユーザ端末UEにおける測定対象信号を構成する同期信号や報知信号についても、ユーザ端末UEに適したプリコーディングや電力制御は行われていない。一方、下りリンクで送信されるデータ信号には、ユーザ端末UEとの間の伝送路状態を考慮したプリコーディングや電力制御が行われる。このため、CSI−RSと同様に、ビームフォーミングや電力制御を積極的に行って補正量が大きくなると、実際に測定されるべき測定結果と受信した測定対象信号からの測定結果とのずれが大きくなり、通信特性が劣化してしまう。
このような問題は、ユーザ端末UEとの間の伝送路状態を考慮したプリコーディングや電力制御が行われていない下りリンクの測定対象信号では、ビームフォーミングや電力制御が適用される場合の伝送路の状態を適切に評価できないことに起因する。本発明者らは、このような技術的課題に着目し、ユーザ端末UEとの間の伝送路状態を考慮したプリコーディングや電力制御が行われていない下りリンクの測定対象信号を基地局装置eNB又はユーザ端末UEで補正すれば、ユーザ端末UEとの間の伝送路状態の評価の相違に起因する通信特性の劣化を抑制できることを見出して本発明を完成させた。
すなわち、本発明の骨子は、下りリンクの測定対象信号に対して、ユーザ端末に固有のプリコーディングウェイト(以下、単に「ウェイト」という)を用いてプリコーディングを行ってユーザ端末に送信し、ユーザ端末において、上記ウェイトを用いて下りリンクの測定対象信号を復調し、復調後の下りリンクの測定対象信号に基づいて測定処理を行うである。
以下の説明においては、基地局装置eNBから送信され、ユーザ端末UEで何らかの測定処理を行う必要がある信号を「下りリンクの測定対象信号」又は単に「測定対象信号」と呼ぶものとする。この下りリンクの測定対象信号には、例えば、同期信号、報知信号及び参照信号などが含まれるが、これらに限定されるものではない。例えば、制御信号(PDCCH:Physical Downlink Control CHannelやePDCCH:enhanced PDCCH)やページング信号を含んでもよい。ePDCCHは、PDSCH(Physical Downlink Shared CHannel)領域(データ信号領域)内の所定周波数帯域をPDCCH領域(制御信号領域)として使用するものである。PDSCH領域に割り当てられたePDCCHは、DM−RS(Demodulation−Reference Signal)を用いて復調される。なお、ePDCCHは、FDM型PDCCHと呼ばれてもよいし、UE−PDCCHと呼ばれてもよい。
例えば、下りリンクの測定対象信号には、次のような特徴を持つ信号が含まれる。なお、下りリンクの測定対象信号には、以下に示す、いずれかの信号又は複数の信号を組み合わせた信号が含まれる。
(a)LTE(Rel−8)で規定される同期信号(PSS:Primary Synchronization Signal、SSS:Secondary Synchronization Signal)が含まれる。
(b)LTE(Rel−8)で規定される同期信号と同一の系列を用いて、時間/周波数方向に異なる位置で多重した信号が含まれる。例えば、PSSとSSSを異なるスロットに多重した信号が該当する。
(c)スモールセルを選択するために新たに規定されるDISCOVERY SIGNALが含まれる。ここで、スモールセルとは、例えば、ヘテロジーニアスネットワーク構成において、マクロセルエリア内に配置される多数のセルを指すものとする。また、DISCOVERY SIGNALとは、ユーザ端末UEがデータチャネル(及び又は制御チャネル)送信に適したスモールセルを発見するためにスモールセルから送信される基準信号を指すものとする。例えば、LTE(Rel−8)で規定される同期信号(PSS、SSS)に比較して、送信周期を長くする、送信単位当りの無線リソース量を大きくする、といった特徴を有する信号が該当する。
(d)LTE−A(Rel−10)で規定される既存の参照信号(CSI−RS、CRS(Cell−specific Reference Signal)、DM−RS、PRS(Positioning Reference Signal)、SRS(Sounding reference signals))が含まれる。なお、既存の参照信号の一部(例えば、1ポートのCRSを5msec周期で送信するような信号)を含んでもよい。
(e)LTE(Rel−8)で規定される報知信号が含まれる。例えば、報知信号には、マスタ情報ブロック(MIB:Master Information block)やシステム情報ブロック(SIB:System Information block)が含まれる。
本発明の第1の態様は、基地局装置eNBから、下りリンクの測定対象信号に対して、ユーザ端末UEに固有のウェイトを用いてプリコーディングを行ってユーザ端末UEに送信し、ユーザ端末UEにおいて、上記ウェイトを用いて下りリンクの測定対象信号を復調し、復調後の下りリンクの測定対象信号に基づいて測定処理を行う通信システムを提供する。
第1の態様においては、基地局装置eNBから、下りリンクの測定対象信号に対して、ユーザ端末UEに固有のウェイトを用いてプリコーディングが行われてユーザ端末UEに送信される。ユーザ端末UEにおいては、自端末に固有のウェイトを用いて復調され、復調後の下りリンクの測定対象信号に基づいて測定処理が行われる。このため、下りリンクの測定対象信号に対するプリコーディング及び復調に、ユーザ端末UEに固有のウェイトを用いることができるので、ユーザ端末UEとの間の伝送路状態を考慮してプリコーディングが行われていない下りリンクの測定対象信号を補正できる。これにより、3D MIMO/ビームフォーミング等の新たな通信方式が適用される通信環境においても、ユーザ端末UEとの間の伝送路状態の評価の相違に起因する通信特性の劣化を抑制できる。この結果、これらの新たな通信方式が適用される通信システムの本来の性能を十分に発揮することが可能となる。
第1の態様において、基地局装置eNBは、ユーザ端末UEに固有のウェイトとして、当該ユーザ端末UEに対する下りリンク共有データチャネル信号(例えば、PDSCH)に対するプリコーディングに用いられるウェイト(以下、「下りリンク共有データチャネル信号に対するウェイト」という)を選択できる。この場合には、下りリンク共有データチャネル信号に対するウェイトにより、下りリンクの測定対象信号のプリコーディングが行われるので、ユーザ端末UEとの間の伝送路状態を考慮してプリコーディングが行われることとなる。これにより、ユーザ端末UEに対応する下りリンクの伝送路状態を反映した下りリンクの測定対象信号を送信できる。この結果、3D MIMO/ビームフォーミング等の新たな通信方式が適用される通信環境においても、ユーザ端末UEとの間の伝送路状態の評価の相違を防止でき、通信特性を改善できる。
ここで、ユーザ端末UEに固有のウェイトとして、下りリンク共有データチャネル信号に対するウェイトを選択した場合の具体例について説明する。ここでは、上述した3D MIMO/ビームフォーミング及びMassive−antenna MIMO/ビームフォーミングが適用される通信システムについて説明するものとする。また、ここでは、下りリンクの測定対象信号がCSI−RSである場合について説明するものとする。
3D MIMO/ビームフォーミングが適用される場合、例えば、基地局装置eNBのアンテナを構成するアンテナ素子に乗算されるウェイトを変えることで、インナーセル、アウターセルに向けて指向性を持つビームが生成される。下りリンク共有データチャネル信号に対するウェイトを選択する場合、インナーセルに位置するユーザ端末UEに対するCSI−RSには、当該ユーザ端末UEに対する下りリンク共有データチャネル信号に乗算されるウェイト(インナーセルに対するウェイト)が選択される。一方、アウターセルに位置するユーザ端末UEに対するCSI−RSには、当該ユーザ端末UEに対する下りリンク共有データチャネル信号に乗算されるウェイト(アウターセルに対するウェイト)が選択される。これにより、時間領域、周波数領域及び空間領域で異なるCSI−RSをユーザ端末UEに送信できる。
また、ウェイトを乗算する単位としては、時間領域、周波数領域、空間領域において、いかなる大きさであってもよい。例えば、周波数領域に関し、リソースエレメント、複数リソースエレメント単位であってもよいし、リソースブロック、複数リソースブロック単位でもよい。また、時間領域に関し、シンボル、複数シンボル単位でもよいし、スロット(複数スロット)、サブフレーム(複数サブフレーム)、無線フレーム(複数無線フレーム)であってもよい。
Massive−antenna MIMO/ビームフォーミングが適用される場合、例えば、アンテナ素子毎に乗算されるウェイトを変えることで、最大でアンテナ素子数に対応したビームが生成される。下りリンク共有データチャネル信号に対するウェイトを選択する場合、基地局装置eNBにおいて、各ユーザ端末UEに送信されるCSI−RSには、アンテナ素子毎に関連付けられたウェイトが選択される。これにより、時間領域、周波数領域及び空間領域で異なるCSI−RSをユーザ端末UEに送信できる。
また、第1の態様において、基地局装置eNBは、下りリンクの測定対象信号に対して、ユーザ端末UEに固有の電力制御値を用いて送信電力制御を行ってユーザ端末UEに送信し、ユーザ端末UEにおいて、上記電力制御値に基づいて調整した下りリンクの測定対象信号に基づいて測定処理を行うようにしてもよい。
このように下りリンクの測定対象信号に対して送信電力制御を行う場合には、基地局装置eNBから、下りリンクの測定対象信号に対して、ユーザ端末UEに固有の電力制御値を用いて送信電力制御が行われてユーザ端末UEに送信される。ユーザ端末UEにおいては、ユーザ端末UEに固有の電力制御値に基づいて下りリンクの測定対象信号の測定処理が行われる。このため、基地局装置eNBで送信電力制御が行われた電力制御値と同一の電力制御値に基づいて下りリンクの測定対象信号の測定処理を行うことができるので、ユーザ端末UEとの間の伝送路状態を考慮して送信電力制御が行われていない下りリンクの測定対象信号を補正できる。これにより、3D MIMO/ビームフォーミング等の新たな通信方式が適用される通信環境においても、ユーザ端末UEとの間の伝送路状態の評価の相違に起因する通信特性の劣化を抑制できる。この結果、これらの新たな通信方式が適用される通信システムの本来の性能を十分に発揮することが可能となる。
なお、下りリンクの測定対象信号に対する送信電力制御については、ユーザ端末UEに固有のウェイトを用いたプリコーディングと並行して行うことができる。この場合には、ユーザ端末UEに固有のウェイト及び電力制御値の両面から下りリンクの測定対象信号を補正できる。これにより、3D MIMO/ビームフォーミング等の新たな通信方式が適用される通信環境においても、ユーザ端末UEとの間の伝送路状態の評価の差異を低減でき、更に通信特性を改善できる。
また、下りリンクの測定対象信号に対する送信電力制御については、ユーザ端末UEに固有のウェイトを用いたプリコーディングと独立して行うこともできる。この場合には、下りリンクの測定対象信号に対する送信電力制御と、下りリンクの測定対象信号に対するプリコーディングとを切り替えて行うことができる。これにより、ユーザ端末UEとの間の通信環境に応じて、下りリンクの測定対象信号に対する送信電力制御又はプリコーディングの一方を選択して柔軟に下りリンクの測定対象信号を補正できる。
さらに、基地局装置eNBは、下りリンクの測定対象信号に対して、ユーザ端末UEに固有のウェイトを用いてプリコーディングを行う場合、及び/又はユーザ端末UEに固有の電力制御値を用いて送信電力制御を行う場合、当該プリコーディング及び/又は送信電力制御を実行する旨をユーザ端末UEに通知するようにしても良い。例えば、この通知には、上位レイヤシグナリング信号(例えば、RRCシグナリング)を用いることができる。また、報知信号や下りリンク制御チャネル信号(例えば、ePDCCH)を用いることもできる。このようにプリコーディング及び/又は送信電力制御を実行する旨を通知することにより、ユーザ端末UEに必要な処理を促すことができる。
さらに、基地局装置eNBは、プリコーディング及び/又は送信電力制御を実行する旨に加え、ウェイト及び/又は電力制御値に関する情報を通知してもよい。このようにウェイト及び/又は電力制御値に関する情報を加えて通知する場合には、通知されたユーザ端末UEとの間で測定対象信号を復調及び/又は調整するために必要な情報を確実に共有できる。
さらに、基地局装置eNBは、ユーザ端末UEに固有のウェイトを用いたプリコーディング及び/又はユーザ端末UEに固有の電力制御値を用いた送信電力制御の実行の有無、当該プリコーディング又は送信電力制御に用いられるウェイト又は電力制御値、ユーザ端末UEへの通知内容等を時間領域、周波数領域、空間領域で切り替えるようにしてもよい。例えば、上記プリコーディングで用いるウェイトを切り替える場合には、時間領域、周波数領域又は空間領域で当該ウェイトを切り替えることができる。
一方、第1の態様において、ユーザ端末UEは、ユーザ端末UE(すなわち、端末自身)の固有のウェイトを用いて下りリンクの測定対象信号を復調し、その下りリンクの測定対象信号に基づいて測定処理を行う。また、ユーザ端末UEは、下りリンクの測定対象信号の種別に応じて、測定結果を基地局装置eNBに送信(フィードバック)できる。
例えば、ユーザ端末UEは、ユーザ端末UEに固有のウェイトを用いてプリコーディングが行われている特定の信号(例えば、DM−RSや下りリンク共有チャネルデータ信号)に基づいて、ユーザ端末UEの固有のウェイトを取得できる。なお、ユーザ端末UEは、基地局装置eNBから、ユーザ端末UEに固有のウェイトを用いてプリコーディングを行う旨の通知を受けた場合に限ってユーザ端末UEの固有のウェイトを取得するようにしてもよい。この場合には、ユーザ端末UEにおける処理を簡素化できる。
さらに、ユーザ端末UEは、所定の条件が満たされる場合、下りリンクの測定対象信号に対して、ユーザ端末UEに固有のウェイトを用いてプリコーディングが行われているものと仮定して、特定の信号(例えば、DM−RS等)に基づいて、ユーザ端末UEの固有のウェイトを取得してもよい。なお、所定の条件とは、例えば、下りリンクの測定対象信号のパラメータ(例えば、位相、振幅及び受信電力)と、上記特定信号のパラメータとの差異が所定の閾値よりも小さい場合などが想定される。この場合には、所定条件にて自動的にユーザ端末UEの固有のウェイトが取得されるので、ユーザ端末UEにおける処理を更に簡素化できる。
なお、ユーザ端末UEに固有の電力制御値により送信電力制御が行われている場合も同様である。例えば、ユーザ端末UEは、特定の信号(例えば、DM−RSや下りリンク共有チャネルデータ信号)に基づいて、ユーザ端末UEの固有の電力制御値を取得できる。なお、ユーザ端末UEは、基地局装置eNBから、ユーザ端末UEに固有の電力制御値を用いて送信電力制御を行う旨の通知を受けた場合に限ってユーザ端末UEの固有の電力制御値を取得するようにしてもよい。また、所定の条件を満たす場合に自動的にユーザ端末UEの固有の電力制御値を取得する制御に関しても同様である。
また、ユーザ端末UEは、基地局装置eNBから、ユーザ端末UEに固有のウェイト及び/又は電力制御値に関する情報の通知を受けることもできる。この場合には、特定の信号(例えば、DM−RSや下りリンク共有チャネルデータ信号)に基づいて、ユーザ端末UEの固有のウェイト/電力制御値を取得する必要がない。このため、ユーザ端末UEにおける処理を簡素化できる。
ここで、ユーザ端末UEにおける下りリンクの測定対象信号に対する測定処理について説明する。ユーザ端末UEで行われる測定処理は、下りリンクの測定対象信号の種別に応じて必要となる処理が異なる。以下においては、LTE−Aシステムにおいて、ユーザ端末UEが基地局装置eNBとの間の通信過程を参照しながら、測定処理の内容について説明する。ここでは、下りリンクの測定対象信号が、同期信号、報知信号、参照信号で構成される場合について説明するものとする。
LTE−Aシステムにおいて、ユーザ端末UEが基地局装置eNBとの間でデータチャネル/制御チャネルの送受信を開始するためには、次の手順が発生する。
(1)同期確立
ユーザ端末UEは、基地局装置eNBから同期信号を受信すると、基地局装置eNBとの間で同期を確立する。第1の態様において、同期信号には、ユーザ端末UEに固有のウェイトによりプリコーディングを行うことができる。ユーザ端末UEにおいては、上位レイヤシグナリング等で通知されたウェイトを用いて、この同期信号を復調し、復調後の同期信号に基づいて測定処理を行うことで、基地局装置eNBとの間で同期を確立させる。すなわち、同期信号に対する測定処理とは、同期の確立に先立って同期信号を検出するための処理に相当する。
(2)MEASUREMENT
ユーザ端末UEは、基地局装置eNBから報知信号を受信すると、基地局装置eNBからの受信信号電力を測定する(MEASUREMENT)。第1の態様において、同期信号と同様に、報知信号には、基地局装置eNBで選択されたユーザ端末UEに固有のウェイトによりプリコーディングを行うことができる。ユーザ端末UEにおいては、上位レイヤシグナリング等で通知されたウェイトを用いて、この報知信号を復調し、復調後の報知信号に基づいて基地局装置eNBからの受信信号電力を測定する。すなわち、報知信号に対する測定処理とは、報知信号に基づいて基地局装置eNBからの受信信号電力を測定する処理に相当する。なお、ユーザ端末UEは、複数のセルについての受信信号電力を測定し、測定結果をMEASUREMENTレポートとして基地局装置eNBに送信(フィードバック)する。
(3)CSIフィードバック
ユーザ端末UEは、基地局装置eNBから参照信号(例えば、CSI−RS)を受信すると、この参照信号に基づいてチャネル品質を測定する。第1の態様において、同期信号や報知信号と同様に、参照信号には、基地局装置eNBで選択されたユーザ端末UEに固有のウェイトによりプリコーディングを行うことができる。ユーザ端末UEにおいては、上位レイヤシグナリング等で通知されたウェイトを用いて、この参照信号を復調し、復調後の参照信号に基づいてチャネル品質を測定する。この場合、ユーザ端末UEは、CQIを求めた後、そのCQIに基づいてPMI及びRIを選択する。そして、ユーザ端末UEは、これらのCQI、PMI及びRIをCSI情報として基地局装置eNBへフィードバックする。
このように本発明の第1の態様においては、通信過程の各フェーズにおいて、下りリンクの測定対象信号に対するプリコーディング及び復調を、ユーザ端末UEに固有のウェイトを用いて行うことができるので、ユーザ端末UEとの間の伝送路状態を考慮してプリコーディングが行われていない下りリンクの測定対象信号を補正できる。これにより、3D MIMO/ビームフォーミング等の新たな通信方式が適用される通信環境においても、ユーザ端末UEとの間の伝送路状態の評価の相違に起因する通信特性の劣化を抑制できる。この結果、これらの新たな通信方式が適用される通信システムの本来の性能を十分に発揮することが可能となる。
本発明の第2の態様は、基地局装置eNBから受信した下りリンクの測定対象信号に基づいて測定処理を行う一方、ユーザ端末UEに固有のウェイトを用いてプリコーディングが行われる特定の信号に基づいて上記測定処理の測定結果を補正する通信システムを提供する。なお、第2の態様においても、下りリンクの測定対象信号には、例えば、同期信号、報知信号及び参照信号が含まれるが、これらに限定されるものではない。
上述した第1の態様においては、基地局装置eNBから、下りリンクの測定対象信号に対して、ユーザ端末UEに固有のウェイトを用いてプリコーディングを行ってユーザ端末UEに送信する。これに対し、第2の態様においては、下りリンクの測定対象信号に対して、ユーザ端末UEに固有のウェイトを用いたプリコーディングが行われることはない。第2の態様においては、ユーザ端末UEにおいて、特定の信号に乗算される、ユーザ端末UEに固有のウェイトを用いて下りリンクの測定対象信号から測定された測定結果を補正する。なお、ユーザ端末UEに固有のウェイトがプリコーディングに用いられる特定の信号には、例えば、DM−RSや下りリンク共有データチャネル信号が含まれる。
ここで、第2の態様が適用される通信システムの具体例について説明する。ここでは、下りリンクの測定対象信号がCSI−RSであり、ユーザ端末UEに固有のウェイトを用いてプリコーディングが行われる特定の信号がDM−RSである場合について説明するものとする。
第2の態様においては、下りリンクの測定対象信号であるCSI−RSに対して、ユーザ端末UEに固有のウェイトを用いたプリコーディングが行われることはない。ユーザ端末UEは、このCSI−RSに対して測定処理(チャネル品質の測定処理)を行う。その測定結果(CQI)に対して、ユーザ端末UEは、DM−RSに乗算された、ユーザ端末UEに固有のウェイトを用いて補正する。そして、補正後のCQIを基地局装置eNBにフィードバックする。基地局装置eNBでは、この補正後のCQIに基づいてMCSの選択等の処理を行う。
このように第2の態様において、ユーザ端末UEは、下りリンクの測定対象信号に基づいて測定処理を行う一方、その測定結果を、特定の信号に乗算されたユーザ端末UEに固有のウェイトを用いて補正する。これにより、ユーザ端末UEとの間の伝送路状態を考慮してプリコーディングが行われていない下りリンクの測定対象信号を補正できる。このため、3D MIMO/ビームフォーミング等の新たな通信方式が適用される通信環境においても、ユーザ端末UEとの間の伝送路状態の評価の相違に起因する通信特性の劣化を抑制できる。この結果、これらの新たな通信方式が適用される通信システムの本来の性能を十分に発揮することが可能となる。
なお、第2の態様においては、特定の信号に乗算される、ユーザ端末UEに固有のウェイトを用いて説明しているが、特定の信号で調整される、ユーザ端末UEに固有の電力制御値にも適用できる。ユーザ端末UEにおいては、基地局装置eNBから到来する下りリンクの測定対象信号に対し、特定の信号で調整されたユーザ端末UEに固有の電力制御値を用いて補正する。これにより、ユーザ端末UEとの間の伝送路状態を考慮して送信電力制御が行われていない下りリンクの測定対象信号を補正できる。このため、3D MIMO/ビームフォーミング等の新たな通信方式が適用される通信環境においても、ユーザ端末UEとの間の伝送路状態の評価の相違に起因する通信特性の劣化を抑制できる。この結果、これらの新たな通信方式が適用される通信システムの本来の性能を十分に発揮することが可能となる。
本発明の第3の態様は、ユーザ端末UEから、下りリンクの測定対象信号に基づく測定結果を基地局装置eNBに送信する一方、ユーザ端末UEに固有のウェイトを用いてプリコーディングが行われた特定の信号から抽出したユーザ端末UEに固有のウェイトを基地局装置eNBに送信する通信システムを提供する。なお、第3の態様においても、下りリンクの測定対象信号には、例えば、同期信号、報知信号及び参照信号が含まれるが、これらに限定されるものではない。
上述した第2の態様においては、特定の信号に乗算される、ユーザ端末UEに固有のウェイトを用いて下りリンクの測定対象信号から測定された測定結果を補正する。第3の態様においては、ユーザ端末UEに固有のウェイトを測定結果の補正に用いるのではなく、ユーザ端末UEに固有のウェイトを基地局装置eNBに送信する点で、第2の態様と相違する。なお、ユーザ端末UEに固有のウェイトが乗算される特定の信号には、例えば、DM−RSや下りリンク共有データチャネル信号が含まれる。
ここで、第3の態様が適用される通信システムの具体例について説明する。ここでは、下りリンクの測定対象信号がCSI−RSであり、ユーザ端末UEに固有のウェイトを用いてプリコーディングが行われる特定の信号がDM−RSである場合について説明するものとする。
第3の態様においては、下りリンクの測定対象信号であるCSI−RSに対して、ユーザ端末UEに固有のウェイトを用いたプリコーディングが行われることはない。ユーザ端末UEは、このCSI−RSに対して測定処理(チャネル品質の測定処理)を行う。一方、ユーザ端末UEは、DM−RSに乗算された、ユーザ端末UEに固有のウェイトを取得する。測定処理の測定結果(CQI)及びユーザ端末UEに固有のウェイトは、基地局装置eNBにフィードバックされる。基地局装置eNBでは、これらの測定結果(CQI)及びユーザ端末UEに固有のウェイトに基づいて測定結果(CQI)の補正を行い、MCSの選択等の処理を行う。
このように第3の態様において、ユーザ端末UEは、下りリンクの測定対象信号に基づいて測定処理を行うと共に、特定の信号に乗算されたユーザ端末UEに固有のウェイトを取得する。そして、ユーザ端末UEは、測定処理の測定結果(CQI)及びユーザ端末UEに固有のウェイトを基地局装置eNBに送信する。基地局装置eNBでは、これらの測定結果(CQI)及びユーザ端末UEに固有のウェイトに基づいて測定結果を補正する。これにより、ユーザ端末UEとの間の伝送路状態を考慮してプリコーディングが行われていない下りリンクの測定対象信号に起因する影響を低減できる。このため、3D MIMO/ビームフォーミング等の新たな通信方式が適用される通信環境においても、ユーザ端末UEとの間の伝送路状態の評価の相違に起因する通信特性の劣化を抑制できる。この結果、これらの新たな通信方式が適用される通信システムの本来の性能を十分に発揮することが可能となる。
なお、第3の態様においては、特定の信号に乗算される、ユーザ端末UEに固有のウェイトを用いて説明しているが、特定の信号で調整される、ユーザ端末UEに固有の電力制御値にも適用できる。ユーザ端末UEにおいては、基地局装置eNBから到来する特定の信号で調整されたユーザ端末UEに固有の電力制御値を取得する。そして、ユーザ端末UEは、取得して電力制御値と、下りリンクの測定対象信号に基づく測定結果とを基地局装置eNBに送信する。基地局装置eNBでは、これらの測定結果(CQI)及びユーザ端末UEに固有のウェイトに基づいて測定結果を補正する。これにより、ユーザ端末UEとの間の伝送路状態を考慮して送信電力制御が行われていない下りリンクの測定対象信号を補正できる。このため、3D MIMO/ビームフォーミング等の新たな通信方式が適用される通信環境においても、ユーザ端末UEとの間の伝送路状態の評価の相違に起因する通信特性の劣化を抑制できる。この結果、これらの新たな通信方式が適用される通信システムの本来の性能を十分に発揮することが可能となる。
以上の説明においては、本発明の第1〜第3の態様を別々に説明しているが、これらを組み合わせて構成することもできる。例えば、基地局装置eNBにおいて、通信環境の変化に応じて、第1の態様に関する制御と、第2及び第3の態様に関する制御とを切り替えることができる。この場合、通信環境の変化とは、通信対象となるユーザ端末UEの数や、通信対象となるユーザ端末UEの通信能力等が考えられる。このように第1の態様に関する制御と、第2及び第3の態様に関する制御とを切り替えることにより、下りリンクの測定対象信号の送信態様を適宜切り替えることができる。これにより、通信環境の変化に柔軟に対応しながら、下りリンクの測定対象信号を適切に補正することが可能となる。
次に、図4を参照しながら、本実施の形態に係るユーザ端末UEを構成する移動局装置100(以下、「移動局100」という)及び基地局装置eNodeBを構成する基地局装置200(以下、「基地局200」という)を有する通信システム1について説明する。図4は、本実施の形態に係る移動局100及び基地局200を有する通信システム1の構成の説明図である。なお、図4に示す通信システム1は、例えば、LTEシステム又はSUPER 3Gが包含されるシステムである。また、この移動通信システム1は、IMT−Advancedと呼ばれても良いし、4Gと呼ばれても良い。
図4に示すように、通信システム1は、基地局200と、この基地局200と通信する複数の移動局100(100、100、100、・・・100、nはn>0の整数)とを含んで構成されている。基地局200は、上位局装置300と接続され、この上位局装置300は、コアネットワーク400と接続される。移動局100は、セル500において基地局200と通信を行っている。なお、上位局装置300には、例えば、アクセスゲートウェイ装置、無線ネットワークコントローラ(RNC)、モビリティマネジメントエンティティ(MME)等が含まれるが、これに限定されるものではない。
各移動局(100、100、100、・・・100)は、同一の構成、機能、状態を有するので、以下においては、特段の断りがない限り移動局100として説明を進める。また、説明の便宜上、基地局200と無線通信するのは移動局100であるものとして説明するが、より一般的には移動端末装置も固定端末装置も含むユーザ装置UE(User Equipment)でよい。
通信システム1においては、無線アクセス方式として、下りリンクについてはOFDMA(直交周波数分割多元接続)が、上りリンクについてはSC−FDMA(シングルキャリア−周波数分割多元接続)が適用される。OFDMAは、周波数帯域を複数の狭い周波数帯域(サブキャリア)に分割し、各サブキャリアにデータをマッピングして通信を行うマルチキャリア伝送方式である。SC−FDMAは、システム帯域を端末毎に1つ又は連続したリソースブロックからなる帯域に分割し、複数の端末が互いに異なる帯域を用いることで、端末間の干渉を低減するシングルキャリア伝送方式である。
ここで、LTE/LTE-Aシステムにおける通信チャネルについて説明する。下りリンクについては、各移動局10で共有されるPDSCHと、下りL1/L2制御チャネル(PDCCH、PCFICH、PHICH)とが用いられる。このPDSCHにより、ユーザデータ、すなわち、通常のデータ信号が伝送される。送信データは、このユーザデータに含まれる。なお、無線基地局200で移動局100に割り当てたコンポーネントキャリア(CC)やスケジューリング情報は、L1/L2制御チャネルにより移動局100に通知される。
上りリンクについては、各移動局100で共有して使用されるPUSCHと、上りリンクの制御チャネルであるPUCCHとが用いられる。このPUSCHにより、ユーザデータが伝送される。また、PUCCHにより、下りリンクの無線品質情報(CQI:Channel Quality Indicator)等が伝送される。
図5は、本実施の形態に係る基地局200の構成を示すブロック図である。図6は、本実施の形態に係る移動局100の構成を示すブロック図である。なお、図5及び図6に示す基地局200及び移動局100の構成は、本発明を説明するために簡略化したものであり、それぞれ通常の基地局装置及び移動局装置が有する構成は備えているものとする。
図5に示す基地局200において、不図示のスケジューラは、後述するチャネル推定部215#1〜215#Kから与えられるチャネル推定値に基づいて多重するユーザ数(多重ユーザ数)を決定する。そして、各ユーザに対する上下リンクのリソース割り当て内容(スケジューリング情報)を決定し、ユーザ#1〜#Kに対する送信データ#1〜#Kを対応するチャネル符号化部201#1〜201#Kに送出する。
送信データ#1〜#Kは、チャネル符号化部201#1〜201#Kでチャネル符号化された後、データ変調部202#1〜202#Kに出力され、データ変調される。この際、チャネル符号化及びデータ変調は、後述するMIMO切替部221#1〜221#Kから与えられるチャネル符号化率及び変調方式に基づいて行われる。データ変調部202#1〜202#Kでデータ変調された送信データ#1〜#Kは、不図示の離散フーリエ変換部で逆フーリエ変換され、時系列の信号から周波数領域の信号に変換されてサブキャリアマッピング部203に出力される。
サブキャリアマッピング部203においては、送信データ#1〜#Kを、後述するリソース割当制御部220から与えられるリソース割当情報に応じてサブキャリアにマッピングする。このとき、サブキャリアマッピング部203は、不図示の参照信号生成部から入力される参照信号、同期信号生成部から入力される同期信号、報知信号生成部から入力される報知信号を送信データ#1〜#Kと共にサブキャリアにマッピング(多重)する。このようにしてサブキャリアにマッピングされた送信データ#1〜#Kが電力調整部222#1〜222#Kに出力される。
電力調整部222#1〜222#Kは、後述する電力制御値選択部223から与えられる電力制御値に基づいて、アンテナTX#1〜TX#N毎に送信データ#1〜#Kに対する送信電力を調整する。電力調整部222#1〜222#Kにより送信電力が調整された送信データ#1〜#Kは、プリコーディング乗算部204#1〜204#Kに出力される。
プリコーディング乗算部204#1〜204#Kは、後述するプリコーディングウェイト選択部219から与えられるウェイトに基づいて、アンテナTX#1〜TX#N毎に送信データ#1〜#Kを位相及び/又は振幅シフトする(プリコーディングによるアンテナTX#1〜アンテナTX#Nの重み付け)。プリコーディング乗算部204#1〜204#Kにより位相及び/又は振幅シフトされた送信データ#1〜#Kは、マルチプレクサ(MUX)205に出力される。
例えば、上述した第1の態様が適用される場合、電力調整部222#1〜222#Kは、各移動局100に固有の電力制御値を用いて下りリンクの測定対象信号に対する送信電力制御を行う。また、プリコーディング乗算部204#1〜204#Kは、各移動局100に固有のウェイトを用いて下りリンクの測定対象信号に対してプリコーディングを行う。特に、プリコーディング乗算部204#1〜204#Kは、対応する移動局100向けの送信データに対するウェイトを、下りリンクの測定対象信号に対するプリコーディングに用いることができる。
マルチプレクサ(MUX)205においては、位相及び/又は振幅シフトされた送信データ#1〜#Kを合成し、アンテナTX#1〜TX#N毎の送信信号を生成する。マルチプレクサ(MUX)205により生成された送信信号は、逆高速フーリエ変換部(IFFT)206#1〜206#Nにて逆高速フーリエ変換して周波数領域の信号から時間領域の信号に変換される。そして、サイクリックプレフィクス(CP)付加部207#1〜207#NにてCPが付加された後、RF送信回路208#1〜208#Nへ出力される。そして、RF送信回路208#1〜208#Nで無線周波数帯に変換する周波数変換処理が施された後、デュプレクサ(Duplexer)209#1〜209#Nを介してアンテナTX#1〜TX#Nに出力され、アンテナTX#1〜TX#Nから下りリンクで移動局100に送出される。
一方、移動局100から上りリンクで送出された送信信号は、アンテナTX#1〜TX#Nにより受信され、デュプレクサ(Duplexer)209#1〜209#Nにて送信経路と受信経路とに電気的に分離された後、RF受信回路210#1〜210#Nに出力される。そして、RF受信回路210#1〜210#Nにて、無線周波数信号からベースバンド信号に周波数変換される。周波数変換されたベースバンド信号は、CP除去部211#1〜211#NにてCPが除去された後、高速フーリエ変換部(FFT部)212#1〜212#Nに出力される。受信タイミング推定部213は、受信信号に含まれる参照信号から受信タイミングを推定し、その推定結果をCP除去部211#1〜211#Nに通知する。FFT部212#1〜212#Nは、入力された受信信号をフーリエ変換し、時系列の信号から周波数領域の信号に変換する。これらの周波数領域の信号に変換された受信信号は、データチャネル信号分離部214#1〜214#Kに出力される。
データチャネル信号分離部214#1〜214#Kは、FFT部212#1〜212#Nから入力された受信信号を、例えば、平均2乗誤差最小(MMSE:Minimum Mean Squared Error)や最尤推定検出(MLD:Maximum Likelihood Detection)信号分離法により分離する。これにより、移動局100から到来した受信信号は、ユーザ#1〜ユーザ#Kに関する受信信号に分離される。チャネル推定部215#1〜215#Kは、データチャネル信号分離部214#1〜214#Kで分離された受信信号に含まれる参照信号からチャネル状態を推定し、推定したチャネル状態を制御チャネル復調部216#1〜216#Kに通知する。
データチャネル信号分離部214#1〜214#Kにより分離されたユーザ#1〜ユーザ#Kに関する受信信号は、不図示のサブキャリアデマッピング部にてデマッピングされて時系列の信号に戻された後、データ復調部217#1〜217#Kでデータ復調される。そして、図示しないチャネル復号部#1〜#Kにてチャネル復号されることで送信信号#1〜送信信号#Kが再生される。
制御チャネル復調部216#1〜216#Kは、データチャネル信号分離部214#1〜214#Kで分離された受信信号に含まれる制御チャネル信号(例えば、PUCCH)を復調する。この際、制御チャネル復調部216#1〜216#Kにおいては、チャネル推定部215#1〜215#Kから通知されたチャネル状態に基づいて、それぞれユーザ#1〜ユーザ#Kに対応する制御チャネル信号を復調する。制御チャネル復調部216#1〜216#Kにより復調された各制御チャネル信号は、CSI情報更新部218#1〜218#Kに出力される。
CSI情報更新部218#1〜218#Kは、制御チャネル復調部216#1〜216#Kから入力された各制御チャネル信号(例えば、PUCCH)に含まれるチャネル状態情報(CSI)を抽出し、常にCSIを最新の状態に更新する。なお、CSIには、例えば、PMI、RI及びCQIが含まれる。CSI情報更新部218#1〜218#Kに更新されるCSIは、それぞれプリコーディングウェイト選択部219、電力制御値選択部223、リソース割当制御部220及びMIMO切替部221#1〜221#Kに出力される。
プリコーディングウェイト選択部219は、CSI情報更新部218#1〜218#Kから入力されたCSIに基づいて、送信データ#1〜#Kに対する位相及び/又は振幅シフト量を示すウェイトを選択する。選択された各ウェイトは、プリコーディング乗算部204#1〜204#Kに出力され、送信データ#1〜送信データ#Kのプリコーディングに利用される。なお、これらのプリコーディングウェイト選択部219及びプリコーディング乗算部204#1〜204#Kは、プリコーディング処理部を構成する。
例えば、上述した第1の態様が適用される場合、プリコーディングウェイト選択部219は、下りリンクの測定対象信号に対して乗算される、移動局100毎に固有のウェイトを選択する。特に、プリコーディングウェイト選択部219は、対応する移動局100向けの送信データに用いられるウェイトを、下りリンクの測定対象信号に対するプリコーディングに用いるウェイトとして選択する。
電力制御値選択部223は、CSI情報更新部218#1〜218#Kから入力されたCSIに基づいて、送信データ#1〜#Kに対する電力制御値を選択する。選択された各ウェイトは、電力調整部222#1〜222#Kに出力され、送信データ#1〜送信データ#Kの送信電力制御に利用される。なお、これらの電力制御値選択部223及び電力調整部222#1〜222#Kは、電力制御部を構成する。
例えば、上述した第1の態様が適用される場合、電力制御値選択部223は、下りリンクの測定対象信号に対して調整される、移動局100毎に固有の電力制御値を選択する。特に、電力制御値選択部223は、対応する移動局100向けの送信データに用いられる電力制御値を、下りリンクの測定対象信号に対する送信電力制御に用いる電力制御値として選択する。
なお、基地局200は、これらのプリコーディングウェイト選択部219及び電力制御値選択部223で選択された情報を、上位制御情報として、送信データに含めて移動局100に送信することができる。これにより、移動局100毎に固有のウェイト及び電力制御値が、上位レイヤシグナリングによって対応する移動局100に通知される。例えば、図示しない上位制御情報生成部により、これらの情報を含む信号が生成される。なお、移動局100毎に固有のウェイト/電力制御値を用いたプリコーディング/送信電力制御が行われた旨を示す信号を上位制御情報に含まることもできる。
リソース割当制御部220は、CSI情報更新部218#1〜218#Kから入力されたCSIに基づいて、各移動局100に割り当てるリソース割当情報を決定する。リソース割当制御部220により決定されたリソース割当情報は、サブキャリアマッピング部203に出力され、送信データ#1〜送信データ#Kのマッピングに利用される。
MIMO切替部221#1〜221#Kは、CSI情報更新部218#1〜218#Kから入力されたCSIに基づいて、送信データ#1〜送信データ#Kに用いるMIMO伝送方式を選択する。そして、選択したMIMO伝送方式に応じた送信データ#1〜送信データ#Kに対するチャネル符号化率及び変調方式(MCS)を決定する。決定されたチャネル符号化率は、それぞれチャネル符号化部201#1〜201#Kに出力され、決定された変調方式は、それぞれデータ変調部202#1〜202#Kに出力される。
例えば、上述の第2、第3の態様が適用される場合、基地局200は、下りリンクの測定対象信号に対して、移動局100に固有のウェイト又は電力制御値を用いてプリコーディング又は送信電力制御を行うことはない。このため、電力調整部222#1〜222#K、プリコーディング乗算部204#1〜204#Kは、サブキャリアマッピング部203を介して入力された下りリンクの測定対象信号に対して該当する処理を行うことなく、マルチプレクサ205に出力する。
また、上述の第2の態様が適用される場合、移動局100から、当該移動局100に固有のウェイト(及び電力制御値)に基づいて補正された測定結果(例えば、CSI)がフィードバックされる。補正された測定結果は、例えば、CSI情報更新部218#1〜218#Kに保持される。MIMO切替部221#1〜221#Kは、この補正されたCSIに基づいて、送信データ#1〜送信データ#Kに用いるMIMO伝送方式を選択すると共に、選択したMIMO伝送方式に応じたMCSを選択する。
一方、上述の第3の態様が適用される場合、移動局100から、下りリンクの測定対象信号から測定された測定結果(例えば、CSI)と、当該移動局100に固有のウェイト(及び電力制御値)とがフィードバックされる。この移動局100に固有のウェイト(及び電力制御値)は、測定結果と共に、例えば、CSI情報更新部218#1〜218#Kに保持される。MIMO切替部221#1〜221#Kは、測定結果を移動局100に固有のウェイト(及び電力制御値)を用いて補正しながら、送信データ#1〜送信データ#Kに用いるMIMO伝送方式を選択すると共に、選択したMIMO伝送方式に応じたMCSを選択する。
一方、図6に示す移動局100において、基地局200から送出された送信信号は、送受信アンテナTRX#1〜TRX#Nにより受信され、デュプレクサ(Duplexer)101#1〜101#Nにて送信経路と受信経路とに電気的に分離された後、RF受信回路102#1〜102#Nに出力される。そして、RF受信回路102#1〜102#Nにて、無線周波数信号からベースバンド信号に周波数変換される。ベースバンド信号は、サイクリックプレフィクス(CP)除去部103#1〜103#NにてCPが除去された後、高速フーリエ変換部(FFT部)104#1〜104#Nに出力される。受信タイミング推定部105は、受信信号に含まれる参照信号から受信タイミングを推定し、その推定結果をCP除去部103#1〜103#Nに通知する。FFT部104#1〜104#Nは、入力された受信信号をフーリエ変換することによって、時系列の信号から周波数領域の信号に変換する。周波数領域の信号に変換された受信信号は、データチャネル信号分離部106に出力される。
データチャネル信号分離部106は、FFT部104#1〜104#Nから入力された受信信号を、例えば、平均2乗誤差最小(MMSE)や最尤推定検出(MLD)信号分離法により分離する。これにより、基地局200から到来した受信信号は、ユーザ#1〜ユーザ#Kに関する受信信号に分離され、移動局100のユーザ(ここでは、ユーザkとする)に関する受信信号が抽出される。データチャネル信号分離部106により分離されたユーザ#Kに関する受信信号は、不図示のサブキャリアデマッピング部にてデマッピングされて時系列の信号に戻された後、データ復調部107で復調される。そして、図示しないチャネル復号部にてチャネル復号されることで送信信号#Kが再生される。
同期/報知/参照信号復調部108は、データチャネル信号分離部106で分離された受信信号に含まれる同期信号、報知信号及び参照信号を復調する。一方、制御信号復調部109は、データチャネル信号分離部106で分離された受信信号に含まれる制御信号(例えば、PDCCH)を復調する。この際、制御信号復調部109においては、図示しないチャネル推定部から通知されたチャネル状態に基づいて、ユーザ#Kに対応する制御信号を復調する。同期/報知/参照信号復調部108による復調された同期信号、報知信号及び参照信号、並びに、制御信号復調部109により復調された各制御信号は、測定/補正部110に出力される。
例えば、上述した第1の態様が適用される場合、同期/報知/参照信号復調部108は、移動局100に固有のウェイト(電力制御値)によりプリコーディング(送信電力制御)が行われている特定の信号(例えば、DM−RS)に基づいて、端末自身に固有のウェイト(電力制御値)を取得する。そして、取得してウェイトを用いて、同期信号、報知信号及び参照信号を復調する。なお、取得したウェイト及び電力制御値は、測定/補正部110に出力される。
なお、基地局200から移動局100に固有のウェイトが上位レイヤシグナリングで通知される場合、データ復調部107で復調されたデータ信号のうち、上位レイヤシグナリング信号で通知されるウェイトは、同期/報知/参照信号復調部108に出力される。同期/報知/参照信号復調部108は、このウェイトを用いて、同期信号、報知信号及び参照信号を復調する。
測定/補正部110は、同期/報知/参照信号復調部108から入力される同期信号、報知信号及び参照信号、或いは、制御信号復調部109から入力された制御信号の測定処理を行う。例えば、測定/補正部110は、同期/報知/参照信号復調部108からの同期信号に基づいて測定処理を行うことで、基地局200との間で同期を確立させる。また、測定/補正部110は、同期/報知/参照信号復調部108からの報知信号に基づいて測定処理を行うことで、基地局200からの受信電力(例えば、RSRP:Reference Signal Received Power)を測定する。さらに、測定/補正部110は、同期/報知/参照信号復調部108からの参照信号に基づいて測定処理を行うことで、チャネル品質(CQI)を測定する。測定/補正部110は、測定したCQIに基づいてPMI及びRIを選択する。そして、CSI(CQI、PMI、RI)又はRSRPをフィードバック信号生成部111及びMIMO切替部112に通知する。
例えば、上述した第1の態様が適用される場合、測定/補正部110は、移動局100自身に固有のウェイトを用いて復調された下りリンクの測定対象信号に基づいて測定処理を行うことができる。また、下りリンクの測定対象信号に対して送信電力制御が行われている場合、測定/補正部110は、同期/報知/参照信号復調部108から入力される電力制御値に基づいて下りリンクの測定対象信号を調整できる。
なお、基地局200から移動局100に固有の電力制御値が上位レイヤシグナリングで通知される場合、データ復調部107で復調されたデータ信号のうち、上位レイヤシグナリング信号で通知される電力制御値は、測定/補正部110に出力される。測定/補正部110は、この電力制御値に基づいて下りリンクの測定対象信号を調整できる。
また、上述した第2の態様が適用される場合、下りリンクの測定対象信号には、移動局100に固有のウェイトを用いてプリコーディングが行われない。このため、同期/報知/参照信号復調部108は、同期信号、報知信号及び参照信号を復調することなく測定/補正部110に出力する。測定/補正部110は、この同期信号、報知信号及び参照信号に測定処理を行う。一方、測定/補正部110は、同期/報知/参照信号復調部108から入力されるウェイト/電力制御値を用いて、測定結果を補正する。
フィードバック信号生成部111は、基地局200にフィードバックするフィードバック信号を生成する。この場合、フィードバック信号には、測定/補正部110から通知されたCQI、PMI及びRIや、RSRPが含まれる。フィードバック信号生成部111で生成されたフィードバック信号(CSIフィードバック、RSRPフィードバック)は、マルチプレクサ(MUX)113に出力される。
例えば、上述した第2の態様が適用される場合、フィードバック信号生成部111は、移動局100自身に固有のウェイトを用いて補正された測定結果(例えば、CQI)を含むフィードバック信号を生成する。また、上述した第3の態様が適用される場合、フィードバック信号生成部111は、下りリンクの測定対象信号から測定された測定結果と、移動局100に固有のウェイト(電力制御値)によりプリコーディング(送信電力制御)が行われている信号(例えば、DM−RS)から取得されるウェイト(電力制御値)を含むフィードバック信号を生成する。
MIMO切替部112は、測定/補正部110から入力されたCQI、PMI及びRIに基づいて、送信データ#Kに用いるMIMO伝送方式を選択する。そして、選択したMIMO伝送方式に応じた送信データ#Kに対するチャネル符号化率及び変調方式を決定する。決定されたチャネル符号化率は、それぞれチャネル符号化部114に出力され、決定された変調方式は、それぞれデータ変調部115に出力される。
一方、上位レイヤから送出されたユーザ#Kに関する送信データ#Kは、チャネル符号化部114によりチャネル符号化された後、データ変調部115にてデータ変調される。データ変調部115にてデータ変調された送信データ#Kは、不図示の直並列変換部で、時系列の信号から周波数領域の信号に変換されてサブキャリアマッピング部116に出力される。
サブキャリアマッピング部116においては、送信データ#Kを、基地局200から指示されたスケジュール情報に応じてサブキャリアにマッピングする。このとき、サブキャリアマッピング部116は、不図示の参照信号生成部により生成された参照信号#Kを、送信データ#Kと共にサブキャリアにマッピング(多重)する。このようにしてサブキャリアにマッピングされた送信データ#Kがプリコーディング乗算部117に出力される。
プリコーディング乗算部117は、送受信アンテナTRX#1〜TRX#N毎に送信データ#Kを位相及び/又は振幅シフトする。このとき、プリコーディング乗算部117は、制御信号復調部109で復調された制御信号で指定されるPMIに対応するウェイトに応じて位相及び/又は振幅シフトする。プリコーディング乗算部117により位相及び/又は振幅シフトされた送信データ#Kは、マルチプレクサ(MUX)113に出力される。
マルチプレクサ(MUX)113においては、位相及び/又は振幅シフトされた送信データ#Kと、フィードバック信号生成部111により生成された制御信号とを合成し、送受信アンテナTRX#1〜TRX#N毎の送信信号を生成する。マルチプレクサ(MUX)113により生成された送信信号は、逆高速フーリエ変換部118#1〜118#Nにて逆高速フーリエ変換して周波数領域の信号から時間領域の信号に変換された後、CP付加部119#1〜119#NでCPが付加されてRF送信回路120#1〜120#Nへ出力される。そして、RF送信回路120#1〜120#Nで無線周波数帯に変換する周波数変換処理が施された後、デュプレクサ(Duplexer)101#1〜101#Nを介して送受信アンテナTRX#1〜TRX#Nに出力され、送受信アンテナTRX#1〜TRX#Nから上りリンクで基地局200に送出される。
本発明は上記実施の形態に限定されず、様々変更して実施することが可能である。例えば、本発明の範囲を逸脱しない限りにおいて、上記説明におけるキャリア数、キャリアの帯域幅、シグナリング方法、処理部の数、処理手順については適宜変更して実施することが可能である。その他、本発明の範囲を逸脱しないで適宜変更して実施することが可能である。
1 通信システム
100 移動局装置(移動局)
106 データチャネル信号分離部
107 データ復調部
108 同期/報知/参照信号復調部
109 制御信号復調部
110 測定/補正部
111 フィードバック信号生成部
200 基地局装置(基地局)
203 サブキャリアマッピング部
204 プリコーディング乗算部
218 CSI情報更新部
219 プリコーディングウェイト選択部
220 リソース割当制御部
222 電力調整部
223 電力制御値選択部

Claims (6)

  1. 同期信号、報知信号及びチャネル状態測定用参照信号の少なくとも一つに対して、時間領域毎に異なるアンテナ、異なるウェイト及び異なるビームのいずれかを用いて送信を制御する制御部と、
    前記同期信号、報知信号及びチャネル状態測定用参照信号の少なくとも一つをユーザ端末に送信する送信部と、を具備することを特徴とする基地局装置。
  2. 前記制御部は、前記ユーザ端末に対する下りリンク共有データチャネル信号の送信に用いられるアンテナ、ウェイト及びビームのいずれかを用いて前記同期信号、報知信号及びチャネル状態測定用参照信号の少なくとも一つの送信を制御することを特徴とする請求項1記載の基地局装置。
  3. 前記制御部は、複数シンボル単位で前記アンテナ、ウェイト及びビームの少なくとも一つを切り替えることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の基地局装置。
  4. 時間領域毎に異なるアンテナ、異なるウェイト及び異なるビームのいずれかを用いて送信される同期信号、報知信号及びチャネル状態測定用参照信号の少なくとも一つを受信する受信部と、前記同期信号、報知信号及びチャネル状態測定用参照信号の少なくとも一つに基づいて測定処理を行う測定部とを具備することを特徴とするユーザ端末。
  5. 前記受信部は、複数シンボル単位で前記アンテナ、ウェイト及びビームの少なくとも一つが切り替えて送信される前記同期信号、報知信号及びチャネル状態測定用参照信号の少なくとも一つを受信することを特徴とする請求項4に記載のユーザ端末。
  6. 同期信号、報知信号及びチャネル状態測定用参照信号の少なくとも一つに対して、時間領域毎に異なるアンテナ、異なるウェイト及び異なるビームのいずれかを用いて送信を制御する工程と、
    前記同期信号、報知信号及びチャネル状態測定用参照信号の少なくとも一つをユーザ端末に送信する工程と、を具備することを特徴とする基地局装置における無線通信方法。
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