JP2018077257A - 光検出装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】小型化が可能な光検出装置を提供すること。【解決手段】分光センサ1は、搭載基板と、光検出器3と、スペーサ4と、ファブリペロー干渉フィルタ10と、を備える。スペーサ4は、ファブリペロー干渉フィルタ10を支持しており、スペーサ4は、周囲領域R1の内側と周囲領域R1の外側とを連通する開口部A1を形成する。ファブリペロー干渉フィルタ10は、支持体と、第1ミラー31と、第1ミラー31に対して移動可能な第2ミラー41と、を有する。スペーサ4とファブリペロー干渉フィルタ10とは、樹脂材料により形成されたダイボンド樹脂5によって互いに固定される。第1ミラー31と第2ミラー41とが対向する方向における空隙Sの厚さは、ファブリペロー干渉フィルタ10の支持体の厚さよりも小さい。【選択図】図1

Description

本発明は、ファブリペロー干渉フィルタを備える光検出装置に関する。
従来の光検出装置として、例えば特許文献1には、支持基板上に受光素子が配置され、この受光素子の上に接着層を介してファブリペロー干渉フィルタが接着されたものが記載されている。このような光検出素子では、受光素子の上面には、受光素子の電気的接続のためのボンディングパッドが配置されている。ファブリペロー干渉フィルタは、ファブリペロー干渉フィルタにおける光の透過方向から見て、受光素子の上面において、上記のボンディングパッドから離間して配置されている。
特開2012−173347号公報
しかしながら、上述したような光検出素子では、ファブリペロー干渉フィルタにおける光の透過方向から見て、ボンディングパッドをファブリペロー干渉フィルタの外側に配置させる必要があるため、光検出装置の小型化が妨げられるおそれがある。
そこで、本発明は、小型化が可能な光検出装置を提供することを目的とする。
本発明の一形態に係る光検出装置は、主面を有する搭載基板と、搭載基板の主面上に配置された光検出器と、搭載基板の主面上において光検出器の周囲に設けられた支持部材と、光透過領域を有し、支持部材を介して搭載基板の主面上に配置されたファブリペロー干渉フィルタと、を備え、支持部材は、光透過領域の周囲領域においてファブリペロー干渉フィルタを支持しており、支持部材は、光透過領域における光の透過方向から見た場合に、周囲領域の内側と周囲領域の外側とを連通する開口部を形成し、ファブリペロー干渉フィルタは、支持体と、支持体に固定された第1ミラーと、第1ミラーと空隙を介して対向し、第1ミラーに対して移動可能な第2ミラーと、を有し、支持部材とファブリペロー干渉フィルタとは、樹脂材料により形成された接着部によって互いに固定され、第1ミラーと第2ミラーとが対向する方向における空隙の厚さは、ファブリペロー干渉フィルタの支持体の厚さよりも小さい。
また、本発明の光検出装置では、ファブリペロー干渉フィルタは、ボンディングパッドを有し、支持部材は、透過方向から見た場合に、ファブリペロー干渉フィルタのボンディングパッドに対応する位置に配置されていてもよい。この構成によれば、光検出装置の製造時におけるワイヤボンディング工程において、ファブリペロー干渉フィルタのボンディングパッドが、当該ボンディングパッドに対応する位置に設けられた支持部材により支持されるため、ワイヤボンディング性を向上させることができる。
また、本発明の光検出装置では、支持部材は、透過方向から見た場合に、ファブリペロー干渉フィルタの光透過領域から離間していてもよい。この構成によれば、支持部材と光透過領域とが離間しているため、光検出装置の製造時において、接着部に用いられる樹脂等の材料が接着部からはみ出した場合でも、この樹脂等の材料が光透過領域に浸入することを抑制することができる。
本発明によれば、小型化が可能な光検出装置を提供することができる。
実施形態に係る光検出装置の分解斜視図である。 ファブリペロー干渉フィルタの断面図である。 光検出装置の製造工程を示す平面図である。 図3に続く光検出装置の製造工程を示す平面図である。 図4に続く光検出装置の製造工程を示す平面図である。 図5(B)に対応する側面図である。 図5(B)におけるVII−VII線断面図及びその一部を拡大して示す図である。 図5に続く光検出装置の製造工程を示す平面図である。 光検出装置の変形例を示す平面図である。 光検出装置の変形例を示す平面図である。
以下、本発明の好適な実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、各図において同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する部分を省略する。
[第1実施形態]
[分光センサ]
図1に示されるように、分光センサ(光検出装置)1は、配線基板2と、光検出器3と、複数のスペーサ(支持部材)4と、ファブリペロー干渉フィルタ10と、を備えている。配線基板2は、主面2Aを有している。配線基板2の主面2A上には、光検出器3が実装される実装部2a、複数の電極パッド(ボンディングパッド)2b、及び例えばサーミスタ等の温度補償用素子が実装される実装部2cが設けられている。電極パッド2bのうち1つは、配線2dにより実装部2aと電気的に接続されている。電極パッド2bのうち他のものは、実装部2cと配線2dにより電気的に接続され、実装部2cに実装されるサーミスタ等を、分光センサ1の外部と電気的に接続するために用いられる。光検出器3は、例えば、赤外線検出器であって、InGaAs等が用いられた量子型センサ、又は、サーモパイル若しくはボロメータ等が用いられた熱型センサである。なお、紫外(UV)、可視、近赤外の各領域を検出する場合には、光検出器3としてシリコンフォトダイオード等を用いることができる。
複数のスペーサ4は、配線基板2の主面2A上に固定されており、ファブリペロー干渉フィルタ10は、複数のスペーサ4上に固定されている。このようにして、複数のスペーサ4は、ファブリペロー干渉フィルタ10を支持し、ファブリペロー干渉フィルタ10は、配線基板2の主面2A上に配置される。このとき、ファブリペロー干渉フィルタ10への熱歪みの影響を抑制するために、複数のスペーサ4及びファブリペロー干渉フィルタ10は、可撓性を有する樹脂材料からなる接着部によって固定されることが好ましい。接着部を構成する樹脂材料としては、例えば、シリコーン系、ウレタン系、エポキシ系、アクリル系、ハイブリッド等の各種の樹脂材料が用いられ得る。好ましくは、樹脂材料としては、弾性率(又はヤング率)が0.1GPa以下の材料が用いられる。さらに、当該樹脂材料は、室温硬化又は低温硬化のものから選択されることが望ましい。
また、複数のスペーサ4の材料としては、例えばシリコン、セラミック、石英、ガラス、プラスチック等が用いられ得る。特に、ファブリペロー干渉フィルタ10において特に複数のスペーサ4と接する部分との熱膨張係数差を緩和するために、複数のスペーサ4の材料は、ファブリペロー干渉フィルタ10の材料と比較して、その熱膨張係数が同等又は小さい材料であることが好ましい。一例として、ファブリペロー干渉フィルタ10をシリコン基板上に形成する場合には、複数のスペーサ4は、石英又はシリコンといった熱膨張係数の小さい材料で形成されることが望ましい。なお、上述のように配線基板2とスペーサ4とを別体として形成する構成に代えて、配線基板2の表面上にスペーサ4となる部分を一体形成した構成としてもよい。光検出器3は、配線基板2とファブリペロー干渉フィルタ10との間においてファブリペロー干渉フィルタ10の光透過領域11と対向しており、ファブリペロー干渉フィルタ10を透過した光を検出する。なお、サーミスタ等の温度センサを配線基板2上に設置してもよい。
後述するように、配線基板2、光検出器3、複数のスペーサ4及びファブリペロー干渉フィルタ10は、配線基板2がステム上に固定され且つファブリペロー干渉フィルタ10の光透過領域11がキャップの光透過窓に対向した状態で、CANパッケージ内に収容されている。配線基板2の電極パッド2b及びファブリペロー干渉フィルタ10の端子12,13は、ステムを貫通するリードピンのそれぞれとワイヤボンディングによって電気的に接続されている。光検出器3に対する電気信号の入出力等は、リードピン、電極パッド2b及び実装部2aを介して行われる。ファブリペロー干渉フィルタ10への電圧の印加は、リードピン及び端子12,13を介して行われる。
以下、スペーサ4の配置について説明する。スペーサ4は、ファブリペロー干渉フィルタ10の光透過領域11における光の透過方向から見た場合に、光透過領域11の周囲領域(光透過領域11を含まない領域であって、光透過領域11を囲む領域)の内側と、この周囲領域の外側とを連通する開口部を有するように配置されている。ここで、本明細書において、ある要素(例えばスペーサ4)が開口部を有するとは、当該要素がある領域(例えば光透過領域11)を隙間なく囲む環状のものではなく、少なくとも一箇所において切れ目を有していることを意味する。当該要素と開口部との長さの関係は、特に限定されるものではない。例えば、光透過領域11を囲む円、多角形等の図形の周上のうち一部にスペーサ4が設けられており、かつ全部にスペーサ4が設けられていなければ、スペーサ4は開口部を有しているものとする。なお、ファブリペロー干渉フィルタ10を安定的に設置するために、スペーサ4は、光の透過方向から見た場合に少なくとも光透過領域11の両側に配置されていることが好ましい。開口部を有するスペーサ4の具体例としては、直線状に延びる2本のスペーサ4を互いに平行に配置した場合(図4(A)参照)、四角形の4つの頂点のそれぞれに柱状のスペーサ4を配置した場合(図9参照)、スペーサ4をU字状に配置した場合(図10(A)参照)等を含む。
本実施形態の分光センサ1においては、スペーサ4として、互いに平行に配置された2本の直線状のスペーサ4A,4Bが用いられている。これらのスペーサ4A,4Bは、スペーサ4A,4Bのそれぞれにおける同じ側の端部同士の間に、二点鎖線で示される開口部A1を有している。言い換えれば、スペーサ4A,4Bと2つの開口部A1,A1とにより、光透過領域11を囲む四角形が形成されている。この四角形における2辺には、スペーサ4A,4Bが設けられており、他の2辺には、スペーサ4A,4Bが設けられておらず、開口部A1,A1が形成されている。
また、分光センサ1では、実装部2aに接続された電極パッド2bは、配線基板2の主面2A上において、光透過領域11の周囲領域R1に配置されている。この電極パッド2bは、その全部が周囲領域R1内に配置されていてもよいし、その一部のみが周囲領域R1内に配置されていてもよい。
以上のように構成された分光センサ1では、測定光が入射すると、ファブリペロー干渉フィルタ10に印加している電圧に応じて、所定の波長を有する光がファブリペロー干渉フィルタ10を透過する。そして、ファブリペロー干渉フィルタ10を透過した光は、光検出器3で検出される。分光センサ1では、ファブリペロー干渉フィルタ10に印加する電圧を変化させながら、ファブリペロー干渉フィルタ10を透過した光を光検出器3で検出することで、分光スペクトルを得ることができる。
[ファブリペロー干渉フィルタ]
図2に示されるように、ファブリペロー干渉フィルタ10は、基板14を備えている。基板14の光入射側の表面14aには、反射防止層15、第1積層体30、犠牲層16及び第2積層体40がこの順序で積層されている。第1積層体30と第2積層体40との間には、枠状の犠牲層16によって空隙(エアギャップ)Sが形成されている。ファブリペロー干渉フィルタ10においては、第2積層体40に対して基板14の反対側から測定光が入射し、所定の波長を有する光が、ファブリペロー干渉フィルタ10の中央部に画定された光透過領域11を透過する。なお、基板14は、例えばシリコン、石英、ガラス等からなり、基板14がシリコンからなる場合には、反射防止層15及び犠牲層16は、例えば、酸化シリコンからなる。犠牲層16の厚みは、200nm〜10μmである。犠牲層16の厚みは、中心透過波長(すなわち、ファブリペロー干渉フィルタ10が透過させる波長の可変範囲の中央である波長)の1/2の整数倍であることが好ましい。
第1積層体30のうち光透過領域11に対応する部分は、第1ミラー31として機能する。第1積層体30は、複数のポリシリコン層と複数の窒化シリコン層とが一層ずつ交互に積層されることで構成されている。第1ミラー31を構成するポリシリコン層及び窒化シリコン層それぞれの光学厚みは、中心透過波長(可変波長範囲の中心波長)の1/4の整数倍であることが好ましい。
第2積層体40のうち光透過領域11に対応する部分は、空隙Sを介して第1ミラー31と対向する第2ミラー41として機能する。第2積層体40は、第1積層体30と同様に、複数のポリシリコン層と複数の窒化シリコン層とが一層ずつ交互に積層されることで構成されている。第2ミラー41を構成するポリシリコン層及び窒化シリコン層それぞれの光学厚みは、中心透過波長(可変波長範囲の中心波長)の1/4の整数倍であることが好ましい。
なお、第2積層体40において空隙Sに対応する部分には、第2積層体40の表面40aから空隙Sに至る複数の貫通孔40bが均一に分布されている。貫通孔40bは、第2ミラー41の機能に実質的に影響を与えない程度に形成されている。貫通孔40bの直径は、100nm〜5μmであり、貫通孔40bの開口面積は、第2ミラー41の面積の0.01〜10%を占める。
ファブリペロー干渉フィルタ10においては、第1ミラー31及び第2ミラー41は、基板14に支持されている。そして、第1ミラー31は、基板14の光入射側に配置されており、第2ミラー41は、空隙Sを介して第1ミラー31の光入射側に配置されている。
第1ミラー31には、光透過領域11を囲むように第1電極17が形成されている。第1電極17は、ポリシリコン層に不純物をドープして低抵抗化することで形成されている。
第1ミラー31には、光透過領域11を含むように第2電極18が形成されている。第2電極18は、ポリシリコン層に不純物をドープして低抵抗化することで形成されている。ポリシリコン層において、第2電極18の大きさは、光透過領域11の全体を含む大きさであることが好ましく、光透過領域11の大きさと略同一であってもよい。
第2ミラー41には、第1電極17及び第2電極18と対向するように第3電極19が形成されている。第3電極19は、ポリシリコン層に不純物をドープして低抵抗化することで形成されている。
ファブリペロー干渉フィルタ10においては、第2電極18は、第1ミラー31と第2ミラー41とが対向する対向方向Dにおいて、第1電極17に対して第3電極19の反対側に位置している。すなわち、第1電極17と第2電極18とは、第1ミラー31において同一平面上に配置されておらず、第2電極18は、第1電極17よりも第3電極19から離れている。
図1及び図2に示されるように、ファブリペロー干渉フィルタ10に電圧を印加するための端子12は、光透過領域11を挟んで対向するように一対設けられている。各端子12は、第2積層体40の表面40aから第1積層体30に至る貫通孔内に配置されており、配線21を介して、第1電極17と電気的に接続されている。
図1及び図2に示されるように、ファブリペロー干渉フィルタ10に電圧を印加するための端子13は、光透過領域11を挟んで対向するように一対設けられている。なお、一対の端子12が対向する方向と、一対の端子13が対向する方向とは、直交している。各端子13は、配線22を介して、第3電極19と電気的に接続されている。また、第3電極19は、配線23を介して、第2電極18とも電気的に接続されている。
図2に示されるように、第1積層体30の表面30aには、端子13から対向方向Dに沿って延びる配線23を囲むように環状に延在するトレンチ26、及び第1電極17の内縁に沿って環状に延在するトレンチ27が設けられる。トレンチ26は、第1電極17と配線23とを電気的に絶縁している。トレンチ27は、第1電極17と第1電極17の内側の領域とを電気的に絶縁している。各トレンチ26,27内の領域は、絶縁材料であっても、空隙であってもよい。
第2積層体40の表面40aには、端子12を囲むように環状に延在するトレンチ28が設けられている。トレンチ28の底面は、犠牲層16に達している。トレンチ28は、端子12と第3電極19とを電気的に絶縁している。トレンチ28内の領域は、絶縁材料であっても、空隙であってもよい。
基板14の光出射側の表面14bには、反射防止層51、第3積層体52、中間層53及び第4積層体54がこの順序で積層されている。反射防止層51及び中間層53は、それぞれ、反射防止層15及び犠牲層16と同様の構成を有している。第3積層体52及び第4積層体54は、それぞれ、基板14を基準として第1積層体30及び第2積層体40と対称の積層構造を有している。これらの反射防止層51、第3積層体52、中間層53及び第4積層体54によって、応力調整層50が構成されている。基板14と応力調整層50とによって、支持体が構成される。なお、基板14単体を支持体としてもよい。応力調整層50は、基板14の光出射側に配置されており、基板14の反りを抑制する機能を有している。応力調整層50には、光透過領域11を含むように開口50aが設けられている。応力調整層50の光出射側の表面50bには、遮光層29が形成されている。遮光層29は、アルミニウム等からなり、測定光を遮光する機能を有している。
以上のように構成されたファブリペロー干渉フィルタ10においては、端子12,13を介して第1電極17と第3電極19との間に電圧が印加されると、当該電圧に応じた静電気力が第1電極17と第3電極19との間に発生する。それによって、第2ミラー41は、基板14に固定された第1ミラー31側に引き付けられるように駆動され、第1ミラー31と第2ミラー41との距離が調整される。ファブリペロー干渉フィルタ10を透過する光の波長は、光透過領域11における第1ミラー31と第2ミラー41との距離に依存するため、第1電極17と第3電極19との間に印加する電圧を調整することで、透過する光の波長を適宜選択することができる。このとき、第2電極18は、電気的に接続された第3電極19と同電位となるため、光透過領域11において第1ミラー31及び第2ミラー41を平坦に保つための補償電極として機能する。
[分光センサの製造工程]
次に、図3〜8を参照して、本実施形態に係る分光センサの製造工程について説明する。図3〜5及び図8は、製造工程を示すための平面図であり、図6は、図5(B)に対応する側面図であり、図7は図5(B)のVII−VII線断面図及びその一部拡大図である。図3(A)に示されるように、まず、ステム6を用意する。ステム6は、例えばTO−CANステムである。ステム6は、円盤状のベース6aに、導電性を有するリードピン6bが貫通した構成を有する。
次に、図3(B)に示されるように、ステム6のベース6aの上に配線基板2を配置し、ベース6aと配線基板2とを樹脂により接着する。配線基板2の上には、光検出器3を固定するための実装部2aと、複数の電極パッド2b(ボンディングパッド)と、サーミスタ7を配置するための実装部2cと、が配置されている。実装部2a,2cは、それぞれ別個の電極パッド2bと、配線2dにより電気的に接続されている。
次に、図4(A)に示されるように、配線基板2の実装部2a,2c上に、それぞれ光検出器3及びサーミスタ7を配置する。また、配線基板2上に2本の棒状部材であるスペーサ4A,4Bを、互いに平行に延びるように配置する。スペーサ4は、ファブリペロー干渉フィルタ10の光透過領域11における光の透過方向(紙面に垂直な方向)から見た場合に、二つの開口部A1,A1を有するように設けられる。開口部A1,A1は、光透過領域11の周囲領域R1の内側と、周囲領域R1の外側と、を連通する。光検出器3が実装された実装部2aに電気的に接続された電極パッド2bは、配線基板2の主面2A上において、光透過領域11の周囲領域R1内に配置される。
2本のスペーサ4A,4Bは、ファブリペロー干渉フィルタ10の光透過領域11における光の透過方向から見た場合に、光透過領域11の周囲領域に配置される。すなわち、スペーサ4A,4Bは、光透過領域11における光の透過方向から見た場合に、光透過領域11から離間して配置される。なお、サーミスタ7については省略してもよい。
次に、図4(B)に示されるように、光検出器3、サーミスタ7、電極パッド2bと、ステム6のリードピン6bとを、ワイヤ8を用いてワイヤボンディングにより電気的に接続する。ワイヤ8の材質は、例えば金(Au)である。
ここで、光検出器3に電気的に接続された電極パッド2bは、配線基板2の主面2A上において、光透過領域11の周囲領域R1内に配置されている。また、光検出器3に電気的に接続された電極パッド2bに接続されるワイヤ8は、スペーサ4A,4Bの間に形成された開口部A1を経由して、ステム6のリードピン6bに接続されている。
次に、図5(A)に示されるように、スペーサ4にダイボンド樹脂5(接着部)を塗布する。ここで、ダイボンド樹脂5は、光透過領域11における光の透過方向から見た場合に、光透過領域11の周囲領域の内側と、この周囲領域の外側と、を連通する開口部を有するように設けられる。ここで、ダイボンド樹脂5が開口部を有するとは、ダイボンド樹脂5が切れ目のない環状となっていないことを意味し、先にスペーサ4について例示したのと同様の形状を含む。具体的には、ダイボンド樹脂5は、ファブリペロー干渉フィルタ10の光透過領域11における光の透過方向から見た場合に、ファブリペロー干渉フィルタ10の両方の側のみに配置されるように塗布される。図5(A)に示される例の場合には、ダイボンド樹脂5は、スペーサ4A,4Bの上面の略全長にわたって塗布される。
次に、図5(B)に示されるように、スペーサ4の上にファブリペロー干渉フィルタ10を配置する。これにより、ファブリペロー干渉フィルタ10は、ダイボンド樹脂5を介してスペーサ4の上に固定される(光検出器3の上に離間してファブリペロー干渉フィルタ10が配置される)。このとき、ファブリペロー干渉フィルタ10は、ファブリペロー干渉フィルタ10のボンディングパッドとしての端子12,13に対応する位置にスペーサ4が配置されるように配置される。さらに、ファブリペロー干渉フィルタ10の端子12,13とステム6のリードピン6bとを、ワイヤ8により電気的に接続する。ワイヤ8の材質は、例えば金(Au)である。
図5(B)に対応する側面図を図6に示す。ファブリペロー干渉フィルタ10とスペーサ4A,4Bの間は、ダイボンド樹脂5により接着されている。
さらに、図5におけるVII−VII線断面図を図7(A)に示す。図7(A)における楕円EBにより囲まれた部分に相当する拡大図を図7(B)に示す。
スペーサ4A及び4Bは、ファブリペロー干渉フィルタ10の光透過領域11から離間している。また、ファブリペロー干渉フィルタ10の端子12,13に対応する位置、具体的には端子12,13の真下には、スペーサ4A,4Bが位置している。スペーサ4A,4Bの上面と、ファブリペロー干渉フィルタ10の遮光層29とが接するように、ファブリペロー干渉フィルタ10は、スペーサ4A,4Bの上面に接着されている。さらに、図7(B)に示されるように、スペーサ4Aの外側面4Aaは、ファブリペロー干渉フィルタ10の外側面10aと比較して、僅かに外側に位置している。
図5(B)に続く工程を図8に示す。図8に示されるように、ステム6のベース6aの上に、金属からなるキャップ9を取り付けて、ファブリペロー干渉フィルタ10及び光検出器3等を封止する。キャップ9は、略円柱状であり、その上面に円形の透過窓9aを備えている。透過窓9aは、ガラスやシリコン、ゲルマニウム等の、分光センサ1の適用波長範囲に対応した材料を用いた透過窓であってもよい。また、透過窓9aは、反射防止膜付き窓、又は適用波長範囲を制限するバンドパスフィルタであってもよい。図3〜8を参照して上述した製造工程により、分光センサ1が得られる。
本実施形態の分光センサ1では、光透過領域11の周囲領域R1の内側と、周囲領域R1の外側と、を連通する開口部A1,A1がスペーサ4A,4Bに設けられている。このため、光検出器3に電気的に接続された電極パッド2bを光透過領域11の周囲領域の、スペーサ4A,4Bにより囲まれた領域の内側に配置した場合であっても、この電極パッド2bと他の素子とを電気的に接続するためのワイヤ8を、スペーサ4A,4Bの開口部A1を経由するように設けることにより、光検出器3に対する電気的な接続を確保することができる。したがって、ファブリペロー干渉フィルタ10における光の透過方向から見た場合に、光検出器3に電気的に接続された電極パッド2bを、ファブリペロー干渉フィルタ10の外側に配置する必要がない。したがって、分光センサ1の大きさをファブリペロー干渉フィルタ10の大きさとほぼ同等とすることができ、分光センサ1を小型化することができる。
また、スペーサ4A,4Bが開口部A1,A1を有するため、密閉された空間がファブリペロー干渉フィルタ10、スペーサ4及びダイボンド樹脂5によって形成されることがない。したがって、分光センサ1の製造時におけるダイボンド樹脂5の熱硬化時に、ファブリペロー干渉フィルタ10、スペーサ4及びダイボンド樹脂5によって囲まれた空気が熱膨張してダイボンド樹脂5を破裂させることがなくなる。これによりファブリペロー干渉フィルタ10のアライメントずれが生じて光学的特性が低下することを抑制することができる。さらに、光検出器3として例えばサーモパイル等のメンブレン構造を有する素子を用いた場合に、空気の熱膨張により光検出器3のメンブレン構造が破損することを防止することができる。
また、光検出器3に電気的に接続された電極パッド2bが、光透過領域11の周囲領域R1内の、スペーサ4A,4Bにより囲まれた領域の内側に配置されている。このため、この電極パッド2bと他の素子とを電気的に接続するための配線を、スペーサ4A,4Bの開口部A1を経由するように設けることにより、光検出器3に対する電気的な接続を確保することができる。したがって、電極パッド2bを、スペーサ4A,4Bにより囲まれた領域の外に配置した場合と比較して、電極パッド2bを配置するためのスペースが不要となり、分光センサ1を小型化することができる。
また、ファブリペロー干渉フィルタ10は端子12,13を有し、スペーサ4A,4Bは、ファブリペロー干渉フィルタ10における光の透過方向から見た場合に、ファブリペロー干渉フィルタ10の端子12,13に対応する位置に配置されている。このため、分光センサ1の製造時におけるワイヤボンディング工程において、ファブリペロー干渉フィルタ10の端子12,13が、端子12,13に対応する位置に設けられたスペーサ4A,4Bにより支持されるため、ワイヤボンディング性を向上させることができる。
また、ファブリペロー干渉フィルタ10が光透過領域11を有し、スペーサ4A,4Bが、ファブリペロー干渉フィルタ10における光の透過方向から見た場合に、ファブリペロー干渉フィルタ10の光透過領域11から離間している。したがって、スペーサ4A,4Bと光透過領域11とが離間しているため、分光センサ1の製造時において、ダイボンド樹脂5がはみ出した場合でも、ダイボンド樹脂5が光透過領域11に浸入することを抑制することができる。仮にダイボンド樹脂5が余分に塗布された場合であっても、余分なダイボンド樹脂5はスペーサ4A,4Bの下側へ伝うこととなり、これにより光透過領域11にダイボンド樹脂5が伝うことを防止することもできる。
また、図7(B)に示したように、スペーサ4Aの外側面がファブリペロー干渉フィルタ10の外側面と比較して僅かに外側に位置していることにより、ダイボンド樹脂5の樹脂のフィレットが形成されるため、確実に接着がなされる。
[変形例]
なお、図4(B)を参照して説明したスペーサ4の配置、及び図5(A)を参照して説明したダイボンド樹脂5の配置については、種々の変形をすることができる。例えば、図9に示されるように、矩形の配線基板2の4個の頂点のそれぞれの近傍に柱状のスペーサ4Cを配置し、4本のスペーサ4Cのそれぞれの上面にダイボンド樹脂5をドット状に塗布してもよい。
また、図10(A)に示されるように、配線基板2上にU字状のスペーサ4Dを固定し、このU字状のスペーサ4Dの上面の略全長にわたってダイボンド樹脂5を塗布してもよい。
また、図10(B)に示されるように、配線基板2の4個の頂点のうち配線基板2の対角線上に位置する2つの頂点にL字型のスペーサ4Eを固定し、このスペーサ4Eの上面にわたってダイボンド樹脂5を塗布してもよい。
また、上記実施形態では、図2に示されるように、光透過領域11が開口50aより狭い領域であるとして説明を行ったが、本発明は、このような形態に限定されない。予め幅が絞られた光を入射光として導入する場合には、図2に示されるように、光透過領域11は開口50aより狭くなる。しかしながら、例えば、開口50aより幅の広い光を入射光として導入する場合には、開口50aが光透過領域11を画定する。本発明は、このような形態にも適用可能である。
また、例えば、光検出装置は、主面を有する配線基板と、配線基板の主面上に配置され、配線基板と電気的に接続された光検出器と、配線基板の主面上において光検出器の周囲に配置された支持部材と、光透過領域を有し、支持部材を介して配線基板の主面上に配置されたファブリペロー干渉フィルタと、を備え、支持部材は、光透過領域の周囲領域においてファブリペロー干渉フィルタを支持しており、支持部材は、光透過領域における光の透過方向から見た場合に、周囲領域の内側と周囲領域の外側とを連通する開口部を有する。
この光検出装置では、開口部は、支持部材に設けられている。このため、光検出器に電気的に接続されたボンディングパッドを光透過領域の周囲領域に配置した場合であっても、このボンディングパッドと他の素子とを電気的に接続するための配線を、支持部材の開口部を経由するように設けることにより、光検出器に対する電気的な接続を確保することができる。したがって、ファブリペロー干渉フィルタにおける光の透過方向から見た場合に、ボンディングパッドをファブリペロー干渉フィルタの外側に配置する必要がない。したがって、光検出装置の大きさをファブリペロー干渉フィルタの大きさとほぼ同等とすることができ、光検出装置を小型化することができる。
ここで、本発明の光検出装置では、光検出器に電気的に接続されたボンディングパッドの少なくとも一部は、周囲領域内に配置されていてもよい。この構成によれば、ボンディングパッドと他の素子とを電気的に接続するための配線を、支持部材の開口部を経由するように設けることにより、光検出器に対する電気的な接続を確保することができる。したがって、ボンディングパッドを、支持部材により囲まれた領域の外に配置した場合と比較して、ボンディングパッドを配置するためのスペースが不要となり、光検出装置を小型化することができる。
1…分光センサ(光検出装置)、2…配線基板、2A…主面、2b…電極パッド(ボンディングパッド)、3…光検出器、4,4A〜4E…スペーサ(支持部材)、10…ファブリペロー干渉フィルタ、11…光透過領域、12,13…端子(ボンディングパッド)、A1…開口部、R1…光透過領域11の周囲領域。

Claims (3)

  1. 主面を有する搭載基板と、
    前記搭載基板の前記主面上に配置された光検出器と、
    前記搭載基板の前記主面上において前記光検出器の周囲に設けられた支持部材と、
    光透過領域を有し、前記支持部材を介して前記搭載基板の前記主面上に配置されたファブリペロー干渉フィルタと、を備え、
    前記支持部材は、前記光透過領域の周囲領域において前記ファブリペロー干渉フィルタを支持しており、
    前記支持部材は、前記光透過領域における光の透過方向から見た場合に、前記周囲領域の内側と前記周囲領域の外側とを連通する開口部を形成し、
    前記ファブリペロー干渉フィルタは、支持体と、前記支持体に固定された第1ミラーと、前記第1ミラーと空隙を介して対向し、前記第1ミラーに対して移動可能な第2ミラーと、を有し、
    前記支持部材と前記ファブリペロー干渉フィルタとは、樹脂材料により形成された接着部によって互いに固定され、
    前記第1ミラーと前記第2ミラーとが対向する方向における前記空隙の厚さは、前記ファブリペロー干渉フィルタの前記支持体の厚さよりも小さい、光検出装置。
  2. 前記ファブリペロー干渉フィルタは、ボンディングパッドを有し、
    前記支持部材は、前記透過方向から見た場合に、前記ファブリペロー干渉フィルタのボンディングパッドに対応する位置に配置されている、請求項1に記載の光検出装置。
  3. 前記支持部材は、前記透過方向から見た場合に、前記ファブリペロー干渉フィルタの前記光透過領域から離間している、請求項1又は2に記載の光検出装置。
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