JP2018075364A - 医療用テープ - Google Patents

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Abstract


【課題】 本発明は、残留収縮力を原因とする貼付期間中の持続的な皮膚刺激を軽減する効果が高く、軽微な刺激であっても過敏に反応してしまう皮膚への貼付を目的とした医療用テープを提供することを課題とする。
【解決手段】 残留収縮力を原因とする貼付期間中の持続的な皮膚刺激を軽減するための医療用テープであって、伸縮性機能を有する伸縮性基材部1と、前記伸縮性基材部1を身体に粘着させる機能を有する粘着部2と、該粘着部2の下層に位置し、非伸縮性機能を有する剥離部3と、前記伸縮性基材部1の上層に位置し、前記伸縮性基材部1の収縮に同調する機能を有する収縮同調部4を備え、前記医療用テープの貼付前に、前記剥離部3を取り除くことで、前記収縮同調部4を前記伸縮性基材部1の収縮に同調させ、該伸縮性基材部1に存在する残留収縮力を減少させることを特徴とする医療用テープ。
【選択図】 図5

Description

本発明は、残留収縮力を原因とする貼付期間中の持続的な皮膚刺激を軽減するための医療用テープに関する。
従来、医療現場等において、ガーゼおよびパッド等の被覆固定、留置針やカテーテル等の処置具の固定、創傷や皮膚の被覆保護等には、「伸縮性包帯の一種で伸縮性基材の下層に粘着剤を塗布し、その下層に非伸縮性の剥離紙を備えたもの」(以下、粘着性伸縮包帯と称する)が汎用されている。しかし、粘着性伸縮包帯の皮膚追従性、透湿性、皮膚粘着性、あるいは、剥離時の痛み、角質剥離、皮膚刺激等に問題を含むものも少なくない。留置針(りゅうちしん)とは、採血・点滴の際に、静脈内に挿入し身体に固定して使用する注射針であり、数日間に渡る点滴等にも使用される。
一部では、皮膚追従性、透湿性、及び皮膚粘着性のいずれもが適度の範囲にあって、これらの諸特性が高度にバランスしており、発汗時や長時間貼付時の粘着性が安定し、しかも、剥離時の痛み、角質剥離、及び皮膚刺激が大幅に低減された皮膚貼付用粘着テープ及びその支持体(例えば、特許文献1参照)や、有機溶剤を用いないで形成された粘着剤層を有する医療用粘着シートであって、皮膚への粘着性が良好で、皮膚刺激性および角質損傷が極めて軽微な粘着剤層を有する医療用粘着シート(例えば、特許文献2参照)、また、水蒸気透過性と皮膚追従性に優れ、貼付時の皮膚刺激が少なく、さらに剥離時の糊残りや角質損傷が少ない医療用粘着剤組成物からなる粘着剤層と支持体層を含む医療用貼付剤(例えば、特許文献3参照)および、皮膚に貼着すべきフィルム材から裏打ち層を剥離する場合に、容易に裏打ち層を剥離することができ、該剥離力の制御が安定な粘着性フィルムおよびシート(例えば、特許文献4参照)が提案されている。
このように、上記を含む従来の皮膚貼付用粘着テープ及びその支持体、医療用粘着シート、医療用粘着剤組成物からなる粘着剤層と支持体層を含む医療用貼付剤、粘着性フィルムおよびシートでは、皮膚刺激に対し様々な技術を用い解決を図ろうとしている。しかし、粘着性伸縮包帯の多くが、製品の弛みや歪等を防止することを目的として、伸縮性基材を撓ませない状態とし、時に張った状態や引っ張った状態、あるいは、引き伸ばした状態で製造加工されるため、粘着性伸縮包帯の伸縮性基材部分には、撓ませない状態とした分の収縮力が残留してしまう。
特に、皮膚刺激を軽減するためには、皮膚追従性を高め、皮膚が突っ張るような感覚を与えないことは重要となる。しかし、皮膚追従性は、素材に優れた伸縮性が存在しても達成されるものではないため、皮膚のわずかな動きにより、そのわずかな力によって伸縮性基材を伸縮させることのできる伸縮性機能を備える伸縮性基材の選択が不可欠となる。このように、微細な力に反応し即座に伸び、皮膚に貼付していることさえ感じさせず、皮膚に馴染む素材を伸縮性基材として選択する場合には、伸縮性基材を引き伸ばした状態とすることは避けられない。その結果、粘着性伸縮包帯の伸縮性基材部分には、「製造過程において製品内に残留した収縮力」(以下、残留収縮力と称する)が存在する。
粘着性伸縮包帯の伸縮性基材部分の残留収縮力の存在は、次の方法により確認することができる。図1から図4を用い説明する。上記方法に用いた粘着性伸縮包帯は、伸縮性基材11(コットン97%、 ポリウレタン3%)、粘着剤[糊材(アクリル系樹脂)]、剥離紙12(紙)、テープ幅(7.5cm)、テープ長さ(5m)である。
はじめに、図1に示すように、粘着性伸縮包帯を任意の長さに切断する。図1では、約20cmに切断した。図2は、図1の粘着性伸縮包帯の裏面、すなわち剥離紙12のスキャナー画像を示す説明図である。次に、図3に示すように、任意の長さに切断した粘着性伸縮包帯の一端(左端)をステープラー針13で固定した後、剥離紙を剥がす。その際、一端を固定してあるため、剥離紙と粘着剤が塗布された伸縮性基材が分離することはない。次に、ステープラー針13で固定した部分まで剥がした剥離紙と粘着剤が塗布された伸縮性基材を、伸縮性基材を引き伸ばさないように留意しながら、再び重ね合わせる。その際、粘着剤が塗布された伸縮性基材には触れる程度とする。図4は、剥離紙と粘着剤が塗布された伸縮性基材を再度重ね合わせた状態のスキャナー画像を示す説明図である。図4に示すように、粘着剤が塗布された伸縮性基材の長さは、剥離紙を剥がした後では長さが短くなっている。このことは、剥離紙を剥がしたことで伸縮性基材が剥離紙から解放されて収縮したことを示しており、したがって、伸縮性基材には残留収縮力が存在していたといえる。図4では、粘着剤が塗布された伸縮性基材の長さが、剥離紙の長さより2cm程度短くなっており、剥離紙の長さと粘着剤が塗布された伸縮性基材の長さに差が生じていることから、任意の長さに切断した粘着性伸縮包帯には、生じた差の分の残留収縮力が存在していたことを確認することができる。また、粘着性伸縮包帯は、剥離紙の長さと粘着剤が塗布された伸縮性基材の長さに差が生じるという経年劣化が起こる。このことから、粘着性伸縮包帯が備える伸縮性基材に残留収縮力が存在していたことを確認することができる。
しかし、粘着性伸縮包帯の残留収縮力は、貼付前に剥離紙をすべて取り除くことで消失する。そのため、粘着性伸縮包帯の残留収縮力が貼付期間中の皮膚刺激となることはなく、粘着性伸縮包帯の貼付期間中における皮膚刺激を考慮する場合に、残留収縮力が問題視されることはなかった。
また、従来の粘着性伸縮包帯では、伸縮性基材の素材として、他の繊維と常に混用され、優れたストレッチ性と回復性を備えるポリウレタン繊維が選択されていた。しかし、近年では、防水性、透湿性、および皮膚追従性等に優れた機能を備えたポリウレタンフィルムが選択されるようになってきた。これらのポリウレタンフィルムは非常に薄い(厚さ10μm前後)ため、単独では平面形態を保持できず、自然環境下では丸まりやすい。そのため、平面形態を保持するための支持体として、ポリウレタンフィルムの伸縮性基材より剛性の高い保形用カバー、例えば、非伸縮性のプラスチックフィルム等をポリウレタンフィルムの上層に備えることで、平面形態を保持し、しわ等を形成しないようにしている。よって、薄いポリウレタンフィルムの伸縮性基材を備えた粘着性伸縮包帯(医療用テープ)においては、ポリウレタンフィルムは、撓まない状態で下層に粘着剤を塗布され、最下層に非伸縮性の剥離紙を備え、ポリウレタンフィルムの上層に平面形態を保持するための支持体として、非伸縮性のプラスチックフィルム等が貼り付けられた状態となり、伸縮性基材部分であるポリウレタンフィルムに残留収縮力が存在するという結果が生じている。
なお、「薄型の伸縮性基材の下層に粘着剤が塗布され、最下層に非伸縮性の剥離紙を備え、伸縮性基材の上層に平面形態を保持するための支持体が貼り付けられ、伸縮性基材部分に残留収縮力が存在する粘着性伸縮包帯」(以下、薄型粘着性伸縮包帯と称する)の貼付手順は、1.剥離紙を取り除く。2.皮膚に貼付する。3.支持体を取り除く。となる。また、薄型粘着性伸縮包帯の残留収縮力は、剥離紙をすべて取り除いても消失せず、皮膚に貼付し、支持体を取り除くことで放たれ、皮膚を持続的に収縮させる力となり、皮膚を収縮させるため、貼付期間中の持続的な皮膚刺激となる。ゆえに、従来の薄型粘着性伸縮包帯(皮膚貼付用粘着テープおよびその支持体、医療用粘着シート、および医療用粘着剤組成物からなる粘着剤層と支持体層を含む医療用貼付剤、粘着性フィルムおよびシート等)では、まず剥離紙を取り除いて、伸縮性基材の上層に支持体が存在したままの状態で皮膚に貼付し、その後に支持体を取り除くため、伸縮性基材には残留収縮力が残存していることになるが、残留収縮力を原因とする貼付期間中の持続的な皮膚刺激を軽減することは容易ではなく、このような不利を適切に解決できる手段がなかったのが現状である。
特開2000−169609公報 特開2004−290554公報 特開2011−182847公報 特開2007−020665公報
本発明は、上記の事情に鑑み、特に薄型の伸縮性基材を備えた粘着性伸縮包帯(医療用テープ)において、残留収縮力を原因とする貼付期間中の持続的な皮膚刺激を軽減する効果が高く、軽微な刺激であっても過敏に反応してしまう皮膚への貼付を目的とした医療用テープを提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、本発明者は鋭意検討を重ねた結果、本発明を完成させるに至った。すなわち、本発明の医療用テープは、残留収縮力を原因とする貼付期間中の持続的な皮膚刺激を軽減するための医療用テープであって、伸縮性機能を有する伸縮性基材部と、前記伸縮性基材部を身体に粘着させる機能を有する粘着部と、該粘着部の下層に位置し、非伸縮性機能を有する剥離部と、前記伸縮性基材部の上層に位置し、前記伸縮性基材部の収縮に同調する機能を有する収縮同調部を備え、前記医療用テープの貼付前に、前記剥離部を取り除くことで、前記収縮同調部を前記伸縮性基材部の収縮に同調させ、該伸縮性基材部に存在する残留収縮力を減少させることを特徴としている。さらに、該医療用テープの反り等の変形を予防する機能を有する形状保持部を備えることで、本発明の医療用テープの残留収縮力による経年劣化を防止することができる。
本発明の医療用テープによれば、薄型粘着性伸縮包帯の残留収縮力による皮膚を持続的に収縮させる力を減少させるための手段を医療用テープに機能として取り入れることで、残留収縮力による貼付期間中の持続的な皮膚刺激を軽減させることができる。このことにより、軽微な刺激であっても過敏に反応してしまう皮膚への貼付が可能となり、低刺激の医療用テープや貼付剤等を提供することができる。また、皮脂腺や汗腺の炎症、毛根やその周辺組織の炎症、圧迫によって生じる皮膚の細胞や毛細血管等に対する血液循環不良による医療関連器機圧迫創傷等を予防することができる。さらに、該医療用テープの反り等の変形を予防する機能を有する形状保持部を備えることで、該医療用テープの残留収縮力による経年劣化を防止することができる。
図1は、[0005]に記載の残留収縮力の確認に用いた任意の長さに切断した粘着性伸縮包帯のスキャナー画像を示す説明図である。 図2は、図1に示した粘着性伸縮包帯の裏面のスキャナー画像を示す説明図である。 図3は、図1に示した粘着性伸縮包帯の一端を固定したスキャナー画像を示す説明図である。 図4は、図3に示した粘着性伸縮包帯の剥離紙を一旦剥がし、伸縮性基材を引き伸ばさないように留意しながら再び重ね合わせた状態のスキャナー画像を示す説明図である。 図5は、本発明の第1の実施の形態を示す医療用テープの概略断面図である。 図6は、本発明の第1の実施の形態を示す医療用テープの概略平面図である。 図7は、本発明の第1の実施の形態を示す医療用テープの剥離部を取り除いた状態を示す概略断面図である。 図8は、本発明の第2の実施の形態を示す医療用テープの概略断面図である。 図9は、本発明の第2の実施の形態を示す医療用テープの形状保持部を取り除いた状態を示す概略断面図である。 図10は、本発明の第2の実施の形態を示す医療用テープの形状保持部を取り除いた後に、剥離部を取り除いた状態を示す概略断面図である。
本発明者は、鋭意研究を重ねていく過程で、薄型粘着性伸縮包帯の残留収縮力は、剥離紙を取り除き、皮膚に貼付し、支持体を取り除くことで放たれ、皮膚を持続的に収縮させる力となり、皮膚を収縮させることから、この皮膚を持続的に収縮させる力が、貼付期間中の持続的な皮膚刺激となることに着目した。
創傷や皮膚の被覆保護等を目的として、薄型粘着性伸縮包帯を使用した場合の皮膚刺激について説明する。皮膚表面には、皮脂腺や汗腺の開口部があり、毛が存在する。そのため、皮膚に貼付し、支持体を取り除くことで放たれた、薄型粘着性伸縮包帯の残留収縮力は、皮脂腺や汗腺の開口部を持続的に変形させ、時に閉塞させる力となり、皮脂腺や汗腺の炎症(発赤、腫脹、発熱、疼痛、機能障害)を促すことも少なくない。また、皮膚を持続的に収縮させる力は、皮膚を収縮させ、持続的に毛を引き上げる力となり、毛根やその周辺組織に炎症を引き起こすことも稀ではない。
次に、ガーゼおよびパッド等の被覆固定、留置針やカテーテル等の処置具の固定を目的として薄型粘着性伸縮包帯を使用した場合の皮膚刺激について説明する。処置具を覆い皮膚に貼付し、支持体を取り除くことで放たれた、薄型粘着性伸縮包帯の残留収縮力は、留置針やカテーテル等を固定するに留まらず、留置針やカテーテル等の固定部位の皮膚を持続的に圧迫する力として作用し、これらの処置具を介し、皮膚の細胞や毛細血管等を持続的に圧迫する力に変わる。
次に、皮膚の細胞や毛細血管等を持続的に圧迫する力について説明する。例えば、血管は全身に張り巡らされており、その総延長は10万km程度、地球2周半程度に及ぶ。その95パーセント程度が、毛細血管である。毛細血管の直径は、わずか7μm程度であり、その壁の厚さは1μm以下と極めて薄い。また、一般に血圧測定を行なう動脈である上腕動脈の正常収縮期血圧は、135mmHg程度であるが、毛細血管の血圧は17mmHg程度と極めて低い。そのため、無自覚的な軽微な圧迫であっても、皮膚の毛細血管には容易に変形や閉塞が生じうる。
また、全身の細胞に酸素を運ぶ役割を担う赤血球は、血液1マイクロリットル中に500万個程度存在し、直径が7から8μm程度、厚さが2μm程度の両面中央が凹んだ円盤状の固形物であり、変形することで直径7μm程度の毛細血管を通過している。しかし、固形物である赤血球の変形には限度があるため、毛細血管にわずかな変形が生じても通過が困難となり、赤血球が詰まることによって毛細血管の閉塞が生じることも稀ではない。その結果、細胞に血液循環不良に伴う酸素不足が生じることも少なくない。
さらに、圧迫に伴う血液循環不良が起因となり、皮膚の組織や細胞が局部的に死ぬ疾患に褥瘡、いわゆる床ずれがある。実験的には、身体の同一箇所に2時間以上の持続的な圧が加わると褥瘡が発生するといわれている。そのため、医療現場においては、ベッド等で寝ている状態の寝たきり患者に対しては約2時間間隔、車椅子等に座った状態では約30分間隔で、体位の変換をおこなうことを推奨し、褥瘡の発生を予防している。このように、褥瘡は数時間単位の圧迫に伴う血液循環不良が起因となって生じる。
また、近年の薄型粘着性伸縮包帯は、従来の粘着性伸縮包帯より皮膚追従性、透湿性、防水性、皮膚粘着性等が飛躍的に向上しており、数日間の継続貼付が可能となった。そのため、ガーゼおよびパッド等の被覆固定、留置針やカテーテル等の処置具の固定が、数日間継続される場合もある。特に、数日間に渡る点滴などの留置針の固定に、薄型粘着性伸縮包帯が使用されることも少なくなく、処置具を覆い皮膚を持続的に収縮させる力は、留置針やカテーテル等の固定部位の皮膚を、数日間持続的に圧迫する力として作用することとなり、固定部位に医療関連器機圧迫創傷等の発生が危惧される。なお、軽微な刺激であっても、違和感や苦痛を訴える患者は少なくない。しかし、身体に軽微な刺激が持続的に加わると、刺激に対し感覚が鈍くなる「知覚鈍麻」が生じ、違和感や苦痛を訴える患者が減少する。このことは、一般に「慣れ」と呼ばれているが、身体に加わっていた刺激が消失したことを意味するものではなく、さらに、皮膚の毛細血管に生じた変形や閉塞、および血液循環不良が改善されたことでもない。
また、諸疾患は、内因と外因の和が閾値を超えることにより発病する。皮膚疾患患者予備軍と呼ばれる人々は、皮膚疾患の内因を多く抱えているため、軽微な外因によって皮膚疾患患者となる。内因をほとんど抱いていない健康な皮膚では、誘因となり得ない軽微な刺激であっても、皮膚疾患患者予備軍と呼ばれる人々にとっては、容易に誘因となり発病に至る。さらに、急性疾患に持続的に加わる軽微な刺激が、主因や副因、もしくは誘因となり、慢性疾患に移行することも数多く観察されている。よって、軽微な刺激を軽視することは、重篤な状態さえ招きかねない。
このように、貼付期間中の持続的な皮膚刺激を軽減するためには、薄型粘着性伸縮包帯の残留収縮力による皮膚を持続的に収縮させる力を減少させることが肝要となる。ここで、伸縮性基材部の上層に、伸縮性基材部の収縮に同調する機能を有する収縮同調部を備えさせ、剥離部を取り除くことで、収縮同調部を伸縮性基材部の収縮に同調させ、該伸縮性基材部に存在する残留収縮力を減少させることは、残留収縮力を原因とする貼付期間中の持続的な皮膚刺激を軽減するための有効な手段となる。この有効な手段を医療用テープに機能として取り入れることで、医療用テープの貼付前に皮膚を持続的に収縮させる力を減少させることが可能となり、皮膚の収縮を弱め、薄型粘着性伸縮包帯の残留収縮力による貼付期間中の持続的な皮膚刺激を軽減させることができ、軽微な刺激であっても過敏に反応してしまう皮膚への貼付が可能となる。さらに、貼付期間中の持続的な皮膚刺激を原因とする皮膚トラブルや医療関連器機圧迫創傷等の予防に期待することができる。これらの観点から見ると、従来の薄型粘着性伸縮包帯においては、残留収縮力による皮膚を持続的に収縮させる力に対する考慮がなされていないことがわかる。
そこで、本発明者は、医療用テープの貼付前に貼付期間中の持続的な皮膚刺激を減少させる機能を取り入れた医療用テープを提供するために、伸縮性基材部の材料として、医療用として使用可能な防水性、透湿性、および皮膚追従性等に優れた伸縮性を有する素材を選択した。次に、粘着部の材料として、医療用として使用可能な貼付時の皮膚刺激が少なく、さらに、剥離時の糊残りや角質損傷等が少ない医療用粘着剤を選択した。さらに、収縮同調部の材料として、医療用として使用可能な非伸縮性を有する素材の中から、伸縮性基材部の収縮に同調し、伸縮性基材部に存在する残留収縮力を減少させる機能を有することが可能な素材や構造を有する素材を選択し、医療用テープを構成することを着想した。
これらの素材を組み合わせることにより、薄型粘着性伸縮包帯の残留収縮力を原因とする皮膚を持続的に収縮させる力を減少させるための手段を医療用テープに機能として取り入れることができ、該医療用テープの貼付前に、剥離部を取り除くことで、収縮同調部を前記伸縮性基材部の収縮に同調させ、伸縮性基材部に存在する残留収縮力を減少させ、薄型粘着性伸縮包帯の残留収縮力を原因とする貼付期間中の持続的な皮膚刺激を軽減させ、軽微な刺激であっても過敏に反応してしまう皮膚への貼付を可能とする医療用テープを提供することができるとの知見を得て、本発明を完成するに至った。
以下、図面を用いて本発明の実施例を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。本発明は、医療用テープを構成する素材の適切な選択・組み合わせによって、該医療用テープの貼付前に、剥離部を取り除くことで、収縮同調部を前記伸縮性基材部の収縮に同調させ、伸縮性基材部に存在する残留収縮力を減少させて貼付することを基本とする。なお、収縮同調部の素材や形状によっては、伸縮性基材部の収縮に同調することにより、収縮同調部に変形を伴う場合もあるが、結果として、伸縮性基材部の収縮に同調し、伸縮性基材部に存在していた残留収縮力を減少させることができればよく、伸縮性基材部の残留収縮力を均一に減少させることが望ましいが、必ずしも均一に減少させなくてもよい。本発明において、該医療用テープの貼付前に、剥離部を取り除くことで、収縮同調部を前記伸縮性基材部の収縮に同調させ、伸縮性基材部に存在する残留収縮力を減少させることが必須である。
図5から図7に示す本発明の第1の実施の形態である医療用テープでは、伸縮性機能を有する伸縮性基材部1と、前記伸縮性基材部1を身体に粘着させる機能を有する粘着部2と、前記粘着部2の下層に位置し、非伸縮性機能を有する剥離部3と、前記伸縮性基材部1の上層に位置し、前記伸縮性基材部1の収縮に同調する機能を有する非伸縮性素材からなる収縮同調部4から構成される。
図5は、本発明の第1の実施の形態である医療用テープの概略断面図である。なお、符号1は、伸縮性基材部、符号2は、粘着部、符号3は、剥離部、符号4は、収縮同調部である。第1の実施の形態である医療用テープは、伸縮性基材部1の上層に、非伸縮性素材からなる格子状の構造を有する収縮同調部4を備えており、伸縮性基材部1と収縮同調部4は、剥離可能な粘着剤を塗布することにより備えられている。収縮同調部4は、前記伸縮性基材部の収縮に同調する機能を有する限りにおいて、格子状のほか、連子状、網目状、額縁状など、任意の形態をとることができる。また、伸縮性基材部1の下層には、粘着部2が設けられ、粘着部2の下層には、剥離部3が設けられている。また、製造工程においては、伸縮性基材部1、剥離部3および収縮同調部4は、張った状態に保たれながら加工される。伸縮性基材部1は、剥離部3によって引き伸ばされた状態に保たれているため、伸縮性基材部1には、残留収縮力が存在している。図5で示す収縮同調部4は、伸縮性基材部1に存在する残留収縮力の影響により、若干ではあるが撓んでいる状態を示している。
図6は、本発明の第1の実施の形態である医療用テープの概略平面図である。伸縮性基材部1の上層には、非伸縮性素材からなる格子状の構造を有する収縮同調部4が備えられており、伸縮性基材部1と収縮同調部4の間には、剥離可能な粘着剤が塗布されている。符号1は、伸縮性基材部、符号4は、収縮同調部であり、収縮同調部4に位置する破線の丸部分は、伸縮性基材部1と収縮同調部4の線状部どうしの交差部分との間に粘着剤が施された粘着部位を示し、符号5とする。そして、図7は、図5に示した医療用テープの剥離部3を取り除いた状態を示す概略断面図である。剥離部3を取り除いたことにより、非伸縮性素材からなる格子状の構造を有する収縮同調部4が伸縮性基材部1の収縮に同調し、弛んだ状態となり、伸縮性基材部1に存在する残留収縮力が減少した。医療用テープの全長は、図5および図7で示すように、伸縮性基材部1に存在する残留収縮力が減少した分だけ短くなった。
この医療用テープでは、該医療用テープの貼付前に、剥離部を取り除き、収縮同調部を伸縮性基材部の収縮に同調させ、皮膚に貼付する。このことで、該医療用テープの貼付前に伸縮性基材部に存在する残留収縮力を減少させることが可能となる。したがって、本発明の医療用テープでは、薄型粘着性伸縮包帯の残留収縮力による皮膚を持続的に収縮させる力を減少させるための手段である収縮同調部を医療用テープに機能として取り入れることで、皮膚を持続的に収縮させる力を減少させることができ、皮膚の収縮を弱め、貼付期間中の持続的な皮膚刺激を軽減させることによって、軽微な刺激であっても過敏に反応してしまう皮膚への貼付を可能とし、貼付期間中の持続的な皮膚刺激を原因とする皮膚トラブルの予防に期待することが可能となる。
具体的には、本発明の第1の実施の形態において、伸縮性基材部1は、防水性、透湿性、および皮膚追従性等に優れた伸縮性機能を有する30μm以下のポリウレタンフィルムからなり、伸縮性基材部1の下層には、医療用粘着剤を塗布し粘着部2とした。また、粘着部2の下層に位置する剥離部3には、非伸縮性機能を有する紙を用いた。また、伸縮性基材部1のポリウレタンフィルムの上層には、非伸縮性の糸からなる格子状の構造を有する収縮同調部4が設けられており、伸縮性基材部1と収縮同調部4の線状部どうしの交差部分との間に施された粘着部位5に剥離可能な粘着剤が施されることにより、伸縮性基材部1の上層に収縮同調部4が固定されている。したがって、収縮同調部4の下部には粘着部位5以外に粘着剤は施されていないため、伸縮性基材部1に残存する残留収縮力に因って伸縮性基材部1が収縮した場合に、収縮同調部4の粘着部位以外の部分は伸縮性基材部1に同調して収縮し、その結果、図7に示すように、第1の実施の形態においては、伸縮性基材部1は略半円弧状のアーチを描くことになる。
また、第1の実施の形態では、伸縮性基材部の素材として伸縮性機能を有する30μm以下のポリウレタンフィルムを用いたが、ガーゼおよびパッド等の被覆固定、留置針やカテーテル等の処置具の固定、創傷や皮膚の被覆保護等に適した機能を備えさせることが可能な伸縮性素材であれば、例えば、ゴム等のストレッチ素材を用いてもよく、医療用として適していれば、その他の新素材等を用いてもよく、素材や形状による制限を受けない。特には、従来技術で述べたように、非常に薄いために単独では平面形態を保持できず、保持するために支持体を必要とするような薄型の伸縮性基材部が本願発明の適用に適している。また、粘着部の素材は、医療用として使用可能な粘着剤であれば、用途に応じ、粘着剤を塗布する部位は一部もしくは全部でもよく、形状やその素材による制限を受けない。また、剥離部の素材として非伸縮性機能を有する紙を用いたが、非伸縮性機能を有する素材であれば、用途に応じ、その素材や形状による制限を受けない。
また、収縮同調部の素材として、非伸縮性の格子状の糸を用いたが、伸縮性基材部の収縮に同調する機能を有していれば、その素材による制限は受けない。また、収縮同調部を変形させることにより伸縮性基材部の収縮に同調させ、伸縮性基材部に存在していた残留収縮力を減少させてもよく、例えば、伸縮性基材部の上層に非伸縮性素材を用いて額縁状の収縮同調部を備え、額縁状の収縮同調部に囲まれた部位(伸縮性基材部の上層中央部)には、平面形態を保持する機能を備えた非伸縮性素材を備え構成させてもよい。この時、収縮同調部の一部が伸縮性基材部より剥離してもよい。結果として、剥離部を取り除いた時点で、伸縮性基材部の収縮に同調する機能を有していれば、用途に応じ、その素材や形状、および組み合わせによる制限を受けない。これらは例示であって制限的なものではない。
次に、本発明の医療用テープを用いた第2の実施の形態を、図8から図10を用いて説明する。図8は、収縮同調部の上層に、形状保持部を備えた本発明の第2の実施の形態を示す医療用テープの概略断面図である。そして、図9は、図8に示した医療用テープの形状保持部を取り除いた状態を示す概略断面図であり、図10は、形状保持部を取り除いた後に、剥離部を取り除いた状態を示す概略断面図である。なお、符号1は、伸縮性基材部、符号2は、粘着部、符号3は、剥離部、符号4は、収縮同調部、符号6は、形状保持部である。また、製造工程においては、伸縮性基材部1、剥離部3および収縮同調部4は、張った状態に保たれながら加工される。伸縮性基材部1は、剥離部3によって引き伸ばされた状態に保たれているため、伸縮性基材部1には、残留収縮力が存在している。図8で示す収縮同調部4は、形状保持部6の機能により、伸縮性基材部1に存在する残留収縮力の影響を受けない状態に保たれていることを示している。また、図9で示す収縮同調部4は、形状保持部6を取り除いたことにより、伸縮性基材部1に存在する残留収縮力の影響を受け、若干ではあるが撓んでいる状態を示している。
この第2の実施の形態での医療用テープは、伸縮性基材部1の上層に、非伸縮性素材からなる格子状の構造を有する収縮同調部4を備えており、伸縮性基材部1と収縮同調部4は、剥離可能な粘着剤を塗布することにより備えられている。さらに、収縮同調部4の上層に、非伸縮性素材からなる板状の構造を有する形状保持部6を備えており、収縮同調部4と形状保持部6は、剥離可能な粘着剤を塗布することにより備えられている。また、伸縮性基材部1の下層には、粘着部2が設けられ、粘着部2の下層には、剥離部3が設けられている。この第2の実施の形態での医療用テープは、形状保持部6を取り除いた後に、剥離部を取り除く。このことで、残留収縮力による経年劣化が防止され、該医療用テープの反り等の変形が予防された状態の該医療用テープを使用することができる。
具体的には、本発明の第2の実施の形態において、伸縮性基材部1は、防水性、透湿性、および皮膚追従性等に優れた伸縮性機能を有する30μm以下のポリウレタンフィルムからなり、伸縮性基材部1の下層には、医療用粘着剤を塗布し粘着部2とした。また、粘着部2の下層に位置する剥離部3には、非伸縮性機能を有する紙を用いた。また、伸縮性基材部1のポリウレタンフィルムの上層には、非伸縮性の糸からなる格子状の構造を有する収縮同調部4が設けられており、伸縮性基材部1と収縮同調部4の間に施された粘着部位5に剥離可能な粘着剤が施されることにより備えられている。さらに、収縮同調部4の上層に、非伸縮性機能を有する紙からなる形状保持部6を備えており、収縮同調部4と形状保持部6は、剥離可能な粘着剤を塗布することにより備えられている。
第1、第2の実施の形態では、収縮同調部の素材として非伸縮性機能を有する格子状の構造を有する糸を用いたが、収縮同調部の機能は、結果として、剥離部を取り除いた時点で、伸縮性基材部の収縮に同調する機能を有していればよく、伸縮性機能を有する素材を用いてもよい。例えば、第1、第2の実施の形態で、伸縮性基材部1に用いたポリウレタンフィルムと同様の厚みの伸縮性機能を有する30μm以下のポリウレタンフィルムを収縮同調部の素材として用いてもよい。なお、伸縮性機能を有する素材を収縮同調部の素材として選択した場合、結果として、製品内の収縮同調部にも残留収縮力が存在することになる。この時、伸縮性基材部の残留収縮力より収縮同調部の残留収縮力が大きければ、剥離部を取り除いた時点で、収縮同調部の残留収縮力により伸縮性基材部にしわや変形が生じる。そのため、収縮同調部の残留収縮力は、伸縮性基材部の残留収縮力以下となる程度とする。
また、第2の実施の形態では、形状保持部の素材として非伸縮性機能を有する紙を用いたが、該医療用テープの反り等の変形を予防する機能を有していれば、その素材や形状、構成および部位による制限を受けない。例えば、伸縮性基材部の上層に位置する部位に備えた素材に、素材の一部を取り除くことを可能とする切り込み等の加工を施すことで、取り除きが可能な部分と取り除かれない部分に分け、取り除きが可能な部分に、該医療用テープの反り等の変形を予防する機能を備え、形状保持部とし、取り除かれない部分に、伸縮性基材部の収縮に同調する機能備え、収縮同調部としてもよい。また、該医療用テープの形状がロール状の場合には、形状保持部として、収縮同調部表面と剥離部、それぞれの一部もしくは全部に自着性粘着剤を塗布してもよく、他の自着機能を発揮する素材を用いてもよく、自着機能を発揮する加工を施してもよい。また、該医療用テープの反り等の変形を予防する機能を備えさせるために、剥離可能な圧着技術等の従来技術を用いてもよい。
さらに、該医療用テープの反り等の変形を予防する機能を備えさせていれば、その機能を有する部位を形状保持部とすることができ、その素材や形状、および組み合わせによる制限を受けない。例えば、該医療用テープの形体を維持することが可能な状態の個装とすることで、該医療用テープの反り等の変形を予防する機能を備えさせ、形状保持部としてもよい。また、形状保持部は、該医療用テープの反り等の変形を予防する機能を備えていれば、形状保持部に汚染防止等の他の機能を付加してもよい。このことにより、該医療用テープは、汚染を防止した個装の滅菌テープとすることもでき、形状保持部は、該医療用テープの用途やデザインに応じた形状としてもよい。
図5から図10に示した本発明の医療用テープは、いずれも本発明の基本的構造を備えており、このような構成としたことにより、薄型粘着性伸縮包帯の残留収縮力による皮膚を持続的に収縮させる力を減少させるための手段を医療用テープに機能として取り入れることで、皮膚を持続的に収縮させる力を減少させることができ、皮膚の収縮を弱め、貼付期間中の持続的な皮膚刺激を軽減させることによって、軽微な刺激であっても過敏に反応してしまう皮膚への貼付を可能とし、貼付期間中の持続的な皮膚刺激を原因とする皮膚トラブルの予防に期待することが可能となる。
以上、第1、第2の実施の形態では、医療用テープの形状を長方形とした例について説明してきたが、ロール形状やシート形状でもよく、身体の各部位に適した形状とすることもできる。また、各部位に合わせた形状とするために医療用テープを複数組み合わせた形状とすることもできる。また、用途やデザイン等に応じ、医療用テープの一部に、医療用テープ各部位が有する機能のいずれも有しない部位を混在させることもでき、ガーゼおよびパッド等を備えさせてもよい。なお、本発明は、皮膚に密着して貼付することを基本としているが、場合によっては、皮膚を医療用粘着剤等から保護するための保護材を介して医療用テープを貼付してもよい。また、第1、第2の実施の形態では、該医療用テープの貼付後に収縮同調部の取り外しを行なってはいないが、収縮同調部の取り外しは、用途に応じ任意である。
また、皮膚を持続的に収縮させる力は、伸縮性基材部に存在する残留収縮力によって生じるものである。しかし、残留収縮力は、製造過程において「製品内に残留した収縮力」である。また、該医療用テープは、その形状による制限を受けない。ゆえに、該医療用テープ内に存在する残留収縮力は均一ではなく、残留収縮力の強弱やその方向は様々である。そのため、仮に、伸縮性基材部の残留収縮力と同等の力が皮膚を持続的に収縮させる力として働いたとしても、皮膚の収縮を目視で確認できるとは限らない。なお、伸縮性基材部に存在する有害な残留収縮力は、すべて消失させることが望ましい。しかし、伸縮性基材部に存在する残留収縮力は、医療用テープの固定力として有効に働く場合があるため、伸縮性基材部に存在する残留収縮力を用途に応じ減少させることも肝要となる。ここで云う、伸縮性基材部に存在する残留収縮力を減少させるとは、剥離部を取り除くことで伸縮性基材部に存在する残留収縮力を減少させることであり、必ずしも、残留収縮力を消失させなくてもよい。また、ここで云う「医療用テープの貼付前に剥離部を取り除く」とは、医療用テープの貼付前に必ずしも全ての剥離部を取り除くことではなく、医療用テープの貼付を容易にするために、剥離部を分割した構造とし、全ての剥離部を取り除かなくとも剥離部に剥離部の一部を残した状態で医療用テープを貼付する機能を備えさせてもよく、結果として、剥離部の一部もしくは全部を取り除くことで伸縮性基材部に存在する残留収縮力を減少させることができればよい。
なお、本発明の医療用テープの機能は、身体への貼付を目的とする医療用テープに有効に作用する。例えば、皮膚刺激過敏症患者は、軽微な皮膚刺激にも激しく反応するため、経皮吸収可能な狭心症剤、抗アレルギー剤、抗ヒスタミン剤、冠血管拡張剤、鎮咳剤、抗腫瘍剤等の薬物を含有する医療テープの使用が見送られることも少なくなかった。しかし、本発明の医療用テープは、軽微な皮膚刺激を軽減できるため、粘着部に、経皮吸収可能な薬物を配合することで、皮膚刺激過敏症患者への使用にも期待できる。
本発明の医療用テープは、残留収縮力を原因とする貼付期間中の持続的な皮膚刺激を軽減する効果が極めて高く、軽微な刺激であっても過敏に反応してしまう皮膚への貼付を可能とし、貼付期間中の持続的な皮膚刺激を原因とする皮膚トラブルや医療関連器機圧迫創傷等の予防に期待すること、低刺激の医療用テープや貼付剤等を提供することが可能となり、医療業界に貢献するところ大である。
1 伸縮性基材部
2 粘着部
3 剥離部
4 収縮同調部
5 伸縮性基材部1と収縮同調部4の線状部どうしの交差部分との間に粘着剤が施された粘着部位
6 形状保持部
11 伸縮性基材
12 剥離紙
13 ステープラー針

Claims (2)

  1. 残留収縮力を原因とする貼付期間中の持続的な皮膚刺激を軽減するための医療用テープであって、
    伸縮性機能を有する伸縮性基材部と、
    前記伸縮性基材部を身体に粘着させる機能を有する粘着部と、
    該粘着部の下層に位置し、非伸縮性機能を有する剥離部と、
    前記伸縮性基材部の上層に位置し、前記伸縮性基材部の収縮に同調する機能を有する収縮同調部を備え、
    前記伸縮性基材部の厚さが30μm以下であり、
    前記収縮同調部は非伸縮性素材からなり、
    前記医療用テープの貼付前に、前記剥離部を取り除くことで、前記収縮同調部を前記伸縮性基材部の収縮に同調させ、該伸縮性基材部に存在する残留収縮力を減少させることを特徴とする医療用テープ。
  2. 残留収縮力を原因とする貼付期間中の持続的な皮膚刺激を軽減するための医療用テープであって、
    伸縮性機能を有する伸縮性基材部と、
    前記伸縮性基材部を身体に粘着させる機能を有する粘着部と、
    該粘着部の下層に位置し、非伸縮性機能を有する剥離部と、
    前記伸縮性基材部の上層に位置し、前記伸縮性基材部の収縮に同調する機能を有する収縮同調部と、
    該医療用テープの残留収縮力による経年劣化を防止する目的で、該医療用テープの変形を予防する機能を有する形状保持部を前記収縮同調部の上層にを備え、
    前記伸縮性基材部の厚さが30μm以下であり、
    前記医療用テープの貼付前に、前記形状保持部を取り除いた後に、前記剥離部を取り除くことで、前記収縮同調部を前記伸縮性基材部の収縮に同調させ、該伸縮性基材部に存在する残留収縮力を減少させることを特徴とする医療用テープ。
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