以下、一実施形態の構成を、図面を参照して説明する。
図4および図5において、11は電動送風機を示す。この電動送風機11は、電動機13を備える。また、この電動送風機11は、遠心ファン14を備える。さらに、この電動送風機11は、整流体(整流板)であるディフューザ15を備える。また、この電動送風機11は、ファンカバー16を備える。そして、この電動送風機11(電動機13)は、図示されない制御回路により駆動が制御される。
電動機13は、整流子モータでもブラシレスモータでもよいが、本実施形態においては、例えば単相4極のブラシレスモータである。そして、この電動機13は、ロータ21を備えている。また、この電動機13は、ステータ22を備えている。さらに、この電動機13は、センサ基板23を備えている。また、この電動機13は、フレーム24を備えている。なお、以下、図2に示す上下方向および左右方向を、電動送風機11(電動機13)の上下方向および左右方向とし、電動送風機11の軸方向の電動機13側を後方向(図4などに示す矢印RR側)、遠心ファン14側を前方向(図4などに示す矢印FR側)として説明する。
ロータ21は、回転磁極を形成するものである。このロータ21は、本実施形態では永久磁石型ロータであるが、電動機13が整流子モータである場合には巻線型ロータでもよい。このロータ21は、シャフト26を備えている。また、このロータ21は、磁石部27を備えている。さらに、このロータ21は、少なくとも1つのスリーブ28を備えていてもよい。そして、このロータ21は、一対のベアリング30を介してフレーム24に対して回転自在に保持されている。
シャフト26は、電動機13の出力軸となる回転軸である。このシャフト26には、遠心ファン14が接続されている。具体的に、このシャフト26には、フレーム24から突出した前端側に遠心ファン14が接続されている。
磁石部27は、円筒状に形成され、中央部にシャフト26が固着されている。この磁石部27には、回転方向(周方向)に互いに異なる極性を有する磁極(回転磁極)が隣接して形成されている。したがって、この磁石部27には、回転方向にN極とS極とが順次交互に配置されて対をなしている。
スリーブ28は、本実施形態では一対備えられ、磁石部27の前端部および後端部に隣接してシャフト26に固定されている。なお、このスリーブ28は、必須の構成ではない。
ベアリング30は、シャフト26の一端側および他端側に取り付けられており、フレーム24にそれぞれ固定されて、ロータ21をフレーム24に対して回転自在に保持するようになっている。
図1ないし図5に示すステータ22は、ロータ21を回転させる固定磁極を構成するものである。このステータ22は、ステータコア33を備えている。また、このステータ22は、絶縁体であるステータ絶縁34を備えている。さらに、このステータ22は、コイル35を備えている。また、このステータ22は、端子36を備えている。
ステータコア33は、電磁鋼板などの薄板状の磁性体が積層されて略一定の厚みを有する板状に形成されている。このステータコア33は、円環状(円筒状)のバックヨーク41を備えている。また、このステータコア33は、3以上、本実施形態では4つのティース42を備えている。さらに、このステータコア33は、フレーム取付部43を備えている。また、このステータコア33は、本実施形態では分割部44によって略半円弧状ずつに上下に2分割されている。すなわち、このステータコア33は、例えばプレス成形などにより打ち抜かれた2つの(一および他の)ヨーク体(コア部材)46,46が分割部44で一体的に連結されて構成されている。
バックヨーク41は、ティース42間を互いに連結し、対をなすティース42,42に巻回されたコイル35,35によって生じる固定磁極間を磁気的に(磁束で)結合する磁路が形成されるものである。
ティース42は、コイル35により固定磁極が形成されるものである。これらティース42は、左右に位置するティース42,42が磁気的に対をなしている。また、これらティース42は、バックヨーク41の内周部から中心方向、すなわちロータ21側に向けてそれぞれ突設されている。すなわち、このティース42は、バックヨーク41(ステータコア33)の径方向に沿って長手状に形成されており、基端部がバックヨーク41と連結され、先端部が自由端状に突出している。具体的に、左右に隣接するティース42,42は、ステータコア33(ステータ22)の周方向に互いに90°以下の角度をなすように配置されている。また、各ティース42の先端部には、ロータ21の外周面に対向する磁気作用面が構成されている。この磁気作用面は、コイル35により各ティース42に形成される固定磁極をロータ21に作用させるもので、ロータ21の外周面に対して僅かな間隙を介して離間されている。
フレーム取付部43は、ステータコア33(ステータ22)をフレーム24に対して固定するものである。このフレーム取付部43は、バックヨーク41の外側(外周側)に四角形状に突設され、各ティース42のそれぞれの基端部近傍に配置されている。したがって、このフレーム取付部43は、本実施形態ではバックヨーク41の周方向に互いに離間されてティース42に対応する数である4つ設定されている。そして、各フレーム取付部43には、軸方向(前後方向)に貫通する取付孔43aが設けられている。この取付孔43aには、取付部材であるねじ49が挿入され、このねじ49がフレーム24側に螺合されることでステータコア33(ステータ22)がフレーム24に固定されるようになっている。
ステータ絶縁34は、ステータコア33に対してコイル35および端子36などを絶縁するものである。このステータ絶縁34は、絶縁性の合成樹脂などにより形成されている。本実施形態では、このステータ絶縁34は、ヨーク体46,46にそれぞれ配置されている。そして、このステータ絶縁34は、コイル35を保持する巻線保持部51を備えている。また、このステータ絶縁34は、端子36を保持する端子保持部52を備えている。さらに、このステータ絶縁34は、ステータコア33(バックヨーク41)の上下に重ねられる絶縁本体部53を備えている。また、このステータ絶縁34は、フレーム24の一部とコイル35とを絶縁する絶縁壁54を備えている。さらに、このステータ絶縁34は、フレーム24の一部を取り付け時にガイドする取付ガイド部55を備えている。また、このステータ絶縁34は、フレーム24の一部をステータ22に対して位置決めする位置決め部56を備えている。したがって、このステータ絶縁34は、少なくとも一部がティース42に配置されている。
巻線保持部51は、角筒状(ボビン状)に形成されており、中心軸に沿って各ティース42が挿通されている。したがって、これら巻線保持部51は、絶縁本体部53の内周側に位置して径方向に沿って突出し、各ティース42の周囲に位置している。
端子保持部52は、後側が開口した四角形箱状に形成されており、端子36の数に対応して本実施形態では4つ設けられている。端子保持部52は、左右に位置するティース42,42間の位置にてバックヨーク41にそれぞれ一対ずつ配置されている。そして、左右に位置する端子保持部52,52が対をなしている。
絶縁本体部53は、半円弧状に形成されており、左右に位置するティース42,42間のバックヨーク41からヨーク体46,46の両端近傍に亘って重なるように配置される。
絶縁壁54は、フレーム24と、コイル35との間に介在されて、これらの絶縁距離を確保するものである。この絶縁壁54は、ステータコア33のフレーム取付部43の数に対応して、本実施形態では4つ設けられている。これら絶縁壁54は、各巻線保持部51および各端子保持部52の近傍に位置している。したがって、これら絶縁壁54は、各コイル35、および、各端子36の近傍に位置している。すなわち、これら絶縁壁54は、各コイル35および各端子36とステータコア33の各フレーム取付部43との間に介在されている。換言すれば、これら絶縁壁54は、ステータコア33のバックヨーク41の位置に対応して配置されている。また、これら絶縁壁54は、ステータコア33とは反対方向である後方向に向かって壁状に突設されている。このため、これら絶縁壁54は、端子保持部52と同方向に沿って突出されている。換言すれば、これら絶縁壁54は、ステータ22に対するフレーム24の着脱方向に沿って設けられている。これら絶縁壁54は、端子保持部52および絶縁本体部53の少なくともいずれかと一体的に設けられていてもよい。さらに、これら絶縁壁54は、各端子36(各端子保持部52)に対して、この端子36と対をなす端子36とは反対側に位置している。すなわち、各絶縁壁54は、左側の端子36(端子保持部52)の左側と、右側の端子36(端子保持部52)の右側とにそれぞれ配置されている。また、これら絶縁壁54は、端子36(端子保持部52)に対して、ステータコア33(ステータ22)の中心側に向かって延びている。換言すれば、これら絶縁壁54は、各端子36(端子保持部52)からこの端子36と電気的に接続されている各コイル35(巻線保持部51)に向かって延びている。
取付ガイド部55は、フレーム24の一部をフレーム取付部43へとガイドするものである。この取付ガイド部55は、各絶縁壁54に対応してそれぞれ設けられている。すなわち、この取付ガイド部55は、ステータコア33のフレーム取付部43の数に対応して、本実施形態では4つ設けられている。これら取付ガイド部55は、絶縁壁54と同様の壁状に設けられている。すなわち、これら取付ガイド部55は、ステータコア33とは反対方向である後方向に向かって壁状に突設されている。換言すれば、これら取付ガイド部55は、ステータ22に対するフレーム24の着脱方向に沿って設けられている。また、これら取付ガイド部55は、絶縁本体部53および各絶縁壁54の少なくともいずれかと一体的に設けられていてもよい。これら取付ガイド部55は、本実施形態では、各絶縁壁54に対して端子36(端子保持部52)から離れる方向に延出している。さらに、これら取付ガイド部55は、フレーム24と、各コイル35との間に介在されている。より具体的に、これら取付ガイド部55は、各コイル35とステータコア33の各フレーム取付部43との間に介在されている。換言すれば、これら取付ガイド部55は、ステータコア33のバックヨーク41の位置に対応して配置されている。したがって、これら取付ガイド部55も、フレーム24と、各コイル35との間に介在されて、これらの絶縁距離を確保する機能を有している。
位置決め部56は、フレーム24の一部をステータ22に対して位置決めするものである。より詳細に、この位置決め部56は、フレーム24の一部をステータコア33のフレーム取付部43に対して位置決めするものである。この位置決め部56は、各絶縁壁54に対応してそれぞれ設けられている。すなわち、この位置決め部56は、ステータコア33のフレーム取付部43の数に対応して、本実施形態では4つ設けられている。これら位置決め部56は、絶縁壁54および取付ガイド部55に対してコイル35と反対側(背面側)に位置している。また、これら位置決め部56は、ステータコア33のフレーム取付部43の近傍に配置されている。さらに、これら位置決め部56は、例えば絶縁本体部53を切り欠いて形成されている。このため、これら位置決め部56は、各フレーム取付部43の取付孔43aを囲んで形成されている。
なお、巻線保持部51、端子保持部52、絶縁本体部53、絶縁壁54、取付ガイド部55、および位置決め部56は、互いに一体的でなくてもよく、別体の絶縁部材などによって形成されていてもよいし、これらから任意の構成を組み合わせて一体に形成してもよい。
コイル35は、巻線保持部51に保持され、各ティース42に固定磁極を形成するものである。本実施形態では、これらコイル35は、例えばステータコア33(ステータ22)の周方向に交互に異極を生じさせるように配置されている。これら各コイル35は、導電体の表面を絶縁皮膜で覆って形成された巻線58が各巻線保持部51の周囲、すなわち各ティース42の長手方向を軸とする筒状に巻回されてそれぞれ形成されている。
端子36は、制御回路と各コイル35とを電気的に接続するためのものである。この端子36は、端子保持部52に保持されており、この端子保持部52から後側に突出している。したがって、この端子36は、ステータコア33の左右に位置するティース42,42間の位置にてそれぞれ一対ずつ配置されている。そして、左右に位置する端子36,36が対をなしている。
センサ基板23は、ロータ21(磁石部27)の磁極の極性を検出することによってロータ21の回転位置(回転角度)を検出するもので、例えばホールICなどを備えている。このセンサ基板23は、例えばC字状に形成され、ロータ21の磁石部27の外周に沿って配置されている。また、このセンサ基板23は、例えばステータ22の後側に重ねられ、例えばねじなどの基板固定部材59によりステータ絶縁34(絶縁本体部53)に固定されている。
フレーム24は、例えばアルミニウム、あるいはマグネシウムなどの、軽量で、かつ、導電性を有する金属部材により形成されている。このフレーム24は、例えば一のフレーム体61と、他のフレーム体62とを備えている。そして、このフレーム24は、これら一および他のフレーム体61,62がねじ49により互いに前後に固定されることにより、ロータ21、ステータ22およびセンサ基板23を前後から挟み込んで収容するように構成されている。
一のフレーム体61は、ロータ21、ステータ22およびセンサ基板23に対して前側に位置するものである。一のフレーム体61は、円環状の外郭部64を備えている。また、一のフレーム体61は、一の軸受部65を備えている。さらに、一のフレーム体61は、複数の一の連結部66を備えている。また、一のフレーム体61は、複数の規制部67を備えている。さらに、一のフレーム体61は、複数の被取付部としての螺合部68を備えている。また、一のフレーム体61は、フレーム吸気開口部69を備えている。
外郭部64は、フレーム24(一のフレーム体61)の最大外径を設定するものである。この外郭部64は、ディフューザ15と略等しい外径寸法を有している。
一の軸受部65は、一方(前側)のベアリング30を受けることでロータ21を回転自在に支持するものである。また、一の軸受部65には、電動機13とディフューザ15とを前後方向に固定するためのねじなどの固定体71が螺合される丸孔状の螺合孔65aが設けられている。
一の連結部66は、一の軸受部65と外郭部64とを連結するものである。これら一の連結部66は、一の軸受部65からそれぞれ放射状に突設されている。これら一の連結部66は、ステータコア33のティース42の数に対応する複数設けられている。すなわち、これら一の連結部66は、本実施形態において4つ設けられている。
規制部67は、ステータコア33を周り止めすることでステータ22に対してフレーム24(一のフレーム体61)を周方向に位置決めするものである。これら規制部67は、外郭部64と一の連結部66との連結位置に設けられている。これら規制部67は、外郭部64の内周部に位置しており、前後方向、すなわち外郭部64(フレーム24(一のフレーム体61))の軸方向に沿って、対をなすリブにより挟まれる溝状に設けられている。また、これら規制部67は、ステータコア33のフレーム取付部43に対応して設けられている。すなわち、これら規制部67は、ステータコア33のティース42の数に対応する複数設けられている。したがって、この規制部67は、本実施形態では4つ設けられている。そして、これら規制部67には、フレーム取付部43がそれぞれ嵌合されることで、ステータコア33(ステータ22)が周方向に回り止めされる。
螺合部68は、規制部67にそれぞれ設けられている。これら螺合部68は、ステータコア33のフレーム取付部43に対応して設けられている。すなわち、これら螺合部68は、ステータコア33のティース42の数に対応する複数設けられている。そして、この螺合部68には、ステータコア33の各フレーム取付部43の取付孔43aに挿通されたねじ49が螺合されるボス状に設けられている。
フレーム吸気開口部69は、外郭部64と、一の軸受部65と、隣接する一の連結部66,66との間に区画されている。このフレーム吸気開口部69は、ディフューザ15に対向して開口されている。
他のフレーム体62は、ロータ21、ステータ22およびセンサ基板23に対して後側に位置するものである。他のフレーム体62は、他の軸受部73を備えている。また、他のフレーム体62は、他の連結部としての脚部74を備えている。
他の軸受部73は、他方(後側)のベアリング30を受けることでロータ21を回転自在に支持するものである。
脚部74は、ステータコア33との接触部であり、他のフレーム体62と一のフレーム体61とを連結する部分である。これら脚部74は、他の軸受部73からそれぞれ放射状に突設されている。これら脚部74は、ステータコア33のティース42の数、換言すればフレーム取付部43の数に対応する複数設けられている。すなわち、これら脚部74は、本実施形態において4つ設けられている。また、これら脚部74は、フレーム24(他のフレーム体62)の周方向に略等配分されている。すなわち、これら脚部74は、電動送風機11(ロータ21)の中心軸の周囲に複数配置されている。さらに、これら脚部74は、先端側が前側、すなわち一のフレーム体61側に向けて屈曲されている。また、これら脚部74の先端部には、ねじ49が挿通される挿通孔74aがそれぞれ設けられている。さらに、これら脚部74は、ステータ絶縁34の位置決め部56に先端側がそれぞれ嵌合されることで、ステータ22(ステータコア33)に対して位置決めされるようになっている。そして、ステータコア33に重ねられたこれら脚部74の挿通孔74aに挿通されたねじ49がステータコア33のフレーム取付部43の取付孔43aに挿通されて一のフレーム体61の螺合部68に螺合されることで、一および他のフレーム体61,62が互いに固定されるようになっている。したがって、他のフレーム体62を一のフレーム体61と固定した状態で、一のフレーム体61の外郭部64と、他のフレーム体62の他の軸受部73と、隣接する脚部74,74との間に、フレーム排気開口部75がそれぞれ区画される。これらフレーム排気開口部75は、電動機13内に流入した空気を外部へと排気するものである。また、これらフレーム排気開口部75のうち、互いに対向する一対のフレーム排気開口部75には、端子36がそれぞれ露出するように位置している。
遠心ファン14は、シャフト26に接続されて電動機13により回転されることで空気を中心側から外周側へと押し出す(吹き出す)ものである。この遠心ファン14は、中央部に、シャフト26が挿通されるシャフト挿通孔77を備えている。また、この遠心ファン14は、複数のファン翼78を備えている。そして、シャフト挿通孔77に挿通された電動機13のシャフト26の前端部に固定部材としてのナット79が螺合されることにより、遠心ファン14がシャフト26に一体的に固定される。
ディフューザ15は、遠心ファン14により押し出された空気を整流して電動機13の内部へと流し込むものである。このディフューザ15は、取付開口部82を中央部に備えている。また、このディフューザ15は、固定孔部である通孔83を取付開口部82の両側に備えている。さらに、このディフューザ15は、整流翼84を外縁近傍に備えている。そして、このディフューザ15は、整流翼84,84間に、ディフューザ15を前後方向に貫通する風路部85を備えている。また、このディフューザ15は、ステータ22に対向する後側に、フレーム24(一のフレーム体61)をこのディフューザ15に対して位置決めするフレーム位置決め部86を備えている。このフレーム位置決め部86は、例えば一のフレーム体61の一の連結部66が嵌合される部分である。したがって、このフレーム位置決め部86は、一の連結部66に対応する複数、本実施形態では4つ設けられている。
ファンカバー16は、遠心ファン14の一部を覆ってディフューザ15に取り付けられている。このファンカバー16には、遠心ファン14の中央部を露出させる吸気口87が開口されている。
制御回路は、例えばインバータ回路を含むドライバと、このドライバをPWM制御する制御部とを備え、各端子36およびセンサ基板23と電気的に接続されている。そして、この制御回路は、ドライバによってコイル35の巻線58に流れる電流の向きや通電時間を制御することで、各コイル35を介してステータ22のステータコア33の各ティース42にそれぞれ生じさせる磁極を時間毎に切り換えるように構成されている。
そして、上記の電動送風機11および制御回路は、本実施形態において図6に示す電気掃除機91に備えられる。電気掃除機91は、掃除機本体92と、集塵部93とを備えている。電気掃除機91としては、本実施形態では、例えば長手状の掃除機本体92に対して着脱可能な風路体94を備える長尺状のスティック型(ハンディ型)の電気掃除機とするが、例えばキャニスタ型などでもよいし、自律走行可能な自走式の電気掃除機でも好適に用いることができる。
掃除機本体92には、電動送風機11および制御回路が収容されている。また、この掃除機本体92には集塵部93が着脱可能となっている。
集塵部93は、電動送風機11の駆動により生じる負圧を利用して空気とともに吸い込んだ塵埃を空気から捕集する部分である。この集塵部93は、本実施形態において例えば塵埃を遠心分離するサイクロン集塵部が用いられるが、例えばフィルタにより塵埃を濾過捕集するものや、慣性を利用して塵埃を捕集するものなど、任意の構成とすることができる。
風路体94は、電動送風機11の駆動により生じる負圧を床面などに作用させるものである。この風路体94は、必須の構成ではない。
次に、上記一実施形態の電動送風機11の組み立て手順を説明する。
この電動送風機11の組み立て手順は、概略として、ディフューザ15に一のフレーム体61を組み付け、この一のフレーム体61に、それぞれ組み立てたステータ22およびロータ21を組み付け、センサ基板23をステータ22に組み付け、他のフレーム体62を一のフレーム体61およびディフューザ15に組み付けて、一および他のフレーム体61,62によりロータ21、ステータ22およびセンサ基板23を挟み込み、ロータ21に遠心ファン14を接続した後、ファンカバー16により遠心ファン14を覆う。
より詳細に、ロータ21の組み立ての際には、磁石部27およびスリーブ28,28に対してシャフト26を挿通し、無着磁の磁石部27およびスリーブ28,28をシャフト26に対して接着などにより固定し、磁石部27を着磁する。
また、ステータ22の組み立ての際には、予め成形したステータコア33の各ヨーク体46に対してステータ絶縁34をインサート成形などにより一体成形した後、ステータ絶縁34の巻線保持部51に巻線58を自動巻線機などにより巻き付けてコイル35を形成するとともに、これらコイル35の巻線58の端部を端子保持部52に絡げて端子36と電気的に接続する。この状態で、各端子保持部52に絡げられた巻線58および各コイル35と、ステータコア33の各フレーム取付部43との間にステータ絶縁34の各絶縁壁54および各取付ガイド部55が介在される状態となる。
次いで、ディフューザ15に対して、予め成形したフレーム24の一のフレーム体61を、一の連結部66をそれぞれフレーム位置決め部86に嵌合させた状態とし、通孔83に挿入した固定体71を螺合孔65aに螺合させることで一のフレーム体61をディフューザ15に固定する。この後、一のフレーム体61に対して、ステータ22を、ステータコア33のフレーム取付部43を規制部67にそれぞれ挿入して周方向に位置決めするとともに、センサ基板23を、基板固定部材59によりステータ22に対して固定する。次いで、シャフト26に対して磁石部27、スリーブ28を取り付けて構成したロータ21のシャフト26にさらにベアリング30を取り付け、ステータ22のティース42の磁気作用面間から一のフレーム体61の一の軸受部65に挿通しつつ、このロータ21のベアリング30を一の軸受部65に保持する。
そして、他のフレーム体62を、各脚部74の先端側を一のフレーム体61の規制部67に位置合わせする。このとき、各脚部74は、先端側を各取付ガイド部55に接触させながらステータコア33側へと押し込むことで、各取付ガイド部55によりステータコア33の各フレーム取付部43へと容易にガイドされるとともに、これらフレーム取付部43の取付孔43aを囲む各位置決め部56に先端側が嵌合される。この結果、他のフレーム体62(各脚部74)がステータ22(ステータコア33の各フレーム取付部43)に対して容易に位置決めされる。
この後、各脚部74の先端側の挿通孔74aにねじ49を挿入してステータコア33の取付孔43aから一のフレーム体61の螺合部68にねじ止めすることで、一および他のフレーム本体61,62によりステータ22、センサ基板23およびロータ21を挟み込むように固定する。
この結果、各脚部74と各コイル35および巻線58との間にステータ絶縁34の各絶縁壁54および各取付ガイド部55が介在された状態となる。
次いで、ディフューザ15の取付開口部82から前側に突出する電動機13のシャフト26を遠心ファン14のシャフト挿通孔77に挿通してナット79により固定し、この遠心ファン14を覆ってファンカバー16をディフューザ15の前側に圧入あるいは接着固定することで、電動送風機11が完成する。
このように組み立てた電動送風機11は、センサ基板23によりロータ21の回転位置を検出しつつ、この回転位置に応じて、制御回路により各コイル35の巻線58に流れる電流の向きおよび通電時間を制御することで、各ティース42に順次磁極を形成し、これら磁極とロータ21の磁極との反発・吸引によってロータ21を回転させる。そこで、電動送風機11の遠心ファン14の回転により発生した負圧により、空気が吸気口87から電動送風機11に吸い込まれる。そして、この吸い込まれた空気は、遠心ファン14のファン翼78によりこの遠心ファン14の周囲へと整流され、ディフューザ15の整流翼84により整流されて風路部85からフレーム吸気開口部69を介して電動機13へと流し込まれ、ステータ22およびロータ21を冷却しながらこの電動機13のフレーム24内を通過して各コイル35(巻線58)および各端子36を冷却しつつフレーム排気開口部75から排気される。
このように、フレーム24(他のフレーム体62)の各脚部74を取り付けるステータコア33の各フレーム取付部43を、各コイル35がそれぞれ形成される各ティース42の基端部の近傍に設けることで、ステータ22をバランスよく確実に支持し、振動に対して強度を確保できる。その一方で、フレーム24が金属製である場合、肉厚を大きくすることなく強度を得ることができるものの、各フレーム取付部43を各ティース42に近接させていることにより、これらティース42に配置される各コイル35とフレーム24(各脚部74)との絶縁距離の確保が課題となる。
そこで、以上説明した一実施形態によれば、ステータ絶縁34に各脚部74と各コイル35との間に介在されてこれら脚部74とコイル35とを絶縁する絶縁壁54を設けることで、フレーム24の各脚部74と各コイル35との絶縁距離を確保できる。この結果、金属製のフレーム24を用いて強度を確保しながら小型化を図りつつ、絶縁の信頼性が高い電動機13を提供できる。
さらに、ステータ絶縁34に設けた取付ガイド部55によって各脚部74を各フレーム取付部43へとガイドするとともに、位置決め部56によって各脚部74を位置決めすることで、組み立てがより容易になり、製造性が向上する。
しかも、各取付ガイド部55が、絶縁壁54と同様に、各脚部74と各コイル35との間に介在されてこれら脚部74とコイル35とを絶縁するので、絶縁距離をより確実に得ることができる。
そして、電動送風機11に上記電動機13を備えることで、絶縁の信頼性を確保しつつ容易に組み立てでき、この電動送風機11を小型化および低価格化できる。したがって、上記電動機13を備える電気掃除機91を小型化および低価格化できる。
なお、上記各実施形態において、電動機13は電気掃除機91の電動送風機11に適用されるものとして説明したが、電動送風機11以外でも、例えば風路体94の先端に位置する吸込口体としての床ブラシに備えられる回転ブラシを駆動させるものなど、掃除をするための掃除部の駆動手段として用いることもできるし、電気掃除機91のその他の任意の動作部の駆動手段として用いることもできる。
また、電動機13は、電気掃除機91以外の任意の電気機器に用いることができる。
本発明の一実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。この実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。