JP2018072143A - 力測定装置及び生体力学解析システム - Google Patents

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Abstract

【課題】シートの左右等の座面の複数箇所にそれぞれ作用する力及び力の作用位置を測定することができる力測定装置及び生体力学解析システムを提供する。【解決手段】力測定装置50は第1シート部32、第2シート部34、第1検知部46及び第2検知部48を備える。第1シート部32は座面の片側を構成する第1座面32Aを有する。第2シート部34は、座面の他の片側を構成し、第1座面32Aに作用する力に対して独立に力が作用する第2座面34Aを有する。第1検知部46は、第1座面32Aに作用する力及び力の作用位置を検知する。第2検知部48は、第2座面34Aに作用する力及び力の作用位置を検知する。【選択図】図2

Description

本発明は、力測定装置及び生体力学解析システムに関し、特に分割されたシートの複数箇所に作用する力をそれぞれ検知可能な力測定装置及びこの力測定装置を含んで構成される生体力学解析システムに関する。
サイクリング人口の増加と健康志向の高まりから、ペダリング時における身体情報を取得する技術が開発されている。例えば、身体情報は生体力学解析によって求められ、生体力学解析には身体に作用する反力及び反力の作用位置の測定が不可欠である。
例えば、生体力学解析では、エルゴメータ(Ergometer)を用いて、股関節の力学的負担や運動性能を評価することができる。評価に際して、サドル下に6軸センサ(力3軸、モーメント3軸)が装着される。6軸センサでは、大腿又は臀部との接触によりサドルに生じる力(荷重)及びこの力の作用位置が測定可能である。
また、サドル表面上にシート型の圧力センサが装着されると、圧力センサにより大腿又は臀部とサドルとの接触部の圧力分布(力及び力の作用位置)が測定可能である。
なお、エルゴメータに関しては、例えば、下記特許文献1に固定式自転車トレーニング装置が開示されている。
特開平6−134046号公報
しかしながら、6軸センサを用いる測定方法では、サドルの座面全体に加わる力が一体的に測定されている。このため、左右大腿や臀部からの合力が測定されるものの、各部位からの力を個別に測定することができないので、逆動力学計算を実行して生体力学解析を正確に行うことができない。従って、左右の股関節の力学的負担や運動性能を正確に評価するためには、改善の余地があった。
一方、圧力センサを用いる測定方法では、サドルの座面に対して鉛直方向に作用する力及び力の作用位置は測定可能であるものの、股関節に作用する三次元的な力を測定することができない。このため、同様に生体力学的解析を用いて、左右の股関節の力学的負担や運動性能を正確に評価するためには、改善の余地があった。
本発明は、上記課題を考慮し、シートの左右等の座面の複数箇所にそれぞれ作用する力及びこの力の作用位置を個別に検知することができる力測定装置を提供する。
さらに、本発明は、上記力測定装置から得られる検知結果に基づいて、左右の股関節の力学的負担や運動性能を正確に評価することができる生体力学解析システムを提供する。
上記課題を解決するため、本発明の第1実施態様に係る力測定装置は、座面の片側を構成する第1座面を有する第1シート部と、第1シート部に並設され、座面の他の片側を構成し、かつ、第1座面に作用する力に対して独立に力が作用する第2座面を有する第2シート部と、第1座面に作用する力及びこの力の作用位置を検知する第1検知部と、第2座面に作用する力及びこの力の作用位置を検知する第2検知部と、を備える。
第1実施態様に係る力測定装置では、シートが第1シート部と第2シート部とに分離され、かつ、第1シート部に第2シート部が並設される。第1シート部は座面の片側を構成する第1座面を有する。第2シート部は、座面の他の片側を構成し、第1座面に作用する力に対して独立に力が作用する第2座面を有する。
ここで、力測定装置には、第1検知部及び第2検知部が設けられる。第1検知部では、第1座面に作用する力及びこの力の作用位置が検知される。第2検知部では、第2座面に作用する力及びこの力の作用位置が、第1座面に作用する力に対して独立に検知される。このため、第1座面に作用する力及び力の作用位置、第2座面に作用する力及び力の作用位置のそれぞれを別々に検知することができる。
本発明の第2実施態様に係る力測定装置では、第1実施態様に係る力測定装置において、第1シート部の第1座面とは反対側に、第1シート部よりも剛性が高い板状に形成され、かつ、第1座面に作用する力を伝達する第1力伝達部を介して第1検知部が設けられ、第2シート部の第2座面とは反対側に、第2シート部よりも剛性が高い板状に形成され、かつ、第2座面に作用する力を第1力伝達部に対して独立に伝達する第2力伝達部を介して第2検知部が設けられている。
第2実施態様に係る力測定装置によれば、第1検知部は第1シート部の第1座面とは反対側に第1力伝達部を介して設けられ、第1力伝達部は第1シート部よりも剛性が高い板状とされる。第1座面に作用する力は第1力伝達部を介して第1検知部により検知されるので、正確に力を測定することができる。一方、第1シート部をシートに適した剛性に形成することができる。
同様に、第2検知部は第2シート部の第2座面とは反対側に第2力伝達部を介して設けられ、第2力伝達部は第2シート部よりも剛性が高い板状とされる。第2座面に作用する力は、第1座面に作用する力に対して独立に第2力伝達部を介して第2検知部により検知されるので、正確に力を測定することができる。一方、第2シート部をシートに適した剛性に形成することができる。
本発明の第3実施態様に係る力測定装置では、第1実施態様又は第2実施態様に係る力測定装置において、第1検知部及び第2検知部は、第1力伝達部及び第2力伝達部の第1シート部及び第2シート部とは反対側において、第1力伝達部及び第2力伝達部に対向して配置され、かつ、第1シート部及び第2シート部よりも剛性が高い板状に形成されたシートベース部に配設されている。
第3実施態様に係る力測定装置によれば、第1シート部及び第2シート部よりも剛性が高い板状に形成されたシートベース部に第1検知部及び第2検知部が配設される。このため、シートベース部が剛性の高い、第1検知部及び第2検知部の共通の土台となって、第1検知部、第2検知部のそれぞれにより力が検知されるので、正確に力を検知することができる。
本発明の第4実施態様に係る力測定装置では、第1実施態様〜第3実施態様のいずれか1つに係る力測定装置において、第1検知部は、第1シート部のシート前後方向の前部及び後部に配設され、第2検知部は、第2シート部のシート前後方向の前部及び後部に配設されている。
第4実施態様に係る力測定装置によれば、第1検知部は第1シート部の前部及び後部に配設されるので、複数の第1検知部により第1座面に作用する力及び力の作用位置を検知することができる。同様に、第2検知部は第2シート部の前部及び後部に配設されるので、複数の第2検知部により第2座面に作用する力及び力の作用位置を検知することができる。
本発明の第5実施態様に係る力測定装置では、第4実施態様に係る力測定装置において、第1検知部は、第1シート部の前部及び後部に加えて、第1シート部のシート幅方向一端側の横部に配設され、第2検知部は、第2シート部の前部及び後部に加えて、第2シート部のシート幅方向他端側の横部に配設されている。
第5実施態様に係る力測定装置によれば、第1検知部は第1シート部の前部、後部及び横部に配設されるので、複数の第1検知部により第1座面に作用する力及び力の平面上の作用位置を検知することができる。同様に、第2検知部は第2シート部の前部、後部及び横部に配設されるので、複数の第2検知部により第2座面に作用する力及び力の平面上の作用位置を検知することができる。
本発明の第6実施態様に係る力測定装置では、第5実施態様に係る力測定装置において、第1検知部は、第1シート部の前部、後部及び横部に配設されたいずれか1つの力の検知高さを他の力の検知高さと変え、第2検知部は、第2シート部の前部、後部及び横部に配設されたいずれか1つの力の検知高さを他の力の検知高さと変えている。
第6実施態様に係る力測定装置によれば、複数箇所に配設された第1検知部のいずれか1つの力の検知高さを変えることにより、第1座面に作用する力の高さ方向の作用位置を検知することができる。同様に、複数箇所に配設された第2検知部のいずれか1つの力の検知高さを変えることにより、第2座面に作用する力の高さ方向の作用位置を直接検知することができる。
本発明の第7実施態様に係る力測定装置では、第1実施態様〜第6実施態様のいずれか1つに係る力測定装置において、第1検知部、第2検知部は、いずれも、3軸方向の力を検知可能とする。
第7実施態様に係る力測定装置によれば、第1検知部、第2検知部はいずれも3軸方向の力を検知可能とするので、X軸方向、Y軸方向及びZ軸方向に作用する力及び力の作用位置を検知することができる。この検知情報に基づいて、第1座面、第2座面のそれぞれに作用する力の大きさ及び力の作用方向(ベクトル)を別々に取得することができる。
本発明の第8実施態様に係る力測定装置は、第1実施態様〜第7実施態様のいずれか1つに係る力測定装置において、第1シート部及び第2シート部は、生体の大腿から臀部までの一部が接触するサドル、又は着座用シートである。
第8実施態様に係る力測定装置では、第1シート部及び第2シート部がサドル又は着座用シートとされる。例えば、エルゴメータ若しくは自転車のサドルとされる場合、ペダリング時における左右の股関節の力学的負担や運動性能の評価に必要とされる力及び力の作用位置を第1検知部及び第2検知部により検知することができる。
また、例えば、ローイングマシン若しくはローイングボートに設けられる着座用シートとされる場合、ローイング時における左右の股関節の力学的負担や運動性能の評価に必要とされる力及び力の作用位置を第1検知部及び第2検知部により検知することができる。
本発明の第9実施態様に係る力測定装置は、第1実施態様〜第8実施態様のいずれか1つに係る力測定装置において、第1シート部及び第2シート部のシート前後方向の後側部に並設され、第1座面、第2座面のそれぞれに作用する力に対して独立に力が作用する第3座面を有する第3シート部と、第3座面に作用する力及びこの力の作用位置を検知する第3検知部と、を更に備える。
第9実施態様に係る力測定装置は、第3シート部及び第3検知部を更に備える。第3シート部は、第1シート部及び第2シート部の後側部に並設され、第3座面を有する。第3座面には、第1座面、第2座面のそれぞれに作用する力に対して独立に力が作用する。このため、第1座面に作用する力及び力の作用位置、第2座面に作用する力及び力の作用位置、第3座面に作用する力及び力の作用位置のそれぞれを別々に検知することができる。特に、第1座面及び第2座面に作用する力及び力の作用位置と、第3座面に作用する力及び力の作用位置とを別々に検知することができる。
本発明の第10実施態様に係る力測定装置は、第1実施態様〜第8実施態様のいずれか1つに係る力測定装置において、第1シート部のシート前後方向の後側部に並設され、第1座面、第2座面のそれぞれに作用する力に対して独立に力が作用する第4座面を有する第4シート部と、第2シート部のシート前後方向の後側部に並設され、第1座面、第2座面、第4座面のそれぞれに作用する力に対して独立に力が作用する第5座面を有する第5シート部と、第4座面に作用する力及びこの力の作用位置を検知する第4検知部と、第5座面に作用する力及びこの力の作用位置を検知する第5検知部と、を更に備える。
第10実施態様に係る力測定装置は、第4シート部及び第4検知部と、第5シート部及び第5検知部とを更に備える。第4シート部は、第1シート部の後側部に並設され、第4座面を有する。第4座面には、第1座面、第2座面のそれぞれに作用する力に対して独立に力が作用する。第5シート部は、第2シート部の後側部に並設され、第5座面を有する。第5座面には、第1座面、第2座面、第4座面のそれぞれに作用する力に対して独立に力が作用する。
このため、第1座面に作用する力及び力の作用位置、第2座面に作用する力及び力の作用位置、第4座面に作用する力及び力の作用位置、第5座面に作用する力及び力の作用位置のそれぞれを別々に検知することができる。特に、第4座面に作用する力及び力の作用位置と、第5座面に作用する力及び力の作用位置とを別々に検知することができる。
本発明の第11実施態様に係る生体力学解析システムは、第1実施態様〜第10実施態様のいずれか1つに記載の力測定装置と、力測定装置の力及び力の作用位置の検知結果に基づいて、生体の左右の股関節トルクをそれぞれ個別に演算する演算処理部と、を備える。
第11実施態様に係る生体力学解析システムは、力測定装置と、演算処理部とを備える。力測定装置では、第1座面に作用する力及びこの力の作用位置、第2座面に作用する力及びこの力の作用位置の少なくともそれぞれが別々に検知される。演算処理部では、力測定装置の力及び力の作用位置の検知結果に基づいて、例えば生体の左右の股関節トルクがそれぞれ個別に演算される。このため、左右の股関節の力学的負担や運動性能を評価することができる。
また、演算処理部では、力測定装置の力及び力の作用位置の検知結果に基づいて、例えば左右大腿とサドルの座面との接触による股関節に作用する剪断力を取得することができる。このため、股関節に作用する三次元的な力を取得することができるので、左右の股関節の力学的負担や運動性能を評価することができる。
本発明によれば、シートの左右等の座面の複数箇所にそれぞれ作用する力及びこの力の作用位置を個別に検知することができる力測定装置を提供することができる。
また、本発明によれば、上記力測定装置から得られる検知結果に基づいて、左右の股関節の力学的負担や運動性能を正確に評価することができる生体力学解析システムを提供することができる。
本発明の第1実施の形態に係る力測定装置及びこの力測定装置を備える生体力学解析システムを示す正面図である。 図1に示される力測定装置を示す分解斜視図である。 図1に示される力測定装置の主として右側を示す図1の一部拡大図である。 図2及び図3に示される力測定装置のシート(サドル)を示す平面図である。 図2及び図3に示される力測定装置のシート下に配設される力伝達部を示す平面図である。 図2及び図3に示される力測定装置の力伝達部下に配設されるシートベース部を示す平面図である。 図2に示される力測定装置の測定原理を説明する図であり、(A)は力のX軸−Y軸面上の作用位置の測定原理を示す説明図、(B)は力の高さ方向(Y軸−Z軸面上)の作用位置の測定原理を示す図3の一部を用いた説明図である。 本発明の第2実施の形態に係る力測定装置及び生体力学解析システムを説明する図であり、(A)は力測定装置のサドルを示す平面図、(B)は力測定装置の力伝達部を示す平面図、(C)は力測定装置のシートベース部を示す平面図である。 本発明の第3実施の形態に係る力測定装置及び生体力学解析システムを説明する図であり、(A)は力測定装置のサドルを示す平面図、(B)は力測定装置の力伝達部を示す平面図、(C)は力測定装置のシートベース部を示す平面図である。
(第1実施の形態)
図1〜図7を用いて、本発明の第1実施の形態に係る、エルゴメータに適用された力測定装置及びこの力測定装置を含んで構成される生体力学解析システムを説明する。ここで、図中、適宜示される矢印X方向はエルゴメータの幅方向左側を示し、矢印Y方向はエルゴメータの前後方向前側を示している。また、矢印Z方向はエルゴメータの上下方向下側を示している。
[生体力学解析システムの全体の概略構成]
図1に示されるように、本実施の形態に係る生体力学解析システム10は、エルゴメータ12に適用され、力測定装置50と、演算処理部62とを含んで構成されている。
エルゴメータ12は、エルゴメータ本体14と、ハンドル18と、ペダル24と、シートとしてのサドル30とを含んで構成されている。ハンドル18はエルゴメータ本体14の前方上部から上方へ向かって立設されたハンドルサポート16を介して装着されている。ハンドル18はエルゴメータ12の操作者により把持される部位である。
エルゴメータ本体14の前後方向中間部には、左右幅方向を軸方向とするクランク軸20が設けられている。このクランク軸20にはクランクアーム22の一端部が連結されている。クランクアーム22はクランク軸20を中心としてクランク軸20の軸周りを回転する構成とされている。クランクアーム22の他端側にはペダル24が回動可能に取付けられている。ペダル24は、クランクアーム22の回転に従って回転する構成とされ、操作者の足部からペダリング力を作用させる部位である。クランクアーム22及びペダル24は、図1では左側しか示されていないが、左側に対して回転角度が180度オフセットされた状態において、右側にも同様に配設されている。
サドル30はエルゴメータ本体14の後方上部から上方へ向かって立設されたサドルサポート26を介して装着されている。図1及び図3に示されるように、サドルサポート26の上部には回動調整部28を介してシートベース(サドルベース)部36が取付けられている。回動調整部28は、シートベース部36の下部において、シートベース部36の前後方向及び左右幅方向の中間部に取付けられている。回動調整部28は、シートベース部36の取付角度を調整可能な構成とされている。サドル30はシートベース部36上に装着されている。サドル30は例えば硬質樹脂材料により形成されている。シートベース部36は、サドル30よりも剛性が高く、操作者から作用する力では力の検知精度に影響を与える撓みやねじれを生じることがない、板材により形成されている。ここでは、シートベース部36は、例えばアルミニウム合金等の軽金属材料により形成されている。
図6に一点鎖線により示されるシート前後方向(矢印Y方向)の中間線A−Aを下底とすると、平面視において、シートベース部36の中間線A−Aよりも前方部位36Aは、下底よりも脚の長さが長い略台形状に形成されている。一方、中間線A−Aを一辺とすると、平面視において、シートベース部36の中間線A−Aよりも後方部位36Bは、上記一辺の長さが最も長い略八角形状に形成されている。また、図6に一点鎖線により示されるシート左右幅方向(矢印X方向)の中間線B−Bを中心として、シートベース部36は線対称に形成されている。ここで、サドル30のシート前後方向、シート左右幅方向のそれぞれは、エルゴメータ12の前後方向、左右幅方向のそれぞれに一致させている。
[力測定装置の構成]
図1、図2及び図3に示されるように、力測定装置50は、サドル30と、サドル30下に配設された力伝達部40と、図1、図2、図3及び図5に示されるサドル30に力伝達部40を介して設けられた第1検知部46及び第2検知部48とを含んで構成されている。
図2及び図4に示されるように、中間線B−Bを中心として、サドル30は左右に2分割されている。サドル30の分割された右側は第1シート部(第1サドル分割部)32とされている。第1シート部32の上面部位及び側面部位の右側は、サドル30の座面の片側を構成する第1座面32Aとされている。第1座面32Aには、サドル30に着座した状態において操作者の右側大腿から臀部の右側までの少なくとも一部が接触し、この接触による荷重が作用する。
サドル30の分割された左側は、第1シート部32に接触しない程度のクリアランスを持って並設された第2シート部(第2サドル分割部)34とされている。第2シート部32の上面部位及び側面部位の左側は、サドル30の座面の他の片側を構成する第2座面34Aとされている。第2座面34Aには、操作者の左側大腿から臀部の左側までの少なくとも一部が接触し、この接触による荷重が第1座面32Aに作用する荷重に対して独立に作用する。第2シート部34は、中間線B−Bを中心線として、第1シート部32の線対称形状に形成されている。
図3に示されるように、第1シート部32は、支持部材38Aを介して力伝達部40の一方の第1力伝達部42に支持されると共に、この第1力伝達部42に取付けられている。特に限定されるものではないが、ここでは、支持部材38Aは、前後方向の両端部が上方側へ斜めに折曲げられた棒状の金属材料により形成されている。支持部材38Aの前方側の一端部38A1は、第1シート部32の前部において第1座面32Aとは反対側の下面部分にインサート成形により一体的に形成され、かつ、固定されている。支持部材38Aの後方側の他端部38A2は、第1シート部32の後部の下面部分に、一端部38A1と同様に一体的に形成され、かつ、固定されている。支持部材38Aの前後方向の中間部38A3は、第1力伝達部42の上面に取付けられた挟持部(クランプ部)38Bに挟持され、かつ、位置を固定されている。
ここで、挟持部38Bは、締結材381を用いて、中間部38A3を上下から締付けて挟持する構成とされている。中間部38A3は前後方向に延設された直線部位を備えているので、締結材381の締付けを緩めれば、挟持部38Bに対して中間部38A3が前後方向に移動可能となる。すなわち、第1シート部32の前後方向の位置の調整が可能とされる。操作者の好みや競技ルールに応じて前後方向の位置は適宜調整される。
図2及び図5に示されるように、力伝達部40は、平面視において、図2及び図6に示されるシートベース部36の平面形状と同様の形状に形成されている。第1力伝達部42は、中間線B−Bを中心として左右に2分割された力伝達部40の右側の一方の部位である。第1力伝達部42は、サドル30よりも剛性が高く、操作者から作用する力では力の検知精度に影響を与える撓みやねじれを生じることがない、板材により形成されている。第1力伝達部42は平面視において、シートベース部36上に重なり合う位置に配設され、第1力伝達部42はシートベース部36に対向して配置されている。ここでは、第1力伝達部42は、シートベース部36と同様に例えばアルミニウム合金等の軽金属材料により形成され、シートベース部36の板厚と同等の板厚に形成されている。なお、力伝達部40は、薄肉材料により形成され、平面状又は曲面状に形成された剛体であれば適用できる。
一方、図2及び図4に示される第2シート部34は、図3では省略されているが、第1シート部32と同様に、支持部材38Aを介して図2及び図5に示される力伝達部40の他方の第2力伝達部44に支持されると共に、この第2力伝達部44に取付けられている。支持部材38Aは、第2力伝達部44の上面に取付けられた図3と同様の挟持部38Bに挟持されている。
図2及び図5に示されるように、第2力伝達部44は、中間線B−Bを中心として分割された力伝達部40の左側の他方の部位であり、第1力伝達部42の左側に接触しない程度の適度なクリアランスを持って並設されている。第2力伝達部44の材料及び板厚は、第1力伝達部42の材料及び板厚と同一に設定されている。第2力伝達部44は、中間線B−Bを中心として、第1力伝達部42の線対称形状に形成されている。
図2、図3及び図5に示されるように、第1力伝達部42はシートベース部36に装着された第1検知部46に連結されている。詳しく説明すると、第1検知部46は、少なくとも2個の第1検知部46A及び第1検知部46Bを含んで構成され、ここでは更に第1検知部46Cを加えた合計3個により構成されている。
第1検知部46Aは、シートベース部36の前方部位36Aの前端部右側(第1シート部32のシート前後方向の前部)に図3に示される台座36Dを介して下端側を固着し、第1力伝達部42の前方端部42Aに上端側を固着している。ここで、台座36Dは、例えば第1力伝達部42と同様の材料により形成され、かつ、第1力伝達部42の板厚と同等の板厚か、又は第1力伝達部42の板厚よりも薄い板厚に設定されている。第1検知部46Aは、台座36Dを介してシートベース部36に例えばねじ等の締結部材を用いて固定され、第1力伝達部42に同様に締結部材を用いて固定されている。
第1検知部46Bは、シートベース部36の後方部位36Bの後端部右側(第1シート部32のシート前後方向の後部)に図3に示される台座36Dを介して下端側を固着し、第1力伝達部42の後方端部42Bに上端側を固着している。台座36Dの構成や第1検知部46Bの取付け方法は第1検知部46Aと同様である。
第1検知部46Cは、シートベース部36の後方部位36Bの右端部36E(第1シート部32のシート幅方向一端側の横部)に下端側を固着し、第1力伝達部42の右端部42Cに図3に示されるスペーサ36Sを介して上端側を固着している。ここで、スペーサ36Sは、台座36Dと同様の材料及び板厚により形成されている。第1検知部46Cは、シートベース部36に締結部材を用いて固定され、第1力伝達部42に締結部材を用いてスペーサ36Sを介して固定されている。
すなわち、シートベース部36の上面を基準面とすると、第1検知部46A及び第1検知部46Bは同一の力の検知高さ位置に配設されている。そして、第1検知部46A及び第1検知部46Bの力の検知高さ位置に対して、第1検知部46Cは、台座36Dの板厚分、低い位置に配設され、力の検知高さ位置を低く設定している。なお、第1検知部46A及び第1検知部46Bと第1検知部46Cとの力の検知高さ位置関係は反対であってもよい。また、力の検知高さ位置の違いによる高さ情報が必要とされない場合には、第1検知部46はすべて同一の力の検知高さ位置に設定される。
また、台座36Dはここではシートベース部36と別部材として形成されているが、シートベース部36に突出部位を形成してこの突出部位が台座とされてもよい。スペーサ36Sについても同様である。さらに、第1検知部46A等の第1力伝達部42への固着やシートベース部36の固着に接着剤が使用されてもよい。
本実施の形態では、第1検知部46A、第1検知部46B、第1検知部46Cには、いずれも、X軸(矢印X方向)、Y軸(矢印Y方向)及びZ軸(矢印Z方向)の3軸方向の力が測定可能な3軸力センサが使用されている。なお、3軸力センサとして、圧電素子の電気変化を利用して荷重を検知するセンサ、静電容量の変化を利用して荷重を検知するセンサ、歪みゲージの電気抵抗の変化を利用して荷重を検知するセンサ等の各種センサが使用可能である。
図1、図2及び図5に示されるように、第2力伝達部44はシートベース部36に装着された第2検知部48に固定されている。第1検知部46と同様に、第2検知部48は、少なくとも2個の第2検知部48A及び第2検知部48Bを含んで構成され、ここでは更に第2検知部48Cを加えた3個により構成されている。
第2検知部48Aは、シートベース部36の前方部位36Aの前端部左側(第2シート部34のシート前後方向の前部)に図3に示されるものと同様の台座36Dを介して下端側を固定し、第2力伝達部44の前方端部44Aに上端側を固定している。第2検知部48Bは、シートベース部36の後方部位36Bの後端部左側(第2シート部34のシート前後方向の後部)に図3に示されるものと同様の台座36Dを介して下端側を固定し、第2力伝達部44の後方端部44Bに上端側を固定している。第2検知部48A、第2検知部48Bのそれぞれの構成及び取付け方法は、第1検知部46A、第1検知部46Bのそれぞれの構成及び取付け方法と同様である。
第2検知部48Cは、シートベース部36の後方部位36Bの左端部36F(第2シート部34のシート幅方向他端側の横部)に下端側を固定し、第2力伝達部44の左端部44Cに図3に示されるものと同様のスペーサ36Sを介して上端側を固定している。第2検知部48Cの構成及び取付け方法は、第1検知部46Cの構成及び取付け方法と同様である。
[生体力学解析システムの構成]
図1に戻って、本実施の形態では、前述の力測定装置50を用いて、生体力学解析システム10が構築されている。この生体力学解析システム10は、前述の力測定装置50及び演算処理部62を含んで構成され、更に入力部60と、出力部64とを備えている。力測定装置50、演算処理部62、入力部60、出力部64のそれぞれは、ケーブル66を介して相互に接続されている。ここで、ケーブル66は有線であるが、相互の接続に無線が使用されてもよいし、有線及び無線の双方が使用されてもよい。
入力部60は、生体力学解析システム10の起動、操作、演算に必要な情報の入力、停止等を司る。例えば図示が省略されたモーションキャプチャシステム(Motion capture system)を併用する生体力学解析システム10が構築される場合、入力部60は、例えばキーボード、マウス、タッチパネル等の入力デバイスにより構成されている。一方、出力部64は、生体力学解析システム10の動作状態、操作状態、演算結果等を出力可能な表示パネルやプリンタ等の出力デバイスにより構成されている。
演算処理部62では、力測定装置50により取得された力(荷重)及び力の作用位置の情報に基づいて、サドル30の第1座面32Aに作用する図2及び図3に示される力(ベクトル)FR1 及び力FR1 の作用位置と、第2座面34Aに作用する、図2に示される力(ベクトル)FR2 及び力FR2 の作用位置とを別々に少なくとも演算することができる。この説明は後述する。そして、本実施の形態の演算処理部62では、更に操作者(生体)の左右の股関節トルクをそれぞれ個別に演算することができる。さらに、演算処理部62では、演算された左右の股関節トルクに基づいて、例えば腰の関節トルクを演算することができる。
演算処理部62には例えばパーソナルコンピュータが使用されている。演算処理部62における股関節トルクの演算方法は、簡単に説明すると、以下の通りである。
関節トルクの演算には逆動力学計算法が使用される。操作者は、例えば身体セグメントパラメータ(BSP:Body Segment Parameter)モデルに基づいてモデル化される。例えば、操作者は、剛体と見なされる1以上の自然数N個のセグメント(segment)とセグメント間を連結するN−1個の関節(joint)とを持つ構造にモデル化される。
最初に、下肢の足部において、床との接触による反力、セグメントの加速度及び角加速度が測定される。反力は床反力計を用いて測定される。加速度及び角加速度は、ここでは図示が省略されたモーションキャプチャシステムを用いて測定される。これらの測定結果は演算処理部62に入力され、演算処理部62では、測定結果に基づいて、足首関節に生じる見かけの力及びモーメントが算出される。この算出には、並進運動及び回転運動の運動方程式を用いた算出法、具体的にはニュートンオイラー法(Newton Euler method)が使用される。並進運動の運動方程式から足首関節の見かけの力が算出される。また、回転運度の運動方程式から足首関節の関節トルクが算出される。
次に、演算処理部62において、足首関節の関節トルクの情報を反力の情報として利用し、同様の運動方程式から下腿の膝関節の関節トルクが算出される。
次に、演算処理部62において、膝関節の関節トルクの情報と、力測定装置50により検知された大腿から臀部までの一部からサドル30の座面に作用する力(ベクトル)及び力の作用位置を股関節に作用する反力の情報として利用し、同様の運動方程式から股関節の関節トルクが算出される。なお、サドル30に対する股関節の相対位置はモーションキャプチャシステムにより取得される。
ここで、本実施の形態に係る力測定装置50では、図1〜図6に示されるように、サドル30が第1シート部32及び第2シート部34に分割され、第1シート部32に第1検知部46が設けられ、第2シート部34に第2検知部48が設けられている。このため、演算処理部62では、力測定装置50からの力及び力の作用位置の検知結果に基づいて、右側大腿から臀部の右側までの一部から第1座面32Aに作用する図2及び図3に示される例えば単一のベクトルとして力FR1 及び力FR1 の作用位置を算出し、右側股関節に作用する反力の情報が算出される。
同様に、演算処理部62では、力測定装置50からの力及び力の作用位置の検知結果に基づいて、左側大腿から臀部の左側までの一部から第2座面34Aに作用する図2に示される力FR2 及び力FR2 の作用位置を力FR1 に対して個別に算出し、左側股関節に作用する反力の情報が算出される。
なお、本実施の形態に係る生体力学解析システム10は、力測定装置50から取得される、サドル30に作用する力及び力の作用位置を表示するサイクルコンピュータとして構築可能である。サイクルコンピュータに適用される場合でも、生体力学解析システム10には入力部60、演算処理部62及び出力部64が必要とされる。サイクルコンピュータがエルゴメータ12のハンドル18やその近傍に装着されると、操作者において、ペダリング中に、サドル30に作用する力及び力の作用位置が確認可能となる。
[本実施の形態の作用及び効果]
本実施の形態に係る力測定装置50では、図3及び図4に示されるように、シートとしてのサドル30が第1シート部32と、第2シート部32とに分離され、かつ、第1シート部32に第2シート部34が並設される。第1シート部32は座面の片側を構成する第1座面32Aを有する。第1座面32Aには、操作者の下肢の右側大腿から臀部の右側までの少なくとも一部からの力(荷重)が作用する。第2シート部34は、第1座面32Aに作用する力に対して独立に力が作用する第2座面34Aを有する。第2座面34Aには、操作者の下肢の左側大腿から臀部の左側までの少なくとも一部からの力(荷重)が作用する。
ここで、図1、図2、図3及び図5に示されるように、第1シート部32には第1検知部46が設けられ、第2シート部34には第2検知部48が設けられる。第1検知部46では、第1座面32Aに作用する力であるベクトルFR1 がその延長上の第1力伝達部42にベクトルFS1 として加わるので、このベクトルFS1 及びこの作用位置が検知される。ここで、「ベクトル」は単に「力」という場合がある。
図7(A)に力測定装置50の測定原理を説明する説明図が示されている。図2、図3及び図5に示される第1力伝達部42をセンサ面とすると、センサ面には、第1シート部32の第1座面32Aに作用するベクトルFR1 が、支持部材38A及び挟持部38Bを介してベクトルFS1 として上方から下方に向かって伝達される。ベクトルFS1 のY軸−Z軸面内におけるZ軸方向分力Fは、センサ面の左側一端において分力Fとは逆向きの反力F1 として第1検知部46Aにより検知され、センサ面の右側他端において同様に反力F2 として第1検知部46Bにより検知される。分力Fと反力F1 及び反力F2 と間には、下記(1)式が成立する。
F=F1 +F2 …(1)
上記(1)式から、反力F1 と反力F2 とが検知されると、分力Fを求めることができる。この分力Fと、第1検知部46Cにより検知されるベクトルFS1 のZ軸方向分力との合力が、センサ面に作用するベクトルFS1 のZ軸方向力である。同様に、第1検知部46A、第1検知部46B及び第1検知部46Cにより検知されるX軸方向分力の合力、Y軸方向分力の合力のそれぞれからX軸方向力、Y軸方向力のそれぞれが求められる。そして、これらのZ軸方向力、X軸方向力及びY軸方向力の合力から、ベクトルFS1 (大きさ及び傾き)が求められる。
次に、ベクトルFS1 のX軸−Y軸面(水平面)上の作用位置は以下の通り求められる。図7(A)において、第1検知部46Aと第1検知部46Bとの離間距離L1 は既知であるが、分力Fのセンサ面上での作用位置(Y軸方向上での作用位置)は未知である。第1検知部46Bから分力Fまでの作用位置を距離L2 とすると、モーメントに関して、下記(2)式が成立する。
1 ×(L1 −L2 )=F2 ×L2 …(2)
上記(2)式を距離L2 について解くと、下記(3)式が得られる。
2 =F1 ×L1 /(F2 +F1 ) …(3)
すなわち、センサ面上では、2個の第1検知部46A及び第1検知部46BのZ軸方向の反力F2 及び反力F1 が検知されると、分力F及びこの分力FのY軸方向における作用位置となる距離L2 を求めることができる。
図7(A)において紙面の奥行き方向、すなわちX軸方向において、ベクトルFS1 の作用位置を求める場合には、同様の測定原理により、第1検知部46A又は第1検知部46Bと第1検知部46Cとの少なくとも2個の第1検知部46が使用される。
Y軸方向、X軸方向のそれぞれにおいてベクトルFS1 の作用位置が検知されると、センサ面上に作用する力の作用位置が算出される。この算出には図1に示される演算処理部62が使用される。
同様の測定原理に基づいて、第2座面34Aに作用するベクトルFR2 が第2力伝達部44(センサ面)へベクトルFS2 として伝達され、第2検知部48ではベクトルFS2 の各軸方向力が検知される。そして、演算処理部62では、各軸方向力に基づいてベクトルFS2 が算出され、更にベクトルFS2 の作用位置が算出される。
従って、力測定装置50では、下肢の右側大腿から臀部の右側までの一部から作用するベクトルFS1 の作用位置、左側大腿から臀部の左側までの一部から作用するベクトルFS2 の作用位置のそれぞれを別々に検知することができる。
また、本実施の形態に係る力測定装置50では、図3及び図5に示されるように、第1検知部46は第1シート部32の第1座面32Aとは反対側に第1力伝達部42を介して設けられ、第1力伝達部42は第1シート部32よりも剛性が高い板状とされる。第1座面32Aに作用する力は剛性の高い第1力伝達部42を介して第1検知部46により検知されるので、正確に力を検知することができる。一方、第1シート部32はシート(サドル30)に適した剛性(柔らかさ)に形成することができる。
同様に、図1、図2及び図5に示されるように、第2検知部48は正確に力を測定することができ、第2シート部34はシートに適した剛性に形成することができる。
さらに、本実施の形態に係る力測定装置50では、図2〜図6に示されるように、第1シート部32及び第2シート部34よりも剛性が高い板状に形成されたシートベース部36に第1検知部46及び第2検知部48が配設される。このため、シートベース部36が剛性の高い、第1検知部46及び第2検知部48の共通の土台となって、第1検知部46、第2検知部48のそれぞれにより力が検知されるので、正確に力を検知することができる。
また、本実施の形態に係る力測定装置50では、図3に示されるように、第1シート部32の複数箇所に配設された第1検知部46のうち第1検知部46Cの力の検知高さ位置が、他の第1検知部46A及び第1検知部46Bの力の検知高さ位置に対して変えられている。このため、第1座面32Aに作用する力FR1 のZ軸方向(高さ方向)の作用位置を直接検知することができる。
図7(B)に力測定装置50の高さ方向の(Y軸−Z軸面における)作用位置の測定原理を示す説明図が示されている。第1シート部32の第1座面32Aに作用するベクトルFR1 のY軸方向分力FH は、支持部材38A及び挟持部38B(図3参照)を介して前方から後方に向かって第1力伝達部42に伝達される。分力FH は、図7(B)の右側に示されるように、分力FH とは逆向きの反力F3 として第1検知部46B(又は図3に示される第1検知部46A)により検知され、かつ、反力F4 として第1検知部46Cにより検知される。上記(1)式と同様に、分力FH と反力F3 及び反力F4 と間には、下記(4)式が成立する。
H =F3 +F4 …(4)
図7(B)において、第1検知部46Bと第1検知部46Cとの離間距離L3 は既知であるが、第1座面32Aでの分力FH の高さ方向の作用位置は未知である。第1検知部46Cから分力FH の高さ方向の作用位置までを距離L4 とすると、上記(2)式と同様に、モーメントに関して、下記(5)式が成立する。なお、距離L3 、距離L4 のそれぞれは、本測定原理の理解を助けるために、図7(B)において実寸法よりも拡大して示されている。
3 ×(L4 −L3 )=F4 ×L4 …(5)
上記(5)式を距離L4 について解くと、下記(6)式が得られる。
4 =−F3 ×L3 /(F4 −F3 ) …(6)
すなわち、図7(A)に示される測定原理と同様に、第1検知部46Bと高さ位置が異なる第1検知部46CとのY軸方向の反力F3 及び反力F4 が検知されると、分力FH の高さ方向の作用位置となる距離L4 を求めることができる。つまり、第1座面32Aに作用するベクトルFR1 の高さ方向の作用位置が直接検知される。
図3に示されるものと同様に、第2シート部34の複数箇所に配設された第2検知部48のうち図2及び図5に示される第2検知部48Cの力の検知高さ位置が、他の第2検知部48B(又は第2検知部48A)の力の検知高さ位置に対して変えられている。このため、第2座面34Aに作用する力FR2 の高さ方向の作用位置を直接検知することができる。力FR1 、力FR2 のそれぞれの高さ方向の作用位置の算出には、図1に示される演算処理部62が使用される。
なお、第1検知部46では、第1検知部46A又は第1検知部46Bの力の検知高さ位置を他に比べて変えてもよい。第2検知部48についても同様である。
さらに、本実施の形態では、図2及び図3に示される、第1シート部32の第1座面32Aに作用する単一のベクトルとしての力FR1 及び第1座面32A上への力FR1 の作用位置が別の方法を用いて算出されてもよい。この算出には演算処理部62が使用される。演算処理部62は、力FS1 及び力FS1 の作用位置と、第1座面32Aの高さとセンサ面(第1力伝達部42の下面)の高さとの差と、力FS1 の作用方向(傾き)とに基づいて、第1座面32Aに作用する力FR1 及び力FR1 の作用位置を算出する。
詳しく説明すると、図3に示されるように、第1力伝達部42に作用する力FS1 は第1座面32Aに作用する力FR1 と同じ大きさと傾きである。そして、演算処理部62では、第1力伝達部42に作用する力FS1 の作用位置から、この力FS1 の作用方向の延長上であって第1座面32Aの表面と交差する位置が、第1座面32Aに作用する力FR1 の作用位置として算出される。
同様に、図2に示される、第2シート部34の第2座面34Aに作用する単一のベクトルとしての力FR2 は第2力伝達部44に作用する力FS2 と同じ大きさと傾きである。第2座面34A上への力FR2 の作用位置は、力FS2 の延長上に、力FR1 及び力FR1 の作用位置に対して独立に算出することができる。
また、本実施の形態に係る力測定装置50では、第1シート部32及び第2シート部34がエルゴメータ12のサドル30とされる。このため、ペダリング時における股関節の力学的負担や運動性能の評価に必要とされる力及び力の作用位置を第1検知部46及び第2検知部48により個別に測定することができる。
ここで、力測定装置50は、自転車のサドル、特に競技レベルに適した自転車に、エルゴメータ12と同様に適用可能である。この場合、本実施の形態に係る力測定装置50では、エルゴメータ12に適用された場合に得られる作用及び効果と同様の作用及び効果を得ることができる。
さらに、本実施の形態に係る生体力学解析システム10は、図1に示されるように、力測定装置50と、演算処理部62とを備える。力測定装置50では、右側大腿から臀部の右側までの一部から作用する力及びこの力の作用位置、左側大腿から臀部の左側までの一部から作用する力及びこの力の作用位置のそれぞれが別々に検知される。演算処理部62では、力測定装置50の力及び力の作用位置の検知結果に基づいて、図2及び図3に示される第1座面32Aに作用する力FR1 及び力FR1 の作用位置、図2に示される第2座面34Aに作用する力FR2 及び力FR2 の作用位置が算出される。演算処理部62では、更に力FR1 及び力FR2 をサドル30から生体に作用する反力として利用し、逆動力学計算を実行して生体力学解析が行われ、股関節トルクが演算される。股関節トルクは左右別々に演算し取得される。このため、股関節トルクの演算結果に基づいて、左右の股関節の力学的負担や運動性能を評価することができる。
加えて、演算処理部62では、股関節トルクを反力として利用して、例えば腰の各関節トルクを更に算出することができる。
また、演算処理部62では、力FR1 及び力FR1 の作用位置、第2座面34Aに作用する力FR2 及び力FR2 の作用位置が算出されるので、左右大腿と第1座面32A、第2座面34Aのそれぞれとの接触による左右の股関節に作用する剪断力を演算し取得することができる。このため、生体の左右の股関節に作用する三次元的な力を測定することができるので、逆動力学計算を実行して生体力学解析を行い、左右の股関節の力学的負担や運動性能を評価することができる。
(第2実施の形態)
図8を用いて、本発明の第2実施の形態に係る力測定装置及び生体力学解析システムを説明する。なお、本実施の形態並びに後述する実施の形態において、第1実施の形態に係る力測定装置50及び生体力学解析システム10の構成要素と同一構成要素又は実質的に同一構成要素には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
図8(A)、図8(B)及び図8(C)に示されるように、本実施の形態に係る力測定装置50では、サドル30及び力伝達部40がそれぞれ3分割されている。
詳しく説明すると、サドル30は、第1シート部32及び第2シート部34に加えて、第3シート部300を備えている。第3シート部300は、第1シート部32及び第2シート部34と分離され、第1シート部32及び第2シート部34の後側部に並設されている。表現を代えると、第3シート部300は、第1シート部32の後方部位及び第2シート部34の後方部位を一体に形成したものである。第3シート部300が形成されているので、第1シート部32及び第2シート部34の前後方向の長さは、第1実施の形態の第1シート部32及び第2シート部34の前後方向の長さよりも短く形成されている。
第1シート部32の第1座面32Aには操作者の右側大腿からの力が主に作用する。第2シート部34の第2座面34Aには、左側大腿からの力が第1座面32Aに作用する力に対して独立に作用する。そして、第3シート部300は表面上に第3座面300Aを有する。第3座面300Aには、臀部からの力が第1座面32A、第2座面34Aのそれぞれに作用する力に対して独立に作用する。
力伝達部40は、サドル30の分割に対応させて、第1力伝達部42及び第2力伝達部44に加え、第3力伝達部400を備えている。サドル30の分割と同様に、第3力伝達部400は、第1力伝達部42及び第2力伝達部44の後端部に並設され、第3シート部300を支持する。第3力伝達部400では、第1力伝達部42、第2力伝達部44のそれぞれにより伝達される力に対して、第3座面300Aに作用する力が独立に伝達される。
そして、図8(B)及び図8(C)に示されるように、シートベース部36には、第3力伝達部400に対応する位置に、第3座面300Aに作用する力及び力の作用位置を検知する第3検知部402が配設されている。第3検知部402は、第3力伝達部400の右端部に配設された第3検知部402Aと、第3力伝達部400の左端部に配設された第3検知部402Bとを備え、更に第3力伝達部400の後端部に配設された第3検知部402Cを備えている。第3検知部402Cは、第3検知部402A及び第3検知部402Bの力の検知高さと異なる力の検知高さに設定されている。第3検知部402は、第1検知部46、第2検知部48のそれぞれと同様に、例えば3軸力センサにより構成されている。
本実施の形態に係る生体力学解析システム10は、力測定装置50からの検知結果の情報量が増えるだけで、第1実施の形態に係る生体力学解析システム10と同様の構成である。このため、ここでの生体力学解析システム10の説明は省略する。
[本実施の形態の作用及び効果]
本実施の形態に係る力測定装置50は、図8(A)、図8(B)及び図8(C)に示されるように、サドル30が3分割されて第3シート部300及び第3検知部402を更に備える。第3シート部300は、第1シート部32及び第2シート部34と分離され、かつ、第1シート部32及び第2シート部34の後側部に並設され、第3座面300Aを有する。第3座面300Aには臀部からの力が作用する。このため、操作者の右側大腿から作用する力及び力の作用位置、左側大腿から作用する力及び力の作用位置、臀部から作用する力及び力の作用位置のそれぞれを別々に検知することができる。特に、大腿から作用する力及び力の作用位置、臀部から作用する力及び力の作用位置のそれぞれを別々に検知することができる。
また、本実施の形態に係る力測定装置50及び生体力学解析システム10では、第1実施の形態に係る力測定装置50及び生体力学解析システム10により得られる作用及び効果と同様の作用及び効果を得ることができる。
(第3実施の形態)
図9を用いて、本発明の第3実施の形態に係る力測定装置及び生体力学解析システムを説明する。
図9(A)、図9(B)及び図9(C)に示されるように、本実施の形態に係る力測定装置50では、サドル30及び力伝達部40がそれぞれ4分割されている。
詳しく説明すると、サドル30は、第1シート部32及び第2シート部34に加えて、第4シート部302及び第5シート部304を備えている。第4シート部302は、第1シート部32及び第2シート部34と分離され、第1シート部32の後側部に並設されている。第5シート部304は、第1シート部32及び第2シート部34と分離され、第2シート部34の後側部に並設されている。また、第5シート部304は、第4シート部302と分離され、第4シート部302の左側部に並設されている。表現を代えると、第4シート部302及び第5シート部304は、第2実施の形態の第3シート部300を左右幅方向に2分割して形成したものである。
第4シート部302は第4座面302Aを有し、第4座面302Aには操作者の臀部の右側からの力が作用する。第4座面302Aには、第1座面32A、第2座面34Aのそれぞれに作用する力に対して、力が独立に作用する。第5シート部304は第5座面304Aを有し、第5座面304Aには臀部の左側からの力が作用する。第5座面304Aには、第1座面32A、第2座面34A、第4座面302Aのそれぞれに作用する力に対して、力が独立に作用する。
力伝達部40は、サドル30の分割に対応させて、第1力伝達部42及び第2力伝達部44に加え、第4力伝達部404及び第5力伝達部406を備えている。サドル30の分割と同様に、第4力伝達部404は第1力伝達部42の後端部に並設され、第5力伝達部406は第2力伝達部44の後端部に並設されている。
そして、図9(B)及び図9(C)に示されるように、シートベース部36には、第4力伝達部404に対応する位置に、第4座面302Aに作用する力及び力の作用位置を検知する第4検知部408が配設されている。さらに、シートベース部36には、第5力伝達部406に対応する位置に、第5座面304Aに作用する力及び力の作用位置を検知する第5検知部410が配設されている。
第4検知部408は、左右幅方向の中間側において、第4力伝達部404の前端部に配設された第4検知部408Aと、第4力伝達部404の後端部に配設された第4検知部408Bとを備えている。第4検知部408は、更に第4力伝達部404の右端部に配設された第4検知部408Cを備えている。第4検知部408Cは、第4検知部408A及び第4検知部408Bの力の検知高さと異なる力の検知高さに設定されている。
第5検知部410は、左右幅方向の中間側において、第5力伝達部406の前端部に配設された第5検知部410Aと、第5力伝達部406の後端部に配設された第5検知部410Bとを備えている。第5検知部410は、更に第5力伝達部406の左端部に配設された第5検知部410Cを備えている。第5検知部410Cは、第5検知部410A及び第5検知部410Bの力の検知高さと異なる力の検知高さに設定されている。
第4検知部408及び第5検知部410は、第1検知部46、第2検知部48のそれぞれと同様に、例えば3軸力センサにより構成されている。
本実施の形態に係る生体力学解析システム10は、力測定装置50からの検知結果の情報量が増えるだけで、第1実施の形態に係る生体力学解析システム10と同様の構成である。このため、ここでも生体力学解析システム10の説明は省略する。
[本実施の形態の作用及び効果]
本実施の形態に係る力測定装置50は、図9(A)、図9(B)及び図9(C)に示されるように、サドル30が4分割されて、第4シート部302及び第4検知部408と、第5シート部304及び第5検知部410とを更に備える。第4シート部302は、第1シート部32と分離され、かつ、第1シート部32の後側部に並設され、第4座面302Aを有する。第4座面302Aには臀部の右側からの力が作用する。第5シート部304は、第2シート部34と分離され、かつ、第2シート部34の後側部に並設され、第5座面304Aを有する。第5座面304Aには臀部の左側からの力が作用する。
このため、操作者の右側大腿から作用する力及び力の作用位置、左側大腿から作用する力及び力の作用位置、臀部の右側から作用する力及び力の作用位置、臀部の左側から作用する力及び力の作用位置のそれぞれを別々に検知することができる。特に、臀部の左右から作用する力及び力の作用位置のそれぞれを別々に検知することができる。
また、本実施の形態に係る力測定装置50及び生体力学解析システム10では、第1実施の形態に係る力測定装置50及び生体力学解析システム10により得られる作用及び効果と同様の作用及び効果を得ることができる。
(その他の実施の形態)
本発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、種々変形可能である。例えば、本発明は、力測定装置において、サドルに撓みを生じない適度な剛性があれば、力伝達部を省略してもよい。具体的には、サドルの座面部分を硬質樹脂材料により形成し、サドルの検知部側を軽金属材料や金属材料により一体的に成形してもよい。このようなサドルは例えばインサート成形により製造可能である。
また、本発明は、エルゴメータや自転車に限定されるものではなく、股関節の力学的負担や運動性能を評価する要望がある、例えば乗馬用の鞍(サドル)、或いはローイングマシン若しくはローイングボートの着座用シートに力測定装置を装着してもよい。勿論、力測定装置に少なくとも演算処理部を備えて、生体力学解析システムを構築することができる。
その他、本発明は、一輪車、スクータ、自動二輪車、自動車、介護用車両等において、股関節の力学的負担や運動性能を評価する場合に広く適用可能である。
10…生体力学解析システム、12…エルゴメータ、30…サドル、32…第1シート部、32A…第1座面、34…第2シート部、34A…第2座面、36…シートベース部、300…第3シート部、300A…第3座面、302…第4シート部、302A…第4座面、304…第5シート部、304A…第5座面、40…力伝達部、42…第1力伝達部、44…第2力伝達部、46…第1検知部、48…第2検知部、400…第3力伝達部、402…第3検知部、404…第4力伝達部、406…第5力伝達部、408…第4検知部、410…第5検知部、50…力測定装置、60…入力部、62…演算処理部、64…出力部。

Claims (11)

  1. 座面の片側を構成する第1座面を有する第1シート部と、
    前記第1シート部に並設され、前記座面の他の片側を構成し、かつ、前記第1座面に作用する力に対して独立に力が作用する第2座面を有する第2シート部と、
    前記第1座面に作用する力及びこの力の作用位置を検知する第1検知部と、
    前記第2座面に作用する力及びこの力の作用位置を検知する第2検知部と、
    を備えた力測定装置。
  2. 前記第1シート部の前記第1座面とは反対側に、前記第1シート部よりも剛性が高い板状に形成され、かつ、前記第1座面に作用する力を伝達する第1力伝達部を介して前記第1検知部が設けられ、
    前記第2シート部の前記第2座面とは反対側に、前記第2シート部よりも剛性が高い板状に形成され、かつ、前記第2座面に作用する力を前記第1力伝達部に対して独立に伝達する第2力伝達部を介して前記第2検知部が設けられている
    請求項1に記載の力測定装置。
  3. 前記第1検知部及び前記第2検知部は、前記第1力伝達部及び前記第2力伝達部の前記第1シート部及び前記第2シート部とは反対側において、前記第1力伝達部及び前記第2力伝達部に対向して配置され、かつ、前記第1シート部及び前記第2シート部よりも剛性が高い板状に形成されたシートベース部に配設されている
    請求項2に記載の力測定装置。
  4. 前記第1検知部は、前記第1シート部のシート前後方向の前部及び後部に配設され、
    前記第2検知部は、前記第2シート部のシート前後方向の前部及び後部に配設されている
    請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の力測定装置。
  5. 前記第1検知部は、前記第1シート部の前記前部及び前記後部に加えて、前記第1シート部のシート幅方向一端側の横部に配設され、
    前記第2検知部は、前記第2シート部の前記前部及び前記後部に加えて、前記第2シート部のシート幅方向他端側の横部に配設されている
    請求項4に記載の力測定装置。
  6. 前記第1検知部は、前記第1シート部の前記前部、前記後部及び前記横部に配設されたいずれか1つの力の検知高さを他の力の検知高さと変え、
    前記第2検知部は、前記第2シート部の前記前部、前記後部及び前記横部に配設されたいずれか1つの力の検知高さを他の力の検知高さと変えている
    請求項5に記載の力測定装置。
  7. 前記第1検知部、前記第2検知部は、いずれも、3軸方向の力を検知可能とする
    請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の力測定装置。
  8. 前記第1シート部及び前記第2シート部は、生体の大腿から臀部までの一部が接触するサドル、又は着座用シートである
    請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の力測定装置。
  9. 前記第1シート部及び前記第2シート部のシート前後方向の後側部に並設され、前記第1座面、前記第2座面のそれぞれに作用する力に対して独立に力が作用する第3座面を有する第3シート部と、
    前記第3座面に作用する力及びこの力の作用位置を検知する第3検知部と、
    を更に備えた請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載の力測定装置。
  10. 前記第1シート部のシート前後方向の後側部に並設され、前記第1座面、前記第2座面のそれぞれに作用する力に対して独立に力が作用する第4座面を有する第4シート部と、
    前記第2シート部のシート前後方向の後側部に並設され、前記第1座面、前記第2座面、前記第4座面のそれぞれに作用する力に対して独立に力が作用する第5座面を有する第5シート部と、
    前記第4座面に作用する力及びこの力の作用位置を検知する第4検知部と、
    前記第5座面に作用する力及びこの力の作用位置を検知する第5検知部と、
    を更に備えた請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載の力測定装置。
  11. 請求項1〜請求項10のいずれか1項に記載の前記力測定装置と、
    前記力測定装置の力及び力の作用位置の検知結果に基づいて、生体の左右の股関節トルクをそれぞれ個別に演算する演算処理部と、
    を備えた生体力学解析システム。
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JP2001502986A (ja) * 1996-10-03 2001-03-06 アイ・イー・イー・インターナショナル・エレクトロニクス・アンド・エンジニアリング・エス・エイ・アール・エル 座席に着座した人間についてのいくつかのパラメータを決定するための方法及び装置

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