JP2018071990A - 多心光コネクタフェルールの偏心測定装置および方法 - Google Patents

多心光コネクタフェルールの偏心測定装置および方法 Download PDF

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Abstract

【課題】測定時間が短く、廉価で、直角または斜め端面を有する多心光コネクタフェルールを偏心の測定対象とする多心光コネクタフェルール偏心測定装置を提供する。
【解決手段】多心光コネクタフェルール2における、光伝送方向に対して直角または傾斜する端面を撮影し、多心光コネクタフェルールの設計位置からの偏心量を測定する装置であって、多心光コネクタフェルールにおける偏心量の測定対象である端面からみて逆側から多心光コネクタフェルールに照明光を入射する光源11と、端面に形成されるガイド穴のエッジに焦点を合わせることができる対物レンズと、端面から出射された照明光を対物レンズを介して撮影する撮影部13と、直角または傾斜する端面の全体を視野に収めることができる対物レンズと撮像部の組み合わせを用いて、撮影部で撮影して得た画像を多値で規格化し、規格化された画像に基づいて偏心量を計算する画像処理部14とを有する。
【選択図】図6

Description

本発明の実施形態は、多心光コネクタフェルールの偏心測定装置および方法に関する。
従来、複数の光ファイバを一括で接続するための多心光ファイバコネクタとして、MT(Mechanical Transferable)コネクタやMPO(Multi-fiber Push On)コネクタが知られている(非特許文献1参照)。
かかる光コネクタは、2本のガイドピンをそれぞれの光コネクタフェルールのガイド穴に挿入して、相互の位置決めをしながら複数の光ファイバの端面同士を突き合わせることにより光結合を実現するものである。
これら多心光コネクタの良否を判断する主な方法として、第1の方法として、基準となるマスタコネクタプラグと被測定のコネクタプラグとを接続し、この接続損失を測定する方法がある。
この第1の方法は、比較的に簡単な方法であるため、作製した多心光ファイバコネクタの接続特性測定用として広く普及している。
また、第2の方法として、光コネクタフェルールの光ファイバ穴(ファイバ穴と称することもある)の設計位置からのずれ(偏心)や当該ファイバ穴に挿入・固定された光ファイバのコア部の偏心を計測する方法がある。この方法では、光学レンズとCCDカメラ、サンプル移動ステージとレーザ測長計、取得した画像のデータ処理を用いて、測定対象の光コネクタフェルールの設計位置からの偏心を測定・計算し、その偏心量の大きさからコネクタフェルールの良否を検査する(非特許文献2参照)。
この測定機構や手順は、水平面内で移動可能なステージに測定対象の光コネクタフェルールを固定し、ステージの下方には光源を設け、光コネクタフェルールのガイド穴及びファイバ穴の一端側から照明光を入射し、ステージを移動させながら顕微鏡(対物レンズ)を介して、CCDカメラによりガイド穴及びファイバ穴からの透過照明光を順次撮像する。
この撮像した透過照明光の画像から得られる、各ガイド穴のエッジ位置とステージの移動位置とに基づいて各種の穴の中心位置を測定・計算し、これらの中心位置から求めた原点を基準とした、ファイバ穴の中心位置(設計値)からの偏心をコンピュータにより計算する。
この測定のためには大掛かりな装置が必要なため、当該測定は一般的に光コネクタフェルールのメーカーが、製造時にサンプルの品質を検査するために、抜き取り検査で使用されることが多い。
T. Satake, S. Nagasawa, M. Hughes, and S. Lutz, "MPO-type single-mode multi-fiber connector: Low-loss and high-return-loss intermateability of APC-MPO connectors," Optical Fiber Technology 17, pp.17-30, 2011. 標準化文書 IEC61300-3-27およびJIS C5961 6.10,"多心光ファイバフェルールの穴位置精度"
しかしながら、従来のかかる多心光コネクタフェルールの偏心測定装置においては、測定に時間がかかるという問題があった。
これは、測定対象の光コネクタフェルールにおいて、高倍率、すなわち視野範囲の狭い顕微鏡(対物レンズ)で、2個のガイド穴と複数のファイバ穴の全てを、光コネクタフェルール端面内で走査しながら測定する必要があるため、この測定のために多くの時間を要する。特に、光ファイバ心数が多くなればなるほど、上記の測定のための時間が長くなってしまう。
また、測定対象の光コネクタフェルールを設置・測定するために、サンプル移動ステージとレーザ測長計とが必要になるため、装置が高価になってしまう。
さらに、サンプル移動ステージがX軸方向およびY軸方向のみの移動でZ軸方向へ移動させることができない場合は、顕微鏡の焦点深度が浅いと、光ファイバによる光伝送方向に対し8°の傾斜がつけられた斜め端面フェルールを測定することは困難である。
本発明の目的は、測定時間が短く、廉価で、直角端面多心光コネクタフェルールに加え、斜め端面を有する多心光コネクタフェルールを偏心の測定対象とすることができる多心光コネクタフェルール偏心測定装置および方法を提供することである。
上記目的を達成するために、この発明の実施形態における多心光コネクタフェルール偏心測定装置の第1の態様は、多心光コネクタフェルールにおける、光伝送方向に対して直角または傾斜する端面を撮影し、前記多心光コネクタフェルールの設計位置からの偏心量を測定する多心光コネクタフェルール偏心測定装置であって、前記多心光コネクタフェルールにおける前記偏心量の測定対象である端面からみて逆側から前記多心光コネクタフェルールに照明光を入射する光源と、前記端面に形成されるガイド穴のエッジに焦点を合わせることができる倍率を有する対物レンズと、前記端面から出射された前記照明光を前記対物レンズを介して撮影する撮影部と、前記撮影部で撮影して得た画像を多値で規格化し、前記規格化された画像に基づいて前記偏心量を計算する画像処理部とを有する装置を提供する。
上記構成の多心光コネクタフェルール偏心測定装置の第2の態様は、第1の態様において、前記対物レンズの倍率と撮像部の撮像視野は、前記直角または傾斜する端面の全体を視野に収めることができる、レンズと撮像部の組合せである装置を提供する。
上記構成の多心光コネクタフェルール偏心測定装置の第3の態様は、第1または第2の態様において、前記撮影部の撮像素子の1画素当たりの測定領域と全画素数は、前記対物レンズを介して撮影して得た画像における、前記端面に形成されたファイバ穴のエッジの測定精度が所定条件を満たす大きさとなる数である装置を提供する。
上記構成の多心光コネクタフェルール偏心測定装置の第4の態様は、第1または第2または第3の態様において、前記画像処理部は、前記撮影部で撮影して得た画像を9から32段階の間の値で規格化し、前記規格化された画像に基づいて前記偏心量を計算する装置を提供する。
本発明の実施形態における多心光コネクタフェルール偏心測定方法の態様は、多心光コネクタフェルールにおける、光伝送方向に対して直角または傾斜する端面を撮影し、前記多心光コネクタフェルールの設計位置からの偏心量を測定する多心光コネクタフェルール偏心測定装置に適用される方法であって、前記多心光コネクタフェルールにおける前記偏心量の測定対象である端面からみて逆側から前記多心光コネクタフェルールに照明光を入射し、前記端面に形成されるガイド穴のエッジに焦点を合わせて前記直角または傾斜する端面の全体を視野に収めることができる、対物レンズと撮像部の組合せを用いて、前記端面から出射された前記照明光を撮影し、前記撮影して得た画像を多値で規格化し、前記規格化された画像に基づいて前記偏心量を計算する方法を提供する。
本発明によれば、測定時間が短く、廉価で、直角端面多心光コネクタフェルールに加え、斜め端面を有する多心光コネクタフェルールを偏心の測定対象とすることが可能になる。
従来の多心光コネクタの一例としてのMT光コネクタの概要を示す図。 従来の多心光コネクタの一例としてのMPO光コネクタの概要を示す図。 従来のMT光コネクタフェルール及びMPO光コネクタプラグの作製工程の一例を示すフローチャート。 従来のMT光コネクタフェルール及びMPO光コネクタプラグを作製する工程の一例を示す概略図。 従来の多心光コネクタフェルールの偏心測定装置の構成例を表す図。 本発明の実施形態における多心光コネクタフェルールの偏心測定装置の構成例を示す図。 MT光コネクタフェルール端面の一例を示す図。 従来の多心光コネクタフェルールの偏心測定装置で使用されている30万画素のCCDカメラの一例を示す図。 本発明の実施形態における多心光コネクタフェルールの偏心測定装置で使用する1000万画素の高解像度CCDカメラの一例を示す図。 顕微鏡(対物レンズ)とCCDカメラを用いてMT光コネクタフェルールを測定した時の視野範囲の一例を表す概略図。 従来の多心光コネクタフェルール偏心測定装置による測定工程の一例を示すフローチャート。 本発明の実施形態における多心光コネクタフェルール偏心測定装置による測定工程の一例を示すフローチャート。 従来の多心光コネクタフェルールの偏心測定装置の顕微鏡(対物レンズ)を用いて斜め端面を有するMT光コネクタフェルールを顕微鏡で測定した時の撮像特性の一例を示す概略図。 発明の実施形態における多心光コネクタフェルールの偏心測定装置で斜め端面を有するMT光コネクタフェルールを顕微鏡で測定した時の撮像特性の一例を示す図。 1画素当たりの測定領域が異なるCCDカメラを用いてMT光コネクタフェルールのファイバ穴からの透過光形状を測定した時の撮像特性の一例を示す概略図。 データ処理を用いてMT光コネクタフェルールのファイバ穴を測定した時の撮像特性の一例を示す概略図。 本発明の実施形態における多心光コネクタフェルールの偏心測定装置において、画像処理の多値化の数を変化させた時の測定時間と測定の繰返しばらつきを実験で検証した結果の一例を示す図である。 本発明の実施形態における多心光コネクタフェルール偏心測定装置を用いてMT光コネクタフェルールを撮像した例を表す図。 本発明の実施形態における多心光コネクタフェルール偏心測定装置を用いて光ファイバ付きのMT光コネクタフェルールを測定する時のサンプル後方から白色光を照射した例を表す図である。 本発明の実施形態における多心光コネクタフェルール偏心測定装置を用いて、斜め端面を有する24心MT光コネクタフェルールを測定した結果を表す図。
以下、本発明にかかる多心光コネクタフェルールの偏心測定装置(単に測定装置と称することもある)に関わる実施形態を、添付図面を用いて参照して詳細に説明する。また、本発明の理解を容易とするために、以下では必要に応じて従来の構成などと対比して説明することがある。
図1は、従来の多心光コネクタの一例としてのMT光コネクタの概要を示す図である。
図1に示すMT光コネクタは、光コネクタフェルール2の端面に、複数の光ファイバ1からなる光ファイバテープ(光ファイバ群)が、横方向、つまり光伝送方向に直交する方向に沿って等間隔でかつ並列となるように埋め込まれている。
また、光コネクタフェルール2の端面における、光ファイバテープの配列方向の両側には、当該光ファイバテープの中心軸線と平行でかつそこから等しい距離だけ離間した位置に貫通形成された2つのガイド穴4が設けられる。
図1に示す2つのガイドピン5が2つのガイド穴4に1対1で挿入されることで、相互に接続される2つの光コネクタフェルール2同士が勘合される。これらの対面する2つの光コネクタフェルール2に配列される光ファイバの端面がガイドピン5を介して位置合わせがなされて、光結合される。
光コネクタフェルール2の端面には、フレネル反射を抑制するために屈折率整合材が塗布され、光結合後は、クランプスプリング6で固定される。
図2は、従来の多心光コネクタの一例としてのMPO光コネクタの概要を示す図である。図2に示すMPO光コネクタは、図1に示したMT光コネクタを応用した光コネクタで、この勘合をプッシュ・プル方式の容易な着脱操作性を実現した光コネクタである。
図2に示すように、MPO光コネクタは、2個のプラグ7と1個のアダプタ8とから構成される。
プラグ7内には、端面が光伝送方向に対して斜めに研磨、通常8°の角度で研磨されたMT光コネクタフェルール9が組み込まれる。
2つのプラグ7同士はアダプタ8を介してプッシュ・プル操作で締結と切り離しとができる。このMPO光コネクタもMT光コネクタと同様に、ガイドピン5と光コネクタフェルール2に配列されている光ファイバの端面との位置関係で接続損失が決まる。
上記のMT光コネクタフェルールおよびMPO光コネクタプラグの作製について説明する。図3は、従来のMT光コネクタフェルール及びMPO光コネクタプラグの作製工程を示すフローチャートである。図4は、従来のMT光コネクタフェルール及びMPO光コネクタプラグを作製する工程を示す概略図である。
まず、MT光コネクタフェルール(プラスチックフェルール)を作製するための金型を作製する(S101)。
この金型は、例えば、ガイド穴を形成するコアピンとファイバ穴を形成するコアピンとがV溝によって整列・位置合わせされる。そして、この金型にプラスチック樹脂を流し込み、硬化させることで、ガイド穴とファイバ穴とを有するMT光コネクタフェルールが作製される(S102)。
このMT光コネクタフェルールの作製には高度の金型成型技術を必要とするため、高精度のMT光コネクタフェルールを作製できるメーカーは現在のところ非常に限られる。
図4に示す枠線Aで囲まれた工程は、フェルールのメーカーが実施する工程を示す。
次に、このMT光コネクタフェルールのメーカー自身が、または、このメーカーから購入したMT光コネクタフェルールに光ファイバを挿入し、接着剤により接着・固定する(S103)。
その後、接着の際にMT光コネクタフェルールの端面に付着した接着剤を除去するために、MT光コネクタフェルールの端面を研磨する(S104)。これにより、MT光コネクタフェルールが完成する(S105)。
次に、MPO光コネクタプラグを作製する場合は、MT光コネクタフェルールの端面を光伝送方向に対して8°の角度で斜め端面の研磨を実施する(S106)。
このことにより、MT光コネクタフェルールの端面からの反射光が光ファイバの外に漏れるため、反射が抑制された光コネクタを実現することができる。
その後、斜め端面を有するMT光コネクタフェルールをMPOハウジングに組立てる(S107)ことにより、MPO光コネクタプラグを作製することができる(S108)。
図4に示す枠線Bで囲まれた工程は、コネクタアセンブルのメーカーが実施する工程を示す。
従来より、作製した多心光コネクタフェルールの良否を判断するための測定方法の一つとして、上記のS102で作製したMT光コネクタフェルールのファイバ穴の設計位置からのずれ(偏心)を計測する方法、または上記のファイバ穴に挿入・固定した光ファイバのコア部の偏心を計測する方法を用いる。
この方法は、光学レンズとCCDカメラ(CCDイメージセンサ(撮像素子)を有するカメラ)、サンプル移動ステージとレーザ測長計、上記で取得した画像のデータ処理により、測定対象のコネクタフェルールの設計位置からのずれを計測し、このずれからコネクタフェルールの良否を検査する方法で、標準化で規定されている方法であるが、現在のところ高価な装置を使用して測定する方法である。
図5は、従来の多心光コネクタフェルールの偏心測定装置の構成例を表す図である。
図5に示すように、従来の測定装置では、測定対象のMT光コネクタフェルール(MTフェルールと称することもある)2を、このMT光コネクタフェルールを水平面内で移動可能なステージ10に設置し、ステージ10の下方に光源11を設け、MT光コネクタフェルール2に設けられたガイド穴及びファイバ穴の一端側から光源11からの照明光を入射し、ガイド穴及びファイバ穴からの透過照明光を、ステージ10を移動させながら顕微鏡(対物レンズ)12を介してCCDカメラ13により順次撮像する。
この撮像した透過照明光の画像から、画像処理系14とコンピュータ15を用いて各穴のエッジ位置とステージ10の移動位置を得て、これらの位置に基づいて、各穴の中心位置を測定・計算する。そして、ガイド穴の中心位置から原点を求め、この原点を基準とした、ファイバ穴の中心位置(設計値)からの偏心量をコンピュータで計算する。
この測定には、上記のような大掛かりな装置が必要で、特に、測定対象のMT光コネクタフェルールを設置・測定するために測定対象であるサンプル(MT光コネクタフェルール)を移動するためのステージ10を駆動するためのステージドライバ17と、移動させた距離を測定するためのレーザ測長計18とが必須になるため、装置が高価になってしまう。
また、使用している顕微鏡12は、測定精度を高めるために、倍率20倍など高倍率のレンズを採用している。
そのため、測定対象のMT光コネクタフェルールの測定において、高倍率、すなわち視野範囲の狭い顕微鏡で、MT光コネクタフェルールの端面内で走査しながら、2個のガイド穴と複数のファイバ穴のすべてを測定する必要があるため、測定に多くの時間を要するという問題があった。この測定のための時間は、特に、光ファイバ心数が多くなればなるほど長くなる。
そのため、多心光コネクタフェルールの偏心の測定は、一般的に、フェルールのメーカーが製造時にサンプルの品質を検査するために、抜き取り検査で実施していることが多い。
さらに、ステージ10がZ方向(垂直方向)へ移動することができない場合は、8°の角度による斜め端面を有するMT光コネクタフェルールについて測定することは、顕微鏡12の倍率が高倍率であることによる焦点深度の浅さの問題で困難である。
図6に、本発明の実施形態における多心光コネクタフェルール偏心測定装置の構成例を示す図である。
本装置は、測定サンプルを設置するステージ19、照明用の光源11、測定サンプルを撮像するための高解像度CCDカメラ13付きの顕微鏡12、取得した画像から有効なフェルール特性データを得るための画像処理系14とコンピュータ15を備える。
図5に示した従来の装置の構成と異なる点の一つは、低倍率の顕微鏡12と高解像度CCDカメラ13の組み合わせを用いることで、測定の視野領域が広くなり、測定サンプルであるMT光コネクタフェルールの端面全体を撮像することが可能である点である。このため、サンプルを走査するための、図5に示したステージドライバ17と、レーザ測長計18が不要である。
このため、図5に示した従来の装置に比べ、測定時間を大幅に短縮でき、かつ装置のコストを低減することが可能である。
図7は、MT光コネクタフェルールの端面の一例を示す図である。
図7(a)は、24心光ファイバMT光コネクタフェルールの端面を示し、この端面の上部には、光ファイバの取付け時に接着剤を挿入・充填するための窓20が設けられる。
図7(a)では、横方向をx軸とし、縦方向をy軸と定義している。
図7に(a)示したMT光コネクタフェルールの端面寸法は、光ファイバ心数に依らず、横6.4 mm、縦2.5 mmである。
当該MT光コネクタフェルールは、24個の光ファイバ穴3が、2個のガイド穴4の間に配置される。
これら24個の光ファイバ穴3は、2個のガイド穴4の中心を結ぶ線上の中点を原点21とし、この原点21を基準に等間隔で配列されるように設計される。
しかし、実際に作製されたMT光コネクタフェルールの端面は、ガイド穴4と実際のファイバ穴3の相対位置に、設計位置からのずれが発生する。
例えば、図7(b)に示した例では、光ファイバ穴3の設計位置がx軸、y軸上のO点としたとき、実際に作製された光ファイバ穴3の位置はX(X位置ずれ(x軸方向におけるずれ))、Y(Y位置ずれ(y軸方向におけるずれ))となっている。
このため、実際に作製された光ファイバ穴3の位置は、設計位置からの偏心量Rだけずれた位置である。
この偏心量Rが発生する原因は、フェルール作製の際の金型精度の限界や成型時のプラスチック樹脂材料の収縮などが挙げられる。
さらに、多心光コネクタフェルールに取付ける光ファイバ1のコア偏心量や、ファイバ穴3の内径と光ファイバ1の外径のクリアランスにより、光ファイバ1のコア位置にもずれが発生し、これらが光コネクタ勘合時の大きな接続損失の原因となる。
このため、低接続損失の多心光コネクタを実現するためには、偏心(ずれ)が小さい、高精度の多心光コネクタフェルールを作製する必要があり、このための検査技術である、多心光コネクタフェルールの偏心測定が重要になる。
図8は、従来の多心光コネクタフェルールの偏心測定装置で使用されている30万画素のCCDカメラの一例を示す図である。
図8に示したCCDカメラのCCDの画素は、1画素のサイズが6.35μm ×7.4 μmの画素が横方向640画素、縦方向480画素の合計307,200画素で構成される。
従来の測定装置では、このCCDカメラと20倍の倍率を有する顕微鏡を用いて測定サンプルを観察するが、この時の1画素当たりの観測可能な領域である観測領域(測定領域)は、6.35/20 μm ×7.4/20 μm、すなわち 0.318μm×0.37 μmとなり、その視野範囲は、0.318×640 μm×0.37×480 μmすなわち203.2 μm×177.6 μmと非常に狭い領域になる。
図9は、本発明の実施形態における多心光コネクタフェルールの偏心測定装置で使用する1,000万画素の高解像度CCDカメラの一例を示す図である。
図9に示した高解像度CCDカメラの高解像度CCDの画素は、1画素のサイズが1.67μm ×1.67 μmのものが、横方向3840画素、縦方向2748画素の合計10,552,320画素で構成される。
本発明の実施形態における多心光コネクタフェルールの偏心測定装置では、このCCDカメラと倍率1倍の顕微鏡を用いて測定サンプルを観察するが、この時の1画素当たりの観測領域は、1.67/1 μm ×1.67/1 μm、すなわち 1.67μm×1.67 μmとなり、この視野範囲は、1.67×3840 μm×1.67×2748 μm、すなわち6400 μm×4580 μmと、図8に示した例と比べて非常に広い領域になる。
図10は、CCDカメラと顕微鏡(対物レンズ)を用いてMT光コネクタフェルールを測定した時の視野範囲の一例を示す概略図である。図10(a)は、従来の多心光コネクタフェルールの偏心測定装置に用いられる顕微鏡とCCDカメラを用いた視野例を示し、図10(b)は、本発明の実施形態における多心光コネクタフェルールの偏心測定装置に用いられる顕微鏡とCCDカメラを用いた視野例を示す。
図10(a)中の破線で囲んだ部分は、従来の測定装置で倍率20倍の顕微鏡と30万画素のCCDカメラとを用いてMT光コネクタフェルール端面を観察した時の視野領域22を示す。また、図10(b)中の破線で囲んだ部分は、本発明の実施形態における測定装置で、倍率約1倍の顕微鏡12と1,000万画素の高解像度CCDカメラ13とを用いてMT光コネクタフェルール2の端面を観察した時の視野領域22を示す。
図10(a)に示すように、従来の測定装置における顕微鏡の視野範囲は、直径0.125mmの円である光ファイバ穴の1個分全体をカバーしている領域としてのおおよそ0.20 mm× 0.17 mmで、非常に狭い。
このため、例えば、24心光ファイバのMT光コネクタフェルール2の端面を測定する場合には、2つのガイド穴4と24個の光ファイバ穴3のすべてを計測する必要があるため、顕微鏡に対してMT光コネクタフェルール2の端面の位置を走査させて、すなわちステージドライバ17を動かし、固定の顕微鏡に対してMT光コネクタフェルールの位置を移動させ、この位置をレーザ測長計18で計測することが必要になる。
この処理により、上記のように測定時間が長くなり、装置も高価になっていた。
一方、図10(b)に示すように、本発明の実施形態における測定装置での顕微鏡の視野範囲は6.4 mm×4.6 mmで、MT光コネクタフェルール2の端面の全体をカバーしているため、従来の測定装置のように、サンプル設置のためのステージを移動させる必要がなく、測定時間を大幅に短縮できる。
このため、本発明の実施形態における多心光コネクタフェルールの偏心測定装置は、従来と比較して、高速測定かつ低コストを実現できる構成を有する。
図11は、従来の多心光コネクタフェルール偏心測定装置による測定工程の一例を示すフローチャートである。
まず、図5に示すMT光コネクタフェルール2にかかる光ファイバ1の心数等の測定条件をコンピュータ15に入力する(S201)。
次に、測定対象のMT光コネクタフェルール2をサンプル設置のためのステージ10にセットする(S202)。
次に、ステージ10の下方に設けられる光源11からMT光コネクタフェルール2の端面の逆側に白色光を照射する(S203)。
MT光コネクタフェルール2の2個のガイド穴4のうちの一つであるガイド穴aのエッジ(縁)を上記の照射された白色光による、MT光コネクタフェルール2の端面のガイド穴aから出射された透過光を、高倍率の顕微鏡12を介してCCDカメラ13で撮像する。
その際、ガイド穴4の全体を顕微鏡12で観測することは出来ないため、サンプル設置のためのステージ10を移動させ、MT光コネクタフェルール2の端面中のガイド穴4の別の位置を撮像し、かつ、この位置をレーザ測長計18で計測する。この操作をガイド穴4の全体が撮像できるように繰り返し行なう。
次に、画像処理系14とコンピュータ15とを用いて、測定した複数のガイド穴aのエッジから、当該ガイド穴aの円の中心座標と直径とを計算する(S204)。
次に、画像処理系14とコンピュータ15とを用いて、もう一方のガイド穴bについてもS204と同様の処理を行い、ガイド穴bの円の中心座標と直径とを計算する(S205)。
次に、画像処理系14とコンピュータ15とを用いて、上記の2個のガイド穴の中心を結ぶ線の中点を、測定対象のMT光コネクタフェルール2の端面の原点として設定する。次に、MT光コネクタフェルール2の端面の原点を基準に等間隔(通常は250μm)で配列するように複数のファイバ穴3の中心が設計されているので、画像処理系14とコンピュータ15とを用いて、上記で求めた原点に基づいて、指定された複数のファイバ穴3の中心の設計位置を計算する(S206)。
次に、ステージ10を移動させ、2個のガイド穴a,bの間に位置する、特定の作製されるファイバ穴3の位置(円の直径と中心位置)を顕微鏡12で観測する。
この観測の具体例を説明する。倍率20倍の顕微鏡12と30万画素のCCDカメラ13を使用している場合、この視野範囲はファイバ穴3の1個分であり、この範囲を顕微鏡12で観測することが出来る。
ファイバ穴3からの白色光の透過光の形状を基に、CCDカメラ13付きの高倍率の顕微鏡12で撮像し、画像処理系14とコンピュータ15とを用いて、この撮像して得た画像データから、実際に作製されているファイバ穴3の円の直径と中心位置とを計算する(S207)。
次に、MT光コネクタフェルール2の端面にある別のファイバ穴3にステージ10を移動して、S207と同様の処理を行い、画像処理系14とコンピュータ15とを用いて、このファイバ穴3の位置(円の直径と中心位置)を計算する。この画像処理系14による計算結果はモニタ16に表示させることもできる。
この処理をMT光コネクタフェルール2の端面にある、すべてのファイバ穴3にかかる測定を終了するまで繰り返し行う(S208)。
上記で測定・計算した、実際作製されているファイバ穴3の中心位置(測定位置)とS206で計算したファイバ穴3の設計位置とから偏心をファイバ穴3の数だけ計算する。以上が、従来のMT光コネクタフェルール2の偏心測定方法である。
図12は、本発明の実施形態における多心光コネクタフェルール偏心測定装置による測定工程の一例を示すフローチャートである。
まず、上記のS201からS203と同様の工程を経る(S301、S302、S303)。
この測定工程では、図9に示した構成の高解像度のCCDカメラ13と低倍率の顕微鏡12を使用する。
例えば、前述したように、倍率1倍の顕微鏡12と1,000万画素のCCDカメラ13を使用した場合、この視野範囲はMT光コネクタフェルール2の端面全体をカバーしているので、MT光コネクタフェルール2の端面の各々の穴から出射された透過光形状を基に、MT光コネクタフェルール2の端面全体をCCDカメラ13付きの顕微鏡12で測定する(S304)。
次に、画像処理系14とコンピュータ15とを用いて、上記のMT光コネクタフェルールの端面全体の撮像データから、2個のガイド穴と実際作製されている複数のファイバ穴3の円の中心と直径とをそれぞれ計算する(S305)。これらのS304およびS305は、上記のS203、S204、S207、S208に代わるものである。
次に、上記のS206と同様に、画像処理系14とコンピュータ15とを用いて、上記の2個のガイド穴4の中心を結ぶ線の中点を、測定対象のMT光コネクタフェルール2の端面の原点に設定する。次に、上記のS206と同様に、MT光コネクタフェルール2の端面の原点を基準に等間隔(通常は250μm)で配列するように複数のファイバ穴3の中心が設計されているので、画像処理系14とコンピュータ15とを用いて、上記で求めた原点に基づいて、指定された複数のファイバ穴3の中心を計算する(S306)。
次に、S305で計算した、S306で計算したファイバ穴3の設計位置に対する、実際作製されている複数のファイバ穴3の中心位置の偏心を、ファイバ穴3の数だけ計算する(S307)。
以上の工程が、本発明の実施形態における多心光コネクタフェルールの偏心測定装置による測定の手順である。
上記のように、本発明の実施形態における多心光コネクタフェルールの偏心測定装置は、低倍率の顕微鏡を使用する。
その効果として、従来は測定が難しかった、8°の斜め端面MT光コネクタフェルールを測定することが可能になる。
図13は、従来の多心光コネクタフェルールの偏心測定装置の顕微鏡(対物レンズ)を用いて斜め端面を有するMT光コネクタフェルールを顕微鏡で測定した時の撮像特性の一例を示す概略図である。
図13(a)は、斜め端面を有するMT光コネクタフェルール9を高倍率、ここでは倍率20倍の顕微鏡12で観測したときの焦点深度の一例を示す模式図であり、図13(b)は、撮像したガイド穴4の撮像例の模式図である。
図13(a)に示すように、顕微鏡12の倍率が高倍率である場合、焦点深度23が浅くなるため、MT光コネクタフェルール9の斜め端面の全体に焦点を合わせることが難しくなる。
そのため、図13(b)に示すように、焦点が合わなくなるガイド穴4のエッジ(縁)、ここではガイド穴4の上下の部分の撮像結果24が不明瞭になる。
そのため、ガイド穴4の円中心や直径が正確に測定できなくなり、斜め端面を有するMT光コネクタフェルール9の原点も正確に計算できなくなる。
図14は、本発明の実施形態における多心光コネクタフェルールの偏心測定装置で斜め端面を有するMT光コネクタフェルールを顕微鏡で測定した時の撮像特性の一例を示す図である。図14(a)は、1倍の対物レンズを用いた時の焦点深度の一例を示す模式図であり、図14(b)は、撮像したガイド穴4の撮像例の模式図である。
図14(a)に示すように、顕微鏡12の倍率が低倍率である場合、焦点深度23が深くなるため、MT光コネクタフェルール9の斜め端面の全体に焦点を合わせることが出来るようになる。
そのため、図14(b)に示すように、ガイド穴4のエッジ(縁)の撮像結果が、ガイド穴4の上下の部分の撮像結果24を含めて全体的に明瞭になる。
以上のように、本発明の実施形態における多心光コネクタフェルールの偏心測定装置では、従来では測定が難しかった、斜め端面を有するMT光コネクタフェルールの測定も可能になる。
一方、本発明の実施形態における多心光コネクタフェルールの偏心測定装置は、上記のように低倍率の顕微鏡12を使用しているため、従来の高倍率の顕微鏡12を使用した場合に比べて、測定精度が劣化する。
このため、この測定精度の劣化を補てんするために、本発明の実施形態では、1画素当たりの測定領域が小さく画素数が大きいCCDカメラ13を使用する。
図15は、1画素当たりの測定領域が異なるCCDカメラを用いて、MT光コネクタフェルールのファイバ穴3からの透過光形状を測定した時の撮像特性の一例を示す概略図である。図15(a)は、1画素当たりの測定領域が大きく画素数が小さいときの例を示し、図15(b)は、1画素当たりの測定領域が小さく画素数が大きいときの例を示す。
図15から分かる様に、1画素当たりの測定領域が大きい場合は測定したファイバ穴3の撮像結果のエッジが凸凹して粗いのに対し、1画素当たりの測定領域が小さい場合はファイバ穴3の撮像結果のエッジの凹凸が軽減されて滑らかになっている。このように1画素当たりの測定領域が小さく画素数が大きい場合は、ファイバ穴3の撮像結果のエッジの精度が所定条件を満たす大きさとなる。
ファイバ穴3の撮像結果の画像から円の中心や直径を計算する際、図15(b)に示した撮像結果を用いた方が正確な値を導くことができる、すなわち測定精度の向上につながるという効果がある。
例えば、従来の測定装置のCCDカメラ13の画素数が30万画素であったのに対し、本発明の実施形態における測定装置のCCDカメラ13の画素数は、例えば、1,000万画素のCCDカメラを使用することで、上記の測定精度の向上の効果を得ることができる。
従来の測定装置と本発明の実施形態における測定装置で用いるCCDカメラの画素数と顕微鏡の倍率を基に、1画素当たりの測定領域を求めると(図8と図9参照)、従来の測定装置のように画素数が30万画素であるCCDカメラ13と倍率20倍の顕微鏡12を用いたとする。この場合の測定領域は0.318μm×0.37 μmである。
これに対し、本発明の実施形態における測定装置のように、画素数が1000万画素であるCCDカメラ13と倍率1倍の顕微鏡12を用いた場合は、測定領域は1.67μm×1.67 μmである。
この1画素分の測定領域から測定装置としての測定精度としてみると、従来の測定装置の方が良いことが考察される。
そのため、本発明の実施形態における測定装置が従来の測定装置と同様の測定精度を有するためには、CCDカメラ13の画素数を増やすこと以外に、さらなる工夫が必要である。
以上のようなことから、測定精度向上を目的に、本発明の実施形態における測定装置は、CCDカメラ13が取得した画像からデータ処理する手段として、一画素あたりの識別として、従来から用いられる二値化ではなく、より細分化した、適切な多値化を使用する。
図16は、データ処理を用いてMT光コネクタフェルールのファイバ穴を測定した時の撮像特性の一例を示す概略図である。
図16(a)は、ファイバ穴3の画像処理の識別を白と黒の二値化で処理したときの撮像特性の一例を示し、図16(b)は、ファイバ穴3の画像処理の識別を白と黒だけでなく、灰色を加えた多値化で処理したときの撮像特性の一例を示す図である。
このように、多値化による画像処理方法も、画素数が大きいCCDカメラ13を使用したときと同様に、測定するファイバ穴3のエッジの撮像結果の精度が所定の条件を満たし、つまり従来と比較してエッジの撮像結果がより滑らかになり、ファイバ穴3の円の中心や直径を計算する際、図16(b)に示した方が、より正確な値を導くことができる、すなわち測定精度の向上につながるという効果がある。
ただし、多値化の数を大きくすることは測定精度の向上につながるが、画像処理時間、すなわち測定時間が長くなるため、適切な値に設定することが重要である。
図17は、本発明の実施形態における多心光コネクタフェルールの偏心測定装置において、画像処理の多値化の数を変化させた時の測定時間と測定の繰返しばらつきを実験で検証した結果の一例を示す図である。
図17では、横軸が多値化を表し、横軸における右になるほど多値化数が小さくなっていく。
図17では、左の縦軸が測定時間を示し、右の縦軸が9回繰返し測定の標準偏差、すなわち測定精度を示す。
図17に示すように、多値化の数が大きい場合は測定時間(図17中の四角形のプロット)が長くなり、多値化の数が小さくなるに従い測定時間が短くなる。一方、繰返し測定の標準偏差、すなわち測定精度に関しては、多値化の数が小さくなるにつれて標準偏差(図17中のひし形状のプロット)が大きくなっていき、多値化の数が大きくなるにつれて、標準偏差が小さくなっていくことが分かる。
ただし、多値化の数がある値になると標準偏差の値は飽和していき、多値化の数を大きくすることによる測定精度向上の効果が小さくなっていく。
このことから、画像処理の多値化の数は、測定時間と繰返し測定の標準偏差に関して、最適な領域が存在することが分かる。
図17に示した結果をみると、多値化の数が9〜32の場合は、測定時間および繰返し測定の標準偏差をともに小さくでき、最適な値であることが分かる。
以上のように、測定時間の短縮と測定精度の向上を考慮して、多値化の数を適切に設定することが重要となる。
図18は、本発明の実施形態における多心光コネクタフェルールの偏心測定装置を用いてMT光コネクタフェルールを撮像した例を表す図である。
図18(a)は、斜め端面を有する24心のMT光コネクタフェルールの測定結果を示し、図18(b)は、直角端面を有する8心光ファイバ付きのMT光コネクタフェルールの測定結果を示す。
図18より、斜め端面を有する24心MT光コネクタフェルールも、直角端面を有する8心光ファイバ付きのMT光コネクタフェルールの両方とも、ガイド穴やファイバ穴、またはファイバコアが正確に測定できていることが分かる。
ここまでの実施形態の説明は、主に光ファイバを取り付けていないMT光コネクタフェルール(例えば、図4のS102参照)を基に説明したが、光ファイバを取り付けたMT光コネクタフェルール(例えば、図4のS107参照)についても測定可能である。
その場合は、MT光コネクタフェルールに取付けている光ファイバの逆端面から白色光を入射し、このMT光コネクタフェルールに取付けられているファイバ端から当該白色光を出射させ、この白色光をCCDカメラ付きの顕微鏡で観察し、光ファイバのコア位置を計算する。
その際、ガイド穴の観察はステージの下方に設けている光源11からフェルール端面の逆側から白色光を当該測定フェルールに照射し、このフェルールの端面から透過する白色光の形状を基にガイド穴の位置を測定・計算する。
図19は、本発明の実施形態における多心光コネクタフェルール偏心測定装置を用いて光ファイバ付きのMT光コネクタフェルールを測定する時のサンプル後方から白色光を照射した例を表す図である。図19(a)は標準的な光の照射の例を示し、図19(b)は、ガイド穴に照射光が集光しやすくした方法を表す概略図である。
多心光ファイバ付きのMT光コネクタフェルールを測定する際は、図19(a)に示すように、光ファイバテープがMT光コネクタフェルール2に取付けられているため、光源11からの白色光25がうまくガイド穴に入らない場合がある。
そのため、図19(b)のように、光ファイバテープがあってもMT光コネクタフェルールの後方からの光をガイド穴にうまく取り入れるために、例えば、テーパ状の円錐治具26、つまり光ファイバテープが取り付けられていてもガイド穴に集光する治具を使用する。これは、光ファイバ付きの多心光コネクタフェルールの偏心測定に有効である。
また、図18に示すような、測定サンプルの撮像データをコンピュータ15の記憶装置に保存しておけば、もし測定サンプルや測定結果のデータを紛失した場合でも、図12に示したS305〜307の工程を行うことで測定結果を再度求めることができる。
また、複数の測定装置間で図18に示すような撮像データを共有することも可能である。これは従来の装置では、一つのMTコネクタフェルール端面測定でも数多くの撮像データを保存することが必要になるため、実際的に実現困難なことであった。
図20は、本発明の実施形態における多心光コネクタフェルール偏心測定装置を用いて、斜め端面を有する24心MT光コネクタフェルールを測定した結果を示す。
図20(a)はX方向の偏心データの一例を示し、図20(b)はY方向の偏心データの一例を示す。
図20中の黒印のプロットは、同じサンプルを従来の測定装置で測定した結果を示し、それ以外のプロットは、本実施形態における測定装置で同じサンプルを繰返し複数回測定した結果を示す。図20では、本実施形態における測定装置による9回の測定結果のうち、代表として2回(測定A、B)の測定結果を示す。
ここでは、本実施形態における測定装置による測定における多値化として17段階を採用した。
本実施形態における測定装置で複数回測定した結果、図20に示すように大きな測定ばらつきは無く、X軸の標準偏差ΔXは0.06μmで、Y軸の標準偏差ΔYは0.07μmであった。本実施形態における測定装置による測定結果と従来の測定装置による測定結果と比較すると、X方向でサブミクロンの違いがある心線もあるが、全体的には概ね一致している。
測定時間に関しては、斜め端面を有する24心MT光コネクタフェルールを従来の測定装置で測定した時が3分40秒であったのに対し、本実施形態における測定装置では10秒程度で測定することができ、測定時間が大幅に短縮することが出来ることを確認した。
以上のように、本発明の実施形態における多心光コネクタフェルール偏心測定装置は、低倍率の顕微鏡、高画素のカメラを使用し、画像の多値化を行なうことで、測定時間が短く、廉価で、斜め端面を有する多心光コネクタフェルールも測定対象とすることができる。
具体的には、上記のように低倍率の顕微鏡と高解像度CCDカメラを用いて、測定対象の多心光コネクタフェルールを一度に撮像し、多心光コネクタフェルールの設計位置からの偏心を高速で測定することを可能にした。ならびに、低倍率の顕微鏡を使用することによる測定精度の劣化を補てんするために、1画素当たりの測定領域が小さく画素数が大きいCCDカメラである高解像度CCDカメラを用いることと、高解像度CCDカメラが取得した画像からデータ処理する手段として、一画素あたりの識別を二値化から、より細分化した適切な多値化を用いることで測定精度を向上させることができる。
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
1…光ファイバ、2,9…光コネクタフェルール、3…光ファイバ穴、4…ガイド穴、5…ガイドピン、6…クランプスプリング、7…プラグ、8…アダプタ、10,19…ステージ、11…光源、12…顕微鏡、13…カメラ、14…画像処理系、15…コンピュータ、17…ステージドライバ、18…レーザ測長計、20…窓、21…原点、22…視野領域、23…焦点深度、24…撮像結果、25…白色光、26…円錐治具。

Claims (5)

  1. 多心光コネクタフェルールにおける、光伝送方向に対して直角または傾斜する端面を撮影し、前記多心光コネクタフェルールの設計位置からの偏心量を測定する多心光コネクタフェルール偏心測定装置であって、
    前記多心光コネクタフェルールにおける前記偏心量の測定対象である端面からみて逆側から前記多心光コネクタフェルールに照明光を入射する光源と、
    前記端面に形成されるガイド穴のエッジに焦点を合わせることができる倍率を有する対物レンズと、
    前記端面から出射された前記照明光を前記対物レンズを介して撮影する撮影部と、
    前記撮影部で撮影して得た画像を多値で規格化し、前記規格化された画像に基づいて前記偏心量を計算する画像処理部と
    を備える多心光コネクタフェルール偏心測定装置。
  2. 前記対物レンズの倍率と撮像部の撮像視野は、前記直角または傾斜する端面の全体を視野に収めることができる、レンズと撮像部の組合せである
    請求項1に記載の多心光コネクタフェルール偏心測定装置。
  3. 前記撮影部の撮像素子の1画素当たりの測定領域と全画素数は、前記対物レンズを介して撮影して得た画像における、前記端面に形成されたファイバ穴のエッジの測定精度が所定条件を満たす大きさとなる数である
    請求項1または2に記載の多心光コネクタフェルール偏心測定装置。
  4. 前記画像処理部は、前記撮影部で撮影して得た画像を9から32段階の間の値で規格化し、前記規格化された画像に基づいて前記偏心量を計算する
    請求項1〜3のいずれかに記載の多心光コネクタフェルール偏心測定装置。
  5. 多心光コネクタフェルールにおける、光伝送方向に対して直角または傾斜する端面を撮影し、前記多心光コネクタフェルールの設計位置からの偏心量を測定する多心光コネクタフェルール偏心測定装置に適用される方法であって、
    前記多心光コネクタフェルールにおける前記偏心量の測定対象である端面からみて逆側から前記多心光コネクタフェルールに照明光を入射し、
    前記端面に形成されるガイド穴のエッジに焦点を合わせて前記直角または傾斜する端面の全体を視野に収めることができる、対物レンズと撮像部の組合せを用いて、前記端面から出射された前記照明光を撮影し、
    前記撮影して得た画像を多値で規格化し、前記規格化された画像に基づいて前記偏心量を計算する
    多心光コネクタフェルール偏心測定方法。
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