JP2018069132A - 放電線、及びその放電線を用いた湿式電気集塵装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】耐食性を向上させ、高寿命化を図ることが可能な放電線、及びその放電線を用いた湿式電気集塵装置を提供すること。【解決手段】湿式電気集塵装置に用いる放電極を構成する放電線であって、導電性金属からなる金属線24aと、耐食性を有する樹脂からなり、金属線24aの一部である、ガス導入部に近い長手方向一端部側を被覆して保護する保護部材26とを有する。耐食性を有する樹脂は、フッ素系樹脂であることが好ましい。【選択図】図3

Description

本発明は、放電線に関するものであり、より詳しくは耐食性を向上させた放電線、及びその放電線を用いた湿式電気集塵装置に関するものである。
湿式電気集塵装置は、工場設備等における生産プロセスにおいて発生する大風量の排ガス(以降、含塵ガスとも称する)から重金属等の有害物質を含む、ダストやミスト等の微粒子を除去する目的等で使用される装置であり、一般的には、2枚の平板型や、円筒状、角筒状等の筒型からなる滑らかな表面を有する集塵極と、この集塵極内に設けられた導電性金属からなる放電線を有する放電極とから構成され、大気汚染の防止や環境対策に多大な貢献をしている(例えば、特許文献1、2等)。
また、湿式電気集塵装置は、含塵ガスに含まれるミストやダスト等の微粒子が極めて微細でかさ密度が小さい場合や、その微粒子の固有抵抗が低過ぎるか高過ぎる場合には、集塵極表面に水膜を作り、集塵極に達した微粒子がこの水と共に流れ落ちる構造となっている。このため、湿式電気集塵装置は、再飛散現象及び逆電離現象が起こらず安定的にしかも高い集塵効率を示すため、広く用いられている。
湿式電気集塵装置においては、微粒子を捕集するにあたって、放電極側と、接地した集塵極側との間に高電圧が印加され、これにより、放電極側と集塵極側との間に強力な電流電界が形成される。そして、電圧の上昇に伴って放電極側からコロナ放電が発生すると、放電極と集塵極との間の集塵空間が負イオンと電子とによって満たされるようになる。このような集塵空間にガス導入部から含塵ガスが導入されると、含塵ガス中のダストやミスト等の微粒子は負に帯電し、静電凝集作用を伴いながらクーロン力により集塵極に向って移動して集塵極に付着する。付着した微粒子は、集塵極で負の電荷を失って、集塵極に供給される洗浄水や自重によって集塵極から剥離して落下し、湿式電気集塵装置の外部へと排出される。湿式電気集塵装置では、このようにして、種々の固体や液体の微細なものまで高い集塵効率でもって捕集することが可能になる。
特開2007−196159号公報 特開2002−119889号公報
さて、湿式電気集塵装置においては、集塵空間においてコロナ放電を生じさせるために、例えば図7に示すように、集塵極12内に放電極となる放電線124が吊下げられており、その放電線124は、長時間(常時)に亘って、硫酸ミストや重金属等を含む含塵ガスに晒され続ける。特に、ガス導入部に近い放電線124の長手方向一端部(以下、「放電線の下部」ということがある)には、含塵ガス中の微粒子Pが付着・堆積しやすい。湿式電気集塵装置の場合は、洗浄水によって集塵極12や放電線124に付着した微粒子を洗い流しているが、近年この洗浄水の供給が制限される状況が増え、また通常であっても、集塵極12及び放電線124の下部まで洗浄が十分に行き届かないことがある。
放電線124としては、従来から耐食性が求められており、含塵ガスの性状により、多様な金属が使用されている。しかしながら、上述したように、放電線124の下部に微粒子Pが堆積したままになっていると、電食等の腐食が起こりやすくなる。そしてその結果、頻繁に放電線124の断線が発生し、放電線124の補修、交換等のために操業を止めざる得ない事態が生じる。
本発明は、このような実情に鑑みて提案されたものであり、耐食性を向上させ、高寿命化を図ることが可能な放電線、及びその放電線を用いた湿式電気集塵装置を提供することを目的とする。
本発明者は、上述した課題を解決するために鋭意検討を重ねた。その結果、放電線を構成する金属線の一部を樹脂により被覆することにより、耐食性を向上させることができ、断線等の発生を有効に防止できることを見出し、本発明を完成するに至った。
(1)本発明の第1の発明は、湿式電気集塵装置に用いる放電極を構成する放電線であって、導電性金属からなる金属線と、耐食性を有する樹脂からなり、該金属線の一部を被覆して保護する保護部材とを有する、湿式電気集塵装置用放電線である。
(2)本発明の第2の発明は、第1の発明において、前記湿式電気集塵装置は、微粒子を含むガスを導入するガス導入部を備え、前記保護部材は、前記金属線のうち前記ガス導入部に近い長手方向一端部側を保護する、湿式電気集塵装置用放電線である。
(3)本発明の第3の発明は、第1又は第2の発明において、前記金属線は、ステンレス鋼、チタン又はその合金、ニッケル又はその合金、銅又はその合金から選ばれる材質により構成されている、湿式電気集塵装置用放電線である。
(4)本発明の第4の発明は、第1乃至第3のいずれかの発明において、前記耐食性を有する樹脂は、フッ素系樹脂である、湿式電気集塵装置用放電線である。
(5)本発明の第5の発明は、第1乃至第4のいずれかの発明において、前記耐食性を有する樹脂は、熱収縮樹脂である、湿式電気集塵装置用放電線である。
(6)本発明の第6の発明は、微粒子を含むガスを導入するガス導入部と、直流高電圧が印加される放電極と、前記放電極近傍にて発生する負コロナ放電によって微粒子を集塵する集塵極と、を有し、前記放電極は、導電性金属からなる金属線と、耐食性を有する樹脂からなり、該金属線のうち、前記ガス導入部に近い長手方向一端部側を保護する保護部材とを有する、湿式電気集塵装置である。
(7)本発明の第7の発明は、湿式電気集塵装置に用いる放電極を構成する放電線の製造方法であって、導電性金属からなる金属線に対して、耐食性を有する樹脂よりなる樹脂チューブを挿入し、該金属線の一部を該樹脂チューブにより被覆して保護部材を形成する、湿式電気集塵装置用放電線の製造方法である。
(8)本発明の第8の発明は、湿式電気集塵装置に用いる放電極を構成する放電線の製造方法であって、耐食性を有する樹脂よりなる樹脂シートを、導電性金属からなる金属線の周囲に巻き回した状態で該樹脂シートを加熱することにより、該金属線の一部を該樹脂シートにより被覆して保護部材を形成する、湿式電気集塵装置用放電線の製造方法である。
(9)本発明の第9の発明は、第7又は第8の発明において、前記金属線と前記保護部材との間の隙間をコーキング処理する、湿式電気集塵装置用放電線の製造方法である。
本発明によれば、耐食性を向上させ、高寿命化を図ることが可能な放電線、及びその放電線を用いた湿式電気集塵装置を提供することができる。
湿式電気集塵装置の概略構成を示す断面図である。 湿式電気集塵装置の筐体内部の概略構成を示す斜視図である。 放電線の概略構成を示す要部拡大斜視図である。 金属線の形状の具体例を示す模式図である。 保護部材を樹脂チューブにより形成する放電線の製造方法を説明するための図である。 保護部材を樹脂シートにより形成する放電線の製造方法を説明するための図である。 従来の放電線の概略構成を示す要部拡大斜視図である。
以下、本発明の具体的な実施形態(以下、「本実施の形態」という)について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲で種々の変更が可能である。
≪1.湿式電気集塵装置≫
はじめに、図1を参照して、本実施の形態に係る湿式電気集塵装置1の構成について説明する。図1は、本実施の形態に係る湿式電気集塵装置の概略構成を示す断面図である。具体的には、図1(A)、(B)は、湿式電気集塵装置の外観の概略構成を示す断面図であり、略直交する別々の方向からみた断面図である。
湿式電気集塵装置1には、上部ケーシング11と、側部ケーシングとしても機能する集塵極12と、下部ケーシング13と、架構14と、ガス導入部15と、洗浄部16とを備えている。
上部ケーシング11と、集塵極12と、下部ケーシング13とが上方からその順番で組み合わされることによって、湿式電気集塵装置1の筺体が構成される。湿式電気集塵装置1の筺体は、架構14により、地上から所定距離だけ上方に離間して固定されている。湿式電気集塵装置1内には、ガス導入部15からダストやミスト等の微粒子を含むガスG1が供給される。また、洗浄部16が上部ケーシング11の上方に配設されており、洗浄水を集電極12に向けて略垂直下向き方向に微細の霧として噴出することにより、集電極に付着した微粒子を洗浄除去する。湿式電気集塵装置1の筺体の材質は、本実施の形態では導電性のFRP(Fiber Reinforced Plastics)や、ステンレス鋼(SUS316L、SUS304等)等の耐食性金属が採用されている。
図2は、湿式電気集塵装置の筺体内部の概略構成を示す斜視図である。図2に示すように、湿式電気集塵装置1の筺体内部には、上部グリッド21と、上述した集塵極12と、下部グリッド22と、電極ロッド23と、放電線24と、ウェイト25とが設けられている。上部グリッド21と、集塵極12と、下部グリッド22とは、上方からその順番で相互に所定距離だけ離間して、水平方向に相互に略平行となるように配設されている。また、湿式電気集塵装置1の筺体内部の集塵極12の上端には、上向きスプレーノズル27と、洗浄用配管28とが設けられている。
(1)集塵極の構成
集塵極12は、図2に示すように、角筒を単位(以下、このような単位を「室」という)として、複数の「室」を繰り返し連続して配置することによって構成される。具体的には、例えば、縦方向にN個の単位を繰り返し連続して配置させ、横方向にM個の単位を繰り返し連続して配置させることによって、集塵極12が構成される。集塵極12における室(集塵室)は、例えば35cm〜50cm程度の長さの辺からなる角筒である。なお、略水平方向のうち、一方向を「縦方向」といい、縦方向に直角な方向を「横方向」という。また、「N」と「M」とは、独立した任意の整数値である。
(2)放電極の構成
放電極は、電極ロッド23及び放電線24により構成されている。
電極ロッド23は、図2に示すように、集塵極12の所定の集塵室の中央内部を略垂直方向に貫通するように配設され、上端部が上部グリッド21に固定され、下端部が下部グリッド22に固定される。
放電線24は、図2に示すように、上部グリッド21から金属線24aが吊下げられ、集塵極12の所定の集塵室の中央内部を略垂直方向に貫通するように配設される。また、放電線24は、弛まないだけの張力を持たすように、下部グリッド22の上部に設けられたウェイト25に接続される。
電極ロッド23には、電源装置2から供給される負極の直流高電圧(荷電電圧)が直接印加される。一方、放電線24には、当該負極の直流高電圧が、上部グリッド21を介して印加される。
上向きスプレーノズル27は、集塵極12における各集塵室の四隅の上方に配設され、洗浄用配管28に流通している洗浄水を、略垂直上向き方向に微細の霧として噴出する。これにより、集塵極12に付着したミストやダスト等の微粒子を洗浄除去することが可能になる。このように、洗浄水が、上向きスプレーノズル27から微細の霧として略垂直上向き方向に噴出されることにより、洗浄水の分散がよくなる。
なお、図1に示したように、湿式電気集塵装置1は上部ケーシング11の上方に洗浄部16を配設しており、上向きスプレーノズル27から噴出される洗浄水に加え、集塵極12に付着した微粒子を洗浄部16から噴出される洗浄水によっても洗浄できる。
(3)湿式電気集塵装置の動作
次に、湿式電気集塵装置1の動作について説明する。湿式電気集塵装置1においては、集塵極12が接地された状態で、直流高電圧Vcが放電極に印加される。なお、放電極とは、上述の如く、電極ロッド23及び放電線24をまとめたものである。そして、直流高電圧Vcの値が上昇すると、放電極と、その周囲を囲む集塵極12の集塵室の各側面との間に負コロナ放電が発生し、その結果、放電極から、集塵極12の集塵室の各側面の各々に向かう方向に負イオンが移行すると共に、同方向にイオン風が発生する。
このように、湿式電気集塵装置1では、集塵極12における各集塵室の内部空間がイオン空間になる。したがって、図1に示すように、微粒子を含むガスG1が、湿式電気集塵装置1の筺体の下部に供給されて、集塵極12の各集塵室の下端の開口部から上端の開口部に向けて流通すると、負イオンの衝突により微粒子が帯電する。帯電した微粒子は、集塵極12の各集塵室内部の直流電界により、放電極から、集塵極12の各集塵室の側面の各々に向かう方向に力を受けて移動して、その集塵室の側面にそれぞれ付着する。このようにして、ガスG1から微粒子が除去される。なお、ガスG1から微粒子が除去されたガスG2は、集塵極12の各集塵室の上端部から放出され、さらに、図1に示すように、湿式電気集塵装置1の筺体の上部から排出される。
しかしながら、従来の湿式電気集塵装置においては、図7に示すように、放電線124の下部において、ガス導入部15から導入されるガスG1中の微粒子Pが付着しやすく、堆積しやすいものであった。上述したように、湿式電気集塵装置では、洗浄水によって集塵極12や放電線124に付着した微粒子Pを洗い流しているものの、集塵極12及び放電線124の下部では洗浄水が十分に行き届かないことがある。そのため、放電線124の下部では、図7に示すように長時間微粒子Pが堆積したままの状態となり、次第に電食等の腐食が起こりやすくなる。
そこで、本実施の形態では、各集塵室に配設される放電線において、導電性金属からなる金属線と、耐食性を有する樹脂からなり、その金属線の一部である下部を被覆して保護する保護部材とを有する構成とすることを特徴としている。具体的には後述するが、このように金属線の下部が保護部材により保護されてなる放電線とすることで、微粒子Pの付着・堆積を抑制することができ、また、耐食性が高まり、微粒子Pがその放電線の下部に付着・堆積したとしても容易に除去することができ、電食等の腐食の発生を効果的に防ぐことができる。
≪2.放電線≫
以下、放電線について、詳細に説明する。図3は、放電線の構成を示す概略模式図である。この図3に示すように、放電線24は、導電性金属からなる金属線24aと、耐食性を有する樹脂からなり、その金属線24aの一部である下部を被覆して保護する保護部材26とを有する。
[金属線]
金属線24aは、導電性金属からなり、負極の直流高電圧が上部グリッド21を介して印加され、コロナ放電を発生させてガスG1に含まれる微粒子Pが付着する。
金属線24aとしては、特に制限されないが、放電機能及び耐食性に優れる点から、ステンレス鋼や、チタン又はその合金、ニッケル又はその合金、銅又はその合金から選ばれる材質により構成されていることが好ましい。例えば、チタン合金としては、チタン−パラジウム合金等が挙げられる。また、ニッケル合金としては、ニッケルを主成分とし、モリブデン、クロム、鉄等を含有するハステロイ(登録商標)等が挙げられる。
また、金属線24aとしては、その周囲を鉛等の耐食性に優れる金属により被覆してなるものであってもよい。例えば、銅からなる金属線24aを芯線として、その銅芯の周囲を鉛により被覆して構成されるものであってもよい。
なお、図4は、金属線24aの形状の具体例を示す斜視図である。金属線24aは、その長手方向に直交する断面形状が、図4(A)に示すように丸形であったり、図4(B)に示すように角形であったり、いかなる形状であってもよい。また、図4(C)に示すように星形であってもよく、例えば、銅芯線からなる金属線に、断面形状が6つの頂点を有する星形となるような鉛が被覆されて構成されていてもよい。
また、金属線24aは、コロナ放電が発生しやすくなるように、有刺鉄線状の刺線を備えていてもよい。例えば、直径1cm〜10cm程度の金属線24aの長手方向に沿って、直径3mm〜10mm程度の刺線を所定のピッチ間隔をもって設置してもよい。具体的には、両端が鋭利であってL形で屈曲した刺線をその屈曲部で金属線24aに溶接してもよい。
[保護部材]
保護部材26は、耐食性を有する樹脂よりなる。耐食性を有する樹脂としては、例えば、フッ素系樹脂、ポリオレフィン系樹脂(ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂等)、シリコーン系樹脂、塩化ビニル系樹脂等が挙げられ、その中でも、フッ素系樹脂が特に好ましい。フッ素系樹脂は、微粒子との付着力が弱いことから、保護部材26への微粒子の堆積を抑制しやすい。
また、後述するように、金属線24aに樹脂を被覆して保護部材26を形成することから、耐食性を有する樹脂としては熱収縮樹脂であることが好ましい。熱収縮樹脂を用いることにより、加熱処理によって金属線24aと保護部材26との間の隙間を小さくすることができ、金属線24aと密着させて保護することができる。本明細書において、「熱収縮樹脂」とは、加熱されることによって収縮し、体積密度が高くなる樹脂をいう。
なお、金属線24aはコロナ放電の放電極であるため、保護部材26は、金属線24aの長手方向に亘って必要以上に保護する必要はない。本実施の形態においては、金属線24aの長手方向に亘る領域のうち、ウェイト25の上方であって、集塵極12に対向しない領域に保護部材26を設置している。このように、放電線24のうち、ガス導入部15に近い長手方向一端部における、コロナ放電の発生を必要以上に妨げない範囲内に保護部材26を設置することにより、放電線24の集塵機能を維持しつつ、耐食性も向上させることができる。
また、湿式電気集塵装置1においては、複数設けられた集塵室のそれぞれの内部に放電線を有するが、そのすべての放電線が、保護部材を有する放電線24の形態であっても、一部の放電線が、保護部材を有する放電線24の形態であってもよい。例えば、ガス導入部15の位置や風量、風向に応じて、保護部材26を有する放電線24の設置を選定してもよい。
≪3.放電線の製造方法≫
次に、上述した構成を有する放電線24の製造方法について説明する。放電線24は、金属線24aの一部に、保護部材26を被覆することによって製造することができる。
金属線24aの一部に保護部材26を形成する方法としては、特に制限されないが、樹脂チューブを用いて金属線24aに保護部材26を形成する方法や、樹脂シートを用いて金属線24aに保護部材26を形成する方法を挙げることができ、これらの方法は作業性が良好で容易に製造することができ、好ましい。
[樹脂チューブを用いる方法]
具体的に、樹脂チューブを用いて保護部材26を形成する方法では、例えば図5に示すようにして製造することができる。なお、保護部材26となる樹脂チューブを「樹脂チューブ26a」と表記する。すなわち、金属線24aに対して、耐食性を有する樹脂よりなる樹脂チューブ26aを上方から挿入し、樹脂チューブ26aをその下端がウェイト25に当接する位置まで移動させる。または、金属線24aからウェイト25を取り外し、金属線24aに対して、耐食性を有する樹脂よりなる樹脂チューブ26aを下方から挿入してもよい。
ここで、樹脂チューブ26aの長手方向の長さは、放電線24の放電機能を妨げず、且つ保護部材26として機能する長さであり、例えば、集塵極12に対向しない領域に露出する金属線24aの長手方向の長さであってよい。また、樹脂チューブ26aの内径としては、金属線24aに対する密着性の観点から、その金属線24aの径よりも僅かに大きい程度であることが好ましい。
また、金属線24aと樹脂チューブ26aとの間に、微粒子Pや洗浄水等が侵入することを防止し、金属線24aの腐食を抑制する点から、樹脂チューブ26aを金属線24aに挿入させて所定の位置まで移動させたのち、金属線24aの外表面と樹脂チューブ26aとを密着固定させる処理を行うことが好ましい。例えば、熱収縮樹脂よりなる樹脂チューブ26aを用いることにより、金属線24aに樹脂チューブ26aを挿入させた後、加熱することで樹脂チューブ26aを径方向に収縮させ、金属線24aと樹脂チューブ26aを密着させるようにすることができる。また、金属線24aに樹脂チューブ26aを挿入させた(適宜加熱も施した)後、金属線24aと樹脂チューブ26aとの間に隙間がある場合には、その隙間にコーティング剤を充填するコーディング処理を施してもよい。特に、金属線24aが、図4で示したような四角形状や星形形状等の断面を有する場合、挿入した樹脂チューブ26aとの間に隙間が生じやすくなるため、上述したような処理を行うことにより、密着性を高め、より一層に金属線24aの腐食を抑制することができる。
[樹脂シートを用いる方法]
また、樹脂シートを用いて保護部材26を形成する方法では、例えば図6に示すようにして製造することができる。なお、保護部材26となる樹脂シートを「樹脂シート26b」と表記する。すなわち、耐食性を有する樹脂よりなる樹脂シート26bを、内径が金属線24aの外径と略同等かやや大きくなるように丸め、丸めてチューブ状にした樹脂シート26bを金属線24aに挿入し、あるいは、樹脂シート26bを金属線24aの周囲に巻き回して、その後、樹脂シート26bをその下端がウェイト25に当接する位置まで移動させる。そして、樹脂シート26bを加熱することにより、樹脂シート26bの巻き終わりを溶着させる。
ここで、樹脂シート26bの幅(金属線24aの長手方向における長さ)は、放電線24の放電機能を妨げず、且つ保護部材26として機能する長さであり、例えば、集塵極12に対向しない領域に露出する金属線24aの長手方向の長さであってよい。
また、金属線24aの腐食を抑制する点から、金属線24aの外表面と樹脂シート26bとは十分に密着させるようにすることが好ましい。例えば、樹脂シート26bとして熱収縮樹脂を用いることにより、樹脂シート26bを金属線24aに巻き回す等した後、加熱することで樹脂シート26bを径方向に収縮させ、金属線24aと樹脂シート26bを密着させるようにしてもよい。さらに、金属線24aに樹脂シート26bを巻き回し加熱した後、金属線24aと樹脂シート26bとの間に隙間がある場合には、隙間にコーティング剤を充填するコーディング処理を施してもよい。上述したように、特に、金属線24aが四角形状や星形形状の断面を有する場合には、挿入した樹脂チューブ26aとの間に隙間が生じやすくなるため、上述したような処理を行うことにより、密着性を高め、より一層に金属線24aの腐食を抑制することができる。
なお、図5及び図6に示す形態では、ウェイト25が装着された金属線24aに樹脂チューブ26aや樹脂シート26bを被覆して保護部材26を形成する例を示したが、ウェイト25が装着される前の金属線24aに樹脂チューブ26a又は樹脂シート26bを被覆して保護部材26を形成してもよい。また、樹脂チューブ26a又は樹脂シート26bを被覆させるタイミングは、放電線24を湿式電気集塵装置1の筐体内に設置した後でも、設置する前であってもよい。
1 湿式電気集塵装置
2 直流高電圧入力部
3 直流高電圧発生部
11 上部ケーシング
12 集塵極
13 下部ケーシング
14 架構
15 ガス導入部
16 洗浄部
21 上部グリッド
22 下部グリッド
23 電極ロッド
24 放電線
24a 金属線
25 ウェイト
26 保護部材
26a 樹脂チューブ
26b 樹脂シート
27 上向きスプレーノズル
28 洗浄用配管

Claims (9)

  1. 湿式電気集塵装置に用いる放電極を構成する放電線であって、
    導電性金属からなる金属線と、
    耐食性を有する樹脂からなり、前記金属線の一部を被覆して保護する保護部材と、
    を有する湿式電気集塵装置用放電線。
  2. 前記湿式電気集塵装置は、微粒子を含むガスを導入するガス導入部を備え、
    前記保護部材は、前記金属線のうち前記ガス導入部に近い長手方向一端部側を保護する
    請求項1に記載の湿式電気集塵装置用放電線。
  3. 前記金属線は、ステンレス鋼、チタン又はその合金、ニッケル又はその合金、銅又はその合金から選ばれる材質により構成されている
    請求項1又は2に記載の湿式電気集塵装置用放電線。
  4. 前記耐食性を有する樹脂は、フッ素系樹脂である
    請求項1乃至3のいずれかに記載の湿式電気集塵装置用放電線。
  5. 前記耐食性を有する樹脂は、熱収縮樹脂である
    請求項1乃至4のいずれかに記載の湿式電気集塵装置用放電線。
  6. 微粒子を含むガスを導入するガス導入部と、
    直流高電圧が印加される放電極と、
    前記放電極近傍にて発生する負コロナ放電によって微粒子を集塵する集塵極と、
    を備え、
    前記放電極は、導電性金属からなる金属線と、耐食性を有する樹脂からなり、該金属線のうち前記ガス導入部に近い長手方向一端部側を保護する保護部材と、
    を有する湿式電気集塵装置。
  7. 湿式電気集塵装置に用いる放電極を構成する放電線の製造方法であって、
    導電性金属からなる金属線に対して、耐食性を有する樹脂よりなる樹脂チューブを挿入し、該金属線の一部を該樹脂チューブにより被覆して保護部材を形成する
    湿式電気集塵装置用放電線の製造方法。
  8. 湿式電気集塵装置に用いる放電極を構成する放電線の製造方法であって、
    耐食性を有する樹脂よりなる樹脂シートを、導電性金属からなる金属線の周囲に巻き回した状態で該樹脂シートを加熱することにより、該金属線の一部を該樹脂シートにより被覆して保護部材を形成する
    湿式電気集塵装置用放電線の製造方法。
  9. さらに、前記金属線と前記保護部材との間の隙間をコーキング処理する
    請求項7又は8に記載の湿式電気集塵装置用放電線の製造方法。
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