JP2018068898A - 吸収性物品 - Google Patents

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京太 齋藤
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Abstract

【課題】肌側から見たときに、正しい順序で吸収性物品を着用させやすくすることができる吸収性物品を提供する。【解決手段】前胴回り部(30)と後胴回り部(20)と股下部(10)とを備えた吸収性物品(1)であって、横方向において、一方側には、前胴回り部(30)の端部と後胴回り部(20)の端部とが接合された接合部(1b)と、環状の一方側脚回り開口部(HL1)が設けられており、他方側には、後胴回り部(20)の端部に設けられ、前胴回り部(30)に係止可能な係止部(40)と、係止部(40)が前胴回り部(30)に係止されることによって環状となる他方側脚回り開口部(HL2)が設けられており、係止部(40)が前胴回り部(30)に係止される前に着用者の一方側の脚を一方側脚回り開口部(HL1)に通すことを誘導するための印(1M)が、一方側に設けられている。【選択図】図1

Description

本発明は、吸収性物品に関する。
従来、排泄物を吸収する吸収性物品として所謂テープ型おむつやパンツ型おむつの使い捨ておむつが知られている。このテープ型おむつやパンツ型おむつが有する、バタつく乳幼児に履かせるのが難しいことや、着用時に無理な姿勢を強いてしまうという問題を解消するため、特許文献1には、ウエスト部7のうち、左右方向の一方側の側部5Dを接合してレッグホール11を形成されており、他方側のテープファスナー6を被着領域8に止めることで、着用させることができる使い捨ておむつ1が記載されている。
実開平4−5826号公報
しかし、上記特許文献1の使い捨ておむつ1は左右方向の一方側がパンツ型のおむつの形状で、他方側がテープ型のおむつの形状を有しており、通常のパンツ型のおむつやテープ型のおむつのように、使用方法が広く知られていない。そのため、ウエスト部7とレッグホール11を混同して、誤ってレッグホール11に着用者の胴回りを通そうとしたり、テープファスナー6を被着領域8に止めてから着用者の一方側及び他方側の脚を通したりする等の誤った着用方法を招く恐れを生じていた。誤った着用方法で使い捨ておむつ1を使用すると排泄物が漏れてしまったり、着用者に違和感を生じさせてしまったりするという問題を生じる。
本発明は、上記のような問題に鑑みてなされたものであって、正しい順序で吸収性物品を着用させやすくすることができる吸収性物品を提供することを目的とする。
上記目的を達成するための主たる発明は、縦方向と、前記縦方向と交差する横方向と、前記縦方向及び前記横方向と交差する前後方向を有し、前記横方向に沿った前胴回り部と、前記横方向に沿った後胴回り部と、前記前胴回り部と前記後胴回り部との間に設けられた股下部と、を備えた吸収性物品であって、前記横方向において、一方側には、前記前胴回り部の端部と前記後胴回り部の端部とが接合された接合部と、環状の一方側脚回り開口部が設けられており、他方側には、前記後胴回り部の端部に設けられ、前記前胴回り部に係止可能な係止部と、前記係止部が前記前胴回り部に係止されることによって環状となる他方側脚回り開口部が設けられており、前記係止部が前記前胴回り部に係止される前に着用者の一方側の脚を前記一方側脚回り開口部に通すことを誘導するための印が、前記一方側に設けられていることを特徴とする吸収性物品である。
本発明の他の特徴については、本明細書及び添付図面の記載により明らかにする。
本発明によれば、横方向における一方側がパンツ型の吸収性物品の形状で、他方側がテープ型の吸収性物品の形状の場合に、着用方法がわからなくなってしまう恐れを軽減し、正しい順序で吸収性物品を着用させやすくすることができる。
図1は、本実施形態に係る使い捨ておむつ1の概略斜視図である。 図2は、展開かつ伸長状態のおむつ1を着用者の非肌側から見た概略平面図である。 図3は、弾性領域X、Yについて説明する図である。 図4Aは、一方側の脚を入れて上側に引き上げた状態を説明する図である。図4Bは、係止部40を横方向に引っ張った状態を説明する図である。図4Cは、おむつ1を着用した着用状態を説明する図である。 図5は、別の実施形態のおむつ100を説明する図である。 図6は、別の実施形態のおむつ200を説明する図である。
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
縦方向と、前記縦方向と交差する横方向と、前記縦方向及び前記横方向と交差する前後方向を有し、前記横方向に沿った前胴回り部と、前記横方向に沿った後胴回り部と、前記前胴回り部と前記後胴回り部との間に設けられた股下部と、を備えた吸収性物品であって、前記横方向において、一方側には、前記前胴回り部の端部と前記後胴回り部の端部とが接合された接合部と、環状の一方側脚回り開口部が設けられており、他方側には、前記後胴回り部の端部に設けられ、前記前胴回り部に係止可能な係止部と、前記係止部が前記前胴回り部に係止されることによって環状となる他方側脚回り開口部が設けられており、前記係止部が前記前胴回り部に係止される前に着用者の一方側の脚を前記一方側脚回り開口部に通すことを誘導するための印が、前記一方側に設けられていることを特徴とする吸収性物品である。
このような吸収性物品によれば、横方向における一方側がパンツ型の吸収性物品の形状で、他方側がテープ型の吸収性物品の形状の場合に、着用方法がわからなくなってしまう恐れを軽減し、正しい順序で吸収性物品を着用させやすくすることができる。
かかる吸収性物品であって、前記印が、前記一方側脚回り開口部の周囲に設けられていることが望ましい。
このような吸収性物品によれば、着用者の脚を一方側脚回り開口部に通すことを認識しやすくなるため、正しい順序で吸収性物品を着用させやすくすることができる。
かかる吸収性物品であって、前記印が数字であることが望ましい。
このような吸収性物品によれば、着用者の脚を一方側脚回り開口部に通す順番を示す数字によって、正しい順序で吸収性物品を着用させやすくなる。
かかる吸収性物品であって、胴回り開口部を有しており、股下側から前記胴回り開口部の側を指す上矢印が設けられていることが望ましい。
このような吸収性物品によれば、着用手順に加えて、着用する際の引き上げ方向を認識しやすくすることができる。
かかる吸収性物品であって、前記上矢印は、前記印の少なくとも一部と重なっていることが望ましい。
このような吸収性物品によれば、着用手順と着用方向を一緒に確認することができるため、着用方法を認識しやすくなる。
かかる吸収性物品であって、前記印は、第1の印であり、前記係止部に、前記係止部を前記前胴回り部に係止することを誘導するための第2の印が設けられていることが望ましい。
このような吸収性物品によれば、正しい順序での着用方法をより認識しやすくなる。
かかる吸収性物品であって、前記第1の印及び前記第2の印は数字であり、前記第1の印の数字が示す数より前記第2の印の数字が示す数の方が大きいことが望ましい。
このような吸収性物品によれば、正しい順序での着用方法をより認識しやすくなる。
かかる吸収性物品であって、前記係止部が前記前胴回り部の所定位置に係止されることによって予め定められた周長を有する環状の胴回り開口部が形成され、前記前胴回り部の前記所定位置に前記係止部を係止する際に、前記第2の印を重ね合わせる第3の印が、前記前胴回り部に設けられていることが望ましい。
このような吸収性物品によれば、係止部を係止すべき位置を認識しやすくなるため、係止部を正しい位置に係止させやすくなり、吸収性物品を正しく着用させやすくなる。
かかる吸収性物品であって、前記第1の印は、第1の数字であり、前記第3の印は、前記第1の数字とは異なる第2の数字であり、前記第1の数字は、前記前胴回り部の前記一方側にのみ設けられており、前記第3の印は、前記前胴回り部の前記他方側にのみ設けられていることが望ましい。
このような吸収性物品によれば、前胴回り部の一方側と他方側に異なる数字の第1の印と第2の印が設けられていることで、一方側について行う動作と、他方側について行う動作が異なることを認識させやすくなる。
かかる吸収性物品であって、前記後胴回り部の前記端部の側から前記係止部の先端の側を指す横矢印が、前記係止部に設けられていることが望ましい。
このような吸収性物品によれば、横矢印に示す方向に係止部に引っ張りながら、第2の印の誘導に従って係止部を前胴回り部に係止することで、吸収性物品をより正しく着用させることができる。
かかる吸収性物品であって、前記係止部が前記前胴回り部の所定位置に係止されることによって予め定められた周長を有する環状の胴回り開口部が形成され、前記前胴回り部の前記所定位置には、前記係止部を係止すべき位置に誘導する表示がされており、前記係止部を係止すべき位置に誘導する表示は、前記係止部の外形形状の少なくとも一部を表したものであることが望ましい。
このような吸収性物品によれば、係止部を係止すべき位置を認識しやすくなるため、係止部を正しい位置に係止させやすくなり、吸収性物品を正しく着用させやすくなる。
かかる吸収性物品であって、前記前胴回り部は、前記係止部が係止される係止部材を備えており、前記係止部には、前記係止部材の位置に前記係止部を誘導するための第4の印が設けられていることが望ましい。
このような吸収性物品によれば、着用時において係止部材の位置を認識しやすくなるため、係止部を正しい位置に係止させやすくなり、吸収性物品を正しく着用させやすくなる。
かかる吸収性物品であって、前記係止部は不織布であり、前記第4の印は、肌面側に設けられており、前記第4の印は、非肌面側からも視認可能であることが望ましい。
このような吸収性物品によれば、第4の印を非肌面側からも視認することができるため、前胴回り部の正しい位置に係止部を係止させやすくなる。
かかる吸収性物品であって、前記後胴回り部の少なくとも上端部には、前記横方向に沿った弾性部材が設けられた弾性領域を有しており、前記横方向において、前記弾性領域の、前記一方側の端と、前記股下部の中央との距離が、前記弾性領域の、前記他方側の端と、前記股下部の中央との距離より小さく、前記股下部の中央部に沿った中央線が、前側から見て視認することができる領域の少なくとも一部に設けられていることが望ましい。
このような吸収性物品によれば、左右非対称の吸収性物品であっても、中央線を目安に着用者の体の中心を合わせやすくなるため、より着用させやすくなる。
===本実施形態===
<<<本実施形態に係る使い捨ておむつ1について>>>
本発明に係る吸収性物品として使い捨ておむつを例に挙げて実施形態を説明する。
図1は、本実施形態に係る使い捨ておむつ1(以下、「おむつ1」ともいう。)の概略斜視図である。図2は、展開状態かつ伸長状態のおむつ1を着用者の非肌側から見た概略平面図である。おむつ1の「展開状態」とは、図1のおむつ1の接合部1bを分離し、開いておむつ1全体を平面的に展開した状態である。おむつ1の「伸長状態」とは、おむつ1が備える各弾性部材(糸ゴム等)を伸長させることにより、おむつ1全体(製品全体)を皺がなくなるまで伸長させた状態をいい、具体的には、おむつ1を構成する各部材(例えば、後述の後胴回り部20や前胴回り部30、吸収性本体10を構成するシート部材等)の寸法がその部材単体の寸法と一致又はそれに近い寸法になるまで伸長させた状態をいう。
本実施形態に係るおむつ1は、主に乳幼児等を着用対象とした使い捨ておむつである。
以下の説明では、おむつ1は、「縦方向」と、縦方向と交差する「横方向」と、縦方向及び横方向と交差する「前後方向」とを有する。また、図1、図2、及び図3において、横方向の左側を「一方側」とし、右側を「他方側」としている。
図1に示すように、おむつ1は、着用者の股下に配置して尿等の排泄物を吸収する吸収性本体10(「股下部」ともいう。)と、着用者の背側に配置される後胴回り部20と、着用者の腹側に配置される前胴回り部30とを備え、吸収性本体10が前胴回り部30と後胴回り部20との間に架け渡されるように配置されており、吸収性本体10の一端部が前胴回り部30に、他端部が後胴回り部20に、それぞれ接合されている。
おむつ1は、図2に示した展開状態の縦方向の略中央位置を「股下」として二つ折りされ、横方向の一方側の端部において後胴回り部20と前胴回り部30とが接合部1bで接合されて、図1に示すように、一方側に環状の脚回り開口部(一方側脚回り開口部)HL1が設けられている。このおむつ1の係止部40(後述)を前胴回り部30に係止することで、環状の胴回り開口部HBと、他方側に環状の脚回り開口部(他方側脚回り開口部)HL2が形成される。
<吸収性本体10>
吸収性本体10は、平面視略長方形をなし、図2における中心線ACは吸収性本体10の横方向における中心である。吸収性本体10は、液体を吸収して保持する吸収体11と、吸収体11を着用者の肌側から覆いつつ尿等の排泄物を透過させる液透過性の表面シート12と、吸収体11を非肌側から覆いつつ非肌側からの液体の漏れを防ぐ液不透過性の裏面シート13を有する。吸収体11は、パルプ繊維等の液体吸収性繊維を平面視略砂時計形状等の所定形状に成形したものであり、その内部には高吸収性ポリマーが混入されている。なお、吸収性本体10には、横漏れを防ぐ立体ギャザー部や脚回りのフィット性を向上させるレッグギャザー部が設けられているが、便宜上、図2等では省略している。
吸収性本体10の前側(腹側)で、吸収性本体10と前胴回り部30とが重ねられていない領域には、吸収性本体10の横方向における中央を示す中央線表示Cが設けられている。中央線表示Cは、前側から見て視認できる領域に、所定のインク等で非肌側に印刷した略直線であり、本実施形態においては、前胴回り部30の下端から股下まで設けられている。
吸収性本体10のうち、吸収体11より一方側で、股下より腹側の視認可能な領域には、おむつ1の着用に際して、着用者の一方側の脚(右脚)を一方側の脚回り開口部HL1に通すことを誘導するための印である数字の1を示す第1の印1M(図1等に示す数字の1を丸で囲んだ印)と、股下側から胴回り開口HBの側を示す上矢印ALが設けられている。第1の印1M及び上矢印ALは、非肌側に、所定のインクを用いて印刷されている。図1及び図2に示すように、上矢印ALと第1の印1Mとを重ねた状態で表示しており、具体的には、上矢印ALの中に第1の印1Mが示されている。
また、腹側の吸収性本体10の上部で、前胴回り部30より下側には「まえ」の文字を表示し、背側の吸収性本体10の上部で、後胴回り部20より下側には、「うしろ」の文字を、それぞれ非肌側に表示して、おむつ1の前後方向をわかりやすくなるようにしている。
中央線表示C、第1の印1M及び上矢印ALによって誘導されたおむつ1の着用方法については、後述する。
<後胴回り部20>
後胴回り部20は、着用者の肌側に位置する肌側部材21と、非肌側に位置する非肌側部材22と、肌側部材21と非肌側部材22の間に位置する複数の糸ゴム(弾性部材)23を有する。肌側部材21と非肌側部材22は、それぞれ不織布等の柔軟なシート部材であり、糸ゴム23は、後胴回り部20の横方向への伸縮性を付与するもので、複数の糸ゴム23が横方向に沿って、縦方向に所定の間隔を空けて配置され、接着剤等で固定されている。
図2に示すように、糸ゴム23は、後胴回り部20の上端部において、後胴回り部20の一方側の横端から他方側の横端まで連続して配置されている。後胴回り部20と吸収体11とが重なる領域であって、後胴回り部20の縦方向の中央部から下部領域にかけては、糸ゴム23は配置されておらず、吸収体11より横方向の外側の領域に略平行に複数の糸ゴム23が配置されている。この糸ゴム23は、吸収体11と重なる位置に配置されていてもよく、吸収体11の横方向の端部と重なる位置に糸ゴム23を配置し、吸収体11の横方向の中央部に糸ゴム23を配置しないものであってもよい。
図2において、中心線RCは、後胴回り部20の横方向の中心を示しており、着用者が一方の脚を脚回り開口部HL1に通した状態において、着用者の体の略中心に位置する中心線BCでもある。このとき、中心線BC(RC)は、中心線ACよりも横方向において距離dだけ他方側(図2の右側)にずれている。このように、吸収性本体10の横方向における中心と、後胴回り部20の横方向における中心とをずらすことによって、おむつ1を着用させる際に後胴回り部20に設けられた係止部40を横方向の他方側に引っ張り、糸ゴム23を伸長させた場合でも、横方向において、吸収性本体10の中心と着用者の身体の略中心とを一致させやすくできる。
図3は、弾性領域X、Yについて説明する図である。後胴回り部20の上端部のうち、一方側に設けられた接合領域201の横方向の内側の横端から、他方側に設けられた接合領域202の横方向の内側の横端までの領域であって、糸ゴム23が配置されている領域を弾性領域Xという。なお、接合領域201は、後述の接合領域301と接合すると、第1接合部1bを形成し、接合領域202は、係止部40と接合して第2接合部2bを形成する。図3において、弾性領域Xを左斜め下がりの斜線で示しており、便宜上、接合領域201、202の斜線は省略している。上述のように、糸ゴムは、後胴回り部20の両横端に渡って配置されているが、接合領域201、202より横方向の横方向の外側の部分の伸縮力は、実質的に発現しない。この弾性領域Xの一方側の横端X1から吸収性本体10の中心線ACまでの距離を距離L1とし、弾性領域Xの他方側の横端X2から吸収性本体10の中心線ACまでの距離を距離L2とすると、距離L1は距離L2より小さい(L1<L2)。
後胴回り部20の他方側の端部には、係止部40が第2接合部2bで接合されている。係止部40は、後胴回り部20及び前胴回り部30と同様に不織布等の柔軟なシート部材からなり、本実施形態では、不織布を2枚張り合わせたものである。係止部40を、前胴回り部30の係止部材34(後述)に引っ掛けて、係止部40を前胴回り部30に係止する。
係止部40には、係止部40を前胴回り部30に係止することを誘導するための印である数字の2を示す第2の印2M(図1等に示す数字の2を丸で囲んだ印)と、接合部2b側から係止部40の先端の側を指す横矢印ABが、肌側に設けられている。第2の印2Mと横矢印ABは、第1の印1M及び上矢印ALと同様に、所定のインクを用いて肌側に印刷したものである。なお、図2は、非肌側から見た平面図であるため、本来であれば第2の印2M及び横矢印ABの視認が困難であるが、係止部40の素材が不織布であるため、肌側に印刷した第2の印2M及び横矢印ABを、非肌側から視認することができる。第2の印2M及び横矢印ABによって誘導されたおむつ1の着用方法については、後述する。
<前胴回り部30>
前胴回り部30は、着用者の肌側に位置する肌側部材31と、非肌側に位置する非肌側部材32と、肌側部材31と非肌側部材32の間に位置する複数の糸ゴム(弾性部材)33を有する。肌側部材31と非肌側部材32は、それぞれ不織布等の柔軟なシート部材である。糸ゴム33は、前胴回り部30の横方向への伸縮性を付与する弾性部材であり、複数の糸ゴム33が、縦方向に所定の間隔を空けて配置され、接着剤等で固定されている。
図2及び図3に示すように、糸ゴム33は、吸収体11より横方向の一方側に設けられており、弾性領域Yは糸ゴム33が配置されている領域をいう。図3において、弾性領域Yを右斜め下がりの斜線で示しており、便宜上、接合領域301の斜線は省略している。なお、接合領域301は、接合部1となる領域であり、伸縮力を発現しないため、弾性領域Yは、接合領域301の横方向の内側の横端から、糸ゴム23の他方側の端までの領域をいう。糸ゴム33は、吸収体11と重なる位置に設けられていてもよい。例えば、吸収体11の横方向の一方側の端部と重なる位置に糸ゴム33を配置し、吸収体11の横方向の中央部には糸ゴム33を配置しないものであってもよい。
前胴回り部30の上端部には、下側へ向かって円弧状に窪んだ凹部35が横方向の中央部に設けられている。凹部35によって、着用者である乳幼児(特に新生児)の湿潤した臍(へそ)や臍に取り付けられた出血防止等のためのクリップが前胴回り部30にあたってしまう恐れを回避することができる。
前胴回り部30の非肌面側には、係止部材34と、係止部40を係止すべき位置に誘導するための表示である係止位置表示Pが設けられている。係止位置表示Pについては、後述する。
係止部材34は、前胴回り部30に所定の固着手段で固定された係止用の部材であり、具体的には、非肌面側に複数の係止用突起(不図示)を備えた面ファスナーである。係止部材34の係止用突起を、係止部40の不織布の繊維に引っ掛けることにより、係止部40が前胴回り部30に係止される。
<<<おむつ1の着用方法について>>>
おむつ1の着用方法について説明する。以下、着用させる者(保護者等)が着用者(乳幼児等)におむつ1を着用させる方法について図4A〜図4Cを用いて説明する。図4A〜図4Cに示すおむつ1は、概略図であり、寸法等は必ずしも正確ではない。
おむつ1を着用者(乳幼児等)に着用させる際には、まず、おむつ1の一方側の脚回り開口HL1に着用者の一方側の脚を通して、おむつ1を胴回り開口HB側に引き上げる。図4Aは、一方側の脚を入れて上側に引き上げた状態を説明する図である。
着用させる者は、おむつ1(図1参照)を包装状態から取り出し、一方側の脚回り開口部HL1の周囲に表示された第1の印1Mを視認することで、まず、脚回り開口HL1に着用者の一方側の脚(図4Aにおける着用者の右脚)を通すことを認識することができる。また、おむつ1には、一方側の脚回り開口部HL1の周囲に設けられた第1の印1Mと、係止部40に設けられた第2の印2Mが表示されており、第2の印2Mが示す数より第1の印1Mが示す数が小さいため、着用させる者は、着用者の脚を脚回り開口部HL1に通すことの方が、係止部40の操作より先にすべきことであると認識することができる。図4Aにおいては、着用者の一方側の脚である右脚を一方側の脚回り開口部HL1に通して、おむつ1を上側に引き上げた状態を示している。このとき、中央線Cの前胴回り部側(上側)の上端が一方側に位置し、右斜め下がりの略直線となっている。
おむつ1の腹側には「まえ」、背側には「うしろ」と表示されているため、着用者はおむつ1の前後を間違えることなく着用させることができる。また、第1の印1Mと第2の印2Mは、おむつ1を前側から視認した際に認識できる位置に設けられているため、着用させる者は、まず着用者の脚を通すこと、その後に係止部40を操作するということを認識しやすくなっている。
通常のパンツ型のおむつやテープ型のおむつの使用方法は一般に広く知られているが、おむつ1のように、一方側がパンツ型のおむつの形状で、他方側がテープ型のおむつの形状を有する吸収性物品は、使用方法が広く知られていないため、着用させる者が誤った方法で着用させてしまう恐れがある。例えば、パッケージから取り出したおむつ1を手にしたときに、誤って係止部40を係止させてから着用者の一方の脚を通してしまったりする恐れがある。また、胴回り開口HBと脚回り開口部HL1、HL2を区別せずに、一方側脚回り開口部HL1に着用者の胴回りを通してしまったりする恐れもある。そのため、着用させる者が誤った着用方法でおむつ1を着用させると、排泄物が漏れてしまったり、着用者に違和感を生じさせたりしてしまう恐れがある。
この点、本実施形態のおむつ1は、まず、パンツ型の形状を有する横方向における一方側の脚回り開口部HL1に着用者の脚を通すことを第1の印1Mで示しているため、おむつ1の着用方法を知らない人であっても、おむつ1を正しい順序で着用させやすくなり、おむつ1を正しい着用状態に導くことが可能となる。
さらに、おむつ1には、第1の印1Mとともに上矢印ALが表示されている。この上矢印ALを見た着用させる者は、脚回り開口部HL1に着用者の一方側の脚を入れて、矢印が指す上側へおむつ1を引き上げることを認識しやすくなる。また、第1の印1Mは上矢印ALの矢印形状の中に表示されており、第1の印1Mと上矢印ALが重なっているため、着用させる者は、着用させる順序と着用させる方向を一緒に確認することができ、着用方法をより認識しやすくなっている。
続いて、着用させる者は、係止部40を操作する。図4Bは、係止部40を横方向に引っ張った状態を説明する図である。図4Cは、おむつ1を着用した着用状態を説明する図である。第2の印2Mの数字が示す数(2)は、着用者の一方側の脚を脚回り開口部HL1に通すことを誘導するための数字が示す数(1)よりも大きな数であり、連続した数字である。これにより、着用させる者は、第2の印2Mによって示された数である2が、第1の印1Mによって示された数である1に続く数字であるため、第1の印1Mによる誘導の後に、数字の2を示す第2の印2Mに自然に視線が向きやすくなる。
係止部40の第2の印2Mと、係止部40の先端側を指した横矢印ABを見た着用させる者は、係止部40を掴み、横矢印ABが示す方(図4Bにおいては、他方側)へ、係止部40を引っ張るということを認識できる。これによって、後胴回り部20の糸ゴム23が伸長され、係止部40が係止された図4Cのように、おむつ1を着用者の身体にフィットさせることができる。
前胴回り部30の面ファスナーである係止部材34に係止部40を引っ掛けて係止することによって、胴回り開口部、HBが形成される。係止部40は不織布で形成されているため、係止部40のどの部分を係止部材34に接触させても係止をすることはできるが、おむつ1には、前胴回り部30の他方側の端部に、係止部40の外形形状を表した係止位置表示Pを設けている。
係止位置表示Pは、係止部40を係止すべき位置を示しており、前胴回り部30の上端部の、中心線BCより他方側に、所定のインクを用いて印刷されている。おむつ1においては、係止部40の外形形状の一部を点線で表したものであり、係止部40の外形形状のうち、先端部側の形状を表しており、接合部2b側の一部を省略した形状である。
係止位置表示Pの表示位置は、係止部40を係止位置表示Pに合わせて係止することによって、胴回り開口部、HBの環状が予め定められた周長となるように決められた位置である。つまり、係止部40を係止位置表示Pに合わせて係止することで、一定の周長の胴回り開口部、HBが形成されることになる。予め定められた周長を有する胴回り開口部、HBとすることで、糸ゴム23、33の伸縮に応じてパンツ型のおむつのように着用者の身体にフィットさせることができる。通常、テープ型のおむつは、テープ(係止部)の係止位置によって胴回り開口部、HBの周長を調整するが、おむつ1については、横方向において、前胴回り部30は一方側端部に、後胴回り部20は略全域にそれぞれ糸ゴム23、33が配置されているため、係止部40の係止位置を誤ると、胴回り部HBが小さくなりすぎて、着用者の腹部を過度に圧迫してしまったり、胴回り部HBが大きくなりすぎて、着用者の腹部にフィットせず、おむつ1が落ちてしまったりする恐れがある。これに対し、おむつ1は、予め係止部40を係止する位置が特定されているため、着用者の身体に適度にフィットさせることができる。また、係止位置表示Pを係止部40の外形形状とすることで、着用させる者は、係止部40の輪郭を、係止位置表示Pの表示形状に合わせればよいため、係止しやすくなる。係止位置表示Pに係止部40の外形が一致するように係止すると、おむつ1の胴回り開口部、HBが予め定められた周長となるため、おむつ1を着用者に適切に着用させることができる。
さらに、係止部40を係止部材34に係止させる際に、中央線表示Cを目安としておむつ1の横方向の中心と、着用者の身体の横方向の中心を合わせることができる。図4Aにおいては、中央線表示Cは、着用者の身体の横方向の中心より一方側に位置していたが、係止部40の係止の際に、前胴回り部30を他方側に引っ張ることで、図4Bに示すように、前胴回り部30の糸ゴム23が伸長し、中央線表示Cと着用者の身体の横方向の中心を合わせることができる。具体的には、着用させる者は、左手で前胴回り部30の他方側の端部を他方側に引っ張って、中央線表示Cが着用者の身体の横方向の中心と略平行になるように、中央線表示Cと着用者の身体の横方向の中心(臍)を合わせ、その状態のまま右手で係止部40を他方側へ引っ張り、そして、係止部40を係止部材34に係止させる。おむつ1は、左右非対称な形状を有し(図2)、着用時に横方向の位置を合わせづらい場合があるが、中央線表示Cを設けることで、着用者の身体の横方向の中心とおむつ1の吸収性本体10の中心とを合わせやすくなり、着用者に違和感を生じさせる恐れを軽減し、排泄物が漏れる恐れも軽減させることができる。
係止部40を所定位置に係止することで、図4Cに示すように、環状の胴回り開口部、HBと他方側の環状の脚回り開口部HL2が形成される。また、着用者の胴回りは、前胴回り部30の糸ゴム33と後胴回り部20の糸ゴム23の収縮によって着用者の身体にフィットさせることができるため、パンツ型のおむつと同様の使用感を得ることができる。
===その他の実施の形態===
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。また、本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更や改良され得るとともに、本発明にはその等価物が含まれるのはいうまでもない。
上述の実施形態では、係止部40は不織布等のシート部材であり、前胴回り部30に面ファスナーである係止部材34を設けたが、これに限られない。係止部40に面ファスナーを備えて、前胴回り部30の不織布等のシート部材からなるターゲット領域(不図示)を設けて、係止部40をターゲット領域に係止させる等の変更が可能である。また、係止部40は、不織布のみからなる部材である必要はなく、不織布とフィルム等のシート部材を重ね合わせたものであってもよい。例えば、フィルムシートを不織布で挟んだ構成のものであってもよく、使用用途や強度の調整等に応じて、適宜変更が可能である。
上述の実施形態では、第1の印1Mに加えて、第2の印2M、上矢印AL、横矢印AB、中央線表示Cを表示したが、この限りではない。第1の印1Mを表示することによって、着用させる者は、着用作業の糸口となる着用者の脚を通すことを認識することができるため、必ずしも第2の印2M、上矢印AL、横矢印AB、中央線表示Cを表示しなくてもよい。しかし、第2の印2Mを表示することによって、着用者の脚を通した後に係止部40を操作することを認識することができる。また、上矢印ALを表示することによって、おむつ1を引き上げる方向を認識することができ、横矢印ABによって、係止部40の操作方向を認識することができる。また、中央線表示Cを表示することで、おむつ1をより正しい位置で着用させることが可能となる。
さらに、図5に示すように、係止部40に表示した第2の印2Mと同じ印を、係止される側の前胴回り部30に表示してもよく、係止部40に、係止部40を係止部材34に誘導するための係止部材位置表示Rを設けてもよい。図5は、別の実施形態のおむつ100を説明する図である。
おむつ100は、おむつ1と基本的な構成は同じである。おむつ100には、おむつ1と同様に、腹側の脚回り開口部HL1の周囲に第1の印1Mが表示され、係止部40に第2の印2Mが表示されている。なお、おむつ100には、上矢印AL、横矢印AB、及び中央線表示Cは表示されていない。
おむつ100の前胴回り部30の係止部材34には、係止部40に表示された第2の印2Mと同じ印である第3の印2Mを表示している。このとき、係止部材34に表示された第3の印2Mの表示位置は、係止部40を係止部材34に表示された第3の印2Mの表示位置に合わせて係止すると、胴回り開口部、HBの環形状が予め定められた周長となるように決められた位置である。このように、第2の印2M、第3の印2Mが係止部40と係止部材34の両方に示されていることで、着用させる者は、係止部40を係止すべき場所である係止部材34の位置を認識しやすくなり、係止部40を正しい位置に係止させやすくなり、着用者におむつ1を正しい状態で着用させやすくなる。なお、図5においては、順序を示す数字を表した第2の印2Mと第3の印2Mを合わせることにしたが、これに限られない。第2の印2M、第3の印2Mとは別のイラスト等の図柄を用いて、同じ図柄同士を合わせるようにしてもよい。
さらに、おむつ100の係止部40には、係止部材34が設けられている位置に係止部40を係止させるように誘導するための係止部材位置表示(第4の印)Rを表示している。この係止部材位置表示Rは、係止部材34の外形形状を点線で表したものである。また、係止部40が不織布で形成されているため、係止部材位置表示Rは、肌側からも非肌側からも視認可能である。そのため、係止部40を係止部材34に係止しようとする際、最初は、肌側から係止部材位置表示Rを確認しながら係止部40を誘導し、最終的に、係止部40と係止部材34を係止するときには、非肌側から係止部材位置表示Rを確認しながら係止作業を行うことができるため、正しい位置に係止を行うことができるため、着用者を適切な着用状態にすることができる。
また、上述の実施形態では、着用者の一方側の脚を通すことを誘導する第1の印1Mを一方側の脚回り開口部HL1の周囲に設けたが、これに限られない。図6に示すように、第1の印1Mをおむつ200の横方向における一方側に設けることで、着用者の一方側の脚を一方側の脚回り開口部HL1に通すことを誘導することができる。図6は、別の実施形態のおむつ200を説明する図である。おむつ200においては、前胴回り部30の一方側の非肌側に第1の印1Mが表示され、第1の印1Mの傍に上矢印ALが表示されている。これを見た着用させる者は、おむつ200を胴回り開口部HB側に引き上げる前に着用者の一方側の脚を一方側の脚回り開口部HL1に通す必要があることを認識でき、正しい方法でおむつ200を着用者に着用させることができる。
おむつ200は、前胴回り部30の他方側であって、係止部材34が設けられた位置には、係止部40に設けられた第2の印2Mと同じ数である数字の2を示す第3の印2Mが設けられている。さらに、おむつ200の前胴回り部30の他方側には、係止部40に設けられた横矢印ABと反対方向を示す、つまり、前胴回り部30の他方側から一方側を示す横矢印ASが設けられている。係止部40の第2の印2Mと前胴回り部30の第3の印2Mとを重ね合わせ、横矢印ABと横矢印ASが同じ方向を指すように合わせて、係止部40を係止部材34に係止すると、胴回り開口部HBが形成される。
ただし、上矢印AL、及び横矢印AB、ASを表示しなくてもよい。
このおむつ200の胴回り部30の一方側に設けられた第1の印1Mが示す数字の1と、他方側に設けられた第2の印2Mが示す数字の2は、異なる数字であるため、一方側に施す操作と他方側に施す操作とが異なることを知ることができる。また、第2の印2Mが示す数字の方が大きいため、着用させる者は、一方側に設けられた第1の印1Mによって、まず一方側の操作を行い、続いて、他方側に設けられた第2の印2Mによって、係止部40の係止操作を行うということを知ることができる。
さらに、一般的なテープ型のおむつの場合、前胴回り部の一方側と他方側の両方にそれぞれ、横方向の内側から外側に向かって「1」「2」「3」というように係止部の係止位置の目安となる数字が設けられている。つまり、前胴回り部の横方向の中心に対して、対称となるように数字が配置されている。しかし、おむつ200においては、一方側には数字の1を示す第1の印1Mのみが設けられ、他方側には数字の2を示す第2の印2Mのみが設けられているため、おむつ200の着用方法が左右で異なる操作が必要であることを外観から認識することができる。
また、第1の印1Mが配置されている側である一方側には係止部40は設けられておらず、第2の印2Mが配置されている側である他方側にのみ係止部40が設けられているから、一般的なテープ型のおむつを着用させるときのように両側から係止部40を引っ張ることはできない。したがって、この点でも、おむつ200の着用方法が通常と異なることを認識させることができる。
さらに、他方側に配置された係止部40を強く引っ張って他方側に配置された第1の印1Mに合わせようとしても、第1の印1Mが配置されている部分には係止部材34が設けられておらず、係止部40を前胴回り部に係止させることができない。したがって、これによっても、おむつ200の着用方法が通常と異なることを認識させることができる。
なお、上述の実施形態では、着用順序を示す印として、数字の1を表す第1の印1M、数字の2を表す第2の印2Mを用いたが、これに限られない。アラビア数字やローマ数字等の数字や、「A、B、C・・・」等の標記を用いることができる。
また、上述の実施形態では、着用者の一方側の脚を通させることを1番目とし、係止部40を操作することを2番目としたが、これに限られない。例えば、着用者の一方側の脚を通すことを誘導する第1の印1Mと、着用者の一方側の脚を通した後で、係止部40の操作より前に他の作業を行うことを誘導する印として数字の2を丸で囲んだ印と、係止部40を操作することを誘導する第2の印2M(数字の3を丸で囲んだ印)を表示してもよい。
上述の実施形態では、第1の印1M、上矢印AL、第2の印2M、横矢印AB、中央線表示C、係止位置表示P、係止部材位置表示Rは、所定のインクで印刷されたものであったが、これに限られない。着用時において、着用させようとする保護者等が視認できるものであればよく、シール等を貼付したものであってもよい。
さらに、上述の実施形態では、上矢印ALの中に第1の印1Mを表示して、上矢印ALに第1の印1Mの全部が重なった状態で表示することにしたが、これに限られない。上矢印ALは、第1の印1Mが誘導している着用者の一方側の脚を通すことに続いて、上方向へ引き上げることを誘導する印である。そのため、上矢印ALは第1の印1Mとほぼ同時に着用させる者の目に留まるように、上矢印ALが第1の印1Mの少なくとも一部と重なっていることがより好ましい。
上述の実施形態では、中央線表示Cを1つの略直線で表示することにしたが、これに限られない。中央線表示Cは、複数本の略直線で構成してもよいし、点線等にラインタイプを変更してもよい。
また、中央線表示Cは、上述の実施形態においては、前胴回り部30の下端から股下まで設けられているがこれに限られない。前側から見て視認できる領域に、吸収性本体10の横方向の中央部に沿った中央線を一部分に表示しているものであってもよい。
上述の実施形態では、係止位置表示Pについて、係止部40の外形形状の一部を表したがこれに限られない。係止部40の外形形状の全体を示すものであってもよい。なお係止位置表示Pは、着用させる者が、係止位置表示Pを見て、「係止部40の形状である」と認識できる形状を表示することがより好ましい。
上述の実施形態では、第1の印1M、第2の印2M、上矢印AL、横矢印AB、中央線表示C、係止位置表示Pについて、特に表示の色について記載はしなかったが、これらの表示は適宜表示色を選択することができる。おむつ1の素材の色や、表示すべき項目の強弱に応じて選択することができ、単色であっても、複数色であってもよい。
1、100、200 おむつ(使い捨ておむつ、吸収性物品)、
1b 第1接合部、2b 第2接合部、
10 吸収性本体(股下部)、11 吸収体、
20 後胴回り部、23 糸ゴム(弾性部材)、
30 前胴回り部、33 糸ゴム(弾性部材)、34 係止部材、35 凹部、
40 係止部、
201、202 接合領域、
1M 第1の印、2M 第2の印、第3の印、
AL 上矢印、AB 横矢印、AS 横矢印、
C 中央線表示、P 係止位置表示、R 係止部材位置表示(第4の印)、
HB 胴回り開口部、
HL1 脚回り開口部(一方側脚回り開口部)、
HL2 脚回り開口部(他方側脚回り開口部)

Claims (14)

  1. 縦方向と、前記縦方向と交差する横方向と、前記縦方向及び前記横方向と交差する前後方向を有し、
    前記横方向に沿った前胴回り部と、
    前記横方向に沿った後胴回り部と、
    前記前胴回り部と前記後胴回り部との間に設けられた股下部と、
    を備えた吸収性物品であって、
    前記横方向において、
    一方側には、
    前記前胴回り部の端部と前記後胴回り部の端部とが接合された接合部と、
    環状の一方側脚回り開口部が設けられており、
    他方側には、
    前記後胴回り部の端部に設けられ、前記前胴回り部に係止可能な係止部と、
    前記係止部が前記前胴回り部に係止されることによって環状となる他方側脚回り開口部が設けられており、
    前記係止部が前記前胴回り部に係止される前に着用者の一方側の脚を前記一方側脚回り開口部に通すことを誘導するための印が、前記一方側に設けられていることを特徴とする吸収性物品。
  2. 請求項1に記載の吸収性物品において、
    前記印が、前記一方側脚回り開口部の周囲に設けられていることを特徴とする吸収性物品。
  3. 請求項1又は2に記載の吸収性物品において、
    前記印が数字であることを特徴とする吸収性物品。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載の吸収性物品において、
    胴回り開口部を有しており、
    股下側から前記胴回り開口部の側を指す上矢印が設けられていることを特徴とする吸収性物品。
  5. 請求項4に記載の吸収性物品において、
    前記上矢印は、前記印の少なくとも一部と重なっていることを特徴とする吸収性物品。
  6. 請求項1から5のいずれか1項に記載の吸収性物品において、
    前記印は、第1の印であり、
    前記係止部に、前記係止部を前記前胴回り部に係止することを誘導するための第2の印が設けられていることを特徴とする吸収性物品。
  7. 請求項6に記載の吸収性物品において、
    前記第1の印及び前記第2の印は数字であり、
    前記第1の印の数字が示す数より前記第2の印の数字が示す数の方が大きいことを特徴とする吸収性物品。
  8. 請求項6又は7に記載の吸収性物品において、
    前記係止部が前記前胴回り部の所定位置に係止されることによって予め定められた周長を有する環状の胴回り開口部が形成され、
    前記前胴回り部の前記所定位置に前記係止部を係止する際に、前記第2の印を重ね合わせる第3の印が、前記前胴回り部に設けられていることを特徴とする吸収性物品。
  9. 請求項8に記載の吸収性物品において、
    前記第1の印は、第1の数字であり、
    前記第3の印は、前記第1の数字とは異なる第2の数字であり、
    前記第1の数字は、前記前胴回り部の前記一方側にのみ設けられており、
    前記第3の印は、前記前胴回り部の前記他方側にのみ設けられていることを特徴とする吸収性物品。
  10. 請求項1から9のいずれか1項に記載の吸収性物品において、
    前記後胴回り部の前記端部の側から前記係止部の先端の側を指す横矢印が、前記係止部に設けられていることを特徴とする吸収性物品。
  11. 請求項1から10のいずれか1項に記載の吸収性物品において、
    前記係止部が前記前胴回り部の所定位置に係止されることによって予め定められた周長を有する環状の胴回り開口部が形成され、
    前記前胴回り部の前記所定位置には、前記係止部を係止すべき位置に誘導する表示がされており、
    前記係止部を係止すべき位置に誘導する表示は、前記係止部の外形形状の少なくとも一部を表したものであることを特徴とする吸収性物品。
  12. 請求項1から11のいずれか1項に記載の吸収性物品において、
    前記前胴回り部は、前記係止部が係止される係止部材を備えており、
    前記係止部には、前記係止部材の位置に前記係止部を誘導するための第4の印が設けられていることを特徴とする吸収性物品。
  13. 請求項12に記載の吸収性物品において、
    前記係止部は不織布であり、
    前記第4の印は、肌面側に設けられており、
    前記第4の印は、非肌面側からも視認可能であることを特徴とする吸収性物品。
  14. 請求項1から13のいずれか1項に記載の吸収性物品において、
    前記後胴回り部の少なくとも上端部には、前記横方向に沿った弾性部材が設けられた弾性領域を有しており、
    前記横方向において、
    前記弾性領域の、前記一方側の端と、前記股下部の中央との距離が、
    前記弾性領域の、前記他方側の端と、前記股下部の中央との距離より小さく、
    前記股下部の中央部に沿った中央線が、前側から見て視認することができる領域の少なくとも一部に設けられていることを特徴とする吸収性物品。
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