JP2018068613A - 腕支持装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】作業者の腕を支持するように構成された腕支持装置において、作業者の腕が載置される載置部を作業野に近づける際に、当該腕支持装置を構成する部位が作業野の物体と干渉するか否かを容易に確認可能とすること。【解決手段】腕支持装置1は、作業者の腕が載置されるように構成された透明な載置部11と、複数の関節31,32,33,34,35を有して前記載置部を移動可能に支持するように構成された支持部12と、を備えている。【選択図】図2
Description
本発明は、作業者の腕を支持する腕支持装置に関する。
例えば脳神経外科手術等のように緻密な手作業が要求される作業では、作業者(例えば手術を行う医師)の腕を支持する腕支持装置が用いられる場合がある。このような腕支持装置としては、可動の多関節アームにおける先端に設けられたアームホルダに、医師の腕を載せて、腕の自重を加えながら当該アームホルダを腕に追従移動させる構成が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、特許文献1に記載の装置では、多関節アームを構成する複数の関節うちの、鉛直成分を含む軸回りにアームホルダを回動させる特定関節は、前記軸が前記腕の手首よりも肘側の位置を通るように設けられている。これは、作業者がアームホルダを作業野(例えば手術野)に近づけるときに、アームホルダの下方に設けられた前記特定関節が、作業野の物体と干渉するのを抑制するためである。なお、前記作業野の物体とは、例えば、手術野の身体や、その身体を固定するための治具等である。
ところが、特許文献1に記載の装置では、特定関節の前記軸が手首よりも肘側の位置を通るように設けられているとはいえ、作業者によっては、アームホルダを作業野に近づける際、特定関節と作業野の物体とが干渉するのではないかといった不安を抱く場合がある。本発明は、こうした問題にかんがみてなされたものであり、作業者の腕が載置される載置部を作業野に近づける際に、当該腕支持装置を構成する部位が作業野の物体と干渉するか否かを容易に確認可能とする技術を提供することを目的としている。
本発明の腕支持装置は、作業者の腕を支持するように構成された腕支持装置(1)であって、載置部(111)と、支持部(12)と、を備える。載置部は、前記腕が載置されるように構成され、透明に構成されている。また、支持部は、複数の関節(31,32,33,34,35)を有し、前記載置部を移動可能に支持するように構成されている。
このような構成によれば、載置部が透明に構成されているため、その載置部を通して目視することにより、腕支持装置を構成する部位が作業野の物体と干渉するか否かを容易に確認することができる。ここで、「透明」とは、厳密な意味での透明に限るものではなく、目的とする効果を奏するのであれば厳密に透明でなくてもよい。
なお、この欄及び特許請求の範囲に記載した括弧内の符号は、一つの態様として後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
以下、図面を参照しながら、発明を実施するための形態を説明する。
[1.第1実施形態]
[1−1.構成]
図1に示す第1実施形態の腕支持装置1は、手術を行う作業者としての医師Dの腕Aを支持する装置である。なお、後述の図4に示すように、医師Dの腕Aとは、具体的には前腕である。腕支持装置1は、医師Dの腕Aが載置されるアームホルダ11と、アームホルダ11を移動可能に支持する多関節アーム12と、を備える。
[1.第1実施形態]
[1−1.構成]
図1に示す第1実施形態の腕支持装置1は、手術を行う作業者としての医師Dの腕Aを支持する装置である。なお、後述の図4に示すように、医師Dの腕Aとは、具体的には前腕である。腕支持装置1は、医師Dの腕Aが載置されるアームホルダ11と、アームホルダ11を移動可能に支持する多関節アーム12と、を備える。
多関節アーム12は、ベース部21,肩部22,第1腕部23,第2腕部24,及びホルダ支持部25を備え、5自由度に構成されている。多関節アーム12の全体を支持するベース部21は、本体部26の上面に固定されている。本体部26は、キャスター27により、例えば図2に模式的に示した床Fの上を移動可能に構成されている。肩部22は、ベース部21から鉛直方向上方に伸び、ベース部21に対して鉛直軸回りに回動可能に構成されている。第1腕部23は、一端が肩部22の上端に水平軸回りに回動可能に接続されている。第2腕部24は、一端が第1腕部23の他端に水平軸回りに回動可能に接続されている。ホルダ支持部25は、第2腕部24の他端に水平軸回りに回動可能に接続され、その軸と直交する軸J回りに回動可能にアームホルダ11を支持する。なお、図1に示すように、軸Jは、多くの場合鉛直方向に配置される。
図2に模式的に示すように、多関節アーム12は、5つの関節31,32,33,34,35を有している。本実施形態では、関節31〜35はいずれも回転関節である。具体的には、関節31は、ベース部21の上端に、肩部22を鉛直軸回りに回転可能に接続する。なお、図2では、ベース部21からキャスター27に到る構成の全体を、ベース部21として模式的に示している。
第1腕部23の内部には、2本の棒材41,42が平行に維持された平行リンク機構43が設けられている。その平行リンク機構43における上側の棒材41の一端が、関節32を介して肩部22の上端に水平軸回りに回動可能に接続されている。第2腕部24の内部には、2本の棒材45,46が平行に維持された平行リンク機構47が設けられている。その平行リンク機構47における上側の棒材45の一端が、棒材41の他端に、関節33を介して水平軸回りに回動可能に接続されている。棒材45の他端には、水平軸回りに回転可能な関節34とその関節34とは回転軸が直交する関節35とを介して、アームホルダ11が接続されている。また、関節35には、アームホルダ11に加わる力を検出する力センサ48が設けられている。
棒材41は、関節32を突き抜けて延びており、その先端部にカウンタウェイト51が設けられている。このカウンタウェイト51は、アームホルダ11に腕Aが載置された状態で関節32回りに重力による力のモーメントが作用するのを抑制する。また、関節32に接続された側の棒材41,42の一端を連結する棒材49は、棒材42よりも下方まで延びており、その先端にカウンタウェイト52が設けられている。このカウンタウェイト52は、平行リンク機構43,47を介して、アームホルダ11に腕Aが載置された状態で関節34回りに重力による力のモーメントが作用するのを抑制する。なお、カウンタウェイト52は、図1に示すように多関節アーム12の外部に露出しているが、カウンタウェイト51は、第1腕部23の内部に隠れて外部からは見えない。カウンタウェイト51は、第2腕部23の筐体を構成する樹脂等によって、当該筐体と一体に構成されてもよい。
図2に戻って、関節35を除いて、各関節31,32,33,34の全てには、当該関節31,32,33,34の機能を制限するブレーキ31A,32A,33A,34Aが設けられている。本実施形態では、ブレーキ31A,32A,33A,34Aとして、電磁ブレーキが用いられている。これにより、本実施形態では、ブレーキ31A,32A,33A,34Aによって、関節31,32,33,34の機能としての回転機能をロックすることができる。すなわち、腕支持装置1において、アームホルダ11の移動をロックすることができる。また、これらの構成により、本実施形態では、ロックモードとフリーモードとが実現される。ロックモードとは、アームホルダ11の移動をロックした動作モードである。フリークモードとは、アームホルダ11の移動のロックを解除した動作モードである。
ロックモードは、固定されたアームホルダ11の上に医師Dが腕Aを載置する状態を想定した動作モードである。ロックモードでは、ブレーキ31A,32A,33A,34Aにより関節31,32,33,34が固定され、アームホルダ11の移動が禁止(すなわち、位置が固定)される。ロックモードにおいては、医師Dがアームホルダ11から腕Aを外しても、アームホルダ11の位置が固定されている。但し、関節35にはブレーキがないため、ロックモードであっても、アームホルダ11の角度は軸J回りに自由に調整することができる。
一方、フリーモードは、医師Dがアームホルダ11を腕Aに追従移動させる状態を想定した動作モードである。フリーモードでは、ブレーキ31A,32A,33A,34Aによる関節31,32,33,34の固定が解除され、アームホルダ11を自由に動かすことができる。フリーモードにおいて、アームホルダ11から腕Aに加わる力は極めて小さく、ブレーキ31A,32A,33A,34Aの摺動抵抗も小さいので、医師Dは腕Aにそれ程力を加えなくてもその腕Aにアームホルダ11を追従移動させることができる。ロックモードとフリーモードとの切換は、図1に示すペダル60等に対する医師Dによる操作に応じてなされてもよく、腕Aに加わる力を力センサ48等にて検出することによって自動的になされてもよい。
図3に示すように、アームホルダ11は、透明の高純度シリコン樹脂(すなわち、医療用シリコン)にて成形された樹脂部111と、金属にて成形された金属部112とを備える。樹脂部111は、腕支持部113と、肘位置規定部114と、平板部115とを備える。腕支持部113は、上方が開くように湾曲した断面U字形の形状に構成されている。肘位置規定部114は、腕支持部113に載置される腕Aの長手方向(以下、腕軸方向)における肘側(以下、後方)に設けられ、上方にせり上がっている。この腕支持部113には、腕Aの手首より肘側の部分が載置され、肘が肘位置規定部114に当接することによってその位置が規定される。また、平板部115は、腕支持部113よりも手首側(以下、前方)に連接され、腕支持部113の底面を平板状に延長して構成されている。
金属部112は、SUS(すなわちステンレススチール)等によって構成され、外枠部116と、ナット支持部117と、網部118とを備える。外枠部116は、腕支持部113及び肘位置規定部114及び平板部115の全体を含めた樹脂部111の外形に沿って枠状に構成されている。ナット支持部117は、平板状に構成され、金属部112をホルダ支持部25に装着するためのリユースナット119を下面に支持する。ナット支持部117は、外枠部116に架設されている。網部118は、外枠部116の強度を補償するように、外枠部116及びナット支持部117に網状に架設されている。
通常上向きに配置されるホルダ支持部25の所定面には、関節35を中心に回転する装着部351が設けられ、リユースナット119は、その装着部351に装着される。これにより、アームホルダ11は関節35を中心に回転可能となり、アームホルダ11に腕Aから加わる力は、ホルダ支持部25の筐体内に設けられた力センサ48により検出可能となる。
[1−2.効果]
以上詳述した第1実施形態によれば、以下の効果が得られる。
(1A)腕支持装置1が使用される場合、図4に例示するように、医師Dは、椅子等に腰掛けた状態で腕Aをアームホルダ11に載置する。その後、動作モードがフリーモードとされると、医師Dはアームホルダ11を腕Aに容易に追従移動させることができる。すなわち、カウンタウェイト51,52の作用により、アームホルダ11に腕Aが載置された状態で関節32,34回りに重力による力のモーメントが作用するのが抑制される。換言すれば、多関節アーム12は、腕Aの自重と同じ力でアームホルダ11を腕Aに圧接した状態で釣り合っている。
以上詳述した第1実施形態によれば、以下の効果が得られる。
(1A)腕支持装置1が使用される場合、図4に例示するように、医師Dは、椅子等に腰掛けた状態で腕Aをアームホルダ11に載置する。その後、動作モードがフリーモードとされると、医師Dはアームホルダ11を腕Aに容易に追従移動させることができる。すなわち、カウンタウェイト51,52の作用により、アームホルダ11に腕Aが載置された状態で関節32,34回りに重力による力のモーメントが作用するのが抑制される。換言すれば、多関節アーム12は、腕Aの自重と同じ力でアームホルダ11を腕Aに圧接した状態で釣り合っている。
このため、アームホルダ11は、前記圧接による摩擦抵抗で腕Aに良好に追従移動する。また、前記釣り合いにより、腕Aがアームホルダ11に載置されているときにそのアームホルダ11が重力の影響で予期せぬ動きをしたり、腕Aにアームホルダ11から余分な力が加わるのを抑制することができる。更に、腕Aの肘は、肘位置規定部114によって位置が規定されるので、アームホルダ11の腕軸方向(すなわち、前後方向)への移動が一層円滑に行える。
(1B)腕支持装置1では、樹脂部111が透明に構成されている。このため、その樹脂部111を通して目視することにより、腕支持装置1を構成する部位が作業野の物体と干渉するか否かを容易に確認することができる。
例えば、医師Dが脳外科手術を行う場合、患者の頭部Hは、図4に示すような治具200により固定される場合がある。治具200は、例えば特開平11−4837号公報に記載のような周知のものであり、半円弧状の枠部201と、その枠部201に螺合された複数のピン202とを備える。枠部201は、頭部Hを囲む形状に構成され、ピン202は、それぞれ、枠部201の半径方向に進退可能に構成されている。枠部201で頭部Hを囲み、ピン202のそれぞれを頭部Hに当接させることによって、頭部Hが固定される。
この場合、ホルダ支持部25がアームホルダ11の下方に設けられているため、医師Dは、ホルダ支持部25又はそのホルダ支持部25に接続された第2腕部24の端部(すなわち前記他端)が、治具200と干渉するのではないかといった不安を抱く場合がある。
特に、軸Jが前方(すなわち指先側)にあると細かい作業に対するアームホルダ11の操作性が向上するが、軸Jが前方にあるほど、腕Aを頭部Hに近づける際に、ホルダ支持部25と治具200との干渉が気になるようになる。具体的には、手首のすぐ手前(すなわち、手首のすぐ後方)ぐらいに軸Jがあると作業しやすいという医師が多いが、アームホルダ11が全体的に不透明な場合、軸Jがその位置にあるとホルダ支持部25と治具200との干渉が気になるという医師も多い。
これに対して、本実施形態では、アームホルダ11を透明な樹脂部111と網状の金属部112とによって構成しているので、医師Dはホルダ支持部25及び第2腕部24及び治具200を、アームホルダ11を通して容易に目視することができる。従って、医師の安心感が格段に向上する。
(1C)シリコン樹脂にて構成された板状の樹脂部111は剛性が低いが、網状の金属部112によって補強されているので、腕Aを支持するのに十分な剛性が得られる。しかも、樹脂部111を構成するシリコン樹脂も、金属部112を構成するSUSも、いずれも蒸気滅菌して利用することができ、手術等に適した清潔さを実現するのも容易である。
(1D)金属部12は、網状に構成されている。このため、医師Dが樹脂部111を介してホルダ支持部25や治具200を見る際の視認性が、金属部12によって低下するのも抑制される。
[1−3.特許請求の範囲の要素との対応]
なお、前記第1実施形態において、樹脂部111が載置部に対応し、多関節アーム12が支持部に対応する。
なお、前記第1実施形態において、樹脂部111が載置部に対応し、多関節アーム12が支持部に対応する。
[2.第2実施形態]
[2−1.第1実施形態との相違点]
第2実施形態は、基本的な構成は第1実施形態と同様であるため、共通する構成については説明を省略し、相違点を中心に説明する。なお、第1実施形態と同じ符号は、同一の構成を示すものであって、先行する説明を参照する。
[2−1.第1実施形態との相違点]
第2実施形態は、基本的な構成は第1実施形態と同様であるため、共通する構成については説明を省略し、相違点を中心に説明する。なお、第1実施形態と同じ符号は、同一の構成を示すものであって、先行する説明を参照する。
前述した第1実施形態では、腕Aが載置される樹脂部111の表面は、図3に示すように全体的に平滑に構成されている。これに対し、第2実施形態では、樹脂部111における腕支持部113の表面に、図5に示すような凸部113A,113Bを形成した点で、第1実施形態と相違する。
凸部113Aは、腕支持部113の前寄りの位置に、前後方向に複数並んで樹脂部111と一体成形されている。複数の凸部113Aは、それぞれ、後側が切り立って前側が比較的なだらかに傾斜している。このため、複数の凸部113Aは、全体としての断面形状が鋸歯状となっている。
凸部113Bは、腕支持部113の後寄りの位置に、前後方向に複数並んで樹脂部111と一体成形されている。複数の凸部113Bは、それぞれ、前側が切り立って後側が比較的なだらかに傾斜している。このため、複数の凸部113Bは、全体としての断面形状が、凸部113Aとは逆方向の鋸歯状となっている。
[2−2.効果]
以上詳述した第2実施形態によれば、前述した第1実施形態の効果(1A)〜(1D)に加え、以下の効果が得られる。
以上詳述した第2実施形態によれば、前述した第1実施形態の効果(1A)〜(1D)に加え、以下の効果が得られる。
(2A)凸部113Aは、腕Aが図5における矢印A方向(すなわち前方)へ移動する際に、その腕Aに係合する。また、医師Dが腕Aを前方に移動させる際には、同時に、腕Aの前方部分(すなわち手首側)を下方に押圧するような力を加える。このため、凸部113Aは、腕Aが前方へ移動する際に、その腕Aに良好に係合して滑り止めとして機能し、アームホルダ11が腕Aに追従移動するのを助ける。
同様に、凸部113Bは、腕Aが図5における矢印B方向(すなわち後方)へ移動する際に、その腕Aに係合する。また、医師Dが腕Aを後方に移動させる際には、同時に、腕Aの後方部分(すなわち肘側)を下方に押圧するような力を加える。このため、凸部113Bは、腕Aが後方へ移動する際に、その腕Aに良好に係合して滑り止めとして機能し、アームホルダ11が腕Aに追従移動するのを助ける。よって、本実施形態では、腕Aの前後方向の移動に対してアームホルダ11を一層良好に追従移動させることができる。
[3.第3実施形態]
[3−1.第1実施形態との相違点]
第3実施形態は、基本的な構成は第1実施形態と同様であるため、共通する構成については説明を省略し、相違点を中心に説明する。なお、第1実施形態と同じ符号は、同一の構成を示すものであって、先行する説明を参照する。
[3−1.第1実施形態との相違点]
第3実施形態は、基本的な構成は第1実施形態と同様であるため、共通する構成については説明を省略し、相違点を中心に説明する。なお、第1実施形態と同じ符号は、同一の構成を示すものであって、先行する説明を参照する。
前述した第1実施形態では、腕Aが載置される樹脂部111の表面は、図3に示すように全体的に平滑に構成されている。これに対し、第3実施形態では、樹脂部111における腕支持部113の表面に、図6に示すような凸部113Cを形成した点で、第1実施形態と相違する。
凸部113Cは、腕支持部113の前後方向中央部分に、前後方向に複数並んで樹脂部111と一体成形されている。複数の凸部113Cは、それぞれ、前後方向に対して対象な断面半円状に構成されている。
[3−2.効果]
以上詳述した第2実施形態によれば、前述した第1実施形態の効果(1A)〜(1C)に加え、以下の効果が得られる。
以上詳述した第2実施形態によれば、前述した第1実施形態の効果(1A)〜(1C)に加え、以下の効果が得られる。
(3A)凸部113Cは、腕Aが図6における矢印A方向(すなわち前方)へ移動する際にも、腕Aが図6における矢印B方向(すなわち後方)へ移動する際にも、その腕Aに係合する。このため、凸部113Cは、腕Aが前方へ移動する際にも後方へ移動する際にも、その腕Aに良好に係合して滑り止めとして機能し、アームホルダ11が腕Aに追従移動するのを助ける。よって、本実施形態では、第1実施形態に比べて、腕Aの前後方向の移動に対してアームホルダ11を一層良好に追従移動させることができる。
[4.他の実施形態]
以上、本発明を実施するための形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されることなく、種々変形して実施することができる。
以上、本発明を実施するための形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されることなく、種々変形して実施することができる。
(4A)前記各実施形態では、腕Aの自重と同じ力でアームホルダ11を腕Aに圧接させることによって、アームホルダ11を腕Aに追従移動させているが、これに限定されるものではない。例えば、医師Dが腕Aをアームホルダ11に意図的に(すなわち、腕Aの自重より大きい力で)押し付けることによって、アームホルダ11を腕Aに追従移動させてもよい。また、腕Aをバンド等によってアームホルダ11に固定することによって、そのアームホルダ11を腕Aに追従移動させてもよい。
(4B)前記各実施形態では、ペダル60等に対する医師Dによる操作、又は、腕Aに加わる力の検出結果に応じて、ロックモードとフリーモードとの切換がなされたが、これに限定されるものではない。例えば、ロックモードとフリーモードとの切換は、アームホルダ11に設けられた図示しないレバー等の操作によってなされてもよい。
(4C)前記各実施形態では、載置部としての樹脂部111をシリコン樹脂によって構成したが、載置部を構成する材料はこれに限定されるものではない。例えば、載置部は、他の透明樹脂やガラス等によって構成されてもよい。また、「透明」とは、厳密な意味での透明に限るものではなく、目的とする効果を奏するのであれば厳密に透明でなくてもよい。例えば、前述の例であれば、医師Dが治具200を容易に目視できるのであれば、載置部は半透明であってもよい。また、載置部が他の透明樹脂やガラス等によって構成された場合、補強用の金属部は省略できる場合がある。また、金属部の形状は、目的とする効果、すなわち、医師Dが治具200を容易に目視できる等の効果を奏するのであれば、網状以外の形状に構成されてもよい。
(4D)前記各実施形態では、アームホルダ11の下方に関節35が設けられているが、これに限定されるものではない。アームホルダ11の下方に関節35やホルダ支持部25が設けられていない場合であっても、樹脂部111等の載置部を透明にすることにより、当該載置部の下面やその他の腕支持装置の部位が作業野の物体と干渉するか否かを良好に確認することができる。
(4E)前記各実施形態では、本発明を手術用の腕支持装置に適用しているが、これに限定されるものではない。本発明は、手術用の腕支持装置以外にも、例えば精密機械製造用の腕支持装置等、種々の分野に適用することができる。
(4F)前記実施形態における1つの構成要素が有する複数の機能を、複数の構成要素によって実現したり、1つの構成要素が有する1つの機能を、複数の構成要素によって実現したりしてもよい。また、複数の構成要素が有する複数の機能を、1つの構成要素によって実現したり、複数の構成要素によって実現される1つの機能を、1つの構成要素によって実現したりしてもよい。また、前記実施形態の構成の一部を省略してもよい。また、前記実施形態の構成の少なくとも一部を、他の前記実施形態の構成に対して付加又は置換してもよい。なお、特許請求の範囲に記載した文言のみによって特定される技術思想に含まれるあらゆる態様が本発明の実施形態である。
1…腕支持装置 11…アームホルダ
12…多関節アーム 24…第2腕部
25…ホルダ支持部 31,32,33,34,35…関節
111…樹脂部 112…金属部
113…腕支持部 113A,113B,113C…凸部
119…リユースナット 351…装着部
A…腕 D…医師
12…多関節アーム 24…第2腕部
25…ホルダ支持部 31,32,33,34,35…関節
111…樹脂部 112…金属部
113…腕支持部 113A,113B,113C…凸部
119…リユースナット 351…装着部
A…腕 D…医師
Claims (6)
- 作業者の腕を支持するように構成された腕支持装置(1)であって、
前記腕が載置されるように構成された透明な載置部(111)と、
複数の関節(31,32,33,34,35)を有し、前記載置部を移動可能に支持するように構成された支持部(12)と、
を備えた腕支持装置。 - 請求項1に記載の腕支持装置であって、
前記載置部は、透明な樹脂によって、湾曲した板状に構成され、
前記載置部の下面に、補強用の金属部(112)を備えた腕支持装置。 - 請求項2に記載の腕支持装置であって、
前記金属部は、網状に構成されている腕支持装置。 - 請求項1〜3のいずれか1項に記載の腕支持装置であって、
前記複数の関節のうちの一つは、前記載置部の下方に設けられている腕支持装置。 - 請求項1〜4のいずれか1項に記載の腕支持装置であって、
前記載置部における前記腕を支持する側の面に、前記腕に対して滑り止めとして機能するように構成された凸部(113A,113B,113C)を備えた腕支持装置。 - 請求項5に記載の腕支持装置であって、
前記載置部における前記腕の指先側に設けられた前記凸部(113A)は、前記腕の指先方向への移動に対する滑り止めとして機能する形状を有し、
前記載置部における前記腕の肘側に設けられた前記凸部(113B)は、前記腕の肘方向への移動に対する滑り止めとして機能する形状を有する腕支持装置。
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Cited By (3)
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---|---|---|---|---|
CN109498181A (zh) * | 2018-12-07 | 2019-03-22 | 闫凡香 | 一种神经外科用手术臂托装置 |
CN110652364A (zh) * | 2019-11-07 | 2020-01-07 | 吉林大学 | 一种随臂移动的神经外科手术臂托 |
CN113855277A (zh) * | 2021-11-05 | 2021-12-31 | 中国人民解放军陆军特色医学中心 | 一种脑外科手术用手部稳定器 |
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2016
- 2016-10-28 JP JP2016211848A patent/JP2018068613A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN109498181A (zh) * | 2018-12-07 | 2019-03-22 | 闫凡香 | 一种神经外科用手术臂托装置 |
CN110652364A (zh) * | 2019-11-07 | 2020-01-07 | 吉林大学 | 一种随臂移动的神经外科手术臂托 |
CN110652364B (zh) * | 2019-11-07 | 2024-04-12 | 吉林大学 | 一种随臂移动的神经外科手术臂托 |
CN113855277A (zh) * | 2021-11-05 | 2021-12-31 | 中国人民解放军陆军特色医学中心 | 一种脑外科手术用手部稳定器 |
CN113855277B (zh) * | 2021-11-05 | 2023-05-30 | 中国人民解放军陆军特色医学中心 | 一种脑外科手术用手部稳定器 |
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