JP2018064557A - 草食動物用固形餌設置装置 - Google Patents

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映 見城
典彦 梶村
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典彦 梶村
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Shigetake Masuda
栄壮 益田
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Abstract

【課題】草食動物用の固形餌が水分により溶解するのを抑制することが可能となり、固形餌の設置位置を容易に判別することが可能となる草食動物用固形餌設置装置を提供する。【解決手段】本発明を適用した草食動物用固形餌設置装置1は、下側が地面Gに埋設された支柱2と、支柱2に取り付けられて固形餌9を収容する一部が開放された収容容器3と、収容容器3の内部に設けられる間隔保持材62とを備え、収容容器3は、下端側に開口部Wが形成され、間隔保持材62は、固形餌9を支持する支持部63を有し、固形餌9が支持部63に下方から支持されて、固形餌9と収容容器3との間に開口部Wに連通される間隔空間Vが形成されることを特徴とする。【選択図】図2

Description

本発明は、草食動物について、固形餌を任意の場所に設置し、固形餌の摂取を促す装置に関する。
草食動物の固形餌は、野生に生息する野生動物や飼育されている家畜動物等に用いられる。野生動物に対して固形餌が用いられるのは、以下のような背景がある。例えば、近年、日本において、狩猟人口の減少や高齢化に起因して、野生動物の個体数が急激に増加している。特に、シカ科、ウシ科、イノシシ科に属する野生動物の個体数増加は顕著であり、農業における農作物被害、林業における植林被害や樹皮剥ぎ被害、交通業における車両衝撃被害等、広範囲で人的被害が後を絶たない状況にある。
このような被害が発生するのは、野生動物の生息域に、人の産業活動が行われる敷地(以下、保護地という。)が存在し、この保護地内に野生動物が侵入することに起因する。保護地としては、例えば、田畑を有する敷地、林業に用いられる敷地、鉄道や道路等を有する敷地等である。
このような被害対策として、野生動物を保護地内に侵入するのを防止するために、例えば、特許文献1に草食動物侵入抑止柵が開示されている。
特許文献1に開示されている草食動物侵入抑止柵によれば、草食動物の侵入を抑止する機能を備えつつ、仮に草食動物が侵入した場合、緊急脱出が容易であり、かつ脱出時に柵が損傷しても路側に破損物が侵入することを効果的に防止することが可能となる。
しかしながら、このような従来の対策は、保護地と保護地域外との境界に設置されるため、その設置に時間が掛かるという問題点があった。
また、このような従来の対策がなされていた場合であっても、野生動物は、保護地内に侵入してくる場合がある。これは、野生動物の行動習性に起因している。以下には、野生動物として、反芻亜目に分類される、例えば、シカ科、ウシ科の野生動物(以下、対象動物という。)の行動習性を例示して説明する。
対象動物は、胃の中に共生させているバクテリア等の共生微生物を介して、草等から摂取されるセルロース等の食物繊維を分解して、発酵させている。対象動物は、食物繊維を分解して発酵させて生成された酢酸やプロピオン酸、酪酸等の低級脂肪酸を主とする有機物と、共生微生物とを吸収することによって、自らのエネルギー源としている。
また、対象動物は、胃の中で食物繊維を分解、発酵させることによって、胃の中の水素イオン濃度指数(pH)が低下した場合、共生微生物が活性化しにくくなる。このため、対象動物は、塩分や鉄分等のミネラル分を摂取することによって、共生微生物の活性化を促す。
このように共生微生物は、食物繊維を分解、発酵するのみならず、対象動物のエネルギー源となるため、対象動物にとって極めて重要な役割を担っている。このような共生微生物を胃の中に共生させる対象動物は、自らの生命維持に必要なものとして、草等の食物繊維を摂取するのみならず、ミネラル分を積極的に摂取しようとする。
しかしながら、対象動物は、自然環境において、草等から摂取されるセルロース等の食物繊維からミネラル分を十分に摂取することができず、また、土や樹皮等からこれらに含まれるミネラル分を摂取できるものの、その量は微量であるため、ミネラル分を十分に摂取することができない。
従って、対象動物は、ミネラル分が常に欠乏状態にあると考えられ、自らの生命維持に必要なものが保護地にある場合には、身体の安全を顧みず、保護地へ侵入してでも、食物繊維やミネラル分を摂取しようとする行動習性が見受けられる。
そこで対象動物の行動習性を利用して、草食動物用の固形餌を設置することによって、対象動物を保護地内に侵入するのを防止する対策が取られている。
草食動物用の固形餌は、塩分や鉄分等のミネラル分等が含まれている。固形餌は、対象動物がその生息域の外に出て栄養源を摂取することは稀であることから、対象動物の生息域内に設置されることが望ましい。対象動物の生息域内に設置された固形餌は、保護地外の地面に直接設置される。
固形餌は、対象動物に発見された場合には、ミネラル分を補給するために摂取し続けられる。その結果、対象動物を固形餌の周囲、即ち、保護地外に長時間(例えば、数時間程度)滞在させることが可能となる。
しかしながら、固形餌は、地面に直接設置されることによって、降雨や地面の水分を吸収することにより、溶解し易くなるという問題点があった。そして、固形餌は、水分により溶解されることで、その設置位置を判別できなくなってしまうという問題点があった。
また、固形餌は、特段地面に固定されるものではないため、対象動物に摂取し続けられることによって、その位置が移動してしまい、設置位置を判別できなくなってしまうという問題点があった。
このように固形餌は、その設置位置を判別できなくなってしまった場合には、対象動物の生息域を対象動物のフンや食痕、ヒヅメの跡等の位置に基づいて探索して、再度保護地外に設置される。また、固形餌は、対象動物に摂取し続けられて小さくなった場合や摂取し尽くされた場合には、再度保護地外に設置される。
しかしながら、固形餌を再度保護地外に設置するためには、改めて対象動物のフンや食痕、ヒヅメの跡等の位置に基づいて生息域を探索する必要がある。このため、固形餌は、設置位置を判別できなくなってしまった場合には、対象動物の生息域を発見するのに多大な労力を要し、その設置位置を改めて探す手間が生じてしまうという問題点があった。
そして、固形餌は、地面に直接設置されることによって、対象動物以外の野生動物に尿等によりマーキングされた場合、対象動物を近づきにくくさせてしまうため、対象動物を固形餌の周囲に滞在させる効果を有意に発揮することができなくなるという問題点があった。
また、飼育されている家畜動物に対して固形餌を用いる場合であっても同様に、地面に直接設置されることで水分により溶解し易くなるという問題点があった。また、特段地面に固定されるものではないため、家畜動物に摂取し続けられることによって、その位置が移動してしまい、設置位置を判別できなくなってしまうという問題点があった。
草食動物用の固形餌は、これを設置するものとして、樹脂等からなるザルやカゴが用いられる場合がある。
しかしながら、このようなザルやカゴは、地面に固定されていないため、当初の設置位置から移動してしまうという問題点があった。
従って、草食動物用の固形餌を設置する草食動物用固形餌設置装置として、固形餌が水分により溶解するのを抑制することができ、固形餌の設置位置を容易に判別できるものが求められている。
特開2015−77075号公報
そこで、本発明は、上述した問題点に鑑みて案出されたものであり、その目的とするところは、草食動物用の固形餌が溶解するのを抑制することが可能となり、固形餌の設置位置を容易に判別することが可能となる草食動物用固形餌設置装置を提供することにある。
第1発明に係る草食動物用固形餌設置装置は、草食動物用の固形餌を設置する草食動物用固形餌設置装置であって、下側が地面に埋設された支柱と、前記支柱に取り付けられて前記固形餌を収容する一部が開放された収容容器と、前記収容容器の内部に設けられる間隔保持材とを備え、前記収容容器は、下端側に開口部が形成され、前記間隔保持材は、前記固形餌を支持する支持部を有し、前記固形餌が前記支持部に下方から支持されて、前記固形餌と前記収容容器との間に前記開口部に連通される間隔空間が形成されることを特徴とする。
第2発明に係る草食動物用固形餌設置装置は、第1発明において、前記収容容器は、上端が開放された上端開放部が形成され、前記間隔保持材は、前記間隔空間が前記上端開放部から前記開口部まで連通されて形成されることを特徴とする。
第3発明に係る草食動物用固形餌設置装置は、第1発明又は第2発明において、前記間隔保持材は、前記収容容器に着脱自在とされることを特徴とする
第4発明に係る草食動物用固形餌設置装置は、第1発明又は第2発明において、前記間隔保持材は、前記収容容器に一体化されることを特徴とする。
第5発明に係る草食動物用固形餌設置装置は、第1発明〜第4発明の何れかにおいて、前記支持部は、前記固形餌に線接触又は点接触されることを特徴とする。
第6発明に係る草食動物用固形餌設置装置は、第1発明〜第5発明の何れかにおいて、前記収容容器は、設置高さが0.4m以上であり、1.0m以下とされていることを特徴とする。
第7発明に係る草食動物用固形餌設置装置は、第1発明〜第6発明の何れかにおいて、前記収容容器は、前記開口部から前記固形餌の下端部が突出されることを特徴とする。
第8発明に係る草食動物用固形餌設置装置は、第1発明〜第7発明の何れかにおいて、前記収容容器は、前記支持部が設けられる底板と、前記底板から上方に延びて形成される側板とを有し、前記側板が前記固形餌から離間されることを特徴とする。
第9発明に係る草食動物用固形餌設置装置は、第8発明において、前記収容容器は、前記側板が傾斜されて内部が下方から上方に向かうにつれて拡幅されることを特徴とする。
第10発明に係る草食動物用固形餌設置装置は、第8発明又は第9発明において、前記間隔保持材は、前記側板に係止部を有し、前記固形餌が前記係止部に側方から係止されることを特徴とする。
第11発明に係る草食動物用固形餌設置装置は、第10発明において、前記係止部は、前記側板の下端側に配置されることを特徴とする。
第12発明に係る草食動物用固形餌設置装置は、第1発明〜第11発明の何れかにおいて、前記支柱に着脱可能に取り付けられて、前記収納容器に取り付けられる取付部材を更に備え、前記取付部材は、前記支柱を挟んで両側の端部に平面視で互いに近づくように傾斜した傾斜部が形成されることを特徴とする。
第1発明〜第12発明によれば、収容容器は、下端側に開口部が形成され、間隔保持材は、固形餌を支持する支持部を有し、固形餌が支持部に下方から支持されて、固形餌と収容容器との間に開口部に連通される間隔空間が形成されることにより、水分が間隔空間を通り、開口部から排出することが可能となる。その結果、固形餌が水分により溶解するのを抑制することが可能となる。
また、第1発明〜第12発明によれば、固形餌を収容する収容容器が支柱に取り付けられることによって、固形餌を収容容器に収容したとき、固形餌が積雪や落ち葉等により埋没するのを防止することが可能となり、その設置位置の認識が容易となる。
また、第1発明〜第12発明によれば、下側が地面に埋設される支柱に、収容容器が取り付けられることによって、固形餌を対象動物が摂取したときに、固形餌が移動することがなく、その設置位置の認識が容易となる。
第2発明〜第12発明によれば、上端開放部から収容容器の内部に向けて流入された水分が、間隔空間を通り、開口部から排出されるため、降り注いだ雨水等の水分を収容容器の内部に滞留させることなく、収容容器の外部に効率よく排出されるものとなる。このため、収容容器に収容された固形餌が雨水等の水分により溶解するのをより効果的に抑制することが可能となる。
第3発明、第5発明〜第12発明によれば、間隔保持材が、収容容器に着脱自在とされていることによって、任意の機会に間隔保持材を収容容器から取り外すことができる。このため、収容容器と取り外した間隔保持材とを例えば水洗いすることで、一部溶解した固形餌の欠片を収容容器及び間隔空間から容易に除去することが可能となる。
第4発明〜第12発明によれば、間隔保持材が、収容容器に一体化されていることによって、収容容器が一層高い剛性を有することになるため、固形餌の重量や、対象動物が固形餌を摂取するときに作用する力等によって、間隔保持材及び間隔保持材が一体化された収容容器の破損をより効果的に防止することが可能となる。
第5発明〜第12発明によれば、収容容器に収容された固形餌の空気に触れる露出面積が増加するため、雨水等の水分を吸収した固形餌の自然乾燥を早めることが可能となる。
第6発明〜第12発明によれば、対象動物ではない対象外動物が固形餌に容易に尿等によりマーキングするのを防止することが可能となり、対象動物が固形餌を摂取するのを促すことが可能となる。
第7発明〜第12発明によれば、収容容器の開口部から固形餌の下端部が突出されることにより、対象動物の成獣よりも体高の低い対象動物の幼獣であっても、開口部から下方に突出される固形餌の下端部側から固形餌を摂取することができる。このため、第7発明〜第12発明によれば、その周囲に対象動物の成獣と幼獣とを滞在させることが可能となる。
第8発明〜第12発明によれば、収容容器は、支持部が設けられる底板と、底板から上方に延びて形成される側板とを有し、側板が固形餌から離間されることにより、固形餌に付着した雨水や唾液等の水分が開口部に向けて流れやすくなる。このため、第8発明〜第12発明によれば、固形餌に雨水や唾液等の水分が収容容器の内部に滞留するのを防止するものとなり、固形餌が溶解するのを抑制することが可能となる。
第9発明〜第12発明によれば、収容容器は、側板が傾斜されて内部が下方から上方に向かうにつれて拡幅されることにより、収容容器に固形餌を収容し易くすることが可能となる。
第10発明〜第12発明によれば、前記間隔保持材は、前記側板に係止部を有し、前記固形餌が前記係止部に側方から係止されることにより、対象動物が固形餌を摂取したとしても、収容容器の内部に安定した状態で固形餌を収容することが可能となる。
第11発明〜第12発明によれば、係止部は、側板の下端側に配置されることにより、収容容器に固形餌を収容する際に係止部に阻害されることなく、固形餌を収容し易くすることが可能となり、収容容器に固形餌を収容したときに固形餌を係止部に係止させることで、対象動物が固形餌を摂取したとしても、収容容器の内部に安定した状態で固形餌を収容することが可能となる。
第12発明によれば、支柱に着脱可能に取り付けられて、収納容器に取り付けられる取付部材を備え、取付部材は、支柱を挟んで両側の端部に平面視で互いに近づくように傾斜した傾斜部が形成されることによって、支柱の両側方に目隠しや障害物となる面材が取り付けられて領域の内側と外側を隔てるもの、例えば草食動物を捕獲する捕獲装置や野生動物が保護地内への侵入を防止する草食動物侵入抑止柵やフェンス等に設置される場合に、支柱と面材との間に形成される隙間を小さくし、面材による目隠しや隙間からの侵入防止機能をより有意に発揮させることが可能となる。
本発明を適用した草食動物用固形餌設置装置を示す図である。 本発明を適用した草食動物用固形餌設置装置を示す斜視図である。 本発明を適用した草食動物用固形餌設置装置のうち、収容容器と間隔保持材とを示す斜視図である。 (a)は、図3の平面図であり、(b)は、図3の正面断面図である。 本発明を適用した草食動物用固形餌設置装置のうち、間隔保持材を示す斜視図である。 (a)は、本発明を適用した草食動物用固形餌設置装置のうち、一方の挟持部材と係止部材とを示す平面図であり、(b)は、その正面図である。 本発明を適用した草食動物用固形餌設置装置のうち、他方の挟持部材を示す斜視図である。 本発明を適用した草食動物用固形餌設置装置を示す平面図である。 図8の側面図である。 本発明を適用した草食動物用固形餌設置装置に設置された固形餌に対する対象動物と対象外動物の高さを示す図である。 本発明を適用した草食動物用固形餌設置装置に設置された固形餌を対象動物が摂取する状態を示す図である。 本発明を適用した草食動物用固形餌設置装置を示す正面断面図であり、間隔保持材による作用効果を説明するための図である。 本発明を適用した草食動物用固形餌設置装置のうち、間隔保持材の変形例を示す図である。 本発明を適用した草食動物用固形餌設置装置を示す正面断面図であり、(a)は、間隔保持材が固形餌に線接触する場合の変形例を示す図であり、(b)は、間隔保持材が固形餌に面接触する場合の変形例を示す図である。 本発明を適用した草食動物用固形餌設置装置のうち、間隔保持材の他の変形例を示す図である。 本発明を適用した草食動物用固形餌設置装置を示す正面断面図であり、間隔保持材が固形餌に点接触する場合の変形例を用いた図である。 本発明を適用した草食動物用固形餌設置装置の変形形態を示す斜視図である。 本発明を適用した草食動物用固形餌設置装置の変形形態のうち、収容容器と間隔保持材を示す図であり(a)は、その平面図であり、(b)は、その断面図である。 本発明を適用した草食動物用固形餌設置装置の変形形態のうち、取付部材の斜視図である。 本発明を適用した草食動物用固形餌設置装置の変形形態を示す側面図である。 本発明を適用した草食動物用固形餌設置装置の変形形態において、収容容器に固形餌を収容した状態を示す側面図である。 本発明を適用した草食動物用固形餌設置装置の変形形態において、対象動物の成獣と幼獣が固形餌を摂取する状態を示す図である。 本発明を適用した草食動物用固形餌設置装置の変形形態が設けられる捕獲装置を示す図である。
以下、本発明を適用した草食動物用固形餌設置装置を実施するための形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1及び図2は、本発明を適用した草食動物用固形餌設置装置1を示す図である。なお、以下の説明において、草食動物用固形餌設置装置1は、設置装置1と表記する。
設置装置1は、草食動物用の固形餌9を設置するために用いられる。設置装置1は、例えば、固形餌9を摂取する対象動物8の生息域内であって、人の産業活動が行われる敷地(以下、保護地という。)の外に局所的に設置される。保護地は、例えば、田畑を有する敷地、林業に用いられる敷地、鉄道や道路等を有する敷地等である。
対象動物8は、例えば、中型、大型の野生動物が想定されるが、この他に、飼育されている家畜動物等であってもよい。対象動物8は、例えば、シカ科では、特にシカ属のニホンジカに分類される、エゾシカ、ホンシュウジカ、キュウシュウジカ、マゲシカ、ヤクシカ、ケラマジカ、ツシマジカ等が該当し、ホエジカ属に分類される、キョンも該当する。また、この対象動物8は、ウシ科では、特にカモシカ属に分類されるニホンカモシカ等やウシ属に分類される各種ウシ等が該当する。また、対象動物8は、ヒツジ、ウマ、ヤギ等であってもよい。
固形餌9は、草食動物が摂取する餌であって、塩分や鉄分等のミネラル分等が含まれている。固形餌9は、直方体形状に形成されて、その重量は、例えば5kg程度で構成される。なお、固形餌9は、直方体形状のものとしたが、例えば、円柱状や、球状で構成されてもよく、その形状は如何なる形状で構成されるものであってもよい。また、固形餌9は、その重量についても特に限定されるものではない。なお、固形餌9は、固形状に形成されるものであればよく、例えば、牧草等を主成分としたペースト状の餌を固めることにより固形状に形成されるものであってもよい。
設置装置1は、支柱2と、支柱2に取り付けられて固形餌9を収容する一部が開放された収容容器3と、収容容器3の内部に設けられて固形餌9と収容容器3との間に間隔空間Vを形成するための間隔保持材62と、支柱2に着脱可能に取り付けられて、収容容器3に取り付けられる取付部材4と、取付部材4に取り付けられて、収容容器3を嵌め入れ可能に形成される係止部材49と、を備える。
支柱2は、上下方向に向けて延長されて、その下側が地面Gに埋設されている。支柱2は、鋼材で構成されて、円筒状に形成されている。なお、この支柱2は、その形状が円筒状に限定されず、角筒状等に如何なるものであってもよい。また、支柱2は、その材質が鋼材に限定されず、アルミニウム、真鍮等のようにあらゆる種類の金属や樹脂、木材などで構成されてもよい。
図3は、本発明を適用した設置装置1のうち、収容容器3と間隔保持材62とを示す斜視図である。また、図4(a)は、図3の平面図であり、(b)は、図3の断面図である。図5は、本発明を適用した設置装置1のうち、間隔保持材62を示す斜視図である。
収容容器3は、樹脂で構成される。収容容器3は、上方に向かうにつれて互いに拡がるようにして傾斜して形成された2枚の底板31と、2枚の底板31を互いに連結する2枚の側板32、33とを有する。この収容容器3は、上端が開放された平面視矩形状の上端開放部3aが形成される。なお、収容容器3は、樹脂で構成されるものを例示したが、例えば、鋼材、アルミニウム、真鍮等のようにあらゆる種類の金属や木材などで構成されてもよい。
収容容器3は、下端側に開口部Wが形成されている。開口部Wは、収容容器3の内部から水を抜くことができるほか、対象動物8の唾液等の水分等を外部に排出することもできる。この開口部Wは、2枚の底板31を互いに間隔を空けることによってスリット31aと、側板32、33の下端がそれぞれ矩形状に切り欠かれた切欠部321、331とで構成される。なお、開口部Wは、如何なる形状で形成されてもよく、固形餌9よりも径小であることが好ましい。
底板31は、平面視で矩形状に形成される。底板31は、スリット31aの延長方向の両端に2枚の側板32、33が設けられている。
底板31は、図4(b)に示すように、傾斜部分の中央付近に、底板31の下面から上面に向けて窪ませた窪み部311が形成される。この窪み部311は、図4(a)に示すように、一方の側板32から他方の側板33に向けて延長される。
2つの側板32、33は、図3に示すように、それぞれ底板31から鉛直上方に向けて延長されている。
一方の側板32は、図4(b)に示すように、円形状の孔320が4か所に形成される。一方の側板32は、その上辺が水平方向に向けて延長されている。また、一方の側板32は、その下辺が底板31の形状に沿って形成されて底板31と一体成形されている。一方の側板32は、その下端に矩形状に切り欠かれた切欠部321が形成される。なお、孔320は、形状について特に限定されず、また、その数量は、如何なる数量であってもよい。
他方の側板33は、図3に示すように、その上辺が水平方向に向けて延長されて中央付近が半円形状に切り欠かれている。また、他方の側板33は、その下辺が底板31の形状に沿って形成されて底板31と一体成形されている。他方の側板33は、その下端に矩形状に切り欠かれた切欠部331が形成される。
間隔保持材62は、樹脂で構成されるが、これに限定されることなく、例えば、鋼材、アルミニウム、真鍮等のようにあらゆる種類の金属や木材などで構成されてもよい。
間隔保持材62は、収容容器3の底板31に着脱自在とされ、長方形状の板材で構成される複数(図示では2枚)の支持部63と、複数の支持部63を連結する長方形状の板材で構成される複数(図示では2枚)の連結部64とを有する。間隔保持材62は、支持部63が如何なる数量であってもよく、また連結部64も如何なる数量であってもよい。
間隔保持材62は、図5に示すように、井桁状に形成され、2枚の支持部63が互いに所定の距離だけ離間されて、離間された2枚の支持部63が2枚の連結部64で連結される。
間隔保持材62は、支持部63の上端側の2か所に図示しない切り欠きが設けられて、また連結部64の下端側の2か所に図示しない切り欠きが設けられて、その図示しない支持部63の切り欠きが図示しない連結部64の切り欠きに嵌め込まれることにより連結される。このように、支持部63及び連結部64は、板材が用いられ、それぞれに切り欠きを設けるだけであるため、安価に加工することが可能となる。また、支持部63及び連結部64の組み立て前は、4枚の板材であるため、この4枚の板材をまとめることで、保護地までの運搬を容易に行うことが可能となる。加えて、支持部63及び連結部64は、それぞれの図示しない切り欠き同士を嵌め込むだけで組み立てられるため、その組み立ても容易に行うことが可能となる。
なお、支持部63にのみ図示しない切り欠きを設け、その図示しない支持部63の切り欠きに板材で構成された連結部64を嵌め込んで組み立ててもよい。また、支持部63には切り欠きを設けず、連結部64にのみ図示しない切り欠きを設け、連結部64の図示しない切り欠きに板材で構成された支持部63を嵌め込んで組み立ててもよい。
なお、間隔保持材62は、支持部63と連結部64とが独立した複数の部材を用いてこれらを組み立てるものに限定されず、支持部63と連結部64とが一体成型されるものであってもよい。。
間隔保持材62は、所定の高さh1を有し、例えば、高さh1が5mm以上であり、望ましくは20mm程度とされている。間隔保持材62は、図4(b)に示すように、上端開放部3aから開口部Wまで連通される間隔空間Vが収容容器3の底板31の上側に形成される。
間隔保持材62は、支持部63の下端部の略中央付近が一部切り欠かれた切欠部63aが形成され、この切欠部63aが底板31の窪み部311に引っ掛けられて、底板31の上側に設けられる。切欠部63aは、その高さh2が、例えば5mm程度とされている。
なお、間隔保持材62は、収容容器3の内部に着脱自在とされるものに限定されず、収容容器3に一体成型されて一体化されてもよいし、接着剤等で固着されて一体化されてもよい。
取付部材4は、図2に示すように、支柱2を挟持する2つの挟持部材41、42と、2つの挟持部材41、42をボルト51及びナット52により締結する締結部材5と、締結部材5と収容容器3との間に介装される添接板6とで構成される。
2つの挟持部材41、42は、その材質が鋼材で構成されるものとするが、その材質について特に限定されず、アルミニウム、真鍮等のようにあらゆる種類の金属や樹脂等で構成されてよい。
図6(a)は、本発明を適用した草食動物用固形餌設置装置のうち、一方の挟持部材と係止部材とを示す平面図であり、図6(b)は、その正面図である。
一方の挟持部材41は、図6(a)及び図6(b)に示すように、1枚の鋼板からなり、断面形状が円形状の孔410が4か所に形成されるとともに、面内方向に対して鉛直方向に向けて延長された長方形状の取付部411と、取付部411の両側端から取付部411に対して直交方向に向けてそれぞれ折り曲げられて形成された2つの側部412とを有する。即ち、一方の挟持部材41は、平面視での形状がいわゆるコの字状に形成される。
取付部411は、平面視で中央付近に、取付部411の面外方向に向けて、即ち、取付部411の外側から内側に向けて窪ませた当接部413が形成される。この当接部413は、図6(b)に示すように、上下方向に延長されて面状に形成される。また取付部411は、長手方向が水平方向に向けて延長されて形成される。
側部412は、図6(a)に示すように、取付部411側の端部とは反対側の端部から側部412に対して直交方向に向けて折り曲げられた受け部414が形成される。
図7は、本発明を適用した設置装置1のうち、他方の挟持部材42を示す斜視図である。
他方の挟持部材42は、1枚の鋼板からなり、断面形状が円形状の孔420が4か所に形成されるとともに、面内方向に対して鉛直方向に向けて延長された長方形状の対向部421と、対向部421の上端から対向部421に対して直交方向に向けて折り曲げられて形成された上部422と、対向部421の下端から対向部421に対して直交方向に向けて折り曲げられて形成された下部423と、を有する。この対向部421は、長手方向が水平方向に向けて延長されている。他方の挟持部材42は、対向部421の長手方向に沿った鉛直断面形状がいわゆるコの字状に形成される。
上部422は、面内方向に対して水平方向に向けて延長されており、平面視で長方形状に形成される。上部422は、長手方向の中央付近に、平面視でU字状に切り欠かれた切欠部422aが形成される。
下部423は、面内方向に対して水平方向に向けて延長されており、平面視で長方形状に形成される。下部423は、長手方向の中央付近に、平面視でU字状に切り欠かれた切欠部423aが形成される。
添接板6は、図2に示すように、面内方向に対して鉛直方向に向けて延長された長方形状の鋼板で構成される。添接板6は、円形状の孔61が4か所に形成される。なお、添接板6は、その材質が鋼材で構成されるものとするが、その材質について特に限定されず、アルミニウム、真鍮等のようにあらゆる種類の金属や樹脂等で構成されてもよい。また、孔61は、円形状に形成されるものとするが、その形状は矩形状や角形状で構成されるものであってもよい。また、孔61は、その数量について特に限定されるものではない。
係止部材49は、図6(a)に示すように、断面形状が円形状の鋼棒で構成される。なお、係止部材49は、その材質が限定されるものではなく、如何なる材質のものであってもよい。また、係止部材49は、その断面形状が円形状に限定されず、例えば、矩形状や角形状で構成されるものであってもよい。
係止部材49は、平面視でコの字状に折り曲げられて形成される。係止部材49は、両端部がそれぞれ2つの側部412に溶接により取り付けられて、平面視で側部412の延長方向と略平行に向けて延長される2つの底板係止部49aと、2つの底板係止部49aを互いに連結する側板係止部49bとを有する。
なお、図示は省略するが、本発明では、側板係止部は、2つの底板係止部を互いに連結するものでなく、2つの底板係止部の端部からそれぞれ折り曲げられて2つの側板係止部が形成されるものであってもよい。かかる場合には、即ち、2つの側板係止部が互いに離間された状態とされている。かかる場合においても、例えば、動物等が接触したとき、側板係止部が側板を係止するため、収容容器が底板係止部の延長方向に向けて脱落するのを防止するとともに、収容容器が変形するのを防止することが可能となる。
図8は、本発明を適用した設置装置1の収容容器3が取付部材4を介して支柱2に取り付けられた状態を示す平面図であり、図9は、その側面図である。
設置装置1は、一方の挟持部材41の取付部411と、他方の挟持部材42の対向部421と、を互いに対向させて支柱2に取り付けられる。このとき、設置装置1は、一方の挟持部材41の当接部413と、他方の挟持部材42の切欠部422a、423aとが支柱2に当接されるとともに、取付部411の各孔410と、対向部421の各孔420とがそれぞれ位置合わせされている。
また、設置装置1は、一方の挟持部材41の取付部411と収容容器3の側板32とが当接されるとともに、取付部411の各孔410と、側板32の各孔320とがそれぞれ位置合わせされている。
設置装置1は、このように互いに位置合わせされた、取付部411の各孔410、対向部421の各孔420及び側板32の各孔320に、ボルト51の軸をそれぞれ挿通させて、ボルト51の軸先端に、ナット52を螺着させる。なお、設置装置1は、ボルト51の頭と側板32との間に添接板6が介装されて、添接板6の各孔61と側板32の各孔320とがそれぞれ位置合わせされている。この添接板6を介装させることによって、ボルト51を締結したとき、ボルト51の頭から側板32との間に作用する力を分散させて、側板32に伝達することが可能となる。なお、この添接板6の構成は、省略されてもよい。
設置装置1は、上述したようなボルト51とナット52とを締結したとき、支柱2が一方の挟持部材41の当接部413及び他方の挟持部材42の切欠部422a、423aとに挟持されて、支柱2に対して押圧力が作用することによって、取付部材4が支柱2に取り付けられるものとなる。このとき、設置装置1は、収容容器3が一方の挟持部材41にボルト51を介して取り付けられているため、収容容器3が取付部材4を介して支柱2に取り付けられるものとなる。
また、設置装置1は、ボルト51とナット52とを締結したとき、側部412の受け部414が、対向部421に当接されていることによって、対向部421から側部412に作用する力を分散させて、側部412に伝達することが可能となる。
設置装置1は、収容容器3が、収容容器3を嵌め入れ可能に形成される係止部材49に係止されており、係止部材49の側板係止部49bが、側板33に当接されている。
また、設置装置1は、図8に示すように、一方の側板32から他方の側板33に向けて延長された窪み部311が、係止部材49の底板係止部49aに線接触された状態で係止されている。
なお、設置装置1は、窪み部311が係止部材49の底板係止部49aに線接触されていることが望ましいが、窪み部311が係止部材49からわずかに上方に離間されていてもよい。また、本発明では、窪み部311と側板33とが、それぞれ係止部材49にわずかに離間されていてもよい。即ち、収容容器が係止部材に嵌め入れられているとは、収容容器と、係止部材とが当接されている状態のみならず、収容容器と、係止部材とがわずかに離間されている状態も含むものとする。このような場合であっても、収容容器に鉛直方向、又は水平方向から荷重が作用したとき、収容容器を係止部材によって係止することが可能となるからである。
次に本発明を適用した設置装置1の作用効果について説明する。
本発明を適用した設置装置1は、図1及び図2に示すように、固形餌9を収容する収容容器3が、支柱2に取り付けられることによって、固形餌9を収容容器3に収容したとき、固形餌9が積雪や落ち葉等により埋没するのを防止することが可能となり、その設置位置の認識が容易となる。
設置装置1は、支柱2の下側が地面Gに埋設されることによって、固形餌9を対象動物8が摂取したとき、支柱2の位置が変わることなく収容容器3に固形餌9を収容することが可能となり、固形餌9の設置位置を容易に判別することが可能となる。
設置装置1は、収容容器3の一部が開放されているため、対象動物8が固形餌9を容易に摂取することが可能となる。設置装置1は、収容容器3の上端開放部3aが形成されることによって、固形餌9を上方から容易に収容容器3に設置することが可能となる。設置装置1は、収容容器3に収容された固形餌9を対象動物8が摂取したとき、固形餌9が2枚の底板31と、2枚の側板32、33とに係止されることによって、固形餌9が収容容器3から脱落するのを防止することが可能となる。
設置装置1は、図8及び図9に示すように、取付部材4に取り付けられる係止部材49を備え、係止部材49が収容容器3を嵌め入れ可能に形成されて、収容容器3が係止部材49に係止される。
設置装置1は、特に、窪み部311が係止部材49の底板係止部49aに線接触されて係止される。このため、設置装置1は、対象動物8が固形餌9を摂取したときや対象動物8や対象外動物7が収容容器3に接触したとき、平面視で底板係止部49aの延長方向に直交する方向に、収容容器3が支柱2から脱落するのを防止することが可能となるとともに、収容容器3が変形するのを防止することが可能となる。
また、設置装置1は、側板33に側板係止部49bが当接されている。このため、設置装置1は、対象動物8が固形餌9を摂取したときや対象動物8や対象外動物7が収容容器3に接触したとき、側板33が側板係止部49bに係止されることとなる。その結果、設置装置1は、平面視で底板係止部49aの延長方向に、収容容器3が支柱2から脱落するのを防止することが可能となるとともに、収容容器3が変形するのを防止することが可能となる。
設置装置1は、図8に示すように、ボルト51とナット52との締結させることによって、当接部413と、切欠部422a、423aの間で支柱2に押圧力を作用させて、収容容器3を支柱2に取り付けることが可能となるものである。
また、設置装置1は、ボルト51とナット52との締結を緩めることによって、当接部413と、切欠部422a、423aの間で支柱2に作用する押圧力を弱めることで、収容容器3を支柱2から取り外すことが可能となるものである。
即ち、取付部材4は、支柱2に着脱可能に取り付けられるものとなる。このため、設置装置1は、固形餌9を収容する収容容器3が取付部材4を介して、支柱2に対して高さ調整が可能に取り付けられるものとなる。
ここで、図10に示すように、対象動物8の成獣の肩高をH1としたとき、設置装置1は、収容容器3の高さを任意の対象動物8の成獣の肩高H1に合わせて設定することができる。換言すれば、設置装置1は、対象動物8の個体差によって制限されることなく、対象動物8が固形餌9を摂取しやすい高さに任意に設定することが可能となる。つまり、対象動物8が、例えば、エゾシカの場合には、肩高H1を1.0m程度に設定することや、エゾシカよりも比較的小型なホンシュウジカの場合には、例えば、肩高H1を0.8m程度に設定することが可能となる。一方で、収容容器3の設置高さを、対象動物8の成獣の肩高H1以上に設定してしまうと、例えば、1.0mより高く設定してしまうと、対象動物8が固形餌9を摂取することができない。
対象動物8ではない対象外動物7の成獣の肩高をH2としたとき、収容容器3の高さを対象外動物7の成獣の肩高H2よりも高くするように設定することが可能となる。これにより、設置装置1は、対象動物8以外の対象外動物7が固形餌9に容易に尿等によりマーキングされるのを防止することが可能となり、対象動物8が固形餌9を摂取するのを促すことが可能となる。その結果、固形餌9が設置された設置装置1の周囲に対象動物8を滞在させることが可能となる。
なお、ここでいう対象動物8ではない対象外動物7は、対象動物8よりも小型の野生動物が想定されており、例えば、ホンドギツネやキタキツネ等を指すものとする。つまり、対象動物8ではない対象外動物7が、例えば、キタキツネの場合には、肩高H2を0.4m程度として、収容容器3の設置高さを肩高H2よりも高く設定することが可能となる。一方で、収容容器3の設置高さを、対象外動物7の成獣の肩高H2以下に設定してしまうと、例えば、0.4m未満に設定してしまうと、対象外動物7が固形餌9にマーキング等してしまい、対象動物8が固形餌9を摂取することができない。
また、収容容器3の高さを任意に設定できることによって、例えば、積雪や落ち葉等によって地面Gの高さが相対的に上昇したとき、その上昇した地面Gに合わせて、対象動物8にとって固形餌9を摂取しやすい最適な高さに再度設定することが可能となる。
設置装置1は、図11に示すように、収容容器3が上方に向かうにつれて互いに拡がるようにして傾斜して形成された2枚の底板31を有することによって、直方体形状の固形餌9を収容容器3に収容したときに、固形餌9の上面92が傾斜して山なりに配置されることとなる。
その結果、設置装置1は、対象動物8が固形餌9を摂取したときに、対象動物8の固形餌9を両側から摂取することが可能となる。即ち、設置装置1は、複数の対象動物8が同時に固形餌9を摂取することが可能となり、対象動物8を固形餌9付近に滞在させる効果をより有意に発揮することが可能となる。
設置装置1は、図12に示すように、収容容器3の内部に固形餌9を収容したとき、間隔保持材62の支持部63が直方体形状の固形餌9の下面91を下方から支持するものとなる。
このとき、設置装置1は、収容容器3の内部に設けられる間隔保持材62が、固形餌9を支持する支持部63を有し、固形餌9が支持部63に下方から支持されて、固形餌9と収容容器3との間に開口部Wに連通される間隔空間Vが収容容器3の底板31の上側に形成される。即ち、設置装置1は、固形餌9の下面91が収容容器3の底板31から離間した状態を保持することができる。
設置装置1は、例えば、5kg程度の重量を有する固形餌9を収容容器3の内部に収容したときや、対象動物8が固形餌9の上面92を舐めるように摂取したとき、固形餌9から間隔保持材62の支持部63に向けて力が作用するものとなる。このとき、設置装置1は、2つの支持部63が連結部64により連結されることで、間隔保持材62の剛性が高められるため、間隔保持材62が破損するのを防止することが可能となる。
設置装置1は、固形餌9の上面92が傾斜して配置されることによって、雨が降ったとき、固形餌9に降り注いだ雨水が上面92の傾斜に沿って、図中矢印P方向に流されるものとなる。また、設置装置1は、対象動物8が固形餌9の上面92を舐めて摂取したとき、対象動物8から唾液が分泌され、この唾液が固形餌9の上面92の傾斜に沿って、図中矢印P方向に流されるものとなる。
これにより、設置装置1は、固形餌9の上面92に雨水や唾液等の水分が滞留するのを防止するものとなるため、固形餌9が溶解するのを抑制することが可能となる。
設置装置1は、固形餌9の上面92で図中矢印P方向に向けて流された水分や収容容器3に降り注いだ雨等が、収容容器3の上端開放部3aから図中矢印Q方向に向けて収容容器3の内部に流入されるものとなる。
設置装置1は、収容容器3の底板31と固形餌9の下面91との間に間隔空間Vが形成され、この間隔空間Vが上端開放部3aから開口部Wまで連通される。これにより、設置装置1は、上端開放部3aから図中矢印Q方向に収容容器3の内部に向けて流入された水分が、間隔空間Vを通り図中矢印R方向に向けて流され、開口部Wから図中矢印S方向に向けて排出されることとなる。
このように、設置装置1は、間隔空間Vが上端開放部3aから開口部Wまで連通されることによって、降り注いだ雨水等の水分を収容容器3の内部に滞留させることなく、収容容器3の外部に効率よく排出されるものとなる。このため、設置装置1は、収容容器3に収容された固形餌9が雨水等の水分により溶解するのをより効果的に抑制することが可能となる。
設置装置1は、水分が上端開放部3aから流入されるだけでなく、例えば、昼夜の寒暖差等によって底板31の上面等に結露が発生する場合がある。かかる場合であっても、設置装置1は、少なくとも間隔保持材62の間隔空間Vが開口部Wに連通されていることにより、底板31の上面に発生した結露等の水分が固形餌9に接触されることなく、間隔空間Vを通り図中矢印R方向に向けて流されて、開口部Wから図中矢印S方向に向けて水分を排出することが可能となる。その結果、固形餌9が溶解するのを抑制することが可能となる。
設置装置1は、収容容器3の内部に固形餌9を収容したとき、板材で構成される支持部63と連結部64とが固形餌9の下面91にそれぞれ線接触されるものとなる。これにより、設置装置1は、収容容器3の底板31に直接固形餌9の下面91が設けられる場合と比較して、収容容器3に収容された固形餌9の空気に触れる露出面積が増加するため、雨水等の水分を吸収した固形餌9の自然乾燥を早めることが可能となる。その結果、固形餌9が溶解するのを抑制することが可能となる。なお、ここでいう線接触とは、板材で構成される支持部63及び連結部64の端面が固形餌に接することをいう。
設置装置1は、収容容器3に固形餌9を設置して長期間(例えば、数か月程度)使用することにより、雨水等により一部溶解した固形餌9の欠片が間隔空間Vに脱落したり、開口部Wの一部に付着したりする場合がある。かかる場合には、設置装置1は、一部溶解した固形餌9の欠片が開口部Wに付着する前と比較して、収容容器3の内部から水分を排出する能力がわずかに低下することがある。
設置装置1は、間隔保持材62が収容容器3の底板31に着脱自在に設けられることによって、任意の機会に間隔保持材62を収容容器3から取り外すことができる。このため、設置装置1は、収容容器3と取り外した間隔保持材62とを例えば水洗いすることで、一部溶解した固形餌9の欠片を間隔空間Vや開口部Wから容易に除去することが可能となる。その結果、設置装置1は、収容容器3の開口部Wから水分を排出する能力がわずかに低下する前の元の状態に容易に戻すことが可能となる。
設置装置1は、切欠部63aが底板31の窪み部311に引っ掛けられて、底板31の上側に設けられることにより、間隔保持材62を収容容器3に着脱するとき、その着脱を容易に行うことが可能となる。
設置装置1は、間隔保持材62が収容容器3に着脱自在に設けられる構成に限定されるものではなく、例えば、間隔保持材62が収容容器3に一体成型されて一体化されてもよいし、接着剤等で固着されて一体化されてもよい。このとき、設置装置1は、間隔保持材62が収容容器3に着脱自在に設けられる場合と比較して、間隔保持材62が一体化された収容容器3の方が、一層高い剛性を有することになる。
このため、設置装置1は、収容容器3に固形餌9を長期間(例えば、数か月程度)設置した場合、固形餌9の重量や、対象動物8が固形餌9を摂取するときに作用する力等によって、間隔保持材62及び間隔保持材62が一体化された収容容器3の破損をより効果的に防止することが可能となる。その結果、設置装置1は、間隔空間Vを確保することが可能となり、固形餌9が溶解するのを抑制する効果を持続させることが可能となる。
また、設置装置1は、間隔保持材62が収容容器3に一体化されることにより、部材数を低減させることが可能となる。このため、設置装置1は、現場での設置作業が容易となり、製造コストも低減することが可能となる。
図13は、本発明を適用した設置装置1のうち、間隔保持材62の変形例を示す図である。図14は、本発明を適用した設置装置1を示す正面断面図であり、間隔保持材の変形例を用いた図である。
間隔保持材62は、図13に示すように、板材で構成される複数(図示では2枚)の支持部63と、複数の支持部63の端部を連結する1枚の板材で構成される連結部64とを有するものであってもよい。間隔保持材62は、連結部64の面部に対して2枚の支持部63が直交するように一体成型されている。
設置装置1は、図14(a)に示すように、板材で構成される支持部63が固形餌9の下面91に線接触されるようにして、間隔保持材62が収容容器3の内部に設けられる。これにより、設置装置1は、収容容器3に収容された固形餌9の空気に触れる露出面積が増加するため、雨水等の水分を吸収した固形餌9の自然乾燥を早めることが可能となる。
設置装置1は、収容容器3と固形餌9との間に間隔空間Vを形成するための間隔保持材62が収容容器3の内部に設けられることにより、収容容器3の上端開放部3aから図中矢印Q方向に向けてに流入した水分が、間隔空間Vを通り図中矢印R方向に向けて流され、開口部Wから図中矢印S方向に向けて排出されるものとなる。このため、設置装置1は、固形餌9が溶解するのをより効果的に抑制することが可能となる。
設置装置1は、図14(b)に示すように、板材で構成される連結部64が固形餌9の下面91に面接触されるようにして、間隔保持材62を収容容器3の内部に設けられてもよい。なお、ここでいう面接触とは、板材で構成される連結部64の平面部が固形餌9に接触することをいう。
このとき、設置装置1は、固形餌9が間隔保持材62の連結部64に面接触されていることにより、固形餌9に線接触される場合と比較して、間隔保持材62から固形餌9に作用する反力が分散されることになり、水分を吸収した固形餌9が欠片となりにくいものとなる。加えて、設置装置1は、固形餌9が面接触されていることにより、固形餌9に線接触される場合と比較して、水分等により一部溶解した固形餌9の欠片が間隔空間Vに脱落しにくいものとなる。その結果、一部溶解した固形餌9の欠片が間隔空間Vや開口部Wに付着しにくいものとなり、収容容器3の内部から水分を排出する能力がわずかに低下するのを防止することが可能となる。
図15は、本発明を適用した設置装置1のうち、間隔保持材62の他の変形例を示す図である。図16は、本発明を適用した設置装置1を示す正面断面図であり、間隔保持材の他の変形例を用いた図である。
間隔保持材62は、図15に示すように、棒状に形成される複数(図示では8個)の支持部63と、複数の支持部63の端部を連結する板材で構成される連結部64とを有するものであってもよい。間隔保持材62は、連結部64の面部に対して8個の支持部63が直交するように配置され、支持部63の先端部が半球状に形成され、支持部63の基端部が連結部64の面部に連結される。
設置装置1は、図16に示すように、棒状に形成される支持部63が固形餌9の下面91に点接触されるようにして、間隔保持材62を収容容器3の内部に設けられる。なお、ここでいう点接触とは、棒状に形成される支持部63の先端部が固形餌に接触することをいう。
これにより、設置装置1は、固形餌9の下面91に支持部63が線接触される場合と比較して、収容容器3に収容された固形餌9の空気に触れる露出面積がさらに増加するため、雨水等の水分を吸収した固形餌9の自然乾燥をより早めることが可能となる。
なお、図示は省略するが、設置装置1は、連結部64が固形餌9の下面91に面接触されて、棒状に形成される支持部63を底板31に点接触されるようにして、間隔保持材62が収容容器3の内部に設けられるものであってもよい。
また、図13及び図15に示すような間隔保持材62が用いられるとき、設置装置1は、間隔保持材62が収容容器3の内部に着脱自在に設けられるものであってもよいし、間隔保持材62が収容容器3の内部に一体化されるようにしてもよい。
本発明を適用した設置装置1は、上述した実施形態に限らず、他の形態によって具現化されてもよい。以下、設置装置1の変形形態について説明する。設置装置1の変形形態の説明に際して、上述した実施形態に係る設置装置1と同一構成、部材は同一の符号を付すことにより、以下での説明は省略する。図17は、本発明を適用した設置装置1の変形形態を示す斜視図である。
設置装置1は、支柱2と、支柱2に取り付けられる収容容器3と、収容容器3の内部に設けられる間隔保持材62とを備える。設置装置1は、支柱2に着脱可能に取り付けられて、収容容器3に取り付けられる取付部材4を更に備えていてもよい。また、変形形態に係る設置装置1は、係止部材49を省略することが可能となる。
図18は、本発明を適用した設置装置1の変形形態のうち、収容容器3と間隔保持材62を示す図であり(a)は、その平面図であり、(b)は、その側面図である。
収容容器3は、2枚の底板31と、底板31から上方に延びて形成される2つの側板32、33とを有する。収容容器3は、下端側に開口部Wが形成されている。この開口部Wは、収容容器3の下端部に形成される孔3bで構成される。
収容容器3は、他方の側板33が傾斜されて内部が下方から上方に向かうにつれて拡幅される。これにより、収容容器3は、内部に他の収容容器3を積み重ねて収納することができる。複数の収容容器3を順次積み重ねて収納することにより、複数の収容容器3を運搬する際に必要な容積を低減させることができ、収容容器3の運搬費用を低減させることができる。また、複数の収容容器3を順次積み重ねて収納することにより、収容容器3を運搬する作業自体も効率良く行うことが可能となる。なお、収容容器3は、一方の側板32が傾斜されて内部が下方から上方に向かうにつれて拡幅されるものであってもよい。
収容容器3は、内部に間隔保持材62が設けられる。間隔保持材62は、支持部63と係止部65とを有する。底板31には、間隔保持材62の支持部63が一体化等されて設けられる。この支持部63は、板材等で構成される。
また、側板32、33には、それぞれ係止部65が一体化等されて設けられる。係止部65は、板材等で構成されるが、係止部65の先端が半球状、面状等に形成される棒状等で構成されてもよく、如何なる形状であってもよい。係止部65は、側板32、33の下端側に配置される。なお、間隔保持材62は、係止部65が如何なる数量であってもよい。なお、係止部65は、側板32、33の両方に設けられることに限らず、側板32又は側板33に設けられてもよい。なお、図示は省略するが、側板32、33の上端から下端に至るまで係止部65が配置されてもよい。また、図示は省略するが、側板32、33には支持部63が設けられてもよい。
取付部材4は、図17に示すように、支柱2を挟持する2つの挟持部材41、42と、2つの挟持部材41、42をボルト51及びナット52により締結する締結部材5と、ボルト51が取り付けられる添接板6とで構成される。
図19は、本発明を適用した設置装置1の変形形態のうち、取付部材4の斜視図である。一方の挟持部材41は、1枚の鋼板からなり、円形状の孔410が4か所に形成されるとともに、面内方向に対して鉛直方向に向けて延長された長方形状の取付部411を有する。取付部411は、平面視で中央付近に、取付部411の面外方向に向けて窪ませた当接部413が形成される。
他方の挟持部材42は、1枚の鋼板がコの字状に折り曲げられて形成される。他方の挟持部材42は、円形状の孔420が4か所に形成される長方形状の対向部421と、対向部421の上端から対向部421に対して直交方向に向けて折り曲げられて形成された上部422と、対向部421の下端から対向部421に対して直交方向に向けて折り曲げられて形成された下部423と、を有する。
対向部421は、中央部に中央開口部421bが形成され、中央開口部421bを挟んで両側に孔420がそれぞれ2か所ずつ形成される。
上部422は、面内方向に対して水平方向に向けて延長される。上部422は、長手方向の中央付近に、平面視でU字状等に切り欠かれた切欠部422aが形成される。上部422は、対向部421から離間するにつれて長手方向の両端部が平面視で互いに近づくように傾斜した傾斜部424が形成され、外形が平面視で略台形状に形成される。
下部423は、面内方向に対して水平方向に向けて延長される。下部423は、長手方向の中央付近に、平面視でU字状等に切り欠かれた切欠部423aが形成される。下部423は、対向部421から離間するにつれて長手方向の両端部が平面視で互いに近づくように傾斜した傾斜部424が形成され、外形が平面視で略台形状に形成される。
添接板6は、長方形状等の鋼板で構成される。添接板6は、一方の面6aにスタットボルト等のボルト51が4か所に取り付けられている。なお、ボルト51は、添接板6の一方の面6aに対して溶接により取り付けられてもよい。また、添接板6の他方の面6bは、平坦状に形成される。なお、ボルト51に螺着されるナット52は、六角ナット、蝶ナット等のナットが用いられる。
図20は、本発明を適用した設置装置1の変形形態において、収容容器3が取付部材4を介して支柱2に取り付けられた状態を示す側面図である。
設置装置1は、一方の挟持部材41の取付部411と、他方の挟持部材42の対向部421と、を互いに対向させて支柱2に取り付けられる。このとき、設置装置1は、一方の挟持部材41の当接部413と、他方の挟持部材42の切欠部422a、423aとが支柱2に当接されるとともに、取付部411の各孔410と、対向部421の各孔420とがそれぞれ位置合わせされている。
また、設置装置1は、一方の挟持部材41の取付部411と収容容器3の側板32とが当接されるとともに、取付部411の各孔410と、側板32の各孔320とがそれぞれ位置合わせされている。
設置装置1は、このように互いに位置合わせされた、取付部411の各孔410、対向部421の各孔420及び側板32の各孔320に、添接板6に取り付けられたボルト51の軸をそれぞれ挿通させて、ボルト51の軸先端に、ナット52を螺着させる。このとき、添接板6の一方の面6aは、側板32に当接されており、添接板6の他方の面6bは、収容容器3の内部側に向けて配置されている。
設置装置1は、上述したようなボルト51とナット52とを締結したとき、支柱2が一方の挟持部材41の当接部413及び他方の挟持部材42の切欠部422a、423aとに挟持されて、支柱2に対して押圧力が作用することによって、取付部材4が支柱2に取り付けられるものとなる。このとき、設置装置1は、収容容器3が一方の挟持部材41にボルト51を介して取り付けられているため、収容容器3が取付部材4を介して支柱2に取り付けられるものとなる。
設置装置1は、取付部材4の他方の挟持部材42がコの字状に形成されることにより、ボルト51及びナット52が外側に露出された状態となっている。このため、ボルト51にナット52を螺着する作業を容易に行うことが可能となる。
また、設置装置1は、添接板6に取り付けられたボルト51の長さが側板32の厚み、対向部421の厚み及び取付部411の厚みの和よりも長い場合には、ボルト51にナット52を螺着させることができる。即ち、変形形態に係る設置装置1においては、必ずしもボルト51の長さを支柱2の径よりも長くする必要がなく、ボルト51の長さを支柱2の径よりも短くすることもできる。その結果、ボルト51の材料費用を低減させることができ、ひいては設置装置1の費用を低減させることが可能となる。
図21は、本発明を適用した設置装置1の変形形態において、収容容器3に固形餌9を収容した状態を示す側面図である。
設置装置1は、収容容器3の側板33が傾斜されて内部が下方から上方に向かうにつれて拡幅されることにより、収容容器3に固形餌9を収容し易くすることが可能となる。
設置装置1は、添接板6の他方の面6bが平坦状に形成され、この面6bが収容容器3の内部側に向けて配置されている。これにより、設置装置1は、収容容器3に収容された固形餌9を対象動物8が摂取することで仮に固形餌9が側板32側に移動して添接板6に接触したとしても、添接板6の他方の面6bが平坦状に形成されるため、固形餌9が損傷するのを抑制することが可能となる。
設置装置1は、収容容器3に固形餌9を収容したとき、側板32、33が固形餌9から離間されるものとなる。設置装置1は、固形餌9に降り注いだ雨水、対象動物8が固形餌9を舐めて摂取したときに分泌される対象動物8の唾液等の水分が固形餌9に付着するものの、側板32、33が固形餌9から離間されることにより、固形餌9に付着した水分が開口部W(孔3b)に向けて流れやすくなる。このため、設置装置1は、固形餌9に雨水や唾液等の水分が収容容器3の内部に滞留するのを防止できるものとなり、固形餌9が溶解するのを抑制することが可能となる。
また、設置装置1は、収容容器3に固形餌9を収容したとき、固形餌9が底板31から離間されることに加え、側板32、33からも離間することにより、収容容器3に収容された固形餌9の空気に触れる露出面積がより増加し、雨水等の水分を吸収した固形餌9の自然乾燥をより早めることも可能となる。その結果、固形餌9が溶解するのを著しく抑制することが可能となる。
図22は、設置装置1の変形形態において、固形餌9を対象動物8の成獣と幼獣が摂取する状態を示す図である。設置装置1は、収容容器3に固形餌9を収容したとき、固形餌9の下端部94が開口部W(孔3b)から下方に突出されるものとなる。これにより、設置装置1は、対象動物8の成獣よりも体高の低い対象動物8の幼獣であっても、開口部W(孔3b)から下方に突出される固形餌9の下端部94側から摂取することができる。このため、設置装置1は、その周囲に対象動物8の成獣と幼獣とを滞在させることが可能となる。
対象動物8の幼獣の肩高をH3としたとき、設置装置1は、収容容器3の開口部W(孔3b)から下方に突出される固形餌9の下端部94の高さを任意の対象動物8の幼獣の肩高H3に合わせて設定することができる。このとき、収容容器3の開口部W(孔3b)から突出される固形餌9の下端部94の高さを対象外動物7の成獣の肩高H2よりも高くするように設定することが好ましい。これにより、設置装置1は、対象動物8以外の対象外動物7が固形餌9に容易に尿等によりマーキングされるのを防止することが可能となり、対象動物8の成獣と幼獣が固形餌9を摂取するのを促すことが可能となる。その結果、固形餌9が設置された設置装置1の周囲に対象動物8の成獣と幼獣を滞在させることが可能となる。
また、設置装置1は、収容容器3に収容された固形餌9を対象動物8が摂取することで、固形餌9が徐々に小さくなり、固形餌9の大きさが開口部W(孔3b)よりも径小となったとき、固形餌9を開口部W(孔3b)から下方に落下させることができる。小さくなった固形餌9が下方に落下していれば、新たな固形餌9を収容容器3に収容すればよいため、固形餌9の交換時期の目安にすることができる。
設置装置1は、支柱2の下側が地面Gに埋設されることによって、固形餌9を対象動物8が摂取したとき、支柱2の位置が変わることなく収容容器3に固形餌9を収容することが可能となり、固形餌9の設置位置を容易に判別することが可能となる。
設置装置1は、図21に示すように、収容容器3の内部に固形餌9を収容したとき、間隔保持材62の係止部65が直方体形状の固形餌9の側面93を側方から係止するものとなる。
設置装置1は、間隔保持材62の係止部65が収容容器3の側板32、33に設けられ、固形餌9の側面93が係止部65に両側方から係止される。これにより、設置装置1は、固形餌9の側面93と収容容器3の側板32、33との間にそれぞれ開口部W(孔3b)に連通される間隔空間V´が形成される。即ち、設置装置1は、固形餌9が収容容器3の側板32、33から離間した状態を保持することができる。
設置装置1は、例えば、対象動物8が固形餌9を摂取したとき、固形餌9が一方の側板32又は他方の側板33に向けて(図中矢印M方向に向けて)移動しようとする。このとき、設置装置1は、係止部65が固形餌9を係止するため、固形餌9が図中矢印M方向に向けて移動することなく、対象動物8が固形餌9を摂取したとしても、収容容器3の内部に安定した状態で固形餌9を収容することが可能となる。
設置装置1は、間隔空間V´が上端開放部3aから開口部W(孔3b)まで連通されることによって、雨水、唾液等の水分を収容容器3の内部に滞留させることなく、収容容器3の外部に効率よく排出されるものとなる。このため、設置装置1は、収容容器3に収容された固形餌9が雨水等の水分により溶解するのを著しく抑制することが可能となる。
設置装置1は、水分が上端開放部3aから流入されるだけでなく、例えば、昼夜の寒暖差等によって底板31、側板32、及び側板33等に結露が発生する場合がある。かかる場合であっても、設置装置1は、間隔保持材62の間隔空間V、V´が開口部W(孔3b)に連通されていることにより、底板31、側板32、及び側板33に発生した結露等の水分が固形餌9に接触されることなく、間隔空間V、V´を通って開口部W(孔3b)から水分を排出することが可能となる。その結果、固形餌9が水分により溶解するのを著しく抑制することが可能となる。
設置装置1は、側板32、33の下端側に係止部65が配置されることにより、収容容器3に固形餌9を収容する際に係止部65に阻害されることなく、固形餌9を収容し易くすることが可能となり、収容容器3に固形餌9を収容したときに固形餌9を係止部65に係止させることで、対象動物8が固形餌9を摂取したとしても、収容容器3の内部に安定した状態で固形餌9を収容することが可能となる。
図23は、変形形態に係る設置装置1が設けられる捕獲装置Aを示す図である。捕獲装置Aは、草食動物を捕獲するために用いられるものであり、設置装置1と、設置装置1の支柱2の両側方に取り付けられる不織布等の面材20とを備える。捕獲装置Aは、複数の面材20により内側の空間Iと外側の空間Jとに隔てられる。面材20は、内側の空間Iにいる草食動物から捕獲装置Aの外側の空間Jを視認できないように目隠しや隙間Kからの草食動物の侵入を防止する障害物として機能するものである。なお、面材20は、不織布に限らず、目隠しとして用いるものであれば、内側の空間Iにいる草食動物から外側の空間Jを視認できない程度に目隠しとなるもので、例えば、樹脂板、鉄板等の板材や帆布、ビニールシート等のシート材であってもよい。また、隙間Kからの侵入を防止する障害物として用いるものであれば、上記の不織布や板材、シート材だけでなく、内側の空間Iから外側の空間J、又は、外側の空間Jから内側の空間Iを草食動物が視認できて目隠しとならないもの、例えば、樹脂ネットや亀甲金網等の網材であってもよい。
捕獲装置Aに設けられる設置装置1は、支柱2に取付部材4を介して収容容器3が内側の空間Iに向けて取り付けられる。そして、支柱2に取付部材4が取り付けられているため、支柱2の両側方に面材20を取り付けたとき、支柱2と面材20との間には隙間Kが形成される場合がある。かかる場合には、取付部材4の他方の挟持部材42に形成される傾斜部424に、面材20の側端部を近接させて、支柱2に面材20を取り付ける。このとき、取付部材4は、支柱2を挟んで両側の端部に平面視で互いに近づくように傾斜した傾斜部424が形成される。これにより、捕獲装置Aは、支柱2と面材20との間の隙間Kを小さくすることができる。その結果、面材20による目隠し機能や隙間Kからの侵入防止機能をより有意に発揮させることが可能となる。なお、傾斜部424は支柱2を挟んで両側の端部に平面視で互いに近づくように直線状に傾斜しているが、曲線状に傾斜するアーチ形状等であってもよい。
また、図示は省略するが、設置装置1は捕獲装置Aに取り付けられる場合に限らず、野生動物の保護地への侵入を防止する草食動物侵入抑止柵やフェンス等、支柱と面材を介して領域の境界に設置されるものに取り付けられてもよい。このとき、面材は、例えば、保護地側と、保護地の外側とを隔てるものとなる。そして、支柱の両側方に面材を取り付けたとき、支柱に取付部材が取り付けられているため、支柱と面材との間には隙間が形成される場合がある。かかる場合であっても、取付部材の他方の挟持部材に形成される傾斜部に、面材の側端部を近接させて、支柱に面材を取り付ける。このとき、取付部材は、支柱を挟んで両側の端部に平面視で互いに近づくように傾斜した傾斜部が形成される。これにより、面材と支柱の間に形成される隙間を小さくすることができるため、面材による目隠し機能や隙間からの侵入防止機能をより有意に発揮させることが可能である。
本発明に係る設置装置は、図示は省略するが、固形餌の上方を覆う雨除け部材が支柱に取り付けられていてもよい。雨除け部材は、例えば、鋼材、樹脂等からなる板材で構成されるものとする。かかる場合には、直接固形餌に雨水が降り注がれるのを防止することが可能となり、その結果、固形餌の溶解を防止することが可能となる。なお、この雨除け部材は、その取付位置が支柱に限定されるものではなく、本発明に係る設置装置を構成する、例えば、収容容器、係止部材等に取り付けられるものであってもよい。
なお、上述した形態において、設置装置1は、保護地の外側の屋外環境に設置される形態について説明したが、これに限らず、本発明に係る草食動物用固形餌設置装置は、牛舎等の屋内環境等の如何なる場所に設置されてもよい。
以上、本発明の実施形態の例について詳細に説明したが、上述した実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。
1 :設置装置
2 :支柱
3 :収容容器
3a :上端開放部
31 :底板
31a :スリット
311 :窪み部
32、33 :側板
320 :孔
321 :切欠部
331 :切欠部
4 :取付部材
41、42 :挟持部材
411 :取付部
412 :側部
413 :当接部
414 :受け部
420 :孔
421 :対向部
422 :上部
422a :切欠部
423 :下部
423a :切欠部
424 :傾斜部
49 :係止部材
5 :締結部材
51 :ボルト
52 :ナット
6 :添接板
61 :孔
62 :間隔保持材
63 :支持部
64 :連結部
65 :係止部
7 :対象外動物
8 :対象動物
9 :固形餌
91 :下面
92 :上面
93 :側面
94 :下端部G :地面
H1、H2、H3 :肩高
V、V´ :間隔空間
W :開口部
P、Q、R、S :流水方向を示す矢印

Claims (12)

  1. 草食動物用の固形餌を設置する草食動物用固形餌設置装置であって、
    下側が地面に埋設された支柱と、前記支柱に取り付けられて前記固形餌が収容されて一部が開放された収容容器と、前記収容容器の内部に設けられる間隔保持材とを備え、
    前記収容容器は、下端側に開口部が形成され、
    前記間隔保持材は、前記固形餌を支持する支持部を有し、前記固形餌が前記支持部に下方から支持されて、前記固形餌と前記収容容器との間に前記開口部に連通される間隔空間が形成されること
    を特徴とする草食動物用固形餌設置装置。
  2. 前記収容容器は、上端が開放された上端開放部が形成され、
    前記間隔保持材は、前記間隔空間が前記上端開放部から前記開口部まで連通されて形成されること
    を特徴とする請求項1記載の草食動物用固形餌設置装置。
  3. 前記間隔保持材は、前記収容容器に着脱自在とされること
    を特徴とする請求項1又は2記載の草食動物用固形餌設置装置。
  4. 前記間隔保持材は、前記収容容器に一体化されること
    を特徴とする請求項1又は2記載の草食動物用固形餌設置装置。
  5. 前記支持部は、前記固形餌に線接触又は点接触されること
    を特徴とする請求項1〜4記載の草食動物用固形餌設置装置。
  6. 前記収容容器は、設置高さが0.4m以上であり、1.0m以下とされていること
    を特徴とする請求項1〜5の何れか1項記載の草食動物用固形餌設置装置。
  7. 前記収容容器は、前記開口部から前記固形餌の下端部が突出されること
    を特徴とする請求項1〜6の何れか1項記載の草食動物用固形餌設置装置。
  8. 前記収容容器は、前記支持部が設けられる底板と、前記底板から上方に延びて形成される側板とを有し、前記側板が前記固形餌から離間されること
    を特徴とする請求項1〜7の何れか1項記載の草食動物用固形餌設置装置。
  9. 前記収容容器は、前記側板が傾斜されて内部が下方から上方に向かうにつれて拡幅されること
    を特徴とする請求項8記載の草食動物用固形餌設置装置。
  10. 前記間隔保持材は、前記側板に係止部を有し、前記固形餌が前記係止部に側方から係止されること
    を特徴とする請求項8又は9記載の草食動物用固形餌設置装置。
  11. 前記係止部は、前記側板の下端側に配置されること
    を特徴とする請求項10記載の草食動物用固形餌設置装置。
  12. 前記支柱に着脱可能に取り付けられて、前記収納容器に取り付けられる取付部材を更に備え、
    前記取付部材は、前記支柱を挟んで両側の端部に平面視で互いに近づくように傾斜した傾斜部が形成されること
    を特徴とする請求項1〜11の何れか1項記載の草食動物用固形餌設置装置。
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