JP2018063865A - 燃料電池スタック - Google Patents

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Abstract

【課題】発電セルの積層数が変わって全体の高さが変化したり、温度が上昇したりしても積層体の圧縮荷重を適切に維持可能で、全体サイズを大型化させることもなく、安定した発電特性を得ることのできる燃料電池スタックを提供する。【解決手段】固体酸化物型燃料電池のスタック10であって、発電セル21とインターコネクタとが交互に複数積層されて構成された積層体20と、積層体20の積層方向の両端に配置された一対のエンドプレート30,40と、一対のエンドプレート30,40を平行に締め付け保持するとともに、積層体20に圧縮荷重を付与する複数のタイロッド50とを備え、複数のタイロッド50のそれぞれは、少なくとも一部がタングステンで形成されている。【選択図】図1

Description

本発明は、発電セルとインターコネクタとが交互に複数積層されて構成された積層体を備える固体酸化物型燃料電池(Solid Oxide Fuel Cell。以下では「SOFC」と記すこともある)の燃料電池スタックに関し、特に、積層体の圧縮荷重を適切に維持可能な燃料電池スタックに関する。
固体酸化物型燃料電池において、平板型構造の燃料電池スタック(セルスタック)は、酸化物導電体を用いた電解質層を挟んでアノード(燃料極)とカソード(空気極)とが配置された発電セルを有している。この発電セルの動作温度は、例えば700〜800℃程度である。
固体酸化物型燃料電池では、発電セルに対してアノード側に水素などの燃料ガス(アノードガス)を供給するとともにカソード側に空気(カソードガス)を供給し、電気化学反応を起こして電力を取り出す。空気供給管から供給される空気中の酸素はカソードで酸化物イオンとなり、電解質層を通ってアノードに至る。ここで燃料供給管から供給される燃料と反応して電子を放出し、電気と反応生成物(水や二酸化炭素)を生成する。
平板型構造の燃料電池スタックは、所要の電池出力を得るために、発電セルとインターコネクタとが交互に複数積層されて構成された積層体を備えているが、燃料電池スタックの発電特性を安定させるためには、積層体に所定の圧縮荷重を印加することが必要である。積層体に所定の圧縮荷重を印加する方法として、エンドプレート間に積層体とともにコイル状バネや保持プレートを配置し、エンドプレートどうしをタイロッドで締結する方法が知られている(例えば、特許文献1〜3)。
特開2011−65909号公報 特開2012−38646号公報 特開2013−20886号公報
特許文献1や特許文献2のようにコイル状バネを用いる方法では、発電セルの積層数が変わって全体の高さが変化した場合などに、圧縮荷重が変化する問題が考えられる。コイル状バネやタイロッドの材質によっては、温度上昇時にそれらの熱膨張により積層体への加重が弱まって、アノードガスやカソードガスがリークしたり電気が流れにくくなったりする不具合も起こり得る。また、保持プレートを用いる方法では、保持プレートの熱膨張により圧縮荷重が付与されるものの、全体のサイズが大型化してしまう問題がある。
従来技術のこのような課題に鑑み、本発明の目的は、発電セルの積層数が変わって全体の高さが変化したり、温度が上昇したりしても積層体の圧縮荷重を適切に維持可能で、全体サイズを大型化させることもなく、安定した発電特性を得ることのできる燃料電池スタックを提供することである。
上記目的を達成するため、本発明の燃料電池スタックは、固体酸化物型燃料電池のスタックであって、発電セルとインターコネクタとが交互に複数積層されて構成された積層体と、前記積層体の積層方向の両端に配置された一対のエンドプレートと、前記一対のエンドプレートを平行に締め付け保持するとともに、前記積層体に圧縮荷重を付与する複数のタイロッドとを備え、前記複数のタイロッドのそれぞれは、少なくとも一部がタングステンで形成されていることを特徴とする。
ここで、前記タイロッドの両端部分がステンレスで形成されていてもよい。前記タイロッドは、少なくとも1本のタングステンロッドと少なくとも1本のステンレスロッドとが軸方向にネジ部、ピン部、または組継ぎ部によって互いに結合されて構成されてもよい。前記タイロッドのタングステンで形成されている部分またはタングステンロッドの合計長が、前記タイロッドの全長の1〜10%であることが好ましい。
このような構成の燃料電池スタックによれば、発電セルの積層数が変わって全体の高さが変化したり、温度が上昇したりしても積層体の圧縮荷重を適切に維持可能で、全体サイズを大型化させることもなく、安定した発電特性を得ることができる。
また、本発明の燃料電池スタックにおいて、前記タイロッドの全体または少なくともタングステンで形成されている部分が、前記積層体のアノード流路内に配置されていてもよい。
このような構成の燃料電池スタックによれば、前記タイロッドのタングステンで形成されている部分の酸化および酸化膜の昇華を防止し、前記タイロッドの減肉による破断を回避可能となる。
本発明の燃料電池スタックによれば、発電セルの積層体の積層数が変わって全体の高さが変化したり、温度が上昇したりしても積層体の圧縮荷重を適切に維持可能で、全体サイズを大型化させることもなく、安定した発電特性を得ることができる。
なお、前記タイロッドの全体または少なくともタングステンで形成されている部分が、前記インターコネクタが有するアノード流路内に配置されている場合は、前記タイロッドのタングステンで形成されている部分の酸化および酸化膜の昇華を防止し、前記タイロッドの減肉による破断を回避可能となる。
本発明の第1実施形態に係る燃料電池スタック10全体の概観構成を示す斜視図である。 燃料電池スタック10の各部を説明する分解斜視図である。 (A)〜(C)はステンレスロッドとタングステンロッドの結合によるタイロッド50の製作例を説明する外形図である。 本発明の第2実施形態に係る燃料電池スタック10Aの主要部を説明する分解斜視図である。
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して説明する。
<第1実施形態>
図1は本発明の第1実施形態に係る燃料電池スタック10全体の概観構成を示す斜視図である。図2はこの燃料電池スタック10の各部を説明する分解斜視図である。
第1実施形態に係る燃料電池スタック10は、固体酸化物型燃料電池のスタックであって、発電セル21とインターコネクタ(符号省略)とが交互に複数積層されて構成された積層体20と、この積層体20の積層方向の両端に配置された一対の下部エンドプレート30および上部エンドプレート40と、両エンドプレート30,40を平行に締め付け保持するとともに、積層体20に圧縮荷重を付与する複数のタイロッド50とを備えている。
積層体20は、複数の発電セル21がインターコネクタを介して矢印Z方向(鉛直方向)に積層されることにより構成され、積層体20の周辺部には、各発電セル21に対するガス供給またはガス排出用のガス流路が形成される。積層体20は、発電時の電池出力が1〜10kWクラスの発電ユニットを製造する場合には、例えば、数十から数百個の発電セル21が含まれるように構成される。また、数十個単位の発電セル群の両端に電極プレートを配置して1つのモジュールとし、このモジュールを、絶縁プレートを介して積層することにより積層体20を構成してもよい。発電セル21は、固体酸化物型の平板構造のものであり、アノード支持型セル、カソード支持型セル、電解質支持型セル、金属支持型セルといった周知構造の中から所望のタイプを採用することができる。
積層体20は、積層方向下端に配置された下部エンドプレート30上に載置される。下部エンドプレート30は、矢印X方向および矢印Y方向の寸法が積層体20の各寸法よりも大きな寸法に設定されるとともに、積層体20のガス流路に対応する箇所に、カソードガス供給連通孔30a、カソードガス排出連通孔30b、アノードガス供給連通孔30cおよびアノードガス排出連通孔30dが形成されている(図2参照)。下部エンドプレート30にはさらに、周辺部に沿って複数のロッド挿通孔30hが形成されている。これらのロッド挿通孔30hは、例えば、下部エンドプレート30の四隅近傍および各辺の略中央部に形成される。ただし、各辺では略中央部の一箇所に限らず、等間隔で複数箇所に形成されてもよい。なお、下部エンドプレート30の下面には、各連通孔30a〜30dに対してガス供給またはガス排出を行うためのマニホールド(不図示)が装着される。
積層体20の積層方向上端には、押さえプレート41と上部エンドプレート40とが積層される。押さえプレート41は、積層体20における発電セル支持領域とガス流路形成領域の荷重バランスを調整するプレートである。押さえプレート41の矢印X方向および矢印Y方向の寸法は、積層体20の各寸法と同寸法に設定される。
上部エンドプレート40は、矢印X方向および矢印Y方向の寸法が下部エンドプレート30に対応する大きさに設定されるとともに、ロッド挿通孔30hと対応する位置に複数のロッド挿通孔40hが形成されている。複数のロッド挿通孔40hのぞれぞれには、タイロッド50がそれぞれ挿通されるとともに、これらのタイロッド50の先端部は下部エンドプレート30のロッド挿通孔30hにそれぞれ挿通される。そして、下部エンドプレート30の下面から突出させた各タイロッド50のネジ先に、それぞれ締結用の止めナットが取り付けられる。これにより両エンドプレート30,40は、平行に締め付け保持されるとともに、積層体20には所定の面圧で圧縮荷重が付与される。
各タイロッド50は、頭部を含む上部ロッド50aおよびネジ先を含む下部ロッド50cと、これらの上部ロッド50aおよび下部ロッド50cを連結する短い中間ロッド50bとが、軸方向にネジ部によって互いに結合されてボルト状に構成されている。各タイロッド50の上部ロッド50aおよび下部ロッド50cはステンレス(例えば、SUS310)製であり、中間ロッド50bはタングステン製であるが、積層体20を均一に締め付けるために、各タイロッド50のすべてが同一仕様とされている。
ステンレス(SUS310)およびタングステン(W)の各熱膨張係数は次の通りである。
SUS310: 17.2[10−6・K−1
W : 4.5[10−6・K−1
ステンレスのみで製作された従来タイプのタイロッドと、タングステンおよびステンレスで製作されたタイロッド50を比較すると、燃料電池スタック10を常温から動作温度(700〜800℃程度)まで昇温させたときのロッド材料の熱膨張率の差により、タイロッド50は従来タイプのタイロッドに比べて軸方向の伸長が抑制される。そのため、積層体20は、昇温に伴う積層方向への熱膨張が押さえ込まれることにる。その結果、燃料電池スタック10の動作温度においても、常温で積層体20に付与された圧縮荷重をほとんど低下させることなく、維持することが可能になる。
図3(A)〜図3(C)は、ステンレスロッドとタングステンロッドの結合によるタイロッド50の製作例を説明する外形図である。以下、3種類の製作例を順に説明するが、これらに限定されるものではない。
[製作例1:ネジ結合]
図3(A)は、タングステンロッドとステンレスロッドとが軸方向にネジ部(雄ネジおよび雌ネジ)によって互いに結合される構成である。
タイロッド50を構成する上部ロッド50aは、ステンレスロッドとされており、図面上方の基端側にタイロッド50の頭部(ボルトヘッド)が形成されているとともに、図面下方の先端側に雌ネジが形成されている。また、タイロッド50を構成する下部ロッド50cは、ステンレスロッドとされており、図面上方の基端側に雌ネジが形成されているとともに、図面下方の先端側にタイロッド50のネジ先となる雄ネジが形成されている。一方、タイロッド50を構成する中間ロッド50bは、タングステンロッドとされており、ロッド本体の両端側に雄ネジが形成されている。そして、上部ロッド50aおよび下部ロッド50cの雌ネジのそれぞれに、中間ロッド50bの雄ネジを螺合することにより、1本のタイロッド50が完成される。
このようなタイロッド50を使用して、常温で積層体20を圧縮限界まで締め付けた場合、燃料電池スタック10の動作温度では、積層体20の熱膨張の度合いにより、各ロッド50a,50b,50c間の結合部には引張応力が作用することがある。そこで、剛性の高いタングステン製の中間ロッド50bに雄ネジを形成する一方で、剛性の低いステンレス製の上部ロッド50aおよび下部ロッド50cに雌ネジを形成するのがよい。このようにすることで、タイロッド50の結合部に過剰な引張応力が作用したとしても、雄ネジ部分が破断する虞がなくなる。
[製作例2:ピン結合]
図3(B)は、タングステンロッドとステンレスロッドとが軸方向にピン部(ピンおよびピン孔)によって互いに結合される構成である。
上部ロッド50aおよび下部ロッド50cは、製作例1と同様にステンレスロッドとされており、製作例1の雌ネジがピン孔とされている。一方、中間ロッド50bは、製作例1と同様にタングステンロッドとされており、製作例1の雄ネジがピンとされている。そして、上部ロッド50aおよび下部ロッド50cのピン孔のそれぞれに、中間ロッド50bのピンを軸方向から圧入することにより、1本のタイロッド50が完成される。なお、ピンの圧入部分に対しては、軸直交方向から止めピン51(またはイモネジ)を貫通させて抜け止めを施すのが好ましい。
[製作例3:組継ぎ結合]
図3(C)は、タングステンロッドとステンレスロッドとが軸方向に組継ぎ部(雄ジョイントおよび雌ジョイント)によって互いに結合される構成である。
この製作例では、組木細工などに用いられている組継ぎの手法が利用されている。上部ロッド50aおよび下部ロッド50cは、ステンレスロッドとされており、一端部に所定形状の雌ジョイント52が設けられている。一方、中間ロッド50bは、タングステンロッドとされており、ロッド本体の両端側に所定形状の雄ジョイント53が設けられている。そして、上部ロッド50aおよび下部ロッド50cの雌ジョイント52のそれぞれに、中間ロッド50bの雄ジョイント53を軸直交方向から圧入することにより、1本のタイロッド50が完成される。なお、雄ジョイント53は、拡径部と縮径部からなっており、雌ジョイント52と雄ジョイント53の段差部が噛み合うことにより、軸方向の抜け止めがなされる。
製作例1〜3の各タイロッド50において、タングステン製の中間ロッド50bの長さは、タイロッドの全長の1〜10%となるように製作するのが好ましい。タングステンは高価かつ加工が難しい金属材料であるので、タイロッド50の全体に占める中間ロッド50bの割合を上部ロッド50aおよび下部ロッド50cとの結合に支障のない範囲で抑制するためである。例えば、全長が1000mmに設定されたタイロッド50に対し、雄ネジ・ピン・雄ジョイントの部分を除く中間ロッド50bの長さを5mm(全長に対して5%)に設定するとともに、雌ネジ・ピン孔・雌ジョイントの部分を含む上部ロッド50aおよび下部ロッド50cの合計長を995mmに設定する。また、例えば、全長が500mmに設定されたタイロッド50に対し、雄ネジ・ピン・雄ジョイントの部分を除く中間ロッド50bの長さを5mm(全長に対して10%)に設定するとともに、雌ネジ・ピン孔・雌ジョイントの部分を含む上部ロッド50aおよび下部ロッド50cの合計長を495mmに設定する。
なお、タングステンロッド(中間ロッド50b)は、ステンレスロッド(上部ロッド50a;下部ロッド50c)より熱膨張率が小さければよいので、純タングステンに限らず、例えばニッケルなどとの合金も使用可能である。
燃料電池スタック10の組み立て時には、下部エンドプレート30上に積層体20が載置された後、この積層体20上に押さえプレート41が配置される。押さえプレート41上には、上部エンドプレート40が配置される。
次に、複数のタイロッド50が上部エンドプレート40の各ロッド挿通孔40hにそれぞれ挿通されるとともに、これらのタイロッド50の先端部が下部エンドプレート30の各ロッド挿通孔30hにそれぞれ挿通される。そして、下部エンドプレート30の下面から突出させた各タイロッド50のネジ先に、それぞれ締結用の止めナットが取り付けられる。これにより、両エンドプレート30,40が平行に締め付け保持されるとともに、積層体20には圧縮荷重が付与される。そして、発電セルおよびインターコネクタ間の面間シールや電気接続に必要な面圧を発生させる圧縮荷重が得られると、両エンドプレート30,40への締め付けが終了され、燃料電池スタック10の組み立てが完了する。
以上で説明した第1実施形態の構成によれば、熱膨張係数が低いタングステン部分を含む各タイロッド50は、燃料電池スタック10を常温から動作温度(700〜800℃程度)まで昇温させたときの熱膨張が他の部材より相対的に少ないので、積層体20の圧縮荷重を適切に維持可能であり、全体サイズを大型化させることもなく、安定した発電特性を得ることができる。
<第2実施形態>
図4は本発明の第2実施形態に係る燃料電池スタック10Aの主要部を説明する分解斜視図である。この第2実施形態では、タイロッドの全体または少なくともタングステンで形成されている部分が、積層体20Aのアノード流路内に配置されていることを特徴とするが、以下では第1実施形態との相違点を主として説明する。
第1実施形態に係るタイロッド50は、少なくとも一部がタングステンで形成されているが、タングステンは高温で酸化されやすく、また700℃を超えると酸化膜が昇華してしまう。燃料電池スタック10の動作温度(700〜800℃程度)でこの昇華が起こってしまうとタングステン部分の直径が次第に減少し、応力耐性の低下によりタイロッド50が破断に至る虞がある。
一般的な燃料電池システムにおいて、燃料電池スタックは、断熱領域に収容されているため、この断熱領域に不活性ガス(例えば、システムの起動時に生成したPOXガスや、別途ボンベから導入したNガス)を充満すれば、タングステン部分の酸化は生じず、第1実施形態におけるタイロッド50の配置に問題はない。しかし、断熱領域に不活性ガスを導入できない場合には、別の手段によりタングステン部分を保護する必要がある。そこで、第2実施形態では、タイロッド50を積層体20Aのアノード流路内に配置することにより、アノードガス(水素を含有する還元性の燃料ガス)を利用してタングステン部分の保護を図っている。
図4は、燃料電池スタック10Aの天地を逆にした状態で描かれており、上部エンドプレートと押さえプレートを省略してある。図4に示すように、燃料電池スタック10Aでは、下部エンドプレート30Aと積層体20Aとの間にマニホールドプレート31Aを介在させている。これにより、アノードガス供給ポート30Acから供給されたアノードガスを積層体20Aの各流路に対して分配するとともに、各流路からのアノードガスを再び集合してアノードガス排出ポート30Adへ排出することが可能になる。同様に、カソードガス供給ポート30Aaから供給されたカソードガスを分配するとともに、再び集合してカソードガス排出ポート30Abへ排出することが可能になる。
少なくとも一部がタングステンで形成されたタイロッドは、図示しない上部エンドプレートのロッド挿通孔および下部エンドプレート30Aのロッド挿通孔30Ahに挿通されるが、その際に図4に示した破線に沿って、積層体20Aおよびマニホールドプレート31Aのアノードガス流路内にも挿通される。これにより、タングステン製の中間ロッド(図3の50b)が積層体20Aのアノードガス流路内に配置される。タイロッドは、第1実施形態と同様の長ボルトであり、下部エンドプレート30Aの外側にて止めナットで締め付ける。
タイロッドをアノードガス流路内に配置すると、アノードガス流路の断面積がタイロッドの断面積分だけ少なくなる。そこで、アノードガス流通時の圧力損失が増大しないよう、発電セルやインターコネクタの流路断面積を拡大した設計をすることが望ましい。
上部エンドプレートおよび下部エンドプレートをタイロッドで締め付け保持する構成では、各ロッド挿通孔において、ロッド外周と孔内周に隙間が生じる。そこで、この隙間からアノードガスがリークしないように、隙間に対するガスシールを施すことが望ましい。このガスシールには、例えば、発電セルとインターコネクタ間のガスシールのように封着用ガラスを使用することができる。具体的には、ロッド挿通孔が位置するタイロッド外周部分に封着用ガラスで形成したフィルム状のスリーブを装着しておき、燃料電池スタック10Aの焼成によりスリーブを溶融してロッド挿通孔とタイロッドの隙間を封止する。
第2実施形態においては、空気が流通するカソードガス流路には、タイロッドのタングステン部分を配置できないが、エンドプレートどうしの位置合わせなどのために、エンドプレートの前方側および後方側(図4参照)の辺に補助ロッド挿通孔を設けてもよい。この補助ロッド挿通孔に対して、全体がステンレス製の補助ロッドを挿通して適宜締め付けることにより、燃料電池スタック10Aの型崩れ(積層方向の傾斜や水平方向の捩れ)を防止できる。なお、補助ロッドは、積層体20Aに圧縮荷重を付与するものではないので、積層体20Aの圧縮荷重に影響しない程度の締付トルクで締結される。
補助ロッドを使用しない場合には、カソードガス流路の数や幅を減らした長方形の発電セルやインターコネクタを使用するとよい。このようにすれば、アノードガス流路内に配置したタイロッドのみでも、所定の圧縮荷重を積層体に付与することが可能になる。
以上で説明した第2実施形態の構成によれば、タイロッドのタングステンで形成されている部分の酸化および酸化膜の昇華を防止し、前記タイロッドの減肉による破断を回避可能となる。
上記した第1実施形態および第2実施形態においては、少なくとも一部がタングステンで形成されたタイロッドの使用に加えて、コイル状バネや熱膨張プレートなど、他の圧縮荷重付与手段を併用してもよい。その場合、追加的な圧縮荷重付与手段は、その仕様を緩和して安価に製作することができる。
なお、本発明は、その主旨または主要な特徴から逸脱することなく、他のいろいろな形で実施することができる。そのため、上述の実施形態はあらゆる点で単なる例示にすぎず、限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示すものであって、明細書本文にはなんら拘束されない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
本発明は、電解質層に酸化物導電体を用いた固体酸化物型燃料電池のスタックに特に好適である。
10,10A 燃料電池スタック
20,20A 積層体
21 発電セル
30,30A 下部エンドプレート
30h ロッド挿通孔
31A マニホールドプレート
40 上部エンドプレート
40h ロッド挿通孔
41 押さえプレート
50 タイロッド
50a 上部ロッド(ステンレスロッド)
50b 中間ロッド(タングステンロッド)
50c 下部ロッド(ステンレスロッド)

Claims (5)

  1. 固体酸化物型燃料電池のスタックであって、
    発電セルとインターコネクタとが交互に複数積層されて構成された積層体と、
    前記積層体の積層方向の両端に配置された一対のエンドプレートと、
    前記一対のエンドプレートを平行に締め付け保持するとともに、前記積層体に圧縮荷重を付与する複数のタイロッドと
    を備え、
    前記複数のタイロッドのそれぞれは、少なくとも一部がタングステンで形成されていることを特徴とする燃料電池スタック。
  2. 請求項1に記載の燃料電池スタックにおいて、
    前記タイロッドの全体または少なくともタングステンで形成されている部分が、前記積層体のアノード流路内に配置されていることを特徴とする燃料電池スタック。
  3. 請求項1または2に記載の燃料電池スタックにおいて、
    前記タイロッドの両端部分がステンレスで形成されていることを特徴とする燃料電池スタック。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の燃料電池スタックにおいて、
    前記タイロッドは、少なくとも1本のタングステンロッドと少なくとも1本のステンレスロッドとが軸方向にネジ部、ピン部、または組継ぎ部によって互いに結合されて構成されていることを特徴とする燃料電池スタック。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の燃料電池スタックにおいて、
    前記タイロッドのタングステンで形成されている部分またはタングステンロッドの合計長が、前記タイロッドの全長の1〜10%であることを特徴とする燃料電池スタック。
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