以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。図面の説明において、同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
[本発明の実施形態の説明]
最初に、本発明の実施形態の内容を列記して説明する。
一形態に係るフォンプラグは、フォンジャックに接続される棒状のジャック接続部と、 上記ジャック接続部の先端部に設けられているファイバ保持部と、を備え、上記ジャック接続部は、一方向に延在しており、光ファイバが挿通される第1ファイバ挿通孔が形成されている導電性の基軸部と、上記基軸部の先端部を露出させた状態で上記基軸部の外周を覆う導電部と、上記基軸部と上記導電部の間に上記基軸部の先端部を露出させた状態で配置され上記基軸部と上記導電部とを絶縁する絶縁部と、を有しており、上記ファイバ保持部は、上記基軸部の先端部に設けられており、上記ファイバ保持部には、上記第1ファイバ挿通孔に連通しており、上記光ファイバが挿入されるとともに上記光ファイバを保持する第2ファイバ挿通孔が形成されている。
上記構成では、基軸部及び導電部が露出しているので、ジャック接続部をフォンジャックに差し込むことで、例えばフォンジャック内の基軸部用及び導電部用の接続端子を基軸及び導電部に接続可能である。よって、フォンジャックを音響機器に内蔵された状態で音響機器からの音声信号をフォンプラグに供給できる。そして、フォンプラグに、フォンケーブルが有する絶縁管の中に通される配線ラインを、基軸部及び導電部にそれぞれ接続することで、イヤフォン又はヘッドフォンなどに音響機器からの信号を送信できる。
上記フォンプラグでは、基軸部に形成された第1ファイバ挿通孔に通された光ファイバを、ファイバ保持部の第2ファイバ挿通孔に通し且つ保持し得る。ファイバ保持部は、ジャック接続部の先端部に設けられているので、例えばフォンジャック内に光源部を配置することで、フォンジャックにジャック接続部を差し込んだ状態で、光源部からの光を、ファイバ保持部に保持された光ファイバに入力可能である。よって、光ファイバをフォンケーブル内に通しておけば、フォンケーブルを光らせるための光源部を音響機器に内蔵しながらフォンケーブルを発光させることが可能である。
上記ファイバ保持部に保持されており、内部を伝播する光の一部が外部に漏れ出る光ファイバを更に備えてもよい。
上記ファイバ保持部がキャピラリであり得る。
一形態に係るフォンジャックは、一形態に係る本発明の一側面に係るフォンプラグが接続される、フォンジャックであって、上記フォンプラグが有しており上記ファイバ保持部が設けられた上記ジャック接続部が上記ファイバ保持部側から挿入される挿入口と、上記挿入口と反対側に設けられる開口部と、上記挿入口と上記開口部との間において上記挿入口から挿入された上記ジャック接続部が配置される配置空間とが形成されているとともに、上記基軸部に電気的に接続される第1接続端子と、上記導電部に電気的に接続される第2接続端子とを有するジャック本体と、上記ジャック本体における上記開口部側に配置されている光源部と、上記光源部に対して、上記ファイバ保持部の位置を規定する位置決め部と、を備える。
上記構成では、ジャック本体に、フォンプラグのジャック接続部が差し込まれると、位置決め部により、ファイバ保持部の位置が光源部に対して規定されるので、ファイバ保持部が設けられたジャック接続部の位置も規定される。よって、第1接続端子及び第2接続端子を介して基軸部及び導電部に、例えば、音響機器からの音声信号を入力可能である。更に、フォンジャックが、開口部側に光源部を備え、位置決め部により、光源部に対しファイバ保持部の位置が規定されるので、上記ファイバ保持部に保持される光ファイバと上記光源部とを光結合可能であり、光源部からの光を、ファイバ保持部に保持される光ファイバに入力できる。そのため、光ファイバをフォンケーブル内に通しておけば、上記構成のフォンジャックを音響機器に内蔵することで、フォンケーブルを光らせるための光源部を音響機器に内蔵しながら、フォンケーブルを発光させることが可能である。
上記位置決め部は、ファイバ保持部をガイドするとともに、上記光源部の光軸に対して同心の状態でファイバ保持部を保持するガイド部を有してもよい。この場合、フォンジャックに差し込まれたファイバ保持部は、ガイド部でガイドされるとともに、光源部の光軸に対して同心で保持される。そのため、光源部と、ファイバ保持部に保持された光ファイバとをより確実に光結合し得る。
上記位置決め部は、上記光源部の光軸方向において、上記ファイバ保持部の先端部の位置を上記光源部に対して規定する軸方向位置規定部を有してもよい。これにより、光源部と、ファイバ保持部に保持された光ファイバとをより確実に光結合し得る。
[本願発明の実施形態の詳細]
本発明の実施形態の具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。図面の説明においては同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。図面の寸法比率は、説明のものと必ずしも一致していない。
図1は、一実施形態に係るフォンプラグ10が取り付けられるフォンジャック20が内蔵された音響機器30の斜視図である。図1では、音響機器30の例としてスマートフォンを例示している。しかしながら、音響機器30はスマートフォンに限定されない。音響機器30の他の例として、携帯電話、テレビ、デジタルオーディオプレーヤー等の音楽端末(携帯音楽端末を含む)などが挙げられる。図1では、フォンジャック20の装着部近傍を切り欠いて示している。断らない限り、音響機器30がスマートフォンである形態を説明する。
音響機器30は、フロントパネル31と、フロントパネル31を保持するバックパネル32とを有する。フロントパネル31には、液晶パネルといったタッチパネル式の画面33が装着されている。フロントパネル31には、ユーザにより押圧されることで、ホーム画面などにアクセスするためのホームボタンなどが配置されていてもよい。音響機器30には、音声再生装置(回路)、音響機器30の各種機能を制御する制御部、記憶装置などがフロントパネル31とバックパネル32との間に内蔵されている。フォンジャック20は、フォンプラグ10が挿入されるように、音響機器30の一縁部近傍におけるバックパネル32に装着されている。
図1、図2及び図3を利用して、フォンプラグ10について説明する。フォンプラグ10は、図1及び図2に示したように、音響機器30からの音楽などの音声信号に応じてフォンプラグ10と左耳用のイヤフォン41及び右耳用のイヤフォン42とをつなぐフォンケーブル50が光るデコレーション型(又はイルミネーション型)のイヤフォン装置(イヤフォンシステム)に適用するフォンプラグ10である。フォンケーブル50は、分岐部51で分岐され、左耳用のイヤフォン41及び右耳用のイヤフォン42に接続されている。
本実施形態では、断らない限り、イヤフォン用のフォンプラグ及びフォンジャックを説明するが、フォンプラグ及びフォンジャックは、ヘッドフォンにも適用され得る。
フォンプラグ10は、フォンジャック20に接続される棒状のジャック接続部11と、ジャック接続部11の先端部に設けられたキャピラリ(ファイバ保持部)12とを備える。ジャック接続部11は、フォンプラグ10におけるプラグ本体であり、基軸部111と、第1導電部112と、第2導電部113と、第1絶縁部115と、第2絶縁部116と、を有する。
図3に示したように、基軸部111は、一方向に延在した導電性部材であり、基軸部111の軸線C1に沿って光ファイバFが挿入される第1ファイバ挿通孔111aが形成されている。図3に示した形態では、第1ファイバ挿通孔111aの直径は、光ファイバFの外径より大きく図示しているが、第1ファイバ挿通孔111aの直径は、光ファイバFの外径と同じであってもよい。
基軸部111は、基軸部111の先端部を露出するように第1絶縁部115で被覆されている。第1絶縁部115から露出した基軸部111の先端部が、例えば左音声信号が入力されるチップ部111bとして機能する。本実施形態では、第1絶縁部115は、基軸部111の後端部も露出するように基軸部111を被覆している。第1絶縁部115から露出した基軸部111の後端部が、左音声信号をイヤフォン41に送信するための第1信号線52aが接続される領域であり得る。
第1導電部112は、導電性材料からなり、第1絶縁部115の先端部側を露出するように、第1絶縁部115を被覆している。よって、第1導電部112は、第1絶縁部115によって基軸部111と絶縁されている。第1導電部112は、第1導電部112の先端部側を露出するように第2絶縁部116で被覆されている。第2絶縁部116から露出した第1導電部112の先端部側が、例えば右音声信号が入力されるリング部112aとして機能する。本実施形態では、第2絶縁部116は、第1導電部112の後端部も露出するように第1導電部112を被覆している。第2絶縁部116から露出した第1導電部112の後端部が、右音声信号をイヤフォン42に送信するための第2信号線52bが接続される領域である。
前述したように、基軸部111の先端部側の第1絶縁部115を露出しているため、基軸部111の軸線C1方向において、チップ部111bとリング部112aの間のジャック接続部11の外周には、第1絶縁リングが配置されている。
第2導電部113は、導電性材料からなり、スリーブ部113a、キャップ接続部113b及び接続端子部113cを有する。
スリーブ部113aは、第2絶縁部116の先端部側を露出するように、第2絶縁部116を被覆している。よって、第2導電部113は、第2絶縁部116によって第1導電部112と絶縁されている。第2導電部113には、グランド信号が入力される。
基軸部111の先端部側の第2絶縁部116が露出しているため、基軸部111の軸線C1の方向において、リング部112aとスリーブ部113aとの間のジャック接続部11の外周には、第2絶縁リングが配置されている。
キャップ接続部113bは、スリーブ部113aの後端にスリーブ部113aと一体的に設けられており、第2絶縁部116を被覆している。したがって、キャップ接続部113bは、スリーブ部113aと電気的に接続されており、スリーブ部113aと同電位である。キャップ接続部113bにおいてスリーブ部113aとの接続部の外径はスリーブ部113aの外径より大きくし得る。
接続端子部113cは、キャップ接続部113bの後端からキャップ接続部113bの後方に向けて延びており、キャップ接続部113bと一体的に設けられている。接続端子部113cに、グランド信号をイヤフォン41及びイヤフォン42に送信するためのグランド信号線52cが接続される。
キャップ接続部113bには、ジャック接続部11の後端部を覆う筒状のキャップ13が取り付けられている。キャップ13は、絶縁材料からなる。キャップ13は、先端開口部13a側でキャップ接続部113bと結合されている。例えば、キャップ13とキャップ接続部113bとは螺合されることによって結合され得る。キャップ13の後端開口部13bには、イヤフォン41及びイヤフォン42とキャップ13とをつなぐフォンケーブル50を構成する絶縁管53が挿入されている。絶縁管53の例はゴム管である。この絶縁管53内に、第1信号線52a、第2信号線52b及びグランド信号線52cが通されることで、フォンケーブル50が構成され、左音声信号、右音声信号及びグランド信号が対応するイヤフォン41及びイヤフォン42まで送信される。フォンケーブル50は、キャップ13の後端開口部13bと絶縁管53との接続部を保護するためのカバー54を有してもよい。キャップ13は、フォンプラグ10の一部を構成していてもよい。この場合、ジャック接続部11とキャップ13がプラグ本体部を構成し得る。
本実施形態において、絶縁管53内には光ファイバFも通される。光ファイバFの外径の例は、0.125mm〜1mmである。光ファイバFは、光ファイバF内を伝播する光の一部が伝搬しながら外部に漏れるように構成されており、光るファイバである。このような光ファイバFは、コアとクラッドとの屈折率を調整することで作製され得る。光ファイバFは、光ファイバF内を伝播する光を利用してフォンケーブル50を光らせるデコレーション用(又はイルミネーション用)光ファイバであればよい。
絶縁管53は、光ファイバFから漏れた光でフォンケーブル50が光るように構成されていればよい。例えば、絶縁管53の厚さが、光ファイバFから漏れた光を外部に通し得る程度であってもよいし、或いは、絶縁管53が光透過材料から構成されてもよい。これにより、光ファイバFに光が入力されると、フォンケーブル50が光る。
光ファイバFは、フォンケーブル50が有する絶縁管53内において、イヤフォン41側とイヤフォン42側とに均等に配置されていることが好ましい。例えば、光ファイバFは、分岐部51でイヤフォン41側及びイヤフォン42側に分岐され得る。或いは、一本の光ファイバFが、キャップ13から分岐部51、イヤフォン41側の端部、分岐部51、イヤフォン52側の端部及び分岐部51を通って再度キャップ13に戻る経路で絶縁管43内に配置されてもよい。
上記構成では、基軸部111、第1絶縁部115、第1導電部112、第2絶縁部116及び第2導電部113は、同心に設けられており、基軸部111、第1導電部112及び第2導電部113は電気的に絶縁されている。
更に、棒状のジャック接続部11をジャック接続部11の外部からみた場合、先端部側から後端部側に向けてチップ部111b、リング部112a及びスリーブ部113aが配置されており、チップ部111b及びリング部112aの間には、第1絶縁部115の露出領域で形成される第1絶縁リングが配置され、リング部112a及びスリーブ部113aの間には、第2絶縁部116の露出領域で形成される第2絶縁リングが配置されている。
第1導電部112及び第2導電部113は、第1導電部112のリング部112aとスリーブ部113aとが同径となるように形成されている。更に、チップ部111bは、リング部112a側に小径部を有する一方、先端側に向けて徐々に大径となるように形成されている。更に、チップ部111bの先端部は円錐状に形成されている。
上記構成を有し、フォンプラグ10におけるプラグ本体部であるジャック接続部11は、例えばφ2.5mmの超ミニフォンプラグ、φ3.5mmのミニフォンプラグ、φ6.5mmの大型フォンプラグなどのように所定の規格のフォンプラグにおいて、第1ファイバ挿通孔111aが形成されたプラグ(より具体的にはプラグが有する棒状のジャック接続部)に対応する。
キャピラリ12は、基軸部111の先端部、より具体的には、チップ部111bの先端部に設けられている。キャピラリ12は、第1端12aと第2端12bとを有する円柱形状を呈し、第1端12aがチップ部111b内に挿入さている。
キャピラリ12には、第1端12aから第2端12bに向けてキャピラリ12を貫通する第2ファイバ挿通孔121が形成されている。本実施形態において、第2ファイバ挿通孔121は、キャピラリ12の軸線C2と同心で形成されており、軸線C2は、基軸部111の軸線C1と一致している。第2ファイバ挿通孔121は、第1ファイバ挿通孔111aに連通している。第2ファイバ挿通孔121は、第1端12a側の開口部を含む軸線C2方向の所定範囲において第1端12aに近いほど内径が大きくなっており、上記所定範囲以外の内径は、光ファイバFの外径と略同一である。したがって、キャピラリ12の第2ファイバ挿通孔121に光ファイバFが挿通されることによって、光ファイバFは、光ファイバFの光軸C3がキャピラリ12の軸線C2と一致した状態でキャピラリ12に保持される。光ファイバFは、その光入射端Faが第2端12bとほぼ一致するように、キャピラリ12に保持される。キャピラリ12の材料としては、例えばジルコニアが挙げられる。
キャピラリ12に光ファイバFが保持されることから、光ファイバFは、フォンプラグ10の構成要素であってもよい。
フォンプラグ10は、例えば、ジャック接続部11を形成した後に、基軸部111に形成された第1ファイバ挿通孔111aの先端部近傍を、キャピラリ12の外径と同じ外径を有する棒状部材(例えば、基軸部111より硬い材質の針金)で拡大した後、キャピラリ12を押し込むことで製造され得る。光ファイバFがフォンプラグ10の構成要素である場合には、キャピラリ12を基軸部111に取り付けた後、基軸部111の後端部側から第1ファイバ挿通孔111a及び第2ファイバ挿通孔121に光ファイバFを通し、第2ファイバ挿通孔121で光ファイバFを保持すればよい。
次に、フォンジャック20について説明する。フォンジャック20は、図4及び図5に示したように、ジャック本体21と、光源部22と、光結合部(位置決め部)23とを備える。図5は、フォンプラグ10とフォンジャック20の接続状態の模式図であり、フォンプラグ10とフォンジャック20の接続構造を示している。図4及び図5では、ジャック本体21及び光結合部23については断面構成を模式的に示している。
ジャック本体21は、絶縁材料から構成されており、一方向に延在している。ジャック本体21の形状は限定されないが、例えば角柱状を呈する。ジャック本体21の第1端部211には、フォンプラグ10のジャック接続部11が挿入される挿入口211aが形成されており、第1端部211と反対側の第2端部212には、開口部212aが形成されている。更に、ジャック本体21には、挿入口211aと開口部212aとをつなぐ孔部213が形成されている。したがって、本実施形態のジャック本体21は筒状を呈する。
挿入口211a、孔部213及び開口部212aは同心に形成されており同じ直径を有する。孔部213の直径は、スリーブ部113aの外径と実質的に同じである。これにより、挿入口211aから挿入されたジャック接続部11(より具体的には、ジャック接続部11のうちキャップ接続部113bより先端側の領域)は孔部213内に配置され、孔部213の内面で保持される。よって、孔部213は、ジャック接続部11の配置空間である。孔部213の直径は、スリーブ部113aの外径と実質的に同じであることから、ジャック接続部11は、基軸部111が孔部213と同心状態で孔部213に配置される。
ジャック本体21は、チップ部111b、リング部112a、及び、スリーブ部113aに電気的に接続される第1接続端子T1、第2接続端子T2及び第3接続端子T3を有する。第1接続端子T1、第2接続端子T2及び第3接続端子T3は、例えば導電板である。第1接続端子T1、第2接続端子T2及び第3接続端子T3はチップ部111b、リング部112a、及び、スリーブ部113aに接続されるように、孔部213の内面から孔部213内に一部が露出するとともに、外部接続可能なように、一部がジャック本体21の外面に露出するように、ジャック本体21の周壁に埋設されている。第1接続端子T1、第2接続端子T2及び第3接続端子T3には、音響機器30からイヤフォン41及びイヤフォン42に音声を出力するために、例えば左音声信号、右音声信号及びグランド信号が入力される。図1では、第1接続端子T1、第2接続端子T2及び第3接続端子T3と、音響機器30が有する音声出力部との接続配線を省略している。
光源部22は、光ファイバFに入力する赤色、青色及び緑色の合波光Lを出力する。図6に示したように、光源部22は、円板状のベース板221と、ベース板221に固定されたキャップ部222とを有する。ベース板221及びキャップ部222は例えばハーメチックシールされ得る。ベース板221とキャップ部222とで画成される空間内に、第1LDチップ223a、第2LDチップ223b及び第3LDチップ223cが配置されるとともに、それらを合波するための合波光学系224が配置されている。第1LDチップ223a,第2LDチップ223b及び第3LDチップ223cは、赤色光、緑色光及び青色光のうち互いに異なる色の光を出力する。例えば、第1LDチップ223aは赤色光を出力し、第2LDチップ223bは緑色光を出力し、第3LDチップ223cは青色光を出力する。
第1LDチップ223a、第2LDチップ223b、第3LDチップ223c及び合波光学系224の配置状態の一例について説明する。これらは、ベース板221の表面に直交するように配置された支持板225上に搭載され得る。
第1LDチップ223aは、ベース板221の表面の法線方向(厚さ方向)を光軸とするように支持板225に配置され、第2LDチップ223b及び第3LDチップ223cはそれらの光軸が、第1LDチップ223aの光軸と直交するように支持板225に配置される。
合波光学系224は、第1LDチップ223a、第2LDチップ223b、第3LDチップ223cを合波して、赤色、青色及び緑色の合波光Lを生成する。合波光学系224は、第1波長フィルタ224a及び第2波長フィルタ224bを有する。
第1波長フィルタ224aは、第1LDチップ223a及び第2LDチップ223bからの光を合波して、第2波長フィルタ224b側に出力する。第1波長フィルタ224aは、第1LDチップ223a及び第2LDチップ223bの光軸の交差部上に配置され、第1LDチップ223aからの光を透過する一方、第2LDチップ223bからの光を第2波長フィルタ224b側に反射する。これにより、第1LDチップ223a及び第2LDチップ223bからの光が合波され、その合波光が第2波長フィルタ224b側に出力される。
第2波長フィルタ224bは、第1LDチップ223a及び第2LDチップ223bからの光の合波光と、第3LDチップ223cからの光を合波して、ベース板221と反対側(キャップ部222の天板側)に出力する。第2波長フィルタ224bは、第1LDチップ223a及び第3LDチップ223cの光軸の交差部上に配置され、第1LDチップ223a及び第2LDチップ223bから出力された光を透過する一方、第3LDチップ223cからの光を第1波長フィルタ224aと反対側に反射する。これにより、第1LDチップ223a及び第2LDチップ223bからの光の合波光と、第3LDチップ223cからの光が合波され、その合波光Lがキャップ部222の天板側に出力される。
本実施形態で説明した上記第1LDチップ223a、第2LDチップ223b及び第3LDチップ223cの配置状態では、第1LDチップ223aの光軸が光源部22の光軸C4である。
キャップ部222の天板(ベース板221と対向する壁部)には、合波光学系224から出力された合波光を集光して光ファイバFに入力するための集光光学系として機能する集光レンズ223が、光軸C4上に設けられている。本実施形態では、光源部22の一部として集光レンズ(集光光学系)223を説明しているが、例えば、光源部22とは別に集光光学系を有してもよい。この場合には、キャップ部222の天板に、合波光を通す窓部が形成されていればよい。
ベース板221には、第1LDチップ223a、第2LDチップ223b及び第3LDチップ223cを駆動するため、それらへの電力供給用に複数のリードピン226が、ベース板221を貫通するように設けられている。ベース板221が導電性を有する場合には、リードピン226とベース板221との間には絶縁部材が配置されていればよい。リードピン226は、音響機器30の各種機能を制御する制御部と接続されている。これにより、例えば、音響機器30が有する音声出力の状態に応じて第1LDチップ223a、第2LDチップ223b及び第3LDチップ223cの発光状態が上記制御部によって制御され得る。図1では、リードピン226と、音響機器30の各種機能を制御する制御部との接続配線を省略している。
光結合部23は、光源部22に対して、キャピラリ12の位置を、光源部22から出力された合波光Lがキャピラリ12に保持される光ファイバFに入射するように位置決めする。換言すれば、光結合部23は、光源部22を、キャピラリ12に保持される光ファイバFに光結合する。
図4に示したように、光結合部23は、軸線を共有する割スリーブ(ガイド部)231と筒状部232とを有する。割スリーブ231と筒状部232の軸線は、光結合部23の軸線C5である。光結合部23は、光源部22と、キャピラリ12に保持された光ファイバF(図3参照)とを光結合するための部材である。
筒状部232は、第1筒状部(軸方向位置規定部)232Aと第2筒状部232Bとを有する。筒状部232の材料の例は、金属若しくは樹脂が挙げられる。第1筒状部232Aは、ジャック本体21側に第2筒状部232Bと一体に設けられている。第1筒状部232Aは、円筒状を呈し、第1筒状部232Aの外径は、キャピラリ12の外径と実質的に同じである。第1筒状部232Aは、軸線C5を軸線とする孔部232aを有する。
第2筒状部232Bは、第1筒状部232Aの外径より大きい外径を有する。よって、第1筒状部232Aは小径部であり、第2筒状部232Bは大径部である。第2筒状部232Bは、第1筒状部232A側から軸線C5を軸線とする孔部232b及び孔部232cを有する。孔部232b及び孔部232cのうち第1筒状部232A側の孔部232bは、孔部232aに連通している。孔部232bと孔部232aとの境界位置で孔部232bの直径は、孔部232aの直径と同じとし得る。孔部232bは、孔部232cに向けて径が拡大している。孔部232cは、光源部22を収容する空間を提供している。孔部232cの内径は、光源部22が有するキャップ部222の外径に実質的に等しく、光源部22は、孔部232cに嵌合される。したがって、第2筒状部232Bは、光結合部23と光源部22との連結部として機能する。孔部232bと孔部232cの直径が異なることから、光源部22の軸線C5方向の位置は孔部232bと孔部232cの境界位置で規定される。よって、光源部22が孔部232cに嵌合することで、軸線C5方向における集光レンズ223の位置が規定される。軸線C5方向における集光レンズ223の位置、すなわち、それを規定するための孔部232bと孔部232cの境界位置は、集光レンズ223により集光された合波光Lが、キャピラリ12に保持された光ファイバFの光入射端Faに入射する位置であればよい。
割スリーブ231は、軸線C5を軸線とし、キャピラリ12をガイドするガイド孔(挿通孔)231aを有する。割スリーブ231は、軸線C5方向から見て、周方向の一部が開いた円筒状を呈する。換言すれば、割スリーブ231は、ガイド孔231aを有する筒状体において、その周壁部の一部に、軸線方向に沿って延びる切欠き部が形成されることによって構成されている。割スリーブ231には第1筒状部232Aが挿入されており、割スリーブ231の一端は、例えば第2筒状部232Bに当接している。割スリーブ231の軸線C5方向の長さは第1筒状部232Aより長い。
割スリーブ231は、弾性(ばね性)を有し、割スリーブ231の材料の例は、リン青銅、ジルコニアなどである。割スリーブ231は、第1筒状部232A及びキャピラリ12の外径より若干小さい内径を有する。割スリーブ231の内径は、ガイド孔231aの直径に対応する。例えば、第1筒状部232A及びキャピラリ12の外径が1.25mmである場合、割スリーブ231の内径は、1.245mm程度である。これにより、割スリーブ231が第1筒状部232Aに取り付けられた状態では、割スリーブ231が第1筒状部232Aをグリップし、第1筒状部232Aと同心で第1筒状部232Aに固定されている。更に、割スリーブ231に、第1筒状部232Aと反対側からキャピラリ12が挿入された状態では、第1筒状部232A及び割スリーブ2331と同心の状態で、キャピラリ12が割スリーブ231にグリップされ、保持される。キャピラリ12が割スリーブ231内に挿入された状態で、キャピラリ12の先端は、第1筒状部232Aに当接している。これにより、フォンプラグ10がフォンジャック20に挿入された際に、軸線C5方向において、フォンプラグ10の挿入方向の位置決めがなされ、光結合部23内における光ファイバFの光入射端Faの位置が規定される。
光結合部23の軸線C5(割スリーブ231及び筒状部232の軸線)は、孔部232cに嵌合され位置決めされた光源部22の光軸C4と一致している。これにより、光源部22の光軸C4と、キャピラリ12に保持された光ファイバFの光軸C3とが一致する。更に、第2筒状部232Bに光源部22が収容され、フォンプラグ10がフォンジャック20に挿入された状態では、軸線C5方向において集光レンズ223の位置と、光ファイバFの光入射端Faの位置が規定される。これにより、光源部22と光ファイバFとが光結合されるので、光源部22で生成される合波光Lが、集光レンズ223で集光されると、集光された合波光Lは、光ファイバFに入射される。
図1に示したように、フォンジャック20のうちジャック本体21は、バックパネル32の縁部近傍において、挿入口211aが外部に露出するように固定され得る。これにより、フォンプラグ10のジャック接続部11が挿入口211aに挿入され得る。ジャック本体21は、固定部材を介して固定されてもよいし、接着剤などでバックパネル32に固定されてもよい。
光源部22は、図4に示したように、光結合部23の第2筒状部232Bに収容された状態で、図1に示したように、例えば固定部材60で音響機器30のバックパネル32に固定されている。固定部材60は、バックパネル32の内面に固定される平板部61と、平板部61の一縁部から立設されており、ベース板221を支持する支持部62とを有する。平板部61には例えばネジが挿通される挿通孔が形成されており、ネジによってバックパネル32に固定され得る。平板部61及び支持部62は、熱伝導率のよい材料から構成されていることが好適である。これにより、固定部材60が光源部22の放熱部材としても機能するからである。
固定部材60のバックパネル32への固定位置は、第1筒状部232Aにキャピラリ12の第2端12bが当接した状態で、第1接続端子T1、第2接続端子T2及び第3接続端子T3が、チップ部111b、リング部112a及びスリーブ部113aに接触するように、設定されていればよい。
フォンプラグ10は、ジャック接続部11の先端部にキャピラリ12を備えており、キャピラリ12に光ファイバFが保持される。したがって、フォンプラグ10を、光源部22を備えており音響機器30に内蔵されたフォンジャック20に差し込むことで、光ファイバFに光源部22から合波光Lを入射可能である。よって、光ファイバFをフォンケーブル50に挿入しておけば、フォンケーブル50を光らせることが可能である。
フォンジャック20は、音響機器30に内蔵されている。フォンジャック20は、ジャック本体21の挿入口211aと反対側に光源部22を備えている。フォンジャック20に挿入されたキャピラリ12は、光源部22に対して光結合部23により位置決めされる。これにより、ジャック本体21の挿入口211aから挿入され、キャピラリ12に保持された光ファイバFと、光源部22とが光結合部23によって光結合されている。したがって、音響機器30に内蔵された光源部22から合波光Lを出力することで、キャピラリ12に保持された光ファイバF内に合波光Lを入射可能である。よって、光ファイバFをフォンケーブル50に挿入しておけば、フォンケーブル50を光らせることが可能である。
光結合部23が割スリーブ231を有し、キャピラリ12が第1筒状部232Aと当接した状態で割スリーブ231によって保持されるため、例えば音響機器30を携帯するユーザの動きに応じて音響機器30が振動しても、キャピラリ12の光源部22に対する位置がずれにくい。したがって、安定して光源部22からの合波光Lを光ファイバFに入射できる。特に、光結合部23のように、光源部22との連結する連結部である第2筒状部232Bを有し、第2筒状部232Bに一体的に設けられた第1筒状部232Aが割スリーブ231に挿入され第1筒状部232Aが割スリーブ231にグリップされている場合には、音響機器30が振動の影響を受けずに、光源部22に対してキャピラリ12の位置を規定でき、安定して光源部22からの合波光Lを光ファイバFに入射できる。
上記構成では、割スリーブ231内には、割スリーブ231の一端(筒状部232側の端)から挿入された第1筒状部232Aが配置されており、キャピラリ12が第1筒状部232Aと当接した状態で割スリーブ231によって保持されている。よって、第1筒状部232A(より具体的には、第1筒状部232Aのうちキャピラリ12との当接面)が、光源部22の光軸C4に対するキャピラリ12の第2端12bの位置決め部として機能する。これにより、光源部22の光軸C4に対してキャピラリ12の第2端12bの位置を光源部22に対して確実に規定できる。したがって、キャピラリ12に保持される光ファイバFの光入射端Faに光源部22からの合波光Lがより確実に入射され得る。
上記フォンプラグ10及びフォンジャック20の作用効果について、図2に示したように、フォンケーブル50が接続されているとともに、光ファイバFがキャピラリ12に保持されているフォンプラグ10が、音響機器30に搭載されたフォンジャック20に差し込まれる場合を例にして、より詳細に説明する。
フォンプラグ10をフォンジャック20に差し込む場合、フォンプラグ10のジャック接続部11及びキャピラリ12が、フォンジャック20のジャック本体21内に挿入される。ジャック本体21の開口部212a側には、光結合部23の割スリーブ231が配置されている。キャピラリ12は、第2端12bが筒状部232の端面に当接するまで割スリーブ231にガイドされながら割スリーブ231内に挿入される。換言すれば、第2端12bが第1筒状部232Aに当接するまで、フォンプラグ10がフォンジャック20内に挿入される。
割スリーブ231内で第1筒状部232Aに第2端12bが当接した状態では、ジャック本体21の孔部213内に配置されたジャック接続部11のチップ部111b、リング部112a及びスリーブ部113aに第1接続端子T1、第2接続端子T2及び第3接続端子T3が接続される。よって、音響機器30からフォンプラグ10及びフォンケーブル50を介してイヤフォン41及びイヤフォン42に音声信号(例えば音楽など)を送信可能である。
割スリーブ231の内径(ガイド孔231aの直径)はキャピラリ12の外径より若干小さく、割スリーブ231は弾性を有する。よって、割スリーブ231内に挿入されたキャピラリ12は、光結合部23の軸線C5と同心の状態で、割スリーブ231により締め付けられ保持される。軸線C5は、光源部22の光軸C4と一致していることから、光源部22の光軸C4と、キャピラリ12に保持された光ファイバFの光軸C3とが一致する。
更に、第1筒状部232Aに第2端12bが当接することで、キャピラリ12は、光源部22から出力された合波光Lが光ファイバFの光入射端Faに入射する位置に固定される。したがって、光源部22から合波光Lを出力することで、その合波光Lは光ファイバFに入射される。光ファイバFは、フォンケーブル50内に通されている。更に、光ファイバFは、内部を伝播する光が、光ファイバFから漏れるように構成されている。そのため、光ファイバFに、光源部22からの合波光Lが入射されると、フォンケーブル50が発光する。
上記のように、フォンプラグ10がジャック接続部11の先端部にキャピラリ12を備え、且つ、フォンジャック20が、光源部22及び光結合部23を備えることで、フォンジャック20を音響機器30に内蔵しながら、フォンジャック20にフォンプラグ10に差し仕込むことで、フォンケーブル50が発光させることが可能である。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、各請求項に記載した要旨を変更しない範囲で変形し、又は他のものに適用したものであってもよい。すなわち、本発明は、本発明の要旨を変更しない範囲で種々の変形が可能である。
例えば、ジャック接続部における基軸部に対する絶縁部及び導電部の数及び配置は、ジャック接続部が例えばJIS C 5325Aに準拠した4極タイプに準拠したものでもよい。例えば、基軸部をマイク信号用に割り当て、基軸部と第1絶縁部との間に、基軸部の外周を覆う第3導電部を、第3絶縁部を介して配置してもよい。この場合、ジャック接続部の表面において、第3絶縁部と第1絶縁部の間に、第3導電部の一部が露出するように形成し、その第3導電部を左耳用の音声信号に対して割り当てればよい。或いは、両耳ではなく片耳にのみ音声を送信可能な構成でもよい。フォンジャックが有する接続端子の数及び配置状態も、ジャック接続部の構成に応じたものであればよい。
光源部は、フォンケーブルを発光させるための光を出力可能であればよい。したがって、図6に例示したような構成に限定されない。更に、光源部が出力する合波光は、赤色、青色、及び緑色の三色の合波光に限らない。例えば2色又は4色以上の合波光でもよい。更に、光源部は、単色光を出力してもよい。
上記実施形態では、光結合部を、光源部に対してファイバ保持部を位置決めする位置決め部として説明したが、位置決め部の構成は、光源部に対して、光源部から出力される光がファイバ保持部に保持される光ファイバに入射するようにファイバ保持部を位置決めできれば、例示した光結合部の構成に限定されない。
例えば、ファイバ本体におけるジャック接続部の配置空間がジャック接続部のスリーブ部の外径と同じ内径を有している形態では、挿入口に例えばジャック本体の挿入量を規定する挿入量規制部を設けておけば、光源部の光軸と、ファイバ保持部で保持される光ファイバの光軸とを一致させながら、光源部の光軸方向に対するファイバ保持部の先端位置(光ファイバの光入射端の位置)を規定することも可能である。この場合、ジャック接続部の配置空間及び上記挿入量規制部が位置決め部として機能し、上記挿入量規制部が、軸方向位置規制部として機能する。
ガイド部としての割スリーブの内径(ガイド孔の径)は、キャピラリの軸線(光ファイバの軸線)を、光源部の軸線と一致するようにガイドできれば、キャピラリの外径と実質的に同じでもよい。ガイド部の構成は、例示した割スリーブに限定されず、例えば、軸線方向から見た際に、周方向に閉じている筒状体でもよい。ガイド部として、例えば、ジャック本体の開口部にファイバ保持部の外径を内径とする筒状体を設けてもよい。