JP2018062830A - 基礎ブロック及び境界壁 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】基礎ブロック1は、平面視細長状の本体2と、本体2の長手方向第1端部に形成された嵌入凸部3と、本体2の長手方向第2端部に形成された嵌入凹部4と、を有し、嵌入凸部3が、上下に延びる第1中心軸を有し且つ本体2の外方に突出した凸状円弧面31を有し、且つ、嵌入凹部4が、上下に延びる第2中心軸を有し且つ本体2の内方に窪んだ凹状円弧面41を有し、凸状円弧面31の曲率半径Aと凹状円弧面41の曲率半径Bが、同じ高さを基準として、A≦Bの関係を満たしている。
【選択図】図1
Description
また、特許文献1の境界壁では、隣り合う基礎ブロック同士が固定的に連結されているため、自動車が境界壁に衝突した際、基礎ブロックが殆ど動かない場合ががある。しかしながら、交通安全のため、基礎ブロックは、自動車が衝突した際、元の位置からある程度移動して衝撃を緩和できる方が望ましい。
特許文献2の基礎ブロックを用いて境界壁を構築した場合、基礎ブロックが回動可能であるため、境界壁を構築した後、その曲率を微調整することが容易である。また、基礎ブロックが回動可能であるため、自動車が境界壁に衝突した際、その衝撃をある程度緩和することができる。
また、本発明の基礎ブロックは、好ましくは、前記凸状円弧面及び前記凹状円弧面が、水平面に対して0°を超え90°未満の内角を成す傾斜面を有する。
本発明の境界壁は、上記基礎ブロックを複数有しており、前記複数の基礎ブロックのうち、第1基礎ブロックの嵌入凸部が、前記第1基礎ブロックと隣り合う第2基礎ブロックの嵌入凹部に嵌入されている。
より好ましくは、前記連結部材が、平面視細長状の架橋部と、前記架橋部の下面に形成された第1突出部及び第2突出部と、を有し、前記第1基礎ブロック及び第2基礎ブロックのそれぞれが、前記本体の長手方向第1端部に形成された第1嵌入孔と、前記本体の長手方向第2端部に形成された第2嵌入孔と、を有し、前記連結部材の第1突出部が前記第1基礎ブロックの第1嵌入孔に嵌入され、且つ、前記連結部材の第2突出部が前記第2基礎ブロックの第2嵌入孔に嵌入されている。
また、さらに好ましくは、前記第1嵌入孔の中心部に、前記連結部材と前記第1基礎ブロックを連結する軸部材が挿通される軸孔が設けられており、前記軸孔の中心軸が、前記第1基礎ブロックの凸状円弧面の第1中心軸と一致している。
また、本発明の基礎ブロックは、A≦Bの関係を満たしているため、嵌入状態において各基礎ブロックを回動させることができ、境界壁の曲率を容易に微調整できる。
また、図面では、基礎ブロックを載置面である水平面に載置した状態を基準としているが、図8を除く各図において載置面の描写は省略している。
本明細書において、用語の前に、「第1」や「第2」などの序数詞を付す場合があるが、この序数詞は、用語を区別するために付加したものであり、用語の優劣や順序など特別な意味を有しない。
また、本明細書において、「〜」という数値範囲は、「〜」の前後の数値を下限値及び上限値として含む数値範囲を意味する。複数の下限値と複数の上限値が個別に記載されている場合、任意の下限値と上限値を選択し、「〜」で結ぶことができる。
さらに、本明細書において「円」とは、完全な真円のみならず、本発明の技術分野において円と認められる形状(例えば、長軸と短軸の長さが殆ど変わらない楕円など)を含んでいる。
図1乃至図8は、本発明の第1実施形態に係る基礎ブロック1を示している。
基礎ブロック1は、平面視細長状の本体2と、本体2の長手方向第1端部に形成された嵌入凸部3と、本体2の長手方向第2端部に形成された嵌入凹部4と、を有する。
本体2は、基礎部21と、基礎部21の上に設けられた取付部22と、を有する。基礎部21は、取付部22を支持する部分であり、取付部22は、ガードレールや標識などの道路附属物が取りつけられる部分である。本実施形態では、取付部22の上面22bに、道路附属物の支柱(図示せず)が取り付けられる取付孔23が設けられている。
本実施形態では、本体2の基礎部21は、下面21aと、水平面と直交する鉛直面である第1周面21bと、第1周面21bの上端縁と連接し且つ取付部22の下端縁と連接する第2周面21cを有しており、取付部22は、基礎部21の第2周面21cの上端縁から上に延びる第3周面22aと、第3周面22aの上端縁に連接して設けられた水平面と平行な上面22bを有している。本実施形態において、基礎部21の第2周面21cと取付部22の第3周面22aは、共に上から下にかけて本体2の外方へ向かう傾斜面である。本実施形態では、取付部22の第3周面22aは、その長手方向第1端部において第1円弧状部22cを有しており、その長手方向第2端部において第2円弧状部22dを有している。
なお、本明細書において、「傾斜面」とは、水平面と0°を超え90°未満の内角を成す面であり、「本体2の外方」とは本体2から離れる方向であり、「本体2の内方」とは外方と反対方向である。また、「上」は、図1乃至図8(水平面に載置した第1実施形態に係る基礎ブロック1を表す図面)のうち、図2及び図7以外の紙面の上側に対応しており、「下」は、同紙面の下側に対応している。
また、基礎部21の最大幅(BW)と取付部22の最大幅(MW)も特に限定されず、基礎ブロック1の用途に応じて適宜設定することができる。基礎部21の最大幅(BW)は、幅方向(長手方向と直交し且つ水平面と平行な方向)における基礎部21の最大長さである。本実施形態では図4に示すように、基礎部21の対向する第1周面21b,21b間の幅方向の長さが基礎部21の最大幅(BW)に相当する。また、取付部22の最大幅(MW)は、幅方向における取付部22の最大長さである。本実施形態では図4に示すように、正面視における第1円弧状部22cの下端縁の幅方向の長さが取付部22の最大幅(MW)に相当する。通常、基礎部21の最大幅(BW)と取付部22の最大幅(MW)の比率(BW/MW)は、1/2〜7/5である。
本実施形態では、基礎部21の最大幅(BW)は取付部22の最大幅(MW)よりも長い。そのため、基礎ブロック1の正面視形状及び背面視形状は、図4及び図5に示すように、共に略凸字状である。
本発明では、隣り合う第1基礎ブロック1a及び第2基礎ブロック1bのうち少なくとも一方の基礎ブロックを載置面に沿ってスライドさせることにより、第1基礎ブロック1aの嵌入凸部3を第2基礎ブロック1bの嵌入凹部4に嵌入可能である。換言すると、第1基礎ブロック1a及び/又は第2基礎ブロック1bをその載置面の上で滑動させることにより、嵌入凸部3を嵌入凹部4に嵌入させることができる。
また、本発明では、第1基礎ブロック1aの嵌入凸部3を第2基礎ブロック1bの嵌入凹部4に嵌入させた状態において、嵌入凹部4によって嵌入凸部3の幅方向の動きが制限されていると共に嵌入凸部3が嵌入凹部4の表面に沿って摺動可能である。
以下、嵌入凸部3及び嵌入凹部4の具体的な形状並びに嵌入状態について説明する。
具体的には、本実施形態において、嵌入凸部3の凸状円弧面31は、上から下にかけて本体2の外方に延びる第1傾斜面31a及び第1傾斜面31aの下端縁に連接して下に延びる第1鉛直面31bを有する。他方、嵌入凹部4の凹状円弧面41は、上から下にかけて本体2の内方に延びる第2傾斜面41a、第2傾斜面41aの下端縁に連接して下に延びる第2鉛直面41b、及び第2傾斜面41aの上端縁に連接して上に延びる第3傾斜面41cを有する。第1傾斜面31aの高さと第2傾斜面41aの高さ、及び、第2鉛直面31bの高さと第2鉛直面41bの高さは同じである。
図8に示すように、凸状円弧面31の第1傾斜面31aと水平面の成す内角α1は特に限定されず、例えば、その下限値は通常10°であり、好ましくは15°であり、より好ましくは20°である。また、内角α1の上限値は通常80°であり、好ましくは70°であり、より好ましくは60°である。第2傾斜面41aと水平面の成す内角β1についても同様である。
内角α1と内角β1の比率(α1/β1)は、略1.0、即ち内角α1と内角β1が略同一であることが望ましい。なお、α1/β1が略1.0(内角α1と内角β1が略同一)とは、α1/β1が厳密に1.0である場合のみならず、本発明の技術分野で許容される範囲の誤差を含む。例えば、α1/β1が略1.0とは、0.95≦A/B≦1.05であり、より好ましくは0.98≦A/B≦1.02である。後述する、α2/β2についても同様である。
第1傾斜面31aの高さと第2傾斜面41aの高さ、及び、第2鉛直面31bの高さと第2鉛直面41bの高さが同じであると共に、内角α1と内角β1が略同一であるため、第1基礎ブロック1aの嵌入凸部3を第2基礎ブロック1bの嵌入凹部4に嵌入した状態において、凸状円弧面31の第1傾斜面31aは凹状円弧面41の第2傾斜面41aに対面し、凸状円弧面31の第1鉛直面31bは凹状円弧面41の第2鉛直面41bに対面する(図9参照)。
嵌入凸部3の凸状円弧面31には、二点鎖線で示すように、載置面である水平方向と平行な曲率円(接触円とも称される。以下、単に曲率円と称する)が想定される。図7では、便宜上、凸状円弧面31に想定される3つの曲率円(第1傾斜面31aの上端縁に想定される曲率円CA1、第1傾斜面31aの下端縁に想定される曲率円CA2、及び第1鉛直面31bの下端縁に想定される曲率円CA3)を図示しているが、凸状円弧面31に想定される曲率円は無数に存在し、この無数に存在する曲率円の中心を結ぶことで上下に延びる第1中心軸VL1が観念される。
同様に、嵌入凹部4の凹状円弧面41にも二点鎖線で示すような曲率円が想定される。図7では、便宜上、凹状円弧面41に想定される4つの曲率円(第2傾斜面41aの上端縁に想定される曲率円CB1、第2傾斜面41aの下端縁に想定される曲率円CB2、第2鉛直面41bの下端縁に想定される曲率円CB3、及び第3傾斜面41cの上端縁に想定される曲率円CB4)を図示しているが、凹状円弧面41に想定される曲率円は無数に存在し、この無数に存在する曲率円の中心を結ぶことで上下に延びる第2中心軸VL2が観念される。
本実施形態では、凸状円弧面31の第1中心軸VL1は、鉛直方向に延びている。さらに、凸状円弧面31は、その曲率半径Aが上から下にかけて連続的に大きくなる部分(第1傾斜面31a)と曲率半径Aが上から下にかけて不変な部分(第1鉛直面31b)を有する。そのため、嵌入凸部3は、恰も円柱の上に上窄まりな円錐台が乗った立体の一部を切り出したかのような形状を有する。
また、本実施形態では、凹状円弧面41の第2中心軸VL2は、鉛直方向に延びている。さらに、凹状円弧面41は、その曲率半径Bが上から下にかけて連続的に大きくなる部分(第2傾斜面41a及び第3傾斜面41c)と曲率半径Bが上から下にかけて不変な部分(第2鉛直面41b)を有する。
(曲率円CA3と曲率円CB3、及び、図示していないその他無数の曲率円についても同様の関係となる)。
以下、第1基礎ブロック1aの嵌入凸部3を第2基礎ブロック1bの嵌入凹部4に嵌入させた状態において、「A=B」を満たす場合と「A<B」を満たす場合で、嵌入状態がどのように異なるかについて説明する。
「A=B」である場合、凸状円弧面31の形状は凹状円弧面41の形状と一対一に対応する。従って、図10(a)に示すように、第1基礎ブロック1aを載置面である水平面に沿ってスライドさせることで、嵌入凸部3の凸状円弧面31を第2基礎ブロック1bの嵌入凹部4の凹状円弧面41に面接触するように嵌入させることができる。即ち、第1基礎ブロック1a又は第2基礎ブロック1bを、持ち上げることなく載置面に沿ってスライドさせることにより、嵌入凸部3を嵌入凹部4に嵌入できる。また、嵌入状態では、第2基礎ブロック1bの凹状円弧面41がストッパーとなり、第1基礎ブロック1aの嵌入凸部3の幅方向の動きが制限されると共に、嵌入凸部3の凸状円弧面31が嵌入凹部4の表面である凹状円弧面41に沿って摺動可能である。従って、第1基礎ブロックを、図10(a)に示す状態から、凸状円弧面31の第1中心軸VL1を回動中心として回動させることにより、図10(b)に示す状態に変更可能である。
「A<B」である場合、嵌入凸部3は嵌入凹部4に嵌入するものの、凸状円弧面31の形状は凹状円弧面41の形状と一対一に対応していない。そのため、図11(a)に示すように、第1基礎ブロック1aの嵌入凸部3を第2基礎ブロック1bの嵌入凹部4に嵌入させた場合、嵌入凸部3の凸状円弧面31は嵌入凹部4の凹状円弧面41と線接触する。この場合でも、第2基礎ブロック1bの凹状円弧面41はストッパーとして機能するため、嵌入状態において、第1基礎ブロック1aの嵌入凸部3の幅方向の動きが制限されると共に、嵌入凸部3が嵌入凹部4の表面に沿って摺動可能である。そのため、「A<B」の場合も第1基礎ブロック1aを回動させることにより、図11(a)に示す状態から図11(b)に示す状態に変更可能である。もっとも、「A<B」の場合、凸状円弧面31と凹状円弧面41との間には僅かな間隙Gが発生する。そのため、「A=B」の場合とは異なり、第1基礎ブロック1aを回動させると、その回動中心が凸状円弧面31の第1中心軸VL1からずれて一定に定まらない場合がある。
A/Bが0.8を下回ると、第1基礎ブロック1aの嵌入凸部3を、第2基礎ブロック1bの嵌入凹部4に嵌入させた場合、凸状円弧面31と凹状円弧面41との間に存在する間隙Gが大きくなり過ぎる虞がある。基礎ブロック1は、一般的に屋外で使用されるため、凸状円弧面31と凹状円弧面41の間の間隙Gが大きくなり過ぎると、この間隙に小石などの異物が入り込み易くなり、第1基礎ブロック1aをスムーズに回動できない虞がある。
このような異物の混入を考慮すると、A/Bは略1.0である、即ち、同じ高さを基準として、凸状円弧面31の曲率半径Aと凹状円弧面41の曲率半径Bは略同一であることが最も好ましい。なお、A/Bが略1.0(AとBが略同一)とは、A/Bが厳密に1.0である場合のみならず、本発明の技術分野で許容される範囲の誤差を含む。例えば、A/Bが略1.0とは、0.95≦A/B≦1.05であり、より好ましくは0.98≦A/B≦1.02である。後述する、C/Bについても同様である。
第1円弧状部22cは、取付部22の上から下にかけて本体2の外方へ延びるように設けられた傾斜面でもある。本実施形態では、第1円弧状部22cに想定される曲率円は、上から下にかけてその曲率半径Cが連続的に大きくなっている(図7参照)。なお、本実施形態では、第1円弧状部22cの中心軸は、凸状円弧面31の第1中心軸VL1と一致している。
第1基礎ブロック1aの嵌入凸部3を第2基礎ブロック1bの嵌入凹部4に嵌入した状態において、凹状円弧面41の第3傾斜面41cは、第1円弧状部22cの下端部に対応している(図9参照)。第3傾斜面41cは、上から下にかけて本体2の内方へ延びると共に、その曲率半径Bが上から下にかけて連続的に大きくなるように形成されている。そのため、第3傾斜面41cの上端縁に想定される曲率円CB4の曲率半径B4はその下端縁に想定される曲率円CB1(第2傾斜面41aの上端縁に想定される曲率円と共通)の曲率半径B1よりも小さい。
本実施形態では、凸状円弧面31の曲率半径Aと凹状円弧面41の曲率半径Bが同じ高さを基準としてA≦Bの関係を満たすのと同様に、第1円弧状部22cの曲率半径Cとそれに対応する凹状円弧面41(第3傾斜面41c)の曲率半径Bも、同じ高さを基準としてC≦Bの関係を満たす。具体的には、図7に示すように、凹状円弧面41の第3傾斜面41cの上端縁に想定される曲率円CB4の曲率半径B4と、曲率円CB4と同じ高さに位置する第1円弧状部22cの曲率円CC1の曲率半径C1は、C1≦B4の関係を満たしている。なお、特に図示しないが、第1円弧状部22cに想定されるC1以外の無数の曲率円と、それらと同じ高さにある凹状円弧面41に想定されるB4以外の無数の曲率円についても同様の関係である。
「C=B」の場合、図12(a)に示すように、第1円弧状部22cの下端部の形状と凹状円弧面41の第3傾斜面41cの形状は一対一に対応しているため、嵌入状態において、第1円弧状部22cの下端部は凹状円弧面41の第3傾斜面41cと面接触する。他方、「C<B」の場合、図13(a)に示すように、第1円弧状部22cの下端部の形状と凹状円弧面41の第3傾斜面41cの形状は一対一に対応していないため、嵌入状態において、第1円弧状部22cの下端部は凹状円弧面41の第3傾斜面41cと線接触し、両面の間には間隙Gが発生する。
なお、同じ高さを基準とした、取付部22の第1円弧状部22cの曲率半径Cと凹状円弧面41の曲率半径Bの比率(C/B)は特に限定されないが、好ましくは、上述した「A/B」の範囲と同範囲を採用でき、より好ましくは、C/Bは略1.0である。
面取り面25がない場合、嵌入凹部4の端縁が薄くなり過ぎ(鋭利になり)、境界壁の構築作業を慎重に行わなければならず、作業効率が落ちる虞がある。もっとも、面取り面25は必ずしも必要ではなく、省略することも可能である。また、面取り面25は、平坦面に限定されず、曲面であってもよく、平面と曲面の組み合わせでもよい。また、面取り面25は、鉛直面であってもよい。
基礎ブロック1は、例えば、型枠にコンクリートを流し込んで成形し、その後、養生を経た後に型枠を取り外すことで容易に作製することができる。
図14及び図15は、本発明の第2実施形態に係る基礎ブロック1を示しており、図16は、本実施形態に係る基礎ブロック1に取り付けられる連結部材5を示している。
本発明の基礎ブロック1は、嵌入凸部3と嵌入凹部4の嵌入のみによって複数の基礎ブロック1を連結し境界壁を構築することができるが、本実施形態の基礎ブロック1は、連結部材5の嵌入孔26を有しており、この嵌入孔26に連結部材5を嵌入することで隣り合う基礎ブロック1をより強固に連結することができる。
本実施形態の基礎ブロック1の基本的な形態は第1実施形態と同様であるが、図14に示すように、本実施形態では、取付部22の長手方向第1端部に、その上面22bよりも高さの低い水平面と平行な第1切欠面27aが形成されており、取付部22の長手方向第2端部に、その上面22bよりも高さの低い、水平面と平行な第2切欠面27bが形成されていると共に、第1切欠面27aの面内に第1嵌入孔26aが形成されており且つ第2切欠面27bの面内に第2嵌入孔26bが形成されている。第1切欠面27aと第2切欠面27bは、互いに同じ高さとなるように形成されている。
本実施形態では、第1嵌入孔26a及び第2嵌入孔26bは円柱状の孔部であり、その底面の中心部に連結部材5を基礎ブロック1に固定するために軸孔28がそれぞれ設けられている。本実施形態において、第1嵌入孔26aと第2嵌入孔26bは同形同大に形成されている。
連結部材5は、平面視細長状の架橋部51と、架橋部51の下面の長手方向両端部にそれぞれ形成された突出部52を有する。以下、2つの突出部52,52のうち、基礎ブロック1の第1嵌入孔26aに嵌入されるものを第1突出部52aと称し、基礎ブロック1の第2嵌入孔26bに嵌入されるものを第2突出部52bと称する。本実施形態において、第1突出部52aと第2突出部52bは同形同大とされている。
第1及び第2突出部52a,52bは、共に基礎ブロック1の嵌入孔26に嵌入可能な円柱状に形成されている。第1及び第2突出部52a,52bの底面の直径は、第1及び第2嵌入孔26a,26bの底面の直径よりも小さい。
本実施形態では、連結部材5の架橋部51の上面から第1突出部52aの下面にかけて、基礎ブロック1の軸孔28に挿通される軸部材6を通すための第1挿通孔53aが形成されている。同様に、架橋部51の上面から第2突出部52bの下面にかけて、基礎ブロック1の軸孔28に挿通される軸部材6を通すための第2挿通孔53bが形成されている。
まず、第1基礎ブロック1aの嵌入凸部3を第2基礎ブロック1bの嵌入凹部4に嵌入させる(即ち、嵌入凸部3の凸状円弧面31を嵌入凹部4の凹状円弧面41に接触させる)。続いて、嵌入状態において、第1基礎ブロック1aの第1嵌入孔26aに連結部材5の第1突出部52aを嵌入させ且つ第2基礎ブロック1bの第2嵌入孔26bに連結部材5の第2突出部52bを嵌入させる。その後、連結部材5の第1挿通孔53a及び第1基礎ブロック1aの軸孔28に軸部材6を挿通し且つ連結部材5の第2挿通孔53b及び第2基礎ブロック1bの軸孔28に軸部材6を挿通することにより、第1基礎ブロックと1aと第2基礎ブロック1bに跨がって連結部材5を取り付けることができる。なお、軸部材6としては、例えば、平面視多角形状の頭部と頭部の下面に設けられたネジ部とを有するボルトが用いられる。本実施形態では、図17に示すように軸部材6として六角ボルトを用いている。
第1基礎ブロック1aと第2基礎ブロック1bに跨がって連結部材5を取り付けると、第1基礎ブロック1aと第2基礎ブロック1bの嵌入状態が、連結部材5を取り外さない限り解除されない。従って、連結部材5を用いることにより、隣り合う基礎ブロック1がより強固に連結した境界壁を構築することができる。
従って、嵌入状態において、第1基礎ブロック1aは、嵌入凸部3の凸状円弧面31の第1中心軸VL1を軸として回動可能である。そのため、嵌入状態で第1基礎ブロック1aを回動させた場合、凸状円弧面31の第1中心軸VL1は不動である。
本実施形態では、図15に示すように、第1嵌入孔26aの軸孔28は、その中心軸が凸状円弧面31の第1中心軸VL1と一致するように設けられている(図面上、軸孔28の中心軸は第1中心軸VL1と一致するため個別に描写していない)。第1嵌入孔26aの軸孔28の中心軸と凸状円弧面31の第1中心軸VL1が一致すれば、連結部材5を取りつけた状態のまま、第1嵌入孔26aに挿通させた軸部材6を軸として第1基礎ブロック1aを回動させることができる。具体的には、第1基礎ブロック1aを回動させても第1嵌入孔26aに挿通した軸部材6の軸は不動であるため、図18に示すように、第1嵌入孔26aに挿通させた軸部材6の軸(即ち、第1中心軸VL1)と第2嵌入孔26bに挿通させた軸部材6の軸BAとの距離Dは、第1基礎ブロック1aの回動角度にかかわらず常に一定となる。そのため、第1基礎ブロック1aの回動角度にかかわらず、一定の長さの架橋部51を有する連結部材5を用いて第1基礎ブロック1aと第2基礎ブロック1bを連結することができ、連結部材5による連結状態を維持したまま、第1基礎ブロック1aを回動させることができる。
第1嵌入孔26aの軸孔28の中心軸(第1中心軸VL1)と第2嵌入孔26bの軸孔28の中心軸BAの距離Dは、特に限定されず、基礎ブロック1の寸法に合わせて適宜設定することができるが、通常5cm〜20cmであり、好ましくは10cm〜20cmである。
また、連結部材5の重量は、基礎ブロック1の1/1000〜1/300であることが好ましい。連結部材5の重量が基礎ブロック1の1/1000を下回ると、隣り合う基礎ブロック1間の連結力が不十分となる虞がある。他方、連結部材5の重量が基礎ブロック1の1/300を超えると、連結部材5が重しとなるため、連結部材5を取り付けた状態で基礎ブロック1を回動させることが困難となる虞がある。
第1及び第2実施形態では、取付部22の第1及び第2円弧状部22c,22dが共に取付部22の上から下にかけて本体2の外方へ延びるように設けられている。そのため、嵌入状態において、第1基礎ブロック1aと第2基礎ブロック1bの間には側面視三角形状の間隙が生じる(図9及び図18参照)。
これに対し、本実施形態では、図19乃至図22に示すように、第1及び第2円弧状部22c,22dが水平面に直交する鉛直面とされている。第1円弧状部22cの下端縁は、嵌入凸部3の上端縁に連接しており、且つ、第2円弧状部22dの下端縁は、嵌入凹部4の上端縁に連接している。そのため、本実施形態では、嵌入状態において、第1基礎ブロック1aと第2基礎ブロック1bの間に間隙が生じず、第1及び第2実施形態に比してより一体的な境界壁を構築することができる(図23参照)。
また、本実施形態では、取付部22の上面22bと第1切欠面27aとの段差は、第1及び第2実施形態よりも低くなるように構成されている。第2切欠面27bと上面22bとの段差についても同様である。これに合わせて、本実施形態では、第1及び第2実施形態に比して架橋部51の厚みが小さい連結部材5が用いられている。このように架橋部51の厚みの小さい連結部材は、例えば、鉄、アルミニウム、及びこれらの合金などの金属からなる金属板を成型することで容易に作製できる。
そのため、図23に示すように、第1嵌入孔26aに挿通させた軸部材6の軸(即ち、第1中心軸VL1)と第2嵌入孔26bに挿通させた軸部材6の軸BAとの距離Dは、第1基礎ブロック1aの回動角度にかかわらず常に一定となる。従って、第1基礎ブロック1aの回動角度にかかわらず、一定の長さの架橋部51を有する連結部材5を用いて第1基礎ブロック1aと第2基礎ブロック1bを連結することができ、連結部材5による連結状態を維持したまま、第1基礎ブロック1aを回動させることができる。
本発明の基礎ブロック1は、嵌入凸部3の凸状円弧面31の曲率半径Aと嵌入凹部4の凹状円弧面41の曲率半径Bが、同じ高さを基準として、A≦Bの関係を満たしている。そのため、隣り合う第1基礎ブロック1a及び第2基礎ブロック1bのうち少なくとも一方の基礎ブロックをその載置面に沿ってスライドさせることにより、嵌入凸部3を嵌入凹部4に嵌入可能である。従って、複数の基礎ブロック1を載置面に沿ってスライドさせるだけで基礎ブロック1を持ち上げることなく容易に境界壁10を構築することができる。
また、本発明の基礎ブロック1は、A≦Bの関係を満たしているため、嵌入状態において、第2基礎ブロック1bの嵌入凹部4によって第1基礎ブロック1aの嵌入凸部3の幅方向の動きが制限されると共に嵌入凸部3が嵌入凹部4の表面に沿って摺動可能である。従って、複数の基礎ブロック1を用いて境界壁10を構築した後、各基礎ブロック1を回動させることにより境界壁10の曲率を容易に微調整できる。
例えば、第1乃至第3実施形態で示した基礎ブロック1について、嵌入凸部3から第1鉛直面31bを除き且つ嵌入凹部4から第2鉛直面41bを除くことができる。また、第1乃至第3実施形態では、嵌入凹部4は嵌入凸部3のみならず取付部22にも対応した第3傾斜面41cを有するが、嵌入凹部4は、取付部22に非対応であってもよい。
また、第1乃至第3実施形態に示した基礎ブロック1では、凸状円弧面31の第1中心軸VL1と、凹状円弧面41の第2中心軸VL2は、共に鉛直方向に延びていたが、両中心軸VL1,VL2は斜め方向(水平面に対して0°を超え90°未満の内角を成す方向)に延びていてもよい。
また、第1乃至第3実施形態に示した基礎ブロック1は取付部22を有していたが、基礎ブロック1から取付部22を除くことも可能である。この場合、道路附属物の支柱が取りつけられる取付孔23は、例えば、基礎部21の上面に設けられる。
さらに、本発明の基礎ブロック1は、嵌入凸部3が凸状円弧面31を有し嵌入凹部4が凹状円弧面41を有しているが、両円弧面は、完全な円弧面(曲面)でなくてもよく、複数の平面が円弧状の外縁を描くように連接した多面であってもよい。
Claims (7)
- 平面視細長状の本体と、
前記本体の長手方向第1端部に形成された嵌入凸部と、
前記本体の長手方向第2端部に形成された嵌入凹部と、を有し、
前記嵌入凸部が、上下に延びる第1中心軸を有し且つ前記本体の外方に突出した凸状円弧面を有し、且つ、前記嵌入凹部が、上下に延びる第2中心軸を有し且つ前記本体の内方に窪んだ凹状円弧面を有し、
前記凸状円弧面の曲率半径Aと前記凹状円弧面の曲率半径Bが、同じ高さを基準として、A≦Bの関係を満たしていることを特徴とする基礎ブロック。 - 同じ高さを基準として、前記凸状円弧面の曲率半径Aと前記凹状円弧面の曲率半径Bが略同一である、請求項1に記載の基礎ブロック。
- 前記凸状円弧面及び前記凹状円弧面が、水平面に対して0°を超え90°未満の内角を成す傾斜面を有する、請求項1又は2に記載の基礎ブロック。
- 請求項1乃至3の何れか一項に記載の基礎ブロックを複数有しており、
前記複数の基礎ブロックのうち、第1基礎ブロックの嵌入凸部が、前記第1基礎ブロックと隣り合う第2基礎ブロックの嵌入凹部に嵌入されている、境界壁。 - 前記第1基礎ブロックと前記第2基礎ブロックが、さらに連結部材を介して連結されている請求項4に記載の境界壁。
- 前記連結部材が、平面視細長状の架橋部と、前記架橋部の下面に形成された第1突出部及び第2突出部と、を有し、
前記第1基礎ブロック及び第2基礎ブロックのそれぞれが、前記本体の長手方向第1端部に形成された第1嵌入孔と、前記本体の長手方向第2端部に形成された第2嵌入孔と、を有し、
前記連結部材の第1突出部が前記第1基礎ブロックの第1嵌入孔に嵌入され、且つ、前記連結部材の第2突出部が前記第2基礎ブロックの第2嵌入孔に嵌入されている、請求項5に記載の境界壁。 - 前記第1嵌入孔の中心部に、前記連結部材と前記第1基礎ブロックを連結する軸部材が挿通される軸孔が設けられており、
前記軸孔の中心軸が、前記第1基礎ブロックの凸状円弧面の第1中心軸と一致している、請求項6に記載の境界壁。
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