JP2018062553A - 熱硬化性樹脂組成物及び加工フィルムの製造方法 - Google Patents

熱硬化性樹脂組成物及び加工フィルムの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】フィルム表面に精密素子を配置する等の長期高温プロセスを伴うフィルム加工をするために、支持基板上にフィルムを固定するための熱硬化性樹脂組成物であって、長期高温プロセス下であっても、熱硬化性樹脂組成物の硬化体がクラックを生じ、分解により樹脂層が喪失することを抑制できる熱硬化性樹脂組成物を提供する。【解決手段】ビニル基及びヒドロシリル基を有するシロキサン化合物(化合物A)を含む、少なくともヒドロシリル化反応を利用する熱硬化性樹脂組成物であって、さらに、ビニル基及びヒドロシリル基を有さない反応性シロキサン化合物(化合物B)を含み、前記熱硬化性樹脂組成物の硬化体層がフィルム表面と接触して積層する硬化後積層体を構成するために使用され、前記フィルムは、前記硬化体の温度が25℃において前記フィルムを前記硬化体から剥離できる熱硬化性樹脂組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、熱硬化性樹脂組成物及び当該熱硬化性樹脂組成物を使用した加工フィルムの製造方法に関する。
光学部品を使用する製品の薄型化、フレキシブル化に伴い、光学部品の薄型化、小型化が検討されている。例えば、液晶ディスプレイや有機発光ダイオードには、軽さやフレキシブルなどの観点から、ポリイミドフィルムのような耐熱性樹脂からなるプラスチック基板の開発が進められている。
プラスチック基板は基板自体が柔軟なため、基板上に表示素子等の回路素子を構成した回路を形成する長期高温プロセス下で生じる、プラスチック基板の変形による回路の損傷等の種々課題を解決するため、以下のような方法が提案されている。
特許文献1には、各種デバイスを積層するための基材とするためのポリイミドフィルムと支持体との積層体であって、デバイス作製時の高温プロセスにおいても剥がれることなく、しかもポリイミドフィルム上にデバイスを作製した後には容易に支持体からポリイミドフィルムを剥離できるようにするために、
支持体と、前記支持体に対向させる面にプラズマ処理施されたポリイミドフィルムとから構成されてなる積層体の製造方法であって、
前記支持体と前記ポリイミドフィルムとが対向する面の少なくとも一方に、カップリング剤からなるカップリング処理層を設け、その後、前記支持体と前記ポリイミドフィルムとを重ね合わせて加圧加熱処理する製造方法が開示されている。
特許文献2には、特許文献1に開示の積層体では、長期高温プロセス下でカップリング剤から脱ガスが生じ、バブルとなり接着性が低下するという課題を残しており、バブルが発生するとフィルムの表面形状が凹凸となり、フィルム上に形成されるデバイスに影響し、デバイスの不良率が増大することを指摘し、その解決手段として、
無機支持体と耐熱性樹脂フィルムとの間に、シルセスキオキサン樹脂を少なくとも含む接着層を有する積層体が開示されている。
特開2013−010342号公報 特開2015−104843号公報
特許文献2の積層体は、特許文献1に開示された積層体の課題を解決したものであるが、長期高温プロセス下では、シルセスキオキサン樹脂を含む接着層自体がクラックを生じたり、分解により樹脂層が喪失したりすることがわかった。
本発明は、フィルム表面に精密素子を配置する等の長期高温プロセスを伴うフィルム加工をするために、支持基板上にフィルムを固定するための熱硬化性樹脂組成物であって、長期高温プロセス下であっても、熱硬化性樹脂組成物の硬化体がクラックを生じ、分解により樹脂層が喪失することを抑制できる熱硬化性樹脂組成物、及び、加工フィルムの製造方法を提供することを課題とする。
本発明は、
〔1〕ビニル基を有するシロキサン化合物及びヒドロシリル基を有するシロキサン化合物の混合化合物、並びに/又は、ビニル基及びヒドロシリル基を有するシロキサン化合物(化合物A)を含む、少なくともヒドロシリル化反応を利用する熱硬化性樹脂組成物であって、前記熱硬化性樹脂組成物は、
さらに、ビニル基及びヒドロシリル基を有さない反応性シロキサン化合物(化合物B)を含み、
前記熱硬化性樹脂組成物の硬化体層がフィルム表面と接触して積層する硬化後積層体を構成するために使用され、
前記フィルムは、前記硬化体の温度が25℃において前記フィルムを前記硬化体から剥離できる熱硬化性樹脂組成物(以下、本発明1ともいう)、及び、
〔2〕加工フィルムの製造方法であって、
支持基板又はフィルムの表面に請求項1〜5のいずれか1項記載の熱硬化性樹脂組成物が接触してなる熱硬化性樹脂組成物層を形成する工程1、
前記熱硬化性樹脂組成物層の前記支持基板又は前記フィルムと接触していない面上に、前記支持基板又は前記フィルムを接触して配置して、前記支持基板、前記熱硬化性樹脂組成物層及び前記フィルムが積層された硬化前積層体を形成する工程2、
前記熱硬化性樹脂組成物層を熱硬化させて前記支持基板、前記熱硬化性樹脂組成物の硬化体層及び前記フィルムが積層された請求項1記載の硬化後積層体を得る工程3、
前記工程3の後に、前記硬化後積層体を構成する前記フィルムを加工して加工フィルムを形成する工程4、及び、
前記硬化後積層体から前記加工フィルムを剥離する工程5を有する加工フィルムの製造方法(以下、本発明2ともいう)である。
本発明によれば、フィルム表面に精密素子を配置する等の長期高温プロセスを伴うフィルム加工をするために、支持基板上にフィルムを固定するための熱硬化性樹脂組成物であって、長期高温プロセス下であっても、熱硬化性樹脂組成物の硬化体がクラックを生じ分解により樹脂層が喪失することを抑制できる熱硬化性樹脂組成物、及び、加工フィルムの製造方法を提供することができる。
〔本発明1〕
(化合物A)
本発明1における化合物Aは、ビニル基を有するシロキサン化合物及びヒドロシリル基を有するシロキサン化合物の混合化合物、並びに/又は、ビニル基及びヒドロシリル基を有するシロキサン化合物であり、熱硬化性樹脂の高温安定性、フィルム密着固定性及びフィルム剥離性の観点から、ビニル基及びヒドロシリル基以外の反応性基を有さないことが好ましい。
(1)ビニル基を有するシロキサン化合物
ヒドロシリル基を有するシロキサン化合物との反応性、熱硬化性樹脂の高温安定性、フィルム密着固定性及びフィルム剥離性の観点から、ビニル基を有するシロキサン化合物として、好ましくは、例えば、1分子中に少なくとも2個のケイ素原子に結合したアルケニル基を有する下記一般式(1);
4−nSiOn/2 (1)
(式(1)中、Rは、ケイ素原子に結合した置換又は非置換の一価炭化水素基であり、好ましくは不飽和炭化水素基、より好ましくはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基等のアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基等のシクロアルキル基;フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、ビフェニリル基等のアリール基;及びベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基、ビニル基、アリル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基及びヘプテニル基等のアルケニル基からなる群から選ばれる少なくとも1種以上の不飽和炭化水素基であり、更に好ましくは炭素原子数が1〜12、更に好ましくは炭素原子数が1〜8のもの不飽和炭化水素基であり、更に好ましくは、メチル基、エチル基、フェニル基、ビニル基、アリル基であり、nは1以上4以下の整数であり、好ましくはn=3である)で表される分岐構造を有するオルガノポリシロキサンである。
(2)ヒドロシリル基を有するシロキサン化合物
ビニル基を有するシロキサン化合物との反応性、熱硬化性樹脂の高温安定性、フィルム密着固定性及びフィルム剥離性の観点から、ヒドロシリル基を有するシロキサン化合物として、好ましくはヒドロシリル基を有する環状シロキサン及び/又は直鎖状ポリシロキサンである。
同様の観点から、ヒドロシリル基を有する直鎖状ポリシロキサンとして、好ましくは、
ジメチルシロキサン単位とメチルハイドロジェンシロキサン単位及び末端トリメチルシロキシ単位との共重合体、ジフェニルシロキサン単位とメチルハイドロジェンシロキサン単位及び末端トリメチルシロキシ単位との共重合体、メチルフェニルシロキサン単位とメチルハイドロジェンシロキサン単位及び末端トリメチルシロキシ単位との共重合体、ジメチルハイドロジェンシリル基で末端が封鎖されたポリジメチルシロキサン、ジメチルハイドロジェンシリル基で末端が封鎖されたポリジフェニルシロキサン、ジメチルハイドロジェンシリル基で末端が封鎖されたポリメチルフェニルシロキサン等が挙げられ、より好ましくは、
ジメチルハイドロジェンシリル基で分子末端が封鎖されたポリシロキサン、さらにはジメチルハイドロジェンシリル基で分子末端が封鎖されたポリジメチルシロキサンを好適に用いることができ、具体的に例えば、テトラメチルジシロキサン、ヘキサメチルトリシロキサンが挙げられる。
同様の観点から、ヒドロシリル基を含有する環状シロキサンとして、好ましくは、
1,3,5,7−テトラハイドロジェン−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、1−プロピル−3,5,7−トリハイドロジェン−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,5−ジハイドロジェン−3,7−ジヘキシル−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,3,5−トリハイドロジェン−1,3,5−トリメチルシクロシロキサン、1,3,5,7,9−ペンタハイドロジェン−1,3,5,7,9−ペンタメチルシクロシロキサン、1,3,5,7,9,11−ヘキサハイドロジェン−1,3,5,7,9,11−ヘキサメチルシクロシロキサン等が挙げられ、より好ましくは、
1,3,5,7−テトラハイドロジェン−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンが挙げられる。
(3)ビニル基及びヒドロシリル基を有するシロキサン化合物
化合物Aは、ビニル基及びヒドロシリル基を有するシロキサン化合物であってもよく、例えば、下記式(2):
(式1中、R〜Rは、それぞれ独立に、水素原子、ビニル基、アルケニル基、フェニル基、メチル基であり、少なくとも水素原子及びビニル基(好ましくは、さらにアルケニル基)が含まれ、好ましくは、R〜Rの合計中、2モル%が水素原子及びビニル基(好ましくは、水素原子、ビニル基及びアルケニル基)であり、nは好ましくは1〜400、より好ましくは1〜200、更に好ましくは1〜100、更に好ましくは1〜50の数である)で表されるシロキサン化合物が好ましい。
化合物Aは、市販品を使用することができ、市販品として、例えば、
X−40−2667A(ビニル基及びヒドロシリル基含有メチル・フェニル置換型シロキサン化合物、信越化学工業社)が挙げられる。
(化合物B)
本発明1における化合物Bは、少なくともアルコキシシリル基を有し、メチル基やフェニル基の有機官能基、並びに/又は、ビニル基及びヒドロシリル基を除く反応性官能基を有するシロキサン化合物である。
熱硬化性樹脂の高温安定性、フィルム密着固定性及びフィルム剥離性の観点から、化合物Bとしては、分子末端がアルコキシシリル基で封鎖されアルコキシ基が形成されたたシロキサン化合物が好ましく、さらにスチリル基、メタ(アクリル)基、アルコキシシリル基、エポキシ基、メルカプト基等のビニル基以外の反応性基を有することがより好ましい。
分子末端のアルコキシ基としては、メトキシ基及び/又はエトキシ基が好ましい。
化合物Bは、熱硬化性樹脂の高温安定性、フィルム密着固定性及びフィルム剥離性の観点から、重量平均分子量が好ましくは300〜2000であり、より好ましくは300〜1500であり、更に好ましくは500〜1200である。
重量平均分子量は、GPCに基づいて測定されたものであり、好ましくは、以下の条件で測定される:
測定装置:島津製作所社製GPCシステム;
カラムの種類:有機溶媒系SECカラム(東ソー社製);
溶剤の種類:テトラヒドロフラン(THF)
化合物Bは、市販品を使用することができ、市販品として、例えば、
KR−513(組成:メトキシ基、アクリル基含有メチル置換型シロキサン化合物、信越化学工業社)
X-40-9296(組成:メトキシ基、メタクリル基含有メチル置換型シロキサン化合物、信越化学工業社)
X-41-1053(組成:メトキシ基、エトキシ基およびエポキシ基含有シロキサン化合物、信越化学工業社)
KR−9218(組成:メトキシ基含有メチル・フェニル置換型シロキサン化合物、信越化学工業社)などが挙げられる。
(化合物C)
本発明1は、化合物Bの存在下での化合物Aの有するヒドロシリル基のヒドロシリル化反応を利用して熱硬化するが、ヒドロシリル化反応をより円滑に進行させるためには、通常ヒドロシリル化反応用触媒である化合物Cを使用する。
化合物Cは、化合物A及びBを含有する本発明1に別途添加して、本発明1と化合物Cの混合物を熱硬化させてもよいし、本発明1の成分として予め化合物A、B、又はその他のシロキサン化合物と共に配合させる等して、本発明1を化合物A、B及びCの混合物としておいてこれを熱硬化させてもよいが、ハンドリング性の観点から、本発明1を化合物A、B及びCの混合物としておくことが好ましい。
本発明1のフィルム剥離性の観点から、化合物Cとしては、
遷移金属系では、白金系、パラジウム系、ロジウム系、ルテニウム系等が好ましく、
非遷移金属系では、C−Fe−CH(CO)で示される鉄錯体化合物、鉄またはコバルトのカルボン酸塩とイソシアニドの混合物を挙げることができるが、
反応効率の観点から白金系触媒がより好ましい。
(その他の任意化合物)
本発明1は、本発明の効果を損なわない範囲で、目的に応じて、任意にその他の化合物、例えば、化合物A及びB以外のシロキサン化合物、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、重合禁止剤、レベリング剤、界面活性剤、着色剤、保存安定剤、可塑剤、滑剤、フィラー、老化防止剤、濡れ性改良剤、離型剤等の各化合物を含むことができる。
例えば、フィラーは、熱硬化性樹脂組成物の粘度制御や硬化性組成物を硬化させた硬化物の強度向上、または線膨張性を抑えることによって硬化性脂組組成物の接着信頼性を向上させる等の観点から添加される。フィラーは、公知の無機フィラーが使用できる。無機フィラーとして、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、硫酸マグネシウム、珪酸アルミニウム、酸化チタン、アルミナ、酸化亜鉛、二酸化ケイ素、カオリン、タルク、ガラスビーズ、セリサイト活性白土、ベントナイト、窒化アルミニウム、及び窒化ケイ素が挙げられる。
(熱硬化性樹脂組成物)
本発明1は化合物A及びBを含むが、化合物A及びBの反応性、熱硬化性樹脂の高温安定性、フィルム密着固定性及びフィルム剥離性の観点から、化合物A100質量部に対して、化合物Bは、好ましくは0.1〜10質量部、より好ましくは0.5〜8質量部、更に駒しくは1〜5質量部である。
本発明1が、化合物A及びBと、さらに化合物Cを含む場合、ヒドロシリル化反応を円滑に進行させる観点から、化合物Cは、化合物Aと化合物Bとの合計量に対し、重量換算で0.1〜1,000ppm、好ましくは0.5〜500ppmである。
化合物A及びBの反応性、熱硬化性樹脂の高温安定性、フィルム密着固定性及びフィルム剥離性の観点から、熱硬化性樹脂組成物中の化合物A及びB(更に化合物Cを含む場合は化合物A、B及びC)の合計質量%は、好ましくは50〜100質量%、より好ましくは60〜100質量%、更に好ましくは70〜100質量%である。
(熱硬化性樹脂組成物の硬化体のフィルム密着固定性とフィルム剥離性)
本発明1は、熱硬化性樹脂組成物の硬化体層がフィルム表面と接触して積層する硬化後積層体を構成するために使用され、フィルムは、硬化後硬化体の温度が25℃においてフィルムを硬化体から剥離できる。
本発明1は、好ましくは、熱硬化性樹脂組成物の硬化体層の一方の面を支持基板と、他方の面をフィルム表面と接触して積層する、熱硬化性樹脂組成物の硬化体層及びフィルムで構成される硬化後積層体を構成するために使用され、
硬化後積層体の温度が25℃において、フィルムは、熱硬化性樹脂組成物の硬化体層からから剥離できる。
フィルムが、硬化後積層体の温度が25℃において、熱硬化性樹脂組成物の硬化体層から剥離できるとは、以下の手順によってフィルムが熱硬化性樹脂組成物の硬化体層から剥離できることをいう。なお、以下では、硬化後積層体の温度が25℃において、熱硬化性樹脂組成物の硬化体層から剥離できるという本発明1の特性を「フィルム剥離性」という。
(1)手順1:縦26mm、横76mm、厚み1mmの無色透明なスライドガラス支持基板(以下、スライドガラス支持基板という)上に熱硬化性樹脂組成物0.2gを滴下し、支持基板上の液滴状の熱硬化性樹脂組成物の上に3×10cmに切った厚み38μmのポリイミドフィルムを貼り合せ、ゴムローラーで約1kgの力をかけながらポリイミドフィルム上を5往復して液をスライドガラス支持基板全体に伸ばして、スライドガラス支持基板、硬化性樹脂組成物層及びポリイミドフィルムが積層された硬化前積層体を製造する。
(2)手順2:硬化前積層体をオーブンに入れ、150℃30分の熱養生を行ない、スライドガラス支持基板、熱硬化性樹脂組成物の硬化体層及びポリイミドフィルムが積層された硬化後積層体を得る。
(3)手順3:硬化後積層体を、高性能小型高温電気炉に入れ、真空ポンプで2.7×10−2Paに減圧させた環境下において昇温速度約20℃/min、400℃×1時間加熱加工して加工フィルムを形成する。
(4)手順4:スライドガラス支持基板を固定して、ポリイミドフィルムの長さ方向の一端のエッジを指で摘み、スライドガラス支持基板の面方向に対して90°方向に、ポリイミドフィルムが熱硬化性樹脂組成物の硬化体層から熱硬化性樹脂組成物を付着させることなく剥離できることを確認する。
なお、上記手順1〜4には以下を使用できる:
(1)スライドガラス支持基板:スライドガラス(S1127(松浪ガラス社))
(2)ギャップ用テープ(カプトンテープ650S#25(寺岡製作所社)、幅19mm、厚み0.05mm)
(3)フィルム:ポリイミドフィルム(カプトン150H(東レ社)、厚さ38μm)
(4)ゴムローラーとしてSN−版画ゴムローラー1号
(5)オーブン(LC113(ESPEC社))
(6)高性能小型高温電気炉(SPM100−16V(丸祥電器社))
(7)真空ポンプ(DRP-180YIIA(芝浦エレテック社))
なお、スライドガラス支持基板を他の素材の支持基板に置き換え、ポリイミドフィルムを他の素材のフィルムに置き換えて手順1〜4を行い、手順4でフィルムが剥離できる場合も本発明1はその基盤及びフィルムに対してフィルム剥離性を有するという。
本発明1はフィルム剥離性を有するので、支持基板が少なくともガラスで、フィルムが少なくともポリイミドフィルムの場合に、熱硬化性樹脂組成物の硬化体が支持基板表面及びフィルム表面と接触して、支持基板、熱硬化性樹脂組成物の硬化体層及びフィルムが積層する硬化後積層体を構成すると、熱硬化性樹脂組成物の硬化体層は支持基板に強く接着し、フィルムに対しても密着固定しているため、薄く柔らかいためにフィルムだけを加工することが困難な場合でも、フィルムを、熱硬化性樹脂組成物の硬化体層を介して支持基板上に安定に密着固定させた上で、高温環境下でも種々加工をすることが可能となり、加工終了後は、加工された加工フィルムを、熱硬化性樹脂組成物の硬化体層を残したまま支持基板から剥離して、所望の用途に使用することができる。
フィルムが熱硬化性樹脂組成物の硬化体層に密着固定する本発明1の特性を「フィルム密着固定性」という。
さらに、本発明1を使用した硬化後硬化体に対する高温環境下でのフィルムの加工を通じて、熱硬化性樹脂組成物の硬化体層はクラック及び/又は構成樹脂の分解による消失が生じ難いという高温安定性を有している。
本発明1は、化合物A及びB(好ましくはさらに化合物C)を、フィルム剥離性を有するように構成すると、フィルム密着固定性を奏するということになる。
その他のフィルムとして、高温下でのフィルム加工に対しては耐熱性の高い素材のフィルムが好ましい。
耐熱性の高さの指標として、フィルムのアウトガス量が、少なくとも250℃1時間で、好ましくは300℃で、より好ましくは350℃で、更に好ましくは400℃で、更に好ましくは450℃で、更に好ましくは500℃で、フィルム質量に対して、好ましくは、1質量%以下、より好ましくは0.5質量%以下、更に好ましくは0.1質量%以下であることが挙げられる。
フィルムの温度T℃でのアウトガス量は以下の条件で測定する。
フィルムを2mm×2mm程度の大きさに複数枚切りとり、それらをTGA測定専用のアルミパンの中に約10mgとなるように入れて蓋をする。これをTGA(METTLER TOLEDO社製、TGA/DSC1)に入れてから、10℃/minで昇温しT℃で1時間保持後の減量を測定、減量率を計算する。
耐熱性の高さの指標として、フィルム素材のガラス転移点が150℃以上、好ましくは250°以上であることが挙げられる。
フィルムのアウトガス量が、少なくとも250℃で、フィルム質量に対して1質量%以下である素材としては、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリベンゾオキサゾール(PBO)、ポリイミド(PI)、ポリアミドイミド(PAI)等が挙げられる。
ガラス転移点が150℃以上である素材としては、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリベンゾオキサゾール(PBO)、ポリイミド(PI)、ポリアミドイミド(PAI)等が挙げられる。
以上のような耐熱性の高い素材でフィルムを構成すると、本発明1を使用した硬化後積層体は、好ましくは200〜500℃、より好ましくは250〜450℃、更に好ましくは300〜450℃の高温下でのフィルム加工をすることが可能となる。
フィルム剥離性を有するように本発明1を構成すると、フィルムが少なくともポリイミドフィルムの場合、本発明1が使用される硬化後積層体における支持基板として、ガラス以外のその他の無機素材支持基板を使用した場合でも、多くの場合に、フィルム密着固定性及びフィルム剥離性を奏することができる。
フィルム剥離性を有するように本発明1を構成すると、支持基板が少なくともガラス素材である場合、ポリイミドフィルム以外のアルミやステンレスなどの金属箔のようなその他の無機素材フィルムを使用した場合でも、フィルム剥離性及びフィルム密着固定性を奏することができる場合がある。
その他の無機素材支持基板としては、ガラス以外のセラミックス、金属等が挙げられ、これらは、上述した高温下でのフィルム加工環境に対しても好適な支持基板となる。
ガラス以外のセラミックス、金属としては、Siを含む合金、Siを含むセラミックス粒子が好ましい。
フィルム剥離性を有するように本発明1を構成し、支持基板としてガラス支持基板を使用して、ポリイミドフィルム以外のフィルムでもフィルム剥離性を有するようにフィルムを選択して本発明1が使用される硬化後積層体を構成した場合、さらにガラス支持基板以外の無機素材支持基板でもフィルム剥離性を有するように無機素材支持基板を選択することができる。
本発明1が使用される硬化後積層体を構成した場合に、本発明1がフィルム密着固定性及びフィルム剥離性を奏することができる支持基板とフィルムの組合せとしては、ガラス支持基板とポリイミドフィルムの組合せ以外には、
支持基板がガラス、フィルムがポリエチレンナフタレートフィルムの場合、
支持基板がガラス、フィルムがポリエーテルイミドフィルムの場合、
支持基板がガラス、フィルムがポリベンゾオキサゾールフィルムの場合、
支持基板がガラス、フィルムがポリエーテルイミドフィルムの場合、
支持基板がガラス、フィルムがアルミやステンレスなどの金属箔の場合、
支持基板がアルミやステンレスなどの金属、フィルムがポリイミドフィルムの場合、
等が挙げられる。
本発明1は、本発明1が使用される硬化後積層体が高温下においてもフィルム密着固定性及びフィルム剥離性を有するので、25℃近辺で行われる基材の薄膜化、フォトファブリケーション、例えば25〜500℃、好ましくは200〜500℃以上、より好ましくは250〜450℃、更に好ましくは300〜450℃の高温下で行われるエッチング加工、スパッタ膜の形成、微細精密素子の形成・配置、メッキ処理やメッキリフロー処理、半導体ウエハや半導体素子の運搬等において、精密素子配置用基板である被加工フィルムを支持体上に保持するために、更には精密素子が配置されて精密素子配置基板となった被加工フィルムを支持体上に保持するために、好ましくは仮固定用樹脂として使用することができる。
本発明1は、上記以外にも、ウエハなどの様々な加工処理、例えば各種材料表面の微細化加工処理、各種表面実装の際に、キャリア用の部材や基材の仮固定用樹脂又は基材の表面被覆樹脂として好適に用いられ、本発明2の好適材料として使用することができる。
〔本発明2〕
加工フィルムの製造方法であって、
支持基板又はフィルムの表面に本発明1の熱硬化性樹脂組成物が接触してなる熱硬化性樹脂組成物層を形成する工程1、
熱硬化性樹脂組成物層の支持基板又はフィルムと接触していない面上に、支持基板又はフィルムを接触して配置して、支持基板、熱硬化性樹脂組成物層及びフィルムが積層された硬化前積層体を形成する工程2、
熱硬化性樹脂組成物層を熱硬化させて支持基板、熱硬化性樹脂組成物の硬化体層及びフィルムが積層された本発明1がフィルム密着固定性及びフィルム剥離性を奏する硬化後積層体を得る工程3、
工程3の後に、硬化後積層体を構成するフィルムを加工して加工フィルムを形成する工程4、及び、
硬化後積層体から加工フィルムを剥離する工程5を有する加工フィルムの製造方法ある。
工程1は、例えば、手順1及び2におけるスライドガラス支持基板を工程1の支持基板に置き換え、ポリイミドフィルムを工程1のフィルムに置き換えて、支持基板としてガラス、又は本発明1で好適とする素材による支持基板と、フィルムとしてポリイミド又は本発明1で好適とする素材によるフィルムを使用して実施でき、その後の工程3〜5をその後の手順2〜4にそれぞれ対応させて実施することができる。
(工程1)
支持基板上に熱硬化性樹脂組成物層を形成する方法としては、手順1で挙げたような熱硬化性樹脂組成物を滴下して好ましくは0.01〜5MPaの圧力下で圧延する方法の他に、熱硬化性樹脂組成物をスピンコート法、スリットコート法、ダイコート法、スクリーン印刷法、アプリケーター法等で塗工する方法が挙げられる。スピンコート法では、例えば、回転速度が5000〜7000rpm、好ましくは5000〜6000rpm、加速度が500〜15000rpm/秒、回転時間が30〜300秒という条件のもと、熱硬化性樹脂組成物層をスピンコーティングする方法が挙げられる。
なお、支持基板上に熱硬化性樹脂組成物を滴下して支持基板上にそのまま付着している状態であっても、工程2以降で圧延等されて熱硬化性樹脂組成物層が形成されるのであれば、熱硬化性樹脂組成物層が形成されているとみなす。
これらの滴下又は塗工は、手順1のように支持基板の表面にしてもよいし、フィルムの表面にしてもよいが、操作の容易性と安定性の観点から支持基板の表面にした方が好ましい。
熱硬化性樹脂組成物に溶剤が含まれる場合は、熱硬化性樹脂組成物層を基材上に形成した後に、例えば、ホットプレート等で加熱して溶剤を蒸発させることができる。加熱の条件は、例えば、温度が通常50〜200℃、好ましくは60〜150℃であり、時間が通常2〜15分、より好ましくは3〜10分である。
溶剤の除去が熱硬化による熱硬化性樹脂組成物の架橋により影響されないという観点から、まず溶剤が揮発するくらいの低温で加熱してから、熱硬化に必要な強熱を加えることが好ましい。
熱硬化性樹脂組成物層を形成するに際して、熱硬化性樹脂組成物層の面内への広がりを均一にするため、基材又はフィルム表面を予め表面処理することもできる。表面処理の方法としては、予め表面処理剤を塗布する方法等が挙げられる。
表面処理剤としては、例えば、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、2−アミノプロピルトリメトキシシラン、2−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、N−エトキシカルボニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−エトキシカルボニル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−トリエトキシシリルプロピルトリエチレントリアミン、N−トリメトキシシリルプロピルトリエチレントリアミン、10−トリメトキシシリル−1,4,7−トリアザデカン、10−トリエトキシシリル−1,4,7−トリアザデカン、9−トリメトキシシリル−3,6−ジアザノニルアセテート、9−トリエトキシシリル−3,6−ジアザノニルアセテート、N−ベンジル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−ベンジル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−ビス(オキシエチレン)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−ビス(オキシエチレン)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン等のカップリング剤が挙げられる。
(工程2)
工程2において、硬化前積層体を構成するには、例えば、工程1の本発明1の滴下又は塗工後に、支持基板とフィルムとが熱硬化性樹脂組成物層と接触して積層体を形成するように支持基板とフィルムを貼り合せればよい。
本発明1の滴下した場合は、支持基板とフィルムを貼り合せた後に、支持基板又はフィルム上から圧力を加え、0.01〜5MPaの圧力化で滴下された本発明1を圧延して形成できる。
形成された熱硬化性樹脂組成物層の厚みは、熱硬化性樹脂組成物の硬化物性及びフィルム密着固定性の観点から、硬化後の乾熱硬化性樹脂組成物層の厚みが、好ましくは0.5〜300μm、より好ましくは1〜100μm、更に好ましくは1〜20μmとなるように調整することが好ましい。
(工程3)
工程3では、硬化前積層体に形成されている熱硬化性樹脂組成物層を熱硬化させて支持基板、熱硬化性樹脂組成物層の硬化体及びフィルムが積層された本発明1がフィルム剥離性を奏する硬化後積層体を得る。
熱硬化は、硬化前積層体を、例えば、オーブン中で、好ましくは100〜250℃で15〜120分、より好ましくは120〜200℃で15〜100分、更に好ましくは150〜200℃で15〜60分の熱養生を行う。
硬化前積層体は、熱硬化の処理を行う間、硬化前積層体の形態を安定に維持しておく観点から、硬化前積層体を型枠で固定したり、プレートで挟みこんで適度に加圧したりしておいてもよい。
(工程4)
工程4は、工程3の後におかれ、硬化後積層体を構成するフィルムを加工して加工フィルムを形成することを内容とする。
工程4で行われるフィルムの加工は、硬化後積層体に固定されたフィルムに対してなされ、フィルムが耐熱性であれば、耐熱性の程度に応じた高温下での加工も可能であり、例えば、裏面研削によるフィルムの薄膜化;エッチング加工、フォトリソ加工、スピンコートやスパッタ、CVDなどの膜形成;メッキ処理;インクジェット印刷;及びメッキリフローなどの加熱処理から選ばれる少なくとも1以上の処理を含むフォトファブリケーション;ならびにダイシング等が挙げられ、これらの作業の結果、フィルム表面に精密素子が配置される場合もある。
硬化後積層体を、所望の温度で(例えば高温で)加熱することもフィルム加工に含まれる。
フィルムが耐熱性及び気体透過性を有している場合であれば、熱硬化性樹脂組成物中の水分や未硬化物を事前に除去してアウトガスをフィルムの加工時のアウトガスを低減して気泡の発生や積層体の剥がれを抑制する観点から、硬化後積層体に対して、例えば、300〜400℃1時間程度の予備加熱を行ってもよい。
工程3で製造された硬化後積層体は、フィルムが薄膜である場合でも、剪断力が熱硬化性樹脂組成物の硬化体層にかかる加工に対して有効である。
(工程5)
工程5は、工程1〜4を経て形成されたフィルムが加工された硬化後積層体から加工フィルムを剥離する工程である。
フィルムを支持基板に固定された熱硬化性樹脂組成物の硬化体から剥離する場合、フィルムの折れ曲がりによりフィルム上に配置された例えば精密素子等に負荷が加わることを抑制する観点から、フィルムの表面に平行な軸に対して、好ましくは0°超60°以下、より好ましくは5°〜45°、更に好ましくは5°〜30°、更に好ましくは5°〜15°に、フィルム又は支持基板、好ましくはフィルムに力を付加することで、フィルムを熱硬化性樹脂組成物の硬化体層から剥離することが好ましい。
フィルム又は支持基板、好ましくはフィルムに付加する力は、剥離を円滑に行いフィルムに過剰の負荷を加えない観点から、好ましく0.001〜1000N/mm、好ましくは0.01〜300N/mm、更に好ましくは0.05〜50N/mmである。
剥離は、例えば、フィルム又は支持基板、好ましくはフィルムの周縁を持ち上げ(当該周縁の一部または全部を熱硬化性樹脂組成物の硬化体層から剥離し)、フィルムの表面に対してほぼ垂直方向に力を加えながら、フィルム又は支持基板、好ましくはフィルムの周縁から中心に向けて順に剥離する方法(フックプル方式)で行うことができる。
剥離をする際、フィルムの破損を防ぐため、支持基板の熱硬化性樹脂組成物の硬化体層と反対の面にダイシングテープ等の補強テープを貼って、剥離してもよい。
工程5は、本発明1を熱硬化性樹脂組成物層として使用すると、硬化後積層体の温度が好ましくは5〜100℃、より好ましくは10〜45℃、更に好ましくは15〜30℃で行うことができる。
工程4の後に、硬化後積層体を15〜30℃の環境温度に、好ましくは0.5〜5時間、より好ましくは0.5〜3時間、更に好ましくは1〜2時間置いたのちに剥離することが好ましい。
加工フィルムが剥離された支持基板と熱硬化性樹脂組成物の硬化体層の積層体を、溶剤等の洗浄剤に浸漬したり(さらに超音波を加えたり)スプレーしたりして、熱硬化性樹脂組成物層硬化体を支持基板から除去して、支持基板を上記工程1で再利用できる状態にしてもよい。
洗浄液の温度は、洗浄性と支持基板のダメージを抑制する観点から、好ましくは10〜80℃、より好ましくは20〜50℃である。
溶剤としては、例えば、リモネン、メシチレン、ジペンテン、ピネン、ビシクロヘキシ
ル、シクロドデセン、1−tert−ブチル−3,5−ジメチルベンゼン、ブチルシクロヘキサン、シクロオクタン、シクロヘプタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の炭化水素類、アニソール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジグライム等のアルコール/エーテル類、炭酸エチレン、酢酸エチル、酢酸N−ブチル、乳酸エチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、炭酸プロピレン、γ−ブチロラクトン等のエステル/ラクトン類、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトン、2−ヘプタノン等のケトン類、N−メチル−2−ピロリジノン等のアミド/ラクタム類が挙げられる。
〔化合物〕
(1)化合物A
(1−1)化合物a1:X−40−2667A(ビニル基及びヒドロシリル基含有メチル・フェニル置換型シロキサン化合物、信越化学工業社)
(2)化合物B
(2−1)化合物b1:KR−513(信越化学工業社)
(2−2)化合物b2:X-40-9296(信越化学工業社)
(2−3)化合物b3:X-41-1053(信越化学工業社)
(2−4)化合物b4:KR−9218(信越化学工業社)
(3)化合物C
(3−1)化合物c1:X−40−2667B(CAT−PH)(ビニル基及びヒドロシリル基を有さず非反応性のメチル・フェニル置換型シロキサン化合物中に白金系触媒が添加されている)、信越化学工業社)
(4)その他の化合物
(4−1)化合物r1:HP−4032D(エポキシ樹脂硬化剤(1,6−ビス(2,3−エポキシプロパン−1−イルオキシ)ナフタレン、DIC社)
(4−2)化合物r2:セロキサイド8000(脂環式エポキシ化合物((3,3’,4,4’−ジエポキシ)ビシクロヘキシル)、ダイセル社)
(4−3)化合物r3:CPI-210S(光カチオン重合開始剤(トリアリールスルホニウム塩型)、サンアプロ社)
(4−4)化合物r4:炭酸プロピレン(東京化成工業社)
〔熱硬化性樹脂組成物(実施例1〜8)及び比較熱硬化性樹脂組成物(比較例1〜3)〕
(1)各実施例及び比較例の熱硬化性樹脂組成物について、それぞれの化合物を、化合物Aを50gとして、表1記載の質量部の割合で、容器(容量200ml、材質SUS)に投入し、撹拌温度は室温(25℃)、大気圧下にてスリーワンモーター(新東科学社製)を使用して200回転/分で30分〜1時間攪拌して、実施例1〜7の熱硬化性樹脂組成物及び比較例1〜3の比較熱硬化性樹脂組成物を製造した。
〔加工フィルムの製造(製造実施例1〜8)〕
(1)基材及び器具
(1−1)支持基板
(1−1−1)スライドガラス(S1127(縦26mm、横76mm、厚み1mm;松浪ガラス社))
(1−1−2)SUSプレート(SUS304(縦26mm、横76mm、厚み1.5mm;エンジニアリングテストサービス社))
(1−2)ギャップ用テープ(カプトンテープ650S#25(寺岡製作所社)、幅19mm、厚み0.05mm)
(1−3)フィルム:ポリイミドフィルム(カプトン150H(東レ社)、厚さ38μm)
(1−4)ゴムローラー:SN−版画ゴムローラー1号
(1−5)メタルハライドランプ(ECS−301(アイグラフィックス社))
(1−6)オーブン(LC113(ESPEC社))
(1−7)高性能小型高温電気炉(SPM100−16V(丸祥電器社))
(1−8)真空ポンプ(DRP-180YIIA(芝浦エレテック社))
(2)製造実施例1
実施例1の熱硬化性樹脂組成物を使用して、以下の条件で加工フィルムを製造した。
(2−1)工程1:それぞれ両端部にカプトンテープをギャップとして貼り合せた支持基板上に、実施例1の熱硬化性樹脂組成物を0.2g滴下した。
(2−2)工程2:支持基板上の液滴状の硬化性樹脂組成物の上に3×10cmに切ったフィルムを貼り合せ、ゴムローラーで約1kgの力をかけながらフィルム上を5往復して液を支持基板全体に伸ばして、支持基板、硬化性樹脂組成物層及びフィルムが積層された硬化前積層体を得た。
(2−3)工程3:硬化前積層体を中の熱硬化性樹脂組成物層をオーブンに入れ、150℃30分の熱養生を行ない、支持基板、熱硬化性樹脂組成物の硬化体層及びフィルムが積層された硬化後積層体を得た。
(2−4)工程4:各硬化後積層体を、高性能小型高温電気炉に入れ、真空ポンプで2.7×10−2Paに減圧させた環境下において昇温速度約20℃/min、400℃×1時間加熱加工して加工フィルムを形成した。
(2−5)工程5:加熱加工後の硬化後積層体を25℃の環境下で2時間静置した後、スライドガラス支持基板を固定して、ポリイミドフィルムの長さ方向の一端のエッジを指で摘みながら、90°方向に剥離して加工フィルムを得た。
(3)製造実施例2〜7
製造実施例1の熱硬化性樹脂組成物を、実施例2〜7の熱硬化性樹脂組成物に置き換えて同じ条件で工程1〜5を行い、それぞれを製造実施例2〜7とした。
(4)製造実施例8
製造実施例1において、熱硬化性樹脂組成物を実施例8の熱硬化性樹脂組成物に置き換え、工程3の熱養生を150℃15時間の後さらに200℃10時間の加熱をする条件に変えた以外は、同じ条件で他の工程を行い、製造実施例8とした。
(5)製造実施例9
製造実施例2において、支持基板をスライドガラスからSUSプレートに置き換えた以外は同じ条件で工程1〜5を行い、製造実施例9とした。
(6)製造比較例1〜3
製造実施例1の熱硬化性樹脂組成物を、比較例1〜3の光硬化性樹脂組成物に置き換え、
工程3で硬化前積層体を熱養生する代わりに、支持基板側からメタルハライドランプで積算光量6000mJ/cmの光照射した後、オーブンに入れて120℃30分加熱して光硬化性樹脂組成物を硬化させた以外は製造実施例1と同一の工程を行い、それぞれを製造比較例1〜3とした。
(7)製造比較例4
製造比較例1において、支持基板をスライドガラスからSUSプレートに置き換えた以外は同じ条件で工程を行い、製造比較例4とした。
〔評価条件〕
(1)硬化体層の高温安定性
工程5において、加工フィルムを剥離する前の熱硬化性樹脂組成物の硬化体層(製造実施例1〜7)及び光硬化性樹脂組成物の硬化体層(製造比較例1〜3)の外観を支持基板側から目視観察して、硬化体層のクラック及び/又は構成樹脂の分解による消失は発生の有無を以下の基準で評価した。
(1-1)硬化体層のクラック及び/又は構成樹脂の分解による消失は発生していない ○
(1-2)硬化体層のクラック及び/又は構成樹脂の分解による消失が発生している ×
構成樹脂の分解による消失が発生している場合、多くは、フィルムは剥がれた状態であった。
(2)フィルムの高温安定性
工程5において、剥離した加工フィルムの外観を目視観察して、フィルム表面の平坦性を以下の基準で評価した。
(2-1)部分的又は全体的なフィルムの変形も部分的な凹凸跡もない ○
(2-2)部分的又は全体的なフィルムの変形はないが、部分的に凹凸跡がある △
(2-2)部分的又は全体的なフィルムの変形がある ×
(3)フィルム剥離性
工程5において、フィルムの剥離の程度を以下の基準で評価した。
(3-1)フィルムを硬化体層から剥離する際に、硬化体層の構成樹脂の付着及び硬化体層の支持基板からの剥離を伴わない ○
(3-2)フィルムを硬化体層から剥離する際に、硬化体層の構成樹脂の付着又は硬化体層の支持基板からの剥離を伴う ×
(4)支持基板に対するフィルム密着固定性
工程5における加熱加工後の硬化後積層体を25℃の環境下で2時間静置した後、基台を固定して、加工フィルムの長さ方向の一端のエッジを指で摘みながら、支持基板に対してせん断方向に引っ張り、支持基板に対するフィルムの固定状態を、以下を基準にして評価した。
(4-1)引っ張り強さを増大させてもフィルムが支持基板に対して固定されていて相対位置が変化しない ○
(4-2)引っ張り強さが弱いうちはフィルムが支持基板に対して固定されているが、引っ張り強さを増大させると、フィルムが支持基板からずれだし相対位置が変化する ×
なお、(4-1)の多くの場合、支持基板を固定してさらに剪断方向に引っ張ると、フィルムは延伸破断し、(4-2)の多くの場合、支持基板を固定してさらに剪断方向に引っ張ると、フィルムが破断することなく支持基板から剥離した。
表1に結果を示す。

Claims (7)

  1. ビニル基を有するシロキサン化合物及びヒドロシリル基を有するシロキサン化合物の混合化合物、並びに/又は、ビニル基及びヒドロシリル基を有するシロキサン化合物(化合物A)を含む、少なくともヒドロシリル化反応を利用する熱硬化性樹脂組成物であって、
    前記熱硬化性樹脂組成物は、
    さらに、ビニル基及びヒドロシリル基を有さない反応性シロキサン化合物(化合物B)を含み、
    前記熱硬化性樹脂組成物の硬化体層がフィルム表面と接触して積層する硬化後積層体を構成するために使用され、
    前記フィルムは、前記硬化体の温度が25℃において前記フィルムを前記硬化体から剥離できる熱硬化性樹脂組成物。
  2. 前記化合物Bの分子末端がアルコキシシリル基で封鎖されアルコキシ基が形成されたシロキサン化合物である、請求項1記載の熱硬化性樹脂組成物。
  3. さらに、ヒドロシリル化反応用触媒(化合物C)を含む請求項1又は2記載の熱硬化性樹脂組成物。
  4. 前記フィルムが精密素子配置用基板である請求項1〜3のいずれか1項記載の熱硬化性樹脂組成物。
  5. 前記硬化体から剥離される前記フィルムが、精密素子が配置された精密素子配置基板である請求項1〜4のいずれか1項記載の熱硬化性樹脂組成物。
  6. 加工フィルムの製造方法であって、
    支持基板又はフィルムの表面に請求項1〜5のいずれか1項記載の熱硬化性樹脂組成物が接触してなる熱硬化性樹脂組成物層を形成する工程1、
    前記熱硬化性樹脂組成物層の前記支持基板又は前記フィルムと接触していない面上に、前記支持基板又は前記フィルムを接触して配置して、前記支持基板、前記熱硬化性樹脂組成物層及び前記フィルムが積層された硬化前積層体を形成する工程2、
    前記熱硬化性樹脂組成物層を熱硬化させて前記支持基板、前記熱硬化性樹脂組成物の硬化体層及び前記フィルムが積層された請求項1記載の硬化後積層体を得る工程3、
    前記工程3の後に、前記硬化後積層体を構成する前記フィルムを加工して加工フィルムを形成する工程4、及び、
    前記硬化後積層体から前記加工フィルムを剥離する工程5を有する加工フィルムの製造方法。
  7. 前記工程4において200〜500℃の環境下で前記フィルムを加工する請求項6記載の加工フィルムの製造方法。

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