JP2018061945A - 水処理システム - Google Patents

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Shigeru Itayama
繁 板山
杉浦 勉
Tsutomu Sugiura
勉 杉浦
大樹 河野
Hiroki Kono
大樹 河野
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Abstract

【課題】水処理システム内における、吸着素子の再生エネルギーの削減をし、システムの大型化やランニングコストが増大することを防止しつつ、高効率にかつ安定的に被処理水中の有機物質を除去する。【解決手段】本発明の水処理システムは、被処理水を曝気処理することで、被処理水から有機物質が揮発除去された1次処理水と、有機物質を含有する曝気ガスとを排出する曝気処理装置と、第1吸着素子を有し、処理ガスを排出する吸着処理と1次脱着ガスを排出する脱着処理とを繰り返し実施するガス処理装置と、第2吸着素子を有し、2次処理水を排出する吸着処理と2次脱着ガスを排出する脱着処理とを繰り返し実施する水処理装置と、前記水処理装置に接続され、前記脱着ガスを凝縮し分離排水と有機物質とに分離して有機物質を回収する分離装置と、を備え、前記水処理装置の第2吸着素子に供給する加熱ガスは、前記ガス処理装置が排出する1次脱着ガスを含むことを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、有機物質を含有する被処理水から有機物質を除去することで当該被処理水を清浄化する水処理システムに関する。
各工場や研究施設等から排出される水(以下、被処理水という)は、有機物質を含有している。有機物質には有害な性質を有する種類もあり、被処理水を下水中等にそのまま排出することができない。そこで、水処理システムを用いて被処理水に含まれる有機物質を除去することによって清浄化された処理水を排出している。
特許文献1や特許文献2に記載の水処理システムは、被処理水を清浄化するために吸着素子を備えている。吸着素子に被処理水を接触させることで、被処理水中の有機物質は吸着素子に吸着除去され、処理水として排出される。また吸着素子に高温の加熱ガスを接触させることで、吸着素子に吸着していた有機物質は、吸着素子から脱着され、脱着ガスとして排出される。このように、特許文献1や特許文献2に記載の水処理システムは、基本的には吸着素子の交換の必要なく、被処理水中の有機物質を高効率で安定的に除去することができる。
特許文献1や特許文献2に記載の水処理システムの吸着素子に活性炭素繊維を使用した場合、活性炭素繊維は吸着速度が速いため、被処理水を吸着素子に通液するのみで被処理水中の有機物質を高効率に除去することが可能であると知られている。ここで、非特許文献1に記載されるように活性炭素繊維は20Å以下のミクロポアのみが繊維表面に形成されている細孔構造であるので、特定の分子サイズの有機物質を優先的に吸着しやすいことが知られている。
また、特許文献2に記載の水処理システムは、吸着処理の効率を高める目的で、吸着処理前に曝気処理装置にて有機物質を揮発除去し曝気処理後、排出された処理水を吸着素子へ導入することも行なわれている。この時、曝気処理装置より揮発除去された有機物質を含む曝気ガスが排出される。特許文献2に記載の水処理システムにおいては、曝気槽より排出された曝気ガスの有機溶剤は吸脱着式ガス処理装置の吸着素子で吸着除去され、清浄化された処理ガスとして排出される。吸着素子に吸着した有機溶剤は加熱ガスによる脱着が行われ、冷却器により凝縮回収され、分離槽で分離水と有機物質に分離し排出される。
特許第4512993号 特開2014−12246号公報
用水と廃水 Vol.52 No.11(2010)
上記のような従来の水処理システムにおいて、低ランニングコストで高効率かつ安定的に水処理と有機物質回収の両方として機能するシステムが求められる。また、システムの最適化をすることができれば、装置の規模も縮小することが可能であり、低イニシャルコストであるシステムとしても提供可能となる為、検討の余地がある。
そこで、本発明は、上記従来技術の課題に鑑みなされ、その目的は、有機物質を含有する被処理水から、有機物質を低コストで高効率かつ安定的に有機物質を除去できる水処理システムを提供することにある。
本発明者らは上記課題を解決するため、鋭意研究した結果、ついに本発明を完成するに到った。すなわち、本発明は以下の通りである。
(1)有機物質を含有する被処理水から有機物質を除去することで当該被処理水を清浄化すると共に有機物質を回収する水処理システムであって、被処理水を曝気処理することで、被処理水から有機物質が揮発除去された1次処理水と、有機物質を含有する曝気ガスとを排出する曝気処理装置と、前記曝気処理装置に接続し、前記曝気ガス中の有機物質を吸脱着する第1吸着素子を有し、該第1吸着素子に前記曝気ガスを供給して有機物質を吸着させて有機物質濃度が減少した処理ガスを排出する吸着処理と、該第1吸着素子に加熱ガスを供給して有機物質を脱着させて1次脱着ガスを排出する脱着処理とを繰り返し実施するガス処理装置と、前記曝気処理装置に接続し、前記1次処理水中の有機物質を吸脱着する第2吸着素子を有し、該第2吸着素子に前記1次処理水を供給して有機物質を吸着させて有機物質濃度がさらに減少した2次処理水を排出する吸着処理と、該第2吸着素子に加熱ガスを供給して有機物質を脱着させて2次脱着ガスを排出する脱着処理とを繰り返し実施する水処理装置と、前記水処理装置に接続し、前記2次脱着ガスを凝縮し分離排水と有機物質とに分離して有機物質を回収する分離装置と、を備え、前記第2吸着素子に供給する加熱ガスは、前記ガス処理装置が排出した1次脱着ガスを含むことを特徴とする水処理システム。
上記構成によると、被処理水に含まれる有機物質を曝気装置で揮発除去することにより大幅に有機物質の負荷を下げ、さらに後段の水処理装置で吸脱着処理をし、有機物質を高い効率で連続的に除去することができる。また曝気処理装置から排出される曝気ガスは後段のガス処理装置で吸脱着することで、清浄化された処理ガスとして排出され、脱着処理をされた有機物質含有水蒸気は有機物質分離装置にて分離排水と有機物質に分離排出される。よって、本発明の水処理システムは、吸着素子の交換の必要はなく、さらにガス処理装置より排出される脱着ガスは水処理装置の脱着に用いる構成になっているため、システムも小型化でき、ランニングコストを低減して安定的に処理をすることができる。
(2)前記第1吸着素子に供給する加熱ガスは水蒸気であることを特徴とする(1)に記載の水処理システム。
(3)前記水処理装置は、脱着処理の前に水除去用ガスを前記第2吸着素子に供給する水除去用ガス供給部を備え、該水除去用ガスにより該第2吸着素子に付着した水を除去し除去水として排出する脱水処理を実施し、該除去水を前記水処理装置にて処理される前記1次処理水へ返送するルートを備えたことを特徴とする(1)または(2)に記載の水処理システム。
(4)前記分離排水を前記曝気処理装置にて処理される前記被処理水へ返送するルートを備えることを特徴とする(1)から(3)のいずれか1つに記載の水処理システム。
(5)前記第1吸着素子および前記第2吸着素子が、活性炭素繊維、活性炭、およびゼオライトからなる群から選ばれる少なくとも1つを含んでいることを特徴とする(1)から(4)のいずれか1つに記載の水処理システム。
(6)前記曝気ガスの温度及びまたは湿度を調整して前記ガス処理装置に供給する温度/湿度調整装置を備えたことを特徴とする(1)から(5)のいずれか1つに記載の水処理システム。
(7)前記1次脱着ガスを加熱して前記水処理装置に供給する加熱装置を備えたことを特徴とする(1)から(6)のいずれか1つに記載の水処理システム。
(8)有機物質を含有する被処理水から有機物質を除去することで当該被処理水を清浄化すると共に有機物質を回収する水処理方法あって、被処理水を曝気処理することで、被処理水から有機物質が揮発除去された1次処理水と、有機物質を含有する曝気ガスとを排出する曝気処理工程と、前記曝気処理工程にて排出された曝気ガス中の有機物質を吸脱着する第1吸着素子に前記曝気ガスを供給して有機物質を吸着させて有機物質濃度が減少した処理ガスを排出する吸着処理と、該第1吸着素子に加熱ガスを供給して有機物質を脱着させて1次脱着ガスを排出する脱着処理とを繰り返し実施するガス処理工程と、前記曝気処理工程にて排出された1次処理水中の有機物質を吸脱着する第2吸着素子に前記1次処理水を供給して有機物質を吸着させて有機物質濃度がさらに減少した2次処理水を排出する吸着処理と、該第2吸着素子に加熱ガスを供給して有機物質を脱着させて2次脱着ガスを排出する脱着処理とを繰り返し実施する水処理工程と、前記水処理工程にて排出された前記2次脱着ガスを凝縮し分離排水と有機物質とに分離して有機物質を回収する分離処理工程と、を含み、前記第2吸着素子に供給する加熱ガスは、前記ガス処理工程にて排出した1次脱着ガスを含むことを特徴とする水処理方法。
本発明の水処理システムは、被処理液中の有機物質を高い効率で連続的に除去するとともに、吸着素子の再生エネルギーの削減をし、システム内のエネルギーを再利用することができる。よって、低ランニングコストで高効率かつ安定的に、水処理と有機物質回収の両方として機能できるという利点がある。
ここで、吸脱着式ガス処理装置の脱着媒体には水蒸気を使用されることが広く知られている。これは、他の脱着媒体(空気など)と比べて熱容量(潜熱)が大きいので、脱着効率が高く、脱着ガスの冷却凝縮において、水蒸気と共に有機物質(溶剤)を液化しやすいからである。しかし、供給される水蒸気は完全に吸着素子の脱着には使用されず、大部分の水蒸気は液化することなく吸着素子を通過することがわかった。そこで、本発明の水処理システムでは、特に、吸脱着式ガス処理装置で脱着に使用されなかった水蒸気(エネルギー)を吸脱着式水処理装置での脱着媒体として使用することで省エネ化を図ることができる。
本発明の実施の形態に係る排液処理システムの構成の一例を示す図である。 上記水処理システムの変形例の構成を示す図である。 上記水処理システムの別の変形例の構成を示す図である。 上記水処理システムのさらに別の変形例の構成を示す図である。 上記水処理システムのさらにまた別の変形例の構成を示す図である。
以下、本発明の実施の形態について、図を参照して詳細に説明する。なお、以下に示す実施の形態においては、同一のまたは共通する構成、部分、材料等については、適宜省略し、その説明についても繰り返さないことにする。
図1は、本実施の形態における水処理システム1Aの構成図である。図1に示すように、水処理システム1Aは、被処理水に含有する有機物質を除去して、被処理水を清浄化し、除去された有機物質は回収するためのシステムである。水処理システムは、曝気処理装置100と吸脱着式ガス処理装置200と吸脱着式水処理装置300と有機物質分離装置400を備えて構成されている。以下に各構成について説明する。
(曝気処理装置100)
曝気処理装置100は曝気槽110と曝気槽110へ気泡ガスを供給する気泡ガス発生器120とを有している。気泡ガス発生器120は、外気を取り込む配管ラインL2と接続しており、気泡ガスとして外気(空気)を曝気槽110へ供給する。曝気処理装置100は、配管ラインL1から有機物質を含有する被処理水を曝気槽110に供給し、気泡ガス発生器120より発生される気泡ガスと接触させ、被処理水に含まれる有機物質を揮発除去するための装置であり、処理された被処理水は1次処理水として配管ラインL3より排出される。また揮発除去された有機物質を含む曝気ガスとして配管ラインL5より排出される。なお、本実施の形態では、気泡発生器120は本体1つを有するが、数に限定はしない。
曝気処理装置100から排出される曝気ガスを、後段の吸脱着式ガス処理装置200の吸着処理に最適な操作条件にするために、温度/湿度(水分量)を調整する手段を備えることが好ましい。温度/湿度調整手段として、例えばクーラー、ヒーター、気水分離器などが挙げられるが、特に限定はしない。この温度/湿度調整手段を備えた水処理システム1Dを図4に示す。水処理システム1Dは、水処理システム1Aの変形例であり、図4に示すように、水処理システム1Aの構成に加え、温度、湿度(水分量)を調整する温度/湿度調整装置130を備える。温度/湿度調整装置130を備えることにより、後段の吸脱着式水処理装置200の吸着処理が最適となる。水処理システム1Dは、この曝気ガスを前処理する構成である温度/湿度調整装置130以外は水処理システム1Aと同様の構成であるため、説明は省略する。
(吸脱着式ガス処理装置200)
吸脱着式ガス処理装置200は、曝気処理装置100より排出される曝気ガスに含有される有機物質を吸着除去し、清浄化された処理ガスとして排出する装置であり、第1吸着素子211,221をそれぞれ備えた第1処理槽210,220を有している。本実施の形態では吸脱着式ガス処理装置200は2つの処理槽を有するが、処理槽の数に限定はない。
第1吸着素子211,221は、ガス中の有機物質を吸脱着する材料から成る。第1吸着素子211,221に曝気ガスを接触させることにより、曝気ガスに含有された有機物質が吸着素子211,221に吸着し、曝気ガスは清浄化された処理ガスとして配管ラインL6から排出される。また第1吸着素子211,221に加熱ガスを接触させることで、吸着した有機物質が脱着され、有機溶剤を含有する第1脱着ガスが配管ラインL8から排出される。脱着に使用する加熱ガスは、水蒸気であっても空気、不活性ガスでもよく特に限定しないが、より好適には水蒸気を利用できる。水蒸気は比較的熱伝達率が高く、高速かつ安定的に加熱することができ、水を利用するため安全で安価に入手することができるからである。
第1処理槽210,220は、配管ラインL5,L6,L7,L8とそれぞれ切り替え可能に接続している。配管ラインL5は、曝気ガスを第1処理槽210,220に導入するための配管ラインであり、ダンパーD201,D202によって第1処理槽210,220に対する接続状態と非接続状態とを切り替える。配管ラインL7は、加熱ガスを第1処理槽210,220に供給するための配管ラインであり、バルブV205,V206によって第1処理槽210,220に対する接続状態と非接続状態とを切り替える。配管ラインL6は、処理ガスを第1処理槽210,220から排出するための配管であり、ダンパーD203,D204によって第1処理槽210,220に対する接続状態と非接続状態とを切り替える。配管ラインL8は、1次脱着ガスを第1処理槽210,220から排出するための配管ラインであり、ダンパーD201,202によって第1処理槽210,220に対する接続状態と非接続状態とを切り替える。
第1処理槽210,220は、上述したダンパーD201〜D204の開閉を操作することによって交互に吸着槽および脱着槽として機能する。具体的には、第1処理槽210が吸着槽として機能している場合には、第1処理槽220は脱着槽として機能し、第1処理槽210が脱着槽として機能している場合には、第1処理槽220は吸着槽として機能する。すなわち、吸脱着式ガス処理装置200は、吸着槽と脱着槽とが経時的に交互に切り替わるように構成されている。
なお、配管ラインL5は、第1処理槽210,220のうち、吸着槽として機能している処理槽に接続されて、当該処理槽に曝気ガスを供給し、配管ラインL7は、第1処理槽210,220のうち、脱着槽として機能している処理槽に接続されて当該処理槽に加熱ガスを供給する。また、配管ラインL6は、第1処理槽210,220のうち、吸着槽として機能している処理槽に接続されて当該処理槽から処理ガスを排出する。また、配管ラインL8は、第1処理槽210,220のうち、脱着槽として機能している処理槽に接続されて1次脱着ガスを排出する。
第1吸着素子211,221は、有機物質を吸脱着する材料から成り、活性炭素繊維を含んでいることが好ましい。活性炭素繊維は表面にミクロ孔を有する繊維状構造であるため、非特許文献1記載の通り、特定の分子サイズの有機物質を優先的に吸着しやすく、なおかつ有機物質の吸着速度も速く、他の吸着材と比べて極めて高い吸着効率を実現できる材料だからである。また、吸着素子211,121は活性炭またはゼオライトを含んでいるものであってもよい。
第1吸着素子211,221として利用可能な活性炭素繊維の物性は、特に限定されるものではないが、BET比表面積が700〜2500m2/g、細孔容積が0.4〜0. 9cm3/g、平均細孔径が15〜18Åであるものが好ましい。これは、BET比表面 積が700m2/g未満、細孔容積が0.4m3/g未満、平均細孔径が15Å未満のものでは、有機物質の吸着量が低くなるからである。他方、BET比表面積が2500m2/gを超え、細孔容積が0.9m3/gを超え、平均細孔径が18Åを超えるのものでは、細孔径が大きくなることで分子量の小さな物質等の吸着能力が低下したり、強度が弱くなったり、材料コストが高くなって経済的に不利になったりするからである。
また、吸脱着式ガス処理装置200から排出される1次脱着ガスを加熱処理する手段を備えることが好ましい。後段の吸脱着式水処理装置300の脱着処理を最適な操作条件にするためである。そのような加熱処理手段としては、例えばヒーターなどが挙げられるが、特に限定しない。この加熱手段を備えた水処理システム1Eを図5に示す。水処理システム1Eは、水処理システム1Aの変形例であり、図5に示すように、水処理システム1Aの構成に加え、1次脱着ガスを加熱する加熱装置230を備える。水処理システム1Eは加熱装置230を備えることにより、後段の吸脱着式水処理装置300の脱着処理が最適となる。水処理システム1Eは、加熱装置230以外の構成は水処理システム1Aと同様の構成であるため、説明は省略する。
(吸脱着式水処理装置300)
吸脱着式水処理装置300は、曝気処理装置100より排出される1次処理水に含有される有機物質を吸着除去し、さらに清浄化された2次処理水として排出する装置であり、第2吸着素子として311,321をそれぞれ備えた第2処理槽310,320を有している。なお本実施の形態では吸脱着式水処理装置は2つの処理槽を有するが、処理槽の数に限定はしない。
第2吸着素子311,321は、水中の有機物質を吸脱着する材料から成る。第2吸着素子311,321に1次処理水を接触させることにより、1次処理水に含有された有機物質が第2吸着素子311,321に吸着し、1次処理水は清浄化された2次処理水として配管ラインL9から排出される。また第2吸着素子311,321に吸脱着式ガス処理装置200から導入される1次脱着ガスを接触させることで、吸着した有機物質が吸着素子311,321から脱着され、2次脱着ガスとして配管ラインL9から排出される。
第2処理槽310,320には、配管ラインL3,L4,L8,L9がそれぞれ切り替え可能に接続されている。配管ラインL3は、曝気処理装置100から排出される1次処理水を第2処理槽311,321に供給するための配管ラインであり、バルブV301,V302によって第2処理槽310,320に対する接続状態と非接続状態とを切り替える。配管ラインL8は、吸脱着式ガス処理装置200から排出される2次脱着ガスを第2処理槽310,320に供給するための配管ラインであり、バルブV305,V306によって第2処理槽310,320に対する接続状態と非接続状態とを切り替える。配管ラインL4は、2次処理水を第2処理槽310,320から排出するための配管であり、バルブV303,V304によって第2処理槽310,320に対する接続状態と非接続状態とを切り替える。配管ラインL9は、2次脱着ガスを第2処理槽310,320から排出するための配管ラインであり、バルブV307,V308によって第2処理槽310,320に対する接続状態と非接続状態とを切り替える。
第2処理槽310,320は、上述したバルブV301〜V308の開閉を操作することによって交互に吸着槽および脱着槽として機能する。具体的には、第2処理槽310が吸着槽として機能している場合には、第2処理槽320は脱着槽として機能し、第2処理槽310が脱着槽として機能している場合には、第2処理槽320は吸着槽として機能する。すなわち、吸脱着式水処理装置300は、吸着槽と脱着槽とが経時的に交互に切り替わるように構成されている。
なお、配管ラインL3は、第2処理槽310,320のうち、吸着槽として機能している処理槽に接続されて当該処理槽に1次処理水を導入する。配管ラインL8は、第2処理槽310,320のうち、脱着槽として機能している処理槽に接続されて当該処理槽に吸脱着式ガス処理装置200から排出される第1脱着ガスを供給する。また、配管ラインL4は、第2処理槽310,320のうち、吸着槽として機能している処理槽に接続されて当該処理槽から2次処理水を排出する。配管ラインL9は、第2処理槽310,320のうち、脱着槽として機能している処理槽に接続されて2次脱着ガスを排出する。
第2吸着素子311,321は、有機物質を吸脱着する材料からなる。第2吸着素子311,321は、活性炭素繊維を含んでいることが好ましい。活性炭素繊維は表面にミクロ孔を有する繊維状構造であるため、非特許文献1記載の通り、特定の分子サイズの有機物質を優先的に吸着しやすく、なおかつ有機物質の吸着速度も速く、他の吸着材と比べて極めて高い吸着効率を実現できる材料だからである。また、吸着素子311,321は活性炭またはゼオライトを含んでいるものであってもよい。
第2吸着素子311,321として利用可能な活性炭素繊維の物性は、特に限定されるものではないが、BET比表面積が700〜2500m2/g、細孔容積が0.4〜0.9cm3/g、平均細孔径が15〜18Åであるものが好ましい。これは、BET比表面積が700m2/g未満、細孔容積が0.4m3/g未満、平均細孔径が15Å未満のものでは、有機物質の吸着量が低くなるためである。他方、BET比表面積が2500m2/gを超え、細孔容積が0.9m3/gを超え、平均細孔径が18Åを超えるのものでは、細孔径が大きくなることで分子量の小さな物質等の吸着能力が低下したり、強度が弱くなったり、材料コストが高くなって経済的に不利になったりするためである。
ここで、活性炭素繊維が高いBET比表面積を有することで、相対的に有機物質吸着量が上がるだけでなく、活性炭素繊維を疎水化(水吸着量が下がり有機物質吸着量が上がる)傾向にできるが、活性炭素繊維のBET比表面積を高くする場合、より焼成条件を強める必要があり、活性炭素繊維の製造に、より多くの焼成エネルギーとコストとが掛かる。気相と比較して液相は有機物質含有量に対する水含有量が圧倒的に大きく、気相吸着する吸脱着式ガス処理装置200の第1吸着素子211,221と比較して液相吸着する吸脱着式水処理装置300の第2吸着素子311,321は、水の競争吸着による有機物質吸着能の低下を著しく受ける。そのため、吸脱着式水処理装置300の第2吸着素子311,321のBET比表面積を、吸脱着式ガス処理装置200の第1吸着素子211,221のBET比表面積以上にすることで、費用を抑えて効果を上げることができ、有機物質吸着を効果的に行え、システムの処理効率を上げることができる。よって、吸脱着式水処理装置300の第2吸着素子311,321のBET比表面積が、吸脱着式ガス処理装置200の第1吸着素子211,221のBET比表面積以上であるのが好ましい。
また、吸脱着式水処理装置300は、脱着処理を行う前にパージ処理(水除去処理、脱水処理)を行うことが好ましい。吸着素子311,321に付着する第1処理水を除去することで、その後の脱着処理において排出される2次脱着ガスを減容化でき、濃縮倍率を高められるからである。パージ処理は、脱着槽に水除去用のパージガスを供給して実施する。また、パージ処理後の除去水は、第1処理水の一部として吸脱着式水処理装置300にて再吸着処理できるように配管ラインL3に返送することが好ましい。別途水処理が不要となるからである。パージ処理の手段には、自重抜き、圧縮空気、窒素、水蒸気などの高圧ガスによるパージ、真空ポンプなどを用いた吸引方式など適宜用いることができ、特に限定しない。
上記のパージ処理(脱水処理)をする構成を備えた水処理システム1Bを図2に示す。水処理システム1Bは、水処理システム1Aの変形例であり、図2に示すように、水処理システム1Aの構成に加え、配管ラインL13,L14とバルブV309、V310とを備える。バルブV309を開くことで配管ラインL13(水除去用ガス供給部)から第2処理槽310,320にパージガス(水除去用ガス)を供給することができる。また、V310を開くことで第2処理槽310,320から排出されるパージ処理された除去水を配管ラインL14を介して配管ラインL3に返送し、再度、吸脱着式水処理装置300で処理することができる。図2に示す水処理システム1Bでは、パージガスとして高圧ガスを用いてパージ処理を行うものとするが、パージ処理はこれに限定されない。水処理システム1Bは、パージ処理を行いかつ除去水を返送する構成以外は水処理システム1Aと同様であるため、説明は省略する。
(有機物質分離装置400)
有機物質分離装置400は、吸脱着式水処理装置300から排出される2次脱着ガスを凝縮し、分離排出する装置である。有機物質分離装置400は、冷却器410と分離槽420とを有する。
冷却器410は、供給された2次脱着ガスを冷却凝縮して液化し分離槽420に排出する。冷却器400は、配管ラインL9,L10がそれぞれ接続されている。配管ラインL9は、吸脱着式水処理装置300から排出される2次脱着ガスを有機物質分離装置400の冷却器410に供給する配管ラインである。配管ラインL10は、冷却器410にて冷却凝縮した液を分離槽420に搬送する配管ラインである。
冷却器410の冷却方式は特に限定しないが、冷媒や冷却水を間接的に2次脱着ガスと接触させる熱交換式を用いればよい。図1に示す水処理システム1Aでは冷却器400は冷却水を利用した装置であるとする。
冷却器400から排出する凝縮液は別途処理をしてもよいが、凝縮液中の水分と有機物質とに比重差がありかつ溶解度が低い場合、分離槽420にて有機物質と分離排水とに分離し別途排出する。分離槽420は配管ラインL11,L12に接続した構成になっており、分離槽420にて分離された有機物質は配管ラインL12から排出され、分離排水は配管ラインL11から排出される。分離排水は曝気処理装置100に返送するのが好ましい。
分離排水を曝気処理装置100に返送する構成を備えた水処理システム1Cを図3に示す。水処理システム1Cは、水処理システム1Aの変形例であり、図3に示すように、水処理システム1Aの構成に加え、分離槽420が配管ラインL11が配管ラインL1に接続した構成になっている。分離槽420にて分離された有機物質は配管ラインL12から排出され、分離排水は配管ラインL11を通って曝気処理装置100に返送される。水処理システム1Cは、この分離水を返送する構成以外は水処理システム1Aと同様であるため、説明は省略する。
以上において説明した実施の形態の水処理システム1A、およびその変形例の水処理システム1B〜1Dおいては、曝気処理装置100と吸脱着式水処理装置300とを有する水処理部にて被処理水中の有機物質を除去し清浄な処理水として排出するとともに、吸脱着式ガス処理装置200と有機物質分離装置400とを有する有機物質回収部で有機物質を回収する。そして、第2吸着素子311,321の再生に吸脱着式ガス処理装置200から排出される1次脱着ガスを使用することにより、第2吸着素子311,321の再生に使用する加熱ガスを別途供給する装置を備える必要が無い。そのため、イニシャルコスト、ランニングコストを削減したシステムを実現することができることができる。
ここで、吸脱着式ガス処理装置の脱着媒体には水蒸気を使用されることが広く知られている。これは、他の脱着媒体(空気など)と比べて熱容量(潜熱)が大きいので、脱着効率が高く、脱着ガスの冷却凝縮において、水蒸気と共に有機物質(溶剤)を液化しやすいからである。しかし、供給される水蒸気は完全に吸着素子の脱着には使用されず、大部分の水蒸気は液化することなく吸着素子を通過することがわかった。そこで、本発明の実施の形態またはその変形例の水処理システムでは、吸脱着式ガス処理装置で脱着に使用されなかった水蒸気(エネルギー)を吸脱着式水処理装置での脱着媒体として使用することで省エネ化を図ることができる。
また、吸脱着式水処理装置での脱着媒体として水蒸気を用いることによるその他の利点として、利便性、安全性が挙げられる。利便性においては水蒸気を使用すると加熱空気を作るヒーター及びブロワの設備が必要なくなる。しかも水蒸気は比較的入手し易い。安全性においては、水蒸気は無酸素状態であるため、有害有機物質の脱着における発火の危険がない。
本発明の実施の形態またはその変形例の水処理システムで処理される被処理水に含まれる有機物質は、特に限定されないが、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、アクロレインなどのアルデヒド類、メチルエチルケトン、ジアセチル、メチルイソブチルケトン、アセトンなどのケトン類、1,4−ジオキサン、2−メチル−1,3−ジオキソラン、1,3−ジオキソラン、テトラヒドロフラン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチルなどのエステル類、エタノール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブタノールなどのアルコール類、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコールなどのグリコール類、酢酸、プロピオン酸などの有機酸、フェノール類、トルエン、キシレン、シクロヘキサンなどの芳香族有機化合物、ジエチルエーテル、アリルグリシジルエーテルなどのエーテル類、アクリロニトリルなどのニトリル類、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、トリクロロエチレン、エピクロロヒドリンなどの塩素有機化合物、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミドの有機化合物などが一例として挙げられる。
なお、以上の本発明の実施の形態およびその変形例のシステムにおいては、ポンプ等の流体搬送手段やストレージタンク等の流体貯留手段などの構成要素を特に示すことなく説明を行なった。しかし、これら構成要素は必要に応じて適宜の位置に配置すればよい。
上記実施の形態にて説明した本発明に係る水処理システムの詳細を、さらに以下の実施例を用いて説明する。しかし、本発明は以下実施例に限定されるものでない。なお、評価は下記の方法により行った。
(BET比表面積)
BET比表面積は、液体窒素の沸点(−195.8℃)雰囲気下、相対圧力0.0〜0.15の範囲で上昇させたときの試料への窒素吸着量を数点測定し、BETプロットにより試料単位質量あたりの表面積(m/g)を求めた。
(細孔容積)
細孔容積は、相対圧0.95における窒素ガスの気体吸着法により測定した。
(平均細孔径)
平均細孔径は、以下の式で求めた。
dp=40000Vp/S(ただし、dp:平均細孔径(Å))
Vp:細孔容積(cc/g)
S:BET比表面積(m/g)
(有機物質除去効果)
被処理水には有機物質として塩化メチレンを含む水を用いた。曝気処理装置、吸脱着式ガス処理装置、吸脱着式水処理装置の入口出口の塩化メチレン濃度を測定して除去効果を確認した。
(有機物質濃度評価)
有機物質の濃度は(実施例では塩化メチレン)は、ヘッドスペースGC/MS法により定量した。
実施例の水処理システムとして、上記実施の形態にて説明した図2,3,および5に示す水処理システム1B、水処理システム1C、および水処理システム1Eを組み合わせたシステムを使用した。言い換えれば、図1で示す水処理システム1Aが、さらに、1次脱着ガスを加熱する加熱装置230、パージ処理し、パージ処理による除去水を吸脱着式水処理装置300に返却する構成、および配管ラインL11が配管ラインL1に接続した構成を備えたシステムを使用した。
[実施例1]
実施例の水処理システムを用いて、曝気処理装置110に水蒸気を加えながら曝気温度40℃に調整し、風量100L/min、滞留時間2hrの条件下、塩化メチレン20000mg/Lを含む原水を処理量20L/hrにて導入し、1次処理水を得た。その際の曝気処理槽100出口の塩化メチレン濃度は、0.3mg/L以下であり、塩化メチレンを99.9%以上原水から除去することができたことを確認した。また、曝気槽110から排出される曝気ガス中の塩化メチレン濃度は17500ppmであった。また、曝気槽110の加温に必要な水蒸気量は、3kg/hであった。
次に、吸脱着式ガス処理装置200の第1処理槽210,220の第1吸着素子211,221として、平均細孔径14Å、BET比表面積1100m/g、全細孔容積0.5m/gの活性炭素繊維を使用した吸着素子を2個作成し、第1処理槽210,220にそれぞれ設置した。曝気処理装置100から排出される曝気ガスに外気を混入して3倍に希釈し吸脱着式ガス処理装置200へ原ガスとして導入し、清浄ガスを得た。吸着工程における吸着時間は8minとした。その際の清浄ガス中の塩化メチレン濃度は10ppm以下であり、塩化メチレンの除去率は99.5%以上が可能であった。
次に、吸脱着式ガス処理装置200での脱着工程時において加熱ガスとして水蒸気を配管ラインL7から導入した。
次に、吸脱着式水処理装置300の吸着素子311,321として平均細孔径14Å、BET比表面積1100m/g、全細孔容積0.5m/gの活性炭素繊維を使用した130mmφで、厚み150mmの重量200gの吸着素子を2個作成し、図1の吸脱着式水処理装置300に設置して前述の曝気処理後の1次処理水を処理水量20L/hrになるように導入し、2次処理水を得た。
次に、吸脱着式水処理装置300の脱水工程時におけるガスとして外気を使用し、脱水の風量を0.4L/minとした。脱着工程における加熱ガスとして吸脱着式ガス処理装置200から排出される1次脱着ガスを使用した。1次脱着ガスは加熱装置230であるヒーターにて130℃まで再加熱した。吸着工程における吸着時間は10min、脱水工程における脱水時間は20sec、脱着工程における脱着時間は8minとして切替サイクルとした。その際の2次処理水中の塩化メチレン濃度は0.003mg/L以下であり、塩化メチレンの除去率は99.9%以上が可能であった。
本実施例の水処理システムにより浄化された水は、10時間後でも99.9999%以上の効率で塩化メチレンの除去が可能であった。曝気処理装置100で塩化メチレンを揮発除去させ後、吸脱着式水処理装置300にて吸着と脱着を連続して行いて高度処理するため、性能低下がなく安定して高い効率で処理ができる。
最後に分離排水を曝気槽110へ返送し、上述の操作条件で同様の実験を実施した。2次処理水(装置出口水)の塩化メチレン濃度0.003mg/l以下、清浄空気の塩化メチレン濃度10ppm以下、塩化メチレン回収量400g/h、分離排水は系外に排出されない。また、吸脱着式水処理装置300の第2吸着素子311,321の再生に必要な水蒸気量について吸脱着式ガス処理装置200から排出される脱着ガスを使用するため不要となった。
[実施例2]
実施例の水処理システムを用いて、曝気処理装置110に水蒸気を加えながら曝気温度40℃に調整し、風量100L/min、滞留時間2hrの条件下、酢酸エチル30000mg/Lを含む原水を処理量20L/hrにて導入し、1次処理水を得た。その際の曝気処理槽100出口の酢酸エチル濃度は、500mg/L以下であり、酢酸エチルを98.3%以上原水から除去することができたことを確認した。また、曝気槽110から排出される曝気ガス中の酢酸エチル濃度は25000ppmであった。また、曝気槽110の加温に必要な水蒸気量は、3kg/hであった。
次に、吸脱着式ガス処理装置200の第1処理槽210,220の第1吸着素子211,221として、平均細孔径14Å、BET比表面積1100m/g、全細孔容積0.5m/gの活性炭素繊維を使用した吸着素子を2個作成し、第1処理槽210,220にそれぞれ設置した。曝気処理装置100から排出される曝気ガスに外気を混入して3倍に希釈し吸脱着式ガス処理装置200へ原ガスとして導入し、清浄ガスを得た。吸着工程における吸着時間は8minとした。その際の清浄ガス中の酢酸エチル濃度は1ppm以下であり、酢酸エチルの除去率は99.9%以上が可能であった。
次に、吸脱着式ガス処理装置200での脱着工程時において加熱ガスとして水蒸気を配管ラインL7から導入した。
次に、吸脱着式水処理装置300の吸着素子311,321として平均細孔径14Å、BET比表面積1100m/g、全細孔容積0.5m/gの活性炭素繊維を使用した130mmφで、厚み150mmの重量200gの吸着素子を2個作成し、図1の吸脱着式水処理装置300に設置して前述の曝気処理後の1次処理水を処理水量20L/hrになるように導入し、2次処理水を得た。
次に、吸脱着式水処理装置300の脱水工程時におけるガスとして外気を使用し、脱水の風量を0.4L/minとした。脱着工程における加熱ガスとして吸脱着式ガス処理装置200から排出される1次脱着ガスを使用した。1次脱着ガスは加熱装置230であるヒーターにて130℃まで再加熱した。吸着工程における吸着時間は10min、脱水工程における脱水時間は20sec、脱着工程における脱着時間は8minとして切替サイクルとした。その際の2次処理水中の酢酸エチル濃度は0.01mg/L以下であり、酢酸エチルの除去率は99.9%以上が可能であった。
本実施例の水処理システムにより浄化された水は、10時間後でも99.9999%以上の効率で酢酸エチルの除去が可能であった。曝気処理装置100で酢酸エチルを揮発除去させ後、吸脱着式水処理装置300にて吸着と脱着を連続して行いて高度処理するため、性能低下がなく安定して高い効率で処理ができる。
最後に分離排水を曝気槽110へ返送し、上述の操作条件で同様の実験を実施した。2次処理水(装置出口水)の酢酸エチル濃度0.003mg/l以下、清浄空気の酢酸エチル濃度1ppm以下、酢酸エチル回収量600g/h、分離排水は系外に排出されない。また、吸脱着式水処理装置300の第2吸着素子311,321の再生に必要な水蒸気量について吸脱着式ガス処理装置200から排出される脱着ガスを使用するため不要となった。
[比較例]
実施例の水処理システムにおいて、一次処理水を吸脱着式水処理装置300へ導入し、2次処理水を得た後、吸脱着式水処理装置300の第2吸着素子311,321の再生を目的とし別ラインから水蒸気を導入した。その際に使用する水蒸気量は、400g必要となった。なお、実施例1,2では別ラインから吸脱着式水処理装置300に導入する水蒸気量は、0gであった。
以上からわかるように、実施例のシステムでは、吸脱着式ガス処理装置の脱着ガスを再加熱して吸脱着式水処理装置の脱着に利用することで、吸脱着式水処理装置の脱着に必要な水蒸気を削減することが可能である。よって、実施例のシステムにより、有機物質を低コストで高効率かつ安定的に有機物質を除去できる。
なお、上記開示した実施の形態、各変形例、および実施例はすべて例示であり制限的なものではない。また、実施の形態、各変形例、および実施例を適宜組み合わせた形態も本発明の範疇に含まれる。つまり、本発明の技術的範囲は、特許請求の範囲によって有効であり、特許請求の範囲の記載と均等の意味および範囲内のすべての変更・修正・置き換え等を含むものである。
本発明は、例えば各種工場や研究施設等から排出される有機物質を含む被処理水を処理するシステムに有効に利用することができる。
1A,1B,1C,1D,1E:水処理システム
100:曝気処理装置
110:曝気槽
120:気泡ガス発生器
130:温度/湿度調整装置
200:吸脱着式ガス処理装置
210,220:第1処理槽
211,221:第1吸着素子
230:加熱装置
300:吸脱着式水処理装置
310,320:第2処理槽
311,321:第2吸着素子
400:有機物質分離装置
410:冷却器
420:分離槽
D1〜D4:ダンパー
V205〜V206,V301〜V310:バルブ
L1〜L14:配管ライン

Claims (8)

  1. 有機物質を含有する被処理水から有機物質を除去することで当該被処理水を清浄化すると共に有機物質を回収する水処理システムであって、
    被処理水を曝気処理することで、被処理水から有機物質が揮発除去された1次処理水と、有機物質を含有する曝気ガスとを排出する曝気処理装置と、
    前記曝気処理装置に接続し、前記曝気ガス中の有機物質を吸脱着する第1吸着素子を有し、該第1吸着素子に前記曝気ガスを供給して有機物質を吸着させて有機物質濃度が減少した処理ガスを排出する吸着処理と、該第1吸着素子に加熱ガスを供給して有機物質を脱着させて1次脱着ガスを排出する脱着処理とを繰り返し実施するガス処理装置と、
    前記曝気処理装置に接続し、前記1次処理水中の有機物質を吸脱着する第2吸着素子を有し、該第2吸着素子に前記1次処理水を供給して有機物質を吸着させて有機物質濃度がさらに減少した2次処理水を排出する吸着処理と、該第2吸着素子に加熱ガスを供給して有機物質を脱着させて2次脱着ガスを排出する脱着処理とを繰り返し実施する水処理装置と、
    前記水処理装置に接続し、前記2次脱着ガスを凝縮し分離排水と有機物質とに分離して有機物質を回収する分離装置と、を備え、
    前記第2吸着素子に供給する加熱ガスは、前記ガス処理装置が排出した1次脱着ガスを含むことを特徴とする水処理システム。
  2. 前記第1吸着素子に供給する加熱ガスは水蒸気であることを特徴とする請求項1に記載の水処理システム。
  3. 前記水処理装置は、脱着処理の前に水除去用ガスを前記第2吸着素子に供給する水除去用ガス供給部を備え、該水除去用ガスにより該第2吸着素子に付着した水を除去し除去水として排出する脱水処理を実施し、該除去水を前記水処理装置にて処理される前記1次処理水へ返送するルートを備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の水処理システム。
  4. 前記分離排水を前記曝気処理装置にて処理される前記被処理水へ返送するルートを備えることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の水処理システム。
  5. 前記第1吸着素子および前記第2吸着素子が、活性炭素繊維、活性炭、およびゼオライトからなる群から選ばれる少なくとも1つを含んでいることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の水処理システム
  6. 前記曝気ガスの温度及びまたは湿度を調整して前記ガス処理装置に供給する温度/湿度調整装置を備えたことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の水処理システム。
  7. 前記1次脱着ガスを加熱して前記水処理装置に供給する加熱装置を備えたことを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の水処理システム。
  8. 有機物質を含有する被処理水から有機物質を除去することで当該被処理水を清浄化すると共に有機物質を回収する水処理方法あって、
    被処理水を曝気処理することで、被処理水から有機物質が揮発除去された1次処理水と、有機物質を含有する曝気ガスとを排出する曝気処理工程と、
    前記曝気処理工程にて排出された曝気ガス中の有機物質を吸脱着する第1吸着素子に前記曝気ガスを供給して有機物質を吸着させて有機物質濃度が減少した処理ガスを排出する吸着処理と、該第1吸着素子に加熱ガスを供給して有機物質を脱着させて1次脱着ガスを排出する脱着処理とを繰り返し実施するガス処理工程と、
    前記曝気処理工程にて排出された1次処理水中の有機物質を吸脱着する第2吸着素子に前記1次処理水を供給して有機物質を吸着させて有機物質濃度がさらに減少した2次処理水を排出する吸着処理と、該第2吸着素子に加熱ガスを供給して有機物質を脱着させて2次脱着ガスを排出する脱着処理とを繰り返し実施する水処理工程と、
    前記水処理工程にて排出された前記2次脱着ガスを凝縮し分離排水と有機物質とに分離して有機物質を回収する分離処理工程と、を含み、
    前記第2吸着素子に供給する加熱ガスは、前記ガス処理工程にて排出した1次脱着ガスを含むことを特徴とする水処理方法。
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