JP2018059442A - 排気ガス浄化装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】燃料性状に応じたフィルタの再生を可能化すること。【解決手段】排気ガス浄化装置は、エンジンの排気ガスに含まれる所定成分を酸化する酸化触媒と、酸化触媒の下流に設けられ、排気ガスに含まれる粒子状物質を捕集し、加熱により再生が可能なフィルタと、酸化触媒の上流に設けられ、排気ガスの中に燃料を供給する供給装置と、フィルタの再生時において、酸化触媒の入口温度が閾値を超えると燃料を供給するように供給装置を制御する制御装置とを備える。制御装置は、入口温度の下降中に燃料を供給させ(ステップS106)、酸化触媒における燃料の反応熱により乖離した入口温度と酸化触媒の出口温度とが一致したとき(ステップS114でYES)の温度に基づいて閾値を設定する(ステップS115)。【選択図】図2
Description
この発明は、排気ガス浄化装置に関し、特に、粒子状物質(PM:Particulate Matter)を捕集するフィルタを備えた排気ガス浄化装置に関する。
ディーゼルエンジンの排気ガス中の粒子状物質を浄化するために、排気管にDPF(Diesel particulate filter)システムが設けられる。DPFシステムは、DPF本体と、その上流に配置された酸化触媒(DOC:Diesel Oxidation Catalyst)とを含む。DPF本体に粒子状物質が捕集された量が多くなると、フィルタが目詰まりを起こして機能が低下する。このため、DPFシステムには、セルフクリーニング機能が付加されている。このセルフクリーニング機能は、DPF本体を昇温させて粒子状物質を燃焼させDPF本体を再生させる機能である。
DPF本体の温度を上げるには、排気ガスに燃料を添加し、酸化触媒で酸化反応を起こさせて燃焼させ、その燃焼熱によって排気ガスを昇温させる。排気ガスへの燃料の添加は、エンジン筒内へ燃料を噴射するインジェクタによるポスト噴射で行なうか、またはインジェクタとは別に設けられた燃料添加弁からの排気ガス中への燃料添加によって行なう。
上記の方法によって排気ガス中に添加された燃料がDOC内で酸化反応するためには、DOCに流入する排気温度が失活限界温度以上であることが必要である。
従来技術では、排気温度センサによる実測あるいはECUによる推定で得たDOCに流入する排気温度が、燃料の添加を許可する閾値を超えている場合に、ポスト噴射あるいは燃料添加を許可する。このような、DPFの再生処理を開示した文献に、特開2012−072686号公報(以下「特許文献1」という)などがある。
しかし、特許文献1のような再生方法においては、どのような燃料が添加されたとしても、DPF本体の温度が上昇する程度にDOC内で酸化反応させるため、想定される最も悪い燃料性状の燃料に合わせてDOCを開発する必要がある。燃料性状が悪い場合には、良い場合と比較して、DOCに流入する排気温度を高くしなければ、排気ガス中に添加された燃料がDOC内で酸化反応せず、無駄に燃料が消費されることになる。
また、燃料性状が良い場合には、DPFの再生時に、不必要に排気温度を高めなければならない場合がある。このため、無駄な燃料を消費することとなる。
この発明は、上述の問題を解決するためになされたものであり、その目的は、燃料性状に応じたフィルタの再生が可能な排気ガス浄化装置を提供することである。
この発明による排気ガス浄化装置は、エンジンの排気ガスに含まれる所定成分を酸化する酸化触媒と、酸化触媒の下流に設けられ、排気ガスに含まれる粒子状物質を捕集し、加熱により再生が可能なフィルタと、酸化触媒の上流に設けられ、排気ガスの中に燃料を供給する供給装置と、フィルタの再生時において、酸化触媒の入口温度が閾値を超えると燃料を供給するように供給装置を制御する制御装置とを備える。制御装置は、入口温度の下降中に燃料を供給させ、酸化触媒における燃料の反応熱により乖離した入口温度と酸化触媒の出口温度とが一致したときの温度に基づいて閾値を設定する。
好ましくは、制御装置は、燃料が補給された場合に、閾値を設定する。
好ましくは、制御装置は、供給装置によって供給される燃料が酸化可能な量を超えないように供給装置を制御する。
好ましくは、制御装置は、供給装置によって供給される燃料が酸化可能な量を超えないように供給装置を制御する。
好ましくは、制御装置は、さらに、入口温度が閾値よりも低い場合に、酸化触媒の上流で排気ガスの温度を上昇させるよう制御する。
好ましくは、制御装置は、エンジンがアイドル状態であることにより入口温度が下降しているときに閾値を設定する。
好ましくは、制御装置は、当該排気ガス浄化装置が設けられる車両が減速状態であることにより入口温度が下降しているときに閾値を設定する。
この発明に従えば、入口温度の下降中に燃料を供給させ、酸化触媒における燃料の反応熱により乖離した入口温度と酸化触媒の出口温度とが一致したときの温度に基づいて閾値が設定される。つまり、燃料性状に応じた閾値が設定される。フィルタの再生時において、酸化触媒の入口温度が、設定された燃料性状に応じた閾値を超えると燃料を供給するように供給装置が制御される。これにより、酸化触媒における燃料の反応熱によりフィルタが過熱されることによって、捕集された粒子状物質が燃焼されることで、フィルタが再生される。その結果、燃料性状に応じたフィルタの再生が可能な排気ガス浄化装置を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
[車両のエンジン周辺の構成の説明]
図1は、DPFシステムが搭載された車両のエンジン10周辺の構成を示した図である。図1に示すエンジン10は、排気ガス浄化装置1を有するディーゼルエンジンである。エンジン10は、複数(たとえば4つ)の気筒11と吸気管8と排気管7とを含む。
図1は、DPFシステムが搭載された車両のエンジン10周辺の構成を示した図である。図1に示すエンジン10は、排気ガス浄化装置1を有するディーゼルエンジンである。エンジン10は、複数(たとえば4つ)の気筒11と吸気管8と排気管7とを含む。
吸気管8は、一つの入口から分岐して各気筒11に連通する。吸気管8にはエアフローメータ2が設けられる。エアフローメータ2は、吸気管8からエンジン10に導入される新気の流量を測定し、空気流量情報を制御ユニット6に検知信号として発信する。エアフローメータ2の下流に吸気絞り弁16が設けられる。吸気絞り弁16の開度は、絞り弁センサ17によって制御ユニット6に発信され、絞り弁センサ17を介して制御ユニット6からの制御信号によって制御される。
各気筒11は、シリンダ11aとピストン11bとを含む。気筒11には燃料噴射器13が設けられる。燃料噴射器13は、コモンレール15を介して燃料ポンプ14および燃料タンク12に接続される。燃料噴射器13は、制御ユニット6によって制御されて、気筒11内の燃焼室に燃料を供給する。
排気管7は、排気ガス上流管7aと、第一収納管7bと、第二収納管7cと、排気ガス下流管7dとを含む。排気ガス下流管7dの端部には、排気ガスを大気に放出する出口が形成される。
エンジン10には、EGR(排気ガス再循環)システムが設けられる。EGRシステムは、EGR管18とEGR弁19とを含む。EGR管18は、排気管7と吸気管8を連通して、排気管7に排出された排気ガスの一部を吸気管8に戻す。EGR弁19は、制御ユニット6によって制御されて開度が調整され、EGR管18によって循環するガス流量を調整する。制御ユニット6は、エアフローメータ2やEGR弁19の開度により空気流量を検出する。
制御ユニット(ECU)6は、プログラムおよびデータを記憶するROMと、各種処理を行なうCPUと、CPUの処理結果等を記憶するRAMと、外部との情報のやり取りを行なう入・出力ポートとを含む。入力ポートには回転速度検知器20とアクセルセンサ21と絞り弁センサ17等が接続される。
回転速度検知器20は、クランクシャフトの近傍に設けられてクランクシャフトの回転位置を検知する位置センサを有し、クランクシャフトの回転速度Neを検知する。回転速度検知器20は、クランクシャフトの回転速度情報を制御ユニット6に検知信号として発信する。
アクセルセンサ21は、アクセルペダルの近傍に設けられてアクセルペダルが踏み込まれた量を検知する。アクセルセンサ21は、アクセルペダルの移動量に対応したアクセルペダル情報Accを制御ユニット6に検知信号として発信する。
制御ユニット6は、入力ポートに接続された各機器から信号を受信し、受信した信号に基づいて出力ポートに接続された絞り弁センサ17、燃料噴射器13、燃料ポンプ14、燃料添加器3、EGR弁19等を制御する。
[DPFシステムの概要の説明]
図1に示した排気ガス浄化装置1は、DPF4と再生機構とを含む。DPF4は、セラミックまたはステンレス等から形成される。DPF4は、第二収納管7cに収納される。DPF4は、排気ガスの通過を許容し、通過する排気ガスから粒子状物質を捕捉する。
図1に示した排気ガス浄化装置1は、DPF4と再生機構とを含む。DPF4は、セラミックまたはステンレス等から形成される。DPF4は、第二収納管7cに収納される。DPF4は、排気ガスの通過を許容し、通過する排気ガスから粒子状物質を捕捉する。
再生機構は、DPF4を強制的に再生させる機構であって、酸化触媒(DOC)9と燃料添加器3とを含む。酸化触媒9は、DPF4の上流の第一収納管7bに収納される。酸化触媒9は、排気ガスが通過することを許容し、通過する排気ガス中の窒素酸化物(NOx)および炭素酸化物(COx)などを酸化するとともに、燃料添加器3から供給された燃料を酸化する。この燃料の酸化反応によって生じる酸化熱によって、DPF4に堆積した粒子状物質が酸化除去される(燃料させられる)。
燃料添加器3は、酸化触媒9の上流の排気ガス上流管7aに設けられる。燃料添加器3は、燃料ポンプ14に接続され、制御ユニット6によって制御される制御弁を含む。燃料添加器3の制御弁が開くことによって、燃料ポンプ14から排気管7内の排気ガスに燃料が添加される。この燃料が酸化触媒9で反応した熱によって、DPF4に堆積した粒子状物質が燃焼させられる。これによりDPF4が強制的に再生される。
排気管7には、排気ガス温度センサ5a〜5cとA/Fセンサ22が設けられる。排気ガス温度センサ5aは、第一収納管7bの入口に設けられる。排気ガス温度センサ5bは、酸化触媒9の下流かつDPF4の上流に設けられる。排気ガス温度センサ5cは、第二収納管7cの出口に設けられる。
排気ガス温度センサ5a,5bは、酸化触媒9のそれぞれ上流側(入口)、下流側(出口)の排気ガスのガス温度を検出して、排気ガス温度情報を制御ユニット6に検知信号として発信する。排気ガス温度センサ5cは、DPF4の下流側(出口)の排気ガスのガス温度を検出して、排気ガス温度情報を制御ユニット6に検知信号として発信する。A/Fセンサ22は、排気ガス下流管7dに設けられる。A/Fセンサ22は、空燃比(空気質量を燃料質量で割ったもの)を検出して、空燃比情報を制御ユニット6に検知信号として発信する。
[DPF再生制御の詳細]
以上のような構成を有するDPFシステムにおいては、エンジンの排気ガスを浄化するために排気管にDPF4を設けている。DPF4の排気管の上流側には酸化触媒9を設けている。DPF再生のためにDPFの温度を上げるには、燃料添加器3から燃料を添加し、酸化触媒9で酸化反応を起こさせて燃焼させ、その燃焼熱を利用する。
以上のような構成を有するDPFシステムにおいては、エンジンの排気ガスを浄化するために排気管にDPF4を設けている。DPF4の排気管の上流側には酸化触媒9を設けている。DPF再生のためにDPFの温度を上げるには、燃料添加器3から燃料を添加し、酸化触媒9で酸化反応を起こさせて燃焼させ、その燃焼熱を利用する。
制御ユニット6は、排気ガス温度センサ5aからの信号に基づく酸化触媒9の入口温度が燃料の添加を許可する閾値Taより高ければ、フィルタ再生を実行する際の燃料の添加を許可する。制御ユニット6のROMには、フィルタ再生を実行する際に燃料添加の許可の判断に使用する閾値Taのマップが記憶されている。
酸化触媒9で燃料の酸化反応が起こる温度は燃料の性状に応じて異なる。具体的には、燃料の性状が悪いほど、酸化反応が起こる温度は高い。このため、閾値Taを一定温度とする場合、設計時には、酸化反応が生じる温度が高い燃料性状の燃料に合わせて閾値Taを高めにしておく必要があった。酸化触媒9で酸化反応が起こる温度は、燃料の蒸留特性などの性状に応じて数十℃変化する。
このようにした場合、燃料性状が最悪でない場合であっても、酸化触媒9に流入する排気温度が、その燃料性状に応じた酸化反応が起こる最低限の温度よりも高い閾値にならなければ、DPF4の再生が行なわれない。このため、DPF4の再生の頻度を多くすることができず、粒子状物質が溜まってDPF4に負担が掛かったり、DPF4の劣化が早まったりする。
また、DPF4の再生が必要なときに、酸化触媒9に流入する排気温度が閾値Taに達していなければ、排気温度を強制的に高めなければならない。このため、排気温度を閾値まで高くしなくても酸化反応が起こる場合であっても、排気温度を高くせざるを得ないため、無駄な燃料を消費することとなる。なお、酸化触媒9の白金などの触媒の量を増やすことによって閾値Taを下げることができるが、酸化触媒9の製造コストが上がってしまうため好ましくない。
そこで、本実施の形態では、DPF4の再生時の閾値Taを燃料の性状に応じた温度に設定することによって、燃料性状に応じたDPF4の再生を可能とする。
図2は、添加閾値設定処理の流れを示すフローチャートである。図2を参照して、この添加閾値設定処理は、制御ユニット6によって極短い周期で繰返し実行されるメイン処理から呼出されてサブルーチンとして実行される。まず、制御ユニット6は、検出中フラグがオン状態であるか否かを判断する(ステップS101)。検出中フラグは、オン状態であれば、燃料を添加する閾値Taを新たに検出している途中であることを示し、オフ状態であれば、そうでないことを示す。
検出中フラグがオフ状態である(ステップS101でNO)と判断した場合、制御ユニット6は、車両の燃料タンク12に給油された後に閾値Taが未設定であるか否かを判断する(ステップS102)。給油されたことは、たとえば、燃料タンク12のレベルを検出するセンサからの信号によって燃料のレベルの増加が示されることで判断される。
給油後に閾値Taが設定済みである(ステップS102でNO)と判断した場合、制御ユニット6は、実行する処理をこの処理の呼出元に戻す。一方、給油後に閾値Taが未設定である(ステップS102でYES)と判断した場合、制御ユニット6は、回転速度検知器20からの信号により示されるエンジン10の回転速度Neがアイドル回転の回転速度であるか否かを判断する(ステップS103)。アイドル回転でない(ステップS103でNO)と判断した場合、制御ユニット6は、車速センサからの信号で車両が減速中であることが示されるか否かを判断する(ステップS104)。
アイドル回転でも減速中でもない(ステップS103およびステップS104でNO)と判断した場合、制御ユニット6は、実行する処理をこの処理の呼出元に戻す。一方、アイドル回転または減速中である(ステップS103またはステップS104でYES)と判断した場合、制御ユニット6は、排気ガス温度センサ5aにより検出される酸化触媒9の入口温度Tinが、閾値の検出を開始する予め定められた温度Tsと等しくなったか否かを判断する(ステップS105)。温度Tsは、入口温度Tinが減少していく局面で閾値Taを検出するために、燃料性状が想定される最悪の燃料が酸化触媒9で反応し得る温度よりも高い温度として定められる。
入口温度Tinが温度Tsと等しくなっていない(ステップS105でNO)と判断した場合、制御ユニット6は、実行する処理をこの処理の呼出元に戻す。一方、入口温度Tinが温度Tsと等しくなった(ステップS105でYES)と判断した場合、制御ユニット6は、燃料の添加を開始するよう燃料添加器3を制御し(ステップS106)、検出中フラグをオン状態に変更し(ステップS107)、実行する処理をこの処理の呼出元に戻す。
このときの燃料の添加量は、温度Tsにおいて燃料が酸化触媒9(DPF4などのその他の部分でも燃料が反応し得る場合はその部分も含む)で反応可能な量を超えない単位時間当りの一定量(つまり、燃料が反応せずに白煙が発生して大気に放出されてしまわない単位時間当りの一定量)とされる。燃料の添加は、連続的であってもよいし、断続的(たとえば、1秒未満の短いオーダの時間周期)であってもよい。
検出中フラグがオン状態である(ステップS101でYES)と判断した場合、制御ユニット6は、検出中フラグをオン状態に変更してから所定時間(たとえば、数秒から数十秒のオーダの予め定めた時間)が経過したか否かを判断する(ステップS111)。この実施の形態においては、酸化触媒9で燃料が反応し始めて、入口温度Tinおよび酸化触媒9の出口温度Toutが乖離した後に燃料が反応しなくなって、両者が一致したか否かを判断する。このため、燃料の添加を開始してから所定時間が経過した後に、両者の一致を判断するようにしている。
所定時間が経過していない(ステップS111でNO)と判断した場合、制御ユニット6は、実行する処理をこの処理の呼出元に戻す。一方、所定時間が経過した(ステップS111でYES)と判断した場合、制御ユニット6は、ステップS103と同様、アイドル回転であるか否かを判断する(ステップS112)。アイドル回転でない(ステップS112でNO)と判断した場合、制御ユニット6は、ステップS104と同様、減速中であるか否かを判断する(ステップS113)。
アイドル回転でも減速中でもない(ステップS112およびステップS113でNO)と判断した場合、制御ユニット6は、実行する処理を、後述のステップS116に進める。一方、アイドル回転または減速中である(ステップS112またはステップS113でYES)と判断した場合、制御ユニット6は、酸化触媒9での燃料の反応により出口温度Toutが入口温度Tinよりも高くなった後に、入口温度Tinが出口温度Toutと一致したか否かを判断する(ステップS114)。なお、ここでは、入口温度Tinが出口温度Toutと完全に一致したか否かを判断するが、これに限定されず、入口温度Tinと出口温度Toutとの温度差が所定温度差(たとえば、数℃以下のオーダの温度差)となったか否かを判断するようにしてもよい。
入口温度Tinが出口温度Toutと一致していない(ステップS114でNO)と判断した場合、制御ユニット6は、実行する処理をこの処理の呼出元に戻す。一方、入口温度Tinが出口温度Toutと一致した(ステップS114でYES)と判断した場合、制御ユニット6は、入口温度Tin(=出口温度Tout)に応じた閾値Taを設定する(ステップS115)。たとえば、ROMに記憶されている閾値Taのマップの値のそれぞれに、このときの入口温度Tinに応じた値を加味した値を、DPF4の再生に用いる閾値Taとして設定する。
具体的には、制御ユニット6のROMに記憶されたマップには、想定される最悪の性状の燃料である場合の様々な指標(たとえば、エンジンの回転速度Ne、酸化触媒9の入口温度Tinなど)の値の各範囲に対応する閾値Taが含まれているとする。たとえば、マップを参照することで、指標A(たとえば、回転速度Ne)がa1〜a2の範囲であり指標B(たとえば、入口温度Tin)がb1〜b2の範囲である場合に対応する閾値Taが或る値Ta1であることが特定可能である。
そして、エンジンの回転速度Neがアイドル回転であり、入口温度Tinがこのときの入口温度Tinであるときに対応する閾値Ta0から、このときの入口温度Tinを引いた差が値αである場合、様々な指標の値の各範囲に対応してROMに記憶されている閾値Taのマップの値から値αを引いた値を、閾値TaとしてDPF4の再生に用いるようにする。この場合は、算出した値αのみを制御ユニット6のRAMに記憶させておき、後述する図4のステップS203において、DPF4の再生時にROMのマップからそのときの指標の値に対応する閾値Taを読出し、その閾値Taから値αを引いた値を、閾値TaとしてDPF4の再生に用いるようにすればよい。つまり、この場合は、値αを算出してRAMに記憶させることが、出口温度Toutと一致した入口温度Tinに応じた閾値Taを設定することに相当する。
なお、ステップS115において、マップのすべての閾値Taからそれぞれ値αを引いた値をRAMに記憶させるようにしてもよい。この場合は、値αを算出してマップのすべての閾値Taからそれぞれ値αを引いた値をRAMに記憶させることが、出口温度Toutと一致した入口温度Tinに応じた閾値Taを設定することに相当する。この場合は、後述する図4のステップS203において、そのときの指標の値に対応するRAMから読出した閾値TaをそのままDPF4の再生に用いるようにすればよい。
アイドル回転でも減速中でもない(ステップS112およびステップS113でNO)と判断した場合、および、ステップS115の後、制御ユニット6は、燃料の添加を終了するよう燃料添加器3を制御し(ステップS116)、検出中フラグをオフ状態に変更する(ステップS117)。その後、制御ユニット6は、実行する処理をこの処理の呼出元に戻す。
このように、給油後にアイドル回転または減速中であるときに、酸化触媒9に燃料が供給されている間に、燃料の反応熱により酸化触媒9の入口温度Tinおよび出口温度Toutが乖離した後に、両者が一致したときの入口温度Tinに応じた閾値Taが設定される。
図3は、燃料を添加する閾値Taを設定するときの酸化触媒9の入口温度Tinおよび出口温度Toutの推移を示すグラフである。図3を参照して、入口温度Tinが温度Tsと等しくなった時刻t1において、燃料添加器3による燃料の添加が開始される。そして、添加された燃料が酸化触媒9で反応することによって、時間の経過とともに、出口温度Toutが入口温度Tinと乖離する。その後、時刻t2となり、入口温度Tinが温度Teまで下がると、燃料が酸化触媒9で反応しなくなり、出口温度Toutが入口温度Tinと等しくなる。このときに、燃料の添加を終了させる。このときの入口温度Tin(=温度Te)に応じた閾値Taを設定する。この温度Teは、燃料の性状が良いほど低くなる。
図4は、DPF強制再生処理の流れを示すフローチャートである。図4を参照して、このDPF強制再生処理は、制御ユニット6によって極短い周期で繰返し実行されるメイン処理から呼出されてサブルーチンとして実行される。まず、制御ユニット6は、再生中フラグがオン状態であるか否かを判断する(ステップS201)。再生中フラグは、オン状態であれば、DFP4を再生している途中であることを示し、オフ状態であれば、そうでないことを示す。
再生中フラグがオフ状態である(ステップS201でNO)と判断した場合、制御ユニット6は、DPF4の再生が必要であるか否かを判断する(ステップS202)。DPF4の再生が必要であるか否かは、たとえば、粒子状物質の蓄積量の目安を計量するためのカウンタのカウント値が再生を開始する閾値に達したか否かによって判断される。このカウンタは、エンジンの稼働状態(回転数、負荷など)と粒子状物質の単位時間あたりの堆積量との関係を示したマップを用いて、DPF4への粒子状物質の堆積量の概算値をカウント値として積算する。DPF4の再生は不要である(ステップS202でNO)と判断した場合、制御ユニット6は、実行する処理をこの処理の呼出元に戻す。
DPF4の再生が必要である(ステップS202でYES)と判断した場合、制御ユニット6は、酸化触媒9の入口温度Tinが閾値Ta以上であるか否かを判断する(ステップS203)。入口温度Tinが閾値Ta未満である(ステップS203でNO)と判断した場合、制御ユニット6は、エンジン10の排気温度を上昇させるエンジン10の制御を開始し(ステップS204)、実行する処理をこの処理の呼出元に戻す。
エンジン10の排気温度を上昇させる制御としては、様々な方法を用いることができ、たとえば、燃料を通常の量よりも多く噴射する方法、燃料を噴射する時期を遅らせる方法、吸気絞り弁16を閉じる方法、または、EGRシステムでの排気ガスの再循環を減らす方法などを用いることができる。
一方、入口温度Tinが閾値Ta以上である(ステップS203でYES)と判断した場合、制御ユニット6は、燃料の添加を開始するよう燃料添加器3を制御し(ステップS205)、再生中フラグをオン状態に変更し(ステップS206)、実行する処理をこの処理の呼出元に戻す。
このときの燃料の添加量は、図2のステップS106と同様、白煙が発生しない量であるが、ここでは、図2のようなアイドル回転または減速中の状況とは異なり、酸化触媒9に流入する排気ガスの温度が高い状況である。このため、図2のステップS106の場合より多くの燃料が添加されても、酸化触媒9で燃料を酸化することが可能である。しかし、燃料を多く添加し過ぎると、酸化触媒9での反応熱が高くなり過ぎてしまい、DPF4の再生が急激となったり、DPF4の温度が高くなり過ぎたりして好ましくない。
再生中フラグがオン状態である(ステップS201でYES)と判断した場合、制御ユニット6は、再生の所要時間が経過したか否かを判断する(ステップS211)。再生の所要時間は、予め定められた時間であってもよいし、再生開始時のDPF4の粒子状物質の蓄積量のカウンタのカウント値に応じて定められる時間であってもよいし、排気ガス温度センサ5b,5cなどのセンサからの信号に基づいて推定したDPF4の再生状況に応じて変化する時間であってもよいし、他の方法(たとえば、DPF4の入口および出口の差圧を検出してDPF4の再生状況を推定する方法)で推定したDPF4の再生状況に応じて変化する時間であってもよい。
再生の所要時間が経過していない(ステップS211でNO)と判断した場合、制御ユニット6は、実行する処理をこの処理の呼出元に戻す。一方、再生の所要時間が経過した(ステップS211でYES)と判断した場合、制御ユニット6は、ステップS204で開始した排気温度を上昇させる制御を実行中であるか否かを判断する(ステップS212)。実行中である(ステップS212でYES)と判断した場合、制御ユニット6は、排気温度を上昇させる制御を終了させる(ステップS213)。
排気温度を上昇させる制御を実行中でない(ステップS212でNO)と判断した場合、および、ステップS213の後、制御ユニット6は、燃料の添加を終了するよう燃料添加器3を制御し(ステップS214)、再生中フラグをオフ状態に変更する(ステップS215)。その後、制御ユニット6は、実行する処理をこの処理の呼出元に戻す。
このように、DPF4の再生が必要となったときに、酸化触媒9の入口温度Tinが閾値Ta未満であれば、エンジンの排気温度を上昇させる制御を開始し、酸化触媒9の入口温度Tinが閾値Ta以上となれば、燃料添加器3による燃料の添加が開始される。これにより、酸化触媒9での燃料の反応熱によってDPF4の再生が行なわれる。再生の所要時間が経過したときに、エンジンの排気温度を上昇させる制御が実行されていれば終了させられ、燃料添加器3による燃料の添加が終了される。
[変形例]
前述した実施の形態においては、酸化触媒9の比較的近い上流側に酸化触媒9に供給する燃料を添加する燃料添加器3を設けるようにした。しかし、これに限定されず、燃料添加器3に替えて、燃料噴射器13で気筒11内にポスト噴射を行なうことで、排気ガス上流管7aを経由して酸化触媒9に燃料を供給するようにしてもよい。ポスト噴射は、気筒11内で燃料を燃やす目的でなく、排気管7へ燃料を送ることを目的とした気筒11内での燃料噴射器13による燃料の噴射であり、気筒11内での燃焼が終わった後の噴射である。
前述した実施の形態においては、酸化触媒9の比較的近い上流側に酸化触媒9に供給する燃料を添加する燃料添加器3を設けるようにした。しかし、これに限定されず、燃料添加器3に替えて、燃料噴射器13で気筒11内にポスト噴射を行なうことで、排気ガス上流管7aを経由して酸化触媒9に燃料を供給するようにしてもよい。ポスト噴射は、気筒11内で燃料を燃やす目的でなく、排気管7へ燃料を送ることを目的とした気筒11内での燃料噴射器13による燃料の噴射であり、気筒11内での燃焼が終わった後の噴射である。
前述した実施の形態においては、図2で示したように、アイドル回転であるか否か、または、減速中であるか否かの両者を判断し、アイドル回転である、または、減速中であるときにDPFの再生の閾値Taを設定するようにした。
しかし、これに限定されず、両者のうちアイドル回転であるか否かのみを判断し、アイドル回転であるときにDPFの再生の閾値Taを設定するようにしてもよいし、両者のうち減速中であるか否かのみを判断し、減速中であるときにDPFの再生の閾値Taを設定するようにしてもよい。また、排気温度の下降局面でDPFの再生の閾値Taを設定するのであれば、アイドル回転であるときまたは減速中であるときに限定されず、他のときであってもよい。
前述した実施の形態においては、図2で示したように、検出中フラグをオン状態にしてから所定時間が経過したときに、アイドル回転または減速中でなければ、燃料の添加を終了して、検出中フラグをオフ状態にするようにした。このようにした場合であっても、アイドル回転または減速中でなくなってから所定時間が経過するまでは、閾値の設定はできなくなる可能性が高くなるが、燃料の添加が継続されることによって、DPF4の再生が行なわれ得る。
しかし、これに限定されず、検出中フラグをオン状態にした後、所定時間が経過する前であっても、アイドル回転または減速中でなければ、燃料の添加を終了して、検出中フラグをオフ状態にするようにしてもよい。このようにすれば、検出中フラグをオン状態にしてから所定時間が経過する前であっても、アイドル回転または減速中でなくなり、閾値の設定ができなくなる可能性が高くなった場合には、即座に、閾値の設定を中止することができる。
前述した実施の形態においては、図2のステップS105および図4のステップS203において、酸化触媒9の入口温度Tinを比較対象とした。しかし、これに限定されず、酸化触媒9に関する他の温度を比較対象としてもよく、たとえば、比較対象を出口温度Toutとしてもよいし、入口温度Tinまたは出口温度Toutの実測値ではなく推測値であってもよいし、酸化触媒9の内部の温度の実測値または推測値であってもよい。
前述した実施の形態においては、図2のステップS111で示したように、検出中フラグをオン状態にしてから所定時間が経過したか否かを判断するようにした。しかし、これに限定されず、酸化触媒9の入口温度Tinおよび出口温度Toutが、一旦、乖離した後に、入口温度Tinおよび出口温度Toutの一致を判断できるのであれば、他の方法であってよく、検出中フラグをオン状態にした後、入口温度Tinおよび出口温度Toutが乖離した(たとえば、所定温度以上の差が発生した)か否かを直接的に判断するようにしてもよい。
前述した実施の形態においては、図2および図4で示した各ステップが制御ユニット6によって実行されることによって様々な機能が実行されるようにした。しかし、これに限定されず、図2および図4の各ステップで実行される機能が、それぞれ、ハードウェア回路で実行可能なように構成されてもよい。
[まとめ]
以上で説明した実施の形態を以下にまとめる。図1で示したように、前述した実施の形態に係る排気ガス浄化装置1は、エンジン10の排気ガスに含まれる窒素酸化物および炭素酸化物などの所定成分を酸化する酸化触媒9と、酸化触媒9の下流に設けられ、排気ガスに含まれる粒子状物質を捕集し、加熱により再生可能なDPF4と、酸化触媒9の上流に設けられ、排気ガスの中に燃料を供給する燃料添加器3を備える。また、図1および図4で示したように、排気ガス浄化装置1は、DPF4の再生時において、酸化触媒9の入口温度Tinが閾値Taを超えると燃料を供給するように燃料添加器3を制御する制御ユニット6をさらに備える。
以上で説明した実施の形態を以下にまとめる。図1で示したように、前述した実施の形態に係る排気ガス浄化装置1は、エンジン10の排気ガスに含まれる窒素酸化物および炭素酸化物などの所定成分を酸化する酸化触媒9と、酸化触媒9の下流に設けられ、排気ガスに含まれる粒子状物質を捕集し、加熱により再生可能なDPF4と、酸化触媒9の上流に設けられ、排気ガスの中に燃料を供給する燃料添加器3を備える。また、図1および図4で示したように、排気ガス浄化装置1は、DPF4の再生時において、酸化触媒9の入口温度Tinが閾値Taを超えると燃料を供給するように燃料添加器3を制御する制御ユニット6をさらに備える。
図2で示したように、制御ユニット6は、入口温度Tinの下降中に燃料を供給させ、酸化触媒9における燃料の反応熱により乖離した入口温度Tinと酸化触媒9の出口温度Toutとが一致したときの温度Teに基づいて温度Te以上の値を閾値Taとして設定する。
これにより、入口温度Tinの下降中に燃料を供給させ、酸化触媒9における燃料の反応熱により乖離した入口温度Tinと酸化触媒9の出口温度Toutとが一致したときの温度Teに基づいて温度Te以上の値が閾値Taとして設定される。つまり、燃料性状に応じた閾値Taが設定される。DPF4の再生時において、酸化触媒9の入口温度Tinが、設定された燃料性状に応じた閾値Taを超えると燃料を供給するように燃料添加器3が制御される。これにより、酸化触媒9における燃料の反応熱によりDPF4が過熱されることによって、捕集された粒子状物質が燃焼されることで、DPF4が再生される。その結果、燃料性状に応じたDPF4の再生が可能な排気ガス浄化装置1を提供することができる。
また、図2のステップS102で示したように、制御ユニット6は、燃料が給油された場合に、閾値Taを設定する。燃料が給油されると、燃料タンク12に残った燃料と、この燃料とは性状が異なる可能性が高い給油された燃料とが混合されて、燃料タンク12内の燃料の性状が変化する。このため、燃料の性状が変化したときに、その変化に合わせてDPF4の再生の閾値Taを適切に設定することができる。
また、図2のステップS106および図4のステップS205で示したように、制御ユニット6は、燃料添加器3によって供給される燃料が酸化可能な量を超えないように燃料添加器3を制御する。
また、図4のステップS204で示したように、制御ユニット6は、さらに、入口温度Tinが閾値Taよりも低い場合に、酸化触媒9の上流で排気ガスの温度を上昇させるよう制御する。これにより、排気ガスの温度が低い場合であっても、DPF4の再生が必要な場合に、排気ガスの温度の上昇により酸化触媒9での酸化反応が促され、再生が開始されるようにすることができる。
また、図2で示したように、制御ユニット6は、エンジン10がアイドル状態であることにより入口温度Tinが下降しているときに閾値Taを設定する。これにより、酸化触媒9へ流入する排気温度が下降しており、酸化触媒9で燃料が酸化可能な状態から酸化不能な状態へ変化する温度となり得る局面において、その変化するときの温度が検出され、検出された温度に応じて閾値Taが設定される。その結果、より設定し易い状況で閾値Taを設定することができる。
また、図2で示したように、制御ユニット6は、当該排気ガス浄化装置1が設けられる車両が減速状態であることにより入口温度Tinが下降しているときに閾値Taを設定する。これにより、酸化触媒9へ流入する排気温度が下降しており、酸化触媒9で燃料が酸化可能な状態から酸化不能な状態へ変化する温度となり得る局面において、その変化するときの温度が検出され、検出された温度に応じて閾値Taが設定される。その結果、より設定し易い状況で閾値Taを設定することができる。
なお、図2のステップS102で、給油後に閾値Taが未設定であると判定した直後(たとえば、図2のステップS102からステップS107の間)に、考え得る限りで最も悪い燃料性状の場合の予め決めておいた閾値(従来の閾値)を、閾値Taとして仮に設定するようにしてもよい。
酸化触媒9の入口温度Tinがその燃料性状に応じた失活限界温度以上になっていないにも関わらず、燃料が添加されることで燃料が酸化触媒9で酸化反応しない失活状態となり得る。
給油後に図2のステップS111からステップS117の閾値の検出ロジックにおいて閾値Taが設定される前に、図4のDPF強制再生処理のステップS202でDPF4の再生が必要であると判断され、ステップS203からステップS206の再生のための処理が開始される場合がある。このような場合であっても、上述のように、従来の閾値を閾値Taとして仮に設定することにより、酸化触媒9の入口温度Tinが最悪の燃料性状に応じた閾値以上とならない限り、ステップS205で燃料の添加が開始されない。このため、失活状態となることを防止することができる。
今回開示された各実施の形態は、適宜組合わせて実施することも予定されている。そして、今回開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 排気ガス浄化装置、2 流量検出器、3 燃料添加器、4 DPF、5a,5b,5c 排気ガス温度検出器、6 制御ユニット、7 排気管、7a 排気ガス上流管、7b 第一収納管、7c 第二収納管、7d 排気ガス下流管、8 吸気管、9 酸化触媒、10 エンジン、11 気筒、11a シリンダ、11b ピストン、12 燃料タンク、13 燃料噴射器、14 燃料ポンプ、15 コモンレール、16 吸気絞り弁、17 絞り弁センサ、18 EGR管、19 EGR弁、20 回転速度検知器、21 アクセルセンサ、22 A/Fセンサ。
Claims (6)
- エンジンの排気ガスに含まれる所定成分を酸化する酸化触媒と、
前記酸化触媒の下流に設けられ、前記排気ガスに含まれる粒子状物質を捕集し、加熱により再生が可能なフィルタと、
前記酸化触媒の上流に設けられ、前記排気ガスの中に燃料を供給する供給装置と、
前記フィルタの再生時において、前記酸化触媒の入口温度が閾値を超えると前記燃料を供給するように前記供給装置を制御する制御装置とを備え、
前記制御装置は、前記入口温度の下降中に前記燃料を供給させ、前記酸化触媒における前記燃料の反応熱により乖離した前記入口温度と前記酸化触媒の出口温度とが一致したときの温度に基づいて前記閾値を設定する、排気ガス浄化装置。 - 前記制御装置は、前記燃料が補給された場合に、前記閾値を設定する、請求項1に記載の排気ガス浄化装置。
- 前記制御装置は、前記供給装置によって供給される前記燃料が酸化可能な量を超えないように前記供給装置を制御する、請求項1に記載の排気ガス浄化装置。
- 前記制御装置は、さらに、前記入口温度が前記閾値よりも低い場合に、前記酸化触媒の上流で前記排気ガスの温度を上昇させるよう制御する、請求項1に記載の排気ガス浄化装置。
- 前記制御装置は、前記エンジンがアイドル状態であることにより前記入口温度が下降しているときに前記閾値を設定する、請求項1に記載の排気ガス浄化装置。
- 前記制御装置は、当該排気ガス浄化装置が設けられる車両が減速状態であることにより前記入口温度が下降しているときに前記閾値を設定する、請求項1に記載の排気ガス浄化装置。
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