JP2018058806A - DAMPsに起因する疾患の予防剤 - Google Patents

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悟 高山
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Abstract

【課題】ダメージ関連分子パターン(DAMPs)によって上昇するサイトカインや酵素の産生を抑制し、サイトカインや各種酵素の増加によって引き起こされる疾患の予防に有効な薬剤、及び前記薬剤を有効に利用できる日焼け止め化粧料の処方による、炎症、関節リウマチ、喘息、紅斑に有効な薬剤、及び日焼け止め用化粧料の提供。【解決手段】新規のスクリーニング方法によってDAMPsの1種である変性U1RNAによって増えるサイトカインや酵素の存在を明らかにし、鋭意検討の結果イザイヨイバラ果実抽出物に、DAMPsによって増加するサイトカインや酵素を抑制する効果を見出した。さらに、イザヨイバラ果実抽出物と紫外線吸収剤の組み合わせについても検討し、有効な組み合わせについても見出した。【選択図】なし

Description

本発明は、紫外線や熱、乾燥などの外界からの刺激によって生じる炎症、関節リウマチ、喘息、アトピー性皮膚炎等の疾患、皮膚における紅斑を抑制し、組織や皮膚を健康に保つための薬剤、及び日焼け止め用化粧料に関する。
近年の報告で、紫外線や熱、乾燥などの外界からの刺激によりダメージ関連分子パターン(以下、DAMPsと記載する)と呼ばれる分子が、自己の細胞や組織が壊れることにより外部に放出され、受容体を介して近傍の傷害を受けていない細胞を活性化させ、DAMPsによって活性化されたケラチノサイトは、LeukotrieneB4、NO等を産生することが知られている(非特許文献1)。DAMPsは表皮内及びその付近にはマスト細胞、好中球、マクロファージ、白血球、その他炎症性細胞の浸潤を誘発し、炎症の発症に重要な役割を果たしていることが知られている。
DAMPsの例として、変性U1RNAが挙げられる。この変性U1RNAは紫外線刺激等により細胞が壊れることで細胞外に放出され、炎症や紅斑の原因となることが報告されている(非特許文献2)。一方、体内に到達する紫外線を遮蔽する目的で、日焼け止め用化粧料において紫外線吸収剤や紫外線散乱剤を配合されることが多いが、汗、皮脂によって流されて効果がなくなる場合や、紫外線吸収剤や紫外線散乱剤自体が刺激物質となり炎症の原因となる場合がある。
そういった背景から、DAMPsによる炎症や紅斑などの疾患を予防する薬剤及び、紫外線吸収剤、紫外線散乱剤の刺激を減じて、配合量を増やすことの出来る日焼け止め化粧料が必要とされていた。
(非特許文献1)痒みにおける表皮ケラチノサイトの重要性 安東嗣修 403. YAKUGAKU ZASSI 126(6) 403−408(2006)
(非特許文献2)Nature Medicine 18,1286−1289(2012) 44:93−102
従って、本発明の課題は、DAMPsによって上昇するサイトカインや酵素の産生を抑制し、サイトカインや各種酵素の増加によって引き起こされる疾患の予防に有効な薬剤を見つけ出すこと、及び前記薬剤を有効に利用できる日焼け止め化粧料の処方を見つけ出し、炎症、関節リウマチ、喘息、アトピー性皮膚炎、紅斑に有効な薬剤、及び日焼け止め用化粧料を提供することにある。
本発明者らは前記課題を解決するため、新規のスクリーニング方法によってDAMPsの1種である変性U1RNAによって増えるサイトカインや酵素の存在を明らかにし、鋭意検討の結果イザイヨイバラ果実抽出物に、DAMPsによって増加するサイトカインや酵素を抑制する効果を見出した。さらに、イザヨイバラ果実抽出物と紫外線吸収剤の組み合わせについても検討し、有効な組み合わせについても見出した。
本発明によれば、イザヨイバラ果実抽出物にDAMPsの刺激によるサイトカイン(IL8、IL6、TSLP、TNFα)やMMP3の産生亢進に対する抑制効果を見出し、各種薬剤としての提供、および、DAMPsによる刺激を緩和する日焼け止め化粧料についても提供が可能となった。
本発明のイザヨイバラ果実抽出物による表皮細胞のIL−8遺伝子発現抑制作用を示す図である。 本発明のイザヨイバラ果実抽出物による表皮細胞のIL−6遺伝子発現抑制作用を示す図である。 本発明のイザヨイバラ果実抽出物による表皮細胞のMMP3遺伝子発現抑制作用を示す図である。 本発明のイザヨイバラ果実抽出物による表皮細胞のTNFα遺伝子発現抑制作用を示す図である。 本発明のイザヨイバラ果実抽出物による表皮細胞のTSLP遺伝子発現抑制作用を示す図である。
尚、本発明で使用する「イザヨイバラ」とは、バラ科(Rosaceae)、バラ属(Rosa)の植物:イザヨイバラ(Rosa roxburghi Tratt.)の果実を用いる。
本発明で使用する植物抽出物における各々の植物体の各種部位は前述した部位が好ましいが、この他、花、葉、種子等から選ばれる1種又は2種以上を用いることが出来る。また抽出物は、これら各種の抽出部位から溶媒を用いて直接抽出することで得られるものの他、圧搾処理を施した後に得られる圧搾液及び/又は残渣に溶媒を加えて抽出することで得られるものも、本発明における抽出物の定義の範囲に含まれる。
本発明で使用する植物抽出物を得るための抽出溶媒としては、30〜50%の含水エタノールが好ましいが、用途により溶媒の含有が好ましくない場合においては、水のみを使用したり、あるいは抽出後に溶媒を除去しやすい、揮発性の高い溶媒を用いて抽出を行い、溶媒除去後水やブチレングリコール等に溶解させるといった方法も可能である。又、適宜搾取抽出を行っても良い。
抽出方法については、その溶媒の温度や原料に対する溶媒の重量比率、又は抽出時間についても、種々の原料及び使用する溶媒に対しそれぞれを任意に設定することができる。溶媒の温度としては−4℃から100℃の範囲で任意に設定できるが、原料中に含まれる成分の安定性の点から、10〜40℃付近が好ましい。又、原料に対する溶媒の重量比率も、例えば原料:溶媒が、4:1〜1:100の範囲内で任意に設定することができ、特に1:1〜1:20の重量比率が好ましい。
本発明で使用する植物抽出物は、溶媒抽出後、更に適宜精製操作を施すことも可能であり、精製操作としては、酸(塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、有機酸等)又はアルカリ(水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム、アンモニア等)添加による分解、微生物による発酵又は代謝変換、イオン交換樹脂や活性炭、ケイ藻土等による成分吸着、種々の分離モード(イオン交換、親水性吸着、疎水性吸着、サイズ排除、配位子交換、アフィニティー等)を有するクロマトグラフィーを用いた分画、濾紙やメンブランフィルター、限外濾過膜等を用いた濾過、加圧又は減圧、加温又は冷却、乾燥、pH調整、脱臭、脱色、長時間の静置保管等が例示でき、これらを任意に選択し組合わせた処理を行うことが可能である。
本発明を実施する上で用いる植物抽出物の形状としては、液状、固形状、粉末状、ペースト状等いずれの形状でも良く、最適な形状を任意に選択することができる。
上記抽出物の含有量としては、本発明の効果を有することが確認できる範囲であれば特に制限はないが、一般的には0.01mg/g〜200mg/g(分母は製剤の重量を示す)の範囲に設定される。好ましくは0.1mg/g〜20mg/gの範囲であって、最も好ましくは1mg/g〜15mg/gである。
本発明におけるIL−8産生抑制剤、IL−6産生抑制剤、MMP3産生抑制剤、TNFα産生抑制剤、およびTSLP産生抑制剤とは、各種サイトカイン(IL8、IL6、TSLP、TNFα)、MMP3を標的とした医薬品に配合する用途が好ましい。医薬品としての適用方法は、経口投与又は非経口投与のいずれも採用することができる。投与に際しては、有効成分を経口投与、直腸内投与、注射、塗布、貼布等の投与方法に適した固体又は液体の医薬用無毒性担体と混合して、慣用の医薬製剤の形態で投与することができる。このような製剤としては、例えば、錠剤、顆粒剤、散剤、カプセル剤等の固形剤、溶液剤、懸濁剤、乳剤等の液剤、凍結乾燥製剤、軟膏、貼布剤等が挙げられ、これらの製剤は製剤上の常套手段により調製することができる。
また、各種サイトカインやMMP3が関与する疾患としては急性炎症、慢性炎症、関節リウマチ、痛風、気管支喘息、アレルギー性鼻炎、ベーチェット病、急性感染症、乾癬、アトピー性皮膚炎等が挙げられ、特にIL6、TNFαそれぞれを標的とした医薬品も存在し(抗IL6受容体モノクローナル抗体である免疫疾患治療薬のトシリマズブ、TNFαの抗体である関節リウマチ、乾癬、強直性脊髄炎、ベーチェット病治療薬のインフリマキシマブ、アダリムバブ)、TSLPとMMP3についても喘息やリウマチの治療薬として標的になることから、本発明を前記疾患の治療目的で配合することが可能である。
本発明における日焼け止め用化粧料とは、クリーム、ミルク、ジェル又はクリームジェル、パウダー又は固形スティックの形態で使用でき、またエアゾールとして使用する場合ムースやスプレーの形態であってもよいし、剤型が液状、乳液状であれば、不織布やコットンなどの担体に含浸させて用いることもできる。
上記日焼け止め用化粧料には、本発明の効果を損なわない範囲内であれば、通常日焼け止め用化粧品に用いられる成分、エタノール、ブチレングリコールなどの各種アルコール;モノステアリン酸グリセリル、サポニンなどの非イオン性界面活性剤;N−ステアロイル−L−グルタミン酸ナトリウムなどの陰イオン性界面活性剤;N−ヤシ油脂肪酸アシル−L−アルギニンエチル・DL−ピロリドンカルボン酸塩などの陽イオン性界面活性剤;ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタインなどの両性界面活性剤;キサンタンガム、カルボキシビニルポリマーなどの水溶性増粘剤;トコフェロールおよびその誘導体、アスコルビン酸およびその誘導体などのビタミン類;フェノキエタノール、オクトキシグリセリン、パラベンなどの防腐成分;紫外線吸収剤;紫外線散乱剤;無機顔料、パール化剤、植物抽出エキス、金属イオン封鎖剤、香料、pH調整剤などを目的に応じて適宜配合することができる。
上記日焼け止め用化粧料に配合する、紫外線吸収剤としてはベンゾフェノン誘導体、メトキシケイ皮酸誘導体、ベンゾイル安息香酸誘導体、クマリン誘導体、ベンゾトリアゾール誘導体等;紫外線散乱剤としてはクロロフィル類、キサントフィル類、エスカロール、酸化亜鉛、タルク、カオリン等利用する事ができるが、溶解性や安定性を考慮すると、紫外線吸収剤の中でもジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル、エチルヘキシルトリアゾンと発明のイザヨイバラ果実抽出物の組み合わせが好ましく、紫外線吸収剤の皮膚刺激による炎症もイザヨイバラ果実抽出物が抑制することから相乗効果が期待できる。
本発明で用いるイザヨイバラ抽出物の製造例を以下に詳述するが、本発明の植物抽出物は以下の製造例に限定されない。
(製造例1)
イザヨイバラ果実の乾燥物100gを、3kgの50%エタノール水溶液に常温で2週間浸漬させた後にろ過し、粗抽出液約2.4kgを得た。次に粗抽出液を濃縮しエタノールをとばした後、50%ブチレングリコール溶液を加え2.4kgのイザヨイバラ果実抽出物を得た。
(製造例2)
イザヨイバラ果実の乾燥物100gを、3kgの30%エタノール水溶液に常温で2週間浸漬させた後にろ過し、粗抽出液約2.4kgを得た。次に粗抽出液を濃縮しエタノールをとばした後、50%ブチレングリコール溶液を加え2.4kgのイザヨイバラ果実抽出物を得た。
(試験1〜5の試験条件)
上記製造例1、製造例2で得たイザヨイバラ果実抽出物(蒸発残分0.5%)に対して細胞試験を行った。(試験結果として記載したものは製造例1についてのみだが、製造例2についても製造例1とほぼ同様の結果が得られた。)細胞は正常ヒト表皮角化細胞(クラボウ社製)と、正常ヒト皮膚繊維芽細胞(クラボウ社製)を使用し、細胞培養培地は角化細胞に対してはEpiLife KG2(クラボウ社製)培地、線維芽細胞に対してはDMEM(和光社製)にFBSを加え、FBSの濃度が10%である培地を使用した。また、いずれの試験結果の値もPoly(I:C)を添加しない状態を1としたときの相対値である。また、本試験では変性U1RNAの替わりに、変性U1RNAと同様Toll−like receptor 3のアゴニストとして作用するPoly(I:C)を刺激物質として角化細胞に添加した。
(試験1)IL−8遺伝子発現抑制作用
(試験方法)
正常ヒト表皮角化細胞を60ミリデッシュ(ファルコン社製)に2.0×10播種し、5日間培養した。その後、角化細胞にイザヨイバラ果実抽出物を終濃度がそれぞれ0.04%、0.2%、1%(コントロールにおいては50%ブチレングリコールが終濃度0.5%、比較対照としてはグリチルリチン酸ジカリウムを終濃度0.2mM、アラントインを終濃度0.52mM)になるように添加し、1時間後さらに角化細胞に終濃度1μg/mlとなるようPoly(I:C)を添加し4時間培養を行った。その後total RNAを調整し、Real−time PCR法にてIL−8のmRNA相対発現量を測定した。
(試験結果)
結果は図1に示した通り、Poly(I:C)の添加でIL−8遺伝子の発現が亢進された条件下において、グリチルリチン酸ジカリウムとアラントインによる効果が認められなかった結果に対し、イザヨイバラ果実抽出物にIL−8遺伝子の発現抑制作用が認められた。
(試験2)IL−6遺伝子発現抑制作用
(試験方法)
正常ヒト表皮角化細胞を60ミリデッシュ(ファルコン社製)に2.0×10播種し、5日間培養した。その後、角化細胞にイザヨイバラ果実抽出物を終濃度がそれぞれ0.04%、0.2%、1%(コントロールにおいては50%ブチレングリコールが終濃度0.5%、比較対照としてはグリチルリチン酸ジカリウムを終濃度0.2mM、アラントインを終濃度0.5mM)になるように添加し、1時間後さらに角化細胞に終濃度1μg/mlとなるようPoly(I:C)を添加し4時間培養を行った。その後total RNAを調整し、Real−time PCR法にてIL−6のmRNA相対発現量を測定した。
(試験結果)
結果は図2に示した通り、Poly(I:C)の添加でIL−6遺伝子の発現が亢進された条件下において、グリチルリチン酸ジカリウムとアラントインによる効果が認められなかった結果に対し、イザヨイバラ果実抽出物にIL−6遺伝子の発現抑制作用が認められた。
(試験3)MMP3遺伝子発現抑制作用
(試験方法)
正常ヒト表皮角化細胞を直径12mmのMillicell(ミリポア社製)に2.0×10播種し、2日間培養した。一方、正常ヒト皮膚線維芽細胞は24穴プレート(ミリポア社製)に播種に1.0×10を播種して表皮角化細胞と同様2日間した。その後、正常ヒト角化細胞にイザヨイバラ果実抽出物を終濃度が1%(コントロールにおいては50%ブチレングリコールが終濃度0.5%)になるように添加し、1時間後に線維芽細胞のプレートの上に角化細胞のMillicellを重ね、さらに角化細胞に終濃度1μg/mlとなるようPoly(I:C)を添加し4時間共培養を行った。その後線維芽細胞からtotal RNAを調整し、Real−time PCR法にてMMP3のmRNA相対発現量を測定した。
(試験結果)
結果は図3に示した通り、Poly(I:C)の添加でMMP3遺伝子の発現が亢進された条件下において、イザヨイバラ果実抽出物にMMP3遺伝子の発現抑制作用が認められた。
(試験4)TNFα遺伝子発現抑制作用
(試験方法)
正常ヒト表皮角化細胞を60ミリデッシュ(ファルコン社製)に2.0×10播種し、5日間培養した。その後、角化細胞にイザヨイバラ果実抽出物を終濃度がそれぞれ0.04%、0.2%、1%(コントロールにおいては50%ブチレングリコールが終濃度0.5%、比較対照としてはグリチルリチン酸ジカリウムを終濃度0.2mM、アラントインを終濃度0.5mM)になるように添加し、1時間後さらに角化細胞に終濃度1μg/mlとなるようPoly(I:C)を添加し4時間培養を行った。その後total RNAを調整し、Real−time PCR法にてTNFαのmRNA相対発現量を測定した。
(試験結果)
結果は図4に示した通り、Poly(I:C)の添加でTNFα遺伝子の発現が亢進された条件下において、グリチルリチン酸ジカリウムとアラントインによる効果が認められなかった結果に対し、イザヨイバラ果実抽出物にTNFα遺伝子の発現抑制作用が認められた。
(試験5)TSLP遺伝子発現抑制作用
(試験方法)
正正常ヒト表皮角化細胞を60ミリデッシュ(ファルコン社製)に2.0×10播種し、5日間培養した。その後、角化細胞にイザヨイバラ果実抽出物を終濃度がそれぞれ0.04%、0.2%、1%(コントロールにおいては50%ブチレングリコールが終濃度0.5%、比較対照としてはグリチルリチン酸ジカリウムを終濃度0.2mM、アラントインを終濃度0.52mM)になるように添加し、1時間後さらに角化細胞に終濃度1μg/mlとなるようPoly(I:C)を添加し4時間培養を行った。その後total RNAを調整し、Real−time PCR法にてTSLPのmRNA相対発現量を測定した。
(試験結果)
結果は図5に示した通り、Poly(I:C)の添加でTSLP遺伝子の発現が亢進された条件下において、グリチルリチン酸ジカリウムとアラントインによる認められなかった結果に対し、イザヨイバラ果実抽出物にTSLP遺伝子の発現抑制作用が認められた。
前記製造例1又は2で得たイザヨイバラ果実抽出物に対して以下処方例を記載するが、本発明の配合を限定したものではない。
(処方例1)軟膏 重量%
1.イザヨイバラ果実抽出物(製造例1または製造例2) 1.0
2.白色ワセリン 86.0
3.流動パラフィン 5.0
4.パラフィン 1.0
5.サンミツロウ 3.0
6.トリアセチン 4.0
(処方例2)貼布剤
(基剤) 重量%
1.イザヨイバラ果実抽出物(製造例1または製造例2) 0.35
2.ポリアクリル酸ナトリウム 5.0
3.カルボキシメチルセルロースナトリウム 3.0
4.酒石酸 0.5
5.D−ソルビトール 20.0
6.グリセリン 20.0
7.ゼラチン 3.0
8.水酸化アルミニウム 0.5
9.メチルパラベン 0.1
10.精製水 全量で100にする
(支持体)
厚さ100μmのポリエチレン織布
(処方例3)日焼け止め用化粧品 重量%
1.イザヨイバラ果実抽出物(製造例1または製造例2) 1.0
2.メチルポリシロキサン(1.5mm2/s) 1.0
3.メチルポリシロキサン(2.0mm2/s) 2.0
4.メチルポリシロキサン(6.0mm2/s) 1.0
5.メチルフェニルポリシロキサン 2.0
6.メチルシクロポリシロキサン 4.0
7.トリス(トリメチルシロキシ)メチルシラン 4.0
8.ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体 2.0
9.イソデカン 1.0
10.イソヘキサデカン 2.0
11.流動イソパラフィン 2.0
12.イソノナン酸イソノニル 5.0
13.スクワラン 1.0
14.ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル 5.0
15.ジメチルジステアリルアンモニウムヘクトライト 1.0
16.酸化亜鉛 10.0
17.酸化チタン 5.0
18.1,2−ブタンジオール 1.0
19.フェノキシエタノール 0.3
20.精製水 全量で100にする
(処方例4)日焼け止め用クリーム 重量%
1.イザヨイバラ果実抽出物(製造例1または製造例2) 1.0
2.メチルポリシロキサン(1.5mm2/s) 1.0
3.メチルポリシロキサン(2.0mm2/s) 2.0
4.メチルポリシロキサン(6.0mm2/s) 1.0
5.メチルフェニルポリシロキサン 2.0
6.メチルシクロポリシロキサン 4.0
7.トリス(トリメチルシロキシ)メチルシラン 4.0
8.ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体 2.0
9.イソデカン 1.0
10.イソヘキサデカン 2.0
11.流動イソパラフィン 2.0
12.イソノナン酸イソノニル 5.0
13.スクワラン 1.0
14.エチルヘキシルトリアゾン 5.0
15.ジメチルジステアリルアンモニウムヘクトライト 1.0
16.酸化亜鉛 10.0
17.酸化チタン 5.0
18.1,2−ブタンジオール 1.0
19.フェノキシエタノール 0.3
20.精製水 全量で100にする
(処方例5)日焼け止め用クリーム 重量%
1.イザヨイバラ果実抽出物(製造例1または製造例2) 1.0
2.メチルポリシロキサン(1.5mm2/s) 1.0
3.メチルポリシロキサン(2.0mm2/s) 2.0
4.メチルポリシロキサン(6.0mm2/s) 1.0
5.メチルフェニルポリシロキサン 2.0
6.メチルシクロポリシロキサン 4.0
7.トリス(トリメチルシロキシ)メチルシラン 4.0
8.ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体 2.0
9.イソデカン 1.0
10.イソヘキサデカン 2.0
11.流動イソパラフィン 2.0
12.イソノナン酸イソノニル 5.0
13.スクワラン 1.0
14.パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル 5.0
15.ジメチルジステアリルアンモニウムヘクトライト 1.0
16.酸化亜鉛 10.0
17.酸化チタン 5.0
18.1,2−ブタンジオール 1.0
19.フェノキシエタノール 0.3
20.精製水 全量で100にする
(試験6)日焼け予防効果
(試験方法)
日常的に紫外線を浴びる成人男女20名に対して、処方例3〜5のクリーム、植物抽出物の替わりに50%ブチレングリコールを1%配合した処方例3のクリームを対照品として顔に1日2回塗布、1ヶ月間の使用試験を行った。なお、被験者は5人づつにわけ、紅斑と肌の刺激について、使用前に比べで評価した。
(試験結果)
結果は下記表の通り、イザヨイバラ果実抽出物を配合した処方が対照品よりも効果が高く、特に処方例3の効果が他の処方よりも高いことが認められた。
有 効 :使用前よりも紅斑と肌の刺激が改善された。
やや有効 :使用前よりも紅斑と肌の刺激がやや改善された。
無 効 :使用前と変化なし。
(表1)
Figure 2018058806

Claims (7)

  1. イザヨイバラ果実抽出物を有効成分とするIL−8産生抑制剤
  2. イザヨイバラ果実抽出物を有効成分とするIL−6産生抑制剤
  3. イザヨイバラ果実抽出物を有効成分とするMMP3産生抑制剤
  4. イザヨイバラ果実抽出物を有効成分とするTNFα産生抑制剤
  5. イザヨイバラ果実抽出物を有効成分とするTSLP産生抑制剤
  6. イザヨイバラ果実抽出物と紫外線吸収剤を配合することを特徴とした日焼け止め用化粧料。
  7. 前記紫外線吸収剤が、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシルであることを特徴とした日焼け止め用化粧料。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN112121144A (zh) * 2020-09-20 2020-12-25 武汉宏博云智生物科技有限公司 一种刺梨组合物及其制备方法和用途

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CN112121144A (zh) * 2020-09-20 2020-12-25 武汉宏博云智生物科技有限公司 一种刺梨组合物及其制备方法和用途
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