JP2018058762A - 光ファイバの製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
20℃<Tf−T=(Tf 0−T)exp(−Δt/τ(T))<100℃・・・(1)
40℃<Tf−T=(Tf 0−T)exp(−Δt/τ(T))<60℃・・・(2)
このように徐冷工程において光ファイバの温度Tと当該光ファイバに含まれるコアを構成するガラスの仮想温度Tfとの温度差(Tf−T)がより適した範囲に制御されることによって、当該光ファイバに含まれるコアを構成するガラスの構造緩和がより促進され易くなり、光ファイバの伝送損失がより低減され易くなる。
20℃<Ten−Tsn<100℃・・・(3)
上記のように徐冷工程において複数の徐冷炉が用いられ、各徐冷炉の設定温度が各徐冷炉の出口におけるコアを構成するガラスの仮想温度に対して所定の範囲に制御されることによって、光ファイバの温度と光ファイバに含まれるコアを構成するガラスの仮想温度との温度差が所定の範囲に制御され易くなる。その結果、コアを構成するガラスの構造緩和が促進され、光ファイバの伝送損失が低減され易くなる。
40℃<Ten−Tsn<60℃・・・(4)
このように複数の徐冷炉の設定温度がそれぞれより適切な範囲に制御されることによって、光ファイバに含まれるコアを構成するガラスの構造緩和の促進効果がより増大され易くなり、光ファイバの伝送損失がより低減され易くなる。
本発明者らは、ガラスの温度が低くなるとガラスの仮想温度とガラスの温度との温度差を小さくした方がガラスの構造緩和が促進されやすいことを見出した。従って、上流側に備えられる徐冷炉よりも下流側に備えられる徐冷炉の方が設定温度と出口におけるコアを構成するガラスの仮想温度との温度差が小さくなるように徐冷炉の温度を設定することによって、効率良くコアを構成するガラスの構造緩和を促進させることができる。その結果、光ファイバの伝送損失がより低減され易くなる。
線引工程P1は、線引炉110において光ファイバ用母材1Pの一端を線引きする工程である。まず、所望の光ファイバ1を構成するコア及びクラッドと同じ屈折率分布を持つガラスで構成される光ファイバ用母材1Pを準備する。光ファイバ1は、1つ又は複数のコア及びコアの外周面を隙間なく囲むクラッドを有する。また、コア及びクラッドはそれぞれシリカガラスからなり、コアの屈折率はクラッドの屈折率よりも高くされる。例えば、コアが屈折率を高くするゲルマニウム等のドーパントが添加されたシリカガラスから成る場合、クラッドは純粋なシリカガラスで構成される。また、例えば、コアが純粋なシリカガラスから成る場合、クラッドは屈折率を低くするフッ素等のドーパントが添加されたシリカガラスで構成される。
予冷工程P2は、線引工程P1で線引炉110から引き出された光ファイバが後述する徐冷炉121へ送られるのに適した所定の温度になるように冷却する工程である。徐冷炉121へ送られるのに適した光ファイバの所定の温度については、後に詳述する。
徐冷工程P3は、線引工程P1において引き出された光ファイバを徐冷する工程である。本実施形態の光ファイバの製造方法では、光ファイバは予冷工程P2を経て温度調整され、徐冷工程P3において徐冷される。徐冷工程P3において、光ファイバは複数の徐冷炉121a,121b,121c,121dに通される。本実施形態の光ファイバの製造方法の説明では、これら全ての徐冷炉を包括する場合や各徐冷炉を区別する必要がない場合は単に「徐冷炉121」という場合がある。なお、図2には、4つの徐冷炉121a,121b,121c,121dを示しているが、本発明において徐冷炉の数は複数であれば特に限定されない。徐冷炉が複数あるというのは、互いに異なる温度に設定することできる発熱部が複数あるという意味である。例えば、1つの筐体内に収められているとしても、互いに異なる温度に設定することができる発熱部が複数備えられていれば、徐冷炉が複数あるといえる。
1/τ(T)=A・exp(−Eact/kBT)・・・(5)
(ここでは、Tはガラスの絶対温度である。)
Tf−T=(Tf 0−T)exp(−Δt/τ(T))・・・(6)
T2+(Eact/kB)×T−(Eact/kB)×Tf=0・・・(7)
40℃<Tf−T=(Tf 0−T)exp(−Δt/τ(T))<60℃・・・(2)
このように徐冷工程P3において光ファイバの温度Tと当該光ファイバに含まれるコアを構成するガラスの仮想温度Tfとの温度差(Tf−T)が所定の範囲に制御されることによって、当該光ファイバに含まれるコアを構成するガラスの構造緩和がより促進され易くなる。従って、光ファイバの伝送損失が低減され易くなる。
αT=Rr/λ4=BTf/λ4・・・(9)
20℃<Tf−T=(Tf 0−T)exp(−Δt/τ(T))<100℃・・・(1)
20℃<Ten−Tsn<100℃・・・(3)
40℃<Ten−Tsn<60℃・・・(4)
このように徐冷炉121の設定温度がより適切な範囲に制御されることによって、光ファイバに含まれるコアを構成するガラスの構造緩和の促進効果が増大され易くなり、光ファイバの伝送損失が低減され易くなる。
t=L/v・・・(10)
徐冷工程P3後、光ファイバは耐外傷性などを高めるために被覆層で覆われる。この被覆層は通常、紫外線硬化性樹脂で構成される。このような被覆層を形成するためには、被覆層の焼損などが起こらないようにするため、光ファイバが十分に低い温度に冷却されている必要がある。光ファイバの温度は塗布される樹脂の粘度に影響を与え、結果として被覆層の厚さに影響を与える。被覆層を形成する際の適切な光ファイバの温度は、被覆層を構成する樹脂の性質に応じて適宜決定される。
1P・・・光ファイバ用母材
110・・・線引炉
111・・・加熱部
120・・・筒状体
121・・・徐冷炉
122・・・冷却装置
131・・・コーティング装置
132・・・紫外線照射装置
141・・・ターンプーリ
142・・・リール
P1・・・線引工程
P2・・・予冷工程
P3・・・徐冷工程
P4・・・急冷工程
Claims (7)
- 光ファイバ用母材を線引炉において線引きする線引工程と、
前記線引工程において引き出された光ファイバを徐冷する徐冷工程と、
を備え、
前記徐冷工程において、前記光ファイバは複数の徐冷炉に通され、
下記式(8)を用いて、前記光ファイバに含まれるコアを構成するガラスの仮想温度を最も効率良く低下させることができるときの前記ガラスの温度Tを求めた後、当該温度Tを用いて、前記ガラスの仮想温度が最も効率良く低下させられたときの前記光ファイバの伝送損失に対して増加量が0.001db/km未満となるときの前記光ファイバの温度と前記ガラスの仮想温度との温度差の上限値および下限値を算出し、
前記徐冷工程において、前記温度差が前記上限値から前記下限値までの範囲内に収まるように前記徐冷炉の温度を設定する
ことを特徴とする光ファイバの製造方法。
(ただし、前記式(8)において、Eactは前記ガラスの活性化エネルギー、kBはBoltzmann定数、Tfは前記ガラスの仮想温度である。) - 前記光ファイバに含まれるコアを構成するガラスの構造緩和の時定数をτ(T)、前記徐冷工程におけるある時点での前記光ファイバの温度をT、前記ある時点での前記コアを構成するガラスの仮想温度をTf 0、前記ある時点から時間Δt経過後の前記コアを構成するガラスの仮想温度をTfとしたとき、前記徐冷工程の任意の期間において下記式(1)が成り立つ
ことを特徴とする請求項1に記載の光ファイバの製造方法。
20℃<Tf−T=(Tf 0−T)exp(−Δt/τ(T))<100℃・・・(1) - 前記徐冷工程の任意の期間において下記式(2)が成り立つ
ことを特徴とする請求項2に記載の光ファイバの製造方法。
40℃<Tf−T=(Tf 0−T)exp(−Δt/τ(T))<60℃・・・(2) - 上流側からn番目の前記徐冷炉の設定温度をTsn、上流側からn番目の前記徐冷炉の出口における前記光ファイバに含まれるコアを構成するガラスの仮想温度をTenとするとき、下記式(3)の関係が成り立つ
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の光ファイバの製造方法。
20℃<Ten−Tsn<100℃・・・(3) - 下記式(4)が成り立つ
ことを特徴とする請求項4に記載の光ファイバの製造方法。
40℃<Ten−Tsn<60℃・・・(4) - 上流側に備えられる前記徐冷炉よりも下流側に備えられる前記徐冷炉の方が、設定温度と出口における前記コアを構成するガラスの仮想温度との温度差が小さい
ことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の光ファイバの製造方法。 - 前記光ファイバの温度が1300℃以上1500℃以下の範囲にあるときの少なくとも一時期に前記光ファイバが前記複数の徐冷炉のいずれかに滞在する
ことを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の光ファイバの製造方法。
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JP2001013380A (ja) * | 1999-06-28 | 2001-01-19 | Fujikura Ltd | 光ファイバ素線の製造方法と製造装置 |
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