JP2018057160A - ガラス基材積層体の製造方法、光学素子の製造方法、光学素子及び集光型太陽光発電装置 - Google Patents

ガラス基材積層体の製造方法、光学素子の製造方法、光学素子及び集光型太陽光発電装置 Download PDF

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Abstract

【課題】シート状の光学素子と太陽電池素子との相対的な位置が安定しているガラス基材積層体の製造方法、光学素子の製造方法、光学素子及び集光型太陽光発電装置を提供する。【解決手段】ガラス基板5と、一方の面にフレネルレンズパターンを有し他方の面がガラス基板5上に接着された有機性樹脂からなるシート状成形体6を備えた、ガラス基板の外縁から少なくとも幅5mmの外縁領域においてガラス基板が露出している光学素子の製造方法であって、熱可塑性樹脂成形体のガラス基材側の第1界面の外縁から少なくとも幅5mmの外縁領域を除いた領域に活性エネルギーを照射して、第1界面を表面処理し、シランカップリング剤を架橋剤として、ガラス基材の熱可塑性樹脂成形体側の第2界面に熱可塑性樹脂成形体の第1界面を接着させ、ガラス基材側の第1界面の外縁領域上の熱可塑性樹脂成形体を除去する。【選択図】図3

Description

本発明は、集光型太陽光発電装置に用いる集光レンズ等の光学素子および積層体ならびにそれらの製造方法に関する。
近年、自然エネルギーの利用が注目されており、そのひとつに太陽光のエネルギーを太陽電池によって電力に変換する太陽光発電がある。このような太陽光発電として、発電効率(光電変換効率)を高めて大電力を得るために、同一平面上に複数配置された太陽電池素子の前方側に、太陽光を各太陽電池素子に集光させるための光学素子(集光レンズ)を配設した構成の集光型太陽光発電装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
集光型太陽光発電装置は、光学素子(集光レンズ)で太陽光を集光して太陽電池素子に受光させる構成により、高価な太陽電池素子のサイズを小さくできるので、発電装置全体の低コスト化を図ることができる。このため、集光型太陽光発電装置は、日照時間が長く、集光面を大面積化しても設置可能な広大な地域などで、電力供給用途として普及しつつある。
前記特許文献1の集光型太陽光発電装置では、アクリル樹脂(PMMA樹脂)からなるシート状の光学素子(集光レンズ)の太陽光入射面側の表面には、耐環境性などを考慮して透明なガラス基板が接着されている。ところで、透明性と耐光性と兼ね備えたアクリル系樹脂からなる光学部材(例えば、シート状の光学素子)とガラス基材との接着には、従来シリコーン樹脂等の接着剤などが用いられているが、特に屋外等での高温高湿環境下では長期的な接着力に問題があった。
また、透明なアクリル系樹脂の表面を活性化処理することで、接着剤なしでもガラス基材との接着力を初期の間は維持することができるが、特に高温高湿環境下では時間の経過とともに接着力が著しく低下し、剥離するおそれがある。このように、ガラス基材とアクリル系樹脂とからなるシート状の光学素子との接着面間の接着力が低下し、接着面間に剥離が生じると、太陽電池素子上に光を効率よく集光できなくなり、発電効率が低下する。
また、特許文献2には、ガラス基材を活性化処理するとともに、シランカップリング剤を架橋剤として用いるガラス基材積層体の製造方法が開示されている。
特開2006−343435号公報 国際公開第2015/102093号
ところで、ガラス基材とアクリル系樹脂とからなるシート状の光学素子を太陽電池素子が設置された発電モジュールに固定した場合、アクリル系樹脂の厚み精度やアクリル系樹脂そのものの弾性変形から、シート状の光学素子と太陽電池素子との相対的な位置が設計値とは異なり、発電効率が低下することがある。
そこで、本発明は、シート状の光学素子と太陽電池素子との相対的な位置が安定しているガラス基材積層体の製造方法、光学素子の製造方法、光学素子及び集光型太陽光発電装置を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために本発明に係るガラス基材積層体の製造方法は、ガラス基材上に樹脂成形体を有する積層体の製造方法であって、前記樹脂成形体は、アクリル系ブロック共重合体(A)又はアクリル系ブロック共重合体(A)と、主としてメタクリル酸エステル単位から構成されるアクリル樹脂(B)とを含む熱可塑性重合体組成物を用いて形成され、前記熱可塑性重合体組成物は、前記アクリル系ブロック共重合体(A)が、アクリル酸エステル単位を主体とする重合体ブロック(a1)の両末端にそれぞれメタクリル酸エステル単位を主体とする重合体ブロック(a2)が結合した構造を分子内に少なくとも1つ有するアクリル系ブロック共重合体であり、質量平均分子量が10,000〜100,000である熱可塑性樹脂成形体であり、前記熱可塑性樹脂成形体のガラス基材側の第1界面に活性エネルギー照射を行なう部分と行なわない部分を形成し、シランカップリング剤を架橋剤として、前記ガラス基材の熱可塑性樹脂成形体側の第2界面に前記熱可塑性樹脂成形体の前記第1界面を接着させ、活性エネルギー照射を行なわない部分の前記熱可塑性樹脂成形体をガラス基材から選択的に除去することを特徴としている。
ここで、前記熱可塑性樹脂成形体のガラス基材側の第1界面の活性エネルギー非照射部は、シランカップリング剤を架橋剤として、前記ガラス基材の熱可塑性樹脂成形体側の第2界面に前記熱可塑性樹脂成形体の前記第1界面が接着されても容易に前記熱可塑性樹脂成形体が除去できることを特徴としている。
本発明に係る光学素子の製造方法は、ガラス基材と、一方の面に光学機能パターンを有し他方の面が前記ガラス基材上に接着された有機性樹脂からなるシート状成形体を備えた光学素子の製造方法であって、前記シート状成形体は、アクリル系ブロック共重合体(A)又はアクリル系ブロック共重合体(A)と、主としてメタクリル酸エステル単位から構成されるアクリル樹脂(B)とを含む熱可塑性重合体組成物を用いて形成され、前記熱可塑性重合体組成物は、前記アクリル系ブロック共重合体(A)が、アクリル酸エステル単位を主体とする重合体ブロック(a1)の両末端にそれぞれメタクリル酸エステル単位を主体とする重合体ブロック(a2)が結合した構造を分子内に少なくとも1つ有するアクリル系ブロック共重合体であり、質量平均分子量が10,000〜100,000である熱可塑性樹脂成形体であり、前記熱可塑性樹脂成形体のガラス基材側の第1界面の外縁から少なくとも幅5mmの外縁領域を除いた領域に活性エネルギー照射を行ない、前記第1界面を表面処理し、シランカップリング剤を架橋剤として、前記ガラス基材の熱可塑性樹脂成形体側の第2界面に前記熱可塑性樹脂成形体の前記第1界面を接着させ、前記ガラス基材側の第1界面の前記外縁領域上の前記熱可塑性樹脂成形体を除去することを特徴としている。
本発明に係る光学素子は、ガラス基材と、一方の面に光学機能パターンを有し他方の面が前記ガラス基材上に接着された有機性樹脂からなるシート状成形体を備えた光学素子であって、前記シート状成形体は、アクリル系ブロック共重合体(A)又はアクリル系ブロック共重合体(A)と、主としてメタクリル酸エステル単位から構成されるアクリル樹脂(B)とを含む熱可塑性重合体組成物を用いて形成され、前記熱可塑性重合体組成物は、前記アクリル系ブロック共重合体(A)が、アクリル酸エステル単位を主体とする重合体ブロック(a1)の両末端にそれぞれメタクリル酸エステル単位を主体とする重合体ブロック(a2)が結合した構造を分子内に少なくとも1つ有するアクリル系ブロック共重合体であり、質量平均分子量が10,000〜100,000である熱可塑性樹脂成形体であり、前記熱可塑性樹脂成形体のガラス基材側の第1界面は、シランカップリング剤を架橋剤として、前記ガラス基材の熱可塑性樹脂成形体側の第2界面に直接接着されており、前記ガラス基材の外縁から少なくとも幅5mmの外縁領域において前記第2界面が露出していることを特徴としている。
本発明に係る集光型太陽光発電装置は、太陽光を集光する前記ガラス基材の外縁から少なくとも幅5mmの外縁領域において前記第2界面が露出していることを特徴とする光学素子と、前記光学素子により集光された太陽光を受光して光電変換する太陽電池素子を有する発電モジュールとを備えた集光型太陽光発電装置において、前記光学素子は、前記発電モジュールに前記第2界面が露出した外縁領域において固定されていることを特徴とする。
本発明によれば、ガラス基材に接着した透明なアクリル系樹脂を容易に除去して、ガラス基材を単層にすることができるガラス基材積層体(光学素子)を提供することができる。
また、本発明の集光型太陽光発電装置は、ガラス基材に接着した透明なアクリル系樹脂を容易に除去して、単層のガラス基材を露出させた光学素子を有する。単層のガラス基材に発電モジュールを固定させることで、光学素子の太陽電池素子に対する相対的な位置が安定する。したがって、長期にわたって安定して強い接着力で接着された光学素子によって、長期にわたって安定して高い発電効率を維持することができる。
図1は、本発明の実施形態に係る光学素子を備えた集光型太陽光発電装置の概略構成を示した図である。 図2は、本発明の実施形態に係る集光型太陽光発電装置の太陽光入射側から見た概要を示した平面図である。 図3は、本発明の実施形態に係る集光型太陽光発電装置の横断面図である。 図4Aは、ガラス基板とシート状成形体の各接着面を示した図である。 図4Bは、ガラス基板とシート状成形体の各接着面が接着された状態を示した図である。
以下、本発明を図示の実施形態に基づいて説明する。図1は、本発明の実施形態に係る光学素子を備えた集光型太陽光発電装置の概略構成を模式的に示した概略断面図である。
〈集光型太陽光発電装置の全体構成〉
図1に示すように、本実施形態に係る集光型太陽光発電装置1は、受光した太陽光を光電変換する太陽電池素子(太陽電池セル)2と、該太陽電池素子2が実装された太陽電池基板3と、太陽電池素子2の前方側(太陽光入射側)に対向するようにして配置され、太陽光を集光する光学素子4とを主要構成部材として備えている。なお、図1において、L1は光学素子4に入射する太陽光、L2は光学素子4で集光された太陽光を示している。
光学素子4は、太陽光入射側に設けた透明なガラス基板5と、該ガラス基板5(ガラス基材とも称してもよい。)の出射側(太陽電池素子2と対向する側)の面に接着された透光性を有する熱可塑性重合体組成物からなるシート状成形体6とで構成されている。光学素子4は、ガラス基材積層体と称してもよいし、ガラス基板積層体と称してもよい。
シート状成形体6のガラス基板5と反対側(太陽電池素子2と対向する側)の面には、入射された太陽光を太陽電池素子2の受光領域に集光させるフレネルレンズパターン6aが同心円状に形成されている。このように、このフレネルレンズパターン6aが形成されたシート状成形体6は、集光レンズとして機能する。
集光型太陽光発電装置1では、図2に示すように、太陽電池基板3(図1参照)上に一定間隔で複数の太陽電池素子2が実装され、また各太陽電池素子2の受光領域とそれぞれ対向するようにして複数の光学素子4が同一平面上に一体的に設けられている。
各太陽電池素子2と各光学素子4は、精度よく位置決めされて配置されており、また太陽電池基板3と光学素子4との間の側面周囲等は、太陽電池基板3と光学素子4との間の空間内部に湿気(水分)や塵等が侵入しないように封止されている。なお、対向配置される太陽電池素子2と光学素子4の数や大きさは、集光型太陽光発電装置1のサイズや設置場所等によって任意に設定される。
さらに、図3を参照して、集光型太陽光発電装置1の外縁部の詳細について説明する。なお、図3では、集光型太陽光発電装置1が1つの光学素子4を含む例を示したが、集光型太陽光発電装置1は、並んで配置された複数の光学素子4を含んでもよい。
図3に示すように、集光型太陽光発電装置1の外縁部における光学素子4の外縁部4cは、ガラス基板5の出射側(太陽電池素子2と対向する側)の面において、シート状成形体6と接着してない領域を有する。言い換えると、外縁部4cでは、シート状成形体6がガラス基板5に積層しておらず、ガラス基板5の単層からなる。
外縁部4cは、接着する、又は結合する等、技術的な固定手段を用いて、装置本体7に固定されている。装置本体7は、例えば、集光型太陽光発電装置1のフレームやケース等を含み、このフレームやケース等は、所定の位置に固定されるものである。外縁部4cでは、シート状成形体6がそのまま露出しているので、装置本体7に直接接触した状態で固定されているため、装置本体7に位置精度よく強固に固定される。すなわち、長期にわたって固定位置の変動がなく、安定して高い発電効率を維持することができる。
〈シート状成形体6の詳細〉
本実施形態におけるシート状成形体6は、透明性、耐候性、柔軟性等に優れている、以下のようなアクリル系ブロック共重合体(A)とアクリル樹脂(B)とを含む熱可塑性重合体組成物を用いて形成されている。より、シート状成形体6は、組成の異なる2種類の樹脂層からなるとしてもよく、さらに、ガラス基板5に近接した側の樹脂層の弾性率が他方の樹脂層よりも低いとよい。
なお、前記アクリル系ブロック共重合体(A)は、アクリル酸エステル単位を主体とする重合体ブロック(a1)の両末端にそれぞれメタクリル酸エステル単位を主体とする重合体ブロック(a2)が結合した構造、即ち、(a2)−(a1)−(a2)の構造(この構造中「−」は、化学結合を示す)を分子内に少なくとも1つ有するアクリル系ブロック共重合体である。また、質量平均分子量が10,000〜100,000である。また、アクリル系ブロック共重合体(A)が、アクリル系ブロック共重合体(A1)と、アクリル系ブロック共重合体(A2)とを含んでもよい。また、アクリル系ブロック共重合体(A1)における重合体ブロック(a2)の含有量は、40質量%以上80質量%以下である。アクリル系ブロック共重合体(A2)における重合体ブロック(a2)の含有量は、10質量%以上40質量%未満である。
また、前記アクリル樹脂(B)は、主として、メタクリル酸エステル単位から構成されるアクリル樹脂である。上記の熱可塑性重合体組成物からなるシート状成形体の透明性、成形加工性等を向上させる観点から、メタクリル酸エステルの単独重合体又はメタクリル酸エステル単位を主体とする共重合体であることが好ましい。
前記アクリル系ブロック共重合体(A)とアクリル樹脂(B)との質量比〔(A)/(B)〕が97/3〜10/90である。
本実施形態における上記の熱可塑性重合体組成物の詳細については、国際公開第2010/055798号に記載されている。そして、この熱可塑性重合体組成物からなるシート状成形体(表面にフレネルレンズパターンが形成される前の成形体)は、例えば、周知のTダイ法やインフレーション法などによって製造することができる。
また、この熱可塑性重合体組成物からなるシート状成形体6の表面にフレネルレンズパターン6aを形成する方法として、例えば、周知のプレス成形法、射出成形法、紫外線硬化性樹脂を用いた2P(Photo Polymerization)成形法などが挙げられる。
(製造方法及び接着方法)
次に、図4A及び図4Bを参照して、本実施形態に係るガラス基材積層体としての光学素子4の製造方法と、この製造方法における、ガラス基板5とシート状成形体6との接着方法とについて説明する。
図4Aに示すように、まず、シート状成形体6のガラス基板5との接着面(第1界面)6bの外縁部6c(外縁領域とも称してもよい。)に金属プレート(図示略)を置いた状態のまま、プラズマ(活性エネルギー)照射を行なって、表面処理(プラズマ処理)する(シート状成形体表面処理工程S1)。表面処理方法として、プラズマ照射に限らず公知の活性エネルギー照射が利用でき、他にプラズマ照射、紫外線照射、電子線照射、コロナ放電照射なども利用できる。
外縁部6cは、金属プレート(図示略)が置かれているため、プラズマ(活性エネルギー)を遮断して、照射を殆ど受けない。そのため、外縁部6cは、表面処理されていない未処理状態のままである。具体的には、外縁部6cは、ガラス基板5の外縁部5cから少なくとも幅5mmの領域であり、ガラス基板5のシート状成形体6との接着面(第2界面)が露出している。
また、ガラス基板5のシート状成形体6との接着面(第2界面)5aにシランカップリング剤を塗布する処理を行う(ガラス基板シランカップリング剤塗布工程S2)。ガラス基板シランカップリング剤塗布工程S2は、シート状成形体表面処理工程S1の前に行ってもよい。
そして、図4Bに示すように、このような処理が行われたガラス基板5とシート状成形体6の接着面5a,6b同士を、例えば、周知の真空圧着(熱圧着)法や真空ラミネート法によって接着する(接着工程S3)。以上より、ガラス基板5とシート状成形体6とを接着することができる。
続いて、シート状成形体6の外縁部6cをガラス基板5から切除する(切除工程S4)。最後に、ガラス基板5の外縁部5cを装置本体7(図3参照。)に固定させる(固定工程S5)。以上より、光学素子4を製造することができる。
上記したように、シート状成形体表面処理工程S1では、アクリル酸エステルを含む樹脂成形体(シート状成形体6)の接着面にプラズマ(活性化エネルギー)を照射することで、この接着面表面のアクリル酸エステルのエステル基を切断することにより、COOH基やOH基が増加する。
また、この増加した状態において、ガラス基板シランカップリング剤塗布工程S2では、ガラス基板5とシート状成形体6の接着面5a,6b間に、特にアミノ基やエポキシ基末端を有するシランカップリング剤を介する。
さらに、接着工程S3では、シランカップリング剤の有機官能基であるアミノ基とエポキシ基が、化学結合であるアミド結合やエステル結合の形成、または水素結合や塩の形成によって強固に結合する。ここで、シランカップリング剤は架橋剤として機能する。一方、樹脂成形体(シート状成形体6)の接着面6bの外縁部6cは、表面処理がされなかった未処理状態のままなので、ガラス基板5の外縁部5cと微弱に結合する。
さらに、切除工程S4では、上記したように、外縁部6cは、ガラス基板5の外縁部5cと微弱に結合しているため、ガラス基板5から容易に切除することができる。
シランカップリング剤の種類は限定されるものではないが、COOH基やOH基とよい親和性を示す材料が好ましい。シランカップリング剤の一例として信越化学工業株式会社の2-(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン(KBM−303),3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシラン(KBM-402)、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(KBE-402)、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン(KBE-403)、N−2(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン(KBM-602)、N−2(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン(KBM-603)、3-アミノプロピルトリメトキシシラン(KBM-903)、3-トリエトキシシリル-N-(1,3−ジメチル−ブチリデン)プロピルアミン(KBE-9103)、N-フェニル-3-アミノプロピルトリメトキシシラン(KBM-573)等が挙げられる。
これにより、ガラス基板5とシート状成形体6の接着面5a,6b間が強固に接着されるので、高温高湿環境下においても、ガラス基板5とシート状成形体6の接着面5a,6b間が剥離することなく、長期にわたって安定して強い接着力で接着された光学素子4を得ることができる。
よって、高温高湿環境等の厳しい自然環境下においても長期にわたって、光学素子4の太陽電池素子2(図1及び図2参照。)に対する位置をしっかり固定することができる。そのため、光学素子4で集光された光を、太陽電池素子2の受光領域に良好に受光させることができるので、長期にわたって安定して良好な発電効率を維持することができる。
なお、ガラス基板5側の接着面にシランカップリング剤を塗布する代わりに、プラズマ処理されたシート状成形体6側の接着面にシランカップリング剤を塗布するようにしてもよい。この塗布した後において、シランカップリング剤がシート状成形体6側の接着面に内包されていてもよい。
また、ゴムロールを用いたラミネートによってガラス基板5とシート状成形体6の接着面同士を接着させる際に、溶剤や水などの液体を接着面同士の間に介して、気泡を含まないようにその接着面同士の間にある空隙を埋め、かつ残留する液体を押し出して排出しながら接着させるようにしてもよい。気泡を含まないように液体を介するために、該工程は減圧下で行うのが好ましい。用いる液体としては、排出後に残渣を残さないために純度の高いものを用いるのが好ましく、水の場合は、イオン交換水、蒸留水等のいわゆる純水を用いるのが好ましい。また、溶剤の場合は、イソプロピルアルコール、エタノール、トルエン等を用いてもよい。
また、上記した光学素子4の、シート状成形体6又は/及びガラス基板5の中に紫外線吸収剤を含むように構成してもよい。これらの構成によって、光学素子4に入射する太陽光の紫外線が吸収されるので、紫外線によるシート状成形体6の着色や物性の変化を抑制し、長期にわたって高い発電効率を維持することができる。
なお、本実施形態では、ガラス基材積層体が、ガラス基板5上に樹脂成形体として表面にフレネルレンズパターン6aを有するシート状成形体6(集光レンズ)が接着された光学素子であったが、上記したフレネルレンズパターン6aを有するシート状成形体6以外の樹脂成形体においても同様に本発明を適用することができる。
次に、前記した本実施形態に係る光学素子4の、ガラス基板5とシート状成形体6の接着面間の接着力を評価するために、以下に示す本発明の実施例1〜13と比較用の比較例1〜5の構成で接着力評価を行った。
〈実施例1〉
実施例1では、メタアクリル酸メチル(MMA)とアクリル酸ブチル(BA)のブロック共重合体とメタアクリル樹脂の混合物からなる厚み400μmのシート状の樹脂成形体(前記したフレネルレンズパターンが形成される前のシート状成形体に相当)に、密着性を高めるために下記の条件でプラズマ処理を行った。プラズマ処理は、接着する部分と貼合せた後に切除する部分を作るために、下記の方法で行った。
樹脂成形体に対面するガラス基板表面には、信越化学工業株式会社製のシランカップリング剤(商品名:KBM-903)を厚み約40nmで塗布した。そして、この塗布されたガラス基板及び樹脂成形体を保持温度180℃で保持した状態において、この樹脂成形体を厚み3.2mmの透明なガラス基板に真空圧着(熱圧着)して貼り合わせた。これによって、ガラス基板積層体(ガラス基材積層体、光学素子)を作製した。
樹脂成形体へのプラズマ処理は、次のように行った。
樹脂成形体へ接着させたくない部分に金属プレートを置いて密着させたまま、春日電機株式会社製の大気圧プラズマ装置(APG-500型)を用いて、供給エアー流量190NL/min、定格出力電力を450〜500W、照射距離を10mmの条件で照射した。大気プラズマが照射される面積は約3cmであり、同一場所に約1秒間プラズマが照射される条件でヘッドを動かし、樹脂成形体全体にプラズマを照射した。作製したガラス基板積層体の剥離接着強さ(接着力)は、JISK685-2で規定されている180度剥離接着強さを測定する手法で測定した。
その結果、金属プレートを置かなかった部分の樹脂成形体は、ガラス基板から剥離せずに材料破壊し、強固に接着していた。
一方、金属プレートを置かれたことによってプラズマ照射を受けなかった表面未処理部分は、(剥離強度を入れる)容易に剥離、除去することができた。
そして、同じ条件で作製したガラス基板積層体を、高温高湿(温度65℃、湿度85%)の環境下に2000時間放置後、同様の接着力測定を実施した結果、金属プレートを置かなかった部分の樹脂成形体はガラス基板から剥離せずに材料破壊し、強固に接着していた。
表1は、上記した実施例1において、シランカップリング剤(商品名:KBM-903)をガラス基板表面に塗布するときの濃度(塗工濃度)と、真空圧着後の乾燥温度を変化させたときにおける、初期の接着状態と、高温高湿(温度65℃、湿度85%)の環境下に1000時間放置後の接着状態と、2000時間放置後の接着状態との評価結果である。いずれの場合もプラズマ照射を行なわなかった場合は簡単に剥離した(剥離強度7.9N/25mm)。
Figure 2018057160
この評価結果から明らかなように、シランカップリング剤の塗工濃度と真空圧着後の乾燥温度を変化させた場合でも、高温高湿(温度65℃、湿度85%)の環境下に2000時間放置後の接着力は、初期の接着力からあまり変化することなく、高い接着力であり、接着面が剥離することはなく材料破壊した。
〈実施例2〉
実施例2では、実施例1で用いたシランカップリング剤を別のシランカップリング剤(信越化学工業株式会社製;商品名:KBE-903)に変更した以外は、実施例1と同様の条件でガラス基材積層体を作製した。
作製したガラス基板積層体の剥離接着強さは、JISK685-2で規定されている180度剥離接着強さを測定する手法で測定した。金属プレートを置かなかった部分の樹脂成形体はガラス基板から剥離せずに材料破壊し、強固に接着していた。
一方、金属プレートを置かれたことによってプラズマ照射を受けなかった表面未処理部分は、容易に剥離、除去することができた。
そして、同じ条件で作製したガラス基板積層体を、高温高湿(温度65℃、湿度85%)の環境下に2000時間放置後、同様の接着力測定を実施した結果、金属プレートを置かなかった部分の樹脂成形体はガラス基板から剥離せずに材料破壊し、強固に接着していた。
〈実施例3〉
実施例3では、実施例1のシランカップリング剤をガラス基板面ではなく樹脂成形体のガラス基板と接する表面に、水を溶媒として分散した溶液を調整後に厚さ40nmとなるように塗布し、温度40度、湿度95%の条件下で加水分解した以外は、実施例1と同様の条件でガラス基板積層体を作製した。
作製したガラス基板積層体の剥離接着強さを、JISK685-2で規定されている180度剥離接着強さを測定する手法で測定した。金属プレートを置かなかった部分の樹脂成形体はガラス基板から剥離せずに材料破壊し、強固に接着していた。
一方、金属プレートを置かれたことによってプラズマ照射を受けなかった表面未処理部分は、容易に剥離、除去することができた。
そして、同じ条件で作製したガラス基板積層体を、高温高湿(温度65℃、湿度85%)の環境下に2000時間放置後、同様の接着力測定を実施した結果、金属プレートを置かなかった部分の樹脂成形体はガラス基板から剥離せずに材料破壊し、強固に接着していた。
〈実施例4〉
実施例4では、実施例3で用いたシランカップリング剤を別のシランカップリング剤(信越化学工業株式会社製;商品名:KBE-903)に変更した以外は、実施例3と同様の条件でガラス基板積層体を作製した。
作製したガラス基板積層体の剥離接着強さは、JISK685-2で規定されている180度剥離接着強さを測定する手法で測定した。金属プレートを置かなかった部分の樹脂成形体はガラス基板から剥離せずに材料破壊し、強固に接着していた。
一方、金属プレートを置かれたことによってプラズマ照射を受けなかった表面未処理部分は、容易に剥離、除去することができた。
そして、同じ条件で作製したガラス基板積層体を、高温高湿(温度65℃、湿度85%)の環境下に2000時間放置後、同様の接着力測定を実施した結果、金属プレートを置かなかった部分の樹脂成形体はガラス基板から剥離せずに材料破壊し、強固に接着していた。
〈実施例5〉
実施例5では、実施例1のように処理されたガラス基板と樹脂成形体を用い、このガラス基板と樹脂成形体の間にイオン交換水を介してゴムロールによるラミネートにより貼り合わせた構成のガラス基板積層体を作製した。
作製したガラス基板積層体の剥離接着強さは、JISK685-2で規定されている180度剥離接着強さを測定する手法で測定した。金属プレートを置かなかった部分の樹脂成形体はガラス基板から剥離せずに材料破壊し、強固に接着していた。
一方、金属プレートを置かれたことによってプラズマ照射を受けなかった表面未処理部分は、容易に剥離、除去することができた。
そして、同じ条件で作製したガラス基板積層体を、高温高湿(温度65℃、湿度85%)の環境下に2000時間放置後、同様の接着力測定を実施した結果、金属プレートを置かなかった部分の樹脂成形体はガラス基板から剥離せずに材料破壊し、強固に接着していた。
〈実施例6〉
実施例6では、実施例1のように処理されたガラス基板と樹脂成形体を用い、このガラス基板と樹脂成形体の間にイソプロピルアルコールを介してゴムロールを用いたラミネートにより貼り合わせた構成のガラス基板積層体を作製した。
作製したガラス基板積層体の剥離接着強さは、JISK685-2で規定されている180度剥離接着強さを測定する手法で測定した。金属プレートを置かなかった部分の樹脂成形体はガラス基板から剥離せずに材料破壊し、強固に接着していた。
一方、金属プレートを置かれたことによってプラズマ照射を受けなかった表面未処理部分は、容易に剥離、除去することができた。
そして、同じ条件で作製したガラス基板積層体を、高温高湿(温度65℃、湿度85%)の環境下に2000時間放置後、同様の接着力測定を実施した結果、金属プレートを置かなかった部分の樹脂成形体はガラス基板から剥離せずに材料破壊し、強固に接着していた。
〈実施例7〉
実施例7では、実施例1のように処理されたガラス基板と樹脂成形体を用い、このガラス基板と樹脂成形体の間にトルエンを介してゴムロールを用いたラミネートによりで貼り合わせた構成のガラス基板積層体を作製した。
作製したガラス基板積層体の剥離接着強さは、JISK685-2で規定されている180度剥離接着強さを測定する手法で測定した。金属プレートを置かなかった部分の樹脂成形体はガラス基板から剥離せずに材料破壊し、強固に接着していた。
一方、金属プレートを置かれたことによってプラズマ照射を受けなかった表面未処理部分は、容易に剥離、除去することができた。
そして、同じ条件で作製したガラス基板積層体を、高温高湿(温度65℃、湿度85%)の環境下に2000時間放置後、同様の接着力測定を実施した結果、金属プレートを置かなかった部分の樹脂成形体はガラス基板から剥離せずに材料破壊し、強固に接着していた。
〈実施例8〉
実施例8では、実施例2のように処理されたガラス基板と樹脂成形体を用い、このガラス基板と樹脂成形体の間にイオン交換水を介してゴムロールを用いたラミネートにより貼り合わせた構成のガラス基板積層体を作製した。
作製したガラス基板積層体の剥離接着強さは、JISK685-2で規定されている180度剥離接着強さを測定する手法で測定した。金属プレートを置かなかった部分の樹脂成形体はガラス基板から剥離せずに材料破壊し、強固に接着していた。
一方、金属プレートを置かれたことによってプラズマ照射を受けなかった表面未処理部分は、容易に剥離、除去することができた。
そして、同じ条件で作製したガラス基板積層体を、高温高湿(温度65℃、湿度85%)の環境下に2000時間放置後、同様の接着力測定を実施した結果、金属プレートを置かなかった部分の樹脂成形体はガラス基板から剥離せずに材料破壊し、強固に接着していた。
〈実施例9〉
実施例9では、実施例2のように処理されたガラス基板と樹脂成形体を用い、このガラス基板と樹脂成形体の間にイソプロピルアルコールを介してゴムロールを用いたラミネートにより貼り合わせた構成のガラス基板積層体を作製した。
作製したガラス基板積層体の剥離接着強さは、JISK685-2で規定されている180度剥離接着強さを測定する手法で測定した。金属プレートを置かなかった部分の樹脂成形体はガラス基板から剥離せずに材料破壊し、強固に接着していた。
一方、金属プレートを置かれたことによってプラズマ照射を受けなかった表面未処理部分は、容易に剥離、除去することができた。
そして、同じ条件で作製したガラス基板積層体を、高温高湿(温度65℃、湿度85%)の環境下に2000時間放置後、同様の接着力測定を実施した結果、金属プレートを置かなかった部分の樹脂成形体はガラス基板から剥離せずに材料破壊し、強固に接着していた。
〈実施例10〉
実施例10では、実施例2のように処理されたガラス基板と樹脂成形体を用い、このガラス基板と樹脂成形体の間にトルエンを介してゴムロールを用いたラミネートにより貼り合わせた構成のガラス基板積層体を作製した。
作製したガラス基板積層体の剥離接着強さは、JISK685-2で規定されている180度剥離接着強さを測定する手法で測定した。金属プレートを置かなかった部分の樹脂成形体はガラス基板から剥離せずに材料破壊し、強固に接着していた。
一方、金属プレートを置かれたことによってプラズマ照射を受けなかった表面未処理部分は、容易に剥離、除去することができた。
そして、同じ条件で作製したガラス基板積層体を、高温高湿(温度65℃、湿度85%)の環境下に2000時間放置後、同様の接着力測定を実施した結果、金属プレートを置かなかった部分の樹脂成形体はガラス基板から剥離せずに材料破壊し、強固に接着していた。
〈実施例11〉
実施例11では、樹脂成形体へ接着させたくない部分に金属プレートを置いて密着させたまま、積水化学工業株式会社製の常圧プラズマ表面処理装置を用い、照射ヘッドと樹脂成形体の距離を3mm、照射速度を3m/分で貼り合わせ面を処理された樹脂成形体と、表面にシランカップリング剤を塗布していないガラスを用い、この樹脂成形体とガラス基板の間に、信越化学工業株式会社製のシランカップリング剤(商品名:KBE−903)を1重量部、超純水を1重量部、エタノールを98重量部を混合した溶液を介してゴムロールによるラミネートにより貼り合せた構成のガラス基板積層体を作製した。
作製したガラス基板積層体の剥離接着強さは、JISK685-2で規定されている180度剥離接着強さを測定する手法で測定した。金属プレートを置かなかった部分の樹脂成形体はガラス基板から剥離せずに材料破壊し、強固に接着していた。
一方、金属プレートを置かれたことによってプラズマ照射を受けなかった表面未処理部分は、容易に剥離、除去することができた。
そして、同じ条件にて作製したガラス基板積層体を、高温高湿(温度65℃、湿度85%)の環境下に2000時間放置後、同様の接着力測定を実施した結果、樹脂成形体はガラス基板から剥離せずに材料破壊し、強固に接着していた。
〈実施例12〉
実施例12では、樹脂成形体へ接着させたくない部分に金属プレートを置いて密着させたまま、積水化学工業株式会社製の常圧プラズマ表面処理装置を用い、照射ヘッドと樹脂成形体の距離を3mm、照射速度を3m/分で貼り合わせ面を処理された樹脂成形体と、表面にシランカップリング剤を塗布していないガラスを用い、この樹脂成形体とガラス基板の間に、信越化学工業株式会社製のシランカップリング剤(商品名:KBE−903)を1重量部、超純水を3重量部、エタノールを96重量部を混合した溶液を介してゴムロールによるラミネートにより貼り合せた構成のガラス基板積層体を作製した。
作製したガラス基板積層体の剥離接着強さは、JISK685-2で規定されている180度剥離接着強さを測定する手法で測定した。金属プレートを置かなかった部分の樹脂成形体はガラス基板から剥離せずに材料破壊し、強固に接着していた。
一方、金属プレートを置かれたことによってプラズマ照射を受けなかった表面未処理部分は、容易に剥離、除去することができた。
そして、同じ条件にて作製したガラス基板積層体を、高温高湿(温度65℃、湿度85%)の環境下に2000時間放置後、同様の接着力測定を実施した結果、金属プレートを置かなかった部分の樹脂成形体はガラス基板から剥離せずに材料破壊し、強固に接着していた。
〈実施例13〉
実施例13では、樹脂成形体へ接着させたくない部分に金属プレートを置いて密着させたまま、積水化学工業株式会社製の常圧プラズマ表面処理装置を用い、照射ヘッドと樹脂成形体の距離を3mm、照射速度を3m/分で貼り合わせ面を処理された樹脂成形体と、表面にシランカップリング剤を塗布していないガラスを用い、この樹脂成形体とガラス基板の間に、信越化学工業株式会社製のシランカップリング剤(商品名:KBE−903)を1重量部、超純水を99重量部を混合した溶液を介してゴムロールによるラミネートにより貼り合せた構成のガラス基板積層体を作製した。
作製したガラス基板積層体の剥離接着強さは、JISK685-2で規定されている180度剥離接着強さを測定する手法で測定した。金属プレートを置かなかった部分の樹脂成形体はガラス基板から剥離せずに材料破壊し、強固に接着していた。
一方、金属プレートを置かれたことによってプラズマ照射を受けなかった表面未処理部分は、容易に剥離、除去することができた。
そして、同じ条件にて作製したガラス基板積層体を、高温高湿(温度65℃、湿度85%)の環境下に2000時間放置後、同様の接着力測定を実施した結果、金属プレートを置かなかった部分の樹脂成形体はガラス基板から剥離せずに材料破壊し、強固に接着していた。
〈比較例1〉
比較例1では、実施例1の樹脂成形体に対して金属プレートを用いずに全面にプラズマ処理した樹脂成形体を用いる以外は、実施例1と同様にしてガラス基板積層体を作製した。
作製したガラス基板積層体の樹脂成形体はガラス基板と強固に接着しており、選択的に剥離することができなかった。
ガラス基板積層体の樹脂成形体を剥離除去したガラス基板単層と装置本体は、隙間なく固定された。一方、ガラス基板積層体の樹脂成形体と装置本体は、樹脂成形体の厚みばらつきによる隙間ができ、これらの固定は不安定であった。
1 集光型太陽光発電装置
2 太陽電池素子
3 太陽電池基板
4 光学素子
4c 外縁部
5 ガラス基板(ガラス基材)
5a 接着面
5c 外縁部
6 シート状成形体
6a フレネルレンズパターン
6b 接着面
6c 外縁部
7 装置本体
8 固定部

Claims (16)

  1. ガラス基材上に樹脂成形体を有する積層体の製造方法であって、
    前記樹脂成形体は、アクリル系ブロック共重合体(A)又はアクリル系ブロック共重合体(A)と、主としてメタクリル酸エステル単位から構成されるアクリル樹脂(B)とを含む熱可塑性重合体組成物を用いて形成され、
    前記熱可塑性重合体組成物は、前記アクリル系ブロック共重合体(A)が、アクリル酸エステル単位を主体とする重合体ブロック(a1)の両末端にそれぞれメタクリル酸エステル単位を主体とする重合体ブロック(a2)が結合した構造を分子内に少なくとも1つ有するアクリル系ブロック共重合体であり、質量平均分子量が10,000〜100,000である熱可塑性樹脂成形体であり、
    前記熱可塑性樹脂成形体のガラス基材側の第1界面に活性エネルギー照射を行なう部分と行なわない部分を形成し、
    シランカップリング剤を架橋剤として、前記ガラス基材の熱可塑性樹脂成形体側の第2界面に前記熱可塑性樹脂成形体の前記第1界面を接着させ、
    活性エネルギー照射を行なわない部分の前記熱可塑性樹脂成形体をガラス基材から選択的に除去する、
    ことを特徴とするガラス基材積層体の製造方法。
  2. 前記シランカップリング剤によって、接着前に前記ガラス基材の前記第2界面がシランカップリング処理され、
    前記ガラス基材の前記第2界面と前記熱可塑性樹脂成形体の前記第1界面を、熱圧着することで接着させることを特徴とする請求項1に記載のガラス基材積層体の製造方法。
  3. 前記シランカップリング剤によって、接着前に前記ガラス基材の前記第2界面がシランカップリング処理され、
    前記ガラス基材の前記第2界面と前記熱可塑性樹脂成形体の前記第1界面を、液体により空隙を埋め、かつ液体を排出しつつラミネートすることで接着させることを特徴とする請求項1に記載のガラス基材積層体の製造方法。
  4. 前記ガラス基材の前記第2界面と前記熱可塑性樹脂成形体の前記第1界面を、前記シランカップリング剤を含有した液体により空隙を埋め、かつ液体を排出しつつラミネートすることで接着させることを特徴とする請求項1に記載のガラス基材積層体の製造方法。
  5. 前記熱可塑性樹脂成形体の前記第1界面に、前記シランカップリング剤が内包されており、
    前記ガラス基材の前記第2界面と前記熱可塑性樹脂成形体の前記第1界面を、液体により空隙を埋め、かつ液体を排出しつつラミネートすることで接着させることを特徴とする請求項1に記載のガラス基材積層体の製造方法。
  6. ガラス基材と、一方の面に光学機能パターンを有し他方の面が前記ガラス基材上に接着された有機性樹脂からなるシート状成形体を備えた光学素子の製造方法であって、
    前記シート状成形体は、アクリル系ブロック共重合体(A)又はアクリル系ブロック共重合体(A)と、主としてメタクリル酸エステル単位から構成されるアクリル樹脂(B)とを含む熱可塑性重合体組成物を用いて形成され、
    前記熱可塑性重合体組成物は、前記アクリル系ブロック共重合体(A)が、アクリル酸エステル単位を主体とする重合体ブロック(a1)の両末端にそれぞれメタクリル酸エステル単位を主体とする重合体ブロック(a2)が結合した構造を分子内に少なくとも1つ有するアクリル系ブロック共重合体であり、質量平均分子量が10,000〜100,000である熱可塑性樹脂成形体であり、
    前記熱可塑性樹脂成形体のガラス基材側の第1界面の外縁から少なくとも幅5mmの外縁領域を除いた領域に活性エネルギーを照射して、前記第1界面を表面処理し、
    シランカップリング剤を架橋剤として、前記ガラス基材の熱可塑性樹脂成形体側の第2界面に前記熱可塑性樹脂成形体の前記第1界面を接着させ、
    前記ガラス基材側の第1界面の前記外縁領域上の前記熱可塑性樹脂成形体を除去することを特徴とする光学素子の製造方法。
  7. 前記シランカップリング剤によって、接着前に前記ガラス基材の前記第2界面がシランカップリング処理され、
    前記ガラス基材の前記第2界面と前記熱可塑性樹脂成形体の前記第1界面を、熱圧着することで接着させることを特徴とする請求項6に記載の光学素子の製造方法。
  8. 前記シランカップリング剤によって、接着前に前記ガラス基材の前記第2界面がシランカップリング処理され、
    前記ガラス基材の前記第2界面と前記熱可塑性樹脂成形体の前記第1界面を、液体により空隙を埋め、かつ液体を排出しつつラミネートすることで接着させることを特徴とする請求項6に記載の光学素子の製造方法。
  9. 前記ガラス基材の前記第2界面と前記熱可塑性樹脂成形体の前記第1界面を、前記シランカップリング剤を含有した液体により空隙を埋め、かつ液体を排出しつつラミネートすることで接着させることを特徴とする請求項6に記載の光学素子の製造方法。
  10. 前記熱可塑性樹脂成形体の前記第1界面に、前記シランカップリング剤が内包されており、
    前記ガラス基材の前記第2界面と前記熱可塑性樹脂成形体の前記第1界面を、液体により空隙を埋め、かつ液体を排出しつつラミネートすることで接着させることを特徴とする請求項6に記載の光学素子の製造方法。
  11. ガラス基材と、一方の面に光学機能パターンを有し他方の面が前記ガラス基材上に接着された有機性樹脂からなるシート状成形体を備えた光学素子であって、
    前記シート状成形体は、アクリル系ブロック共重合体(A)又はアクリル系ブロック共重合体(A)と、主としてメタクリル酸エステル単位から構成されるアクリル樹脂(B)とを含む熱可塑性重合体組成物を用いて形成され、
    前記熱可塑性重合体組成物は、前記アクリル系ブロック共重合体(A)が、アクリル酸エステル単位を主体とする重合体ブロック(a1)の両末端にそれぞれメタクリル酸エステル単位を主体とする重合体ブロック(a2)が結合した構造を分子内に少なくとも1つ有するアクリル系ブロック共重合体であり、質量平均分子量が10,000〜100,000である熱可塑性樹脂成形体であり、
    前記熱可塑性樹脂成形体のガラス基材側の第1界面は、シランカップリング剤を架橋剤として、前記ガラス基材の熱可塑性樹脂成形体側の第2界面に直接接着されており、
    前記ガラス基材の外縁から少なくとも幅5mmの外縁領域において前記第2界面が露出していることを特徴とする光学素子。
  12. 前記熱可塑性樹脂成形体は、組成の異なる2種類の樹脂層からなり、前記ガラス基材に近接した側の樹脂層の弾性率が他方の樹脂層よりも低いことを特徴とする請求項11に記載の光学素子。
  13. 前記ガラス基材の中に紫外線吸収剤を含んでいることを特徴とする請求項11又は12に記載の光学素子。
  14. 前記熱可塑性樹脂成形体の中に紫外線吸収剤を含んでいることを特徴とする請求項11又は12に記載の光学素子。
  15. 前記シート状成形体に形成された前記光学機能パターンは、フレネルレンズパターンであることを特徴とする請求項11乃至14のいずれか一項に記載の光学素子。
  16. 太陽光を集光する請求項15に記載の光学素子と、前記光学素子により集光された太陽光を受光して光電変換する太陽電池素子を有する発電モジュールとを備えた集光型太陽光発電装置において、
    前記光学素子は、前記発電モジュールに前記第2界面が露出した外縁領域において固定されていることを特徴とする集光型太陽光発電装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN114423612A (zh) * 2019-10-02 2022-04-29 东洋纺株式会社 层叠体制造装置以及层叠体的制造方法

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