(第1の実施の形態)
一実施の形態による撮像素子、焦点検出装置、および撮像装置について、図面を参照して説明する。本実施の形態による撮像素子を搭載する電子機器の一例として、レンズ交換式のデジタルカメラ(以下、カメラ1と称する)を例示するが、交換レンズ3とカメラボディ2とを一体にしたレンズ一体型のカメラであってもよい。
また、電子機器はカメラ1に限らず、撮像素子を搭載したスマートフォン、ウェアラブル端末、タブレット端末等であってもよい。
<カメラの要部構成>
図1は、カメラ1の要部構成を示す図である。カメラ1は、カメラボディ2と交換レンズ3とで構成される。交換レンズ3は、不図示のマウント部を介してカメラボディ2に装着される。交換レンズ3がカメラボディ2に装着されると、カメラボディ2側の接続部202と交換レンズ3側の接続部302とが接続され、カメラボディ2と交換レンズ3との間で通信が可能になる。
図1において、被写体からの光は、図1のZ軸マイナス方向に向かって入射する。また、座標軸に示すように、Z軸に直交する紙面手前方向をX軸プラス方向、Z軸およびX軸に直交する上方向をY軸プラス方向とする。以降のいくつかの図においては、図1の座標軸を基準として、それぞれの図の向きがわかるように座標軸を表示する。
<交換レンズ>
交換レンズ3は、撮像光学系(結像光学系)31と、レンズ制御部32と、レンズメモリ33とを備える。撮像光学系31は、例えば焦点調節レンズ(フォーカスレンズ)31cを含む複数のレンズ31a、31b、31cと、絞り31dとを含み、カメラボディ2に設けられた撮像素子22の撮像面上に被写体像を結像する。
レンズ制御部32は、カメラボディ2のボディ制御部21から出力される信号に基づき、焦点調節レンズ31cを光軸L1方向に進退移動させて撮像光学系31の焦点位置を調節する。焦点調節時にボディ制御部21から出力される信号には、焦点調節レンズ31cの移動方向や移動量、移動速度などを示す情報が含まれる。
また、レンズ制御部32は、カメラボディ2のボディ制御部21から出力される信号に基づき、絞り31dの開口径を制御する。
レンズメモリ33は、例えば、不揮発性の記憶媒体等によって構成される。レンズメモリ33には、交換レンズ3に関連する情報がレンズ情報として記録される。レンズ情報には、例えば、撮像光学系31の射出瞳の位置に関する情報が含まれる。レンズメモリ33に対するレンズ情報の記録や、レンズメモリ33からのレンズ情報の読み出しは、レンズ制御部32によって行われる。
<カメラボディ>
カメラボディ2は、ボディ制御部21と、撮像素子22と、メモリ23と、表示部24と、操作部25とを備える。ボディ制御部21は、CPU、ROM、RAM等により構成され、制御プログラムに基づいてカメラ1の各部を制御する。
撮像素子22は、CCDイメージセンサやCMOSイメージセンサによって構成される。撮像素子22は、撮像光学系31の射出瞳を通過した光束を撮像面で受光し、被写体像を光電変換(撮像)する。光電変換により、撮像素子22の撮像面に配置されている複数の画素のそれぞれで、受光量に応じて電荷が生成される。生成された電荷による信号は、撮像素子22から読み出されてボディ制御部21へ送られる。
なお、撮像素子22によって生成される信号には、画像の信号と、焦点検出の信号とが含まれる。画像の信号、焦点検出の信号の詳細については後述する。
メモリ23は、例えば、メモリカード等の記録媒体により構成される。メモリ23には、画像データや音声データ等が記録される。メモリ23に対するデータの記録や、メモリ23からのデータの読み出しは、ボディ制御部21によって行われる。表示部24は、ボディ制御部21からの指示により、画像データに基づく画像、シャッター速度、絞り値等の撮影に関する情報、およびメニュー操作画面等を表示する。操作部25は、レリーズボタン、録画ボタン、各種設定スイッチ等を含み、それぞれの操作に応じた操作信号をボディ制御部21へ出力する。
また、上述したボディ制御部21は、焦点検出部21aおよび画像生成部21bを含む。焦点検出部21aは、撮像光学系31の自動焦点調節(AF)に必要な焦点検出処理を行う。焦点検出処理の流れを簡単に説明すると、以下の通りである。先ず、焦点検出部21aは、撮像素子22から読み出された焦点検出の信号に基づき、瞳分割型の位相差検出方式によりデフォーカス量を算出する。具体的には、撮像光学系31の瞳の異なる領域を通過した複数の光束による像の像ズレ量を検出し、検出した像ズレ量に基づいてデフォーカス量を算出する。
そして、焦点検出部21aは、デフォーカス量が許容値以内か否かを判定する。焦点検出部21aは、デフォーカス量が許容値以内であれば合焦していると判断し、焦点検出処理を終了する。一方、焦点検出部21aは、デフォーカス量が許容値を超えている場合は合焦していないと判断し、交換レンズ3のレンズ制御部32へデフォーカス量とレンズ移動指示とを送り、焦点検出処理を終了する。焦点検出部21aからの指示を受けたレンズ制御部32が、デフォーカス量に応じて焦点調節レンズ31cを移動させることにより、焦点調節が自動で行われる。
一方、ボディ制御部21の画像生成部21bは、撮像素子22から読み出された画像の信号に基づき、被写体像に関する画像データを生成する。また、画像生成部21bは、生成した画像データに対し、所定の画像処理を行う。画像処理には、例えば、階調変換処理、色補間処理、輪郭強調処理等の公知の画像処理が含まれる。
<撮像素子の説明>
図2は、撮影画面90に形成されたフォーカスエリアを例示する図である。フォーカスエリアは、焦点検出部21aが位相差情報として上記の像ズレ量を検出するエリアであり、焦点検出エリア、測距点、オートフォーカス(AF)ポイントとも称される。本実施の形態では、撮影画面90の中にあらかじめ11ヶ所のフォーカスエリア101−1〜101−11が設けられており、11のエリアで像ズレ量を検出することができる。なお、フォーカスエリア101−1〜101−11の数は一例であり、11ヶ所より多くても少なくても構わない。フォーカスエリア101−1〜101−11は、撮影画面90の全面に設けられていてもよい。
フォーカスエリア101−1〜101−11は、後述する第1の焦点検出画素11、13および第2の焦点検出画素14、15が配置される位置に対応する。
図3は、撮像素子22の画素の配列の一部を拡大した図である。撮像素子22には、画像を生成する領域22a内に光電変換部を有する複数の画素が二次元状(例えば、行方向および列方向)に配置される。各画素には、例えばR(赤)、G(緑)、B(青)の異なる分光感度を有する3つのカラーフィルタのいずれか一つが設けられる。Rのカラーフィルタは、主に赤色の波長域の光を透過する。また、Gのカラーフィルタは、主に緑色の波長域の光を透過する。さらに、Bのカラーフィルタは、主に青色の波長域の光を透過する。これにより、各画素は、配置されたカラーフィルタによって異なる分光感度特性を有する。
撮像素子22では、RおよびGのカラーフィルタを有する画素(以下、それぞれR画素、G画素と称する)が交互に配置される画素行401と、GおよびBのカラーフィルタを有する画素(以下、それぞれG画素、B画素と称する)が交互に配置される画素行402とが、二次元状に繰り返し配置される。このように、R画素、G画素、およびB画素は、例えばベイヤー配列に従って配置される。
撮像素子22は、上述したように配列されたR画素、G画素、B画素による撮像画素12と、撮像画素12のR画素の一部に置換して配置された第1の焦点検出画素11、13と、撮像画素12のB画素の一部に置換して配置された第2の焦点検出画素14、15とを有する。画素行401のうち、第1の焦点検出画素11、13が配置された画素行に符号401Sを付す。また、画素行402のうち、第2の焦点検出画素14、15が配置された画素行に符号402Sを付す。
図3において、第1の焦点検出画素11、13および第2の焦点検出画素14、15が行方向(X軸方向)、すなわち横方向に配置された場合が例示されている。一対の第1の焦点検出画素11、13は、画素行401Sに複数対、配置される。一対の第2の焦点検出画素14、15は、画素行402Sに複数対、配置される。第1の焦点検出画素11、13は、撮像素子22で光電変換する光の波長域のうちの長波長域に適した焦点検出画素である。また、第2の焦点検出画素14、15は、撮像素子22で光電変換する光の波長域のうちの短波長域に適した焦点検出画素である。第1の焦点検出画素11、13と、第2の焦点検出画素14、15とは、第1の焦点検出画素11、13がそれぞれ反射部42A、42Bを有するのに対し、第2の焦点検出画素14、15がそれぞれ遮光部44B、44Aを有する点において相違する。
また、第1の焦点検出画素11、13が、それぞれR画素の位置に配置されるのに対し、第2の焦点検出画素14、15が、それぞれB画素の位置に配置される点において相違する。
図3に例示した画素の配列は、行方向(X軸方向)、列方向(Y軸方向)に繰り返し配置してよい。
撮像素子22の撮像画素12から読み出された信号は、ボディ制御部21によって画像の信号として用いられる。
また、撮像素子22の第1の焦点検出画素11、13と、第2の焦点検出画素14、15とから読み出された信号は、ボディ制御部21によって焦点検出の信号として用いられる。
なお、撮像素子22の第1の焦点検出画素11、13から読み出された信号は、補正することで画像の信号として用いることもできる。
次に、撮像画素12、第1の焦点検出画素11、13、および第2の焦点検出画素14、15について詳しく説明する。
<撮像画素>
図4(a)は、図3の撮像画素12を拡大した断面図である。線CLは、撮像画素12の中心を通る線である。
撮像素子22は、例えば、裏面照射型として構成されており、第1基板111と第2基板114とが不図示の接着層を介して積層されている。第1基板111は、半導体基板により構成される。また、第2基板114は、半導体基板やガラス基板等により構成されており、第1基板111の支持基板として機能する。
第1基板111の上(Z軸プラス方向)には、反射防止膜103を介してカラーフィルタ43が設けられている。また、カラーフィルタ43の上(Z軸プラス方向)にマイクロレンズ40が設けられている。撮像画素12には、マイクロレンズ40の上方(Z軸プラス方向)から白抜き矢印で示す方向に光が入射する。マイクロレンズ40は、入射した光を第1基板111の光電変換部41に集光する。
撮像画素12においては、マイクロレンズ40に関して、光電変換部41の厚さ方向(Z軸方向)の中間の位置と、撮像光学系31の瞳(後に説明する射出瞳60)の位置とを共役にするように、マイクロレンズ40の光学的な特性、例えば光学パワーが定められている。光学パワーは、マイクロレンズ40の曲率や屈折率を変えることによって調整することができる。マイクロレンズ40の光学パワーを変えることは、マイクロレンズ40の焦点距離を変えることである。また、マイクロレンズ40の形状や材料を変えて焦点距離を調整してもよい。例えば、マイクロレンズ40の曲率が小さくなると、焦点距離が長くなる。また、マイクロレンズ40の曲率が大きくなると、焦点距離が短くなる。屈折率が小さい材料でマイクロレンズ40を形成する場合は焦点距離が長くなる。また、屈折率が大きい材料でマイクロレンズ40を形成する場合は焦点距離が短くなる。マイクロレンズ40の厚み(Z軸方向の幅)が小さくなると、焦点距離が長くなる。また、マイクロレンズ40の厚み(Z軸方向の幅)が大きくなると、焦点距離が短くなる。なお、マイクロレンズ40の焦点距離が長くなると、光電変換部41に入射した光の集光位置は深い方向(Z軸マイナス方向)に移動する。また、マイクロレンズ40の焦点距離が短くなると、光電変換部41に入射した光の集光位置は浅い方向(Z軸プラス方向)に移動する。
上記構成により、撮像光学系31の瞳を通過した光束が光電変換部41以外の領域に入射すること、および隣の画素に漏洩することを防いで、光電変換部41に入射する光量を増やしている。換言すると、光電変換部41で生成される電荷の量を増やしている。
第1基板111には、半導体層105と配線層107とが積層されており、光電変換部41と出力部106とが設けられる。光電変換部41は、例えばフォトダイオード(PD)によって構成されており、光電変換部41に入射した光を光電変換して電荷を生成する。マイクロレンズ40によって集光された光は、光電変換部41の上面(Z軸プラス方向)から入射する。出力部106は、不図示の転送トランジスタや増幅トランジスタ等により構成される。出力部106は、光電変換部41により生成された信号を配線層107へ出力する。例えば、半導体層105において転送トランジスタのソース領域、ドレイン領域としてのn+領域がそれぞれ形成される。また、配線層107において転送トランジスタのゲート電極が形成され、この電極が後述する配線108に接続される。
配線層107は、導体膜(金属膜)および絶縁膜を含み、複数の配線108や不図示のビア、コンタクトなどが配置される。導体膜には、例えば、銅やアルミニウム等が用いられる。絶縁膜は、例えば、酸化膜や窒化膜などで構成される。出力部106から配線層107へ出力された撮像画素22の信号は、例えば、第2基板114に設けられた不図示の周辺回路によってA/D変換等の信号処理が行われ、ボディ制御部21(図1)によって読み出される。
図4(a)の撮像画素12は、図3に例示したように、R画素、G画素、およびB画素としてX軸方向およびY軸方向に複数配置される。R画素、G画素、およびB画素は、ともに図4(a)の構成を有しており、カラーフィルタ43の分光特性が相互に異なる。
<第1の焦点検出画素>
図4(b)は、図3の第1の焦点検出画素11を拡大した断面図である。図4(a)の撮像画素12と同様の構成には、同一符号を付して説明を省略する。線CLは、第1の焦点検出画素11の中心、すなわちマイクロレンズ40の光軸および光電変換部41の中心を通る線である。第1の焦点検出画素11は、図4(a)の撮像画素12と比べて、光電変換部41の下面(Z軸マイナス方向)に反射部42Aが設けられている点において相違する。なお、反射部42Aは、光電変換部41の下面からZ軸マイナス方向に離れて設けられてもよい。光電変換部41の下面は、マイクロレンズ40を介して光が入射する上面とは反対側の面である。反射部42Aは、例えば、配線層107に設けた銅やアルミニウム、タングステン等の導体膜、または窒化シリコンや酸化シリコンなどの絶縁膜の多層膜によって構成される。反射部42Aは、光電変換部41の下面のほぼ半分(線CLより左側(X軸マイナス方向))を覆う。反射部42Aを設けたことにより、光電変換部41の左半分において、光電変換部41の中を下向き(Z軸マイナス方向)に進んで光電変換部41を透過した光が反射部42Aで反射し、光電変換部41に再入射する。再入射した光は光電変換部41で光電変換されるため、反射部42Aを設けない撮像画素12と比べて、光電変換部41で生成される電荷の量が増える。
第1の焦点検出画素11においては、マイクロレンズ40に関して、光電変換部41の下面、すなわち反射部42Aの位置と、撮像光学系31の瞳(後に説明する射出瞳60)の位置とを共役にするように、マイクロレンズ40の光学パワーが定められている。
したがって、後に詳述するように、撮像光学系31の瞳の第1および第2の領域を通過した第1および第2の光束が光電変換部41に入射するとともに、光電変換部41を透過した光のうち第2の領域を通過した第2の光束が反射部42Aで反射して光電変換部41に再入射する。
上記構成を有することにより、第1および第2の光束が光電変換部41以外の領域に入射すること、および隣の画素に漏洩することを防いで、光電変換部41に入射する光量を増やしている。換言すると、光電変換部41で生成される電荷の量を増やしている。
なお、配線層107に形成される配線108の一部、例えば出力部106と接続される信号線の一部を、反射部42Aとして用いてもよい。この場合の反射部42Aは、光電変換部41の中を下向き(Z軸マイナス方向)に進んで光電変換部41を透過した光を反射する反射膜と、信号を伝送するための信号線とに共用される。
出力部106から配線層107へ出力された第1の焦点検出画素11の信号は、撮像画素12の場合と同様に、例えば、第2基板114に設けられた不図示の周辺回路によってA/D変換等の信号処理が行われ、ボディ制御部21(図1)によって読み出される。
なお、図4(b)において、第1の焦点検出画素11の出力部106は、第1の焦点検出画素11において反射部42Aがない領域(線CLよりもX軸プラス方向側の領域)に設けられている。第1の焦点検出画素11の出力部106は、第1の焦点検出画素11において反射部42Aがある領域(線CLよりもX軸マイナス方向側の領域)に設けられていてもよい。
図3に示したように、画素行401Sには第1の焦点検出画素11と対になる第1の焦点検出画素13が存在する。第1の焦点検出画素13は、図4(b)の第1の焦点検出画素11の反射部42Aと異なる位置に反射部42Bを有する。反射部42Bは、光電変換部41の下面のほぼ半分(線CLより右側(X軸プラス方向))を覆う。第1の焦点検出画素13を拡大した断面図の図示は省略するが、反射部42Bを設けたことにより、光電変換部41の右半分において、光電変換部41の中を下向き(Z軸マイナス方向)に進んで光電変換部41を透過した光が反射部42Bで反射し、光電変換部41に再入射する。再入射した光は光電変換部41で光電変換されるため、反射部42Bを設けない撮像画素12と比べて、光電変換部41で生成される電荷の量が増える。
すなわち、第1の焦点検出画素13は、後に詳述するように、撮像光学系31の瞳の第1および第2の領域を通過した第1および第2の光束が光電変換部41に入射するとともに、光電変換部41を透過した光のうち第1の領域を通過した第1の光束が反射部42Bで反射して光電変換部41に再入射する。
以上のように、第1の焦点検出画素11、13は、撮像光学系31の瞳の第1および第2の領域を通過した第1および第2の光束のうち、例えば第1の焦点検出画素13の反射部42Bが第1の光束を反射し、例えば第1の焦点検出画素11の反射部42Aが第2の光束を反射する。
第1の焦点検出画素13においては、マイクロレンズ40に関して、光電変換部41の下面に設けられた反射部42Bの位置と、撮像光学系31の瞳(後に説明する射出瞳60)の位置とを共役にするように、マイクロレンズ40の光学パワーが定められている。
上記構成を有することにより、第1および第2の光束が光電変換部41以外の領域に入射すること、および隣の画素に漏洩することを防いで、光電変換部41に入射する光量を増やしている。換言すると、光電変換部41で生成される電荷の量を増やしている。
第1の焦点検出画素13では、第1の焦点検出画素11の場合と同様に、配線層107に形成される配線108の一部、例えば出力部106と接続される信号線の一部を、反射部42Bとして用いてもよい。この場合の反射部42Bは、光電変換部41の中を下向き(Z軸マイナス方向)に進んで光電変換部41を透過した光を反射する反射膜と、信号を伝送するための信号線とに共用される。
また、第1の焦点検出画素13では、出力部106に用いられる絶縁膜の一部を、反射部42Bとして用いてもよい。この場合の反射部42Bは、光電変換部41の中を下向き(Z軸マイナス方向)に進んで光電変換部41を透過した光を反射する反射膜と、絶縁膜とに共用される。
出力部106から配線層107へ出力された第1の焦点検出画素13の信号は、第1の焦点検出画素11の場合と同様に、例えば、第2基板114に設けられた不図示の周辺回路によってA/D変換等の信号処理が行われ、ボディ制御部21(図1)によって読み出される。
なお、第1の焦点検出画素13の出力部106は、第1の焦点検出画素11と同様に、反射部42Bがない領域(線CLよりもX軸マイナス方向側の領域)に設けられていてもよいし、反射部42Bがある領域(線CLよりもX軸プラス方向側の領域)に設けられていてもよい。
一般に、シリコン基板などの半導体基板では、入射した光の波長の長さによって透過率が異なる特性を有する。波長の長い光は、波長の短い光に比べて、シリコン基板を透過する透過率が高い。例えば、撮像素子22によって光電変換される光のうち、波長が長い赤色の光は他の色(緑色、青色)の光に比べて半導体層105(光電変換部41)を透過しやすい。
本実施の形態では、赤色の光の透過率が高いことから、第1の焦点検出画素11、13をR画素の位置に配置する。光電変換部41の中を下向き(Z軸マイナス方向)に進む光が赤色であると、光電変換部41を透過して反射部42A、42Bへ到達しやすい。これにより、光電変換部41を透過した赤色の光を反射部42A、42Bで反射して光電変換部41に再入射させることができる。この結果、第1の焦点検出画素11、13における光電変換部41で生成される電荷の量が増える。このように、第1の焦点検出画素11、13は、撮像素子22で光電変換する光の波長域のうちの長波長域(本例では赤色)に適した焦点検出画素といえる。
上述したように、第1の焦点検出画素11の反射部42A、第1の焦点検出画素13の反射部42Bの位置はそれぞれ、第1の焦点検出画素11の光電変換部41、第1の焦点検出画素13の光電変換部41に対する位置が異なる。また、第1の焦点検出画素11の反射部42A、第1の焦点検出画素13の反射部42Bの位置はそれぞれ、第1の焦点検出画素11のマイクロレンズ40の光軸、第1の焦点検出画素13のマイクロレンズ40の光軸に対する位置が異なる 。
第1の焦点検出画素11の反射部42Aは、光が入射する方向(Z軸マイナス方向)と交差する面(XY平面)において、第1の焦点検出画素11の光電変換部41の中心よりもX軸マイナス方向側の領域に設けられる。さらに、第1の焦点検出画素11の反射部42Aは、XY平面において、第1の焦点検出画素11の光電変換部41の中心をY軸方向に通る線と平行な線で分割された領域のうちのX軸マイナス方向側の領域に少なくとも一部が設けられる。換言すると、第1の焦点検出画素11の反射部42Aは、XY平面において、図4における線CLと直交しY軸に平行な線で分割された領域のうちのX軸マイナス方向側の領域に少なくとも一部が設けられている。
一方、第1の焦点検出画素13の反射部42Bは、光が入射する方向(Z軸マイナス方向)と交差する面(XY平面)において、第1の焦点検出画素13の光電変換部41の中心よりもX軸プラス方向側の領域に設けられる。さらに、第1の焦点検出画素13の反射部42Bは、XY平面において、第1の焦点検出画素13の光電変換部41の中心をY軸方向に通る線と平行な線で分割された領域のうちのX軸プラス方向側の領域に少なくとも一部が設けられる。換言すると、第1の焦点検出画素13の反射部42Bは、XY平面において、図4における線CLと直交しY軸に平行な線で分割された領域のうちX軸プラス方向側の領域に少なくとも一部が設けられている 。
第1の焦点検出画素11、13の反射部42A、反射部42Bの位置を、隣接する画素との関係で説明すると以下の通りである。すなわち、第1の焦点検出画素11、13の反射部42A、反射部42Bは、光が入射する方向と交差する方向(図3の例ではX軸またはY軸方向)において、隣の画素から異なる間隔で設けられる。具体的には、第1の焦点検出画素11の反射部42Aは、X軸方向において右隣の撮像画素12から第1距離D1で設けられる。第1の焦点検出画素13の反射部42Bは、X軸方向において右隣の撮像画素12から第1距離D1とは異なる第2距離D2で設けられている。
なお、第1距離D1、第2距離D2は、実質的にゼロの場合があってもよい。また、第1の焦点検出画素11の反射部42Aおよび第1の焦点検出画素13の反射部42BのXY平面における位置を、各反射部の側端部から右隣の撮像画素までの距離によって表す代わりに、各反射部の中心位置から他の画素(例えば右隣の撮像画素)までの距離によって表してもよい。
さらにまた、第1の焦点検出画素11および第1の焦点検出画素13の各反射部のXY平面における位置を、各反射部の中心位置から各自の画素の中心位置(例えば、光電変換部41の中心)までの距離によって表してもよい。さらに、各反射部の中心位置から各自の画素のマイクロレンズ40の光軸までの距離によって表してもよい。
<第2の焦点検出画素>
図4(c)は、図3の第2の焦点検出画素15を拡大した断面図である。図4(a)の撮像画素12と同様の構成には、同一符号を付して説明を省略する。線CLは、第2の焦点検出画素15の中心を通る線である。第2の焦点検出画素15は、図4(a)の撮像画素12と比べて、光電変換部41の上面(Z軸プラス方向)に遮光部44Aが設けられている点において相違する。光電変換部41の上面は、マイクロレンズ40を介して光が入射する面である。遮光部44Aは、例えば、遮蔽膜等により構成され、光電変換部41の上面のほぼ半分(線CLより左側(X軸マイナス方向))を覆う。遮光部44Aを設けたことにより、光電変換部41の左半分において、光電変換部41へ入射する光が制限される。
なお、遮光部44Aは、例えばタングステン等の導電膜や黒色フィルタによって構成してもよい。
第2の焦点検出画素15においては、マイクロレンズ40に関して、光電変換部41の上面に設けられた遮光部44Aの位置と、撮像光学系31の瞳(後に説明する射出瞳60)の位置とを共役にするように、マイクロレンズ40の光学パワーが定められている。
上記構成を有することにより、第1および第2の光束が光電変換部41以外の領域に入射すること、および隣の画素に漏洩することを防いでいる。
出力部106から配線層107へ出力された第2の焦点検出画素15の信号は、撮像画素12の場合と同様に、例えば、第2基板114に設けられた不図示の周辺回路によってA/D変換等の信号処理が行われ、ボディ制御部21(図1)によって読み出される。
図3に示したように、画素行402Sには第2の焦点検出画素15と対になる第2の焦点検出画素14が存在する。第2の焦点検出画素14は、図4(c)の第2の焦点検出画素15の遮光部44Aと異なる位置に遮光部44Bを有する。遮光部44Bは、光電変換部41の上面のほぼ半分(線CLより右側(X軸プラス方向))を覆う。第2の焦点検出画素14を拡大した断面図の図示は省略するが、遮光部44Bを設けたことにより、光電変換部41の右半分において、光電変換部41へ入射する光が制限される。
第2の焦点検出画素14では、第2の焦点検出画素15の場合と同様に、遮光部44Bをタングステン等の導電膜や黒色フィルタによって構成してもよい。
第2の焦点検出画素14においては、マイクロレンズ40に関して、光電変換部41の上面に設けられた遮光部44Bの位置と、撮像光学系31の瞳(後に説明する射出瞳60)の位置とを共役にするように、マイクロレンズ40の光学パワーが定められている。
上記構成を有することにより、第1および第2の光束が光電変換部41以外の領域に入射すること、および隣の画素に漏洩することを防いでいる。
出力部106から配線層107へ出力された第2の焦点検出画素14の信号は、第2の焦点検出画素15の場合と同様に、例えば、第2基板114に設けられた不図示の周辺回路によってA/D変換等の信号処理が行われ、ボディ制御部21(図1)によって読み出される。
撮像素子22の画素の微細化が進むと、画素の開口が小さくなる。したがって、画素の微細化が進むと、第2の焦点検出画素14、15の開口が小さくなる。本実施の形態では、第2の焦点検出画素14の左半分(X軸マイナス方向)、第2の焦点検出画素15の右半分(X軸プラス方向)において開口が小さくなる。第2の焦点検出画素14、15は、遮光部44Bと遮光部44Aとがそれぞれ有るため、第1の焦点検出画素11、13と比べて開口が小さくなる。一般に、開口のサイズが光の波長と同じくらいに小さくなると、波長のカットオフが生じて第2の焦点検出画素14、15の光電変換部41に光が入射しないことがある。撮像素子22で光電変換する光のうち、赤色の光は、他の色(緑色、青色)の光に比べて波長が長いため、光電変換部41に光が入射しないことが起こりやすい。つまり、開口が小さい第2の焦点検出画素14、15で赤色の光を光電変換して焦点検出を行うことが難しくなる。画素の微細化により開口の大きさが入射する光(本例では赤色の光)の波長よりも小さく(短く)なると、光電変換部41に光が入射しないため、遮光部を用いた焦点検出画素では焦点検出を行うことができなくなる。一方、第1の焦点検出画素11、13は、第2の焦点検出画素14、15に比べて開口が大きいため、赤色の光が光電変換部に入射する。
本実施の形態では、第2の焦点検出画素14、15ではなく、第1の焦点検出画素11、13をR画素の位置に配置することで、赤色の光を光電変換して焦点検出を行うことが可能になる。
撮像素子22で光電変換する光のうち、青色の光は、赤色の光に比べて波長が短いため、赤色の光と比べて光電変換部41に光が入射しないことが起こりにくい。つまり、第2の焦点検出画素14、15は、第1の焦点検出画素11、13よりも開口が小さくても青色の光を光電変換して焦点検出を行うことができる。第2の焦点検出画素14、15は、撮像素子22で光電変換する光の波長域のうちの波長の短い光(本例では青色)を光電変換して焦点検出を行う。
なお、第1の焦点検出画素11、13をR画素の位置に配置し、第2の焦点検出画素14、15をG画素の位置に配置してもよい。また、第1の焦点検出画素11、13をG画素の位置に配置し、第2の焦点検出画素14、15をB画素の位置に配置してもよい。
第2の焦点検出画素14、15の遮光部44B、遮光部44Aの位置を、隣接する画素との関係で説明すると以下の通りである。すなわち、第2の焦点検出画素14、15の遮光部44B、遮光部44Aは、光が入射する方向と交差する方向(図3の例ではX軸またはY軸方向)において、隣の画素から異なる間隔で設けられる。具体的には、第2の焦点検出画素14の遮光部44Bは、X軸方向において右隣の撮像画素12から第3距離D3で設けられる。第2の焦点検出画素15の遮光部44Aは、X軸方向において右隣の撮像画素12から第3距離D3とは異なる第4距離D4で設けられている。
なお、第3距離D3、第4距離D4は、実質的にゼロの場合があってもよい。また、第2の焦点検出画素14の遮光部44Bおよび第2の焦点検出画素15の遮光部44AのXY平面における位置を、各遮光部の側端部から右隣の撮像画素までの距離によって表す代わりに、各遮光部の中心位置から他の画素(例えば右隣の撮像画素)までの距離によって表してもよい。
さらにまた、第2の焦点検出画素14および第2の焦点検出画素15の各遮光部のXY平面における位置を、各遮光部の中心位置から各自の画素の中心位置(例えば、光電変換部41の中心)までの距離によって表してもよい。さらに、各遮光部の中心位置から各自の画素のマイクロレンズ40の光軸までの距離によって表してもよい。
図5(a)は、第1の焦点検出画素11、13に入射する光束を説明する図である。第1の焦点検出画素11、13と、これらの画素に挟まれた撮像画素12とで構成される、上記1つの単位を図示している。
図5(a)の第1の焦点検出画素13に着目すると、図1の撮像光学系31の射出瞳60の第1の瞳領域61を通過した第1の光束と、第2の瞳領域62を通過した第2の光束とが、マイクロレンズ40を介して光電変換部41に入射する。また、光電変換部41に入射した第1および第2の光束のうちの第1の光束が、光電変換部41を透過して反射部42Bで反射して光電変換部41に再入射する。このように、第1の焦点検出画素13は、第1の瞳領域61および第2の瞳領域62の両方を通過して光電変換部41に入射した第1および第2の光束を光電変換した電荷に基づく信号S1と、反射部42Bによって反射して光電変換部41に再入射した第1の光束を光電変換した電荷に基づく信号S3とを加算した信号(S1+S3)を出力する。
なお、図5(a)では、第1の瞳領域61を通過し、第1の焦点検出画素13のマイクロレンズ40および光電変換部41を透過し、反射部42Bで反射して光電変換部41に再入射する第1の光束を、破線65aによって模式的に表している。
他方、図5(a)の第1の焦点検出画素11に着目すると、図1の撮像光学系31の射出瞳60の第1の瞳領域61を通過した第1の光束と、第2の瞳領域62を通過した第2の光束とが、マイクロレンズ40を介して光電変換部41に入射する。また、光電変換部41に入射した第1および第2の光束のうちの第2の光束が、光電変換部41を透過して反射部42Aで反射して光電変換部41に再入射する。このように、第1の焦点検出画素11は、第1の瞳領域61および第2の瞳領域62の両方を通過して光電変換部41に入射した第1および第2の光束を光電変換した電荷に基づく信号S1と、反射部42Aで反射して光電変換部41に再入射した第2の光束を光電変換した電荷に基づく信号S2とを加算した信号(S1+S2)を出力する。
次に、図5(a)の撮像画素12に着目すると、図1の撮像光学系31の射出瞳60の第1の瞳領域61および第2の瞳領域62の両方を通過した光束が、それぞれマイクロレンズ40を介して光電変換部41に入射する。このように、撮像画素12は、第1および第2の瞳領域61、62の両方を通過して光電変換部41に入射した光束を光電変換した電荷に基づく信号S1を出力する。
図5(b)は、第2の焦点検出画素14、15に入射する光束を説明する図である。第2の焦点検出画素14、15と、これらの画素に挟まれた撮像画素12とで構成される、上記1つの単位を図示している。
図5(b)の第2の焦点検出画素15に着目すると、図1の撮像光学系31の射出瞳60の第1の瞳領域61を通過した第1の光束が、マイクロレンズ40を介して光電変換部41に入射する。また、上記射出瞳60の第2の瞳領域62を通過した第2の光束は、遮光部44Aによって制限されて光電変換部41に入射しない。このように、第2の焦点検出画素15は、第1の瞳領域61を通過して光電変換部41に入射した第1の光束を光電変換した電荷に基づく信号S5を出力する。
なお、図5(b)では、第1の瞳領域61を通過し、第2の焦点検出画素15のマイクロレンズ40を介して光電変換部41に入射する第1の光束を、破線65bによって模式的に表している。
他方、図5(b)の第2の焦点検出画素14に着目すると、図1の撮像光学系31の射出瞳60の第2の瞳領域62を通過した第2の光束が、マイクロレンズ40を介して光電変換部41に入射する。また、上記射出瞳60の第1の瞳領域61を通過した第1の光束は、遮光部44Bによって制限されて光電変換部41に入射しない。このように、第2の焦点検出画素14は、第2の瞳領域62を通過して光電変換部41に入射した第2の光束を光電変換した電荷に基づく信号S4を出力する。
次に、図5(b)の撮像画素12に着目すると、図1の撮像光学系31の射出瞳60の第1の瞳領域61および第2の瞳領域62の両方を通過した光束が、マイクロレンズ40を介して光電変換部41に入射する。このように、撮像画素12は、第1および第2の瞳領域61、62の両方を通過して光電変換部41に入射した光束を光電変換した電荷に基づく信号S1を出力する。
<画像データの生成>
ボディ制御部21の画像生成部21bは、撮像画素12による信号S1と、第1の焦点検出画素11、13による信号(S1+S2)、(S1+S3)とに基づき、被写体像に関する画像データを生成する。
なお、この画像データの生成の際には、信号S2、S3の影響を抑えるため、換言すると、撮像画素12の光電変換部41で生成される電荷の量と第1の焦点検出画素11、13の光電変換部41で生成される電荷の量との差による影響を抑えるため、撮像画素12による信号S1に対するゲインと、第1の焦点検出画素11、13による信号(S1+S2)、(S1+S3)に対するゲインとの間に差をつけてもよい。例えば、第1の焦点検出画素11、13の信号(S1+S2)、(S1+S3)に対するゲインを、撮像画素12の信号S1に対するゲインに比べて小さくしてよい。
<像ズレ量の検出>
ボディ制御部21の焦点検出部21aは、撮像画素12による信号S1と、第1の焦点検出画素11による信号(S1+S2)と、第1の焦点検出画素13による信号(S1+S3)とに基づき、以下のように像ズレ量を検出する。すなわち、焦点検出部21aは、撮像画素12による信号S1と第1の焦点検出画素11による信号(S1+S2)との差分diff2を求めるとともに、撮像画素12による信号S1と第1の焦点検出画素13による信号(S1+S3)との差分diff3を求める。差分diff2は、第1の焦点検出画素11の反射部42Aで反射した第2の光束を光電変換した電荷に基づく信号S2に対応する。同様に、差分diff3は、第1の焦点検出画素13の反射部42Bで反射した第1の光束を光電変換した電荷に基づく信号S3に対応する。
焦点検出部21aは、求めた差分diff3、diff2に基づき、第1の瞳領域61を通過した第1の光束による像と、第2の瞳領域62を通過した第2の光束による像との像ズレ量を求める。すなわち、焦点検出部21aは、上述した複数の単位からそれぞれ求めた信号の差分diff3のグループと、上述した複数の単位からそれぞれ求めた信号の差分diff2のグループとにまとめることによって、第1の瞳領域61と第2の瞳領域62とをそれぞれ通過した複数の焦点検出光束が形成する複数の像の強度分布を示す情報を得る。
焦点検出部21aは、上記複数の像の強度分布に対して像ズレ検出演算処理(相関演算処理、位相差検出処理)を施すことによって、複数の像の像ズレ量を算出する。焦点検出部21aはさらに、像ズレ量に所定の変換係数を乗算することによってデフォーカス量を算出する。このような瞳分割型の位相差検出方式によるデフォーカス量演算は公知であるので詳細な説明は省略する。
また、ボディ制御部21の焦点検出部21aは、第2の焦点検出画素14の信号S4と、第2の焦点検出画素15の信号S5とに基づき、以下のように像ズレ量を検出する。すなわち、焦点検出部21aは、上述した複数の単位からそれぞれ求めた信号S5のグループと、上述した複数の単位からそれぞれ求めた信号S4のグループとにまとめることによって、第1の瞳領域61と第2の瞳領域62とをそれぞれ通過した複数の焦点検出光束が形成する複数の像の強度分布を示す情報を得る。
上記複数の像の強度分布から複数の像の像ズレ量を算出する点、および像ズレ量に所定の変換係数を乗算することによってデフォーカス量を算出する点は、第1の焦点検出画素11、13を用いる場合と同様である。
焦点検出部21aは、画素行401Sに設けられた第1の焦点検出画素11、13と撮像画素12とを用いてデフォーカス量を算出するか、または、画素行402Sに設けられた第2の焦点検出画素14、15と撮像画素12とを用いてデフォーカス量を算出するかを、例えば、焦点調節の対象にする被写体の色に基づいて決定してよい。また、焦点検出部21aは、撮影シーン、撮影者が選択した被写体の色に基づいて、第1の焦点検出画素11、13または第2の焦点検出画素14、15を用いるかを決定してもよい。
さらにまた、焦点検出部21aは、画素行401Sに設けられた第1の焦点検出画素11、13と撮像画素12と、画素行402Sに設けられた第2の焦点検出画素14、15と撮像画素12とを用いてデフォーカス量を算出してもよい。
以上説明した第1の実施の形態によれば、次の作用効果が得られる。
(1)撮像素子22は、例えば、第1波長域の光を光電変換する光電変換部41と、光電変換部41を透過した光の一部を光電変換部41へ反射する反射部42A、42Bとを有する第1の焦点検出画素11、13と、第1波長域より波長の短い第2波長域の光を光電変換する光電変換部41と、光電変換部41に入射する光の一部を遮光する遮光部44B、44Aとを有する第2の焦点検出画素14、15とを備える。第1の焦点検出画素11、13で第1波長域の透過光の一部を光電変換させたので、半導体基板に対して透過率の高い長波長光(赤色の光)の特性を活かすことができる。また、第2の焦点検出画素14、15では微細化の影響を受けにくい短波長光(青色の光)の特性を活かすことができる。波長域によってタイプが異なる画素を備えたことにより、異なる波長の焦点検出に適した撮像素子22を得ることができる。
(2)撮像素子22の第1の焦点検出画素11、13は、例えば、第1波長域の光を透過するカラーフィルタ43を有し、光電変換部41はカラーフィルタ43を透過した光を光電変換し、反射部42A、42Bはカラーフィルタ43と光電変換部41を透過した光の一部を光電変換部41へ反射する。撮像素子22の第2の焦点検出画素14、15は、第1波長域よりも波長の短い第2波長域の光を透過するカラーフィルタ43を有し、遮光部44B、44Aは光電変換部41に入射する光の一部を遮光する。これにより、第1の焦点検出画素11、13では半導体基板に対して透過率の高い長波長光(赤色の光)の特性を活かすことができる。また、第2の焦点検出画素14、15では微細化の影響を受けにくい短波長光(青色の光)の特性を活かすことができる。
(3)撮像素子22は、例えば、第1波長域の光を透過するカラーフィルタ43と、カラーフィルタ43を透過した光を光電変換する光電変換部41と、光電変換部41を透過した光の一部を光電変換部41へ反射する反射部42A、42Bとを有する第1の焦点検出画素11、13と、第1波長域よりも波長の短い第2波長域の光を透過するカラーフィルタ43と、カラーフィルタ43を透過した光を光電変換する光電変換部41と、光電変換部41に入射する光の一部を遮光する遮光部44B、44Aとを有する第2の焦点検出画素14、15と、を備える。第1の焦点検出画素11、13で第1波長域の透過光の一部を光電変換させたので、半導体基板に対して透過率の高い長波長光(赤色の光)の特性を活かすことができる。また、第2の焦点検出画素14、15では微細化の影響を受けにくい短波長光(青色の光)の特性を活かすことができる。波長域によってタイプが異なる画素を備えたことにより、異なる波長の光電変換に適した撮像素子22を得ることができる。
(4)撮像素子22は、例えば、第1波長域の光を透過するカラーフィルタ43を有し、カラーフィルタ43を透過した光を光電変換する光電変換部41がカラーフィルタ43と光電変換部41を透過した光を光電変換部41へ反射する反射部42A、42Bとの間に配置される第1の焦点検出画素11、13と、第1波長域よりも波長の短い第2波長域の光を透過するカラーフィルタ43と、カラーフィルタ43を透過した光を光電変換する光電変換部41との間に光電変換部41に入射する光の一部を遮光する遮光部44B、44Aを有する第2の焦点検出画素14、15とを備える。これにより、第1の焦点検出画素11、13では半導体基板に対して透過率の高い長波長光(赤色の光)の特性を活かすことができる。また、第2の焦点検出画素14、15では微細化の影響を受けにくい短波長光(青色の光)の特性を活かすことができる。波長域によってタイプが異なる画素を備えたことにより、異なる波長の光電変換に適した撮像素子22を得ることができる。
(5)撮像素子22の第1の焦点検出画素11、13の光電変換部41は、反射部42A、42Bにより反射した光を光電変換して電荷を生成し、第2の焦点検出画素15、14の光電変換部41は、遮光部44B、44Aで遮光されなかった光を光電変換する。これにより、撮像素子22にタイプが異なる画素を設けることができる。
(6)撮像素子22は複数の第1の焦点検出画素11、13を有し、反射部42Aが隣の画素から第1距離D1で設けられる第1の焦点検出画素11と、反射部42Bが隣の画素から第1距離D1とは異なる第2距離D2で設けられる第1の焦点検出画素13を有する。これにより、対となる反射タイプの第1の焦点検出画素11、13を撮像素子22に設けることができる。
(7)撮像素子22は複数の第2の焦点検出画素14、15を有し、遮光部44Bが隣の画素から第3距離D3で設けられる第2の焦点検出画素14と、遮光部44Aが隣の画素から第4距離D3とは異なる第4距離D4で設けられる第2の焦点検出画素15を有する。これにより、対となる遮光タイプの第2の焦点検出画素14、15を撮像素子22に設けることができる。
(8)撮像素子22は、マイクロレンズ40、マイクロレンズ40を透過した光を光電変換する光電変換部41、および、光電変換部41を透過した光を光電変換部41へ反射する反射部42A、42Bを有する第1の焦点検出画素11、13と、マイクロレンズ40、および、マイクロレンズ40を透過した光を光電変換する光電変換部41を有する撮像画素12とを備えて、第1の焦点検出画素11、13および撮像画素12において入射した光の集光位置を異ならせた。例えば、第1の焦点検出画素11、13のマイクロレンズ40を透過した光が光電変換部41以外の領域に入射することを防ぎ、第1の焦点検出画素11、13のマイクロレンズ40を透過した光が他の撮像画素12に漏洩することを防ぐことができる。これにより、光電変換部41で生成される電荷の量が増える撮像素子22が得られる。
(9)また、撮像素子22は、マイクロレンズ40、マイクロレンズ40を透過した光を光電変換する光電変換部41、および、光電変換部41を透過した光を光電変換部41へ反射する反射部42A、42Bを有する第1の焦点検出画素11、13と、マイクロレンズ40、マイクロレンズ40を透過した光を光電変換する光電変換部41、および、光電変換部41に入射する光の一部を遮る遮光部44B、44Aを有する第2の焦点検出画素14、15とを備えて、第1の焦点検出画素11、13および第2の焦点検出画素14、15において入射した光の集光位置を異ならせた。例えば、第1の焦点検出画素11、13の場合は反射部42A、42Bへ集光し、第2の焦点検出画素14、15の場合は遮光部44B、44Aへ集光する。これにより、各焦点検出画素における瞳分割構造(第1の焦点検出画素11、13の場合は反射部42A、42B、第2の焦点検出画素14、15の場合は遮光部44B、44A)へ集光できるため、瞳分割構造に光が集光しない場合に比べて、瞳分割の精度が高まる。この結果として、瞳分割型の位相差検出における検出精度を高めた撮像素子22が得られる。
(10)撮像素子22の第1の焦点検出画素11、13のマイクロレンズ40の焦点距離は、撮像素子22の第2の焦点検出画素14、15のマイクロレンズ40の焦点距離よりも長くしたので、各焦点検出画素における瞳分割構造(第1の焦点検出画素11、13の場合は反射部42A、42B、第2の焦点検出画素14、15の場合は遮光部44B、44A)へ適切に集光できる。これにより、瞳分割の精度が高まり、瞳分割型の位相差検出における検出精度を高めた撮像素子22が得られる。
(11)カメラ1の焦点検出装置は、撮像光学系31の射出瞳60の第1および第2の瞳領域61、62を通過した第1および第2の光束を受光する光電変換部41と、光電変換部41を透過した第1の光束を光電変換部41に反射する反射部42Bとを有する複数の第1の焦点検出画素13と、撮像光学系31の射出瞳60の第1および第2の瞳領域61、62を通過した第1および第2の光束を受光する光電変換部41と、光電変換部41を透過した第2の光束を光電変換部41に反射する反射部42Aとを有する複数の第1の焦点検出画素11と、第1の焦点検出画素13の焦点検出信号と第1の焦点検出画素11の焦点検出信号とに基づき撮像光学系31の焦点検出を行う焦点検出部21aと、撮像光学系31の射出瞳60の第1および第2の瞳領域61、62を通過した第1および第2の光束の一方を受光する光電変換部41を有する複数の第2の焦点検出画素15と、撮像光学系31の射出瞳60の第1および第2の瞳領域61、62を通過した第1および第2の光束の他方を受光する光電変換部41を有する複数の第2の焦点検出画素14と、第2の焦点検出画素15の焦点検出信号と第2の焦点検出画素14の焦点検出信号とに基づき撮像光学系31の焦点検出を行う焦点検出部21aとを備える。タイプが異なる焦点検出画素の焦点検出信号に基づくことにより、適切に焦点検出を行うことができる。
(12)撮像素子22は、異なる波長帯域のR、G、およびBの分光成分のカラーフィルタ43をそれぞれ有するR画素、G画素、およびB画素の撮像画素12を備え、第1の焦点検出画素11,13は、R画素の撮像画素12の一部に置換して設けられ、かつ、Rのカラーフィルタ43を有し、第2の焦点検出画素14、15は、B画素の撮像画素12の一部に置換して設けられ、かつ、Bのカラーフィルタ43を有する。R画素の位置に第1の焦点検出画素11、13を設けたので、半導体基板に対して透過率の高い長波長光(赤色の光)の特性を活かすことができる。また、B画素の位置に第2の焦点検出画素14、15を設けたので、微細化による影響を受けやすいR画素の位置を避けることができる。
(13)Rは、Gよりも長波長であり、Gは、Bよりも長波長である。撮像素子22は、R画素の撮像画素12とG画素の撮像画素12とが、例えばX軸方向に交互に配置された画素行401と、G画素の撮像画素12とB画素の撮像画素12とが、例えばX軸方向に交互に配置された画素行402とが、例えばY軸方向に交互に並置される。いわゆるベイヤー配列に従うR画素、G画素、およびB画素を備える撮像素子22に対し、上述したように、タイプが異なる焦点検出画素を設けることができる。
(14)撮像素子22において、第1の焦点検出画素11、13が設けられた画素行401Sと、第2の焦点検出画素14、15が設けられた画素行402Sとは、上記Y軸の方向に互いに近接させたので、例えば画素行401Sで青色の位相差情報を得ることができない場合でも、隣の画素行402Sで青色の位相差情報を得ることができる。反対に、例えば画素行402Sで赤色の位相差情報を得ることができない場合でも、隣の画素行401Sで赤色の位相差情報を得ることができる。このように、相補的効果による位相差検出精度の向上に寄与することができる。
(15)第1の焦点検出画素11、13は、光の入射面において位相差検出のための遮光膜を設けないため、遮光膜44B、44Aを有する第2の焦点検出画素14、15と異なり、画素の開口が小さくなることを回避できる。さらに、第1の焦点検出画素11、13は、光電変換部41を透過した光を反射部42A、42Bにより光電変換部41に反射するため、画素の光電変換部41で生成される電荷の量を増やすことができる。
(16)例えば図2のフォーカスエリア101−1〜101−3のように、縦方向に並ぶフォーカスエリアを離散的に配したので、撮像画素12のみが配列される画素行401と、撮像画素12のみが配列される画素行402とを交互に繰り返す中で、第1の焦点検出画素11、13を配置した画素行401Sと、第2の焦点検出画素15、14を配置した画素行402Sとが離れた位置に配置される。
例えば、第1の焦点検出画素11、13を配置した画素行401Sと、第2の焦点検出画素15、14を配置した画素行402Sとを、動画モードにおいて映像用の読み出しを行わない行に含めると、動画モード時に、第1の焦点検出画素11、13の位置における画像の信号の補間処理や、第2の焦点検出画素14、15の位置における画像の信号の補間処理を省くことができる。
(17)第1の焦点検出画素11、13の位置では、画像の信号が得られないことから、周囲の撮像画素12による画像の信号を用いて補間処理を行う。本実施の形態では、第1の焦点検出画素11、13の間に、第1の焦点検出画素11、13と同色(本例ではR画素)の位置に撮像画素12を有するので、この撮像画素12による画像の信号を用いて補間処理を行うことで、第1の焦点検出画素11、13の位置における画像の信号を適切に補間することができる。
同様に、第2の焦点検出画素14、15の位置では、撮像画素12による画像の信号が得られないことから、周囲の撮像画素12による画像の信号を用いて補間を行う。本実施の形態では、第2の焦点検出画素14、15の間に、第2の焦点検出画素14、15と同色(本例ではB画素)の位置に撮像画素12を有するので、この撮像画素12による画像の信号を用いて補間処理を行うことで、第2の焦点検出画素14、15の位置における画像の信号を適切に補間することができる。
次のような変形も発明の範囲内であり、変形例の一つ、もしくは複数を上述の実施の形態と組み合わせることも可能である。
(変形例1)
第1の実施の形態のように、撮像光学系31の射出瞳60の位置と、焦点検出画素における瞳分割構造(第1の焦点検出画素11、13の場合は反射部42A、42B、第2の焦点検出画素14、15の場合は遮光部44B、44A)のZ軸方向の位置とは、共役であることが望ましい。しかしながら、被写体像の位相差の検出精度が許容できる場合には、以下のように構成してもよい。例えば、第1の焦点検出画素11、13については、マイクロレンズ40に関して撮像光学系31の射出瞳60の位置と、光電変換部41の厚さ方向(Z軸方向)の中間の位置とを共役にする。また、第2の焦点検出画素14、15については、マイクロレンズ40に関して撮像光学系31の射出瞳60の位置と、光電変換部41の厚さ方向の中間の位置とを共役にする。このように構成することで、撮像画素12と、第1の焦点検出画素11、13と、第2の焦点検出画素14、15とでマイクロレンズ40の光学パワーを同じにできるため、光学パワーが異なるマイクロレンズ40を設ける場合に比べて、製造コストを抑えることができる。
(変形例2)
撮像画素12と、第1の焦点検出画素11、13と、第2の焦点検出画素14、15とでマイクロレンズ40の光学パワーを同じにしたままで、光学特性調整層を用いることによって各画素に入射した光の集光位置を異ならせてもよい。すなわち、撮像光学系31の射出瞳60の位置と、撮像画素12における光電変換部41のZ軸方向の中間の位置と、焦点検出画素における瞳分割構造(第1の焦点検出画素11、13の場合は反射部42A、42B、第2の焦点検出画素14、15の場合は遮光部44B、44A)のZ軸方向の位置とを共役にしてもよい。光学特性調整層は光路長を調整する部材であり、例えばマイクロレンズ40の材料よりも高い屈折率または低い屈折率を有するインナーレンズ等を含んでいてもよい。
図6(a)は、変形例2における撮像画素12を拡大した断面図である。図6(b)は、変形例2における第1の焦点検出画素11を拡大した断面図である。図6(c)は、変形例2における第2の焦点検出画素15を拡大した断面図である。図6(a)、図6(b)、図6(c)において、図4(a)、図4(b)、図4(c)と同様の構成については同一符号を付して説明を省略する。
撮像画素12について図6(a)と図4(a)とを比較すると、図6(a)の撮像素子12が、マイクロレンズ40と光電変換部41との間に光学特性調整層50を有する点において相違する。図6(a)では、例えばカラーフィルタ43の上側(Z軸プラス方向)に光学特性調整層50が設けられる。光学特性調整層50を設けることにより、実質的にマイクロレンズ40の焦点距離を調整する。このように、変形例2においてはマイクロレンズ40に関して、撮像画素12の光電変換部41の厚さ方向の中間の位置と、撮像光学系31の射出瞳60の位置とを共役にするように構成される。
なお、光学特性調整層50は、カラーフィルタ43の下側(Z軸マイナス方向)に設けてもよい。
第1の焦点検出画素11について図6(b)と図4(b)とを比較すると、図6(b)の第1の焦点検出画素11が、マイクロレンズ40と光電変換部41との間に光学特性調整層51を有する点において相違する。図6(b)では、例えばカラーフィルタ43の上側(Z軸プラス方向)に光学特性調整層51が設けられる。光学特性調整層51を設けることにより、実質的にマイクロレンズ40の焦点距離を調整する。このように、変形例2においてはマイクロレンズ40に関して、第1の焦点検出画素11の反射部42Aの位置と、撮像光学系31の射出瞳60の位置とを共役にするように構成調整される。
なお、光学特性調整層51は、カラーフィルタ43の下側(Z軸マイナス方向)に設けてもよい。
第2の焦点検出画素15について図6(c)と図4(c)とを比較すると、図6(c)の第2の焦点検出画素15が、マイクロレンズ40と光電変換部41との間に光学特性調整層52を有する点において相違する。図6(c)では、例えばカラーフィルタ43の上側(Z軸プラス方向)に光学特性調整層52が設けられる。光学特性調整層52を設けることにより、実質的にマイクロレンズ40の焦点距離を調整する。このように、変形例2においてはマイクロレンズ40に関して、第2の焦点検出画素15の遮光部44Aの位置と、撮像光学系31の射出瞳60の位置とを共役にするように構成される。
なお、光学特性調整層52は、カラーフィルタ43の下側(Z軸マイナス方向)に設けてもよい。
変形例2を説明する図6(a)、図6(b)および図6(c)では、撮像画素12に光学特性調整層50を設け、第1の焦点検出画素11に光学特性調整層51を設け、第2の焦点検出画素15に光学特性調整層52を設ける例を説明したが、撮像画素12、第1の焦点検出画素11、および第2の焦点検出画素15のうち少なくとも一つに光学特性調整層を設けるようにしてもよい。
また、第1の焦点検出画素11と第2の焦点検出画素15とについて説明したが、第1の焦点検出画素13と第2の焦点検出画素14とについても同様である。
以上説明した変形例2によれば、各画素のマイクロレンズ40を透過した光が各画素の光電変換部41以外の領域に入射することを防ぎ、各画素のマイクロレンズ40を透過した光が他の画素に漏洩することを防ぐことができる。これにより、光電変換部41で生成される電荷の量が増える撮像素子22が得られる。
また、変形例2によれば、各焦点検出画素における瞳分割構造(第1の焦点検出画素11、13の場合は反射部42A、42B、第2の焦点検出画素14、15の場合は遮光部44B、44A)へ集光したことにより、瞳分割構造に光が集光しない場合に比べて、瞳分割の精度が高まる。この結果として、瞳分割型の位相差検出における検出精度を高めた撮像素子22が得られる。
なお、撮像画素12と、第1の焦点検出画素11、13と、第2の焦点検出画素14、15とのうち、少なくとも撮像画素12、または第1の焦点検出画素11、13、または第2の焦点検出画素14、15に光学特性調整層を設けることに加えて、マイクロレンズ40の光学パワーを異ならせることによって、撮像光学系31の射出瞳60の位置と、撮像画素12における光電変換部41のZ軸方向の中間の位置と、焦点検出画素における瞳分割構造(第1の焦点検出画素11、13の場合は反射部42A、42B、第2の焦点検出画素14、15の場合は遮光部44B、44A)のZ軸方向の位置とを共役にしてもよい。
(変形例3)
一般に、焦点検出画素を行方向(X軸方向)、すなわち横方向に配置すると、被写体の縦方向の模様に対して焦点検出を行う場合に好適である。また、焦点検出画素を列方向(Y軸方向)、すなわち縦方向に配置すると、被写体の横方向の模様に対して焦点検出を行う場合に好適である。このため、被写体の模様の方向にかかわらず焦点検出を行うには、横方向に配置した焦点検出画素と、縦方向に配置した焦点検出画素とを有することが好ましい。
そこで、変形例3では、例えば図2のフォーカスエリア101−1〜101−3において、それぞれ第1の焦点検出画素11、13および第2の焦点検出画素14、15を横方向に配置する。また、例えばフォーカスエリア101−4〜101−11において、それぞれ第1の焦点検出画素11、13および第2の焦点検出画素14、15を縦方向に配置する。このように構成することにより、撮像素子22において焦点検出画素を横方向と縦方向とに配列する。
なお、第1の焦点検出画素11、13を縦方向に配列する場合には、第1の焦点検出画素11、13の反射部42A、42Bを、それぞれその光電変換部41のほぼ下半分(Y軸方向マイナス側)、ほぼ上半分(Y軸方向プラス側)の領域に対応して配置させる。第1の焦点検出画素11の反射部42Aは、XY平面において、図4における線CLと直交しX軸に平行な線で分割された領域のうちY軸マイナス方向側の領域に少なくとも一部が設けられる。第1の焦点検出画素13の反射部42Bは、XY平面において、図4における線CLと直交しX軸に平行な線で分割された領域のうちY軸プラス方向側の領域に少なくとも一部が設けられる。
また、第2の焦点検出画素14、15を縦方向に配列する場合には、第2の焦点検出画素14、15の遮光部44B、44Aを、それぞれその光電変換部41のほぼ上半分(Y軸方向プラス側)、ほぼ下半分(Y軸方向マイナス側)の領域に対応して配置させる。第2の焦点検出画素14の遮光部44Bは、XY平面において、図4における線CLと直交しX軸に平行な線で分割された領域のうちY軸プラス方向側の領域に少なくとも一部が設けられる。第2の焦点検出画素14の遮光部44Aは、XY平面において、図4における線CLと直交しX軸に平行な線で分割された領域のうちY軸マイナス方向側の領域に少なくとも一部が設けられる。
以上のように焦点検出画素を横方向および縦方向に配置することにより、被写体の模様の方向にかかわらず焦点検出を行うことが可能になる。
なお、図2のフォーカスエリア101−1〜101−11において、第1の焦点検出画素11、13および第2の焦点検出画素14、15を、それぞれ横方向および縦方向に配置してもよい。このように配置することにより、フォーカスエリア101−1〜101−11のいずれにおいても、被写体の模様の方向にかかわらず焦点検出を行うことが可能になる。
(変形例4)
第1の焦点検出画素11、13と、これらの画素に挟まれた撮像画素12とで構成する1つの単位と、第2の焦点検出画素14、15と、これらの画素に挟まれた撮像画素12とで構成する1つの単位とを、列方向(Y軸方向)に、任意の間隔で配置してもよい。具体的には、第1の焦点検出画素11、13を配置した画素行401Sと、第2の焦点検出画素15、14を配置した画素行402Sとの列方向の間隔を、第1の実施の形態(図3)の間隔よりも広くとる。図7は、変形例4に係る撮像素子22の画素の配列の一部を拡大した図であり、第1の焦点検出画素11、13および第2の焦点検出画素14、15が行方向(X軸方向)、すなわち横方向に配置された場合を例示する。図3の場合と同様に、第1の焦点検出画素11、13が、それぞれR画素の位置に配置され、第2の焦点検出画素14、15が、それぞれB画素の位置に配置される。
第1の焦点検出画素11、13を配置した画素行401Sと、第2の焦点検出画素14、15を配置した画素行402Sとの間隔を図7のように広げると、これらが列方向(Y軸方向)に隣り合う図3の場合に比べて、画像の信号が得られない焦点検出画素の列方向(Y軸方向)の密集度を抑えるという点においてメリットがある。
また、被写体の色が赤色のみの場合は第1の焦点検出画素11、13により位相差検出が可能であり、被写体の色が青色のみの場合は第2の焦点検出画素15、14により位相差検出が可能である。
以上説明した変形例4によれば、撮像素子22において、第1の焦点検出画素11、13が設けられた画素行401Sと、第2の焦点検出画素14、15が設けられた画素行402Sとは、上記Y軸の方向に互いに離間させるようにした。これにより、画素行401Sと画素行402SとがY軸方向に隣り合う場合に比べて、画像の信号が得られない画素位置が密集することを避けることができる。
(変形例5)
第1の焦点検出画素11、13と、これらの画素に挟まれた撮像画素12とで構成する1つの単位を、行方向(X軸方向)に、任意の間隔で配置してもよい。同様に、第2の焦点検出画素14、15と、これらの画素に挟まれた撮像画素12とで構成する1つの単位を、行方向(X軸方向)に、任意の間隔で配置してもよい。図8は、変形例5に係る撮像素子22の画素の配列の一部を拡大した図であり、第1の焦点検出画素11、13および第2の焦点検出画素14、15が行方向(X軸方向)、すなわち横方向に配置された場合を例示する。第1の実施の形態(図3)と同様に、第1の焦点検出画素11、13が、それぞれR画素の位置に配置され、第2の焦点検出画素14、15が、それぞれB画素の位置に配置される。
図8において、第1の焦点検出画素11、13と、これらの画素に挟まれた撮像画素12とで構成する1つの単位の行方向(X軸方向)の間隔は、図3の場合よりも広くし、第1の焦点検出画素11、13と同色(本例ではR画素)の撮像画素12を含める。
また、第2の焦点検出画素14、15と、これらの画素に挟まれた撮像画素12とで構成する1つの単位の行方向(X軸方向)の間隔も、図3の場合よりも広くし、第2の焦点検出画素14、15と同色(本例ではB画素)の撮像画素12を含める。
さらに、第1の焦点検出画素11、13を有する上記1つの単位と、第2の焦点検出画素14、15を有する上記1つの単位とは、行方向(X軸方向)の位置をずらす(離す)。第1の焦点検出画素11、13を有する1つの単位と、第2の焦点検出画素14、15を有する1つの単位との間で行方向(X軸方向)の位置を離したので、図3の場合に比べて、画像の信号が得られない焦点検出画素の密集度を抑えるという点においてメリットがある。
また、被写体の色が赤色のみの場合は第1の焦点検出画素11、13により位相差検出が可能であり、被写体の色が青色のみの場合は第2の焦点検出画素15、14により位相差検出が可能である。
以上説明した変形例5によれば、撮像素子22において、第1の焦点検出画素11、13が設けられた画素行401Sにおける第1の焦点検出画素11、13の位置と、第2の焦点検出画素14、15が設けられた画素行402Sにおける第2の焦点検出画素14、15の位置とは、上記X軸の方向においてずれるようにした。これにより、第1の焦点検出画素11、13の位置と、第2の焦点検出画素14、15の位置とがX軸方向にずれていない図3の場合と比べて、画像の信号が得られない画素位置が密集することを避けることができる。
(変形例6)
図9は、変形例6に係る撮像素子22の画素の配列の一部を拡大した図であり、第1の焦点検出画素11、13および第2の焦点検出画素14、15が行方向(X軸方向)、すなわち横方向に配置された場合を例示する。第1の実施の形態(図3)と比べて、第1の焦点検出画素11、13が、それぞれG画素の位置に配置される点で相違し、第2の焦点検出画素14、15が、それぞれB画素の位置に配置される点において一致する。
R画素、G画素、およびB画素がベイヤー配列に従って配置される場合は、G画素の数がR画素、B画素に比べて多くなる。一方で、第1の焦点検出画素11、13の位置では、撮像画素12による画像の信号が得られない。第1の焦点検出画素11、13を画素数が多いG画素の位置に配置することで、画素数が少ないB画素やR画素の位置で画像の信号が得られなくなるよりも、画質への影響を抑えることができる。
以上説明した変形例6によれば、撮像素子22は、異なる波長帯域のR、G、およびBの分光成分のカラーフィルタ43をそれぞれ有するR画素、G画素、およびB画素の撮像画素12を備え、第1の焦点検出画素11,13は、G画素の撮像画素12の一部に置換して設けられ、かつ、Gのカラーフィルタ43を有し、第2の焦点検出画素14、15は、B画素の撮像画素12の一部に置換して設けられ、かつ、Bのカラーフィルタ43を有する。画素数が多いG画素の位置に第1の焦点検出画素11、13を設けたので、画素数が少ないB画素やR画素の位置で画像の信号が得られなくなるよりも、画質への影響を抑えることができる。また、半導体基板に対して青よりも透過率の高い緑色光の特性を活かすことができる。さらにまた、B画素の位置に第2の焦点検出画素14、15を設けたので、微細化による影響を受けやすいR画素の位置を避けることができる。
撮像素子22において、第1の焦点検出画素11、13が設けられた画素行401Sと、第2の焦点検出画素14、15が設けられた画素行402Sとは、上記Y軸の方向に互いに近接させたので、例えば画素行401Sで青色の位相差情報を得ることができない場合でも、隣の画素行402Sで青色の位相差情報を得ることができる。反対に、例えば画素行402Sで緑色の位相差情報を得ることができない場合でも、隣の画素行401Sで緑色の位相差情報を得ることができる。このように、相補的効果による位相差検出精度の向上に寄与することができる。
(変形例7)
第1の焦点検出画素11、13をG画素の位置に配置する場合においても、第1の焦点検出画素11、13と、これらの画素に挟まれた撮像画素12とで構成する1つの単位と、第2の焦点検出画素14、15と、これらの画素に挟まれた撮像画素12とで構成する1つの単位とを、列方向(Y軸方向)に、任意の間隔で配置してもよい。具体的には、第1の焦点検出画素11、13を配置した画素行401Sと、第2の焦点検出画素15、14を配置した画素行402Sとの列方向の間隔を、図9(変形例6)の場合の間隔より広くとる。図10は、変形例7に係る撮像素子22の画素の配列の一部を拡大した図であり、第1の焦点検出画素11、13および第2の焦点検出画素14、15が行方向(X軸方向)、すなわち横方向に配置された場合を例示する。図9(変形例6)の場合と同様に、第1の焦点検出画素11、13が、それぞれG画素の位置に配置され、第2の焦点検出画素14、15が、それぞれB画素の位置に配置される。
第1の焦点検出画素11、13を配置した画素行401Sと、第2の焦点検出画素14、15を配置した画素行402Sとの間隔を図10のように広げると、これらが列方向(Y軸方向)に隣り合う図9(変形例6)の場合に比べて、画像の信号が得られない焦点検出画素の列方向(Y軸方向)の密集度を抑えるという点においてメリットがある。
以上説明した変形例7によれば、撮像素子22において、第1の焦点検出画素11、13が設けられた画素行401Sと、第2の焦点検出画素14、15が設けられた画素行402Sとは、上記Y軸の方向に互いに離間させるようにした。これにより、画素行401Sと画素行402SとがY軸方向に隣り合う場合に比べて、画像の信号が得られない画素位置が密集することを避けることができる。
(変形例8)
第1の焦点検出画素11、13をG画素の位置に配置する場合においても、第1の焦点検出画素11、13と、これらの画素に挟まれた撮像画素12とで構成する1つの単位を、行方向(X軸方向)に、任意の間隔で配置してもよい。同様に、第2の焦点検出画素14、15と、これらの画素に挟まれた撮像画素12とで構成する1つの単位を、行方向(X軸方向)に、任意の間隔で配置してもよい。図11は、変形例8に係る撮像素子22の画素の配列の一部を拡大した図であり、第1の焦点検出画素11、13および第2の焦点検出画素14、15が行方向(X軸方向)、すなわち横方向に配置された場合を例示する。図9(変形例6)の場合と同様に、第1の焦点検出画素11、13が、それぞれG画素の位置に配置され、第2の焦点検出画素14、15が、それぞれB画素の位置に配置される。
図11において、第1の焦点検出画素11、13と、これらの画素に挟まれた撮像画素12とで構成する1つの単位の行方向(X軸方向)の間隔は、図9(変形例6)の場合よりも広くし、第1の焦点検出画素11、13と同色(本例ではG画素)の撮像画素12を含める。
また、第2の焦点検出画素14、15と、これらの画素に挟まれた撮像画素12とで構成する1つの単位の行方向(X軸方向)の間隔も、図9(変形例6)の場合よりも広くし、第2の焦点検出画素14、15と同色(本例ではB画素)の撮像画素12を含める。
さらに、第1の焦点検出画素11、13を有する上記1つの単位と、第2の焦点検出画素14、15を有する上記1つの単位とは、行方向(X軸方向)の位置をずらす(離す)。第1の焦点検出画素11、13を有する1つの単位と、第2の焦点検出画素14、15を有する1つの単位との間で行方向(X軸方向)の位置を離したので、図9の場合に比べて、画像の信号が得られない焦点検出画素の密集度を抑えるという点においてメリットがある。
以上説明した変形例8によれば、撮像素子22において、第1の焦点検出画素11、13が設けられた画素行401Sにおける第1の焦点検出画素11、13の位置と、第2の焦点検出画素14、15が設けられた画素行402Sにおける第2の焦点検出画素14、15の位置とは、上記X軸の方向においてずれるようにした。これにより、第1の焦点検出画素11、13の位置と、第2の焦点検出画素14、15の位置とがX軸方向にずれていない図9の場合と比べて、画像の信号が得られない画素位置が密集することを避けることができる。
(変形例9)
図12は、変形例9に係る撮像素子22の画素の配列の一部を拡大した図であり、第1の焦点検出画素11、13および第2の焦点検出画素14、15が行方向(X軸方向)、すなわち横方向に配置された場合を例示する。図9(変形例6)の場合と比べて、第1の焦点検出画素11、13が、それぞれG画素の位置に配置される点で一致し、第2の焦点検出画素14、15が、それぞれG画素の位置に配置される点において相違する。
R画素、G画素、およびB画素がベイヤー配列に従って配置される場合は、第1の焦点検出画素11、13および第2の焦点検出画素14、15を、画素数が多いG画素の位置に配置することで、画素数が少ないB画素やR画素の位置で画像の信号が得られなくなるよりも、画質への影響を抑えることができる。
さらに、第1の焦点検出画素11、13と、第2の焦点検出画素14、15とを同色の位置に設けたので、誤った焦点検出が起きにくくなり、検出精度を向上させることができる。
以上説明した変形例9によれば、撮像素子22は、異なる波長帯域のR、G、およびBの分光成分のカラーフィルタ43をそれぞれ有するR画素、G画素、およびB画素の撮像画素12を備え、第1の焦点検出画素11,13は、G画素の撮像画素12の一部に置換して設けられ、かつ、Gのカラーフィルタ43を有し、第2の焦点検出画素14、15は、G画素の撮像画素12の一部に置換して設けられ、かつ、Gのカラーフィルタ43を有する。画素数が多いG画素の位置に第1の焦点検出画素11、13、第2の焦点検出画素14、15を設けたので、画素数が少ないB画素やR画素の位置で画像の信号が得られなくなるよりも、画質への影響を抑えることができる。また、タイプが異なる焦点検出画素を同色の位置に配置することによって、誤った焦点検出を起きにくくすることができる。
撮像素子22において、第1の焦点検出画素11、13が設けられた画素行401Sと、第2の焦点検出画素14、15が設けられた画素行402Sとは、上記Y軸の方向に互いに近接させたので、誤った焦点検出を起きにくくすることができる。
(変形例10)
第1の焦点検出画素11、13、および第2の焦点検出画素14、15をG画素の位置に配置する場合においても、第1の焦点検出画素11、13と、これらの画素に挟まれた撮像画素12とで構成する1つの単位と、第2の焦点検出画素14、15と、これらの画素に挟まれた撮像画素12とで構成する1つの単位とを、列方向(Y軸方向)に、任意の間隔で配置してもよい。具体的には、第1の焦点検出画素11、13を配置した画素行401Sと、第2の焦点検出画素15、14を配置した画素行402Sとの列方向の間隔を、図12(変形例9)の場合の間隔よりも広くとる。図13は、変形例10に係る撮像素子22の画素の配列の一部を拡大した図であり、第1の焦点検出画素11、13および第2の焦点検出画素14、15が行方向(X軸方向)、すなわち横方向に配置された場合を例示する。図12(変形例9)の場合と同様に、第1の焦点検出画素11、13がそれぞれG画素の位置に配置され、第2の焦点検出画素14、15もそれぞれG画素の位置に配置される。
第1の焦点検出画素11、13を配置した画素行401Sと、第2の焦点検出画素14、15を配置した画素行402Sとの間隔を図13のように広げると、これらが列方向(Y軸方向)に隣り合う図12(変形例9)の場合に比べて、画像の信号が得られない焦点検出画素の列方向(Y軸方向)の密集度を抑えるという点においてメリットがある。
以上説明した変形例10によれば、第1の焦点検出画素11、13を配置した画素行401Sと、第2の焦点検出画素14、15を配置した画素行402Sとは、上記Y軸の方向に互いに離間させるようにした。これにより、画素行401Sと画素行402SとがY軸方向に隣り合う場合に比べて、画像の信号が得られない画素位置が密集することを避けることができる。
(変形例11)
第1の焦点検出画素11、13をG画素の位置に配置する場合においても、第1の焦点検出画素11、13と、これらの画素に挟まれた撮像画素12とで構成する1つの単位を、行方向(X軸方向)に、任意の間隔で配置してもよい。同様に、第2の焦点検出画素14、15と、これらの画素に挟まれた撮像画素12とで構成する1つの単位を、行方向(X軸方向)に、任意の間隔で配置してもよい。図14は、変形例11に係る撮像素子22の画素の配列の一部を拡大した図であり、第1の焦点検出画素11、13および第2の焦点検出画素14、15が行方向(X軸方向)、すなわち横方向に配置された場合を例示する。図12(変形例9)の場合と同様に、第1の焦点検出画素11、13がそれぞれG画素の位置に配置され、第2の焦点検出画素14、15もそれぞれG画素の位置に配置される。
図14において、第1の焦点検出画素11、13と、これらの画素に挟まれた撮像画素12とで構成する1つの単位の行方向(X軸方向)の間隔は、図12(変形例9)の場合よりも広くし、第1の焦点検出画素11、13と同色(本例ではG画素)の撮像画素12を含める。
また、第2の焦点検出画素14、15と、これらの画素に挟まれた撮像画素12とで構成する1つの単位の行方向(X軸方向)の間隔も、図12(変形例9)の場合よりも広くし、第2の焦点検出画素14、15と同色(本例ではG画素)の撮像画素12を含める。
さらに、第1の焦点検出画素11、13を有する上記1つの単位と、第2の焦点検出画素14、15を有する上記1つの単位とは、行方向(X軸方向)の位置をずらす(離す)。第1の焦点検出画素11、13を有する1つの単位と、第2の焦点検出画素14、15を有する1つの単位との間で行方向(X軸方向)の位置を離したので、図12(変形例9)の場合に比べて、画像の信号が得られない焦点検出画素の密集度を抑えるという点においてメリットがある。
また、第1の焦点検出画素11、13と、第2の焦点検出画素14、15とを同色の位置に設けたので、誤った焦点検出が起きにくくなり、検出精度を向上させることができる。
以上説明した変形例11によれば、撮像素子22において、第1の焦点検出画素11、13が設けられた画素行401Sにおける第1の焦点検出画素11、13の位置と、第2の焦点検出画素14、15が設けられた画素行402Sにおける第2の焦点検出画素14、15の位置とは、上記X軸の方向においてずれるようにした。これにより、第1の焦点検出画素11、13の位置と、第2の焦点検出画素14、15の位置とがX軸方向にずれていない図12の場合と比べて、画像の信号が得られない画素位置が密集することを避けることができる。
(変形例12)
図15は、変形例12に係る撮像素子22の画素の配列の一部を拡大した図であり、第1の焦点検出画素11、13および第2の焦点検出画素14、15が行方向(X軸方向)、すなわち横方向に配置された場合を例示する。第1の実施の形態(図3)と比べて、第1の焦点検出画素11、13が、それぞれR画素の位置に配置される点において一致し、第2の焦点検出画素14、15が、それぞれG画素の位置に配置される点において相違する。
変形例12によれば、以下の作用効果が得られる。
(1)第2の焦点検出画素14、15をベイヤー配列において画素数が多いG画素の位置に配置することで、画素数が少ないB画素の位置に配置する場合に比べて、画質への影響を抑えることができる。
(2)変形例12に係る撮像素子22は、異なる波長帯域のR、G、およびBの分光成分のカラーフィルタ43をそれぞれ有するR画素、G画素、およびB画素の撮像画素12を備え、第1の焦点検出画素11,13は、R画素の撮像画素12の一部に置換して設けられ、かつ、Rのカラーフィルタ43を有する。また、第2の焦点検出画素14、15は、G画素の撮像画素12の一部に置換して設けられ、かつ、Gのカラーフィルタ43を有する。R画素の位置に第1の焦点検出画素11、13を設けたので、半導体基板に対して透過率の高い長波長光(赤色の光)の特性を活かすことができる。また、G画素の位置に第2の焦点検出画素14、15を設けたので、微細化による影響を受けやすいR画素の位置を避けることができる。
(3)撮像素子22において、第1の焦点検出画素11、13が設けられた画素行401Sと、第2の焦点検出画素14、15が設けられた画素行402Sとは、上記Y軸の方向に互いに近接させたので、例えば画素行401Sで緑色の位相差情報を得ることができない場合でも、隣の画素行402Sで緑色の位相差情報を得ることができる。反対に、例えば画素行402Sで赤色の位相差情報を得ることができない場合でも、隣の画素行401Sで赤色の位相差情報を得ることができる。このように、相補的効果による位相差検出精度の向上に寄与することができる。
(変形例13)
第1の焦点検出画素11、13をR画素の位置に配置するとともに、第2の焦点検出画素14、15をG画素の位置に配置する場合においても、第1の焦点検出画素11、13と、これらの画素に挟まれた撮像画素12とで構成する1つの単位と、第2の焦点検出画素14、15と、これらの画素に挟まれた撮像画素12とで構成する1つの単位とを、列方向(Y軸方向)に、任意の間隔で配置してもよい。具体的には、第1の焦点検出画素11、13を配置した画素行401Sと、第2の焦点検出画素15、14を配置した画素行402Sとの列方向の間隔を、図15(変形例12)の場合の間隔より広くとる。図16は、変形例13に係る撮像素子22の画素の配列の一部を拡大した図であり、第1の焦点検出画素11、13および第2の焦点検出画素14、15が行方向(X軸方向)、すなわち横方向に配置された場合を例示する。図15(変形例12)の場合と同様に、第1の焦点検出画素11、13が、それぞれR画素の位置に配置され、第2の焦点検出画素14、15が、それぞれG画素の位置に配置される。
第1の焦点検出画素11、13を配置した画素行401Sと、第2の焦点検出画素14、15を配置した画素行402Sとの間隔を図16のように広げると、これらが列方向(Y軸方向)に隣り合う図15(変形例12)の場合に比べて、画像の信号が得られない焦点検出画素の列方向(Y軸方向)の密集度を抑えるという点においてメリットがある。
以上説明した変形例13によれば、撮像素子22において、第1の焦点検出画素11、13が設けられた画素行401Sと、第2の焦点検出画素14、15が設けられた画素行402Sとは、上記Y軸の方向に互いに離間させるようにした。これにより、画素行401Sと画素行402SとがY軸方向に隣り合う場合に比べて、画像の信号が得られない画素位置が密集することを避けることができる。
(変形例14)
第1の焦点検出画素11、13をR画素の位置に配置するとともに、第2の焦点検出画素14、15をG画素の位置に配置する場合においても、第1の焦点検出画素11、13と、これらの画素に挟まれた撮像画素12とで構成する1つの単位を、行方向(X軸方向)に、任意の間隔で配置してもよい。同様に、第2の焦点検出画素14、15と、これらの画素に挟まれた撮像画素12とで構成する1つの単位を、行方向(X軸方向)に、任意の間隔で配置してもよい。図17は、変形例14に係る撮像素子22の画素の配列の一部を拡大した図であり、第1の焦点検出画素11、13および第2の焦点検出画素14、15が行方向(X軸方向)、すなわち横方向に配置された場合を例示する。図15(変形例12)の場合と同様に、第1の焦点検出画素11、13が、それぞれR画素の位置に配置され、第2の焦点検出画素14、15が、それぞれG画素の位置に配置される。
図17において、第1の焦点検出画素11、13と、これらの画素に挟まれた撮像画素12とで構成する1つの単位の行方向(X軸方向)の間隔は、図15(変形例12)の場合よりも広くし、第1の焦点検出画素11、13と同色(本例ではR画素)の撮像画素12を含める。
また、第2の焦点検出画素14、15と、これらの画素に挟まれた撮像画素12とで構成する1つの単位の行方向(X軸方向)の間隔も、図15(変形例12)の場合よりも広くし、第2の焦点検出画素14、15と同色(本例ではG画素)の撮像画素12を含める。
さらに、第1の焦点検出画素11、13を有する上記1つの単位と、第2の焦点検出画素14、15を有する上記1つの単位とは、行方向(X軸方向)の位置をずらす(離す)。第1の焦点検出画素11、13を有する1つの単位と、第2の焦点検出画素14、15を有する1つの単位との間で行方向(X軸方向)の位置を離したので、図15の場合に比べて、画像の信号が得られない焦点検出画素の密集度を抑えるという点においてメリットがある。
以上説明した変形例14によれば、撮像素子22において、第1の焦点検出画素11、13が設けられた画素行401Sにおける第1の焦点検出画素11、13の位置と、第2の焦点検出画素14、15が設けられた画素行402Sにおける第2の焦点検出画素14、15の位置とは、上記X軸の方向においてずれるようにした。これにより、第1の焦点検出画素11、13の位置と、第2の焦点検出画素14、15の位置とがX軸方向にずれていない図15の場合と比べて、画像の信号が得られない画素位置が密集することを避けることができる。
(変形例15)
図18は、変形例15に係る撮像素子22の画素の配列の一部を拡大した図である。第1の実施の形態(図3)と比べて、第1の焦点検出画素11、13および第2の焦点検出画素14、15が同じ行(画素行401S)に配置される点において相違する。第1の焦点検出画素11、13は、それぞれR画素の位置に配置され、第2の焦点検出画素14、15は、それぞれG画素の位置に配置される。
第1の焦点検出画素11、13および第2の焦点検出画素14、15を同一行に配置することで、画像の信号が得られない画素を含む画素行401Sの数を少なく抑え、画質への影響を抑えることができる。
図19は、図18の第1の焦点検出画素11、13、および第2の焦点検出画素14、15を拡大した断面図である。図4(b)、図4(c)の第1の焦点検出画素11、第2の焦点検出画素15と同じ構成には、同一符号を付して説明を省略する。線CLは、各画素11、14、13、15の中心(例えば光電変換部41の中心)を通る線である。
第1の焦点検出画素11、13の反射部42A、反射部42Bの位置を、隣接する画素との関係で説明すると以下の通りである。すなわち、第1の焦点検出画素11、13の反射部42A、反射部42Bは、光が入射する方向と交差する方向(図19の例ではX軸方向)において、隣の画素から異なる間隔で設けられる。具体的には、第1の焦点検出画素11の反射部42Aは、X軸方向において右隣の第2の焦点検出画素14から第1距離D1で設けられる。また、第1の焦点検出画素13の反射部42Bは、X軸方向において右隣の第2の焦点検出画素15から第1距離D1とは異なる第2距離D2で設けられている。なお、第1距離D1、第2距離D2は、実質的にゼロの場合があってもよい。
同様に、第2の焦点検出画素14、15の遮光部44B、遮光部44Aの位置を、隣接する画素との関係で説明すると以下の通りである。すなわち、第2の焦点検出画素14、15の遮光部44B、遮光部44Aは、光が入射する方向と交差する方向(図19の例ではX軸方向)において、隣の画素から異なる間隔で設けられる。具体的には、第2の焦点検出画素14の遮光部44Bは、X軸方向において右隣の第1の焦点検出画素13から第3距離D3で設けられる。また、第2の焦点検出画素15の遮光部44Aは、X軸方向において右隣の撮像画素12から第3距離D3とは異なる第4距離D4で設けられている。なお、第3距離D3、第4距離D4は、実質的にゼロの場合があってもよい。
また、第1の焦点検出画素11、13の反射部42A、反射部42Bは、第1の焦点検出画素11、13の出力部106と、他の画素(撮像画素12または第2の焦点検出画素14、15)の出力部106との間に設けられる。具体的には、第1の焦点検出画素11の反射部42Aは、第1の焦点検出画素11の出力部106と、X軸方向において左隣の撮像画素12の出力部106との間に設けられる。撮像画素12の断面構造は、図4(a)と同様である。
一方、第1の焦点検出画素13の反射部42Bは、第1の焦点検出画素13の出力部106と、X軸方向において右隣の第2の焦点検出画素15の出力部106との間に設けられる。
なお、図19において、第1の焦点検出画素11の出力部106は、第1の焦点検出画素11において反射部42Aがない領域(線CLよりもX軸プラス方向側の領域)に設けられている。また、第1の焦点検出画素13の出力部106は、第1の焦点検出画素13において反射部42Bがない領域(線CLよりもX軸マイナス方向側の領域)に設けられている。第1の焦点検出画素11の出力部106は、第1の焦点検出画素11において反射部42Aがある領域(線CLよりもX軸マイナス方向側の領域)に設けられていてもよい。同様に、第1の焦点検出画素13の出力部106は、第1の焦点検出画素13において反射部42Bがある領域(線CLよりもX軸プラス方向側の領域)に設けられていてもよい。後述する変形例16(図20)においても同様である。
変形例15によれば、以下の作用効果が得られる。
(1)撮像素子22は、異なる波長帯域のR、G、およびBの分光成分のカラーフィルタ43をそれぞれ有するR画素、G画素、およびB画素の撮像画素12を備え、第1の焦点検出画素11,13は、R画素の撮像画素12の一部に置換して設けられ、かつ、Rのカラーフィルタ43を有する。また、第2の焦点検出画素14、15は、G画素の撮像画素12の一部に置換して設けられ、かつ、Gのカラーフィルタ43を有する。R画素の位置に第1の焦点検出画素11、13を設けたので、半導体基板に対して透過率の高い長波長光(赤色の光)の特性を活かすことができる。また、G画素の位置に第2の焦点検出画素14、15を設けたので、微細化による影響を受けやすいR画素の位置を避けることができる。
(2)また、撮像素子22の第1の焦点検出画素13の反射部42Bは、光電変換部41で生成された電荷による信号を出力する出力部106と、撮像素子22の第2の焦点検出画素15の光電変換部41で生成された電荷による信号を出力する出力部106との間に設けたので、反射部42Bの専用層を新たに設けることなしに、配線層107において反射部42Bと出力部106とを適切に形成することができる。
(変形例16)
変形例16に係る撮像素子22は、第2の焦点検出画素14、15における光電変換部41が、第1の焦点検出画素11、13における光電変換部41と比べて、光が入射する方向(図20ではZ軸方向)において深さ(厚さ)が浅い点において相違する。図20は、変形例16に係る撮像素子22の第1の焦点検出画素11、13、および第2の焦点検出画素14、15を拡大した断面図である。図19と同じ構成には、同一符号を付して説明を省略する。線CLは、各画素11、14、13、15の中心(例えば光電変換部41の中心)を通る線である。
第2の焦点検出画素14、15は、G画素またはB画素の一部に置換して設けられる。G画素、B画素においてそれぞれ光電変換される緑色、青色の光は、赤色光に比べて半導体層105(光電変換部41)において到達する深さが浅い。このため、第2の焦点検出画素14、15については、第1の焦点検出画素11、13よりも半導体層105(光電変換部41)の深さを浅く構成する。
なお、第2の焦点検出画素14、15に限らず、G画素やB画素の撮像画素12についても、第1の焦点検出画素11、13やR画素の撮像画素12よりも半導体層105(光電変換部41)の深さを浅く構成してもよい。
また、上述した実施の形態と各変形例、および、後述する実施の形態と各変形例においても、変形例16において説明した構成を適用してもよい。すなわち、撮像素子22の第2の焦点検出画素14、15、G画素およびB画素の撮像画素12について、第1の焦点検出画素11、13およびR画素の撮像画素12よりも半導体層105(光電変換部41)の深さを浅く構成してもよい。
(変形例17)
第1の実施の形態では、第1の焦点検出画素11、13をR画素の位置に配置し、赤色の波長域の光を受光して得た信号を焦点検出に用いる例を説明した。第1の焦点検出画素は、長波長域の光に適しているため、例えば赤外光や近赤外光等の光に対しても好適である。そのため、赤外線や近赤外線の画像が用いられる産業用のカメラや医療用のカメラにも、第1の焦点検出画素を備えた撮像素子22を適用することができる。例えば、第1の焦点検出画素を赤外光域の光を透過するフィルタの位置に配置し、赤外光域の光を受光して得た信号を焦点検出に用いることができる。
上述した第1の実施形態および第1の実施の形態の変形例には、次のような撮像素子を含む。
(1)撮像素子22は、第1の焦点検出画素11(13)のマイクロレンズ40と撮像画素12のマイクロレンズとは光学的な特性を異ならせたので、第1の焦点検出画素11(13)と撮像画素12との間で、入射した光の集光位置を適切に異ならせることができる。
(2)上記撮像素子22において、第1の焦点検出画素11(13)のマイクロレンズ40と撮像画素12のマイクロレンズ40とは焦点距離を異ならせたので、第1の焦点検出画素11(13)と撮像画素12との間で、入射した光の集光位置を適切に異ならせることができる。
(3)上記撮像素子22において、第1の焦点検出画素11(13)のマイクロレンズ40と撮像画素12のマイクロレンズ40とは形を異ならせたので、第1の焦点検出画素11(13)と撮像画素12との間で、入射した光の集光位置を適切に異ならせることができる。
(4)上記撮像素子22において、第1の焦点検出画素11(13)のマイクロレンズ40と撮像画素12のマイクロレンズ40とは屈折率を異ならせたので、第1の焦点検出画素11(13)と撮像画素12との間で、入射した光の集光位置を適切に異ならせることができる。
(5)上記撮像素子22において、第1の焦点検出画素11(13)のマイクロレンズ40と光電変換部41との間、および、撮像画素12のマイクロレンズ40と光電変換部41と間の少なくとも一方に集光位置を変化させる光学特性調整層を有するので、第1の焦点検出画素11(13)と撮像画素12との間で、入射した光の集光位置を適切に異ならせることができる。
(6)上記撮像素子22において、マイクロレンズ40を介して第1の焦点検出画素11(13)の光電変換部41に入射した光の集光位置は、反射部42A(42B)とした。これにより、反射部42A(42B)に光が集光しない場合に比べて瞳分割の精度が高まることから、瞳分割型の位相差検出における検出精度を高めた撮像素子22が得られる。
(7)上記撮像素子22において、マイクロレンズ40を介して撮像画素12に入射した光の集光位置は光電変換部41とした。これにより、光電変換部41に光が集光しない場合に比べて、光電変換部41の感度(量子効率)を高めることができる。
(8)上記撮像素子22において、マイクロレンズ40、マイクロレンズ40を透過した光を光電変換する光電変換部41、および、光電変換部41に入射する光の一部を遮る遮光部44B(44A)を有する第2の焦点検出画素14(15)を備え、第1の焦点検出画素11(13)および第2の焦点検出画素14(15)において入射した光の集光位置を異ならせた。例えば、各焦点検出画素における瞳分割構造(第1の焦点検出画素11、13の場合は反射部42A、42B、第2の焦点検出画素14、15の場合は遮光部44B、44A)へ集光したことにより、瞳分割構造に光が集光しない場合に比べて、瞳分割の精度が高まる。この結果として、瞳分割型の位相差検出における検出精度を高めた撮像素子22が得られる。
(9)上記撮像素子22において、マイクロレンズ40を介して第2の焦点検出画素14(15)に入射した光の集光位置を遮光部44B(44A)とした。遮光部44B(44A)に光が集光しない場合に比べて、瞳分割の精度が高まることから、瞳分割型の位相差検出における検出精度を高めた撮像素子22が得られる。
(10)上記撮像素子22において、第1の焦点検出画素11(13)の反射部42A(42B)は、撮像光学系31の瞳の第1および第2の部分を通過した第1および第2の光束のうち一方の光束を反射する位置に配設され、光電変換部41は、第1および第2の光束、および、反射部42A(42B)で反射した光束を光電変換する。これにより、反射タイプの瞳分割構造を用いた位相差検出における検出精度を高めた撮像素子22が得られる。
(11)上記撮像素子22において、第2の焦点検出画素14(15)の遮光部44B(44A)は、撮像光学系31の瞳の第1および第2の部分を通過した第1および第2の光束のうち一方の光束を遮光する位置に配設され、光電変換部41は、第1および第2の光束のうち他方の光束を光電変換する。これにより、遮光タイプの瞳分割構造を用いた位相差検出における検出精度を高めた撮像素子22が得られる。
(第2の実施の形態)
第2の実施の形態では、瞳分割構造(第1の焦点検出画素11、13の場合は反射部42A、42B、第2の焦点検出画素14、15の場合は遮光部44B、44A)の位置をX軸方向、Y軸方向にずらした複数の焦点検出画素を設ける。
<X軸方向にずらす場合>
瞳分割構造をX軸方向にずらした複数の焦点検出画素は、例えば、図2のフォーカスエリア101−1〜101−3に対応する位置に設ける。第1の実施の形態の変形例3で述べたように、被写体の縦方向の模様に対して焦点検出を行うフォーカスエリア101−1〜101−3には、焦点検出画素をX軸方向に配置する。このようにX軸方向の位相差を検出する場合、複数の焦点検出画素の瞳分割構造をX軸方向にずらす。
図21は、撮像素子22のフォーカスエリア101−1〜101−3に対応する位置に設けられた画素の配列の一部を拡大した図である。図21において、図3(第1の実施の形態)と同様の構成には同一符号を付すとともに、マイクロレンズ40の図示を省略している。撮像素子22には、図3の場合と同様に、各画素においてR(赤)、G(緑)、B(青)の異なる分光感度を有する3つのカラーフィルタのいずれか一つが設けられている。
図21によれば、撮像素子22は、R画素、G画素、B画素による撮像画素12と、撮像画素12のR画素の一部に置換して配置された第1の焦点検出画素11p、11s、11qと、撮像画素12のR画素の一部に置換して配置された第1の焦点検出画素13p、13s、13qと、撮像画素12のB画素の一部に置換して配置された第2の焦点検出画素14p、14s、14qと、撮像画素12のB画素の一部に置換して配置された15p、15s、15qと、を有する。
<第1の焦点検出画素>
図21の例では、3つの第1の焦点検出画素11p、11s、11qが、第1の焦点検出画素11として設けられる。このうちの第1の焦点検出画素11sが、第1の実施の形態における図3、図4(b)の第1の焦点検出画素11に対応する。また、3つの第1の焦点検出画素13p、13s、13qが、第1の焦点検出画素13として設けられる。このうちの第1の焦点検出画素13sが、第1の実施の形態における図3の第1の焦点検出画素13に対応する。
一対の第1の焦点検出画素11p、13pは、画素行401Pにおいて複数対、配置される。一対の第1の焦点検出画素11s、13sは、画素行401Sにおいて複数対、配置される。一対の第1の焦点検出画素11q、13qは、画素行401Qにおいて複数対、配置される。本実施の形態では、複数対の第1の焦点検出画素(11p、13p)、複数対の第1の焦点検出画素(11s、13s)、および複数対の第1の焦点検出画素(11q、13q)を、第1の焦点検出画素11、13の組と称する。
なお、複数対の第1の焦点検出画素(11p、13p)、(11s、13s)、または(11q、13q)は、対と対との間隔が一定でも、異なっていてもよい。
第1の焦点検出画素11p、11s、11qは、それぞれの反射部42AP、42AS、42AQのX軸方向の位置および幅(すなわち、XY平面における面積)が異なる。反射部42AP、42AS、42AQのX軸方向の位置および幅の少なくとも一つが異なっていればよい。反射部42AP、42AS、42AQの面積がそれぞれ異なっていてもよい。
また、第1の焦点検出画素13p、13s、13qは、それぞれの反射部42BP、42BS、42BQのX軸方向の位置および幅(すなわち、XY平面における面積)が異なる。反射部42BP、42BS、42BQのX軸方向の位置および幅の少なくとも一つが異なっていればよい。反射部42BP、42BS、42BQの面積がそれぞれ異なっていてもよい。
図21のように、瞳分割構造の位置が異なる複数の焦点検出画素を設けた理由を説明する。撮像素子22の製造工程において、例えば、図4に例示した第1基板111の上(Z軸プラス方向)にカラーフィルタ43を形成した後、オンチップレンズ形成工程により、マイクロレンズ40を形成する。このオンチップレンズ形成工程での位置合わせ誤差等により、出来上がったマイクロレンズ40の中心と、第1基板111側の画素(例えば光電変換部41)の中心とに僅かなずれが生じる場合がある。このずれは全ての画素において共通に生じるもので、例えば、ある画素においてマイクロレンズ40の中心が画素の中心に対してX軸プラス方向に長さgだけずれている場合、他の画素においても同様にX軸プラス方向に長さgのずれが生じる。
一般に、撮像画素12の場合は、マイクロレンズ40の中心が画素の中心に対して僅かにずれたとしても、マイクロレンズ40によって集光された光が光電変換部41に入射すていればよいとされる。しかしながら、第1の焦点検出画素11、13、および第2の焦点検出画素14、15については、マイクロレンズ40の中心が画素の中心に対してずれると、瞳分割構造(第1の焦点検出画素11、13の場合は反射部42A、42B、第2の焦点検出画素14、15の場合は遮光部44B、44A)に対してもずれることになるので、ずれが僅かであっても瞳分割が適切に行われなくなる場合がある。
そこで、第2の実施の形態では、マイクロレンズ40の中心が、第1基板111側の画素の中心に対してずれたとしても、ずれた状態において瞳分割が適切に行われるように、画素の中心に対してあらかじめ瞳分割構造(第1の焦点検出画素11、13の場合は反射部42A、42B、第2の焦点検出画素14、15の場合は遮光部44B、44A)の位置をX軸方向、Y軸方向にずらした複数の焦点検出画素を設けておく。
本例では、複数対の第1の焦点検出画素(11s、13s)を、マイクロレンズ40の中心と画素(例えば光電変換部41)の中心とが一致する(ずれがない)場合において瞳分割に用いることとする。また、複数対の第1の焦点検出画素(11p、13p)、または複数対の第1の焦点検出画素(11q、13q)を、マイクロレンズ40の中心と画素(例えば光電変換部41)の中心とが一致しない(ずれが生じた)場合において瞳分割に用いることとする。
図21の第1の焦点検出画素11p、11qについて、図22を参照してさらに詳しく説明する。図22(a)は、図21の第1の焦点検出画素11qを拡大した断面図である。図4(b)の第1の焦点検出画素11と同じ構成には、同一符号を付して説明を省略する。線CLは、マイクロレンズ40の中心を通る線である。また、線CSは、第1の焦点検出画素11q(例えば光電変換部41)の中心を通る線である。
図22(a)の第1の焦点検出画素11qは、マイクロレンズ40の中心(線CL)が、光電変換部41の中心(線CS)に対してX軸方向にマイナスgずれている場合を例示する。すなわち、図22(a)は、オンチップレンズ形成工程での位置合わせ誤差等によりマイクロレンズ40が光電変換部41に対してX軸方向にマイナスgずれて形成された場合に、適切に瞳分割を行うことができる第1の焦点検出画素11qの構成を示している。第1の焦点検出画素11qの反射部42AQのX軸方向の幅は、第1の焦点検出画素11sの反射部42ASのX軸方向の幅より狭く、後述する第1の焦点検出画素13qの反射部42BQの幅と同じである。焦点検出画素11qの反射部42AQの位置は、線CSよりX軸マイナス方向へのずらし量gの位置(線CL)より左側(X軸マイナス方向)において光電変換部41の下面を覆う位置である。これにより、第1の焦点検出画素11qは、マイクロレンズ40の中心(線CL)が光電変換部41の中心(線CS)に対してX軸方向にマイナスgずれた状態で、瞳分割を適切に行う。具体例を示すと、後に説明する図24(d)のように、第1の焦点検出画素11qの反射部42AQによって、撮像光学系31の射出瞳60の像600が略左右対称に分割される。
仮に、第1の焦点検出画素11qの反射部42AQのX軸方向の幅と位置が、第1の焦点検出画素11sの反射部42ASと同じであると仮定すると、第1の瞳領域61(図5)を通過した焦点検出光束の一部(図22(a)の光電変換部41の線CLと線CSとの間を透過した光)が反射部42AQで反射して光電変換部41に再入射することとなり、瞳分割が適切に行われなくなる。
しかしながら、上述の通り、第1の焦点検出画素11qの反射部42AQを、線CLより左側(X軸マイナス方向)において光電変換部41の下面に設けたことにより、第2の瞳領域62(図5)を通過した焦点検出光束だけが反射部42AQで反射して光電変換部41に再入射するため、瞳分割が適切に行われる。
また、図21に例示したように、画素行401Qには第1の焦点検出画素11qと対になる第1の焦点検出画素13qが存在する。第1の焦点検出画素13qを拡大した断面図の図示は省略するが、第1の焦点検出画素13qの反射部42BQのX軸方向の幅は、第1の焦点検出画素13sの反射部42BSの幅より狭く、第1の焦点検出画素11qの反射部42AQの幅と同じである。反射部42BQの幅を、対をなす第1の焦点検出画素11qの反射部42AQの幅と同じにするのは、位相差情報を有する焦点検出光束以外の光が反射部42BQで反射して光電変換部41に再入射するのを避けるためである。
上記に加えて、図21の第1の焦点検出画素13qの反射部42BQのX軸方向の位置は、線CSよりX軸マイナス方向へのずらし量gの位置(線CL)より右側(X軸プラス方向)において光電変換部41の下面を覆う位置である。これにより、第1の瞳領域61(図5)を通過した焦点検出光束が反射部42BQで反射して光電変換部41に再入射するため、瞳分割が適切に行われる。
図22(b)は、図21の第1の焦点検出画素11pを拡大した断面図である。図22(a)の第1の焦点検出画素11qと同じ構成には、同一符号を付して説明を省略する。線CLは、マイクロレンズ40の中心を通る線である。また、線CSは、第1の焦点検出画素11p(例えば光電変換部41)の中心を通る線である。
図22(b)の第1の焦点検出画素11pは、マイクロレンズ40の中心(線CL)が、光電変換部41の中心(線CS)に対してX軸方向にプラスgずれている場合を例示する。すなわち、図22(b)は、オンチップレンズ形成工程での位置合わせ誤差等によりマイクロレンズ40が光電変換部41に対してX軸方向にプラスgずれて形成された場合に、適切に瞳分割を行うことができる第1の焦点検出画素11pの構成を示している。第1の焦点検出画素11pの反射部42APのX軸方向の幅は、第1の焦点検出画素11sの反射部42ASのX軸方向の幅より狭く、後述する第1の焦点検出画素13pの反射部42BPの幅と同じである。焦点検出画素11pの反射部42APの位置は、線CSよりX軸プラス方向へのずらし量gの位置(線CL)より左側(X軸マイナス方向)において光電変換部41の下面を覆う位置である。これにより、第1の焦点検出画素11pは、マイクロレンズ40の中心(線CL)が光電変換部41の中心(線CS)に対してX軸方向にプラスgずれた状態で、瞳分割を適切に行う。具体例を示すと、後に説明する図24(f)のように、第1の焦点検出画素11pの反射部42APによって、撮像光学系31の射出瞳60の像600が略左右対称に分割される。
仮に、第1の焦点検出画素11pの反射部42APのX軸方向の幅と位置が、第1の焦点検出画素11sの反射部42ASと同じであると仮定すると、第2の瞳領域62(図5)を通過した焦点検出光束の一部(図22(b)の光電変換部41の線CLと線CSとの間を透過した光)が反射部42APで反射しないこととなり、瞳分割が適切に行われなくなる。
しかしながら、上述の通り、第1の焦点検出画素11pの反射部42APを、線CLより左側(X軸マイナス方向)において光電変換部41の下面に設けたことにより、第2の瞳領域62(図5)を通過した焦点検出光束が反射部42APで反射して光電変換部41に再入射するため、瞳分割が適切に行われる。
また、図21に例示したように、画素行401Pには第1の焦点検出画素11pと対になる第1の焦点検出画素13pが存在する。第1の焦点検出画素13pを拡大した断面図の図示は省略するが、図21の第1の焦点検出画素13pの反射部42BPのX軸方向の幅は、第1の焦点検出画素13sの反射部42BSの幅より狭く、第1の焦点検出画素11pの反射部42APの幅と同じである。反射部42BPの幅を、対をなす第1の焦点検出画素11pの反射部42APの幅と同じにするのは、位相差情報を有する焦点検出光束以外の光が反射部42BPで反射して光電変換部41に再入射するのを避けるためである。
上記に加えて、図21の第1の焦点検出画素13pの反射部42BPのX軸方向の位置は、線CSよりX軸プラス方向へのずらし量gの位置(線CL)より右側(X軸プラス方向)において光電変換部41の下面を覆う位置である。これにより、第1の瞳領域61(図5)を通過した焦点検出光束だけが反射部42BPで反射して光電変換部41に再入射するため、瞳分割が適切に行われる。
以上説明したように、図21の第1の焦点検出画素11(11p、11sおよび11q)は、反射部42AP、42AS、および42AQのX軸方向の幅と位置が異なる。同様に、第1の焦点検出画素13(13p、13sおよび13q)は、反射部42BP、42BS、および42BQのX軸方向の幅と位置が異なる。
ボディ制御部21の焦点検出部21aは、図21の第1の焦点検出画素11、13の組の中から、マイクロレンズ40の中心と、画素(光電変換部41)の中心とのX軸方向のずれの状態に基づいて、複数対の第1の焦点検出画素11、13((11p、13p)、または(11s、13s)、または(11q、13q))を選ぶ。すなわち、ボディ制御部21の焦点検出部21aは、マイクロレンズ40の中心と画素(光電変換部41)の中心とが一致している場合には、第1の焦点検出画素11、13の組から複数対の第1の焦点検出画素(11s、13s)を選択する。ボディ制御部21の焦点検出部21aは、マイクロレンズ40の中心が画素(光電変換部41)の中心に対してX軸方向のマイナス側またはプラス側にそれぞれずれている場合には、第1の焦点検出画素11、13の組から複数対の第1の焦点検出画素(11q、13q)、または複数対の第1の焦点検出画素(11p、13p)を選択する。
マイクロレンズ40の中心と画素の中心とのずれの状態は、例えば、撮像素子22の検査時(カメラボディ2に搭載される前)に測定される。ずれの情報は、この撮像素子22が搭載されたカメラボディ2のボディ制御部21に記憶されている。
第1の焦点検出画素11を例に、図24を参照して説明する。図24(a)から図24(i)は、マイクロレンズ40によって第1の焦点検出画素11に投影された、撮像光学系31の射出瞳60の像600の位置を例示する図である。射出瞳60の像600の中心は、マイクロレンズ40の中心に一致している。画素(光電変換部41)の中心に対するマイクロレンズ40の中心がずれると、像600の位置が画素(光電変換部41)の中心から外れる。
なお、図24では、射出瞳60の像600と画素(光電変換部41)との位置関係を明示するために、撮影光学系31の絞りを小絞り径に絞った時の射出瞳像600を示している。
図24(a)は、マイクロレンズ40の中心が第1の焦点検出画素11qの中心に対してX軸方向マイナス側、およびY軸方向プラス側にずれている。図24(b)は、マイクロレンズ40の中心が第1の焦点検出画素11sの中心に対してX軸方向で一致しているが、Y軸方向にはプラス側にずれている。図24(c)は、マイクロレンズ40の中心が第1の焦点検出画素11pの中心に対してX軸方向プラス側、およびY軸方向プラス側にずれている。
図24(d)は、マイクロレンズ40の中心が第1の焦点検出画素11qの中心に対してX軸方向マイナス側にずれ、Y軸方向で一致している。図24(e)は、マイクロレンズ40の中心が第1の焦点検出画素11sの中心に対してX軸方向およびY軸方向で一致している。図24(f)は、マイクロレンズ40の中心が第1の焦点検出画素11pの中心に対してX軸方向プラス側にずれ、Y軸方向で一致している。
図24(g)は、マイクロレンズ40の中心が第1の焦点検出画素11qの中心に対してX軸方向マイナス側、およびY軸方向マイナス側にずれている。図24(h)は、マイクロレンズ40の中心が第1の焦点検出画素11sの中心に対してX軸方向で一致しているが、Y軸方向にはマイナス側にずれている。図24(i)は、マイクロレンズ40の中心が第1の焦点検出画素11pの中心に対してX軸方向プラス側、およびY軸方向マイナス側にずれている。
例えば、焦点検出部21aは、画素(光電変換部41)の中心に対するマイクロレンズ40の中心のずれ量gがX軸マイナス方向に所定値を超えている場合に、第1の焦点検出画素11qと、第1の焦点検出画素11qと対をなす第1の焦点検出画素13qとを選ぶ。第1の焦点検出画素11qを示す図24(d)によれば、第1の焦点検出画素11qの反射部42AQによって、像600が略左右対称に分割される。この対称性は、上記マイクロレンズ40の中心が、図24(a)に示すようにY軸プラス方向、あるいは図24(g)に示すようにマイナス方向にずれたとしても崩れない。
また、焦点検出部21aは、画素(光電変換部41)の中心に対するマイクロレンズ40の中心のX軸方向のずれ量gが所定値を超えない場合は、第1の焦点検出画素11sと、第1の焦点検出画素11sと対をなす第1の焦点検出画素13sとを選ぶ。第1の焦点検出画素11sを示す図24(e)によれば、第1の焦点検出画素11sの反射部42ASによって、像600が略左右対称に分割される。この対称性は、上記マイクロレンズ40の中心が図24(b)に示すようにY軸プラス方向、あるいは図24(h)に示すようにY軸マイナス方向にずれたとしても崩れない。
さらに、焦点検出部21aは、画素(光電変換部41)の中心に対するマイクロレンズ40の中心のずれ量gがX軸プラス方向に所定値を超えている場合に、第1の焦点検出画素11pと、第1の焦点検出画素11pと対をなす第1の焦点検出画素13pとを選ぶ。第1の焦点検出画素11pを示す図24(f)によれば、第1の焦点検出画素11pの反射部42APによって、像600が略左右対称に分割される。この対称性は、上記マイクロレンズ40の中心が図24(c)に示すようにY軸プラス方向、あるいは図24(i)に示すようにマイナス方向にずれたとしても崩れない。
図示および説明を省略するが、第1の焦点検出画素13についても、上述した第1の焦点検出画素11の場合と同様である。
なお、図22(a)、図22(b)において、第1の焦点検出画素11q、11pの出力部106は、第1の焦点検出画素11q、11pにおいて反射部42AQ、42APがない領域(線CLよりもX軸プラス方向側の領域)に設けられている。この場合における出力部106は、光電変換部41を透過した光が反射部42AQ、42APへ入射する光路の外に位置する。
第1の焦点検出画素11q、11pの出力部106は、第1の焦点検出画素11q、11pにおいて反射部42AQ、42APがある領域(線CLよりもX軸マイナス方向側の領域)に設けられていてもよい。この場合における出力部106は、光電変換部41を透過した光が反射部42AQ、42APへ入射する光路の中に位置する。
なお、第1の焦点検出画素13q、13pの出力部106も、第1の焦点検出画素11q、11pの出力部106と同様に、第1の焦点検出画素13q、13pにおいて反射部42BQ、42BPがない領域(線CLよりもX軸マイナス方向側の領域)に設けられてもよいし、反射部42BQ、42BPがある領域(線CLよりもX軸プラス方向側の領域)に設けられていてもよい。ただし、第1の焦点検出画素11q、11pの出力部106が、上記反射部42AQ、42APへ入射する光路の外に位置する場合は、第1の焦点検出画素13q、13pの出力部106も、上記反射部42BQ、42BPへ入射する光路の外に設けることが好ましい。反対に、第1の焦点検出画素11q、11pの出力部106が、上記反射部42AQ、42APへ入射する光路の中に位置する場合は、第1の焦点検出画素13q、13pの出力部106も、上記反射部42BQ、42BPへ入射する光路の中に設けることが好ましい。
この理由は以下の通りである。第1の焦点検出画素11q、11pにおいて出力部106が上記反射部42AQ、42APへ入射する光路の中に位置する場合、出力部106を構成する部材(転送トランジスタや増幅トランジスタ等)が光を反射したり吸収したりするため、出力部106が上記反射部42AQ、42APへ入射する光路の外に位置する場合と比べて、光電変換部41により生成される電荷の量が変化する。そのため、第1の焦点検出画素11q、11pと、第1の焦点検出画素13q、13pとで、出力部106と反射部の位置関係(出力部106を光路外に設けるか、出力部106を光路内に設けるか)を揃えておくことによって、第1の焦点検出画素11q、11pと、第1の焦点検出画素13q、13pとで生成される電荷の量のバランスを保ち(光電変換信号の対称性を維持する)、精度よく瞳分割型の位相差検出を行うためである。
<第2の焦点検出画素>
図21の例では、3つの第2の焦点検出画素14p、14s、14qが、第2の焦点検出画素14として設けられる。このうちの第2の焦点検出画素14sが、第1の実施の形態における図3の第1の焦点検出画素14に対応する。また、3つの第2の焦点検出画素15p、15s、15qが、第2の焦点検出画素15として設けられる。このうちの第2の焦点検出画素15sが、第1の実施の形態における図3、図4(c)の第2の焦点検出画素15に対応する。
一対の第2の焦点検出画素14p、15pは、画素行402Pにおいて複数対、配置される。一対の第2の焦点検出画素14s、15sは、画素行402Sにおいて複数対、配置される。一対の第2の焦点検出画素14q、15qは、画素行402Qにおいて複数対、配置される。第1の焦点検出画素11、13の場合と同様に、複数対の第2の焦点検出画素(14p、15p)、複数対の第2の焦点検出画素(14s、15s)、および複数対の第2の焦点検出画素(14q、15q)を、第2の焦点検出画素14、15の組と称する。
なお、複数対の第2の焦点検出画素(14p、15p)、(14s、15s)、または(14q、15q)は、対と対との間隔が一定でも、異なっていてもよい。
第2の焦点検出画素14p、14s、14qは、それぞれの遮光部44BP、44BS、44BQのX軸方向の位置および幅(すなわち、XY平面における面積)が異なる。遮光部44BP、44BS、44BQのX軸方向の位置および幅および面積の少なくとも一つが異なっていればよい。
また、第2の焦点検出画素15p、15s、15qは、それぞれの遮光部44AP、44AS、44AQのX軸方向の位置および幅(すなわち、XY平面における面積)が異なる。遮光部44AP、44AS、44AQのX軸方向の位置および幅および面積の少なくとも一つが異なっていればよい。
本例では、複数対の第2の焦点検出画素(14s、15s)を、マイクロレンズ40の中心と画素(例えば光電変換部41)の中心とが一致する(ずれがない)場合において瞳分割に用いることとする。また、複数対の第2の焦点検出画素(14p、15p)、または複数対の第2の焦点検出画素(14q、15q)を、マイクロレンズ40の中心と画素(例えば光電変換部41)の中心とが一致しない(ずれが生じた)場合において瞳分割に用いることとする。
図21の第2の焦点検出画素14qは、マイクロレンズ40の中心(線CL)が、光電変換部41の中心(線CS)に対してX軸方向にマイナスgずれている場合を例示する。すなわち、オンチップレンズ形成工程での位置合わせ誤差等によりマイクロレンズ40が光電変換部41に対してX軸方向にマイナスgずれて形成された場合に、適切に瞳分割を行うことができる第2の焦点検出画素14qを示す。第2の焦点検出画素14qの遮光部44BQのX軸方向の幅は、第2の焦点検出画素14sの遮光部42ASのX軸方向の幅より広く、かつ、後述する第2の焦点検出画素15qの遮光部44AQよりも広い。第2の焦点検出画素14qの遮光部44BQの位置は、線CSよりX軸マイナス方向へのずらし量gの位置(線CL)より右側(X軸プラス方向)において光電変換部41の上面を覆う位置である。これにより、第2の焦点検出画素14qは、マイクロレンズ40の中心(線CL)が光電変換部41の中心(線CS)に対してX軸方向にマイナスgずれた状態で、瞳分割を適切に行う。
仮に、第2の焦点検出画素14qの遮光部44BQのX軸方向の幅と位置が、第2の焦点検出画素14sの遮光部44BSと同じであると仮定すると、第1の瞳領域61(図5)を通過した焦点検出光束の一部(光電変換部41の線CLと線CSとの間に入射する光)が遮光部44BQで遮光されずに光電変換部41に入射することとなり、瞳分割が適切に行われなくなる。
しかしながら、上述の通り、第2の焦点検出画素14qの遮光部44BQを、線CLより右側(X軸プラス方向)において光電変換部41の上面に設けたことにより、第2の瞳領域62(図5)を通過した焦点検出光束だけが光電変換部41に入射するため、瞳分割が適切に行われる。
また、図21に例示したように、画素行402Qには第2の焦点検出画素14qと対になる第2の焦点検出画素15qが存在する。第2の焦点検出画素15qの遮光部44AQのX軸方向の幅は、第2の焦点検出画素15sの遮光部44ASの幅より狭く、かつ、第2の焦点検出画素14qの遮光部44BQよりも狭い。遮光部44AQの幅を、対をなす第2の焦点検出画素15qの遮光部44BQより狭くするのは、位相差情報を有する焦点検出光束以外の光が光電変換部41に入射するのを避けるためである。
上記に加えて、図21の第2の焦点検出画素15qの遮光部44AQのX軸方向の位置は、線CSよりX軸マイナス方向へのずらし量gの位置より左側(X軸マイナス方向)において光電変換部41の上面を覆う位置である。これにより、第1の瞳領域61(図5)を通過した焦点検出光束が光電変換部41に入射するため、瞳分割が適切に行われる。
図21の第2の焦点検出画素14pは、マイクロレンズ40の中心(線CL)が、光電変換部41の中心(線CS)に対してX軸方向にプラスgずれている場合を例示する。すなわち、オンチップレンズ形成工程での位置合わせ誤差等によりマイクロレンズ40が光電変換部41に対してX軸方向にプラスgずれて形成された場合に、適切に瞳分割を行うことができる第2の焦点検出画素14pを示す。図21に示す通り、第2の焦点検出画素14pの遮光部44BPのX軸方向の幅は、第2の焦点検出画素14sの遮光部44BSのX軸方向の幅より狭く、かつ、後述する第2の焦点検出画素15pの遮光部44APの幅より狭い。焦点検出画素14pの遮光部44BPの位置は、線CSよりX軸プラス方向へのずらし量gの位置(線CL)より右側(X軸プラス方向)において光電変換部41の上面を覆う位置である。これにより、第2の焦点検出画素14pは、マイクロレンズ40の中心(線CL)が光電変換部41の中心(線CS)に対してX軸方向にプラスgずれた状態で、瞳分割を適切に行う。
仮に、第2の焦点検出画素14pの遮光部44BPのX軸方向の幅と位置が、第2の焦点検出画素14sの遮光部44BSと同じであると仮定すると、第2の瞳領域62(図5)を通過した焦点検出光束の一部(光電変換部41の線CLと線CSとの間へ入射する光)が遮光部44BPで遮光されることとなり、瞳分割が適切に行われなくなる。
しかしながら、上述の通り、第2の焦点検出画素14pの遮光部44BPを、線CLより右側(X軸プラス方向)において光電変換部41の上面に設けたことにより、第2の瞳領域62(図5)を通過した焦点検出光束が光電変換部41に入射するため、瞳分割が適切に行われる。
また、図21に例示したように、画素行402Pには第2の焦点検出画素14pと対になる第2の焦点検出画素15pが存在する。第2の焦点検出画素15pの遮光部44APのX軸方向の幅は、第2の焦点検出画素15sの遮光部44ASの幅より広く、かつ、第2の焦点検出画素14pの遮光部44BPの幅より広い。
上記に加えて、第2の焦点検出画素15pの遮光部44APのX軸方向の位置は、線CSよりX軸プラス方向へのずらし量gの位置より左側(X軸マイナス方向)において光電変換部41の上面を覆う位置である。これにより、第1の瞳領域61(図5)を通過した焦点検出光束だけが光電変換部41に入射するため、瞳分割が適切に行われる。
以上説明したように、図21の第2の焦点検出画素14(14p、14sおよび14q)は、遮光部44AP、44AS、および44AQのX軸方向の幅と位置が異なる。同様に、第2の焦点検出画素15(15p、15sおよび15q)は、遮光部44BP、44BS、および44BQのX軸方向の幅と位置が異なる。
ボディ制御部21の焦点検出部21aは、図21の第2の焦点検出画素14、15の組の中から、マイクロレンズ40の中心と、画素(光電変換部41)の中心とのX軸方向のずれの状態に基づいて、複数対の第2の焦点検出画素14、15((14p、15p)、または(14s、15s)、または(14q、15q))を選ぶ。
上述したように、マイクロレンズ40の中心と画素の中心とのずれの情報は、カメラボディ2のボディ制御部21に記憶されている。
例えば、焦点検出部21aは、ボディ制御部21に記憶されているずれの情報に基づき、マイクロレンズ40の中心と画素(例えば光電変換部41)の中心とのX軸方向のずれ量gが所定値を超えない場合に、第2の焦点検出画素14、15の組から複数対の第2の焦点検出画素(14s、15s)を選択する。
また、焦点検出部21aは、ボディ制御部21に記憶されているずれの情報に基づき、マイクロレンズ40の中心と画素の中心とのX軸方向のずれ量gが所定値を超えてずれている場合には、ずれの方向により、第2の焦点検出画素14、15の組から複数対の第2の焦点検出画素(14q、15q)、または複数対の第2の焦点検出画素(14p、15p)を選択する。
第2の焦点検出画素14、15については、撮像光学系31の射出瞳60の像600と画素(光電変換部41)との位置関係を説明するための図示および説明を省略するが、第2の焦点検出画素14、15の遮光部によって像600が略左右対称に分割される点、この対称性が、上記マイクロレンズ40の中心がY軸プラス方向、あるいはY軸マイナス方向にずれたとしても崩れない点は、図24を参照して説明した第1の焦点検出画素11、13の場合と同様である。
なお、図21では、複数の第1の焦点検出画素11、13の一例としてそれぞれ3つの組の画素を図示したが、必ずしも3つの組でなくてもよく、例えば2つの組や5つの組であってもよい。
同様に、複数の第2の焦点検出画素14、15の一例としてそれぞれ3つの組の画素を図示したが、必ずしも3つの組でなくてもよい。
<Y軸方向にずらす場合>
以上の説明では、マイクロレンズ40の中心と画素の中心とがX軸方向にずれる場合を説明したが、Y軸方向にずれる場合も同様である。瞳分割構造をY軸方向にずらした複数の焦点検出画素は、例えば、図2のフォーカスエリア101−4〜101−11に対応する位置に設ける。第1の実施の形態の変形例3で述べたように、被写体の横方向の模様に対して焦点検出を行うフォーカスエリア101−4〜101−11には、焦点検出画素をY軸方向に配置する。このようにY軸方向の位相差を検出する場合、複数の焦点検出画素の瞳分割構造をY軸方向にずらす。
図23は、撮像素子22のフォーカスエリア101−4〜101−11に対応する位置に設けられた画素の配列の一部を拡大した図である。図23において、図3(第1の実施の形態)と同様の構成には同一符号を付すとともに、マイクロレンズ40の図示を省略している。撮像素子22には、図3の場合と同様に、各画素においてR(赤)、G(緑)、B(青)の異なる分光感度を有する3つのカラーフィルタのいずれか一つが設けられている。
図23によれば、撮像素子22は、R画素、G画素、B画素による撮像画素12と、撮像画素12のR画素の一部に置換して配置された第1の焦点検出画素11p、11s、11qと、撮像画素12のR画素の一部に置換して配置された第1の焦点検出画素13p、13s、13qと、撮像画素12のB画素の一部に置換して配置された第2の焦点検出画素14p、14s、14qと、撮像画素12のB画素の一部に置換して配置された15p、15s、15qと、を有する。
<第1の焦点検出画素>
図23の例では、3つの第1の焦点検出画素11p、11s、11qが、第1の焦点検出画素11として設けられる。また、3つの第1の焦点検出画素13p、13s、13qが、第1の焦点検出画素13として設けられる。第1の焦点検出画素11p、11s、11qは、画素行401Aに配置される。第1の焦点検出画素13p、13s、13qは、画素行401Bに配置される。
一対の第1の焦点検出画素11p、13pは、列方向(Y軸方向)において複数対、配置される。一対の第1の焦点検出画素11s、13sは、列方向(Y軸方向)において複数対、配置される。一対の第1の焦点検出画素11q、13qは、列方向(Y軸方向)において複数対、配置される。本実施の形態では、複数対の第1の焦点検出画素(11p、13p)、複数対の第1の焦点検出画素(11s、13s)、および複数対の第1の焦点検出画素(11q、13q)を、第1の焦点検出画素11、13の組と称する。
なお、複数対の第1の焦点検出画素(11p、13p)、(11s、13s)、または(11q、13q)は、対と対との間隔が一定でも、異なっていてもよい。
第1の焦点検出画素11p、11s、11qは、それぞれの反射部42AP、42AS、42AQのY軸方向の位置および幅(すなわち、XY平面における面積)が異なる。反射部42AP、42AS、42AQのX軸方向の位置および幅の少なくとも一つが異なっていればよい。反射部42AP、42AS、42AQの面積がそれぞれ異なっていてもよい。
また、第1の焦点検出画素13p、13s、13qは、それぞれの反射部42BP、42BS、42BQのY軸方向の位置および幅(すなわち、XY平面における面積)が異なる。反射部42BP、42BS、42BQのX軸方向の位置および幅の少なくとも一つが異なっていればよい。反射部42BP、42BS、42BQの面積がそれぞれ異なっていてもよい。
図23のように、瞳分割構造の位置が異なる複数の焦点検出画素を設けた理由は、図21を参照して説明した通りである。すなわち、上述したオンチップレンズ形成工程での位置合わせ誤差等により、出来上がったマイクロレンズ40の中心と、第1基板111側の画素(例えば光電変換部41)の中心とにY軸方向に僅かなずれが生じる場合があるからである。このずれは全ての画素において共通に生じるもので、例えば、ある画素においてマイクロレンズ40の中心が画素の中心に対してY軸プラス方向に長さgだけずれている場合、他の画素においても同様にY軸プラス方向に長さgのずれが生じる。
本例では、複数対の第1の焦点検出画素(11s、13s)を、マイクロレンズ40の中心と画素(例えば光電変換部41)の中心とが一致する(ずれがない)場合において瞳分割に用いることとする。また、複数対の第1の焦点検出画素(11p、13p)、または複数対の第1の焦点検出画素(11q、13q)を、マイクロレンズ40の中心と画素(例えば光電変換部41)の中心とが一致しない(ずれが生じた)場合において瞳分割に用いることとする。
図23の第1の焦点検出画素11qは、マイクロレンズ40の中心(線CL)が、光電変換部41の中心(線CS)に対してY軸方向にマイナスgずれている場合を例示する。すなわち、オンチップレンズ形成工程での位置合わせ誤差等によりマイクロレンズ40が光電変換部41に対してY軸方向にマイナスgずれて形成された場合に、適切に瞳分割を行うことができる第1の焦点検出画素11qを示す。第1の焦点検出画素11qの反射部42AQのY軸方向の幅は、第1の焦点検出画素11sの反射部42ASのY軸方向の幅より狭く、後述する第1の焦点検出画素13qの反射部42BQの幅と同じである。第1の焦点検出画素11qの反射部42AQの位置は、線CSよりY軸マイナス方向へのずらし量gの位置(線CL)より下側(Y軸マイナス方向)において光電変換部41の下面を覆う位置である。これにより、第1の焦点検出画素11qは、マイクロレンズ40の中心(線CL)が光電変換部41の中心(線CS)に対してY軸方向にマイナスgずれた状態で、瞳分割を適切に行う。
また、図23に例示したように、画素行401Bには第1の焦点検出画素11qと対になる第1の焦点検出画素13qが存在する。第1の焦点検出画素13qの反射部42BQのY軸方向の幅は、第1の焦点検出画素13sの反射部42BSの幅より狭く、第1の焦点検出画素11qの反射部42AQの幅と同じである。反射部42BQの幅を、対をなす第1の焦点検出画素11qの反射部42AQの幅と同じにするのは、位相差情報を有する焦点検出光束以外の光が反射部42BQで反射して光電変換部41に再入射するのを避けるためである。
上記に加えて、図23の第1の焦点検出画素13qの反射部42BQのY軸方向の位置は、線CSよりY軸マイナス方向へのずらし量gの位置より上側(Y軸プラス方向)において光電変換部41の下面を覆う位置である。これにより、マイクロレンズ40の中心と画素の中心とをX軸方向にずらす場合と同様に、瞳分割が適切に行われる。具体例を示すと、後に説明する図25(h)のように、第2の焦点検出画素13qの反射部42BQによって、撮像光学系31の射出瞳60の像600が略上下対称に分割される。
図23の第1の焦点検出画素11pは、マイクロレンズ40の中心(線CL)が、光電変換部41の中心(線CS)に対してY軸方向にプラスgずれている場合を例示する。すなわち、オンチップレンズ形成工程での位置合わせ誤差等によりマイクロレンズ40が光電変換部41に対してY軸方向にプラスgずれて形成された場合に、適切に瞳分割を行うことができる第1の焦点検出画素11pを示す。第1の焦点検出画素11pの反射部42APのY軸方向の幅は、第1の焦点検出画素11sの反射部42ASのY軸方向の幅より狭く、後述する第1の焦点検出画素13pの反射部42BPの幅と同じである。焦点検出画素11pの反射部42APの位置は、線CSよりY軸プラス方向へのずらし量gの位置(線CL)より下側(Y軸マイナス方向)において光電変換部41の下面を覆う位置である。これにより、第1の焦点検出画素11pは、マイクロレンズ40の中心(線CL)が光電変換部41の中心(線CS)に対してY軸方向にプラスgずれた状態で、瞳分割を適切に行う。
また、図23に例示したように、画素行401Bには第1の焦点検出画素11pと対になる第1の焦点検出画素13pが存在する。第1の焦点検出画素13pの反射部42BPのY軸方向の幅は、第1の焦点検出画素13sの反射部42BSの幅より狭く、第1の焦点検出画素11pの反射部42APの幅と同じである。反射部42BPの幅を、対をなす第1の焦点検出画素11pの反射部42APの幅と同じにするのは、位相差情報を有する焦点検出光束以外の光が反射部42BPで反射して光電変換部41に再入射するのを避けるためである。
上記に加えて、第1の焦点検出画素13pの反射部42BPのY軸方向の位置は、線CSよりY軸プラス方向へのずらし量gの位置より上側(Y軸プラス方向)において光電変換部41の下面を覆う位置である。これにより、マイクロレンズ40の中心と画素の中心とをX軸方向にずらす場合と同様に、瞳分割が適切に行われる。具体例を示すと、後に説明する図25(b)のように、第2の焦点検出画素13pの反射部42BPによって、撮像光学系31の射出瞳60の像600が略上下対称に分割される。
以上説明したように、図23の第1の焦点検出画素11(11p、11sおよび11q)は、反射部42AP、42AS、および42AQのY軸方向の幅と位置が異なる。同様に、第1の焦点検出画素13(13p、13sおよび13q)は、反射部42BP、42BS、および42BQのY軸方向の幅と位置が異なる。
ボディ制御部21の焦点検出部21aは、図23の第1の焦点検出画素11、13の組の中から、マイクロレンズ40の中心と、画素(光電変換部41)の中心とのY軸方向のずれの状態に基づいて、複数対の第1の焦点検出画素11、13((11p、13p)、または(11s、13s)、または(11q、13q))を選ぶ。
上述したように、ずれの情報はカメラボディ2のボディ制御部21に記憶されている。
第1の焦点検出画素13を例に、図25を参照して説明する。図25(a)から図25(i)は、マイクロレンズ40によって第1の焦点検出画素13に投影された、撮像光学系31の射出瞳60の像600の位置を例示する図である。射出瞳60の像600の中心は、マイクロレンズ40の中心に一致している。画素(光電変換部41)の中心に対するマイクロレンズ40の中心がずれると、像600の位置が画素(光電変換部41)の中心から外れる。
なお、図25では、射出瞳60の像600と画素(光電変換部41)との位置関係を明示するために、撮影光学系31の絞りを小絞り径に絞った時の射出瞳像600を示している。
図25(a)は、マイクロレンズ40の中心が第2の焦点検出画素13sの中心に対してX軸方向マイナス側、およびY軸方向プラス側にずれている。図25(b)は、マイクロレンズ40の中心が第1の焦点検出画素13sの中心に対してX軸方向で一致しているが、Y軸方向にはプラス側にずれている。図25(c)は、マイクロレンズ40の中心が第1の焦点検出画素13sの中心に対してX軸方向プラス側、およびY軸方向プラス側にずれている。
図25(d)は、マイクロレンズ40の中心が第1の焦点検出画素13sの中心に対してX軸方向マイナス側にずれ、Y軸方向で一致している。図25(e)は、マイクロレンズ40の中心が第1の焦点検出画素13sの中心に対してX軸方向およびY軸方向で一致している。図25(f)は、マイクロレンズ40の中心が第1の焦点検出画素13sの中心に対してX軸方向プラス側にずれ、Y軸方向で一致している。
図25(g)は、マイクロレンズ40の中心が第1の焦点検出画素13qの中心に対してX軸方向マイナス側、およびY軸方向マイナス側にずれている。図25(h)は、マイクロレンズ40の中心が第1の焦点検出画素13qの中心に対してX軸方向で一致しているが、Y軸方向にはマイナス側にずれている。図25(i)は、マイクロレンズ40の中心が第1の焦点検出画素13qの中心に対してX軸方向プラス側、およびY軸方向マイナス側にずれている。
例えば、焦点検出部21aは、画素(光電変換部41)の中心に対するマイクロレンズ40の中心のずれ量gがY軸マイナス方向に所定値を超えている場合に、第1の焦点検出画素13qと、第1の焦点検出画素13qと対をなす第1の焦点検出画素11qとを選ぶ。第1の焦点検出画素13qを示す図25(h)によれば、第1の焦点検出画素13qの反射部42BQによって、像600が略上下対称に分割される。この対称性は、上記マイクロレンズ40の中心が図25(i)に示すようにX軸プラス方向、あるいは図25(g)に示すようにX軸マイナス方向にずれたとしても崩れない。
また、焦点検出部21aは、画素(光電変換部41)の中心に対するマイクロレンズ40の中心のY軸方向のずれ量gが所定値を超えない場合は、第1の焦点検出画素13sと、第1の焦点検出画素13sと対をなす第1の焦点検出画素11sとを選ぶ。第1の焦点検出画素13sを示す図25(e)によれば、第1の焦点検出画素13sの反射部42BSによって、像600が略上下対称に分割される。この対称性は、上記マイクロレンズ40の中心が図25(f)に示すようにX軸プラス方向、あるいは図25(d)に示すようにX軸マイナス方向にずれたとしても崩れない。
さらに、焦点検出部21aは、画素(光電変換部41)の中心に対するマイクロレンズ40の中心のずれ量gがY軸プラス方向に所定値を超えている場合に、第1の焦点検出画素13pと、第1の焦点検出画素13pと対をなす第1の焦点検出画素11pとを選ぶ。第1の焦点検出画素13pを示す図25(b)によれば、第1の焦点検出画素13pの反射部42BPによって、像600が略上下対称に分割される。この対称性は、上記マイクロレンズ40の中心が図25(c)に示すようにX軸プラス方向、あるいは図25(a)に示すようにX軸マイナス方向にずれたとしても崩れない。
図示および説明を省略するが、第1の焦点検出画素11についても、上述した第1の焦点検出画素13の場合と同様である。
<第2の焦点検出画素>
図23の例では、3つの第2の焦点検出画素14p、14s、14qが、第2の焦点検出画素14として設けられる。また、3つの第2の焦点検出画素15p、15s、15qが、第2の焦点検出画素15として設けられる。第2の焦点検出画素14p、14s、14qは、画素行402Bに配置される。第2の焦点検出画素15p、15s、15qは、画素行402Aに配置される。
一対の第2の焦点検出画素14p、15pは、列方向(Y軸方向)において複数対、配置される。一対の第2の焦点検出画素14s、15sは、列方向(Y軸方向)において複数対、配置される。一対の第2の焦点検出画素14q、15qは、列方向(Y軸方向)において複数対、配置される。第1の焦点検出画素11、13の場合と同様に、複数対の第2の焦点検出画素(14p、15p)、複数対の第2の焦点検出画素(14s、15s)、および複数対の第2の焦点検出画素(14q、15q)を、第2の焦点検出画素14、15の組と称する。
なお、複数対の第2の焦点検出画素(14p、15p)、(14s、15s)、または(14q、15q)は、対と対との間隔が一定でも、異なっていてもよい。
第2の焦点検出画素14p、14s、14qは、それぞれの遮光部44BP、44BS、44BQのY軸方向の位置および幅(すなわち、XY平面における面積)が異なる。遮光部44BP、44BS、44BQのX軸方向の位置および幅および面積の少なくとも一つが異なっていればよい。
また、第2の焦点検出画素15p、15s、15qは、それぞれの遮光部44AP、44AS、44AQのY軸方向の位置および幅(すなわち、XY平面における面積)が異なる。遮光部44AP、44AS、44AQのX軸方向の位置および幅および面積の少なくとも一つが異なっていればよい。
本例では、複数対の第2の焦点検出画素(14s、15s)を、マイクロレンズ40の中心と画素(例えば光電変換部41)の中心とが一致する(ずれがない)場合において瞳分割に用いることとする。また、複数対の第2の焦点検出画素(14p、15p)、または複数対の第2の焦点検出画素(14q、15q)を、マイクロレンズ40の中心と画素(例えば光電変換部41)の中心とが一致しない(ずれが生じた)場合において瞳分割に用いることとする。
図23の第2の焦点検出画素14qは、マイクロレンズ40の中心(線CL)が、光電変換部41の中心(線CS)に対してY軸方向にマイナスgずれている場合を例示する。すなわち、オンチップレンズ形成工程での位置合わせ誤差等によりマイクロレンズ40が光電変換部41に対してY軸方向にマイナスgずれて形成された場合に、適切に瞳分割を行うことができる第2の焦点検出画素14qを示す。第2の焦点検出画素14qの遮光部44BQのY軸方向の幅は、第2の焦点検出画素14sの遮光部42ASのY軸方向の幅より広く、かつ、後述する第2の焦点検出画素15qの遮光部44AQよりも広い。第2の焦点検出画素14qの遮光部44BQの位置は、線CSよりY軸マイナス方向へのずらし量gの位置(線CL)より上側(Y軸プラス方向)において光電変換部41の上面を覆う位置である。これにより、第2の焦点検出画素14qは、マイクロレンズ40の中心(線CL)が光電変換部41の中心(線CS)に対してY軸方向にマイナスgずれた状態で、瞳分割を適切に行う。
また、図23に例示したように、画素行402Aには第2の焦点検出画素14qと対になる第2の焦点検出画素15qが存在する。第2の焦点検出画素15qの遮光部44AQのY軸方向の幅は、第2の焦点検出画素15sの遮光部44ASの幅より狭く、かつ、第2の焦点検出画素14qの遮光部44BQよりも狭い。遮光部44AQの幅を、対をなす第2の焦点検出画素15qの遮光部44BQより狭くするのは、位相差情報を有する焦点検出光束以外の光が光電変換部41に入射するのを避けるためである。
上記に加えて、図23の第2の焦点検出画素15qの遮光部44AQのY軸方向の位置は、線CSよりY軸マイナス方向へのずらし量gの位置より下側(Y軸マイナス方向)において光電変換部41の上面を覆う位置である。これにより、マイクロレンズ40の中心と画素の中心とをX軸方向にずらす場合と同様に、瞳分割が適切に行われる。
図23の第2の焦点検出画素14pは、マイクロレンズ40の中心(線CL)が、光電変換部41の中心(線CS)に対してY軸方向にプラスgずれている場合を例示する。すなわち、オンチップレンズ形成工程での位置合わせ誤差等によりマイクロレンズ40が光電変換部41に対してY軸方向にプラスgずれて形成された場合に、適切に瞳分割を行うことができる第2の焦点検出画素14pを示す。図23に示す通り、第2の焦点検出画素14pの遮光部44BPのY軸方向の幅は、第2の焦点検出画素14sの遮光部44BSのY軸方向の幅より狭く、かつ、後述する第2の焦点検出画素15pの遮光部44APの幅より狭い。焦点検出画素14pの遮光部44BPの位置は、線CSよりY軸プラス方向へのずらし量gの位置(線CL)より上側(Y軸プラス方向)において光電変換部41の上面を覆う位置である。これにより、第2の焦点検出画素14pは、マイクロレンズ40の中心(線CL)が光電変換部41の中心(線CS)に対してY軸方向にプラスgずれた状態で、瞳分割を適切に行う。
また、図23に例示したように、画素行402Aには第2の焦点検出画素14pと対になる第2の焦点検出画素15pが存在する。第2の焦点検出画素15pの遮光部44APのY軸方向の幅は、第2の焦点検出画素15sの遮光部44ASの幅より広く、かつ、第2の焦点検出画素14pの遮光部44BPの幅より広い。
上記に加えて、第2の焦点検出画素15pの遮光部44APのY軸方向の位置は、線CSよりY軸プラス方向へのずらし量gの位置より下側(Y軸マイナス方向)において光電変換部41の上面を覆う位置である。これにより、マイクロレンズ40の中心と画素の中心とをX軸方向にずらす場合と同様に、瞳分割が適切に行われる。
以上説明したように、図23の第2の焦点検出画素14(14p、14sおよび14q)は、遮光部44AP、44AS、および44AQのY軸方向の幅と位置が異なる。同様に、第2の焦点検出画素15(15p、15sおよび15q)は、遮光部44BP、44BS、および44BQのY軸方向の幅と位置が異なる。
ボディ制御部21の焦点検出部21aは、図23の第2の焦点検出画素14、15の組の中から、マイクロレンズ40の中心と、画素(光電変換部41)の中心とのY軸方向のずれの状態に基づいて、複数対の第2の焦点検出画素14、15((14p、15p)、または(14s、15s)、または(14q、15q))を選ぶ。
上述したように、ずれの情報はカメラボディ2のボディ制御部21に記憶されている。
例えば、焦点検出部21aは、ボディ制御部21に記憶されているずれの情報に基づき、マイクロレンズ40の中心と画素(例えば光電変換部41)の中心とのY軸方向のずれ量gが所定値を超えない場合に、第2の焦点検出画素14、15の組から複数対の第2の焦点検出画素(14s、15s)を選択する。
また、焦点検出部21aは、ボディ制御部21に記憶されているずれの情報に基づき、マイクロレンズ40の中心と画素の中心とのY軸方向のずれ量gが所定値を超えてずれている場合には、ずれの方向により、第2の焦点検出画素14、15の組から複数対の第2の焦点検出画素(14q、15q)、または複数対の第2の焦点検出画素(14p、15p)を選択する。
第2の焦点検出画素14、15については、撮像光学系31の射出瞳60の像600と画素(光電変換部41)との位置関係を説明するための図示および説明を省略するが、第2の焦点検出画素14、15の遮光部によって像600が略上下対称に分割される点、この対称性が、上記マイクロレンズ40の中心がX軸プラス方向、あるいはX軸マイナス方向にずれたとしても崩れない点は、図25を参照して説明した第1の焦点検出画素11、13の場合と同様である。
なお、図23では、複数の第1の焦点検出画素11、13の一例としてそれぞれ3つの組の画素を図示したが、必ずしも3つの組でなくてもよく、例えば2つの組や5つの組であってもよい。
同様に、複数の第2の焦点検出画素14、15の一例としてそれぞれ3つの組の画素を図示したが、必ずしも3つの組でなくてもよい。
また、本実施の形態の説明において例示した図21、図23における瞳分割構造(第1の焦点検出画素11、13の場合は反射部42A、42B、第2の焦点検出画素14、15の場合は遮光部44B、44A)のずらし量gの大きさは、実際の大きさより誇張して図示している。
以上説明した第2の実施の形態によれば、次の作用効果が得られる。
(1)撮像素子22は、マイクロレンズ40と、撮像光学系31を通過した光束をマイクロレンズ40を介して受光する光電変換部41と、マイクロレンズ40を介して光電変換部41を透過した光束の一部を光電変換部41に反射する反射部42A、42Bとを有する複数の第1の焦点検出画素11、13を備える。そして、複数の第1の焦点検出画素11、13は、光電変換部41に対する反射部42A、42Bの位置が異なる第1の焦点検出画素11、13の組(例えば、複数対の第1の焦点検出画素(11p、13p)、複数対の第1の焦点検出画素(11s、13s)、および複数対の第1の焦点検出画素(11q、13q))を有する。これにより、例えば第1の焦点検出画素11、13の組から焦点検出に好適な複数対の第1の焦点検出画素11、13を選ぶことが可能な、焦点検出に適した撮像素子22を得ることができる。
(2)第1の焦点検出画素11、13の組は、反射部42A、42Bが所定の位置に配置された第1の焦点検出画素11s、13sと、反射部42A、42Bが所定の位置からX軸方向に沿って正負両方向にそれぞれずらして配置された第1の焦点検出画素11p、13pと、第1の焦点検出画素11q、13qとをそれぞれ有する。これにより、例えば、画素(光電変換部41)の中心に対するマイクロレンズ40の中心がX軸方向にずれた場合に、第1の瞳領域61(図5)を通過した焦点検出光束だけが第1の焦点検出画素13の反射部42Bで反射して光電変換部41に再入射し、第2の瞳領域62(図5)を通過した焦点検出光束だけが第1の焦点検出画素11の反射部42Aで反射して光電変換部41に再入射するように、焦点検出に好適な第1の焦点検出画素11、13を選ぶことが可能な、焦点検出に適した撮像素子22を得ることができる。
(3)第1の焦点検出画素11s、13sにおいて、反射部42AS、42BSは、例えばマイクロレンズ40の中心と画素(例えば光電変換部41)の中心とが一致する予定中心位置に対応する位置に配置される。これにより、オンチップレンズ形成工程で生じたマイクロレンズ40の中心と画素(例えば光電変換部41)の中心とのずれが、X軸方向の正負いずれの方向に生じても、焦点検出に及ぼす影響を抑えることが可能になる。
(4)第1の焦点検出画素11s、13s、第1の焦点検出画素11p、13p、第1の焦点検出画素11q、13qはそれぞれ、撮像光学系31の射出瞳60の第1および第2の瞳領域61、62を通過した第1および第2の光束のうち、光電変換部41を透過した第1の光束を反射する反射部42Bを有する第1の焦点検出画素13と、光電変換部41を透過した第2の光束を反射する反射部42Aを有する第1の焦点検出画素11とを有する。これにより、対となる第1の焦点検出画素11s、13s、対となる第1の焦点検出画素11p、13p、対となる第1の焦点検出画素11q、13qを、それぞれ撮像素子22に設けることができる。
(5)第1の焦点検出画素11s、13s、第1の焦点検出画素11p、13p、第1の焦点検出画素11q、13qはそれぞれ、撮像光学系31の射出瞳60を第1および第2の瞳領域61、62に分ける位置が異なる。これにより、瞳分割が適切に行われるように、対となる第1の焦点検出画素11、13を選ぶことが可能な、焦点検出に適した撮像素子22を得ることができる。
(6)第1の焦点検出画素11s、13s、第1の焦点検出画素11p、13p、第1の焦点検出画素11q、13qはそれぞれ、反射部42AP、42AS、42AQの幅と、反射部42BP、42BS、42BQの幅と、が等しい。これにより、位相差情報を有する焦点検出光束以外の光が反射し、光電変換部41に再入射するのを避けることができる。
(7)撮像素子22の複数の第1の焦点検出画素は、光電変換部41に対して反射部42AS、42BSが光電変換部41の中心(線CS)に対応する第1位置および第2位置にそれぞれ位置する第1の焦点検出画素11sおよび13sが配列された画素行401Sと、光電変換部41に対して反射部42AQ、42BQが光電変換部41の中心(線CS)に対してX軸方向にマイナスgずれている第3位置および第4位置にそれぞれ位置する第1の焦点検出画素11qおよび13qが配列された画素行401Qと、を少なくとも含む第1の焦点検出画素11、13の組を有する。そして、撮像光学系31の射出瞳60の第1および第2の瞳領域61、62を通過した第1および第2の光束のうち、第1の焦点検出画素13sの反射部42BSが、光電変換部41を透過した第1の光束を反射し、第1の焦点検出画素11sの反射部42ASが、光電変換部41を透過した第2の光束を反射する。さらに、撮像光学系31の射出瞳60の第1および第2の瞳領域61、62を通過した第1および第2の光束のうち、第1の焦点検出画素13qの反射部42BQが、光電変換部41を透過した第1の光束を反射し、第1の焦点検出画素11qの反射部42AQが、光電変換部41を透過した第2の光束を反射する。
これにより、第1の焦点検出画素11、13の組から焦点検出に好適な第1の焦点検出画素11、13を用いて、適切に焦点検出を行うことができる。
(8)第1の焦点検出画素11、13の組は、光電変換部41に対して反射部42AP、42BPが光電変換部41の中心(線CS)に対してX軸方向にプラスgずれている第5位置および第6位置にそれぞれ位置する第1の焦点検出画素11pおよび13pが配列された画素行401Pを更に含む。そして、撮像光学系31の射出瞳60の第1および第2の瞳領域61、62を通過した第1および第2の光束のうち、第1の焦点検出画素13pの反射部42BPが、光電変換部41を透過した第1の光束を反射し、第1の焦点検出画素11pの反射部42APが光電変換部41を透過した第2の光束を反射する。これにより、第1の焦点検出画素(11p、13p)、(11s、13s)、(11q、13q)のうちから焦点検出に好適な第1の焦点検出画素11、13を用いて、適切に焦点検出を行うことができる。
(9)上記画素行401Qおよび画素行401Pは、画素行401Sに対して第1の焦点検出画素11sおよび13sの配列方向(X軸方向)に交差する方向(Y軸方向)に並んで配置される。これにより、画素行401Qおよび画素行401Pが画素行401Sに対して離れた位置に配置される場合に比べて、第1の焦点検出画素(11p、13p)、(11s、13s)、(11q、13q)の間で誤った焦点検出が起きにくくなり、検出精度を向上させることができる。
(10)第1の焦点検出画素11s、13sは、反射部42AS、42BSが光電変換部41の中心(線CS)に対応する第1位置および第2位置に配置され、第1の焦点検出画素11qおよび13qは、反射部42AQ、42BQが光電変換部41の中心(線CS)に対してX軸方向(第1の焦点検出画素11sおよび13sの配列方向)にマイナスgずれている第3位置および第4位置に配置され、第1の焦点検出画素11pおよび13pは、反射部42AP、42BPが光電変換部41の中心(線CS)に対してX軸方向(第1の焦点検出画素11sおよび13sの配列方向)にプラスgずれている第5位置および第6位置に配置される。これにより、オンチップレンズ形成工程で生じたマイクロレンズ40の中心と画素(例えば光電変換部41)の中心とのずれが、X軸方向の正負いずれの方向に生じても、焦点検出に及ぼす影響を抑えることが可能になる。
(第2の実施の形態の変形例1)
第2の実施の形態のように、瞳分割構造(第1の焦点検出画素11、13の場合は反射部42A、42B、第2の焦点検出画素14、15の場合は遮光部44B、44A)の位置をX軸方向、Y軸方向にずらした複数の焦点検出画素を設けることは、撮像素子22のマイクロレンズ40に入射する光の方向が異なる場合にも有効である。
一般に、撮像素子22の領域22aの中央部には、撮像光学系31の射出瞳60を通過した光がほぼ垂直に入射するのに対し、上記領域22aの中央部より外側に位置する周辺部(中央部よりも像高が大きい)には、光が斜めに入射する。このため、領域22aの中央部に相当するフォーカスエリア101−2を除く、フォーカスエリア101−1とフォーカスエリア101−3〜101−11に対応する位置に設けられる焦点検出画素においては、マイクロレンズ40に対して光が斜めに入射する。
マイクロレンズ40に対して光が斜めに入射する場合、マイクロレンズ40の中心と、その後ろの光電変換部41の中心とにずれが生じていなくても、瞳分割構造(第1の焦点検出画素11、13の場合は反射部42A、42B、第2の焦点検出画素14、15の場合は遮光部44B、44A)に対する射出瞳60の像600の位置がずれることになるので、瞳分割が適切に行われなくなる場合がある。
そこで、第2の実施の形態の変形例1では、マイクロレンズ40に対して光が斜めに入射する場合でも、その状態において瞳分割が適切に行われるように、画素の中心に対して瞳分割構造(第1の焦点検出画素11、13の場合は反射部42A、42B、第2の焦点検出画素14、15の場合は遮光部44B、44A)の位置がX軸方向、Y軸方向にずらされている焦点検出画素を選ぶ。具体的には、ボディ制御部21の焦点検出部21aが、光電変換部41に対する反射部42A、42Bの位置が異なる第1の焦点検出画素11、13の組(例えば、複数対の第1の焦点検出画素(11p、13p)、複数対の第1の焦点検出画素(11s、13s)、および複数対の第1の焦点検出画素(11q、13q))から、像高に応じて第1の焦点検出画素11、13を選ぶ。また、焦点検出部21aが、光電変換部41に対する遮光部44A、44Bの位置が異なる第2の焦点検出画素14、15の組(例えば、複数対の第2の焦点検出画素(14p、15p)、複数対の第2の焦点検出画素(14s、15s)、および複数対の第2の焦点検出画素(14q、15q))から、像高に応じて第2の焦点検出画素14、15を選ぶ。
なお、図2のフォーカスエリアに対応する位置の像高は、設計情報として既知である。
1.焦点検出画素をY軸方向に配置する場合
例えば、図2のフォーカスエリア101−8に対応する位置に設けられる第1の焦点検出画素13では、撮像光学系31の射出瞳60の像600が、撮像素子22の領域22aの中央部から離れる向き(例えばXY平面において左上方向)にずれる。この場合には、図26(a)に例示するように、第1の焦点検出画素13sに比べて反射部42BPをY軸プラス方向にずらした第1の焦点検出画素13pを用いると、像600が第1の焦点検出画素13pの中心からずれた状態で、瞳分割を適切に行うことができる。図26(a)によれば、第1の焦点検出画素13pの反射部42BPによって、像600が略上下対称に分割される。
例えば、図2のフォーカスエリア101−9に対応する位置に設けられる第1の焦点検出画素13では、撮像光学系31の射出瞳60の像600が、例えばXY平面において左下方向にずれる。この場合には、図26(b)に例示するように、第1の焦点検出画素13sに比べて反射部42BQをY軸マイナス方向にずらした第1の焦点検出画素13qを用いると、像600が第1の焦点検出画素13qの中心からずれた状態で、瞳分割を適切に行うことができる。図26(b)によれば、第1の焦点検出画素13qの反射部42BQによって、像600が略上下対称に分割される。
例えば、図2のフォーカスエリア101−11に対応する位置に設けられる第1の焦点検出画素13では、撮像光学系31の射出瞳60の像600が、例えばXY平面において右下方向にずれる。この場合には、図26(c)に例示するように、第1の焦点検出画素13sに比べて反射部42BQをY軸マイナス方向にずらした第1の焦点検出画素13qを用いると、像600が第1の焦点検出画素13qの中心からずれた状態で、瞳分割を適切に行うことができる。図26(c)によれば、第1の焦点検出画素13qの反射部42BQによって、像600が略上下対称に分割される。
例えば、図2のフォーカスエリア101−10に対応する位置に設けられる第1の焦点検出画素13では、撮像光学系31の射出瞳60の像600が、例えばXY平面において右上方向にずれる。この場合には、図26(d)に例示するように、第1の焦点検出画素13sに比べて反射部42BPをY軸プラス方向にずらした第1の焦点検出画素13pを用いると、像600が第1の焦点検出画素13pの中心からずれた状態で、瞳分割を適切に行うことができる。図26(d)によれば、第1の焦点検出画素13pの反射部42BPによって、像600が略上下対称に分割される。
例えば、図2のフォーカスエリア101−1に対応する位置に設けられる第1の焦点検出画素13では、撮像光学系31の射出瞳60の像600が、例えばXY平面において上方向にずれる。この場合は、図26(e)に例示するように、第1の焦点検出画素13sに比べて反射部42BPをY軸プラス方向にずらした第1の焦点検出画素13pを用いると、像600が第1の焦点検出画素13pの中心からずれた状態で、瞳分割を適切に行うことができる。図26(e)によれば、第1の焦点検出画素13pの反射部42BPによって、像600が略上下対称に分割される。
例えば、図2のフォーカスエリア101−3に対応する位置に設けられる第1の焦点検出画素13では、撮像光学系31の射出瞳60の像600が、例えばXY平面において下方向にずれる。この場合は、図26(f)に例示するように、第1の焦点検出画素13sに比べて反射部42BQをY軸マイナス方向にずらした第1の焦点検出画素13qを用いると、像600が第1の焦点検出画素13qの中心からずれた状態で、瞳分割を適切に行うことができる。図26(f)によれば、第1の焦点検出画素13qの反射部42BQによって、像600が略上下対称に分割される。
以上の説明では、フォーカスエリア101−1、3、8〜11を例に、焦点検出画素をY軸方向、すなわち縦方向に配置する場合の第1の焦点検出画素13(13p、13q)について、図26を参照して説明した。図示および説明を省略するものの、第1の焦点検出画素11(11p、11q)についても同様である。
また、図示および説明を省略するものの、Y軸方向に配置する場合の第2の焦点検出画素14(14p、14q)、15(15p、15q)についても、第1の焦点検出画素13(13p、13q)、第1の焦点検出画素11(11p、11q)の場合と同様である。
2.焦点検出画素をX軸方向に配置する場合
例えば、図2のフォーカスエリア101−4に対応する位置に設けられる第1の焦点検出画素11では、撮像光学系31の射出瞳60の像600が、撮像素子22の領域22aの中央部から離れる向き(例えばXY平面において左方向)にずれる。この場合は、図27(a)に例示するように、第1の焦点検出画素11sに比べて反射部42AQをX軸マイナス方向にずらした第1の焦点検出画素11qを用いると、像600が第1の焦点検出画素11qの中心からずれた状態で、瞳分割を適切に行うことができる。図27(a)によれば、第1の焦点検出画素11qの反射部42AQによって、像600が略左右対称に分割される。
例えば、図2のフォーカスエリア101−7に対応する位置に設けられる第1の焦点検出画素11では、撮像光学系31の射出瞳60の像600が、例えばXY平面において右方向にずれる。この場合は、図27(b)に例示するように、第1の焦点検出画素11sに比べて反射部42APをX軸プラス方向にずらした第1の焦点検出画素11pを用いると、像600が第1の焦点検出画素11pの中心からずれた状態で、瞳分割を適切に行うことができる。図27(b)によれば、第1の焦点検出画素11pの反射部42APによって、像600が略左右対称に分割される。
例えば、図2のフォーカスエリア101−8に対応する位置に設けられる第1の焦点検出画素11では、撮像光学系31の射出瞳60の像600が、例えばXY平面において左上方向にずれる。この場合には、図27(c)に例示するように、第1の焦点検出画素11sに比べて反射部42AQをX軸マイナス方向にずらした第1の焦点検出画素11qを用いると、像600が第1の焦点検出画素11qの中心からずれた状態で、瞳分割を適切に行うことができる。図27(c)によれば、第1の焦点検出画素11qの反射部42AQによって、像600が略左右対称に分割される。
例えば、図2のフォーカスエリア101−9に対応する位置に設けられる第1の焦点検出画素11では、撮像光学系31の射出瞳60の像600が、例えばXY平面において左下方向にずれる。この場合にも、図27(d)に例示するように、第1の焦点検出画素11sに比べて反射部42AQをX軸マイナス方向にずらした第1の焦点検出画素11qを用いると、像600が第1の焦点検出画素11qの中心からずれた状態で、瞳分割を適切に行うことができる。図27(d)によれば、第1の焦点検出画素11qの反射部42AQによって、像600が略左右対称に分割される。
例えば、図2のフォーカスエリア101−10に対応する位置に設けられる第1の焦点検出画素11では、撮像光学系31の射出瞳60の像600が、例えばXY平面において右上方向にずれる。この場合にも、図27(e)に例示するように、第1の焦点検出画素11sに比べて反射部42APをX軸プラス方向にずらした第1の焦点検出画素11pを用いると、像600が第1の焦点検出画素11pの中心からずれた状態で、瞳分割を適切に行うことができる。図27(e)によれば、第1の焦点検出画素11pの反射部42APによって、像600が略左右対称に分割される。
例えば、図2のフォーカスエリア101−11に対応する位置に設けられる第1の焦点検出画素11では、撮像光学系31の射出瞳60の像600が、例えばXY平面において右下方向にずれる。この場合にも、図27(f)に例示するように、第1の焦点検出画素11sに比べて反射部42APをX軸プラス方向にずらした第1の焦点検出画素11pを用いると、像600が第1の焦点検出画素11pの中心からずれた状態で、瞳分割を適切に行うことができる。図27(f)によれば、第1の焦点検出画素11pの反射部42APによって、像600が略左右対称に分割される。
以上の説明では、フォーカスエリア101−4、7、8〜11を例に、焦点検出画素をX軸方向、すなわち横方向に配置する場合の第1の焦点検出画素11(11p、11q)について、図27を参照して説明した。図示および説明を省略するものの、第1の焦点検出画素13(13p、13q)についても同様である。
また、図示および説明を省略するものの、X軸方向に配置する第2の焦点検出画素14(14p、14q)、15(15p、15q)についても、第1の焦点検出画素11(11p、11q)、第1の焦点検出画素13(13p、13q)の場合と同様である。
以上説明した第2の実施の形態の変形例1によれば、マイクロレンズ40に対して光が斜めに入射する場合でも、その状態において瞳分割が適切に行われるように、画素の中心に対して瞳分割構造(第1の焦点検出画素11、13の場合は反射部42A、42B、第2の焦点検出画素14、15の場合は遮光部44B、44A)の位置がX軸方向、Y軸方向にずらされている焦点検出画素を選ぶことが可能になる。
すなわち、ずらし量gの有無や、ずらし方向が異なる焦点検出画素の組のうち、焦点検出に好適な焦点検出画素を用いることが可能な、焦点検出に適した撮像素子22を得ることができる。
(第2の実施の形態の変形例2)
上述したように、フォーカスエリア101−1、およびフォーカスエリア101−3〜101−11に対応する位置に設けられる焦点検出画素では、像高が大きいほど、マイクロレンズ40に対して斜めに光が入射する。そこで、画素の中心に対してX軸方向、Y軸方向にずらす瞳分割構造(第1の焦点検出画素11、13の場合は反射部42A、42B、第2の焦点検出画素14、15の場合は遮光部44B、44A)のずらし量gを、像高が高いほど大きくし、像高が低いほど小さくするように、必要に応じて増減してもよい。
1.撮像素子22の領域22aの中央部に配置する場合
領域22aの中央部は像高の高さが低い。このため、撮像素子22の領域22aの中央部に位置するフォーカスエリア101−2に対応する位置については、ずらし量gに対するスケーリングを必要としない。したがって、フォーカスエリア101−2に対応する位置に設ける第1の焦点検出画素11、13は、第2の実施の形態と同様に、例えば図21の第1の焦点検出画素11s、13sの位置を基準位置として、基準位置に対してX軸マイナス方向、X軸プラス方向にそれぞれ瞳分割構造(反射部42A、42B)の位置をずらした複数の第1の焦点検出画素を設けておく。
また、フォーカスエリア101−2に対応する位置に設ける第2の焦点検出画素14、15も、第2の実施の形態と同様に、例えば図21の第2の焦点検出画素14s、15sの位置を基準位置として、基準位置に対してX軸マイナス方向、X軸プラス方向にそれぞれ瞳分割構造(遮光部44B、44A)の位置をずらした複数の第2の焦点検出画素を設けておく。
2.撮像素子22の領域22aの中央部より外側に位置する周辺部(中央部よりも像高が大きい)に配置する場合
(2−1)焦点検出画素をX軸方向に配置する場合
領域22aの周辺部は、中央部から遠いほど像高の高さが高い。焦点検出画素をX軸方向に配置する場合は、像高のX軸成分が高いほど、マイクロレンズ40に対して斜めに光が入射する影響を受けやすくなる。しかしながら、図2のフォーカスエリア101−1、101−3に対応する位置は、領域22aの中央部と比べて像高のX軸成分は変わらない。このため、フォーカスエリア101−1、101−3に対応する位置について、X軸方向のずらし量gに対するスケーリングを必要としない。
また、焦点検出画素をX軸方向に配置する場合は、像高のY軸成分が高くなっても、マイクロレンズ40に対して斜めに光が入射する影響を受けにくく、図24(b)、図24(h)に例示したように瞳分割を適切に行うことができる。このため、フォーカスエリア101−1、101−3に対応する位置について、Y軸方向のずらし量gに対するスケーリングも必要でない。
したがって、フォーカスエリア101−1、101−3に対応する位置に設ける第1の焦点検出画素11、13は、第2の実施の形態と同様に、例えば図21の第1の焦点検出画素11s、13sの位置を基準位置として、基準位置に対してX軸マイナス方向、X軸プラス方向にそれぞれ瞳分割構造(反射部42A、42B)の位置をずらした複数の第1の焦点検出画素を設けておく。
同様に、フォーカスエリア101−1、101−3に対応する位置に設ける第2の焦点検出画素14、15は、第2の実施の形態と同様に、例えば図21の第2の焦点検出画素14s、15sの位置を基準位置として、基準位置に対してX軸マイナス方向、X軸プラス方向にそれぞれ瞳分割構造(遮光部44B、44A)の位置をずらした複数の第2の焦点検出画素を設けておく。
(2−2)焦点検出画素をY軸方向に配置する場合
領域22aの周辺部は、中央部から遠いほど像高の高さが高い。焦点検出画素をY軸方向に配置する場合は、像高のY軸成分が高いほど、マイクロレンズ40に対して斜めに光が入射する影響を受けやすくなる。そこで、図2のフォーカスエリア101−8、101−10に対応する位置は、領域22aの中央部と比べて像高のY軸成分が高いので、フォーカスエリア101−8、101−10に対応する位置について、Y軸方向のずらし量gに対するスケーリングを行う。
一方、焦点検出画素をY軸方向に配置する場合は、像高のX軸成分が高くなっても、マイクロレンズ40に対して斜めに光が入射する影響を受けにくく、図25(a)、図25(c)に例示したように瞳分割を適切に行うことができる。このため、フォーカスエリア101−8、101−10に対応する位置について、X軸方向のずらし量gに対するスケーリングを必要としない。
したがって、フォーカスエリア101−8、101−10に対応する位置に設ける第1の焦点検出画素11、13は、任意のずらし量のある瞳分割構造(反射部42A、42B)の位置を基準位置として、基準位置に対してY軸マイナス方向、Y軸プラス方向にそれぞれ瞳分割構造(反射部42A、42B)の位置をずらした複数の第1の焦点検出画素を設けておく。
同様に、フォーカスエリア101−8、101−10に対応する位置に設ける第2の焦点検出画素14、15は、任意のずらし量のある瞳分割構造(遮光部44B、44A)の位置を基準位置として、基準位置に対してY軸マイナス方向、Y軸プラス方向にそれぞれ瞳分割構造(遮光部44B、44A)の位置をずらした複数の第2の焦点検出画素を設けておく。
図2のフォーカスエリア101−9、101−11に対応する位置は、領域22aの中央部と比べて像高のY軸成分は高いので、フォーカスエリア101−9、101−11に対応する位置について、Y軸方向のずらし量gに対するスケーリングを行う。
上述したように、焦点検出画素をY軸方向に配置する場合は、像高のX軸成分が高くなっても、マイクロレンズ40に対して斜めに光が入射する影響を受けにくく、図25(g)、図25(i)に例示したように瞳分割を適切に行うことができる。このため、フォーカスエリア101−9、101−11に対応する位置について、X軸方向のずらし量gに対するスケーリングを必要としない。
したがって、フォーカスエリア101−9、101−11に対応する位置に設ける第1の焦点検出画素11、13は、任意のずらし量のある瞳分割構造(反射部42A、42B)の位置を基準位置として、基準位置に対してY軸マイナス方向、Y軸プラス方向にそれぞれ瞳分割構造(反射部42A、42B)の位置をずらした複数の第1の焦点検出画素を設けておく。
同様に、フォーカスエリア101−9、101−11に対応する位置に設ける第2の焦点検出画素14、15は、任意のずらし量のある瞳分割構造(遮光部44B、44A)の位置を基準位置として、基準位置に対してY軸マイナス方向、Y軸プラス方向にそれぞれ瞳分割構造(遮光部44B、44A)の位置をずらした複数の第2の焦点検出画素を設けておく。
図2のフォーカスエリア101−4〜101−7に対応する位置は、領域22aの中央部と比べて像高のY軸成分は変わらない。このため、フォーカスエリア101−4〜101−7に対応する位置について、Y軸方向のずらし量gに対するスケーリングを必要としない。
また、焦点検出画素をY軸方向に配置する場合は、像高のX軸成分が高くなっても、マイクロレンズ40に対して斜めに光が入射する影響を受けにくく、図25(d)、図25(f)に例示したように瞳分割を適切に行うことができる。このため、フォーカスエリア101−4〜101−7に対応する位置について、X軸方向のずらし量gに対するスケーリングも必要でない。
したがって、フォーカスエリア101−4〜101−7に対応する位置に設ける第1の焦点検出画素11、13は、第2の実施の形態と同様に、例えば図23の第1の焦点検出画素11s、13sの位置を基準位置として、基準位置に対してY軸マイナス方向、Y軸プラス方向にそれぞれ瞳分割構造(反射部42A、42B)の位置をずらした複数の第1の焦点検出画素を設けておく。
同様に、フォーカスエリア101−4〜101−7に対応する位置に設ける第2の焦点検出画素14、15は、第2の実施の形態と同様に、例えば図23の第2の焦点検出画素14s、15sの位置を基準位置として、基準位置に対してY軸マイナス方向、Y軸プラス方向にそれぞれ瞳分割構造(遮光部44B、44A)の位置をずらした複数の第2の焦点検出画素を設けておく。
以上説明した第2の実施の形態の変形例2によれば、以下の作用効果を得ることができる。
(1)撮像素子22は、撮像光学系31を通過した光束が入射する撮像領域の中央より像高が大きな領域(フォーカスエリアに対応する位置)に、第1の焦点検出画素11s、13s、第1の焦点検出画素11p、13p、第1の焦点検出画素11q、13qが配置され、かつ、撮像光学系31の射出瞳60の第1および第2の瞳領域61、62がX軸方向に並ぶ場合、像高のX軸方向成分の大きさにより、第1の焦点検出画素11s、13sの反射部42AS、42BSの上記所定の位置を異ならせる。これにより、マイクロレンズ40に対して光が斜めに入射する場合でも、その状態において瞳分割が適切に行われるように、画素(例えば光電変換部41)の中心に対して瞳分割構造(反射部42A、42B)の位置がX軸方向にずらされている第1の焦点検出画素11、13を選ぶことが可能な、焦点検出に適した撮像素子22を得ることができる。
(2)撮像光学系31を通過した光束が入射する撮像領域の中央より像高が大きな領域(フォーカスエリアに対応する位置)に、第1の焦点検出画素11s、13s、第1の焦点検出画素11p、13p、第1の焦点検出画素11q、13qが配置され、かつ、撮像光学系31の射出瞳60の第1および第2の瞳領域61、62がY軸方向に並ぶ場合、像高のY軸方向成分の大きさにより、第1の焦点検出画素11s、13s、の反射部42AS、42BSの上記所定の位置を異ならせる。これにより、Y軸方向についてもX軸方向の場合と同様に、画素の中心に対して瞳分割構造(反射部42A、42B)の位置がY軸方向にずらされた第1の焦点検出画素11、13を選ぶことが可能な、焦点検出に適した撮像素子22を得ることができる。
(3)カメラ1の焦点検出装置は、撮像素子22と、マイクロレンズ40と光電変換部41との位置ずれの情報に基づき、複数の第1の焦点検出画素11sと13s、第1の焦点検出画素11pと13p、第1の焦点検出画素11q、と13qの組からいずれかの組の焦点検出画素を選択する画像生成部21bと、画像生成部21bにより選択した焦点検出画素の焦点検出信号に基づき撮像光学系31の焦点検出を行う画像生成部21と、を備える。これにより、瞳分割が適切に行われる第1の焦点検出画素11、13からの焦点検出の信号に基づき、適切に焦点検出を行うことができる。
(4)カメラ1の焦点検出装置の画像生成部21bは、像高に基づき、上記選択を行うようにしたので、マイクロレンズ40に対して光が斜めに入射する角度が像高によって異なる場合でも、その状態において瞳分割が適切に行われるように、画素の中心に対して瞳分割構造(反射部42A、42B)の位置がX軸方向、Y軸方向にずらされている第1の焦点検出画素11、13を選ぶことが可能になる。よって、適切に焦点検出を行うことができる。
(第2の実施の形態の変形例3)
第2の実施の形態のように、瞳分割構造(第1の焦点検出画素11、13の場合は反射部42A、42B、第2の焦点検出画素14、15の場合は遮光部44B、44A)の位置をX軸方向、Y軸方向にずらした複数の焦点検出画素を設けることは、異なる種類の交換レンズ3を用いる場合にも好適である。
例えば、交換レンズ3として広角レンズを用いる場合、広角レンズは標準レンズの場合に比べて撮像素子22から見て射出瞳60の位置が近い。第2の実施の形態の変形例1で述べたように、撮像素子22の領域22aの中央部より外側に位置する周辺部(中央部よりも像高が大きい)には、撮像光学系31の射出瞳60を通過した光が斜めに入射する。射出瞳60の位置が近い広角レンズでは、標準レンズの場合に比べて、より顕著となる。
上記の理由により、撮像素子22の領域22aの周辺部では、マイクロレンズ40の中心と、その後ろの光電変換部41の中心とにずれが生じていなくても、瞳分割構造(第1の焦点検出画素11、13の場合は反射部42A、42B、第2の焦点検出画素14、15の場合は遮光部44B、44A)に対する射出瞳60の像600の位置が、撮像光学系31の射出瞳60の位置が近いか遠いかによって異なることになるので、瞳分割が適切に行われなくなる場合がある。
そこで、第2の実施の形態の変形例3では、マイクロレンズ40に対して光が斜めに入射する場合でも、その状態において瞳分割が適切に行われるように、画素の中心に対して瞳分割構造(第1の焦点検出画素11、13の場合は反射部42A、42B、第2の焦点検出画素14、15の場合は遮光部44B、44A)の位置がX軸方向、Y軸方向にずらされている焦点検出画素を選ぶ。
具体的には、ボディ制御部21の焦点検出部21aが、例えば図21、図23のような第1の焦点検出画素11、13の組(例えば、複数対の第1の焦点検出画素(11p、13p)、複数対の第1の焦点検出画素(11s、13s)、および複数対の第1の焦点検出画素(11q、13q))から、撮像光学系31の射出瞳60の位置に関する情報に基づき、第1の焦点検出画素11、13を選ぶ。また、図21、図23のような第2の焦点検出画素14、15の組(例えば、複数対の第2の焦点検出画素(14p、15p)、複数対の第2の焦点検出画素(14s、15s)、および複数対の第1の焦点検出画素(14q、15q))から、撮像光学系31の射出瞳60の位置に関する情報に基づき、第2の焦点検出画素14、15を選ぶ。
射出瞳60の位置に関する情報は、上述したように交換レンズ3のレンズメモリ33に記録されている。ボディ制御部21の焦点検出部21aは、交換レンズ3から送信された射出瞳60の位置に関する情報を用いて、上述した第1の焦点検出画素11、13、および第2の焦点検出画素14、15を選ぶ。
以上説明した第2の実施の形態の変形例3によれば、以下の作用効果を得ることができる。すなわち、カメラ1の焦点検出装置の画像生成部21bは、撮像素子22に対する撮像光学系31の射出瞳60の位置に基づき、複数の第1の焦点検出画素11、13の組(例えば、複数対の第1の焦点検出画素(11p、13p)、複数対の第1の焦点検出画素(11s、13s)、および複数対の第1の焦点検出画素(11q、13q))から光電変換部41と反射部42A、42Bとが所定の位置関係にある第1の焦点検出画素11、13を選択するようにした。これにより、マイクロレンズ40に対して光が斜めに入射する角度が射出瞳60の位置によって異なる場合でも、その状態において瞳分割が適切に行われるように、画素の中心に対して瞳分割構造(反射部42A、42B)の位置がX軸方向、Y軸方向にずらされている第1の焦点検出画素11、13を選ぶことが可能になる。よって、適切に焦点検出を行うことができる。
(第2の実施の形態の変形例4)
第1の焦点検出画素11p、11s、11q(13p、13s、13q)がそれぞれ有する反射部42APと42BP、反射部42ASと42BS、反射部42AQと42BQとについて、X軸方向、Y軸方向の幅(すなわち、XY平面における面積)を、以下のように定めてもよい。
<X軸方向にずらす場合>
例えば、第1の焦点検出画素13qの反射部42BQの場合を説明する。第2の実施の形態の変形例4において、図21とは異なり、第1の焦点検出画素13qの反射部42BQのX軸方向の幅を、対となる第1の焦点検出画素11qの反射部42AQの幅より広くする。反射部42BQの位置は、線CSよりX軸マイナス方向へのずらし量gの位置より右側(X軸プラス方向)において光電変換部41の下面を覆う位置である。
反射部42BQの幅(すなわち、XY平面における面積)を、対をなす第1の焦点検出画素11qの反射部42AQの幅より広くするのは、線CSよりX軸マイナス方向へのずらし量gの位置より右側(X軸プラス方向)において光電変換部41を透過した光を光電変換部41に再入射するためである。
同様に、第1の焦点検出画素11pの反射部42APの場合を説明する。第2の実施の形態の変形例4において、図21とは異なり、第1の焦点検出画素11pの反射部42APのX軸方向の幅を、対となる第1の焦点検出画素13pの反射部42BPの幅より広くする。反射部42APの位置は、線CSよりX軸プラス方向へのずらし量gの位置より左側(X軸マイナス方向)において光電変換部41の下面を覆う位置である。
反射部42APの幅(すなわち、XY平面における面積)を、対をなす第1の焦点検出画素13pの反射部42BPの幅より広くするのは、線CSよりX軸プラス方向へのずらし量gの位置より左側(X軸マイナス方向)において光電変換部41を透過した光を光電変換部41に再入射するためである。
<Y軸方向にずらす場合>
例えば、第1の焦点検出画素13qの反射部42BQの場合を説明する。第2の実施の形態の変形例4において、図23とは異なり、第1の焦点検出画素13qの反射部42BQのY軸方向の幅を、対となる第1の焦点検出画素11qの反射部42AQの幅より広くする。反射部42BQの位置は、線CSよりY軸マイナス方向へのずらし量gの位置より上側(Y軸プラス方向)において光電変換部41の下面を覆う位置である。
反射部42BQの幅(すなわち、XY平面における面積)を、対をなす第1の焦点検出画素11qの反射部42AQの幅より広くするのは、線CSよりY軸マイナス方向へのずらし量gの位置より上側(Y軸プラス方向)において光電変換部41を透過した光を光電変換部41に再入射するためである。
同様に、第1の焦点検出画素11pの反射部42APの場合を説明する。第2の実施の形態の変形例4において、図23とは異なり、第1の焦点検出画素11pの反射部42APのY軸方向の幅を、対となる第1の焦点検出画素13pの反射部42BPの幅より広くする。反射部42APの位置は、線CSよりY軸プラス方向へのずらし量gの位置より下側(Y軸マイナス方向)において光電変換部41の下面を覆う位置である。
反射部42APの幅(すなわち、XY平面における面積)を、対をなす第1の焦点検出画素13pの反射部42BPの幅より広くするのは、線CSよりY軸プラス方向へのずらし量gの位置より下側(Y軸マイナス方向)において光電変換部41を透過した光を光電変換部41に再入射するためである。
以上の説明では、撮像素子22において、反射タイプの瞳分割構造を有する第1の焦点検出画素11(13)を撮像画素12のR画素に置換して配置し、遮光タイプの瞳分割構造を有する第2の焦点検出画素14(15)を撮像画素12のB画素に置換して配置する例や、反射タイプの瞳分割構造を有する第1の焦点検出画素11(13)を撮像画素12のG画素に置換して配置し、遮光タイプの瞳分割構造を有する第2の焦点検出画素14(15)を撮像画素12のB画素に置換して配置する例などを説明した。第1の焦点検出画素11(13)、および、第2の焦点検出画素14(15)を、撮像画素12におけるR,G,Bのうちどの色の画素に置換して配置するかについては、適宜変更して構わない。
例えば、反射タイプの瞳分割構造を有する第1の焦点検出画素11(13)を撮像画素12のR画素に置換して配置し、遮光タイプの瞳分割構造を有する第2の焦点検出画素14(15)を撮像画素12のB画素とG画素の両方に置換して配置してもよい。また、反射タイプの瞳分割構造を有する第1の焦点検出画素11(13)を撮像画素12のR画素とG画素の両方に置換して配置し、遮光タイプの瞳分割構造を有する第2の焦点検出画素14(15)を撮像画素12のB画素に置換して配置してもよく、例示した以外の配置でもよい。
また、以上の説明では、撮像素子22において、撮像画素12とともに、反射タイプの瞳分割構造を有する第1の焦点検出画素11(13)と、遮光タイプの瞳分割構造を有する第2の焦点検出画素14(15)とを備える場合を例示した。この代わりに、撮像素子22に第2の焦点検出画素14(15)を含めずに、撮像画素12と、反射タイプの瞳分割構造を有する第1の焦点検出画素11(13)とを備える撮像素子22として構成してもよい。この場合において、第1の焦点検出画素11(13)を、撮像画素12におけるR,G,Bのうちどの色の画素に置換して配置するかについては、適宜変更して構わない。
例えば、反射タイプの瞳分割構造を有する第1の焦点検出画素11(13)を撮像画素12のR画素とG画素に置換して配置し、B画素については位相差検出に用いない構成にしてもよい。この場合、B画素は撮像画素12で構成される。また、反射タイプの瞳分割構造を有する第1の焦点検出画素11(13)を撮像画素12のR画素に置換して配置し、B画素とG画素については位相差検出に用いない構成にしてもよい。この場合、B画素とG画素とは撮像画素12で構成される。さらにまた、反射タイプの瞳分割構造を有する第1の焦点検出画素11(13)を撮像画素12のG画素に置換して配置し、B画素とR画素については位相差検出に用いない構成にしてもよい。この場合、B画素とR画素とは撮像画素12で構成される。なお、例示した以外の配置でもよい。
上述した第2の実施形態および第2の実施の形態の変形例には、次のような撮像素子、焦点検出装置を含む。
(1)入射した光を光電変換して電荷を生成する光電変換部41と、上記光電変換部41を透過した光を上記光電変換部41へ反射する反射部42A(42B)と、上記光電変換部41で生成された電荷を出力する出力部106と、を有する複数の画素11p、11s、11q(13p、13s、13q)を備え、上記複数の画素11p、11s、11q(13p、13s、13q)がそれぞれ有する反射部42AP、42AS、42AQ(42BP、42BS、42BQ)の位置は異なる撮像素子。
(2)(1)のような撮像素子において、上記複数の画素11p、11s、11q(13p、13s、13q)がそれぞれ有する反射部42AP、42AS、42AQ(42BP、42BS、42BQ)は、上記光電変換部41に対する位置が異なる。
(3)(2)のような撮像素子において、上記複数の画素11p、11s、11q(13p、13s、13q)がそれぞれ有する反射部42AP、42AS、42AQ(42BP、42BS、42BQ)は、光が入射する方向と交差する面(例えばXY平面)において上記光電変換部41に対する位置が異なる。
(4)(2)または(3)のような撮像素子において、上記複数の画素11p、11s、11q(13p、13s、13q)がそれぞれ有する反射部42AP、42AS、42AQ(42BP、42BS、42BQ)の上記光電変換部41に対する位置は、撮像素子上の位置(例えば撮像面の中央からの距離(像高))によって異なる。
(5)(1)のような撮像素子において、上記複数の画素11p、11s、11q(13p、13s、13q)はそれぞれマイクロレンズ40を有し、上記複数の画素11p、11s、11q(13p、13s、13q)がそれぞれ有する反射部42AP、42AS、42AQ(42BP、42BS、42BQ)は、上記マイクロレンズ40の光軸(線CL)に対する位置が異なる。
(6)(5)のような撮像素子において、上記複数の画素がそれぞれ有する反射部は、上記マイクロレンズの光軸に対して斜めに入射した光を上記光電変換部へ反射する位置に設けられる。
(7)(5)または(6)のような撮像素子において、上記複数の画素11p、11s、11q(13p、13s、13q)がそれぞれ有する反射部42AP、42AS、42AQ(42BP、42BS、42BQ)は、光が入射する方向と交差する面(例えばXY平面)において上記マイクロレンズ40の光軸(線CL)に対する位置が異なる。
(8)(5)から(7)までのような撮像素子において、上記複数の画素11p、11s、11q(13p、13s、13q)がそれぞれ有する反射部42AP、42AS、42AQ(42BP、42BS、42BQ)の上記マイクロレンズ40の光軸(線CL)に対する位置は、上記撮像素子上の位置(例えば撮像面の中央からの距離(像高))によって異なる。
(9)(1)のような撮像素子において、上記複数の画素11p、11s、11q(13p、13s、13q)はそれぞれマイクロレンズ40を有し、上記複数の画素11p、11s、11q(13p、13s、13q)がそれぞれ有する反射部42AP、42AS、42AQ(42BP、42BS、42BQ)は、上記マイクロレンズ40の光軸(線CL)からの距離が互いに異なる。
(10)(9)のような撮像素子において、上記複数の画素11p、11s、11q(13p、13s、13q)がそれぞれ有する反射部42AP、42AS、42AQ(42BP、42BS、42BQ)は、光が入射する方向と交差する面(例えばXY平面)において上記マイクロレンズ40の光軸(線CL)からの距離が異なる。
(11)(9)または(10)のような撮像素子において、上記複数の画素11p、11s、11q(13p、13s、13q)がそれぞれ有する反射部42AP、42AS、42AQ(42BP、42BS、42BQ)の上記マイクロレンズ40の光軸(線CL)からの距離は、上記撮像素子上の位置(例えば撮像面の中央からの距離(像高))によって異なる。
(12)(1)から(11)までのいずれかの撮像素子において、上記複数の画素11p、11s、11q(13p、13s、13q)がそれぞれ有する反射部42AP、42AS、42AQ(42BP、42BS、42BQ)の面積は同じである。
(13)(1)から(12)までのいずれかの撮像素子において、上記複数の画素11p、11s、11q(13p、13s、13q)がそれぞれ有する反射部42AP、42AS、42AQ(42BP、42BS、42BQ)の面積は異なる。
(14)(1)から(13)までのいずれかの撮像素子において、上記複数の画素11p、11s、11q(13p、13s、13q)がそれぞれ有する出力部106は、上記光電変換部41を透過した光が上記反射部42AP、42AS、42AQ(42BP、42BS、42BQ)へ入射する光路外に設けられる。これにより、上記複数の画素11p、11s、11q(13p、13s、13q)で生成される電荷の量のバランスを保ち、精度よく瞳分割型の位相差検出を行うことができる。
(15)(1)から(14)までのいずれかの撮像素子において、上記光電変換部41で生成された電荷を蓄積するFD領域47を備え、上記出力部106は、上記FD領域47に電荷を転送する転送トランジスタを含む。これにより、転送トランジスタが入射光の光路の外に配置されるので、上記複数の画素11p、11s、11q(13p、13s、13q)で生成される電荷の量のバランスが保たれる。これにより、精度よく瞳分割型の位相差検出を行うことができる。
(16)(15)のような撮像素子において、上記出力部106は、上記転送トランジスタの電極48を含む。これにより、転送トランジスタのゲート電極が入射光の光路の外に配置されるので、上記複数の画素11p、11s、11q(13p、13s、13q)で生成される電荷の量のバランスが保たれる。これにより、精度よく瞳分割型の位相差検出を行うことができる。
(17)(1)から(14)までのいずれかの撮像素子において、上記出力部106は、上記光電変換部41で生成された電荷を排出する排出部として機能する。すなわち、上記出力部106は、生成された電荷を排出するリセットトランジスタを含んでもよい。これにより、リセットトランジスタが入射光の光路の外に配置されるので、上記複数の画素11p、11s、11q(13p、13s、13q)で生成される電荷の量のバランスが保たれる。これにより、精度よく瞳分割型の位相差検出を行うことができる。
(18)(1)から(14)までのいずれかの撮像素子において、上記光電変換部41で生成された電荷を蓄積するFD領域47を備え、上記出力部106は、上記FD領域47の電圧に基づく信号を出力する。すなわち、上記出力部106は、増幅トランジスタや選択トランジスタを含んでもよい。これにより、増幅トランジスタ、選択トランジスタが入射光の光路の外に配置されるので、上記複数の画素11p、11s、11q(13p、13s、13q)で生成される電荷の量のバランスが保たれる。これにより、精度よく瞳分割型の位相差検出を行うことができる。
(19)入射した光を光電変換して電荷を生成する光電変換部と、上記光電変換部を透過した光を上記光電変換部へ反射する反射部と、上記光電変換部を透過した光が上記反射部へ入射する光路外に設けられ、上記光電変換部で生成された電荷を出力する出力部と、を有する複数の画素を備える撮像素子。
(20)(1)から(19)までのいずれかの撮像素子と、上記出力部106から出力される電荷に基づく信号から撮像光学系31の合焦位置を調節するレンズ制御部32と、を備える焦点調節装置。
(21)第1マイクロレンズ40を透過した光を光電変換して電荷を生成する第1光電変換部41と、上記第1マイクロレンズ40の光軸(線CL)から光軸と交差する方向に第1距離に設けられ、上記第1光電変換部41を透過した光を上記第1光電変換部41へ反射する第1反射部42Aと、上記第1光電変換部41で生成された電荷を出力する第1出力部106と、を有する第1画素11と、第2マイクロレンズ40を透過した光を光電変換して電荷を生成する第2光電変換部41と、上記第2マイクロレンズ40の光軸から光軸と交差する方向に上記第1距離とは異なる第2距離に設けられ、上記第2光電変換部41を透過した光を上記第2光電変換部41へ反射する第2反射部42Bと、上記第2光電変換部41で生成された電荷を出力する第2出力部106と、を有する第2画素13と、を備える撮像素子。
(22)(21)のような撮像素子において、上記第1反射部42Aは、光が入射する方向と交差する面(例えばXY平面)において上記第1マイクロレンズ40の光軸(線CL)から上記第1距離に設けられ、上記第2反射部42Bは、光が入射する方向と交差する面(例えばXY平面)において上記第2マイクロレンズ40の光軸(線CL)から上記第2距離に設けられる。
(23)(21)または(22)のような撮像素子において、上記第1反射部42Aの中心は、上記第1マイクロレンズ40の光軸(線CL)から上記第1距離に設けられ、上記第2反射部42Bの中心は、上記第2マイクロレンズ40の光軸(線CL)から上記第2距離に設けられる。
(24)(21)から(23)までの撮像素子において、上記第1反射部は、上記第1マイクロレンズの光軸に対して第1角度で入射した光を上記第1光電変換部へ反射する位置に設けられ、上記第2反射部は、上記第2マイクロレンズの光軸に対して上記第1角度とは異なる第2角度で入射した光を上記第2光電変換部へ反射する位置に設けられる。
(25)入射した光を光電変換して電荷を生成する第1光電変換部41と、上記第1光電変換部41の中心から第1距離で設けられ、上記第1光電変換部41を透過した光を上記第1光電変換部41へ反射する第1反射部42Aと、上記第1光電変換部41で生成された電荷を出力する第1出力部106と、を有する第1画素11と、入射した光を光電変換して電荷を生成する第2光電変換部41と、上記第2光電変換部41の中心から上記第1距離とは異なる第2距離で設けられ、上記第2光電変換部41を透過した光を上記第2光電変換部41へ反射する第2反射部42Bと、上記第2光電変換部41で生成された電荷を出力する第2出力部106と、を有する第2画素13と、を備える撮像素子。
(26)(25)のような撮像素子において、上記第1反射部42Aは、光が入射する方向と交差する面(例えばXY平面)において上記第1光電変換部41の中心から上記第1距離に設けられ、上記第2反射部42Bは、光が入射する方向と交差する面(例えばXY平面)において上記第2光電変換部41の中心から上記第2距離に設けられる。
(27)(25)または(26)のような撮像素子において、上記第1反射部42Aの中心は、上記第1光電変換部41の中心から上記第1距離に設けられ、上記第2反射部42Bの中心は、上記第2光電変換部41の中心から上記第2距離に設けられる。
(28)(22)から(27)までのいずれかの撮像素子において、上記第1距離および上記第2距離は、上記撮像素子上の位置(例えば撮像面の中央からの距離(像高))によって異なる。
(29)(22)から(28)までのいずれかの撮像素子において、上記撮像素子の中央の第1画素11の上記第1距離と上記第2画素13の上記第2距離との差は、上記撮像素子の端の第1画素11の上記第1距離と上記第2画素13の上記第2距離との差よりも小さい。
(30)(22)から(29)までのいずれかの撮像素子において、上記第1出力部106は、上記第1光電変換部41を透過した光が上記第1反射部42Aへ入射する光路外に設けられ、上記第2出力部は、上記第2光電変換部を透過した光が上記第2反射部42Bへ入射する光路外に設けられる。これにより、第1画素11および第2画素13で生成される電荷の量のバランスを保ち、精度よく瞳分割型の位相差検出を行うことができる。
(31)(22)から(30)までのいずれかの撮像素子において、上記第1反射部42Aは、上記光が入射する方向と交差する面(例えばXY平面)において、上記第1光電変換部41の中心を通る線と平行な線で分割された領域のうち第1方向側の領域に設けられ、上記第1出力部106は、上記光が入射する方向と交差する面(例えばXY平面)において、上記第1光電変換部41の中心を通る線と平行な線で分割された領域のうち上記第1方向側の領域に設けられ、上記第2反射部42Bは、上記光が入射する方向と交差する面(例えばXY平面)において、上記第2光電変換部41の中心を通る線と平行な線で分割された領域のうち第2方向側の領域に設けられ、上記第2出力部106は、上記光が入射する方向と交差する面(例えばXY平面)において、上記第2光電変換部41の中心を通る線と平行な線で分割された領域のうち上記第2方向側の領域に設けられる。第1画素11および第2画素13は、出力部106と反射部42A(42B)を同じ方向側の領域に設けた(すなわち、いずれも出力部106を光路内に設けた)ので、第1画素11および第2画素13で生成される電荷の量のバランスが保たれる。これにより、精度よく瞳分割型の位相差検出を行うことができる。
(32)(22)から(30)までのいずれかの撮像素子において、上記第1反射部42Aは、上記光が入射する方向と交差する面(例えばXY平面)において、上記第1光電変換部41の中心を通る線と平行な線で分割された領域のうち第1方向側の領域に設けられ、上記第1出力部106は、上記光が入射する方向と交差する面(例えばXY平面)において、上記第1光電変換部41の中心を通る線と平行な線で分割された領域のうち上記第1方向と逆方向側の領域に設けられ、上記第2反射部42Bは、上記光が入射する方向と交差する面(例えばXY平面)において、上記第2光電変換部41の中心を通る線と平行な線で分割された領域のうち第2方向側の領域に設けられ、上記第2出力部106は、上記光が入射する方向と交差する面(例えばXY平面)において、上記第2光電変換部41の中心を通る線と平行な線で分割された領域のうち上記第1方向側の領域に設けられる。第1画素11および第2画素13は、反射部42Aと出力部106、反射部42Bと出力部106を反対側の領域に設けた(すなわち、いずれも出力部106を光路外に設けた)ので、第1画素11および第2画素13で生成される電荷の量のバランスが保たれる。これにより、精度よく瞳分割型の位相差検出を行うことができる。
(33)(22)から(32)までのいずれかの撮像素子において、上記第1画素11は、上記第1光電変換部41で生成された電荷を蓄積する第1蓄積部(FD領域47)を有し、上記第2画素13は、上記第2光電変換部41で生成された電荷を蓄積する第2蓄積部(FD領域47)を有し、上記第1出力部106は、上記第1蓄積部(FD領域47)に電荷を転送する第1転送部(転送トランジスタ)を含み、上記第2出力部106は、上記第2蓄積部(FD領域47)に電荷を転送する第2転送部(転送トランジスタ)を含む。これにより、転送トランジスタを入射光の光路の中に配置する場合、転送トランジスタを入射光の光路の外に配置する場合のいずれの場合も、第1画素11および第2画素13で生成される電荷の量のバランスが保たれる。これにより、精度よく瞳分割型の位相差検出を行うことができる。
(34)(33)のような撮像素子において、上記第1出力部106は、上記第1転送部の電極48を含み、上記第2出力部106は、上記第2転送部の電極48を含む。これにより、転送トランジスタのゲート電極を入射光の光路の中に配置する場合、転送トランジスタのゲート電極を入射光の光路の外に配置する場合のいずれの場合も、第1画素11および第2画素13で生成される電荷の量のバランスが保たれる。これにより、精度よく瞳分割型の位相差検出を行うことができる。
(35)(22)から(32)までのいずれかの撮像素子において、上記第1出力部106は、上記第1光電変換部41で生成された電荷を排出する排出部として機能し、上記第2出力部106は、上記第2光電変換部41で生成された電荷を排出する排出部として機能する。すなわち、上記第1および第2出力部106は、生成された電荷を排出するリセットトランジスタを含んでもよい。これにより、リセットトランジスタを入射光の光路の中に配置する場合、リセットトランジスタを入射光の光路の外に配置する場合のいずれの場合も、第1画素11および第2画素13で生成される電荷の量のバランスが保たれる。これにより、精度よく瞳分割型の位相差検出を行うことができる。
(36)(22)から(32)までのいずれかの撮像素子において、上記第1画素11は、上記第1光電変換部41で生成された電荷を蓄積する第1蓄積部(FD領域47)を有し、上記第2画素13は、上記第2光電変換部41で生成された電荷を蓄積する第2蓄積部(FD領域47)を有し、上記第1出力部106は、上記第1蓄積部(FD領域47)の電圧に基づく信号を出力し、上記第2出力部106は、上記第2蓄積部(FD領域47)の電圧に基づく信号を出力する。すなわち、上記第1および第2出力部106は、増幅トランジスタや選択トランジスタを含んでもよい。これにより、増幅トランジスタ、選択トランジスタを入射光の光路の中に配置する場合、増幅トランジスタ、選択トランジスタを入射光の光路の外に配置する場合のいずれの場合も、第1画素11および第2画素13で生成される電荷の量のバランスが保たれる。これにより、精度よく瞳分割型の位相差検出を行うことができる。
(37)(22)から(36)までのいずれかの撮像素子において、上記第1反射部42Aの面積と上記第2反射部42Bの面積とは同じである。
(38)(22)から(36)までのいずれかの撮像素子において、上記第1反射部42Aの面積と上記第2反射部42Bの面積とは異なる。
(39)第1マイクロレンズを透過した光を光電変換して電荷を生成する第1光電変換部と、上記第1光電変換部を透過した光を上記第1光電変換部へ反射する第1反射部と、上記第1光電変換部を透過した光が上記第1反射部へ入射する光路外に設けられ、上記第1光電変換部で生成された電荷を出力する第1出力部と、を有する第1画素と、第2マイクロレンズを透過した光を光電変換して電荷を生成する第2光電変換部と、上記第2光電変換部を透過した光を上記第2光電変換部へ反射する第2反射部と、上記第2光電変換部を透過した光が上記第2反射部へ入射する光路外に設けられ、上記第2光電変換部で生成された電荷を出力する第2出力部と、を有する第2画素と、を備える。
(40)(22)から(39)までのいずれかの撮像素子と、上記第1出力部106から出力される電荷に基づく信号と、上記第2出力部106から出力される電荷に基づく信号と、に基づいて撮像光学系31の合焦位置を調節するレンズ制御部32と、を備える焦点調節装置。
また、第2の実施形態および第2の実施の形態の変形例には、次のような撮像素子、焦点検出装置も含む。
(1)入射した光を光電変換して電荷を生成する光電変換部41と、上記光電変換部41を透過した光を上記光電変換部41へ反射する反射部42AP、42AS、42AQと、上記光電変換部41で生成された電荷を出力する出力部106と、を有する複数の画素11p、11s、11q(13p、13s、13q)を備え、上記複数の画素11p、11s、11q(13p、13s、13q)が有する反射部42AP、42AS、42AQ(42BP、42BS、42BQ)は、面積がそれぞれ異なる撮像素子。
(2)(1)のような撮像素子において、上記複数の画素11p、11s、11q(13p、13s、13q)が有する反射部42AP、42AS、42AQ(42BP、42BS、42BQ)は、光が入射する方向と交差する面(例えばXY平面)において、面積がそれぞれ異なる。
(3)(1)または(2)のような撮像素子において、上記複数の画素11p、11s、11q(13p、13s、13q)が有する反射部42AP、42AS、42AQ(42BP、42BS、42BQ)は、上記撮像素子上の位置(例えば撮像面の中央からの距離(像高))によって、面積がそれぞれ異なる。
(4)入射した光を光電変換して電荷を生成する光電変換部と、上記光電変換部を透過した光を上記光電変換部へ反射する反射部と、上記光電変換部で生成された電荷を出力する出力部と、を有する複数の画素を備え、上記複数の画素が有する反射部は、光が入射する方向と交差する方向における幅がそれぞれ異なる撮像素子。
(5)(4)のような撮像素子において、上記複数の画素が有する反射部は、上記撮像素子上の位置によって、幅がそれぞれ異なる。
(6)(1)から(5)までのいずれかの撮像素子において、上記複数の画素11p、11s、11q(13p、13s、13q)がそれぞれ有する反射部42AP、42AS、42AQ(42BP、42BS、42BQ)は、光が入射する方向と交差する面(例えばXY平面)において上記光電変換部41に対する位置が異なる。
(7)(1)から(5)までのいずれかの撮像素子において、上記複数の画素11p、11s、11q(13p、13s、13q)がそれぞれ有する反射部42AP、42AS、42AQ(42BP、42BS、42BQ)は、光が入射する方向と交差する面(例えばXY平面)において上記光電変換部41に対する位置が同じ。
(8)(1)から(5)までのいずれかの撮像素子において、上記複数の画素11p、11s、11q(13p、13s、13q)はそれぞれマイクロレンズ40を有し、上記複数の画素11p、11s、11q(13p、13s、13q)がそれぞれ有する反射部42AP、42AS、42AQ(42BP、42BS、42BQ)は、光が入射する方向と交差する面(例えばXY平面)において上記マイクロレンズ40の光軸(線CL)に対する位置が異なる。
(9)(1)から(5)までのいずれかの撮像素子において、上記複数の画素11p、11s、11q(13p、13s、13q)はそれぞれマイクロレンズ40を有し、上記複数の画素11p、11s、11q(13p、13s、13q)がそれぞれ有する反射部42AP、42AS、42AQ(42BP、42BS、42BQ)は、光が入射する方向と交差する面(例えばXY平面)において上記マイクロレンズ40の光軸(線CL)に対する位置が同じ。
(10)(1)から(5)までのいずれかの撮像素子において、上記複数の画素11p、11s、11q(13p、13s、13q)はそれぞれマイクロレンズ40を有し、上記複数の画素11p、11s、11q(13p、13s、13q)がそれぞれ有する反射部42AP、42AS、42AQ(42BP、42BS、42BQ)は、光が入射する方向と交差する面において上記マイクロレンズ40の光軸(線CL)からの距離が異なる。
(11)(1)から(5)までのいずれかの撮像素子において、上記複数の画素11p、11s、11q(13p、13s、13q)はそれぞれマイクロレンズ40を有し、上記複数の画素11p、11s、11q(13p、13s、13q)がそれぞれ有する反射部42AP、42AS、42AQ(42BP、42BS、42BQ)は、光が入射する方向と交差する面(例えばXY平面)において上記マイクロレンズ40の光軸(線CL)からの距離が同じ。
(12)(1)から(11)までのいずれかの撮像素子と、上記出力部106から出力される電荷に基づく信号から撮像光学系31の合焦位置を調節するレンズ制御部32と、を備える焦点調節装置。
(13)入射した光を光電変換して電荷を生成する第1光電変換部41と、第1面積を有し、上記第1光電変換部を透過した光を上記第1光電変換部へ反射する第1反射部42Aと、上記第1光電変換部41で生成された電荷を出力する第1出力部106と、を有する第1画素11と、入射した光を光電変換して電荷を生成する第2光電変換部41と、上記第1面積と異なる第2面積を有し、上記第2光電変換部41を透過した光を上記第2光電変換部41へ反射する第2反射部42Bと、上記第2光電変換部により、上記第2反射部で反射した光を光電変換して生成された電荷を出力する第2出力部と、を有する第2画素と、を備える撮像素子。
(14)(13)のような撮像素子において、上記第1反射部42Aは、光が入射する方向と交差する面(例えばXY平面)において上記第1面積を有し、上記第2反射部42Bは、光が入射する方向と交差する面において上記第2面積を有する。
(15)(13)または(14)のような撮像素子において、上記撮像素子上の位置(例えば撮像面の中央からの距離(像高))によって、上記第1面積と上記第2面積とが異なる。
(16)(13)から(15)までのいずれかの撮像素子において、上記撮像素子の中央の第1画素11の上記第1面積と上記第2画素13の上記第2面積との差は、上記撮像素子の端の第1画素11の上記第1面積と上記第2画素13の上記第2面積との差よりも小さい。
(17)(13)から(16)までのいずれかの撮像素子において、上記第1画素11は第1マイクロレンズ40を有し、上記第2画素13は第2マイクロレンズ40を有し、上記第1マイクロレンズ40の光軸(線CL)と上記第1反射部42Aとの距離は、上記第2マイクロレンズ40の光軸(線CL)と上記第2反射部42Bとの距離と異なる。
(18)入射した光を光電変換して電荷を生成する第1光電変換部と、光が入射する方向と交差する方向において第1幅で設けられ、上記第1光電変換部を透過した光を上記第1光電変換部へ反射する第1反射部と、上記第1光電変換部で生成された電荷を出力する第1出力部と、を有する第1画素と、入射した光を光電変換して電荷を生成する第2光電変換部と、光が入射する方向と交差する方向において上記第1幅とは異なる第2幅で設けられ、上記第2光電変換部を透過した光を上記第2光電変換部へ反射する第2反射部と、上記第2光電変換部により、上記第2反射部で反射した光を光電変換して生成された電荷を出力する第2出力部と、を有する第2画素と、を備える撮像素子。
(19)(18)のような撮像素子において、上記第1画素は第1マイクロレンズを有し、上記第2画素は第2マイクロレンズを有し、上記第1反射部は、上記第1マイクロレンズの光軸に対して第1角度で入射した光を上記第1光電変換部へ反射する幅で設けられ、上記第2反射部は、上記第2マイクロレンズの光軸に対して上記第1角度とは異なる第2角度で入射した光を上記第2光電変換部へ反射する幅で設けられる。
(20)(13)から(15)までのいずれかの撮像素子において、上記第1画素は第1マイクロレンズを有し、上記第2画素は第2マイクロレンズを有し、上記第1マイクロレンズの光軸と上記第1反射部との距離は、上記第2マイクロレンズの光軸と上記第2反射部との距離と異なる。
(21)(13)から(15)までのいずれかの撮像素子において、上記第1画素11は第1マイクロレンズ40を有し、上記第2画素13は第2マイクロレンズ40を有し、上記第1マイクロレンズ40の光軸(線CL)と上記第1反射部42Aとの距離は、上記第2マイクロレンズ40の光軸(線CL)と上記第2反射部42Bとの距離と同じ。
(22)(13)から(21)までのいずれかの撮像素子において、上記第1光電変換部41の中心と上記第1反射部42Aとの距離は、上記第2光電変換部41の中心と上記第2反射部42Bとの距離と異なる。
(23)(13)から(21)までのいずれかの撮像素子において、上記第1光電変換部41の中心と上記第1反射部42Aとの距離は、上記第2光電変換部41の中心と上記第2反射部42Bとの距離と同じ。
(24)(13)から(23)までのいずれかの撮像素子と、上記第1出力部106から出力される電荷に基づく信号と、上記第2出力部106から出力される電荷に基づく信号と、に基づいて撮像光学系31の合焦位置を調節するレンズ制御部32と、を備える焦点調節装置。
(第3の実施の形態)
第3の実施の形態では、上述した各実施の形態、およびその変形例における第1の焦点検出画素11、13について、第1および第2の光束が光電変換部41以外の領域に入射することを防ぐとともに、第1および第2の光束が隣の画素に漏洩することを防ぐ点を中心に説明する。
なお、第1の焦点検出画素11、13を代表して第2の実施の形態で述べた第1の焦点検出画素11sと13sを例に説明するが、反射部42A、42Bの位置をX軸方向またはY軸方向にずらした第1の焦点検出画素11qと13q、11pと13pについても同様である。また、反射部42A、42Bの面積を異ならせた第1の焦点検出画素11qと13q、11pと13pについても同様である。
図28(a)、図28(b)は、第1の焦点検出画素11s、13sと、これらの画素に挟まれた撮像画素12とで構成する1つの単位を拡大した断面図である。図4(a)、図4(b)の撮像画素12、第1の焦点検出画素11と同じ構成には、同一符号を付して説明を省略する。線CSは、各画素11s、12、13Sの中心(例えば光電変換部41の中心)を通る線である。
遮光膜45Aは、不図示の撮像画素と第1の焦点検出画素11sとの間に設けられており、第1の焦点検出画素11sのマイクロレンズ40を透過した光が隣(例えばX軸方向において左隣)の撮像画素へ漏れること、および、隣の撮像画素のマイクロレンズを透過した光が第1の焦点検出画素11sへ漏れることを抑制する。
遮光膜45Bは、第1の焦点検出画素11sと撮像画素12との間、および、撮像画素12と第1の焦点検出画素13sとの間にそれぞれ設けられる。そして、第1の焦点検出画素11sのマイクロレンズ40を透過した光がX軸方向右隣の撮像画素12へ漏れること、および、右隣の撮像画素12のマイクロレンズを透過した光が第1の焦点検出画素11sへ漏れることを抑制する。また、第1の焦点検出画素13sのマイクロレンズ40を透過した光がX軸方向左隣の撮像画素12へ漏れること、および、左隣の撮像画素12のマイクロレンズを透過した光が第1の焦点検出画素13sへ漏れることを抑制する。
遮光膜45Cは、第1の焦点検出画素13sと不図示の撮像画素との間に設けられており、第1の焦点検出画素13sのマイクロレンズ40を透過した光が、隣(例えばX軸方向右隣)の撮像画素へ漏れること、および、隣の撮像画素のマイクロレンズを透過した光が第1の焦点検出画素13sへ漏れることを抑制する。
なお、各画素の光電変換部41の間は不図示の素子分離部によって分離され、半導体層105の中で隣の画素へ光や電荷が漏れることが抑制されている。
遮光膜45A、45B、45CのX軸方向のサイズについて説明する。図28(a)において模式的に示すように、第1の焦点検出画素11sは、位相差情報を有する焦点検出光束、すなわち、撮像光学系31の第2の瞳領域62(図5)を通過した第2の光束であって、光電変換部41を透過した光652を反射部42ASによって反射する。光653は、第2の光束のうちの射出瞳60の中心からの光を示す。
第1の焦点検出画素11sの遮光膜45Aは、反射部42ASに入射する上記第2の光束を制限しないように、遮光膜45AのX軸プラス方向の長さが定められている。具体的には、図24(e)に例示したような撮像光学系31の射出瞳60の像600が反射部42ASに投影されるように遮光膜45Aが設けられる。第1の焦点検出画素11sにおけるX軸方向の遮光膜45Aの長さは、後述する第1の焦点検出画素11sにおける遮光膜45Bの場合と同様の手順によって導出することができる。
一方、図28(b)において模式的に示すように、第1の焦点検出画素11sは、撮像光学系31の第1の瞳領域61(図5)を通過した第1の光束であって、光電変換部41を透過した光651を必要としない。このため、第1の焦点検出画素11sの遮光膜45Bは、光653よりもX軸方向プラス側において光電変換部41を透過する光を減少させるように、X軸マイナス方向の長さが定められている。具体的には、射出瞳60の中心からの光653を制限しない位置まで遮光膜45Bが延設される。このように構成することにより、遮光膜45Bのサイズを小さく構成する場合に比べて不要な光651を制限することができる。
第1の焦点検出画素11sの遮光膜45Bの場合を例に、その長さの決め方を詳細に説明する。図29(a)は、図28(a)、図28(b)の第1の焦点検出画素11sを拡大した図である。図4、図6、図19、図20、図22、および図28において図示を省略していたが、半導体層105には、n+領域46およびn+領域47がそれぞれn型の不純物を用いて形成されている。n+領域46およびn+領域47は、出力部106における転送トランジスタのソース、ドレイン領域として機能する。また、配線層107には、絶縁膜を介して電極48が形成されており、転送トランジスタのゲート電極(転送ゲート)として機能する。
n+領域46は、フォトダイオードの一部としても機能する。電極48は、コンタクト49を介して配線層107に設けられた配線108と接続される。第1の焦点検出画素11s、撮像画素12、および第1の焦点検出画素13sの配線108は、必要に応じて互いに接続される。
光電変換部41の上記フォトダイオードは、入射光に応じた電荷を生成する。生成された電荷は、上記転送トランジスタ48を介してFD(フローティング拡散)領域としてのn+領域47へ転送される。FD領域は電荷を受け取り、その電荷を電圧に変換する。FD領域の電位に応じた信号は、出力部106における増幅トランジスタによって増幅される。そして、配線108を介して読み出し(排出)される。
図29(a)の例では、第1の焦点検出画素11sで不要な光、すなわち、光653よりもX軸方向プラス側において光電変換部41を透過する光(図28(b)の光651)を制限すべく、X軸マイナス方向に延設する遮光膜45Bの長さを算出する。具体的には、第1の焦点検出画素11sにおけるX軸方向の遮光膜45Bの長さaを、第2の光束のうちの射出瞳60の中心からの光653に対応する長さにする。
図29(b)における遮光膜45Bの長さaは、以下のように算出する。図29(b)は、遮光膜45Bの長さの導出を説明する図である。線CS(第1の焦点検出画素11sの中心)からX軸方向右隣の撮像画素12との境界までの距離をX1、マイクロレンズ40の表面(Z軸プラス方向)から反射部42ASの面(Z軸プラス方向)までの距離をL、マイクロレンズ40の表面(Z軸プラス方向)から遮光膜45Bの面(Z軸プラス方向)までの距離をtとする。本例では、遮光膜45Bの厚さが遮光膜45Aの厚さと等しく、X軸方向の反射部42ASの長さはX1と等しい。
上記境界においてマイクロレンズ40の表面の点Aと、反射部42ASの面(Z軸プラス方向)にあって線CS上の点Oと、を結ぶ線AOと、上記境界における点Aと点Bを結ぶ線ABとの間の挟角をθとする。点Bは、上記境界において反射部42ASの面の延長線と交差する点である。角度θについて次式(1)が成立するので、式(1)を変形した次式(2)によって、遮光膜45Bの長さaを算出できる。
tanθ =X1/L = a/t (1)
a =t×tanθ =t×X1/L (2)
図28(a)、図28(b)において模式的に示すように、撮像画素12は、撮像光学系31の第1および第2の瞳領域61、62を通過した第1および第2の光束を光電変換部41で受光する。撮像画素12においては、上記第1および第2の光束を制限しないように、遮光膜45BのX軸方向の長さが定められている。具体的には、図24(e)に例示したような撮像光学系31の射出瞳60の像600が撮像画素12に投影されるように遮光膜45Bが設けられる。撮像画素12におけるX軸方向の遮光膜45Bの長さは、第1の焦点検出画素11sにおける遮光膜45Bの場合と同様の手順によって導出することができる。
なお、図28(a)、図28(b)の撮像画素12においては、射出瞳60の中心からの光653のみを図示している。
また、図28(a)において模式的に示すように、第1の焦点検出画素13sは、位相差情報を有する焦点検出光束、すなわち、撮像光学系31の第1の瞳領域61を通過した第1の光束であって、光電変換部41を透過した光651を反射部42BSによって反射する。光653は、第1の光束のうちの射出瞳60の中心からの光を示す。
第1の焦点検出画素13sの遮光膜45Cは、反射部42BSに入射する上記第1の光束を制限しないように、遮光膜45CのX軸マイナス方向の長さが定められている。具体的には、図24(e)に例示したような撮像光学系31の射出瞳60の像600が反射部42BSに投影されるように遮光膜45Cが設けられる。第1の焦点検出画素13sにおけるX軸方向の遮光膜45Cの長さは、第1の焦点検出画素11sにおける遮光膜45Bの場合と同様の手順によって導出することができる。
一方、図28(b)に示すように、第1の焦点検出画素13sは、撮像光学系31の第2の瞳領域62(図5)を通過した第2の光束であって、光電変換部41を透過した光652を必要としない。このため、第1の焦点検出画素13sの遮光膜45Bは、光653よりもX軸方向マイナス側において光電変換部41を透過する光を減少させるように、X軸プラス方向の長さが定められている。具体的には、射出瞳60の中心からの光653を制限しない位置まで遮光膜45Bが延設される。第1の焦点検出画素13sにおけるX軸方向の遮光膜45Bの長さは、第1の焦点検出画素11sにおける遮光膜45Bの場合と同様の手順によって導出することができる。
このように構成することにより、遮光膜45Bのサイズを小さく構成する場合に比べて不要な光652を制限することができる。
なお、図示および説明を省略するが、遮光膜45A、45B、45CのY軸方向のサイズについても同様である。
以上説明した第3の実施の形態によれば、次の作用効果が得られる。
(1)図28の第1の焦点検出画素11sにおいて、光653よりもX軸方向プラス側において光電変換部41を透過する光を減少させるように、遮光膜45BのX軸マイナス方向の長さを定める。具体的には、撮像光学系31の射出瞳60の中心からの光653を制限しない位置まで遮光膜45Bを延設する。これにより、位相差情報として寄与しない不要な光(例えば図28(b)の光651)を制限できる。この結果、位相差検出の精度の低下を防いで、焦点検出に適した撮像素子22を得ることができる。
(2)また、図28の第1の焦点検出画素11sにおいて、反射部42ASに入射する光652を制限しないように、遮光膜45AのX軸プラス方向の長さを定める。具体的には、撮像光学系31の射出瞳60の像600が反射部42ASに投影されるように遮光膜45Aを設ける。これにより、適切に瞳分割でき、焦点検出に適した撮像素子22を得ることができる。
(3)図28の第1の焦点検出画素13sにおいて、光653よりもX軸方向マイナス側において光電変換部41を透過する光を減少させるように、遮光膜45BのX軸プラス方向の長さを定める。具体的には、射出瞳60の中心からの光653を制限しない位置まで遮光膜45Bを延設する。これにより、位相差情報として寄与しない不要な光(例えば図28(b)の光652)を制限できる。この結果、位相差検出の精度の低下を防いで、焦点検出に適した撮像素子22を得ることができる。
(4)また、図28の第1の焦点検出画素13sにおいて、反射部42BSに入射する光651を制限しないように、遮光膜45CのX軸マイナス方向の長さを定める。具体的には、撮像光学系31の射出瞳60の像600が反射部42BSに投影されるように遮光膜45Cを設ける。これにより、適切に瞳分割でき、焦点検出に適した撮像素子22を得ることができる。
(第4の実施の形態)
第4の実施の形態では、上述した各実施の形態、およびその変形例における半導体層105を薄く構成する例を中心に説明する。
なお、第1の焦点検出画素11、13を代表して第2の実施の形態の第1の焦点検出画素11sと13sを例に説明するが、反射部42A、42Bの位置をX軸方向またはY軸方向にずらした第1の焦点検出画素11qと13q、11pと13pについても同様である。
また、第2の焦点検出画素14、15を代表して第2の実施の形態の第2の焦点検出画素14sと15sを例に説明するが、遮光部44B、44Aの位置をX軸方向またはY軸方向にずらした第2の焦点検出画素14qと15q、14pと15pについても同様である。また、反射部42A、42Bの面積を異ならせた第1の焦点検出画素11qと13q、11pと13pについても同様である。
図30は、第4の実施の形態による撮像素子22の画素の配列の一部を拡大した図である。図3と同じ構成には、同一符号を付して説明を省略する。図3(第1の実施の形態)と比べて、全ての撮像画素12に反射部42Xが設けられている点において相違する。
図31(a)は、第1の焦点検出画素11s、13sと、これらの画素に挟まれた撮像画素12とで構成する1つの単位を拡大した断面図である。図28(a)と同じ構成には、同一符号を付して説明を省略する。
本実施の形態の半導体層105は、図28(a)に比べてZ軸方向の厚みが薄く構成される。一般に、瞳分割型の位相差検出方式では、Z軸方向の光路長が長くなると位相差が小さくなるために位相差検出精度が低下する。位相差検出精度の観点では、Z軸方向の光路長は短いことが望ましい。
例えば、撮像素子22の画素の微細化を進めると画素ピッチが狭くなる。半導体層105の厚みを変えずに微細化を進めることは、画素ピッチに対する厚みの比率(アスペクト比)を大きくする。このように、単に画素ピッチを狭くする微細化は、相対的にZ軸方向の光路長を長くするので、上述した位相差検出精度の低下につながる。しかしながら、画素の微細化とともに半導体層105のZ軸方向の厚みを薄くすれば、位相差検出精度の低下を防ぐことができる。
一方で、半導体層105における光の吸収率は、半導体層のZ軸方向の厚みと相関関係がある。半導体層105における光の吸収率は、半導体層のZ軸方向の厚みが厚いほど大きくなり、半導体層のZ軸方向の厚みが薄いほど小さくなる。したがって、半導体層105のZ軸方向の厚みを薄くすることは、半導体層105における光の吸収率の低下を招く。吸収率の低下は生成される電荷の量の減少と言える。一般に、シリコン基板を用いる場合、赤色光(波長約600nm)の吸収率をある程度(例えば60%以上)確保するために、半導体層105の厚みが2.5μmから3.0μm程度必要とされる。このとき、他の色の光の吸収率は、緑色光(波長約530nm)で約90%、青色光(波長約450nm)で約100%である。
半導体層105の厚みを上記の半分の1.25μmから1.5μm程度に薄くすると、赤色光(波長約600nm)の吸収率は約35%に低下する。他の色の光の吸収率は、緑色光(波長約530nm)で約65%、青色光(波長約450nm)で約95%にそれぞれ低下する。そこで、本実施の形態では、半導体層105のZ軸方向の厚みを薄くすることによる電荷の量の減少を補うために、撮像画素12の光電変換部41の下面(Z軸マイナス方向)に反射部42Xを設ける。
撮像画素12の反射部42Xは、例えば、配線層107に設けた銅やアルミニウム、タングステン等の導体膜、または、これらの窒化シリコンや酸化シリコンなどの絶縁膜の多層膜によって構成する。反射部42Xは、光電変換部41の下面全体を覆ってもよいが、必ずしも光電変換部41の下面全体を覆う必要はない。反射部42Xは、その面積が、例えば、マイクロレンズ40によって撮像画素12に投影される撮像光学系31の射出瞳60の像(図24に例示したような像600)よりも広く、かつ、その位置が、射出瞳60の像を欠くことなく反射する位置に設けていればよい。
撮像画素12の反射部42Xに投影される、像600のスポットサイズを例示すると、半導体層105の厚みが3μm、半導体層105の屈折率が4、マイクロレンズ40やカラーフィルタ43などの有機膜層の厚みが1μm、有機膜層の屈折率が1.5、空気中の屈折率が1、であるとした場合に、撮像光学系31の絞りがF2.8のときに直径0.5μm程度である。半導体層105の厚みを1.5μm程度に薄くする場合のスポットサイズの値は、上記例よりも小さくなる。
光電変換部41の下面に反射部42Xを設けたことにより、撮像画素12の光電変換部41の中を下向き(Z軸マイナス方向)に進んで光電変換部41を透過した光(吸収されなかった光)は、反射部42Xで反射して光電変換部41に再入射する。再入射した光は光電変換部41で光電変換される(吸収される)ため、反射部42Xを設けない場合に比べて、撮像画素12の光電変換部41で生成される電荷の量を増やすことができる。換言すると、反射部42Xを設けることによって、半導体層105のZ軸方向の厚みを薄くすることによる電荷の量の減少を補う。これにより、撮像画素12から読み出される画像の信号のS/N比を改善できる。
図31(a)の撮像画素12に着目すると、撮像光学系31の射出瞳60の第1の瞳領域61および第2の瞳領域62(図5)の両方を通過した光束が、それぞれマイクロレンズ40を介して光電変換部41に入射する。また、光電変換部41に入射した第1および第2の光束が、それぞれ光電変換部41を透過して反射部42Xで反射して光電変換部41に再入射する。このように、撮像画素12は、第1および第2の瞳領域61、62の両方を透過して光電変換部41に入射した光束を光電変換した電荷に基づく信号S1と、反射部42Xによって反射されて光電変換部41に再入射した第1の光束および第2の光束をそれぞれ光電変換した電荷に基づく信号S3および信号S2とを加算した信号(S1+S3+S2)を出力する。
また、第1の焦点検出画素11sに着目すると、第1の実施の形態において説明した通り、第1の瞳領域61および第2の瞳領域62の両方を通過して光電変換部41に入射した第1および第2の光束を光電変換した電荷に基づく信号S1と、反射部42ASで反射して光電変換部41に再入射した第2の光束を光電変換した電荷に基づく信号S2とを加算した信号(S1+S2)を出力する。
さらにまた、第1の焦点検出画素13sに着目すると、第1の実施の形態において説明した通り、第1の瞳領域61および第2の瞳領域62の両方を通過して光電変換部41に入射した第1および第2の光束を光電変換した電荷に基づく信号S1と、反射部42BSで反射して光電変換部41に再入射した第1の光束を光電変換した電荷に基づく信号S3とを加算した信号(S1+S3)を出力する。
なお、撮像画素12は、マイクロレンズ40に関して、例えば反射部42Xの位置と、撮像光学系31の瞳の位置とを共役にする。すなわち、マイクロレンズ40を介して撮像画素12に入射した光の集光位置は、反射部42Xである。
また、第1の焦点検出画素11s(13s)は、マイクロレンズ40に関して、例えば反射部42AS(42BS)の位置と、撮像光学系31の瞳の位置とを共役にする。すなわち、マイクロレンズ40を介して第1の焦点検出画素11s(13s)に入射した光の集光位置は、反射部42AS(42BS)である。
撮像画素12に反射部42Xを設けることで、撮像画素12と第1の焦点検出画素11s(13s)とで同じ光学パワーのマイクロレンズ40を設けることができる。撮像画素12と第1の焦点検出画素11s(13s)とで、異なる光学パワーのマイクロレンズ40や光学調整層を設ける必要がなく、製造コストを抑えることができる。
<画像データの生成>
ボディ制御部21の画像生成部21bは、撮像画素12による信号(S1+S3+S2)と、第1の焦点検出画素11s、13sによる信号(S1+S2)、(S1+S3)とに基づき、被写体像に関する画像データを生成する。
なお、この画像データの生成の際には、撮像画素12の光電変換部41で生成される電荷の量と第1の焦点検出画素11s、13sの光電変換部41で生成される電荷の量との差による影響を抑えるため、撮像画素12による信号(S1+S3+S2)に対するゲインと、第1の焦点検出画素11s、13sによる信号(S1+S2)、(S1+S3)に対するゲインとの間に差をつけてもよい。例えば、第1の焦点検出画素11s、13sの信号(S1+S2)、(S1+S3)に対するゲインを、撮像画素12の信号(S1+S3+S2)に対するゲインに比べて大きくしてもよい。
<像ズレ量の検出>
ボディ制御部21の焦点検出部21aは、撮像画素12による信号(S1+S3+S2)と、第1の焦点検出画素11sによる信号(S1+S2)と、第1の焦点検出画素13sによる信号(S1+S3)とに基づき、以下のように像ズレ量を検出する。すなわち、焦点検出部21aは、撮像画素12による信号(S1+S3+S2)と第1の焦点検出画素11sによる信号(S1+S2)との差分diff2Bを求めるとともに、撮像画素12による信号(S1+S3+S2)と第1の焦点検出画素13sによる信号(S1+S3)との差分diff3Bを求める。差分diff3Bは、第1の焦点検出画素11sの反射部42ASによって反射された第2の光束を光電変換した電荷に基づく信号S2に対応する。同様に、差分diff2Bは、第1の焦点検出画素13sの反射部42BSで反射した第1の光束を光電変換した電荷に基づく信号S3に対応する。
焦点検出部21aは、求めた差分diff3B、diff2Bに基づき、第1の瞳領域61を通過した第1の光束による像と、第2の瞳領域62を通過した第2の光束による像との像ズレ量を求める。すなわち、焦点検出部21aは、上述した複数の単位からそれぞれ求めた信号の差分diff3Bのグループと、上述した複数の単位からそれぞれ求めた信号の差分diff2Bのグループとにまとめることによって、第1の瞳領域61と第2の瞳領域62とをそれぞれ通過した複数の焦点検出光束が形成する複数の像の強度分布を示す情報を得る。
焦点検出部21aは、上記複数の像の強度分布に対して像ズレ検出演算処理(相関演算処理、位相差検出処理)を施すことによって、複数の像の像ズレ量を算出する。焦点検出部21aはさらに、像ズレ量に所定の変換係数を乗算することによってデフォーカス量を算出する。上述したように、このような瞳分割型の位相差検出方式によるデフォーカス量演算は公知である。
なお、図30においては第2の焦点検出画素14、15に反射部42Xを設けていないが、第2の焦点検出画素14、15においても撮像素子12と同様の反射部42Xを設けてもよい。反射部42Xを設けた場合の第2の焦点検出画素14sと15sについての断面図は省略するが、反射部42Xを設けた第2の焦点検出画素14、15から得られる信号は以下の通りである。
図30の第2の焦点検出画素14に着目すると、撮像光学系31の射出瞳60の第2の瞳領域62(図5)を通過した第2の光束が、マイクロレンズ40を介して光電変換部41に入射する。また、光電変換部41に入射した第2の光束が、光電変換部41を透過して反射部42Xで反射して光電変換部41に再入射する。このように、第2の焦点検出画素14は、第2の瞳領域62を通過して光電変換部41に入射した第2の光束を光電変換した電荷に基づく信号S4と、反射部42Xで反射して光電変換部41に再入射した第2の光束を光電変換した電荷に基づく信号S4’とを加算した信号(S4+S4’)を出力する。
図30の第2の焦点検出画素15に着目すると、撮像光学系31の射出瞳60の第1の瞳領域61(図5)を通過した第1の光束が、マイクロレンズ40を介して光電変換部41に入射する。また、光電変換部41に入射した第1の光束が、光電変換部41を透過して反射部42Xで反射して光電変換部41に再入射する。このように、第2の焦点検出画素15は、第1の瞳領域61を通過して光電変換部41に入射した第1の光束を光電変換した電荷に基づく信号S5と、反射部42Xで反射して光電変換部41に再入射した第1の光束を光電変換した電荷に基づく信号S5’とを加算した信号(S5+S5’)を出力する。
なお、第2の焦点検出画素14(15)は、マイクロレンズ40に関して、例えば遮光部44BS(44AS)の位置と、撮像光学系31の瞳の位置とを共役にする。すなわち、マイクロレンズ40を介して第2の焦点検出画素14(15)に入射した光の集光位置は、遮光部44BS(44AS)である。
ボディ制御部21の焦点検出部21aは、第2の焦点検出画素14の信号(S4+S4’)と、第2の焦点検出画素15の信号(S5+S5’)とに基づき、以下のように像ズレ量を検出する。すなわち、焦点検出部21aは、上述した複数の単位からそれぞれ求めた信号(S5+S5’)のグループと、上述した複数の単位からそれぞれ求めた信号(S4+S4’)のグループとにまとめることによって、第1の瞳領域61と第2の瞳領域62とをそれぞれ通過した複数の焦点検出光束が形成する複数の像の強度分布を示す情報を得る。
上記複数の像の強度分布から複数の像の像ズレ量を算出する点、および像ズレ量に所定の変換係数を乗算することによってデフォーカス量を算出する点は、第1の焦点検出画素11s、13sを用いる場合と同様である。
第2の焦点検出画素14、15は、上述したように、青色光を受光するB画素の位置または緑色光を受光するG画素の位置に設けられる。青色光、緑色光は、赤色光に比べて半導体層105(光電変換部41)を透過しにくい、換言すると、赤色光に比べて半導体層105における吸収率が高い。半導体層105の厚みを上記1.25μmから1.5μm程度に薄くすると、青色光や緑色光でも吸収率が低下するので、第2の焦点検出画素14、15に反射部42Xを設けることは、電荷の量の減少を補う点で有効である。すなわち、第2の焦点検出画素14、15から読み出される焦点検出の信号のS/N比を改善できる。
また、第2の焦点検出画素14、15に反射部42Xを設けることは、画素間の回路特性を近づける点においても有効である。例えば、第2の焦点検出画素14、15に反射部42Xを設けない場合、光電変換部41における静電容量が撮像画素12と第2の焦点検出画素14、15との間で相違する。しかしながら、第2の焦点検出画素14、15に反射部42Xを設けることによって、光電変換部41における静電容量が撮像画素12と第2の焦点検出画素14、15との間で同等になる。これにより、画素間において、例えば光電変換部41の読み出し信号レベルを補正する処理の負担を軽減するメリットが得られる。
以上説明した第4の実施の形態によれば、次の作用効果が得られる。
(1)撮像素子22は、入射した光を光電変換する光電変換部41、および、光電変換部41を透過した光を光電変換部41へ反射する反射部42Xを有する撮像画素12(第2の焦点検出画素14(15))と、入射した光を光電変換する光電変換部41、および、光電変換部41を透過した光の一部を光電変換部41へ反射する反射部42A(42B)を有する第1の焦点検出画素11(13)とを備える。例えば撮像画素12の光電変換部41へ光を再入射するため、撮像画素12で生成される電荷の量を増やすことができる。また、第1の焦点検出画素11(13)では、光電変換部41を透過した光の一部を光電変換部41へ再入射するため、例えば、撮像光学系31の射出瞳60の一部を通過した光の情報を得ることができる。
(2)上記撮像素子22において、例えば撮像画素12の光電変換部41は、第1波長域の光を光電変換し、第1の焦点検出画素13(11)の光電変換部41は、第1波長域より波長の長い第2波長域の光を光電変換する。一般に、撮像素子22によって光電変換される光は、波長が長い方が半導体層105(光電変換部41)を透過しやすい。このため、波長が長い光は、光電変換部41を透過して反射部42A(42B)で反射されやすい。この結果、第1の焦点検出画素11(13)で生成される電荷の量を増やすことができる。このように、第1の焦点検出画素13(11)では半導体基板に対して透過率の高い長波長光(赤色の光)の特性を活かすことができる。
(3)上記撮像素子22において、例えば撮像画素12の光電変換部41と、第1の焦点検出画素13(11)の光電変換部41とは、第1波長域の光を光電変換する。これにより、撮像画素12の出力と第1の焦点検出画素11(13)との出力との差に基づき、例えば、撮像光学系31の射出瞳60の一部を通過した光の情報を得ることができる。
(4)上記撮像素子22において、例えば撮像画素12の反射部42Xは、光電変換部41に投影される撮像光学系31の瞳の像600よりも広い面積を有し、少なくとも撮像光学系31の瞳を通過した光束を反射する。これにより、撮像画素12は、撮像光学系31の瞳を通過した光によって生成される電荷の量を増やすことができる。
(5)上記撮像素子22において、第1の焦点検出画素11(13)の反射部42A(42B)は、撮像画素12の反射部42Xよりも狭い面積を有し、撮像光学系31の瞳の一部を通過した光束を反射する。これにより、第1の焦点検出画素11(13)は、撮像光学系31の射出瞳60の一部を通過した光の情報を得ることができる。
(6)上記撮像素子22において、例えば第2の焦点検出画素14(15)は、光電変換部41に入射する光の一部を遮光する遮光部を有する。これにより、第2の焦点検出画素14(15)は、例えば撮像光学系31の射出瞳60の一部を通過した光の情報を得ることができる。
(7)上記撮像素子22において、第1の焦点検出画素11(13)の光電変換部41は、第2の焦点検出画素14(15)の光電変換部41よりも長い波長域の光を光電変換する。これにより、第1の焦点検出画素13(11)では半導体基板に対して透過率の高い長波長光(赤色の光)の特性を活かすことができる。
(8)上記撮像素子22において、第1の焦点検出画素13(11)はマイクロレンズ40を有し、マイクロレンズ40は、入射した光を反射部42A(42B)に集光する。これにより、反射部42A(42B)において、光電変換部41に再入射する光を適切に反射することができる。
(9)上記撮像素子22において、撮像画素12はマイクロレンズ40を有し、マイクロレンズ40は、入射した光を反射部42Xに集光する。これにより、光電変換部41において、マイクロレンズ40を介して入射した光、および、再入射した光を適切に光電変換することができる。
(10)撮像素子22において、例えば、撮像画素12の光電変換部41および第1の焦点検出画素13(11)の光電変換部41は、長波長光(赤色の光)における光の吸収率が50%以下である。反射部42Xにより透過光を光電変換部41へ再入射すること、および、反射部42A(42B)により光電変換部41へ透過光を再入射することによって、それぞれの光電変換部41で生成される電荷の量を増やすことができる。
(11)上記撮像素子22において、第1の焦点検出画素13(11)の光電変換部41は、光が入射するZ軸方向の長さ、および、Z軸方向と交差するX軸(Y軸)方向の長さの比を2以下とした。半導体層105(光電変換部41)のZ軸方向の厚みを薄く構成することにより、反射部42A(42B)において、光電変換部41に再入射する光を適切に反射することができる。
(第4の実施の形態の変形例1)
配線層107において形成した導体膜等、あるいは絶縁膜の多層膜等によって反射部42AS、42X,42BSを構成する代わりに、タングステン等によって形成したコンタクトによって反射部42AS、42X,42BSを構成してもよい。
図31(b)は、第4の実施の形態の変形例1による撮像素子22の第1の焦点検出画素11s、13sと、これらの画素に挟まれた撮像画素12とで構成する1つの単位を拡大した断面図である。図28(a)と同じ構成には、同一符号を付して説明を省略する。
配線層107と半導体層105との間に形成したコンタクトを反射部42AS、42X,42BSとして用いる。これにより、半導体層105に近い位置に反射部42AS、42X,42BSを設けることができる。
また、タングステン等により形成したコンタクトに代えて、多層膜を反射部42AS、42X,42BSとして用いてもよい。例えば、半導体層105に多層膜を積層して設ける。多層膜は、酸化膜や窒化膜などである。具体的には、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜、シリコン酸窒化膜、またはこれらの膜の多層膜などである。
さらにまた、ポリシリコンを用いて反射部42AS、42X,42BSを形成するようにしてもよく、反射部42AS、42X,42BSを、半導体層105に絶縁膜を介して積層してもよい。
第4の実施の形態の変形例1によると、配線層107の導体膜あるいは絶縁膜を用いて反射部42AS、42X,42BSを構成する場合と比べて、半導体層105に近い位置に反射部42AS、42X,42BSを設けることができる。これにより、隣の画素へ反射部42AS、42BSによる反射光が漏れることを抑制できるため、光電変換された信号にノイズが混入することを抑制できる。このように、図31(a)の場合に比べて反射部42AS、42X,42BSが半導体層105(光電変換部41)に近くなると、Z軸方向の光路長が短くなる。これにより、位相差検出精度を向上させることができる。
第4の実施の形態では、撮像素子22において、撮像画素12とともに、反射タイプの瞳分割構造を有する第1の焦点検出画素11(13)と、遮光タイプの瞳分割構造を有する第2の焦点検出画素14(15)とを備える場合を例示した。この代わりに、撮像素子22に第2の焦点検出画素14(15)を含めずに、撮像画素12と、反射タイプの瞳分割構造を有する第1の焦点検出画素11(13)とを備える撮像素子22として構成してもよい。この場合において、第1の焦点検出画素11(13)を、撮像画素12におけるR,G,Bのうちどの色の画素に置換して配置するかについては、適宜変更して構わない。
また、第4の実施の形態では、撮像素子22において、全ての撮像画素12に反射部42Xを設ける例を説明したが、撮像画素12におけるR,G,Bの色によって反射部42Xを設けたり設けなかったりしてもよい。例えば、反射タイプの瞳分割構造を有する第1の焦点検出画素11(13)を撮像画素12のR画素に置換して配置し、撮像画素12におけるG画素に反射部42Xを設け、撮像画素12におけるB画素に反射部42Xを設けない構成にしてもよい。
あるいは、反射タイプの瞳分割構造を有する第1の焦点検出画素11(13)を撮像画素12のR画素に置換して配置し、撮像画素12におけるB画素に反射部42Xを設け、撮像画素12におけるG画素に反射部42Xを設けない構成にしてもよい。さらにまた、反射タイプの瞳分割構造を有する第1の焦点検出画素11(13)を撮像画素12のG画素に置換して配置し、撮像画素12におけるR画素に反射部42Xを設け、撮像画素12におけるB画素に反射部42Xを設けない構成にしてもよい。そしてさらに、反射タイプの瞳分割構造を有する第1の焦点検出画素11(13)を撮像画素12のB画素に置換して配置し、撮像画素12におけるR画素に反射部42Xを設け、撮像画素12におけるG画素に反射部42Xを設けない構成にしてもよい。
反射タイプの瞳分割構造を有する第1の焦点検出画素11(13)を撮像画素12のR画素の一部に置換して配置し、残りの撮像画素12のR画素に反射部42Xを設けてもよい。反射タイプの瞳分割構造を有する第1の焦点検出画素11(13)を撮像画素12のG画素の一部に置換して配置し、残りの撮像画素12のG画素に反射部42Xを設けてもよい。反射タイプの瞳分割構造を有する第1の焦点検出画素11(13)を撮像画素12のB画素の一部に置換して配置し、残りの撮像画素12のB画素に反射部42Xを設けてもよい。
このように、第1の焦点検出画素11(13)を置換する画素の色、反射部42Xを設ける画素の色、反射部42Xを設けない画素の色について、適宜変更して構わない。
上述した第4の実施形態および第4の実施の形態の変形例には、次のような撮像素子、撮像装置を含む。
(1)撮像素子22において、光が入射するZ軸方向と交差するXY平面における撮像画素12の反射部42Xの面積は、光が入射するZ軸方向と交差するXY平面における第1の焦点検出画素11(13)の反射部42A(42B)の面積よりも大きい。
(2)撮像素子22において、撮像画素12と第1の焦点検出画素11(13)とは第1方向に配列され、反射部42Xは、光が入射するZ軸方向と交差するXY平面において光電変換部41が有する面積の半分よりも大きい面積を有し、反射部42A(42B)は、光が入射する方向と交差するXY平面において光電変換部41が有する面積の半分以下の面積を有する。
(3)撮像素子22において、撮像画素12と第1の焦点検出画素11(13)とは第1方向に配列され、反射部42Xは、光が入射するZ軸方向と交差するXY平面において、光電変換部41の中心よりも第1方向側および第1方向と逆方向側の領域に設けられ、反射部42A(42B)は、光が入射するZ軸方向と交差するXY平面において、光電変換部41の中心よりも第1方向または第1方向と逆方向側の一方の領域に設けられる。
(4)撮像素子22において、反射部42Xは、光が入射するZ軸方向と交差し第1方向と平行なXY平面において、光電変換部41の中心を通る線と平行な線で分割された領域のうちの第1方向側および第1方向と逆方向側の領域に設けられ、反射部42A(42B)は、光が入射するZ軸方向と交差し第1方向と平行なXY平面において、光電変換部41の中心を通る線と平行な線で分割された領域のうちの第1方向側または第1方向と逆方向側の一方の領域に設けられる。
(5)カメラ1は、上記撮像素子22を備え、撮像画素12は、光電変換部41で生成された電荷に基づく信号を出力する出力部106を有し、第1の焦点検出画素11(13)は、光電変換部41で生成された電荷に基づく信号を出力する出力部106を有し、撮像画素12の出力部106から出力された信号に基づいて画像データを生成し、第1の焦点検出画素11(13)の出力部106から出力された信号に基づいて焦点調節を行う。
上記では、種々の実施の形態および変形例を説明したが、本発明はこれらの内容に限定されるものではない。本発明の技術的思想の範囲内で考えられるその他の態様も本発明の範囲内に含まれる。