JP2018053393A - キッチンペーパー - Google Patents

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Abstract

【課題】荷重時でも吸油性能が低下し難いキッチンペーパーを提供する。【解決手段】第1のエンボス凸部と対応する第1のエンボス凹部とが表裏に複数形成された第1のシートと、第2のエンボス凸部と対応する第2のエンボス凹部とが表裏に複数形成された第2のシートとを、エンボス凸部の形成面を対面させてネステッド形式で一体化させたキッチンペーパーであって、前記第1及び第2のエンボス凹部は平面視で共に非点対称の形状であり、前記第1及び第2のエンボス凹部は平面視で共に非点対称の形状であり、前記第2のエンボス凹部が前記第1のエンボス凹部に対して平面視で180°回転した形で前記第1のエンボス凹部の間に配置され、前記第1のエンボス凹部と前記第2のエンボス凹部のそれぞれの重心が第1の直線上に並ぶ。【選択図】図2

Description

本発明は、キッチンペーパーに関する。
従来のキッチンペーパーには、エンボス加工が施されたクレープ紙等のシートが積層された積層構造を備えるものがある。このキッチンペーパーでは、油分や水分の吸収性能を付与するため、積層されたシート間に油分等を保持するための空間が設けられている。また、この種のキッチンペーパーでは、ライン上にシートのエンボスの凹凸がない部分が対向する部分を形成し、この部分に油分等を通過させることにより、油分等の吸収速度が高くなるようにしている。
キッチンペーパーは、エンボス加工を施して一方の面に凸部を、他方の面に該凸部に対応する凹部を形成したクレープ紙を二枚積層して形成された構造のものがある。そして、このようなキッチンペーパーにおける積層構造は、二枚のクレープ紙の凸部の頂部同士を対面させて接着したティップ トゥ ティップ(Tip To Tip)形式と、一方のクレープ紙の凸部の頂部が他方のクレープ紙の凸部ではない部分(対面する一方のクレープ紙から見て凸となっていない位置)に位置するように互い違いに凸部を位置させて接着したネステッド(Nested)形式とに分けられる。
例えば、特公平6−28951号公報(特許文献1)の図2には、ティップ トゥ ティップ(Tip To Tip)形式の積層構造を備えるキッチンタオル等の衛生紙が開示されている。また、米国特許第8409404号明細書(特許文献2)には、ネステッド(Nested)形式の積層構造を備えるキッチンペーパーが開示されている。
特公平6−28951号公報 米国特許第8409404号明細書
しかしながら、特許文献1の構造(ティップ トゥ ティップ形式の積層構造)では、食器や食材等の使用対象と接触する面積が大きく、使用時に荷重がかかるとエンボス空間(非エンボス部同士が対向する部分)が潰れやすい。そのため、キッチンペーパー内に油分等が吸収され難く、またキッチンペーパー内の空間に保持された油分等が染み出しやすい。
また、特許文献2の構造(ネステッド形式の積層構造)では、ティップ トゥ ティップ形式の積層構造と比較して、使用対象との接触面積が小さくすることはできるものの、エンボス空間が小さいため、使用時に荷重を受けた際に生じたわずかなエンボス空間の潰れでも、油分等が吸収され難くなり、また吸収した油分が染み出す問題がある。
本発明の目的は、使用時に荷重がかかっても吸収性能が低下し難いキッチンシートを提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明の第一の態様は、第1のエンボス凸部と対応する第1のエンボス凹部とが表裏に複数形成された第1のシートと、第2のエンボス凸部と対応する第2のエンボス凹部とが表裏に複数形成された第2のシートとを、エンボス凸部の形成面を対面させてネステッド形式で一体化させたキッチンペーパーであって、前記第1及び第2のエンボス凹部は平面視で共に非点対称の形状であり、前記第2のエンボス凹部が前記第1のエンボス凹部に対して平面視で180°回転した形で前記第1のエンボス凹部の間に配置され、前記第1のエンボス凹部と前記第1のエンボス凹部のそれぞれの重心が第1の直線上に並んでいる。
本明細書において、非点対称な形状とは、ある点を中心に180°回転させたときに、元の形状と重ならない形状を意味する。
本発明の第一の態様では、平面視で非点対称な第1のエンボス凹部と第2のエンボス凹部とが互いに180°回転した向きに、それぞれの重心が第1の直線上に並ぶように配置されている。これにより、当該直線上で見て第1のエンボス凹部と第2のエンボス凹部との間に強度が高い部分(第2のエンボス凸部に対応する第2のエンボス凹部の部分)と油分等を吸収する部分(第1のエンボス凹部と第2のエンボス凹部の間に形成されるエンボス空間)とを同じ割合でバランスよく配置することができるため、エンボス空間が潰れ難くなる。
その結果、キッチンペーパーの使用時でも積層されたシート間の空間を確保することができ、荷重による油分の保持力の低下を防ぐことができる。また、ネステッド形式の積層構造であるため、使用対象との接触面積を小さくすることができ、使用時に荷重がかかってもキッチンペーパー内の空間が潰れ難い。
また、エンボスブロック間にエンボスの凹凸がないライン状の空間(以下、ラインという)等を設けなくても吸収速度を維持することができるため、エンボス空間を増やすことができるので、油分等を吸収する空間を大きくすることができる。さらに坪量や紙厚を小さくすることができ、キッチンペーパーの厚みを薄くすることができる。
本発明の第二の態様では、さらに他の前記第1のエンボス凹部と他の前記第2のエンボス凹部とのそれぞれの重心が、前記第1の直線と平行な第2の直線上に並んでおり、他の前記第2のエンボス凹部は、前記第1の直線上の前記第1のエンボス凹部と対向し、かつ前記第1のエンボス凹部に対して平面視で180°回転した形で配置されている。
他の第1のエンボス凹部及び他の第2のエンボス凹部は、上述した第1の直線上に並ぶ第1のエンボス凹部と第2のエンボス凹部と同じエンボス構造を備える。
本発明の第二の態様でも、第一の態様と同様に、平面視で非点対称な他の第1のエンボス凹部と他の第2のエンボス凹部とが互いに180°回転した向きに、それぞれの重心が第1の直線と平行な第2の直線上に並ぶように配置されている。
これにより、他の第1のエンボス凹部と他の第2のエンボス凹部の間でも、強度が高い部分(第2のエンボス凸部に対応する第2のエンボス凹部の部分)と油分等を吸収する部分(他の第1のエンボス凹部と第2のエンボス凹部の間に形成されるエンボス空間)とを同じ割合でバランスよく配置することができるため、エンボス空間が潰れ難くなる。
その上で、第二の態様では、他の第2のエンボス凹部が、第1の直線上の第1のエンボス凹部に対して平面視で180°回転した形で該第1のエンボス凹部と対向するように配置されている。この場合、他の第1のエンボス凹部は、第1の直線上の第2のエンボス凹部に対して平面視で180°回転した形で該第2のエンボス凹部と対向するように配置される。
このような配置では、第1の直線上の第1のエンボス凹部と第2の直線上の他の第2のエンボス凹部とは、平面視で非点対称な形状における強度が比較的強い部分同士が対向する。一方、第1の直線上の第2のエンボス凹部と第2の直線上の他の第1のエンボス凹部とは、平面視で非点対称な形状における強度が比較的弱い部分同士が対向する。そして、平面視で非点対称な形状において強度が比較的強い部分間の距離は相対的に短くなり、強度が比較的弱い部分間の距離は相対的に長くなる。
そのため、第二の態様によれば、第1のエンボス凹部と第2のエンボス凹部との間および他の第1のエンボス凹部と他の第2のエンボス凹部との間に、非点対称な形状において強度差のある部分をバランスよく配置することができる。そのため、キッチンペーパー全体でエンボス空間を潰れ難くすることができ、荷重による油分等の保持力の低下を確実に防ぐことができる。
また、このような強度差のある部分が配置された構造では、第1の直線上の第1のエンボス凹部と第2の直線上の他の第2のエンボス凹部の間(強度が比較的強い部分間の距離が相対的に短い部分)に、強度が高い部分を形成することができる。これに対して、第1の直線上の第2のエンボス凹部と第2の直線上の他の第1のエンボス凹部との間(強度が比較的弱い部分間の距離が相対的に長い部分)では、エンボス空間を広くすることができる。
そのため、第二の態様によれば、第1の直線上に並ぶ第1のエンボス凹部及び第2のエンボス凹部と第2の直線上に並ぶ他の第1のエンボス凹部及び他の第2のエンボス凹部との間に、強度が高い部分(第1のエンボス凹部と他の第2のエンボス凹部とが対向する部分)と油分等の保持量が高い部分(第2のエンボス凹部と他の第1のエンボス凹部とが対向する部分)とを同じ割合でバランスよく配置することができる。これにより、荷重時でも、キッチンペーパーのエンボス空間が潰れ難く、油分等の保持力を高く維持することができる。
本発明の第三の態様では、前記平面視で非点対称な形状が正三角形状になっている。本明細書において、正三角形状には、正三角形の頂点が角部を構成する形状だけでなく、正三角形の頂点が曲線状に丸みを帯びた形状も含まれる。
各エンボス凹部の形状を平面視で正三角形状にすることにより、エンボス自体の強度を高めることができる。そのため、使用時に荷重がかかってもエンボス空間が潰れ難く、吸収性能が低下し難いキッチンペーパーを確実に得られる。
本発明の第四の態様では、前記平面視で非点対称な形状が多角形状になっている。各エンボス凹部の形状をこのような多角形状にすることにより、使用時の吸収性能を確保しながら、エンボス凹部の平面視形状のバリエーションを増やすことができる。なお、多角形状の場合も、多角形の頂点が角部を構成する形状だけでなく、多角形の頂点が曲線状に丸みを帯びた形状も含まれる。
本発明の第五の態様では、前記平面視で非点対称な形状がハート型形状になっている。各エンボス凹部をこのようなハート型形状にすることにより、使用時の吸収性能を確保しながら、キッチンで用いるペーパーとしてのデザイン性に優れたキッチンペーパーが得られる。
本発明の一態様によれば、使用時に荷重がかかっても吸収性能が低下し難いキッチンペーパーを提供することができる。
本発明の実施形態(実施例1)に係るキッチンペーパーを示す図である。 図1の一部(P1部分)を拡大した図である。 (A)は、図2のA−A線断面図であり、(B)は図2のB−B線断面図である。 (A)〜(K)は、本発明の実施形態に係るキッチンペーパーのエンボスパターンを構成する単位エンボスの変形例を示す図である。 本発明の実施形態(変形例1)に係るキッチンペーパーのエンボスパターンの一部を拡大した図である。 本発明の実施形態(変形例2)に係るキッチンペーパーのエンボスパターンを示す図である。 本発明の実施形態(変形例3)に係るキッチンペーパーのエンボスパターンの一部を拡大した図である。 本発明の実施形態(変形例4)に係るキッチンペーパーのエンボスパターンを示す図である。 荷重時の減衰試験の方法を説明する図である。 油吸収性能の測定方法を説明する図である。 比較例1に係るキッチンペーパーを示す図である。 図11の一部(P2部分)を拡大した図である。 (A)は図12のC−C線断面図であり、(B)は図12のD−D線断面図である。 比較例2に係るキッチンペーパーを示す図である。 図14の一部(P3部分)を拡大した図である。 (A)は図15のE−E線断面図であり、(B)は図15のF−F線断面図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、本発明の実施形態(実施例1)に係るキッチンペーパーを示す図である。図2は、図1の一部(P1部分)を拡大した図である。さらに、図3(A)は、図2のA−A線断面図であり、図3(B)は図2のB−B線断面図である。
図1〜図3において、符号1は本実施形態に係るキッチンペーパーである。キッチンペーパー1は、エンボス加工された2枚のクレープ紙3、5がネステッド形式で積層されたキッチンペーパーである。
クレープ紙3には、複数のエンボス凸部7Aと該エンボス凸部7Aに対応する複数のエンボス凹部7Bとが表裏に形成されている。各エンボス凹部7Bは、平面視で非点対称な形状である正三角形状を呈している。また、エンボス凹部7Bの側面は、エンボス凹部7Bの底部から開口部に向かって図示しないテーパで形成されている。
エンボス凹部7Bは、図示しない凸エンボスロールをクレープ紙3に押し付けることにより、クレープ紙3上に複数のエンボス凸部7Aが形成され、該エンボス凸部7Aに対応するエンボス凹部として形成される。
一方、クレープ紙5には、複数のエンボス凸部9Aと該エンボス凸部9Aに対応する複数のエンボス凹部9Bとが表裏に形成されている。各エンボス凹部9Bは、平面視で非点対称な形状である正三角形状を呈している。また、エンボス凹部9Bの側面は、エンボス凹部9Bの底部から開口部に向かって図示しないテーパで形成されている。
エンボス凹部9Bは、図示しない凸エンボスロールをクレープ紙5に押し付けることにより、クレープ紙5上に複数のエンボス凸部9Aが形成され、該エンボス凸部9Aに対応するエンボス凹部として形成される。
なお、図2は、図3のAD1方向に見た図であり、キッチンペーパー1のクレープ紙5側に形成されているエンボス凸部9A(対応するエンボス凹部9B)は、クレープ紙3の下にあるため、図1、図2では、破線で示している。
クレープ紙3、5の坪量は、15〜30g/mである。坪量は、JIS P 8124(1998)を基準とする。クレープ紙3、5の坪量をこの範囲に調整すると、紙面に水や油などの液体が触れた際に、十分な液拡散性が得られ、特に高い吸水性能が得られる。またこの範囲内の坪量では、キッチンペーパーとして使用時の柔軟性、追従性が得られる。
クレープ紙3、5には、原紙の原料がパルプを主材とするものである。パルプ組成は、キッチンペーパーにおける公知の組成を用いることができる。例えば、パルプの配合割合を50質量%以上、好ましくは90質量%以上、より好ましくは100質量%とすることができる。
パルプ組成は、例えば、NBKP(針葉樹クラフトパルプ)やNUKP(針葉樹未晒しパルプ)などの針葉樹パルプと、LBKP(広葉樹クラフトパルプ)やLUKP(広葉樹未晒しパルプ)などの広葉樹パルプとを適宜の比率で使用することができる。特に、針葉樹パルプを広葉樹パルプと比較してより多い組成のパルプ組成であることが好ましい。針葉樹パルプと広葉樹パルプの比は、50:50〜80:20であるのが好ましい。
図2及び図3(A)に示すように、クレープ紙3のエンボス凸部7Aは、クレープ紙5の非エンボス部11(エンボス凸部9Aが設けられていない部分)に対向して配置されている。一方、クレープ紙5のエンボス凸部9Aは、クレープ紙3の非エンボス部13(エンボス凸部7Aが設けられていない部分)に対向して配置されている。
さらに、クレープ紙3のエンボス凸部7Aの頂部は、クレープ紙5の非エンボス部11に対して、接着剤15により接着されている。これにより、クレープ紙3、5間でネステッド形式の積層構造が形成されている。
なお、本例のように、クレープ紙3のエンボス凸部7Aの頂部とクレープ紙5の非エンボス部11とを接着させることにより、2枚のクレープ紙の接着部分を一方のクレープ紙(クレープ紙3)側にバランスよく配置することができる。そのため、接着剤による吸収性能の低下を少なくすることができる。
なお、接着剤15には、積層構造を有するキッチンペーパーに採用される公知の接着剤を用いることができる。このような接着剤としては、例えば、ポリビニルアルコール、デンプン、変性デンプン、カルボキシメチルセルロース等のセルロース系接着剤等がある。
また、本実施形態に係るキッチンペーパーは、公知のスチールラバー式のエンボス付与方法によりエンボスが形成されたクレープ紙を貼り合わせて製造することができる。
なお、クレープ紙3のエンボス凸部7Aの頂部とクレープ紙5の非エンボス部11とを接着する代わりに、クレープ紙5のエンボス凸部9Aの頂部とクレープ紙3の非エンボス部13とを接着してもよい。また、クレープ紙3のエンボス凸部7Aの頂部とクレープ紙5の非エンボス部11とを接着し、さらにクレープ紙5のエンボス凸部9Aの頂部とクレープ紙3の非エンボス部13とを接着してもよい。
本例では、図2に示すように、エンボス凹部9Bがエンボス凹部7Bに対して平面視で180°回転した形でエンボス凹部7B、7B間に配置されている。そして、エンボス凹部7Bとエンボス凹部9Bは、エンボス凹部7Bの重心G1とエンボス凹部9Bの重心G2が仮想の直線L1上に並ぶように配置されている。なお、重心G1、G2は、平面視で非点対称な形状(本例では正三角形状)の図心でもある。
このとき、隣り合うエンボス凹部7Bとエンボス凹部9Bとは、正三角形の一辺が略平行になるように配置されている。また、正三角形が凸となる方向が互いに180°反対側に向くように配置されている。
エンボス凹部7Bとエンボス凹部9Bをこのように配置することにより、エンボス凹部7Bとエンボス凹部9Bとの間に強度が高い部分(図3(A)のエンボス凸部9Aの部分)と油分等を吸収する部分(図3(A)のエンボス凸部7Aとエンボス凸部9Aの間に形成される空間)とを同じ割合でバランスよく配置することができる。そのため、クレープ紙3、5間の空間が潰れ難く、キッチンペーパーを使用する際に油分等を吸収する空間を確保することができる。
したがって、本例のキッチンペーパーでは、使用時の荷重によりエンボス空間が潰れ難く、荷重による吸収性能の低下(例えば、油分を吸収する前にエンボス空間が潰れて油分等が吸収できない場合、油分等が吸収された後に油分等が保持されたエンボス空間が潰れて油分等が染み出す場合、エンボス空間が潰れて油分等の吸収速度が低下する場合等)を防ぐことができる。
また、キッチンペーパー1では、上述のようにネステッド形式の積層構造が採用されている。そのため、使用対象との接触面積を小さくすることができ、キッチンペーパー内の空間を潰れ難くすることができる。また、ライン等を設けなくても吸収速度を維持することができるため、エンボス空間を増やすことができ、キッチンペーパー内の油分等を吸収する空間を大きくすることができる。さらに坪量や紙厚を小さくすることができるので、キッチンペーパーの厚みを薄くすることができる。
なお、キッチンペーパー1は、本発明のキッチンペーパーの一例であり、クレープ紙3、5は、本発明における第1のシート及び第2のシートの一例であり、エンボス凸部7A及びエンボス凹部7Bは、本発明における第1のエンボス凸部及び第1のエンボス凹部の一例であり、エンボス凸部9A及びエンボス凹部9Bは、本発明における第2のエンボス凸部及び第2のエンボス凸部の一例である。
キッチンペーパー1は、図2及び図3(B)に示すように、クレープ紙3には、複数のエンボス凸部17Aと該エンボス凸部17Aに対応する複数のエンボス凹部17Bとが表裏に形成されている。各エンボス凹部17Bも、平面視で非点対称な形状である正三角形状を呈している。また、エンボス凹部7Bの側面は、エンボス凹部7Bの底部から開口部に向かって図示しないテーパで形成されている。
エンボス凹部17Bは、図示しない凸エンボスロールをクレープ紙3に押し付けることにより、クレープ紙3上に複数のエンボス凸部17Aが形成され、該エンボス凸部17Aに対応するエンボス凹部として形成される。
一方、クレープ紙5には、複数のエンボス凸部19Aと該エンボス凸部19Aに対応する複数のエンボス凹部19Bとが表裏に形成されている。各エンボス凹部19Bは、平面視で非点対称な形状である正三角形状を呈している。また、エンボス凹部19Bの側面は、エンボス凹部19Bの底部から開口部に向かって図示しないテーパで形成されている。
エンボス凹部19Bも、図示しない凸エンボスロールをクレープ紙5に押し付けることにより、クレープ紙5上に複数のエンボス凸部19Aが形成され、該エンボス凸部19Aに対応するエンボス凹部として形成される。
なお、エンボス凸部9A(対応するエンボス凹部9B)と同様に、クレープ紙5に形成されたエンボス凸部19Aは、クレープ紙3の下にあるので、図1、図2では、破線で示している。
図2及び図3(B)に示すように、クレープ紙3のエンボス凸部17Aは、クレープ紙5の非エンボス部21(エンボス凸部19Aが形成されない部分)に対向して配置されている。また、クレープ紙5のエンボス凸部19Aは、クレープ紙3の非エンボス部23(エンボス凸部17Aが形成されない部分)に対向して配置されている。
さらに、クレープ紙3のエンボス凸部17Aとクレープ紙5の非エンボス部21は、接着剤25により接着されている。これにより、クレープ紙3、5間でネステッド形式の積層構造が形成されている。
クレープ紙3のエンボス凸部17Aの頂部とクレープ紙5の非エンボス部21を接着させることにより、2枚のクレープ紙の接着部分を一方のクレープ紙(クレープ紙3)側にバランスよく配置することができる。そのため、接着剤による吸収性能の低下を少なくすることができる。
なお、クレープ紙3のエンボス凸部17Aの頂部とクレープ紙5の非エンボス部21とを接着する代わりに、クレープ紙5のエンボス凸部19Aの頂部とクレープ紙3の非エンボス部23とを接着してもよい。また、クレープ紙3のエンボス凸部17Aの頂部とクレープ紙5の非エンボス部21とを接着し、さらにクレープ紙5のエンボス凸部19Aの頂部とクレープ紙3の非エンボス部23とを接着してもよい。
なお、接着剤25には、上述のエンボス凸部9Aの頂部と非エンボス部13を接着する接着剤15と同じ公知の接着剤を用いることができる。
本例では、図2に示すように、エンボス凹部19Bがエンボス凹部17Bに対して平面視で180°回転した形でエンボス凹部17B、17B間に配置されている。そして、エンボス凹部17Bとエンボス凹部19Bは、エンボス凹部17Bの重心G3とエンボス凹部19Bの重心G4が直線L1と平行に延びる仮想の直線L2上に並ぶように配置されている。なお、重心G3、G4は、平面視で非点対称な形状(本例では正三角形状)の図心でもある。
この場合、隣り合うエンボス凹部17Bとエンボス凹部19Bとは、正三角形の一辺が略平行になるように配置され、正三角形が凸となる方向が互いに180°反対の方向に向くように配置されている。
エンボス凹部17Bとエンボス凹部19Bをこのように配置することにより、エンボス凹部17Bとエンボス凹部19Bの間にも、強度が高い部分(図3(B)のエンボス凸部19Aの部分)と油分等を吸収する部分(図3(B)のエンボス凸部19Aとエンボス凸部17Aの間に形成される空間)とを同じ割合でバランスよく配置することができる。そのため、エンボス空間が潰れ難くなるため、エンボス凹部17B、エンボス凹部19Bの間でも荷重による吸収性能の低下を防ぐことができる。
本例ではさらに、図2及び図3に示すように、直線L2上のエンボス凹部17Bが直線L1上のエンボス凹部9Bに対して、平面視で180°回転した形で対向して配置されている。一方、直線L2上のエンボス凹部19Bは、直線L1上のエンボス凹部7Bに対して、平面視で180°回転した形で配置されている。
具体的には、図2では、直線L1上のエンボス凹部7Bと直線L2上のエンボス凹部19Bとは、正三角形の頂点と頂点が向き合うように配置されている。一方、直線L1上のエンボス凹部9Bと直線L2上のエンボス凹部17Bとは、正三角形状の一辺と一辺が平行になるように配置されている。
このとき、直線L1上のエンボス凹部7Bの頂点と直線L2上のエンボス凹部19Bの頂点との距離は、直線L1上のエンボス凹部9Bの一辺と直線L2上のエンボス凹部17Bの一辺との距離より短くなる。その結果、直線L1と直線L2との間で、強度が比較的強い三角形の頂点(三角形の幅が相対的に狭い部分)間の距離は相対的に短くなり、強度が比較的弱い三角形の辺(三角形の幅が相対的に広い部分)間の距離は相対的に長くなる。
エンボス凹部17Bとエンボス凹部19Bをこのように配置することにより、直線L1と直線L2とに着目すると、直線L1上のエンボス凹部7B及びエンボス凹部9Bと直線L2上のエンボス凹部17Bとエンボス凹部19Bとの間に、強度差のある部分をバランスよく配置することができる。そのため、キッチンペーパー全体で、エンボス空間が潰れ難くなるため、荷重による吸収性能の低下を確実に防ぐことができる。
また、このような強度差のある部分が配置された構造では、エンボス凹部7Bとエンボス凹部19Bの間に、強度が高い部分を形成することができる。一方、エンボス凹部9Bとエンボス凹部17Bとの間では、エンボス空間を広くすることができる。
そのため、直線L1と直線L2との間に、強度が高い部分(エンボス凹部7Bとエンボス凹部19Bとが対向する部分)と油分等の保持量が高い部分(エンボス凹部9Bとエンボス凹部17Bとが対向する部分)とを同じ割合でバランスよく配置することができる。その結果、荷重時でもエンボス空間が潰れ難く、油分等の保持量を高く維持することができる。
なお、エンボス凸部17A及びエンボス凹部17Bは、本発明における他の第1のエンボス凸部及び他の第1のエンボス凹部の一例であり、エンボス凸部19A及びエンボス凹部19Bは、本発明における他の第2のエンボス凸部及び他の第2のエンボス凹部の一例である。
なお、本例では、エンボス凹部7B、17B及びエンボス凹部9B、19Bの平面視形状がいずれも正三角形状のものを採用しているが、エンボス凹部の平面視形状は、平面視の形状が非点対称な形状であれば、特に限定されない。例えば、平面視で非点対称な形状としては、図4に示すように種々の形状を採用することができる。ただし、いずれの非点対称形状も、正三角形状のように幅の広い部分と狭い部分とを有する形状の方が、より三角形状に近い作用効果を有する。
平面視の形状が非点対称な形状としては、例えば、正三角形状でない三角形状(図4(A))を採用してもよい。三角形状の構造物は、一般に強度が高くなることが知られており、平面視三角形状のエンボス凹部を採用することにより、エンボス凹部に対応するエンボス凸部の強度を高めることができる。そのため、使用時に荷重がかかってもエンボス空間が潰れ難く、吸収性能が低下し難いキッチンペーパーが得られる。なお、平面視三角形状のうち、エンボス凸部の強度を高くすることができるエンボス凹部の形状としては、好ましくは、本例で採用した正三角形であると考えられる。
また、平面視で非点対称な形状として、例えば、台形形状(切頭三角形状)、凧型形状(隣り合った2本の辺の長さが等しい組が2組ある図形)、凸型形状、五角形等の多角形状を採用してもよい(図4(B)〜(F)参照)。このような平面視多角形状のエンボス凹部を採用しても、エンボス凹部の形状が平面視で非点対称な形状であるため、対応するエンボス凸部の強度を高めることができる。そのため、使用時に荷重がかかってもキッチンペーパーの吸収性能を確保しながら、エンボス凹部の平面視形状のバリエーションを増やすことができる。
なお、図5は、多角形状のうち図4(B)の台形形状を採用した場合のキッチンペーパーのエンボスパターンを示す。図5では、図2に対応する符号に100を加えた数の符号を付して説明を一部省略する。
また、図6は、多角形状のうち図4(C)の凧型形状を採用した場合のキッチンペーパーのエンボスパターンを示す。図6では、図2に対応する符号に200を加えた数の符号を付して説明を一部省略する。
さらに、図7は、多角形状のうち図4(D)の凸型形状を採用した場合のキッチンペーパーのエンボスパターンを示す。図7では、図2に対応する符号に300を加えた数の符号を付して説明を一部省略する。
また、平面視で非点対称な形状として、例えば、ハート型形状等(形状の一部または全部に曲線部を有する形状)を採用してもよい(図4(G)〜(K)参照)。ハート型形状は上述した三角形状と類似した形状であるため、エンボス凹部の平面視形状をこのような形状にすることにより、三角形と同じレベルの吸収性能を確保しながら、意匠性に優れたキッチンペーパーを提供することができる。
なお、図8は、図4(G)のハート型形状を採用した場合のキッチンペーパーのエンボスパターンを示す。図8では、図2に対応する符号に400を加えた数の符号を付して説明を一部省略する。
なお、本発明に係るキッチンペーパー1の主たる製品態様は、帯状で適宜の間隔で分断用のミシン目線が配されたものを紙管に巻き付けたロール状のもの、或いは、ピックアップ式、ポップアップ式等と称される、枚葉のキッチンペーパーが折畳み積層されたものが例示できるが、これらの製品態様が限定されるものではない。
以下、本発明の実施形態について、実施例を参照しながら、説明する。具体的には、本発明の実施形態に係るキッチンペーパー(実施例1、実施例2、実施例3)及び市販のキッチンペーパーとエンボス構造が同じキッチンペーパーの試作品(比較例1、比較例2)を用いて、本発明の効果を確認した。
[実施例1]
実施例1には、図1〜図3に示すネステッド形式の積層構造を備えるキッチンペーパーを用いた。
実施例1では、まず、図1〜図3に示すクレープ紙3、5の単位エンボスが正三角形状のエンボスパターン(エンボス凸部7A、17A、及びエンボス凸部9A、19A)に対応する凸エンボスパターンが形成された2つのアクリル板を用意する。
これらのアクリル板の凸エンボスパターンをそれぞれクレープ紙3、5に型押して、エンボス凸部7A、17Aに対応するエンボス凹部7B、17Bが形成されたクレープ紙3、およびエンボス凸部9A、19Aに対応するエンボス凹部9B、19Bが形成されたクレープ紙5を作製した。
なお、クレープ紙3、5には、原紙の繊維原料がパルプ100質量%のものを用いた。また、クレープ紙3、5には、坪量が21.2g/m、紙厚が121μmのものを用いた。
これらのクレープ紙3、5を、図1〜3に示すように、エンボス凸部7A、17Aの頂部と非エンボス部11、21が対向し、エンボス凸部9A、19Aの頂部と非エンボス部13、23が対向するように位置を合わせながら積層した。また、エンボス凸部9Aと非エンボス部13は、上述の接着剤15、25により接着した。得られたものはネステッド形式の積層構造を有し、これを実施例1のキッチンペーパーとした。
なお、実施例1では、エンボス凹部7Bとエンボス凹部9Bとは、X方向(凸エンボスロールの軸心方向)に並び、重心G1と重心G2との距離が2.4mmとなるように配置されている。また、エンボス凹部17Bとエンボス凹部19Bとは、重心G3と重心G4との距離が2.4mmとなるように配置されている。さらに重心G1と重心G2が並ぶ直線L1と重心G3と重心G4が並ぶ直線L2とは、Y方向(凸エンボスロールの回転方向)に並び、直線L1と直線L2との距離は、2.7mmとなっている。
なお、実施例1では、後述の比較例1及び比較例2のようなラインは設けられていない。
実施例1に関するその他の条件は、表1に示す。
[実施例2]
実施例2では、図5に示す単位エンボスが台形形状のエンボスパターン(エンボス凹部107B、117B、及びエンボス凸部109A、119A)に対応する凸エンボスパターンが形成された2つのアクリル板を用意する。
これらのアクリル板の凸エンボスパターンをクレープ紙103に型押して、エンボス凹部107B、117Bが形成されたクレープ紙103を作製した。なお、クレープ紙103の裏面に積層されるクレープ紙(エンボス凸部109A、119Aが形成されるクレープ紙)は、クレープ紙103と同様に作製する。
そして、クレープ紙103と裏面のクレープ紙とを、実施例1と同様に積層して、得られたネステッド形式の積層構造のキッチンペーパーを実施例2とした。
実施例2に関するその他の条件は、実施例1と同じである(表1参照)。
[実施例3]
実施例3では、図6に示す単位エンボスが凧型形状のエンボスパターン(エンボス凹部207B、217B、及びエンボス凸部209A、219A)に対応する凸エンボスパターンが形成された2つのアクリル板を用意する。
これらのアクリル板の凸エンボスパターンをクレープ紙203に型押して、エンボス凹部207B、217Bが形成されたクレープ紙203を作製した。なお、クレープ紙203の裏面に積層されるクレープ紙(エンボス凸部209A、219Aが形成されるクレープ紙)は、クレープ紙203と同様に作製する。
そして、クレープ紙203と裏面のクレープ紙とを、実施例1と同様に積層して、得られたネステッド形式の積層構造のキッチンペーパーを実施例3とした。
実施例3に関するその他の条件は、実施例1と同じである(表1参照)。
[比較例1]
比較例1には、図11〜図13に示すティップ トゥ ティップ形式の積層構造を備えるキッチンペーパーを用いた。なお、図11〜図13では、図1〜図3に対応する符号に500を加えた数の符号を付して説明を一部省略する。
比較例1では、まず図11〜図13に示すクレープ紙503、505の単位エンボスが略正方形のエンボスパターン(エンボス凸部507A、517A、エンボス凸部509A、519A)に対応する凸エンボスパターンが形成された2つのアクリル板を用意する。
これらのアクリル板の凸エンボスパターンをそれぞれクレープ紙503、505に型押しすることにより、クレープ紙503には、エンボス凸部507A、517Aと該エンボス凸部507A、517Aに対応するエンボス凹部507B、517Bとが表裏に複数形成される。また、クレープ紙505には、エンボス凸部509A、519Aと該エンボス凸部509A、519Aに対応するエンボス凹部509B、519Bとが表裏に複数形成される。
なお、クレープ紙503、505には、実施例1のクレープ紙3、5と同じ条件の原紙を用いた。
これらのエンボス加工されたクレープ紙503、505を、図11〜図13に示すように、エンボス凸部507A、517Aの頂部とエンボス凸部509A、519Aの頂部が対向し、非エンボス部513、523とクレープ紙505の非エンボス部511、521とが対向するように位置を合わせながら積層した。また、エンボス凸部507A、517Aの頂部とエンボス凸部509A、519Aの頂部とは、実施例1で用いた接着剤と同じ接着剤515、525により接着した。
得られたキッチンペーパー501の表面(クレープ紙503側)には、エンボス凸部507A、517Aに対応するエンボス凹部507B、519Bが形成される。一方、キッチンペーパー501の裏面(クレープ紙505側)には、エンボス凸部509A、519Aに対応するエンボス凹部509B、519Bが形成される。得られたものはティップ トゥ ティップ形式の積層構造を有し、これを比較例1のキッチンペーパーとした。
比較例1のキッチンペーパーでは、各エンボス凸部の平面視の形状が点対称な形状(略正方形)である。また、比較例1では、図11に示すようにエンボスブロックBL1間にラインLN1が設けられている。
なお、図12に示すように、比較例1では、エンボス凹部507Bは重心G501と重心G502との距離が3.8mmとなるように配置されている。また、エンボス凹部517Bも、重心間の距離が3.8mmとなるように配置されている。さらに重心G501と重心G502が並ぶ直線L501と直線L502を挟むもう一つの直線L501のとの距離は、3.7mmとなっている。
比較例1に関するその他の条件は、表1に示す。
[比較例2]
比較例2には、図14〜図16に示すネステッド形式の積層構造を備えるキッチンペーパーを用いた。なお、図14〜図16では、図1〜図3に対応する符号に600を加えた数の符号を付して説明を省略する。
比較例2では、まず、図14〜図16に示すクレープ紙603、605の単位エンボスが三角形状のエンボスパターン(エンボス凸部607A、617A、エンボス凸部609A、619A)に対応する凸エンボスパターンが形成された2つのアクリル板を用意する。
これらのアクリル板のエンボスパターンをそれぞれクレープ紙に型押しすることにより、エンボス凸部607A、617Aに対応するエンボス凹部607B、617Bが形成されたクレープ紙603、およびエンボス凸部609A、619Aに対応するエンボス凹部609B、619Bが形成されたクレープ紙605を作製した。
なお、クレープ紙603、605には、実施例1と同じ条件の原紙を用いた。
これらのクレープ紙603、605を、図14〜図16に示すように、エンボス凸部607A、617Aの頂部と非エンボス部611、621が対向し、エンボス凸部609A、619Aの頂部と非エンボス部613、623が対向するように位置を合わせながら積層した。また、エンボス凸部607A、617Aの頂部と非エンボス部611、621は、実施例1で用いた接着剤と同じ接着剤により接着した。得られたものはネステッド形式の積層構造を有し、これを比較例2のキッチンペーパーとした。
また、比較例2では、各エンボス凹部の平面視の形状が非点対称な形状(略正三角形)であるが、X方向に見たときにエンボス凹部607B、609Bの重心G601、G602は直線上に並んでいない。すなわち、エンボス凹部607B、607Bの間には、重心G602が直線L601上から直線L602側にずれるようにエンボス凹部609Bが配置されている。
また、エンボス凹部617B、619Bの重心G603、G604が直線上に並んでいない。すなわち、エンボス凹部619B、619Bの間には、重心G603が直線L602上から直線L601側にずれるようにエンボス凹部617Bが配置されている。
なお、比較例2では、エンボス凹部607B、607Bは、重心G601と重心G601との距離が4.8mmとなるように配置されている。また、エンボス凹部619B、619Bは、重心G604と重心G604との距離が4.8mmとなるように配置されている。さらに重心G601と重心G602が並ぶ直線L601と重心G603と重心G604が並ぶ直線L602との距離は、2.7mmとなっている。また、直線L602ともう一つの直線L601との距離は、2.0mmとなっている。
比較例2に関するその他の条件は、表1に示す。
これらの実施例1、実施例2、実施例3、比較例1、比較例2について、荷重時の減衰性、及び荷重時の油吸収性を測定した。各測定方法は、下記のとおりである。
[原紙]
<坪量>
試験で使用する原紙の坪量は(g/m)は、JIS P 8124(1998)により算出する。
<紙厚>
原紙の紙厚(μm/1枚)を測定する。原紙の紙厚の測定方法は、原紙をJIS P 8111(1998)の条件下で十分に調湿した後、同条件下でダイヤルシックネスゲージ(厚み測定器)「PEACOCK G型」(尾崎製作所製)を用いて測定する。
測定の具体的な手順は、プランジャーと測定台の間にゴミ、チリ等がないことを確認してプランジャーを測定台の上におろし、該ダイヤルシックネスゲージのメモリを移動させてゼロ点を合わせる。次いで、プランジャーを上げて試料を試験台の上におき、プランジャーをゆっくりと下ろし、そのときのゲージを読み取る。このとき、プランジャーをのせるだけとする。プランジャーの端子は金属製で直径10mmの円形の平面が紙平面に対し垂直に当たるようにする。この厚みの測定時の荷重は、120μmの際に約70gfである。なお、厚みの測定値は、測定を10回行って得られる平均値とする。
[荷重時の減衰試験]
まず、実施例1〜実施例3、比較例1、比較例2の試験片として、2枚のクレープ紙を1組にしてそれぞれ12cm×12cmの寸法に裁断した試験片を用意する。試験片は、図9に示すように、裁断した試験片を10組重ね、その上にプラスチック製の板(約12cm×12cm、厚み0.8mm、重さ14.1g)を載せ、図9の左側に示すようにJIS1級金尺を用いて試験片の高さを測定する。測定箇所は、プラスチック製の板の上端とし、測定値を試験片の高さとする。このときの試験片の高さを、初期厚みとする。
初期厚みを測定した後、試験片に載せたプラスチック製の板の上に、さらに錘186g(約12cm×12cm、厚み12mm)を載せ、図9の右側に示すようにJIS1級金尺を用いて試験片の高さを測定する。測定箇所は、初期厚みと同様に、プラスチック製の板の上端とし、測定値を試験片の高さとする。このときの試験片の高さを、荷重時の厚みとする。
測定した初期厚みと荷重時の厚みとから荷重時の減衰率(潰れ率)を算出する。荷重時の減衰率は、下記式より算出する。
・荷重時の減衰率(%)=(初期厚み−荷重時の厚み)÷初期厚み×100
なお、荷重時の減衰率は、1回の測定で得られた初期厚みおよび荷重時の厚みから算出した。実施例1〜実施例3、比較例1、比較例2における初期厚み(mm)、荷重時の厚み(mm)及び荷重時の減衰率(%)を、参考までに表1に示す。
[油吸収性の測定]
油吸収性の試験方法は、荷重時の減衰試験と同様に、試験片を12cm×12cmに裁断する。電子天秤(株式会社エー・アンド・デイ製のHR300等)を用いて、図10に示すプラスチック製のシート(約12cm×12cm、厚み0.2mm、重さ2.7g、材質ポリプロピレン)、試験片、錘(直径約82mm、厚み10mm、重さ59g、材質アクリル)、下紙(コピー用紙を約12cm×12cmに裁断したものを5枚)の各重量を測定する。測定後、プラスチック製のシートの上に試験片を載せ、試験片の中央に錘を載せる。なお、錘には厚み方向に貫通する孔が設けられている。孔の直径は、約12mmである。
その後、ピペット(Thermo scientific社製、FinnpetteF2、 0.5〜5ml)で2.3ml(約2.0g)の油(常温のサラダ油)(日清オイリオグループ株式会社製の日清サラダ油)を錘の孔から滴下する。このとき滴下位置(エンボス部)は、図10に示すように試験片の中心位置に固定しておく。
滴下2分後、錘を取り除き、重量を測定する。その後、プラスチック製のシートを取り除き重量を測定する。そして、試験片の重量を測定し、下紙に置きなおしてから、さらに5分後、試験片の重量(最終保持した油量)、下紙の油量(保持できなかった油量)を測定する。
実施例1〜実施例3、比較例1、比較例2において、図10に示すように試験片吸油量(g)、裏抜け量(g)、戻り量(g)、滴下油量(g)、試験片最終保持量(g)、最終裏抜け量(g)、裏抜け総量(g)、滴下油量に対する試験片吸油量(%)、裏抜け量(%)、戻り量(%)、試験片最終保持量(%)、最終裏抜け量(%)、裏抜け総量(%)を測定し、表1に示した。
試験片吸油量(g)等の各項目は、下記に列挙する式により算出した。
・試験片吸油量(g)=滴下2分後の試験片重量−試験片重量
・裏抜け量(g)=滴下2分後のプラスチック製のシート重量−プラスチック製のシート重量
・戻り量(g)=滴下2分後の錘重量−錘重量
・滴下油量(g)=試験片吸油量+裏抜け量+戻り量
・試験片最終保持量(g)=5分後の試験片重量−試験片重量
・最終裏抜け量(g)=5分後の下紙の重量−下紙の重量
・裏抜け総量(g)=裏抜け量+最終裏抜け量
・試験片吸油量(%)=試験片吸油量÷滴下油量×100
・裏抜け量(%)=裏抜け量÷滴下油量×100
・戻り量(%)=戻り量÷滴下油量×100
・試験片最終保持量(%)=最終保持量÷滴下油量×100
・最終裏抜け量(%)=最終裏抜け量÷滴下油量×100
・裏抜け総量(%)=裏抜け総量÷滴下油量×100
なお、試験片吸油量(g)、裏抜け量(g)、戻り量(g)、滴下油量(g)、試験片最終保持量(g)、最終裏抜け量(g)、裏抜け総量(g)の各測定値は、測定を3回行って得られる平均値とする。これらの試験片吸油量(g)等から、試験片吸油量(%)、裏抜け量(%)、戻り量(%)、試験片最終保持量(%)、最終裏抜け量(%)、裏抜け総量(%)を算出した。
Figure 2018053393
[荷重時の減衰率の比較]
表1から荷重時の減衰試験の結果を比較すると、実施例1〜実施例3では、初期厚みが、比較例1、比較例2より薄くなっている。これに対して、荷重時の減衰率(潰れ率)は、比較例1、比較例2より小さくなっている。この結果は、実施例1〜実施例3が荷重に対して潰れ難いことを示している。特に、同じネステッド形式の積層構造を備える比較例2に対しても、実施例1〜実施例3は潰れ難いことを示している。
[油吸収性の比較]
表1から油吸収性の結果を比較すると、実施例1〜実施例3では、滴下油量に対する試験片の吸油量、および最終保持量のいずれも、比較例1、比較例2に対して高くなっている。また、滴下油量に対する試験片の戻り量は、比較例1、比較例2に対して低くなっている。これらの結果は、実施例1〜実施例3の油保持性能が高いことを示している。特に、同じネステッド形式の積層構造を備える比較例2に対して、実施例1〜実施例3は高い油保持性能を示している。
また、実施例1〜実施例3では、滴下油量に対する裏抜け量、最終裏抜け量、裏抜け総量のいずれも、比較例1、比較例2に対して低くなっている。この結果は、実施例1〜実施例3では油の裏抜けがし難い(染み出し難い)ことを示している。特に、同じネステッド形式の積層構造を備える比較例2に対しても、実施例1〜実施例3は油の裏抜けがし難いことを示している。
[積層構造の比較]
ここで、実施例1と比較例1、比較例2との積層構造について比較すると、まずティップ トゥ ティップ形式の積層構造を有する比較例1に対して、実施例1はネステッド形式の積層構造を有するため、潰れ難くなっている(図3、図13参照)。これは、上述の荷重時の減衰試験の結果からも裏付けられている。
また、ネステッド形式の積層構造を有する比較例2に対して、実施例1もネステッド形式の積層構造を有するものであるが、実施例1の直線L1と比較例2の直線L601の断面を比較した場合、比較例2のエンボス凸部609Aの幅d601よりも実施例1のエンボス凸部9Aの幅d1の方が大きい(図2、図3、図15、図16参照)。そのため、比較例2の構造に対して実施例1の構造は、荷重に対して強度が高い部分が重心G1、G2が並ぶ方向に同じ割合で配置されているため、潰れ難くなっているものと考えられる。
一方、実施例1の直線L2と比較例2の直線L602の断面を比較した場合、比較例2のエンボス凸部617Aの幅d602より実施例1のエンボス凸部17Aの幅d2が大きい。そのため、比較例2の構造に対して実施例1の構造は、荷重に対して強度が高い部分が重心G3、G4が並ぶ方向に同じ割合で配置されているため、さらに潰れ難くなっているものと考えられる。
また、比較例2では、直線L601と直線L602の断面を比べた場合、エンボス凸部609Aの幅d601とエンボス凸部619Aの幅d603とは寸法が異なっている(図16(A)、(B)参照)。これに対して、実施例1では、直線L1と直線L2の断面を比べた場合、エンボス凸部9Aの幅d1とエンボス凸部19Aの幅d3とは寸法が略同一である(図3(A)、(B)参照)。
そのため、実施例1では、荷重に対して強度が低いエンボス空間と荷重に対して強度が高いエンボス凸部9Aが重心G1、G2が並ぶ方向に同じ割合でバランスよく配置されている。また、荷重に対して強度が低いエンボス空間と荷重に対して強度が高いエンボス凸部19Aが重心G3、G4が並ぶ方向に同じ割合でバランスよく配置されている。そのため、キッチンペーパー全体でエンボス空間が潰れ難くなっているものと考えられる。
さらに、実施例1の直線L1と比較例2の直線L601の断面を比較した場合、比較例2ではエンボス凸部607Aとエンボス凸部609Aの間の幅d604に比べてエンボス凸部609Aの幅d601の寸法が小さい(図16(A)参照)。一方、実施例1では、エンボス凸部7Aとエンボス凸部9Aの間の幅d4とエンボス凸部9Aの幅d1とは略同一の寸法である(図3(A)参照)。
そのため、実施例1では、エンボス凸部7Aとエンボス凸部9Aの間に形成される強度が弱いエンボス空間と強度が強いエンボス凸部9Aとが、重心G1、G2が並ぶ方向に同じ割合で配置されているため、より潰れ難くなっているものと考えられる。
実施例1の直線L2と比較例2の直線L602の断面を比較した場合も、比較例2ではエンボス凸部619Aとエンボス凸部617Aの間の幅d605に比べてエンボス凸部617Aの幅d602の寸法が小さい(図16(B)参照)。一方、実施例1では、エンボス凸部19Aとエンボス凸部17Aの間の幅d5とエンボス凸部17Aの幅d2とは略同一の寸法である(図3(B)参照)。
そのため、実施例1では、エンボス凸部19Aとエンボス凸部17Aの間に形成される強度が弱いエンボス空間と強度が強いエンボス凸部17Aとが、重心G3、G4が並ぶ方向に同じ割合で配置されているため、より潰れ難くなっているものと考えられる。
また、実施例1では、直線L1上のエンボス凹部7Bと直線L2上のエンボス凹部19Bとは、正三角形の頂点と頂点が向き合うように配置されており、直線L1上のエンボス凹部9Bと直線L2上のエンボス凹部17Bとは、正三角形状の一辺と一辺が平行になるように配置されている。直線L1上のエンボス凹部7Bの頂点と直線L2上のエンボス凹部19Bの頂点との距離は、直線L1上のエンボス凹部9Bの一辺と直線L2上のエンボス凹部17Bの一辺との距離より短くなる。
その結果、実施例1では、直線L1と直線L2との間で、強度が比較的強い三角形の頂点(三角形の幅が相対的に狭い部分)間の距離は相対的に短くなり、強度が比較的弱い三角形の辺(三角形の幅が相対的に広い部分)間の距離は相対的に長くなる。
そのため、実施例1では、直線L1と直線L2との間に、強度差のある部分をバランスよく配置することができ、キッチンペーパー全体で、エンボス空間が潰れ難くなるため、荷重による吸収性能の低下を確実に防ぐことができる。
また、このような強度差のある部分では、エンボス凹部7Bとエンボス凹部19Bの間に、強度が高い部分を形成することができる一方、エンボス凹部9Bとエンボス凹部17Bとの間では、エンボス空間を広くすることができる。そのため、直線L1と直線L2との間に、強度が高い部分(エンボス凹部7Bとエンボス凹部19Bとが対向する部分)と油分等の保持量が高い部分(エンボス凹部9Bとエンボス凹部17Bとが対向する部分)とを同じ割合でバランスよく配置することができる。その結果、荷重時でもエンボス空間が潰れ難くしながら、油分等の保持量を高く維持することができる。
これに対して、比較例2でも、直線L601上のエンボス凹部607Bと直線L602上のエンボス凹部619Bとは、正三角形の頂点と頂点が向き合うように配置されており、直線L601上のエンボス凹部609Bと直線L602上のエンボス凹部617Bとは、正三角形状の一辺と一辺が平行になるように配置されている。
しかし、比較例2では直線L601上のエンボス凹部607Bの頂点と直線L602上のエンボス凹部619Bの頂点との距離と、直線L601上のエンボス凹部609Bの一辺と直線L602上のエンボス凹部617Bの一辺との距離とは略同一である。すなわち、直線L601と直線L602との間で、強度が比較的強い三角形の頂点(三角形の幅が相対的に狭い部分)間の距離と、強度が比較的弱い三角形の辺(三角形の幅が相対的に広い部分)間の距離とが略同一である。
そのため、比較例2では、直線L601と直線L602との間に、強度差のある部分が生じ難いため、直線L601と直交する方向に対して、エンボス空間が潰れ易くなり、荷重による吸収性能が低下する。
また、比較例2では、実施例1のように、エンボス凹部607Bとエンボス凹部619Bとの間に、強度が高い部分を形成することができず、またエンボス凹部609Bとエンボス凹部617Bとの間のエンボス空間を広くすることができない。すなわち、比較例2では、実施例1のように、直線L601と直線L602との間に、強度が高い部分と油分等の保持量が高い部分とを、バランスよく配置することができない。そのため、比較例2では、荷重時にエンボス空間が潰れ易く、また油分等の保持量を高く維持することができない。
なお、上述した積層構造の比較における実施例1の効果は、実施例1と同様に各エンボス凹部の平面視の形状が非点対称な形状である実施例2、実施例3でも、ほぼ同等に得られることが想定できる。
以上の結果から、本発明のキッチンペーパーは、紙厚を薄くすることができ、吸油速度を速くすることができるネステッド形式の利点を維持しながら、ティップ トゥ ティップ形式および従来のネステッド形式のキッチンペーパーよりも潰れ難く、使用時の油吸収性能に優れていることが判った。
以上、本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内において、種々の変形、変更が可能である。
1 キッチンペーパー
3、5 クレープ紙
7A、9A、17A、19A エンボス凸部
7B、9B、17B、19B エンボス凹部
G1、G2、G3、G4 重心
L1、L2 直線
上記課題を解決するため、本発明の第一の態様は、第1のエンボス凸部と対応する第1のエンボス凹部とが表裏に複数形成された第1のシートと、第2のエンボス凸部と対応する第2のエンボス凹部とが表裏に複数形成された第2のシートとを、エンボス凸部の形成面を対面させてネステッド形式で一体化させたキッチンペーパーであって、前記第1及び第2のエンボス凹部は平面視で共に非点対称の形状であり、前記第2のエンボス凹部が前記第1のエンボス凹部に対して平面視で180°回転した形で前記第1のエンボス凹部の間に配置され、前記第1のエンボス凹部と前記第のエンボス凹部のそれぞれの重心が第1の直線上に並んでいる。

Claims (5)

  1. 第1のエンボス凸部と対応する第1のエンボス凹部とが表裏に複数形成された第1のシートと、第2のエンボス凸部と対応する第2のエンボス凹部とが表裏に複数形成された第2のシートとを、エンボス凸部の形成面を対面させてネステッド形式で一体化させたキッチンペーパーであって、
    前記第1及び第2のエンボス凹部は平面視で共に非点対称の形状であり、
    前記第2のエンボス凹部が前記第1のエンボス凹部に対して平面視で180°回転した形で前記第1のエンボス凹部の間に配置され、
    前記第1のエンボス凹部と前記第1のエンボス凹部のそれぞれの重心が第1の直線上に並ぶことを特徴とするキッチンペーパー。
  2. 他の前記第1のエンボス凹部と他の前記第2のエンボス凹部とのそれぞれの重心が、前記第1の直線と平行な第2の直線上に並んでおり、
    前記他の第2のエンボス凹部は、前記第1の直線上の前記第1のエンボス凹部と対向し、かつ前記第1のエンボス凹部に対して平面視で180°回転した形で配置されている、請求項1に記載のキッチンペーパー。
  3. 前記平面視で非点対称な形状は、正三角形状である、請求項1または2に記載のキッチンペーパー。
  4. 前記平面視で非点対称な形状は、多角形状である、請求項1または2に記載のキッチンペーパー。
  5. 前記平面視で非点対称な形状は、ハート型形状である、請求項1または2に記載のキッチンペーパー。
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