JP2018052546A - 定温管理及び輸送容器 - Google Patents

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Abstract

【課題】使用前に恒温槽やインキュベータを用いる必要がなく、使用前の準備作業が簡便である定温保管及び輸送容器を提供する。【解決手段】定温管理及び輸送容器は、保管対象物を収容する空間に一方の面が接するように配置され、相変化物質を内蔵する潜熱蓄熱手段と、潜熱蓄熱手段の少なくとも他方の面に近接又は接して配置され、電気的に加熱を行う加熱手段と、潜熱蓄熱手段及び加温手段を内側に収容する断熱性筐体とを備えている。【選択図】図2

Description

本発明は、内部に収容された対象物の温度を低温環境下においても所定温度範囲に維持して保管及び輸送することが可能な定温管理及び輸送容器に関する。
特許文献1には、動物細胞を含む細胞組織医療用具である対象物を室温の領域内で細胞の生存率を低下させることなく輸送する容器として、内側容器及び外側容器の2層構造から形成し、内側容器を蓄熱性ゲルを収容した発泡スチロールやウレタンフォーム等の汎用性断熱材料で形成し、外側容器を発泡スチロールやウレタンフォーム等の汎用性断熱材料及び真空断熱パネル等の高性能断熱材料で形成し、さらに、ガス供給部、発熱部、温度制御部及び流量調整用バルブ等を設けて加温を継続することにより、低温環境(−5℃)下であっても内部温度を15〜35℃の室温範囲内に維持する輸送容器が記載されている。
この特許文献1に記載の輸送容器は、内部温度を低温環境下であっても室温範囲内に維持するために、酸素を外部から取り入れる空気取り入れパイプ、ガスボンベによるガス供給部、酸化触媒による発熱部、温度制御部及び流量調整用バルブを設ける必要がある。このため、装置構成が複雑となることから故障が生じやすく、外形寸法がどうしても大きくなってしまうことのみならず、製造コストがかなり高価であった。また、ガスボンベを使用していることから航空機内に持ち込むことができなかった。さらに、ガスボンベ内のガスが空の状態では作動できず、代わりのガスボンベを現場で直ちに入手することは難しかった。
このため、最近のこの種の輸送容器では、容器内側に取り外し可能な蓄熱材、例えば相変化物質(Phase Change Material;PCMと称す)を内蔵する潜熱蓄熱材、を配置し、輸送の前にこの潜熱蓄熱材を取り外して恒温槽又はインキュベータで加温してPCMの融解を行った後、その潜熱蓄熱材を輸送容器内に戻し、輸送中はその潜熱蓄熱材の潜熱のみで保温することが行われている。
特開2004−217290号公報
しかしながら、この種の輸送容器を用いる方法は、使用前に、PCMの融解のために恒温槽やインキュベータを用いる必要があり、潜熱蓄熱材を輸送容器から取り外してPCMの融解を行いその後に輸送容器に戻すという作業が必要であり手間がかかるという問題や、そのような設備の存在しない場所では、この輸送容器を使用できないという課題を有していた。
従って本発明の目的は、使用前に恒温槽やインキュベータを用いる必要がない定温管理及び輸送容器を提供することにある。
本発明の他の目的は、使用前の準備作業が簡便である定温保管及び輸送容器を提供することにある。
本発明によれば、保管対象物を収容する空間に一方の面が接するように配置され、相変化物質を内蔵する潜熱蓄熱手段と、潜熱蓄熱手段の少なくとも他方の面に近接又は接して配置され、電気的に加熱を行う加熱手段と、潜熱蓄熱手段及び加温手段を内側に収容する断熱性筐体とを備えている定温管理及び輸送容器が提供される。
電気的加熱手段を熱源として用いており、相変化物質(PCM)を内蔵する潜熱蓄熱手段が保管対象物を収容する空間に接するように配置されているため、恒温槽やインキュベータを用いることなく電気の供給のみでPCMを融解することができ、使用前の準備作業が非常に簡便となる。しかも、非常に簡易な構成であるため、全体の構成が簡単であり従って故障が生じにくく信頼性が非常に高い。構成が簡単であることから製造コストを抑制できる。さらに、輸送時は加熱手段が付勢されないため、この定温保管及び輸送容器を航空機内へも持ち込み可能であり、使用する場所においても電気さえ通じていれば容易に作動させることができる。
加熱手段が、潜熱蓄熱手段の他方の面のみに近接又は接して配置された電気的加熱ヒータから構成されていることが好ましい。
加熱手段が、潜熱蓄熱手段の他方の面に近接又は接しかつ上述の空間の底部を覆うように配置された電気的加熱ヒータから構成されていることも好ましい。
潜熱蓄熱手段が、空間を挟んで上下、左右又は前後に配置された平直方体形状の少なくとも1対の潜熱蓄熱部材を備えており、加温手段が、少なくとも1対の潜熱蓄熱部材の上述の空間に接する面とは反対側の他方の面に近接又は接すると共に、上述の空間の底部を覆うように配置された電気的加熱ヒータを備えているも好ましい。
電気的加熱ヒータが、商用電源により付勢されて潜熱蓄熱手段を加温するように構成されていることも好ましい。
上述の空間の温度を検出する温度検出手段と、温度検出手段によって検出された温度に応じて加熱手段による加熱を自動的に制御する制御手段とをさらに備えていることも好ましい。PCMの融解作業を自動的に行うことができるため、使用前の準備作業が非常に簡便となる。
潜熱蓄熱手段が、高級アルコール、高級アルカン、高級アルコール及び高級アルカン、又は無機水和物を含有する潜熱蓄熱材を内部に封入してなる容器から構成されていることも好ましい。潜熱蓄熱手段が、高級アルコール、高級アルカン、高級アルコール及び高級アルカン、又は無機水和物を包含していることにより、目標とする保管対象物の温度を長時間にわたって維持することができる。
断熱性筐体が外部筐体と外部筐体内に充填された断熱材とから構成されており、断熱材がポリスチレン、ポリウレタン、ポリエチレン若しくはポリプロピレンを発泡させた発泡プラスチック、グラスウール、又は真空断熱材で形成されていることも好ましい。
本発明によれば、恒温槽やインキュベータを用いることなく電気の供給のみでPCMを融解することができ、使用前の準備作業が非常に簡便となる。しかも、非常に簡易な構成であるため、全体の構成が簡単であり従って故障が生じにくく信頼性が非常に高い。構成が簡単であることから製造コストを抑制できる。さらに、輸送時は加熱手段が付勢されないため、この定温保管及び輸送容器を航空機内へも持ち込み可能であり、使用する場所においても電気さえ通じていれば容易に作動させることができる。
本発明の定温保管及び輸送容器の一実施形態における外観構成を概略的に示す斜視図である。 図1の定温保管及び輸送容器の蓋体を開けた状態の内部構成を概略的に示す斜視図である。 図1の定温保管及び輸送容器から保管対象物、潜熱蓄熱部材及び加熱ヒータを取り除いた状態の構成を概略的に示す斜視図である。 図3の定温保管及び輸送容器に潜熱蓄熱部材を挿入する場合の構成を概略的に示す斜視図である。 図1の定温保管及び輸送容器に装着される加熱ヒータの構成を概略的に示す斜視図である。 図1の定温保管及び輸送容器の各構成要素の配置を模式的に示す断面図である。 図1の定温保管及び輸送容器における電気的構成を概略的に示すブロック図である。 図1の定温保管及び輸送容器における経過時間と温度との関係を示すグラフである。 本発明の定温保管及び輸送容器の他の実施形態における電気的構成を概略的に示すブロック図である。 本発明の定温保管及び輸送容器のさらに他の実施形態における各構成要素の配置を模式的に示す断面図である。 図1の定温保管及び輸送容器の各位置における温度変化特性を示すグラフである。 図1の定温保管及び輸送容器の各位置における温度変化特性を示すグラフである。 図1の定温保管及び輸送容器の各位置における温度変化特性を示すグラフである。 図1の定温保管及び輸送容器における放置時間と温度との関係を示すグラフである。
図1は本発明の定温保管及び輸送容器の一実施形態における外観構成を概略的に示しており、図2はこの定温保管及び輸送容器の蓋体を開けた状態の内部構成を概略的に示しており、図3はこの定温保管及び輸送容器のから保管対象物、潜熱蓄熱部材及び加熱ヒータを取り除いた状態の構成を概略的に示しており、図4はこの定温保管及び輸送容器に潜熱蓄熱部材を挿入する場合の構成を概略的に示しており、図5はこの定温保管及び輸送容器に装着される加熱ヒータの構成を概略的に示しており、図6はこの定温保管及び輸送容器の各構成要素の配置を模式的に示している。
本実施形態の定温保管及び輸送容器は、保管対象物を保管、輸送するために使用される定温輸送容器である。保管対象物としては、例えば血液があり、これを所定の温度範囲に維持して輸送するために用いられる。保管対象物としては、その他に、医薬品、試薬及び細胞組織等の検体類、牛胚等の生体細胞、並びに食料品等が挙げられる。
図1において、10は本体10aとその上側の開口に蝶番によってヒンジ係合された蓋体10bとから構成された、定温保管及び輸送容器(定温輸送容器)の外部筐体である。この外部筐体10は、本実施形態では、アルミニウム材料によるケースで形成されている。蓋体10bには取手10cが設けられており、また、この蓋体10bは留め金10dによって本体10aに止着される。単なる一例であるが、外部筐体10の外形寸法は、360mm(W)×220mm(D)×245mm(H)である。
図2〜図6に示すように、本体10aの内側には、保管対象物用の容器である収容管11、収容管11の支持部材12、PCMを内蔵する潜熱蓄熱部材13及び平面形状の加熱ヒータ14を収容するアルミニウム材料による直方体形状の収容筐体15が中央部に設けられている。単なる一例であるが、この収容筐体15の内形寸法は、230mm(W)×95mm(D)×150mm(H)である。
この収容筐体15と本体10aとの間には、本実施形態では成型された発泡ポリスチレンからなる断熱材16aが充填されている。収容筐体15と、この収容筐体15の周囲及び底面外側に設けられた断熱材16aとによって、本発明の断熱性筐体が構成されている。蓋体10bの内部にも成型された発泡ポリスチレンからなる断熱材16bが充填されている。収容筐体15をアルミニウム材料に代えて、他の金属材料又はプラスチック材料で形成しても良い。また、断熱材16a及び16bを、発泡ポリスチレンに代えて、発泡ポリウレタン、発泡ポリエチレン若しくは発泡ポリプロピレン等又はグラスウールで形成しても良い。さらに、断熱材として、真空断熱材を用いても良い。
本実施形態において、収容管11は内部に血液等の保管対象物を収容した複数の管、例えば採血管、遠沈管又はフラスコであり、これら収容管11は成型された発泡ポリスチレンから構成される支持部材12に保持されている。単なる一例であるが、この支持部材12の外形寸法は、230mm(W)×35mm(D)×150mm(H)である。なお、保管対象物が牛胚等の生体細胞である場合は、収容管に代えてチューブが用いられ、支持部材12は複数のチューブを支持する薄い直方体形状の支持ケースとなる。この支持ケースはアルミニウム材料(アルミニウム板)、他の金属材料又はプラスチック材料から形成される。
図6に示すように、収容管11を支持する支持部材12の両側面には1対の潜熱蓄熱部材13が配置されており、これら1対の潜熱蓄熱部材13の外側には加熱ヒータ14が配置されている。これら、支持部材12、1対の潜熱蓄熱部材13及び加熱ヒータ14は、収容筐体15の長手の内壁面と平行となるように配置されている。即ち、支持部材12の側面に各潜熱蓄熱部材13の一方の側面が近接又は接して配置されており、各潜熱蓄熱部材13の他方の側面と収容筐体15の長手の内壁面との間には加熱ヒータ14が潜熱蓄熱部材13の他方の側面に近接又は接して配置されている。本実施形態において、加熱ヒータ14は、各潜熱蓄熱部材13の外側の側面と、各潜熱蓄熱部材13及び支持部材12の底面に近接又は接しており、これらを包み込むように配置されている。
収容筐体15の互いに対向する短手の内壁面には、上下方向に伸長した2対の搭載用ガイド部材15aがそれぞれ固着して設けられている。各搭載用ガイド部材15aは、コの字状断面を有するステンレス板材料で形成されている。互いに対向する2対の搭載用ガイド部材15a間に1対の潜熱蓄熱部材13をそれぞれスライド挿入することにより、これら1対の潜熱蓄熱部材13が収容筐体15内の定位置に保持される。
各潜熱蓄熱部材13にはPCMが内蔵されている。即ち、本実施形態では、保管温度を35℃〜38℃の範囲に保つために、凝固点温度が約37℃の潜熱蓄熱材、例えば、1−テトラデカノールによる高級アルコールとn−エイコサンによる高級アルカンからなる潜熱蓄熱材(500g)がハードタイプのプラスチック容器内に収容されている。この潜熱蓄熱材の単位潜熱量は205J/gである。
潜熱蓄熱材として、目標保管温度が約25℃の場合、凝固点温度が約25℃の潜熱蓄熱材、例えばn−オクタデカンによる高級アルカンを主成分として1−テトラデカノールによる高級アルコールを含有する潜熱蓄熱材(単位潜熱量:200J/g)を用いても良い。また、目標保管温度が約20℃の場合、凝固点温度が約20℃の潜熱蓄熱材、例えば1−ドデカノールによる高級アルコールを主成分としてn−オクタデカンによる高級アルカンを含有する潜熱蓄熱材(単位潜熱量:230J/g)を用いても良い。
潜熱蓄熱材としては、その他に、例えば、凝固点温度が約29.7℃の塩化カルシウム水和物、凝固点温度が約32.4℃の硫酸ナトリウム水和物、凝固点温度が約48℃のチオ硫酸ナトリウム水和物、又は凝固点温度が約58℃の酢酸ナトリウム水和物等の無機水和物を用いても良いし、ポリエチレングリコール等のグリコール系アルコールを用いても良い。ポリエチレングリコールはその分子量(例えば600〜20000)に応じて凝固点温度が相違する(例えば20℃〜63℃)。また、凝固点温度が約18℃の1−4ブタンジオール等を用いても良い。
なお、本実施形態では、潜熱蓄熱部材のプラスチック容器として、単なる一例であるが、例えば140mm(W)×220mm(D)×27mm(H)の直方体形状のものを使用している。プラスチック容器の素材としては、特に限定されないが、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタラート、ポリスチレン、ポリアミド又はポリエステルなどが挙げられ、これら素材のうち1種類を単独で使用してもよく、耐熱性やバリア性を高めるため、これら素材のうち2種類以上を組み合わせて多層構造としたものを使用することもできる。また、この容器の形状としては、直方体形状に限定されないが、熱交換率を高める観点から、表面積を大きく確保できる形状であることが望ましい。
図5に示すように、加熱ヒータ14は、例えばポリエチレンテレフタラートによる樹脂シート上にカーボンインク層を積層してなるヒータ部14aと、ヒータ部14aの両端に設けた電極部14bとから形成された平面形状のカーボンヒータ(面状ヒータ)である。本実施形態における加熱ヒータ14は、収容筐体15の内壁に容易に接して配置できるように、複数の折り曲げ部14cが形成されている。加熱ヒータ14として、カーボンヒータに代えて、電熱線による平面形状に配置したヒータを用いても良い。
図7は本実施形態の定温保管及び輸送容器における電気的構成を概略的に示している。
同図において、70は、例えば熱電対によって構成される温度センサ71と加熱ヒータ14の電極部14bとに電気的に接続されており、加熱ヒータ14のPID制御が可能なプログラム式制御ユニットを示している。このプログラム式制御ユニット70は、表側の面にAC100Vの商用電源コードが接続されるコネクタ部70a、電源スイッチ70b、操作部70c及び表示部70dを備えており、温度センサ71によって検出された収容筐体15内部の空間の検出温度値が予め設定された目標温度値となるように加熱ヒータ14をPID制御するように構成されている。単なる一例であるが、このプログラム式制御ユニット70として、東邦電子株式会社のデジタル調節計(TTM−200)を用いることができる。
次に、本実施形態の定温保管及び輸送容器による保管動作について説明する。
まず、保管対象物を収容した収容管11及びその支持部材12を収容筐体15内に納め、外部筐体10の蓋体10bを閉めた状態で、AC100Vの商用電源コードをコネクタ部70aに接続し、電源スイッチ70bをオンとする。これにより、プログラム式制御ユニット70が作動し、加熱ヒータ14へ電流を供給してPID温度制御が行われる。
温度センサ71の検出温度が予め設定した温度となった状態で電源スイッチ70bをオフとし、商用電源コードを抜いて、定温保管及び輸送を開始する。
図8はこの定温保管及び輸送容器を実際に動作した際に測定した各所温度の経過時間に対する変化を示している。同図において、横軸は経過時間(時間:分)、縦軸は温度(℃)であり、aは定温保管及び輸送容器の外部の温度、bは潜熱蓄熱部材13の保管対象物空間側の表面近傍の温度、cは保管対象物空間内の温度である。
測定条件は、室温(25℃)の環境下で加熱を開始し、潜熱蓄熱部材13の表面近傍の温度bが予め設定した温度(37℃)となった時点で加熱を終了し、5℃の環境下に放置した場合である。同図に示すように、加熱を開始することで保管対象物空間内の温度cは瞬時に37℃の設定温度となり、以後加熱を終了し5℃の環境下に放置したが、約11時間の間、30℃以上の温度を保持することができた。
以上詳細に説明したように、本実施形態によれば、初期加熱の熱源として加熱ヒータ14を用いており、PCMを内蔵する潜熱蓄熱部材13が保管対象物空間に接するように配置されているため、恒温槽やインキュベータを用いることなく、内蔵する電気ヒータ14でPCMを融解することができ、使用前の準備作業が非常に簡便となる。しかも、電気ヒータを用いるという非常に簡易な構成であるため、全体の構成が簡単であり従って故障が生じにくく信頼性が非常に高い。構成が簡単であることから製造コストを抑制できる。さらに、輸送時は加熱ヒータ14が付勢されないため、この定温保管及び輸送容器を航空機内へも容易に持ち込み可能であり、使用する場所においても電気さえ通じていれば容易に作動させることができる。
図9は、本発明の定温保管及び輸送容器の他の実施形態における電気的構成を概略的に示している。
図1〜図7の実施形態においては、プログラム式制御ユニット70によって加熱ヒータ14をPID制御しているが、本実施形態では、電子サーモスタット90によって、温度センサ71によって検出された収容筐体15内部の空間の検出温度値がこの電子サーモスタット90に設定された温度値となるように加熱ヒータ14を制御している。単なる一例であるが、この電子サーモスタット90として、松尾電器産業株式会社のダイヤル設定電子サーモスタット(METD)を用いることができる。本実施形態におけるその他の構成及び作用効果は図1〜図7の実施形態の場合と同様である。
図10は、本発明の定温保管及び輸送容器のさらに他の実施形態における各構成要素の配置を模式的に示している。
本実施形態においては、加熱ヒータ14′が各潜熱蓄熱部材13及び支持部材12の底面に近接又は接して配置されてはおらず、各潜熱蓄熱部材13の外側の側面のみに近接又は接して配置されている。本実施形態におけるその他の構成及び作用効果は図1〜図7の実施形態の場合と同様である。
図1〜図7の実施形態の場合と同様の構成を有する定温保管及び輸送容器について、加熱設定温度を変更して動作させ、複数位置a、b、b、b、b及びcにおける時間経過に対する温度変化を測定した。ただし、外部筐体10の蓋体10bは開いた状態、収容管11及びその支持部材12を収容筐体15内に収容していない状態で測定を行った。図6に示すように、位置aは定温保管及び輸送容器の外部、位置bは一方の潜熱蓄熱部材13の保管対象物空間側の表面、位置bは他方の潜熱蓄熱部材13の保管対象物空間側の表面、位置bは収容筐体15の一方の短手の内壁面、位置bは収容筐体15の一方の長手の内壁面、位置cは保管対象物空間内である。
測定条件として、温度センサとして6つのK型熱電対を用い、その出力を日置電機株式会社製のデータロガーLR8400に接続し、時間経過に対する温度変化を測定した。1対の潜熱蓄熱部材13として、凝固点温度が37℃、単位潜熱量が205J/gの潜熱蓄熱部材である、玉井化成株式会社製のパッサーモF37を2つ使用した。
図11は設定温度を40℃として加熱ヒータ14による加熱を継続した場合の位置a、b、b、b、b及びcにおける温度変化特性を示している。横軸は経過時間(時間)、縦軸は温度(℃)を表している。
図12は設定温度を45℃として加熱ヒータ14による加熱を継続した場合の位置a、b、b、b、b及びcにおける温度変化特性を示している。横軸は経過時間(時間)、縦軸は温度(℃)を表している。
図13は設定温度を50℃として加熱ヒータ14による加熱を継続した場合の位置a、b、b、b、b及びcにおける温度変化特性を示している。横軸は経過時間(時間)、縦軸は温度(℃)を表している。
図14は設定温度を45℃として加熱ヒータ14による加熱を8時間継続し、その後、加熱を停止して放置した場合の位置a、b、b、b、b及びcにおける時間経過に対する温度変化を示している。横軸は放置時間(時間)、縦軸は温度(℃)を表している。
図14から分かるように、外部筐体10の蓋体10bを開いた状態としても、保管対象物空間の温度cが、18時間以上にわたって35℃以上に維持されている。
以上述べた実施形態は全て本発明を例示的に示すものであって限定的に示すものではなく、本発明は他の種々の変形態様及び変更態様で実施することができる。従って本発明の範囲は特許請求の範囲及びその均等範囲によってのみ規定されるものである。
10 外部筐体
10a 本体
10b 蓋体
10c 取手
10d 留め金
11 収容管
12 支持部材
13 潜熱蓄熱部材
14、14′ 加熱ヒータ
14a ヒータ部
14b 電極部
14c 折り曲げ部
15 収容筐体
15a 搭載用ガイド部材
16a、16b 断熱材
70 プログラム式制御ユニット
70a コネクタ部
70b 電源スイッチ
70c 操作部
70d 表示部
71 温度センサ
90 電子サーモスタット

Claims (8)

  1. 保管対象物を収容する空間に一方の面が接するように配置され、相変化物質を内蔵する潜熱蓄熱手段と、前記潜熱蓄熱手段の少なくとも他方の面に近接又は接して配置され、電気的に加熱を行う加熱手段と、前記潜熱蓄熱手段及び前記加温手段を内側に収容する断熱性筐体とを備えていることを特徴とする定温管理及び輸送容器。
  2. 前記加熱手段が、前記潜熱蓄熱手段の他方の面のみに近接又は接して配置された電気的加熱ヒータから構成されていることを特徴とする請求項1に記載の定温管理及び輸送容器。
  3. 前記加熱手段が、前記潜熱蓄熱手段の他方の面に近接又は接しかつ前記空間の底部を覆うように配置された電気的加熱ヒータから構成されていることを特徴とする請求項1に記載の定温管理及び輸送容器。
  4. 前記潜熱蓄熱手段が、前記空間を挟んで上下、左右又は前後に配置された平直方体形状の少なくとも1対の潜熱蓄熱部材を備えており、前記加温手段が、前記少なくとも1対の潜熱蓄熱部材の前記空間に接する面とは反対側の他方の面に近接又は接すると共に、前記空間の底部を覆うように配置された電気的加熱ヒータを備えていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の定温管理及び輸送容器。
  5. 前記電気的加熱ヒータが、商用電源により付勢されて前記潜熱蓄熱手段を加温するように構成されていることを特徴とする請求項2から4のいずれか1項に記載の定温管理及び輸送容器。
  6. 前記空間の温度を検出する温度検出手段と、該温度検出手段によって検出された温度に応じて前記加熱手段による加熱を自動的に制御する制御手段とをさらに備えていることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の定温管理及び輸送容器。
  7. 前記潜熱蓄熱手段が、高級アルコール、高級アルカン、高級アルコール及び高級アルカン、又は無機水和物を含有する潜熱蓄熱材を内部に封入してなる容器から構成されていることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の定温管理及び輸送容器。
  8. 前記断熱性筐体が外部筐体と該外部筐体内に充填された断熱材とから構成されており、前記断熱材がポリスチレン、ポリウレタン、ポリエチレン若しくはポリプロピレンを発泡させた発泡プラスチック、グラスウール、又は真空断熱材で形成されていることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の定温管理及び輸送容器。
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