JP2018051770A - 射出成形装置、コンピューター用プログラム及び除電用制御装置 - Google Patents
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また、除電用の軟X線は、型開きされた成形金型の両側の合わせ面と成形品とに届くように成形金型の配置空間内に照射するので、成形品と成形金型の両側の合わせ面とを同時に除電でき、更に配置空間内に侵入してくるチリや埃も除電できる。そのためチリや埃の付着だけで不良品となる光学製品、あるいは光学製品用樹脂型等を成形する射出成形装置に本発明を適用すれば、それらの歩留まりを著しく向上できる。
また軟X線は、成形金型の型開きに同期させて所定時間ずつ照射するようにしている。つまり常時照射ではなく、照射と停止を繰り返す態様なので、X線照射装置の寿命が長くなる。
以下では、熱可塑性樹脂を射出する射出成形装置について説明するが、本発明は、熱硬化性樹脂を射出する射出成形装置にも適用できる。
なお図1ではX線照射装置60から照射される軟X線の照射範囲を点線によって示している。また図1では説明のため扉52が開かれた状態を示しているが、軟X線は扉52が閉じられていなければ照射されない。
この取出装置40は、ロボットアーム41をアーム保持部42に対して垂直移動させるように構成されている。ロボットアーム41はこの垂直移動によって、配置空間S内で型開きされた成形金型20間に上方から進入する。ロボットアーム41等の移動方向は図中に矢印として示している。
アーム保持部42は、射出成形装置1の上空を横切る方向(図3の紙面に対して鉛直)に敷設されたレール47に沿って移動可能である。アーム保持部42を移動させることで、射出成形装置1から取り出した成形品2をそのまま他場所まで輸送できる。
なおロボットアーム41の垂直移動、アームヘッド43の水平移動、アーム保持部42のレール移動のためのメカニズムは特に限定されない。例えばベルト式、歯車式メカニズムを採用してもよい。
扉52はスクリュー装置10側に一杯にスライドされたとき、成形金型20の配置空間Sを両側から囲うようになっている。扉52には取手52aが設けられており、扉52を開いて成形金型20のメンテナンス等を容易に行うことができる。ただし扉52には透明な窓52bが設けられているので、扉52を閉じたままでも成形金型20の状態等は確認目視できる。また配置空間Sの上方は取出装置40のロボットアーム41の進入を許容するように開放部が形成されている。扉52が閉状態であるか否かを検知する扉センサー53も設けられている。扉センサー53の種別は特に制限されず、光学式、機械式、超音波式等、各種物体センサーが利用できる。扉センサー53の検知信号は射出成形装置1の制御盤(図示なし)及びX線照射装置60に送られる。なお配置空間Sの上方に天井板を設け、その天井板に取出装置40のロボットアーム41の進入を許容する開口を形成してもよい。
筐体部51の側面にはレールガイド51aが水平に形成されており、レールガイド51aは扉52を支えるためのレール51bを保持している。レール51bは、レールガイド51aに対して自在に横スライド可能である。扉52はこのレール51bの上を更に横スライドするようになっている。このような構造によって、扉52の可動範囲が広くなる。
ところで一般に市販されている軟X線照射装置は、エネルギー10keV以下の軟X線を照射するが、本実施形態でもそのような軟X線照射装置を採用することができる。例えばX線照射装置60として、管電圧5〜10keV、管電流150〜500μA程度のものを選択してもよい。X線照射装置60は、軟X線を80度〜130度の広がり角で錐状に照射するものを用いてもよい。なお軟X線の広がり角は、X線照射装置60の位置、成形金型20の合わせ面の広さ、型開き時の間隔等を考慮して適宜選択すればよい。またX線照射装置60は、プレス装置30の固定側取付板32、或いは安全扉装置50の筐体部51等に固定した多関節アーム70或いは自在アームによって保持すればよい。X線照射装置60の保持位置は、取出装置40のロボットアーム41と干渉しない位置にするのは当然であるが、X線照射装置60のX線照射窓(X線が出てくる部分)が扉52の上縁よりも低い位置となるようにするとよい。そうした場合、X線照射装置60は扉52の上縁よりも低い位置から更に下向きに軟X線を照射することになるので、扉52の外側への軟X線の漏出が極めて少なくなる。なおX線照射装置60を扉52の上縁よりも高い位置に配置する場合は、そのX線照射装置60に十分な長さの遮蔽フード(図示なし)等を組み合わせて、X線照射装置60から照射された軟X線が配置空間Sに到達するまでの経路を外空間から隔離すればよい。
照射部61は、X線管61aを金属筐体61bに内蔵させた構成である。X線管61aは一種の真空管であって、熱電子を放出するフィラメント61dと、銅、タングステン等の金属からなるターゲット電極61eとを内蔵している。ターゲット電極61eは先端部のみをタングステンにしてもよい。X線発生の原理は、フィラメント61dに直流又は交流電流を流して加熱し熱電子を放出させるとともに、フィラメント61dとターゲット電極61eとの間に管電圧(直流高電圧)を印加することで、その熱電子を加速してターゲット電極61eに衝突させる。この熱電子による電流が管電流になる。ターゲット電極61eに衝突した熱電子は、ターゲット電極61eを構成する金属の原子核によって制動されてX線を放出する。ただしこのときX線となって放出されるエネルギーは一部であって大部分は熱に変わるためX線管61aは高温になる。
金属筐体61bはその大部分がX線を透過させ難い素材(ステンレス等)からなり、X線を透過させるX線照射窓61fのみ、X線を透過させやすい素材(ベリリウム等)を用いている。X線照射窓61fの位置や広がりは、軟X線の広がり角に合わせて調節されている。金属筐体61bの内部には絶縁オイル等が満たされており、その絶縁オイルの対流によってX線管61aの熱を金属筐体61bに伝導させて表面から放出させる。
除電用制御装置62は、照射部61に高圧電源等を供給する電源回路62aと、電源回路62aを制御するコンピューター素子62bと、コンピューター素子62bが実行する制御プログラムを蓄積した記憶素子62cと、操作キー62dと、射出成形装置1の制御盤(射出成形装置の本体制御盤又は取出装置の制御盤)と通信する通信部62eとで構成されている。除電用制御装置62は、射出成形装置1の本体の制御盤、又は取出装置40の制御盤に組み込まれていてもよいし、単体装置として構成されていてもよい。後者の場合は、射出成形装置1の本体の制御盤、又は取出装置40の制御盤との間を通信線等によって接続すればよい。
制御プログラムには、射出成形装置1の状態を判別し、射出成形装置1が自動運転モードであるときは、成形金型20の型開きに同期して、X線照射装置60から除電用の軟X線を、型開きされた成形金型20の両側の合わせ面と成形品2とに届くように配置空間S内に照射させる一方、射出成形装置1が自動運転モードでないときは、前記軟X線の照射を禁止するような制御処理が記載されている。なお制御プログラムは具体的には後述のフローチャート(図6)に示すような制御を行ってもよい。なお操作キー62では、そのような制御プログラムによって軟X線の照射を制御するオートモードと、手動操作によって軟X線の照射を制御するマニュアルモードとの切換え等が行える。
図5(a)〜(d)は射出成形装置の基本動作を説明する時系列的な一連の側面図である。
図5(a)は、成形中の状態を示している。安全扉装置50の扉52は閉じられている。成形金型20も閉じられている。ロボットアーム41は成形金型20の上方に退避されている。シリンダー11は前進位置にあって、ノズル部13が成形金型20に当接した状態になっている。このような状態でシリンダー11から樹脂が成形金型20内に射出されて成形される。
図5(b)は成形後に成形金型20が型開きされた直後の状態を示している。ロボットアーム41はまだ成形金型20の上方に退避されたままである。シリンダー11は後退しており、これによって成形品2とシリンダー11内の樹脂とが分離される。X線照射装置60は軟X線の照射を開始している。軟X線は着色部として示すように、両側の金型合わせ面と成形品2の双方に届くように錐状に照射されている。これにより成形品2と成形金型20の両側の合わせ面とが同時に除電される。
図5(c)は、ロボットアーム41が成形金型20間に進入して成形品2を確保している状態を示している。X線照射装置60は軟X線の照射を継続している。ロボットアーム41は上方から下降して成形金型20間に進入している。ロボットアーム41が成形品2を確保して成形品2が成形金型20から離れたあとも軟X線の照射は続けられる。そのため成形品2は表側だけでなく裏側も除電される。またこのとき取出装置40のチャック部45も除電されるので、チャック部45との接触によって成形品2が帯電することもない。
図5(d)は、ロボットアーム41が成形金型20間から成形品2を取り出した後の状態を示している。X線照射装置60は軟X線の照射を終了させている。ロボットアーム41は成形品2を確保したまま上昇して成形金型20間から退避している。この後、ロボットアーム41はレール47に沿って移動して成形品2を他場所まで搬送する。そして成形金型20は再び閉じられて図5(a)に示す状態に戻る。
ステップ100は、射出成形装置1の状態信号を受信して自動運転モードであるか否かを判別する処理である。射出成形装置1の自動運転は安全扉装置50の扉52が閉状態であることが条件になっている。なお自動運転モードは、射出成形装置1が自動運転によって連続的に成形品2を成形するモードである。自動運転モードは、扉52が閉状態でなければ開始できず、その開始後に扉52が開かれると直ちに解除される。
ステップ101は、射出成形装置1が自動運転中であるときに成形金型20が型開きされるタイミングを検知する処理である。型開きのタイミングは例えば射出成形装置1の状態信号の一つとして出力されるので、その信号によって判断してもよい。ステップ100、101は、射出成形装置1が自動運転中であってかつ成形金型20の型開きのタイミングとなるまで繰り返し実行される。
ステップ102は、成形金型20の型開きのタイミングとなったのでX線照射装置60によって軟X線の照射を開始する処理である。つまり軟X線の照射は、成形金型20の型開きと同期して行われる。そのため成形金型20の型開き、型閉じのサイクル、すなわち成形品2の生産性が軟X線の照射によって影響されることはない。ステップ103は軟X線照射の継続時間の計時を開始する処理である。この継続時間は射出成形装置1の速度性能に応じて適宜選択すればよい。例えば継続時間は0.5秒〜1秒間にしてもよい。なお軟X線照射は、成形金型20が型開きされる直前から、型閉じされた直後まで行うようにしてもよい。軟X線の照射を型開きの直前から開始すれば、空気が型開きされた成形金型20間に流入するよりも前に、その空気に含まれているチリ、埃を除電できる。
ステップ104は、安全扉装置50の扉52が閉状態であるか否かを判断する処理である。扉52が閉状態でない、つまり開かれた場合は、軟X線の照射はステップ106によって即座に中止される。ステップ105は前記継続時間が経過したか否かを判断する処理である。継続時間が経過していない場合はステップ104に戻る。
前記のような基本制御により、X線照射装置60は、例えば図5(b)、(c)に示したように、射出成形装置1が自動運転中であるときに成形金型20の型開きに同期させて軟X線を照射することができる。なおここで軟X線は、成形金型20の型開き毎に所定時間ずつ照射される、つまり連続照射ではないので、X線照射装置60の寿命も長くなる。
2 成形品
20 成形金型
40 取出装置
41、48 ロボットアーム
50 安全扉装置
52 扉
60 X線照射装置
62 除電用制御装置
62c 記憶素子
62b コンピューター素子
70 多関節アーム
S 配置空間
Claims (5)
- 成形金型の配置空間を囲い、側面に開閉自在な扉を有し、かつ成形金型の配置空間の上方は取出装置のロボットアームの進入を許容するように開放部又は開口が形成された安全扉装置と、
除電用の軟X線を、型開きされた成形金型の両側の合わせ面と成形品とに届くように前記配置空間内に照射するX線照射装置とを備えていることを特徴とする射出成形装置。 - 請求項1において、前記X線照射装置は、前記射出成形装置の本体又は前記安全扉装置側に配設した多関節アーム又は自在アームによって保持されていることを特徴とする射出成形装置。
- 請求項1または2において、前記X線照射装置は、前記取出装置のロボットアームに配設されていることを特徴とする射出成形装置。
- 射出成形装置の状態を判別し、
前記射出成形装置が自動運転モードであるときは、成形金型の型開きに同期して、X線照射装置から除電用の軟X線を、型開きされた成形金型の両側の合わせ面と成形品とに届くように前記成形金型の配置空間内に照射させる一方、
前記射出成形装置が自動運転モードでないときは、前記軟X線の照射を禁止する処理をコンピューターに実行させることを特徴とするコンピューター用プログラム。 - 請求項4に記載のコンピューター用プログラムを実行することを特徴とする射出成形装置の除電用制御装置。
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KR102099581B1 (ko) * | 2019-10-24 | 2020-04-10 | 주식회사 진영코퍼레이션 | 대상물의 표면 처리를 위한 제전 및 제진 시스템 |
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2016
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