JP2018051425A - 石炭粉砕方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ケーシング内を回転するハンマの打撃を利用して石炭を粉砕する石炭粉砕機10の入側と出側にそれぞれ石炭粒度測定器15、16を設置し、ハンマを回転させるモータの電流値をパラメータとして、粉砕前の石炭粒度と粉砕後の石炭粒度との相関関係を、石炭粉砕機10の入側及び出側に設置した石炭粒度測定器15、16の測定結果を用いて予め求めておき、石炭粉砕機10の入側に設置した石炭粒度測定器15の測定結果を前記相関関係に適用して、粉砕後の石炭粒度が目標粒度となる際のモータの目標電流値I0(A)を決定し、モータに流す電流値I1(A)を目標電流値I0(A)に設定して石炭を粉砕した後、石炭粉砕機10の出側に設置した石炭粒度測定器16の測定結果と目標粒度との偏差に応じて電流値I1(A)を補正する。
【選択図】図1
Description
上記2件の特許文献では、粉砕後の石炭粒度を測定して演算処理し、石炭の粉砕粒度が設定目標値に一致するよう、粉砕機の運転条件を変更する方法が記載されている。
粉砕後の石炭粒度にバラツキが発生すると、コークス品質の一つであるコークス強度が変動する原因となり、低強度コークスを含むコークスが製造されることになる。
ケーシング内を回転するハンマの打撃を利用して石炭を粉砕する石炭粉砕機の入側と出側にそれぞれ石炭粒度測定器を設置し、
前記ハンマを回転させるモータの電流値をパラメータとして、粉砕前の石炭粒度と粉砕後の石炭粒度との相関関係を、前記石炭粉砕機の入側及び出側に設置した前記石炭粒度測定器の測定結果を用いて予め求めておき、
前記石炭粉砕機の入側に設置した前記石炭粒度測定器の測定結果を前記相関関係に適用して、粉砕後の石炭粒度が目標粒度となる際の前記モータの目標電流値I0(A)を決定し、前記モータに流す電流値I1(A)を前記目標電流値I0(A)に設定して石炭を粉砕した後、前記石炭粉砕機の出側に設置した前記石炭粒度測定器の測定結果と前記目標粒度との偏差に応じて前記電流値I1(A)を補正することを特徴としている。
本発明者らは、粉砕する石炭に含まれる水分を所定範囲に収めることにより、粉砕後の石炭粒度のバラツキをさらに抑制できることを見出した。含有水分の所定範囲としては、内数で7〜15質量%が好ましく、9〜12質量%であればなお良い。
当該構成では、単位時間当たりの石炭切り出し量を一定とすることができるフィーダを用いることにより、石炭粉砕機へ供給する石炭量の変動を防止して、粉砕後の石炭粒度のバラツキを一層抑制する。
粉砕前の石炭は、一般に、ヤードにおいて山脈状に積み付けて保管される。石炭粒度は積み付け山の頂部と山裾で異なり、積み付けにより粒度偏析が発生する。具体的には、積み付け山の頂部では粒径が小さい石炭が多く、積み付け山の山裾では粒径が大きい石炭が多い。
積み付け山で保管している石炭は、リクレーマ等により払い出し、石炭粉砕機へ供給されるが、順次払い出すため、積み付け山での石炭採取位置(頂部から採取、山裾から採取等)は変動する。その結果、粉砕後の石炭粒度に影響が出る程度に、粉砕前の石炭粒度は変動する。
石炭粉砕機による粉砕後の石炭の粒度を測定し、測定した粉砕後の石炭粒度の実績値と目標粒度との差異に応じて粉砕条件(ハンマ回転速度、ハンマと摩砕板の間隔等)を変更して粉砕後の石炭粒度の安定化を図る方法が知られている。
しかし、粉砕前の石炭粒度が変動する場合に上記方法を実施すると、粉砕後の石炭の粒度測定結果が粉砕条件の変更に反映されるまで粉砕後の石炭粒度が変動する結果(目標粒度から外れる場合が多い。)となり、粉砕後の石炭粒度にバラツキが生じる。例えば、含有水分が内数で10質量%の石炭をフィーダで切り出し、上記方法を用いて粉砕したところ、3mmアンダーが89質量%という目標粒度に対して、粉砕後の石炭粒度の実績値は85〜93質量%であった(以下、「従来例」と呼ぶ。)。
本発明の一実施の形態に係る石炭粉砕方法に使用する石炭粉砕設備を図1に示す。
本石炭粉砕設備は、石炭を粉砕する石炭粉砕機10と、石炭を貯蔵するホッパ11及びホッパ11内の石炭を切り出すフィーダ12を上流部に備え、フィーダ12によって切り出された石炭を石炭粉砕機10に搬送するコンベア13と、石炭粉砕機10によって粉砕された石炭を搬送するコンベア14とを備えている。
コンベア13の下流部及びコンベア14の上流部には、搬送される石炭の粒度を測定する石炭粒度測定器15、16がそれぞれ設置されている。なお、粉塵によって石炭粒度測定器15、16が汚染されないようにするため、石炭粒度測定器15、16は石炭粉砕機10から水平方向に5m以上離れた位置に設置されている。
石炭粉砕機10は衝撃式粉砕機であり、箱形のケーシング23内に、水平方向に配置され水平軸回りに回転するロータ25と、ロータ25の外周面から放射状に延びる複数のハンマ24と、ロータ25を挟んで左右に配置された一対の摩砕板26とを備えている。ケーシング23の上面には、石炭を投入するための投入口21が、ケーシング23の底面には、粉砕された石炭を排出するための排出口22がそれぞれ設けられている。
ハンマ24は、基端部がロータ25に連結されロータ25の外周面から放射状に延びるハンマアーム24aと、ハンマアーム24aの先端部に連結されたハンマヘッド24bとから構成されている。
摩砕板26は、複数のハンマ24を包み込むように円弧状とされ、摩砕板26の内周面には、摩砕、衝撃に有効な山形をした摩砕板ライナー26aが取り付けられている。また、摩砕板26はシリンダー27により水平方向(ロータ25の水平軸と直交する方向)に移動可能とされ、ハンマ24と摩砕板26の間隔を調整できるようになっている。
石炭の粒度を光学的に測定する方法としては、搬送される粉砕前後の石炭を撮像して画像解析により石炭の粒度を測定する方法や、搬送される粉砕前後の石炭を採取(例えば自動採取)し、透過する光(例えばレーザー光)を用いて、液体中を落下する石炭の粒度を測定する方法などがある。
(1)STEP−1
ハンマ24を回転させるモータの電流値をパラメータとして、粉砕前の石炭粒度と粉砕後の石炭粒度との相関関係を、石炭粉砕機10の入側及び出側に設置した石炭粒度測定器15、16の測定結果を用いて予め求めておく。
粉砕する石炭の粒度は、3mmアンダーが20〜70質量%程度とする。
石炭粉砕機10の入側に設置した石炭粒度測定器15を用いて粉砕前の石炭粒度を測定する。
(3)STEP−3
目標粒度を決定する。
図3の例では、目標粒度を、3mmアンダーが89質量%としている。
目標粒度を決定する場合、粉砕後の石炭を用いてコークスを製造し、製造されたコークスの強度に応じて目標粒度を決定すると良い。
STEP−2で求めた粉砕前の石炭粒度をSTEP−1で求めた相関関係に適用して、粉砕後の石炭粒度が目標粒度となる際のモータの目標電流値I0(A)を決定する。
STEP−1で求めた相関関係に目標粒度と粉砕前の石炭粒度をプロットし、モータの目標電流値I0(A)を設定する。図3の例では、目標粒度(3mmアンダーが89質量%)となる粉砕前の石炭粒度(3mmアンダーの質量割合)が40質量%であれば、モータの目標電流値I0を電流値Iβとし、目標粒度となる粉砕前の石炭粒度が48質量%であれば、モータの目標電流値I0を電流値Iαとする。
モータに流す電流値I1(A)を目標電流値I0(A)に設定して石炭を粉砕し、石炭粉砕機10の出側に設置した石炭粒度測定器16により、粉砕した石炭の粒度測定結果を得る。
図3の例では、目標粒度(3mmアンダーが89質量%)と粉砕前の石炭粒度(3mmアンダーが40質量%)よりモータに流す電流値I1を電流値Iβとして石炭を粉砕する。
モータに流す電流値I1によって粉砕された石炭の粒度は、モータを作動してから一定の時間(石炭が石炭粉砕機10を通過する時間と粉砕後の石炭が出側の石炭粒度測定器16に搬送される時間の和)を経た後、石炭粉砕機10の出側の石炭粒度測定器16によって得られる。
石炭粉砕機10の出側に設置した石炭粒度測定器16の測定結果と目標粒度との偏差に応じて電流値I1(A)を補正する。
モータに流す電流値I1を電流値Iβとして粉砕した石炭の粒度測定結果が、目標粒度を下回った場合(図3の◆プロット)、粉砕前の石炭粒度を●プロットと見做し、粉砕前の石炭粒度●プロットを目標粒度に粉砕できるモータの電流値Iγ(▲を通過するグラフ)を選定し、電流値I1を電流値Iβから電流値Iγに補正する。
また、上述した例では、モータに流す電流値I1を電流値Iβから電流値Iγへ補正したが、電流値I1を電流値Iβと電流値Iγの中間値(例えば(Iβ+Iγ)÷2)に変更し、再度上記手順により電流値I1の補正値を決定してもよい。
粉砕前後の石炭粒度の相関関係を用いて予め求めたモータの目標電流値が、含有水分の変動により増減する場合がある。
本発明者らは、水分を所定範囲に安定させると、粉砕後の石炭粒度のバラツキが抑制できることを見出した。本発明者らの知見では、前述した実施例1に対して、含有水分を内数で7〜15質量%とすると、粉砕後の石炭粒度の実績値が87〜91質量%となり(以下、「実施例2」と呼ぶ。)、粉砕後の石炭粒度のバラツキが実施例1よりも改善された。なお、含有水分は内数で9〜12質量%であればなお良い。
石炭粉砕機10のモータ電流値が一定の場合、石炭粉砕機10へ供給する石炭量が変動すると、粉砕後の石炭の粒度が変動する。そのため、本実施の形態では、フィーダ12で切り出された石炭を石炭粉砕機10に供給するようにしている。
例えば、コンベアAで石炭を搬送し、コンベアAの終端で、落下する石炭にダンパーを作用させて一定量の石炭を取り出してコンベアBに載置して石炭粉砕機Bへ供給すると共に、残部をコンベアCに載置して石炭粉砕機Cへ供給する方法が考えられる。
しかし、この方法では、石炭に含まれる水分に応じて、ダンパーによって取り出される石炭量及び残部の石炭量が変動する。また、ダンパーによって取り出された石炭がコンベアBに載置される際に、コンベアBに積まれる石炭の高さに変動が発生する場合があり、コンベアによって石炭粉砕機に供給される石炭量が変動する原因ともなる。
Claims (3)
- ケーシング内を回転するハンマの打撃を利用して石炭を粉砕する石炭粉砕機の入側と出側にそれぞれ石炭粒度測定器を設置し、
前記ハンマを回転させるモータの電流値をパラメータとして、粉砕前の石炭粒度と粉砕後の石炭粒度との相関関係を、前記石炭粉砕機の入側及び出側に設置した前記石炭粒度測定器の測定結果を用いて予め求めておき、
前記石炭粉砕機の入側に設置した前記石炭粒度測定器の測定結果を前記相関関係に適用して、粉砕後の石炭粒度が目標粒度となる際の前記モータの目標電流値I0(A)を決定し、前記モータに流す電流値I1(A)を前記目標電流値I0(A)に設定して石炭を粉砕した後、前記石炭粉砕機の出側に設置した前記石炭粒度測定器の測定結果と前記目標粒度との偏差に応じて前記電流値I1(A)を補正することを特徴とする石炭粉砕方法。 - 請求項1記載の石炭粉砕方法において、粉砕する石炭に含まれる水分は、内数で7〜15質量%であることを特徴とする石炭粉砕方法。
- 請求項1又は2記載の石炭粉砕方法において、粉砕する石炭は、ホッパに貯蔵され、フィーダにより切り出されたものであることを特徴とする石炭粉砕方法。
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