JP2018051031A - 顎骨切削用補助具および顎骨切削用補助具の設計支援装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】顎骨切削用補助具10は、歯欠損部における歯肉または歯に被せるための凹部11aが形成された固定部11と、固定部11から顎骨の切断予定線に向かって延びる腕部121と、腕部121の先端に形成され、切断予定線に含まれる少なくとも2点以上を指す指示部本体122とを備えている。固定部11を歯または歯肉に固定すると、固定部11から顎骨の切断予定線に向かって延びる腕部121の先端で、指示部本体122が切断予定線を指しているため、指示部本体122の先端に目印を付ければ、切断位置を示すことができる。
【選択図】図1
Description
特許文献1には、垂直方向から歯列に嵌合させることにより水平方向に固定され、歯列に着脱自在の基礎部材と、この基礎部材に固定されたガイド部材又はスライド部材からなる顎骨穿孔用ガイド装置が記載されている。
非特許文献1には、下顎孔の後方で、上方は下顎切痕から、下方は下顎角前方の下顎下縁に至る骨切りを行う際に、下顎切痕、下顎枝後縁、下後角前縁の3ヵ所により固定されるテンプレートを用いた下顎枝垂直骨切り術(IVRO)が記載されている。
切削予定部を指す第2部分が、棒状の第1部分の先端に形成されているため、この第2部分および第1部分を頬の開口部より挿入するだけである。従って、顎骨から剥離させる骨膜や咬筋の範囲を抑えることができる。
前記顎骨を撮像するCT撮像装置からの顎骨画像の歯欠損部における歯肉または歯に基づいて、前記固定部の形状を画像操作により作図するための第1画像処理部と、前記顎骨画像に前記切削予定部として仮想切削予定部を作図するための第2画像処理部と、前記仮想切削予定部の位置に合わせて配置される前記位置指示部を作図するための第3画像処理部を備えたことを特徴とする。
本発明の実施の形態1に係る顎骨切削用補助具を図面に基づいて説明する。
本発明の顎骨切削用補助具は、顎骨を切削する際に使用されるが、図1(A)および同図(B)に示す本実施の形態1に係る顎骨切削用補助具10は、下顎切痕から下顎底に向かって垂直骨切りする際に使用される。
顎骨切削用補助具10は、歯に被せ、固定するための凹部11aが形成された固定部11と、手術による切削予定部を指す位置指示部12とを備えている。顎骨切削用補助具10は、樹脂製とすることができる。
腕部121は、固定部11の頂部に接続されている。腕部121は、顎骨の表面の凹凸に沿って湾曲している。本実施の形態の腕部121は、下顎体から下顎枝に向かって延びる際の斜線を越えるために、顎骨の表面に沿って緩やかに湾曲するU字状に形成されている。
顎骨切削用補助具10を樹脂製とするときに、透明樹脂とすると、顎骨の様子が指示部本体122を通して見えるため望ましい。
また、腕部121も、顎骨の表面の凹凸に沿って湾曲しているため、指示部本体122と共に、腕部121を、顎骨の表面にフィットして配置することができるため、腕部121がずれてしまうことを抑止することができる。
本発明の実施の形態1の変形例について、図面に基づいて説明する。なお、図3においては、図1(A)と同じ構成は同符号を付して説明を省略する。
図3に示す顎骨切削用補助具10xは、扇状または半円状の指示部本体122に、直線状溝122dが形成されている。この直線状溝122dは、指示部本体122の端辺122cと平行である。直線状溝122dは、2本形成されているが、1本でもよい。
切削バー50は、丸棒状の軸部51と、軸部51の先端に、軸部51の軸線に対して傾斜して取り付けられた刃部52とを備えている。
軸部51の基端には、ハンドピースに挿入され固定されるための環状凹部51aが形成されている。また、軸部51には、図3に示す指示部本体122に形成された直線状溝122dに嵌まる環状凸部51bが2本形成されている。
刃部52は、扇状に形成され、先端に円弧状の鋸刃が形成されている。
この切削バー50がハンドピースに装着され駆動されると、切削バー50の軸線を中心にして、一方への軸回転と他方への軸回転とを繰り返す揺動動作が開始される。
そうすると、環状凸部51bが直線状溝122dに嵌まった状態でハンドピースを移動することができるため、刃部52が指示部本体122の端辺122cに沿って移動する。
従って、直線状溝122dに沿って切削バー50が案内されるので、安定した状態で刃部52により切断予定線を切断することができる。
本発明の実施の形態2に係る顎骨切削用補助具を図面に基づいて説明する。なお、図5においては、図1と同じ構成のものは同符号を付して説明を省略する。
図5(A)および同図(B)に示すように顎骨切削用補助具20の位置指示部22は、指示部本体222の腕部121側の基端222aから先端222b(切断予定線)に向かって開いた二又状(U字状)に形成されている。
指示部本体222の先端222bに位置する一対の端辺222cは、一方の端辺222cを延長する仮想直線L1が、他方の端辺222cを通るように形成されている。
指示部本体222が二又状に形成されているため、二方向に分かれた間から顎骨の様子を観察することができるため、目印を正確に、かつ容易に付けることができる。
図1に示す顎骨切削用補助具10を透明な樹脂製とした場合でも、指示部本体222を介して見ると顎骨の様子が屈折して歪むおそれがあるが、図5に示す二又の指示部本体222の間は空間であるため、屈折による歪みが発生しない。
本発明の実施の形態2の変形例を図面に基づいて説明する。なお、図6および図7は、顎骨切削用補助具の連結部分の原理図である。
固定部11には、切断予定線側の端部に嵌合用穴11bが形成されている。この嵌合用穴11bは、角筒状に形成されている。腕部121には、基端部121bから、嵌合用穴11bの奥部に向かって突出する角棒状の軸部121cが形成されている。腕部121の軸部121cは、この嵌合用穴11bに差し込まれ嵌合することで、腕部121と固定部11とが連結される。このようにして、固定部11の嵌合用穴11bと、腕部121の軸部121cとにより連結部14が形成される。
また、固定部11と腕部121とが連結部14により接続されていたが、腕部121と指示部本体122,222とが、連結部14と同様に、差し込みにより接続されるようにしてもよい。
また、嵌合用穴11bは角筒状に形成され、軸部121cは角棒状に形成されているが、嵌合用穴は円筒状、軸部は円柱棒状としたり、差し込んで嵌合できれば他の形状としたりしてもよい。また、固定部11と腕部121とをねじ止めにより固定してもよい。
一方の指示片3221と、他方の指示片3222は、基端部3221a,3222a同士が重なっており、基端部3221a,3222aが軸3223に連結されていることで、先側が鋏のように開閉自在に接続されている。
次に、本発明の実施の形態3に係る顎骨切削用補助具の設計支援装置について、図面に基づいて説明する。
図8に示す設計支援装置100は、例えば、顎骨切削用補助具10,10x,20の設計を支援するものである。設計支援装置100は、設計支援プログラムを動作させたコンピュータである。
図9に示すように、設計支援装置100は、CT撮像装置200を制御して、患者の顎の状態を示す顎骨画像を撮像するものである。
設計支援装置100は、CT撮像装置200と通信可能に接続される通信部110と、CT撮像装置200から骨画像である顎骨画像を取り込むCT制御部120と、顎骨画像を操作する画像処理部130と、歯科医師または歯科技工士などの操作者が顎骨画像を操作するための操作部140と、顎骨画像を表示する表示部150と、顎骨画像を格納する記憶部160とを備えている。
CT制御部120は、CT撮像装置200の撮像条件の設定、撮像の開始および停止、顎骨画像を取り込み記憶部160へ格納するなどを制御することができる。
画像処理部130は、操作者が操作する操作部140に応じて、顎骨画像の一部を、切り取ったり、移動したり、複写したり、加工したりする編集処理を制御する機能を備えている。
第1画像処理部131は、顎骨を撮像するCT撮像装置200からの顎骨画像の歯欠損部における歯肉または歯に基づいて、固定部11の形状を画像操作により作図する機能を備えている。第2画像処理部132は、顎骨画像に切断予定線として、直線状の仮想切削部である仮想切断予定線を作図する機能を備えている。第3画像処理部133は、仮想切断予定線の位置に合わせて配置される位置指示部を作図する機能を備えている。第4画像処理部134は、第2部分となる指示部本体122と、固定部11との間に、第1部分となる腕部121を作図する機能を備えている。
記憶部160は、ハードディスクドライブやフラッシュメモリなどとすることができる。
まず、操作者は、操作部140を操作してCT撮像装置200に患者の治療対象骨となる下顎の撮像を指示する。この指示によりCT制御部120は、CT撮像装置200を制御して、顎骨画像を取り込み、記憶部160に格納する。
また、無歯顎の場合には、操作者が弓状となる顎堤の範囲を指定することで、第1画像処理部131が、その歯肉の範囲を内包する輪郭形状の固定部を作図する。
次に、操作者は、操作部140を操作して、仮想切断予定線L2の位置に、端辺122cを合わせて指示部本体122の配置を指示することにより、第3画像処理部133は、仮想切断予定線の位置に合わせて指示部本体122を配置する。
本発明の実施の形態4に係る顎骨切削用補助具を図面に基づいて説明する。なお、図11においては、図1(A)と同じ構成は同符号を付して説明を省略する。
図11に示す本実施の形態4に係る顎骨切削用補助具40は、固定部11と、位置指示部42とを備えている。
位置指示部42には、下顎骨部に発生した腫瘍T2を切除または摘出するために下顎骨を切削するための切削予定部Sの領域を囲う範囲を露出させる開口部421が形成されている。
術者は、腫瘍T2を切除または摘出する際の切削予定部Sの領域が開口部421により示されているため、切削予定部Sの全部を正確に把握することができる。そのため、開口部421の周縁に沿って切削することで、正確に切削予定部Sの周縁を切削することができる。
従って、顎骨切削用補助具40は、下顎にでき、外観からでは視認できない腫瘍T2であっても、確実に、切削予定部Sを除去することができる。
CT撮像装置200により患者の治療対象骨となる下顎を撮像すると、顎骨画像に腫瘍が撮像される。操作者は、顎骨画像に撮像された腫瘍をまたはその腫瘍の周囲の骨組織を含む領域を切削予定部として、設計支援装置100により顎骨切削用補助具40を設計する。
次に、操作者は、切削予定部Sの範囲を囲う開口部421を指定することにより、開口部421を有する位置指示部42を、第3画像処理部133に作図させる。
識別情報は、氏名を、レーザー光による刻印としたり、印刷としたりすることができる。また、識別情報は、患者を特定する番号や文字、記号としたり、光学的読取情報(例えば、一次元バーコードや二次元バーコードなど。)としたりすることができる。
患者を特定する番号や文字、記号としたり、光学的読取情報としたりしたときには、登録したデータベースから、識別情報に基づいて検索することにより、患者に関する様々な情報を得ることができる。
例えば、患者に関する情報としては、氏名と生年月日の他に、住所、性別、血液型、治療に掛かった歯科医院を特定する病院名や病院を識別するコードなどの個人情報、家族の連絡先や病歴、投薬歴のほか社会歴、家族歴などとすることができる。
患者を特定する番号や文字、記号を識別情報とした場合には、この識別情報を入力してデータベースを検索することで、患者を特定でき、光学的読取情報を識別情報とした場合には、光学的読取装置により読み取ることにより患者を特定することができる。
従って、取り違いなどを防止することができる。
11 固定部
11a 凹部
11b 嵌合用穴
12,22,32,42 位置指示部
121 腕部
121a 先端部
121b 基端部
121c 軸部
122,222,322 指示部本体
122a 基端
122b 先端
122c 端辺
122d 直線状溝
222a 基端
222b 先端
222c 端辺
3221,3222 指示片
3221a,3222a 基端部
3221b,3222b 先端
3221c,3222c 端辺
3221d 凸部
3222d 凹部
3223 軸
421 開口部
14 連結部
50 切削バー
51 軸部
51a 環状凹部
51b 環状凸部
52 刃部
100 設計支援装置
110 通信部
120 CT制御部
130 画像処理部
131 第1画像処理部
132 第2画像処理部
133 第3画像処理部
134 第4画像処理部
140 操作部
150 表示部
160 記憶部
200 CT撮像装置
T1 歯
T2 腫瘍
P 顎骨画像
L 切断予定線
L1 仮想直線
L2 仮想切断予定線
B1 下顎枝
B2 下顎切痕
B3 下顎角
S 切削予定部
Claims (12)
- 歯欠損部における歯肉または歯に被せるための凹部が形成された固定部と、
前記固定部に設けられ、手術による切削予定部の一部または全部を指す位置指示部とを備えた顎骨切削用補助具。 - 前記位置指示部は、前記固定部に基端が接続された棒状の第1部分と、前記第1部の先端に接続され、前記切削予定部を指す第2部分とを備えた請求項1記載の顎骨切削用補助具。
- 前記第2部分は、先端の端辺が直線状の切削予定部に位置するものである請求項2記載の顎骨切削用補助具。
- 前記第2部分は、前記切削予定部に含まれる少なくとも2点以上を指すように形成された請求項3記載の顎骨切削用補助具。
- 前記第2部分は、前記第1部分側の基端部から前記切削予定部に向かって開いた二又状に形成された請求項2から4のいずれの項に記載の顎骨切削用補助具。
- 前記二又状の第2部分は、一方の指示片と他方の指示片とから形成され、
前記一方の指示片と前記他方の指示片との基端部同士が軸により開閉自在に接続されている請求項5記載の顎骨切削用補助具。 - 前記第1部分は、前記固定部と前記第2部分のいずれか一方または両方が連結部により接続された請求項2から6のいずれかの項に記載の顎骨切削用補助具。
- 前記位置指示部には、前記切削予定部の領域を露出させる開口部が形成された請求項1記載の顎骨切削用補助具。
- 前記位置指示部は、前記顎骨の表面の凹凸に沿って湾曲した請求項1から8のいずれかの項に記載の顎骨切削用補助具。
- 前記固定部は、義歯またはインプラントの上部構造、スプリントのいずれかである請求項1から9のいずれかの項に記載の顎骨切削用補助具。
- 前記請求項1から10のいずれかの項に記載の顎骨切削用補助具の設計を支援するものであり、
前記顎骨を撮像するCT撮像装置からの顎骨画像の歯欠損部における歯肉または歯に基づいて、前記固定部の形状を画像操作により作図するための第1画像処理部と、
前記顎骨画像に前記切削予定部として仮想切削予定部を作図するための第2画像処理部と、
前記仮想切削予定部の位置に合わせて配置される前記位置指示部を作図するための第3画像処理部とを備えた顎骨切削用補助具の設計支援装置。 - 前記位置指示部が、前記固定部に基端が接続された棒状の第1部分と、前記第1部の先端に接続され、前記切削予定部を指す第2部分とを備えたものとしたときに、前記第2部分と、前記固定部との間に前記第1部分を作図するための第4画像処理部を備えた請求項11記載の顎骨切削用補助具の設計支援装置。
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