JP2018047529A - リング装着装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】溝にリングを装着する作業においてより不都合の少ないリング装着装置を提供する。【解決手段】本発明のリング装着装置は、例えば、第1の可動部と、第2の可動部と、第1の支持部と、押部と、回転軸と、操作部材と、リミッタとを備える。前記操作部材は、操作部と、前記回転軸の前記操作部とは反対側に位置する作用部と、を有する。前記リミッタは、少なくとも一部が前記操作部と異なる位置に設けられ、前記操作部に作用する力が所定以上の大きさになると、前記第1の支持部によって支持される前記棒状部材から前記第1の支持部に作用する荷重が増加することを制限する。【選択図】図11
Description
本発明の実施形態は、リング装着装置に関する。
従来、棒状部材に設けられた溝にリングを装着するリング装着装置が知られている(例えば、特許文献1)。
この種のリング装着装置では、溝にリングを装着する作業においてより不都合の少ない新規な構成のリング装着装置が得られれば、有意義である。
本発明のリング装着装置は、例えば、弧状に延びる弧状部を有するとともに当該弧状部の周方向の両端部が互いに面した隙間が設けられたリングを、棒状部材の外周に沿って設けられた溝に装着するよう構成されたリング装着装置であって、第1の可動部と、第2の可動部と、第1の支持部と、押部と、回転軸と、操作部材と、リミッタとを備える。前記第2の可動部は、前記第1の可動部に対して移動可能に設けられる。前記第1の支持部は、前記第1の可動部と前記第2の可動部とのうち一方に設けられ、前記棒状部材を支持するよう構成される。前記押部は、前記第1の可動部と前記第2の可動部とのうち他方に設けられ、前記棒状部材が前記隙間を通るように前記リングを前記棒状部材の軸方向との交差方向に押すよう構成される。前記回転軸は、前記第1の可動部に固定される。前記操作部材は、前記回転軸に回転可能に取り付けられ、操作部と、前記回転軸の前記操作部とは反対側に位置し、前記操作部が前記回転軸まわりに回転させられたときに、前記第2の可動部を前記第1の可動部に向かって押すよう構成された、作用部と、を有する。前記リミッタは、少なくとも一部が前記操作部と異なる位置に設けられ、前記操作部に作用する力が所定以上の大きさになると、前記第1の支持部によって支持される前記棒状部材から前記第1の支持部に作用する荷重が増加することを制限する。
本発明によれば、より不都合の少ない新規な構成のリング装着装置が得られる。
(第1の実施形態)
以下に、第1の実施形態について、図1乃至図12を参照して説明する。なお、本明細書において、実施形態に係る構成要素及び当該要素の説明について、複数の表現が記載されることがある。複数の表現がされた構成要素及び説明は、記載されていない他の表現がされても良い。さらに、複数の表現がされない構成要素及び説明も、記載されていない他の表現がされても良い。
以下に、第1の実施形態について、図1乃至図12を参照して説明する。なお、本明細書において、実施形態に係る構成要素及び当該要素の説明について、複数の表現が記載されることがある。複数の表現がされた構成要素及び説明は、記載されていない他の表現がされても良い。さらに、複数の表現がされない構成要素及び説明も、記載されていない他の表現がされても良い。
図1は、第1の実施形態に係るリング装着装置10を示す例示的な斜視図である。図2は、第1の実施形態のリング装着装置10の一部と、棒状部材11と、リング12とを示す例示的な正面図である。図2は、リング12を示すため、リング装着装置10の一部を省略して示す。
リング装着装置10は、例えば、リング12を棒状部材11に装着するために用いられる。棒状部材11は、軸体とも称され得る。リング12は、いわゆるEリング(E型止め輪)である。リング12は、例えば、棒状部材11が軸方向に移動することを制限するために、棒状部材11に装着される。なお、棒状部材11及びリング12はこれに限定されるものではない。
図1に示すように、リング装着装置10は、下フレーム14と、可動部材15と、上フレーム16と、スタック部17と、プッシャ18と、レバー19とを有する。下フレーム14は、第1の可動部の一例である。上フレーム16は、第2の可動部の一例である。可動部材15は、第3の可動部の一例である。レバー19は、操作部材の一例である。
本実施形態におけるリング装着装置10は、一方向に細長い形状に形成される。各図面に示されるように、本明細書において、説明の便宜上、リング装着装置10が延びる方向に沿ってX軸が規定される。詳しく述べると、下フレーム14、可動部材15、上フレーム16、スタック部17、及びレバー19のうち、最も長い部品であるスタック部17が延びる方向に沿ってX軸が規定される。さらに、本明細書において、Y軸及びZ軸が規定される。X軸とY軸とZ軸とは、互いに直交する。Y軸は、スタック部17の幅に沿って規定される。Z軸は、スタック部17の厚さに沿って規定される。
本明細書において、説明の便宜上、図1におけるZ軸に沿う正方向(Z軸の矢印が向く方向)が、下方向と説明される。同じく、図1におけるZ軸に沿う負方向(Z軸の矢印の反対方向)が、上方向と説明される。しかし、「上」及び「下」は各部分について限定するものではない。各部分の上下方向における位置は、例えばリング装着装置10が回転させられることで変わり得る。
さらに、図1におけるX軸に沿う正方向(X軸の矢印が向く方向)が、前方向と説明される。同じく、図1におけるX軸に沿う負方向(X軸の矢印の反対方向)が、後方向と説明される。しかし、「前」及び「後」は各部分について限定するものではない。各部分の水平方向における位置は、例えばリング装着装置10が回転させられることで変わり得る。
図3は、第1の実施形態のリング装着装置10を示す例示的な断面図である。図3に示すように、下フレーム14は、上フレーム16及びスタック部17の下方に位置し、基部21と、打込部22とを有する。言い換えると、基部21及び打込部22が、下フレーム14に設けられる。基部21は、第1の部分及び第1の基部の一例である。打込部22は、第2の部分の一例である。
基部21は、回動部材25と、加圧部材26と、加圧バネ27とを有する。回動部材25は、第1の部材の一例である。加圧部材26は、第2の部材の一例である。加圧バネ27は、保持部の一例である。
回動部材25は、底壁31と、二つの側壁32と、第1の取付軸33とを有する。加圧部材26は、上壁35と、二つの側壁36と、第2の取付軸37とを有する。なお、図3は、二つの側壁32と二つの側壁36とを、それぞれ一つずつ示す。
図3に示す状態において、回動部材25の底壁31は、おおよそX‐Y平面に広がる略矩形の板状に形成される。底壁31は、大よそX軸に沿う方向に延びる。なお、底壁31が延びる方向は、下フレーム14が回転することによって変わり得る。
回動部材25の二つの側壁32は、底壁31の短手方向(Y軸に沿う方向)の両端部から、底壁31と交差する(例えば直交する)方向に立ち上がる。二つの側壁32は、底壁31から、大よそ上方向に立ち上がる。二つの側壁32は、例えば、底壁31を形成する金属板が曲げられることにより形成される。二つの側壁32は、Y軸に沿う方向に延びる第1の取付軸33によって接続される。
図3に示す状態において、加圧部材26の上壁35は、おおよそX‐Y平面に広がる略矩形の板状に形成される。上壁35は、大よそX軸に沿う方向に延びる。なお、上壁35が延びる方向は、下フレーム14が回転することによって変わり得る。
加圧部材26の二つの側壁36は、上壁35の短手方向の両端部から、上壁35と交差する方向に立ち上がる。二つの側壁36は、上壁35から、大よそ下方向に立ち上がる。二つの側壁36は、例えば、上壁35を形成する金属板が曲げられることにより形成される。
図1に示すように、X軸に沿う正方向における加圧部材26の側壁36の端部に、凹部36aが設けられる。凹部36aは、第1の凹部の一例である。凹部36aは、Y軸に沿う正方向に向かって開放された略円形の切欠きである。凹部36aは、これに限らず、他の形状を有しても良い。
第2の取付軸37は、Y軸に沿う方向に延び、二つの側壁36を接続する。第2の取付軸37は、回動部材25の第1の取付軸33から、大よそX軸に沿う負方向に離間した位置に配置される。
Y軸に沿う方向において、加圧部材26は、回動部材25の二つの側壁32の間に位置する。加圧部材26の二つの側壁36は、回動部材25の対応する側壁32の内面に隣接する。
図3に示すように、二つの側壁36に、少なくとも一つのスリット38がそれぞれ設けられる。スリット38は、加圧部材26の長手方向に延びる孔である。回動部材25の第1の取付軸33は、スリット38を通される。これにより、加圧部材26は、回動部材25に取り付けられる。加圧部材26は、回動部材25に対して、加圧部材26の長手方向に移動可能である。加圧部材26が移動可能な距離は、スリット38の長さによって制限される。
加圧バネ27は、例えば、引張バネである。加圧バネ27の一方の端部は、第1の取付軸33に取り付けられる。加圧バネ27の他方の端部は、第2の取付軸37に取り付けられる。加圧バネ27は、回動部材25に対して加圧部材26を、大よそX軸に沿う正方向に向かって押す。
図4は、第1の実施形態の下フレーム14の一部を示す例示的な斜視図である。図4に示すように、打込部22は、底壁41と、二つの側壁42と、支持部材43と、ネジ44とを有する。支持部材43は、第1の支持部の一例である。すなわち、支持部材43は、打込部22に設けられる。
図3に示す状態において、底壁41は、おおよそX‐Y平面に広がる略矩形の板状に形成される。底壁41は、大よそX軸に沿う方向に延びる。なお、底壁41が延びる方向は、下フレーム14が回転することによって変わり得る。
図4に示すように、底壁41は、内面41aを有する。内面41aは、底壁41が延びる方向に対する法線方向に向く平面である。内面41aは、例えば曲面であっても良い。内面41aは、大よそ上方向に向く。
二つの側壁42は、底壁41の短手方向の両端部から、底壁41と交差する方向に立ち上がる。二つの側壁42は、底壁41から、大よそ上方向に立ち上がる。二つの側壁42は、例えば、底壁41を形成する金属板が曲げられることにより形成される。
支持部材43は、底壁41及び側壁42から独立した別個の部品である。なお、支持部材43は、底壁41及び側壁42と一体に形成されても良い。本実施形態における支持部材43は、略L字状に形成され、凹面43aと、支持壁43bと、取付壁43cとを有する。なお、支持部材43は、他の形状に形成されても良い。
取付壁43cは、おおよそX‐Y平面に広がる略矩形の板状に形成される。取付壁43cは、底壁41の内面41aに接し、底壁41に沿って大よそX軸に沿う方向に延びる。取付壁43cの前方向の端部と、底壁41の前方向の端部とは、Z軸に沿う方向において大よそ重なる。
支持壁43bは、おおよそY‐Z平面に広がる略矩形の板状に形成される。支持壁43bは、取付壁43cの前方向の端部から、上フレーム16に向かって延びる。言い換えると、支持壁43bは、取付壁43cから大よそ上方向に突出する。
凹面43aは、支持壁43bの先端部に設けられる。支持壁43bの先端部は、支持壁43bの、取付壁43cの反対側に位置する端部である。本実施形態において、凹面43aは、支持壁43bの先端部から凹んで設けられた円弧状の曲面である。なお、凹面43aは他の形状に形成されても良い。
ネジ44は、底壁41に、支持部材43の取付壁43cを取り外し可能に取り付ける。言い換えると、支持部材43は、底壁41に交換可能に取り付けられる。
図1に示すように、打込部22の側壁42に、凸部42aが設けられる。凸部42aは、第1の凸部の一例である。凸部42aは、側壁42から、打込部22の短手方向外側に向かって突出する、略円柱形の突起である。なお、凸部42aは、他の形状に形成されても良い。
図1における、基部21に対する打込部22の位置を、打込可能位置Ppと定義する。打込可能位置Ppは、第1の位置の一例である。打込部22が打込可能位置Ppにあるとき、打込部22の底壁41と、回動部材25の底壁31とは、略平行に延びる。さらに、第1の取付軸33と、第2の取付軸37と、凸部42aとが、X軸に沿う方向に並べられる。
図3の加圧バネ27は、加圧部材26を打込部22に向かって押すことで、加圧部材26の凹部36aを、打込可能位置Ppに位置する打込部22の凸部42aに向かって押す。打込部22が打込可能位置Ppにあるとき、打込部22の側壁42の凸部42aは、加圧部材26の側壁36の凹部36aに嵌め込まれる。
加圧バネ27は、加圧部材26の凹部36aに打込部22の凸部42aが嵌め込まれた状態で、加圧部材26をさらに押す。言い換えると、加圧バネ27は、加圧部材26を介して、打込部22の凸部42aに弾性力を作用させる。これにより、凸部42aが凹部36aから外れることが抑制される。すなわち、加圧バネ27は、打込部22に弾性力を作用させて、凸部42aが凹部36aの中に保持されるように凸部42aと凹部36aとを互いに近付けることで、打込部22を打込可能位置Ppに保持する。
打込部22に、カバー45が取り付けられる。カバー45は、制限部材の一例である。カバー45は、例えば合成樹脂によって作られるが、他の材料によって作られても良い。カバー45は、下壁46と、二つの側壁47と、当接片48とを有する。下壁46は、覆部の一例である。
図3に示す状態において、下壁46は、大よそX‐Y平面に広がる略矩形の板状に形成される。下壁46は、大よそX軸に沿う方向に延びる。なお、下壁46が延びる方向は、カバー45が回転することによって変わり得る。下壁46は、例えばネジによって、打込部22の底壁41に取り付けられる。
図3に示すように、下壁46は、打込部22の底壁41から下方向に離間した位置で、底壁41を下方向から覆う。このため、下壁46と、打込部22の底壁41との間に、空間Sが形成される。
図2に示すように、二つの側壁47は、下壁46の短手方向の両端部から、下壁46と交差する方向に立ち上がる。二つの側壁47は、下壁46から、大よそ上方向に立ち上がる。Y軸に沿う方向において、打込部22は、二つの側壁47の間に位置する。二つの側壁47は、打込部22の側壁42の一部を、Y軸に沿う方向から覆う。
図3に示すように、当接片48は、下壁46の後方向の端部から突出する。当接片48は、回動部材25の底壁31の下方に位置する。図3に示す状態において、当接片48は、回動部材25の底壁31から下方向に離間する。
可動部材15は、図3に示す回転壁51と、図1に示す二つの連結壁52、前壁53、及びアーム54とを有する。なお、図1は、二つの連結壁52のうち一つのみを示す。
図3に示すように、回転壁51は、打込部22の底壁41の下方向に位置する。言い換えると、回転壁51は、打込部22の二つの側壁42及び支持部材43に対して底壁41の反対側に位置する。
図3に示す状態において、回転壁51は、おおよそX‐Y平面に広がる略矩形の板状に形成される。回転壁51は、打込部22の底壁41に沿って、大よそX軸に沿う方向に延びる。なお、回転壁51が延びる方向は、可動部材15が回転することによって変わり得る。回転壁51の長手方向(X軸に沿う方向)の寸法は、底壁41の長手方向の寸法よりも短い。
図1の二つの連結壁52は、回転壁51の短手方向の両端部から、回転壁51と交差する方向に立ち上がる。二つの連結壁52は、回転壁51から、大よそ上方向に立ち上がる。Y軸に沿う方向において、二つの連結壁52の間に、回動部材25、加圧部材26、及び打込部22の側壁32,36,42が位置する。
回転壁51の長手方向の一方の端部(後方向の端部)は、連結壁52を介して、回動部材25の側壁32に取り付けられる。連結壁52の後方向の端部は、回転壁51の後方向の端部よりも後方向に位置する。
リング装着装置10に、第1の軸55が設けられる。第1の軸55は、可動部材15の連結壁52を、回動部材25の側壁32に取り付ける。さらに、第1の軸55は、打込部22の側壁42を、回動部材25の側壁32に取り付ける。第1の軸55は、Y軸に沿う方向に延びる。
第1の軸55は、第1の回転中心Ax1まわりに回転可能に、可動部材15を回動部材25に取り付ける。第1の回転中心Ax1は、第1の軸55の中心軸である。すなわち、可動部材15は、下フレーム14の回動部材25、加圧部材26、及び打込部22と相対的に移動可能に設けられる。なお、可動部材15は、他の手段によって下フレーム14と相対的に移動可能に設けられても良い。
さらに、第1の軸55は、第1の回転中心Ax1まわりに回転可能に、打込部22を基部21の回動部材25に取り付ける。すなわち、打込部22は、回動部材25及び加圧部材26に対して移動可能に設けられる。なお、打込部22は、他の手段によって回動部材25及び加圧部材26と相対的に移動可能に設けられても良く、可動部材15と異なる位置で回動部材25に取り付けられても良い。
図3に示すように、前壁53は、回転壁51の長手方向の他方の端部(前方向の端部)から、回転壁51と交差する方向に立ち上がる。前壁53は、回転壁51から、大よそ上方向に立ち上がる。図3に示す状態において、前壁53は、おおよそY‐Z平面に広がる略矩形の板状に形成される。図3に示すように、前壁53は、支持壁43bに沿って、大よそZ軸に沿う方向に延びる。なお、前壁53が延びる方向は、可動部材15が回転することによって変わり得る。
図2に示すように、前壁53は、端面53aを有する。端面53aは、第2の支持部の一例である。端面53aは、前壁53の、回転壁51の反対側に位置する。端面53aは、Y軸に沿う方向に延びる。図3の状態において、前壁53の端面53aは、支持部材43の支持壁43bの先端部よりも若干、Z軸に沿う負方向(上方向)に位置する。言い換えると、前壁53は、支持部材43の支持壁43bの先端部から上方向に僅かに張り出す。なお、前壁53及び支持壁43bの位置はこれに限らない。
前壁53に、端面53aから窪む切欠き53bが設けられる。切欠き53bは、端面53aからZ軸に沿う正方向に直線状に延びる部分(直線部分)と、当該直線状に延びる部分に接続された半円状の部分(半円部分)とを含む形状に形成される。言い換えると、切欠き53bは、Z軸に沿う方向に延びた半長円形に形成される。なお、切欠き53bは、単なる半円状のような他の形状に形成されても良い。
切欠き53bは、両端部がそれぞれ端面53aに接続される前壁53の縁53cによって形成される。縁53cは、第3の支持部の一例である。縁53cは、端面53aからZ軸に沿う正方向に平行に延びる二つの部分と、当該二つの部分を接続する円弧状の部分と、を有する。
切欠き53bの半円部分の半径は、図4の支持部材43の凹面43aの半径よりも小さい。さらに、切欠き53bの直線部分のY軸に沿う方向における長さは、支持部材43の凹面43aの直径よりも小さい。
図1に示すように、アーム54は、例えば、連結壁52から、回転壁51の短手方向内側に突出する。アーム54は、第1の軸55からX軸に沿う正方向に離間した位置に設けられる。
上フレーム16は、上壁61と、二つの側壁62と、押板63と、二つの突出部64とを有する。なお、図1は、二つの突出部64のうち一つのみを示す。
図3に示す状態において、上壁61は、大よそX‐Y平面に広がる略矩形の板状に形成される。上壁61は、大よそX軸に沿う方向に延びる。なお、上壁61が延びる方向は、上フレーム16が回転することによって変わり得る。
二つの側壁62は、上壁61の短手方向の両端部から、上壁61と交差する方向であって、下フレーム14に向かう側に立ち上がる。言い換えると、側壁62は、大よそ下方向に立ち上がる。Y軸に沿う方向において、二つの側壁62の間に、回動部材25の二つの側壁32が位置する。
押板63は、略L字状に形成され、取付部63aと、押部63bとを有する。すなわち、押部63bは、上フレーム16に設けられる。取付部63aは、上壁61の下方に位置する。言い換えると、取付部63aは、上壁61の側壁62が設けられた側に位置する。取付部63aは、上壁61に沿って、大よそX軸に沿う方向に延びる。取付部63aは、上壁61の長手方向の一方の端部(前方向の端部)に、例えばネジによって取り付けられる。
押部63bは、取付部63aの長手方向の一方の端部(前方向の端部)から、取付部63aと交差する方向であって、下フレーム14に向かう側に立ち上がる。言い換えると、押部63bは、大よそ下方向に立ち上がる。
図2に示すように、押部63bの先端部に、凹面63cが設けられる。押部63bの先端部は、押部63bの、取付部63aの反対側に位置する端部である。本実施形態において、凹面63cは、円弧状の窪みである。なお、凹面63cは他の形状に形成されても良い。
二つの突出部64は、例えば、側壁62の先端部から、上壁61の短手方向外側に突出する。側壁62の先端部は、側壁62の、上壁61の反対側に位置する端部である。なお、突出部64は、例えば、上壁61又は押板63から突出しても良い。突出部64は、上フレーム16の長手方向における中央付近に設けられる。なお、突出部64は他の位置に設けられても良い。
図1に示すように、リング装着装置10に、第2の軸67が設けられる。第2の軸67は、上フレーム16の側壁62の後方向の端部を、回動部材25の側壁32の後方向の端部に取り付ける。言い換えると、第2の軸67は、押板63の反対側で、上フレーム16を下フレーム14に取り付ける。
第2の軸67は、第2の回転中心Ax2まわりに回転可能に、上フレーム16を下フレーム14の回動部材25に取り付ける。第2の回転中心Ax2は、第2の軸67の中心軸であり、Y軸に沿う方向に延びる。すなわち、上フレーム16は、下フレーム14に対して移動可能に設けられる。
図3に示すように、スタック部17は、レール71と、スタッカ72と、ストッパ73と、バネ74と、ガイドカバー75とを有する。図2において、スタッカ72の一部は、リング12を示すために省略される。
上述のように、スタック部17は、X軸に沿う方向に延びる。スタック部17は、複数のリング12を収容する。複数のリング12は、スタック部17の内部において、X軸に沿う方向に重ねられる。すなわち、複数のリング12は、スタック部17の長手方向に積層されて、スタック部17に収容される。
図3に示すように、スタック部17は、前端部17aと、後端部17bとを有する。前端部17aは、X軸に沿う正方向(前方向)におけるスタック部17の端部である。後端部17bは、X軸に沿う負方向(後方向)におけるスタック部17の端部である。すなわち、後端部17bは、前端部17aの反対側に位置する。
図2に示すように、レール71は、略T字状の断面を有し、X軸に沿う方向に延びる。レール71は、リング12の内側に嵌め込まれる。レール71は、スタック部17の内部において、X軸に沿う方向に重ねられた複数のリング12を支持する。
スタッカ72は、レール71に、例えばネジによって取り付けられる。スタッカ72は、X軸に沿う方向に延びる。スタッカ72は、底壁81と、二つの側壁82と、図3に示す二つの上壁83及び受け壁84とを有する。
底壁81は、X‐Y平面に広がる略矩形の板状に形成され、X軸に沿う方向に延びる。底壁81は、レール71に固定される。底壁81は、レール71と、下フレーム14との間に位置する。
二つの側壁82はそれぞれ、X‐Z平面に広がる略矩形の板状に形成される。二つの側壁82は、底壁81の短手方向(Y軸に沿う方向)の両端部から、底壁81と交差する(例えば直交する)方向に立ち上がる。二つの側壁82は、底壁81から上方向に立ち上がる。
レール71は、Y軸に沿う方向において、二つの側壁82の間に位置し、二つの側壁82から離間する。二つの側壁82は、レール71と、レール71に支持されてスタック部17に収容された複数のリング12と、をY軸に沿う方向から覆う。
図3に示すように、上壁83は、X‐Y平面に広がる略矩形状の板状に形成される。二つの上壁83はそれぞれ、対応する側壁82のZ軸に沿う負方向の端部から、他方の側壁82に向かって延びる。上壁83は、底壁81からZ軸に沿う負方向に離間した位置に配置される。二つの側壁82及び二つの上壁83は、例えば、底壁81を形成する金属板が曲げられることにより形成される。
受け壁84は、Y‐Z平面に広がる略矩形の板状に形成される。受け壁84は、例えば、対応する側壁82の前方向の端部に取り付けられる。受け壁84は、スタック部17の前端部17aに設けられる。
受け壁84は、レール71の前方向の端部から離間する。レール71の前方向の端部と、受け壁84との間に、押出口85が設けられる。言い換えると、押出口85は、受け壁84に隣接する。
押出口85は、Y軸に沿う方向に延びる。Y軸に沿う方向において、押出口85の寸法(長手方向の幅)は、一つのリング12の直径よりも大きい。X軸に沿う方向において、押出口85の寸法(短手方向の幅)は、一つのリング12の厚さよりも僅かに大きい。すなわち、一つのリング12は、押出口85を通過可能である。
ストッパ73、バネ74、及びガイドカバー75は、スタッカ72の底壁81の、レール71とは反対側に設けられる。バネ74は、ストッパ73と底壁81との間に配置される。バネ74は、ストッパ73を、底壁81に対してZ軸に沿う正方向(下方向)に押す。
ガイドカバー75は、スタッカ72の底壁81の一部を覆うとともに、ストッパ73の一部を収容する。ガイドカバー75に設けられた孔75aから、ストッパ73の一部が突出する。ガイドカバー75は、バネ74によるストッパ73の移動を所定の範囲内に制限する。ガイドカバー75は、スタック部17の後端部17bから連続する滑らかな曲面75bを有する。
プッシャ18は、バックカバー91と、プッシャ部92とを有する。バックカバー91は、有底の筒状に形成される。バックカバー91に、収容口93が設けられる。収容口93は、X軸に沿う正方向(前方向)に開口する。収容口93は、スタック部17の一部を部分的に収容可能な大きさの開口である。
収容口93に、後端部17bを含むスタック部17の一部が収容される。これにより、バックカバー91は、レール71の一部を、Z軸に沿う方向(上方向及び下方向)と、Y軸に沿う方向と、X軸に沿う負方向(後方向)とから覆う。
プッシャ部92は、ロッド95と、ブロック96と、押バネ97とを有する。ロッド95は、X軸に沿う方向に延びる棒状の部材である。ロッド95の後方向の端部は、バックカバー91に取り付けられる。すなわち、ロッド95は、バックカバー91からX軸に沿う方向に延びる。ブロック96は、ロッド95に沿って移動可能に、ロッド95に取り付けられる。
押バネ97は、X軸に沿う方向に延びるコイルバネである。押バネ97の内部に、ロッド95が通される。押バネ97は、バックカバー91とブロック96との間に位置する。押バネ97は、ブロック96を、バックカバー91から遠ざかる方向(前方向)に押す。
プッシャ部92は、後端部17bからスタック部17の内部に挿入される。ブロック96は、スタック部17に収容されてレール71に支持された複数のリング12のうち、最も後方向に位置するリング12に接触する。押バネ97は、ブロック96と、ブロック96に接触する複数のリング12を受け壁84に向かって押す。押バネ97は、複数のリング12を受け壁84に押し付ける。
スタック部17に収容された複数のリング12のうち、最も前方向に位置するリング12は、受け壁84に接触する。すなわち、受け壁84は、リング12を前方向から支持する。当該リング12の下方向に、押出口85が位置する。言い換えると、受け壁84に接触するリング12は、押出口85に面する。
バックカバー91に、嵌合孔91aが設けられる。プッシャ部92がスタック部17に挿入された状態で、スタック部17の一部が収容口93に収容されると、ストッパ73が嵌合孔91aに嵌り込む。これにより、プッシャ18がスタック部17に取り外し可能に取り付けられる。
図1に示すように、スタック部17は、下フレーム14と上フレーム16との間に位置する。スタック部17のスタッカ72の側壁82は、第2の軸67によって、下フレーム14の回動部材25の側壁32と、上フレーム16の側壁62とに取り付けられる。
第2の軸67は、第2の回転中心Ax2まわりに回転可能に、スタック部17を、上フレーム16及び下フレーム14に取り付ける。すなわち、スタック部17は、上フレーム16及び下フレーム14と相対的に移動可能に設けられる。このように、下フレーム14、上フレーム16、及びスタック部17は、同一の第2の回転中心Ax2まわりに回転可能に設けられる。なお、下フレーム14、上フレーム16、及びスタック部17の少なくとも一つが、他と異なる回転中心まわりに回動可能であっても良い。
図3に示すように、上フレーム16の押板63の押部63bの一部は、スタック部17に入り込む。押部63bは、スタック部17のスタッカ72の受け壁84に対し、後方向に隣接するよう配置される。このため、X軸に沿う方向において、押部63bと、スタック部17に設けられた押出口85とが、大よそ同一位置に配置される。
X軸に沿う方向において、押部63bの寸法(厚さ)は、押出口85の寸法よりも僅かに小さい。さらに、Y軸に沿う方向においても、押部63bの寸法(横幅)は、押出口85の寸法よりも小さい。このため、例えば上フレーム16がスタック部17に近づくように回転することにより、押部63bは、押出口85を通過可能である。
図1に示すように、レバー19は、操作部101と、二つの作用部102とを有する。なお、図1は、二つの作用部102のうち一つのみを示す。さらに、リング装着装置10に、レバー19を下フレーム14に取り付ける第3の軸103が設けられる。第3の軸103は、回転軸の一例である。
第3の軸103は、下フレーム14の回動部材25の二つの側壁32に固定される。言い換えると、第3の軸103は、下フレーム14に設けられる。第3の軸103は、上フレーム16に固定されても良い。第3の軸103は、第3の回転中心Ax3まわりに回転可能に、レバー19を下フレーム14の回動部材25の側壁32に取り付ける。言い換えると、レバー19は、回転可能に第3の軸103に取り付けられる。第3の回転中心Ax3は、第3の軸103の中心軸であり、Y軸に沿う方向に延びる。このように、レバー19は、下フレーム14と相対的に移動可能に設けられる。
作用部102は、第3の軸103の、操作部101とは反対側に位置する。言い換えると、第3の軸103は、操作部101と作用部102との間に位置する。作用部102は、大よそ上方向から上フレーム16の突出部64に接触させられる。
図3に示すように、下フレーム14の回動部材25の底壁31と、スタック部17のスタッカ72の底壁81との間に、第1の離間バネ105が設けられる。第1の離間バネ105は、コイルバネであり、下フレーム14を、スタック部17から離間する方向に押す。言い換えると、第1の離間バネ105は、第2の回転中心Ax2まわりに、図3における時計回り方向に下フレーム14を付勢する。
上フレーム16の上壁61と、スタック部17のスタッカ72の上壁83との間に、第2の離間バネ106が設けられる。第2の離間バネ106は、コイルバネであり、上フレーム16を、スタック部17から離間する方向に押す。言い換えると、第2の離間バネ106は、第2の回転中心Ax2まわりに、図3における反時計回り方向に上フレーム16を押す。
下フレーム14と、第1の離間バネ105と、スタック部17と、第2の離間バネ106と、上フレーム16とは、直列に接続される。第2の離間バネ106は、第1の離間バネ105よりもバネ定数が高い。
リング装着装置10は、捩りバネ107をさらに有する。捩りバネ107は、例えば、第1の軸55に取り付けられる。捩りバネ107の一方の端部は、打込部22の底壁41の内面41aに接触する。捩りバネ107の他方の端部は、可動部材15のアーム54に接触する。このように、捩りバネ107は、打込部22の底壁41と、可動部材15のアーム54とによって支持される。
捩りバネ107は、可動部材15のアーム54を、打込部22に対し、第1の回転中心Ax1まわりに、図3における反時計回り方向に押す。これにより、捩りバネ107は、可動部材15を打込部22に向かって押す。捩りバネ107は、可動部材15の回転壁51を、打込部22の底壁41に近づける。
以上述べたリング装着装置10は、連動機構Mによって開閉する。連動機構Mは、例えば、下フレーム14、可動部材15、上フレーム16、スタック部17、レバー19、第1の離間バネ105、第2の離間バネ106、及び捩りバネ107を有する。連動機構Mは、リング装着装置10が操作されていない状態において、以下のようにリング装着装置10を開かれた状態に保つ。
第1の離間バネ105は、下フレーム14をスタック部17から離間させる。さらに、第2の離間バネ106は、上フレーム16をスタック部17から離間させる。しかし、図1に示すように、下フレーム14に取り付けられたレバー19の作用部102が、上フレーム16の突出部64を上方向から支持する。このため、下フレーム14がスタック部17から所定の距離より大きく離れることが抑制されるとともに、上フレーム16がスタック部17から所定の距離より大きく離れることが抑制される。このように、レバー19の作用部102は、下フレーム14がスタック部17から離れることを制限するとともに、上フレーム16がスタック部17から離れることを制限する。
図3の第1の離間バネ105によって下フレーム14がスタック部17から離間させられるため、支持部材43の支持壁43bは、スタック部17から離間した位置に配置される。Z軸に沿う方向における支持壁43bとスタック部17との間の距離は、棒状部材11の直径よりも長い。同じく、下フレーム14に取り付けられた可動部材15の前壁53は、スタック部17から離間した位置に配置される。Z軸に沿う方向における前壁53とスタック部17との間の距離は、棒状部材11の直径よりも長い。
第2の離間バネ106によって上フレーム16がスタック部17から離間させられるため、上フレーム16の押板63の押部63bは、スタック部17の押出口85から上方向に離間した位置に配置される。押部63bは、スタック部17に収容されるとともに受け壁84に支持されるリング12から、僅かに上方向に離間した位置に配置される。なお、押部63bは、受け壁84に支持されるリング12に接触しても良い。
直列に接続された第1の離間バネ105及び第2の離間バネ106によって、上フレーム16は上方向に押される。このため、図1に示すように、上フレーム16の突出部64は、レバー19の作用部102を上方向に押し、レバー19を回転させようとする。レバー19は、上フレーム16の突出部64によって、第3の回転中心Ax3まわりに、図3における反時計回り方向に回転させられる。
レバー19の操作部101は、基端部101aと、先端部101bとを有する。基端部101aは、先端部101bよりも第3の軸103に近い、操作部101の端部である。例えば基端部101aが下フレーム14の回動部材25の底壁31に接触することにより、レバー19が下フレーム14に対して所定の角度より大きく回転することが抑制される。
基端部101aが回動部材25の底壁31に接触する状態において、先端部101bは、下フレーム14から離間した位置に配置される。Z軸に沿う方向における先端部101bと上フレーム16との間の距離(リング装着装置10の縦幅)は、例えば、作業者が把持可能な長さに保たれる。
捩りバネ107は、可動部材15を打込部22に向かって押す。図3に示す状態において、下フレーム14の打込部22の底壁41は、可動部材15の回転壁51に接触する。打込部22の底壁41は、回転壁51に接触することにより、捩りバネ107に押された可動部材15の移動を制限する。
回転壁51が打込部22の底壁41に接触すると、可動部材15の前壁53は、支持部材43の支持壁43bに隣接する。前壁53は、支持壁43bに前方向から接触する。なお、前壁53は、支持壁43bから僅かに離間しても良い。
以上のように、スタック部17から、下フレーム14、上フレーム16及び、レバー19の操作部101の先端部101bが離間し、可動部材15が下フレーム14に接触する状態における、リング装着装置10の各部分の位置を、初期位置P1と定義する。例えば、作業者がリング装着装置10を操作しない場合、リング装着装置10の各部分は初期位置P1に位置する。
図5は、第1の実施形態の棒状部材11を概略的に示す例示的な斜視図である。リング装着装置10は、図5に例示されるような棒状部材11に、リング12を装着する。棒状部材11は、円柱形の棒状に形成されたいわゆる丸棒部材である。
棒状部材11は、円筒状の周面111を有する。周面111には、棒状部材11の中心軸C1の周方向に沿って延びる溝112が設けられる。言い換えると、溝112は、棒状部材11の外周に沿って設けられる。リング12は、溝112に挿入された状態で棒状部材11を周方向に囲うように、棒状部材11に装着される。溝112の断面は、四角形状である。
溝112の位置、棒状部材11の断面形状、直径、及び長さ等は、図8に示されたものに限定されない。例えば、溝112は、図8に示される溝112よりも棒状部材11の端面113からより遠い位置に設けられても良い。端面113は、棒状部材11の軸方向における端面である。
また、棒状部材11に、部分的に、径方向と直交するフラット部が設けられても良い。当該フラット部が設けられた部分では、棒状部材11の断面形状は、略D字状である。よって、当該フラット部は、Dカット部とも称され得る。また、溝112は、Dカット部が設けられた位置の周面111に設けられてもよい。
図6は、第1の実施形態のリング12を概略的に示す例示的な正面図である。リング12は、円弧状に延びる弧状部121を有する。弧状部121は、中心C2の周方向に延びる。弧状部121の周方向の二つの端部122は互いに面しており、これら端部122の間に隙間123が設けられる。弧状部121及び端部122に、径方向の内側に向けて突出する突起124が設けられる。弧状部121は、鉄系材料のような弾性変形可能な金属材料によって構成されている。
リング12の二つの端部122に棒状部材11の溝112の底面が押し当てられると、弧状部121は、二つの端部122の間の隙間123が広がるように弾性変形する。この状態で、棒状部材11が隙間123を通って弧状部121の内側に挿入される。棒状部材11が隙間123を通過すると、互いに離れていた二つの端部122間は元の位置に戻る。このようにして、リング12の突起124が溝112内に挿入され、棒状部材11を囲う状態が得られる。
以下、リング装着装置10によって棒状部材11にリング12を装着する方法の少なくとも一部について例示する。なお、リング12の装着方法は以下の方法に限らず、他の方法を用いても良い。
まず、図2に示すように、リング装着装置10は、環状の溝112の径方向の外側にリング12が位置するよう、棒状部材11とリング12とを支持する。本実施形態において、リング12は、溝112の上方向に位置する。
リング装着装置10が棒状部材11を支持すると、図5の棒状部材11の中心軸C1と図6のリング12の中心C2とが大よそ平行となるとともに、中心軸C1及び中心C2と、リング装着装置10の長手方向(X軸に沿う方向)とが大よそ平行となる。さらに、リング12の端部122が棒状部材11の周面111に面する。
詳しく述べると、棒状部材11は、リング装着装置10の下フレーム14と可動部材15とによって支持される。図3に示す支持部材43の凹面43aによって、棒状部材11の周面111が支持される。凹面43aは、棒状部材11を径方向に支持する。凹面43aは、棒状部材11が径方向(下方向)に移動することを制限し、棒状部材11を径方向に位置決めする。
さらに、可動部材15の前壁53の縁53cが、棒状部材11の溝112内に挿入され、棒状部材11を支持する。前壁53の縁53cは、棒状部材11が軸方向に移動することを制限し、棒状部材11を軸方向に位置決めする。なお、縁53cは、棒状部材11が径方向に移動することを抑制し、棒状部材11を径方向に位置決めしても良い。
棒状部材11が支持部材43に支持され、縁53cが溝112内に挿入されたとき、前壁53の端面53aは、Z軸に沿う方向において、図5の棒状部材11の中心軸C1と同じ位置にあるか、中心軸C1よりもZ軸に沿う負方向に位置する。このため、前壁53の縁53cは、棒状部材11が軸方向に移動することをより確実に制限し、棒状部材11を軸方向に位置決めできる。
棒状部材11の軸方向(大よそX軸に沿う方向)において、支持壁43bは、前壁53に隣接して設けられる。このため、溝112から端面113までの距離が短い場合にあっても、支持壁43bは、棒状部材11の周面111を支持することができる。
図7は、第1の実施形態のリング装着装置10の一部と、保持された棒状部材11の一部とを示す例示的な側面図である。例えば作業者によって図1のレバー19が操作されると、レバー19は、第3の回転中心Ax3まわりに、図3における時計回り方向に回転させられる。言い換えると、レバー19の操作部101の先端部101bが、下フレーム14に近づけられる。
図1に示すレバー19の作用部102と、上フレーム16の突出部64とはそれぞれ、X‐Z平面に沿って移動する。さらに、レバー19の作用部102の移動経路は、上フレーム16の突出部64の移動経路と重なって設けられている。このため、レバー19の移動(回転)に伴って、レバー19の作用部102が、上フレーム16の突出部64を下方向に押す。言い換えると、レバー19の作用部102が、上フレーム16の突出部64を、第2の回転中心Ax2まわりに、図3における時計回り方向に押す。
突出部64が押されることにより、下フレーム14、上フレーム16、及びスタック部17に、互いに近づける力が作用する。すなわち、下フレーム14は、スタック部17に近づくように、第2の回転中心Ax2まわりに、図3における反時計回り方向に押される。上フレーム16は、スタック部17に近づくように、第2の回転中心Ax2まわりに、図3における時計回り方向に押される。このように、レバー19の作用部102は、操作部101が第3の軸103の第3の回転中心Ax3まわりに回転させられたときに、上フレーム16を下フレーム14に向かって押す。
図3に示す第2の離間バネ106は、第1の離間バネ105よりもバネ定数が高い。このため、第1の離間バネ105が先に縮み、下フレーム14がスタック部17に近づけられるが、上フレーム16とスタック部17との相対的な位置はほぼ変わらず保たれる。
図7に示すように、下フレーム14がスタック部17に近づくことで、スタック部17のスタッカ72の底壁81が、棒状部材11の周面111に接触する。すなわち、棒状部材11の下フレーム14とは反対側に設けられたスタック部17のスタッカ72の底壁81が、棒状部材11を支持する。スタッカ72の底壁81が棒状部材11に接触した状態において、図5の棒状部材11の中心軸C1と、図6のリング12の中心C2と、スタック部17の長手方向(X軸)とは、ほぼ平行に配置される。
スタッカ72の底壁81は、棒状部材11を径方向に支持する。スタッカ72の底壁81は、棒状部材11が径方向(上方向)に移動することを制限し、棒状部材11を径方向に位置決めする。
スタック部17は、スタッカ72の底壁81によって、大よそ上方向から棒状部材11を支持する。さらに、支持部材43の凹面43aが、下方向から棒状部材11を支持する。このように、棒状部材11は、周方向において複数の部分で支持される。これにより、棒状部材11は、下フレーム14とスタック部17との間に保持され、径方向(上方向及び下方向に限らない)に移動することを制限され、径方向に位置決めされる。別の表現をすれば、棒状部材11は、下フレーム14とスタック部17とによって、互いに反対方向から支持され、挟持される。これにより、下フレーム14がさらにスタック部17に向かって移動することが制限される。
棒状部材11が支持部材43とスタック部17とに保持されると、スタック部17の押出口85が、棒状部材11の溝112に面する。さらに、スタック部17に収容され押出口85に面する図6のリング12の隙間123が、押出口85を通じて棒状部材11の溝112に面する。言い換えると、棒状部材11の軸方向において、リング12、押出口85、及び棒状部材11の溝112が、略同一位置に配置される。
以上のように、上フレーム16がスタック部17から離間し、互いに近づけられた下フレーム14及びスタック部17が棒状部材11を支持し、可動部材15が下フレーム14に接触する状態における、リング装着装置10の各部分の位置を、保持位置P2と定義する。上フレーム16に対するスタック部17の位置と、下フレーム14に対する可動部材15の位置とは、初期位置P1及び保持位置P2とで共通である。
図8は、第1の実施形態のリング装着装置10の一部と、棒状部材11の一部と、挿入途中のリング12とを示す例示的な側面図である。レバー19がさらに図3における時計回り方向に回転させられると、図3の第2の離間バネ106が縮み、上フレーム16がスタック部17に近づけられる。言い換えると、上フレーム16は、第2の回転中心Ax2まわりに、図3における時計回り方向に回転させられる。
上フレーム16がスタック部17に近づくことで、スタック部17の受け壁84に支持されたリング12は、弧状部121が押板63の凹面63c内に収容された状態で、押部63bに支持される。上フレーム16の押板63の押部63bが、当該リング12を下方向に押す。下方向は、棒状部材11の軸方向との交差方向の一例であり、図5の棒状部材11の中心軸C1とほぼ直交する。凹面63cは、リング12が径方向に移動することを抑制し、リング12を径方向に位置決めする。
上フレーム16の押部63bがリング12を押すと、リング12がスタック部17の押出口85を通り、棒状部材11の溝112に向かって移動させられる。押部63bに押されたリング12の弧状部121の両端部122のうち少なくとも一方が、可動部材15の前壁53の端面53aに近接して接触する。すなわち、リング12は、棒状部材11の溝112内に装着される前に、前壁53の端面53aに接触する。言い換えると、押部63bによって押されたリング12の両端部122のうち少なくとも一方が前壁53の端面53aに近接して、棒状部材11が隙間123に入る前に前壁53の端面53aに支持される。
前壁53の端面53aは、支持部材43の支持壁43bの先端部よりも若干、Z軸に沿う負方向に位置する。このため、押部63bに押されたリング12の弧状部121の両端部122のうち少なくとも一方が、可動部材15の前壁53の端面53aにより確実に接触できる。
レバー19がさらに図3における時計回り方向に回転させられると、上フレーム16の押部63bが、リング12をさらに押す。捩りバネ107は、可動部材15の回転壁51を、下フレーム14に向かって押す。言い換えると、捩りバネ107は、可動部材15の回転壁51及び前壁53を上方向に押す。このため、リング12の一方の端部122が前壁53に接触した状態となったとしても、押部63bがリング12を下方向に押したときに、可動部材15の前壁53が下方向に移動することが抑制される。このため、前壁53が図8の位置に保たれた状態で、押部63bが当該前壁53に近づき、リング12を押してその傾きを矯正する。これにより、両端部122が前壁53の端面53aに接触する。
以上のように、上フレーム16がスタック部17に近づけられ、互いに近づけられた下フレーム14及びスタック部17が棒状部材11を支持し、可動部材15が下フレーム14に接触し、リング12の両端部122が可動部材15に支持される状態における、リング装着装置10の各部分の位置を、リング支持位置P3と定義する。下フレーム14に対するスタック部17の位置と、下フレーム14に対する可動部材15の位置とは、保持位置P2とリング支持位置P3とで共通である。
図9は、第1の実施形態のリング装着装置10の一部と、棒状部材11の一部と、装着されたリング12とを示す例示的な側面図である。図9は、可動部材15及びカバー45の断面を示す。
前壁53の端面53aがリング12の両端部122を支持した状態で、上フレーム16の押部63bが、リング12をさらに押す。押部63bは、棒状部材11が図6の隙間123を通るように、リング12を下方向に押す。押されるリング12の二つの端部122に棒状部材11の溝112の底面が押し当てられ、弧状部121は、端部122間の隙間123が広がるように弾性変形する。
上記のように、前壁53の端面53aが、リング12の両端部122を支持する。このため、可動部材15の前壁53は、リング12を介して、当該リング12を下方向に押す上フレーム16の押部63bに押される。これにより、前壁53は、第1の回転中心Ax1まわりに、図3の時計回り方向に回転させられる。
前壁53が回転させられることで、回転壁51が、下フレーム14の打込部22の底壁41から下方向に離れる。別の表現をすれば、棒状部材11の押部63bとは反対側に設けられた可動部材15が、リング12を介して上フレーム16の押部63bに押され、支持部材43に対して下方向に移動する。さらに、前壁53の縁53cが、棒状部材11から下方向に離れる。このように、上フレーム16の押部63bが棒状部材11に近づくのに伴って、可動部材15は、棒状部材11から下方向に離れるように、第1の回転中心Ax1まわりに回転させられる。
可動部材15の回転壁51は、カバー45の下壁46と打込部22の底壁41との間の空間Sに位置する。初期位置P1及び保持位置P2において、回転壁51は、下壁46から離間する。回転壁51は、上フレーム16の押部63bが棒状部材11に近づくのに伴って、下壁46に近づく。下壁46は、回転壁51が空間Sで移動可能な位置に配置される。
上フレーム16の押部63bがリング12をさらに押すとことで、棒状部材11が図6の隙間123を通って、弾性変形する弧状部121の内側に挿入される。棒状部材11が隙間123を通過すると、互いに離れていた二つの端部122間は元の位置に戻り、リング12の突起124が溝112内に挿入される。
棒状部材11が隙間123を通過する間、可動部材15の前壁53は、リング12を介して、当該リング12を下方向に押す上フレーム16の押部63bにさらに押される。その結果、リング12が溝112内に装着された状態で、前壁53の縁53cは、溝112の外に移動させられる。このため、前壁53による、棒状部材11が軸方向に移動することの制限が解除される。
上述のように、前壁53の縁53cは、端面53aからZ軸に沿う正方向に平行に延びる二つの部分と、当該二つの部分を接続する円弧状の部分と、を有する。このため、縁53cの円弧状の部分が溝112の外に出たとしても、縁53cの平行に延びる二つの部分が溝112の中にある場合、前壁53は、棒状部材11が軸方向に移動することを制限する。
以上のように、上フレーム16がスタック部17に近づけられ、互いに近づけられた下フレーム14及びスタック部17が棒状部材11を支持し、可動部材15の前壁53の縁53cが棒状部材11の溝112の外に位置し、リング12の両端部122が可動部材15に支持される状態における、リング装着装置10の各部分の位置を、装着位置P4と定義する。下フレーム14に対するスタック部17の位置は、リング支持位置P3と装着位置P4とで共通である。
第1の回転中心Ax1から前壁53の端面53aまでの距離は、第2の回転中心Ax2から押板63の押部63bまでの距離よりも小さい。このため、リング支持位置P3から装着位置P4までの区間における、第1の回転中心Ax1まわりの可動部材15の回転角度は、第2の回転中心Ax2まわりの上フレーム16の回転角度よりも大きい。このため、可動部材15の前壁53の縁53cは、速やかに棒状部材11の溝112から外される。
以上のように、連動機構Mは、レバー19が他の部品である下フレーム14、可動部材15、上フレーム16、及びスタック部17と相対的に移動したときに、下フレーム14、可動部材15、上フレーム16、及びスタック部17を互いに相対的に移動させる。初期位置P1におけるレバー19の操作部101の先端部101bは、下フレーム14から離間する。装着位置P4における操作部101の先端部101bは、下フレーム14の近傍に位置する。
以上述べたリング装着装置10に、リミッタ機構Lが設けられる。リミッタ機構Lは、リミッタの一例である。第1の実施形態におけるリミッタ機構Lは、下フレーム14の基部21と、打込部22とを有する。以下、第1の実施形態のリミッタ機構Lについて詳しく説明する。
上述のように、リング装着装置10が棒状部材11にリング12を装着するとき、打込部22の支持部材43が棒状部材11を支持する。作業者がレバー19の操作部101を操作すると、スタック部17に収容されたリング12は、上フレーム16の押部63bによって押し下げられ、支持部材43に支持された棒状部材11に装着される。
別の表現により説明すれば、作業者が、レバー19の操作部101に、図3に示す力Fを作用させる。力Fは、操作部101を第3の軸103まわりに回転させる力である。図7に示すように、操作部101が回転することで、力Fは、レバー19の作用部102から、上フレーム16の突出部64に伝わる。
上フレーム16に伝わった力Fは、上フレーム16を第2の回転中心Ax2まわりに回転させる。上フレーム16が回転することで、下フレーム14とスタック部17とが棒状部材11を挟持し、上フレーム16の押部63bがリング12を押す。言い換えると、図8及び図9に示すように、上フレーム16に伝わった力Fは、上フレーム16の押部63bにリング12を押させ、リング12を棒状部材11の溝112に装着させる。
リング12が棒状部材11に装着された後、作業者がさらに操作部101に力Fを作用させると、力Fは、リング12が装着された棒状部材11を介して、下フレーム14に伝わる。すなわち、レバー19の操作部101に作用する力Fは、下フレーム14に向かって伝わる。以上述べたリング12が棒状部材11に装着されるときと、リング12が棒状部材11に装着された後に力Fが下フレーム14に伝わるときに、打込部22は、打込可能位置Ppにある。力Fの経路に、レバー19の作用部102、上フレーム16、リング12、及びリング12が装着された棒状部材11が設けられる。
さらに別の表現によれば、力Fは、第3の軸103を介して下フレーム14に伝わり、棒状部材11を支持する打込部22を、リング12を押す上フレーム16の押部63bに向かって押す。これにより、力Fは、上フレーム16の押部63bにリング12を押させ、リング12を棒状部材11の溝112に装着させる。リング12が棒状部材11に装着された後、作業者がさらに操作部101に力Fを作用させると、力Fは、リング12が装着された棒状部材11を介して、上フレーム16に伝わる。
上述のレバー19の操作部101に作用する力Fの大きさと、作用部102から上フレーム16に伝わる力Fの大きさと、棒状部材11を介して下フレーム14に伝わる力Fの大きさとは、互いに異なり得る。例えば、梃子の原理により、下フレーム14に伝わる力Fの大きさは、操作部101に作用する力Fの大きさよりも大きくなる。
ここで、図3に示されるように、支持部材43の支持壁43bの近傍における打込部22の側壁42の底壁41からの高さは、例えば、回動部材25の側壁32の底壁31からの高さよりも低い。よって、打込部22は、回動部材25よりも剛性が低くなり得る。従って、例えば、作業者が操作部101に作用させる力Fが大き過ぎる場合、打込部22が上フレーム16に向けて凸となる状態に変形することが考えられる。リミッタ機構Lは、例えば、このような打込部22の変形を抑制する。
図10は、第1の実施形態の打込部22が途中位置Pmにあるリング装着装置10の一部を示す例示的な側面図である。図11は、第1の実施形態の打込部22が打込不可位置Piにあるリング装着装置10の一部を示す例示的な側面図である。
上述のように、第1の軸55は、第1の回転中心Ax1まわりに回転可能に、打込部22を基部21の回動部材25に取り付ける。打込部22は、第1の回転中心Ax1まわりに回転することで、基部21に対し、図10に示す途中位置Pmを通り、図11に示す打込不可位置Piへ移動することが可能である。言い換えると、打込部22は、基部21に対して打込可能位置Ppと、途中位置Pmと、打込不可位置Piとの間で回動可能に基部21の回動部材25に取り付けられる。打込不可位置Piは、第2の位置の一例である。
図8に示すように、打込部22が打込可能位置Ppにあるとき、打込部22の側壁42の凸部42aが、加圧部材26の側壁36の凹部36aに支持される。このため、打込可能位置Ppにある打込部22は、上フレーム16と、リング12が装着された棒状部材11と、を介して伝わる力Fを受け、棒状部材11を支持できる。言い換えると、力Fは、リング12が装着された棒状部材11を介して、打込可能位置Ppにある打込部22に伝わる。すなわち、基部21及び打込部22を有するリミッタ機構Lは、打込部22が打込可能位置Ppにあるとき、レバー19の操作部101から打込部22に向かって伝わる力Fの伝達を可能とし、棒状部材11から打込部22の支持部材43に作用する荷重の増加を可能とする。
図10に示すように、加圧部材26の側壁36は、凹部36aから連続する円弧部36bをさらに有する。円弧部36bは、凹部36aの、上フレーム16とは反対側の端から連続する、側壁36の縁の一部である。
凹部36aは、X軸に沿う負方向に凸な円弧状に形成される。一方、円弧部36bは、X軸に沿う正方向に凸な円弧状に形成される。円弧部36bは、凹部36aの端から滑らかに連続する。
打込部22が打込可能位置Ppに位置するとき、X軸に沿う正方向における円弧部36bの頂部は、凸部42aの中心よりも、X軸に沿う負方向に位置する。このため、加圧部材26の凹部36a及び円弧部36bは、凸部42aの下方向における端部を支持しない。なお、凹部36a及び円弧部36bはこれに限らない。
操作部101から下フレーム14に向かって力Fが伝わるとき、打込部22は、棒状部材11によって下方向に押される。上述の加圧部材26の凹部36a及び円弧部36bは、打込部22の凸部42aを斜めに支持した状態で、凸部42aから力Fを受ける。
図12は、第1の実施形態の打込部22が途中位置Pmにあるリング装着装置10の一部を拡大して示す例示的な側面図である。図12に示すように、凹部36a又は円弧部36bは、棒状部材11によって打込部22が押されたときに、凸部42aから受ける力Fを、第1の力F1と、第2の力F2とに分解するように、凸部42aを支持する。
第1の力F1は、力Fの、打込部22が棒状部材11によって押される方向の成分である。言い換えると、第1の力F1は、棒状部材11の軸方向と直交する方向の力であり、下方向の力である。第2の力F2は、力Fの、加圧部材26が打込部22から遠ざかる方向の成分である。言い換えると、第2の力F2は、大よそ後方向の力である。このように、凹部36a又は円弧部36bは、力Fのモーメントを分解する。
上述のように、加圧部材26は、回動部材25に対して、加圧部材26の長手方向に移動可能である。加圧部材26の長手方向は、棒状部材によって第2の部分が押される方向と交差する方向、の一例である。すなわち、加圧部材26は、回動部材25に対して、大よそ前方向及び後ろ方向に移動可能である。
第2の力F2により、加圧部材26は、大よそ後方向に押される。第2の力F2が加圧バネ27の初張力を上回ると、第2の力F2は、加圧部材26を回動部材25に対して後方向に移動させる。言い換えると、第2の力F2は、凹部36aから凸部42aが外れる方向に、加圧部材26を移動させる。
一方、第1の力F1は、打込部22を下方向に押す。第2の力F2によって加圧部材26が移動させられるため、凹部36aによる凸部42aの支持が解除される。このため、第1の力F1は、打込部22を基部21に対して下方向に移動させる。詳しく述べると、第1の力F1は、打込部22を、第1の軸55の第1の回転中心Ax1まわりに、図12の時計回り方向に回動させる。
打込部22が回動することで、打込部22の凸部42aは、加圧部材26の凹部36a又は円弧部36bに接触し続ける。このように、力Fが強くなるに従って、加圧部材26が大よそ後方向に移動するとともに、打込部22が下方向に移動する。加圧部材26及び打込部22が移動するとき、凸部42aは、凹部36a又は円弧部36bに沿って移動する。
図12に示すように、途中位置Pmにおいて、凸部42aは、円弧部36bに接触し、部分的に凹部36aから外れる。このとき、打込部22に作用する第1の力F1の大きさは、加圧部材26が大よそ後方向に移動させられる直前における力Fの大きさと同じか、それより小さい。言い換えると、打込部22が途中位置Pmにあるとき、操作部101から下フレーム14に伝わる力Fの伝達が制限される。このため、棒状部材11から打込部22に作用する荷重の増加が制限され、大き過ぎる力が作用することが抑制される。
打込部22が基部21に対して所定の角度まで回動すると、打込部22は、図11に示す打込不可位置Piに到達する。打込不可位置Piにおいて、打込部22の凸部42aは、加圧部材26の凹部36aから外れる。
Z軸に沿う方向において、打込不可位置Piに位置する打込部22の支持壁43bと、スタック部17との間の距離は、棒状部材11の直径よりも長い。支持壁43b及びスタック部17の少なくとも一方は、棒状部材11から離れる。このため、打込部22が打込不可位置Piにあるとき、操作部101から、上フレーム16、リング12、及びリング12が装着された棒状部材11を介して、下フレーム14に伝わる力Fは、実質的にゼロになる。言い換えると、打込部22が打込不可位置Piにあるとき、操作部101から下フレーム14に伝わる力Fの伝達が制限され、棒状部材11から打込部22の支持部材43に作用する荷重の増加が制限される。
以上のように、操作部101から下フレーム14に伝わる力Fが所定以上の大きさになると、加圧バネ27によって打込可能位置Ppに保持された打込部22は、基部21に対して、打込可能位置Ppから打込不可位置Piに移動させられる。これにより、リミッタ機構Lは、下フレーム14に大き過ぎる力Fが作用することを抑制し、例えば、打込部22の変形を抑制する。
打込部22が基部21に対して打込不可位置Piまで回動したとき、カバー45の当接片48は、回動部材25の底壁31に接触する。当接片48は、打込部22が基部21に対してさらに回動することを制限する。当接片48が回動部材25に接触するとき、凸部42aは、加圧部材26から離間しても良いし、加圧部材26に接触していても良い。
リング装着装置10にリミッタ機構Lが設けられることに加え、図4に示すように、打込部22の底壁41に、棒状部材11及びリング12の仕様に対応する支持部材43が取り付けられる。言い換えると、支持部材43は、棒状部材11及びリング12の仕様に対応したものに交換される。これにより、棒状部材11及びリング12の仕様によらず、作業者の把持開始からリング12が棒状部材11に装着されるまでに、上フレーム16が下フレーム14に対して相対的に移動する距離、ひいてはリング12が棒状部材11に装着された後に、作業者のレバー19の把持に応じて、上フレーム16がさらに移動しようとする距離を一定にすることができる。従って、より太い棒状部材11にリング12が装着される場合に作業者の把持に伴う力Fが過大になることが抑制される。
図12に示すように、リミッタ機構Lは、例えば、凸部42aの位置と、凸部42aの直径Dと、凸部42aの中心と第1の軸55との間の半径と、加圧バネ27の位置、バネ定数、及び初張力と、の設定によって、打込部22が打込可能位置Ppから打込不可位置Piに移動し始めるタイミングや、移動の速さ等を適宜設定され得る。例えば、本実施形態では、リング12が棒状部材11に装着された時点以降に、打込部22が打込可能位置Ppから打込不可位置Piへの移動を開始するよう、各部分のスペックが調整される。
以上の記載において、リング装着装置10にリミッタ機構Lが設けられ、棒状部材11の外径に対応した支持部材43が底壁41に取り付けられることで、作業者の把持による下フレーム14の変形が抑制されることが説明された。しかしながら、これに限らず、作業者の把持による、上フレーム16のような下フレーム14以外の部位が変形することも抑制される。
以上説明された第1の実施形態に係るリング装着装置10において、一般的に、作業者は、リング装着装置10を操作する際、レバー19の操作部101を握って操作する。例として、リミッタ機構Lの全ての部分が操作部101に設けられると、作業者がリミッタ機構Lを一体的に操作する可能性があり、リミッタ機構Lが動作しない可能性がある。この場合、過大な力Fが操作部101に作用すると、当該過大な力Fが作用部102から支持部材43に向かって伝わり、例えば、下フレーム14が変形する可能性がある。
一方、本実施形態において、リミッタ機構Lの打込部22は、下フレーム14に設けられる。これにより、作業者が操作部101を操作する位置にかかわらずリミッタ機構Lが動作する。操作部101から下フレーム14に向かって伝わる力Fが所定以上の大きさになると、打込部22が基部21に対して打込不可位置Piに移動し、当該力Fが支持部材43に伝わることが制限される。従って、リング装着装置10が変形することが抑制される。
リミッタ機構Lの基部21と打込部22は、支持部材43が設けられた下フレーム14に設けられる。リミッタ機構Lの打込部22は、支持部材43を有する。支持部材43は、梃子の原理により比較的大きい力Fを受けやすい。このような支持部材43が設けられた下フレーム14にリミッタ機構Lの基部21及び打込部22が設けられるため、操作部101から下フレーム14に向かって伝わる力Fが所定以上の大きさになったとき、打込部22が基部21に対して打込不可位置Piにより確実に移動する。従って、リング装着装置10が変形することが抑制される。
加圧バネ27は、凸部42aが凹部36aの中に保持されるように、凸部42aと凹部36aとを互いに近付ける。これにより、打込部22が基部21に対して打込可能位置Ppに安定的に保持され、支持部材43に支持された棒状部材11がリング12に対して望まぬ移動をすることが抑制される。従って、リング装着装置10にリミッタ機構Lが設けられても、リング12が安定的に棒状部材11に装着され得る。
支持部材43を有する打込部22は、回動可能に回動部材25に取り付けられる。加圧部材26の凹部36aは、加圧バネ27によって打込部22の凸部42aに向かって押される。支持部材43を有する打込部22は、回動はするものの、例えばX軸に沿う方向に進退することが制限される。これにより、支持部材43に支持された棒状部材11がリング12に対して、軸方向に望まぬ移動をすることが抑制される。
カバー45の当接片48は、打込部22が基部21に対して打込不可位置Piまで回転したときに基部21に接触し、打込部22が基部21に対してさらに回動することを防ぐ。これにより、作業者は、基部21に対して打込不可位置Piに移動した打込部22を、打込可能位置Ppに容易に戻すことができる。さらに、打込部22が基部21に当たって打込部22及び基部21が変形することが抑制される。
カバー45は、打込部22から離間した位置で当該打込部22を覆う下壁46を有する。可動部材15の回転壁51は、打込部22と下壁46との間に位置し、上フレーム16の押部63bが棒状部材11に近づくのに伴って下壁46に近づく。言い換えると、下壁46は、可動部材15の回転壁51が移動する空間Sを覆う。従って、下壁46は、外部の物体が可動部材15の移動を妨げることを抑制する。
カバー45は、打込部22に取り付けられる。カバー45の下壁46は、打込部22を覆う。これにより、打込部22がカバー45によって補強されるとともに、打込部22がカバー45によって保護される。
可動部材15は、打込部22と共通の、第1の軸55の第1の回転中心Ax1まわりに回動する。このため、打込部22が打込可能位置Ppから打込不可位置Piに向かって回動するとき、可動部材15は、打込部22と一緒に回動する。これにより、可動部材15が打込部22の移動を妨げることが抑制される。
凹部36aは、棒状部材11によって打込部22が押された時に、凸部42aから受ける力Fを、打込部22が棒状部材11によって押される方向と、加圧部材26が打込部22から遠ざかる方向と、に分解するように、凸部42aを支持する。すなわち、凹部36aは、凸部42aから受ける力Fのモーメントを分解する。これにより、打込部22が棒状部材11によって受ける力Fが低減され、リング装着装置10が変形することが抑制される。さらに、分解された力Fによって加圧部材26が打込部22から遠ざかる。このため、操作部101から下フレーム14に向かって伝わる力Fが所定以上の大きさになったときに、凹部36aと凸部42aとの嵌合が解除され、打込部22が打込可能位置Ppから打込不可位置Piに移動する。従って、力Fの伝達(荷重の増加)が制限され、リング装着装置10が変形することが抑制される。
上記第1の実施形態において、加圧バネ27は、加圧部材26の凹部36aを、打込部22の凸部42aに向かって押す。しかし、加圧バネ27は、打込部22を回動部材25に向かって引っ張ることで、打込部22の凸部42aを、加圧部材26の凹部36aに向かって押しても良い。
上記第1の実施形態において、加圧部材26に凹部36aが設けられ、打込部22に凸部42aが設けられる。しかし、打込部22に凹部が設けられ、加圧部材26に当該凹部に嵌合可能な凸部が設けられても良い。
(第2の実施形態)
以下に、第2の実施形態について、図13及び図14を参照して説明する。なお、以下の複数の実施形態の説明において、既に説明された構成要素と同様の機能を持つ構成要素は、当該既述の構成要素と同じ符号が付され、さらに説明が省略される場合がある。また、同じ符号が付された複数の構成要素は、全ての機能及び性質が共通するとは限らず、各実施形態に応じた異なる機能及び性質を有していても良い。
以下に、第2の実施形態について、図13及び図14を参照して説明する。なお、以下の複数の実施形態の説明において、既に説明された構成要素と同様の機能を持つ構成要素は、当該既述の構成要素と同じ符号が付され、さらに説明が省略される場合がある。また、同じ符号が付された複数の構成要素は、全ての機能及び性質が共通するとは限らず、各実施形態に応じた異なる機能及び性質を有していても良い。
図13は、第2の実施形態に係るリング装着装置10を示す例示的な側面図である。図13に示すように、第2の実施形態のリミッタ機構Lは、上フレーム16に設けられる。言い換えると、リミッタ機構Lは、操作部101から下フレーム14に向かって伝わる力Fの経路における操作部101と下フレーム14との間に設けられる。
第2の実施形態において、上フレーム16は、基部131と、スライド部132と、加圧バネ133とを有する。基部131は、第1の部分及び第2の基部の一例である。スライド部132は、第2の部分の一例である。加圧バネ133は、保持部の一例である。
上記のように、基部131、スライド部132、及び加圧バネ133が、押部63bが設けられた上フレーム16に設けられる。リミッタ機構Lは、上フレーム16の基部131と、スライド部132と、加圧バネ133とを有する。
基部131は、上壁141と、二つの側壁142、第1の取付軸143とを有する。スライド部132は、上壁145と、二つの側壁146と、第2の取付軸147とを有する。なお、図13は、二つの側壁142と二つの側壁146とをそれぞれ一つずつ示す。
図13に示す状態において、基部131の上壁141は、おおよそX‐Y平面に広がる略矩形の板状に形成される。上壁141は、大よそX軸に沿う方向に延びる。なお、上壁141が延びる方向は、上フレーム16が回転することによって変わり得る。
基部131の二つの側壁142は、上壁141の短手方向の両端部から、大よそ下方向に立ち上がる。二つの側壁142は、Y軸に沿う方向に延びる第1の取付軸143によって接続される。基部131の側壁142の後方向の端部は、第2の軸67によって、下フレーム14の後方向の端部に取り付けられる。
X軸に沿う正方向における基部131の側壁142の端部に、二つの凹部142a,142bが設けられる。凹部142aは、第2の凹部の一例である。凹部142a,142bは、X軸に沿う正方向に向かって開放された略円形の切欠きである。凹部142a,142bは、これに限らず、他の形状を有しても良い。凹部142bは、凹部142aに上方向に隣接する。
図13に示す状態において、スライド部132の上壁145は、おおよそX‐Y平面に広がる略矩形の板状に形成される。上壁145は、大よそX軸に沿う方向に延びる。なお、上壁145が延びる方向は、上フレーム16が回転することによって変わり得る。押板63の取付部63aは、上壁145の長手方向の一方の端部(前方向の端部)に、例えばネジによって取り付けられる。このため、スライド部132は、押部63bを有する。
スライド部132の二つの側壁146は、上壁145の短手方向の両端部から、大よそ下方向に立ち上がる。二つの側壁146は、Y軸に沿う方向に延びる第2の取付軸147によって接続される。第2の取付軸147は、第1の取付軸143から、大よそX軸に沿う正方向に離間した位置に配置される。
Y軸に沿う方向において、スライド部132は、基部131の二つの側壁142の間に位置する。スライド部132の二つの側壁146は、基部131の対応する側壁142の内面に隣接する。
基部131の側壁142にそれぞれ、スリット148が設けられる。スリット148は、X軸に沿う正方向に凸な略円弧状に延びる孔である。スライド部132の第2の取付軸147は、側壁146から突出し、スリット148を通される。これにより、スライド部132は、基部131に取り付けられる。スライド部132は、基部131に対して打込可能位置Ppと、打込不可位置Piとの間で移動可能である。
加圧バネ133は、例えば、引張バネである。加圧バネ133の一方の端部は、第1の取付軸143に取り付けられる。加圧バネ133の他方の端部は、第2の取付軸147に取り付けられる。加圧バネ133は、基部131に対してスライド部132を、大よそX軸に沿う負方向に向かって引っ張る。
スライド部132の側壁146に、凸部146aが設けられる。凸部146aは、第2の凸部の一例である。凸部146aは、側壁146から、スライド部132の短手方向外側に向かって突出する、略円柱形の突起である。凸部146aは、他の形状を有しても良い。
加圧バネ133は、スライド部132を基部131に向かって引っ張る(押す)ことで、基部131の凹部142aを、打込可能位置Ppに位置するスライド部132の凸部146aに向かって押す。スライド部132が打込可能位置Ppにあるとき、スライド部132の側壁146の凸部146aは、基部131の側壁142の凹部142aに嵌め込まれる。
加圧バネ133は、基部131の凹部142aにスライド部132の凸部146aが嵌め込まれた状態で、スライド部132をさらに引っ張る。言い換えると、加圧バネ133は、第2の取付軸147を介して、スライド部132の凸部146aに弾性力を作用させる。これにより、凸部146aが凹部142aから外れることが抑制される。すなわち、加圧バネ133は、スライド部132に弾性力を作用させて、凸部146aが凹部142aの中に保持されるように凸部146aと凹部142aとを互いに近付けることで、スライド部132を打込可能位置Ppに保持する。
第1の実施形態と同じく、スライド部132が打込可能位置Ppにあるとき、スライド部132の側壁146の凸部146aが、基部131の側壁142の凹部142aに支持される。このため、基部131及びスライド部132を有するリミッタ機構Lは、スライド部132が打込可能位置Ppにあるとき、レバー19の操作部101から下フレーム14に向かって伝わる力Fの伝達を可能とする。
操作部101から下フレーム14に向かって力Fが伝わるとき、スライド部132は、棒状部材11によって上方向に押される。基部131の凹部142aは、スライド部132の凸部146aを斜めに支持した状態で、凸部146aから力Fの反作用を受ける。
凹部142aは、棒状部材11によってスライド部132が押されたときに、凸部146aから受ける力Fの反作用を、スライド部132が棒状部材11によって押される方向(上方向)と、スライド部132が基部131から遠ざかる方向(前方向)と、に分解するように、凸部146aを支持する。このように、凹部142aは、力Fのモーメントを分解する。
図14は、第2の実施形態の打込部22が打込不可位置Piにあるリング装着装置10を示す例示的な側面図である。上述のように、スライド部132は、基部131に対して移動可能である。分解された力Fにより、スライド部132は、大よそ前方向に押され、且つ大よそ上方向に押される。力Fの前方向の成分が加圧バネ133の初張力を上回ると、スライド部132は、基部131に対して前方向に移動させられる。言い換えると、分解された力Fは、凹部142aから凸部146aが外れる方向に、スライド部132を移動させる。
さらに、力Fの上方向の成分は、スライド部132を上方向に押す。スライド部132は、スリット148に沿って、基部131に対して上方向に移動させられる。力Fが強くなるに従って、スライド部132が大よそ前方向に移動するとともに、スライド部132が上方向に移動する。スライド部132が移動するとき、凸部146aは、凹部142aに沿って移動する。
スライド部132が基部131に対して所定の距離を移動すると、スライド部132は、打込不可位置Piに到達する。打込不可位置Piにおいて、スライド部132の凸部146aは、基部131の凹部142aから外れ、凹部142bに嵌め込まれる。
加圧バネ133は、基部131の凹部142bにスライド部132の凸部146aが嵌め込まれた状態で、スライド部132をさらに引っ張る。加圧バネ133は、スライド部132に弾性力を作用させて、凸部146aが凹部142bの中に保持されるように凸部146aと凹部142bとを互いに近付けることで、スライド部132を打込不可位置Piに保持する。言い換えると、加圧バネ133は、スライド部132が基部131に対してさらに移動することを抑制する。
Z軸に沿う方向において、打込不可位置Piに位置するスライド部132の押部63bは、棒状部材11に装着されたリング12から離間する。このため、スライド部132が打込不可位置Piにあるとき、操作部101から、上フレーム16、リング12、及びリング12が装着された棒状部材11を介して、下フレーム14に伝わる力Fは、実質的にゼロになる。言い換えると、スライド部132が打込不可位置Piにあるとき、操作部101から下フレーム14に伝わる力Fの伝達が制限され、棒状部材11から支持部材43に作用する荷重の増加が制限される。
以上のように、操作部101から下フレーム14に伝わる力Fが所定以上の大きさになると、加圧バネ133によって打込可能位置Ppに保持されたスライド部132は、基部131に対して、打込可能位置Ppから打込不可位置Piに移動させられる。これにより、リミッタ機構Lは、下フレーム14に大き過ぎる力Fが作用することを抑制し、例えば、打込部22の変形を抑制する。
以上説明された第2の実施形態のリング装着装置10において、リミッタ機構Lの基部131及びスライド部132は、押部63bが設けられた上フレーム16に設けられる。リミッタ機構Lのスライド部132は、押部63bを有する。押部63bは、梃子の原理により比較的大きい力を受けやすい。このような押部63bが設けられた上フレーム16にリミッタ機構Lの基部131及びスライド部132が設けられるため、操作部101から下フレーム14に向かって伝わる力Fが所定以上の大きさになったとき、スライド部132が基部131に対して打込不可位置Piにより確実に移動する。従って、リング装着装置10が変形することが抑制される。
加圧バネ133は、凸部146aが凹部142aの中に保持されるように、凸部146aと凹部142aとを互いに近付ける。これにより、スライド部132が基部131に対して打込可能位置Ppに安定的に保持され、押部63bがリング12に対して望まぬ移動をすることが抑制される。従って、安定的にリング12が棒状部材11に装着され得る。
加圧バネ133は、スライド部132が打込不可位置Piに位置するとき、凸部146aが凹部142bの中に保持されるように、凸部146aと凹部142bとを互いに近付ける。これにより、スライド部132が打込不可位置Piからさらに移動することが抑制され、作業者は、基部131に対して打込不可位置Piに移動したスライド部132を、打込可能位置Ppに容易に戻すことができる。
上記第2の実施形態において、基部131に凹部142a,142bが設けられ、スライド部132に凸部146aが設けられる。しかし、スライド部132に凹部が設けられ、当該凹部に嵌合可能な凸部が基部131に設けられても良い。
(第3の実施形態)
以下に、第3の実施形態について、図15及び図16を参照して説明する。図15は、第3の実施形態に係るリング装着装置10を示す例示的な側面図である。図15に示すように、第3の実施形態のリミッタ機構Lは、レバー19に設けられる。
以下に、第3の実施形態について、図15及び図16を参照して説明する。図15は、第3の実施形態に係るリング装着装置10を示す例示的な側面図である。図15に示すように、第3の実施形態のリミッタ機構Lは、レバー19に設けられる。
第3の実施形態において、レバー19は、操作部101と、作用部102と、捩りバネ151とを有する。第3の実施形態において、操作部101は、第1の部分の一例である。作用部102は、第2の部分の一例である。捩りバネ151は、保持部の一例である。
上記のように、操作部101、作用部102、及び捩りバネ151が、レバー19に設けられる。リミッタ機構Lは、レバー19の操作部101と、作用部102と、捩りバネ151とを有する。
第3の実施形態において、操作部101と、作用部102とは、別個の部品として設けられる。操作部101の一方の端部と、作用部102の一方の端部とは、第3の軸103に接続される。作用部102は、操作部101に対して第3の軸103の第3の回転中心Ax3まわりに回動可能である。
捩りバネ151は、螺旋状に巻かれた巻部151aと、巻部151aからそれぞれ延びた第1の延部151b及び第2の延部151cとを有する。巻部151aは、例えば、第3の軸103に取り付けられる。第1の延部151bと第2の延部151cとは、互いに異なる方向に延びる。
操作部101は、内面101cを有する。内面101cは、下フレーム14に向く面である。捩りバネ151の第1の延部151bは、操作部101の内面101cに、略上方向から接触する。言い換えると、第1の延部151bは、操作部101に支持される。
作用部102に、受け部102aが設けられる。受け部102aは、作用部102から、上フレーム16に向かってY軸に沿う方向に突出する。捩りバネ151の第2の延部151cは、作用部102の受け部102aに、略上方向から接触する。言い換えると、第2の延部151cは、作用部102に支持される。
捩りバネ151は、第1の延部151bで操作部101に支持されるとともに、第2の延部151cで作用部102を押す。言い換えると、捩りバネ151は、操作部101と作用部102との間が所定の角度に開くように、操作部101と作用部102とを押す。
図15に示すように、捩りバネ151は、作用部102に弾性力を作用させ、作用部102を操作部101に対し打込可能位置Ppに保持する。言い換えると、捩りバネ151は、作用部102が打込可能位置Ppに向かって回動するように、操作部101に対して作用部102を押す。例えば、打込可能位置Ppにおいて、操作部101と作用部102との間の角度は、大よそ180°に設定される。なお、操作部101と作用部102との間の角度はこれに限らない。
作用部102が打込可能位置Ppにあるとき、リング12が棒状部材11に装着されるまでの間、操作部101の先端部101bは、下フレーム14から離間する。言い換えると、操作部101は、棒状部材11へリング12を装着する作業の間、下フレーム14に干渉しない。
捩りバネ151のバネ定数は、第1の離間バネ105のバネ定数よりも高く、且つ第2の離間バネ106のバネ定数よりも高い。このため、棒状部材11にリング12が装着されるまで、捩りバネ151は、操作部101に対して作用部102を打込可能位置Ppに保持する。これにより、操作部101と作用部102とが一体的に回転し、操作部101に作用した力Fが、レバー19の作用部102から、上フレーム16、リング12、棒状部材11、及び下フレーム14に伝わる。すなわち、操作部101、作用部102、及び捩りバネ151を有するリミッタ機構Lは、作用部102が打込可能位置Ppにあるとき、レバー19の操作部101から下フレーム14に向かって伝わる力Fの伝達を可能とする。
図16は、第3の実施形態の作用部102が打込不可位置Piにあるリング装着装置10を示す例示的な側面図である。棒状部材11にリング12が装着され、操作部101に作用する力Fがさらに増大すると、作用部102は、操作部101に対して、第3の軸103の第3の回転中心Ax3まわりに回転させられ、打込不可位置Piに移動する。これにより、操作部101と作用部102との間の角度が縮小する。
作用部102が操作部101に対して回転すると、操作部101に作用する力Fの増大量に対する、上フレーム16の押部63bが、リング12、リング12が装着された棒状部材11、及び下フレーム14を押す力Fの増大量が、低下する。言い換えると、操作部101に作用する力Fが、下フレーム14に一定以上伝わらなくなる。すなわち、作用部102が打込不可位置Piにあるとき、操作部101から下フレーム14に伝わる力Fの伝達が制限され、棒状部材11から支持部材43に作用する荷重の増加が制限される。
以上のように、操作部101から下フレーム14に伝わる力Fが所定以上の大きさになると、捩りバネ151によって打込可能位置Ppに保持された作用部102は、操作部101に対して、打込可能位置Ppから打込不可位置Piに移動させられる。これにより、リミッタ機構Lは、下フレーム14に大き過ぎる力Fが作用することを抑制し、例えば、打込部22の変形を抑制する。
以上説明された第3の実施形態のリング装着装置10において、リミッタ機構Lが、レバー19に設けられる。レバー19の作用部102が操作部101に対して回転すると、操作部101に作用する力Fの増大量に対する、操作部101から下フレーム14に向かって伝わる力Fの増大量が、低下する。これにより、リング装着装置10が変形することが抑制されるとともに、リング装着装置10による棒状部材11の挟持が不意に解除されることが抑制される。
捩りバネ151は、作用部102が打込可能位置Ppに向かって回動するように、操作部101に対して作用部102を押す。これにより、下フレーム14の支持部材43と上フレーム16の押部63bとの相対的な位置が変わることが抑制される。従って、リング12が棒状部材11に安定的に装着され得る。
以上、本発明の実施形態及び変形例を例示したが、上記実施形態及び変形例は一例であって、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態及び変形例は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、組み合わせ、変更を行うことができる。これら実施形態及び変形例は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。また、各実施形態や各変形例の構成や形状は、部分的に入れ替えて実施することも可能である。また、各構成や形状等のスペック(構造や、種類、方向、形状、大きさ、長さ、幅、厚さ、高さ、数、配置、位置、材質等)は、適宜に変更して実施することができる。
例えば、連動機構の構成や配置、回転中心の配置、第1の可動部、第2の可動部、第3の可動部、及び操作部等の移動経路及び区間等は、適宜に変更可能である。また、操作部や、可動部、支持部等は、いずれも円弧状に移動したが、直線状に移動してもよい。また、操作部や、可動部、支持部等は、手動によらず、アクチュエータによって動くものであってもよい。また、リング装着装置は、可搬型のものには限定されず、機械に組み込まれるようなものであってもよい。また、装着の対象となるリングは、Cリング等の他のリングであってもよいし、リングが装着される棒状部材も他の形状であってもよい。
さらに、上記複数の実施形態において、下フレーム14に支持部材43が設けられ、上フレーム16に押部63bが設けられる。しかし、下フレーム14に押部63bが設けられ、上フレーム16に支持部材43が設けられても良い。
10…リング装着装置、11…棒状部材、12…リング、14…下フレーム(第1の可動部の一例)、15…可動部材(第3の可動部の一例)、16…上フレーム(第2の可動部の一例)、19…レバー(操作部品の一例)、21…基部(第1の部分の一例、第1の基部の一例)、22…打込部(第2の部分の一例)、25…回動部材(第1の部材の一例)、26…加圧部材(第2の部材の一例)、27…加圧バネ(保持部の一例)、36…側壁、36a…凹部(第1の凹部の一例)、42…側壁、42a…凸部(第1の凸部の一例)、43…支持部材(第1の支持部の一例)、45…カバー(制限部材の一例)、46…下壁(覆部の一例)、48…当接片、53…前壁、53a…端面(第2の支持部の一例)、53c…縁(第3の支持部の一例)、63…押板、63b…押部、101…操作部(操作部の一例、第1の部分の一例)、102…作用部(作用部の一例、第2の部分の一例)、103…第3の軸(回転軸の一例)、112…溝、121…弧状部、122…端部、123…隙間、131…基部(第1の部分の一例)、132…スライド部(第2の部分の一例)、133…加圧バネ(保持部の一例)、142…側壁、142a…凹部(第2の凹部の一例)、146…側壁、146a…凸部(第2の凸部の一例)、151…捩りバネ(保持部の一例)、Pp…打込可能位置(第1の位置の一例)、Pi…打込不可位置(第2の位置の一例)、F…力、L…リミッタ機構(リミッタの一例)。
Claims (12)
- 弧状に延びる弧状部を有するとともに当該弧状部の周方向の両端部が互いに面した隙間が設けられたリングを、棒状部材の外周に沿って設けられた溝に装着するよう構成されたリング装着装置であって、
第1の可動部と、
前記第1の可動部に対して移動可能に設けられた第2の可動部と、
前記第1の可動部と前記第2の可動部とのうち一方に設けられ、前記棒状部材を支持するよう構成された第1の支持部と、
前記第1の可動部と前記第2の可動部とのうち他方に設けられ、前記棒状部材が前記隙間を通るように前記リングを前記棒状部材の軸方向との交差方向に押すよう構成された押部と、
前記第1の可動部に設けられた回転軸と、
前記回転軸に回転可能に取り付けられ、操作部と、前記回転軸の前記操作部とは反対側に位置し、前記操作部が前記回転軸まわりに回転させられたときに、前記第2の可動部を前記第1の可動部に向かって押すよう構成された、作用部と、を有する操作部材と、
少なくとも一部が前記操作部と異なる位置に設けられ、前記操作部に作用する力が所定以上の大きさになると、前記第1の支持部によって支持される前記棒状部材から前記第1の支持部に作用する荷重が増加することを制限するリミッタと、
を具備するリング装着装置。 - 前記リミッタは、第1の部分と、前記第1の部分に対して第1の位置と第2の位置との間で移動可能な第2の部分と、を有し、
前記第2の部分が前記第1の部分に対して前記第1の位置にあるとき、前記操作部を前記回転軸まわりに回転させる力が前記操作部材に作用すると、当該力は、前記作用部から前記第2の可動部へ伝わって前記押部に前記リングを押させ、当該リングが装着された前記棒状部材を介して前記第1の可動部に伝わり、
前記第2の部分が前記第1の部分に対して前記第2の位置にあるとき、前記操作部から前記第1の可動部に向かって伝わる前記力の伝達が制限され、
前記第2の部分は、前記作用部と、前記第1の可動部と、前記操作部から前記第1の可動部に向かって伝わる前記力の経路における前記作用部と前記第1の可動部との間と、のうち一つに設けられ、前記操作部から前記第1の可動部に向かって伝わる前記力が所定以上の大きさになると、前記第1の部分に対して前記第1の位置から前記第2の位置に移動する、
請求項1のリング装着装置。 - 前記リミッタは、前記第2の部分に弾性力を作用させて前記第2の部分を前記第1の部分に対して前記第1の位置に保持するよう構成された保持部、を有し、
前記保持部に保持された前記第2の部分は、前記操作部から前記第1の可動部に向かって伝わる前記力が所定以上の大きさになると、前記第1の部分に対して前記第1の位置から前記第2の位置に移動する、
請求項2のリング装着装置。 - 前記第1の部分は、前記第1の可動部と前記第2の可動部とのうち前記第1の支持部が設けられた一方に設けられ、
前記第2の部分は、前記第1の支持部を有する、
請求項3のリング装着装置。 - 前記第1の部分は、第1の凹部と第1の凸部とのうち一方が設けられた第1の基部を有し、
前記第2の部分に、前記第1の凹部と前記第1の凸部とのうち他方が設けられ、
前記第1の凸部は、前記第2の部分が前記第1の部分に対して前記第1の位置にあるときに前記第1の凹部に嵌るよう構成され、
前記保持部は、前記第1の凸部が前記第1の凹部の中に保持されるように前記第1の凸部と前記第1の凹部とを互いに近付けるよう構成された、
請求項4のリング装着装置。 - 前記第1の基部は、第1の部材と、前記第1の凹部と前記第1の凸部とのうち前記一方が設けられるとともに前記第1の部材に対して移動可能な第2の部材と、を有し、
前記第2の部分は、前記第1の基部に対して前記第1の位置と前記第2の位置との間で回動可能に前記第1の部材に取り付けられ、
前記保持部は、前記第2の部材の前記第1の凹部と前記第1の凸部とのうち前記一方を、前記第2の部分の前記第1の凹部と前記第1の凸部とのうち前記他方に向かって押すよう構成された、
請求項5のリング装着装置。 - 前記第2の部分に設けられ、前記第2の部分が前記第1の基部に対して所定の角度まで回動したときに前記第1の基部に接触し、前記第2の部分が前記第1の基部に対してさらに回動することを制限するよう構成された制限部材、
をさらに具備する、請求項6のリング装着装置。 - 前記棒状部材の前記押部とは反対側で前記第1の支持部に対して移動可能に設けられ、前記押部によって押された前記リングの前記両端部のうち少なくとも一方が近接して前記棒状部材が前記隙間に入る前に接触するとともに前記両端部のうち少なくとも一方を支持するよう構成された第2の支持部と、前記溝内に挿入され前記棒状部材を支持するよう構成された第3の支持部と、を有し、前記押部が前記棒状部材に近付くのに伴って前記棒状部材から前記軸方向との交差方向に離れるよう構成された第3の可動部、
をさらに具備し、
前記制限部材は、前記第2の部分から離間した位置で当該第2の部分を覆う覆部を有し、
前記第3の可動部の一部は、前記第2の部分と前記覆部との間に位置し、前記押部が前記棒状部材に近付くのに伴って前記覆部に近づくよう構成された
請求項7のリング装着装置。 - 前記第2の部分は、前記操作部から前記第1の可動部に向かって前記力が伝わるとき、前記棒状部材によって前記棒状部材の軸方向と直交する方向に押され、
前記第2の部材は、前記第1の部材に対して、前記棒状部材によって前記第2の部分が押される方向と交差する方向に移動可能であり、
前記第1の凹部は、前記棒状部材によって前記第2の部分が押されたときに、前記第1の凸部から受ける前記力を、前記第2の部分が前記棒状部材によって押される方向と、前記第2の部材が前記第2の部分から遠ざかる方向と、に分解するように、前記第1の凸部を支持する、
請求項6乃至請求項8のいずれか一つのリング装着装置。 - 前記第1の部分は、前記第1の可動部と前記第2の可動部とのうち前記押部が設けられた一方に設けられ、
前記第2の部分は、前記押部を有する、
請求項3のリング装着装置。 - 前記第1の部分は、第2の凹部と第2の凸部とのうち一方が設けられた第2の基部を有し、
前記第2の部分に、前記第2の凹部と前記第2の凸部とのうち他方が設けられ、
前記第2の凸部は、前記第2の部分が前記第1の部分に対して前記第1の位置にあるときに前記第2の凹部に嵌るよう構成され、
前記保持部は、前記第2の凸部が前記第2の凹部の中に保持されるように前記第2の凸部と前記第2の凹部とを互いに近付けるよう構成された、
請求項10のリング装着装置。 - 前記第1の部分は、前記操作部を有し、
前記第2の部分は、前記操作部に対して前記回転軸まわりに回動可能な前記作用部を有し、
前記保持部は、前記第2の部分が前記第1の位置に向かって回動するように、前記第1の部分に対して前記第2の部分を押す、
請求項3のリング装着装置。
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Legal Events
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A02 | Decision of refusal |
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