JP2018045876A - 燃料電池システム - Google Patents

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Abstract

【課題】アノード電極の劣化を抑制する燃料電池システムを提供すること。【解決手段】燃料電池システム100は、水素ガスと酸化ガスとを反応させることにより発電すると共に、電気的に直列接続された複数の燃料電池セルを有するFCセルスタック21と、複数の燃料電池セルのインピーダンスと電圧値とをそれぞれ測定するセルモニタ22と、インピーダンスが第1の基準値を上回っているか否かを判定し、第1の基準値を上回っている場合に、燃料電池セルの水素濃度を上昇させるように制御する制御部50とを備える。そして、制御部50は、電圧値が第2の基準値を下回っているか否かをさらに判定し、第2の基準値を下回っている場合には、燃料電池セルに流れる電流を減少させる制御を行う。【選択図】図1

Description

本発明は燃料電池システムに関する。
近年、水素ガスと酸化ガスとを反応させることによって発電する燃料電池を用いたシステムが開発されている。このような燃料電池システムにおいては、水素ガスと酸化ガスとが適正に反応しているかどうかをモニタし、適正に反応していない場合に是正する手段が備わっている。
特許文献1には、所定周波数における交流電流及び交流電圧に基づいて燃料電池のインピーダンスを算出するインピーダンス算出手段と、インピーダンスに基づいて燃料電池の水素濃度を算出する水素濃度算出手段とを備える燃料電池システムが記載されている。このような燃料電池システムは、燃料電池の水素濃度を算出し、水素濃度が低いと判定した場合は、水素供給圧力を上昇させたり、あるいは、上限出力値を低下させたりすることにより、燃料電池システムの運転を是正する。
特開2013−140715号公報
しかし、インピーダンスをモニタすることにより水素濃度を算出する処理は、例えば数秒間といった、一定の時間が掛かる。そのため、より短時間に燃料電池に問題が発生した場合にはこれをすぐに是正することができない。例えば、燃料電池のアノード電極が完全に水素が欠乏した状態になると、アノード電極に含まれる炭素が不可逆的な酸化反応を起こして急激に劣化する。あるいは、燃料電池セルが絶縁破壊を起こしてしまう可能性がある。
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、燃料電池セルの急激な電圧低下に対応した制御をする燃料電池システムを提供することを目的とするものである。
本発明に係る燃料電池システムは、水素ガスと酸化ガスとを反応させることにより発電すると共に、電気的に直列接続された複数の燃料電池セルと、前記複数の燃料電池セルのインピーダンスと電圧値とをそれぞれ測定するセルモニタと、前記インピーダンスが第1の基準値を上回っているか否かを判定し、前記インピーダンスが前記第1の基準値を上回っている場合に、前記燃料電池セルの水素濃度を上昇させるように制御する制御部と、を備える燃料電池システムであって、前記制御部は、前記電圧値が第2の基準値を下回っているか否かをさらに判定し、前記電圧値が前記第2の基準値を下回っている場合には、前記燃料電池セルに流れる電流を減少させる制御を行うものである。
このように、複数の燃料電池セルに電気的に直列接続されたセルモニタが電圧をモニタすることにより、完全に水素が欠乏した状態に陥ったときに、燃料電池セルに流れる電流を減少させる制御を行い、アノード電極の劣化を抑制する。
尚、ここで、完全に水素が欠乏した状態とは、水素が完全に存在していないことをいうものではなく、燃料電池システムにおいて、基本的な運転性能に大きく支障をきたし、このままではシステムの故障や破壊につながる虞があるような程度の状態をいう。以降の説明についても同様である。
本発明により、燃料電池セルの急激な電圧低下に対応した制御をする燃料電池システムを提供することができる。
実施の形態に係る燃料電池システム100の構成図である。 実施の形態に係る燃料電池20の等価回路である。 実施の形態に係るFCセルのインピーダンスを複素平面上に示したコールコールプロットである。 実施の形態に係る燃料電池システム100における水素濃度を上昇させる制御のフローチャートである。 実施の形態に係る燃料電池20の電圧とインピーダンスの相関を表したグラフである。 実施の形態に係る燃料電池20が水素欠乏状態になる場合の電圧変化をプロットしたグラフである。 実施の形態に係る燃料電池システム100における電流を減少させる制御のフローチャートである。 実施の形態に係る燃料電池システム100におけるフローチャートである。
<実施の形態>
まず、本発明に係る実施の形態について説明する。図1は、実施の形態に係る燃料電池システム100の構成図である。燃料電池システム100は、燃料ガスである水素と、酸化ガスである空気とを反応させて発電し、発電した電気を他のシステムに供給する固体高分子燃料電池を利用したシステムである。また、燃料電池システム100は、かかる反応により生成された水を排出する。燃料電池システム100は、水素タンク10、インジェクタ11、水素循環路12、水素循環ポンプ13、排気排水部14、排気排水弁15、圧力計16、圧力計17、燃料電池20、ラジエータ30、冷却水ポンプ31、冷却水循環路32、分岐バルブ33、エアクリーナ40、エアコンプレッサ41、インタークーラ42、マフラ43、エア通過路44、制御部50を備える。
以下、燃料電池システム100の各構成について説明する。水素タンク10は、燃料ガスである水素を密閉して蓄えており、インジェクタ11に接続されている。インジェクタ11は、開閉弁であって、弁を開くことにより、水素タンク10から供給される水素ガスを適宜、水素循環路12に送り込む。水素タンク10と、インジェクタ11との間には、圧力計16が設けられている。圧力計16は、水素タンク10とインジェクタ11との間における水素ガスの気圧をモニタする。
水素循環路12は、インジェクタ11から送られてきた水素を燃料電池20に送り込むことができるように配管されている燃料ガス循環路である。また、水素循環路12は、燃料電池20において反応しなかった水素ガスや、燃料電池20において生成された水分を回収した後に、再び燃料電池20に送り込むことができるように配管されている。また、水素循環路12は、水素循環ポンプ13及び排気排水部14に接続されている。インジェクタ11と水素循環路12との間には、圧力計17が設けられている。圧力計17は、インジェクタ11と水素循環路12との間における水素ガスの気圧をモニタする。
水素循環ポンプ13は、水素循環路12内における水分を含んだ水素の流量を制御する循環ポンプである。排気排水部14は、水素循環路12内に溜まった水及び水素を排出する機能を備える。排気排水部14は、排気排水弁15に接続されている。排気排水弁15は、排気排水部14に溜まった水及び水素を適宜排出する。排気排水弁15はマフラ43に接続されており、輩出した水及び水素をマフラ43に送り出すことができるように配管されている。
燃料電池20は、FC(Fuel Cell=燃料電池)セルスタック21、セルモニタ22、電極23、温度計24、温度計25を備える。
FCセルスタック21は、固体高分子電解質膜に触媒を塗ったMEA(Membrane Electrode Assembly:膜/電極複合体)をセパレータではさんだFCセルを複数積層することにより構成されている。
セルモニタ22は、FCセルスタック21において、所定の複数のFCセルごとに設置されている。例えば、図1に例示するFCセルスタック21は、4つのFCセルに対して1つのセルモニタが電気的に直列接続されている。また、セルモニタ22は、図示しない電圧計及びインピーダンスメータを備えており、電気的に直列接続された複数セルの電圧及びインピーダンスを測定する。すなわち、図1に例示するFCセルスタック21は、電気的に直列接続された4つのFCセルの電圧、及び、電気的に直列接続された4つのFCセルのインピーダンスを測定する。
電極23は、燃料電池20が発電した電気を外部のシステムに接続するための電極である。例えば、図示しない昇圧コンバータ及びモータを電極23に接続する。これにより、燃料電池20はモータを駆動させる駆動源となる。
温度計24は、水素循環路12内の温度を測定する。また、温度計25は、冷却水循環路32内の温度を測定する。
ラジエータ30は、冷却水循環路32に接続されており、冷却水が蓄積した熱を外気の熱と交換し、温まった冷却水の温度を下げる機能を備える。冷却水ポンプ31は、冷却水循環路32に接続されており、冷却水を循環させるポンプである。冷却水循環路32は、ラジエータ30、冷却水ポンプ31に接続され、冷却水が燃料電池20内を通過し、再びラジエータ30に循環するように配管されている。また、冷却水循環路32は、インタークーラ42にも接続しており、圧縮された空気を冷却する。分岐バルブ33は、温まった冷却水を、ラジエータ30を通過させる通路と、ラジエータ30を通過させない通路とに分岐させ、それぞれの流量を調整する。
エアクリーナ40は、外気を取り込みエア通過路44に空気を送り込む。エアコンプレッサ41は、エアクリーナ40が取り込んだ空気を圧縮してインタークーラ42に送り込む。インタークーラ42は、エアコンプレッサ41によって圧縮された空気を受け取り、圧縮された空気の熱を冷却水によって冷却する。また、インタークーラ42は、エア通過路44に接続されている。
エア通過路44は、燃料電池20に空気を送り込むことができるように配管されている酸化ガス通過路である。また、エア通過路44は、発電に使用されなかった空気及び、発電の際に生成された水を回収し、マフラ43に送り込むことができるように配管されている。マフラ43は、エア通過路44から送り込まれた空気及び水と、排気排水部14から送り込まれた水及び水素を、外部へ排出する機能を備える。
制御部50は、インジェクタ11、水素循環ポンプ13、燃料電池20、冷却水ポンプ31、分岐バルブ33、エアコンプレッサ41に接続されており、これらを制御している。また、制御部50は、燃料電池20内が備えているセルモニタ22が測定するFCセルスタック21のインピーダンスから、FCセルスタック21の含水量を推定する。また、制御部50は、燃料電池20内が備えているセルモニタ22が測定するFCセルスタック21の電圧から、局部的な水の滞留などによる発電効率の低下を判定する。さらに、制御部50は、水素循環路12の温度、冷却水の温度、及び、水素循環ポンプ13の回転数に基づいて、水素循環路12内の結露水の量を推定する。
次に、燃料電池20の発電原理について概要を説明する。FCセルスタック21は、燃料ガスである水素と、酸化ガスである空気とを、MEAを介して反応させることにより発電する。具体的には、FCセルスタック21において、以下の式に基づいた化学反応が起きている。
負極: H2→2H+2e
正極: 4H+O+4e→2H
負極において、燃料ガスである水素は、プロトン(H)と、電子(e)とに分かれる。プロトンは、MEA内の電解質膜を通過して正極に移動する。また、この式からも分かるように、FCセルスタック21は、発電の際に水(HO)を生成する。生成した水がMEAの表面に滞留したままになると、水素又は空気の反応を妨げることになる。そのため、生成した水は、効率よく排出されることが望まれる。
FCセルスタック21は、1つのFCセルで発電する際の電圧は、例えば1V程度である。FCセルスタック21は、このFCセルを数百枚積層して電気的に直列接続することにより、数百Vの電圧を発生させる。
続いて、水素循環路12における水素の流れについて説明する。インジェクタ11が開くことにより、水素循環路12に水素が供給される。水素は、水素循環路12を通り、燃料電池20内へ到達する。燃料電池20は、受け取った水素を、水素イオン(H)と電子(e)に分解してMEAを通過させる。このとき、反応しなかった水素に加えて、上述した反応により発生した水分が水素極側へ漏れ出す。水素循環路12は、この水分を含んだ水素ガスを回収し、燃料電池20の外部にある排気排水部14に送り出す。排気排水部14では、適宜過剰な水分を排出する。そして、水素ガスは、水素循環ポンプ13によって圧送され、再び燃料電池20内へ送り込まれる。
次に、冷却水によって燃料電池20が冷却される原理について説明する。燃料電池20が発電する際、燃料電池20は熱を発生する。燃料電池20内の冷却水は、この熱により温められる。すなわち、燃料電池20は冷却水と熱を交換することになる。そのため、燃料電池20は、冷却水により冷やされる。冷却水ポンプ31は、冷却水を圧送し、温められた冷却水をラジエータ30に送り込む。ラジエータ30は、冷却水の熱と、外気の熱を交換することにより、冷却水の温度を下げる。そして、温度の下がった冷却水は、冷却水ポンプ31により圧送され、再び燃料電池20内に送り込まれる。このように、冷却水が燃料電池20とラジエータ30を循環する。これにより、冷却水は発熱している燃料電池の冷却を行う。
次に、図2を参照しながら、燃料電池20のインピーダンスについて説明する。図2は、実施の形態に係る燃料電池20の等価回路である。燃料電池20のFCセルは、アノード電極と、透過膜と、カソード電極により構成される。ここで、交流回路においては、アノード電極は回路26によって表すことができ。透過膜は、回路27すなわち抵抗Rohmとして表すことができる。また、カソード電極は回路28によって表すことができる。具体的には、燃料電池20は、セルスタックに交流電流を重畳させる。セルモニタ22は、例えば高速フーリエ変換処理等を行うことにより、図2に示した等価回路における所定の周波数の交流信号に対応したインピーダンスを算出する。
次に、図3を参照しながら、FCセルのインピーダンスと水素濃度との関係について説明する。図3は、実施の形態に係るFCセルのインピーダンスを複素平面上に示したコールコールプロットである。図3におけるグラフの、横軸は、複素平面の実部Re(Z)であり、縦軸は、複素平面の虚部Im(Z)である。
固体高分子燃料電池のFCセルは、FCセル内の水素濃度によりインピーダンスが変化することが知られている。すなわち、図3において、破線で示した曲線71は、水素濃度が相対的に高い状態を表しており、実線で示した曲線70は、水素濃度が相対的に低い状態を表している。つまり、通常運転に比べてFCセルに含まれる水素の濃度が低い場合には、相対的にインピーダンスが高くなる。さらに、この現象は、交流電流の周波数ωが低い方が顕著となる。以上のように、燃料電池システム100において、セルモニタ22が、低周波のインピーダンスをモニタすることにより、FCセル内の水素濃度が低いか否かを判定することができる。
ここで、セルモニタ22は、FCセルスタック21において、所定の複数のFCセルごとに設置されている。例えばn番目のセルモニタ22をセルモニタ22(n)と表示する。このとき、セルモニタ22(n)により測定されたインピーダンスが所定の基準値を上回る場合は、セルモニタ22(n)に接続されているFCセルにおいて水素濃度が低下していることになる。
次に、図4を参照しながら、水素濃度を上昇させる制御について説明する。図4は、実施の形態に係る燃料電池システム100における水素濃度を上昇させる制御のフローチャートである。
燃料電池システム100の制御部50は、セルモニタ22によって測定されるインピーダンスが所定の基準値よりも上回っているか否かを判定する(ステップS201)。インピーダンスが所定の基準値よりも上回っていなかった場合(ステップS201:No)、燃料電池システム100は、引き続きインピーダンスの値を測定しながら通常運転を継続する。一方、インピーダンスが所定の基準値よりも上回っていた場合(ステップS201:Yes)、FCセルの水素濃度が低下している。そこで、制御部50は、水素濃度を上昇させる制御を行う(ステップS202)。
ここで、インピーダンスが上昇する場合(ステップS201:Yes)について例示する。FCセルのインピーダンスが上昇するのは、セルモニタ22が接続されているFCセルにおいて水素濃度が低下しているためである。水素濃度が低下する原因としては、例えば、水素を供給するインジェクタ11の不調、水素ガスを循環させる水素循環ポンプ13の不調などによる水素供給不足が挙げられる。また、水分過多になると、水素循環路12やアノード電極内に水が滞留し、その結果水素が部分的に欠乏することが考えられる。さらには、低温環境下において、電極内に凍結が起きると、凍結した部分に水素が行き渡らず、水素が部分的に欠乏することが考えられる。
次に、水素濃度を上昇させる制御(ステップS202)について例示する。上述したような原因によって水素濃度が低下した場合、制御部50は、例えば次のような制御を行うことにより、さらなる水素濃度の低下を抑制し、水素濃度を上昇させる。例えば、インジェクタ11の両端にそれぞれ設置されている圧力計16と圧力計17とを測定することにより、インジェクタ11から十分に水素が供給されていないと判断された場合、制御部50は、インジェクタ11を開いて水素をさらに供給する。また、結露が起きるなどして、水素循環路12やアノード電極内に水が滞留していると判断された場合、制御部50は、水素循環ポンプ13の回転数を上げて、水分を分散させると共に、発電を促すことによりFCセル内の温度を上昇させて、水分を蒸発させる。また、FCセル内の温度を上昇させるためには、冷却水ポンプ31の回転数を下げるか、又は、分岐バルブ33を調整することにより、ラジエータ30へ向かう冷却水を減少させる。
制御部50が以上に例示したような制御を行った後、制御部50は、再びインピーダンスが所定の基準値よりも上回っているか否かを判定する(ステップS201)。このようにして、制御部50は、インピーダンスが所定の基準値よりも上回らなくなるまで、水素濃度を上昇させる制御を繰り返す。
次に、図5を参照しながら、FCセルの電圧とインピーダンスとの相関について説明する。図5は、実施の形態に係る燃料電池20の電圧とインピーダンスの相関を表したグラフである。図5におけるグラフの横軸は電圧Vc(V)であり、縦軸はインピーダンスIm(mΩ・cm)である。
発明者らは、本実施の形態に係る燃料電池システム100において、FCセルの水素濃度が低下すると、インピーダンスが上昇すると共に、電圧が低下していることを見出した。すなわち、通常運転状態において、セルモニタ22が測定した電圧Vcが電圧Vc1(V)であり、このときのインピーダンスImがIm1である。その後、水素濃度が低下した場合において、インピーダンスImは、徐々に上昇する。そして、インピーダンスImの上昇に伴って、電圧Vcは低下し、矢印80の方向へ変動する。その結果、インピーダンスImは、インピーダンスIm2となり、電圧Vcは、電圧Vc2となる。
次に、図6を参照しながら、燃料電池20が水素欠乏状態になる場合について説明する。図6は、実施の形態に係る燃料電池20が水素欠乏状態になる場合の電圧変化をプロットしたグラフである。図6のグラフにおいて、横軸は時刻(s)であり、縦軸は電圧Vc(V)である。
発明者らは、セルモニタ22が所定の複数セルごとに設置されている場合において、セルモニタ22の電圧値を測定した。その結果、発明者らは、セルモニタ22に接続されているFCセルにおいて完全に水素が欠乏する状態になる場合には、セルモニタ22の電圧値が低下することを見出した。
図6のt0において、燃料電池システム100は通常運転をしており、このときの電圧Vcは、Vc1である。次に、時刻t1において、FCセルに供給する水素の量を一定に保ちつつ、燃料電池20に接続されている負荷を制御することにより電流密度を上昇させる。すると、FCセル内の水素濃度が低下すると共に、電圧Vcが低下し始める。時刻t2において、セルモニタ22の測定する電圧VcはVc2まで低下する。そして、その後も電圧Vcはさらに低下する。時刻t3において、電圧Vcはさらに急激に低下して、電圧Vc3になる。尚、このような状態になり、FCセル内の水素が完全に欠乏した状態になると、アノード電極のカーボンに酸化反応が起こり、不可逆的に劣化する。又は、FCセル内において絶縁破壊が起こる可能性がある。そのため、このような事態を避ける必要がある。
次に、図7を参照しながら、完全に水素が欠乏した状態を抑制する制御について説明する。図7は、実施の形態に係る燃料電池システム100における電流を減少させる制御のフローチャートである。
燃料電池システム100の制御部50は、セルモニタ22によって測定される電圧が所定の基準値よりも下回っているか否かを判定する(ステップS301)。電圧が所定の基準値よりも下回っていなかった場合(ステップS301:No)、燃料電池システム100は、引き続き電圧値を測定しながら通常運転を継続する。一方、電圧が所定の基準値よりも下回っていた場合(ステップS301:Yes)、FCセル内の電極は、完全に水素が欠乏した状態となっている。そこで、制御部50は、燃料電池20の電流を減少させる制御を行う(ステップS302)。
ここで、FCセルの電極において完全に水素が欠乏する状態について例示する。FCセルにおいてこのような状態になるのは、例えば、冷却水ポンプ31が故障することにより、FCセル内の温度が摂氏100度に近くなり、FCセルが乾いた状態になる場合が考えられる。また、インジェクタ11が故障することにより、燃料電池の負荷に対して水素の供給量が不足した状態が続く場合が考えられる。
次に、燃料電池20の電流を減少させる制御(ステップS302)について例示する。FCセルの水素が完全に欠乏する状態になった場合、制御部50は、例えば、FCセルが乾いた状態になっていると考えられる場合には、さらなる温度の上昇を抑制するために、インジェクタ11又は水素循環ポンプ13を制御することにより、水素の供給量を減らし、発電反応を抑える。また、燃料電池20の電流を制限することにより、MEAを通過するプロトンの量を抑え、FCセルに流れる電流を減少させる。これにより、急激なアノード電極の劣化を抑制することができる。
制御部50が以上に例示したような制御を行った後、制御部50は、再び電圧が所定の基準値よりも下回っているか否かを判定する(ステップS301)。このようにして、制御部50は、電圧が所定の基準値よりも下回らなくなるまで、電流を制限する制御を繰り返す。
次に、図8を参照しながら、燃料電池システム100における制御部50の処理について説明する。図8は、実施の形態に係る燃料電池システム100におけるフローチャートである。制御部50は、上述したような水素濃度を上昇させる制御、及び、電流を減少させる制御を組み合わせて、以下に説明するような制御を行う。
まず、通常運転において、制御部50は、FCセルスタック21の温度Tsが所定のしきい値よりも下回っているか否かを判定する(ステップS401)。FCセルスタック21の温度Tsが所定のしきい値よりも下回っている場合(ステップS401:Yes)、制御部50は、インピーダンスImが所定のしきい値Imthを上回っているか否かを判定する(ステップS402)。
インピーダンスImが所定のしきい値Imthを上回っていない場合(ステップS402:No)、燃料電池システム100は、通常運転の状態にある。そこで、制御部50は、ステップS401に戻り、再びFCセルスタック21の温度Tsが所定のしきい値よりも下回っているか否かを判定する(ステップS401)。
一方、インピーダンスImが所定のしきい値Imthを上回っている場合(ステップS402:Yes)、燃料電池システム100は、FCセルの水素濃度が低下している。そこで、制御部50は、水素濃度を上昇させる制御を行う(ステップS403)。水素濃度を上昇させる制御の具体例は既に説明した通りであるため、ここでの説明は省略する。
次に、制御部50は、インピーダンスImが所定のしきい値Imthを上回っているか否かを判定する(ステップS404)。
インピーダンスImが所定のしきい値Imthを上回っていない場合(ステップS404:No)、直前に行った、水素濃度の低下を抑制する制御により、燃料電池システム100は、通常運転に戻ったことになる。そこで、制御部50は、ステップS401に戻る。
一方、インピーダンスImが所定のしきい値Imthを上回っている場合(ステップS404:Yes)、FCセルの水素濃度が異常に低下している虞がある。そこで、制御部50は、電圧Vcが、所定のしきい値Vcth2を下回っているか否かを判定する(ステップS405)。
電圧Vcが、所定のしきい値Vcth2を下回っていない場合(ステップS405:No)、FCセルの水素濃度が異常に低下している虞はない。そこで、制御部50は、再び、水素濃度を上昇させる制御を行う(ステップS403)。
一方、電圧Vcが、所定のしきい値Vcth2を下回っている場合(ステップS405:Yes)、FCセルの水素濃度が異常に低下している虞がある。そこで、制御部50は、FCセルに流れる電流を減少させる制御を行う(ステップS406)。電流を減少させる制御の具体例は既に説明した通りであるため、ここでの説明は省略する。
このように、インピーダンスImをモニタすることにより、水素濃度を上昇させる制御を行った後に、電圧Vcをモニタすることにより、急激に水素欠乏状態に陥るような事態においてもFCセルに流れる電流を減少させる制御を行うことができる。制御部50がFCセルに流れる電流を減少させる制御を行った後、制御部50は、ステップS401に戻り、再びFCセルスタック21の温度Tsが所定のしきい値Tsthを下回っているか否かを判定する(ステップS401)。
FCセルスタック21の温度Tsが所定のしきい値Tsthを下回っていない場合(ステップS401:No)、制御部50は、電圧Vcが所定のしきい値Vcth1を下回っているか否かを判定する(ステップS407)。
電圧Vcが所定のしきい値Vcth1を下回っていない場合(ステップS407:No)、燃料電池システム100は通常運転の状態である。そこで、制御部50は、ステップS401に戻り、再びFCセルスタック21の温度Tsが所定のしきい値Tsthを下回っているか否かを判定する(ステップS401)。
一方、電圧Vcが所定のしきい値Vcth1を下回っている場合(ステップS407:Yes)、FCセルスタック21が高温になっており、且つ、電圧Vcが低下している。すなわち、FCセル内の水分が蒸発することにより、発電効率が低下していると想定される。そこで、制御部50は、乾きを抑制する制御を行う(ステップS408)。乾きを抑制する制御としては、例えば、制御部50は、冷却水ポンプ31の回転数を上昇させて、FCセルスタック21の冷却を行う。
次に、制御部50は、電圧Vcを再び測定し、電圧Vcが所定のしきい値Vcthよりも下回っているか否かを判定する(ステップS409)。電圧Vcが所定のしきい値Vcthよりも下回っていない場合(ステップS409:No)、直前に行った乾きを抑制する制御によって、燃料電池の運転状態は通常運転に戻ったと想定される。そこで、制御部50は、ステップS401に戻り、再びFCセルスタック21の温度Tsが所定のしきい値Tsthを下回っているか否かを判定する(ステップS401)。
一方、電圧Vcが所定のしきい値Vcthよりも下回っていた場合(ステップS409:Yes)、制御部50は、電圧Vcが所定のしきい値Vcth2を下回っているか否かを判定する(ステップS410)。電圧Vcが所定のしきい値Vcth2を下回っていない場合(ステップS410:No)、制御部50は、再び乾きを抑制する制御を行う(ステップS408)。
一方、電圧Vcが所定のしきい値Vcth2を下回っている場合(ステップS410:Yes)、FCセル内の水素が完全に欠乏している。そこで、制御部50は、燃料電池20の電流を減少させる制御を行う(ステップS406)。制御部50は、燃料電池20の電流を制限する制御を行った後、再びステップS401に戻る。
以上のように、
このように、複数のFCセルに電気的に直列接続されたセルモニタ22が電圧をモニタすることにより、完全に水素が欠乏した状態に陥ったときに、FCセルに流れる電流を減少させる制御を行い、アノード電極の劣化を抑制する。これにより、燃料電池セルの急激な電圧低下に対応した制御をする燃料電池システムを提供することができる。
尚、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、ここで説明した内容に加えて、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
11 インジェクタ
13 水素循環ポンプ
20 燃料電池
21 FCセルスタック
22 セルモニタ
31 冷却水ポンプ
33 分岐バルブ
41 エアコンプレッサ
50 制御部
100 燃料電池システム

Claims (1)

  1. 水素ガスと酸化ガスとを反応させることにより発電すると共に、電気的に直列接続された複数の燃料電池セルと、
    前記複数の燃料電池セルのインピーダンスと電圧値とをそれぞれ測定するセルモニタと、
    前記インピーダンスが第1の基準値を上回っているか否かを判定し、前記インピーダンスが前記第1の基準値を上回っている場合に、前記燃料電池セルの水素濃度を上昇させるように制御する制御部と、を備える燃料電池システムであって、
    前記制御部は、前記電圧値が第2の基準値を下回っているか否かをさらに判定し、前記電圧値が前記第2の基準値を下回っている場合には、前記燃料電池セルに流れる電流を減少させる制御を行う、
    燃料電池システム。
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