以下、本発明の実施形態に係るパチンコ遊技機(遊技機)の構成および各種動作について、図面を参照しながら説明する。
(実施形態1)
まず、本発明の実施形態1に係る遊技機について説明する。
[パチンコ遊技機の構造]
図1および図2を参照して、実施形態1における遊技機の構造について説明する。なお、図1は本発明の実施形態1に係る遊技機の外観を示す斜視図であり、図2は本発明の実施形態1に係る遊技機の分解斜視図である。
パチンコ遊技機1は、図1および図2に示すように、本体2と、本体2に対して開閉自在に取り付けられたベースドア3と、ベースドア3に対して開閉自在に取り付けられたガラスドア4とを備える。
[本体]
本体2は、長方形状の開口2aを有する枠状部材で構成される(図2参照)。この本体2は、例えば、木材等の材料により形成される。
[ベースドア]
ベースドア3は、本体2の外形形状と略等しい長方形の外形形状を有する板状部材で構成される。ベースドア3は、本体2の前方(パチンコ遊技機1の正面側)に配置されており、ベースドア3を本体2の一方の側辺端部を軸にして回動させることにより、本体2の開口2aが開閉される。
ベースドア3には、図2に示すように、四角形状の開口3aが設けられる。この開口3aは、ベースドア3の中央部付近から上側の領域に亘って形成され、ベースドア3の大部分を占有する大きさで形成される。
また、ベースドア3には、スピーカ11と、遊技盤12と、液晶表示装置13と、皿ユニット14と、発射装置15と、払出ユニット16と、基板ユニット17とが取り付けられる。
スピーカ11は、ベースドア3の上部(上端部付近)に配置される。遊技盤12は、ベースドア3の前方(パチンコ遊技機1の正面側)に配置され、ベースドア3の開口3aを覆うように配置される。
遊技盤12は、光透過性を有する板形状の樹脂部材で構成される。なお、光透過性を有する樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、メタクリル樹脂などを用いることとすればよい。
また、遊技盤12の前面(パチンコ遊技機1の正面側の表面)には、発射装置15から発射された遊技球が転動する遊技領域12aが形成される。この遊技領域12aは、ガイドレール41(具体的には後述の図3に示す外レール41a)に囲まれた領域であり、その外周形状は略円状である。
さらに、遊技領域12aには、複数の遊技釘(後述の図3参照)が打ちこまれている。なお、遊技盤12(遊技領域12a)の構成については、後述の図3を参照しながら後から詳述する。
液晶表示装置13は、遊技盤12の背面側(パチンコ遊技機1の正面側とは反対側)に取り付けられる。この液晶表示装置13は、画像を表示する表示領域13aを有する。表示領域13aの大きさは、遊技盤12の表面の全部または一部の領域を占めるような大きさに設定される。
この液晶表示装置13の表示領域13aには、演出用の識別図柄、演出画像、装飾用画像(装飾図柄)などの各種画像が表示される。遊技者は、遊技盤12を介して、液晶表示装置13の表示領域13aに表示された各種画像を視認することができる。
なお、実施形態1では、表示装置として液晶表示装置13を用いたが、本発明はこれに限定されるものではない。液晶表示装置13として、例えば、プラズマディスプレイ、リアプロジェクションディスプレイ、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイなどの表示機器を適用してもよい。
また、遊技盤12の背面側(パチンコ遊技機1の正面側とは反対側)には、スペーサ19が設けられる。このスペーサ19は、遊技盤12の背面(パチンコ遊技機1の背面側の表面)と液晶表示装置13の前面(パチンコ遊技機1の正面側の表面)との間に設けられ、遊技盤12の遊技領域12aを転動する遊技球の流路となる空間を形成する。
スペーサ19は、光透過性を有する材料で形成される。なお、本発明はこれに限定されず、スペーサ19は、例えば、一部が光透過性を有する材料で形成されていてもよいし、光透過性を有さない材料で形成されていてもよい。
皿ユニット14は、遊技盤12の下方に配置される。この皿ユニット14は、上皿21と、その下方に配置された下皿22とを有する。上皿21および下皿22には、図2に示すように、遊技球の貸出、遊技球の払出(賞球)を行うための払出口21aおよび払出口22aがそれぞれ形成されている。
所定の払出条件が成立した場合には、払出口21aおよび払出口22aから遊技球が排出されて、それぞれ、上皿21および下皿22に貯留される。また、上皿21に貯留された遊技球は、発射装置15によって遊技領域12aに発射される。
また、皿ユニット14には、演出ボタン23が設けられている。具体的には、演出ボタン23は、上皿21上に取り付けられる。また、演出ボタン23の周縁には、ダイヤル操作部(ジョグダイヤル)24が演出ボタン23に対して回転可能に取り付けられている。
実施形態1のパチンコ遊技機1は、演出ボタン23およびダイヤル操作部24の少なくともいずれか一方を用いて行う所定の演出機能を有し、所定の演出を行う場合には、液晶表示装置13の表示領域13aに、演出ボタン23およびダイヤル操作部24の少なくともいずれか一方の操作を促す画像が表示される。
発射装置15は、ベースドア3の前面において、右下の領域(右下角部付近)に配置される。この発射装置15は、遊技者によって操作可能な発射ハンドル25と、皿ユニット14の右下部に係合するパネル体26とを備える。発射ハンドル25は、パネル体26の前面側に配置され、パネル体26に回動可能に支持される。
なお、図1および図2では示していないが、パネル体26の背面側には、遊技球の発射動作を制御するソレノイドアクチュエータ(駆動装置)が設けられる。また、同様に、図1および図2には示していないが、発射ハンドル25の周縁部には、タッチセンサが設けられ、発射ハンドル25の内部には、発射ボリュームが設けられている。発射ボリュームは、発射ハンドル25の回動量に応じて抵抗値を変化させ、ソレノイドアクチュエータに供給する電力を変化させる。
パチンコ遊技機1において、遊技者の手が発射ハンドル25のタッチセンサに接触すると、タッチセンサは検知信号を出力する。つまり、遊技者が発射ハンドル25を握持したことが検知される。そして、遊技者が発射ハンドル25を握持したことが検知された場合に、ソレノイドアクチュエータによる遊技球の発射が可能になる。
そして、遊技者が発射ハンドル25を握持して時計回り(遊技者側から見て右回り)の方向へ回動操作すると、発射ハンドル25の回動角度に応じて発射ボリュームの抵抗値が変化し、その抵抗値に対応する電力がソレノイドアクチュエータに供給される。その結果、上皿21に貯留された遊技球が順次発射され、発射された遊技球は、ガイドレール41(後述の図3参照)に案内されて遊技盤12の遊技領域12aへ放出される。
また、図1および図2には示しているが、発射ハンドル25の側部には、発射停止ボタンが設けられている。発射停止ボタンは、ソレノイドアクチュエータによる遊技球の発射を停止させるために設けられたボタンである。発射ハンドル25が遊技者により握持されて回動させられた状態であっても、遊技者が発射停止ボタンを押下することにより、遊技球の発射が停止される。
払出ユニット16および基板ユニット17は、ベースドア3の背面側に配置される。払出ユニット16には、貯留ユニット(図示せず)から遊技球が供給される。払出ユニット16は、貯留ユニットから供給された遊技球の中から、払出条件の成立に基づいて、所定個数の遊技球を上皿21または下皿22に払出す。
基板ユニット17は、各種制御基板を有する。各種制御基板には、後述する主制御回路70や副制御回路200、払出制御回路300などが設けられる(後述の図33参照)。
[ガラスドア]
ガラスドア4は、表面が略四角形状の板状部材で構成される。また、ガラスドア4は、遊技盤12の前面側に配置され、遊技盤12を覆う大きさを有する。このガラスドア4の前面において、スピーカ11と対向する上部領域には、スピーカカバー29が設けられる。
また、ガラスドア4の中央部において、遊技盤12の遊技領域12aと対向する領域には、少なくとも遊技領域12aを露出させるような大きさの開口が形成される。ガラスドア4の開口は、光透過性を有する保護ガラス28が取り付けられ、これにより、開口が塞がれる。
したがって、ガラスドア4をベースドア3に対して閉じると、保護ガラス28は、遊技盤12の少なくとも遊技領域12aに対面するように配置される。
[遊技盤]
次に、遊技盤12の構成について、図3を参照して説明する。図3は、遊技盤の構成を示す正面図である。
遊技盤12の前面には、図3に示すように、ガイドレール41と、球通過検出器43と、第1始動口44と、第2始動口45(始動領域)と、普通電動役物46とが設けられる。また、遊技盤12の前面には、一般入賞口51,52と、第1大入賞装置54(可変入賞装置)と、第2大入賞装置53(可変入賞装置)と、アウト口55と、複数の遊技釘56とが設けられる。
さらに、遊技盤12の前面において、その略中央に配置された液晶表示装置13の表示領域13aの上部には、特別図柄表示装置61(識別情報表示手段、特別図柄表示手段)と、普通図柄表示装置62と、普通図柄保留表示装置63と、第1特別図柄保留表示装置64と、第2特別図柄保留表示装置65とが設けられる。
なお、実施形態1では、特別図柄の停止表示の結果が「大当り」である場合に点灯する報知LED(Light Emitting Diode)や、大当り遊技中のラウンド数を表示するラウンド数表示LEDなどを設けてもよい。
[遊技領域の各種構成部材]
ガイドレール41は、遊技領域12aを区画する円弧状に延在した外レール41aと、この外レール41aの内側(内周側)に配置された、円弧状に延在した内レール41bとで構成される。
遊技領域12aは、外レール41aの内側に形成される。外レール41aおよび内レール41bは、遊技者側から見て、遊技領域12aの左側端部付近において互いに対向するように配置され、これにより、外レール41aと内レール41bとの間に、発射装置15によって発射された遊技球を遊技領域12aの上部へ案内するガイド経路41cが形成される。
また、遊技領域12aの左側上部に位置する内レール41bの先端部には、該内レール41bの先端部と、それと対向する外レール41aの一部とにより、球放出口41dが形成される。そして、内レール41bの先端部には、球放出口41dを塞ぐようにして、球戻り防止片42が設けられる。
この球戻り防止片42は、球放出口41dから遊技領域12aに放出された遊技球が、再び球放出口41dを通過してガイド経路41cに進入することを防止する。
球放出口41dから放出された遊技球は、遊技領域12aの上部から下部に向かって流下する。この際、遊技球は、複数の遊技釘56、第1始動口44、第2始動口45等の遊技領域12aに設けられた各種部材に衝突して、その進行方向を変えながら遊技領域12aの上部から下部に向かって流下する。
遊技領域12aの略中央には、液晶表示装置13の表示領域13aが設けられる。この表示領域13aの上端には、障害物13bが設けられる。障害物13bを設けることにより、遊技球は、遊技領域12a内の表示領域13aと重なる領域上を通過しない。
球通過検出器43は、遊技者側から見て、表示領域13aの右側端部付近に配置される。球通過検出器43には、球通過検出器43を通過する遊技球を検出するための通過球スイッチ43a(後述の図33参照)が設けられる。また、球通過検出器43を遊技球が通過することにより、「当り」か否かの抽選が行われ、該抽選の結果に基づいて普通図柄の変動表示が開始される。
第1始動口44は、表示領域13aの下方に配置され、第2始動口45は、第1始動口44の下方に配置される。第1始動口44および第2始動口45は、遊技球を受け入れ可能な部材で構成される。
以下、遊技球が第1始動口44または第2始動口45に入ることまたは通過することを「入賞」という。そして、遊技球が第1始動口44または第2始動口45に入賞すると、それぞれ所定の数の遊技球が払出される。実施形態1では、第1始動口44に入賞した場合は3個の遊技球が払出され、第2始動口45に入賞した場合は2個の遊技球が払出される。なお、払出される遊技球のことを賞球という。
また、第1始動口44に遊技球が入球することにより、「大当り」および「小当り」のいずれかであるか否かの抽選が行われ、該抽選の結果に基づいて特別図柄の変動表示が開始される。第2始動口45に遊技球が入球することにより、「大当り」および「小当り」のいずれであるか否かの抽選が行われ、該抽選の結果に基づいて特別図柄の変動表示が開始される。なお、実施形態1では第1始動口44に遊技球が入球した場合における「小当り」に当選する確率はゼロである。すなわち、第1始動口44に入球しても「小当り」に当選することはない。また、実施形態1では第2始動口45に遊技球が入球した場合は、「大当り」に当選する確率に比べて高い確率で「小当り」に当選する。すなわち、第2始動口45に入球した場合は、「大当り」よりも「小当り」に当選しやすい。
なお、実施形態1では、上述したように第1始動口44に遊技球が入球した場合における「小当り」に当選する確率はゼロとしたが、ゼロに限定されるわけではない。この確率は、第2始動口45に遊技球が入球した場合における「小当り」に当選する確率よりも低い確率であればよい。このように、第1始動口44に遊技球が入球した場合でも「小当り」に当選する可能性があることとすることにより、遊技の幅を広げることができる。例えば、後述の「時短遊技状態」以外から後述のセット遊技への移行が可能となり、遊技の幅を広げることができる。
第1始動口44には、第1始動口44に入賞した遊技球を検出するための第1始動口入賞球スイッチ44a(後述の図33参照)が設けられる。また、第2始動口45には、第2始動口45に入賞した遊技球を検出するための第2始動口入賞球スイッチ45a(後述の図33参照)が設けられる。なお、第1始動口44および第2始動口45に入賞した遊技球は、遊技盤12に設けられた回収口(図示せず)を通過して遊技球の回収部(図示せず)に搬送される。
普通電動役物46は、第2始動口45に設けられる。普通電動役物46は、第2始動口45の両側に回動可能に取り付けられた一対の羽根状の部材と、この一対の羽根状の部材を駆動させる普通電動役物ソレノイド46a(後述の図33参照)とを有する。
この普通電動役物46は、普通電動役物ソレノイド46aにより駆動され、一対の羽根状の部材を拡げて第2始動口45に遊技球を入賞し易くする開放状態、および、一対の羽根状の部材を閉じて第2始動口45に遊技球を入賞不可能にする閉鎖状態のいずれか一方の状態を発生させる。
なお、実施形態1では、普通電動役物46が閉鎖状態である場合、一対の羽根状の部材の開口形態を、入賞不可能にする形態でなく、遊技球の入賞が困難になるような形態にしてもよい。
一般入賞口51は、遊技者側から見て、遊技領域12aの左下部付近に配置される。また、一般入賞口52は、球通過検出器43の下方に配置され、かつ、遊技者側から見て、遊技領域12aの右下部付近に配置される。
一般入賞口51および一般入賞口52は、遊技球を受け入れ可能な部材で構成される。以下では、遊技球が一般入賞口51または一般入賞口52に入ることまたは通過することもまた、「入賞」という。一般入賞口51または一般入賞口52に遊技球が入賞すると、所定数の遊技球が払出される。実施形態1では、一般入賞口51または一般入賞口52に入賞した場合はそれぞれ10個の賞球がある。
一般入賞口51には、一般入賞口51に入賞した遊技球を検出するための一般入賞球スイッチ51a(後述の図33参照)が設けられる。また、一般入賞口52には、一般入賞口52に入賞した遊技球を検出するための一般入賞球スイッチ52a(後述の図33参照)が設けられる。
第1大入賞装置54および第2大入賞装置53は、球通過検出器43の下方で、かつ、第1始動口44と一般入賞口52との間に配置される。そして、第1大入賞装置54および第2大入賞装置53は、遊技球の流路に沿って上下方向に配置され、第2大入賞装置53は、第1大入賞装置54の上方に配置される。
第1大入賞装置54は、いわゆるアタッカー式の開閉装置であり、開閉可能なシャッタ54aと、シャッタを駆動させるソレノイドアクチュエータ(後述の図33中の第1大入賞口ソレノイド54b)とを有する。
第1大入賞装置54は、対応するシャッタ54aが開いている状態(開放状態:第1の状態)のときに遊技球を受け入れ、シャッタ54aが閉じている状態(閉鎖状態:第2の状態)のときには遊技球を受け入れない。
以下では、遊技球が第1大入賞装置54に入ることまたは通過することもまた、「入賞」という。第1大入賞装置54に遊技球が入賞すると、所定の数の遊技球が払出される。実施形態1では、第1大入賞装置54に遊技球が入賞した場合は、15個の賞球がある。
また、第1大入賞装置54には、第1大入賞装置54に入賞した遊技球を計数するためのカウントスイッチ54c(後述の図33参照)が設けられる。
図4を用いて第2大入賞装置53について説明する。図4は本発明の実施形態1に係るパチンコ遊技機の第2大入賞装置の構成を示す正面図である。図4(a)は遊技球がV入賞口に入賞しない状態であり、図4(b)は遊技球がV入賞口に入賞する状態である。第2大入賞装置53は、開閉動作が可能な羽根部材53aを有し、羽根部材53aが開放状態のときに第2大入賞装置53は遊技球を受け入れ、羽根部材53aが閉鎖状態(図3参照)のときに遊技球を受け入れない。つまり、羽根部材53aが開放状態のときには第2大入賞装置53内に遊技球は入る可能性があり、羽根部材53aが閉鎖状態のときには第2大入賞装置53内に遊技球が入る可能性はない。
以下では、遊技球が第2大入賞装置53に入ることもまた、「入賞」という。第2大入賞装置53に遊技球が入賞すると、所定の数の遊技球が払出される。実施形態1では、第2大入賞装置53に遊技球が入賞した場合も15個の賞球がある。
さらに、第2大入賞装置53の内部にはV入賞口57が設けられている。第2大入賞装置53は、V入賞口57を開閉させるために開閉動作が可能な可動部材57aを有している。V入賞口57が開放状態のときにV入賞口57は遊技球を受け入れ、V入賞口57が閉鎖状態のときにV入賞口57は遊技球を受け入れない。遊技球がV入賞口57に入ることは、「V入賞」という。また、遊技球がV入賞口57に入賞した場合は「V当り」となる。
可動部材57aが開放状態となるタイミングは、羽根部材53aが開放状態となるタイミングと関連している。例えば、羽根部材53aおよび可動部材57aのいずれも通常は閉鎖状態である。羽根部材53aが開放状態となった場合は、それと同時あるいは少し遅れて可動部材57aが開放状態となり、羽根部材53aが閉鎖状態となる前に可動部材57aが閉鎖状態となることとすればよい。例えば、羽根部材53aが開放状態となっている時間は可動部材57aが開放状態となっている時間の2倍とすればよい。
また、第2大入賞装置53には、第2大入賞装置53に入賞した遊技球を計数するためのカウントスイッチ53c(後述の図33参照)が設けられる。さらに、V入賞口57には、V入賞口57に入賞した遊技球を検出するためのV入賞口入賞球スイッチ57c(後述の図33参照)が設けられる。また、第2始動口45には、第2始動口45に入賞した遊技球を検出するための第2始動口入賞球スイッチ45a(後述の図33参照)が設けられる。さらに、第2大入賞装置53は可動部材57aを動作させるためのV入賞口ソレノイド57bを有している。
アウト口55は、遊技領域12aの最下部に設けられる。このアウト口55は、第1始動口44、第2始動口45、一般入賞口51、一般入賞口52、第1大入賞装置54および第2大入賞装置53のいずれにも入賞しなかった遊技球を受け入れる。
実施形態1の遊技領域12aにおける各種構成部材の配置を図3に示すような配置にすると、遊技者により遊技領域12aの右側の領域に遊技球が打ち込まれた場合(右打ちされた場合)、遊技釘56等により遊技球が第1始動口44の下方にある第2始動口45の近辺に誘導される。
この場合、第1始動口44に入賞する可能性はほとんどなくなる。なお、上述したように、実施形態1では、第1始動口44に入賞した場合は「小当り」に当選することはない。また、実施形態1では、第2始動口45に入賞した場合は、「大当り」よりも「小当り」に当選しやすい。
それゆえ、第2始動口45への入賞が比較的容易になる後述の「時短遊技状態」では、右打ちを行うことにより、第1始動口44への入賞の可能性を低くし、第2始動口45への入賞の可能性を高め、「小当り」に当選しやすい状態とすることができる。
[特別図柄表示装置]
特別図柄表示装置61は、図3に示すように、液晶表示装置13の表示領域13aの上部の略中央に配置される。
特別図柄表示装置61は、特別図柄ゲームにおいて、特別図柄を可変表示(変動表示および停止表示)する表示装置である。実施形態1では、図3に示すように、特別図柄を数字や記号等からなる図柄で表示する装置により特別図柄表示装置61を構成する。
なお、本発明はこれに限定されず、特別図柄表示装置61を、例えば、複数のLEDにより構成してもよい。この場合には、複数のLEDの点灯・消灯によって構成される表示パターンを特別図柄として表す。
特別図柄表示装置61は、遊技球が第1始動口44または第2始動口45に入賞したこと(特別図柄始動入賞)を契機に、特別図柄(識別情報)の変動表示を行う。そして、特別図柄表示装置61は、所定時間、特別図柄の変動表示を行った後、特別図柄の停止表示を行う。
以下では、遊技球が第1始動口44に入賞したときに、特別図柄表示装置61において変動表示される特別図柄を、第1特別図柄という。また、遊技球が第2始動口45に入賞したときに、特別図柄表示装置61において変動表示される特別図柄を、第2特別図柄という。なお、特別図柄表示装置61において表示されている特別図柄が第1特別図柄か第2特別図柄のいずれであるかは、表示される色により判断することができる。つまり、特別図柄表示装置61において表示される特別図柄は、第1特別図柄である場合および第2特別図柄である場合において、それぞれ異なる色で表示される。例えば、第1特別図柄が表示されている場合は赤色で表示され、第2特別図柄が表示されている場合は緑色で表示されることとすればよい。これにより、いずれの特別図柄の表示かを区別することができる。
なお、実施形態1では特別図柄表示装置61は1桁であるが、例えば、特別図柄表示装置61を2桁として左側の桁(十の位)が第1特別図柄とし、右の桁(一の位)が第2特別図柄を表示することとしても、これにより、第1特別図柄の表示および第2特別図柄の表示について互いに異なる色とせずとも、いずれの特別図柄の表示かを区別することができる。
特別図柄表示装置61において、停止表示された第1特別図柄または第2特別図柄が特定の態様(「大当り」の態様)である場合には、遊技状態が、通常遊技状態から遊技者に有利な状態である大当り遊技状態に移行する。すなわち、特別図柄表示装置61において、第1特別図柄または第2特別図柄が大当り遊技状態に移行する態様で停止表示されることが、「大当り」である。また、特別図柄表示装置61において、停止表示された第2特別図柄が「小当り」の態様である場合には、羽根部材53aが開放状態となる。なお、上述したように、第1始動口44に入賞しても、「小当り」に当選することはない。
大当り遊技状態では、第1大入賞装置54が開放状態になる。具体的には、実施形態1では、遊技球が第1始動口44または第2始動口45に入賞し、特別図柄表示装置61において第1特別図柄または第2特別図柄が特定の態様で停止表示された場合には、第1大入賞装置54が開放状態となる。
第1大入賞装置54の開放状態は、遊技球が所定個数入賞するまで、または、一定期間が経過するまで維持される。また、大当り遊技状態には複数種類あり、第1大入賞装置54の開放時間は一定ではなく、各種類によって様々である。第1大入賞装置54の開放状態の経過期間が、このいずれかの条件を満たすと、開放状態であった大入賞口が閉鎖状態になる。
以下では、第1大入賞装置54が遊技球を受け入れやすい状態(開放状態)となっている遊技をラウンドゲームという。ラウンドゲーム間は、第1大入賞装置54は閉鎖状態となる。
また、ラウンドゲームは、1ラウンド、2ラウンド等のラウンド数として計数される。例えば、1回目のラウンドゲームを第1ラウンド、2回目のラウンドゲームを第2ラウンドと称する。
すなわち、特別図柄ゲームは、特別図柄表示装置61により、特別図柄が変動表示され、その後、特別図柄が停止表示され、その結果によって遊技状態が移行または維持されるゲームである。
また、実施形態1のパチンコ遊技機1では、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示中に遊技球が第1始動口44に入賞した場合、該入賞に対応する第1特別図柄の可変表示(保留球)が保留される。
そして、現在、変動表示中の第1特別図柄または第2特別図柄が停止表示されると、保留されていた第1特別図柄の変動表示が開始される。実施形態1では、保留される第1特別図柄の可変表示の数(いわゆる、「保留個数(保留球の個数)」)を、最大4回(個)に規定する。
さらに、実施形態1では、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示中に遊技球が第2始動口45に入賞した場合、該入賞に対応する第2特別図柄の可変表示(保留球)が保留される。
そして、現在、変動表示中の第1特別図柄または第2特別図柄が停止表示されると、保留されていた第2特別図柄の変動表示が開始される。実施形態1では、保留される第2特別図柄の可変表示の数(保留個数)を、最大4回(個)に規定する。したがって、実施形態1では、特別図柄の可変表示の保留個数は、合わせて最大8個となる。
また、実施形態1では、第1特別図柄の保留球および第2特別図柄の保留球が混在した場合、一方の特別図柄の変動表示を、他方の特別図柄の変動表示よりも優先的に実行する。なお、本発明はこれに限定されず、第1特別図柄の保留球および第2特別図柄の保留球が混在した場合、保留された順番に特別図柄の変動表示を実行するようにしてもよい。なお、第2特別図柄については、保留がなされないこととしてもよい。
[普通図柄表示装置]
普通図柄表示装置62は、図3に示すように、液晶表示装置13の表示領域13aの上部の略中央に配置される。そして、実施形態1では、普通図柄表示装置62は、遊技者側から見て、特別図柄表示装置61の右側に配置される。
普通図柄表示装置62は、普通図柄ゲームにおいて、普通図柄を可変表示(変動表示および停止表示)する表示装置である。実施形態1では、図3に示すように、普通図柄表示装置62を、上下方向に配列された2つのLED(普通図柄表示LED)により構成する。そして、普通図柄表示装置62では、各普通図柄表示LEDの点灯・消灯によって構成される表示パターンを普通図柄として表す。
普通図柄表示装置62は、遊技球が球通過検出器43を通過したことを契機に、2つの普通図柄表示LEDを交互に点灯・消灯して、普通図柄の変動表示を行う。そして、普通図柄表示装置62は、所定時間、普通図柄の変動表示を行った後、普通図柄の停止表示を行う。
普通図柄表示装置62において、停止表示された普通図柄が所定の態様(「当り」の態様)である場合には、普通電動役物46が所定の期間だけ閉鎖状態から開放状態になる。一方、停止表示された普通図柄が所定の態様以外の態様(「ハズレ」の態様)である場合には、普通電動役物46は閉鎖状態を維持する。実施形態1では、普通図柄が「当り」の態様である場合は、普通電動役物46が閉鎖状態から開放状態を経て再び閉鎖状態となる動作を3回連続で行う。また、開放状態の時間は1.5秒である。
また、普通図柄ゲームにおける抽選は、「時短遊技状態」においては高確率であり、それ以外の場合は低確率である。実施形態1では、低確率の場合は当選することがなく、高確率の場合はすべて当選である。なお、この場合の抽選において、低確率の場合は乱数値を取得するが当選しないことにしてもよいし、低確率の場合は抽選自体を行わないこととしてもよい。
すなわち、普通図柄ゲームは、普通図柄表示装置62により、普通図柄が変動表示されて、その後、普通図柄が停止表示され、その結果に応じて普通電動役物46が動作するゲームである。
なお、普通図柄の変動表示中に遊技球が球通過検出器43を通過した場合には、普通図柄の可変表示が保留される。そして、現在、変動表示中の普通図柄が停止表示されると、可変表示が保留されていた普通図柄の変動表示が開始される。実施形態1では、保留される普通図柄の可変表示の数(すなわち、「保留個数」)を、最大4回(個)に規定する。
[普通図柄保留表示装置]
普通図柄保留表示装置63は、図3に示すように、液晶表示装置13の表示領域13a
の上部の略中央に配置される。そして、実施形態1では、普通図柄保留表示装置63は
、特別図柄表示装置61および普通図柄表示装置62の下方に配置される。
普通図柄保留表示装置63は、普通図柄の可変表示の保留個数を表示する装置である。実施形態1では、図3に示すように、普通図柄保留表示装置63を、左右方向に配列された4つのLED(普通図柄保留表示LED)により構成する。そして、普通図柄保留表示装置63では、各普通図柄保留表示LEDの点灯・消灯により、普通図柄の可変表示の保留個数を表示する。
具体的には、普通図柄の可変表示の保留個数が1個である場合、遊技者側から見て、最も左側に位置する普通図柄保留表示LED(左から1つ目の普通図柄保留表示LED)が点灯し、その他の普通図柄保留表示LEDが消灯する。
普通図柄の可変表示の保留個数が2個の場合には、左から1つ目および2つ目の普通図柄保留表示LEDが点灯し、その他の普通図柄保留表示LEDが消灯する。普通図柄の可変表示の保留個数が3個の場合は、左から1つ目〜3つ目の普通図柄保留表示LEDが点灯し、その他の普通図柄保留表示LEDが消灯する。そして、普通図柄の可変表示の保留個数が4個の場合には、全ての普通図柄保留表示LEDが点灯する。
[第1特別図柄保留表示装置]
第1特別図柄保留表示装置64は、図3に示すように、液晶表示装置13の表示領域13aの上部において、遊技者側から見て、特別図柄表示装置61の左方に配置される。
第1特別図柄保留表示装置64は、保留されている第1特別図柄の可変表示(第1特別図柄の保留球)に関する情報を表示する装置である。実施形態1では、図3に示すように、第1特別図柄保留表示装置64は、第1特別図柄保留個数表示部64aと、第1特別図柄保留情報表示部64bとで構成される。
そして、第1特別図柄保留情報表示部64bは、特別図柄表示装置61の左方に配置され、第1特別図柄保留個数表示部64aは、第1特別図柄保留情報表示部64bの左方に配置される。
第1特別図柄保留個数表示部64aは、左右方向に配列された4つのLED(第1特別図柄保留表示LED)を有する。なお、第1特別図柄保留個数表示部64aの表示態様は、普通図柄保留表示装置63の表示態様と同様である。
すなわち、第1特別図柄の可変表示が保留されている場合には、遊技者側から見て、最も左側に位置する第1特別図柄保留表示LEDから保留個数目までの第1特別図柄保留表示LEDが点灯する。
また、第1特別図柄保留情報表示部64bは、第1特別図柄の保留球に関する情報を表示する。例えば、第1特別図柄保留情報表示部64bは、次に変動表示させる第1特別図柄の保留球に関する情報(識別情報)を数字や記号等からなる図柄で表示する。
なお、第1特別図柄保留表示装置64の構成は、図3に示す例に限定されず、少なくとも第1特別図柄の可変表示の保留個数を表示できる構成であれば、任意に構成することができる。
[第2特別図柄保留表示装置]
第2特別図柄保留表示装置65は、図3に示すように、液晶表示装置13の表示領域13aの上部において、遊技者側から見て、普通図柄表示装置62の右方に配置される。
第2特別図柄保留表示装置65は、保留されている第2特別図柄の可変表示(第2特別図柄の保留球)に関する情報を表示する装置である。実施形態1では、図3に示すように、第2特別図柄保留表示装置65は、第2特別図柄保留個数表示部65aと、第2特別図柄保留情報表示部65bとで構成される。
そして、第2特別図柄保留情報表示部65bは、普通図柄表示装置62の右方に配置され、第2特別図柄保留個数表示部65aは、第2特別図柄保留情報表示部65bの右方に配置される。
第2特別図柄保留個数表示部65aは、左右方向に配列された4つのLED(第2特別図柄保留表示LED)を有する。なお、第2特別図柄保留個数表示部65aの表示態様は、普通図柄保留表示装置63の表示態様と同様である。
すなわち、第2特別図柄の可変表示が保留されている場合には、遊技者側から見て、最も左側に位置する第2特別図柄保留表示LEDから保留個数目までの第2特別図柄保留表示LEDが点灯する。
また、第2特別図柄保留情報表示部65bは、第2特別図柄の保留球に関する情報を表示する。例えば、第2特別図柄保留情報表示部65bは、次に変動表示させる第2特別図柄の保留球に関する情報(識別情報)を数字や記号等からなる図柄で表示する。
なお、第2特別図柄保留表示装置65の構成は、図3に示す例に限定されず、少なくとも第2特別図柄の可変表示の保留個数を表示できる構成であれば、任意に構成することができる。
[液晶表示装置]
液晶表示装置13は、上述したように液晶で構成され、その表示領域13aにおいて各種演出表示を行う。
具体的には、実施形態1では、特別図柄表示装置61に表示される特別図柄と関連する演出画像が表示領域13aに表示される。この際、例えば、特別図柄表示装置61において特別図柄が変動表示中であるときには、特定の場合を除いて、例えば、1〜8までの数字や各種文字などからなる複数の演出用識別図柄(装飾図柄)が表示領域13aに変動表示される。
そして、特別図柄表示装置61において特別図柄が停止表示されると、表示領域13aにも、特別図柄に対応する複数の装飾図柄(後述の液晶図柄揃い目等)が停止表示される。
そして、特別図柄表示装置61において停止表示された特別図柄が特定の態様である(停止表示の結果が「大当り」である)場合には、「大当り」であることを遊技者に把握させるための演出画像が表示領域13aに表示される。
「大当り」であることを遊技者に把握させるための演出としては、例えば、まず、停止表示された複数の装飾図柄が特定の態様(例えば、同一の装飾図柄が所定の方向に沿って並ぶ態様)となり、その後、「大当り」を報知する画像を表示するような演出が挙げられる。
また、実施形態1では、液晶表示装置13の表示領域13aに、第1特別図柄保留表示装置64および第2特別図柄保留表示装置65の表示内容と関連する演出画像が表示される。例えば、表示領域13aには、特別図柄の可変表示の保留個数を報知する保留情報(例えば、保留個数と同じ数の保留用図柄)が表示される。なお、特別図柄の保留球の情報に基づいて、周知技術であるいわゆる先読み演出を行う場合には、この際の予告報知が表示領域13aに表示されてもよい。
また、実施形態1では、普通図柄表示装置62において停止表示された普通図柄が所定の態様であった場合に、その情報を遊技者に把握させる演出画像を液晶表示装置13の表示領域13aに表示させる機能をさらに設けてもよい。
[報知演出]
詳しくは後述するが、実施形態1では、一定の条件を満たすことにより、遊技球がV入賞口57に入賞して、「V当り」となった場合に実行される遊技状態についての報知が、この「V当り」の契機となる小当りに当選した際に実行される。この報知は、液晶表示装置13の表示領域13aに演出画像が表示されることにより行われる。これにより、遊技者は、当該報知に基づいて遊技球の発射操作を行うことにより、有利な遊技状態が実行されるようにすることが可能である。具体的には、報知内容に応じて、「V当り」となるように第2大入賞装置53内に遊技球が入るような発射操作を行う、あるいは、「V当り」とならないように第2大入賞装置53内に遊技球が入らないような発射操作を行うことが可能である。
[払出ユニットの概略構成]
次に、図5および図6を参照して、実施形態1の払出ユニット16について説明する。図5は、払出ユニット16の全体的な構成を示す図であり、パチンコ遊技機1を背面側から見た図である。また、図6は、後述する払出装置としての賞球ケースユニット170の構成を示す図である。
図5に示すように、払出ユニット16は、遊技機上部の貯留ユニット(図示せず)から遊技球が供給され、その供給された遊技球を貯留する球貯留タンクとしての球タンク161と、球タンク161と連通するよう球タンク161に連結された球タンク下通路162と、遊技球をパチンコ遊技機1の外部、すなわち上皿21または下皿22に払出す等、遊技球の払出を管理可能な賞球ケースユニット170とを備える。
また、球タンク161および球タンク下通路162の下部であって、賞球ケースユニット170と並列するようにして、払出制御回路300を含む各種制御基板が組み込まれた基板ユニット17が配置されている。
ここで、上述した貯留ユニット(図示せず)は、例えばパチンコ遊技機1の球タンク161に遊技球を供給するために設置されたホール(遊技場)の付帯設備としての補給装置である。払出ユニット16において、貯留ユニットから供給された遊技球は、球タンク161、球タンク下通路162を通じて賞球ケースユニット170に誘導され、貯留されるようになっている。
図6に示すように、賞球ケースユニット170は、上述した遊技領域12a(図3参照)に設けられた複数の入賞口としての第1始動口44、第2始動口45、一般入賞口51、一般入賞口52、第1大入賞装置54および第2大入賞装置53のいずれかに遊技球が入賞したことを条件に球タンク161内から遊技球を後述する払出通路180に払出すものである。払出通路180は、賞球ケースユニット170の最下部に配置されている。
この賞球ケースユニット170は、第1の球供給通路171Aと、補給検出手段としての第1の15球担保スイッチ172Aと、移動手段としての第1のスプロケット173Aとを備える。ここで、賞球ケースユニット170は、図6では一部を除き省略されているが、上述した第1の球供給通路171A、第1の15球担保スイッチ172Aおよび第1のスプロケット173Aと同一の構成の第2の球供給通路171B、第2の15球担保スイッチ172Bおよび移動手段としての第2のスプロケット173Bが図6の紙面方向(パチンコ遊技機1の前後方向)の奥側に配置されている。
つまり、賞球ケースユニット170は、球供給通路171、15球担保スイッチ172およびスプロケット173を2列備えた構造をとる。
ただし、第1のスプロケット173Aと第2のスプロケット173Bとは、互いに位相を60°ずらして配置されている。以下の説明において、特に明記しない場合には、第1の球供給通路171Aおよび第2の球供給通路171Bを総称して「球供給通路171」といい、第1の15球担保スイッチ172Aおよび第2の15球担保スイッチ172Bを総称して「15球担保スイッチ172」といい、第1のスプロケット173Aおよび第2のスプロケット173Bを総称して「スプロケット173」というものとする。
また、払出通路180も実際には、第1の払出通路180Aと第2の払出通路180Bとを有する2列構造である。ただし、以下において、特に明記しない場合には、第1の払出通路180Aおよび第2の払出通路180Bを総称して「払出通路180」というものとする。
球供給通路171は、球タンク下通路162を介して球タンク161と連通し、球タンク161から球タンク下通路162を介して遊技球が補給されるようになっている。球供給通路171は、球タンク161から補給された遊技球を規定個数(実施形態1では15個)まで蓄積可能となっている。なお、実際には、第1の払出通路180Aおよび第2の払出通路180Bの2列構造であるため、これら通路で合計30個の遊技球を蓄積可能である。
15球担保スイッチ172は、球供給通路171内に補給された遊技球を検出するものである。具体的には、15球担保スイッチ172は、遊技球が補給される(通過する)たびに球検知遮蔽板172aが検知センサ172bに検知されることで、遊技球が補給されていることを検出する。
したがって、球供給通路171内に蓄積された遊技球が不足、つまり15個に満たない場合には、球検知遮蔽板172aが作動し検知センサ172bの検知領域から外れることで、球供給通路171内に規定個数(実施形態1では15個)が蓄積されていないことが検出される。
また、この15球担保スイッチ172は、遊技球が補給されていることを検出している間はON状態とされる。なお、図6では、15球担保スイッチ172が補給された遊技球を検出している状態を示している。
また、この15球担保スイッチ172は、球供給通路171内に補給された遊技球が、15球担保スイッチ172上を通過していることを検出している間はON状態とされる、という機能を備えており、「遊技球が補給される」とは、15球担保スイッチ172が球供給通路171内を遊技球が通過、および遊技球が球供給通路171内に存在することを検知することで、遊技球が連なっているという前提のもと、球供給通路171内を遊技球が規定個数存在することを担保していることを含んでいる。
スプロケット173は、ステッピングモータで構成された駆動手段としての払出モータ174に接続され、後述する払出モータ174の駆動に応じて図中、時計回り方向に回転するようになっている。スプロケット173は、球供給通路171内に蓄積された遊技球を1球ずつ受け入れ、払出モータ174が所定ステップ数だけ駆動することにより回転し、払出通路180に1球ずつ移動させる、すなわち払出すようになっている。
上記に加えて、スプロケット173は、払出モータ174が所定ステップ数だけ駆動することにより回転し、結果的に球供給通路171内に蓄積された遊技球を1球ずつ受け入れ可能な回転となるといった、払出モータ174の回転に依存する形態をも含みえるものである。
つまり、払出モータ174によってスプロケット173は1球ずつ受け入れ可能な回転を行うとともに1球ずつ払出すとも表現できるし、払出モータ174が所定の回転を行った結果、結果的にスプロケット173が1球ずつ受け入れ、1球ずつ払出したとも表現することができる。
また、スプロケット173は回転することを前提としているが、これに限られるものではなく、スプロケット173を板状として、払出通路180に対して平行、および垂直に可動、または駆動するようなスライド式であってもよいし、スプロケット173の形状も遊技球を所定個数ずつ受け入れ、払出可能であればどのような形状であってもよい。
なお、払出モータ174は、第1のスプロケット173Aと第2のスプロケット173Bとで共通のものを用いる。実施形態1におけるスプロケット173および払出モータ174は、球供給通路171内を通過した遊技球を移動可能な遊技球制御手段、払出手段を構成する。
また、第1の払出通路180Aおよび第2の払出通路180Bには、それぞれ第1の計数スイッチ181Aおよび第2の計数スイッチ181Bが設けられている。ただし、以下において、特に明記しない場合には、第1の計数スイッチ181Aおよび第2の計数スイッチ181Bを総称して「計数スイッチ181」というものとする。
計数スイッチ181は、スプロケット173により払出通路180に払出された遊技球を検出するものである。実施形態1における計数スイッチ181は、払出検出手段を構成する。
また、球供給通路171の最上部近傍には、球抜きシャッタ175が設けられている。球抜きシャッタ175が図中時計回り方向に回動させられると、球供給通路171が開放され、球供給通路171の上部に蓄積されている遊技球が球抜き通路176を介して排出されるようになっている。球抜きシャッタ175は、通常時、ロックされた状態であり、例えば球タンク161に貯留された遊技球を排出する際に使用される。
[実施形態1の変形例1]
次に、実施形態1の変形例1について説明する。パチンコ遊技機1は、実施形態1の遊技盤12や遊技盤12に設けられた構成に加え、又は、これらの構成の代わりに、以下に説明する、遊技盤120や遊技盤120に設けられた構成を備えることができる。
図7は、本発明の実施形態1の変形例1に係るパチンコ遊技機の遊技盤の構成を示す正面図である。図8は、本発明の実施形態1の変形例1に係る遊技盤の分解斜視図である。ここで、遊技者は、後述する遊技盤120の遊技領域120aに対面して遊技を行う。遊技盤120の説明において、「前面側」とは、遊技者側(図8に示す前面側)であることを意味し、「背面側」とは、遊技者と反対側(図8に示す背面側)であることを意味する。また、「右」とは、遊技者から視て(図8に示す前面側から視て)右であることを意味し、「左」とは、遊技者から視て(図8に示す前面側から視て)左であることを意味する。
図8に示すように、変形例1に係る遊技盤120は、前面側に配置され、パネル開口部500aが形成されたパネル本体500と、パネル本体500のパネル開口部500aに嵌合されるセンター台板600と、パネル本体500の背面側に配置されるリアボックス700と、を備える。
パネル本体500は、前面に遊技球が転動可能な遊技領域120aが形成され、この遊技領域120aにおいて、パネル開口部500aの下方に第2始動口入賞装置510が設けられている。
センター台板600は、環形状に形成され、パネル本体500の遊技領域120aに連なる遊技領域120aが形成されている。センター台板600には、この遊技領域120aにおいて、第2大入賞装置610が設けられ、環形状の内側に移動可能な第1可動役物620が設けられている。
リアボックス700には、パネル本体500のパネル開口部500aと重なる位置に、略四角形状のボックス開口部700aが形成され、ボックス開口部700aの下方に第2可動役物710が設けられ、ボックス開口部700aの4隅近傍にそれぞれ4つの第3可動役物(左上第3可動役物720、右上第3可動役物730、左下第3可動役物740、右下第3可動役物750)が設けられ、ボックス開口部700aの上方に第4可動役物760が設けられている。
第2始動口入賞装置510、第2大入賞装置610、第1可動役物620、第2可動役物710、第3可動役物(左上第3可動役物720、右上第3可動役物730、左下第3可動役物740、右下第3可動役物750)又は第4可動役物760は、実施形態1の変形例1の遊技盤120に設けられた構成として説明するが、これらの構成は、実施形態1から4のいずれのパチンコ遊技機1の任意の位置に設けることができる。
(変形例1の第2始動口入賞装置)
図9は、本発明の実施形態1の変形例1に係るパチンコ遊技機の第2始動口入賞装置の構成を説明する図であり、図9(a)は入賞可能な状態の第2始動口入賞装置を示す図であり、図9(b)は入賞不可能な状態の第2始動口入賞装置を示す図である。図9は、第2始動口入賞装置を側面から視た図である。
図9(a)に示すように、入賞装置としての第2始動口入賞装置510は、遊技領域120aを転動する遊技球が入球可能であり、パネル本体500に形成された入賞装置用開口500bの前面側に配置された前飾り511と、前飾り511とパネル本体500との間に形成され遊技領域120aを転動する遊技球が入球可能な入球口512と、電チューユニット513と、を備える。電チューユニット513は、パネル本体500の背面に固定された第2始動口入賞装置ボックス(図示無し)の内部に、入賞検知手段514と、第1可動片515と、第2可動片516と、駆動手段517と、連動部材としてのリンク部材518と、を備える。
入賞検知手段514は、入球口512に入球した遊技球が所定領域514aを通過したことを検知可能である。入賞検知手段514には、第2始動口入賞球スイッチ45a(後述の図33参照)が設けられる。
第1可動片515は、入球口512の下方において、第2始動口入賞装置ボックス(図示無し)に、前面側又は背面側にスライド移動可能に設けられている。第1可動片515は、所定の駆動条件が成立したこと(例えば、図3に示す普通図柄表示装置62において、停止表示された普通図柄が所定の態様(「当り」の態様)である場合)に基づいて、遊技球を入賞検知手段514の所定領域514aへと誘導可能な第1誘導可能状態(図9(a)に示す状態)と、誘導不可能な第1誘導不可能状態(図9(b)に示す状態)とに駆動可能である。なお、所定の駆動条件の成立は、図3に示す特別図柄表示装置61において、停止表示された特別図柄が所定の態様(「当り」の態様)である場合であってもよい。また、第2始動口入賞装置510は入賞装置の一例であり、第2始動口入賞装置510と同様の構成を備える入賞装置のうち、入賞検知手段514に遊技球が検知されたことが普通図柄の始動条件であった場合には、この入賞装置は普通電動役物を有した入賞口として機能し、入賞検知手段514に遊技球が検知されたことが特別図柄の始動条件であった場合には、この入賞装置は特別電動役物を有した入賞口として機能する。
第1可動片515は、遊技球を入賞検知手段514の方向へ導く誘導面515aと、誘導面515aに連なり、前面側に上り傾斜して延び、第1誘導可能状態において前面側に突出し、遊技球を受ける受け面515bと、を備える。
第2可動片516は、入球口512の下方であって、第1可動片515よりも上方(図9(a)中上側)において、第2始動口入賞装置ボックス(図示無し)に、前面側又は背面側にスライド移動可能に設けられている。第2可動片516は、所定の駆動条件が成立したこと(例えば、図3に示す普通図柄表示装置62において、停止表示された普通図柄が所定の態様(「当り」の態様)である場合)に基づいて、誘導不可能な第2誘導不可能状態(図9(b)に示す状態)から、第1可動片515へ遊技球を誘導可能な第2誘導可能状態(図9(a)に示す状態)に駆動可能である。
第2可動片516は、第1可動片515の受け面515bに接する遊技球と当接し、第1可動片515の誘導面515aと接する遊技球とは当接しない遊技球当接部516aを備える。即ち、第2可動片516の遊技球当接部516aの下端(遊技球当接部516aのうち、第1可動片515に最も近い部分)と第1可動片515の誘導面515aとの距離は、遊技球の直径と略同じ寸法である。
図10は、本発明の実施形態1の変形例1に係るパチンコ遊技機の遊技球当接部の構成を説明する図であり、図10(a)は変形例1の遊技球当接部を示す図であり、図10(b)は変形例2の遊技球当接部を示す図であり、図10(c)は変形例3の遊技球当接部を示す図である。図10は、遊技球当接部を側面から視た図である。
図10(a)に示すように、変形例1の遊技球当接部516aは、第2可動片516の前面側端部に設けられ、下方に延び、前面側の面が垂直面であり、背面側の面において、下端に向かって背面側から前面側に傾斜する傾斜面516a’が形成されている。このように、背面側の面に傾斜面516a’を形成することで、例えば、第2可動片516が、上下に微動可能であり、第2誘導可能状態(図9(a)に示す状態)から第2誘導不可能状態(図9(b)に示す状態)に駆動するとき、遊技球当接部516aより背面側で第1可動片515を転がる遊技球を乗り越え易くなる(入賞検知手段514(図9参照)と逆の方向へ導き易くなる)。
図10(b)に示すように、変形例2の遊技球当接部516bは、第2可動片516Aの前面側端部に設けられ、下方に延び、前面側の面において、下端に向かって前面側から背面側に傾斜する傾斜面516b’が形成され、背面側の面が垂直面である。このように、前面側の面に傾斜面516b’を形成することで、例えば、第2可動片516Aが、上下に微動可能であり、第2誘導可能状態(図9(a)に示す状態)から第2誘導不可能状態(図9(b)に示す状態)に駆動するとき、遊技球当接部516bより前面側において、第1可動片515を転がる遊技球を乗り越え易くなる(入賞検知手段514(図9参照)の方向へ導き易くなる)。
図10(c)に示すように、変形例3の遊技球当接部516cは、第2可動片516Bの前面側端部に設けられ、下方に延び、前面側の面において、下端に向かって前面側から背面側に傾斜する傾斜面516b’が形成され、背面側の面において、下端に向かって背面側から前面側に傾斜する傾斜面516a’が形成されている。このように、前面側の面に傾斜面516b’を形成し、背面側の面に傾斜面516a’を形成することで、上記変形例1の傾斜面516a’の作用効果に、上記の変形例2の傾斜面516b’による作用効果が加わり、遊技球の帰趨がより流動的となり、遊技球による演出効果を向上することもできる。
駆動手段517は、例えば、ソレノイドで構成され、第2可動片516の背面側に設けられ、第2可動片516の後端近傍に接続されたピストン517aを、所定の駆動条件が成立したこと(例えば、図3に示す普通図柄表示装置62において、停止表示された普通図柄が所定の態様(「当り」の態様)である場合)に基づいて背面側に引き込み、所定の終了条件が成立したこと(例えば、図3に示す普通図柄表示装置62において、停止表示された普通図柄が所定の態様(「当り」の態様)となってから所定時間経過した場合)に基づいて前面側に押し出す。なお、駆動手段517は、第1可動片515の背後に設け、第1可動片515の後端近傍にピストン517aを接続してもよい。
リンク部材518は、一端から他端まで延び、一端側が第1可動片515と回動自在に係合し、他端側が第2可動片516と回動自在に係合し、一端側と他端側の間に支点518aを有し、他端側及び一端側が駆動手段517の駆動により、支点518aを中心に回動する。
このように、第1可動片515と第2可動片516とをリンク部材518の一端側と他端側に係合させ、リンク部材518を支点518aを中心に回動させることで、第1可動片515が第1誘導不可能状態から第1誘導可能状態へ駆動するときに、第2可動片516が第2誘導不可能状態から第2誘導可能状態へ駆動し、第1可動片515によって遊技球を所定領域514aへ誘導可能となる。また、第1可動片515が第1誘導可能状態から第1誘導不可能状態へ駆動するときに、第2可動片516が第2誘導可能状態から第2誘導不可能状態へ駆動するので、第1可動片515による所定領域514aへの遊技球の誘導を、第2可動片516により遮ることが可能となる。
具体的には、駆動手段517は、所定の駆動条件が成立したことに基づいて、ピストン517aを背面側に引き込む。すると、リンク部材518が所定方向に回動し、第1可動片515は第1誘導不可能状態から第1誘導可能状態へ駆動し、第2可動片516は第2誘導不可能状態から第2誘導可能状態へ駆動し、図9(a)に示す状態となる。
一方、駆動手段517は、所定の終了条件が成立したことに基づいて、ピストン517aを前面側に押し出す。すると、リンク部材518が所定方向と反対方向に回動し、第1可動片515は第1誘導可能状態から第1誘導不可能状態へ駆動し、第2可動片516は第2誘導可能状態から第2誘導不可能状態へ駆動し、図9(b)に示す状態となる。
このとき、第1可動片515に接している遊技球のうち、誘導面515aまで流下した遊技球は第2可動片516の遊技球当接部516aに当接することなく所定領域514aに導かれるが、受け面515bと接している遊技球は第2可動片516の遊技球当接部516aに当接し、所定領域514aへの誘導が遮られる。
以上のような実施形態1の変形例1に係るパチンコ遊技機1の第2始動口入賞装置510によれば、以下の作用効果を奏する。第2始動口入賞装置510によれば、第1可動片515が第1誘導可能状態から第1誘導不可能状態へ駆動するときに、第2可動片516が第2誘導可能状態から第2誘導不可能状態へ駆動するため、第1誘導可能状態から第1誘導不可能状態への駆動開始時点において、第1可動片515が遊技球を入賞検知手段514により検知される所定領域に誘導している最中であったとしても、第1可動片515に誘導されている遊技球を第2可動片516が所定領域まで誘導させないことも可能となる。これにより、例えば、所定個数の遊技球が入賞した場合に、第1誘導可能状態と第1誘導不可能状態を切り替えるような遊技機においても、所定個数を超えて入賞することを防止することが可能となる。したがって、遊技機の賞球に関する性能を正確に計算することが可能となり、遊技者と遊技場における利益のバランスを正確に管理することが可能なる。
また、第1可動片515及び第2可動片516を共にリンク部材518に係合させることで、例えば、1つの駆動手段517で一方の可動片を駆動させれば、他方の可動片も駆動させることができる。また、リンク部材518を用いることで、例えば、駆動手段517で駆動する第1可動片515しか備えない遊技機に、更に、第2可動片516を加える場合、別の駆動手段を設けることなく、この第2可動片516を第1可動片515と連動して駆動させることができる。これにより、入賞装置を簡易に設計し、交換することが可能となる。
また、第1可動片515と第2可動片516がリンク部材518により連動する構成であるため、例えば、不具合によって、第1可動片515が第1誘導可能状態から第1誘導不可能状態への駆動中に止まったときに、第1可動片515だけだと遊技球を拾い続け、この遊技球が入賞検知手段514により検知される所定領域へ誘導されてしまうことも考えられるが、第2可動片516を備えることで、第2可動片516により、遊技球が所定領域に誘導されてしまうのを、ある程度防ぐことが可能となる。したがって、遊技機の賞球に関する性能をより正確に計算することが可能となり、遊技者と遊技場における利益のバランスをより正確に管理することが可能なる。
(変形例1の第2大入賞装置)
図11は、本発明の実施形態1の変形例1に係るパチンコ遊技機の第2大入賞装置の構成を説明する図である。可変入賞装置としての第2大入賞装置610は、前飾りセット611と、第1可動部材としてのVシャッター612と、複数の第1通過検知手段としての右賞球センサ613及び左賞球センサ614と、第2可動部材としてのVベロ615と、第2通過検知手段としてのV入賞センサ616と、第3通過検知手段としての排出センサ617と、を備える。なお、以下の説明では第2大入賞装置610を、第2大入賞装置として説明するが、これに限らす、第2大入賞装置610と同様の構成を、第1大入賞装置、始動口としての始動口装置、一般入賞口としての一般入賞口装置等に適用することができる。また、例えば、第2大入賞装置610と同様の構成を、始動口装置に適用した場合、V入賞センサ616の代わりに第1始動口入賞球スイッチ44a(後述の図33参照)や第2始動口入賞球スイッチ45a(後述の図33参照)を設けてもよい。また、例えば、第2大入賞装置610と同様の構成を、一般入賞口装置に適用した場合、V入賞センサ616の代わりに通過球スイッチ43a(後述の図33参照)を設けてもよい。
前飾りセット611は、センター台板600の前面側であって、遊技領域120aに設けられている。図12は、本発明の実施形態1の変形例1に係るパチンコ遊技機の前飾りセットを背面側から視た斜視図である。
前飾りセット611は、センター台板600(図11参照)の前面から所定寸法離れた位置に配置される前板611aと、センター台板600から前板611aまで延びる側壁611bと、最上部において側壁611bが設けられず、Vシャッター612(図11参照)が配置される特定領域611cと、最上部近傍において前板611aからセンター台板600方向へ突出し、Vシャッター612と右賞球センサ613(図11参照)との間に設けられた接触部材611dと、を備える。
接触部材611dの突出した先端とセンター台板600の前面との間は、遊技球が通過可能である。接触部材611dは、特定領域611cを通過した遊技球と接触可能である。また、接触部材611dは、特定領域611cの略右半分の範囲に設けられている。詳しくは後述するが、特定領域611cの右側下方には右賞球センサ613が設けられ、特定領域611cの左側下方には左賞球センサ614が設けられている。即ち、接触部材611dは、右賞球センサ613の上方に設けられ、左賞球センサ614の上方には設けられていない。
また、前飾りセット611は、特定領域611cの下方において、側壁611bにより形成された振り分け部611eと、前板611a及び側壁611bにより形成された空間であり、特定領域611cを通過した遊技球を案内する案内通路として機能する第1案内通路611f、第2案内通路611g及び第3案内通路611hと、を有する。
所定領域の一例である第1案内通路611fは、Vベロ615とV入賞センサ616との間に設けられている。この第1案内通路611fには、第1案内通路611fを通過する遊技球の転動速度を減速可能な減速部611jが配されている。ここで、本実施形態における、減速部611jは、Vベロ615とV入賞センサ616との間に設けられており、第1案内通路611fを通過した遊技球がV入賞センサ616へと到達する前に遊技球の転動速度を減衰(減速)することを可能とする機能を有する部材であり、このような機能を有すれば、その形状はリブ、湾曲した通路等であってもよい。即ち、減速部611jは、転動している遊技球の転動速度を減衰する機能を有していれば、本実施形態の構成に限定されるものではなく、例えば、遊技盤12から前方に突出するリブや、前飾りセット611の前板611aから遊技盤12に向かって突出するリブや、第2大入賞装置610が設けられている遊技領域120aに形成された遊技球の転動方向を誘導可能な湾曲した通路(湾曲部)や、風車や、振り分け弁を含む構造体等の任意の構成とすることができる。このような減速部611jにて一時的に遊技球の転動速度を落とすことで、遊技者の意識を遊技球に集中させ、その後に、遊技者に対して有利な遊技状態を付与可能なV入賞センサ616をこの遊技球が通過するので、V入賞センサ616を通過する遊技球に対する演出効果を高めることが可能となる。また、第1案内通路611f内には、前板611aからセンター台板600方向へ突出し、第1案内通路611fに沿って延び、第1案内通路611fを流下する遊技球が接触可能な通路突出部611kが設けられている。このような通路突出部611kを設けることで、第1案内通路611fを流下する遊技球が、第1案内通路611f内において、単に流下する場合に比べ、通路突出部611kに接触しながら流下し、より複雑に動き、遊技球による演出性が向上する。
図11に示すように、振り分け部611eは、左右方向の略中央を頂点として、左右に下り傾斜する山形状に形成されている。第1案内通路611fは、振り分け部611eの一方(図12中左側)の裾より下方に延び、中間部分にVベロ615が配置されている。第2案内通路611gは、振り分け部611eの他方(図12中右側)の裾より下方に延びる。第3案内通路611hは、一端が第1案内通路611fのVベロ615より上に接続され、下り傾斜して、他端が第2案内通路611gに接続されている。また、前飾りセット611は、透明な素材で形成され、少なくとも第1案内通路611f、第2案内通路611g及び第3案内通路611hによって案内される遊技球の一部を視認可能である。
図13は、本発明の実施形態1の変形例1に係るパチンコ遊技機の第2大入賞装置の前飾りセットを取り外した状態の斜視図である。Vシャッター612は、ソレノイドアクチュエータ(後述の図33中の第2大入賞口ソレノイド53b)により、前面側又は背面側にスライド移動する。Vシャッター612は、特定領域611c(図11参照)に配置され、背面側にスライド移動し、センター台板600の前面より引っ込んだ状態では遊技球が特定領域611cを通過しやすい第1の状態(開放状態)となり、前面側にスライド移動し、センター台板600の前面より突出した状態では遊技球が特定領域611cを通過し難い第2の状態(閉鎖状態)となる。また、Vシャッター612は、前面側から視て左右方向の一方側(例えば、図11に示す例では左側)から他方側(例えば、図11に示す例では右側)に下り傾斜して配置されている。
右賞球センサ613及び左賞球センサ614は、遊技領域120aにおいて、左右方向において、略同じ高さで並列して配置され、カウントスイッチ53c(後述の図33参照)が設けられ、Vシャッター612が第1の状態のときに、第2大入賞装置610内へ入球した遊技球の通過を検知し、遊技者に所定の遊技価値(例えば、所定数の賞球の払い出し)を付与可能である。上記のとおり、Vシャッター612は左右方向において左側から右側に下り傾斜して配置され、右賞球センサ613及び左賞球センサ614は左右方向において略同じ高さで並列して配置されている。即ち、右賞球センサ613とVシャッター612との距離は、左賞球センサ614とVシャッター612との距離よりも短い。なお、本実施形態において、Vシャッター612を左右方向において左側から右側に下り傾斜して配置し、右賞球センサ613及び左賞球センサ614は左右方向において略同じ高さで並列して配置しているが、これに限らず、例えば、Vシャッター612を左右方向において略水平に配置し、右賞球センサ613を左賞球センサ614より高い位置(Vシャッター612により近い位置)に配置してもよい。
Vベロ615は、ソレノイドアクチュエータ(後述の図33中のV入賞口ソレノイド57b)により、前面側又は背面側にスライド移動する。Vベロ615は、左賞球センサ614の下方に配置され、背面側にスライド移動し、センター台板600の前面より引っ込んだ状態では遊技球が第1案内通路611fを通過しやすい第1の状態(開放状態)となり、前面側にスライド移動し、センター台板600の前面より突出した状態では遊技球が第1案内通路611fを通過し難い第2の状態(閉鎖状態)となる。
V入賞センサ616は、遊技領域120aにおいて、Vベロ615の下方に配置され、V入賞口入賞球スイッチ57c(後述の図33参照)が設けられ、Vベロ615が第1の状態の時に、左賞球センサ614を通過した遊技球のうち、第1案内通路611fを通過した遊技球を検知可能であり、遊技球の通過を検知すると遊技者に対して有利な遊技状態(例えば、後述の小当たり中処理(後述の図27参照)による遊技)を付与可能である。
排出センサ617は、遊技領域120aにおいて、右賞球センサ613の下方に配置され、Vベロ615が第2の状態の時に、右賞球センサ613又は左賞球センサ614を通過した遊技球のうち、第1案内通路611fを通過しなかった遊技球を検知可能である。
図11に戻って、第2大入賞装置610の最上部には、特定領域611cが形成され、この特定領域611cにVシャッター612が配置されている。この特定領域611cの下方には、振り分け部611eが配置されている。この振り分け部611eの右裾には右賞球センサ613が配置され、振り分け部611eの左裾には左賞球センサ614が配置されている。即ち、振り分け部611eは、特定領域611cを通過した遊技球を一方の第1通過検知手段である左賞球センサ614と、他方の第1通過検知手段である右賞球センサ613へと振り分け可能である。
左賞球センサ614の下方には、V入賞センサ616に至る第1案内通路611fが形成され、右賞球センサ613の下方には、排出センサ617に至る第2案内通路611gが形成されている。また、第1案内通路611fには、Vベロ615が配置され、Vベロ615の上方において、第2案内通路611gに接続された第3案内通路611hが接続されている。このような構成により、左賞球センサ614を通過した遊技球は、Vベロ615が第1の状態(開放状態)のときに第1案内通路611fを通過可能である。一方、Vベロ615が第2の状態(閉鎖状態)の場合、左賞球センサ614を通過した遊技球は、第3案内通路611hを通り第2案内通路611gに入流し、第2案内通路611gに案内され、排出センサ617で検知可能となる。また、右賞球センサ613を通過した遊技球は、第2案内通路611gに案内され、Vベロ615の状態に関わらず排出センサ617により検出される。
以上のような実施形態1の変形例1に係るパチンコ遊技機1の第2大入賞装置610によれば、以下の作用効果を奏する。第2大入賞装置610によれば、例えば、遊技者は、Vシャッター612が第1状態(例えば、開放状態)のときに、第2大入賞装置610内へ入球した遊技球が、第1案内通路611f、第2案内通路611g又は第3案内通路611hによって案内されるとき少なくとも遊技球の一部が視認可能となる。そして、右賞球センサ613、左賞球センサ614、V入賞センサ616、排出センサ617は、遊技領域120aに設けられているので、遊技領域120aを転動する遊技球を検知可能である。このため、遊技球は、少なくとも各センサによって遊技球が検知される直前まで遊技領域120aを転動可能となる。
よって、遊技者に対して、遊技球が第2大入賞装置610に入球してから各センサに到達するまでの間、遊技球の少なくとも一部を視認可能とすることで、第2大入賞装置610内の遊技球に対する視認性を向上することが可能となる。また、遊技球が各センサによって検知されるまで遊技領域120aを転動することが可能となるため、第2大入賞装置610内でも遊技領域120aを転動する遊技球を利用した演出を行うことが可能となり遊技者に対する演出効果を向上することが可能となる。
また、第1案内通路611f、第2案内通路611g及び第3案内通路611hを遊技領域120a内に設け、右賞球センサ613、左賞球センサ614、V入賞センサ616及び排出センサ617を、遊技領域120aに設けたので、遊技領域120aを第2大入賞装置610の一部として使用可能となるため、例えば、従来のような遊技盤裏側に設けられていた遊技球の通過経路を省略可能となり、可変入賞装置の構成を簡便にすることも可能となる。
また、遊技領域120aを転動する遊技球がV入賞センサ616を通過するときに、遊技領域120aを転動する速度のまま通過してしまうと転動速度が速すぎ、V入賞センサ616が遊技球の通過を正確に検知できないということも考えられ、遊技球の通過をV入賞センサ616が正確に検知するためには、遊技領域120aを転動する遊技球の速度を減速する必要があり、このような遊技球の転動する速度を調節するために減速部611jを使用することが可能となる。したがって、通過検知手段による遊技球の通過を正確に検知することが可能となる。
また、例えば、Vシャッター612よりも上流から下流へと遊技球が転動したときに、下流側にある接触部材611dに遊技球が接触することで遊技球の速度を落とし遊技者の遊技球に対する意識を集めることが可能となる。また、振り分け部611eにより、遊技球を、左賞球センサ614及び右賞球センサ613のいずれかへと振り分け可能となる。そして、左賞球センサ614を通過した遊技球は、遊技者に対して有利な遊技状態を付与可能なV入賞センサ616を通過する可能性があるものの、右賞球センサ613を通過した遊技球は、V入賞センサ616を通らずに排出センサ617を通過する。即ち、振り分け部611eにおける遊技球の転動によって、遊技者にとって有利になるか否かが決まる。
よって、振り分け部611eによって遊技性が向上するとともに、接触部材611dによって遊技性が向上する振り分け部611eの直前で遊技球の転動速度を落とすことも可能となるため、遊技球に対する視認性を高めたことによる第2大入賞装置610内の遊技者に対する演出効果をより向上することが可能となる。
また、右賞球センサ613とVシャッター612との距離は、左賞球センサ614とVシャッター612との距離よりも短いため、Vシャッター612を通過した遊技球のうち、Vシャッター612と左賞球センサ614との間を通過する遊技球よりも、Vシャッター612と右賞球センサ613との間を通過する遊技球の転動速度の方が速くなる傾向にあり、右賞球センサ613によって遊技球の通過を検知しづらくなることも考えられるが、接触部材611dによって遊技球の転動速度を減速することで、右賞球センサ613によっても確実に遊技球の通過を検知可能となる。
また、接触部材611dは、右賞球センサ613の上方に設けられ、左賞球センサ614の上方には設けられていないため、両方の賞球センサの上方に接触部材を設けた遊技機よりも製造コストを下げることが可能となる。
また、接触部材611dを、右賞球センサ613の上方にのみ設け、左賞球センサ614の上方には設けないことで、接触部材611dにより、遊技者の遊技球に対する意識を集めつつも、遊技に対する興趣の低下を防止することが可能となる。
また、接触部材611dを、右賞球センサ613の上方にのみ設け、左賞球センサ614の上方には設けないことによって、左賞球センサ614を通過する遊技球の落下速度を減速させないため、左賞球センサ614を通過した遊技球がVベロ615の方向へ速やかに転動する。
仮に、接触部材611dが左賞球センサ614の上方にも存在すると、遊技球の落下速度が過度に減速されてしまい、遊技球が左賞球センサ614を通過してからVベロ615が配置された第1案内通路611fを通過するまでの時間が長くなる。
これは、Vベロ615に開放時間(第1の状態である時間)が設けられていた場合、遊技球の落下速度が減速したために、開放時間が終了し、Vベロ615が閉鎖状態(第2の状態)となり、左賞球センサ614を通過した遊技球が第1案内通路611fを通過する機会を損失することに繋がる。このため、変形例1の第2大入賞装置610によれば、左賞球センサ614の上方に接触部材611dを設けないことで、Vベロ615に到達するまでの間に遊技球の落下速度が低減することによる遊技者に対する不利益の発生を防止することが可能となる。
そして、変形例1の第2大入賞装置610には、上記した通りVベロ615が配置された第1案内通路611fを通過するまで遊技球の落下速度を低減しないことから、V入賞センサ616の上流に、減速部611jを設け、遊技球の転動速度を一時的に減速させる機構が設けられている。
このように、第1案内通路611fにおいて、Vベロ615を通過した遊技球を減速部611jにて減速した後にV入賞センサ616を遊技球が通るように案内することが可能となる。このため、遊技者の遊技球に対する意識を、減速部611jにて一時的に転動速度を落とした遊技球に集中させ、その後に、遊技者に対して有利な遊技状態を付与可能なV入賞センサ616を遊技球が通過するので、V入賞センサ616を通過する遊技球に対する演出効果を高めることが可能となる。
(第1可動役物)
図14及び図15は、本発明の実施形態1の変形例1に係るパチンコ遊技機の第1可動役物の構成を説明する図である。図14及び図15は、第1可動役物620の正面図であり、第1可動役物620の理解を容易にするため、最前面に設けられた装飾部625は、その外形のみを点線で示している。また、図14は第1可動役物620の駆動前の状態(待機位置)を示し、図15は第1可動役物620の駆動後の状態(駆動位置)を示している。
図14に示すように、第1可動役物620は、センター台板600(図8参照)に取り付けられたベース部材621と、ベース部材621の背面側に固定されたモータ622と、ベース部材621の前面側に配置された歯車623と、ベース部材621の前面側に設けられた可動ベース624と、可動ベース624の前面側に固定された装飾部625と、を備える。
ベース部材621には、可動ベース624と係合し、所定方向(図14に示す例では図14に示す矢印の方向)に延びる一対の係合溝621aが形成されている。モータ622は、後述する副制御回路200(図33参照)により駆動制御される。歯車623は、モータ622の駆動により回転する。可動ベース624は、係合溝621aと同じ方向に配列された複数の歯が歯車623と噛合する噛合部624aと、ベース部材621の一対の係合溝621aとそれぞれ係合し、係合溝621aに沿って移動可能な一対の係合部624bと、を有する。装飾部625は、例えば、文字やキャラクタが表示されたり、LED基板が設けられ、このLED基板が副制御回路200(図33参照)の制御により、所定の発光態様で発光可能である。
次に、第1可動役物620の動作について説明する。第1可動役物620は、図14に示す状態(待機位置)において、副制御回路200(図33参照)の制御により、モータ622の駆動により、歯車623が左回転すると、この駆動力が歯車623と噛合する可動ベース624の噛合部624aに伝達される。すると、可動ベース624は、ベース部材621の一対の係合溝621aに、一対の噛合部624aが案内され、係合溝621a及び噛合部624aが延びる方向(図14に示す例では斜め下方)にスライド移動する。また、可動ベース624に固定された装飾部625も、可動ベース624とともにスライド移動し、図15に示す状態(駆動位置)となる。
これにより、装飾部625が所定方向にスライド移動する演出が可能となる。また、可動ベース624が係合するベース部材621の係合溝621aを一対で設けることで、係合溝621aを一箇所しか設けなかった場合に比べ、可動ベース624を安定してスライド移動させることが可能となる。
(第2可動役物)
図16乃至図19は、本発明の実施形態1の変形例1に係るパチンコ遊技機の第2可動役物の構成を説明する図である。図16及び図19は第2可動役物710の前面側から視た正面図であり、図16は第2可動役物710の駆動前の状態(初期位置)を示し、図19は第2可動役物710の駆動後の状態(駆動位置)を示している。図17は、第2可動役物710の前面側から視た斜視図である。図18は、第2可動役物710の背面側から視た斜視図である。なお、図17及び図18においては、第1可動部材713及び第3可動部材715の内部を説明するために、図16に示す第1可動部材713の第1可動部材カバー713c及び第3可動部材715の第3可動部材カバー715cを取り外した状態を示している。
図16に示すように、第2可動役物710は、第1部材としてのベース部材711と、モータ712と、第1可動部材713と、第2可動部材714と、第3可動部材715と、第4可動部材716と、を備える。
図18に示すように、ベース部材711は、リアボックス700(図8参照)に固定され、第1部材本体としてのベース本体711aと、ベース本体711aに回転自在に軸支された第2伝達部材としてのベース伝達部材711bと、ベース伝達部材711bと噛合するモータ駆動伝達部材711c(図16参照)と、を備える。
ベース本体711aには、円弧形状の外縁を左右一対で有し、当該外縁に沿って、放射方向に突出する複数の歯が配列された左右一対の第1部材歯部としてのベース歯部711dと、左右方向にそれぞれベース歯部711dより突出し、初期状態における第1可動部材713、第2可動部材714、第3可動部材715及び第4可動部材716を下方から支持する可動部材受け部711eと、が形成されている。可動部材受け部711eにより、第2可動役物710が初期状態(駆動前の状態又は待機状態)のとき、多数の部品が左右方向に広がる可動役物において、各部品の接合部に掛かる負担を軽減し、接合部の不具合による故障を防止することが可能となる。また、図16に示すように、ベース本体711aには、前面側に、左右対称の外形を有するベース前面パネル711fが形成されている。ベース前面パネル711fは、上縁の形状(図16に示す例では円弧形状)と、下縁の形状(図16に示す例では直線形状)と、が異なる形状で形成されている。これにより、外周と内周とで形状が異なる多様性を有する形成体を形成できる。
図18に示すように、ベース伝達部材711bは、左右方向に配列された4つの歯車で構成され、互いに隣接する歯車は噛合している。モータ駆動伝達部材711c(図16参照)は、歯車で構成され、モータ712の駆動により回転し、ベース伝達部材711bを構成する4つの歯車のいずれかと噛合する。モータ712は、駆動手段の一例であり、ベース部材711に固定され、後述する副制御回路200(図33参照)により駆動制御される。
図17に示すように、第1可動部材713は、右端側がベース部材711に回動自在に軸支された第1可動部材本体713aと、第1可動部材本体713aに回転自在に軸支された第1伝達部材713bと、第1可動部材本体713aに固定され、第1伝達部材713bを覆う第1可動部材カバー713c(図16参照)と、を備える。
図18に示すように、第1可動部材本体713aは、右端側に円弧形状の外縁を有し、当該外縁に沿って、放射方向に突出する複数の歯が配列された第1可動部材歯部713dを有する。第1可動部材歯部713dは、ベース伝達部材711bの左端に配置された歯車と噛合する。これにより、モータ712の駆動により、モータ駆動伝達部材711c(図16参照)が回転し、モータ駆動伝達部材711cと噛合するベース伝達部材711bが回動し、ベース伝達部材711bと噛合する第1可動部材歯部713dを有する第1可動部材本体713aが回動する。即ち、第1可動部材本体713aは、モータ駆動伝達部材711c及びベース伝達部材711bを介して、モータ712の駆動により回動する。
図17に示すように、第1伝達部材713bは、左右方向に配列され、互いに噛合する2つの歯車で構成され、右端の歯車がベース部材711における左側のベース歯部711dと噛合する。
図16に示すように、第1可動部材カバー713cは、ベース前面パネル711fの左半分の部分の外形と略同一の形状で形成されている。
図18に示すように、第2可動部材714は、右端側が第1可動部材713に回動自在に軸支された第2可動部材本体714aと、第2可動部材本体714aの前面側に固定された第2可動部材カバー714bと、を備える。
図17に示すように、第2可動部材本体714aは、右端側に円弧形状の外縁を有し、当該外縁に沿って、放射方向に突出する複数の歯が配列された第2可動部材歯部714cを有する。第2可動部材歯部714cは、第1伝達部材713bの左端に配置された歯車と噛合する。
図16に示すように、第2可動部材カバー714bは、ベース前面パネル711fの左半分の部分の形状と略同一の形状で形成されている。
図17に示すように、第3可動部材715は、左端側がベース部材711に回動自在に軸支された第3可動部材本体715aと、第3可動部材本体715aに回転自在に軸支された第3伝達部材715bと、第3可動部材本体715aに固定され、第3伝達部材715bを覆う第3可動部材カバー715c(図16参照)と、を備える。
図18に示すように、第3可動部材本体715aは、左端側に円弧形状の外縁を有し、当該外縁に沿って、放射方向に突出する複数の歯が配列された第3可動部材歯部715dを有する。第3可動部材歯部715dは、ベース伝達部材711bの右端に配置された歯車と噛合する。
図17に示すように、第3伝達部材715bは、左右方向に配列され、互いに噛合する2つの歯車で構成され、左端の歯車がベース部材711における右側のベース歯部711dと噛合する。
図16に示すように、第3可動部材カバー715cは、ベース前面パネル711fの右半分の部分の外形と略同一の形状で形成されている。
図18に示すように、第4可動部材716は、左端側が第3可動部材715に回動自在に軸支された第4可動部材本体716aと、第4可動部材本体716aの前面側に固定された第4可動部材カバー716bと、を備える。
図17に示すように、第4可動部材本体716aは、左端側に円弧形状の外縁を有し、当該外縁に沿って、放射方向に突出する複数の歯が配列された第4可動部材歯部716cを有する。第4可動部材歯部716cは、第3伝達部材715bの右端に配置された歯車と噛合する。
図16に示すように、第4可動部材カバー716bは、ベース前面パネル711fの右半分の部分の形状と略同一の形状で形成されている。
次に、第2可動役物710の動作について説明する。第2可動役物710は、図16に示す駆動前の状態(初期位置)において、副制御回路200(図33参照)の制御によりモータ712が所定方向に回転(例えば、右回転)すると、モータ駆動伝達部材711c及びベース伝達部材711bが回動する。このとき、ベース伝達部材711bの4つの歯車のうち、左端の歯車は左側に回動し、右端の歯車は右側に回動する。すると、ベース伝達部材711bの左端の歯車と噛合する第1可動部材713は右側に回動し、ベース伝達部材711bの右端の歯車と噛合する第3可動部材715は左側に回動する。即ち、第1可動部材713及び第3可動部材715は互いに近接するように回動する。
そして、第1可動部材713が右側に回動すると、左側のベース歯部711dと噛合する第1伝達部材713bの右の歯車が右側に回転し、この右の歯車と噛合する左の歯車が左側に回動する。また、第3可動部材715が左側に回動すると、右側のベース歯部711dと噛合する第3伝達部材715bの左の歯車が左側に回転し、この左の歯車と噛合する右の歯車が右側に回動する。
すると、第1伝達部材713bの左の歯車と噛合する第2可動部材714は、右側に回動する。また、第3伝達部材715bの右の歯車と噛合する第4可動部材716は、左側に回動する。即ち、第2可動部材714及び第4可動部材716は互いに近接するように回動する。そして、第2可動役物710は、第2可動部材714と第4可動部材716との端部が互いに対向する位置まで回動した後に停止した位置である駆動位置に移動し、図19に示す状態となる。
このように、第1可動部材713には第1伝達部材713bの右の歯車が設置され、第3可動部材715には第3伝達部材715bの左の歯車が設置されている。そして、第1可動部材713及び第3可動部材715が移動すると、これらと共に、第1伝達部材713bの右の歯車の回転軸(軸芯)及び第3伝達部材715bの左の歯車の回転軸(軸芯)も移動する。このとき、第1伝達部材713bの右の歯車が噛合する左側のベース歯部711dと、第3伝達部材715bの左の歯車が噛合する右側のベース歯部711dとは、ベース部材711の一部であり固定されている。これにより、第1可動部材713及び第3可動部材715が移動することで、第1伝達部材713b及び第3伝達部材715bの歯車が回転する。即ち、第1可動部材713及び第3可動部材715が移動することで、第1伝達部材713b及び第3伝達部材715bの歯車を回転させる駆動力が発生する。
図19に示すように、第1可動部材713の第1可動部材カバー713c、第2可動部材714の第2可動部材カバー714b、第3可動部材715の第3可動部材カバー715c及び第4可動部材716の第4可動部材カバー716bは、ベース部材711のベース前面パネル711fの半分の部分の形状と略同一の形状で形成されていることで、ベース前面パネル711f、第1可動部材カバー713c、第2可動部材カバー714b、第3可動部材カバー715c及び第4可動部材カバー716bにより、所定の形状を有する形成体(図19に示す例では、六角形状の外形と円形状の内形を有する形成体)を一体的に形成する。
また、第2可動役物710は、第1可動部材713の第1可動部材カバー713c、第2可動部材714の第2可動部材カバー714b、第3可動部材715の第3可動部材カバー715c及び第4可動部材716の第4可動部材カバー716bが、駆動位置に移動した場合には、第2可動部材714の第2可動部材カバー714bと、第4可動部材716の第4可動部材カバー716bと、の互いの端部が近接することによって、一つの構成物(図19に示す例では、六角形状の外形と円形状の内形を有する構成物)を形成する完成状態となる。ここで、本実施形態における、第2可動部材714の第2可動部材カバー714bと、第4可動部材716の第4可動部材カバー716bと、の互いの端部が近接するとは、第2可動部材カバー714bと第4可動部材カバー716bとの端部が接触する場合を含み、近距離に第2可動部材カバー714bと第4可動部材カバー716bとが存在する場合、パチンコ遊技機1の前面から第2可動部材カバー714bと第4可動部材カバー716bとを視認した場合に第2可動部材カバー714bと第4可動部材カバー716bとが前後方向にて重なっている場合、又は、第2可動部材カバー714bと第4可動部材カバー716bとが前後、上下、左右方向にて近接(又は接触)している場合を含む。また、第2可動役物710は、第2可動部材カバー714bと第4可動部材カバー716bとが近接した場合には、その完成状態として、図19に示す例のように、六角形状の外形と円形状の内形を有しているが、円形状の内形の内側を通して遊技者が表示領域13a(図3参照)を視認可能であり、円形状の内形と、表示領域13aにおける表示と、が連動する(例えば、円形状の内形の内側を通して視認可能な表示領域13aの領域にキャラクタ、文字、画像等を表示する)演出を行い、遊技者の可動部材と、表示領域と、で行われる演出に対する興趣を向上させるようにしてもよい。また、上記した六角形状の外形と円形状の内形とを各々1の構成物として扱い、六角形状の外形と連動する表示を表示領域13aで行うと共に、円形状の内形と連動する表示を表示領域13aで行うことも可能である。なお、第2可動役物710の完成状態の形状は、六角形状に限定されず、環状、方形状、その他の一つの構成物を形成する形状であれば任意の形状とすることができる。
また、第2可動役物710は、図19に示す駆動位置において、副制御回路200(図33参照)の制御によりモータ712が所定方向と反対方向に回転(例えば、左回転)すると、各構成の逆回転による動作により、図16に示す初期位置まで回動する。
以上のような実施形態1の変形例1に係るパチンコ遊技機1の第2可動役物710によれば、以下の作用効果を奏する。第2可動役物710によれば、第1可動部材713を回動するための駆動力は、モータ712から発生する。一方、第2可動部材714を回動するための駆動力は、第1可動部材本体713aの回動に伴い第1伝達部材713bとベース部材711のベース歯部711dとの噛合位置が移動することによって発生する。
このように、第1可動部材713と、第2可動部材714とを回動するための駆動力は、単純にモータ712から発生されるだけではなく、駆動力の発生箇所が互いに異なる。このため、例えば、第1可動部材713の駆動態様をモータ712によって決定し、第2可動部材714の駆動態様をベース部材711によって決定する事が可能となり、例えば、1つの駆動手段によって2つの可動部材を異なる態様で駆動させることが可能となる。
よって、第1可動部材713と第2可動部材714とは、連動しつつも、互いに発生箇所が異なる駆動力により回動する。このため、複数の可動部材からなる可動役物の動作のバリエーションを多様化させることが可能となり、各可動部材に個々の演出効果を持たせ、相乗的に演出効果を高めることが可能となる。したがって、複数の可動部材を連動させた場合であっても、各可動部材の個々の演出効果を高め、遊技者の演出に対する興趣を向上させることが可能となる。
また、第1可動部材713、第2可動部材714、第3可動部材715及び第4可動部材716が、駆動位置に移動することで、ベース部材711、第1可動部材713、第2可動部材714、第3可動部材715及び第4可動部材716により、所定の形状を有する形成体を一体的に形成する。これにより、第1可動部材713、第2可動部材714、第3可動部材715及び第4可動部材716は、連動しつつも、動作のバリエーションを多様化させることが可能となるとともに、駆動位置にて所定の形状を形成して完成状態とすることが可能となる。したがって、各可動部材に個々の演出効果を持たせ、相乗的に演出効果をより高めることが可能となるとともに、可動役物全体としての演出効果の向上も可能となる。
また、第1可動部材713に軸支された第2可動部材714の端部と、第3可動部材715に軸支された第4可動部材716の端部と、が駆動位置において近接することで、ベース部材711、第1可動部材713、第2可動部材714、第3可動部材715及び第4可動部材716により、一つの構成物を形成する完成状態となる。これにより、複数の可動部材を、駆動位置までは個別に回動させ、駆動位置において全てが連なった構成物を形成させることが可能となる。したがって、各可動部材に個々の演出効果を持たせ、相乗的に演出効果をより高めることが可能となるとともに、可動役物全体としての演出効果を、より向上することが可能となる。
(変形例1の第3可動役物)
図20は、本発明の実施形態1の変形例1に係るパチンコ遊技機の第3可動役物及び第4可動役物の正面図である。第3可動役物は、前面側から視て、左上に配置された左上第3可動役物720と、右上に配置された右上第3可動役物730と、左下に配置された左下第3可動役物740と、右下に配置された右下第3可動役物750と、を備える。図20は、左上第3可動役物720、右上第3可動役物730、左下第3可動役物740、右下第3可動役物750及び第4可動役物760の駆動前の状態(待機位置)を示している。図21乃至図23は、本発明の実施形態1の変形例1に係るパチンコ遊技機の左上第3可動役物の構成を説明する図である。図21は左上第3可動役物720の背面側から視た斜視図であり、図22及び図23は左上第3可動役物720の背面図である。また、図22は左上第3可動役物720の駆動前の状態(待機位置)を示し、図23は左上第3可動役物720の駆動後の状態(駆動位置)を示している。なお、図22及び図23においては、理解を容易にするために、フラットケーブル728の記載を省略し、また、アーム部材723を外形のみ示し、アーム部材723の外形のうち、ベース部材721により背面側から見えない部分は点線で示している。
図21に示すように、左上第3可動役物720は、第1部材としてのベース部材721と、モータ722と、第2部材としてのアーム部材723と、第1連結部材724と、回動部材725と、を備える。
図22に示すように、ベース部材721は、リアボックス700(図8参照)に固定され、モータ722が取り付けられる。また、ベース部材721は、モータ722の駆動により、モータ722の回転軸722aから所定寸法離れた位置で回動するベース回動部721aと、円弧形状の外縁に沿って、放射方向に突出する複数の歯が配列されたベース歯部721bと、待機位置におけるベース回動部721aの状態を検知する位置検出部721cと、を備える。
ベース回動部721aは、待機位置において、位置検出部721cに検出される検知片721a’を有する。位置検出部721cは、例えば、フォトセンサで構成され、ベース回動部721aの検知片721a’を検知し、検知した場合には、例えば、後述の副制御回路200(図33参照)に、第3可動役物が待機位置にあることを示す待機位置信号を送信する。なお、位置検出部721cは、待機位置において検知片721a’を検出する位置にのみ設けられているが、駆動位置において検知片721a’を検出する位置にも設けてもよい。この位置に設けられた位置検出部721cは、検知片721a’を検知した場合には、例えば、後述の副制御回路200に、第3可動役物が駆動位置にあることを示す駆動位置信号を送信する。
モータ722は、駆動手段の一例であり、ベース部材721に取り付けられ、後述する副制御回路200(図33参照)により駆動制御される。
アーム部材723は、略くの字形状に形成され、ベース部材721に、略くの字形状の頂点近傍における所定位置723aを中心に回動自在に軸支されている。また、アーム部材723は、所定位置723aより基端側において、基端から所定位置723a方向に延び、ベース部材721のベース回動部721aが摺動自在に係合する係合溝723bと、所定位置723aより先端側において、後述する第2連結部材726の当接部材726bを引き寄せる磁石723cと、を備える。また、アーム部材723は、モータ722の駆動によりベース回動部721aが回動すると、このベース回動部721aが係合溝723bを摺動しつつ回動することで、所定位置723aを中心に回動する。即ち、アーム部材723は、ベース部材721に、所定位置723aを中心に回動自在に軸支され、モータ722の駆動により回動する。
第1連結部材724は、アーム部材723に回動自在に軸支されている。また、第1連結部材724は、ベース部材721のベース歯部721bに噛合する第1歯車724aと、第1歯車724aに固定され、後述する第2連結部材726と噛合し、第1歯車724aと同一の軸芯を有する第2歯車724bと、備える。第1連結部材724は、アーム部材723の回動によって軸心が移動することによってベース部材721のベース歯部721bと噛合する当接位置が移動し回動する。なお、第2歯車724bは、第1歯車724aに固定される構成に限らず、第1連結部材724の何れに回動自在に固定されてもよいし、第1歯車724aと一体に形成されてもよい。
回動部材725は、アーム部材723に、回動自在に軸支され、所定位置723aを中心に回動するとともに、所定位置723aから所定距離離れた特定位置725aを中心に回動する。また、回動部材725は、図21に示すように、第2連結部材726と、装飾部材の一例である電飾体727と、接続部材としてのフラットケーブル728と、を備える。
図22に示すように、第2連結部材726は、アーム部材723に回動自在に軸支され、アーム部材723の回動に応じて、所定位置723aを中心に回動するとともに、第1連結部材724と噛合し、第1連結部材724の回動に伴い、特定位置725aを中心に回動する。
第2連結部材726は、第2連結部材本体726aと、当接部材726bと、収容部726cと、係止部726dと、を備える。第2連結部材本体726aは、歯車で構成され、第1連結部材724の第2歯車724bと噛合する。当接部材726bは、第2連結部材本体726aの周縁に形成され、強磁性物質で形成され、アーム部材723の磁石723c近傍において、磁石723cに引き寄せられ接合する。なお、第2連結部材726において、強磁性物質で形成された当接部材726bの代わりに磁石723cを設け、アーム部材723において、磁石723cの代わりに強磁性物質で形成された当接部材726bを設けてもよい。また、当接部材726bは、強磁性物質に限らず、磁石723cと互いに引き合う極性を有する磁石で形成してもよい。
図24は、本発明の実施形態1の変形例1に係るパチンコ遊技機の第2連結部材の構成を説明する図である。収容部726cは、第2連結部材本体726aの背面側に立設する筒形状に形成され、後述するフラットケーブル728の巻き尺部728aが収容される。係止部726dは、収容部726cの内部において、第2連結部材本体726aに形成された孔であり、収容部726cの内部に収容された後述する巻き尺部728aの一端側が背面側から前面側に貫通可能とするとともに、この巻き尺部728aの一端を係止する。
図22に示すように、電飾体727は、第2連結部材726の前面側に取り付けられ、装飾部材727aと、電飾基板727bと、を備える。装飾部材727aは、所定形状(例えば、ドーナツ形状を4分割した形状に形成されている。電飾基板727bは、装飾部材727aの背面側に設けられ、後述するフラットケーブル728が接続され、フラットケーブル728を介して、後述する副制御回路200(図33参照)に制御され、装飾部材727aを所定の態様で発光可能である。
図21に示すように、フラットケーブル728は、一端が第2連結部材726を介して電飾体727に接続され、他端が各種中継基板を介して、後述する副制御回路200(図33参照)に接続されている。図24に示すように、フラットケーブル728は、一端側に特定位置725aを中心に巻き回されて弾性変形可能に巻き尺形状に形成され、巻き取る方向(第2連結部材726が回動する方向)への付勢力を有する巻き尺部728aを備える。巻き尺部728aは、第2連結部材726の収容部726cに収容され、その一端が係止部726dから前面側に延び電飾基板727b(図22参照)に接続される。
次に、左上第3可動役物720の動作を説明する。副制御回路200(図33参照)は、左上第3可動役物720を、図22に示す待機位置から、モータ722を予め設定されたステップ数で所定方向に回転駆動することで、駆動位置まで回動させ、図23に示す状態とする。また、副制御回路200は、左上第3可動役物720を、駆動位置から、位置検出部721cより検知片721a’が検知され待機位置信号が送信されるまで、モータ722を所定方向と反対方向に回転駆動することで、待機位置まで回動させる。
詳細には、左上第3可動役物720は、図22に示す、回動を開始する待機位置において、副制御回路200(図33参照)の制御によりモータ722が所定方向に回転すると、ベース回動部721aがアーム部材723の係合溝723bを摺動しつつ回動し、これに伴いアーム部材723が、所定位置723aを中心に回動する。
すると、ベース部材721のベース歯部721bと噛合する第1連結部材724も回動する。そして、この第1連結部材724と噛合する回動部材725は、アーム部材723と所定位置723aを中心に回動するとともに、特定位置725aを中心に、所定位置723aを中心に回動する方向と反対方向に回動する。このように、回動部材725の第2連結部材726は、特定位置725aを中心とした回動において、回動を開始する待機位置から回動を終了する駆動位置まで回動し、図23に示す状態となる。なお、回動部材725は、後述する副制御回路200(図33参照)の駆動制御により、駆動位置において当接部材726bがアーム部材723の磁石723cに当接する直前に回動を停止させてもよいし、駆動位置において当接部材726bをアーム部材723の磁石723cに当接させることにより回動を停止させてもよい。この当接部材726bは、駆動位置近傍において、磁石723cにより駆動位置の方向に磁力により付勢されることが可能である。また、このとき、フラットケーブル728の巻き尺部728a(図24参照)は、第2連結部材726の収容部726cの内部において巻き取る方向に弾性変形することで、第2連結部材726の係止部726dを介して回動部材725を待機位置の方向に付勢する。なお、本実施形態において、磁力により付勢されるとは、磁力によって部材同士が引き合う、又は、部材に対して引力が働いた結果、部材の動エネルギーが一時的に増加(又は動エネルギーの減少が低減)する場合を含む。これにより、部材同士の距離が磁力の影響を受ける距離まで近接したときに、これらの部材が磁力の影響を受けなかった場合よりも、部材の移動速度の増加(移動速度の低下が低減される場合も含む)や、部材の加速度の増加(加速度の減少が低減される場合も含む)を考慮することができる。また、例えば、バックラッシに起因して部材が意図しない方向(待機位置から駆動位置へと移動したときに待機位置の方向へ移動する場合等)へ移動することを抑制可能であることも考慮することができる。
右上第3可動役物730、左下第3可動役物740及び右下第3可動役物750は、左上第3可動役物720と向きが異なるものの、同様の構成を備え、同様に動作するので、説明を省略する。
以上のような実施形態1の変形例1に係るパチンコ遊技機1の左上第3可動役物720によれば、以下の作用効果を奏する。左上第3可動役物720によれば、モータ722が駆動したときにアーム部材723が回動し、アーム部材723が回動することで回動部材725が特定位置725aを中心に、待機位置から駆動位置まで回動する。例えば、アーム部材723等に、第2連結部材726の当接部材726bが駆動位置で当接する磁石723cを設け、当接部材726bを強磁性物質で形成したので、第2連結部材726が待機位置の場合、磁石723cと当接部材726bとが一定の距離を保つことで、当接部材726bが付勢されることはない。一方、第2連結部材726が駆動位置まで回動した場合、磁石723cと当接部材726bとが近接又は当接することで、引力(磁力)によって役物を付勢することが可能となる。
このように、可動する回動部材725を回動させるための第2連結部材726に、回動を終了する駆動位置で磁力により付勢される当接部材726bを設けることで、回動部材725のような役物が単体で駆動するような構成であっても、動作後の状態を容易に安定させることができる。したがって、動作する役物を固定可能な構成により、役物の動作後の状態を容易に安定させることが可能となる。
また、フラットケーブル728の巻き尺部728aを、第2連結部材726の収容部726cの内部において巻き取る方向に弾性変形させ、フラットケーブル728の弾性力により、係止部726dを介して第2連結部材726を待機位置の方向に付勢することで、第2連結部材726の可動速度を上げることが可能となるとともに、フラットケーブル728の収納位置として第2連結部材726が使用されているため、省スペース化を図ることが可能となる。
また、回動部材725において、第2連結部材726に取り付けられた電飾体727に接続されるフラットケーブル728に巻き尺部728aを形成し、この巻き尺部728aを、その一端が第2連結部材726の収容部726cの内部における巻き取る方向への付勢力により係止された係止部726dを介して第2連結部材726を待機位置の方向に付勢することで、第2連結部材726が停止したときに、バックラッシに起因する回動部材725の微動を低減することが可能となる。
また、第2連結部材726が駆動位置まで回動した場合、磁石723cと当接部材726bとが近接又は当接することで、引力(磁力)によって役物を付勢するので、駆動位置に、役物の状態を検知する位置検出センサを設けなくとも、例えば、モータ722が過剰に回転した場合や、回転が足りない場合でも、役物を適正な駆動位置に配置できる。
(変形例2の第3可動役物)
次に、実施形態1の変形例2について説明する。変形例2は、変形例1と第3可動役物の構成が異なる。以下の変形例2の説明において、変形例1と同様の構成は、必要に応じて同一符号を付し、その説明を簡略又は省略する。変形例2の第3可動役物は、変形例1の第3可動役物と、アーム部材の構成が異なり、更に、第3連結部材を備える点が異なる。また、変形例2の第3可動役物は、変形例1の第3可動役物と同様に、左上第3可動役物、右上第3可動役物、左下第3可動役物及び右下第3可動役物を備えるが、これらは互いに向きが異なるものの、同様の構成を備え、同様に動作するので、説明を省略し、左上第3可動役物についてのみ説明する。
図25乃至図27は、本発明の実施形態1の変形例2に係るパチンコ遊技機の左上第3可動役物の構成を説明する図である。図25乃至図27は左上第3可動役物820の正面図である。また、図25は、左上第3可動役物820の駆動前の状態(待機位置)を示し、図26は、左上第3可動役物820の駆動中の状態(中間位置)を示し、図27は左上第3可動役物820の駆動後の状態(駆動位置)を示している。なお、図25乃至図27においては、理解を容易にするために、第2アーム部材832は正面側カバーを省略して外枠を示し、第1アーム部材831はベース部材721により正面側から見えない部分はその外形を点線で示し、また、装飾部材の一例である電飾体727は外形のみを点線で示している。
図25に示すように、左上第3可動役物820は、第1部材としてのベース部材721と、モータ722と、第2部材としてのアーム部材830と、第1連結部材724と、回動部材725と、第3連結部材840と、を備える。ベース部材721、モータ722、第1連結部材724及び回動部材725は、変形例1と同様の構成であるので、詳細な説明を省略する。
アーム部材830は、第1腕部材としての第1アーム部材831と、第2腕部材としての第2アーム部材832と、を備える。第1アーム部材831は、略くの字形状に形成され、ベース部材721に、略くの字形状の頂点近傍における所定位置723aを中心に回動自在に軸支されている。また、第1アーム部材831は、所定位置723aより基端側において、基端から所定位置723a方向に延び、ベース部材721のベース回動部721aが摺動自在に係合する係合溝723bを備える。また、第1アーム部材831は、所定位置723aより先端側において、先端が開放され、この先端から突出する方向にスライド移動する第2アーム部材832をスライド移動可能に挟持する。また、第1アーム部材831は、モータ722の駆動によりベース回動部721aが回動すると、このベース回動部721aが係合溝723bを摺動しつつ回動することで、所定位置723aを中心に回動する。即ち、アーム部材830は、ベース部材721に、所定位置723aを中心に回動自在に軸支され、モータ722の駆動により回動する。
図28は、本発明の実施形態1の変形例2に係るパチンコ遊技機のアーム部材の構成を説明する図である。図28(a)は図25中のAA’断面図であり、図28(b)は図27中のBB’断面図である。
図28に示すように、第1アーム部材831は、後述する第2アーム部材832がスライド移動する方向に延び、第2アーム部材832とともにスライド移動する第2連結部材726の回転軸726eの端部とスライド移動可能に係合するスライド溝831aを有する。スライド溝831aは、その長さが第2アーム部材832のスライド移動可能な距離と略同一の寸法で形成され、その高さが第2連結部材726の回転軸726eの直径と略同一の寸法で形成されている。
図25に示すように、第2アーム部材832は、第1アーム部材831にスライド移動可能に係合し、回動部材725の第2連結部材726を軸支する。また、第2アーム部材832は、第2連結部材726の当接部材726bを引き寄せる磁石723cと、後述する第3連結部材840と噛合可能な第4連結部材835と、を備える。
第4連結部材835は、第3連結部材840の端面に対向し、第2アーム部材832がスライド移動する方向に延びる面に、第3連結部材840の端面に形成された歯が噛合可能な複数の歯が形成されている。
図29は、本発明の実施形態1の変形例2に係るパチンコ遊技機の第3連結部材の構成を説明する図である。第3連結部材840は、第1連結部材724の第2歯車724bの前面側に取り付けられ、第1連結部材724の回動に伴い回動する。第3連結部材840は、円板形状の端面に複数の歯が形成され、第4連結部材835と噛合する噛合領域841と、円板形状の端面に歯が形成されず、第4連結部材835と接触しない非接触領域842と、を備える。
次に、左上第3可動役物820の動作を説明する。左上第3可動役物820は、図25に示す、回動を開始する待機位置において、副制御回路200(図33参照)の制御によりモータ722が所定方向に回転すると、アーム部材830が、所定位置723aを中心に回動する。
すると、ベース部材721のベース歯部721bと噛合する第1連結部材724も回動する。このとき、第1連結部材724に取り付けられた第3連結部材840も回動するが、第2アーム部材832の第4連結部材835に近接するのが非接触領域842であるため、第3連結部材840と第4連結部材835とは噛合しない。そして、この第1連結部材724と噛合する回動部材725は、アーム部材830と所定位置723aを中心に回動するとともに、特定位置725aを中心に、所定位置723aを中心に回動する方向と反対方向に回動する。このように、回動部材725の第2連結部材726は、特定位置725aを中心とした回動において、回動を開始する待機位置から回動を終了する中間位置まで回動し、図26に示す状態となる。回動部材725は、この中間位置において当接部材726bが第2アーム部材832の磁石723cに当接することにより、特定位置725aを中心とした回動が停止する。なお、回動部材725は、後述する副制御回路200(図33参照)により駆動制御により、中間位置において当接部材726bが第2アーム部材832の磁石723cに当接する直前に回動を停止させてもよいし、中間位置において当接部材726bが第2アーム部材832の磁石723cに当接することにより回動を停止させてもよい。
左上第3可動役物820は、図26に示す状態となったとき、第3連結部材840の噛合領域841が第2アーム部材832の第4連結部材835に近接し、第3連結部材840と第4連結部材835とが噛合し、更に、アーム部材830が、所定位置723aを中心に回動する。
すると、第1連結部材724とともに第3連結部材840が、第4連結部材835と噛合しながら回動し、第2アーム部材832を第1アーム部材831の先端から突出する方向にスライド移動させ、図27に示す状態となる。即ち、第2アーム部材832は、電飾体727を含む回動部材725が待機位置から第2連結部材726の回動によって回動した後に、第3連結部材840が第4連結部材835に噛合し、第3連結部材840の回動により、第1アーム部材831の先端側から延伸する方向にスライド移動する。また、電飾体727は、第2アーム部材832が第1アーム部材831の先端側から延伸する方向にスライド移動することで、他の部材(例えば、右上第3可動役物の装飾部材)と接触可能である。
以上のような実施形態1の変形例2に係るパチンコ遊技機1の左上第3可動役物820によれば、以下の作用効果を奏する。左上第3可動役物820によれば、電飾体727は、待機位置から第2連結部材726の回動によって回動した後に、第3連結部材840が第2アーム部材832の第4連結部材835に噛合することで、第1アーム部材831の回動によって第1連結部材724及び第3連結部材840が回動し、第2アーム部材832が延伸する方向へスライド移動し、他の部材と接触することが可能となる。このように、電飾体727を回動させる演出を行った後に、電飾体727をスライド移動させて他の部材と接触可能とすることで、例えば、電飾体727を素早く回動させ、ゆっくり他の部材と接触させることが可能となる。よって、他の部材と接触による可動役物の破損を回避できる。
また、このような電飾体を備える可動役物を複数設け(左上第3可動役物、右上第3可動役物、左下第3可動役物及び右下第3可動役物)、これらを連動させたので、複数の可動役物の電飾体を、それぞれ回動させた後に、各第2アーム部材の延伸する方向へ移動させ、電飾体同士を当接させることが可能となる。これにより、回動しているときは一つの意匠を形成しない複数の電飾体が、各第2アーム部材の延伸した方向へそれぞれ移動したときに、互いに当接して一つの意匠を形成するといった演出を行うことが可能となるため、遊技者の電飾体の動きに対する興趣を高め、電飾体による演出表現を向上することが可能となる。
したがって、可動役物を駆動させ、他の部材に当接させる場合に、接触による可動役物の破損を回避しつつ、可動役物による演出効果を向上することが可能となる。
また、第2アーム部材832がスライド移動する際に、第2連結部材726の回転軸726eの端部がスライド溝831aに係合しながらスライド移動することで、スライド溝がガイドとなり、第2連結部材726に取り付けられた電飾体727の揺動を抑え、スムーズに移動させることが可能となる。
(第4可動役物)
図30及び図31は、本発明の実施形態1の変形例1に係るパチンコ遊技機の第4可動役物の構成を説明する図である。図30及び図31は、第4可動役物760の背面図である。また、図30は第4可動役物760の駆動前の状態(待機位置)を示し、図31は第4可動役物760の駆動後の状態(駆動位置)を示している。
図30に示すように、第4可動役物760は、ベース部材761と、モータ762と、第1歯車763と、第2歯車764と、中継部材765と、アーム部材766と、装飾部767と、を備える。
ベース部材761は、リアボックス700(図8参照)に取り付けられている。モータ762は、ベース部材761の正面側に固定され、後述する副制御回路200(図33参照)により駆動制御される。第1歯車763は、ベース部材761の背面側に配置され、モータ762の駆動により回転する。第2歯車764は、ベース部材761の背面側に配置され、第1歯車763と噛合する。中継部材765は、一端が第2歯車764の周縁近傍に回動自在に取り付けられ、他端がアーム部材766に回動自在に取り付けられている。
アーム部材766は、略への字形状に形成され、ベース部材761に、略への字形状の頂点近傍における所定位置766aを中心に回動自在に軸支されている。また、アーム部材766は、所定位置766aより基端側が、中継部材765の他端に回動自在に取り付けられ、所定位置723aより先端側に装飾部767が取り付けられている。
装飾部767は、アーム部材766の先端側に取り付けられ、所定形状(例えば、円形状)で形成され、例えば、文字やキャラクタが表示されたり、LED基板が設けられ、このLED基板が副制御回路200(図33参照)の制御により、所定の発光態様で発光可能である。また、装飾部767は、モータを備え、副制御回路200の制御により、装飾部767を回転させたり、更に、別部材を設け、この別部材を装飾部767の正面側で回転させたりすることもできる。
次に、第4可動役物760の動作について説明する。第4可動役物760は、図30に示す状態(待機位置)において、副制御回路200(図33参照)の制御により、モータ762の駆動により、第1歯車763が回転すると、この駆動力が第1歯車763と噛合する第2歯車764に伝達される。すると、第2歯車764の周縁近傍に回動自在に取り付けられた中継部材765の一端が回動し、中継部材765の他端に取り付けられたアーム部材766も所定位置766aを中心に回動する。これにより、アーム部材766の先端側に取り付けられた装飾部767も回動し、図32に示す状態(駆動位置)となる。
これにより、装飾部767が所定方向に回動移動する演出が可能となる。また、駆動力を得て回動する第2歯車764の周縁近傍に回動自在に取り付けられた中継部材765によりアーム部材766を回動する。これにより、例えば、アーム部材766に、駆動力を得て回動する第2歯車764と噛合する歯車を設けるスペースが無い場合や、第2歯車764との間に他の部材があり、第2歯車764と噛合させることができない場合でも、アーム部材766を回動させることができる。
図32は、本発明の実施形態1の変形例1に係るパチンコ遊技機の第3可動役物及び第4可動役物の正面図である。図32は、左上第3可動役物720、右上第3可動役物730、左下第3可動役物740、右下第3可動役物750及び第4可動役物760の駆動後の状態(駆動位置)を示している。左上第3可動役物720、右上第3可動役物730、左下第3可動役物740、右下第3可動役物750及び第4可動役物760は、図20に示す状態から、副制御回路200(図33参照)の駆動制御により駆動し、図32に示す状態となる。
左上第3可動役物720、右上第3可動役物730、左下第3可動役物740及び右下第3可動役物750は、駆動位置において、それぞれドーナツ形状を4分割した形状に形成された、左上第3可動役物720の装飾部材727a、右上第3可動役物730の装飾部材737a、左下第3可動役物740の装飾部材747a及び右下第3可動役物750の装飾部材757aが、互いに隣接する装飾部材と当接又は近接し、ドーナツ形状を有する形成体を一体的に形成する。また、第4可動役物760は、円形状の装飾部767上方から回動しながら降下し、ドーナツ形状を有する形成体の中央に配置される。このように、複数の可動役物を駆動させ、駆動後の状態(駆動位置)において、一体的又は関連性を有する配置にすることで、演出性を向上できる。
[パチンコ遊技機が備える回路の構成]
次に、図33を参照しながら、実施形態1のパチンコ遊技機1が備える各種回路の構成について説明する。なお、図33は、パチンコ遊技機1の回路構成を示すブロック図である。
パチンコ遊技機1は、図33に示すように、主に遊技動作の制御を行う主制御回路70と、遊技の進行に応じた演出動作の制御を行う副制御回路200と、主に遊技球の払出に関する制御を行う払出制御回路300とを有する。
[主制御回路]
主制御回路70は、メインCPU(Central Processing Unit)71と、メインROM(Read Only Memory)72と、メインRAM(Random Access Memory)73とを備える。また、主制御回路70は、リセット用クロックパルス発生回路74と、初期リセット回路75と、シリアル通信用IC(Integrated Circuit)76とを備える。なお、上述のように、実施形態1では、第1始動口44または第2始動口45の入賞時に特別図柄の抽選処理を行うが、この処理は、主制御回路70により制御される。すなわち、主制御回路70は、遊技状態を遊技者にとって有利な状態に移行させるか否かの抽選処理を行う手段(抽選手段)も兼ねる。
メインCPU71には、メインROM72、メインRAM73、リセット用クロックパルス発生回路74、初期リセット回路75、シリアル通信用IC76等が接続される。メインROM72には、メインCPU71によりパチンコ遊技機1の動作を制御するための各種プログラム(図44〜図62参照)や、各種データテーブル(図37、図38参照)等が記憶されている。
メインCPU71は、メインROM72に記憶されたプログラムに従って、各種処理を実行する。メインRAM73は、メインCPU71が各種処理を実行する際の一時記憶領域と作用し、メインCPU71が各種処理に必要となる種々のフラグや変数の値が記憶される。
なお、実施形態1では、メインCPU71の一時記憶領域としてメインRAM73を用いるが、本発明はこれに限定されず、読み書き可能な記憶媒体であれば任意の記録媒体を一時記憶領域として用いてもよい。
リセット用クロックパルス発生回路74は、後述するシステムタイマ割込処理を実行するために、所定の周期(例えば2ミリ秒)でクロックパルスを発生する。初期リセット回路75は、電源投入時にリセット信号を生成する。そして、シリアル通信用IC76は、副制御回路200に対してコマンドを送信する。
また、主制御回路70には、図33に示すように、主制御回路70から送られた出力信号に応じて動作する各種の装置が接続される。
具体的には、主制御回路70には、特別図柄表示装置61、普通図柄表示装置62、普通図柄保留表示装置63、第1特別図柄保留表示装置64および第2特別図柄保留表示装置65が接続される。
これらの各装置は、主制御回路70から送られた出力信号に基づいて所定の動作を行う。例えば、主制御回路70から特別図柄表示装置61に所定の出力信号が送信されると、特別図柄表示装置61は、その出力信号に基づいて、特別図柄ゲームにおける特別図柄の可変表示の動作制御を行う。
また、主制御回路70には、普通電動役物ソレノイド46a、第1大入賞装置ソレノイド54b、第2大入賞口ソレノイド53bおよびV入賞口ソレノイド57bが接続される。そして、主制御回路70は、普通電動役物ソレノイド46aを駆動制御して、普通電動役物46の一対の羽根状の部材を開放状態または閉鎖状態にする。
また、主制御回路70は、第1大入賞口ソレノイド54bおよび第2大入賞口ソレノイド53bをそれぞれ駆動制御して、第1大入賞装置54および第2大入賞装置53を開放状態または閉鎖状態にする。
また、主制御回路70は、V入賞口ソレノイド57bを駆動制御して、V入賞口57を開放状態または閉鎖状態にする。
さらに、主制御回路70には、図33に示すように、各種スイッチに接続され、各種スイッチからの出力信号を受信する。具体的には、主制御回路70には、カウントスイッチ53c,54c、一般入賞球スイッチ51a,52a、通過球スイッチ43a、第1始動口入賞球スイッチ44aおよび第2始動口入賞球スイッチ45a、V入賞口入賞球スイッチ57cおよびバックアップクリアスイッチ121などが接続される。
カウントスイッチ54cは、第1大入賞装置54に入賞した遊技球を計数し、その結果を示す所定の出力信号を主制御回路70に出力する。カウントスイッチ53cは、第2大入賞装置53に入賞した遊技球を計数し、その結果を示す所定の出力信号を主制御回路70に出力する。
一般入賞球スイッチ51aは、一般入賞口51に遊技球が入賞した場合に、所定の検知信号を主制御回路70に出力し、一般入賞球スイッチ52aは、一般入賞口52に遊技球が入賞した場合に、所定の検知信号を主制御回路70に出力する。
また、通過球スイッチ43aは、遊技球が球通過検出器43を通過した場合に、所定の検知信号を主制御回路70に出力する。第1始動口入賞球スイッチ44aは、遊技球が第1始動口44に入賞した場合に、所定の検知信号を主制御回路70に出力する。
第2始動口入賞球スイッチ45aは、遊技球が第2始動口45に入賞した場合に、所定の検知信号を主制御回路70に出力する。また、バックアップクリアスイッチ121は、電断時等にバックアップデータが遊技店の管理者等の操作に応じてクリアされた場合に、所定の検知信号を主制御回路70および払出制御回路300に出力する。
さらに、主制御回路70には、払出制御回路300が接続される。ここで、主制御回路70は、所定の払出条件が成立したことを条件に後述する賞球ケースユニット170を介して払出される遊技球の数である賞球数を決定する。
こうした賞球数の決定を行う主制御回路70は、払出量決定手段を構成する。なお、上述した各種始動口や各種入賞口に遊技球が入賞したことを所定の払い出し条件とする。
また、主制御回路70は、上述のように決定された賞球数を含む情報を賞球制御コマンドとして払出制御回路300に送信する。したがって、主制御回路70は、信号送信手段を構成する。
[払出制御回路]
払出制御回路300は、払出CPU301と、ROM302と、RAM303とを備える。ROM302には、例えば賞球ケースユニット170による遊技球の払出動作を制御するための各種プログラム(図83〜図90参照)等が記憶されている。
払出CPU301は、ROM302に記憶されたプログラムに従って、各種処理を実行する。RAM303は、払出CPU301が各種処理を実行する際の一時記憶領域と作用し、払出CPU301が各種処理に必要となる種々のフラグや変数の値が記憶される。
なお、実施形態1では、払出CPU301の一時記憶領域としてRAM303を用いるが、本発明はこれに限定されず、読み書き可能な記憶媒体であれば任意の記録媒体を一時記憶領域として用いてもよい。
この払出制御回路300には、遊技球の払出を行う賞球ケースユニット170が接続される。具体的には、第1および第2の15球担保スイッチ172A,172B、払出モータ174および第1および第2の計数スイッチ181A,181Bのそれぞれが払出制御回路300に接続されている。
第1および第2の15球担保スイッチ172A,172Bは、第1および第2の球供給通路171A,171B内に補給された遊技球を検出し、その結果を示す所定の出力信号を払出制御回路300に出力する。
払出モータ174は、払出CPU301からの制御信号に応じて駆動する。第1および第2の計数スイッチ181A,181Bは、第1および第2のスプロケット173A,173Bにより第1および第2の払出通路180A,180Bにそれぞれ払出された遊技球を検出し、その結果を示す所定の出力信号を払出制御回路300に出力する。
また、払出制御回路300には、払出状態報知表示装置178および下皿満タンスイッチ179が接続されている。払出状態報知表示装置178は、詳しくは後述するが、遊技球の払出に関して異常が発生した場合に、その異常の種別を報知するための表示装置であり、報知手段を構成する。
この払出状態報知表示装置178は、図103に示すように7セグメントディスプレイからなり、ホールの管理者のみが視認可能なように例えばパチンコ遊技機1の裏面の所定箇所に設けられている。
下皿満タンスイッチ179は、下皿22に貯留された遊技球が満タンとなった場合に、これを検知し、その結果を払出制御回路300に出力する。払出制御回路300は、下皿満タンスイッチ179から下皿満タン状態であることを示す信号が入力されると、払出状態報知表示装置178を通じた報知を行うとともに、主制御回路70に下皿満タン状態であることを示す信号を出力する。
これにより、主制御回路70は、副制御回路200に演出制御コマンドを送信して、副制御回路200によりスピーカ11、ランプ18、LEDや液晶表示装置13を通じて下皿22が満タン状態であることを報知させる。
さらに、払出制御回路300には、遊技球の発射を行う発射装置15、外部端子板140、およびカードユニット150が接続される。また、外部端子板140には、データ表示器141が接続され、カードユニット150には、貸し出し用操作部151が接続される。
ここで、カードユニット150は、所定の払出条件が成立したことを条件に後述する要求ケースユニット170を介して払出される遊技球の数である貸し球数を決定する。こうした貸し球数の決定を行うカードユニット150は、払出量決定手段を構成する。なお、所定の払出条件は、上述した貸し出し用操作部151が操作されたことである。
払出制御回路300は、発射ハンドル25が遊技者によって握持され、かつ、時計回り方向へ回動操作されたときに、その回動角度に応じて発射装置15のソレノイドアクチュエータに電力を供給する。これにより、発射装置15は、遊技球を発射させる制御を行う。
外部端子板140は、ホール(遊技場)内の全てのパチンコ遊技機を管理するホールコンピュータにデータ送信するために用いられる。データ表示器141は、例えばパチンコ遊技機1の上部にホールの付帯設備として設置され、ホール係員を呼び出す機能や当り回数を表示する機能を有する。
貸し出し用操作部151は、遊技者に操作されると、カードユニット150に遊技球の貸し出しを要求する信号を出力する。カードユニット150は、貸し出し用操作部151から遊技球の貸出を要求する信号を受信すると、決定された貸し球数の情報を含む貸し球制御信号を払出制御回路300に送信する。したがって、カードユニット150は、信号送信手段を構成する。
払出制御回路300は、主制御回路70から送信される賞球制御コマンド、カードユニット150から送信される貸し球制御信号を受信し、賞球ケースユニット170に対して所定の信号を送信する。
これにより、賞球ケースユニット170は、遊技球を払出す。なお、上述のように賞球制御コマンドおよび貸し球制御信号を受信する払出制御回路300は、信号受信手段を構成する。
また、実施形態1において、払出CPU301は、第1および第2の担保球カウンタ305A,305B、第1および第2の担保球タイマ306A,306Bを有している。これら第1および第2の担保球カウンタ305A,305B、第1および第2の担保球タイマ306A,306Bは、払出CPU301の機能として設けられるものである。
第1および第2の担保球カウンタ305A,305Bは、それぞれ後述する担保球監視初期設定処理(図83のS309およびS312参照)で設定された初期値(実施形態1では「1950回」)から、第1および第2の15球担保スイッチ172A,172Bが遊技球を検知している間、所定時間(実施形態1では「1ms」)が経過するごとに「1」減算されるカウンタである。
なお、実施形態1では、第1および第2の担保球カウンタ305A,305Bとして、カウントダウン用のカウンタを用いたが、カウントアップ用のカウンタを用いてもよい。
したがって、払出CPU301は、第1および第2のスプロケット173A,173Bによって遊技球の払出が開始され、かつ第1および第2の15球担保スイッチ172A,172Bが遊技球を検知していることを条件に、初期値(実施形態1では「1950回」)を所定時間(実施形態1では「1ms」)が経過するごとに、つまり後述するシステムタイマ割込み処理(図85参照)が行われるたびに「1」減算する、すなわち更新するようになっている。
こうした更新を行う払出CPU301は、第2の更新手段を構成する。なお、第1および第2の担保球カウンタ305A,305Bによって更新される値は、後述する第1および第2の担保球タイマ306A,306Bによって更新される値よりも狭い範囲の値に設定可能であるとともに、第1および第2の15球担保スイッチ172A,172Bが遊技球を検知している時間に相当し、第2の値を構成する。
第1および第2の担保球タイマ306A,306Bは、それぞれ後述する担保球監視初期設定処理(図83のS309およびS312参照)で設定された初期値(実施形態1では「2000ms」)から、所定時間(実施形態1では「1ms」)が経過するごとに「1」減算されるタイマである。なお、実施形態1では、第1および第2の担保球タイマ306A,306Bとして、カウントダウン用のタイマを用いたが、カウントアップ用のタイマを用いてもよい。
したがって、払出CPU301は、第1および第2のスプロケット173A,173Bによって遊技球の払出が開始されたことを条件に、初期値(実施形態1では「2000ms」)を所定時間(実施形態1では「1ms」)が経過するごとに、つまり後述するシステムタイマ割込み処理(図85参照)が行われるたびに「1」減算する、すなわち更新するようになっている。
ここで、上述の第1および第2の担保球タイマ306A,306Bに設定される初期値(実施形態1では「2000ms」)は、15個の遊技球の担保が完了すると仮定される時間、つまり球タンク161から所定個数(実施形態1では、15個)の遊技球を払出すのに十分な時間に設定される。こうした更新を行う払出CPU301は、第1の更新手段を構成する。なお、第1および第2の担保球タイマ306A,306Bによって更新される値は、第1の値を構成する。
[副制御回路]
副制御回路200は、主制御回路70のシリアル通信用IC76に接続される。そして、副制御回路200は、主制御回路70から送信される各種のコマンドに応じて、液晶表示装置13における表示制御、スピーカ11から発生させる音声に関する制御、装飾ランプ等を含むランプ18の制御等を行う。
すなわち、副制御回路200は、主制御回路70からの指令に基づいて、遊技の進行に応じた各種演出を実行する。なお、実施形態1では、副制御回路200から主制御回路70に対して信号を供給できない構成としたが、本発明はこれに限定されず、副制御回路200から主制御回路70に信号送信可能な構成を備えていてもよい。
また、副制御回路200は、演出ボタン23と接続されていて演出ボタン23の操作によって、信号を出力する演出ボタンスイッチ23aとも接続されている。これにより副制御回路200は、例えば、演出ボタン23を用いたミニゲーム等の演出制御を行うこともできる。
副制御回路200は、図33に示すように、サブCPU201と、プログラムROM202と、ワークRAM203と、表示制御回路205と、音声制御回路206と、ランプ制御回路207とを備える。サブCPU201には、プログラムROM202、ワークRAM203、表示制御回路205、音声制御回路206およびランプ制御回路207が接続される。
プログラムROM202には、サブCPU201によりパチンコ遊技機1の演出動作を制御するための各種プログラム(図63〜図80参照)や、各種データテーブル(図39〜図43参照)が記憶される。そして、サブCPU201は、プログラムROM202に記憶されたプログラムに従って、各種の処理を実行する。特に、サブCPU201は、主制御回路70から送信される各種のコマンドに従って、副制御回路200全体の制御を行う。
なお、実施形態1では、プログラムや各種テーブル等を記憶する記憶手段として、メインROM72およびプログラムROM202を適用したが、本発明はこれに限定されない。このような記憶手段としては、制御手段を備えたコンピュータにより読み取り可能な記憶媒体であれば別態様の記憶媒体を用いてもよく、例えば、ハードディスク装置、CDROMおよびDVD−ROM、ROMカートリッジ等の記憶媒体を適用してもよい。
また、プログラムの各々が別々の記憶媒体に記録されていてもよい。さらに、プログラムは、予め記録媒体に記録されていてもよいし、電源投入後に外部等からダウンロードされ、ワークRAM203等に記録されてもよい。
ワークRAM203は、サブCPU201が各種処理を実行する際の一時記憶領域と作用し、サブCPU201が各種処理に必要となる種々のフラグや変数の値が記憶される。なお、実施形態1では、サブCPU201の一時記憶領域としてワークRAM203を用いるが、本発明はこれに限定されず、読み書き可能な記憶媒体であれば任意の記録媒体を一時記憶領域として用いてよい。
表示制御回路205は、演出に関する画像を液晶表示装置13に表示させる制御を行う。この表示制御回路205は、図示しないが、画像データプロセッサ(以下、VDP(Video Display Processor)と称する)、画像データROM、フレームバッファ、および、D/A(Digital to Analog)コンバータ等を有する。
なお、画像データROMには、各種の画像データを生成するためのデータが記憶される。フレームバッファは、画像データを一時的に保存する。また、D/Aコンバータは、画像データ(デジタル電気信号)を画像信号(アナログ電気信号)に変換する。
表示制御回路205は、サブCPU201から供給されるデータに基づいて、液晶表示
装置13の表示領域13aに画像を表示させるための種々の処理を行う。また、表示制御
回路205は、サブCPU201から供給される画像表示命令に基づいて、装飾図柄(演
出用識別図柄)を示す装飾図柄画像データ、背景画像データ、演出用画像データ等の画像
データを一時的にフレームバッファに格納する。
そして、表示制御回路205は、フレームバッファに格納した画像データを所定のタイミングでD/Aコンバータに供給する。D/Aコンバータは、画像データを画像信号に変換し、その画像信号を所定のタイミングで液晶表示装置13に供給する。これにより、液晶表示装置13の表示領域13aに所定の演出画像が表示される。
音声制御回路206は、音声に関する制御を行う音源IC、各種の音声データを記憶する音声データROM、および、音声信号を増幅するための増幅器(以下、AMPと称する)等を有する。
なお、音源ICは、スピーカ11から発生させる音声の制御を行う。音源ICは、サブCPU201から供給される音声発生命令に基づいて、音声データROMに記憶されている複数の音声データから一つの音声データを選択する。
そして、音源ICは、選択した音声データを音声データROMから読み出し、読み出した音声データを所定の音声信号に変換して、AMPに供給する。また、AMPは、音声信号を増幅して、スピーカ11から音声を発生させる。
ランプ制御回路207は、ランプ制御信号を供給するためのドライブ回路、および複数種類のランプ点灯パターンが記憶されているランプデータROM等を有する。なお、ドライブ回路は、サブCPU201から供給されるランプ点灯命令に基づいて、ランプデータROMに記憶されている複数のランプ点灯パターンから一つのランプ点灯パターンを選択する。
そして、選択したランプ点灯パターンをランプデータROMから読み出し、読み出した音声データを所定のランプ制御信号に変換して、装飾ランプ等を含むランプ18の点灯および消灯を行う。
[遊技状態の種別]
まず、メインCPU71で制御および管理される遊技状態の種別について、図34を参照して説明する。図34はパチンコ遊技機の基本仕様を示すテーブルの一例を示す図である。
実施形態1において、メインCPU71で制御および管理される遊技状態の種別としては、「大当り遊技状態」、「小当り遊技状態」および「時短遊技状態」がある。
「大当り遊技状態」は、「大当り遊技」が行われる遊技状態であり、第1大入賞装置54のシャッタ54aが開閉動作をする遊技状態である。すなわち、「大当り遊技」とは、第1大入賞装置54のシャッタ54aが開閉動作を行い、複数回のラウンドゲームが行われる遊技である。「大当り遊技」は、第1始動口44または第2始動口45に入球したことにより行われる抽選において、「大当り」に当選することで行われる。
第1始動口44または第2始動口45に遊技球が入球した場合には、それぞれ1/200の確率で「大当り」に当選する(図34(a)参照)。「大当り」に当選した場合は、「大当り遊技状態」となる。なお、図34(c)に示すように、第1始動口44への入球により「大当り」に当選した場合には、特図(1)−1〜特図(1)−12の12個の特図種別のうち、いずれかの種別に分けられる。また、第2始動口45への入球により「大当り」に当選した場合の特図種別は、特図(2)−1のみである。
特図(1)−1および特図(1)−2の当り内容は「出玉有り時短」である。この場合の「大当り遊技」は5回のラウンドゲームを有する。すなわち、シャッタ54aが5回開放する開閉動作を行う。そして、シャッタ54aの1回当りの開放時間は27.996秒である(図34(d)参照)。ただし、開放時間がこれより短くても、第1大入賞装置54に10個の遊技球が入球されたことが検出されると、シャッタ54aは閉鎖される(図34(a)参照)。第1大入賞装置54に入球する遊技球が1個当たり15個の払出しがなされる。
特図(1)−1の期待値は1%である。つまり、大当り遊技が決定された場合の当り種別が特図(1)−1である確率は1%である。また、特図(1)−2の期待値は44%である。また、通常遊技から移行して、特図(1)−1および特図(1)−2の「大当り遊技」が行われた後には、「時短遊技」が行われる。ここで、「時短遊技」が行われる回数は最大100回である。詳細は後述するが、「時短遊技」が行われる回数は特別図柄の変動表示が実行される回数に対応する。なお、「通常遊技」から移行していない「大当り遊技」の後の「時短遊技」の有無については、後述する。
また、特図(1)−3〜特図(1)−7の当り内容は「出玉無し時短」である。この場合の「大当り遊技」は5回のラウンドゲームを有する。すなわち、シャッタ54aが5回開放する開閉動作を行う。そして、図34(d)に示すように、シャッタ54aの1回当りの開放時間は0.102秒であり開放時間が短いため、この「大当り遊技」において第1大入賞装置54に遊技球が入球する可能性は低い。そのため、この「大当り遊技」において第1大入賞装置54に遊技球が入球する可能性は低く、遊技球が払出されることもほとんどない。
特図(1)−3〜特図(1)−7のそれぞれの期待値は1%である。また、通常遊技から移行して、特図(1)−3〜特図(1)−7の「大当り遊技」が行われた後には、「時短遊技」が行われる。ここで、「時短遊技」が行われる回数は最大100回である。
また、特図(1)−8〜特図(1)−12の当り内容は「出玉無し通常」である。この場合の「大当り遊技」は5回のラウンドゲームを有する。すなわち、シャッタ54aが5回開放する開閉動作を行う。そして、図34(d)に示すように、シャッタ54aの1回当りの開放時間は0.102秒であり開放時間が短いため、この「大当り遊技」において第1大入賞装置54に遊技球が入球する可能性は低い。そのため、この「大当り遊技」において第1大入賞装置54に遊技球が入球する可能性は低く、遊技球が払出されることもほとんどない。
特図(1)−8〜特図(1)−11のそれぞれの期待値は12%であり、特図(1)−12の期待値は2%である。また、通常遊技から移行して、特図(1)−8〜特図(1)−12の「大当り遊技」が行われた後には、「時短遊技」は行われず、「通常遊技状態」となる。
特図(2)−1の当り内容は「出玉有り」である。この場合の「大当り遊技」は5回のラウンドゲームを有する。すなわち、シャッタ54aが5回開放する開閉動作を行う。そして、シャッタ54aの1回当りの開放時間は27.996秒である。ただし、開放時間がこれより短くても、第1大入賞装置54に10個の遊技球が入球されたことが検出されると、シャッタ54aは閉鎖される(図34(a)参照)。第1大入賞装置54に入球する遊技球が1個当たり15個の払出しがなされる。
特図(2)−1の期待値は100%である。つまり、第2始動口45への入球により、大当り遊技が決定された場合には必ず特図(2)−1である。特図(2)−1の「大当り遊技」が行われた後には、「時短遊技」が行われる。ここで、「時短遊技」が行われる回数は最大100回である。
「小当り遊技状態」は、「小当り遊技」が行われる遊技状態であり、第2大入賞装置53の羽根部材53aが開閉動作をする遊技状態である。「小当り遊技」は、第2始動口45に遊技球が入球した場合に行われる抽選により「小当り」に当選することで行われる。なお、上述したように、第1始動口44に入球しても「小当り」に当選することはない。
第2始動口45に遊技球が入球した場合には、199/200の確率で「小当り」に当選する(図34(a)参照)。「小当り」に当選した場合は、「小当り遊技状態」となる。なお、図34(c)に示すように、第2始動口45への入球により「小当り」に当選した場合には、小当り(2)−1〜小当り(2)−4の4個の特図種別のうちいずれかの種別に振り分けられる。
小当り(2)−1および小当り(2)−2の当り内容は「V当りで16R」である。この場合の「小当り遊技」は羽根部材53aが3回開放する開閉動作を行う。そして、羽根部材53aの1回当りの開放時間は、小当り(2)−1では1.5秒であり、小当り(2)−2では1.2秒である(図34(d)参照)。ただし、開放時間がこれより短くても、第2大入賞装置53に4個の遊技球が入球されたことが検出されると、羽根部材53aは閉鎖されて開放しない(図34(a)参照)。また、第2大入賞装置53において、4個の遊技球が入球されたことが検出されると、羽根部材53aの開放回数が3回でなくても、羽根部材53aは閉鎖されて開放しない。第2大入賞装置53に入球する遊技球が1個当たり15個の払出しがなされる。
また、小当り(2)−1および小当り(2)−2の「小当り遊技」において第2大入賞装置53のV入賞口57に遊技球が入球した場合は「V当り」となり、16ラウンドの「大当り遊技」が行われる。ただし、この場合は、V入賞口57へ入球する契機となった羽根部材53aの開閉動作を1ラウンド目とするので、V入賞口57への入球後に第1大入賞装置54のシャッタ54aが15回開放する開閉動作を行う。このように、V入賞口57への入球により開始される遊技についても、「大当り遊技」という。この「大当り遊技」では、シャッタ54aの1回当りの開放時間は27.996秒である。ただし、開放時間がこれより短くても、第1大入賞装置54に10個の遊技球が入球されたことが検出されると、シャッタ54aは閉鎖される。そして、第1大入賞装置54に入球する遊技球が1個当たり15個の払出しがなされる。
小当り(2)−1の期待値は16%である。つまり、小当り遊技が決定された場合に小当り(2)−1である確率が16%である。また、小当り(2)−2の期待値は17%である。また、小当り(2)−1および小当り(2)−2の「大当り遊技」が行われた後には、「時短遊技」が行われる。ここで、「時短遊技」が行われる回数は最大100回である。なお、小当り(2)−1および小当り(2)−2の「大当り遊技」の後に、「時短遊技」が行われない場合もあるが、それについては後述する。
また、小当り(2)−3および小当り(2)−4の当り内容は「V当りで2R」である。この場合の「小当り遊技」は羽根部材53aが3回開放する開閉動作を行う。そして、羽根部材53aの1回当りの開放時間は、小当り(2)−3では1.5秒であり、小当り(2)−4では1.2秒である(図34(d)参照)。ただし、開放時間がこれより短くても、第2大入賞装置53に4個の遊技球が入球されたことが検出されると、羽根部材53aは閉鎖されて開放しない(図34(a)参照)。第2大入賞装置53に入球する遊技球が1個当たり15個の払出しがなされる。
また、小当り(2)−3および小当り(2)−4の「小当り遊技」において第2大入賞装置53のV入賞口57に遊技球が入球した場合は「V当り」となり、2ラウンドの「大当り遊技」が行われる。ただし、この場合は、V入賞口57への入球を1ラウンド目とするので、V入賞口57への入球後に第1大入賞装置54のシャッタ54aが1回開放する開閉動作を行う。このように、V入賞口57への入球により開始される遊技についても、「大当り遊技」という。この「大当り遊技」は小当り(2)−1および小当り(2)−2の「大当り遊技」とはラウンド数が異なるが、開放時間や払出数等は同様である。
小当り(2)−3の期待値は33%である。また、小当り(2)−4の期待値は34%である。また、小当り(2)−3および小当り(2)−4の「大当り遊技」が行われた後には、「時短遊技」が行われる。ここで、「時短遊技」が行われる回数は最大100回である。
「時短遊技状態」は、「時短遊技」が行われる遊技状態であり、普通図柄の当選確率が相対的に高い遊技状態のことである。すなわち、「時短遊技状態」は、第2始動口45に設けられた普通電動役物46が開放状態になりやすい遊技状態(第2始動口入賞が発生しやすい遊技状態)であり、遊技者にとって有利な遊技状態である。なお、「時短遊技状態」は、特別図柄の変動表示が所定回数(実施形態1では100回)実行された場合、「V当り」となった場合、または「大当り」に当選した場合に終了する。
なお、「時短遊技状態」では、普通図柄の当選確率が相対的に高いだけでなく、普通図柄ゲームにおける抽選時間を相対的に短くしてもよい。また、普通電動役物46の開閉動作における開放時間を相対的に長くしてもよい。
図34(b)に示すように、「時短遊技状態」では、普通図柄の当選確率が高確率であって、256/256である。なお、実施形態1では「時短遊技状態」において256/256の高確率で普通図柄の抽選を行っているが、普通図柄の抽選を行わず、常に当りとしてもよい。また、「時短遊技状態」以外は、普通図柄の当選確率が低確率であって、0/256、すなわち普通図柄には当選しない。なお、「時短遊技状態」以外について、実施形態1では0/256の低確率で普通図柄の抽選を行っているが、普通図柄の抽選を行わず、常にハズレとしてもよい。
なお、「通常遊技状態」は「通常遊技」が行われる遊技状態であり、「大当り遊技状態」、「小当り遊技状態」および「時短遊技状態」のいずれでもない遊技状態である。
上述した各種遊技状態間の移行動作は、主制御回路70により制御される。すなわち、主制御回路70は、各種遊技状態間の移行動作を制御する手段を兼ねる。
[メイン制御の状態遷移]
上述した各種遊技状態間の移行について図35を用いて説明する。図35はパチンコ遊技機のメイン制御の状態遷移図である。
図35に示すように、パチンコ遊技機1において遊技を始めた際は、通常は「通常遊技状態」で遊技を行う。ここで、第1始動口44に入賞するごとに第1始動口44についての特別図柄の抽選処理が行われる。ただし、上述したように、「通常遊技状態」では普通図柄には当選しないので、普通電動役物46が開放することはなく、第2始動口45に入賞することはない。
第1始動口44に入賞した際に「大当り」に当選した場合は、「大当り遊技状態」に移行する。この際に、当り内容が、特図(1)−8〜特図(1)−12である場合は、「大当り遊技状態」の後に「通常遊技状態」に移行する(非時短大当り)。
「通常遊技状態」において、第1始動口44に入賞して「大当り」に当選した場合に、当り内容が特図(1)−1〜特図(1)−7である場合は、「大当り遊技状態」の後に「時短遊技状態」に移行する(時短大当り)。具体的には、遊技球が球通過検出器43を通過することにより普通図柄の抽選処理が行われる。「時短遊技状態」においては高確率で普通図柄の抽選に当選するので、球通過検出器43を遊技球が通過すると、普通電動役物46が開放状態となる。普通電動役物46が開放状態となった時に遊技球が第2始動口45に入賞すれば、第2始動口45についての特別図柄の抽選処理が行われる。
なお、「時短遊技状態」においては、球通過検出器43を遊技球が通過することが遊技者にとって好ましいので、遊技者は「右打ち」を行うことが好ましい。そのため、パチンコ遊技機1が、表示および音声等により、遊技者に「右打ち」を促すような演出を行うこととしてもよい。
第2始動口45に入賞した際に「小当り」に当選した場合は「小当り遊技状態」に移行し、羽根部材53aの開閉動作が行われる。羽根部材53aが開放状態になった際に第2大入賞装置53に入賞し、かつ、V入賞口57に入賞した場合は「大当り遊技状態」に移行する。なお、このときの当り内容に応じてラウンドゲームの回数が異なる。小当り(2)−1および小当り(2)−2の場合は、当り内容が「V当りで16R」であり、「V当り」となった際の第2大入賞装置53における羽根部材53aが開放状態となるのを1ラウンドとし、このラウンドも含めて16ラウンドの「大当り遊技」が実行される。また、小当り(2)−3および小当り(2)−4の場合は、当り内容が「V当りで2R」であり、「V当り」となった際の第2大入賞装置53における羽根部材53aが開放状態となるのを1ラウンドとし、このラウンドも含めて2ラウンドである。一般的には、ラウンド数が多い方が、払出される遊技球が多くなることから、遊技者にとっては、「V当りで16R」の「小当り」において「V当り」することが、「V当りで2R」の「小当り」において「V当り」するよりも有利といえる。
詳細は、後述するが、実施形態1に係るパチンコ遊技機1では、所定の条件を満たすことにより、「小当り」に当選した際に「V当り」した場合に移行する「大当り遊技」のラウンド数に関する報知を行う。これにより、遊技者は、この報知内容に沿っていわゆる「止め打ち」を行う等の遊技球の発射操作に変化をつけることにより、「V当り」後に移行する「大当り遊技状態」において払出される遊技球を増加させることができる。
ここで、「通常遊技状態」において時短大当りとなった場合は、「時短遊技状態」および「大当り遊技状態」を所定回数ずつ交互に移行させる。実施形態1では、「通常遊技状態」の後の「大当り遊技状態」いわゆる初当りの「大当り遊技状態」の後、3回ずつ「時短遊技状態」および「大当り遊技状態」を所定回数ずつ交互に移行させる。つまり、「通常遊技状態」→「大当り遊技状態」→「時短遊技状態」→「大当り遊技状態」→「時短遊技状態」→「大当り遊技状態」→「時短遊技状態」→「大当り遊技状態」→「通常遊技状態」の順番で移行する。ただし、これらの遊技状態の移行においては、例えば「時短遊技状態」において「小当り」に当選した場合に「小当り遊技状態」に移行するが、この「小当り遊技状態」については、省略している。なお、初当りの「大当り遊技状態」以外の「大当り遊技状態」は、「V当り」を契機とするものとは限らない。つまり、図34に示す特図(2)−1の「大当り」による「大当り遊技状態」も含まれ、例えば、この「大当り」による「大当り遊技状態」に3回移行する可能性もある。
このように、実施形態1では、時短大当りとなった場合は、原則、4回の「大当り遊技」および3回の「時短遊技」が行われる。3回目の「時短遊技状態」における「小当り」の当選においていずれの当り内容であっても、続く「大当り遊技状態」の後は「時短遊技状態」とならずに「通常遊技状態」となる。また、1回目および2回目の「時短遊技状態」における「小当り」の当選においていずれの当り内容であっても、続く「大当り遊技状態」の後は「時短遊技状態」となる。
第2始動口45の特別図柄抽選では、「小当り」に当選せずに「大当り」が当選する場合もあるが、その場合も「大当り遊技状態」へと移行する。
ここで、「時短遊技状態」では、遊技者は「右打ち」を行っている可能性が高く、第1始動口44に入賞する可能性は低い。しかし、第1始動口44に入賞し、「大当り」に当選した場合は、当り内容に応じてラウンド数および開放時間が決定され、「大当り遊技」が行われる。なお、1回目および2回目の「時短遊技状態」における「大当り」の当選では、当り内容が特図(1)−8〜特図(1)−12であっても「大当り遊技状態」の後は「時短遊技状態」となる。また、3回目の「時短遊技状態」において、第1始動口44に入賞して「大当り」に当選した場合は、いずれの当り内容であっても、続く「大当り遊技状態」の後は「時短遊技状態」とならずに「通常遊技状態」となる。
このように、実施形態1では、「通常遊技状態」において時短大当りとなった場合は、セット遊技が行われるが、「時短遊技状態」において「時短遊技」が100回行われる間に、「V当り」がなされなかった場合は、「時短遊技状態」から「通常遊技状態」に移行する。ただし、実施形態1では、第2大入賞装置53に遊技球が入球した際にV入賞口57の可動部材57aの開放タイミングを調整することにより設定することができる。したがって、遊技者が通常の発射操作を行う場合は、「時短遊技」が100回行われる間に、「V当り」がなされない可能性は低い。例えば、第2大入賞装置53に入球した際にV入賞口57に入球する確率は、2/3程度にしておけばよい。
具体的には、第2大入賞装置53の羽根部材53aが開放し始めた閉鎖するまでの間に、可動部材57aが開閉動作を行うことすればよい。そして、可動部材57aが開放動作を開始するタイミングや、開放している時間等を調整することにより、第2大入賞装置53に入球した際にV入賞口57に入球する確率を調整できる。それにより、この確率が2/3程度となるようにすればよい。例えば、可動部材57aが開放している時間を、羽根部材53aが開放している時間の約2/3程度の時間とすればよい。
[サブ制御の状態遷移]
上述した各種遊技状態間の移行について図36を用いて説明する。図36はパチンコ遊技機のサブ制御の状態遷移図である。
ここで、特図(1)−1〜特図(1)−2の「大当り」は遊技球の払出しが期待できる「大当り遊技状態」への移行の契機となるため、この時に表示領域13aに表示される装飾図柄は、例えば、同じ数字を3つ並べたものとすればよい。それにより、遊技者も有利な遊技状態に移行することがわかる。このため、特図(1)−1〜特図(1)−2の「大当り」については、「図柄揃い大当り」という場合がある。
また、特図(1)−3〜特図(1)−12の「大当り」は遊技球の払出しが期待できない「大当り遊技状態」への移行の契機となるため、この時に表示領域13aに表示される装飾図柄は、異なる数字を並べたものとすればよい。このため、特図(1)−3〜特図(1)−12の「大当り」については、「図柄揃わない大当り」という場合がある。
なお、表示領域13aに表示される装飾図柄は、右図柄、中図柄、左図柄の3つの図柄が並ぶような態様とすればよく、特図(1)−3〜特図(1)−12の「大当り」では、右図柄および左図柄が同一の図柄とし、中図柄については特別の図柄が表示されることしてもよい。特別の図柄である中図柄を複数種類有することとし、表示される中図柄に応じて「大当り」における演出が異なることとしてもよい。そして、これら演出の違いにより「時短遊技状態」への突入期待度が異なることとすればよい。この場合は、特図(1)−3〜特図(1)−12のそれぞれごとに、複数種類の中図柄のそれぞれの選択率を異ならせることで時短突入期待度を異ならせるようにすればよい。例えば、中図柄がおみくじを引くような図柄であり、出てきたおみくじにより、時短遊技への移行を示唆する等すればよい。
上述したように、実施形態1では、「通常遊技状態」、「大当り遊技状態」および「時短遊技状態」を有している。図36に示すように、「通常遊技状態」と「大当り遊技状態」とは互いに移行可能であり、「大当り遊技状態」と「時短遊技状態」とは互いに移行可能となっている。なお、「小当り遊技状態」も存在するが、ここでは省略する。
図36に示すように、「通常遊技状態」の中には、「第1高確率状態」、「第2高確率状態」、「第3高確率状態」および「第4高確率状態」が含まれている。そして、「通常遊技状態」の中には、「第1高確率状態」〜「第4高確率状態」以外の状態である「通常遊技状態(サブ)」も含まれている。上述したように、実施形態1では、所定の条件を満たした場合には「小当り」に当選した際に「V当り」となった場合に移行する「大当り遊技」のラウンド数に関する報知を行う。この報知を行うか否かあるいは報知の回数等の報知態様を決定する必要がある。そして、これら「第1高確率状態」〜「第4高確率状態」および「通常遊技状態(サブ)」のそれぞれにおいて決定される報知態様が異なる。
まず、「第1高確率状態」〜「第4高確率状態」のそれぞれについて説明する。
「第1高確率状態」において、特図(1)−1〜特図(1)−7の「大当り」に当選してセット遊技に移行した場合は、セット遊技において実行される3回の「時短遊技状態」のすべてにおいて、「小当り」に当選した際に「V当り」した場合に移行する「大当り遊技」のラウンド数が報知される。つまり、遊技球がV入賞口57に入賞した場合には、16ラウンドの「大当り遊技」および2ラウンドの「大当り遊技」のいずれが実行されるかを報知する。なお、セット遊技が終了して「通常遊技状態」に移行した際には、「第1高確率状態」となる。また、特図(1)−8〜特図(1)−12の「大当り」に当選してセット遊技ではなく1回のみの単発の「大当り遊技状態」に移行した場合は、「大当り遊技状態」が終了して「通常遊技状態」に移行した際には、「第1高確率状態」が維持される。
「第1高確率状態」には、「第3高確率状態」および「第4高確率状態」以外の「通常遊技状態」つまり「第2高確率状態」および「通常遊技状態(サブ)」において、パチンコ遊技における演出に応じて(例えば、ミニゲームの結果に応じて)蓄積されるポイントが100ポイントに到達することで移行する。そして、「第1高確率状態」において20ゲーム消化すると「第2高確率状態」に移行する。具体的には、「第1高確率状態」において、特別図柄の変動表示が20回行われると、「第2高確率状態」に移行する。
「第2高確率状態」は、「第1高確率状態」に移行しやすい状態である。すなわち、「第2高確率状態」は、「第1高確率状態」への移行の契機となるポイントが他の遊技状態に比べて貯まりやすい遊技状態である。なお、特図(1)−8〜特図(1)−12の「大当り」に当選してセット遊技ではなく1回のみの単発の「大当り遊技状態」に移行した場合は、「大当り遊技状態」が終了して「通常遊技状態」に移行した際には、「第1高確率状態」となる。
上述したように「第1高確率状態」において20ゲーム消化すると「第2高確率状態」に移行する。また、「第2高確率状態」において10ゲーム消化すると「第1高確率状態」〜「第4高確率状態」以外の「通常遊技状態(サブ)」に移行する。
「第1高確率状態」、「第3高確率状態」および「第4高確率状態」以外の「通常遊技状態」つまり「第2高確率状態」および「通常遊技状態(サブ)」において、特図(1)−1の「大当り」に当選してセット遊技に移行した場合は、セット遊技において実行される3回の「時短遊技状態」のすべてにおいて、「小当り」に当選した際に「V当り」した場合に移行する「大当り遊技」のラウンド数が報知される。また、特図(1)−2〜特図(1)−7の「大当り」に当選してセット遊技に移行した場合は、上記ラウンド数の報知が行われる回数について、抽選により決定される。この抽選については、後述する。なお、セット遊技が終了して「通常遊技状態」に移行した際には、「第1高確率状態」となる。また、特図(1)−8〜特図(1)−12の「大当り」に当選してセット遊技ではなく1回のみの単発の「大当り遊技状態」に移行した場合は、「大当り遊技状態」が終了して「通常遊技状態」に移行した際には、「第1高確率状態」となる。
「第3高確率状態」は、いわゆる天井機能を発動させるための遊技状態(天井状態)である。天井機能とは、遊技者にとって不利な状態が継続していることを条件として、遊技者にとって有利な特典を付与するものである。具体的には、「第3高確率状態」において特図(1)−1〜特図(1)−7の「大当り」に当選してセット遊技に移行した場合は、セット遊技において実行される3回の「時短遊技状態」のすべてにおいて、「小当り」に当選した際に「V当り」した場合に移行する「大当り遊技」のラウンド数が報知される。このセット遊技が終了した後は、「第1高確率状態」に移行する。さらに、「第3高確率状態」において、特図(1)−8〜特図(1)−12の「大当り」に当選して、セット遊技ではなく1回のみの「大当り遊技状態」に移行した場合に、この「大当り遊技状態」が終了して「通常遊技状態」に移行した際には、「第3高確率状態」が維持される。「第3高確率状態」は特図(1)−1〜特図(1)−7の「大当り」に当選してセット遊技に移行するまで維持される。
上述したように「第3高確率状態」は、天井機能を発動させるための遊技状態である。第1始動口44に遊技球が入球しても「大当り」にならない状態が連続した場合に「第3高確率状態」に移行する。実施形態1では、第1始動口44に遊技球が入球しても「大当り」にならない状態が、111ゲーム、222ゲーム、333ゲーム、444ゲーム、555ゲーム、666ゲーム、777ゲーム、888ゲームおよび999ゲーム続いた場合は、その都度天井抽選がサブCPU201により行われ、当選した場合は「第3高確率状態」に移行する。天井抽選の詳細は、後述する。
なお、天井状態である「第3高確率状態」に移行した後も、特図(1)−1〜特図(1)−7の「大当り」に当選しない状態が、111ゲーム、222ゲーム、333ゲーム、444ゲーム、555ゲーム、666ゲーム、777ゲーム、888ゲームおよび999ゲーム続いた場合は、その都度サブCPU201が天井抽選を行うこととしてもよい。そして、当選した場合は「第3高確率状態」を蓄積して記憶できることとすればよい。すなわち、「第3高確率状態」を複数記憶している場合は、特図(1)−1〜特図(1)−7の「大当り」に当選して、セット遊技において実行される3回の「時短遊技状態」のすべてにおいて、「小当り」に当選した際に「V当り」した場合に移行する「大当り遊技」のラウンド数の報知を、「第3高確率状態」を記憶している回数だけ可能であることとすればよい。つまり、「第3高確率状態」を蓄積して記憶している場合は、「第3高確率状態」記憶している回数だけ、セット遊技終了後に再び「第3高確率状態」に移行する。
また、天井状態である「第3高確率状態」に移行した後に、特図(1)−1〜特図(1)−7の「大当り」に当選しないゲーム数を計数しておき、報知が行われて「第3高確率状態」から「通常遊技状態」に移行した際に、再び天井抽選の基準となるゲーム数の計数を始める際に、上記「第3高確率状態」に移行後からのゲーム数を上乗せしてゲーム数の計数を行ってもよい。
「第4高確率状態」は、終日、遊技者にとって有利な特典(終日ナビ)を付与するためのものである。具体的には、「第4高確率状態」において特図(1)−1〜特図(1)−7の「大当り」に当選してセット遊技に移行した場合は、セット遊技において実行される3回の「時短遊技状態」のすべてにおいて、「小当り」に当選した際に「V当り」した場合に移行する「大当り遊技」のラウンド数が報知される。
また「第4高確率状態」において、セット遊技が終了した場合、および、「時短遊技状態」に移行しない単発の「大当り遊技状態」が終了した場合には、「第4高確率状態」が維持される。このように、「第4高確率状態」に移行した場合は、「第4高確率状態」が維持されることとなる。そして、ワークRAM203がクリアされない限り、「第4高確率状態」は維持される。このように、「第4高確率状態」ではセット遊技において実行される3回の「時短遊技状態」のすべてにおいて報知がなされるうえ、ワークRAM203がクリアされるまで「第4高確率状態」が維持されるため、閉店時までセット遊技における上記報知が継続する。したがって、「第4高確率状態」における上記報知を終日ナビという。
ワークRAM203のクリアは、バックアップスイッチを押しながらパチンコ遊技機1の電源を入れることによりなされるものである。単にパチンコ遊技機1の電源をOFFとしただけではワークRAM203はクリアされることはない。つまり、なんらかのエラーが生じたことにより、パチンコ遊技機1の電源をOFFにした場合でもワークRAM203はクリアされず、「第4高確率状態」は維持される。なお、通常は、ホールの営業時間中にワークRAM203がクリアされることはない。
ここで、ワークRAM203がクリアされるとRAMクリアフラグがセットされ、RAMクリアフラグがセットされた後1回目の当りが特図(1)−12の「大当り」であれば、1/1の確率で「第4高確率状態」に当選し、「第4高確率状態」に移行する。また、RAMクリアフラグがセットされた後1回目の当りがいずれであっても、RAMクリアフラグはOFFになる。それ以降の当りが特図(1)−12の「大当り」となった場合は、1/10の確率で「第4高確率状態」に当選し、「第4高確率状態」に移行する。
なお、上述したように、「第4高確率状態」に移行するには、ワークRAM203がクリアされることが条件としたが、ワークRAM203がクリアされずに単にパチンコ遊技機1が電源OFFから電源ONされたことを条件としてもよい。つまり、パチンコ遊技機1の電源がONされた後、1回目の当りが特図(1)−12の「大当り」であれば、1/1の確率で「第4高確率状態」に当選し、「第4高確率状態」に移行することとしてもよい。なお、パチンコ遊技機1の電源がONされた場合に電源ONフラグがセットされることとすればよい。そして、電源ONフラグがセットされた後1回目の当りがいずれであっても、電源ONフラグはOFFになる。それ以降の当りが特図(1)−12の「大当り」となった場合は、1/10の確率で「第4高確率状態」に当選し、「第4高確率状態」に移行することとしてもよい。この場合は、パチンコ遊技機1の電源がOFFとなるまで「第4高確率状態」が維持されることとすればよい。特図(1)−12の「大当り」のときに、1/1の確率や1/10の確率で「第4高確率状態」に当選することとしたが、「第4高確率状態」に当選する当りの種類や、その当選確率については適宜設定可能である。
次に、「通常遊技状態」および「大当り遊技状態」間の移行について説明する。図36に示すように、「通常遊技状態」において「図柄揃い当り」(第1大当たり状態)に当選した場合、および「図柄揃わない当り」(第1大当り状態)に当選した場合は、いずれも「大当り遊技状態」に移行する。なお、「図柄揃い当り」に当選した場合は遊技球の払出しが期待できる5ラウンドの「大当り遊技状態」に移行し、「図柄揃わない当り」に当選した場合は遊技球の払出しが期待できない5ラウンドの「大当り遊技状態」(第2大当り状態)に移行する。
そして、「第4高確率状態」以外の「通常遊技状態」つまり「第1高確率状態」〜「第3高確率状態」および「通常遊技状態(サブ)」から、特図(1)−1〜特図(1)−7の「大当り」ならばセット遊技が実行され、このセット遊技が終了後「第1高確率状態」に移行する。
また、「第3高確率状態」および「第4高確率状態」以外の「通常遊技状態」つまり「第1高確率状態」、「第2高確率状態」および「通常遊技状態(サブ)」から、特図(1)−8〜特図(1)−12の「大当り」で「大当り遊技状態」に移行した場合は、時短無しの単発の「大当り遊技状態」となり、この「大当り遊技状態」が終了後「第1高確率状態」に移行する。また、「第3高確率状態」から特図(1)−8〜特図(1)−12の「大当り」で「大当り遊技状態」に移行した場合は、時短無しの単発の「大当り遊技状態」となり、この「大当り遊技状態」が終了後に再び「第3高確率状態」に移行する。
「第4高確率状態」から「大当り遊技状態」に移行した場合は、セット遊技が終了後または時短無しの単発の「大当り遊技状態」が終了後に再び「第4高確率状態」に移行する。
次に、「大当り遊技状態」および「時短遊技状態」間の移行について説明する。図36に示すように、第1始動口44または第2始動口45に入賞することによる「大当り」後のセット遊技中の場合、または、「小当り遊技状態」での「V当り」後のセット遊技中の場合に、「大当り遊技状態」から「時短遊技状態」に移行する。
また、「時短遊技状態」から「大当り遊技状態」に移行するのは、「時短遊技状態」において「V当り」した場合である。このとき、16ラウンドの「大当り遊技」に当選すれば第3大当り状態に移行し、2ラウンドの「大当り遊技」に当選すれば第4大当り状態に移行する。さらに、「時短遊技状態」において、「V当り」でなく第1始動口44または第2始動口45に入球することにより「大当り」に当選した場合も、「時短遊技状態」から「大当り遊技状態」に移行する。この場合は、第1大当り状態に移行する。
[メインROMに記憶されているデータテーブルの構成]
次に、図37、図38を参照しながら、主制御回路70のメインROM72に記憶される各種データテーブルの構成について説明する。
[メイン変動時間決定テーブル]
まず、メイン変動時間決定テーブルについて、図37、図38を参照して説明する。図37および図38はパチンコ遊技機のメイン変動時間決定テーブル1および2の一例を示す図である。
メイン変動時間決定テーブル1は、特別図柄ゲームにおいてハズレまたは「小当り」に当選した場合に参照される。このメイン変動時間決定テーブル1は、遊技状態と、リーチ判定用乱数範囲と、演出選択用乱数範囲と、変動パターンと、変動パターンコマンドと、変動時間との関係を規定する。
メイン変動時間決定テーブル1において、遊技状態は、「時短遊技状態」(時短有り)および「時短遊技状態」でない状態(時短無し)に識別される。さらに、特図種別として、特図(1)ハズレ、小当り(2)−1〜小当り(2)−4の5個に分割される。
リーチ判定用乱数範囲は、特図種別が特図(1)ハズレにおいては、選出内容がリーチであるか否かを規定している。リーチ用の変動時間を決定するリーチ用の変動時間の決定と、リーチ用の変動時間を決定しないリーチ判定用乱数の範囲を規定する。リーチ判定用乱数値は、それぞれの遊技状態において遊技球が第1,第2始動口44,45に入賞したときに、図示しないリーチ判定用カウンタから抽出され、メインRAM73に格納される。実施形態1のリーチ判定用カウンタから抽出されるリーチ判定用乱数値は0〜250に設定されている。
図37に示すように、例えば、特図(1)がハズレであって、そのときの遊技状態が時短遊技状態でない場合は、リーチ用の変動時間を決定するリーチ判定用乱数範囲は0〜250の範囲をとる。さらに、リーチ判定用乱数範囲が0〜25のいずれかであったときにリーチが発生することが決定され、0〜99の範囲をとる演出選択用乱数の値に応じて変動パターンが決定される。変動パターンが決定されることでリーチ用の変動時間(20000ms,30000ms,40000ms)および演出内容(「ハズレノーマルリーチ」、「ハズレスーパーリーチA」および「ハズレスーパーリーチB」)が決定する。なお、これらリーチにはそれぞれ複数種類のリーチ内容が含まれており、これ以降のリーチ内容については副制御回路200にて決定される。
なお、特図(1)がハズレであって、そのときの遊技状態が時短遊技状態である場合は、変動時間(50000ms)が比較的長めに設定されているが、これは、「時短遊技状態」において遊技者にとって不利な第1特別図柄の抽選が行われにくくするためである。なお、第2特別図柄の抽選は第1特別図柄の抽選より優先される。なお、第2特別図柄の保留を持たない仕様である場合には、このデータを備える必要がないため、このデータを備えない。
ここで、小当り(2)−1〜小当り(2)−4であってその時の遊技状態が時短遊技状態でない場合は、「時短遊技」が100回行われた後、第2特別図柄の保留分によるものであり、これが発生する可能性は低い。なお、この場合に、「V当り」したときは、例えば「時短遊技」が再び行われるような復活演出が行われることとすれば好ましい。
演出選択用乱数範囲は、リーチ判定用乱数範囲、変動時間および演出内容に対応する演出選択用乱数の範囲を規定する。演出選択用乱数値は、それぞれの遊技状態において遊技球が第1始動口44または第2始動口45に入賞したときに、図示しない演出選択用カウンタから抽出される。実施形態1のメイン側演出選択用カウンタから抽出される演出選択用乱数値は0〜99に設定されている。
例えば、特図(1)がハズレであって、そのときの遊技状態が時短遊技状態でない場合は、リーチ用の変動時間を決定するリーチ判定用乱数範囲は0〜250の範囲をとる。さらに、リーチ判定用乱数範囲が26〜250のいずれかであったときに通常変動が行われることが決定され、0〜99の範囲をとる演出選択用乱数の値に応じて変動パターンが決定される。変動パターンが決定されることで変動時間(10000ms,5000ms)および演出内容(「通常変動A」および「通常変動B」)が決定する。これ以降の演出内容については副制御回路200にて決定される。
変動パターンは、演出内容を表すデータである。例えば、変動パターン02Hは、ハズレノーマルリーチを表す。変動パターンコマンドは、当選かハズレか、変動時間および演出内容を表すデータであり、主制御回路70から副制御回路200へ送信される。なお、変動パターンコマンドが主制御回路70から副制御回路200へ送信されるとき、遊技状態を特定するパラメータも副制御回路200へ送信される。
次に、メイン変動時間決定テーブル2について図38を参照して説明する。
メイン変動時間決定テーブル2は、特別図柄ゲームにおいて大当りが当選した場合に参照される。このメイン変動パターン決定テーブル2は、遊技状態と、大当り種別と、演出選択用乱数範囲と、変動パターンと、変動パターンコマンドと、変動時間との関係を規定する。
メイン変動時間決定テーブル2において、遊技状態はメイン変動時間決定テーブル1と同様に、「時短有り」は大当りが当選した際に時短遊技状態であることを示し、「時短無し」は大当りが当選した際に時短遊技状態ではないことを示している。特図種別としては、特図(1)−1〜特図(1)−12、特図(2)−1の13個に分割される。
例えば、特図(1)−2の大当りであって、そのときの遊技状態が時短遊技状態でない場合の大当り種別の内容は、出玉有り時短となり(大当り遊技状態において遊技球が払い出されることが期待され、大当り遊技状態後に時短遊技状態に移行する)、0〜99の範囲をとる演出選択用乱数の値に応じて変動パターンが決定される。変動パターンが決定されることで変動時間(20100ms,30100ms,40100ms)および演出内容(「当りノーマルリーチ」、「当りスーパーリーチA」および「当りスーパーリーチB」)が決定する。なお、これらリーチにはそれぞれ複数種類のリーチ内容が含まれており、これ以降のリーチ内容については副制御回路200にて決定される。
図38に示すように、大当りが当選した際に時短遊技状態である場合および時短遊技状態でない場合のいずれであっても、特図(1)−1および特図(1)−2はリーチ演出が対応しているが、特図(1)−3〜特図(1)−12の場合は出玉無し演出が行われる。特図(1)−1および特図(1)−2は「図柄揃い大当り」であるが、特図(1)−3〜特図(1)−12は「図柄揃わない大当り」である。
[サブROMに記憶されているデータテーブルの構成]
次に、図39〜図43を参照しながら、副制御回路200のプログラムROM72に記憶される各種データテーブルの構成について説明する。
[天井抽選テーブル]
まず、天井抽選テーブルについて図39を参照して説明する。図39はパチンコ遊技機の天井抽選テーブルの一例を示す図である。
天井抽選テーブルは、上述した天井抽選の際に用いられる。副制御回路200では、セット遊技の終了後から、第1始動口44に遊技球が入球して「大当り」になった場合の特別図柄ゲーム数(特別図柄の変動表示回数)が計数されており、セット遊技に移行した場合はこれまでの計数がリセットされてセット遊技の終了後から、再び特別図柄ゲーム数が計数される。そして、計数された特別図柄ゲーム数が、111回、222回、333回、444回、555回、666回、777回、888回および999回に到達した場合は、天井抽選が行わる。
ここで、天井抽選における乱数の範囲は0〜9である。まず、計数された特別図柄ゲーム数が111回に到達したときは、当選乱数値は0〜1である。したがって、天井抽選に当選する確率は20%である。また、計数された特別図柄ゲーム数が222回に到達したときは、当選乱数値は0〜2である。したがって、天井抽選に当選する確率は30%である。また、計数された特別図柄ゲーム数が333回に到達したときは、当選乱数値は0〜3である。したがって、天井抽選に当選する確率は40%である。また、計数された特別図柄ゲーム数が444回に到達したときは、当選乱数値は0〜4である。したがって、天井抽選に当選する確率は50%である。また、計数された特別図柄ゲーム数が555回に到達したときは、当選乱数値は0〜5である。したがって、天井抽選に当選する確率は60%である。また、計数された特別図柄ゲーム数が666回に到達したときは、当選乱数値は0〜6である。したがって、天井抽選に当選する確率は70%である。また、計数された特別図柄ゲーム数が777回に到達したときは、当選乱数値は0〜7である。したがって、天井抽選に当選する確率は80%である。また、計数された特別図柄ゲーム数が888回に到達したときは、当選乱数値は0〜8である。したがって、天井抽選に当選する確率は90%である。また、計数された特別図柄ゲーム数が999回に到達したときは、当選乱数値は0〜9である。したがって、天井抽選に当選する確率は100%である。
図39に示すように、「大当り」に当選しない状態が続けば続くほど天井抽選に当選する確率が高くなっていく。そして、「大当り」に当選しない特別図柄ゲーム数が999回に到達すると、必ず天井抽選に当選する。天井抽選に当選すると、「第3高確率状態」に移行する。
[ポイント加算テーブル]
ポイント加算テーブルについて図40を参照して説明する。図40はパチンコ遊技機のポイント加算テーブルの一例を示す図である。
上述したように、「第1高確率状態」、「第3高確率状態」および「第4高確率状態」以外の「通常遊技状態」つまり「第2高確率状態」および「通常遊技状態(サブ)」においては演出に応じてポイントが蓄積されており、100ポイント貯まると「第1高確率状態」へと移行する(図36)。「第1高確率状態」において、特図(1)−1および特図(1)−2の「大当り」(「図柄揃い大当り」)に当選すると、「時短遊技状態」における「V当り」した場合に移行する「大当り遊技」のラウンド数の報知(ナビ)が、3回の「時短遊技状態」のすべてにおいて行われる。また、「第1高確率状態」では、特図(1)−3および特図(1)−7の「大当り」(「図柄揃わない大当り」の内、「時短遊技状態」へと移行する「大当り」)に当選した場合でも、「時短遊技状態」における「V当り」した場合に移行する「大当り遊技」のラウンド数の報知(ナビ)が、3回の「時短遊技状態」のすべてにおいて行われる。そのため、「第1高確率状態」に移行することは遊技者にとって有利であるといえる。なお、以降、単に「ナビ」という場合は、上記「V当り」した場合に移行する「大当り遊技」のラウンド数の報知のことをいう。
上述したように、「第2高確率状態」はポイントがたまりやすい遊技状態であり、「第2高確率状態」中と、それ以外の遊技中では互いに異なるポイント加算テーブルが用いられる。図40(a)は「第2高確率状態」中に用いられるテーブルである。図40(a)
に示されるように、主制御回路70から副制御回路200に送られる変動パターンコマンドが「83H00H」、「83H01H」、「83H02H」、「83H03H」および「83H04H」に対応する演出がなされた場合は、加算ポイントの値は抽選により異なるが、なんらかのポイントが加算される。つまり、「第2高確率状態」においては、ハズレであれば必ずポイントが加算される。なお、ポイント決定乱数範囲は0〜9であり、取得した乱数値により加算されるポイントが異なる。
なお、「83H00H」に対応する演出内容は「通常変動A」であり、「83H01H」に対応する演出内容は「通常変動B」であり、「83H02H」に対応する演出内容は「ハズレノーマルリーチ」であり、「83H03H」に対応する演出内容は「ハズレスーパーリーチA」であり、「83H04H」に対応する演出内容は「ハズレスーパーリーチB」である(図37参照)。なお、これらの演出において、ポイント加算されることが遊技者に認識できるように、ポイント加算演出を行えばよい。また、「ハズレスーパーリーチB」においては、1/10の確率でナビを獲得することができる。
また、図40(b)は通常中に用いられるテーブルである。図40(b)に示されるように、変動パターンコマンドが「83H00H」、「83H01H」、「83H02H」、「83H03H」および「83H04H」に対応する演出がなされた場合は、抽選により加算ポイントの値が決定されるが、ポイントが加算されない場合もある。ポイント決定乱数範囲は「第2高確率状態」中と同様に0〜9である。図40(a)および図40(b)からわかるように、通常中に比べて「第2高確率状態」中の方がポイントは貯まりやすい。
[出玉無し時短ナビ抽選テーブル]
出玉無し時短ナビ抽選テーブルについて図41を参照して説明する。図41はパチンコ遊技機の出玉無し時短ナビ抽選テーブルの一例を示す図である。
上述したように、当り内容が「出玉無し時短」であった場合は、出玉無し時短ナビ抽選が行われ、この抽選に応じてナビの回数が決定される。当り内容が「出玉無し時短」である場合は、特図種別は特図(1)−3〜特図(1)−7である。図41に示すように乱数値の範囲は0〜9である。特図(1)−3では、取得した乱数値が「9」の場合に1個のナビが付与され、それ以外の乱数値ではナビは付与されない。特図(1)−4では、取得した乱数値が「7〜9」の場合に1個のナビが付与され、それ以外の乱数値ではナビは付与されない。特図(1)−5では、取得した乱数値が「7〜9」の場合に2個のナビが付与され、「2〜6」の場合に1個のナビが付与され、それ以外の乱数値ではナビは付与されない。特図(1)−6では、取得した乱数値が「5〜9」の場合に2個のナビが付与され、「0〜4」の場合に1個のナビが付与される。特図(1)−7では、取得した乱数値が「9」の場合に3個のナビが付与され、「0〜8」の場合に2個のナビが付与される。なお、ナビが付与された場合は、ナビ獲得演出が実行される。また、付与されたナビの回数は例えばワークRAM203に更新して(例えば加算して)記憶される。
[大当り時ナビ抽選テーブル]
大当り時ナビ抽選テーブルについて図42を参照して説明する。図42はパチンコ遊技機の大当り時ナビ抽選テーブルの一例を示す図である。
「通常遊技状態」において、「第1高確率状態」、「第3高確率状態」および「第4高確率状態」については、「出玉有り時短」に当選してセット遊技への移行が決定した場合は、3回の「時短遊技状態」のすべてについてナビを行う(図72のS1127、図74のS1164および図75のS1174参照)。また、特図(1)−1では、遊技状態に関係なく、3回の「時短遊技状態」のすべてについてナビを行う。しかし、「通常遊技状態」のうち上記遊技状態以外において、特図(1)−2に当選した場合は、副制御回路200によりセット遊技中におけるナビの回数を抽選する。大当り時ナビ抽選テーブルはこの抽選に用いられる。
大当り時ナビ抽選における当選するナビ個数およびそれらの当選確率が、選択したキャラにより異なる。なお、キャラは、遊技者がキャラ1〜3から選択する。「大当り」に当選してから、1ラウンドゲームが開始されるまでに例えば演出ボタン23を操作することによって選択される。なお、1ラウンドゲームが開始されるまでにキャラの選択がなされなかった場合は、初期設定されているキャラが選択される。
なお、キャラとは、液晶表示装置13の表示領域13aに表示されるキャラクタ画像のことである。キャラクタ画像は複数種類あり(実施形態1では3種類)、遊技者がいずれかのキャラを選択することができ、選択されたキャラに応じた演出を楽しむことができる。
大当り時ナビ抽選では、乱数値の範囲は0〜9である。図42に示すように、キャラ1を選択した場合は「安定型」であり、3個のナビを得ることはないが、1個または2個のナビを得ることができ、ナビを得ることできない場合はない。また、キャラ2を選択した場合は「通常型」であり、ナビを得ることができない場合もあるが、1〜3個のそれぞれについて平均的にナビを得ることができる。また、キャラ3を選択した場合は、「一発逆転型」であり、ナビを得る場合は必ず3個であるが、1/2以上の確率でナビを得ることができない。遊技者は、これらの中から、自らの好みに応じてキャラを選択すればよい。ただし、各キャラにおいて、ナビの個数およびその当選率については、どのキャラを選んでも実質的な有利不利が生じないような設定となっている。なお、実施形態1ではキャラは3つであるが、これ以外の数でもかまわない。キャラの数が増加することにより、遊技者のキャラ選択の幅が広がり、遊技に対する興趣が向上する可能性が高い。
[セット遊技終了時ナビ抽選テーブル]
セット遊技終了時ナビ抽選テーブルについて図43を参照して説明する。図43はパチンコ遊技機のセット遊技終了時ナビ抽選テーブルの一例を示す図である。
上述したように、セット遊技中においては、3回の「時短遊技状態」が含まれる。つまり、最大で3回のナビを実行することが可能である。しかし、「V当り」による「大当り」ではなく、特別図柄ゲームによる「大当り」に当選した場合は、ナビを行うことができない。このような場合は、遊技者としても自らの操作により有利な状況とすることができないこととなる。そこで、実施形態1では、このような場合の救済措置として、セット遊技中における特別図柄ゲームによる「大当り」の数に応じて、抽選によりナビを付与する。
副制御回路200において、セット遊技が終了した際に、当該セット遊技における特別図柄ゲームによる「大当り」の数に応じてセット遊技終了時ナビ抽選を行う。
セット遊技終了時ナビ抽選では、乱数値の範囲は0〜9である。図43に示すように、特別図柄ゲームによる「大当り」の数が、0回、1回、2回、3回のそれぞれについて抽選が行われ、付与されるナビの数が決定される。特別図柄ゲームによる「大当り」の数が多いほど、付与されるナビの数が多くなるような傾向となっている。なお、実施形態1ではセット遊技中における特別図柄ゲームによる「大当り」の数を基準としているが、例えば、連続するセット遊技にわたる特別図柄ゲームによる「大当り」の数を基準として、付与されるナビの数を抽選することとしてもよい。つまり、連続する複数のセット遊技中において、第1始動口44または第2始動口45に遊技球が入球することにより行われた抽選により「大当り」となった回数に基づいて、ナビの数を抽選することとしてもよい。
なお、セット遊技中における特別図柄ゲームによる「大当り」の数ではなく、例えば、すべての「大当り遊技状態」におけるラウンド数の合計を基準にして、付与されるナビの数を抽選することとしてもよい。セット遊技中における遊技状態に応じて、付与されるナビの数を抽選することとすればよい。例えば、セット遊技における「大当り遊技」の種類や順番に基づいて付与されるナビの数を抽選することとしてもよい。例えば、2R当り、2R当り、16R当りの順である場合と、2R当り、16R当り、16R当りの順である場合とでは、付与されるナビの数の抽選率が互いに異なることとすればよい。
また、セット遊技中において、最大で3回の「V当り」が可能であるが、その結果がすべて2R当りであった場合は、遊技球の払出数が少ないため遊技者にとってはあまり好ましい結果ではない。そこで、そのような場合は次回以降のセット遊技についてのナビ数を加算してもよい(図77のS1210参照)。加算する数は、例えば1回とすればよい。また、1つのセット遊技中において3回の2R当りではなく、異なるセット遊技にわたって連続して3回の2R当りとなった場合にも、同様にナビ数を加算することとしてもよい。また、異なるセット遊技にわたる場合は、連続する2R当りの数を3回とせずに、それ以上の回数2R当りが連続した場合は、ナビを加算することとしてもよい。また、複数の連続するセット遊技において2R当りが一定の数以上であった場合は、ナビを加算することとしてもよい。このように、セット遊技において払出数が少なかった遊技球に対して、何らかの救済措置を付与することとしてもよい。
付与されるナビの数について説明したが、付与されたナビの数については、例えば、「大当り遊技状態」において、演出として液晶表示装置13の表示領域13aに表示することとしてもよい。
[主制御回路の動作説明]
次に、図44〜図62を参照して、主制御回路70のメインCPU71により実行される
各種処理の内容について説明する。
[主制御メイン処理]
まず、図44および図45を参照して、メインCPU71の制御による主制御メイン処理について説明する。なお、図44および図45はパチンコ遊技機においてメインCPUにより実行されるメイン処理の一例を示すフローチャートである。
S11において、ウォッチドッグタイマのディセーブル設定処理を行う。この処理において、メインCPU71は、ウォッチドッグタイマをディセーブルに設定する処理を行う。この処理が終了した場合、S12に処理を移す。
S12において、入出力ポートの設定処理を行う。この処理において、メインCPU71は、入出力ポートの設定処理を行う。この処理が終了した場合、S13に処理を移す。
S13において、電断検知状態であるか否かを判定する処理を行う。この処理において、メインCPU71は、電断検知信号がHI(高レベル)であるか否かを判定する。電断検知信号がHIである場合には電断検知状態であると判定してS13に処理を移し、電断検知信号がHIでない場合には電断検知状態でないと判定してS14に処理を移し、電断検知信号がHIである場合には電断検知状態であると判定して、再度、S13に処理を移し、電断検知状態でないと判定するまでこれを繰り返す。
S14において、サブ制御受信受付ウェイト処理を行う。この処理において、メインCPU71は、副制御回路200が信号を受け付けるようになるまで待機する処理を行う。この処理が終了した場合、S15に処理を移す。
S15において、RAMの書き込み許可処理を行う。この処理において、メインCPU71は、メインRAM73への書き込みを許可する処理を行う。この処理が終了した場合、S16に処理を移す。
S16において、バックアップクリアスイッチ121(図33参照)がオンであるか否かを判定する処理を行う。この処理において、メインCPU71は、バックアップクリアスイッチ121(図33参照)がオンであると判定した場合には、S24に処理を移し、バックアップクリアスイッチ121がオンでないと判定した場合には、S17に処理を移す。
S17において、電断検知フラグがあるか否かを判定する処理を行う。この処理において、メインCPU71は、電断検知フラグがあると判定した場合には、S18に処理を移し、電断検知フラグがあると判定しない場合には、S24に処理を移す。
S18において、作業損傷チェック値を算出する処理を行う。この処理において、メインCPU71は、作業領域の損傷チェックを行い、作業損傷チェック値を算出する処理を行う。この処理が終了した場合、S19に処理を移す。
S19において、作業損傷チェック値が正常値か否かを判定する処理を行う。この処理において、メインCPU71は、作業損傷チェック値が正常値であると判定した場合には、S20に処理を移し、作業損傷チェック値が正常値であると判定しない場合には、S24に処理を移す。
S20においては、スタックポインタに7FFEHを設定する処理を行う。この処理において、メインCPU71は、スタックポインタに7FFEHを設定する処理を行う。この処理が終了した場合、S21に処理を移す。
S21においては、復電時の作業領域の初期設定処理を行う。この処理において、メインCPU71は、復電時の作業領域の初期設定処理を行う。この処理が終了した場合、S22に処理を移す。
S22においては、復電時のコマンドを送信する処理を行う。この処理において、メインCPU71は、副制御回路200に、電断時の遊技状態に復帰させるためのコマンドを送信する処理を行う。この処理が終了した場合、S23に処理を移す。
S23においては、CPU周辺デバイスの初期設定処理を行う。この処理において、メインCPU71は、メインCPU71周辺のデバイスの初期設定を行う。この処理が終了した場合には、電断前のアドレス、すなわちスタックエリアより復帰されたプログラムカウンタの示すプログラムアドレスへ復帰する。
S24においては、スタックポインタに8000Hを設定する処理を行う。この処理において、メインCPU71は、スタックポインタに8000Hを設定する処理を行う。この処理が終了した場合、S25に処理を移す。
S25においては、大当り判定関連の乱数の初期値を取得する処理を行う。この処理において、メインCPU71は、大当り判定関連の乱数の初期値を取得する処理を行う。この処理が終了した場合、S26に処理を移す。
S26においては、全作業領域クリア処理を行う。この処理において、メインCPU71は、全作業領域をクリアする処理を行う。この処理が終了した場合、S27(図45)に処理を移す。
S27においては、大当り判定関連の乱数の初期値を設定する処理を行う。この処理において、メインCPU71は、大当り判定関連の乱数の初期値を設定する処理を行う。この処理が終了した場合、S28に処理を移す。
S28においては、RAMの初期化時の作業領域の初期設定処理を行う。この処理において、メインCPU71は、メインRAM73の初期化時における作業領域の初期設定を行う。この処理が終了した場合、S29に処理を移す。
S29においては、RAMの初期化時のコマンドを送信する処理を行う。この処理において、メインCPU71は、メインRAM73の初期化時のコマンドを副制御回路200に送信する処理を行う。また、副制御回路200においては、受信したコマンドに基づいて初期化が実行される。この処理が終了した場合、S30に処理を移す。
S30においては、CPU周辺デバイスの初期設定処理を行う。この処理において、メインCPU71は、メインCPU71周辺のデバイスの初期設定を行う。この処理が終了した場合、S31に処理を移す。
S31においては、割込禁止処理を行う。この処理において、メインCPU71は、割込処理を禁止する処理を行う。この処理が終了した場合、S32に処理を移す。
S32においては、初期値乱数更新処理を行う。この処理において、メインCPU71は、初期乱数カウンタ値を更新する処理を行う。この処理が終了した場合、S33に処理を移す。
S33においては、割込許可処理を行う。この処理において、メインCPU71は、割込処理を許可する処理を行う。この処理が終了した場合、S34に処理を移す。
S34において、演出用乱数更新処理を行う。この処理において、メインCPU71は、演出用乱数カウンタ値を更新する処理を行う。この処理が終了した場合、S35に処理を移す。
S35において、メインCPU71は、システムタイマ監視タイマ値が3以上であるか否かを判定する。この処理において、メインCPU71は、メインRAM73に記憶されるシステムタイマ監視タイマ値を参照し、システムタイマ監視タイマ値が3以上である場合には、S36に処理を移し、システムタイマ監視タイマ値が3以上でない場合には、S31に処理を移す。
S36においては、システムタイマ監視タイマの値を3減算する処理を行う。この処理において、メインCPU71は、メインRAM73に記憶されるシステムタイマ監視タイマの値を3減算する処理を行う。この処理が終了した場合、S37に処理を移す。
S37においては、タイマ更新処理を行う。この処理において、メインCPU71は、主制御回路70と副制御回路200との同期をとるための待ち時間タイマ、第1大入賞装置54および第2大入賞装置53の開放時間を計測するための大入賞装置開放時間タイマ等、各種のタイマを更新する処理を実行する。この処理が終了した場合には、S38に処理を移す。
S38においては、特別図柄制御処理を行う。詳しくは後述するが、この処理において、メインCPU71は、特別図柄制御処理を行う。メインCPU71は、第1始動口入賞球スイッチ44aおよび第2始動口入賞球スイッチ45aからの検知信号に応じて、当り判定用乱数値と当り図柄決定用乱数値を抽出し、メインROM72に記憶される当り判定テーブルを参照し、特別図柄抽選(大当りまたは小当り)に当選したか否かを判定し、判定の結果をメインRAM73に記憶する処理を行う。この処理が終了した場合、S39に処理を移す。
S39においては、普通図柄制御処理を行う。詳しくは後述するが、この処理において、メインCPU71は、普通図柄制御処理を行う。この処理において、メインCPU71は、通過球スイッチ43aからの検知信号に応じて、乱数値を抽出し、メインROM72に記憶される普通図柄当選テーブルを参照し、普通図柄抽選に当選したか否かを判定し、判定の結果をメインRAM73に記憶する処理を行う。なお、普通図柄抽選に当選した場合、普通電動役物46が開放状態となって、第2始動口45に遊技球が入球しやすくなる。この処理が終了した場合、S40に処理を移す。
S40においては、図柄表示装置制御処理を行う。この処理において、メインCPU71は、S38、S39でメインRAM73に記憶された特別図柄制御処理の結果と、普通図柄制御処理の結果とに応じて、特別図柄表示装置61および普通図柄表示装置62とを駆動するための制御信号をメインRAM73に記憶する処理を行う。メインCPU71は、制御信号を特別図柄表示装置61に制御信号を送信する。特別図柄表示装置61は受信した制御信号に基づき特別図柄を変動表示及び停止表示する。普通図柄表示装置62は受信した制御信号に基づき普通図柄を変動表示及び停止表示する。この処理が終了した場合、S41に処理を移す。
S41においては、遊技情報データ生成処理を行う。この処理において、メインCPU71は、台コンピュータまたはホールコンピュータに送信するための遊技情報信号に関するデータを生成し、メインRAM73に記憶する処理を行う。この処理が終了した場合、S42に処理を移す。
S42においては図柄保留個数データ生成処理を行う。この処理において、メインCPU71は、後述するタイマ割込処理におけるスイッチ入力処理(図59、S235)にて検出される第1始動口入賞球スイッチ44a、第2始動口入賞球スイッチ45aおよび通過球スイッチ43aからの検知信号や、特別図柄及び普通図柄の変動表示の実行に応じて更新されるメインRAM73に記憶された保留個数データの更新結果に基づいて、特別図柄および普通図柄に関しての保留についての表示を行うための制御信号をメインRAM73に記憶する処理を行う。この処理が終了した場合、S43に処理を移す。
S43においては、ポート出力処理を行う。この処理において、メインCPU71は、上記のステップなどでメインRAM73に記憶される制御信号を各ポートより出力する処理を行う。具体的には、LED点灯のためのLED電源(コモン信号)や第1大入賞口ソレノイド54b、第2大入賞口ソレノイド53bおよび普通電動役物ソレノイド46aを駆動するためのソレノイド電源を供給する。この処理が終了した場合、S44に処理を移す。
S44においては、入賞口関連コマンド制御処理を行う。この処理において、メインCPU71は、入賞口関連コマンドを制御する処理を行う。この処理が終了した場合、S45に処理を移す。
S45においては、払出処理を行う。この処理において、メインCPU71は、一般入賞口51,52、第1始動口44、第2始動口45、第1大入賞装置54および第2大入賞装置53に遊技球が入賞したか否かのチェックを行い、入賞があった場合、それぞれに対応する払出要求コマンドを払出制御回路300に送信する。この処理が終了した場合には、S31に処理を移す。
[特別図柄制御処理]
図45のS38において実行されるサブルーチン(特別図柄制御処理)について図46を用いて説明する。なお、図46において、S52〜S62の近傍に記載された数値(00H〜10H)は、それらのステップに対応する制御状態フラグを示し、メインRAM73における制御状態フラグとして機能する記憶領域に記憶されている。メインCPU71は、メインRAM73に記憶されている制御状態フラグの数値に応じて、その数値に対応する1つのステップが実行され、特別図柄ゲームが進行することになる。
最初に、S51において、制御状態フラグをロードする処理を実行する。この処理において、メインCPU71は、制御状態フラグを読み出す。この処理が終了した場合には、S52に処理を移す。
なお、後述するS52からS62において、メインCPU71は、制御状態フラグの値に基づいて、各ステップにおける各種の処理を実行するか否かを判定する。この制御状態フラグは、特別図柄ゲームの遊技の状態を示すものであり、S52からS62における処理のいずれかを実行可能にするものである。また、それに加えて、メインCPU71は、各ステップに対して設定された待ち時間タイマなどに応じて決定される所定のタイミングで各ステップにおける処理を実行する。なお、この所定のタイミングに至る前においては、各ステップにおける処理を実行することなく終了することになり、他のサブルーチンを実行することになる。もちろん、所定の周期でシステムタイマ割込処理も実行する。
S52においては、特別図柄記憶チェック処理を実行する。この処理の詳細については後述する。この処理が終了した場合には、S53に処理を移す。
S53においては、特別図柄変動時間管理処理を実行する。この処理の詳細については後述するが、この処理において、メインCPU71は、制御状態フラグが特別図柄変動時間管理を示す値(01H)であり、先の特別図柄変動において所定の変動時間が経過した場合(特別図柄変動が変動停止した場合)に、特別図柄表示時間管理を示す値(02H)を制御状態フラグにセットし、確定後待ち時間(例えば600ms)を待ち時間タイマにセットする。つまり、確定後待ち時間が経過した後、S54の処理を実行するように設定する。この処理が終了した場合には、S54に処理を移す。
S54においては、特別図柄表示時間管理処理を実行する。この処理の詳細については後述するが、この処理においては、メインCPU71は、制御状態フラグが特別図柄表示時間管理を示す値(02H)であり、確定後待ち時間が経過した場合に、当り(大当りまたは小当り)か否かを判定する。メインCPU71は、小当りである場合に、小当り開始インターバル管理を示す値(03H)を制御状態フラグにセットし、小当り開始インターバルに対応する時間を待ち時間タイマにセットする。つまり、小当り開始インターバルに対応する時間が経過した後、S55の処理を実行するように設定する。
また、メインCPU71は、大当りである場合に、大当り開始インターバル管理を示す値(06H)を制御状態フラグにセットし、大当り開始インターバルに対応する時間を待ち時間タイマにセットする。つまり、大当り開始インターバルに対応する時間が経過した後、S58の処理を実行するように設定する。
また、メインCPU71は、当りではない場合に、特別図柄ゲーム終了を示す値(10H)をセットする。つまり、S62の処理を実行するように設定する。
S55においては、小当り開始インターバル管理処理を実行する。この処理の詳細については後述するが、この処理において、メインCPU71は、制御状態フラグが小当り開始インターバル管理を示す値(03H)であり、その小当り開始インターバルに対応する時間が経過した場合に、メインROM72から読み出された第2大入賞装置53を開放させるためのデータをメインRAM73に記憶する。そして、メインCPU71は、図45のS43の処理において、メインRAM73に記憶された第2大入賞装置53を開放させるためのデータを読み出し、第2大入賞装置53を開放させる旨の信号を、第2大入賞装口ソレノイド53bに供給する。このように、メインCPU71などは、第2大入賞装置53の開閉制御を行う。つまり、「小当り遊技状態」が実行される。
さらに、メインCPU71は、小当り中を示す値(04H)を制御状態フラグにセットするとともに、第2大入賞装置53の開放上限時間(例えば、1.5秒あるいは1.2秒)を第2大入賞装置開放時間タイマにセットする。その他、S56の処理を実行するように設定する。この処理が終了した場合には、S56に処理を移す。
S56においては、小当り中処理を実行する。この処理の詳細については後述するが、この処理において、メインCPU71は、条件に応じて大入賞口開放処理(07H)または小当り終了後処理(05H)を制御状態フラグにセットする。この処理が終了した場合には、S57に処理を移す。
S57においては、小当り終了後処理を実行する。この処理の詳細については後述するが、この処理では、羽根部材53aの閉鎖後、第2大入賞装置53内にV入賞口57に入球する可能性のある遊技球が存在しないことを確認する。この処理において、メインCPU71は、特別図柄ゲーム終了処理(10H)を制御状態フラグにセットする。この処理が終了した場合には、S58に処理を移す。
S58においては、大当り開始インターバル管理処理を実行する。この処理の詳細については後述するが、この処理において、メインCPU71は、制御状態フラグが大当り開始インターバル管理を示す値(06H)であり、その大当り開始インターバルに対応する時間が経過した場合に、メインROM72から読み出された第1大入賞装置54を開放させるためのデータをメインRAM73に記憶する。そして、メインCPU71は、図45のS43の処理において、メインRAM73に記憶された第1大入賞装置54を開放させるためのデータを読み出し、第1大入賞装置54を開放させる旨の信号を、第1大入賞装口ソレノイド54bに供給する。このように、メインCPU71などは、第1大入賞装置54の開閉制御を行う。つまり、「大当り遊技状態」が実行される。
さらに、メインCPU71は、大入賞口開放処理を示す値(07H)を制御状態フラグにセットするとともに、開放上限時間(例えば、27.996秒あるいは0.102秒)を大入賞口開放時間タイマにセットする。つまり、S59の処理を実行するように設定するのである。この処理が終了した場合には、S59に処理を移す。
S59においては、大入賞口開放処理を実行する。この処理の詳細については後述するが、この処理において、メインCPU71は、制御状態フラグが大入賞口開放中を示す値(07H)である場合に、大入賞口入賞カウンタが“10”以上であるという条件、開放上限時間を経過した(大入賞口開放時間タイマが“0”である)という条件のいずれかを満たすか否かを判定する。メインCPU71は、いずれかの条件を満たした場合に、第1大入賞装置54を閉鎖させるために、メインRAM73に位置付けられた変数を更新する。そして、大入賞口開放回数カウンタが大入賞口開放回数最大値以上である(最終ラウンドである)という条件を満たすか否かを判定する。メインCPU71は、最終ラウンドである場合に、当り終了インターバルを示す値(09H)を制御状態フラグにセットする一方、最終ラウンドでない場合に、大入賞口再開放前待ち時間管理を示す値(08H)を制御状態フラグにセットする。この処理が終了した場合には、S60に処理を移す。
S60においては、大入賞口再開放待ち時間管理処理を実行する。この処理の詳細については後述するが、この処理において、メインCPU71は、制御状態フラグが大入賞口再開放待ち時間管理を示す値(07H)であり、ラウンド間インターバルに対応する時間が経過した場合に、大入賞口開放回数カウンタを“1”増加するように記憶更新する。メインCPU71は、大入賞口開放中を示す値(07H)を制御状態フラグにセットする。メインCPU71は、開放上限時間((例えば、27.996秒あるいは0.102秒)を大入賞口開放時間タイマにセットする。つまり、S59の処理を実行するように設定するのである。この処理が終了した場合には、S59に処理を移す。
S61においては、当り終了インターバル処理を実行する。この処理の詳細については後述するが、この処理において、メインCPU71は、制御状態フラグが当り終了インターバルを示す値(09H)であり、当り終了インターバルに対応する時間が経過した場合に、特別図柄ゲーム終了を示す値(10H)を制御状態フラグにセットする。つまり、S62の処理を実行するように設定するのである。この処理が終了した場合には、S62に処理を移す。
S62においては、特別図柄ゲーム終了処理を実行する。この処理の詳細については後述するが、この処理において、メインCPU71は、制御状態フラグが特別図柄ゲーム終了を示す値(10H)である場合に、特別図柄記憶チェックを示す値(00H)をセットする。つまり、S52の処理を実行するように設定するのである。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
前述したように、制御状態フラグをセットすることにより、特別図柄ゲームが実行されることとなる。具体的には、メインCPU71は、当り判定の結果がハズレであるときには、制御状態フラグを“00H”、“01H”、“02H”、“10H”と順にセットすることにより、図46に示すS52、S53、S54、S62の処理を所定のタイミングで実行することとなる。
また、メインCPU71は、大当りまたは小当り遊技状態ではない場合において、当り判定の結果が大当りであるときには、制御状態フラグを“00H”、“01H”、“02H”、“06H”と順にセットすることにより、図46に示すS52、S53、S54、S58の処理を所定のタイミングで実行し、大当り遊技状態への制御を実行することになる。さらには、メインCPU71は、大当り遊技状態への制御が実行された場合には、制御状態フラグを“07H”、“08H”と順にセットすることにより、図46に示すS59、S60の処理を所定のタイミングで実行し、大当り遊技を実行することとなる。なお、大当り遊技の終了条件が成立した場合には、“07H”、“09H”、“10H”と順にセットすることにより、図46に示すS59、S61、S62の処理を所定のタイミングで実行し、大当り遊技を終了することになる。
また、メインCPU71は、大当りまたは小当り遊技状態ではない場合において、当り判定の結果が小当りであるときには、制御状態フラグを“00H”、“01H”、“02H”、“03H”と順にセットすることにより、図46に示すS52、S53、S54、S55の処理を所定のタイミングで実行し、小当り遊技状態への制御を実行することになる。さらには、メインCPU71は、小当り遊技状態への制御が実行された場合には、制御状態フラグを“04H”にセットすることにより、図46に示すS56の処理を所定のタイミングで実行し、大当り遊技を実行することとなる。なお、小当り遊技の終了条件が成立した場合には、“05H”、“10H”と順にセットすることにより、図46に示すS57、S62の処理を所定のタイミングで実行し、小当り遊技を終了することになる。
ところで、特別図柄制御処理は、上述したように、ステータスに応じて処理を分岐させている。また、詳述しないが、普通図柄制御処理も同様にステータスに応じて処理を分岐させている。
[特別図柄記憶チェック処理]
図46のS52において実行されるサブルーチン(特別図柄記憶チェック処理)について図47を用いて説明する。
最初に、図47に示すように、S71において、メインCPU71は、制御状態フラグが特別図柄記憶チェックを示す値(00H)であるか否かの判定を行う。メインCPU71は、制御状態フラグが特別図柄記憶チェックを示す値であると判別した場合には、S72に処理を移す。一方、メインCPU71は、制御状態フラグが特別図柄記憶チェックを示す値であるとは判定しなかった場合には、本サブルーチンを終了する。
S72において、始動記憶の有無を判定する処理を行う。ここで、変動中の第1特別図柄に対応する特別図柄ゲームの情報は、メインRAM73の第1特別図柄始動記憶領域(0)に始動記憶として記憶され、保留されている4回の特別図柄ゲームの情報は、第1特別図柄始動記憶領域(1)〜第1特別図柄始動記憶領域(4)に始動記憶として記憶される。第2特別図柄の特別図柄ゲームについても同様に、第2特別図柄の特別図柄ゲームが4回保留されている場合には、変動中の第2特別図柄に対応する特別図柄ゲームの情報が、メインRAM73の第2特別図柄始動記憶領域(0)に始動記憶として記憶され、保留されている4回の特別図柄ゲームの情報は、第2特別図柄始動記憶領域(1)〜第2特別図柄始動記憶領域(4)に始動記憶として記憶される。したがって、最大8回の保留が可能になる。
S72の始動記憶の有無を判定する処理において、メインCPU71は、特別図柄ゲームの始動記憶がないと判定した場合、すなわち第1特別図柄始動記憶領域(0)〜第1特別図柄始動記憶領域(4)又は第2特別図柄始動記憶領域(0)〜第2特別図柄始動記憶領域(4)にデータが記憶されていないと判定した場合には、S73に処理を移す。一方、メインCPU71は、始動記憶があると判定した場合には、S74に処理を移す。
S73において、デモ表示処理を行う。この処理において、メインCPU71は、メインRAM73にデモ表示許可値をセットする処理を行う。さらに特別図柄ゲームの始動記憶(当り判定用乱数値が記憶されている第1特別図柄始動記憶領域または第2特別図柄始動記憶領域)が0になった状態が所定時間(例えば、30秒)維持された場合、デモ表示許可値として、デモ表示の実行を許可する値をセットする。そして、メインCPU71は、デモ表示許可値が所定値であった場合に、デモ表示コマンドデータをセットする処理を行う。このように記憶されたデモ表示コマンドデータは、主制御回路70のメインCPU71によってから副制御回路200にデモ表示コマンドとして供給される。これによって、副制御回路200において、デモ表示が液晶表示装置13の表示領域13aにおいて表示される制御を行うこととなる。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
S74において、第2特別図柄に対応する始動記憶が最先の保留であるか否かを判定する処理を行う。この処理において、メインCPU71は、第1特別図柄始動記憶領域のデータ、および、第2特別図柄始動記憶領域のデータより、最先の保留が第2特別図柄に対応する始動記憶であるか否か判別する。最先の保留が第2特別図柄に対応する始動記憶でないと判定した場合には、S75に処理を移す。また、最先の保留が第2特別図柄に対応する始動記憶であると判定した場合には、S76に処理を移す。
S75において、メインCPU71は、変動状態番号として第2特別図柄の変動であることを示す値(02H)をメインRAM73の所定領域にセットする処理を実行する。この処理が終了した場合には、S77に処理を移す。
S76において、メインCPU71は、変動状態番号として第1特別図柄の変動であることを示す値(01H)をメインRAM73の所定領域にセットする処理を実行する。この処理が終了した場合には、S77に処理を移す。
S77において、メインCPU71は、制御状態フラグとして特別図柄変動時間管理を示す値(01H)をセットする処理を実行する。この処理が終了した場合には、S78に処理を移す。
S78において、特別図柄記憶転送処理を実行する。この処理において、メインCPU71は、変動表示させる特別図柄が第1特別図柄の場合には、第1特別図柄始動記憶領域(1)から第1特別図柄始動記憶領域(4)のデータのそれぞれを、第1特別図柄始動記憶領域(0)から第1特別図柄始動記憶領域(3)にシフト(記憶)する処理を実行し、変動表示させる特別図柄が第2特別図柄の場合には、第2特別図柄始動記憶領域(1)から第2特別図柄始動記憶領域(4)のデータのそれぞれを、第2特別図柄始動記憶領域(0)から第2特別図柄始動記憶領域(3)にシフト(記憶)する処理を実行する。この処理が終了した場合には、S79に処理を移す。
S79において、当り判定処理を実行する。この処理において、メインCPU71は、メインROM72に記憶される当り判定テーブルを参照し、始動入賞時に抽出され、第1特別図柄始動記憶領域(0)と第2特別図柄始動記憶領域(0)において先にセットされた特別図柄始動記憶領域の当り判定用乱数値と、当り判定テーブルとを参照する。そして、メインCPU71は、当り判定用乱数値と当り判定値が一致している場合には、大当りまたは小当りであると判定する。つまり、メインCPU71は、「大当り遊技状態」とするか否か、および「小当り遊技状態」とするか否かの判定を行うこととなる。なお、「大当り」および「小当り」でない場合にはハズレであると判定する。この処理が終了した場合には、S80に処理を移す。
S80において、メインCPU71は、特別図柄決定処理を実行する。この処理において、メインCPU71は、当り判定の結果が大当りの場合には、大当り図柄を決定し、当り判定の結果が小当りの場合には、小当り図柄を決定し、大当りでも小当りでもない場合、すなわちハズレの場合には、ハズレ図柄を決定する処理を行う。なお、特別図柄決定処理の詳細については後述する。この処理が終了した場合には、S81に処理を移す。
S81において、メインCPU71は、特別図柄変動パターン決定処理を実行する。この処理において、メインCPU71は、S80の処理において決定された特別図柄と、S79の処理において決定された当り判定の結果に基づいて、特別図柄変動パターンを決定するためのメイン変動時間決定テーブルを選択する。具体的には、大当りに当選した場合は図38のメイン変動時間決定テーブル2を選択し、それ以外では図37のメイン変動時間決定テーブル1を選択する。さらに、メインCPU71は、リーチ判定用乱数カウンタから抽出したリーチ判定用乱数値や、演出選択用乱数カウンタから抽出した演出選択用乱数値および、選択したメイン変動時間決定テーブルに基づいて、変動パターンを決定し、メインRAM73の所定領域に記憶する。メインCPU71は、このような変動パターンを示すデータに基づいて、特別図柄表示装置61における特別図柄の変動表示態様を決定する。
このように記憶された変動パターンを示すデータは、特別図柄表示装置61に供給される。これによって、特別図柄表示装置61に、特別図柄が決定した変動パターンで変動表示することとなる。また、このように記憶された変動パターンを示すデータは、主制御回路70のメインCPU71によって副制御回路200に変動パターンコマンドとして供給される。副制御回路200のサブCPU201は、受信した変動パターンコマンドに応じた演出表示を実行することとなる。この処理が終了した場合には、S82に処理を移す。
S82において、特別図柄変動時間設定処理を行う。この処理において、メインCPU71は、決定した変動パターンに対応する変動時間を待ち時間タイマにセットし、今回の変動表示に用いられた記憶領域をクリアする処理を実行する。この処理が終了した場合には、S83に処理を移す。
S83において、特別図柄演出開始コマンドをメインRAM73にセットする処理を行う。特別図柄演出開始コマンドは、主制御回路70のメインCPU71によって副制御回路200に供給される。副制御回路200のサブCPU201は、受信した特別図柄演出開始コマンドに基づいて演出を開始することとなる。この処理が終了した場合には、S84に処理を移す。
そして、S84において、メインCPU71は、今回の変動表示に用いられた記憶領域(0)の値をクリアする処理を実行する。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
[特別図柄決定処理]
図47のS80において実行されるサブルーチン(特別図柄決定処理)について図48を用いて説明する。
最初に、S91において、メインCPU71は、当り判定(S79)の結果、大当りか否かを判定する処理を行う。大当りであると判定した場合には、S92に処理を移す。大当りであると判定しない場合には、S97に処理を移す。
S92において、メインCPU71は、変動状態番号が(01H)であるか否かを判定する処理を行う。変動状態番号が(01H)であると判定した場合には、S93に処理を移す。変動状態番号が(01H)であると判定しない場合には、S95に処理を移す。
S93において、第1特別図柄の大当り図柄を決定する処理を行う。この処理において、メインCPU71は、大当り図柄決定用カウンタから抽出した大当り図柄決定用乱数値と当り判定テーブルに基づいて、第1特別図柄の大当り図柄を決定する処理を行う。この処理が終了した場合には、S94に処理を移す。
S94において、第1特別図柄の大当り図柄のデータセットおよび大当り図柄のコマンドセットを行う。この処理において、メインCPU71は、第1特別図柄の大当り図柄のデータを、メインRAM73の所定領域にセットし、特別図柄表示装置61に供給する。特別図柄表示装置61は第1特別図柄を変動表示させて、第1特別図柄の大当り図柄のデータに基づく態様で停止表示させる。また、メインCPU71は、第1特別図柄の大当り図柄のコマンドを、メインRAM73の所定領域にセットし、主制御回路70のメインCPU71によって副制御回路200に特別図柄指定コマンドとして供給する。これにより、副制御回路200のサブCPU201の制御によって、識別図柄が大当り停止表示態様で表示領域13aに導出表示されることとなる。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
S95において、第2特別図柄の大当り図柄を決定する処理を行う。この処理において、メインCPU71は、大当り図柄決定用カウンタから抽出した大当り図柄決定用乱数値と当り判定テーブルに基づいて、第2特別図柄の大当り図柄を決定する処理を行う。この処理が終了した場合には、S96に処理を移す。
S96において、第2特別図柄の大当り図柄のデータセットおよび大当り図柄のコマンドセットを行う。この処理において、メインCPU71は、第2特別図柄の大当り図柄のデータを、メインRAM73の所定領域にセットし、特別図柄表示装置61に供給する。特別図柄表示装置61は第2特別図柄を変動表示させて、第2特別図柄の大当り図柄のデータに基づく態様で停止表示させる。また、メインCPU71は、第2特別図柄の大当り図柄のコマンドを、メインRAM73の所定領域にセットし、主制御回路70のメインCPU71によって副制御回路200に特別図柄指定コマンドとして供給する。これにより、副制御回路200のサブCPU201の制御によって、識別図柄が大当り停止表示態様で表示領域13aに導出表示されることとなる。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
S97において、メインCPU71は、当り判定(S79)の結果、小当りであると判定した場合には、S98に処理を移す。小当りであると判定しない場合には、S100に処理を移す。
S98において、第2特別図柄の小当り図柄を決定する処理を行う。この処理において、メインCPU71は、小当り図柄決定用カウンタから抽出した乱数値に応じて、第2特別図柄の小当り図柄を決定する処理を行う。この処理が終了した場合には、S99に処理を移す。なお、実施形態1において「小当り」に当選するのは第2特別図柄のみである。
S99において、第2特別図柄の小当り図柄のデータセットおよび小当り図柄のコマンドセットを行う。この処理において、メインCPU71は、第2特別図柄の小当り図柄のデータを、メインRAM73の所定領域にセットし、特別図柄表示装置61に供給する。また、メインCPU71は、第2特別図柄の小当り図柄のコマンドを、メインRAM73の所定領域にセットし、主制御回路70のメインCPU71から副制御回路200のサブCPU201に特別図柄指定コマンドとして供給する。これによって、副制御回路200の制御によって、識別図柄が小当り停止表示態様で識別図柄が表示領域13aに導出表示されることとなる。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
S100において、ハズレ図柄のデータセットおよびハズレ図柄のコマンドセットを行う。この処理において、メインCPU71は、ハズレ図柄のデータを、メインRAM73の所定領域にセットし、特別図柄表示装置61に供給する。特別図柄表示装置61は、特別図柄を変動表示させて、ハズレ図柄のデータに基づく態様で停止表示させる。また、メインCPU71は、ハズレ図柄のコマンドを、メインRAM73の所定領域にセットし、主制御回路70のメインCPU71から副制御回路200のサブCPU201に特別図柄指定コマンドとして供給する。これによって、副制御回路200の制御によって、識別図柄がハズレ停止表示態様で表示領域13aに導出表示されることとなる。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
[特別図柄変動時間管理処理]
図46のS53において実行されるサブルーチン(特別図柄変動時間管理処理)について図49を用いて説明する。
最初に、S101において、メインCPU71は、制御状態フラグが特別図柄変動時間管理を示す値(01H)であるか否かの判定を行い、特別図柄変動時間管理を示す値(01H)であると判定した場合には、S102に処理を移し、特別図柄変動時間管理を示す値(01H)であると判定しない場合には、本サブルーチンを終了する。
S102において、メインCPU71は、待ち時間タイマが“0”であるか否かの判定を行い、待ち時間タイマが“0”であると判定した場合には、S103に処理を移す。待ち時間タイマが“0”であるとは判別しない場合には、本サブルーチンを終了する。
S103においては、制御状態フラグとして特別図柄表示時間管理を示す値(02H)をセットする処理を実行する。この処理において、メインCPU71は、特別図柄表示時間管理を示す値(02H)を制御状態フラグにセット(記憶)する処理を行う。この処理が終了した場合には、S104に処理を移す。
S104においては、図柄停止コマンドのセットを行う。この処理において、メインCPU71は、メインRAM73の所定領域に、図柄停止コマンドデータをセット(記憶)する処理を行う。そして、図柄停止コマンドデータは、主制御回路70のメインCPU71によって、副制御回路200に送信されることにより、この副制御回路200のサブCPU201が図柄停止を認識するようになる。この処理が終了した場合には、S105に処理を移す。
S105において、確定後、待ち時間としての待ち時間タイマをセットする処理を実行する。この処理において、メインCPU71は、メインRAM73における待ち時間タイマとして機能する領域に、確定後待ち時間を記憶する処理を行う。なお、待ち時間としては、100ms程度とすればよい。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
[特別図柄表示時間管理処理]
図46のS54において実行されるサブルーチン(特別図柄表示時間管理処理)について図50を用いて説明する。
最初に、S111において、メインCPU71は、制御状態フラグが特別図柄表示時間管理処理を示す値(02H)であるか否かを判定する処理を行う。制御状態フラグが特別図柄表示時間管理処理を示す値(02H)であると判定した場合には、S112に処理を移行する。制御状態フラグが特別図柄表示時間管理処理を示す値(02H)であると判定しない場合には、本サブルーチンを終了する。
S112において、メインCPU71は、制御状態フラグが特別図柄表示時間管理処理を示す値(02H)である場合に、特別図柄表示管理処理に対応する待ち時間タイマの値が“0”であるか否か判定する。メインCPU71は、待ち時間タイマの値が“0”である場合には、S113に処理を移す。待ち時間タイマの値が“0”でない場合には、本サブルーチンを終了する。
S113において、メインCPU71は、大当りであるか否かを判定する処理を行う。大当りである場合には、S119に処理を移す。大当りでない場合には、S114に処理を移す。
S114において、メインCPU71は、小当りであるか否かを判定する処理を行う。小当りである場合には、S115に処理を移す。小当りでない場合には、S124に処理を移す。
S115において、メインCPU71は、小当り開始インターバル管理処理を示す値(03H)をメインRAM73の制御状態フラグにセットする処理を行う。この処理が終了した場合には、S116に処理を移す。
S116において、メインCPU71は、小当りに対応する当り開始インターバル時間としての待ち時間タイマの値をメインRAM73の所定領域にセットする処理を行う。なお、待ち時間としては、例えば5000msとすればよい。この処理が終了した場合には、S117に処理を移す。
S117において、メインCPU71は、特別図柄演出停止コマンドをメインRAM73の所定領域にセットする処理を行う。この特別図柄演出停止コマンドは、主制御回路70のメインCPU71によって、副制御回路200に送信されることにより、この副制御回路200のサブCPU201が特別図柄演出停止を認識するようになる。この処理が終了した場合には、S118に処理を移す。
S118において、メインCPU71は、第2特別図柄に対応する小当り開始コマンドをメインRAM73の所定領域にセットする処理を行う。この処理において、小当り開始コマンドは、主制御回路70のメインCPU71によって、副制御回路200に送信されることにより、この副制御回路200のサブCPU201が大当りまたは小当り開始を認識するようになる。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
S119において、メインCPU71は、大当り開始インターバル管理処理を示す値(06H)をメインRAM73の制御状態フラグにセットする処理を行う。この処理が終了した場合には、S120に処理を移す。
S120において、メインCPU71は、メインRAM73の時短フラグをオフ(クリア)にする処理を行う。「大当り遊技状態」において、「時短遊技」は行われない。一方、時短の連続回数のカウンタはクリアしない。この処理が終了した場合には、S121に処理を移す。
S121において、メインCPU71は、特別図柄(第1特別図柄または第2特別図柄)に対応する大当り開始インターバル時間としての待ち時間タイマの値をメインRAM73の所定領域にセットする処理を行う。待ち時間としては、例えば5000msとすればよい。この処理が終了した場合には、S122に処理を移す。
S122において、メインCPU71は、特別図柄演出停止コマンドをメインRAM73の所定領域にセットする処理を行う。この特別図柄演出停止コマンドは、図34(d)に示す開放パターンテーブルを参照して決定され、主制御回路70のメインCPU71の制御により副制御回路200に供給されることにより、副制御回路200のサブCPU201が特別図柄演出停止を認識するようになる。この処理が終了した場合には、S123に処理を移す。
S123において、メインCPU71は、特別図柄(第1特別図柄または第2特別図柄)に対応する大当り開始コマンドをメインRAM73の所定領域にセットする処理を行う。この処理において、大当り開始コマンドは、主制御回路70のメインCPU71の制御により副制御回路200に供給されることにより、副制御回路200のサブCPU201が大当り開始を認識するようになる。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
S124において、メインCPU71は、メインRAM73における制御状態フラグとなる所定領域に、特別図柄ゲーム終了処理を示す値(10H)をセットする処理を行う。この処理が終了した場合には、S125に処理を移す。
S125において、メインCPU71は、特別図柄演出停止コマンドをメインRAM73の所定領域にセットする処理を行う。この特別図柄演出停止コマンドは、主制御回路70のメインCPU71の制御により副制御回路200に供給されることにより、副制御回路200のサブCPU201が特別図柄演出停止を認識するようになる。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
[小当り開始インターバル管理処理]
図46のS55において実行されるサブルーチン(小当り開始インターバル管理処理)について図51を用いて説明する。
なお、以下の説明において、S133、S134、S144、S145における「大入賞口開放回数カウンタ」は小当り時に用いられる「大入賞口開放回数カウンタ」であり、S151、S173、S174、S178、S187、S203における「大入賞口開放回数カウンタ」は大当り時に用いられる「大入賞口開放回数カウンタ」である。
最初に、S131において、メインCPU71は、制御状態フラグが小当り開始インターバル管理処理を示す値(03H)であるか否かを判定する処理を行う。制御状態フラグが小当り開始インターバル管理処理を示す値(03H)であると判定した場合には、S132に処理を移行する。制御状態フラグが小当り開始インターバル管理処理を示す値(03H)であると判定しない場合には、本サブルーチンを終了する。
S132において、メインCPU71は、小当り開始インターバル管理処理に対応する待ち時間タイマの値が“0”であるか否か、すなわち、小当り開始インターバル時間が消化したか否かを判定する。メインCPU71は、待ち時間タイマの値が“0”である場合には、S133に処理を移す。待ち時間タイマの値が“0”でない場合には、本サブルーチンを終了する。
S133において、第2大入賞装置53の開放回数に関する大入賞口開放回数カウンタ上限値をメインRAM73の所定領域にセットする処理を行う。なお、実施形態1ではこの上限値は3に限られる(図34(d)参照)。この処理が終了した場合には、S134に処理を移す。
S134において、メインCPU71は、大入賞口開放回数カウンタに1加算する。この処理が終了した場合には、S135に処理を移す。
S135において、メインCPU71は、図34(d)に示す開放パターンテーブルにしたがって、小当り図柄の種類に応じた開放回数ごとの開閉パターンをメインRAM73の所定領域にセットする処理を行う。実施形態1では開放回数ごとの開放時間は同じように設定されている。この処理が終了した場合には、S136に処理を移す。
S136において、メインCPU71は、第2大入賞装置53に関して大入賞口開放中表示コマンドデータをメインRAM73の所定領域にセットする処理を行う。大入賞口開放中表示コマンドデータは、主制御回路70のメインCPU71の制御により副制御回路200に大入賞口開放中表示コマンドとして供給される。この処理が終了した場合には、S137に処理を移す。
S137において、メインCPU71は、小当り中処理を示す値(04H)をメインRAM73の制御状態フラグにセットする処理を行う。この処理が終了した場合には、S138に処理を移す。
S138において、メインCPU71は、第2大入賞装置53の入賞数に関する大入賞口入賞カウンタをクリアにする処理を行う。この処理が終了した場合には、S139に処理を移す。
S139において、メインCPU71は、第2大入賞装置53の開放時間について待ち時間タイマの値をメインRAM73の所定領域にセットする処理を行う。待ち時間としては、例えば1200msまたは1500msとすればよい。この処理が終了した場合には、S140に処理を移す。
S140において、メインCPU71は、V入賞口57の可動部材57aの作動に関し、可動部材57aが作動して開放状態となっているか否かを示す可動部材作動中フラグをメインRAM73の所定領域にセットする処理を行う。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
[小当り中処理]
図46のS56において実行されるサブルーチン(小当り中処理)について図52を用いて説明する。
最初に、S141において、メインCPU71は、制御状態フラグが小当り中処理を示す値(04H)であるか否かを判定する処理を行う。制御状態フラグが小当り中処理を示す値(04H)であると判定した場合には、S142に処理を移行する。制御状態フラグが小当り中処理を示す値(04H)であると判定しない場合には、本サブルーチンを終了する。
S142において、第2大入賞装置53について大入賞口カウンタが4以上であるか否か判定する。ここで、第2大入賞装置53が4回開放状態となる前に、4つの遊技球が入球して、大入賞口カウンタが4以上をカウントする可能性もある。すなわち、大当りの場合の1ラウンドのように、第2大入賞装置53が1回開放状態となるごとに、大入賞カウンタがカウントする大入賞口に入球する遊技球の数を判定する場合とは異なり、1回の小当りに対して、第2大入賞装置53の開放回数に関係なく、大入賞カウンタがカウントする大入賞口に入球する遊技球の合計数を判定する。メインCPU71は、大入賞口カウンタが4以上である場合には、S148に処理を移す。大入賞口カウンタが4以上でない場合には、S143に処理を移す。
S143において、メインCPU71は、小当り中処理に対応する待ち時間タイマの値が“0”であるか否か判定する。すなわち、待ち時間タイマが0となって、第2大入賞装置53の開放時間もしくは閉鎖する時間が終了となったか否かを判定する。メインCPU71は、待ち時間タイマの値が“0”である場合には、S144に処理を移す。待ち時間タイマの値が“0”でない場合には、S147に処理を移す。
S144において、メインCPU71は、大入賞口開放回数カウンタが、S133でセットした大入賞口開放回数上限値以上であるか否か判定する。すなわち、実施形態1では、大入賞口開放カウンタが、S133でセットした第2大入賞装置53の開放回数3回に達したか否かを判定する。メインCPU71は、大入賞口開放回数カウンタが大入賞口開放回数上限値以上である場合は、S148に処理を移す。大入賞口開放回数カウンタが大入賞口開放回数上限値以上でない場合には、S145に処理を移す。
S145において、メインCPU71は、今回が閉鎖であれば、大入賞口開放回数カウンタに1加算する。すなわち、大入賞口開放回数カウンタが大入賞口開放回数上限値以上でない場合には、「小当り遊技状態」が継続され、閉鎖状態である第2大入賞装置53が、後に開放状態となり、再度大入賞口開放回数カウンタの第2大入賞装置53の開放回数の判定を行うため、大入賞口開放回数カウンタに1を加算するのである。この処理が終了した場合には、S146に処理を移す。
S146において、メインCPU71は、次の開閉態様データ、開閉タイマをメインRAM73の所定領域にセットする。すなわち、再度、開放状態または閉鎖状態となる第2大入賞装置53の開閉態様データや、開閉タイマを、ここでセットするのである。この処理が終了した場合には、S147に処理を移す。
S147において、メインCPU71は、V入賞口57への入賞に関するV入賞フラグがあるか否か判定する。メインCPU71は、V入賞フラグがある場合は、S150に処理を移す。V入賞フラグがない場合には、本サブルーチンを終了する。
S148において、メインCPU71は、S142において、第2大入賞装置53について大入賞カウンタが4以上であると判定した場合、または、S144において、大入賞口開放回数カウンタが、S133でセットした大入賞口開放回数上限値以上であると判定した場合、小当り中処理に対応する待ち時間タイマをクリアにする処理を行う。この処理が終了した場合には、S149に処理を移す。
S149において、メインCPU71は、V入賞フラグがあるか否か判定する。メインCPU71は、V入賞フラグがある場合は、S150に処理を移す。V入賞フラグがない場合には、メインCPU71は、S156に処理を移す。
S150において、メインCPU71は、大入賞口開放処理(07H)を制御状態フラグにセットする。すなわち、S149において、メインCPU71はV入賞フラグがあると判定した時点で、「V当り」から開始される「大当り遊技」の準備が開始されたことになる。この処理が終了した場合には、S151に処理を移す。
S151において、大入賞口開放回数カウンタを2にセットする処理を行う。この処理は、上述したように、「V当り」から開始される「大当り遊技」は、V入賞口57へ入球される第2大入賞装置の開放が1ラウンド目となり、その後の「大当り遊技」である第2大入賞装置の開放が2ラウンド目となることにより生じる処理である。この処理が終了した場合には、S152に処理を移す。
S152において、メインCPU71は、メインRAM73の第1大入賞装置54に関する大入賞口開放回数カウンタ上限値をセットする処理を行う。この場合は、V当りの契機となった、小当りの当り内容によって、大入賞口開放回数カウンタ上限値は「2」または「16」にセットされる。この処理が終了した場合には、S153に処理を移す。
S153において、メインCPU71は、V当り開始インターバル時間としてタイマの値をメインRAM73の所定領域にセットする処理を行う。なお、この時間としては、ラウンド間インターバルと同様とすればよく、例えば5000msとすればよい。この処理が終了した場合には、S154に処理を移す。
S154において、メインCPU71は、V入賞フラグをオフにする処理を行う。この処理が終了した場合には、S155に処理を移す。
S155において、メインCPU71は、V当り開始コマンドをメインRAM73の所定領域にセットする処理を行う。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
S156において、メインCPU71は、小当り終了後処理を示す値(05H)をメインRAM73の制御状態フラグにセットする処理を行う。この処理が終了した場合には、S157に処理を移す。
S157において、メインCPU71は、小当り終了時残留球監視時間としてタイマの値をメインRAM73の所定領域にセットする処理を行う。この時間としては、例えば5000msとすればよい。この処理は、羽根部材53aの閉鎖後、第2大入賞装置53内にV入賞口57に入球する可能性のある遊技球が存在しないことを確認する処理を行うために必要となる処理である。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
[小当り終了後処理]
図46のS57において実行されるサブルーチン(小当り終了後処理)について図53を用いて説明する。
最初に、S161において、メインCPU71は、制御状態フラグが小当り終了後処理を示す値(05H)であるか否かを判定する処理を行う。制御状態フラグが小当り終了後処理を示す値(05H)であると判定した場合には、S162に処理を移行する。制御状態フラグが小当り終了後処理を示す値(05H)であると判定しない場合には、本サブルーチンを終了する。
S162において、メインCPU71は、小当り終了時残留球監視時間のタイマの値が“0”であるか否か判定する。すなわち、小当り終了時残留監視時間が消化されたか否かを判定する。メインCPU71は、タイマの値が“0”である場合には、S164に処理を移す。待ち時間タイマの値が“0”でない場合には、S163に処理を移す。
S163において、メインCPU71は、V入賞フラグがあるか否か判定する。V入賞フラグがあるか否かの判定は、このタイミングで行われ、これら以外のタイミングで例えば、故意にV入賞フラグがあるようにした不正行為が行われたとしても、V入賞フラグの判定は行われない。メインCPU71は、V入賞フラグがある場合は、図52のS150に処理を移す。V入賞フラグがない場合には、本サブルーチンを終了する。
S164において、メインCPU71は、小当りコマンドをメインRAM73の所定領域にセットする処理を行う。この処理が終了した場合には、S165に処理を移す。
S165において、メインCPU71は、特別図柄ゲーム終了処理を示す値(10H)をメインRAM73の制御状態フラグにセットする処理を行う。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
[大当り開始インターバル管理処理]
図46のS58において実行されるサブルーチン(大当り開始インターバル管理処理)について図54を用いて説明する。
大当り開始インターバル管理処理は、図54に示すように、S171において、メインCPU71は、制御状態フラグが大当り開始インターバル管理処理を示す値(06H)であるか否かを判定する処理を行う。制御状態フラグが大当り開始インターバル管理処理を示す値(06H)であると判定した場合には、S172に処理を移行する。また、制御状態フラグが大当り開始インターバル管理処理を示す値(06H)であると判定しない場合には、本サブルーチンを終了する。
S172において、メインCPU71は、制御状態フラグが大当り開始インターバル管理処理を示す値(06H)である場合に、大当り開始インターバル管理処理に対応する待ち時間タイマの値が“0”であるか否か判定する。また、メインCPU71は、待ち時間タイマの値が“0”である場合には、S173の処理に移り、待ち時間タイマの値が“0”でない場合には、本サブルーチンを終了する。
S173において、メインCPU71は、メインRAM73の第1大入賞装置54に関する大入賞口開放回数カウンタ上限値をセットする処理を行う。実施形態1では、特別図柄による「大当り遊技」はすべて5ラウンドなので、大入賞口開放回数カウンタ上限値は、「5」にセットされる。この処理が終了した場合には、S174に処理を移す。
S174において、メインCPU71は、メインRAM73の大入賞口開放回数カウンタの値に1加算する処理を行う。この処理が終了した場合には、S175に処理を移す。
S175において、メインCPU60は、図34(d)の開放パターンテーブルを参照して、大当り図柄の種類に応じたラウンドごとの開閉パターンをメインRAM73の所定領域にセットする処理を行う。実施形態1では、大当り図柄の種類に応じた開閉パターンは異なるように設定されており、この開閉パターンとして、大入賞口開放時間が27.996秒もしくは0.102秒の2パターンが設定されているが、ラウンドごとに応じた開閉パターンは異ならず同じように設定されている。この処理が終了した場合には、S176に処理を移す。
S176において、メインCPU71は、メインRAM73の所定領域に、大入賞口開放中表示コマンドデータをセット(記憶)する処理を行う。大入賞口開放中表示コマンドは、主制御回路70のメインCPU71の制御により副制御回路200に供給される。この処理が終了した場合には、S177に処理を移す。
S177において、メインCPU71は、メインRAM73における制御状態フラグとして機能する所定領域に、大入賞口開放処理を示す値(07H)を制御状態フラグにセットする処理を行う。この処理が終了した場合には、S178に処理を移す。
S178において、メインCPU71は、メインRAM73の大入賞口入賞カウンタをクリアにする処理を行う。この処理が終了した場合には、S179に処理を移す。
S179において、メインCPU71は、大入賞口開放時間としての待ち時間タイマの値をメインRAM73にセットする処理を行う。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
[大入賞口開放処理]
図46のS59において実行されるサブルーチン(大入賞口開放処理)について図55を用いて説明する。
大入賞口開放処理は、図55に示すように、S181において、メインCPU201は、制御状態フラグが大入賞口開放処理を示す値(07H)であるか否かを判定する処理を行う。制御状態フラグが大入賞口開放処理を示す値(07H)であると判定した場合には、S182に処理を移行する。制御状態フラグが大入賞口開放処理を示す値(07H)であると判定しない場合には、本サブルーチンを終了する。
S182においては、大入賞口入賞カウンタが“10”以上であるか否かの判定を行う。この処理において、メインCPU71は、大入賞口入賞カウンタが“10”以上であると判定した場合には、S185に処理を移し、大入賞口入賞カウンタが“10”以上とは判定しなかった場合には、S183に処理を移す。
S183においては、セットしたラウンドごとの開閉パターンに応じた大入賞口開閉処理を行う。この処理において、メインCPU71は、S175でセットしたラウンドごとの開閉パターンに応じて第1大入賞装置54を開閉させる処理を行う。具体的には、ラウンドごとの開閉パターンに応じて、時間を待って第1大入賞装置54を閉じて開けるという処理を行う。この処理が終了した場合には、S184に処理を移す。
S184においては、大入賞口開放時間タイマとしての待ち時間タイマが“0”であるか否かの判定を行う。メインCPU71は、メインRAM73における大入賞口開放時間タイマとして機能する所定領域の待ち時間タイマが“0”であると判定した場合には、S185に処理を移し、待ち時間タイマが“0”であるとは判定しなかった場合には、本サブルーチンを終了する。つまり、大入賞口入賞カウンタが“10”以上であると判定した場合、または、大入賞口開放時間タイマが“0”であると判定した場合に、S185に処理を移し、大入賞口入賞カウンタが“10”以上であるとは判定しなかった場合、かつ、大入賞口開放時間タイマが“0”であるとは判定しなかった場合に、本サブルーチンを終了する。
S186においては、大入賞口閉鎖データをセットする処理を行う。この処理において、メインCPU71は、大入賞口を閉鎖させるために、メインROM72から読み出されたデータに基づいて、メインRAM73に位置付けられた変数を更新する。このように記憶された変数は、図45のS43の処理により、第1大入賞口ソレノイド54bを閉鎖状態とすることとなる。この処理が終了した場合には、S187に処理を移す。
S187において、大入賞口開放回数カウンタが大入賞口開放回数上限値以上であるか否かの判定を行う。この処理において、メインCPU71は、メインRAM73に記憶されている大入賞口開放回数カウンタと大入賞口開放回数上限値以上とを比較して、大入賞口開放回数カウンタが大入賞口開放回数上限値以上であるか否かを判定する。大入賞口開放回数上限値以上であると判定した場合には、S191に処理を移し、大入賞口開放回数上限値以上であると判定しなかった場合には、S188に処理を移す。
S188において、メインCPU71は、ラウンド間インターバル時間および残留球監視時間として待ち時間タイマの値をメインRAM73にセットする処理を行う。この処理が終了した場合には、S189に処理を移す。
S189において、メインCPU71は、メインRAM73おける制御状態フラグとして機能する所定領域に、大入賞口再開放前待ち時間管理処理を示す値(08H)を制御状態フラグにセットする処理を行う。この処理が終了した場合には、S190に処理を移行する。
S190において、メインCPU71は、ラウンド間表示コマンドデータをメインRAM73にセットする処理を行う。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
S191において、メインCPU71は、大当り終了インターバル時間および残留時間監視時間としての待ち時間タイマをメインRAM73にセットする処理を行う。この処理が終了した場合には、S192に処理を移す。
S192において、メインCPU71は、メインRAM73おける制御状態フラグとして機能する所定領域に、大当り終了インターバル処理を示す値(09H)を制御状態フラグにセットする処理を行う。この処理が終了した場合には、S193に処理を移行する。
S193において、メインCPU71は、メインRAM73の所定領域に、特別図柄当りインターバル終了表示コマンドデータをセットする処理を行う。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
[大入賞口再開放前待ち時間管理処理]
図46のS60において実行されるサブルーチン(大入賞口再開放前待ち時間管理処理)について図56を用いて説明する。
大入賞口再開放前待ち時間管理処理は、図56に示すように、S201において、メインCPU71は、制御状態フラグが大入賞口再開放前待ち時間管理処理を示す値(08H)であるか否かを判定する処理を行う。制御状態フラグが大入賞口再開放前待ち時間管理処理を示す値(08H)であると判定した場合には、S202に処理を移行する。制御状態フラグが大入賞口再開放前待ち時間管理処理を示す値(08H)であると判定しない場合には、本サブルーチンを終了する。
S202において、メインCPU71は、制御状態フラグが大入賞口再開放前待ち時間管理処理を示す値(08H)である場合に、ラウンド間インターバル時間としての待ち時間タイマの値が“0”であるか否か判定する。また、メインCPU71は、待ち時間タイマの値が“0”である場合には、S203の処理に移り、待ち時間タイマの値が“0”でない場合には、本サブルーチンを終了する。
S203において、メインCPU71は、メインRAM73の大入賞口開放回数カウンタに1加算する処理を行う。この処理が終了した場合には、S204に処理を移行する。
S204において、メインCPU71は、メインRAM73の所定領域に、大入賞口開放中表示コマンドデータをセット(記憶)する処理を行う。この場合の大入賞口開放中表示コマンドデータは2ラウンド目以降を示すデータとなる。大入賞口開放中表示コマンドデータは、主制御回路70のメインCPU71から副制御回路200のサブCPU201に大入賞口開放中表示コマンドとして供給される。この大入賞口開放中表示コマンドには、サブCPU201に対してラウンドカウンタ+1を行う旨の指示が含まれている。この処理が終了した場合には、S205に処理を移行する。
S205において、メインCPU71は、メインRAM73おける制御状態フラグとして機能する所定領域に、大入賞口開放処理を示す値(07H)を制御状態フラグにセットする処理を行う。この処理が終了した場合には、S206に処理を移行する。
S206において、メインCPU71は、メインRAM73の大入賞口入賞カウンタをクリアにする処理を行う。この処理が終了した場合には、S207に処理を移す。
S207において、メインCPU71は、大入賞口開放時間としての待ち時間タイマをメインRAM73にセットする処理を行う。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
[大当り終了インターバル処理]
図46のS61において実行されるサブルーチン(大当り終了インターバル処理)について図57を用いて説明する。
最初に、S211において、メインCPU71は、メインRAM73の制御状態フラグが大当り終了インターバル処理を示す値(09H)であるか否かを判定する処理を行う。制御状態フラグが大当り終了インターバル処理を示す値(09H)であると判定した場合には、S212に処理を移行する。制御状態フラグが大当り終了インターバル処理を示す値(09H)であると判定しない場合には、本サブルーチンを終了する。
S212において、メインCPU71は、メインRAM73の制御状態フラグが大当り終了インターバル処理を示す値(09H)である場合に、当り終了インターバルに対応する待ち時間タイマの値が“0”であるか否か判定する。すなわち、大当り終了インターバル時間が消化されて待ち時間タイマの値が“0”となったかを判定する。また、メインCPU71は、待ち時間タイマの値が“0”である場合には、S213に処理を移し、待ち時間タイマの値が“0”でない場合には、本サブルーチンを終了する。
S213において、メインCPU71は、メインRAM73の特別図柄ゲーム終了を示す値(10H)を制御状態フラグにセットする。この処理が終了した場合には、S214に処理を移す。
S214において、メインCPU71は、時短当選か否か判定する。メインCPU71は、時短当選である場合は、S215に処理を移す。時短当選でない場合には、S219に処理を移す。
S215において、メインCPU71は、時短連続カウンタが0か否か判定する。メインCPU71は、時短連続カウンタが0である場合は、S216に処理を移す。時短連続カウンタが0でない場合には、S217に処理を移す。なお、時短連続カウンタは、セット遊技中において何回目の「時短遊技状態」であるかを数えるために設けられたものである。時短連続カウンタが0である場合は、例えば、「通常遊技状態」からの「大当り」、いわゆる「初当り」であることを示し、セット遊技においていまだ「時短遊技」が行われておらず、以後、初めての「時短遊技」が行われることを示している。
S216において、メインCPU71は、「時短遊技状態」をセットし、時短連続カウンタを1にセットする。また、時短回数カウンタに0がセットされる。時短回数カウンタは「時短遊技」の回数を計数するためのものであり、「時短遊技状態」において最大100回の「時短遊技」が可能である。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
S217において、メインCPU71は、時短連続カウンタが4か否か判定する。すなわち、「初当り」を含めて「大当り」が4回行われ、セット遊技中において、3回目の「時短遊技状態」であるかを判定する。メインCPU71は、時短連続カウンタが4である場合は、S219に処理を移す。時短連続カウンタが4でない場合には、S218に処理を移す。
S218において、メインCPU71は、「時短遊技状態」をセットし、時短連続カウンタに1加算する。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
S219において、メインCPU71は、「通常遊技状態」をセットする。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
[特別図柄ゲーム終了処理]
図46のS62において実行されるサブルーチン(特別図柄ゲーム終了処理)について図58を用いて説明する。
最初に、S221において、メインCPU71は、メインRAM73の制御状態フラグが特別図柄ゲーム終了処理を示す値(10H)であるか否かを判定する処理を行う。制御状態フラグが特別図柄ゲーム終了処理を示す値(10H)であると判定した場合には、S222に処理を移す。制御状態フラグが特別図柄ゲーム終了処理を示す値(10H)ではないと判定しない場合には、本サブルーチンを終了する。
S222において、メインCPU71は、V入賞フラグがあるか否か判定する。メインCPU71は、V入賞フラグがある場合は、S223に処理を移す。V入賞フラグがない場合には、S224に処理を移す。
S223において、V入賞フラグをオフにする。この処理が終了した場合には、S224に処理を移す。
S224において、メインCPU71は、時短回数カウンタが1以上か否か判定する。メインCPU71は、時短回数カウンタが1以上である場合は、S225に処理を移す。時短回数カウンタが1以上ではない場合には、メインCPU71は、S228に処理を移す。「通常遊技状態」からの「大当り」のあと、S216において、時短回数カウンタに0がセットされているため、S224では、時短回数カウンタは「時短遊技」の回数0を計数しているため、S228に処理を移す。
S225において、メインCPU71は、時短回数カウンタに1加算する。この処理が終了した場合には、S226に処理を移す。
S226において、メインCPU71は、時短回数カウンタが100以上か否か判定する。メインCPU71は、時短回数カウンタが100以上であると判定した場合は、S227に処理を移す。時短回数カウンタが100以上ではないと判定した場合には、メインCPU71は、S228に処理を移す。S226において、例えば、時短回数カウンタが100以上であると判定し、この「時短遊技」100回の間に「V当り」とならなかった場合は、S227に処理を移す。
S227において、時短回数カウンタ、時短連続カウンタをクリアするとともに、時短フラグをオフ(クリア)にする。この処理が終了した場合には、S228に処理を移す。
S228において、メインCPU71は、制御状態フラグとして特別図柄記憶チェックを示す値(00H)をメインRAM73にセットする処理を行う。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
[システムタイマ割込処理]
メインCPU71は、メイン処理を実行している状態であっても、メイン処理を中断させ、システムタイマ割込処理を実行する場合がある。図59を用いて、システムタイマ割込処理について以下に説明する。
S231においては、レジスタ退避処理を行う。この処理において、メインCPU71は、レジスタを退避させる処理を行う。この処理が終了した場合、S232に処理を移す。
S232においては、タイマの更新処理を行う。この処理が終了した場合、S233に処理を移す。
S233においては、ウォッチドッグ出力データにクリアデータをセットする処理を行う。この処理において、メインCPU71は、ウォッチドッグ出力データにクリアデータをセットする。さらに、メインCPU71は、ウォッチドッグ出力データに基づく制御信号を初期リセット回路75に送信する(図33参照)。初期リセット回路75は、受信した制御信号に基づいてコンデンサの電圧を解放する。なお、初期リセット回路75に設けられるウォッチドッグタイマがクリアされてから初期リセット回路75に接続されたコンデンサの容量で決定される所定時間(例えば、3100msec)が経過すると、初期リセット回路75からメインCPU71へシステムリセット信号が出力される。メインCPU71はこの初期リセット回路75からシステムリセット信号が入力されるとシステムリセット状態となる。この処理が終了した場合、S234に処理を移す。
S234においては、乱数更新処理を行う。この処理において、メインCPU71は、乱数を更新する処理を行う。例えば、メインCPU71は、大当り判定用乱数カウンタ、リーチ判定用乱数カウンタ、普通図柄判定用乱数カウンタ、演出選択用乱数カウンタなどの乱数を更新する。なお、大当り判定用乱数カウンタ、リーチ判定用乱数カウンタは、カウンタ値の更新タイミングが不定であると、公正さに欠けるものとなってしまうため、これを担保するために2msecごとの決まったタイミングで更新を行うようにしている。この処理が終了した場合、S235に処理を移す。
S235においては、スイッチ入力処理を行う。この処理において、メインCPU71は、スイッチに入力があったか否か判定する処理を行う。例えば、メインCPU71は、第1大入賞装置54および第2大入賞装置53に設けられたカウントスイッチ54cおよびカウントスイッチ53cや、一般入賞口51,52に設けられた一般入賞球スイッチ51a,52aや、球通過検出器43に設けられた通過球スイッチ43aや、第1始動口44および第2始動口45に設けられた第1始動口入賞球スイッチ44aおよび第2始動口入賞球スイッチ45aや、V入賞口57に設けられたV入賞口入賞球スイッチ57cからの検知信号を受信することによって、各スイッチが遊技球を検知したか判定する。メインCPU71は、検知したと判定した場合、検知に応じて、大入賞口賞球カウンタや、一般入賞口賞球カウンタや、始動口賞球カウンタ、V賞球カウンタなどを更新する。スイッチ入力処理の詳細については後述する。この処理が終了した場合、S236に処理を移す。
S236においては、可動部材制御処理を行う。この処理において、メインCPU71は可動部材57aの制御を行う。この制御の詳細は後述する。この処理が終了した場合、S237に処理を移す。
S237において、レジスタ復帰処理を行う。この処理において、メインCPU71は、割込処理前のアドレスにレジスタを復帰させる処理を行う。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
[スイッチ入力処理]
図59に示すS235のスイッチ入力処理について、図60を用いて説明する。
S241において、賞球関連スイッチチェック処理を行う。この処理において、メインCPU71は、カウントスイッチ54c,53c、一般入賞球スイッチ51a,52a、第1始動口入賞球スイッチ44aおよび第2始動口入賞球スイッチ45aの入力があったか否か、言い換えれば遊技球を検知したか否かを判定する。そして、メインCPU71は、カウントスイッチ54c,53cの入力があったと判定した場合には、大入賞口賞球カウンタの値に1加算する処理を行い、一般入賞球スイッチ51a,52aの入力があったと判定した場合には、一般入賞口賞球カウンタの値に1加算する処理を行い、第1始動口入賞球スイッチ44a、第2始動口入賞球スイッチ45aの入力があったと判定した場合には、始動口賞球カウンタの値に1加算する処理を行う。この処理が終了した場合には、S242に処理を移す。
S242において、特別図柄関連スイッチチェック処理を行う。特別図柄関連スイッチチェック処理については後述する。この処理が終了した場合には、S243に処理を移す。
S243において、普通図柄関連スイッチチェック処理を行う。この処理において、メインCPU71は、通過球スイッチ43aの入力があったか否か、言い換えれば遊技球を検知したか否かを判定し、入力があったと判定した場合には、保留個数が上限(例えば、4個)である否かを判定し、上限であると判定した場合には本サブルーチンを終了する。上限であると判定しない場合には、普通図柄ゲームの当り判定用乱数カウンタから当り判定用乱数値を抽出し、さらに当り図柄決定用乱数カウンタから当り図柄決定用乱数値を抽出し、メインRAM73の普通図柄記憶領域に格納する処理を行う。この処理が終了した場合には、この処理が終了した場合には、S244に処理を移す。
S244において、Vスイッチチェック処理を行う。この処理において、メインCPU71は、V入賞口入賞球スイッチ57cの入力があったか否か、言い換えれば遊技球を検知したか否かを判定し、入力があったと判定した場合には、V入賞フラグをオンにする処理を行う。この処理が終了した場合には、実施形態1では、「小当り」時のみ、V入賞フラグがオンであるか否かを判定し、それ以外の時に、V入賞フラグがオンとなっていても、特別図柄ゲーム終了処理00H(図46参照)においてクリアされる。この処理が終了した場合には、S245に処理を移す。
S245において、異常関連スイッチチェック処理を行う。この処理において、メインCPU71は、異常関連スイッチに異常があったか否か、例えばガラスドア11の開閉スイッチが開放してガラスドア11が開放されていることが検知されたか否かを判定する。また、例えば、第1大入賞装置54が作動中との信号が発信されていない状態において、カウントスイッチ54cからの信号が検知されたか否かを判定する。異常が検知された場合には、異常を報知するための処理を行い、異常が検知されない場合には、そのまま本サブルーチンを終了する。
[特別図柄関連スイッチチェック処理]
図60に示すS242の特別図柄関連スイッチチェック処理について、図61を用いて説明する。
S251において、第1始動口44への始動入賞が検出されたか否かを判断する処理を行う。この処理において、メインCPU71は、第1始動口入賞球スイッチ44aの入力があった否かを判定する。第1始動口入賞球スイッチ44aの入力があったと判定した場合には、S252に処理を移し、第1始動口入賞球スイッチ44aの入力があったと判定しない場合には、S257に処理を移す。
S252において、第1特別図柄の始動記憶が4以上であるか否かを判定する処理を行う。この処理において、メインCPU71は、第1特別図柄の始動記憶、すなわち保留個数が4以上であるか否かを判定する。保留個数が4以上であると判定した場合には、本サブルーチンを終了し、保留個数が4以上でないと判定した場合には、S253に処理を移す。
S253において、第1特別図柄の始動記憶に1加算する処理を行う。この処理において、メインCPU71は、メインRAM73に記憶されている第1特別図柄の保留個数の値に1加算する処理を行う。この処理が終了した場合、S254に処理を移す。
S254において、各種乱数値取得処理を行う。この処理において、メインCPU71は、大当り判定用乱数カウンタから特別図柄ゲームの大当り判定用乱数値を抽出(いわゆる、特別図柄抽選)し、さらに、リーチ判定用乱数カウンタからリーチ判定用乱数値を抽出し、演出選択用乱数カウンタから演出選択用乱数値を抽出して、メインRAM73の第1特別図柄始動記憶領域に格納する処理を行う。本実施形態においては、第1特別図柄始動記憶領域は、第1特別図柄始動記憶領域(0)〜第1特別図柄始動記憶領域(4)まであって、第1特別図柄始動記憶領域(0)に記憶された当り判定用乱数に基づく判定結果が、特別図柄によって導出表示され、特別図柄の変動中に始動入賞したことによって取得した各種の乱数値は、第1特別図柄始動記憶領域(1)〜第1特別図柄始動記憶領域(4)に順に記憶される。この処理が終了した場合、S255に処理を移す。
S255において、入賞演出判定処理を行う。この処理において、メインCPU71は、乱数抽選に基づいて入賞演出を行うか否かを判定する。この処理が終了した場合、S256に処理を移す。
S256において、メインCPU71は、第1始動口入賞コマンドをメインRAM73の所定領域にセットする。第1始動口入賞コマンドは、主制御回路70のメインCPU71の制御により副制御回路200に供給されることにより、副制御回路200が、第1始動口入賞があったことや当り抽選結果の当否を認識するようになる。第1始動口入賞コマンドのデータには、S255の処理において入賞演出すると判定した場合に、入賞演出、例えば演出表示される保留球の表示態様を変更するといった演出を実行させるデータが含まれている。これにより、変動実行前の始動記憶情報に基づいて演出を実行するといった、周知技術であるいわゆる「先読演出」が可能となる。この処理が終了した場合、本サブルーチンを終了する。
S257において、第2始動口45への始動入賞が検出されたか否かを判定する処理を行う。この処理において、メインCPU71は、第2始動口入賞球スイッチ45aの入力があった否かを判定する。第2始動口入賞球スイッチ45aの入力があったと判定した場合には、S258に処理を移し、第2始動口入賞球スイッチ45aの入力があったと判定しない場合には、本サブルーチンを終了する。
S258において、第2特別図柄の始動記憶が4以上であるか否かを判定する処理を行う。この処理において、メインCPU71は、第2特別図柄の始動記憶、すなわち保留個数が4以上であるか否かを判定する。保留個数が4以上であると判定した場合には、本サブルーチンを終了し、保留個数が4以上でないと判定した場合には、S259に処理を移す。
S259において、第2特別図柄の始動記憶に1加算する処理を行う。この処理において、メインCPU71は、メインRAM73に記憶されている第2特別図柄の保留個数の値に1加算する処理を行う。この処理が終了した場合、S260処理を移す。
S260において、各種乱数値の取得処理を行う。この処理において、メインCPU71は、大当り判定用乱数カウンタから特別図柄ゲームの大当り判定用乱数を抽出(いわゆる、特別図柄抽選)し、さらに、リーチ判定用乱数カウンタからリーチ判定用乱数値とを抽出し、演出選択用乱数カウンタから演出選択用乱数値を抽出して、メインRAM73の第2特別図柄始動記憶領域に格納する処理を行う。本実施形態においては、第2特別図柄始動記憶領域は、第2特別図柄始動記憶領域(0)〜第2特別図柄始動記憶領域(4)まであって、第2特別図柄始動記憶領域(0)に記憶された大当り判定用乱数に基づく判定結果が、特別図柄によって導出表示され、特別図柄の変動中に始動入賞したことによって取得した各種乱数値は、第2特別図柄始動記憶領域(1)〜第2特別図柄始動記憶領域(4)に順に記憶される。この処理が終了した場合、S261に処理を移す。
S261において、入賞演出判定処理を行う。この処理において、メインCPU71は、入賞演出を行うか否かを判定する。入賞演出すると判定した場合に、入賞演出、例えば演出表示される保留球の表示態様を変更するといった演出を実行させる入賞演出コマンドデータをメインRAM73の所定領域に記憶する。入賞演出コマンドデータは、主制御回路70のメインCPU71の制御により副制御回路200に入賞演出コマンドとして供給されることにより、副制御回路200が入賞演出の内容を認識するようになる。これにより、変動実行前の始動記憶情報に基づいて演出を実行するといった、いわゆる「先読演出」が可能となる。この処理が終了した場合、S262に処理を移す。
S262において、メインCPU71は、第2始動口入賞コマンドをメインRAM73の所定領域にセットする。第2始動口入賞コマンドは、主制御回路70のメインCPU71の制御により副制御回路200に供給されることにより、副制御回路200が、第2始動口入賞があったことや当り抽選結果の当否を認識するようになる。第2始動口入賞コマンドのデータには、S261の処理において入賞演出すると判定した場合に、入賞演出、例えば演出表示される保留球の表示態様を変更するといった演出を実行させるデータが含まれている。これにより、変動実行前の始動記憶情報に基づいて演出を実行するといった、いわゆる「先読演出」が可能となる。この処理が終了した場合、本サブルーチンを終了する。
なお、本実施形態において、図示はしていないが、主制御回路70のメインRAM73にセットされた各種コマンドは、主制御回路70の各処理において副制御回路200に供給されている。
[可動部材制御処理]
図59に示すS236の可動部材制御処理について、図62を用いて説明する。
最初に、S271において、メインCPU71は、制御状態フラグが小当り中処理を示す値(04H)であるか否かを判定する処理を行う。制御状態フラグが小当り中処理を示す値(04H)であると判定した場合には、S272に処理を移行する。制御状態フラグが小当り中処理を示す値(04H)であると判定しない場合には、S274に処理を移行する。
S272において、可動部材57aが動作していることを示す可動中フラグがあるか否かを判定する処理を行う。この処理において、メインCPU71は、可動中フラグがあると判定した場合には、本サブルーチンを終了し、可動中フラグがないと判定した場合には、S273に処理を移す。
S273において、可動部材57aを動作させ始めて、可動中フラグをオンにする処理を行う。この処理が終了した場合、本サブルーチンを終了する。
S274において、メインCPU71は、制御状態フラグが小当り終了後処理を示す値(05H)であるか否かを判定する処理を行う。制御状態フラグが小当り終了後処理を示す値(05H)であると判定した場合には、S275に処理を移行する。制御状態フラグが小当り終了後処理を示す値(05H)であると判定しない場合には、S277に処理を移す。
S275において、メインCPU71は、小当り終了時残留球監視時間が0か否かを判定する。メインCPU71は、小当り終了時残留球監視時間が0であると判定した場合は、S276に処理を移す。小当り終了時残留球監視時間が0ではないと判定した場合は、本サブルーチンを終了する。実施形態1では、小当り終了時残留球監視時間は、5000msecであり、5000msecが経過するまでは、「V入賞」が有効であるため、可動部材も可動し得る状態である。
S276において、メインCPU71は、可動部材57aの動作を停止し、可動中フラグをオフにする。この処理が終了した場合、本サブルーチンを終了する。実施形態1では、小当り終了時残留球監視時間5000msecが経過すると、可動中フラグをオフにして、「小当り遊技状態」が終了するのである。
S277において、メインCPU71は、制御状態フラグが大入賞口開放処理を示す値(07H)であるか否かを判定する処理を行う。制御状態フラグが大入賞口開放処理を示す値(07H)であると判定した場合には、S278に処理を移行する。制御状態フラグが大入賞口開放処理を示す値(07H)であると判定しない場合には、本サブルーチンを終了する。
S278において、メインCPU71は、可動中フラグがあるか否かを判定する処理を行う。この処理において、メインCPU71は、可動中フラグがないと判定した場合は、本サブルーチンを終了し、可動中フラグがあると判定した場合には、S279に処理を移す。「小当り」で「V入賞」した場合は、可動中フラグがオンとなっているので、S279に処理を移し、単なる「大当り」中である場合は、本サブルーチンを終了する。
S279において、メインCPU71は、可動部材57aの動作を停止させ、可動中フラグをオフにする処理を行う。すなわち、「大当り遊技」においては、可動部材57aが動作する必要はない。この処理が終了した場合、本サブルーチンを終了する。
[副制御回路の動作説明]
次に、図63〜図80を参照して、副制御回路200のサブCPU201により実行される各種処理の内容について説明する。
[副制御メイン処理]
図63を用いて、副制御メイン処理を説明する。副制御回路200は、主制御回路70からの各種コマンドを受信して、表示処理などの様々な処理を行う。これらの処理の中で本発明に係る制御処理を以下に説明する。
S1011において、初期化処理を行う。この処理において、サブCPU201は、電源投入に応じて、初期化設定する処理を行う。例えば、電源ONフラグをオンにする。この処理が終了した場合には、S1012に処理を移す。この初期化処理は電源のオン・オフ動作に応じて行うことも可能である。
S1012において、乱数更新処理を行う。この処理において、サブCPU201は、ワークRAM203に記憶される乱数を更新する処理を行う。この処理が終了した場合には、S1013に処理を移す。
S1013においては、コマンド解析処理を行う。この処理において、サブCPU201は、主制御回路70から受信し、ワークRAM210の受信バッファに格納されるコマンドを解析する処理を行う。この処理については後述する。この処理が終了した場合には、S1014に処理を移す。
S1014においては、演出制御処理を行う。この処理において、サブCPU201は、演出ボタン23を用いたミニゲームの演出制御等を行う。また、上述のいわゆる先読み演出により保留球に関する先読み保留演出制御等を実行してもよい。この処理が終了した場合には、S1014に処理を移す。
S1015においては、表示制御処理を行う。この処理において、サブCPU201は、液晶表示装置13において表示を行うためのデータを表示制御回路205に送信する。表示制御回路205において、VDP(図示せず)は、サブCPU201の制御により演出画像を表示するためのデータに基づいて、識別図柄のデータ、背景画像データ、演出用画像データなど、各種の画像データを画像データROMから読み出し、重ね合わせて、液晶表示装置13の表示領域13a上に表示させる。この処理が終了した場合には、S1016に処理を移す。
S1016においては、音・ランプ等制御処理を行う。この処理において、サブCPU201は、スピーカ11から発生させる音の制御を行う音声制御処理、各種のランプ(図示せず)の発光制御を行うランプ制御処理を実行する。この処理が終了した場合には、再度、乱数更新処理(S1012)に処理を移す。
[タイマ割り込み処理]
図63に示す副制御メイン処理を実行している状態であっても、副制御メイン処理を中断させ、タイマ割込処理を実行する場合がある。図64を用いて、タイマ割り込み処理について以下に説明する。
S1021においては、レジスタを退避させる処理を行う。この処理において、サブCPU201は、各レジスタ(記憶領域)に記憶される実行中のプログラムにおいて使用されていた値を退避させる処理を行う。この処理が終了した場合には、S1022に処理を移す。
S1022においては、タイマ更新処理を行う。この処理において、サブCPU201は、ワークRAM210に記憶されるタイマを更新する処理を行う。具体的には、ラウンド演出等のタイマを更新する処理を行う。この処理が終了した場合には、S1023に処理を移す。
S1023においては、演出ボタンスイッチ入力検出処理を行う。この処理において、サブCPU201は、演出ボタン23の操作による演出ボタンスイッチ23aの入力の有無を検出する処理を行う。例えば、大当り遊技中にキャラを選択するための演出ボタン23の操作等を検出する。この処理が終了した場合には、S1024に処理を移す。なお、この演出ボタンスイッチ入力検出処理をタイマ割り込み処理において実行しているが、他の割り込みでもよい。なお、選択したキャラによって、ナビの抽選パターンを変更する等してもよい。例えば、ナビを提供される平均個数が、選択されるキャラによって変更されることとすればよい。
S1024においては、レジスタを復帰させる処理を行う。この処理において、サブCPU201は、S1021で退避した値を各レジスタに復帰させる処理を行う。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
[コマンド割り込み処理]
図63に示す副制御メイン処理を実行している状態であっても、副制御メイン処理を中断させ、コマンド割り込み処理を実行する場合がある。図65を用いて、コマンド割り込み処理について以下に説明する。
S1031においては、レジスタを退避させる処理を行う。この処理において、サブCPU201は、各レジスタ(記憶領域)に記憶される実行中のプログラムにおいて使用されていた値を退避させる処理を行う。この処理が終了した場合には、S1032に処理を移す。
S1032において、サブCPU201は、受信コマンドをバッファに格納する処理を行う。この処理が終了した場合には、S1033に処理を移す。
S1033においては、レジスタを復帰させる処理を行う。この処理において、サブCPU201は、S1031で退避した値を各レジスタに復帰させる処理を行う。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
[コマンド解析処理]
図63のS1013において実行されるサブルーチン(コマンド解析処理)について図66および図67を用いて説明する。
S1041において、コマンドを受信したか否かを判定する処理を行う。この処理において、サブCPU201が、受信したコマンドが所定のバッファに記憶されているか否かを判定し、受信コマンドありと判定した場合には、S1042に処理を移し、サブCPU201が受信コマンドありと判定しない場合には、本サブルーチンを終了する。
S1042において、受信したコマンドが特別図柄演出開始コマンドか否かを判定する処理を行う。この処理において、サブCPU201は、特別図柄演出開始コマンドであると判定した場合には、S1043に処理を移し、特別図柄演出開始コマンドであると判定しない場合には、S1044に処理を移す。
S1043において、サブCPU201は、特別図柄演出開始コマンド受信時処理を行う。特別図柄演出開始コマンドには、遊技状態、変動パターン、特別図柄、残り時短回、いわゆるナビ抽選等に関するデータが含まれる。この処理の詳細については後述する。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
S1044において、サブCPU201は、受信したコマンドが図柄停止コマンドであるか否かを判定する。図柄停止コマンドであると判定した場合には、S1045に処理を移し、特別図柄演出停止コマンドであると判定しない場合には、S1046に処理を移す。
S1045において、サブCPU201は、図柄停止コマンド受信時処理を行う。例えば、主制御回路70の制御による特別図柄の停止に同期させて装飾図柄を停止させる等の処理を行う。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
S1046において、サブCPU201は、受信したコマンドが大当り開始コマンドか否かを判定する処理を行う。大当り開始コマンドであると判定した場合には、S1047に処理を移し、大当り開始コマンドであると判定しない場合には、S1048に処理を移す。
S1047において、サブCPU201は、大当り開始コマンド受信時処理を行う。この処理の詳細については後述する。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
S1047においては、例えば、大当り開始コマンドを受けて、「大当り遊技」が開始される前に遊技者による演出ボタン23の操作を伴うミニゲーム等を実行処理する。詳細は、後述する。
S1048において、サブCPU201は、受信したコマンドが小当り開始コマンドか否かを判定する処理を行う。小当り開始コマンドであると判定した場合には、S1049に処理を移し、小当り開始コマンドであると判定しない場合には、S1050に処理を移す。
S1049において、サブCPU201は、小当り開始コマンド受信時処理を行う。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
S1050において、サブCPU201は、受信したコマンドがV当り開始コマンドか否かを判定する処理を行う。V当り開始コマンドであると判定した場合には、S1051に処理を移し、V当り開始コマンドであると判定しない場合には、S1052に処理を移す。
S1051において、サブCPU201は、V当り開始コマンド受信時処理を行う。S1051においては、例えば、ナビの実行によるナビの減算処理等を行う。この処理の詳細については後述する。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
S1052において、サブCPU201は、受信したコマンドが小当り終了コマンドか否かを判定する処理を行う。小当り終了コマンドであると判定した場合には、S1053に処理を移し、小当り終了コマンドであると判定しない場合には、S1054に処理を移す。
S1053において、サブCPU201は、小当り終了コマンド受信時処理を行う。S1053においては、例えば、ナビ演出が実行された場合の結果が、「V当り」か否かに応じた演出を行う。この処理の詳細については後述する。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
S1054において、サブCPU201は、受信したコマンドが大入賞口開放中表示コマンドか否かを判定する処理を行う。大入賞口開放中表示コマンドであると判定した場合には、S1055に処理を移し、大入賞口開放中表示コマンドであると判定しない場合には、S1056に処理を移す。
S1055において、サブCPU201は、大入賞口開放中表示コマンド受信時処理を行う。S1055においては、例えば、S1047において表示されたミニゲームの結果等を表示する処理を行う。この処理の詳細については後述する。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
S1056において、サブCPU201は、受信したコマンドがラウンド間表示コマンドか否かを判定する処理を行う。ラウンド間表示コマンドであると判定した場合には、S1057に処理を移し、ラウンド間表示コマンドであると判定しない場合には、S1058に処理を移す。
S1057において、サブCPU201は、ラウンド間表示コマンド受信時処理を行う。ラウンド間表示コマンドには、ラウンド間の演出等に関するデータが含まれている。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
S1058において、サブCPU201は、受信したコマンドが特別図柄当りインターバル終了表示コマンドか否かを判定する処理を行う。特別図柄当りインターバル終了表示コマンドであると判定した場合には、S1059に処理を移し、特別図柄当りインターバル終了表示コマンドであると判定しない場合には、S1060に処理を移す。
S1059において、サブCPU201は、特別図柄当りインターバル終了表示コマンド受信時処理を行う。S1059においては、セット遊技における「時短遊技状態」が所定回数に達した際にいわゆるナビ抽選を行う等の処理が行われる。この処理の詳細については後述する。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
S1060において、サブCPU201は、その他のコマンドの受信時処理を行う。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
[特別図柄演出開始コマンド受信時処理]
図66のS1043において実行されるサブルーチン(特別図柄演出開始コマンド受信時処理)について図68を用いて説明する。
S1061において、サブCPU201が、遊技状態は「通常遊技状態」または「時短遊技状態」か否かを判定する。なお、この「通常遊技状態」とは、「第1高確率状態」、「第2高確率状態」、「第3高確率状態」および「第4高確率状態」以外の「通常遊技状態(サブ)」を指す。サブCPU201が遊技状態は「通常遊技状態」または「時短遊技状態」であると判定した場合には、S1062に処理を移す。また、サブCPU201が、遊技状態は「通常遊技状態」または「時短遊技状態」であると判定しない場合には、S1063に処理を移す。
S1062において、サブCPU201が「通常遊技状態」または「時短遊技状態」中の演出を決定する処理を行う。この処理の詳細については後述する。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
S1063において、サブCPU201が、遊技状態は「第1高確率状態」か否かを判定する。サブCPU201が遊技状態は「第1高確率状態」であると判定した場合には、S1064に処理を移す。すなわち、サブCPU201は、第1高確率状態フラグがオンになっていると判定した場合はS1064に処理を移す。また、サブCPU201が、遊技状態は「第1高確率状態」であると判定しない場合には、S1065に処理を移す。
S1064において、サブCPU201が第1高確率状態中演出を決定する処理を行う。この処理の詳細については後述する。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
S1065において、サブCPU201が、遊技状態は「第2高確率状態」か否かを判定する。サブCPU201が遊技状態は「第2高確率状態」であると判定した場合には、S1066に処理を移す。また、サブCPU201が、遊技状態は「第2高確率状態」であると判定しない場合には、S1067に処理を移す。
S1066において、サブCPU201が第2高確率状態中演出を決定する処理を行う。この処理の詳細については後述する。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
S1067において、サブCPU201が、遊技状態は「第3高確率状態」か否かを判定する。サブCPU201が遊技状態は「第3高確率状態」であると判定した場合には、S1068に処理を移す。また、サブCPU201が、遊技状態は「第3高確率状態」であると判定しない場合には、S1069に処理を移す。
S1068において、サブCPU201が第3高確率状態中演出を決定する処理を行う。この処理の詳細については後述する。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
S1069において、サブCPU201が第4高確率状態中演出を決定する処理を行う。この処理の詳細については後述する。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
[通常遊技状態(サブ)中/時短演出決定処理]
図68のS1062において実行されるサブルーチン(通常遊技状態(サブ)中/時短演出決定処理)について図69を用いて説明する。なお、この「通常遊技状態」とは、「第1高確率状態」、「第2高確率状態」、「第3高確率状態」および「第4高確率状態」以外の「通常遊技状態(サブ)」を指す。
S1071において、サブCPU201が、抽選結果はハズレか否かを判定する。具体的には、図37に示すように、変動パターンコマンドが「83H00H」〜「83H06H」の場合はハズレである。なお、そのうち、変動パターンコマンドが「83H02H」〜「83H04H」は、ハズレリーチである。サブCPU201が抽選結果はハズレであると判定した場合には、S1072に処理を移す。また、サブCPU201が抽選結果はハズレであると判定しない場合には、S1084に処理を移す。
S1072において、サブCPU201が変動パターンコマンドに基づいて、停止図柄および演出内容を決定する処理を行う。この処理が終了した場合には、S1073に処理を移す。
S1073において、サブCPU201が、図40を用いて上述したように上述のポイント加算演出が実行されるか否かを判定する。サブCPU201がポイント加算演出を実行すると判定した場合は、S1074に処理を移す。また、サブCPU201がポイント加算演出を実行すると判定しない場合は、S1077に処理を移す。
S1074において、サブCPU201がワークRAM203の所定領域にポイントを加算する。この処理が終了した場合には、S1075に処理を移す。
S1075において、サブCPU201が、蓄積されているポイントが100ポイント以上か否かを判定する。サブCPU201は、ワークRAM203の所定領域に蓄積されているポイントを確認して判定する。サブCPU201が、ポイントは100ポイント以上であると判定した場合は、S1076に処理を移す。また、サブCPU201がポイントは100ポイント以上であると判定しない場合は、S1077に処理を移す。
S1076において、サブCPU201が第1高確率フラグをセットし、蓄積されたポイントをクリアする。したがって、次の遊技を行う際には「第1高確率状態」に移行している。この処理が終了した場合には、S1077に処理を移す。
S1077において、サブCPU201が、ナビ獲得演出を実行するか否かを判定する。サブCPU201がナビ獲得演出を実行すると判定した場合は、S1078に処理を移す。また、サブCPU201がナビ獲得演出を実行すると判定しない場合は、S1079に処理を移す。ここで、上述したように、図37に示すナビ獲得演出内容のハズレスーパーリーチBが選択された場合は、「第1高確率状態」では1/10の確率でナビが付与される抽選が行われることから、ハズレスーパーリーチBが選択されて、ナビが付与されることが決定した場合は、S1077において、サブCPU201が、ナビ獲得演出を実行すると判定する。
S1078において、サブCPU201がワークRAM203の所定領域に記憶されているナビ回(個)数に1加算して、ナビ獲得演出をセットする。この処理が終了した場合には、S1079に処理を移す。
S1079において、サブCPU201が遊技回数カウンタに1加算する。なお、遊技回数カウンタは特別図柄の変動表示が実行される回数(特別図柄ゲーム数)を計数するものである。この処理が終了した場合には、S1080に処理を移す。
S1080において、サブCPU201が、天井抽選が実行される基準として計数されていた特別図柄ゲーム数が図39に示すような予め定められた天井抽選を行う遊技回数であるか否かを判定する。サブCPU201が特別図柄ゲーム数が天井抽選を行う回数であると判定した場合は、S1081に処理を移す。また、サブCPU201が特別図柄ゲーム数は天井抽選を行う回数であると判定しない場合は、本サブルーチンを終了する。
S1081において、サブCPU201が天井抽選処理を実行する。具体的には、図39に示す天井抽選テーブルに基づいて天井抽選を実行する。この処理が終了した場合には、S1082に処理を移す。
S1082において、サブCPU201が、S1081において実行された天井抽選に当選したか否かを判定する。サブCPU201が天井抽選に当選したと判定した場合は、S1083に処理を移す。また、サブCPU201が天井抽選に当選したと判定しない場合は、本サブルーチンを終了する。
S1083において、サブCPU201が、第3高確率状態フラグをセットし、天井抽選が実行される基準として計数されたていた特別図柄ゲーム数をクリアする。この処理が終了した場合は、本サブルーチンを終了する。
S1084において、サブCPU201が、抽選結果は「小当り」か否かを判定する。具体的には、図37に示すように変動パターンコマンドが「83H07H」〜「83H14H」の場合は「小当り」である。サブCPU201が抽選結果は「小当り」であると判定した場合には、S1085に処理を移す。また、サブCPU201が抽選結果はハズレであると判定しない場合には、S1094に処理を移す。
S1085において、サブCPU201が、時短中(「時短遊技状態」)か否かを判定する。サブCPU201が「時短遊技状態」であると判定した場合には、S1087に処理を移す。また、サブCPU201が「時短遊技状態」であると判定しない場合には、S1086に処理を移す。
S1086において、サブCPU201が特殊演出をセットする。なお、この場合は、「時短遊技状態」でないにもかかわらず「小当り」に当選していることになるので、上述したいわゆる復活演出を行うこととすればよい。この処理が終了した場合は、本サブルーチンを終了する。
S1087において、サブCPU201が、ナビ抑制フラグがオフであり、かつ、記憶されているナビ回数が1以上であるか否かを判定する。サブCPU201がナビ抑制フラグがオフであり、かつ、記憶されているナビ回数が1以上であると判定した場合には、S1089に処理を移す。また、サブCPU201はナビ抑制フラグがオフであり、かつ、記憶されているナビ回数が1以上であると判定しない場合には、S1088に処理を移す。
ここで、ナビ抑制フラグは、遊技者がいわゆる「攻略打ち」を行っている可能性がある場合にセットされるフラグである。具体的には、上述したように、第2大入賞装置53に入球した際にV入賞口57に入球する確率は、2/3程度である。また、実施形態1では、通常の右打ちであれば第2大入賞装置53への入賞率は約1/3となるように釘配置がなされており、「V当り」となる確率は、約1/4.5である。したがって、「時短遊技」が50回行われる間に「V当り」となる期待度は99.9%であるといえる。熟練した遊技者の中には、第2大入賞装置53に遊技球を入賞させず、第2始動口45に遊技球を入賞させるように発射ハンドル25を操作する「攻略打ち」を行う者もいる。この「攻略打」ちにより、球通過検出器43への入賞に対する賞球を得て、手持ちの遊技球を増やすことができる。このような攻略打ちを抑制するために、50回目以降の「時短遊技」が行われる場合は、ナビ抑制フラグをセットすることとしている。なお、ナビ抑制フラグがセットされている場合は、ナビが付与されている場合でもナビが実行されないようにするあるいはナビの回数を減算するなど、ナビを抑制することとすればよい。また、ナビを行う代わりに、「攻略打ち」を止めるように促すような演出を行うこととしてもよい。
S1088において、サブCPU201はナビが無い場合に対応する演出をセットする。ナビが無い場合に対応する演出としては、例えば、ナビとは異なる共通の演出をプログラムROM202に記憶しておけばよい。この処理が終了した場合は、本サブルーチンを終了する。
S1089において、サブCPU201が、時短遊技が50回か否かを判定する。サブCPU201は時短遊技が50回であると判定した場合には、S1090に処理を移す。また、サブCPU201は時短遊技が50回であると判定しない場合には、S1091に処理を移す。ここで、上述のような「攻略打ち」が行われず「時短遊技」が50回経過する可能性は、極めて低いためS1089において上述の判定を行っている。
また、熟練者でなくとも、ナビが付与されている状態で特図種別が小当り(2)−3または小当り(2)−4に連続して当選したために、50回以上「V当り」とならない場合もあり、この場合に「V当り」せずに「時短遊技状態」が終了してしまうことを避けるために50回以上「V当り」していない場合はナビを抑制するようにしている。このときは、ナビが付与されているかを判定し、さらにその間の小当り(2)−1または小当り(2)−2の当選回数を確認し、例えば、その当選回数が10回以下であった場合は、攻略打ちではなく、ナビにしたがって発射したにもかかわらず「V当り」とならなかったと判断して、攻略打ち判断時のペナルティを与えないこととしてもよい。ここで、ペナルティとしては、例えば、蓄積しているナビ回数を全部消去することとすればよい。なお、この判断基準は任意に設計可能であることとすればよい。また、逆に、小当り(2)−1または小当り(2)−2の当選回数が10回より多かった場合は、攻略打ちが行われていると判断してペナルティを与えるようにしてもよい。
S1090において、サブCPU201はナビ抑制フラグをセットし、ナビが無い場合に対応する演出をセットする。この処理が終了した場合は、本サブルーチンを終了する。
S1091において、サブCPU201は特図種別が小当り(2)−1または小当り(2)−2であるか否かを判定する。サブCPU201は、特図種別が小当り(2)−1または小当り(2)−2であると判定した場合にはS1092に処理を移す。また、サブCPU201は特図種別が小当り(2)−1または小当り(2)−2であると判定しない場合には、S1093に処理を移す。
S1092において、サブCPU201は発射ナビ演出をセットする。発射ナビ演出は、遊技者に遊技球の発射を促すような演出である。この演出内容については後述する(図81参照)。なお、この発射ナビ演出を行ったときに、「V当り」であった場合はカウントされているナビ個数を減算することになる。この処理が終了した場合は、本サブルーチンを終了する。
S1093において、サブCPU201は発射抑制ナビ演出をセットする。発射抑制ナビ演出は、遊技者に遊技球の発射を抑制させるような演出である。この演出内容についても後述する(図82参照)。この処理が終了した場合は、本サブルーチンを終了する。
S1094において、サブCPU201は特図種別が特図(2)−1であるか否かを判定する。サブCPU201は、特図種別が特図(2)−1であると判定した場合にはS1095に処理を移す。また、サブCPU201は特図(2)−1であると判定しない場合には、S1096に処理を移す。
S1095において、サブCPU201は「時短遊技状態」であるか否かに応じて演出をセットする。例えば、「時短遊技状態」でなければいわゆる復活演出をセットすればよい。また、「時短遊技状態」であれば、復活演出ではない特殊演出をセットすればよい。この処理が終了した場合は、本サブルーチンを終了する。
S1096において、サブCPU201が、時短中(「時短遊技状態」)か否かを判定する。具体的には、サブCPU201が「時短遊技状態」であると判定した場合には、S1097に処理を移す。また、サブCPU201が「時短遊技状態」であると判定しない場合には、S1098に処理を移す。
S1097において、サブCPU201は、特図種別が特図(1)−1〜特図(1)−12に対応する演出をセットする。なお、この演出は、図38に示すように、変動パターンコマンドが「83H29H」〜「83H40H」に対応するものである。この演出は、時短中の大当りに関するものなので、イレギュラーであることを示すような演出とすればよい。この処理が終了した場合は、本サブルーチンを終了する。
S1098において、サブCPU201は、特図種別が特図(1)−1であるか否かを判定する。具体的には、サブCPU201は変動パターンコマンドが「83H15H」であるか否かを判定する。サブCPU201は特図種別が特図(1)−1であると判定した場合には、S1099に処理を移す。また、サブCPU201は特図種別が特図(1)−1であると判定しない場合には、S1100に処理を移す。
S1099において、サブCPU201は装飾図柄が「777」となるように決定し、ナビ回数に3加算し、プレミアムリーチ演出をセットする。実施形態1ではナビ回数を3加算しているが、例えば、全ナビフラグをセットすることとしてもよい。セット遊技において「時短遊技」が所定回数に達するまでナビフラグをオフにしておき、必要以上にナビ回数が増えないようにしておくことも可能である。この処理が終了した場合は、本サブルーチンを終了する。
S1100において、サブCPU201は、特図種別が特図(1)−2であるか否かを判定する。具体的には、サブCPU201は変動パターンコマンドが「83H16H」〜「83H18H」であるか否かを判定する。すなわち、「出玉有り時短」の大当りか否かを判定する。サブCPU201は特図種別が特図(1)−2であると判定した場合には、S1101に処理を移す。また、サブCPU201は特図種別が特図(1)−2であると判定しない場合には、S1102に処理を移す。
S1101において、サブCPU201は変動パターンコマンドに応じて、リーチ内容、装飾図柄を抽選により決定し、演出をセットする。図42に示す大当り時ナビ抽選テーブルを参照して、遊技者が選択したキャラに応じて大当り時のナビ抽選を行うことになる。このナビ抽選のタイミングについては後述する。この処理が終了した場合は、本サブルーチンを終了する。
S1102において、サブCPU201は、特図種別が特図(1)−3〜特図(1)−7であるか否かを判定する。具体的には、サブCPU201は変動パターンコマンドが「83H19H」〜「83H23H」であるか否かを判定する。すなわち、「出玉無し時短」の大当りか否かを判定する。サブCPU201は特図種別が特図(1)−3〜特図(1)−7であると判定した場合には、S1103に処理を移す。また、サブCPU201は特図種別が特図(1)−3〜特図(1)−7であると判定しない場合には、S1104に処理を移す。
S1103において、サブCPU201は変動パターンコマンドに応じて、リーチ内容、装飾図柄を抽選により決定し、演出をセットする。例えば、いずれかのタイミングで「時短遊技状態」であることを報知する演出をセットする。この処理が終了した場合は、本サブルーチンを終了する。
S1104において、サブCPU201は、特図種別が特図(1)−8〜特図(1)−11であるか否かを判定する。具体的には、サブCPU201は変動パターンコマンドが「83H24H」〜「83H27H」であるか否かを判定する。すなわち、「出玉無し通常」大当りか否かを判定する。サブCPU201は特図種別が特図(1)−8〜特図(1)−11であると判定した場合には、S1105に処理を移す。また、サブCPU201は特図種別が特図(1)−8〜特図(1)−11であると判定しない場合すなわち、特図(1)−12であると判定した場合は、S1106に処理を移す。
S1105において、サブCPU201は変動パターンコマンドに応じて、リーチ内容、装飾図柄を抽選により決定し、演出をセットする。さらに、第1高確率状態フラグをセットする。例えば、「通常遊技状態」から「第1高確率状態」への移行を報知するような演出内容を表示するようにセットする。この処理が終了した場合は、本サブルーチンを終了する。
S1106において、サブCPU201は、RAMクリアフラグが有るか否かを判定する。サブCPU201はRAMクリアフラグが有ると判定した場合には、S1109に処理を移す。また、サブCPU201はRAMクリアフラグが有ると判定しない場合には、S1107に処理を移す。なお、サブCPU201はRAMクリアフラグが有ると判定した場合には、1/2位の確率で抽選を行い、当選した場合にのみS1109に処理を移し、当選しなかった場合はS1107に処理を移すこととしてもよい。これにより、「第4高確率状態」への移行がより困難となる。また、S1106の処理を行った場合はRAMクリアフラグをオフにすることとしてもよい。
なお、上述したようにRAMクリアフラグではなく、電源ONフラグを「第4高確率状態」への移行の条件とする場合は、S1106においてサブCPU201は、電源ONフラグが有るか否かを判定することとすればよい。
S1107において、サブCPU201は上述の「第4高確率状態」へ移行するための抽選処理(第4高確率状態移行抽選)を行う。例えば、この当選確率は1/10とすればよい。この処理が終了した場合は、S1108に処理を移す。
S1108において、サブCPU201は、「第4高確率状態」へ移行するための抽選に当選したか否かを判定する。サブCPU201は当選したと判定した場合には、S1109に処理を移す。また、サブCPU201は当選したと判定しない場合には、S1110に処理を移す。
S1109において、サブCPU201は第4高確率状態フラグをセットし、「第4高確率状態」へ移行するための抽選に当選したことを示す演出をセットする。例えば、「終日ナビ券」を付与するような画像を表示すればよい。なお、第4高確率状態移行抽選を行わないこととしてもよい。つまり、RAMクリアフラグがセットされている状態で特図(1)−12に当選した場合にのみ「第4高確率状態」に移行することとしてもよい。この処理が終了した場合は、本サブルーチンを終了する。
S1110において、サブCPU201は、「第4高確率状態」へ移行するための抽選に当選しなかったことを示す演出をセットする。この処理が終了した場合は、本サブルーチンを終了する。
[第1高確率状態中演出決定処理]
図68のS1064において実行されるサブルーチン(第1高確率状態中演出決定処理)について図72を用いて説明する。
S1121において、サブCPU201が、サブCPU201が、抽選結果はハズレか否かを判定する。サブCPU201が抽選結果はハズレであると判定した場合には、S1122に処理を移す。また、サブCPU201が抽選結果はハズレであると判定しない場合には、S1126に処理を移す。
S1122において、サブCPU201が変動パターンコマンドに基づいて停止図柄、演出内容を決定する処理を行う。「第1高確率状態」において「通常遊技状態」や「第2高確率状態」とは異なり、ポイントの加算は無い。この処理が終了した場合には、S1123に処理を移す。
S1123において、サブCPU201が第1高確率中遊技回数に1加算する。なお、「第1高確率状態」におけるゲーム回数である第1高確率中遊技回数は、ワークRAM203に記憶されている。この処理が終了した場合には、S1124に処理を移す。
S1124において、サブCPU201は、第1高確率中遊技回数が20であるか否かを判定する。サブCPU201が第1高確率中遊技回数は20であると判定した場合には、S1125に処理を移す。また、サブCPU201が、第1高確率中遊技回数は20であると判定しない場合には、本サブルーチンを終了する。実施形態1では「第1高確率状態」での遊技が20回になると、「第2高確率状態」に移行するように設定したが、これに限定されるものではない。「第1高確率状態」での遊技が20回になると、「第1高確率状態」が「通常遊技状態」に転落する転落抽選を行うようにしてもよい。
S1125において、サブCPU201が第1高確率状態終了演出をセットし、第2高確率状態フラグをセットする。これによって、「第1高確率状態」が終了した後は、「第2高確率状態」となる。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
S1126において、サブCPU201は、特図種別が特図(1)−1または特図(1)−2であるか否かを判定する。すなわち、「出玉有り時短」の大当りか否かを判定する。サブCPU201は特図種別が特図(1)−1または特図(1)−2であると判定した場合には、S1127に処理を移す。また、サブCPU201は特図種別が特図(1)−1または特図(1)−2であると判定しない場合には、S1128に処理を移す。ここで、特図(2)が変動することは無い。また、特図(1)−1または特図(1)−2であると判定した場合は、「大当り遊技状態」となり、その後「時短遊技状態」に移行するが、「時短遊技状態」における時短遊技が所定回数(100回)行われた場合は、「通常遊技状態」に移行する。
S1127において、サブCPU201は特図(1)−1または特図(1)−2に対応して装飾図柄が「777」となるように決定し、ナビ回数に3加算し、セット遊技において3回ともすべてにナビ演出が行われる全ナビとして演出をセットする。この処理が終了した場合は、本サブルーチンを終了する。
S1128において、サブCPU201は、特図種別が特図(1)−3〜特図(1)−7であるか否かを判定する。すなわち「出玉無し時短」の大当りか否かを判定する。サブCPU201は特図種別が特図(1)−3〜特図(1)−7であると判定した場合には、S1129に処理を移す。また、サブCPU201は特図種別が特図(1)−3〜特図(1)−7であると判定しない場合には、S1130に処理を移す。
S1129において、サブCPU201はナビ回数に3加算し、上述した全ナビとして特別演出をセットする。このとき、出玉無しの大当りなので、「大当り」であることを示唆しない演出が行われる。この処理が終了した場合は、本サブルーチンを終了する。
S1130において、サブCPU201は第1高確率状態継続演出をセットし、第1高確率中遊技回数をクリアする。つまり、特図種別が特図(1)−8〜特図(1)−12である場合すなわち「出玉無し通常」の大当りである場合は再度「第1高確率状態」となる。また、この場合の演出としては、「第1高確率状態」が継続されることを示唆する内容が表示される。この処理が終了した場合は、本サブルーチンを終了する。
[第2高確率状態中演出決定処理]
図68のS1066において実行されるサブルーチン(第2高確率状態中演出決定処理)について図73を用いて説明する。
S1141において、サブCPU201が、サブCPU201が、抽選結果はハズレか否かを判定する。サブCPU201が抽選結果はハズレであると判定した場合には、S1142に処理を移す。また、サブCPU201が抽選結果はハズレであると判定しない場合には、S1149に処理を移す。
S1142において、サブCPU201が変動パターンコマンドに基づいて停止図柄、演出内容を決定する処理を行う。この処理が終了した場合には、S1143に処理を移す。
S1143において、サブCPU201がポイントを加算する処理を行う。このポイントの加算は、図40(a)に示すポイント加算テーブルを参照して、選択された変動パターンに応じたポイントが加算される。また、「第2高確率状態」ではS1141の抽選結果がハズレの場合、必ずポイントが加算される。この処理が終了した場合には、S1144に処理を移す。
S1144において、サブCPU201は、蓄積されたポイントが100ポイント以上であるか否かを判定する。サブCPU201がポイントは100ポイント以上であると判定した場合には、S1145に処理を移す。また、サブCPU201が、ポイントは100ポイント以上であると判定しない場合には、S1146に処理を移す。
S1145において、サブCPU201は第1高確率状態フラグをセットし、第2高確率状態フラグをオフにする。さらに、ポイントをクリアする。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。ここで、実施形態1ではポイントをクリアにしているが、これに限定されず、例えば、ポイントをクリアせずに「−100」を加算して、「0」以上のポイントを残しておくことも可能である。
S1146において、サブCPU201が第2高確率中遊技回数に1加算する。なお、「第2高確率状態」におけるゲーム回数である第2高確率中遊技回数は、ワークRAM203に記憶されている。この処理が終了した場合には、S1147に処理を移す。
S1147において、サブCPU201は、第2高確率中遊技回数が10であるか否かを判定する。サブCPU201が第2高確率中遊技回数は10であると判定した場合には、S1148に処理を移す。また、サブCPU201が、第2高確率中遊技回数は10であると判定しない場合には、本サブルーチンを終了する。
S1148において、サブCPU201が第2高確率状態終了演出をセットし、第2高確率状態フラグをオフにする。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。これにより、「第2高確率状態」終了後は「第1高確率状態」に移行する。
S1149において、サブCPU201は、特図種別が特図(1)−1〜特図(1)−7であるか否かを判定する。すなわち、時短有りの大当りか否が判定される。サブCPU201は特図種別が特図(1)−1〜特図(1)−7であると判定した場合には、S1150に処理を移す。本サブルーチンを終了する。また、サブCPU201は特図種別が特図(1)−1〜特図(1)−7であると判定しない場合、すなわち特図(1)−8〜特図(1)−12である場合には、S1151に処理を移す。なお、特図(1)−12である場合には、S1107に処理を移すこととしてもよい。
S1150において、サブCPU201が変動パターンコマンドに基づいて、停止図柄、演出内容を決定する処理を行う。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
S1151において、サブCPU201は第1高確率状態突入演出をセットし、第1高確率状態フラグをセットする。具体的には、第1高確率状態へと移行することが認識できるような演出とすればよい。この処理が終了した場合は、本サブルーチンを終了する。
[第3高確率状態中演出決定処理]
図68のS1068において実行されるサブルーチン(第3高確率状態中演出決定処理)について図74を用いて説明する。
S1161において、サブCPU201が、抽選結果はハズレか否かを判定する。サブCPU201が抽選結果はハズレであると判定した場合には、S1162に処理を移す。また、サブCPU201が抽選結果はハズレであると判定しない場合には、S1163に処理を移す。
S1162において、サブCPU201が変動パターンコマンドに基づいて停止図柄、演出内容を決定する処理を行う。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
S1163において、サブCPU201は、特図種別が特図(1)−1または特図(1)−2であるか否かを判定する。すなわち、「出玉有り時短」の大当りか否かを判定する。サブCPU201は特図種別が特図(1)−1または特図(1)−2であると判定した場合には、S1164に処理を移す。また、サブCPU201は特図種別が特図(1)−1または特図(1)−2であると判定しない場合には、S1166に処理を移す。なお、特図(2)が変動することは無い。
S1164において、サブCPU201は装飾図柄が「777」となるように決定し、ナビ回数に3加算し、演出をセットする。この処理が終了した場合には、S1165に処理を移す。
S1165において、サブCPU201は第3高確率状態フラグをオフにする。本サブルーチンを終了する。このように「時短」が有る大当りになった場合に、セット遊技におけるすべてのときを遊技においてナビを行う全ナビ状態となる。一方、天井状態は終了することになる。
S1166において、サブCPU201は、特図種別が特図(1)−3〜特図(1)−7であるか否かを判定する。すなわち、「出玉無し時短」の大当りか否かを判定する。サブCPU201は特図種別が特図(1)−3〜特図(1)−7であると判定した場合には、S1167に処理を移す。また、サブCPU201は特図種別が特図(1)−3〜特図(1)−7であると判定しない場合には、特図種別が特図(1)−8〜特図(1)−12であると判定され、S1169に処理を移す。
S1167において、サブCPU201はナビ回数に3加算し、特別演出をセットする。この処理が終了した場合は、S1168に処理を移す。
S1168において、サブCPU201は第3高確率状態フラグをオフにする。本サブルーチンを終了する。ここでも「時短」の有る大当りとなった場合、セット遊技におけるすべての時短遊技においてナビを行う全ナビ状態となる一方、天井状態は終了することとなる。なお、天井状態を終了させるのは、特図種別が特図(1)−1または特図(1)−2の場合のみとしてもよい。
S1169において、サブCPU201は第3高確率状態継続演出をセットする。ここでは、「時短」の無い大当りであると判定された状態となっており、天井状態は終了しない。この処理が終了した場合は、本サブルーチンを終了する。
[第4高確率状態中演出決定処理]
図68のS1069において実行されるサブルーチン(第4高確率状態中演出決定処理)について図75を用いて説明する。
S1171において、サブCPU201が、抽選結果はハズレか否かを判定する。サブCPU201が抽選結果はハズレであると判定した場合には、S1172に処理を移す。また、サブCPU201が抽選結果はハズレであると判定しない場合には、S1173に処理を移す。
S1172において、サブCPU201が変動パターンコマンドに基づいて停止図柄、演出内容を決定する処理を行う。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。なお、RAMクリアや電源OFF等の初期化処理を行うことによって、「第4高確率状態」はクリアされる。それ以外では、クリアされることがない。
S1173において、サブCPU201は、特図種別が特図(1)−1または特図(1)−2であるか否かを判定する。すなわち、「出玉有り時短」の大当りであるか否かを判定する。サブCPU201は特図種別が特図(1)−1または特図(1)−2であると判定した場合には、S1174に処理を移す。また、サブCPU201は特図種別が特図(1)−1または特図(1)−2であると判定しない場合には、S1175に処理を移す。なお、ここで、特図(2)が変動することは無い。
S1174において、サブCPU201は装飾図柄が「777」となるように決定し、ナビ回数に3加算し、演出をセットする。すなわち、「時短」が有る大当りでいわゆる全ナビとなり、この状態は終了しない。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
S1175において、サブCPU201は、特図種別が特図(1)−3〜特図(1)−7であるか否かを判定する。すなわち、「出玉無し時短」の大当りか否かを判定する。サブCPU201は特図種別が特図(1)−3〜特図(1)−7であると判定した場合には、S1176に処理を移す。また、サブCPU201は特図種別が特図(1)−3〜特図(1)−7であると判定しない場合には、S1177に処理を移す。
S1176において、サブCPU201はナビ回数に3加算し、特別演出をセットする。ここでも、全ナビ状態は終了しない。この処理が終了した場合は、本サブルーチンを終了する。
S1177において、サブCPU201は第4高確率状態継続演出をセットする。このように、「時短」の無い大当りの場合は、「第4高確率状態」は終了しない。この処理が終了した場合は、本サブルーチンを終了する。
[大当り開始コマンド受信時処理]
図66のS1047において実行されるサブルーチン(大当り開始コマンド受信時処理)について図76を用いて説明する。
S1181において、サブCPU201が、遊技状態は「通常遊技状態」または「第2高確率状態」での当りか否かを判定する。ここでは、全ナビの大当りであるかが判定される。なお、ここで「通常遊技状態」とは、上述したように「第1高確率状態」、「第2高確率状態」、「第3高確率状態」および「第4高確率状態」以外の「通常遊技状態(サブ)」を指す。サブCPU201が遊技状態は「通常遊技状態」または「第2高確率状態」での当りであると判定した場合には、S1182に処理を移す。また、サブCPU201が、遊技状態は「通常遊技状態」または「第2高確率状態」での当りであると判定しない場合には、全ナビの当りであるとしてS1190に処理を移す。
S1182において、サブCPU201は、当該当りは時短後にが付与される当りであるか否かを判定する。サブCPU201が、時短が付与される当りであると判定した場合は、S1183に処理を移す。また、サブCPU201が、時短が付与される当りであると判定しない場合は、S1189に処理を移す。
S1183において、サブCPU201は、ナビ抽選のための乱数値を取得する処理を行う。この処理が終了した場合には、S1184に処理を移す。
S1184において、サブCPU201が、当該当りは「出玉有り」の当りであるか否かを判定する。すなわち、特図(1)−1または特図(1)−2での大当りか否かを判定する。サブCPU201が、当該当りは「出玉有り」の当りであると判定した場合には、S1185に処理を移す。また、サブCPU201が、当該当りは「出玉有り」の当りであると判定しない場合には、S1186に処理を移す。
S1185において、サブCPU201が、遊技者が演出ボタン23を用いて選択したキャラに対応した演出をセットする。なお、キャラの選択が行われなかった場合は、初期設定されたキャラに対応した演出をセットする。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
S1186において、サブCPU201が、図41に示すような出玉無し時短ナビ抽選テーブルを用いて、乱数値を取得するナビ抽選を実行する処理を行う。この処理が終了した場合には、S1187に処理を移す。
S1187において、サブCPU201が、ナビ抽選の結果に基づいてナビ回数を加算する処理を行う。この処理が終了した場合には、S1188に処理を移す。
S1188において、サブCPU201が、残りナビ回数に基づいて演出をセットする。例えば、残りのナビ回数が書かれたおみくじを引くような演出であればよい。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
S1189において、サブCPU201が、時短無しの当りであることを示す演出をセットする。例えば、「第1高確率状態」に移行することを示唆する内容が書かれたおみくじを引くような報知演出であればよい。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
S1190において、サブCPU201が、時短中の大当りであるか否かを判定する。ここで、時短中の大当りとは、特図(1)および特図(2)による5ラウンド大当りか、特図(2)による小当りからの「V当り」があるが、「V当り」では、後述するV当り開始コマンドを送信することとなるため、大当り開始コマンドが送信されることがない。なお、V当りの場合でもV当り開始コマンドではなく、大当り開始コマンドを送信するようにしてもよい。その場合には大当り開始コマンド内にどのような経緯で大当りしたかを示すデータを含める等して、サブ基板において大当りの経緯を特定することができるようにすることが望ましい。そこで、サブCPU201は、特図(1)および特図(2)による5ラウンド大当りであると判定した場合にはS1191に処理を移す。また、サブCPU201が、「通常遊技状態」中の大当りであって時短中の大当りであると判定しない場合には、S1192に処理を移す。
S1191において、サブCPU201が時短中大当り演出をセットする。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
S1192において、サブCPU201は全ナビが確定したことを示す大当り演出をセットする。ここで、全ナビとは、上述したように、セット遊技中のすべての「時短遊技状態」においてナビを実行することをいう。この処理の詳細については後述する。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
[V当り開始コマンド受信時処理]
図66のS1051において実行されるサブルーチン(V当り開始コマンド受信時処理)について図77を用いて説明する。
S1201において、サブCPU201が、V当り時演出をセットする。具体的には、サブCPU201は、遊技球がV入賞口57に入賞して「V当り」となった際に行われる演出をセットする。例えば、ファンファーレの映像を表示する等すればよい。
S1202において、サブCPU201は、ナビが実行されたか否かを判定する。サブCPU201が、ナビが実行されたと判定した場合は、S1203に処理を移す。また、サブCPU201が、ナビが実行されたと判定しない場合は、S1207に処理を移す。
S1203において、サブCPU201は、ナビ回数を1減算する。この処理が終了した場合には、S1204に処理を移す。
S1204において、サブCPU201が、特図種別が小当り(2)−1または小当り(2)−2を契機としてV入賞したか否かを判定する。サブCPU201が、特図種別が小当り(2)−1または小当り(2)−2を契機としてV入賞したと判定した場合すなわち「V当り」であると判定した場合には、S1205に処理を移す。また、サブCPU201が、特図種別が小当り(2)−1または小当り(2)−2を契機としてV入賞したと判定しない場合すなわち「V当り」であると判定しない場合には、S1206に処理を移す。
S1205において、サブCPU201が、入賞成功演出をセットする。成功演出は、具体的には、ナビにしたがって発射操作を行ったことにより、16Rの「大当り」に当選した場合に行われる演出である。例えば、後述する図81に示すような演出を行えばよい。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
S1206において、サブCPU201が、回避失敗演出をセットする。回避失敗演出は、具体的には、ナビに沿わない発射操作を行ったことにより、2Rの「大当り」に当選した場合に行われる演出である。例えば、後述する図82に示すような演出を行えばよい。この処理が終了した場合には、S1207に処理を移す。
S1207において、サブCPU201が、特図種別が小当り(2)−3または小当り(2)−4を契機としてV入賞したか否かを判定する。サブCPU201が、特図種別が小当り(2)−3または小当り(2)−4を契機としてV入賞したと判定した場合すなわち「V当り」であると判定した場合には、S1208に処理を移す。また、サブCPU201が、特図種別が小当り(2)−3または小当り(2)−4を契機としてV入賞したと判定しない場合すなわち「V当り」であると判定しない場合には、本サブルーチンを終了する。
S1208において、サブCPU201が、2R当り回数に1加算する。なお、2R当り回数は、2ラウンドの「大当り遊技」に当選した回数である。この処理が終了した場合には、S1209に処理を移す。
S1209において、サブCPU201が、セット遊技中の当りにおいていわゆる初当りを除いた3回の当りの内、2R当り回数が3であるか否かを判定する。サブCPU201が2R当り回数が3であると判定した場合は、S1210に処理を移す。また、サブCPU201が2R当り回数が3回であると判定しない場合は、本サブルーチンを終了する。
S1210において、サブCPU201はナビ回数に1加算して、2R当り回数をクリアする。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。実施形態1では、S1205において入賞失敗演出をセットし、S1206において回避成功演出をセットすることが可能である。もちろん、これら演出を追加でセットすることも可能である。
[小当り終了コマンド受信時処理]
図67のS1053において実行されるサブルーチン(小当り終了コマンド受信時処理)について図78を用いて説明する。
S1221において、サブCPU201は、発射ナビ演出が実行されたか否かを判定する。サブCPU201が、発射ナビ演出が実行されたと判定した場合は、S1222に処理を移す。また、サブCPU201が、発射ナビ演出が実行されたと判定しない場合は、S1223に処理を移す。
S1222において、サブCPU201は、入賞失敗演出をセットする。入賞失敗演出は、発射ナビ演出が実行されたにもかかわらず、「V当り」しなかった場合に実行される演出である。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
S1223において、サブCPU201が、発射抑制ナビ演出が実行されたか否かを判定する。サブCPU201が、発射抑制ナビ演出が実行されたと判定した場合は、S1224に処理を移す。また、サブCPU201が、発射抑制ナビ演出が実行されたと判定しない場合は、S1225に処理を移す。
S1224において、サブCPU201は、回避成功演出をセットする。回避成功演出は、発射抑制ナビ演出が実行された場合に、「V当り」しなかった場合に実行される演出である。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
S1225において、サブCPU201は、仮にV入賞口57に入賞していた場合の結果を報知する処理を行う。例えば、仮にV入賞口57に入賞していた場合には2ラウンドの「大当り遊技」に当選していたのであれば、遊技者にとっては良かったことを示す報知が行われることとすればよい。また、例えば、仮にV入賞口57に入賞していた場合には16ラウンドの「大当り遊技」に当選していたのであれば、遊技者にとっては残念だったことを示す報知が行われることとすればよい。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。上記S1222において入賞成功演出をセットし、S1224に回避失敗演出をセットすることも可能であり、これら演出を追加でセットすることも可能である。
したがって、遊技者にとっての有利情報としてセットされた発射ナビ演出または発射抑制演出が表示された際に、「V当り」したか否かによって、その結果表示として、「入賞成功演出」、「入賞失敗演出」、「回避成功演出」および「回避失敗演出」のうち、対応する演出を表示することになるのである。
[大入賞口開放中表示コマンド受信時処理]
図67のS1055において実行されるサブルーチン(大入賞口開放中表示コマンド受信時処理)について図79を用いて説明する。
S1231において、サブCPU201が、特図種別が特図(1)−2であるか否かを判定する。サブCPU201は特図種別が特図(1)−2であると判定した場合には、S1232に処理を移す。また、サブCPU201は、特図種別が特図(1)−2であると判定しない場合には、S1239に処理を移す。
S1232において、サブCPU201が、「通常遊技状態」または「第2高確率状態」中の大当りか否かを判定する。なお、ここで「通常遊技状態」は、「第1高確率状態」、「第2高確率状態」、「第3高確率状態」および「第4高確率状態」以外の「通常遊技状態(サブ)」を指す。サブCPU201が「通常遊技状態」または「第2高確率状態」中の大当りであると判定した場合には、S1233に処理を移す。また、サブCPU201が、「通常遊技状態」または「第2高確率状態」中の大当りであると判定しない場合には、S1239に処理を移す。
S1233において、サブCPU201が、「大当り遊技」の1ラウンド目が実行されているか否かを判定する。サブCPU201が「大当り遊技」の1ラウンド目が実行されていると判定した場合には、S1234に処理を移す。また、サブCPU201は、「大当り遊技」の1ラウンド目が実行されていると判定しない場合には、S1236に処理を移す。
S1234において、サブCPU201が図42に示す大当り時ナビ抽選テーブルを用いて、選択されたキャラ、ナビ抽選乱数に基づいて大当たり時ナビ抽選を行う。この処理が終了した場合には、S1235に処理を移す。
S1235において、サブCPU201が当該抽選結果に基づいて演出をセットする。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。ここでは、例えば、ナビ抽選でナビを加算することになった場合、選択したキャラが対戦ゲーム等において勝利する等の演出がセットされる。このような演出は1ラウンド目に必ず行う必要はなく、任意のラウンドにおいて行うように設定することも可能である。
S1236において、サブCPU201が、抽選結果を報知するラウンドか否かを判定する。サブCPU201が抽選結果を報知するラウンドであると判定した場合には、S1237に処理を移す。実施形態1では、抽選結果を報知するラウンドは5ラウンドであるが、5ラウンドに限定されるわけではなく、他のラウンドとしてもよい。また、サブCPU201が、抽選結果を報知するラウンドであると判定しない場合には、S1238に処理を移す。
S1237において、サブCPU201が抽選結果報知演出をセットする。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
S1238において、サブCPU201が、セットされた演出にしたがって演出を実行する。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
S1239において、S1238と同様にサブCPU201が、セットされた演出にしたがって演出を実行する。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
[特別図柄当りインターバル終了コマンド受信時処理]
図67のS1059において実行されるサブルーチン(特別図柄当りインターバル終了コマンド受信時処理)について図80を用いて説明する。
S1241において、サブCPU201が、時短中に当選した「大当り」であるか否かを判定する。サブCPU201は時短中に当選した「大当り」であると判定した場合には、S1242に処理を移す。また、サブCPU201は、時短中に当選した「大当り」であると判定しない場合には、S1249に処理を移す。
S1242において、サブCPU201が、セット遊技中の最後の「時短遊技状態」であるか否かを判定する。サブCPU201がセット遊技中の最後の「時短遊技状態」であると判定した場合には、S1243に処理を移す。また、サブCPU201が、セット遊技中の最後の「時短遊技状態」であると判定しない場合には、S1246に処理を移す。
S1243において、サブCPU201が、図43に示すセット遊技終了時ナビ抽選テーブルを用いて、セット遊技中の特別図柄ゲームによる「大当り」の回数に応じてナビ抽選を行う。この処理が終了した場合には、S1244に処理を移す。
S1244において、サブCPU201が当該抽選結果に基づいて演出をセットする。この処理が終了した場合には、S1245に処理を移す。
S1245において、サブCPU201が、セット遊技終了後に移行する遊技状態をセットする。具体的には、セット遊技へと移行する前の遊技状態が「第1高確率状態」〜「第3高確率状態」および「通常遊技状態(サブ)」であった場合は「第1高確率状態」がセットされる。また、セット遊技へと移行する前の遊技状態が「第4高確率状態」であった場合は「第4高確率状態」がセットされる。
なお、天井状態である「第3高確率状態」に移行した後も、特図(1)−1〜特図(1)−7の「大当り」に当選しない状態が所定数のゲーム続いた場合は、その都度、天井抽選が行われ、この天井抽選に当選した場合は、「第3高確率状態」を蓄積して記憶できる構成においては、「第3高確率状態」を蓄積していれば、セット遊技終了後に再び「第3高確率状態」に移行される(「第3高確率状態」がセットされる)。
S1246において、サブCPU201が、ワークRAM203に記憶されているナビ回数を確認し残り数があるか否かを判定する。サブCPU201は残り数があると判定した場合には、S1247に処理を移す。また、サブCPU201は残り数があると判定しない場合には、S1248に処理を移す。
S1247において、サブCPU201が、次回のナビ演出をセットする。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
S1248において、サブCPU201が、次回のナビ無し演出をセットする。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
S1249において、サブCPU201が、「時短遊技状態」中に当選した大当りではないと判定されたのに応じて、遊技状態の移行先およびナビの有無に応じた演出をセットする。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
[演出表示例]
液晶表示装置13に表示されるナビ演出の一例について図81および図82を参照しながら説明する。図81は実施形態1に係るパチンコ遊技機の16R当りにおける演出を示す図である(図78のS1221参照)。また、図82は実施形態1に係るパチンコ遊技機の2R当りにおける演出を示す図である(図78のS1223参照)。
上述したように、実施形態1に係るパチンコ遊技機1は、セット遊技中に所定の条件が満たされるとナビを行う。ナビとは、上述したように、「時短遊技状態」において「小当り」に当選した際に、この小当りによる第2大入賞装置53の開放状態において「V当り」となった場合の「大当り遊技」のラウンド数を示唆する報知のことをいう。
「時短遊技状態」において、第2始動口45に遊技球が入賞して「小当り」が決定された後、変動時間中においてナビが実行される。つまり、変動停止数秒前からナビが実行される。ナビは、液晶表示装置13の表示領域13aにおいて画像により表示されることとすればよい。まず、図81を参照して、「V当り」となった場合には16ラウンドの「大当り遊技」が行われることが、「小当り」に当選した際に決定されていた場合のナビの一例について説明する。このときの特図種別は、小当り(2)−1または小当り(2)−2である。
「小当り」に当選した場合に、第2大入賞装置53の羽根部材53aが動作する前に、発射ナビ演出が実行される。例えば、図81(a)に示すように表示領域13aに画像が表示される。具体的には、ライフルの照準器と、この照準器越しに鳥が見えており、鳥にライフルの照準が合わされているような画像が表示される。そして、「打て!」の文字も表示領域13aに表示される。これにより、遊技者は、「V当り」となった場合には16ラウンドの「大当り遊技」が行われることを認識できる。
遊技者はこの画像を認識し、遊技球の発射を止めることなく、発射を継続する。このとき、V入賞口57に遊技球が入賞した場合は、成功演出が実行される。例えば、図81(b)に示すように、鳥にライフルの弾が命中したような画像が表示される。そして、「命中!!」の文字も表示される。これにより、遊技者は16ラウンドの「「大当り遊技」が開始されることを認識する。
また、発射ナビ演出が実行され、遊技者が遊技球の発射を継続していたにもかかわらず、「小当り遊技」において遊技球がV入賞口57に入賞しなかった場合は、失敗演出が実行される。例えば、図81(c)に示すように、鳥が照準器から外れて、逃げていくような画像が表示される。そして、「ハズレ」の文字も表示される。
次に、図82を参照して、「V当り」となった場合には2ラウンドの「大当り遊技」が行われることが、「小当り」に当選した際に決定されていた場合のナビの一例について説明する。このときの特図種別は、小当り(2)−3または小当り(2)−4である。
「小当り」に当選した場合に、第2大入賞装置53の羽根部材53aが動作する前に、発射抑制ナビ演出が実行される。例えば、図82(a)に示すように表示領域13aに画像が表示される。具体的には、ライフルの照準器と、この照準器越しに爆弾が見えており、爆弾にライフルの照準が合わされているような画像が表示される。そして、「打つな!」の文字も表示領域13aに表示される。これにより、遊技者は、「V当り」となった場合には2ラウンドの「大当り遊技」が行われることを認識できる。
遊技者はこの画像を認識し、遊技球の発射を止める。しかし、うまく遊技球を止めることができなかった場合等は、V入賞口57に遊技球が入賞する可能性がある。仮に、V入賞口57に遊技球が入賞した場合は、回避失敗演出が実行される。例えば、図82(b)に示すように、爆弾にライフルの弾が命中して、爆発しているうな画像が表示される。そして、「失敗!」の文字も表示される。これにより、遊技者は2ラウンドの「大当り遊技」が開始されることを認識する。
また、発射抑制ナビ演出が実行され、遊技者が遊技球の発射を止めることにより、遊技球がV入賞口57に入賞することを回避できた場合は、回避成功演出が実行される。例えば、図82(c)に示すように、爆弾が照準器から外れて、消えていくような画像が表示される。そして、「危険回避」の文字も表示される。
また、セット遊技中において、第1始動口44または第2始動口45に入球することにより、5ラウンドの「大当り」に当選する場合もある。このような場合にも表示領域13aにおいて画像による演出が実行されることとすればよい。このような場合は、図示はしていないが、例えば、表示領域13aにおいて、ライフルの照準器と、この照準器越しに鳥が見えており、この鳥が木にぶつかって落下するような画像が表示されることとすればよい。これにより、遊技者は、「V当り」ではなく、5ラウンドの「大当り遊技」が行われることを認識できる。
実施形態1に係るパチンコ遊技機1は、このように、大当り遊技のラウンド数に応じて遊技者が有利または不利になる構成を有しており、所定の条件を満たすことにより、このラウンド数を示唆する報知(ナビ)を行うことができる。これにより、遊技者は報知を認識することにより、有利な状況で遊技を行うことができる。
なお、ナビが付与されていない場合は、例えば、照準器越しに「?」が表示されることとして、「V当り」によってどのラウンドの「大当り遊技」となるかわからないようにすることが好ましい。また、照準器越しに「?」が表示されているときに「V当り」となった場合において、16ラウンドの「大当り遊技」が開始されることとなった場合は鳥を表示し、2ラウンドの「大当り遊技」が開始されることとなった場合は爆発を表示することにより、遊技者に結果を放置することとしてもよい。
[払出制御回路による各種報知処理]
次に、図83〜図90を参照して、払出制御回路300の払出CPU301により実行される各種処理の内容について説明する。
[電源投入処理]
最初に、図83を参照して、払出CPU301による電源投入処理について説明する。図83、実施形態1における電源投入処理の手順を示すフローチャートである。なお、電源投入処理は、電源が投入されたときに開始される処理である。払出CPU301は、この電源投入処理が開始されると、最初に、スタックポインタ、割込みモードおよび割込みベクタの設定を行う。
まず、払出CPU301は、入出カポートの設定処理を行う(S301)。次いで、払出CPU301は、電断検知状態であるか否かを判別する(S302)。この処理では、払出CPU301は、電断検知信号がHレベル(高レベル)であるか否かを判別する。
S302において、払出CPU301が、電断検知信号がHレベルであると判別した場合(S302がYES判定の場合)、払出CPU301は、電断検知状態であると判別して、S302の処理を行う。
一方、S302において、払出CPU301が、電断検知信号がHレベルでないと判別した場合(S302がNO判定の場合)、払出CPU301は、電断検知状態でないと判別して、RAM303の書き込み許可処理を行う(S303)。
この処理では、払出CPU301は、RAM303の書き込み許可処理の他、例えば、RAM303の作業領域の初期化処理等の各種初期設定処理を行う。
次いで、払出CPU301は、バックアップクリアスイッチ121が押下されているか否か、すなわちバックアップクリアスイッチ121(図33参照)がオンであるか否かを判別する(S304)。
S304において、払出CPU301が、バックアップクリアスイッチ121がオンであると判別した場合(S304がYES判定の場合)、払出CPU301は、後述のS310の処理を行う。
一方、S304において、払出CPU301が、バックアップクリアスイッチ121がオンでないと判別した場合(S304がNO判定の場合)、払出CPU301は、電断検知フラグがあるか否かを判別する(S305)。この処理では、払出CPU301は、電断検知フラグの確認を行う。
S305において、払出CPU301が、電断検知フラグがないと判別した場合(S305がNO判定の場合)、払出CPU301は、後述のS310の処理を行う。一方、S305において、払出CPU301が、電断検知フラグがあると判別した場合(S305がYES判定の場合)、払出CPU301は、作業損傷チェック値を算出する(S306)。この処理において、払出CPU301は、RAM303における作業領域の損傷チェックを行い、作業損傷チェック値を算出する。
具体的には、払出CPU301は、パリティチェックまたはCRC(Cyclic Redundancy Check)などの誤り検出処理を実行し、実行結果として得られたチェックサムを作業損傷チェック値とする。
次いで、払出CPU301は、作業損傷チェック値が正常であるか否かを判別する(S307)。S307において、払出CPU301が、作業損傷チェック値が正常でないと判別した場合(S305がNO判定の場合)、払出CPU301は、後述のS310の処理を行う。
一方、S307において、払出CPU301が、作業損傷チェック値が正常であると判別した場合(S307がYES判定の場合)、払出CPU301は、復電時の初期処理を行う(S308)。
すなわち、払出CPU301が、バックアップクリアスイッチ121がオンでなく、電断検知フラグがあり、かつ、作業損傷チェック値が正常であると判別した場合には、払出CPU301は、電源が切られる前の状態にパチンコ遊技機1を復帰させることができると判断し、RAM303に記憶されているデータに基づいて、復電時の初期設定処理を行う。
次いで、払出CPU301は、担保球監視初期設定処理を行う(S309)。この処理では、払出CPU301は、第1および第2の球供給通路171A,171Bにそれぞれ15個の遊技球が担保されているか判別するための初期設定を行う。
具体的には、払出CPU301は、第1および第2の担保球カウンタ305A,305Bに初期値をそれぞれ設定する。実施形態1では、1個の遊技球の落下時間130msとして、15個の遊技球の落下時間1950ms(=130ms×15個)に相当する1950回を第1および第2の担保球カウンタ305A,305Bの初期値とする。
また、払出CPU301は、第1および第2の担保球タイマ306A,306Bに初期値をそれぞれ設定する。実施形態1では、15個の遊技球の落下時間1950ms(1950回)を基に、15個の遊技球の担保が完了すると仮定される時間として2000msを第1および第2の担保球タイマ306A,306Bの初期値とする。
S309の処理後、払出CPU301は、プログラムカウンタの値を電断前のアドレスに復帰させる。詳細には、払出CPU301は、電源投入処理を終了し、電源投入処理を実行させたときに実行していたプログラムの処理を継続して行う。
S304がYES判定の場合、S305がNO判定の場合、または、S307がNO判定の場合、払出CPU301は、電源が切られる前の状態にパチンコ遊技機1を復帰させることができないと判断し、電源が投入されたときの処理を実行する。
詳細には、払出CPU301は、RAM303の全作業領域をクリアし(S310)、電源投入時の初期処理を行う(S311)。この処理では、払出CPU301は、過払出、払出モータ異常の停止要因をリセットする。このとき、後述する過払出規定個数(10個)リトライ回数も初期化される。
また、球切れによる停止要因が発生した状態では、球供給通路171内の担保球の蓄積状態に左右されないよう、後述する払出状態報知表示装置178による表示を、2秒間消灯する。
具体的には、払出状態報知表示装置178は、上述の停止要因により払出モータ174の駆動を停止するときに所定の初期化操作がなされた場合には、球切れの判定が終了するまでの2秒の間、当該判定の結果を表示しないようにする。
これにより、例えば所定の初期化操作後に球切れの判定が行われ、正常であると判定された場合には払出状態報知表示装置178による報知を行わないようにすることができる。これにより、不要な報知を排除することができる。なお、ここでいう所定の初期化操作とは、例えばバックアップクリアスイッチ121が押された後に電源の再投入が行われることである。
また、上記実施形態においては、バックアップクリアスイッチ121が押された後に電源の再投入が行われた場合には、払出CPU301がRAM303の全作業領域をクリアしていたが、これに限られるものではなく、所定の操作(例えば、バックアップクリアスイッチ121を押下)を行うことで電源の再投入を行わずともRAM303の全作業領域、またはオーバーペイ個数、またはエラー情報部分の作業領域のうち、少なくとも一つを含む作業領域、すなわち3つの作業領域をクリアしてもよいし、選択的に組み合わせて、目的に応じて作業領域をクリアするようにしてもよい。
次いで、払出CPU301は、前述した担保球監視初期設定処理を行い(S312)、メイン処理を実行する(S313)。
上述した電源投入時に対して、電断時は、使用レジスタ、割込み状態およびスタックポインタを退避するとともに、強制的に払出モータ174の励磁データを0とし、かつ低電流に切り替える。
なお、払出動作中に電断した場合は、原点(ステップ数が4の倍数)でない場合も想定できるため、強制的に励磁データを0にすることで、電断時に遊技球が自由落下することを防止する。あるいは、電断時に遊技球を強制的に落下させておく。
なお、電断時に、遊技球を強制的に落下させる場合には、遊技球の落下に必要な時間だけ電断処理を待機または中断、実行期間の延長を行うようにしてもよい。
また、遊技球を強制的に落下させる場合に替えて、遊技球が自由落下するように制御してもよい。この場合には、自由落下した遊技球を検知するまでに必要な時間を十分取るために、電断処理を待機または中断、実行期間の延長を行うようにしてもよい。
[メイン処理]
次に、図84を参照して、電源投入処理(図83参照)中のS313で行うメイン処理について説明する。なお、図84は、実施形態1におけるメイン処理の手順を示すフローチャートである。
まず、払出CPU301は、払出CPU301が有するシステムタイマが4以下であるか否かを判別する(S321)。S321において、払出CPU301が、システムタイマが4以下でないと判別した場合、(S321がNO判定の場合)、払出CPU301は、処理をS321に戻す。
一方、S321において、払出CPU301が、システムタイマが4以下であると判別した場合、(S321がYES判定の場合)、払出CPU301は、システムタイマから「4」を減算する(S322)。この処理では、払出CPU301は、システムタイマを初期化する。
すなわち、システムタイマが1msごとにカウントするタイマであれば、払出CPU301は、S321およびS322を実行することにより、後述するS323以降の処理を4msごとに実行することとなる。
次いで、払出CPU301は、メイン処理内で使用する全てのタイマの値を更新する(S323)。次いで、払出CPU301は、球貸し制御処理を実行する(S324)。この処理では、払出CPU301は、貸し出し用操作部151が操作されたときに、遊技球の管理およびカードユニット150に送信するコマンドの作成、並びに、カードユニット150から送信される球貸しのコマンドを受信したときに、貸し出す遊技球の数の管理などを行う。
次いで、払出CPU301は、賞球制御処理を実行する(S325)。この処理では、払出CPU301は、第1始動口44、第2始動口45、一般入賞口51,52、第1大入賞装置54および第2大入賞装置53に、遊技球が入賞したときに払出す遊技球の管理を行う。
次いで、払出CPU301は、払出制御回路300にエラーが生じたことを条件として、払出制御回路300にエラーが生じた旨を表示させるように、払出状態報知表示装置178を制御する(S326)。
[システムタイマ割込み処理(1ms)]
次に、図85を参照して、払出CPU301によるシステムタイマ割込み処理について説明する。図85は、実施形態1におけるシステムタイマ割込み処理の手順を示すフローチャートである。
実施形態1のパチンコ遊技機1では、払出CPU301は、上述の図84に示すメイン処理の実行中であっても、所定周期でメイン処理を中断し、システムタイマ割込み処理を実行する。
具体的には、払出CPU301は、払出制御回路300内のリセット用クロックパルス発生回路(図示せず)から所定周期(例えば1ミリ秒)で発生されるクロックパルスに応じて、システムタイマ割込み処理を実行する。
まず、払出CPU301は、主制御回路70や各種センサの検知コマンド(信号)を受信し、同時に受信したコマンドの解析を行うコマンド受信処理を実行する(S331)。
次いで、払出CPU301は、システムタイマ割込み処理内で使用する全てのタイマ(例えば、第1および第2の担保球タイマ306A,306B等)の値を更新する(S332)。次いで、払出CPU301は、後述する担保球あり検知処理(図86参照)を実行する(S333)。
次いで、払出CPU301は、後述する担保球なし検知処理(図87参照)を実行する(S334)。その後、払出CPU301は、後述する計数スイッチ検知処理(図88参照)を実行する(S335)。次いで、払出CPU301は、後述するモータ起動待ち処理(図89参照)を実行する(S336)。
そして、最後に、払出CPU301は、払出制御回路300の払出エラー情報を示すコマンドを主制御回路70に送信するコマンド送信処理を実行する(S337)。例えば、払出CPU301は、下皿満タンスイッチ179から下皿満タン状態であることを示す信号が入力された際には、下皿満タン状態であることを示す払出エラー情報コマンドを主制御回路70に送信する。
ただし、電源投入直後の規定時間(例えば6秒間)は、主制御回路70側で副制御回路200の起動待ち時間を保持しているため、主制御回路70側で受信可能となるまで払出エラー情報コマンドを送信しないようにする。
ここで、電源投入時は、払出エラー情報に関する履歴情報はクリアされている。また、電断前に下皿満タン状態であって電断中に下皿22に貯留された遊技球を排出する等して下皿満タン状態を解除したとしても、電断復帰後に下皿満タン状態を解除した旨の情報の送信は行われない。ただし、電源再投入を契機に解除する払出モータ異常や過払出異常に関しては、電断復帰時に初期化される。
[担保球あり検知処理]
次に、図86を参照して、システムタイマ割込み処理(図85参照)中のS333で行う担保球あり検知処理について説明する。図86は、実施形態1における担保球あり検知処理の手順を示すフローチャートである。
まず、払出CPU301は、第1の担保球カウンタ305Aの値が0であるか否かを判別する(S341)。S341において、払出CPU301が、第1の担保球カウンタ305Aの値が0であると判別した場合、(S341がYES判定の場合)、払出CPU301は、第1の球供給通路171Aへの遊技球の補給が必要でないと判断して処理をS347に移す。
一方、S341において、払出CPU301が、第1の担保球カウンタ305Aの値が0でないと判別した場合、(S341がNO判定の場合)、払出CPU301は、第1の球供給通路171Aへの遊技球の補給が必要であると判断して、第1の15球担保スイッチ172AがON状態であるか否かを判別する(S342)。
S342において、払出CPU301が、第1の15球担保スイッチ172AがON状態でないと判別した場合、(S342がNO判定の場合)、払出CPU301は、第1の球供給通路171Aに所定個数(実施形態1では、15個)の遊技球が蓄積されていない、すなわち担保球なしと判断して、処理をS347に移す。
一方、S342において、払出CPU301が、第1の15球担保スイッチ172AがON状態であると判別した場合、(S342がYES判定の場合)、払出CPU301は、第1の球供給通路171Aに所定個数(実施形態1では、15個)の遊技球が蓄積されている、すなわち担保球ありと判断して、第1の担保球カウンタ305Aの値を「1」減算する(S343)。
次いで、払出CPU301は、第1の担保球カウンタ305Aの値が0であるか否かを判別する(S344)。S344において、払出CPU301が、第1の担保球カウンタ305Aの値が0でないと判別した場合、(S344がNO判定の場合)、払出CPU301は、第1の球供給通路171Aへの遊技球の補給が必要であると判断して処理をS347に移す。
一方、S344において、払出CPU301が、第1の担保球カウンタ305Aの値が0であると判別した場合、(S344がYES判定の場合)、払出CPU301は、第1の球供給通路171Aへの遊技球の補給が必要でないと判断して、第1の落下球確認フラグに1をセットする(S345)。
ここで、第1の落下球確認フラグは、第1の球供給通路171Aへの遊技球の補給が必要でないとき、つまり担保球があるときに「1」にセットされ、第1の球供給通路171Aへの遊技球の補給が必要であるとき、つまり担保球がないときに「0」にセットされるフラグである。
次いで、払出CPU301は、第1の停止要因フラグに0をセットする(S346)。ここで、第1の停止要因フラグは、賞球ケースユニット170による遊技球の払出を停止する要因(停止要因)があるか否かに応じて「0」または「1」がセットされるフラグであ
り、特に第1の球供給通路171Aに蓄積(担保)された遊技球の払出に関して、停止要因があるときに「1」にセットされ、停止要因がないときに「0」にセットされるフラグである。
S346の処理においては、第1の球供給通路171Aへの遊技球の補給が完了し、所定個数(実施形態1では、15個)の遊技球が蓄積されているとS344において判断されていることから、停止要因である球切れを解除する意味で第1の停止要因フラグに0がセットされる。なお、停止要因としては、後述するが、球切れ以外に種々の停止要因がある。ここでは、その一例として球切れを挙げている。
次いで、S341がYES判定の場合、S342がNO判定の場合、または、S344がNO判定の場合、払出CPU301は、第2の担保球カウンタ305Bの値が0であるか否かを判別する(S347)。
S347において、払出CPU301が、第2の担保球カウンタ305Bの値が0であると判別した場合、(S347がYES判定の場合)、払出CPU301は、第2の球供給通路171Bへの遊技球の補給が必要でないと判断して、担保球あり検知処理を終了する。
一方、S347において、払出CPU301が、第2の担保球カウンタ305Bの値が0でないと判別した場合、(S347がNO判定の場合)、払出CPU301は、第2の球供給通路171Bへの遊技球の補給が必要であると判断して、第2の15球担保スイッチ172BがON状態であるか否かを判別する(S348)。
S348において、払出CPU301が、第2の15球担保スイッチ172BがON状態でないと判別した場合、(S348がNO判定の場合)、払出CPU301は、第2の球供給通路171Bに所定個数(実施形態1では、15個)の遊技球が蓄積されていない、すなわち担保球なしと判断して、担保球あり検知処理を終了する。
一方、S348において、払出CPU301が、第2の15球担保スイッチ172BがON状態であると判別した場合、(S348がYES判定の場合)、払出CPU301は、第2の球供給通路171Bに所定個数(実施形態1では、15個)の遊技球が蓄積されている、すなわち担保球ありと判断して、第2の担保球カウンタ305Bの値を「1」減算する(S349)。
次いで、払出CPU301は、第2の担保球カウンタ305Bの値が0であるか否かを判別する(S350)。S350において、払出CPU301が、第2の担保球カウンタ305Bの値が0でないと判別した場合、(S350がNO判定の場合)、払出CPU301は、第2の球供給通路171Bへの遊技球の補給が必要であると判断して、担保球あり検知処理を終了する。
一方、S350において、払出CPU301が、第2の担保球カウンタ305Bの値が0であると判別した場合、(S350がYES判定の場合)、払出CPU301は、第2の球供給通路171Bへの遊技球の補給が必要でないと判断して、第2の落下球確認フラグに1をセットする(S351)。
ここで、第2の落下球確認フラグは、第2の球供給通路171Bへの遊技球の補給が必要でないとき、つまり担保球があるときに「1」にセットされ、第2の球供給通路171Bへの遊技球の補給が必要であるとき、つまり担保球がないときに「0」にセットされるフラグである。
次いで、払出CPU301は、第2の停止要因フラグに0をセットして(S352)、担保球あり検知処理を終了する。ここで、第2の停止要因フラグは、賞球ケースユニット170による遊技球の払出を停止する要因(停止要因)があるか否かに応じて「0」または「1」がセットされるフラグであり、特に第2の球供給通路171Bに蓄積(担保)された遊技球の払出に関して、停止要因があるときに「1」にセットされ、停止要因がないときに「0」にセットされるフラグである。
S352の処理においては、第2の球供給通路171Bへの遊技球の補給が完了し、所定個数(実施形態1では、15個)の遊技球が蓄積されているとS350において判断されていることから、停止要因である球切れを解除する意味で第2の停止要因フラグに0がセットされる。
このようにして、担保球あり検知処理では、担保球カウンタと15球担保スイッチによって、担保球の有無と、遊技球の補給の判断と、(払出モータ、またはスプロケット、または払出の)停止要因を解除するか否かの判定を行うことが可能となるので、払出における担保球の管理をより正確に行うことが可能となる。
[担保球なし検知処理]
次に、図87を参照して、システムタイマ割込み処理(図85参照)中のS334で行う担保球なし検知処理について説明する。図87は、実施形態1における担保球なし検知処理の手順を示すフローチャートである。
まず、払出CPU301は、第1の担保球タイマ306Aの値が0であるか否かを判別する(S361)。S361において、払出CPU301が、第1の担保球タイマ306Aの値が0でないと判別した場合、(S361がNO判定の場合)、払出CPU301は、第1の球供給通路171Aに遊技球を補給中であると判断して、処理をS371に移す。
一方、S361において、払出CPU301が、第1の担保球タイマ306Aの値が0であると判別した場合、(S361がYES判定の場合)、払出CPU301は、第1の球供給通路171Aへの遊技球の補給が完了したと判断して、第1の担保球カウンタ305Aの値が0であるか否かを判別する(S362)。
S362において、払出CPU301が、第1の担保球カウンタ305Aの値が0であると判別した場合、(S362がYES判定の場合)、払出CPU301は、第1の球供給通路171Aに所定個数(実施形態1では、15個)の遊技球が蓄積されている、すなわち担保球ありと判断して、第1の15球担保スイッチ172AがOFF状態であるか否かを判別する(S363)。
ここで、払出CPU301は、S361およびS362において、図85に示したシステムタイマ割込み処理が1msごとに行われるたびに「1」減算、すなわち更新された第1の担保球タイマ306Aの値と、担保球あり検知処理(図86参照)のS343で「1」減算、すなわち更新された第1の担保球カウンタ305Aの値とを比較し、その比較結果に基づき、第1のスプロケット173Aによる遊技球の払出を禁止するか否かを判定している。
例えば、S361がYES判定であって、かつS362がYES判定である場合には、第1の担保球タイマ306Aの値、および第1の担保球カウンタ305Aの値のいずれもが所定値としての0であるため、球タンク161から15個の遊技球を払出すのに十分な時間として設定された第1の担保球タイマ306Aの初期値である2000msが経過したときに、第1の担保球カウンタ305Aの初期値である1950回(1950ms)が経過していることとなる。
第1の担保球カウンタ305Aの初期値である1950回(1950ms)は、第1の15球担保スイッチ172Aが遊技球を検知していないと減算されない値であるから、2000msが経過したとき(0となったとき)に第1の担保球カウンタ305Aの初期値である1950回(1950ms)が0となっていることにより、第1の球供給通路171Aに15個の遊技球が補給されていることが保障される。
一方、S361がYES判定であって、かつS362がNO判定である場合には、第1の担保球タイマ306Aの値が0となったときに第1の担保球カウンタ305Aの値が0となっていないこととなる。
すなわち、第1の担保球タイマ306Aの初期値である2000msが経過したときに、第1の担保球カウンタ305Aの初期値である1950回(1950ms)が経過していないこととなる。これにより、2000msが経過するまでの間に、第1の15球担保スイッチ172Aが遊技球を検知していない時間があった、つまり遊技球の補給が途切れた時間があったと推定できる。したがって、S361がYES判定であって、かつS362がNO判定である場合には、第1の球供給通路171Aに15個の遊技球が補給されていないものと判断される。
こうした第1の担保球タイマ306Aの値と第1の担保球カウンタ305Aの値とを比較する処理を行う払出CPU301は、判定手段を構成する。
次いで、S363において、払出CPU301が、第1の15球担保スイッチ172AがOFF状態でないと判別した場合、(S363がNO判定の場合)、払出CPU301は、第1の球供給通路171Aに15個の遊技球が補給されていると判断して、処理をS371に移す。
一方、S363において、払出CPU301が、第1の15球担保スイッチ172AがOFF状態であると判別した場合、(S363がYES判定の場合)、払出CPU301は、上述のS361およびS362において、一旦は第1の球供給通路171Aに15個の遊技球が補給されていることが保障されたにも関わらず、何らかの要因により第1の球供給通路171Aに15個の遊技球が補給されていない、つまり担保球なしと判断して、第1の落下球確認フラグに0をセットする(S364)。
ここで、S363でYES判定される要因としては、例えば第1のスプロケット173Aや払出モータ174の不具合等によって過剰に遊技球が払出された場合等が挙げられる。また、このとき、第1のスプロケット173Aによる遊技球の払出は、禁止される。
ここで、過剰に遊技球が払出された場合とは、例えば、第1のスプロケット173Aが過剰に回転した結果、第1の球供給通路171Aに補給されている遊技球が15個から14個に減少し、払出された遊技球に連なって第1の球供給通路171Aに補給されていた遊技球が第1のスプロケット173A方向に移動することで、第1の15球担保スイッチ172Aが検知していた遊技球も第1のスプロケット173A方向に移動するため、第1の15球担保スイッチ172AがOFF状態となるような場合である。
すなわち、払出CPU301は、第1の担保球タイマ306Aの値が0であるときに第1の担保球カウンタ305Aの値が0であっても、第1のスプロケット173Aによる遊技球の払出が行われる前に第1の15球担保スイッチ172Aにより遊技球が検知されていない場合には、払出モータ174の駆動を通じた第1のスプロケット173Aによる遊技球の払出を禁止する。
このように、払出CPU301は、第1の球供給通路171Aに補給された遊技球が存在するか否かを把握することが可能となるため、より正確に払出管理を行うことが可能となる。
次いで、払出CPU301は、払出モータ174のアイドル状態の監視時間として2秒(2000ms)を第1の担保球タイマ306Aにセットする(S365)。なお、ここでセットされた2000msが経過した場合には、停止要因があるものと判断して払出状態報知表示装置178による報知が行われる。
その後、払出CPU301は、払出モータ174のアイドル状態の監視回数として1950回(1950ms)を第1の担保球カウンタ305Aにセットして(S366)、処理をS371に移す。
一方、S362において、払出CPU301が、第1の担保球カウンタ305Aの値が0でないと判別した場合、(S362がNO判定の場合)、払出CPU301は、第1の球供給通路171Aに所定個数(実施形態1では、15個)の遊技球が蓄積されていない、すなわち担保球なしと判断して、第1の停止要因フラグに1をセットする(S367)。
この処理では、上述した通り、S361およびS362により第1の球供給通路171Aに15個の遊技球が補給されていないものと判断されたため、第1のスプロケット173Aによる遊技球の払出を禁止するべく、第1の停止要因フラグに1がセットされる。
換言すれば、払出CPU301は、第1の担保球タイマ306Aの値が0であるときに第1の担保球カウンタ305Aの値が0でないときには、払出モータ174の駆動を通じた第1のスプロケット173Aによる遊技球の払出を禁止する。
次いで、払出CPU301は、原点調整フラグに1をセットして(S368)、処理をS371に移す。この処理では、払出CPU301は、第1のスプロケット173Aの原点調整制御を要求する処理を行う。
ここで、第1のスプロケット173Aの原点とは、第1のスプロケット173Aを回転させたときに、遊技球を第1の払出通路180Aに払出すことのできる回転位置(駆動位置)である。実施形態1では、この原点を基準に払出モータ174のステップ数が制御される。
なお、第1のスプロケット173Aが何らかの停止要因(後述する「払出に関するエラー」等)に基づき停止すると、第1のスプロケット173Aに位置検出センサ(例えば、第1のスプロケット173Aの回転位置を把握させるインデックス)が設けられていないことにより現在の回転位置(駆動位置)が不明となるため、すなわち払出モータ174が原点を基準に何ステップ駆動した位置なのかが不明となるため、第1のスプロケット173Aの原点も不明となってしまうおそれがある。
そこで、実施形態1では、第1のスプロケット173Aが停止要因に基づき停止した際、すなわち原点調整フラグが1にセットされた際には、第1のスプロケット173Aの原点を把握するための原点調整制御が行われる。すなわち、払出CPU301は、上述のように遊技球の払出を禁止すると判定されたとき、原点調整制御を行う。後述するリトライ制御についても同様である。
このように、原点調整制御を行うことで、スプロケット173の原点位置を調節することが可能となるので、例えば、位置検出センサを備えていないスプロケット173を用いた払出装置であっても正確に払出を行うことが可能となる。
なお、実施形態1においては、スプロケット173に位置検出センサが設けられていない払出装置について説明したが、これに限られるものではなく、スプロケットに位置検出センサが設けられている払出装置であっても、原点調整制御を行うことで、より正確にスプロケットの位置と払出の管理とを行うことが可能となるため、より正確に払出を行うことが可能となる。
なお、原点調整フラグは、原点調整制御の要求有無に応じてセットされるフラグであり、原点調整制御の要求がある場合には「1」にセットされ、原点調整制御の要求がない場合には「0」にセットされるフラグである。
具体的には、払出CPU301は、第1の計数スイッチ181Aによって遊技球が検知されるまで払出モータ174を単位駆動量(実施形態1では、4ステップ)ずつ駆動させる。ここで、前述の単位駆動量(実施形態1では、4ステップ)は、後述する払出駆動量(実施形態1では、16ステップ)よりも少ない。
さらに、単位駆動量(実施形態1では、4ステップ)は、後述する払出駆動量(実施形態1では、16ステップ)を特定数としての4回(後述する原点要請リトライ回数)で分割した駆動量である。
また、この原点調整制御は、後述するリトライ制御と共通の制御である。したがって、リトライ制御においても、払出CPU301は、第1の計数スイッチ181Aによって遊技球が検知されるまで払出モータ174を単位駆動量(実施形態1では、4ステップ)ずつ駆動させる。詳しくは、後述する。こうした払出モータ174の駆動を制御する払出CPU301は、制御手段および駆動制御手段を構成する。
ここで、上述のS367では、第1のスプロケット173Aによる遊技球の払出を禁止するべく第1の停止要因フラグに1がセットされるが、前述のように原点調整制御が要求される場合には、第1のスプロケット173Aによる遊技球の払出が許可しなければ、原点調整を行うことができない。
リトライ制御についても同様である。そこで、実施形態1では、払出CPU301は、遊技球の払出を禁止すると判定されても、原点調整制御(リトライ制御)を実行していることを条件に、遊技球の払出を許可する。これにより、遊技球の払出が禁止されることにより原点調整制御(リトライ制御)が行えなくなることを防止できる。
次いで、S361がNO判定の場合、S363がNO判定の場合、または、S366の終了後、あるいはS368の終了後、払出CPU301は、第2の担保球タイマ306Bの値が0であるか否かを判別する(S371)。
S371において、払出CPU301が、第2の担保球タイマ306Bの値が0でないと判別した場合、(S371がNO判定の場合)、払出CPU301は、第2の球供給通路171Bに遊技球を補給中であると判断して、担保球なし検知処理を終了する。
一方、S371において、払出CPU301が、第2の担保球タイマ306Bの値が0であると判別した場合、(S371がYES判定の場合)、払出CPU301は、第2の球供給通路171Bへの遊技球の補給が完了したと判断して、第2の担保球カウンタ305Bの値が0であるか否かを判別する(S372)。
S372において、払出CPU301が、第2の担保球カウンタ305Bの値が0であると判別した場合、(S372がYES判定の場合)、払出CPU301は、第2の球供給通路171Bに所定個数(実施形態1では、15個)の遊技球が蓄積されている、すなわち担保球ありと判断して、第2の15球担保スイッチ172BがOFF状態であるか否かを判別する(S373)。
ここで、第2のスプロケット173Bによる遊技球の払出を禁止するか否かを判定については、上述した第1のスプロケット173Aによる遊技球の払出を禁止するか否かの判定と同様であるため、説明を省略する。なお、第2の担保球タイマ306Bの値と第2の担保球カウンタ305Bの値とを比較する処理を行う払出CPU301は、判定手段を構成する。
次いで、S373において、払出CPU301が、第2の15球担保スイッチ172BがOFF状態でないと判別した場合、(S373がNO判定の場合)、払出CPU301は、第2の球供給通路171Bに15個の遊技球が補給されていると判断して、担保球なし検知処理を終了する。
一方、S373において、払出CPU301が、第2の15球担保スイッチ172BがOFF状態であると判別した場合、(S373がYES判定の場合)、払出CPU301は、上述のS371およびS372において、一旦は第2の球供給通路171Bに15個の遊技球が補給されていることが保障されたにも関わらず、何らかの要因により第2の球供給通路171Bに15個の遊技球が補給されていない、つまり担保球なしと判断して、第2の落下球確認フラグに0をセットする(S374)。
ここで、S373でYES判定される要因としては、例えば第2のスプロケット173Bや払出モータ174の不具合等によって過剰に遊技球が払出された場合等が挙げられる。また、このとき、第2のスプロケット173Bによる遊技球の払出は、禁止される。
換言すれば、払出CPU301は、第2の担保球タイマ306Bの値が0であるときに第2の担保球カウンタ305Bの値が0であっても、第2のスプロケット173Bによる遊技球の払出が行われる前に第2の15球担保スイッチ172Bにより遊技球が検知されていない場合には、払出モータ174の駆動を通じた第2のスプロケット173Bによる遊技球の払出を禁止する。
次いで、払出CPU301は、払出モータ174のアイドル状態の監視時間として2秒(2000ms)を第2の担保球タイマ306Bにセットする(S375)。なお、ここでセットされた2000msが経過した場合には、停止要因があるものと判断して払出状態報知表示装置178による報知が行われる。
その後、払出CPU301は、払出モータ174のアイドル状態の監視回数として1950回(1950ms)を第2の担保球カウンタ305Bにセットして(S376)、担保球なし検知処理を終了する。
一方、S372において、払出CPU301が、第2の担保球カウンタ305Bの値が0でないと判別した場合、(S372がNO判定の場合)、払出CPU301は、第2の球供給通路171Bに所定個数(実施形態1では、15個)の遊技球が蓄積されていない、すなわち担保球なしと判断して、第2の停止要因フラグに1をセットする(S377)。
この処理では、上述した通り、S371およびS372により第2の球供給通路171Bに15個の遊技球が補給されていないものと判断されたため、第2のスプロケット173Bによる遊技球の払出を禁止するべく、第2の停止要因フラグに1がセットされる。
換言すれば、払出CPU301は、第2の担保球タイマ306Bの値が0であるときに第2の担保球カウンタ305Bの値が0でないときには、払出モータ174の駆動を通じた第2のスプロケット173Bによる遊技球の払出を禁止する。
次いで、払出CPU301は、原点調整フラグに1をセットして(S378)、担保球なし検知処理を終了する。この処理では、払出CPU301は、第2のスプロケット173Bの原点調整制御を要求する処理を行う。ここで、第2のスプロケット173Bの原点調整制御は、第1のスプロケット173Aにおける原点調整制御と同様であるため、説明を省略する。
[計数スイッチ検知処理]
次に、図88を参照して、システムタイマ割込み処理(図85参照)中のS335で行う計数スイッチ検知処理について説明する。図88は、実施形態1における計数スイッチ検知処理の手順を示すフローチャートである。
まず、払出CPU301は、第1の計数スイッチ181Aまたは第2の計数スイッチ181Bが遊技球の通過を検知したか否かを判別する(S381)。S381において、払出CPU301が、第1の計数スイッチ181Aまたは第2の計数スイッチ181Bが遊技球の通過を検知していないと判別した場合、(S381がNO判定の場合)、払出CPU301は、計数スイッチ検知処理を終了する。
ここで、原点調整制御中である場合には、遊技球が未だ第1の計数スイッチ181Aまたは第2の計数スイッチ181Bで検知されないため、S381がNO判定となる。
一方、S381において、払出CPU301が、第1の計数スイッチ181Aまたは第2の計数スイッチ181Bが遊技球の通過を検知したと判別した場合、(S381がYES判定の場合)、払出CPU301は、第1のスプロケット173Aまたは第2のスプロケット173Bにより遊技球が払出されたと判断して、払出要求個数を「1」減算する(S382)。
また、このとき、払出CPU301は、第1の計数スイッチ181Aおよび第2の計数スイッチ181Bによって検知された遊技球の数を計数可能である。したがって、払出CPU301は、計数手段を構成する。
ここで、払出要求個数とは、各種始動口や各種入賞口への遊技機の入賞や遊技球の貸出に基づき主制御回路70から送信され、払出制御回路300で受信した賞球制御コマンドや貸し球制御信号に基づき、賞球数または貸し球数を逐次加算した値であり、賞球ケースユニット170により払出す遊技球の総数(払出量の総計)である。
この払出要求個数は、払出制御回路300のRAM303に記憶される。なお、前述の賞球数および貸し球数は、払出量に相当する。また、払出制御回路300のRAM303は、払出記憶手段を構成する。また、この払出要求個数は、遊技球の払出が行われることで減算される。
次いで、払出CPU301は、落下要求個数を「1」減算する(S383)。ここで、落下要求個数とは、払出制御回路300のRAM303に記憶された払出要求個数(払出量の総計)に基づき払出モータ174の1回の駆動で払出す遊技球の数として決定されるもので、最大で15個とされる。
例えば、払出要求個数(払出量の総計)が15個以上であれば、落下要求個数は15個とされ、払出要求個数(払出量の総計)が14個以下であれば、落下要求個数は、その記憶された払出要求個数と同数となる。
また、落下要求個数は、払出要求個数(払出量の総計)に応じて払出CPU301により決定される。なお、落下要求個数は、区切払出量に相当する。また、払出CPU301は、区切払出量決定手段に相当する。
次いで、払出CPU301は、原点調整フラグが1であるか否かを判別する(S384)。S384において、払出CPU301が、原点調整フラグが1でないと判別した場合、(S384がNO判定の場合)、払出CPU301は、処理をS387に移す。
一方、S384において、払出CPU301が、原点調整フラグが1であると判別した場合、(S384がYES判定の場合)、払出CPU301は、原点調整フラグを0にセットする(S385)。
次いで、払出CPU301は、原点調整完了フラグを1にセットする(S386)。ここで、原点調整完了フラグは、原点調整制御中か原点調整制御完了か否かを判別するためのフラグであり、原点調整制御中のときは「0」にセットされ、原点調整制御が完了しているときは「1」にセットされるフラグである。
次いで、S364がNO判定の場合、または、S386の終了後、払出CPU301は、落下要求個数が0未満であるか否かを判別する(S387)。S387において、払出CPU301が、落下要求個数が0未満でないと判別した場合、(S387がNO判定の場合)、払出CPU301は、計数スイッチ検知処理を終了する。
一方、S387において、払出CPU301が、落下要求個数が0未満であると判別した場合、(S387がYES判定の場合)、払出CPU301は、落下要求個数に対して実際に払出された遊技球が過剰となったと判断して、オーバーペイ個数を「1」加算する(S388)。
ここで、オーバーペイ個数とは、落下要求個数に対して実際に払出された遊技球が過剰となった場合、つまり過払出が発生した場合の落下要求個数を超過した遊技球の数である。例えば、落下要求個数が15個であるのに対して、実際に払出された遊技球の数が16個であった場合には、1個の遊技球が過払出されているためオーバーペイ個数に「1」が加算される。
払出CPU301は、上述のオーバーペイ個数を加算してゆくことによって、第1の計数スイッチ181Aおよび第2の計数スイッチ181Bによって検知された遊技球の数の総数(実際に払出された遊技球の総数)と払出要求個数との差分としてRAM303に蓄積することができる。
したがって、RAM303は、差分蓄積手段を構成する。なお、オーバーペイ個数は、所定の初期化操作がなされるまでRAM303に蓄積される。ここでいう所定の初期化操作としては、例えば電源再投入等が挙げられる。
また、上記実施形態においては、バックアップクリアスイッチ121が押された後に電源の再投入が行われた場合には、払出CPU301がRAM303の全作業領域をクリアしていたが、これに限られるものではなく、所定の操作(例えば、バックアップクリアスイッチ121を押下)を行うことで電源の再投入を行わずともRAM303の全作業領域、オーバーペイ個数、またはエラー情報部分の作業領域のうち、少なくとも一つを含む作業領域、すなわち3つの作業領域をクリアしてもよいし、選択的に組み合わせて、目的に応じて作業領域をクリアするようにしてもよい。
次いで、払出CPU301は、オーバーペイ個数が10以上となったか否かを判別する(S389)。換言すれば、払出CPU301は、第1の計数スイッチ181Aおよび第2の計数スイッチ181Bによって検知された遊技球の数の総数(実際に払出された遊技球の総数)と払出要求個数とを比較し、その差分(オーバーペイ個数の総数)が10以上となったか否かを判別する。
S389において、払出CPU301が、オーバーペイ個数が10以上となっていないと判別した場合、(S389がNO判定の場合)、払出CPU301は、過払出に係る遊技球の数が許容範囲(許容値)内であると判断して、計数スイッチ検知処理を終了する。
一方、S389において、払出CPU301が、オーバーペイ個数が10以上となったと判別した場合、(S389がYES判定の場合)、払出CPU301は、過払出に係る遊技球の数が許容範囲内でない(許容値以上)と判断して、オーバーペイフラグを1にセットして(S390)、計数スイッチ検知処理を終了する。
ここで、オーバーペイフラグは、過払出に係る遊技球の数が許容範囲(許容値)内であるか否かを判別するためのフラグであり、過払出に係る遊技球の数が許容範囲内であるときには、0にセットされ、過払出に係る遊技球の数が許容範囲内でない(許容値以上)ときには、1にセットされるフラグである。
また、オーバーペイフラグが1にセットされると、払出CPU301は、上述の所定の初期化操作がなされるまで第1のスプロケット173Aおよび第2のスプロケット173Bを停止するよう、払出モータ174を制御する。
[モータ起動待ち処理]
次に、図89を参照して、システムタイマ割込み処理(図85参照)中のS336で行うモータ起動待ち処理について説明する。図89は、実施形態1におけるモータ起動待ち処理の手順を示すフローチャートである。
まず、払出CPU301は、原点調整完了フラグが1であるか否かを判別する(S401)。S401において、払出CPU301が、原点調整完了フラグが1でないと判別した場合、(S401がNO判定の場合)、払出CPU301は、原点調整制御中であると判断して、処理をS406に移す。
一方、S401において、払出CPU301が、原点調整完了フラグが1であると判別した場合、(S401がYES判定の場合)、払出CPU301は、原点調整制御が完了済みであると判断して、第1または第2の停止要因フラグが1であるか否かを判別する(S402)。
S402において、払出CPU301が、第1または第2の停止要因フラグが1であると判別した場合、(S402がYES判定の場合)、払出CPU301は、停止要因があるものと判断して、モータ起動待ち処理を終了する。
一方、S402において、払出CPU301が、第1または第2の停止要因フラグのいずれもが1でないと判別した場合、(S402がNO判定の場合)、払出CPU301は、停止要因がないものと判断して、第1または第2の落下球確認フラグが1であるか否かを判別する(S403)。
S403において、払出CPU301が、第1または第2の落下球確認フラグのいずれもが1でないと判別した場合、(S403がNO判定の場合)、払出CPU301は、担保球なしと判断して、モータ起動待ち処理を終了する。
一方、S403において、払出CPU301が、第1または第2の落下球確認フラグが1であると判別した場合、(S403がYES判定の場合)、払出CPU301は、担保球ありと判断して、払出要求個数が0より大きいか否かを判別する(S404)。
S404において、払出CPU301が、払出要求個数が0より大きくないと判別した場合、(S404がNO判定の場合)、払出CPU301は、払出要求なしと判断して、モータ起動待ち処理を終了する。
一方、S404において、払出CPU301が、払出要求個数が0より大きいと判別した場合、(S404がYES判定の場合)、払出CPU301は、払出要求ありと判断して、後述するモータ起動初期処理(図90参照)を実行する(S405)。
次いで、払出CPU301は、原点調整フラグが1であるか否かを判別する(S406)。S406において、払出CPU301が、原点調整フラグが1でないと判別した場合、(S406がNO判定の場合)、払出CPU301は、原点調整制御の要求なしと判断して、処理をS407に移す。したがって、S406がNO判定の場合は、原点調整制御は行われない。
一方、S406において、払出CPU301が、原点調整フラグが1であると判別した場合、(S406がYES判定の場合)、払出CPU301は、原点調整制御の要求ありと判断して、リトライ回数が12より大きいか否か、すなわち原点調整制御を12回行ったか否かを判別する(S408)。したがって、S406がYES判定の場合は、原点調整制御が行われる。
ここで、リトライ回数とは、原点調整制御を行った回数であり、より詳細には、後述するモータ動作個数が更新されるたびに加算される値である。原点調整制御では、スプロケット173に1つの遊技球を払出させてから次の遊技球を払出させるために必要な駆動量、すなわち遊技球を1球払出すのに必要な駆動量(払出駆動量)だけ払出モータ174を駆動させるので、この1球の遊技球を払出すために必要な払出駆動量(実施形態1では、16ステップ=単位駆動量(4ステップ)×4回(原点要請リトライ回数))をモータ動作個数=1とした。ここで、励磁データとしての単位駆動量は、4ステップ×5msである。
したがって、後述するS410においてモータ動作個数が1個設定される(更新される)たびに、原点調整制御が1回終了したとして、リトライ回数が加算される。なお、上述した通り、原点調整制御がリトライ制御と共通の制御であるため、リトライ回数は、リトライ制御を行った回数ともいえる。
このように、払出CPU301は、払出モータ174の駆動量が払出駆動量(実施形態1では、16ステップ)に達したことを条件にリトライ値としてのモータ動作個数を更新する。
こうしたモータ動作個数の更新を行う払出CPU301は、リトライ値更新手段を構成する。また、払出CPU301は、モータ動作個数が更新された回数、または励磁データが設定された回数、すなわちリトライ回数を原点調整制御(リトライ制御)を行った回数として管理する。
実施形態1では、第1および第2のスプロケット173A,173Bがそれぞれ1回転するごとに3個の遊技球が払出されるよう、各スプロケットに遊技球を受け入れるための溝が3つずつ形成されている。
このため、モータ動作個数が6回更新されると、第1および第2のスプロケット173A,173Bがそれぞれ1回転するだけの駆動量(実施形態1では、96ステップ=16ステップ(単位駆動量(4ステップ)×4回(原点要請リトライ回数))×6回(12回のリトライ回数の半数))で払出モータ174が駆動したこととなる。
したがって、リトライ回数が12よりも大きくなるとは、第1および第2のスプロケット173A,173Bの2回転分の駆動量(実施形態1では、192ステップ=96ステップ(1回転するだけの駆動量)×2回)を超える駆動量で払出モータ174が駆動したことを意味する。なお、12回のリトライ回数は、16ステップ(単位駆動量(4ステップ)×4回)を1セットとしたリトライ制御の上限回数である。
S408において、払出CPU301が、リトライ回数が12よりも大きいと判別した場合、(S408がYES判定の場合)、払出CPU301は、原点調整制御の回数が上限回数(12回)に達したものと判断して、処理をS407に移す。
このとき、払出CPU301は、第1および第2の計数スイッチ181A,181Bによって遊技球が検知されずに、払出モータ174の駆動量が192ステップ(上限駆動量)を超えたこと、あるいはリトライ回数が12回(上限回数)を超えたことを条件に、所定の初期化操作がなされるまで遊技球の払出を停止するよう、払出モータ174の駆動を制御する。これにより、原点調整制御(リトライ制御)が終了する。ここでいう所定の初期化操作としては、例えば電源再投入等が挙げられる。
また、上記実施形態においては、バックアップクリアスイッチ121が押された後に電源の再投入が行われた場合には、払出CPU301がRAM303の全作業領域をクリアしていたが、これに限られるものではなく、所定の操作(例えば、バックアップクリアスイッチ121を押下)を行うことで電源の再投入を行わずともRAM303の全作業領域、またはオーバーペイ個数、またはエラー情報部分の作業領域のうち、少なくとも一つを含む作業領域、すなわち3つの作業領域をクリアしてもよいし、選択的に組み合わせて、目的に応じて作業領域をクリアするようにしてもよい。
S407において、払出CPU301は、払出モータ174の起動状態設定を行って(S407)、処理をS414に移す。この処理では、S406がNO判定の場合は、原点調整制御が行われないので、通常の遊技球の払出が行われるよう、落下要求個数に応じた払出モータ174の加速状態等を設定する。また、S408がYES判定の場合は、遊技球の払出を停止するために払出モータ174をアイドル状態に設定する。
一方、S408において、払出CPU301が、リトライ回数が12よりも大きくないと判別した場合、(S408がNO判定の場合)、払出CPU301は、次の原点調整制御に備えてステップカウンタマスク値を4ステップにセットする(S409)。この処理では、原点調整制御実行時の払出モータ174の単位駆動量として、4ステップが設定される。
次いで、払出CPU301は、モータ動作個数を1個に設定し(S410)、原点要請リトライ回数に4回を設定する(S411)。この処理では、上述のS409でステップカウンタマスク値としてセットされた4ステップに、原点要請リトライ回数として設定された4回を乗ずることによって、1つの遊技球を払出すのに必要な払出駆動量として16ステップが設定される。
次いで、払出CPU301は、落下球監視タイマの値をクリアして0にする(S412)。ここで、落下球監視タイマは、原点調整制御において単位駆動量(4ステップ)分の励磁データで払出モータ174を駆動した後に、落下球があるか否か、および停止要因が発生したか否かを監視する落下球監視時間(原点調整制御においては130ms)を計測するタイマである。
落下球監視時間(130ms)は、払出モータ174を4ステップ分駆動させた後に第1および第2のスプロケット171A,171Bの姿勢を保持するための保持期間としての励磁データ保持期間(実施形態1では30ms)と、払出モータ174の冷却を行う冷却期間(原点調整制御においては100ms)とから構成される。
次いで、払出CPU301は、原点調整完了フラグに「0」をセットする(S413)。次に、S407の終了後、または、S413の終了後、払出CPU301は、払出モータ174の励磁データを設定して(S414)、モータ起動待ち処理を終了する。
この処理では、例えば原点調整制御を行う場合には、1つの遊技球を払出すのに必要な払出駆動量として16ステップ(単位駆動量(4ステップ)×4回(原点要請リトライ回数))の励磁データを設定する。また、通常の遊技球の払出を行う場合には、落下要求個数分の遊技球を払出すのに必要な駆動量として所定ステップ分の励磁データを設定する。なお、遊技球の払出が停止されるよう、払出モータ174がアイドル状態に設定されているときは、励磁データは0に設定される。
[モータ起動初期処理]
次に、図90を参照して、モータ起動待ち処理(図89参照)中のS405で行うモータ起動初期処理について説明する。図90は、実施形態1におけるモータ起動初期処理の手順を示すフローチャートである。
まず、払出CPU301は、払出要求個数から落下要求個数を設定する(S421)。この処理では、払出要求個数(払出量の総計)に応じて、最大で15個の落下要求個数が設定される。例えば、払出要求個数(払出量の総計)が20個の場合には、落下要求個数は15個に設定される。一方、払出要求個数(払出量の総計)が10個の場合には、落下要求個数は払出要求個数と同数の10個に設定される。
次いで、払出CPU301は、担保球監視設定処理を行う(S422)。この処理では、払出CPU301は、落下要求個数に応じて、第1および第2の担保球カウンタ305A,305BにON検知監視回数を設定する。
例えば、落下要求個数が9〜10個である場合には、ON検知監視回数としてそれぞれ650回(650ms)が設定される。また、払出CPU301は、落下要求個数に応じて、第1および第2の担保球タイマ306A,306Bに監視時間を設定する。例えば、落下要求個数が9〜10個である場合には、監視時間としてそれぞれ850msが設定される。
ここで、上述のON検知監視回数および監視時間は、図83の電源投入処理中のS312の担保球監視初期設定処理で設定される、第1および第2の担保球カウンタ305A,305Bの初期値、第1および第2の担保球タイマ306A,306Bの初期値と異なる。
次いで、払出CPU301は、第1および第2の落下球確認フラグにそれぞれ「0」をセットする(S423)。その後、払出CPU301は、リトライ回数を初期化して(S424)、原点調整完了フラグに「1」をセットする(S425)。
次いで、払出CPU301は、落下球監視タイマの値をクリアして0にする(S426)。ここでクリアされる落下球監視タイマは、原点調整制御やリトライ制御が実行されていない通常の払出制御において、落下要求個数を払出すために必要な駆動量分の励磁データで払出モータ174を駆動した後に、落下要求個数分の落下球があったか否か、および停止要因が発生していないか否かを監視する落下球監視時間(通常の払出制御においては500ms)を計測するタイマである。
ここでの落下球監視時間(500ms)は、励磁データ保持期間(実施形態1では30ms)と、払出モータ174の冷却期間(通常の払出制御においては470ms)とから構成される。この落下球監視時間は、一定期間に相当する。
次いで、払出CPU301は、ステップカウンタをクリアして0にする(S427)。ここで、ステップカウンタは、払出モータ174のステップ数をカウントするカウンタである。
例えば、落下要求個数が15個の場合には、15個の遊技球の落下動作すなわち払出動作が完了したときには、ステップカウンタの値は240ステップ分の値となる。この処理では、払出CPU301は、例えば上述のようにカウントされた240ステップ分の値をクリアする。
次いで、払出CPU301は、ステップカウンタマスク値を16ステップにセットして(S428)、モータ起動初期処理を終了する。これにより、1つの遊技球を払出すのに必要な払出モータ174のステップ数として16ステップが設定される。
次に、図91〜図102を参照して、実施形態1における払出制御に係る特徴的な部分について、詳細に説明する。
図91は、実施形態1の払出モータ174の励磁方式を示すタイムチャートである。払出モータ174は、2相励磁方式であり、かつ高電流と低電流とを切替可能な方式を採用する。
図91に示すように、払出CPU301は、t1、t2、t3、t4の順に励磁データを変化させることにより払出モータ174を正回転させるようになっている。ただし、実施形態1では、払出モータ174は、構造的に逆回転不能とされる。
ここで、払出モータ174の「A−」と「B−」とが、ともにオンしている位置が原点とされる。なお、払出モータ174の「A+およびB+(図中「S」で示す)」は、ソフト制御によるオン・オフを表し、「A−およびB−(図中「H」で示す)」は、ソフト出力の論理反転によるオン・オフを表している。
ただし、実施形態1では、従来のようなインデックスセンサ等の検出手段を有していないため、見かけ上の原点(励磁データ0)と構造的な原点の位相合わせを行う必要がある。こうした原点の位相合わせが原点調整であり、位相合わせを行うべく払出モータ174を制御することを原点調整制御という。
原点調整制御は、原点調整が必要とされる場合(原点調整の対象要因がある場合)に最初の払出要求があった際の1個目の払出動作を利用して行われる。例えば、電源投入後の最初の払出要求時の落下要求個数の1個目の遊技球の払出動作を利用して原点調整制御が行われる。
ここで、払出要求は、主制御回路70から払出制御回路300に対してなされるもので、具体的には、払出要求個数等の情報を含む賞球制御データとして払出制御回路300に送信される。払出制御回路300は、図92に示すように、主制御回路70から賞球制御データを受信割込で受信する。
一方、払出制御回路300は、遊技球の払出に関して何らかのエラーが生じた場合には、図92に示すように、主制御回路70に払出エラー情報データを送信する。
実施形態1においては、図33に示すように主制御回路70と払出制御回路300とが一方的に通信を行うようにしていたが、図94に示すように、主制御回路70と払出制御回路300とが相互に通信を行うようにしてもよい。
ここで、主制御回路70と払出制御回路300とが相互に通信を行う場合には、最も望ましい形態として、シリアル通信方式を使用するが、シリアル通信方式に限定されるものではなく、パラレル通信方式などの様々な通信方式が使用可能である。
また、図95に示すように、払出制御回路300が自己診断によるエラー検出後に主制御回路70にシリアル通信方式を使用して、後述する払出制御エラー情報を含むエラー情報を送信する。
このとき、払出制御回路300からのエラー送信の最低送信間隔は、所定時間(実施形態1においては、12ms)に設定されており、連続的にエラー情報が変化した場合に、S337で示したように1msごとに実行可能なコマンド送信処理を利用して、エラー情報が変化する度に主制御回路70に対してエラー情報を送信するのではなく、図95に示したように、エラー情報の合成を行い、最低送信間隔または最低送信間隔経過後にエラー情報の送信を行う。
また、エラー情報の合成方法としては、図96に示すように、8bitでそれぞれ構成されるパラメータ1およびパラメータ2の各bit数値を更新または変更し、エラー情報を送信する。
このとき、主制御回路70は、エラー情報としてバラメータ1、パラメータ2を受信すると、各パラメータに対してマスキングを行い、エラー情報(払出制御エラー情報)を取得する。
払出制御回路300におけるエラー情報の管理、主制御回路70におけるエラー情報の管理、および、副制御回路200におけるエラー情報の管理については図97に示す通りである。
図97は、払出制御回路300におけるエラー情報の報知態様、主制御回路70におけるエラー情報の報知態様、および、副制御回路200におけるエラー情報の報知態様を示している。
具体的には、払出制御回路300における下皿満タン状態は、主制御回路70で下皿満タン検知として認識され、主制御回路70から送信されるエラー情報に基づいて、副制御回路200が液晶表示装置13を介して「玉を抜いてください」と報知する。
また、払出制御回路300における、球切れ1状態、球切れ2状態、モータ異常状態、VL未接続状態、CR側通信異常、過払出異常、払出球詰まり、受信コマンド異常、受信異常および通信エラーに関しては、主制御回路70において払出異常検知として認識され、主制御回路70から送信される払出エラー情報に基づいて、副制御回路が液晶表示装置13を介して「係員をお呼びください」と報知する。
上記のように、主制御回路70は、送信される払出制御に関る複数のエラー情報を「下皿満タンエラー情報」と「それ以外の情報」との2種類に分けて管理を行う。
このようなエラー情報の送受信を行うことによって、主制御回路70と払出制御回路300とが相互にシリアル通信を行っている環境下において、払出制御回路300の最低送信間隔でエラー楕報が連続的に変化した(エラー情報、エラーが複数発生した、とも表現できる)場合であっても、エラー惜報の合成を行うことが可能となる。
このため、払出制御回路300は、主制御回路70からエラー情報の送信を求められてから(または、何らかの送信要求があってから)エラー情報を送信するものではなく、払出制御回路300の最低送信間隔または予め定められた時間ごとにエラー情報の送信を行うことが可能となる。
また、上記では、エラー情報(払出制御エラー情報)について説明したが、これに限られるものではなく、コマンドの合成としては、様々なコマンドを合成可能である。
次いで、実施形態1における賞球制御処理について説明する。この賞球制御処理においては、上述の原点調整制御、通常の払出制御、およびリトライ制御が少なくとも行われる。まず、賞球制御処理における原点調整制御について説明する。
原点調整制御は、上述した通り、原点調整の対象要因が生じたときに実行されるものである。ここで、賞球制御処理を利用した原点調整制御を行う際の対象要因としては、パチンコ遊技機1の出荷時、電源投入時、電断復帰時、原点調整制御完了後の過少払出発生時、停止要因の解除時、払出異常要因の解除時、およびオーバーペイ発生時が挙げられる。
原点調整制御完了後の過少払出発生時としては、例えば払出モータ174の脱調が生じている場合や、球供給通路171に所定個数(実施形態1では15個)の遊技球が担保されていないにも関わらず、短絡により15球担保スイッチ172が遊技球を検知し間欠状態が生じている場合等が挙げられる。
停止要因の解除時の原点調整制御は、例えば下皿満タンスイッチ179の短絡時の遊技球の逆流への対応として行われる。また、払出異常要因の解除時の原点調整制御は、例えば断線や短絡あるいは電波照射により物理的に原点がずれた際の対応として行われる。さらに、オーバーペイ発生時の原点調整制御は、その後の払出モータ174の脱調を考慮して行われる。
原点調整制御では、上述しているように払出モータ174を16ステップ駆動させると1個の遊技球を落下(払出)させることができることから、単位駆動量としての4ステップ×5msの駆動を行い、落下球監視時間(130ms=励磁データ保持期間30ms+冷却期間100ms)内に落下球確認を終了した時点を物理的な原点とみなすこと(原点調整完了)としている。落下球監視時間内に落下球を確認できない場合には、上記のような払出モータ174の駆動を4ステップ単位で16ステップ分行う。
ただし、16ステップ分、払出モータ174を駆動させても落下球を検知できない場合には、正常な払出が行えていないと判断して(または、停止要因があるものと判断してもよい)、4ステップ単位の払出モータ174の駆動を2回転分、繰り返す。
また、「払出モータ174の駆動を2回転分繰り返す」、とは、払出モータ174を駆動させても落下球を検知できないと判断した時点における、払出モータ174の状態、またはスプロケット173の位置を起点(または、回転開始位置)として、例えば、モータが1回転するのに48ステップが必要な場合には、96ステップ分の駆動が行われることを示す。
これは、12球落下可能な駆動に相当すると表現することも可能であり、所定数の遊技球の落下を行えるだけの払出モータ174またはスプロケット173の駆動(または、回転駆動、若しくは回転角度分の駆動)が行われると表現することもできる。
なお、原点調整制御は、落下球が検知されると完了するが、この落下球が払出された遊技球としてカウントされなければ、過払出となってしまう。したがって、原点調整制御完了時の落下球を、払出した遊技球としてカウントする必要がある。
そこで、実施形態1では、払出CPU301は、原点調整制御が実行されているときに計数スイッチ181により落球球が検知されたことを条件に、落下要求個数を1個減算して14個とする。これにより、原点調整制御の完了を契機に、落下要求個数に対して1個分を除く残りの落下要求個数(14個)を払出すこととなる。その後は、通常の払出動作が実行される。
図98は、賞球制御処理を利用した原点調整制御のタイミングチャートである。例えば、図98に示すように、電源再投入が行われた後に停止要因が解除され、その後、払出要求が発生した場合には、原点調整制御が実行され、まず4ステップ×5ms分の励磁データに基づき払出モータ174が4ステップ分駆動する。このとき、払出モータ174の電流は、原点調整制御の開始とともに低電流から高電流に切り替えられる。
その後、4ステップ分の払出モータ174の駆動が終わると、払出モータ174の電流は30ms(励磁データ保持期間)の間、高電流に維持される。そして、励磁データ保持期間が経過すると、払出モータ174の電流が低電流に切り替えられ、その後、100ms(冷却期間)の間、低電流に維持される。
また、30ms(励磁データ保持期間)と100ms(冷却期間)とで落下球監視時間(130ms)が構成される。なお、この落下球監視時間(130ms)は、自由落下理論式に基づき算出可能である。
その後、落下球監視時間(130ms)内に第2の計数スイッチ181Bで落下球が検知されると、原点調整開始時に3個であった落下要求個数が2個に更新される。また、落下球の検知により原点調整制御が完了し、構造的な原点との位相のずれが解消される。
図99は、賞球制御処理を利用した原点調整未完了後の原点調整リトライ動作のタイミングチャートである。例えば、図99に示すように、上述した4ステップ×5ms分の励磁データに基づき払出モータ174を4ステップ分駆動する動作(これを原点調整サイクルという)を1回行っただけでは、落下球を検出できなかった場合には、同様の原点調整サイクルを16ステップ分まで繰り返す。すなわち、原点調整制御の開始後、合計で4回の原点調整サイクルが繰り返される。
しかしながら、4回の原点調整サイクルが行われてもなお、落下球が検出できない場合には、再度、4回の原点調整サイクルが行われる。ここで、最初の4回の原点調整サイクルが行われている期間を基本リトライ動作期間という。なお、原点調整サイクルは、単位駆動量(4ステップ)×5msであり、基本リトライ動作期間は、単位駆動量(4ステップ)×4回(原点要請リトライ回数)である。図99においては、基本リトライ動作期間中に計数スイッチ計数スイッチ181落下球を検知していない場合に開始される動作を原点調整リトライとしたが、これに限られるものではなく、基本リトライ動作期間を上限回数まで繰り返す態様を原点調整リトライとしてもよい。
図74は、賞球制御処理の基本払出動作、つまり通常の払出動作のタイミングチャートである。また、図100は、15個の遊技球を払出すときの払出動作を例とするタイミングチャートである。
図100に示すように、まず落下要求個数として15個が決定されると、その決定された落下要求個数(15個)に基づき、払出モータ174の駆動量が払出CPU301によって決定される。具体的には、15個分の遊技球の払出に必要な励磁データが決定される。こうした払出モータ174の駆動量を決定する払出CPU301は、駆動量決定手段を構成する。
次いで、15個分の遊技球の払出に必要な励磁データが設定されると、払出モータ174の電流が高電流に切り替えられるとともに設定された励磁データに基づき払出モータ174が駆動される。このときの励磁データは、払出モータ174が徐々に加速し、定常状態となり、その後、減速して停止するように設定される。
その後、設定された励磁データに基づく払出モータ174の駆動が終わると、払出モータ174の電流は30ms(保持期間としての励磁データ保持期間)の間、高電流に維持される。そして、励磁データ保持期間が経過すると、払出モータ174の電流が低電流に切り替えられ、その後、470ms(冷却期間)の間、低電流に維持される。
また、30ms(励磁データ保持期間)と470ms(冷却期間)とで落下球監視時間(500ms)が構成される。この落下球監視時間(500ms)中は、払出モータ174の駆動が停止される。また、このときの落下球監視時間(500ms)は、原点調整制御中の落下球監視時間(130ms)と異なる。
そして、上述の落下球監視時間(500ms)中は、払出CPU301によって、落下要求個数(15個)分の遊技球の落下が確認できたか否かを監視する。すなわち、払出CPU301は、落下球監視時間(500ms)中に、落下要求個数(15個)に相当する遊技球が第1および第2の計数スイッチ181A,181Bを通じて検知されたか否かを判定する。こうした判定を行う払出CPU301は、払出判定手段を構成する。
払出CPU301は、上述の落下球監視時間(500ms)中に、落下要求個数(15個)分の遊技球の落下が確認できない場合、つまり落下要求個数(15個)に相当する遊技球が第1および第2の計数スイッチ181A,181Bを通じて検知されないと判定した場合には、停止要因が生じたものと判断して、その後の払出モータ174の駆動を停止させるべくアイドル状態に移行させる。これにより、継続して払出動作を行うことができなくなる。
一方で、上述の落下球監視時間(500ms)中に、落下要求個数(15個)分の遊技球の落下が確認できた場合にも、その後の払出動作に備えてアイドル状態に移行する。
ここで、賞球制御処理の基本払出動作における落下要求個数に応じた励磁データは、図101に示す通りである。例えば、落下要求個数が5個〜15個の場合は、図101(a)に示すように、加速状態と減速状態とをそれぞれ遊技球2個分行う励磁データとなる。
図101(b)は、落下要求個数が4個の場合、図101(c)は、落下要求個数が3個の場合、図101(d)は、落下要求個数が2個の場合、図101(e)は、落下要求個数が1個の場合の励磁データをそれぞれ表している。なお、いずれの落下要求個数であっても、上述の落下球監視時間(500ms)が設けられる。
図102は、賞球制御処理の基本払出動作中にリトライ動作が必要となる場合の払出動作のタイミングチャートである。また、図102は、5個の遊技球を払出すときの払出動作を例とするタイミングチャートである。
図102に示すように、落下要求個数(5個)の払出動作が実行された際に、4個目の払出に係る遊技球が第2の計数スイッチ181Bにより検知されていない場合には、落下球監視時間(500ms)の経過したときに、落下要求個数(5個)に対して、1個不足した状態となる。これにより、払出CPU301によって、落下球監視時間(500ms)内において落下要求個数(5個)分の遊技球の落下が確認できないと判断される。
このように、落下要求個数(5個)に対して払出した遊技球の数が不足する過少払出発生時は、図99に示した原点調整未完了後の原点調整リトライ動作と同様の原点調整リトライ動作が行われる。この原点調整リトライ動作の内容は、図99に示したものと同様であるため説明を省略する。
次に、図103〜図107を参照して、実施形態1におけるエラー処理について説明する。
実施形態1における遊技球の払出に関するエラーとしては、(1)過払出、(2)払出球詰まり、(3)下皿満タン、(4)球切れ、(5)払出モータ異常等が挙げられる。これらエラーの少なくともいずれかが発生した場合には、そのエラーが払出状態報知表示装置178(図33参照)を介して報知される。以下、これら各エラーについて詳細に説明する。
図103は、払出状態報知表示装置178を示す図である。図103に示すように、払出状態報知表示装置178は、7つのセグメントa〜gと8番目のセグメントDPとからなる。これら各セグメントa〜g,DPは、エラー種別等に応じていずれかが点灯するようになっている。
例えば、(1)過払出のエラーを報知する場合には、bのセグメントが点灯し、(2)払出球詰まりのエラーを報知する場合には、dのセグメントが点灯し、(3)下皿満タンのエラーを報知する場合には、fのセグメントが点灯し、(4)球切れのエラーを報知する場合には、eのセグメントが点灯し、(5)払出モータ異常を報知する場合には、cのセグメントが点灯する。
なお、DPのセグメントは、球貸し中であることを報知する際に点灯するものである。したがって、ホールの管理者は、払出状態報知表示装置178のセグメントの点灯状態を視認することで、どのようなエラーが発生しているのかを容易に判別することができる。
まず、(1)過払出は、発生しても停止要因とはされておらず、払出動作を継続可能なエラーである。この過払出のエラーの報知契機は、図104に示すように、落下要求個数の払出が完了してから過払出された遊技球の数が過払出規定個数(実施形態1では10個)以上となったタイミングである。
なお、図104中、払出検知信号Aは、第1の計数スイッチ181Aにおいて遊技球を検知したか否かを示す信号であり、遊技球の検知時はオンとされる。払出検知信号Bについても同様、第2の計数スイッチ181Bにおいて遊技球を検知したか否かを示す信号である。
また、この過払出のエラーは、電源が再投入されることで解除される。すなわち、過払出のエラーの解除契機は、電源再投入時である。このとき、併せて過払出のエラーの報知も解除される。
次に、(2)払出球詰まりは、例えば遊技球の逆流による球詰まり、ゴミの付着や異物混入、あるいは計数スイッチ181の断線・短絡等により発生する停止要因に基づくエラーである。図105に示すように、例えば、第1の計数スイッチ181Aの払出検知信号Aがオンとなってから100ms経過してもオフとならない場合に、払出球詰まりが発生、すなわち停止要因が発生したものと判断される。この停止要因が発生したと判断されたときが払出球詰まりのエラーの報知契機とされている。
なお、計数スイッチ181の短絡時は、払出制御回路300側で直接その短絡有無を判断できないため、上述した12回分の原点調整制御のリトライ動作が完了するまで停止要因とすることができない。したがって、このような場合には、12回分の原点調整制御のリトライ動作完了後の落下球監視時間の経過をもって停止要因が発生したものと判断される。
また、払出制御回路300が計数スイッチ181との間に生じ得る電圧の変化を常に監視することによって、計数スイッチ181の短絡を認識または判断可能である場合には、トライ動作を行わずにエラーの報知を行ってもよいし、エラーの報知を行うと同時にリトライ動作を開始するようにしてもよい。
また、この払出球詰まりのエラーの報知は、上述した逆流による球詰まり、ゴミの付着や異物混入、あるいは計数スイッチ181の断線・短絡等の各要因が除去されることで解除される。
次に、(3)下皿満タンは、下皿22に貯留された遊技球が満タンとなることで発生する停止要因に基づくエラーである。図106に示すように、例えば、下皿満タンスイッチ179がオンとなってから1秒経過してもオフとならない場合に、下皿満タンに基づく停止要因が発生したものと判断される。この停止要因が発生したと判断されたときが下皿満タンのエラーの報知契機とされている。
また、この下皿満タンのエラーの報知は、下皿22に満タン状態で貯留された遊技球を排出することで解除される。
次に、(4)球切れは、例えば15球担保スイッチ172により担保球が不足していることが検知された場合、球タンク161への遊技球の補充待ち状態である場合、球供給通路171に球詰まりが発生している場合や、15球担保スイッチ172が断線状態である場合等に発生する停止要因に基づくエラーである。
こうした球切れのエラーは、上述した第1および第2の担保球カウンタ305A,305Bと第1および第2の担保球タイマ306A,306Bとの比較結果に基づき、第1の停止要因フラグまたは第2の停止要因フラグが1にセットされたときに発生するものである。
この球切れのエラーの報知契機は、上述の停止要因発生時である。また、この球切れのエラーは、球タンク161に遊技球が補充されたり、球詰まりの原因となっている遊技球が除去されることにより球供給通路171に所定個数(15個)の遊技球が担保されたりすることで解除される。このとき、併せて球切れのエラーの報知も解除される。
次に、(5)払出モータ異常は、図107に示すように、例えば原点調整サイクルに基づき12回分のリトライ動作が実行され、12回目のリトライ動作における落下球監視時間(130ms)が経過しても落下球を確認できないことにより発生する停止要因に基づくエラーである。
こうした停止要因が発生する原因としては、例えば粘着性を帯びた遊技球がスプロケット173に張り付き離れない場合、スプロケット173と貯留球との間で球噛みが生じた場合(モータ回転不良)や、異物混入等のモータ無回転状態(励磁データのみ更新)による脱調が生じた場合等が挙げられる。
この払出モータ異常の報知契機は、図107に示すように、上述の停止要因発生時である。また、この払出モータ異常は、電源が再投入されることで解除される。すなわち、払出モータ異常の解除契機は、電源再投入時である。このとき、併せて払出モータ異常の報知も解除される。
次に、図108を参照して、実施形態1におけるパチンコ遊技機1の電断時における払出制御回路300の受信処理について説明する。
図108に示すように、払出制御回路300側の受信割込みよりも先にノンマスカブル割込みとして電断時のXINT割込み(電断)が発生した場合は、XINT割込み内で受信データをポーリングして1バイト救済する。
また、主制御回路70による送信バッファへの書き込み直後に電断が発生した場合を想定すると、払出制御回路300側では、XINT割込みの処理中であってもボーレート時間分の遅延後の受信が可能なようにXINT割込み内で受信するための時間経過分を考慮しておくことが好ましい。ただし、電気的に主制御回路70よりも払出制御回路300の電断処理のXINTが先に発生することがないことが条件となる。
以上のように、実施形態1に係るパチンコ遊技機1は、遊技球の払出が開始されたことを条件に、それぞれ第1および第2の担保球タイマ306A,306Bの値(第1の値)および第1および第2の担保球カウンタ305A,305Bの値(第2の値)を更新する。
このため、遊技球の払出が開始された後、継続的に第1および第2の15球担保スイッチ172A,172Bが遊技球を検出していれば、第1の値が0となったときには、第1の値よりも小さい第2の値は、すでに0となっていることとなる。この場合、遊技球の払出に応じて遊技球の補給が行われたことが保障される。
一方、第1の値が0となったときに第2の値が0となっていない場合には、なんらかの要因により遊技球の払出に応じた遊技球の補給がなされていないこととなる。
したがって、実施形態1に係るパチンコ遊技機1は、更新された第1の値と第2の値とを比較することで、遊技球の払出に応じて遊技球の補給が正しく行われたか否かを判断することができる。
この結果、例えば単に第1および第2の15球担保スイッチ172A,172Bによる遊技球の検出有無により遊技球の補給がなされているか否かを判定する場合と比較して、第1および第2の球供給通路171A,171B内に蓄積される遊技球の管理および保障を正確に行うことができる。
また、実施形態1に係るパチンコ遊技機1は、第1の値が0であるときに第2の値が0でないときには遊技球の払出を禁止するので、第1および第2の球供給通路171A,171Bに対する遊技球の補給に関する異常有無の確認等を行うことができる。これにより、遊技球の補給および払出に関するセキュリティをより向上させることができる。
また、実施形態1に係るパチンコ遊技機1は、第1の値が0であるときに第2の値が0となり遊技球の補給が行われたことが一旦保障された場合であっても、その後、遊技球の払出が行われるまでの間に、例えば第1および第2のスプロケット173A,173Bの不具合等によって過剰に遊技球が払出され第1および第2の球供給通路171A,171B内の遊技球が減ったような場合には、遊技球の払出を禁止することができる。
これにより、第1および第2の球供給通路171A,171B内の遊技球の管理をより正確に行うことができ、遊技球の補給および払出に関するセキュリティをさらに向上させることができる。
また、実施形態1に係るパチンコ遊技機1は、第1および第2の計数スイッチ181A,181Bによって遊技球が検出されるまで払出モータ174を単位駆動量(4ステップ)ずつ駆動させるリトライ制御を実行可能なため、第1および第2のスプロケット173A,173Bの駆動位置を検出するスリットセンサ等を設けなくとも、例えば球噛みを解消するためのリトライ動作を行うことができる。
また、こうしたリトライ動作を行った場合には、第1および第2の計数スイッチ181A,181Bが遊技球を検出したときの第1および第2のスプロケット173A,173Bの駆動位置を原点として調整することも可能となるため、スリットセンサ等を用いずに第1および第2のスプロケット173A,173Bの原点の調整を行うことができる。
このように、リトライ動作が球噛み時等に限らず原点の調整時にも併用可能であるため、リトライ制御に汎用性を持たせることができ、結果として払出CPU301による処理を簡略化することができる。
また、実施形態1に係るパチンコ遊技機1は、スリットセンサ等を設けていないので、パチンコ遊技機の構成を簡易かつ低コストな構成とすることができる。
また、実施形態1に係るパチンコ遊技機1は、リトライ制御実行時の払出モータ174の単位駆動量(4ステップ)が、第1および第2の計数スイッチ181A,181Bに1つの遊技球を払出させてから次の遊技球を払出させるために必要な払出駆動量(16ステップ)よりも少ないので、1つの遊技球を払出すために第1および第2の計数スイッチ181A,181Bを複数回に分けて駆動させることができる。これにより、例えば球噛み等が生じている場合には、これを解消でき、また原点の調整を行う場合には、正確な原点に調整することができる。
また、実施形態1に係るパチンコ遊技機1は、上述の単位駆動量(4ステップ)が払出駆動量(16ステップ)を4回に分割した駆動量であるため、1つの遊技球を払出す際の払出モータ174の駆動回数を複数回に分割することができる。
また、実施形態1に係るパチンコ遊技機1は、第1および第2の計数スイッチ181A,181Bによって遊技球が検出されずに払出モータ174の駆動量が上限駆動量(192ステップ)を超えたときには初期化操作がなされるまで払出手段を停止することができる。このため、過度なリトライ動作の繰り返しにより賞球ケースユニット170に不具合が生ずることを防止することができる。
また、初期化操作がなされるまで払出モータ174を停止するので、当該払出モータ174の停止によって、例えば第1および第2の球供給通路171A,171Bに蓄積された遊技球が1つもないような異常な状態から賞球ケースユニット170ひいてはパチンコ遊技機1を復帰させる必要があることを促すことができる。
また、実施形態1に係るパチンコ遊技機1は、遊技球の払出を禁止すると判定されたとき、すなわち停止要因フラグが1にセットされたときに原点調整制御(リトライ制御)を行うので、なんらかの異常により第1および第2のスプロケット173A,173Bの駆動が停止された後には必ずリトライ動作を行うことができる。
このように、第1および第2のスプロケット173A,173Bの駆動停止と連動してリトライ動作を行うことで、リトライ動作を単独で行う場合と比較して処理を円滑に進めることができる。
また、実施形態1に係るパチンコ遊技機1は、原点調整制御(リトライ制御)においてリトライ動作を第1または第2の計数スイッチ181A,181Bによって遊技球が検出されるまで実行するとともに、モータ動作個数が更新された回数(リトライ回数)をリトライ動作の回数として管理するので、第1または第2の計数スイッチ181A,181Bによる遊技球の検出有無に関わらずリトライ動作が何回行われたかを確実に、かつ容易に把握することができる。また、スリットセンサ等を設けていなくともリトライ動作の回数を確実に、かつ容易に把握することができる。これにより、リトライ動作の管理を円滑に行うことができる。
また、実施形態1に係るパチンコ遊技機1は、第1または第2の計数スイッチ181A,181Bによって遊技球が検出されずにリトライ回数が上限回数(12回)を超えたときには原点調整制御(リトライ制御)を終了するので、過度なリトライ動作の繰り返しにより賞球ケースユニット170に不具合が生ずることを防止することができる。
また、実施形態1に係るパチンコ遊技機1は、実際に払出された遊技球の総数と払出要求個数とを比較するので、その比較の結果、実際に払出された遊技球の総数と払出要求個数との間に差分が生じている場合には、遊技球の過払出として把握することができる。
また、その過払出となった上述の差分が許容値(10)以上となったときには、初期化操作がなされるまで第1および第2のスプロケット173A,173Bを停止するので、例えば不正行為等により不自然な過払出があった場合にそれ以上の過払出が行われることを防止することができる。
また、実施形態1に係るパチンコ遊技機1は、過払出が生じた際には初期化操作がなされるまで実際に払出された遊技球の総数と払出量要求個数との差分である過払出に係る遊技球の数を蓄積することができる。
これにより、例えば不正行為等により生じた不自然な過払出の事実およびその過払出により生じた不要な遊技球の払出量(賞球数および貸し球数)を確実に検出することができる。
また、実施形態1に係るパチンコ遊技機1は、払出モータ174を駆動させた後の落下球監視時間中に、落下要求個数に相当する遊技球が第1または第2の計数スイッチ181A,181Bによって検出されたか否かを判定するので、当該落下球監視時間中に払出モータ174の冷却を行うことができるとともに、同時に落下要求個数に相当する遊技球の払出が行われたか否かを確認することができる。したがって、払出モータ174の十分な冷却期間を確保しつつも払出量(賞球数および貸し球数)の管理を効率的に行うことができる。
また、実施形態1に係るパチンコ遊技機1は、払出モータ174を駆動させた後の落下球監視時間が第1および第2のスプロケット173A,173Bの姿勢を保持するための保持期間と払出モータ174の冷却期間とから構成されるので、払出モータ174が停止した後に第1および第2のスプロケット173A,173Bの姿勢を保持することができ、第1および第2のスプロケット173A,173Bが慣性力により過回転してしまうことを防止することができる。また、冷却期間を設けたことにより払出モータ174を冷却することができる。
さらに、保持期間および冷却期間の間に落下要求個数に相当する遊技球が第1または第2の計数スイッチ181A,181Bにより検出されない場合には、払出モータ174の駆動を停止するので、保持期間および冷却期間を利用して効率的に払出モータ174の駆動を管理することができる。
(実施形態2)
次に、図109〜図113を参照して、本発明の実施形態2に係るパチンコ遊技機1について説明する。
なお、実施形態2においては、上述した実施形態1とは、リアルタイムクロック80を有する点で異なるが、他の構成は、略同様に構成されている。したがって、以下においては、実施形態1と同様の構成については説明を省略し、特に実施形態1との相違点についてのみ説明する。
図109は実施形態2に係るパチンコ遊技機の回路構成を示すブロック図である。図109に示すように、実施形態2において、副制御回路200はリアルタイムクロック80を備えている。リアルタイムクロック80はサブCPU201に接続されている。
ここで、リアルタイムクロック80は、現在の「年(西暦)」、「月」、「日」、「曜日」、「時」、「分」、及び、「秒」を特定することが可能な装置である。リアルタイムクロック80は、水晶発振子を内蔵したシリアルインタフェース方式のリアルタイムクロックモジュールとして実現される。サブCPU201はリアルタイムクロック80と接続されていることから、リアルタイムクロック80によって特定される時刻情報は、サブCPU201が取得することができる。リアルタイムクロック80は、パチンコ遊技機1に電源が供給されている際は当該電源によって動作し、電源が切られている際は、停電時においても供給されるバックアップ電源またはボタン電池等の独立した電源によって動作する。したがって、リアルタイムクロック80は、パチンコ遊技機1の電源が切られている場合であっても現在の時刻を特定することができる。
このように、実施形態2では、リアルタイムクロック80を備えていることから、現在の時刻に対応したさまざまな演出を行うことができる。
[ポイント加算テーブル]
実施形態1では、プログラムROM202に記憶されたポイント加算テーブルを用いて、抽選に応じたポイントが加算され、蓄積されたポイントに応じて「第1高確率状態」へと移行することが可能であった。
実施形態2においても、実施形態1と同様に、プログラムROM202にポイント加算テーブルが記憶されているが、このポイント加算テーブルには、決定された演出内容ごとに表示されるキャラごとに異なる時刻が対応されており、時刻に応じて加算されるポイントが異なる。これにより、遊技を行う時刻および演出に応じて表示されたキャラによって、ハズレとなった場合に加算されるポイントが異なることとなる。そのため、遊技者は、変化のある遊技を楽しむことができ、遊技の興趣が向上する。
実施形態2のポイント加算テーブルについて図110を参照して説明する。図110は実施形態2に係るパチンコ遊技機のポイント加算テーブルの一例を示す図である。
実施形態2では、ハズレリーチ演出の演出内容に応じて複数のキャラ(キャラA〜C)が存在する。つまり、ハズレリーチ演出も複数のキャラに対応して複数存在する。また、それぞれのキャラに対応した時刻が決まっており、遊技中における時刻に対応したキャラによるハズレリーチ演出が行われた場合は、他のキャラのハズレリーチ演出が行われている場合よりも加算されるポイントが増加しやすくなる。そのため、「第1高確率状態」に移行する確率が高いといえる。したがって、遊技を行っている時刻に対応しているキャラが演出において表示されれば、他のキャラが表示されている場合に比べて遊技者にとって、有利といえる。
例えば、キャラAは8時〜12時59分に対応し、キャラBは13時〜17時59分に対応し、キャラCは18時〜23時59分に対応することとすればよい。ここで、変動パターンコマンドが「83H02H」および「83H03H」の演出は、ハズレリーチ演出である。この変動パターンコマンドを受けた副制御回路200がリーチ演出の詳細内容すなわちキャラA〜Cのいずれが表示されるかを抽選により決定する。キャラA〜Cのそれぞれが表示される確率は、互いに同じ(いずれも1/3)とすればよい。図110に示すように、「83H02H」における乱数値「9」と、「83H03H」のすべての乱数値において、演出により表示されたキャラと遊技時刻との関係により、加算されるポイントが異なる。例えば、変動パターンコマンドが「83H02H」であり、取得した乱数値が「9」であるとき、「第2高確率状態」でキャラAが表示されている場合、時刻が8時〜12時59分であれば加算されるポイントが50であるが、それ以外の時刻では加算されるポイントは20である。同様に、「第2高確率状態」でキャラBが表示されている場合、時刻が13時〜17時59分であれば加算されるポイントが50であるが、それ以外の時刻では加算されるポイントは20である。同様に、「第2高確率状態」でキャラCが表示されている場合、時刻が18時〜23時59分であれば加算されるポイントが50であるが、それ以外の時刻では加算されるポイントは20である。変動パターンコマンドが「83H03H」の場合も同様である。また、「通常遊技状態」も「第2高確率状態」の場合と同様であるが、実施形態1と同様に「第2高確率状態」の方がポイントは貯まりやすい設定となっている。
また、実施形態1と同様に、このポイント加算テーブルを用いて決定されたポイントに応じて、停止図柄、演出内容決定処理を行えばよい(図69のS1072参照)。
上述したように、時刻と表示されるキャラとを対応させて、ポイント加算が異なるようにしたが、時刻と表示されるキャラとを対応させてポイントではなく、付与されるナビ回数がそれぞれ異なることとしてもよい。つまり、キャラに対応した時刻が予め決まっており、例えば、遊技を行っている時刻に対応しているキャラを選択している場合は、それ以外の時刻に用いるのとは異なる大当り時ナビ抽選テーブルを用いることとし、当該大当り時ナビ抽選テーブルはそれ以外の時刻に用いるものよりも、付与され得るナビの回数が多く規定されていることとする。これにより、付与されるナビの回数が多くなり、必然的にナビの付与確率を高くすることができる。なお、ナビの回数を抽選で決定する以外に、ナビをするか否かのナビ付与確率を抽選で決定することも考えられる。
また、実施形態1ではハズレスーパーリーチBにおいて1/10の確率でナビが付与される抽選を行うこととしたが、実施形態2でもこのような抽選を行ってもよい。また、ハズレスーパーリーチAにおいてナビが付与される抽選を行ってもよい。さらに、上述のように、その当選確率が時刻と表示されるキャラとに応じて、変化することとしてもよい。この場合について、図111を参照して説明する。図111は実施形態2に係るパチンコ遊技機のハズレスーパーリーチ時抽選テーブルの一例を示す図である。
図111に示すように、表示されるキャラが時刻に対応している場合は、対応していない場合に比べて、ナビに当選する確率が高い。また、付与されるナビの個数も多くなっている。このように、時刻に応じて遊技者にとって有利、不利が異なることから、遊技者は有利な状態となることを期待して遊戯することとなり、遊技の興趣が向上する。なお、図111は、ハズレスーパーリーチAの場合であるが、ハズレスーパーリーチBの場合も同様に、表示されるキャラと時刻との組み合わせにより、ナビに当選する確率や、付与されるナビの個数を変化させてもよい。
なお、キャラA〜Cのそれぞれが表示される確率は、互いに同じとしたが、異なることとしてもよい。例えば、その時刻に対応するキャラが表示される確率を1/3よりも低くしてもよい。
次に、図112および図113を参照して、副制御回路200のサブCPU201により実行される各種処理の内容について、特に、実施形態1と異なるステップを含む処理についてのみ説明する。
[タイマ割り込み処理]
まず、図112を参照して、実施形態2のサブCPU201によるタイマ割り込み処理について説明する。
図112に示すように、S1023の処理とS1024の処理との間にS1301の処理が追加されている点が実施形態1のタイマ割込処理(図64参照)と異なる点である。その他の点は実施形態1と同様であるため、説明を省略する。
サブCPU201は、S1023の処理が終了した場合には、S1301に処理を移す。S1301において、サブCPU201は時刻管理処理を行う。具体的には、サブCPU201はリアルタイムクロック80から基準となる標準時についてのデータを取得して更新する処理を行う。この処理が終了した場合には、S1024に処理を移す。
これにより、実施形態2では標準時を用いたさまざまな演出を行うことができる。例えば、特定の時刻に所定の処理を実行することができる。これにより、特定の時刻に遊技者に対して特典を付与したり、特別な演出を実行することができるため、遊技の興趣が向上する。
[第1高確率状態中演出決定処理]
図113を参照して、実施形態2のサブCPU201によ第1高確率状態中演出決定処理について説明する。
図113に示すように、S1129の処理の後にS1302の処理が追加されている点が実施形態1のタイマ割込処理(図72参照)と異なる点である。その他の点は実施形態1と同様であるため、説明を省略する。
サブCPU201は、S1129の処理が終了した場合には、S1302に処理を移す。S1302において、サブCPU201は時刻に基づいて終日ナビ抽選を行う。具体的には、サブCPU201は、リアルタイムクロック80から取得した標準時に基づいて演出により表示されているキャラが現在の時刻に対応するキャラである場合は1/20の確率で「第4高確率状態」への移行抽選を行い、当選した場合は第4高確率状態フラグをセットする。表示されているキャラが現在の時刻に対応するキャラでない場合は、この移行抽選を行わないこととすればよい。また、表示されているキャラが現在の時刻に対応するキャラでない場合は、表示されているキャラが現在の時刻に対応するキャラである場合の当選確率より低い確率で移行抽選を行うこととしてもよい。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
また、表示されているキャラに関係なく、リアルタイムクロック80により予め設定された時刻となったときに、設定時刻フラグがセットされることとしてもよい。そして、この設定時刻フラグがセットされた後1回目の当りが特図(1)−12の「大当り」であれば、1/1の確率で「第4高確率状態」に当選し、「第4高確率状態」に移行することとすればよい。また、設定時刻フラグがセットされた後1回目の当りがいずれであっても、設定時刻フラグはOFFになることとし、それ以降の当りが特図(1)−12の「大当り」となった場合は、1/10の確率で「第4高確率状態」に当選し、「第4高確率状態」に移行することとしてもよい。
これにより、RAMクリア時や電源投入時以外であっても、いわゆる終日ナビを取得できる可能性がある。そのため、遊技者は開店直後でなくても、一日中、終日ナビを期待して遊技を楽しむこととなる。また、RAMクリア作業や電源投入作業なしに終日ナビ取得を可能とすることができるため、ホール側の作業量を減少させたうえ、集客の増加を見込むことができる。
また、例えば、リアルタイムクロック80を用いて1日に一度終日ナビを取得できるように設定しておくことにより、全ナビ状態が24時間継続される24時間ナビを実現できる。つまり、閉店後、次の日に終日ナビが継続していることとなる。これにより、遊技者に不公平感を与えにくく、集客増加を見込むことができる。
また、例えば、「通常遊技状態」において上述以外の高確率遊技状態を設け、少なくとも一部の高確率状態について、リアルタイムクロック80を用いてそれぞれ特定の時刻においてナビが付与されやすいこととしてもよい。つまり、時刻に応じてナビの付与されやすさが変化する高確率遊技状態を有することとすればよい。
例えば、「第1高確率状態」における演出においてもキャラA〜Cがそれぞれ1/3の確率で表示されることとし、特図(1)−8〜特図(1)−11の大当りであっても表示されているキャラが現在の時刻に対応するキャラである場合は、「第4高確率状態」に移行する可能性があることとしてもよい。
また、例えば、「第1高確率状態」において、特図(1)−1〜特図(1)−7の大当りであっても表示されているキャラが現在の時刻に対応するキャラでない場合は、ナビが付与されない可能性があることとし、表示されているキャラが現在の時刻に対応するキャラである場合は、表示されているキャラが現在の時刻に対応するキャラでない場合に比べて高い確率でナビが付与されることとしてもよい。なお、「第1高確率状態」における演出において表示されるキャラは、ハズレリーチ演出におけるキャラ(キャラA〜C)とは異なることとしてもよい。
(実施形態3)
次に、図114〜図119を参照して、本発明の実施形態3に係るパチンコ遊技機1について説明する。
なお、実施形態3においては、上述した実施形態1とは、特に、スプロケット173による遊技球の払出先(移動先)を切替可能とした点で異なるが、他の構成は、略同様に構成されている。したがって、以下においては、実施形態1と同様の構成については説明を省略し、特に実施形態1との相違点についてのみ説明する。
図114に示すように、実施形態3の賞球ケースユニット170は、実施形態1と同様、第1の払出通路180Aと第2の払出通路180Bとを有し、これら各通路は2列構造をとるため、同様の構成である。したがって、第1の払出通路180Aを例にその構成を説明する。
実施形態3の第1の払出通路180Aは、遊技球をパチンコ遊技機内部(例えば、上皿21等)に払出す(または、誘導する、供給する、循環させる)ための第1の球通路401Aと、遊技球をパチンコ遊技機外部(例えば、島管理設備の球循環経路等)に誘導(移動)させる(または、払出す、供給する、循環させる)ための第2の球通路402Aとを有する。
ここで、島管理設備は、複数または単一の遊技機と、遊技機に対して設けられた遊技装置(例えば、サンド、各台計数機およびデータ表示機等)と、接続可能な装置であって、遊技球や、遊技機の状態を管理するための管理装置であり、通常はホールコンピュータと呼ばれる遊技場を管理する設備(例えば、コンピュータまたはデータ管理装置)と接続され、ホールコンピュータに対して遊技機に関する情報を集計しデータ送信を行っている。
ここで、球循環経路とは、島管理装置に備えられた複数または単一の遊技機間で遊技球の共有を可能とした設備であり、球循環経路は、球循環装置として独立駆動可能なものであってもよいし、島管理装置に備えられていることが必須ではなく、遊技機に備えられていてもよく、遊技機内の遊技球を循環させる装置であってもよい。
第2の払出通路180Bについても、同様に第1の球通路401Bと第2の球通路402Bとを有する。以下、これら第1の球通路401Aおよび第1の球通路401Bを総称して「第1の球通路401」といい、第2の球通路402Aおよび第2の球通路402Bを総称して「第2の球通路402」ということがある。
また、第1の球通路401Aには、第1の球通路401Aを通過する遊技球を検知する第1の検出手段としての第1の計数スイッチ481Aが設けられ、第2の球通路402Aには、第2の球通路402Aを通過する第2の検出手段としての第1の球抜きスイッチ482Aが設けられている。
第1の球通路401Bおよび第2の球通路402Bについても、同様に第2の計数スイッチ481Bおよび第2の球抜きスイッチ482Bが設けられている。これら第1の計数スイッチ481Aおよび第2の計数スイッチ481Bを総称して「計数スイッチ481」といい、第1の球抜きスイッチ482Aおよび第2の球抜きスイッチ482Bを総称して「球抜きスイッチ482」ということがある。
また、払出通路180、より詳細には第1の球通路401と第2の球通路402との間には、スプロケット173による遊技球の払出先を第1の球通路401および第2の球通路402のいずれか一方に切り替えるよう、払出CPU301によって制御される通路切替手段としての第1および第2のフラッパ400A,400Bが設けられている。これら第1および第2のフラッパ400A,400Bを総称して「フラッパ400」ということがある。
フラッパ400は、フラッパ駆動装置410(図115参照)を有し、払出CPU301によってフラッパ駆動装置410の駆動が制御されることで、図中、矢印方向に回動可能とされる。
具体的には、フラッパ400は、遊技球の払出先を第2の球通路402側とする位置(図中、破線で示す位置)と、遊技球の払出先を第1の球通路401側とする位置(図中、実線で示す位置)との間で回動するようになっている。
次に、図115に示すように、実施形態3の払出制御回路300には、上述した第1の計数スイッチ481A、第2の計数スイッチ481B、第1の球抜きスイッチ482A、第2の球抜きスイッチ482Bおよびフラッパ駆動装置410が接続されている。なお、フラッパ駆動装置410は、第1のフラッパ400Aと第2のフラッパ400Bとで共通としたが、別箇に設けても構わない。
また、実施形態3の払出CPU301は、払出制御回路300のRAM303に記憶された賞球数および貸し球数(払出量)がない状態で、上述したリトライ動作を実行する場合には、遊技球の払出先が第2の球通路402となるよう、フラッパ駆動装置410を介してフラッパ400を切り替えるようになっている。
また、実施形態3の払出CPU301は、遊技球の払出先が第2の球通路402となるようフラッパ400が切り替えられた状態でリトライ動作を実行した場合には、球抜きスイッチ482によって遊技球が検知されたことを条件にリトライ動作を終了するようになっている。
次に、図116〜図119を参照して、払出制御回路300の払出CPU301により実行される各種処理の内容について、特に、実施形態1と異なるステップを含む処理についてのみ説明する。
[システムタイマ割込み処理(1ms)]
まず、図116を参照して、実施形態3の払出CPU301によるシステムタイマ割込み処理について説明する。
図116に示すように、実施形態3におけるシステムタイマ割込み処理において、S431〜S435の各ステップは、実施形態1におけるシステムタイマ割込み処理(図85参照)のS331〜S335と同様であるため、それらステップの説明は省略する。
払出CPU301は、S435の処理終了後、後述するモータ駆動処理を実行して(S436)、原点調整励磁データ設定処理を実行する(S437)。その後、払出CPU301は、コマンド送信処理を実行して(S438)、システムタイマ割込み処理を終了する。実施形態3のコマンド送信処理(S438)は、実施形態1のコマンド送信処理(S337)と同様である。
[計数スイッチ検知処理]
まず、図117を参照して、実施形態3のシステムタイマ割込み処理(図116参照)中のS435で行う計数スイッチ検知処理について説明する。
図117に示すように、実施形態3における計数スイッチ検知処理において、S481〜S490の各ステップは、実施形態1における計数スイッチ検知処理(図88参照)のS381〜S390と同様であるため、それらステップの説明は省略する。
S481がNO判定の場合、S487がNO判定の場合、S489がNO判定の場合、または、S490の終了後、払出CPU301は、第1の球抜きスイッチ482Aまたは第2の球抜きスイッチ482Bが遊技球の通過を検知したか否かを判別する(S491)。
S491において、払出CPU301が、第1の球抜きスイッチ482Aまたは第2の球抜きスイッチ482Bが遊技球の通過を検知していないと判別した場合、(S491がNO判定の場合)、払出CPU301は、計数スイッチ検知処理を終了する。
一方、S491において、払出CPU301が、第1の球抜きスイッチ482Aまたは第2の球抜きスイッチ482Bが遊技球の通過を検知したと判別した場合、(S491がYES判定の場合)、払出CPU301は、原点調整フラグが1であるか否かを判別する(S492)。
S492において、払出CPU301が、原点調整フラグが1でないと判別した場合、(S492がNO判定の場合)、払出CPU301は、計数スイッチ検知処理を終了する。
一方、S492において、払出CPU301が、原点調整フラグが1であると判別した場合、(S492がYES判定の場合)、払出CPU301は、原点調整フラグを0にセットする(S493)。
次いで、払出CPU301は、原点調整完了フラグを1にセットする(S494)。その後、払出CPU301は、フラッパ駆動装置410を制御して、第1および第2のフラッパ400A,400Bを自動的に第1の球通路401A,401B側(払出側)に切り替え(S495)、計数スイッチ検知処理を終了する。
[モータ駆動処理]
まず、図118を参照して、実施形態3のシステムタイマ割込み処理(図116参照)中のS436で行うモータ駆動処理について説明する。
まず、払出CPU301は、第1または第2の停止要因フラグが1であるか否かを判別する(S501)。
S501において、払出CPU301が、第1または第2の停止要因フラグが1であると判別した場合、(S501がYES判定の場合)、払出CPU301は、停止要因があるものと判断して、モータ駆動処理を終了する。
一方、S501において、払出CPU301が、第1または第2の停止要因フラグのいずれもが1でないと判別した場合、(S501がNO判定の場合)、払出CPU301は、停止要因がないものと判断して、第1または第2の落下球確認フラグが1であるか否かを判別する(S502)。
S502において、払出CPU301が、第1または第2の落下球確認フラグのいずれもが1でないと判別した場合、(S502がNO判定の場合)、払出CPU301は、担保球なしと判断して、モータ駆動処理を終了する。
一方、S502において、払出CPU301が、第1または第2の落下球確認フラグが1であると判別した場合、(S502がYES判定の場合)、払出CPU301は、担保球ありと判断して、払出要求個数が0より大きいか否かを判別する(S503)。
S503において、払出CPU301が、払出要求個数が0より大きくないと判別した場合、(S503がNO判定の場合)、払出CPU301は、払出要求なしと判断して、モータ駆動処理を終了する。
一方、S503において、払出CPU301が、払出要求個数が0より大きいと判別した場合、(S503がYES判定の場合)、払出CPU301は、払出要求ありと判断して、モータ起動初期処理を実行する(S504)。モータ起動初期処理は、実施形態1と同様であるので、説明を省略する。
次いで、払出CPU301は、払出モータ174の起動状態設定処理を行う(S505)。この処理では、払出CPU301は、原点調整制御を行わないので、通常の遊技球の払出が行われるよう、落下要求個数に応じた払出モータ174の加速状態等を設定する。
その後、払出CPU301は、払出モータ174の励磁データを設定する(S506)。この処理では、払出CPU301は、通常の遊技球の払出を行うものとして、落下要求個数分の遊技球を払出すのに必要な駆動量として所定ステップ分の励磁データを設定する。
次いで、払出CPU301は、払出制御フラグに「1」をセットして(S507)、モータ駆動処理を終了する。ここで、払出制御フラグは、フラッパ400の切替を行うか否かに応じて「0」または「1」がセットされるフラグであり、フラッパ400の切替を行う場合に「1」にセットされ、フラッパ400の切替を行わない場合に「0」にセットされるフラグである。
[原点調整励磁データ設定処理]
まず、図119を参照して、実施形態3のシステムタイマ割込み処理(図116参照)中のS437で行う原点調整励磁データ設定処理について説明する。
まず、払出CPU301は、原点調整フラグが1であるか否かを判別する(S511)。S511において、払出CPU301が、原点調整フラグが1でないと判別した場合、(S511がNO判定の場合)、払出CPU301は、原点調整制御の要求なしと判断して、原点調整励磁データ設定処理を終了する。したがって、S511がNO判定の場合は、原点調整制御は行われない。
一方、S511において、払出CPU301が、原点調整フラグが1であると判別した場合、(S511がYES判定の場合)、払出CPU301は、原点調整制御の要求ありと判断して、リトライ回数が12より大きいか否か、すなわち原点調整制御を12回行ったか否かを判別する(S512)。したがって、S511がYES判定の場合は、原点調整制御が行われる。
S512において、払出CPU301が、リトライ回数が12よりも大きいと判別した場合、(S512がYES判定の場合)、払出CPU301は、原点調整制御の回数が上限回数(12回)に達したものと判断して、処理をS513に移す。
S513において、払出CPU301は、払出モータ174の起動状態設定を行って(S513)、処理をS523に移す。この処理では、払出CPU301は、遊技球の払出を停止するために払出モータ174をアイドル状態に設定する。
一方、S512において、払出CPU301が、リトライ回数が12よりも大きくないと判別した場合、(S512がNO判定の場合)、払出CPU301は、払出モータ174の起動状態のリセットを行う(S514)。
次いで、払出CPU301は、励磁データのリセットを行い(S515)、払出制御フラグが1であるか否かを判別する(S516)。S516において、払出CPU301が、払出制御フラグが1でないと判別した場合、(S516がNO判定の場合)、払出CPU301は、第1および第2のフラッパ400A,400Bの切替が不要であると判断して、処理をS518に移す。この場合、第1および第2のフラッパ400A,400Bの切替は行われず、遊技球の払出先が第1の球通路401A,401B側(払出側)に維持される。
一方、S516において、払出CPU301が、払出制御フラグが1であると判別した場合、(S516がYES判定の場合)、払出CPU301は、第1および第2のフラッパ400A,400Bの切替が必要であると判断して、フラッパ駆動装置410を制御して、第1および第2のフラッパ400A,400Bを自動的に第2の球通路402A,402B側(球抜き側)に切り替える(S517)。
次いで、S516がNO判定の場合、または、S517の終了後、払出CPU301は、原点調整制御に備えてステップカウンタマスク値を4ステップにセットする(S518)。この処理では、原点調整制御実行時の払出モータ174の単位駆動量として、4ステップが設定される。
次いで、払出CPU301は、モータ動作個数を1個に設定し(S519)、原点要請リトライ回数に4回を設定する(S520)。この処理では、上述のS518でステップカウンタマスク値としてセットされた4ステップに、原点要請リトライ回数として設定された4回を乗ずることによって、1つの遊技球を払出すのに必要な払出駆動量として16ステップが設定される。
次いで、払出CPU301は、落下球監視タイマの値をクリアして0にする(S521)。落下球監視タイマは、実施形態1と同様である。次いで、払出CPU301は、原点調整完了フラグに「0」をセットする(S522)。
次に、S513の終了後、または、S522の終了後、払出CPU301は、払出モータ174の励磁データを設定して(S523)、原点調整励磁データ設定処理を終了する。この処理では、例えば原点調整制御を行う場合には、1つの遊技球を払出すのに必要な払出駆動量として16ステップ分の励磁データを設定する。
また、通常の遊技球の払出を行う場合には、落下要求個数分の遊技球を払出すのに必要な駆動量として所定ステップ分の励磁データを設定する。なお、遊技球の払出が停止されるよう、払出モータ174がアイドル状態に設定されているときは、励磁データは0に設定される。
以上のように、実施形態3に係るパチンコ遊技機1は、実施形態1における作用効果に加えて、以下の作用効果を奏する。
すなわち、実施形態3に係るパチンコ遊技機1は、第1および第2の払出通路180A,180Bのそれぞれに、遊技球の払出先を第1の球通路401および第2の球通路402のいずれか一方に切り替えるフラッパ400が設けられているので、例えば遊技球の貸出時や賞球時等のように遊技機外部への遊技球の払出が行われる場合に原点調整制御(リトライ制御)を実行するときには、スプロケット173による遊技球の払出先をフラッパ400によって第1の球通路401に切り替えることができる。
一方、遊技機外部への遊技球の払出を行わずに原点調整制御(リトライ制御)を実行する場合には、スプロケット173による遊技球の払出先をフラッパ400によって第2の
球通路402に切り替えることができる。これにより、原点調整制御(リトライ制御)をによる遊技球の過払出が防止される。
したがって、フラッパ400によって第1の球通路401および第2の球通路402のいずれかに切り替えることで、遊技機外部への遊技球の払出の有無に関わらず原点調整制御(リトライ制御)を実行することができる。
また、実施形態3に係るパチンコ遊技機1は、払出制御回路300のRAM303に記憶された払出量(賞球数および貸し球数)がない状態で原点調整制御(リトライ制御)を実行する場合には、スプロケット173による遊技球の払出先が第2の球通路402となるようフラッパ400を切り替えるので、遊技機外部への遊技球の払出を行わずに原点調整制御(リトライ制御)を実行する場合であっても、スプロケット173による遊技球の過払出を防止することができる。
また、実施形態3に係るパチンコ遊技機1は、球抜きスイッチ482が遊技球を検出したこと条件に原点調整制御(リトライ制御)を終了するので、RAM303に記憶された払出量(賞球数および貸し球数)がない状態で原点調整制御(リトライ制御)を実行しても、計数スイッチ481で遊技球を検出することがない。
このため、RAM303に記憶された払出量(賞球数および貸し球数)がない状態で実行された原点調整制御(リトライ制御)によって、スプロケット173から払出された遊技球が遊技機外部に払出された遊技球として検出されることを防止することができる。これにより、原点調整制御(リトライ制御)の運用の幅を広げることができる。
(実施形態4)
次に、図120〜図122を参照して、実施形態4に係るパチンコ遊技機1について説明する。
なお、実施形態4においては、実施形態1とは、特に、原点調整制御の完了後、落下要求個数から1球減算した残りの落下要求個数(例えば、減算前が15個なら残りの落下要求個数は14個)分の遊技球の払出を行う点で異なるが、他の構成は、略同様に構成されている。
したがって、以下においては、実施形態1と同様の構成については説明を省略し、特に実施形態1との相違点についてのみ説明する。具体的には、実施形態1と異なる処理についてのみ説明する。なお、以下に説明する処理以外の処理(例えば、システムタイマ割込み処理等)は、実施形態1における処理と同様である。
[計数スイッチ検知処理]
最初に、図120を参照して、実施形態1と同様のシステムタイマ割込み処理(図85参照)中のS335で行う計数スイッチ検知処理について説明する。図120は、実施形態4における計数スイッチ検知処理の手順を示すフローチャートである。
まず、払出CPU301は、第1の計数スイッチ181Aまたは第2の計数スイッチ181Bが遊技球の通過を検知したか否かを判別する(S581)。S581において、払出CPU301が、第1の計数スイッチ181Aまたは第2の計数スイッチ181Bが遊技球の通過を検知していないと判別した場合、(S581がNO判定の場合)、払出CPU301は、計数スイッチ検知処理を終了する。ここで、原点調整制御中である場合には、遊技球が未だ第1の計数スイッチ181Aまたは第2の計数スイッチ181Bで検知されないため、S581がNO判定となる。
一方、S581において、払出CPU301が、第1の計数スイッチ181Aまたは第2の計数スイッチ181Bが遊技球の通過を検知したと判別した場合、(S581がYES判定の場合)、払出CPU301は、落下要求個数を「1」減算する(S582)。
すなわち、払出CPU301は、第1の計数スイッチ181Aまたは第2の計数スイッチ181Bにより遊技球が検知されたことを条件に落下要求個数の更新を行う。こうした更新を行う払出CPU301は、区切払出量更新手段を構成する。
ここで、実施形態4では、実施形態1と異なり、計数スイッチ検知処理での払出要求個数の減算は行われない。払出要求個数は、後述するモータ起動初期処理(図122参照)におけるS627で、落下要求個数が決定(設定)されたときに、その決定(設定)された落下要求個数分の遊技球の数だけ減算されている。
換言すれば、払出CPU301は、払出要求個数から、落下要求個数が決定(設定)されたときに、その決定(設定)された落下要求個数分の遊技球の数を減算しておくようにしている。こうした遊技球の減算を行う払出CPU301は、減算手段を構成する。
次いで、払出CPU301は、原点調整フラグが1であるか否かを判別する(S583)。S583において、払出CPU301が、原点調整フラグが1でないと判別した場合、(S583がNO判定の場合)、払出CPU301は、計数スイッチ検知処理を終了する。
一方、S583において、払出CPU301が、原点調整フラグが1であると判別した場合、(S583がYES判定の場合)、払出CPU301は、原点調整フラグを0にセットする(S584)。
次いで、払出CPU301は、原点調整完了フラグを1にセットする(S585)。その後、払出CPU301は、原点調整実行後フラグを1にセットして(S586)、計数スイッチ検知処理を終了する。
ここで、原点調整実行後フラグは、原点調整制御の実行後であるか、実行前(未実行)であるかに応じて「0」または「1」がセットされるフラグであり、原点調整制御の実行後である場合に「1」にセットされ、原点調整制御の実行前である場合に「0」にセットされるフラグである。
[モータ起動待ち処理]
次に、図121を参照して、実施形態1と同様のシステムタイマ割込み処理(図85参照)中のS336で行うモータ起動待ち処理について説明する。図121は、実施形態4におけるモータ起動待ち処理の手順を示すフローチャートである。
まず、払出CPU301は、原点調整完了フラグが1であるか否かを判別する(S601)。S601において、払出CPU301が、原点調整完了フラグが1でないと判別した場合、(S601がNO判定の場合)、払出CPU301は、原点調整制御中であると判断して、処理をS605に移す。
一方、S601において、払出CPU301が、原点調整完了フラグが1であると判別した場合、(S601がYES判定の場合)、払出CPU301は、原点調整制御が完了済みであると判断して、第1または第2の停止要因フラグが1であるか否かを判別する(S602)。
S602において、払出CPU301が、第1または第2の停止要因フラグが1であると判別した場合、(S602がYES判定の場合)、払出CPU301は、停止要因があるものと判断して、モータ起動待ち処理を終了する。
一方、S602において、払出CPU301が、第1または第2の停止要因フラグのいずれもが1でないと判別した場合、(S602がNO判定の場合)、払出CPU301は、停止要因がないものと判断して、第1または第2の落下球確認フラグが1であるか否かを判別する(S603)。
S603において、払出CPU301が、第1または第2の落下球確認フラグのいずれもが1でないと判別した場合、(S603がNO判定の場合)、払出CPU301は、担保球なしと判断して、モータ起動待ち処理を終了する。
一方、S603において、払出CPU301が、第1または第2の落下球確認フラグが1であると判別した場合、(S603がYES判定の場合)、払出CPU301は、担保球ありと判断して、後述するモータ起動初期処理(図122参照)を実行する(S604)。なお、実施形態4では、実施形態1とは異なり、払出要求個数が0より大きいか否かの判別は行われない。
このため、実施形態4では、後述する払出要求フラグを設定し、主制御回路70から払出制御回路300への払出要求があるか否かを当該払出要求フラグによって判別することとしている。この払出要求フラグは、例えば主制御回路70から払出制御回路300に払出要求個数の情報が送信される際に同時に送信される。なお、払出要求フラグは、払出要求がある場合に「1」にセットされ、払出要求がない場合に「0」にセットされる。
ここで、S605〜S613の処理は、実施形態1におけるS406〜S414の処理と同様であるため、説明を省略する。
[モータ起動初期処理]
次に、図122を参照して、実施形態4のモータ起動待ち処理(図121参照)中のS604で行うモータ起動初期処理について説明する。図122は、実施形態4におけるモータ起動初期処理の手順を示すフローチャートである。
まず、払出CPU301は、原点調整実行後フラグが1であるか否かを判別する(S621)。S621において、払出CPU301が、原点調整実行後フラグが1でないと判別した場合、(S621がNO判定の場合)、払出CPU301は、原点調整制御の実行前(または未実行)であると判断して、処理をS623に移す。
一方、S621において、払出CPU301が、原点調整実行後フラグが1であると判別した場合、(S621がYES判定の場合)、払出CPU301は、原点調整制御の実行後であると判断して、落下要求個数が0以下であるか否かを判別する(S622)。
S622において、払出CPU301が、落下要求個数が0以下でないと判別した場合、(S622がNO判定の場合)、払出CPU301は、落下要求個数をそのままとして、すなわち計数スイッチ検知処理(図120参照)のS582で「1」減算された後の落下要求個数のまま、処理をS628に移す。
一方、S622において、払出CPU301が、落下要求個数が0以下であると判別した場合、(S622がYES判定の場合)、払出CPU301は、落下要求個数の再設定(または、初期設定)を行うべく、払出要求個数に落下要求個数の値を還元する(S623)。
例えば、払出CPU301は、遊技球の過払出によって落下要求個数の値が「−1」となった場合には、すでに落下要求個数分、減算されている払出要求個数から「1」減算す
る。
すなわち、払出CPU301は、上述の計数スイッチ検知処理(図120参照)のS582で「1」減算された後の落下要求個数(過払出であれば「−1」)を払出要求個数に反映させる。こうした反映を行う払出CPU301は、反映手段を構成する。なお、このS623の処理が初めて行われるとき(初回)は、払出要求個数および落下要求個数のいずれも「0」である。
ここで、払出CPU301は、払出要求個数分の全ての遊技球が払出されたときに、上述の計数スイッチ検知処理(図120参照)のS582で「1」減算された後の落下要求個数が「0」でないときには、払出エラーが発生しているものと判定する。こうした判定を行う払出CPU301は、払出エラー判定手段を構成する。
例えば、払出要求個数分の遊技球が払出されたときに前述の減算後の落下要求個数が「0」より大きいときには、過少払出による払出エラーが発生しているものと判定することができる。
一方、払出要求個数分の遊技球が払出されたときに前述の減算後の落下要求個数が「0」よりも小さいときには、過払出による払出エラーが発生しているものと判定することができる。
次いで、払出CPU301は、払出要求個数の値が「−10」より小さいか否かを判別する(S624)。すなわち、払出CPU301は、オーバーペイ個数が10以上となったか否かを判別する。
S624において、払出CPU301が、払出要求個数の値が「−10」より小さいと判別した場合、(S624がYES判定の場合)、払出CPU301は、過払出に係る遊技球の数が許容範囲内でないと判断して、オーバーペイフラグを1にセットして(S625)、モータ起動初期処理を終了する。
一方、S624において、払出CPU301が、払出要求個数の値が「−10」より小さくないと判別した場合、(S624がNO判定の場合)、払出CPU301は、過払出に係る遊技球の数が許容範囲内であると判断して、払出要求フラグが1であるか否かを判別する(S626)。
S626において、払出CPU301が、払出要求フラグが1でないと判別した場合、(S626がNO判定の場合)、払出CPU301は、主制御回路70からの遊技球の払出要求がないものと判断して、モータ起動初期処理を終了する。
一方、S626において、払出CPU301が、払出要求フラグが1であると判別した場合、(S626がYES判定の場合)、払出CPU301は、払出要求個数から落下要求個数を設定する(S627)。
この処理では、払出要求個数(払出量の総計)に応じて、最大で15個の落下要求個数が設定される。このとき、落下要求個数の設定と同時に、払出要求個数が設定された落下要求個数分、減算される。
ここで、S628〜S634の処理は、実施形態1におけるS422〜S428の処理と同様であるため、説明を省略する。
以上のように、実施形態4に係るパチンコ遊技機1は、実施形態1における作用効果に加えて、以下の作用効果を奏する。
すなわち、実施形態4に係るパチンコ遊技機1は、第1または第2の計数スイッチ181A,181Bにより遊技球が検出されたことを条件に落下要求個数の更新が行われる。すなわち、落下要求個数は、第1または第2の計数スイッチ181A,181Bにより遊技球が検出されるたびに更新される。
これにより、例えば落下要求個数に応じた遊技球の払出を行うべく払出モータ174が駆動された際に落下要求個数を超える払出(過払出)があった場合に、この過払出分の遊技球の数を加味して落下要求個数を更新することができる。
一方、払出要求個数は、落下要求個数が決定された時点で落下要求個数分の遊技球の数だけ減算された後、上述の更新された落下要求個数が反映される。これにより、1回の払出モータ174の駆動で上述のような過払出があった場合であっても、払出要求個数から減算された遊技球の数と実際に払出された遊技球の数とを一致させることができる。
この結果、1回の払出モータ174の駆動で過払出が発生するたびに払出モータ174を停止する必要がないため、遊技球の払出を継続することができる。したがって、円滑な払出を行うことができる。
また、本発明に係る遊技機は、封入式遊技機であって、遊技球を発射する発射手段が遊技機上部に設置され、発射された遊技球が遊技盤に設けられた遊技領域を通過し(遊技盤自体が遊技領域であってもよい)、遊技機内に設けられた球磨き装置や揚送装置に回収される封入式遊技機に対しても適用される。
このような遊技機に本発明に係る遊技機を適用する場合にあっては、スプロケットが揚送装置内に設けられた遊技球を揚送するための手段(例えば、スクリューなど)や、払出モータが揚送するための手段を駆動させるための駆動手段(例えば、揚送モータ)、計数スイッチが揚送装置からの排出検知手段(例えば、遊技球の循環管理を行うセンサ等)であってもよい。
本発明の上記実施形態によれば、遊技球が払出通路180を通過し、遊技機前面に設けられた上皿21に払出され、上皿21から発射装置15へ移動する構成であるため、上記のような発射装置15に対して揚送するような装置に対しても、本発明に係る遊技機は適用可能である。
また、本発明の上記実施形態において、球タンク下通路162と、球供給通路171と、スプロケット173近辺の球通路と、払出通路180とは、一体的に形成されていてもよい。ここで表現する「一体的に」とは、溶接、型抜き、ネジ止めまたはカシメ等によって一体的に形成されている状態を含む。
また、球タンク下通路162と球供給通路171とが一体形成されている場合、球供給通路171とスブロケット173近辺の球通路とが一体形成されている場合、で例示される、4つの構成から2つの構成を抽出し、場合分けした構成によって一体形成されていてもよい。
同様に、スプロケット173近辺の球通路と払出通路180とが一体形成されている場合、球タンク下通路162と球供給通路171とスプロケット173近辺の球通路とが一体形成されている場合、に例示される4つの構成から3つの構成を抽出し、場合分けした
構成によってー体形成されていてもよい。
また、球供給通路171は、遊技機を構成する遊技部材(例えぱ、装飾ユニットまたは封入式遊技機の球研磨装置等)に設けられていてもよい。これは、スプロケット173に該当する部材が設けられた装置が球供給通路171として作用する遊技部材と接続されている場合であっても、本発明に係る遊技機を適用できることに他ならない。
また、球供給通路171は、スブロケット173のように遊技球を移動可能な構成が備えられていてもよく、総じていえば、スプロケット173と連動および同期して球供給通路171内に存在する遊技球が移動可能であれば、本発明に係る遊技機を適用できるものである。
また、本発明の上記実施形態においては、払出モータ174の電流は30ms(励磁データ保持期間)の間、高電流に維持され、励磁データ保持期間が経過すると、払出モータ174の電流が低電流に切り替えられ、その後470ms(冷却期間)の間、低電流に維持される。したがって、実施形態4では、30ms(励磁データ保持期間)と470ms(冷却期間)とで、落下球監視時間(500ms)を構成していたが、これに限られるものではなく、30ms(励磁データ保持期間)と470ms(冷却期間)と、0〜100ms(スプロケット調整期間)とで、落下球監視時間(500ms+0〜100ms)を構成してもよい。
このような構成を有することで、スプロケット調整期間においてスプロケット173の位置を微調整することも可能となり、球噛みを想定した正転と逆転とを繰り返してもよい。また、払出モータ174の発熱を検知可能な熱検知手段を備えており、払出モータ174の発熱が所定値、所定域以上であると払出制御回路300が払出モータ174の異常を判断可能な場合には、継続して冷却期間としてスプロケット調整期間を使用してもよい。
さらに、熱検知手段を備えていなくとも、所定値以上の払出(例えば、最大16球の払出のときに、10球以上の払出)が所定回数以上(例えば、3回以上)連続で継続した場合には、スプロケット調整期間を特定値(例えば、50ms)に設定してもよい。このとき、設定されるスプロケット調整期間は、予め定められた値、または一定値であってもよい。本来であれば十分な冷却期間を設けているのでスプロケット調整期間を設定して冷却を行う必要がないが、遊技機が設置された遊技場ごとに環境が異なるため、本来の冷却期間では払出モータ174の冷却が不十分となる可能性がある。したがって、このような場合を想定して上述のような構成とすることで、払出が連続している場合における払出モータ174の冷却期間に対する手当てが行えることとなる。この結果、より安全に払出を行うことが可能となる。
なお、上述のように、30ms(励磁データ保持期間)と470ms(冷却期間)と、0〜100ms(スプロケット調整期間)とで、落下球監視時間(500ms+0〜100ms)を構成した場合には、落下球監視時間が延長されたことに基づいて払出モータ174の冷却期間が延長されたとも表現可能であるし、冷却期間が延長されたことに基づいて落下球監視時間が延長されたとも表現することが可能である。
また、本発明の上記実施形態においては、フラッパ400について第1の球通路401および第2の球通路402のいずれか一方に切り替えるよう払出CPU301によって制御されれば、形状、材質、駆動方法について特に限定されるものではない。例えば、図114に示すように、板状であってもよいし、一方の球通路を遊技球が通過不可能となるように、球通路上部から落下する遊技球に治して水平に移動することで、結果的に遊技球の振り分けが行えるような機構であってもよいし、スプロケット173と同様の機構を備え、遊技球を一度受け入れてから任意の方向へと遊技球を導くような態様であってもよい。
また、本発明の上記実施形態においては、単位駆動量に相当する励磁データとして5ms×4ステップを規定したが、これに限られるものではなく、例えば、単位駆動量を設定せず、1回のリトライ回数における励磁データとして5ms×16ステップの払出モータ174の駆動を行い、5ms×16ステップの払出モータ174の駆動停止後の励磁データ保持期間30ms+冷却期間470ms=500msを設定し、基本リトライ動作機関としては5000ms(基本リトライ動作期間)に設定し、基本リトライ動作期間から励磁データ保持期間と冷却期間と1回のリトライに必要な時間(5ms×16=80ms)を減算することで求められる時間を落下球監視時間として設定し、落下球監視時間内で停止要因発生、または規定回数(240回)のリトライが終了した場合には、アイドル状態へ移行するようにしてもよい。このとき、リトライ回数は、240回が上限回数となり、1回のリトライにかかる時間が基本リトライ動作期間として設定される。これにより、落下球監視時間として十分な監視時間が設定されるため、15球担保スイッチ172が断線しているときの間欠防止で貯留させる時間として、落下球監視時間を使用することが可能となり、より安全に払出を行うことが可能となる。
また、本発明の上記実施形態においては、払出モータ174の1回の駆動で移動させる遊技球の数を、リトライ制御における計数スイッチ181による遊技球の検出数に基づいて減算することで落下要求個数(区切払出量)を設定するようにしたが、ここでいう「落下要求個数(区切払出量)を設定する」とは、決定、更新、変更といった内容を含み得るものである。
また、本発明の上記実施形態における払出とは、遊技媒体として遊技球を払出すことを前提としているが、これに限られるものではなく、遊技媒体としてはメダル、クレジット、電子管理される遊技媒体個数、金額的に扱われる擬似媒体等の様々な媒体を払出すことが考慮される。
なお、本願の請求項に記載の「移動」とは、払出、貸出、リトライ制御、揚送等、遊技球制御手段によって遊技球の位置が移動するような場合を含む。したがって、本願発明は、前述した遊技球制御手段によって遊技球の位置が移動するような場合であれば、いずれの場合にも適用可能である。
また、「遊技球が移動する」とは、遊技球制御手段によって直接的に遊技球が押された場合や、牽引された場合、または遊技球の係止が解除されることで遊技球が自由落下を開始する場合や、遊技球制御手段によって1球の遊技球を移動させた結果、間接的に1つ、または複数の遊技球が移動した場合に想定される、間接的に遊技球が動いた場合を含む。
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、本発明は、上述の構成に限定されるものではない。例えば、ナビの実行は、付与されたナビの個数に応じて行われることとしたが、継続率抽選が行われて、ナビの継続率が付与されることとしてもよい。つまり、例えば0%、50%、80%等の継続率を有するナビを複数ストックできることとし、ナビを実行した場合に継続率に応じて継続抽選を行い継続してナビが行われるか否かを決定することとしてもよい。当選した場合は、次回も同じ継続率で継続抽選を行うこととし、当選しなかった場合はこのナビはなくなるが、ナビがストックされている場合は、次のナビを使用してそのナビの継続率で継続抽選をすることとすればよい。なお、継続率0%とは、ナビが継続せずに1回のみで終わる状態である。なお、全ナビが付与された場合は、ナビが3回分のナビの実行を保証することとし、その後は継続率抽選を行うこととすればよい。また、全ナビの場合は、継続回数が3回までに限定された100%の継続率のナビを付与することとしてもよい。
また、例えば、「大当り遊技」中の演出として、ナビ個数を先決めして演出で結果を見せることを示したが、遊技者の技術介入を持たせるために、遊技者がミニゲーム等て成功した場合にナビを付与することとしてもよい。例えば、複数の難易度を有する目押しゲームを大当り遊技中に実行されることとし、低難易度のゲームを成功した場合は0%継続ナビを付与し、高難易度のゲームを成功した場合は全ナビを付与するようにしてもよい。ミニゲームは目押しゲーム以外でもよく、例えばクイズ等でもいい。
「第2高確率状態」において、当り内容が「出玉無し通常」(特図(1)−8〜特図(1)−12)であれば、「大当り遊技状態」の後にセット遊技が行われずに「通常遊技状態」の「第1高確率状態」に移行する。そのため、「第1高確率状態」へと移行することが認識できるような演出が行われる。しかし、この演出により、遊技者は遊技状態が移行することを認識し、それにより「大当り」の期待度が高まったと勘違いする場合がある。そこで、「第1高確率状態」へと移行することが認識できるような演出の前に「通常遊技状態(サブ)」に移行することを示唆するような演出を行うこととすればよい。それにより、実際には「大当り遊技状態」から「第1高確率状態」へ移行するにもかかわらず、遊技者は「大当り遊技状態」の後に「通常遊技状態(サブ)」に移行したと認識することから、上記勘違いをすることを抑制できる。
また、50回以降の「時短遊技」においては、「攻略打ち」防止の観点からナビを実行しない等のナビ抑制を行うこととしたが、50回以上の「時短遊技」を行っている遊技者が必ずしも「攻略打ち」を行っているとは限らないといえる。そこで、例えば、右打ちがなされていることを検知できるように、遊技領域12aの右側の領域に遊技球を検出する右打ちセンサを設置し、例えば第2始動口入賞球スイッチ45aの検出信号およびこの右打ちセンサの検出信号等に基づいて、通常の常時発射による通常タイミングと、発射ハンドル25を操作することにより生じる異常タイミングとを判別することとすればよい。
例えば、図123に示すように、右打ちセンサ58および遊技球を右打ちセンサ58ンび誘導するためのレール59を遊技盤12に設けることとすればよい。なお、図123は、本発明の他の実施形態に係るパチンコ遊技機の遊技盤の構成を示す正面図である。図123において、図3に示す遊技盤12と同様の部材については同様の符号を付している。図123の遊技盤12は、右打ちセンサ58およびレール59を有する以外は、図3に示す遊技盤12は略同一である。
図123において、右打ちセンサ58は遊技盤12の右上方に設置されている。また、レール59も遊技盤12の右上方に設置さ、遊技者が右打ちを実行している場合は遊技球がレール59に誘導される位置にレール59が配置される。また、レール59に誘導された遊技球が右打ちセンサ58を必ず通過するような配置となっている。これにより、遊技者が右打ちを行っているときは、必ず遊技球が右打ちセンサ58を通過することとなり、遊技者が遊技球を遊技盤12の右側に向かって発射しているか否かを判断することができる。
上述したように、第2始動口入賞球スイッチ45aの検出信号および右打ちセンサ58の検出信号に基づいて、通常タイミングと異常タイミングとを判別することができる。それにより、16ラウンドの「大当り遊技」が行われることのナビが行われているにもかかわらず、異常タイミングである場合は、「攻略打ち」が行われていると推測される。「攻略打ち」による検知信号の出力タイミングが検出(異常検出)された場合は、「時短遊技」の回数によらずに「攻略打ち」が行われていることを推測でき、その場合はナビ抑制フラグをセットすることとすればよい。
また、第2始動口入賞球スイッチ45aからの検知信号の出力から、右打ちセンサ58からの検知信号の出力までの時間が長すぎる場合等は、「攻略打ち」であると推測してもよい。通常の打ち方による検知信号の出力タイミングと、「攻略打ち」による検知信号の出力タイミングは異なることから、「攻略打ち」が行われていることを推測することができる。
また、1回目の異常検出がなされた場合は、「警告」を行い、2回目は最終警告を行い、3回目はナビ中止とする等、段階的に「攻略打ち」を止めさせるような措置をとることとしてもよい。
また、普通図柄については既知のものとしているが、普通図柄と特別図柄に関係性を持たせてもよい。例えば、普通図柄を複数有することとし、「V当り」となった場合には、その「V当り」の契機となった第2始動口45の開放の契機となった普通図柄および第1大入賞装置54の開放における特別図柄とに基づいて次回ナビの抽選を行うこととしてもよい。
例えば、普通図柄が、普通図柄(1)および普通図柄(2)の2種類があることとし、普通図柄(1)小当り(2)−1の組合せであれば次回のナビ抽選において高確率で抽選することとし、普通図柄(2)小当り(2)−4の組合せであれば次回のナビ抽選において低確率で抽選することとすればよい。これにより、遊技者は、「V当り」に至るまでの契機にも興趣をもって遊技を行うことが可能となる。
また、「V当り」となった場合は、その契機となった第2始動口45への入賞時における入賞個数に応じてナビ抽選確率が変化することとしてもよい。さらに、この入賞個数についての報知を行ってもよい。例えば、「第2始動口45に3球以上入ってV当りすれば、次回のナビは確定である」といった内容の表示を行ってもよい。これにより、遊技者は、「V当り」に至るまでの契機にも興趣をもって遊技を行うことが可能となる。
上述の実施形態では、ナビの実行は、付与されたナビの個数に応じて行われることとしたが、これに限らず、例えば、ナビ個数が1以上であった場合でも、そのナビを使用するか否かについて時短大当りに当選した際に抽選して決定することとしてもよい。これにより、大当り中にこのような解放演出を行うため、遊技者は大当り中により興趣をもって遊技に望むことが可能となる。
本発明は封入式遊技機に適用することが可能である。封入式遊技機は遊技機内における遊技球の数が一定であり、不正防止の観点から、遊技球の数を管理している。したがって、発射された遊技球についての検出も行っており、発射球の数を管理している。そこで、本発明を封入式遊技機に適用する場合は、例えば、遊技球の発射数を基準として天井抽選を行うこととしてもよい。例えば、遊技球を1500個発射するごとに「大当り」に当選しているかを判定し、当選していない場合は天井抽選を行うこととすればよい。また、15000個発射しても「大当り」に当選しない場合は、天井抽選に100%当選することとしてもよい。このように遊技機の発射数を基準にすることで、始動口への入賞のしやすさに影響を受けることなく、一律に天井状態の付与が行わることとなる。
上記実施形態では、天井抽選が行われて当選すると、即座に「第3高確率状態」に移行することとしたが、例えば、当選してもすぐに移行せずに、当選後、特別図柄ゲームが20回行われた後に移行するようにしてもよい。そして、この20回の間に、この後天井抽選に当選することを報知するような演出(いわゆる前兆演出)を行ってもよい。これにより、遊技者は、これから移行する遊技状態等を知ることができ、期待感を持って遊技を行うことができる。また、一般的には、遊技球の保留数分しかこのような前兆演出を行えなかったが、より多くの遊技期間にわたって前兆演出を行うことができ、比較的長い時間、遊技者に期待感を持たせることが可能となる。
RAMクリアにより、終日ナビ抽選が高確率となるとしたが、上述したように、遊技機の電源を投入することにより、終日ナビ抽選が高確率となることとしてもよい。
ナビ演出の内容や、ナビ回数を付与する契機等は、上述の実施形態に限定されるわけではない。上記実施形態では「第1高確率状態」において、特図種別が特図(1)−1〜特図(1)−7の場合は全ナビすなわちナビ回数が3つ付与されるが、ナビ回数は3つに限定されず、例えば2つしか付与されないこととしてもよい。ただし、「第1高確率状態」は、「第1高確率状態」以外の遊技状態に比べてナビが付与されやすいこととすることが好ましい。
上述の実施形態では、有利な第1特別遊技はラウンド数の多い方としたが、時短遊技状態におけるセット回数をなくし、時短遊技に移行する大当りとなる場合を第1特別遊技とし、時短遊技に移行しない通常の大当りとなる場合を第2特別遊技としてもよい。そして、ナビが付与されている場合は、第1特別遊技となる小当り当選時に発射ナビをする等、遊技者にとって有利不利があれば、第1特別遊技および第2特別遊技は限定されない。
[応用例]
上記各実施形態および上記各種変形例では、遊技機としてパチンコ遊技機を例に挙げ説明したが、本発明はこれに限定されない。上述した本発明の各種技術は、他の遊技機にも適用可能であり、例えば、スロット遊技機、回胴遊技機、弾球遊技機、ゲーミングマシン、封入式遊技機等の各種遊技機に適用することもできる。また、例えば、弾球遊戯機の一種である封入式パチンコ機、アレンジボール、じゃん球等にも適用することもできる。
上述した本実施形態に記載した構成についての背景技術及び課題(その1〜その8)を記載する。
[背景技術及び課題(その1)]
パチンコ遊技機やパチスロ遊技機で遊技を楽しむ遊技者の中には、遊技者にとって有利な状態であることを期待して遊技機を選択している遊技者がいる。しかし、一般的には、遊技を行うことなく、遊技者にとって有利な状態である遊技機を見つけることは困難である。また、一般的に、ホール側としては、できれば遊技者にとって有利な状態である遊技機の数は少なくしておきたいと考える一方、遊技者が少なくなる時間帯等には、集客目的で遊技機を遊技者にとって有利な状態とすることを望んでいるホールもあり、遊技機を遊技者にとって有利な状態に設定できる遊技機が望まれている。
例えば、特開2013−22248号公報には、遊技機の電源を切った際の遊技状態をバックアップとして保存しておき、再び電源を投入した際にはその遊技状態で遊技を開始することができる遊技機が開示されている。このような遊技機において、遊技者にとって有利な遊技状態においてホールが閉店となった場合には、遊技機は遊技者にとって有利な遊技状態のままで電源が切られることとなる。次の日の開店直前にこの遊技機の電源を投入した場合には、遊技機は前日の閉店時の状態である遊技者にとって有利な遊技状態となる。このような遊技機が設置されている場合は、有利な遊技状態で閉店時間となった遊技者は、次の日の開店時からその遊技機で遊技することにより有利な遊技状態で遊技を楽しむことができる。このように、遊技者は、有利な状態である遊技機を見つけることができる可能性がある。
しかし、この遊技機では、遊技者にとって有利な遊技状態で電源を切らなければ、次回の電源投入時に遊技者にとって有利な遊技状態となることはない。遊技機の電源を切る状態すなわち閉店時以降において遊技機が遊技者にとって、有利な遊技状態となっているとは限らない。そのため、この遊技機では、ホール側の所望のタイミングで遊技者にとって有利な遊技状態を実現することは困難であった。
本発明は、上述の問題点に鑑みてなされたものであり、所望とするタイミングで遊技者にとって有利な状態を実行させることが可能な遊技機を提供することを目的とする。
[背景技術及び課題(その2)]
パチンコ遊技機において、一般的に、遊技者が発射装置により遊技媒体である遊技球を遊技領域に発射し、遊技領域に設けられた入賞口等に遊技球が入賞すると、所定の数の遊技球が払い出される。また、パチンコ遊技機には、通常は閉状態である大入賞口が所定の間、開状態となることを複数回繰り返す大当り遊技を実行するものがある。大当り遊技においては、大入賞口に入賞した遊技球に応じた数の遊技球が払い出される。ここで、大入賞口には羽根部材を有するものもあり、このような大入賞口は羽根部材を作動させて閉状態から開状態となることを繰り返して大当り遊技を実行する。
例えば、特開2013−233375号公報に開示されているように、小当り遊技中には、羽根部材が開閉領域を開放する開姿勢に姿勢変化して、開閉領域への遊技球の進入を可能とするパチンコ遊技機がある。このパチンコ遊技機において、開閉領域にはV入賞口が設けられており、小当り遊技中にV入賞口に遊技球が入賞することにより、大当り遊技状態に制御される。このパチンコ遊技機では、小当り遊技中にV入賞口に遊技球が入賞して大当り遊技状態に制御されると、今回の大当り遊技状態の契機となった特別図柄判定の結果を示す小当り図柄の種類に応じて、大当り遊技が終了した後の遊技状態が決定される。なお、遊技状態が変化することにより、例えば、大当り遊技状態への移行確率が変化することとなる。このため、結果的に遊技者が獲得できる遊技球数が変化することとなり、遊技者にとって有利となるか不利となるかが変化する場合がある。
ところで、特開2013−233375号公報に記載された遊技機では、時短遊技中は小当り遊技に当選しやすい構成であり、開閉領域が開放しやすいため、V入賞口に遊技球が入賞して大当り遊技状態に移行する可能性がある。また、時短遊技中でなくても、大当り遊技状態に移行することはあり、遊技状態が変更されることはある。上述したように遊技状態が変更することにより、結果的に遊技者が獲得できる遊技球数が変化する。このように、特開2013−233375号公報に記載された遊技機によれば、遊技状態が変化することで、結果的に遊技者が獲得できる遊技球数が一定の割合ではなく変化する。そのため、遊技が単調になることが抑制される。
上述したように、特開2013−233375号公報に記載された遊技機によれば遊技が単調になることを抑制することができる。しかし、それは、遊技者が獲得できる遊技球数に関する点だけである。遊技者が長時間にわたって遊技を継続する場合でも、飽きることなく集中して遊技を行うためには、遊技機がさらに遊技が単調になることを抑制できる構成を有していることが好ましい。このような構成を有していない場合は、長時間にわたって遊技を継続した場合は、遊技者はいずれ遊技に飽きてくることとなるとの問題があった。
本発明は、上述の問題点に鑑みてなされたものであり、遊技者が飽きることなく集中して遊技を行うことができ、遊技の興趣を向上させることができる遊技機を提供することを目的とする。
[背景技術及び課題(その3)]
パチンコ遊技機において、例えば、特開2010−273786号公報に開示されているような1種2種混合タイプと呼ばれるものが存在する。このパチンコ遊技機では、所定の始動口に遊技球が入賞したときに特別図柄抽選が実行される。そして、図柄表示器において図柄が変動表示された後に、特別図柄抽選の結果を示す図柄が停止表示される。ここで、図柄表示器に所定の大当たり図柄が停止表示された場合には、1種大当りとなって第1の特別遊技が実行される。一方、図柄表示器に所定の小当り図柄が停止表示された場合には、可変特定入賞口を閉塞する羽根部材が作動し、この間に遊技球が可変特定入賞口内に進入してVゾーンを通過すれば2種大当りとなって第2の特別遊技が実行される。
このパチンコ遊技機は、上記所定の始動口とは別に、普通電動役物が作動している間だけ開放される可変始動口を備えており、この可変始動口に遊技球が入賞した場合に実行される特別図柄抽選では相対的に高い確率で小当たりとなる。このパチンコ遊技機において、所定の通過領域を遊技球が通過することで実行される可変始動口の開閉抽選の当選確率を相対的に高くすると共に、この開閉抽選に当選した際の可変始動口の開放時間を延長する時短遊技状態で遊技が制御される場合がある。時短遊技状態では、可変特定入賞口に遊技球が入る可能性が相対的に高く、遊技球がVゾーンを通過して2種大当りとなる可能性も高い。また、Vゾーンを通過しなくても、遊技球が可変特定入賞口に入るだけでも所定の数の遊技球が払い出される。このように、時短遊技状態は遊技者にとって有利な遊技状態といえる。
上述したように、上記特開2010−273786号公報に記載された遊技機において、1種大当りおよび2種大当りだけでなく時短遊技状態も遊技者にとって有利であることから、時短遊技状態が長い期間継続することは遊技者にとって好ましいといえる。そこで、遊技者の中には、遊技球が可変特定入賞口に入ってもVゾーンを通過しないようなタイミングで遊技球の発射操作を行うものがいる。このような変則打ちにより、時短遊技状態の継続期間の終了間際まで遊技球がVゾーンを通過しないようにすることで、払い出される遊技球をより増加させることができる。
しかし、遊技者によるこのような変則打ちは、ホール側にとっては好ましいものではない。そのため、この変則打ちを禁止しているホールもあり、変則打ちを行っている遊技者を見かけた場合は注意する等の対策を講じている。しかし、この変則打ちをしていることを見つけるためには、遊技の様子をしばらく見続けておく必要があり、容易に見つけることはできない。
本発明は、上述の問題点に鑑みてなされたものであり、遊技者が変則打ちを行うことを抑制する遊技機を提供することを目的とする。
[背景技術及び課題(その4)]
パチンコ遊技機において、一般的に、遊技者が発射装置により遊技媒体である遊技球を遊技領域に発射し、遊技領域に設けられた入賞口等に遊技球が入賞すると、所定の数の遊技球が払い出される。この遊技球は換金することができるため、遊技者はより多くの遊技球が払い出されることを期待して遊技を行っている。
また、パチンコ遊技機によっては、遊技において所定の条件を満たすことにより、ポイントが加算されていくものがある。そして、このポイントを蓄積することにより、なんらかの特典が付与される。例えば、特開2014−42574号公報に開示された遊技機において、ポイントアップ条件として指定された遊技が行われることによってポイントが加算され、このポイントが「基準ポイント」数以上となることによって遊技レベルが算出され、遊技レベルの数量に応じて、音楽データ、キャラクタ画像データ等の遊技に用いられるアイテム情報のコレクションを行うために必要な抽選が行われる。
これにより、遊技者は遊技を行うことにより、遊技球を増加させる以外に、ポイントを増加させる楽しみを得ることができる。
上述したように、特開2014−42574号公報に記載された遊技機において、音楽データやキャラクタ画像データ等をコレクションできることは、確かに遊技の楽しみの一つであるといえる。しかし、このポイントは遊技球の払い出しに関連しないものであり、遊技者としてはポイントについてはやや興味が低いといえる。
本発明は、上述の問題点に鑑みてなされたものであり、遊技者が遊技において蓄積されるポイントの増加を楽しみながら多様化された遊技を行うことができ、遊技の興趣を向上させることができる遊技機を提供することを目的とする。
[背景技術及び課題(その5)]
パチンコ遊技機において、一般的に、遊技者が発射装置により遊技媒体である遊技球を遊技領域に発射し、遊技領域に設けられた入賞口等に遊技球が入賞すると、所定の数の遊技球が払い出される。また、パチンコ遊技機には、通常は閉状態である大入賞口が所定の間、開状態となることを複数回繰り返す大当り遊技を実行するものがある。大当り遊技においては、大入賞口に入賞した遊技球に対して所定の数の遊技球が払い出される。ここで、大入賞口には羽根部材を有するものもあり、このような大入賞口は羽根部材を作動させて閉状態から開状態となることを繰り返して大当り遊技を実行する。また、パチンコ遊技機には、大入賞口を閉状態から所定の間、開状態とさせる小当り遊技を実行するものもある。
ところで、近年、遊技機には、演出性を向上するため、可動役物が設けられるようになっている。このような遊技機として、特許文献1には、回転体である第1可動体と、揺動アームである第2可動体と、を備え、第2可動体に第1可動体へと動力を伝達する複数のギアを取り付け、第2可動体を単一の駆動装置で駆動させることで、第2可動体が揺動し、複数のギアにより第1可動体が回転する可動役物を備える遊技機が開示されている。
しかしながら、特開2013−146413号公報の遊技機では、各可動体にギアを複数取り付けることで、単一の駆動装置によって第1可動体と第2可動体とが連動するが、第1可動体は第2可動体の一端に設けられると共に回動し、第2可動体は他端を支点として回動する構成であるため、第1可動体の移動方向は第2可動体の回動方向によって決定されるため、第2可動体と第1可動体とが別体として認識される可能性が低下し、第1可動体と第2可動体との複数の可動部材の個々の演出効果が低下するおそれがあった。
本発明は、このような問題点を解決し、複数の可動部材を連動させた場合であっても、各可動部材の個々の演出効果を高め、遊技者の演出に対する興趣を向上させることを目的とする。
[背景技術及び課題(その6)]
パチンコ遊技機において、一般的に、遊技者が発射装置により遊技媒体である遊技球を遊技領域に発射し、遊技領域に設けられた入賞口等に遊技球が入賞すると、所定の数の遊技球が払い出される。また、パチンコ遊技機には、通常は閉状態である大入賞口が所定の間、開状態となることを複数回繰り返す大当り遊技を実行するものがある。大当り遊技においては、大入賞口に入賞した遊技球に対して所定の数の遊技球が払い出される。ここで、大入賞口には羽根部材を有するものもあり、このような大入賞口は羽根部材を作動させて閉状態から開状態となることを繰り返して大当り遊技を実行する。また、パチンコ遊技機には、大入賞口を閉状態から所定の間、開状態とさせる小当り遊技を実行するものもある。
ところで、近年、遊技機には、演出性を向上するため、可動役物が設けられるようになっている。このような遊技機として、特許文献1には、第1及び第2上桃可動部材の各々が外側に開くように回動した後、当該第1及び第2上桃可動部材を内側に閉じるように回動する桃型の可動役物装置において、第1及び第2上桃可動部材の合わせ目を構成する各々の内側部に、第1及び第2磁石部を設け、第1及び第2磁石部は、第1及び第2上桃可動部材が閉じた状態で略対向するようになっており、かかる状態にて、当該第1及び第2磁石部は互いに引き合う方向となるように配設された遊技機が開示されている。
しかしながら、特開2014−87611号公報の遊技機では、役物間の端面と端面の結合を補強するために磁石を利用する構成であるため、2つの役物間の結合は補強できても、役物が単体で動作するような構成に対しては役物の端部を何ら補強することができず、動作した後の単体の役物の状態を安定させるという観点からは他の役物に応用することが難しい構成であった。
本発明は、このような問題点を解決し、動作する役物を固定可能な構成により、役物の動作後の状態を容易に安定させることが可能な遊技機を提供することを目的とする。
[背景技術及び課題(その7)]
パチンコ遊技機において、一般的に、遊技者が発射装置により遊技媒体である遊技球を遊技盤面上の遊技領域に発射し、遊技領域に設けられた入賞口等に遊技球が入賞すると、所定の数の遊技球が払い出される。また、パチンコ遊技機には、通常は閉状態である大入賞口が所定の間、開状態となることを複数回繰り返す大当り遊技を実行するものがある。大当り遊技においては、大入賞口に入賞した遊技球に対して所定の数の遊技球が払い出される。ここで、大入賞口には羽根部材を有するものもあり、このような大入賞口は羽根部材を作動させて閉状態から開状態となることを繰り返して大当り遊技を実行する。また、パチンコ遊技機には、大入賞口を閉状態から所定の間、開状態とさせる小当り遊技を実行するものもある。
ところで、近年、可動片が遊技者から見て前後方向に駆動することで、遊技領域を上流から落下する遊技球を入賞口内部へと導く入賞装置を備えた遊技機が存在する。このような遊技機として、特許文献1には、流下する遊技球を受け入れる入賞口を有し、入賞口の前方と後方との間で前後方向に進退するよう駆動手段に接続され、駆動手段の駆動によって前方へ進出した時に遊技球を入賞口へ受け入れる球受け部材を有する入賞装置を備える遊技機が開示されている。
しかしながら、特開2011−177281号公報の遊技機では、入賞口の前方と後方との間で前後方向に進退する球受け部材が、遊技球を入賞口へ受け入れるだけであるため、球受け部材が過剰に遊技球を拾ったとしても、それらは全て入賞口内部へ案内されてしまう。このような現象が度重なれば、予期せず多大な利益を遊技者に与えてしまい、一方、遊技場は予期せず多大な損失を被り、遊技者と遊技場における利益のバランスは、遊技機の製造時点における試算から大きく逸脱してしまう。
本発明は、このような問題点を解決し、遊技者と遊技場における利益のバランスを正確に管理することが可能な入賞装置を備える遊技機を提供することを目的とする。
[背景技術及び課題(その8)]
パチンコ遊技機において、一般的に、遊技者が発射装置により遊技媒体である遊技球を遊技領域に発射し、遊技領域に設けられた入賞口等に遊技球が入賞すると、所定の数の遊技球が払い出される。また、パチンコ遊技機には、通常は閉状態である大入賞口が所定の間、開状態となることを複数回繰り返す大当り遊技を実行するものがある。大当り遊技においては、大入賞口に入賞した遊技球に対して所定の数の遊技球が払い出される。ここで、大入賞口には羽根部材を有するものもあり、このような大入賞口は羽根部材を作動させて閉状態から開状態となることを繰り返して大当り遊技を実行する。また、パチンコ遊技機には、大入賞口を閉状態から所定の間、開状態とさせる小当り遊技を実行するものもある。
ところで、近年、複数の可動役物が、所定のタイミングで待機位置から駆動し、駆動後は表示画面前で互いに接することなく一つの意匠を形成する遊技機がある。このような遊技機として、特許文献1には、第1可動軸を介して揺動可能に軸支された第1可動体と、第2可動軸を介して揺動可能に軸支された第2可動体と、第1可動体と第2可動体とを連動させる連動手段と、連動手段を駆動することにより、第1可動体を第1位置と第2位置との間で揺動させるとともに第2可動体を第3位置と第4位置との間で揺動させる駆動手段と、を備え、駆動手段が、第1可動体を第1位置から第2位置、第2可動体を第3位置から第4位置に向けて揺動させる方向に連動手段を駆動したときには、演出表示装置の表示画面の前方において、第1可動体は上向きに揺動するとともに第2可動体は下向きに揺動する遊技機が開示されている。
しかしながら、特開2014−46038号公報の遊技機では、複数の可動役物が駆動後に接することが不可能な構造であるため、互いの隙間を表示画面に表示された映像で補うことで、一つの意匠を形成している。そのため、このような遊技機は、複数の可動役物により一つの意匠を形成する場所を、例えば、表示画面の前方に限定する必要があった。
また、このような複数の可動役物のみで一つの意匠を形成させる場合、複数の可動役物を待機位置から駆動を始めた勢いをそのままに、一つの意匠を形成する場所まで駆動させ、複数の可動役物を互いに接触させると、その衝撃により可動役物が破損するおそれがある。
本発明は、このような問題を解決するため、可動役物を駆動させ、他の部材に当接させる場合に、可動役物の破損を回避しつつ、可動役物による演出効果を向上することが可能な遊技機を提供することを目的とする。