以下、この発明にかかる遊技機(スロットマシン)の実施形態について詳細に説明する。なお、図1はスロットマシンの分解斜視図、図2は扉形前面部材を省略した状態を示すスロットマシンの分解斜視図、図3はスロットマシンの斜視図、図4は扉形前面部材を省略した状態を示すスロットマシンの縦断面図、図5は図4のZ1部拡大図、図6はコネクタホルダーを移動させた状態を示す図4のZ1部拡大図、図7は扉形前面部材を省略した状態を示すスロットマシンの横断面図、図8(a)は図7のZ2部拡大図、図8(b)はコネクタホルダーを移動させた状態を示す図7のZ2部拡大図、図9は図8(a)の要部を示す拡大図、図10は背板側を示すスロットマシン要部の横断面図、図11はケース部材の分解斜視図、図12はケース部材を後ろから見た斜視図、図13(a)、(b)はコネクタホルダーの仮止め状態を説明するケース部材の要部の斜視図、図14は配線中継部材の分解斜視図、図15は配線中継部材のカバー体を省略した正面図、図16及び図17はコネクタホルダーの分解斜視図、図18はケース部材を止めるストッパーの斜視図、図19は他の形態を示すストッパーの斜視図、図20、図21はケース部材のガイド構造を示す要部の断面図、図22は把手の他の形態を示す図柄変動表示装置の部分斜視図、図23はケース部材と外本体側のストッパーとの関係を示す要部の斜視図、図24は配線窓と図柄変動表示装置のリールとの関係を示す要部の断面図、図25はスロットマシン上部の縦断面図、図26はメダル放出装置を省略してスロットマシンの下半部を示す斜視図、図27は図26の分解斜視図、図28はスロットマシンの裏側から放熱口を見た背面図、図29は電源装置を示すスロットマシンの一部断面部分正面図、図30は電源装置を下から見上げた状態を示す斜視図、図31は他の形態を示すもので外本体の側板と電源装置の要部断面図、図32は他の形態を示す照明装置の概略断面図、図33は透明板と発光ユニットを分解して示す扉形前面部材の斜視図、図34は透明板を分解して示す扉形前面部材の斜視図、図35は透明板を装着した扉形前面部材の図33A−A線相当断面図、図36はヒンジ金具の分解・組み立て斜視図、図37はヒンジ金具の連鎖を示す線図、図38は扉形前面部材を示す要部の横断平面図、図39は開く途中の扉形前面部材を示す要部の横断平面図、図40は扉形前面部材の上半部を示す裏側から見た斜視図、図41は連結具を縦方向に切断した断面斜視図、図42は他のヒンジ金具の例を示す扉形前面部材の要部横断平面図、図43は図42の扉形前面部材の開く途中を示す要部の横断平面図、図44は機種ユニットにおいて前面開閉部材を開いた状態を示す斜視図、図45は連結具を連結したまま扉形前面部材を開いた状態を示す斜視図である。図46はリール帯の図柄列を平面的に展開した展開図である。図47は図柄表示窓401部分の拡大図である。図48はスロットマシンに装備されている各種の機構要素や電子機器類、操作部材等の構成を概略的に示す概略図である。図49は各当選役と対応する図柄の組み合わせ態様及びその遊技特典を示す対応表である。
本発明のスロットマシン1は、図1及び図2に示すように、前面が開口する箱形の外本体100と、該外本体100の前面に回転軸100aをもって横開きの扉状に回動可能に取り付けた扉形前面部材200と、複数の図柄を駆動手段で変動させる図柄変動表示装置300と、前記外本体100に対し着脱自在であって前面に開口部401を有するケース部材400と、任意の画像を表示する画像表示体500と、を有する。
[外本体]
外本体100は、図1〜図4に示したように底板101の左右に側板102、102を取着すると共に該側板102、102の頂部に天板103を設置して正面視縦長「口」字形の枠状となし、その枠の背に背板104を固着して前面のみ開口する箱形に形成してなる。前記左右の側板102、102は前縁が後傾状態に僅かに傾斜する台形になっており、従って外本体100の開口は後傾状態の傾きを有する。また、前記天板103には、遊技機設置島(図示せず)に設置した状態で該遊技機設置島の上桟600(図25想像線参照)と対向する領域内に複数(実施形態では4個)の貫通孔132が穿設されている。
[外本体−仕切板]
外本体100内には高さのほぼ中央に棚板状の仕切板105が設けられている。該仕切板105は金属製であって、図1、図2に示したように中央に突段部106を有する正面視略凸形であり、両端に形成した垂直な取付片107を外本体100の側板102、102内面に固着し、また、後端に形成した垂直な取付片108を外本体100の背板104内面に固着して取り付けられる。なお、仕切板105の後端の取付片108にはバーリング加工(下孔の孔径をポンチで広げながら短筒状の突起を立ち上げる金属加工)による筒状突起(図示せず)が形成されており、該筒状突起を外本体100の背板104にプレ加工した小孔(図示せず)に打ち込んで位置決めされる。また、仕切板105の両横の最奥部には外本体100の背板104との間に配線用の開口109が形成されている。
[外本体−仕切板−下スペース]
外本体100内の前記仕切板105より下のスペースには、遊技媒体たるメダルを前記扉形前面部材200の前面下部にあるメダル用受皿201に放出するメダル放出装置110と、メダル放出装置110からオーバーフローするメダルを貯めるメダル用補助収納箱111と、電源装置112等が設けられている。
[外本体−仕切板−下スペース−メダル放出装置]
前記メダル放出装置110は、駆動手段を内蔵した装置本体110aにメダル貯留用のホッパ110bを取り付けたものであり、装置本体110aの前面にメダルの放出口110cが設けられていて、ホッパ110b内にあるメダルが前記駆動手段の作動により放出口110cに向けて1枚ずつ送り出される。また、ホッパ110bには溢れたメダルを排出させるオーバーフロー樋110dが設けてあり、そのオーバーフロー樋110dの突端下方に前記したメダル用補助収納箱111が臨む。なお、メダル放出装置110のメダル放出機構は、現在公知のどのようなものを採用してもよく、よって詳細な説明を省略する。
[外本体−仕切板−下スペース−電源装置]
前記電源装置112は、図26〜図30に示したように、外本体100の底板101と、正面向かって左側の側板102と、背板104の三部材が直交する内側コーナー部分に取り付けられている。電源装置112は、前記メダル放出装置110等の電気部品に電気を供給するためのものであって発熱しやすい部品であり、従って外本体100の背板104には電源装置112の取付部位に放熱口104aが開設されている。
電源装置112の装置ケース112aは、透明な合成樹脂で形成されている。こうすることにより装置ケース112aの内部が見えるから、電源装置112の基板112s(図30参照)等に対する不正工作の発見が容易になる。装置ケース112aは、上面をカバーする上面板112bと、外本体100の背板104に対向する後面板112cと、該後面板112cの反対側をカバーする正面板112dと、スロットマシン1の内部に向かう側をカバーする側面板112eと、上面板112bと側面板112eの境界部分を面取り形態にカバーする斜面板112fと、底部をカバーする底面板112r(図30参照)で形成されている。一方、装置ケース112aの、外本体100の側板102に対向する側の面はカバーされておらず開放状態にあるが、この開放面は外本体100に取り付けた状態で外本体100の側板102によって塞がれる。
なお、外本体100の側板102には図26、図27に示したように凸面部102aを設けて段状のガード部102bを形成し、該ガード部102bの下に装置ケース112aの上面板112bの一側を潜り込ませる仕様になっている。これにより装置ケース112aの一面をカバーしなくてもガード部102bによって装置ケース112aと側板102の継ぎ目が塞がれるから異物の差込みが行えない。図31は前記ガード部102bを溝状にした他の実施形態を示すものであり、この例では装置ケース112の上面板112bの縁を側板102側に若干突出させてその先をガード部102bの溝に嵌め込むようになっている。
このように電源装置112の装置ケース112aにおいて、外本体100の側板102に当接する側の面をカバー無しの開放構造にして使用時に前記側板102で塞がるようにした場合は、装置ケース112a内への基板112s等の組み込みが開放面を使って行い易く、また、装置ケース112aに基板112s等を組み込んだ後の開放面へのカバー付けが不要であるから作業性が向上する。
前記装置ケース112aの上面板112b、側面板112e、斜面板112f、後面板112c、底面板112rには多数の通気孔112g、112g…が形成されていて内部に熱がこもらないようになっている。装置ケース112aは、底部に設けた脚部112h、112h…によって高床式に持ち上げられており、装置ケース112aの底面板112rと外本体100の底板101の間に通気空間112iが形成されている。従って、通気空間112iから底面板112rの通気孔112g、112g…を通って低層の比較的冷たい空気が装置ケース112a内に導入できる。実施形態の通気空間112iは、外本体100の前記放熱口104aに連通するようになっているため、機裏の冷たい空気を通気空間112iに導入することができる。なお、装置ケース112aの後面板112cと底面板112rの境界部に前記通気空間112iを嵩上げする逆L字形の段部112j(図30参照)を形成すれば、脚部112hの高さと放熱口104aの高さにズレがあっても通気空間112iを放熱口104aに連通させることができる。
[外本体−仕切板−下スペース−電源装置−固定]
電源装置112は、装置ケース112aの正面板112dの一側辺に対して直角である取付片112kと、装置ケース112aの後面板112cから外本体100の背板104に向けて突設した突部112mと、外本体100の背板104に開設した放熱口104aと、の組合せにより外本体100に固定される。
すなわち、放熱口104aの輪郭は装置ケース112aの後面板112cの輪郭より小さく形成されており、従って電源装置112は外本体100の背板104に当たって放熱口104aを通らない。また、装置ケース112aの後面板112cに突設した突部112mは、前記放熱口104aに内接する位置にあり、電源装置112の浮き上がり動作に抗すべく放熱口104aの上辺に内接する水平な突片112m−1と、電源装置112の横転動作に抗すべく放熱口104aの縦辺に内接する垂直な突片112m−2で構成される。従って、電源装置112を外本体100の側板102の内面に沿わせて押し込み、放熱口104aに突部112mを差し込むだけで、装置ケース112aの後面(奥側)の上方向(浮き上がり)と図26において右方向(横転)への固定が完了する。もちろん電源装置112は、下方向に対しては外本体100の底板101によって、また、図26において左方向に対しては外本体100の側板102によってその動きが規制されるため、放熱口104aに突部112mを嵌め込むだけの単純な操作で、手前に引っ張る方向以外について電源装置112の動きが完全に規制できる。
一方、正面板112dに突設した取付片112kにはビス用の透孔112pが複数穿設されており、該透孔112pの少なくとも1個に木ねじ112qを通して外本体100の側板102に固定する。これにより手前に引っ張る方向についても電源装置112の動きが規制されるため、1本の木ねじ112qで外本体100への電源装置112の確実な固定が可能である。
[外本体−仕切板−下スペース−電源装置−電源コード]
電源装置112には外部から電気の供給を受けるための電源コード(図示せず)が接続されている。そして、従来は前記放熱口104aの横に膨出部を設けてそこから前記電源コードを引き出すようにしていたが、この位置では電源コードを束ねても地面にすれる危険性が高い。スロットマシン1は、製造途中で電源を投入する場合があり、そのときに備えて外本体100の外に電源コードを出しておかなければならないから、製造ライン上での移動の際やライン間での移動の際に電源コードが地面にすれたり、スロットマシン1の底板101の下に入って挟まるおそれがある。
これに対し実施形態の放熱口104aは、その上辺から上に向けてコード引出口104bを拡張し、そこから電源コードを引き出すようにしている。これにより束ねた電源コードを宙づり状態にぶら下げるに十分な高さが確保できる。よってスロットマシン1を製造する工程で誤って電源コードを傷めてしまうトラブルが激減する。
以上のように上述した実施形態のスロットマシン1は、電源装置112を外本体100の内側コーナー部分にセットして1本の木ねじ112qをねじ込むだけで取り付けが完了するため、電源装置112の取付作業の大幅な省力化が可能である。また、上述した実施形態のスロットマシン1では、1つの面に対してネジ止めすれば固定が完了するので、特に、固定する部位を電源装置112の前方(手前)に持ってきた場合は視認しやすく、確実に固定できる。
また、放熱口104aは、電源装置112の冷却手段として必要なものであるから、この放熱口104aを電源装置112の固定に利用しても余分な工程やコストは殆ど発生しない。却って、固定のために放熱口104aの位置と電源装置112の位置を一致させることになるから冷却効率が向上する。加えて、装置ケース112aを実施形態のごとく合成樹脂製にした場合には、取付用の突部112mも一体成形できるため殆どコストが掛からない。よって電源装置112の取り付けに要するトータルのコストを削減できる。
さらにまた、装置ケース112aを合成樹脂製にした場合には、電源装置112の発熱対策として有用な装置ケース112aの脚部112hや段部112jも殆どコストを掛けずに実施できるメリットがある。
[外本体−仕切板−上スペース]
一方、外本体100内の仕切板105より上のスペースには前記ケース部材400が納められ、また、外本体100の背板104の内面には後述する配線手段の中核となる配線中継部材113が取り付けられ(図1、図2参照)、さらに背板104には配線中継部材113より上方に放熱用の通気口133が形成されている。
[扉形前面部材]
図3に扉形前面部材200の表側が、また、図1に扉形前面部材200の裏側が示されている。扉形前面部材200は、表側の下方にメダル用受皿201を有し、また、表側のほぼ中央に操作部202が設けられている。この操作部202には、メダル投入用の投入口203と、後述するメイン基板409のメモリーにデータとして蓄えられているメダルから1枚のみの投入(引き落と)を指示する1枚投入ボタン205と、同じく1回のゲームで使用可能な最高枚数(例えば3枚)の投入を指示するMAX投入ボタン206と、後述するメダルセレクタ207の中に詰まったメダルをメダル用受皿201に戻すためのメダル返却ボタン208と、メイン基板409のメモリーにデータとして蓄えられているメダルの貯留解除命令(精算による放出命令)を入力するための貯留解除スイッチ209と、前記図柄変動表示装置300を作動させる始動レバー210と、図柄変動表示装置300の各リール301a、301b、301cを停止させる3個のリール停止ボタン211a、211b、211c等が設けられている。もちろんここに示した操作部202の構成は1つの例示であり、これらに限定されるものではない。
3個のリール停止ボタン211a、211b、211cは、これらの各ボタンが複数のリール301a、301b、301cのそれぞれに1対1で対応して配置されている。より詳しくは、開口窓401のうち、左リール301aに付された図柄を視認できる領域の真下には左リール停止ボタン211aが配置され、中リール301bに付された図柄を視認できる領域の真下には中リール停止ボタン211bが配置され、右リール301cに付された図柄を視認できる領域の真下には右リール停止ボタン211cが配置されている。そして、左リール停止ボタン211aを操作すると回動状態にある左リール301aを停止させることができ、中リール停止ボタン211bを操作すると回動状態にある中リール301bを停止させることができ、右リール停止ボタン211cを操作すると回動状態にある右リール301cを停止させることができる。このようにして、各リール停止ボタン211a、211b、211cが操作されると、操作されたリール停止ボタンに1対1で対応するリール(リール301a、301b、301cのいずれか)が回動状態にあるときにこれを停止させるリール停止機能が作用する。このようにして、各リール停止ボタン211a、211b、211cを操作することによって、回動状態にある複数のリール301a、301b、301cを個別に停止させることができる。
さらに、始動レバー210は、開口窓401の左下方に配置されている。そして、この始動レバー210の右側に、3個のリール停止ボタン211a、211b、211cが、左右方向に並べて配置されている。
1個の始動レバー210および3個のリール停止ボタン211a、211b、211cを、上記のように左右方向に並べて配置することで、始動レバー210が操作されたのちに3個のリール301a、301b、301cを停止させる各リール停止ボタン211a、211b、211cの操作を行い、開口窓401に表示された図柄組合せに基づいて特典が付与されるといった図柄ゲームを、一連の流暢な流れで、進行させることが可能となる。これにより、遊技者は、リズムよく図柄ゲームを進行させることができ、良好な操作性を担保することが可能となる。なお、本発明の実施形態のスロットマシン1では、さらに、上記のメダル投入用の投入口203および上記のMAX投入ボタン206が始動レバー210の直上に配置されているので、賭け数の設定をも含めて、良好な操作性を担保することが可能となる。このとき、1枚投入ボタン205についても始動レバー210の直上に配置されていることが好ましい。
また、前記投入口203の裏側にはメダルセレクタ207が設けられており、そのメダルセレクタ207の横にメダル樋212が、また、下に返却樋213が接続している。メダルセレクタ207は内蔵したソレノイド(図示せず)をON・OFFさせることによって流路を切り替える公知のものであり、遊技者からのメダルの投入を待つ遊技状態のときには流路をメダル樋212側に、また、規定枚数を超えたメダルの投入など、メダルの投入を拒否する遊技状態のときには流路を返却樋213側に設定する。前記メダル樋212は、扉形前面部材200が外本体100の前面に被さる閉じ位置にあるときその突端がメダル放出装置110のホッパ110b内に臨むようになっており、投入口203からメダルセレクタ207を通ってメダル樋212に流れたメダルはホッパ110bに行き着く。一方、前記返却樋213は表側のメダル用受皿201に繋がっており、投入口203からメダルセレクタ207を通って返却樋213に流れたメダルはメダル用受皿201に戻る。
[扉形前面部材−透視窓]
扉形前面部材200は、外本体100の前面全体をカバーする大きさであって、その上半部は、図33、図34に示したように、透明板214aで覆ったゲーム用の透視窓214になっている。実施形態の透視窓214並びに透明板214aは、前記画像表示体500と図柄変動表示装置300が上下に並んで見えるよう通常より大きくなっており、扉形前面部材200と一体の額フレーム216によって画像表示体500と図柄変動表示装置300の領域が視覚上、上下に区画されている。このように一枚の透明板214aを、画像表示体500と図柄変動表示装置300の双方をカバーする大きさに設定しておけば、画像表示体500と図柄変動表示装置300の配置が上下入れ替わっても、そのまま使用することができる。
[扉形前面部材−透視窓−透明板]
透明板214aは、透明な合成樹脂(例えば耐衝撃性、耐擦傷性、光学特性に優れたゴム入りのメタクリル樹脂、実施形態では三菱レイヨン株式会社製「アクリペット(登録商標)IR D30」を使用)をほぼ逆さ台形にした上広がりの形態であって、底辺を除く三辺(左右側辺と上辺)の周縁に、遊技者と向かい合う側を前面としてその前面側に膨出する縁部材214b、214b、214bを、樹脂成型用型枠を用いての樹脂成型時に一体成型してなる。このように平らな板状の透明板214aの周縁に縁部材214bを一体に成型した場合には、縁部材214bが補強バーになって透明板214a全体の強度を高めるため、透明板214aが上記のように画像表示体500と図柄変動表示装置300の双方をカバーする程度に大きくても撓みや歪みが生じにくい。
前記縁部材214bは、図35に示したように、後面側に開口する殻構造(中実でなく、内部に空間がある殻のような構造であり、各部の肉厚は任意である。)になっており、その内部空間に発光ユニット217と、必要に応じて例えば表面に模様や文字を施した装飾部材(図示せず)が組み込まれる。
なお、図34では、発光ユニット217が扉形前面部材200に取り付けられているように描かれているが、実際の発光ユニット217は、図35に示したように縁部材214bの中に嵌め込まれている。従って、透明板214aと発光ユニット217は、一体の部品として取り扱われる。
縁部材214bの形状は図示したものに限定されず、発光ユニット217や装飾部材のデザインに合わせて任意に変更可能である。また、縁部材214bを設ける部位も実施形態のように透明板214aの周縁の三辺に限定されず、最低限、何れかの一辺に設けるだけでもよい。
その他、図33、図34において符号218は、透明板214aの上の左右コーナー部分に設けた固定部材であって、透明板214aの裏側から透孔214c(図33拡大図参照)に通したビス(図示せず)により、縁部材214bと縁部材214bの間に嵌った図34の状態で止められている。該固定部材218は、外見上コーナー飾りとしての役割を果たす一方、扉形前面部材200と透明板214aの夫々の上のコーナー部分に設けた通孔200a、214d(図33拡大図参照)に対し扉形前面部材200の裏側から通したビス(図示せず)に螺合し、もって透明板214aを扉形前面部材200に固定するナット的な役割を果たす。
また、図33〜図35において、符号217aは発光ユニット217の発光体、217bは発光体217aを支持する反射部材である。左右に位置する発光ユニット217の反射部材217bは、図35に示したように、棒状の発光体217aの光をスロットマシン1の周囲に向けて多く反射するように角度が設定されている。なお、透明板214aの縁部材214bの内部に発光ユニット217を組み込んだ形態は、発光体217aをスロットマシン1の、より手前側に配置することができるから、あたかも岬の突端にある灯台のごとく、光を周囲に向けて放射させる場合に有利である。また、上に位置する発光ユニット217の反射部材217bは、発光体217a(光源217a−1と導光板217a−2の組合せ)の光をスロットマシン1の上方に向けて多く反射するように設定されている。
以上の構成である発光ユニット217は、遊技中、特に大当たりが出た場合などに点灯して大当たりの発生を周囲にアピールする演出を行うことができる。このように周囲に対しアピール度の高い演出を行うことによって、大当りを得た遊技者に注目させることができ、多くの者の視線が遊技者に優越感を抱かせるから、遊技がさらに盛り上がる。また、大当たりが出ていることを周囲にアピールすることにより、その機種の人気が高まり、稼働率が向上することも期待される。
実施形態の透明板214aは以上のような構成であって、扉形前面部材200の裏側に設けた凹溝219(図34拡大図参照)に対し、板状の底辺を扉形前面部材200の前面から斜めに差し入れて建具式に嵌め込み、その状態で透明板214aを直立させて扉形前面部材200の前面に全ての縁部材214b、214b、214bを当接させ、さらに扉形前面部材200の裏から通したビス603(図1参照)によって固定する。図35は、このときの扉形前面部材200の要部を切断したものであり、この図35から明らかなように、もし仮に、遊技者が扉形前面部材200と縁部材214bの境から異物を無理矢理差し込んだとしても、その異物の先が縁部材214bの内部を横断して透明板214aの裏側に到達する余地は殆どない。従って、優れた防犯効果を発揮する。
[扉形前面部材−錠装置]
扉形前面部材200の自由端側の一側には専用キー(図示せず)を使って開閉操作する錠装置215が設けてある。
[図柄変動表示装置]
図柄変動表示装置300はリール回動式表示装置であって、モータ等の駆動手段303で個別に回動(以下、「回転」と称することもある)可能な例えば3個のリール301a、301b、301cと、該リール301a、301b、301cを組込み・収容する装置ケース302とを有し、リール301a、301b、301cの周面に描いた複数の図柄(図示せず)の組合せで遊技を行う周知のものである。
前記装置ケース302は、あたかも横倒しにした八角柱から正面(遊技者)に向かう3面を除いた変形六角柱形態であって、底部板304と、天部板305と、図11において向かって右側の右側板306と、同じく左側の左側板307と、後面を覆う垂直な後部板308と、天部板305と後部板308の間に設けた上斜板309と、底部板304と後部板308の間に設けた下斜板310で囲った箱形であり、前記リール301a、301b、301cの円弧の一部が装置ケース302の正面からはみ出す状態になっている。
また、装置ケース302の天部板305には指掛可能な使用状態と、天部板305に伏した不使用状態とに変化可能な把手311が設けられており、該把手311に指を掛けて持ち運ぶようになっている。
このように装置ケース302の天部板305に上記のごとく変化可能な把手311を設ける構成は、ケース部材400の強度アップ策と密接に関連する。すなわち、実施形態では後述するようにケース部材400の開口部401に補強桟402を設け、もってケース部材400の開口部401に画像表示体500を片持ちさせるに十分な強度を付与しているが、そのような補強桟402は開口部401を横切るから装置ケース302のケース部材400への出し入れに対し、明らかに障害となる。これに対し実施形態のように把手311を変化可能にして天部板305に伏させておけば、把手311の出っ張りがなくなるから、装置ケース302が補強桟402の下を難なく通過できるのである。従って、装置ケース302の天部板305に上記のように変化可能な把手311を設けてこそ、ケース部材400の開口部401に該開口部401を横切る向きの補強桟402を設けることが可能になる。
なお、実施形態の把手311は、立てた使用状態と伏した不使用状態とに揺動して変化させる構造としたが、把手311を使用状態と不使用状態とに変化させ得る構造は、実施形態に限定されない。例えば図22に示したように、天部板305に2つのベルト通し314、314を切り起こし、該ベルト通し314、314に例えば合成樹脂や革製であって両端に抜け止め部315、315を設けてなる帯状の把手311を挿通し、図22の伏した不使用状態から中央を引き上げて指掛可能な使用状態に変化させる構造にするなど、指掛可能な使用状態と、天板部305に伏した不使用状態とに変化可能であれば、どのような構造であってもよい。
また、実施形態の装置ケース302の底部板304には図4、図11に示したようにフランジ状の下把手316が突設されており、該下把手316をつかんで装置ケース302を押し込み又は引っ張ることにより、ケース部材400への出し入れが行い易くなっている。
[ケース部材]
ケース部材400は、前記外本体100の仕切板105から上のスペースにほぼ合致する大きさであって、底板403と、該底板403の左右両横に立設した側板404、404と、底板403の後縁に立設した後面板405と、該後面板405と前記側板404、404の上面を覆う天板406とからなり、前面に開口部401を有する箱形である。
該ケース部材400は、底板403が金属製で、側板404、404、後面板405、天板406が合成樹脂製であり、側板404、404と天板406の開口部401内面に金属製の補強部材407、407、407が設けられ、さらに側板404、404の補強部材407、407の間に開口部401を横切る金属製の補強桟402が掛け渡されている。そして、この補強桟402を境にそれより下が前記図柄変動表示装置300の設置領域として、また、補強桟402より上の開口部401が前記画像表示体500の設置領域として、さらにまた、画像表示体500より後方のケース部材400で囲われた領域が配線作業空間408として割り当てられ、その配線作業空間408の後面板405の内壁面に、主たる制御基板であるメイン基板409が装着され、さらにメイン基板409以外の制御基板等(例えば演出制御基板510(図44参))も配線作業空間408内に装着されている。
ケース部材400の天板406には、図1に示したように天窓部443、443が形成されている。この天窓部443、443は、天板406の強度を保つための補強帯444を挟んで2つに分けられており、その夫々が前記外本体100の貫通孔132、132…を通る軸線との交点を含む領域にあり、該貫通孔132、132…より十分に広く開口している。もっとも天窓部443の前側の周縁は前側に位置する貫通孔132の近くに寄せられている。そうすることにより天窓部443の周縁を基準として手探りで貫通孔132が見つけ出せるから、たとえ天窓部443の中を作業者が覗き込めなくとも貫通孔132の位置が素早く簡単に割り出せる。ここで、天窓部443が本発明の開口部としても機能している。つまり、ケース部材400の上面に開口部として複数の天窓部443を備えることにより、軽量化を図ることができ、輸送時や交換時における作業者の負担を一層軽減することが可能になる。
ケース部材400の後面板405の外面には図2、図5、図6、図12に示したように複数のボス410、410が突設されており、該ボス410を外本体100の背板104にプレ加工したボス孔114、114に嵌めて位置決めされる。なお、このボス410、410は、図2、図5に示したように後述する配線窓411近くに設けられており、一方、外本体100側のボス孔114、114は前記配線中継部材113近くに設けられており、これによりケース部材400の配線窓411と背板104の配線中継部材113の位置決めが正確になる。
一方、ケース部材400の底板403の底面には、図2に示したように凹段部412が形成されており、該凹段部412が前記仕切板105の突段部106に嵌まり合う。凹段部412の後面板405側の端部には後方に向かって拡大する向きのテーパ部413が設けてあり、該テーパ部413に案内され仕切板105の突段部106とケース部材400の凹段部412との嵌め合わせが円滑に行える。このようにケース部材400の凹段部412と仕切板105の突段部106の嵌め合いによってケース部材400が仕切板105の奥に真っ直ぐに案内されるが、例えば図20に示したように仕切板105に凹溝形態のレール部材115を敷設又は一体にプレス成形し、一方、ケース部材400の底板403に車輪414を設置し、該車輪414をレール部材115の溝内で転がらせるようにしてもよい。或は、図21に示したように仕切板105に凸形態のレール部材116を敷設又は一体にプレス成形し、一方、ケース部材400の前記車輪414の両端に鍔415、415を形成し、該車輪414の鍔415、415でレール部材116を挟ませるようにしてもよい。
また、ケース部材400は、仕切板105上の所定の位置にセットした状態で、図1、図2、図18、図23に示した揺動レバー形態のストッパー117、117、117で止められている。このストッパー117は、図1、図2に示したように仕切板105の前端部と、天板103に垂設した2つの取付具118、118とに軸着されており、図18実線のようにケース部材400の一部に係合する作動姿勢と、図18想像線のようにケース部材400に係合しない非作動姿勢とを手動で切り替えてケース部材400の仕切板105上における前方向の動きを規制する。なお、ストッパー117を図19に示したように鍵形にしてケース部材400に設けた引掛部416に係合させるようにすれば、ケース部材400の仕切板105上における上方向の動きも規制することができる。
また、天板103の取付具118に軸着したストッパー117は、図23に示したようにケース部材400の側板404と天板406のコーナー部に貫設した係止孔442に臨む位置にあり、ケース部材400を所定の位置に押し込んだ状態でケース部材400の内側から作動姿勢と非作動姿勢の切り替えが行えるようになっている。
また、ケース部材400の後面板405には外本体100の背板104側に貫通する長孔形態の配線窓411が開設されている。該配線窓411は、図4、図5、図24に示したようにケース部材400に設置した図柄変動表示装置300の装置ケース302の上斜板309に対応し且つ前記メイン基板409の下側の位置にあり、上斜板309の上にある横長の空きスペース417(或は上斜板309とメイン基板409の間に形成される横長の三角スペース417と観念してもよい。)と背板104を結ぶ開口として機能する。
また、ケース部材400には図5、図12に示したように空きスペース417の高さのほぼ中間位置に棚板状の仮止め部材418(以下「仮止め棚」ともいう。)が設けられており、また、後面板405の外側であって配線窓411の両横にケース部材400の左右側面に抜ける配線通路たる凹み419、419が形成されている。
なお、前記配線窓411の配置を、図柄変動表示装置300のリール301a、301b、301cを基準に特定するならば、配線窓411は、図24に示したように図柄変動表示装置300のリール301a、301b、301cの回転中心を通る水平面HLと、リール301a、301b、301cの最高高さ位置を通る水平面HHとの間の範囲を下限とする状態、つまりその範囲内に下辺を置く高さに配置したものである、と言い換えることもできる。
[画像表示体]
画像表示体500は、例えば、少なくとも液晶ディスプレイ(他にもプラズマディスプレイや有機ELディスプレイ等でもよい。)で構成される画像表示可能なパネル形のユニットであり、ケース部材400の前面開口を開閉可能に閉鎖する前面開閉部材90(図44参照)としても機能している。
本発明の実施形態では、特に、画像表示体500において、図柄表示窓401に図柄停止結果が表示され、遊技者にゲーム結果が示された後に、後述する誘発演出、有利度合い示唆演出又は期待度演出の実行を開始する。詳細は後述する。
なお、画像表示体500は、図11においてケース部材400の左側の側板404に設けた補強部材407にヒンジ金具420を取り付けて(取付位置は図11斜線部参照)、該ヒンジ金具420により回動自在に支持されている。
また、図44に示すように、画像表示体500の裏面側には、演出制御基板510が組付けられている。このため、液晶ディスプレイ等の画像表示体500と演出制御基板510とを一体的に構成することが可能になり、取扱いが容易になるとともに、両者を繋ぐ配線が省略でき、ケース部材400内における配線作業空間408の煩雑さを抑制できる。また、画像表示体500が開かれると、演出制御基板510がケース部材400内から飛び出すように出現するため、演出制御基板510に対する作業性を著しく向上させることができる。
[画像表示体−ヒンジ金具]
図36は、ヒンジ金具420の分解・組み立て斜視図である。なお、ヒンジ金具420は、上下が対称な構造であるため、主として上部について説明する。ヒンジ金具420は、前記ケース部材400の補強部材407に取り付く固定部材420aと、画像表示体500の裏側(図36の破線領域500s参照)に取り付く回動部材420bと、該回動部材420bと固定部材420aを連結する短リンク420c及び長リンク420dで構成される。
ヒンジ金具420の固定部材420aは、棚板形態である横向きの固定片420eを有し、該固定片420eの上面に長リンク420dの一端をピンP1で、また、固定片420eの下面に短リンク420cの一端をピンP2で回動自在に軸着する。一方、ヒンジ金具420の回動部材420bは、棚板形態である横向きの軸承片420fを有し、該軸承片420fの上面に長リンク420dの一端をピンP3で、また、軸承片420fの下面に短リンク420cの一端をピンP4で回動自在に軸着する。
こうして固定片420eと軸承片420fと長リンク420dと短リンク420c及びピンP1〜P4は、図37の線図に示したように四節回転連鎖を構成し、その連鎖の中でも特に、最短リンクである軸承片420fに向かい合う固定片420eを固定リンクとする、いわゆる両てこ機構を構成する。この両てこ機構は、図37(a)〜(c)に示したように、画像表示体500の回動軌道を、扉形前面部材200の回転軸100aを中心とする回動軌道に近似させるべく、それぞれのピン位置が設定されている。つまり、ヒンジ金具420が回転中心移動機構として機能しており、扉形前面部材200の回動位置が変化しても、扉形前面部材200の回動外縁側と画像表示体500の回動外縁側との距離が略一定になるようにしている。
なお、長リンク420dと短リンク420cは、画像表示体500がほぼ90度回動した(開いた)状態で上下に重なり合うように重合領域420g、420hが設定されており(例えば長リンク420dの重合領域420gを三角形に膨出させて短リンク420cの重合領域420hに重なるようにする。)、その重合領域420g、420hの夫々にピン孔420i、420jが形成されている。このピン孔420i、420jは、両者を同軸上に揃えて棒状の止めピン(図示せず)を差し込むことにより長リンク420dと短リンク420cを連結し、もって両てこ機構をロックして画像表示体500を開いた位置に固定するためのものである。
[画像表示体−ロック片]
図11、図12に示したように、ケース部材400の縦の補強部材407のうち前記ヒンジ金具420を設けた補強部材407の反対側の補強部材407(図11において向かって右側)にはロック片421が軸着されており、該ロック片421を図11の状態から時計回りに回動させるとその先端が画像表示体500の裏側に突設した受部508に係合し、この状態で画像表示体500がケース部材400の開口部401の上部を閉じた位置にロックされる。一方、前記ロック片421をロック状態から逆向きに回動させると画像表示体500のロックが解除され、ヒンジ金具420を中心に回動自在になる。通常、ケース部材400を外本体100に装着する前の状態では画像表示体500を閉じ位置にロックして無用な回動を防止し、一方、ケース部材400を外本体100に装着した状態では画像表示体500のロックを解除して回動自在とする。
[画像表示体−連結具]
ところで、外本体100の扉形前面部材200とは別に、ケース部材400に開閉可能な画像表示体500が設けられることから、ケース部材400内を視認したりケース部材400内で作業したりする場合には、まず手前側の扉形前面部材200を開放し、その後さらに奥側の画像表示体500を開放しなければならず、これにより作業性を低下させたり煩わしさを与えることが懸念される。
そこで、本発明の実施形態のスロットマシン1では、画像表示体500の回動方向を扉形前面部材200の回動方向と同方向にするとともに、扉形前面部材200と画像表示体500を適宜な連結具700で連結し、扉形前面部材200の開閉に連動して画像表示体500も一緒に開閉させるようにしてある。これによれば、扉形前面部材200を開放させると、連結具700を介して画像表示体500も同方向に回動し、ケース部材400の前面が開放される。つまり、画像表示体500が扉形前面部材200に連れ回ることとなり、一回の横開き操作によって外本体100内は勿論、ケース部材400の内部までも視認させることが可能になる。
ここで、前記のように実施形態の扉形前面部材200と画像表示体500とは、ヒンジ金具420の両てこ機構によって、画像表示体500の回動軌跡が扉形前面部材200の回転軸100aを回転中心とする回動軌跡に近似するようになっているものの、それでもなお両者の動きには相対的なずれが生じる。そこで、実施形態の連結具700は、図40及び図41に示したように、画像表示体500の自由端側の裏面に固定鞘部材701を形成し、該固定鞘部材701の内部に摺動自在な状態にロッド702を納め、そのロッド702の先端を扉形前面部材200の裏面(具体的には錠装置215のベース部材215a)に対し、止め軸703で回転可能な状態に連結してある。こうすることにより、図39のように、扉形前面部材200の開閉に連動して画像表示体500が扉形前面部材200の付属部品であるかのごとく一緒に開閉し、その際生じる両者の動きの相対的なずれを連結具700のロッド702が固定鞘部材701に出入りして吸収する。
なお、ロッド702が画像表示体500の回動外縁(自由端)から最も突出したときの最大突出長さは、画像表示体500が開放位置である場合(例えば90°開放された場合)の、扉形前面部材200の回動外縁(止め軸703の位置)と画像表示体500の回動外縁との距離に基づいて設定されている。このため、ロッド702の長さを必要最小限の長さとすることができ、連結具の大型化を抑制することが可能になる。
また、前記止め軸703は、錠装置215のベース部材215aの一部を曲げて形成した支持片215b、215b、215bに対し、上下動自在に装着されており、スプリング703aにより常時下向きに付勢されている。よって、この止め軸703は、スプリング703aの付勢に抗して上動させることが可能であり、上動させて下端を浮かせることによって前記連結具700のロッド702の着脱が可能である。すなわち、ロッド702の先端部分に形成された軸孔部702aに対し上方から止め軸703を挿入させ、スプリング703aの付勢力によって保持することが可能になっている。
また、図40において、符号704は連結具700の固定鞘部材701の上面に設けた弾性的な片持ち梁式のストッパであって、前記止め軸703から外したロッド702を固定鞘部材701の内部に納めて保持するためのものであり、ロッド702の上面に形成した溝705の端部の引掛壁702bに係合してロッド702の盲動を防止する。ロッド702には、その側面に摺動方向と直交する方向に摘み片706が突設されており、該摘み片706を摘んでロッド702を強制的に移動させることにより前記ストッパ704のロックが外れるようになっている。また、固定鞘部材701の先端側底面には、抜止め防止片701aが垂下され、ロッド702の溝705内に挿入されている。この抜止め防止片701aは、ロッド702が最も突出した際に引掛壁702bと当接し、ロッド702が固定鞘部材701から抜け出ることを阻止するものである。
また、図40において、連結具700の近傍にある符号509は、画像表示体500の回動外縁側の裏面に突設した係合部である。該係合部509は、ケース部材400の開口部401を横切る補強桟402に係合して、閉じ位置にある画像表示体500の自由端側の荷重を支えるものである。なお、図11に示したように、補強桟402には、前記係合部509を補強桟402の上面に円滑に導くべく、画像表示体500に向かって下り傾斜する滑り台式の案内部402aが設けてある。また、画像表示体500の係合部509は、画像表示体500とは別の潤滑性に優れた合成樹脂で形成されており、画像表示体500に対し着脱自在(交換自在)に装着されている。
ところで、扉形前面部材200と画像表示体500の回動軌跡の相違に起因する動きの相対的なずれは、上記のような伸縮自在なロッド形式の連結具700の他、柔軟なワイヤーにしても吸収することができる。但し、連結具が柔軟なワイヤー等であると、扉形前面部材200を閉じる段階で扉形前面部材200が開いたまま停止している画像表示体500にぶつかることになって、円滑さを損なうおそれがある。これに対し、例えば画像表示体500に巻バネなどの付勢手段を設けて常時閉じ方向に付勢するようにすればよい。そうすることにより扉形前面部材200の閉じ動作に際し、画像表示体500が前記付勢力の作用で連結具を引っ張りつつ自力で閉じるから、扉形前面部材200と画像表示体500がぶつからない。もちろん扉形前面部材200と画像表示体500の連れ回りのための手段は上記に限定されない。例えば、上記において連れ回りのための一要素たるヒンジ金具420は、上記のような両てこ機構の構造に限定されず、図41、図42に示したような、単独のピン420kを中心にして画像表示体500を回動させる単純なものであってもよい。
ケース部材400に対する画像表示体500の取着手段をヒンジ構造にして該画像表示体500を扉状に回動させ得る構成に、上記のように画像表示体500を閉じ位置にロックするロック手段(上記のロック片421)を付加した場合には、ケース部材400を外本体100に装着した状態で原則ロックを継続させ、配線作業空間408内のチェック等、必要な時にのみロックを解除する、という取り扱いを選択することも可能であり、その場合には画像表示体500によって配線作業空間408内の重要部品(例えばメイン基板409や演出制御基板510)がブロックできるから、防犯性能の向上に効果がある。
ケース部材400の開口部401上縁と閉じた画像表示体500の上縁との前後間には隙間10が設けられており、該隙間10に通した指で天板406の前記補強部材407が掴めるようになっている。また、ケース部材400の天板406の前方中央部分(天窓部443、443の間の補強帯444)には把手口422が形成されており、該把手口422に通した指で天板406の補強部材407が掴めるようになっている。従ってケース部材400は、取り扱う場所や姿勢に応じて該把手口422と前記隙間10との適宜な使い分けが可能である。例えば、ケース部材400を外本体100に組み込む前の搬送時には把手口422を使って鞄形態に持ち運ぶ方がバランスがよく、一方、ケース部材400を外本体100に装着した状態では、図4に示したように把手口422が外本体100の奥に隠れて指が入らないため、前記隙間10から補強部材407に指を掛けてケース部材400を引っ張り出す、という具合である。なお、ケース部材400の底板403の正面中央には前記した装置ケース302の下把手316(図4、図11参照)が突出しており、該下把手316を持って押し込み又は引っ張ることで外本体100へのケース部材400の出し入れが容易に行える。この場合の下把手316は、装置ケース302がケース部材400にビスで固着されていることよりケース部材400と一体であり、従ってケース部材400の床板403の正面に下把手316が突設されているに等しい。
[画像表示体−枠部材]
画像表示体500は、ケース部材400の開口部401の前記補強桟402から上の領域のほぼ全部を覆う大きさである。また、画像表示体500の下側には、ケース部材400の開口部401の前記補強桟402から下の領域、つまり図柄変動表示装置300の前方領域を額縁状に囲う枠部材501が一体に垂設されており、該枠部材501により前記図柄変動表示装置300のリール301a、301b、301cが縁取られる。この枠部材501の表面は装飾面になっており、適宜な模様等が描かれている。なお、図示しないが、枠部材501にはLED等の発光源と、その発光源を制御する発光制御基板と、発光源の前方に配置され光を透過可能な装飾部材とから構成された電飾部が設けられている。ここで、画像表示体500と枠部材501とを組合せたものを、以下、前面開閉部材90(図44参照)として説明する。
[画像表示体−枠部材−照明装置]
前記枠部材501の裏側上下には照明装置502が設けられており、該照明装置502によって図柄変動表示装置300の図柄が明るく照らされる。枠部材501は画像表示体500の下に垂設されていて図柄変動表示装置300に近いから、そのような枠部材501に照明装置502を組み込むことで光源を図柄変動表示装置300に近づけることができる。従って枠部材501に照明装置502を組み込む手段は、低光量でも十分な明るさが確保できる。
実施形態として例示した照明装置502は、図4に示したように、図の紙面と直交する方向(スロットマシン1の幅方向であってリール301a…の回転軸と同方向)に細長い帯状の基板503に多数の発光ダイオード(以下LEDという。)504を並べたものであり、下側の照明装置502は、上面を例えば乳白色の透光性蓋板505で塞いだチューブ枠506の中にLED504を上向きにして配置し、一方、上側の照明装置502は、断面上向きコ字状の例えば乳白色である透光性カバー507内にLED504を下向きにして配置してなる。
なお、上側の照明装置502は、照明方向を図4に示したように真下より遊技者側、すなわち透明板214a側に向かう斜め下向きに設置してある。実施形態では比較的強い指向性を持ったLED504の主たる照射領域の中心線L(図4拡大図参照)を透明板214aに対し斜めに向かわせるべく、基板503のLED取付面の向きが、前記透明板214a側に向けて斜め下向きに傾けられている。
また、もし照明装置502の光源として蛍光灯のような棒状発光体を採用した場合には、図4の基板503を板状又は光源を包むような凹面状の反射部材に変更し、直射光と反射光の総和により方向付けられる主たる照射領域の中心線が、透明板214a側の裏面に斜めに当たるように設定すればよい。以上のように照明装置502の照射照準を透明板214aに設定すれば、漏れた一部の光がリール301a、301b、301cの外周面を照らしても殆ど影響はない。
実験によれば、照明装置502の照明方向をリール301a、301b、301cの周面側に向けた場合には、湾曲するリール301a、301b、301cの特定部分が強く反射して見辛くなるのに対し、上記のように主たる照射領域の中心線Lを透明板214aに対し斜めに向かわせた場合には、透明板214aを介してリール外周面が照らされることにより、リール301a、301b、301cの広い範囲が明るく見え易くなることが確認できた。その理由として、照明装置502から照射した光が扉形前面部材200の透視窓214に嵌めた透明板214aに当たって反射し全体に拡散するか、或は透明板214aが明るく照らされることでリール301a、301b、301cの広い範囲が明るく見えるか、或はそれらの相乗作用によるものと推測される。
以上のような上側の照明装置502の構造は、下側の照明装置502にも採用することができ、もちろん図32に示したように下側の照明装置502にのみ採用することもできる。なお、図32は図4の上側の照明装置502を下側に配置し、下側の照明装置502を上側に配置したものであるため、上記照明装置502の説明の「上」を「下」に読み替え、「下」を「上」に読み替えればよい。
ところで照明装置502の光源として実施形態のようにLEDを採用した場合には、(a)低電圧で駆動するため約200Vの高電圧で駆動する従来の冷陰極管より安全性が高い、(b)冷陰極管より寿命が長い、(c)ガラス管である冷陰極管より丈夫である、(d)多色発光が可能であるため演出の幅を広げることができる、(e)インバータと組み合わせて使用する冷陰極管より軽く、従って画像表示体500を支えるヒンジ金具420の負担が少ない、というメリットがある。
[配線手段]
前記外本体100に取り付けられている例えばメダル放出装置110や電源装置112及び扉形前面部材200の操作部202にある例えば各投入ボタン205、206や始動レバー210(以下、これらの総称として単に「本体側電気部品」という場合もある。)と、ケース部材400にある例えばメイン基板409等(ケース部材側の電気部品の総称として単に「ケース部材側電気部品」という場合もある。)とは電気的に接続されている。そして、実施形態のスロットマシン1は、前面開閉部材90とケース部材400とからなる機種ユニット50(図44及び図45参照)が外本体100に対し着脱自在であるため、機種ユニット50の交換等に際して本体側電気部品(筐体側電気部品)とケース部材側電気部品とを簡単に接続又は切り離すための合理的な配線手段が設けられている。
[配線手段−配線中継部材]
前記のように外本体100の背板104の内面上部には、図14に示した配線中継部材113が取り付けられている。該配線中継部材113は図4、図5に示したように、前記ケース部材400の配線窓411に対応する位置にあって該配線窓411からケース部材400の空きスペース417に臨むようになっている。配線中継部材113は、前記本体側電気部品につながる本体側配線類119と、前記ケース部材側電気部品につながるケース側配線類423とを中継するものであって、外本体100の背板104にビス止めされる取付板120と、該取付板120の前面に被さるカバー体121と、該カバー体121と前記取付板120の間に納められる複数(実施形態では大小2枚)のコネクタ基板(以下「コネクタ接続用端子基板」という場合もある。)122、123とからなる。
前記2枚のコネクタ基板122、123のうち、図14、図15において左側に位置する大きい方のコネクタ基板122は取付板120に対して固定的に取り付けられており、前記メイン基板409につながっているハーネス424の先端のコネクタ425と対をなすコネクタ124が設けられている。
一方、図14、図15において右側に位置する小さい方のコネクタ基板123は、取付板120とカバー体121の間の隙間に非固定的な遊動可能状態に取り付けられており、従って図15拡大図に示したように上下方向に移動可能であり、また、左右方向にも移動し得る。この小さいコネクタ基板123には、メイン基板409以外のケース部材側電気部品につながっているハーネス426の先端のコネクタ427と対をなすコネクタ125が設けられている。なお、該コネクタ125と前記コネクタ124は、プリント基板にハンダ付け等の固着手段で固着する基板固着型であり、安価なDIN規格のものが使われている。
また、取付板120の前面に被さるカバー体121は、前記コネクタ124、125が通る大小2つの開口126、127と、該開口126、127と横並びの位置に突設した支持筒128と、下半部前方に張り出すトンネル状の配線ダクト129と、を有する。
配線中継部材113に接続する本体側配線類119は、前記配線ダクト129の内部を通るか、または配線中継部材113の取付板120の下側前面に突設したフック形状の配線止め130に束ねられた状態で、図1一点鎖線Lに示したように外本体100の側板102、102側に振り分けられ、該側板102、102と背板104のコーナー付近でほぼ垂直に向きを変え、その多くは仕切板105の奥に設けた配線用の開口109を通って本体側電気部品に夫々接続される。もちろん仕切板105より上の領域に本体側電気部品(例えば図1において側板102の内面に設けた外部中継端子板131)がある場合には、仕切板105の配線用の開口109とは無関係にそのまま接続される。
そして、上述したような本発明の実施形態のスロットマシン1は、図柄変動表示装置300のリール301a、301b、301cの後ろを本体側配線類119が通らず、外本体100の側板102、102沿い(背板104とのコーナーを含む(図10参照)。)に設けた配線経路を迂回するため、リール301a、301b、301cを外本体100の背板104近くにまで寄せることが可能になり、従来の構成、すなわち、本体側配線類119が背板104のほぼ中央を下ってリール301a、301b、301cの後ろを通っていた従来の構成に比べて、リール301a、301b、301cの径を大きくすることができる。なお、リール301a、301b、301cの径は大きい方が、回転時の迫力が増す。
[配線手段−コネクタ425、427]
上記のように配線中継部材113に設けられている2つのコネクタ124、125には、ケース部材400のメイン基板409につながっているハーネス424の先のコネクタ425と、メイン基板409以外のケース部材側電気部品につながっているハーネス426の先のコネクタ427がそれぞれ接続されている。
この2つのコネクタ425、427は、図16に示したように1つのコネクタホルダー428に一体に取り付けられている。該コネクタホルダー428は、コネクタ425、427がビス止めされるホルダー主体429と、ほぼ中央に透孔430を有し前記ホルダー主体429の両横に突設した板状の取着片431と、該取着片431の透孔430に装着した周知のボタン形パネルファスナー432(商品名「ナイラッチ」:登録商標)と、からなり、図5、図8(a)に示したように配線中継部材113の前記支持筒128の先に取着片431を当て、該取着片431のボタン形パネルファスナー432を支持筒128に差し込んでロックしてある。従ってコネクタホルダー428が固定手段たる支持筒128に固定され、ひいては配線中継部材113に固定されるため、コネクタ425、427とコネクタ124、125の結合が外れない。
[配線中継基板−コネクタ425、427−仮止め棚]
上記のようにコネクタ425、427は配線中継部材113のコネクタ124、125に接続されているが、ケース部材400が外本体100に組み込まれる前、つまり工場出荷から設置完了までの間、コネクタ425、427は、ケース部材400に設けた仮止め棚418に仮止めされている。
前記仮止め棚418は、図5、図6、図12、図13に示したようにケース部材400の内側から前記配線窓411に向かわせた棚板状の部材であり、図6に示したようにコネクタホルダー428を載置するほぼ水平なベンチ部433と、そのベンチ部433の両端に立設したベンチ側板434と、各ベンチ側板434に突設した3本の内向き爪片435、435、435とを有する。この内向き爪片435、435、435の中央の1本と他の上下の2本との間にはコネクタホルダー428の取着片431が嵌まり得る間隔が設けてある。なお、一方のベンチ側板434は、先端に指掛部436を延設した薄板構造であって、指掛部436に指を掛け図8(b)矢示X方向に力を加えることにより一端支持の板バネのごとく外向きに反らせ得るようになっており、その反らせた状態で内向き爪片435、435、435からコネクタホルダー428の取着片431が簡単に外れるようになっている。図8(a)の想像線は指掛部436の先を鍵形に折り曲げた例を示したものであり、こうすることにより矢示Yのようにボタンを押す感覚でコネクタホルダー428の取外しが楽に行える。
しかして、図6に示したように前記仮止め棚418のベンチ部433にコネクタホルダー428を載置し、該コネクタホルダー428の取着片431をベンチ側板434の内向き爪片435、435、435の間に嵌めることによってコネクタホルダー428が仮止め棚418に仮止めされる。もちろん仮止めと言っても、ケース部材400の輸送中にコネクタホルダー428が仮止め棚418から外れない強度を有する設定になっており、従ってケース部材400が外本体100に組み込まれる前までは、コネクタホルダー428と一体のコネクタ425、427はケース部材400に設けた仮止め棚418に仮止めされて動かない。よってケース部材400を輸送、ケース部材400を外本体100に組み込む作業の最中に、ハーネス424、425の先にあるコネクタ425、427が、ケース部材400内の部品に当たってその部品はもちろん、自らも損傷する、というようなおそれがない。
そして、図8(b)及び図8(a)に示したように、ケース部材400を外本体100に固定した後の配線工程で、上記のように一方のベンチ側板434を外向きに反らせてコネクタホルダー428を仮止め棚418から外し、そのコネクタホルダー428を自己の取着片431が配線中継部材113の支持筒128に当たる位置まで移動させれば、コネクタ425、427が配線中継部材113のコネクタ124、125に嵌まるから(その詳細は後述する。)、その状態で取着片431のボタン形パネルファスナー432を押し込んで取着片431を支持筒128にロックする。なお、このとき図5、図6に二点鎖線で示したように、ベンチ部433にガイド用の案内レール440を設けておけば、コネクタホルダー428を奥に押し込むだけでよいため、作業性が向上する。
以上のようにして配線中継部材113に取り付けたコネクタホルダー428は、外本体100の背板104を支持基盤として安定し、ケース部材から離間していて接触しないため、輸送時の振動等で外本体100と機種ユニット50が相対的に動いても無理な負荷が加わらない。
上記の実施形態のスロットマシン1は、機種ユニット50の外本体100への装着とコネクタ同士の結合とを別々に行うようにしたものであるが、これとは対照的に、例えば機種ユニット50に直接コネクタを取り付け、機種ユニット50を外本体100に押し込む動作で自動的にコネクタ同士を結合させる、という方式が考えられる。しかしこの方式は、質量の大きな機種ユニット50が輸送中などに外本体100の内部で振動した場合、大きな負担がコネクタ結合部に掛かるため信頼性に不安があり、その対策にコストが掛かる課題がある。
また、実施形態のスロットマシン1は、外本体100に1枚の扉形前面部材200を取り付け、該扉形前面部材200に対して機種ユニット50を物理的に独立させた構成であるが、これとは対照的に、扉形前面部材を上下2段に分割し、上部の扉形前面部材を機種ユニット50側の部品とする遊技機も考えられる。しかし、このような遊技機では、遊技中に興奮した遊技者が上部の扉形前面部材を叩いた場合にコネクタ結合部に直接衝撃が加わるためコネクタの結合が不安定になるおそれがあり、さらに上下の扉形前面部材同士の継ぎ目に対し新たな防犯構造を要する課題がある。
これに対し本発明の実施形態のスロットマシン1では、外本体100に1枚の扉形前面部材200を取り付け、該扉形前面部材200に対して機種ユニット50を物理的に独立させた構成であり、さらに、コネクタホルダー428を配線中継部材113に接続した後、該コネクタホルダー428は、図5に示したように外本体100に固定した部品(配線中継部材113)と結合し機種ユニット50から離間した独立構造になっているため、プリント基板にハンダ付けして用いる低コストで一般的なコネクタを使用した場合でも、輸送中においても、遊技中においても信頼性・耐久性に不安がない。また、機種ユニット50のみが機種変更時の交換対象であり、扉形前面部材200は交換対象とならないため、機種変更のための遊技場の負担も軽くなる。
[コネクタ425、427とコネクタ124、125の結合]
前記のようにコネクタ425とコネクタ427は、1つのコネクタホルダー428に取り付けられている。こうすることによりコネクタホルダー428を配線中継部材113の所定の位置にセットする1回の動作で2つのコネクタ425、427の接続が完了する。しかし現実の問題として、2つのコネクタ425、427とコネクタホルダー428という独立した要素を寄せ集めて一体にする構造では、コネクタ425、427とコネクタ124、125の「正確な位置決め」という困難な問題に直面する。すなわち2つのコネクタ425、427と配線中継部材113側のコネクタ124、125の4要素の位置決めが全て正確でなければ、コネクタ425、124とコネクタ427、125の一括結合は不可能であるのに、そのような位置決めの精度を量産品レベルのコストで達成するのは困難だからである。そのような問題を解決する1つの手段として、プリント基板にハンダ付けすることなく結合時の融通性を高める機構を施したいわゆるドロワーコネクタを使用する方法が考えられるが、ドロワーコネクタ自体が高価であるため、まだコスト面の負担が大きい。
これに対し実施形態の配線手段では、基板支持部材たる配線中継部材113のコネクタ基板122、123を分割してそれぞれにコネクタ124、125を装着し、そのコネクタ基板122、123の少なくとも一方を、配線中継部材113の取付板120とカバー体121の間の隙間に非固定的に納めてコネクタ427とコネクタ125の結合方向と直交する方向(ここでの「直交」は、厳密な90度にこだわらず、社会通念上のほぼ90度という程度の意味である。)に遊動可能状態にする手段を講じている。かかる構成においてコネクタホルダー428の結合照準をコネクタ425とコネクタ124に定めた場合、もう一方のコネクタ427とコネクタ125の相対位置に若干の狂いがあっても、コネクタ基板123が遊動してその狂いを矯正すべく移動するから、コネクタ427とコネクタ125の結合も可能になる。これにより基板固着型で安価なDIN規格のコネクタで十分に対応できる。
上述したような本発明の実施形態のスロットマシン1は、固定したコネクタ接続用端子基板のコネクタに照準を合わせてコネクタホルダーを操作するようにすれば、他のコネクタ同士の相対位置に製造誤差等で若干の狂いがあっても、非固定のコネクタ接続用端子基板がコネクタごと遊動してその狂いを矯正すべく移動し誤差を吸収するから、結合照準でないコネクタ同士の結合も可能になる。従って1つのコネクタホルダーを用いて複数系統のコネクタの一括接続が可能である。しかも使用しているコネクタは、プリント基板にハンダ付けして用いるような汎用的で安価な例えばDIN規格のものであり、コストも安い。
また、コネクタホルダーは、ナイラッチ(登録商標)等の固定手段で配線中継部材、ひいては該配線中継部材を介して外本体の背板に確実に固定される。一方、コネクタホルダーと機種ユニットの間では、フレキシブルなハーネスを介してつながっているのみであり、機種ユニットが動いたとしても、その動きはフレキシブルなハーネスが吸収するので、コネクタホルダーに動きは伝わらない。このため、たとえ輸送中の振動により外本体と機種ユニットの間に相対的な動きが生じても、コネクタホルダーは、外本体のみと一緒に動き、機種ユニットの干渉を受けないから、コネクタの結合部には全く負荷が掛からない。よってコネクタ結合の信頼性が非常に高い。
なお、実施形態のように、小さいコネクタ125に対応する小さいコネクタ基板123を遊動可能とし、大きいコネクタ425、コネクタ124同士を結合の基準に定める構成は、その逆の構成に比べてコネクタ425、124、427、125の結合が楽に行える。小さいコネクタ基板123の方が軽い力で扱えるため、狂いの自動矯正が容易だからである。また、実施形態では、図9のようにコネクタ425、124の方がもう一方のコネクタ427、125より先に結合するようになっており、そうすることにより結合照準のコネクタ同士が合わせやすい。
また、図9に拡大して示したように凸形のコネクタ425、427の凸部先端の周縁角部及び/又は凹形のコネクタ124、125の差込口の周縁角部に面取り部C(直線的な面取り、曲線的な面取りのいずれも可)を形成しておけば、面取り部Cのテーパに沿った誘導作用が、コネクタ同士の結合性をより良好にする。
また、実施形態のように、配線中継部材113のコネクタ基板122、123を遊動可能にする構成の他、コネクタホルダー428側のコネクタ425、427の何れか一方を遊動可能にすることも可能であり、その場合も上記と同様の作用効果が得られる。なお、かかるコネクタホルダー428の具体例を図17に示した。この例では、コネクタホルダー428のホルダー主体429に雌ねじ付きの受筒429aを突設し、一方、コネクタ427の両横に遊孔427aを有する耳片427bを形成し、コネクタホルダー428の受筒429aにコネクタ427の遊孔427bを遊嵌させ、座金付きのビス427cをもって耳片427bの抜け止めとしている。そうすることによりコネクタ427は、コネクタホルダー428に対し、遊孔427aと受筒429aの径の差の範囲で自由に遊動し得る。この場合のコネクタ基板122、123は、一体にして取付板120に固定すればよい。また、実施形態では2つのコネクタを1つのコネクタグループとして取り扱ったが、1つのコネクタグループのコネクタ数は2以上でもよい。
また、実施形態では図4、図12に示したように、ケース部材400の後面板405の裏側であって、前記図柄変動表示装置300の装置ケース302の下斜板310に向けて凹ませたケーブル溝437が形成され、該ケーブル溝437の両端近傍にケース部材400の側板404(又は後面板405)を貫く配線口438、438が開設されている。この配線口438、438とケーブル溝437は、図柄変動表示装置300とメイン基板409等とを接続するためのものであり、図11において図柄変動表示装置300の装置ケース302へ向かって右側面(扉形前面部材200の非ヒンジ側の側面)に設けたリール基板312のケーブル313(図12参照)を1つの配線口438からケース部材400の外に引き出し、そのケーブル313を図12のようにケーブル溝437に納め、さらにそのケーブル313の先を他の配線口438からケース部材400の中に戻してメイン基板409等につなぐようにしてある。なお、ケーブル溝437には所定の間隔でケーブル止め439が設けられていて、ケーブル溝437からケーブル313が脱落しないようになっている。
しかしてメイン基板409等とリール基板312は、共にケース部材400の中にあるケース部材側電気部品であり、本来、ケース部材400の外にケーブル313を引き出す要はない。それを敢えてケース部材400に配線口438、438とケーブル溝437を設けてケーブル313を外伝いに迂回させるようにした理由は次のとおりである。
リール基板312の設置場所は、限られたスペースの中でコネクタを抜き差しする配線の作業性を考慮すると、図柄変動表示装置300(装置ケース302)の側面のうち扉形前面部材200の非ヒンジ側に相当する側が好ましい。もし逆に、扉形前面部材200のヒンジ側に相当する装置ケース302の側面にリール基板312を設けると、開ききった扉形前面部材200(図1参照)とリール基板312が近接位置で向かい合うため、コネクタの抜き差しに必要な広い作業空間が確保できないからである。
しかし一方、リール基板312の接続対象たる基板類(メイン基板409、演出制御基板510、画像表示体500等)の接続部がケース部材400の扉形前面部材200のヒンジ側に相当する側にあると、ケーブル313がケース部材400の内部を横切る格好になる。そうすると前記装置ケース302をケース部材400に装着する際にケーブル313を噛み込んだり、逆に装置ケース302を引き出す際にケーブル313を引っ掛けるおそれがある。
これに対し実施形態のように、ケース部材400に配線口438、438とケーブル溝437を設けてケーブル313を外伝いに迂回させるようにすれば、上記したようなケーブル313のトラブルは生じない。また、配線作業は、装置ケース302を所定の位置から若干引き出した状態で行う方が作業性がよく、それに伴って配線口438からリール基板312までのケーブル313の長さは、配線代とでも言うべき余裕が設けられている。従って装置ケース302を所定の位置にセットした状態でケーブル313に弛みが生じ、引き出し量によってはケーブル313の弛みが大きくなる。そのようなケーブル313の弛みが大きい場合には、配線口438と横並びの位置にある、装置ケース302の下斜板310とケース部材400の奥のコーナー部分との間に出来る三角スペースにケーブル313の弛んだ部分を逃がすことができる。
また、実施形態のようにケーブル溝437を装置ケース302の下斜板310に向かわせて膨らませるようにした場合には、ケース部材400の奥と装置ケース302の下斜板310との間にできるデッドスペースの有効活用に役立つ。なお、配線口438、438とケーブル溝437を使った配線は、リール基板312のケーブル313に限定する必要はなく、ケース部材400の内部を横切るケーブル全てに適用できる。
その他、図11中、符号441は機能分離中継端子板である。
以上のように構成されるスロットマシン1は、ケース部材400を外本体100に装着し、必要な配線を完了した完成品の状態で工場から出荷される。そして、その完成品のまま遊技場の遊技機設置島に取り付けられるが、このとき図25想像線のように、外本体100の天板103と遊技機設置島の上桟600とを木ねじ等の固定部材601で止める場合は、扉形前面部材200と画像表示体500を開放し、外本体100の貫通孔132に対しケース部材400の内側から天窓部443越しに固定部材601を挿通させ、さらにドライバー等の工具602で天窓部443越しに固定部材601を締め付けて外本体100の天板103と遊技機設置島の上桟600とを固定的に連結する。なお、貫通孔132は複数設けられているため、必要に応じてその中から任意に選択して使用することができる。例えば、上桟600の位置やサイズにばらつきがあってもその上桟600に対応する貫通孔132を選択することができる。また、遊技機をまるごと入れ替える場合に、使用する貫通孔132を変更すれば、上桟600の同じ位置に固定部材601の穴が開く弊害(いわゆる、ばか穴化)が防止できる。
ところで、図25に示したように外本体100とケース部材400の間には隙間Sが形成されており、画像表示体500等から発生した熱が画像表示体500の冷却ファン(図示せず)で煽られ、ケース部材400の天窓部443から前記隙間Sを通って背板104の通気口133に至り、そこから遊技機設置島の内部に抜ける。このとき背板104とケース部材400の間に配線中継部材113がありこれが障壁のごとく作用して前記隙間Sを広範囲に塞ぐから、隙間Sを流れる熱気がこの部分で遮られ、配線中継部材113より上方にある背板104の通気口133から積極的に外部に放出される。従って放熱効果が高い。
[各リールの図柄、図柄列]
各リール301a、301b、301cには、図46に示すように、複数種類(この図では、合計9種類のうちいずれか)の図柄が一定間隔に配置されることで構成された図柄列(配列番号1番から21番までで示した合計21個の図柄)が表記されたリール帯(図柄帯)が付されている。図46では、各リール301a、301b、301cに付されたそれぞれのリール帯321a、321b、321cに表記された図柄列を平面的に展開した状態を示す。なお、図柄列中に配置された図柄を識別するために上記配列番号を便宜的に記している。
そして、各リール301a、301b、301cは、各々の図柄列中に配置された図柄のうち、連続する所定数(例えば、3つ)の図柄が開口部401(図柄表示窓ともいう、以下では図柄表示窓401として統一する)を介して視認可能となるように配置されている(次に説明する図47参照)。
また、図柄の種類は、図46に示すように、「赤で塗りつぶされている「7」図柄、以下では赤7図柄という」(リール帯321a、321b、321cそれぞれの配列番号12番の3つ)、「白で塗りつぶされている「7」図柄、以下では白7図柄という」(リール帯321aの配列番号19番及びリール帯321bの配列番号5番の2つ)、「青で塗りつぶされている「7」図柄、以下では青7図柄という」(リール帯321aの配列番号2番、4番、8番及びリール帯321bの配列番号20番の4つ)の比較的目立ちやすい図柄(他の図柄に比べて大きさが大きく視認しやすい)がある。
また、「チェリーを形どった図柄、以下ではチェリー図柄という」(例えば、リール帯321aの配列番号6番等)、「REPLAYという文字の書かれた図柄、以下ではリプレイ図柄という」(例えば、リール帯321bの配列番号4番等)、「鐘(ベル)を形どった図柄、以下ではベル図柄という」(例えば、リール帯321bの配列番号2番等)、「上記リプレイ図柄とベル図柄の2つの図柄を組み合わせて1つの図柄としているもの、以下ではリプベル図柄という」(例えば、リール帯321aの配列番号3番等)がある。
さらに、「星を形どった図柄、以下では星図柄という」(例えば、リール帯321cの配列番号4番等)、「ハートを形どった図柄、以下ではハート図柄という」(例えば、リール帯321aの配列番号11番等)、「上記のいずれにも該当しない図柄、雲を形どったような図柄、以下では雲図柄という」(例えば、リール帯321bの配列番号14番等)の図柄がある。以上のように各リール帯321a、321b、321cに表記される図柄の種類は合計9種類となっている。
[枠部材]
図47は、図柄表示窓401を含む枠部材501の部分を拡大したところを示している。図柄表示窓401からは、各リール301a、301b、301cの図柄列中の図柄のうち、連続する3つの図柄が視認可能となっている。この図柄が表示されている3つの位置を上から「上段(または上段位置)」(例えば、リール301aの「リプベル図柄」の表示されている位置)、「中段(または中段位置)」(例えば、リール301bの「星図柄」の表示されている位置)、「下段(または下段位置)」(例えば、リール301cの「赤7図柄」の表示されている位置)という。
上記のことから、図柄表示窓401内では、「段数×リールの数」個の図柄を表示させることが可能である。従って、スロットマシン1では「段数(3)×リールの数(3)」より図柄表示窓401内には最大で9個の図柄を表示させることができる。
枠部材501(表示パネルともいう、以下では表示パネル501として統一する)の左側端(図柄表示窓401から見て左側には、各種のランプが備えられており、そのうち、「BET1」、「BET2」、「BET3」と記されているのがBETランプ(ベットランプ)614である。BETランプの数字(上記の「BET1」、「BET2」、「BET3」の1、2、3の数字)はそれぞれベット数(掛け数のこと、掛けたメダルの枚数に応じた数のこと)に対応している。すなわち、「1」は1ベット(掛けたメダルの枚数は1枚)、「2」は2ベット(掛けたメダルの枚数は2枚)、「3」は3ベット(MAXベットともいう、掛けたメダルの枚数は3枚)に対応しているということである。
ベット数に応じて有効となる並び(直線型)が決められている。この「有効となる並び」は有効ラインとも呼ばれる。以下では有効ラインと統一する。後述する所定の当選役に対応する図柄の組み合わせは、一つの有効ライン上に並んで表示されてはじめて当該当選役に対応する図柄の組み合わせ態様として表示されたと判断されるものである。すなわち、所定の当選役に対応する図柄を構成する各図柄が図柄表示窓401内に個々に表示されたとしても、それぞれの図柄が一つの有効ライン上に並んでいなければ、所定の当選役に対応する図柄の組み合わせ態様が表示されたとは判断されないことになる。なお、このような場合は、バラバラな図柄の組み合わせ態様が表示されたと判断される。
次に、ベット数に対応する有効ラインと有効ラインの数について具体的に説明する。1ベットに対応する有効ラインは、各リールの中段位置を繋いだ「中段−中段−中段」となる並びの1つの有効ライン621(中段ライン621)のみである。これを「1BETライン」という。
2ベットでは、前述の1BETラインのほかに、各リールの上段位置を繋いだ「上段−上段−上段」となる並びの有効ライン622a(上段ライン622a)と、各リールの下段位置を繋いだ「下段−下段−下段」となる並びの有効ライン622b(下段ライン622b)の2つの有効ラインが新たに加えられる。この上段ラインと下段ラインの2つの有効ラインのことをまとめて「2BETライン」という。従って、2ベットの場合は合計で3つ有効ラインがあることになる。
3ベットでは、前述の1BETライン、2BETラインのほかに、左リールの上段位置及び中リールの中段位置及び右リールの下段位置を繋いだ「上段−中段−下段」となる右下がりの並びの有効ライン623a(右下がりライン623a)と、左リールの下段位置及び中リールの中段位置及び右リールの上段位置を繋いだ「下段−中段−上段」となる右上がりの並びの有効ライン623b(右上がりライン623b)の2つの有効ラインが新たに加えられる。この右上がりラインと右下がりラインの2つの有効ラインのことをまとめて「3BETライン」という。従って、3ベットの場合は合計で5つ有効ラインがあることになる。
上記は一般的なスロットマシンに代表される回胴式遊技機の有効ラインについての説明であるが、有効ラインは上記のような直線型の並びに限られることはない。さらに、上記のようにベット数が増えるごとに対応する有効ラインを増やす態様に限られない。以下では、本発明の実施形態のスロットマシン1の有効ラインについて引き続き図47を用いて具体的に説明する。
本発明の実施形態のスロットマシン1では、掛け数は3ベット(MAXベット)のみとし、有効ラインを図47の図柄表示窓401内で「赤7図柄−赤7図柄−赤7図柄」が表示されているライン、すなわち下段ライン622bと、「リプベル図柄−星図柄−赤7図柄」が表示されているライン、すなわち右下がりライン623aの2つのラインのみを有効ラインとしている。
従って、スロットマシン1では、上記以外のライン(中段ライン621、上段ライン622a、右上がりライン623b)は有効ラインに含まれない。
その他、表示パネル501には、スロットマシン1の遊技状態に合わせて点灯(あるいは点滅)可能なランプ及びLED類が設けられている。これらのランプ類は図の上から、「ERR」という文字の描かれたエラーランプ604、上記BETランプ614のすぐ下に位置する、「REP」という文字の描かれたリプレイランプ606、「STR」という文字の描かれたスタートランプ608、「INS」という文字の描かれたメダルINランプ610、及び2つの横並びの7セグメントLEDを備えた払出枚数表示LED612がそれぞれ備えられている。なお、これらの他に後述するボーナスゲームの当選を告知するボーナス告知ランプや、ボーナスゲームなどでのメダルの累計払い出し枚数を表示したり、ボーナスゲームをカウントしたりする7セグメントLED等を別途設けてもよい。
エラーランプ604は、スロットマシン1の遊技中に何かトラブル、故障等が生じた場合に点灯(あるいは点滅)を開始し、現在トラブル等が生じていることを遊技者等(ホールの係員なども含む)に知らせる役割を持っている。
リプレイランプ606は、ゲーム結果がリプレイ(後述する)となった場合に、再遊技(新たにメダルを掛けずにもう一度遊技ができること)ができることを遊技者に知らせる役割を持っている。
スタートランプ608は、ベット数がMAXベットに達すると点灯(あるいは点滅)を開始し、遊技者に始動レバー210の操作(始動操作)を促す役割を持っている。
メダルINランプ610は、ベット数が最大(MAXベット)になるまで点灯(あるいは点滅)を続けることにより、遊技者にベットを促す役割を持っている。
払出枚数表示LED612は、ゲーム結果に伴うメダルの払い出しがある場合に、その払い出し数(払出されるメダルの枚数)を表示することにより、遊技者にメダルの払出枚数を知らせる役割を持っている。
[スロットマシンの内部構成]
図48は、スロットマシン1に装備されている各種の機構要素や電子機器類、操作部材等の構成を概略的に示している。スロットマシン1は遊技の進行を統括的に制御するためのメイン基板409を有しており、このメイン基板409にはCPU1110をはじめROM1112、RAM1114、入出力インタフェース1116等が実装されている。
前述した1枚投入ボタン205、206や始動レバー210、リール停止ボタン211a、211b、211c、貯留解除スイッチ209等はいずれもメイン基板409に接続されており、これら操作ボタン類は図示しないセンサを用いて遊技者による操作を検出し、検出された操作信号をメイン基板409に出力することができる。具体的には、始動レバー210が操作されると前述した図柄変動表示装置300を始動させる(リール301a、301b、301cの回転を開始させる)操作信号がメイン基板409に出力され、リール停止ボタン211a、211b、211cが操作されると、リール301a、301b、301cをそれぞれ停止させる操作信号がメイン基板409に出力される。
なお、以下では必要に応じて、リール301a、301b、301cをそれぞれ左リール301a、中リール301b、右リール301cと呼ぶ。そして、これに対応するそれぞれのリール停止ボタン211a、211b、211cを左リール停止ボタン211a、中リール停止ボタン211b、右リール停止ボタン211cと呼ぶ。
また、CPU1110は、所定の時間(例えば4.1秒)より短い遊技間隔で次遊技の開始操作がなされたことを検出すると、所定時間が経過するまで次遊技の開始を遅らせるウェイト機能を備えている。なお、本発明の実施形態では、メイン基板409のCPU1110は、開始操作が検出されから、次遊技で開始操作が検出するまでの時間が予め定められた所定の時間(例えば4.1秒)を経過していない場合に、予め定められた所定の時間が経過するまで遊技操作に対する遊技の進行を遅延する遊技遅延手段として機能する。
つまり、CPU1110は、ウェイトタイマと呼ばれるタイマを有しており、今回のゲームにおいてリール301a、301b、301cの回転が開始されたときから、次回のゲームでリールの回転が開始されるまでの所定時間(例えば、4.1秒)の経過を計測する。
そして、CPU1110により、所定の時間を経過しているか否かを判別し、所定の時間を経過していない場合は、後述する演出制御基板510側へウェイトコマンドを送信すると共に、上述したウェイト機能により所定時間が経過するまで、遊技開始待ち時間(ウェイト状態)となる。
本発明の実施形態では、ウェイト機能により所定時間が経過するまでウェイト状態となった場合に、この所定時間が経過するまでのウェイト状態時間を累積的に加算する。
また、本発明の実施形態では、このウェイトコマンドを後述する誘発演出の終了条件とするとともに有利度合い示唆演出又は期待度演出の開始条件とする。
さらに、CPU1110により、所定の時間を経過しているか否かを判別し、所定時間が経過した場合は、後述する演出制御基板510側へタイムアップコマンドを送信する。本発明の実施形態では、このタイムアップコマンドを後述する有利度合い示唆演出の終了条件とする。詳細は後述する。
CPU1110は、上記ウェイトコマンド及びタイムアップコマンドの他に、始動レバー210の操作信号を検出したことに基づくスタートコマンド、後述する内部抽選処理において決定した当選役を特定するための当選役コマンド、リール停止ボタン211a、211b、211cの操作信号をそれぞれ検出したことに基づくリール停止コマンド(第1リール停止コマンド、第2リール停止コマンド、第3リール停止コマンド)、後述する設定キースイッチ112aを操作することによって決定したスロットマシン1の有利度合い(設定値)に基づく設定値コマンド等を後述する演出制御基板510側へ送信する。
またスロットマシン1にはメイン基板409とともにその他の機器類が収容されており、これら機器類からメイン基板409に各種の信号が入力されている。機器類には、図柄変動表示装置300のほか、メダル放出装置110等がある。
図柄変動表示装置300はリール301a、301b、301cをそれぞれ回転させるためのリール駆動モータ341a、341b、341cを備えている(左リール駆動モータ341a、中リール駆動モータ341b、右リール駆動モータ341c)。このリール駆動モータはステッピングモータからなり、それぞれのリール301a、301b、301cは独立して回転、停止することができ、その回転時には図柄表示窓401にて複数種類の図柄が上から下へ連続的に変化しつつ表示される。
また各リール301a、301b、301cの回転に関する基準位置を検出するための位置センサ331a、331b、331cを有しており、各リール301a、301b、301cにはそれぞれ位置センサ331a、331b、331cがリール内に対応して設けられている(左リール位置センサ331a、中リール位置センサ331b、右リール位置センサ331c)。これら位置センサからの検出信号(インデックス信号)がメイン基板409に入力されることで、メイン基板409では各リールの停止位置情報を得ることができる。
メダルセレクタ207内には、前述したソレノイド207aや投入センサ207bが設置されている。投入センサ207bは、メダル投入口203から投入されたメダルを検出し、メダルの検出信号をメイン基板409に出力する。ソレノイド207aがOFFの状態のとき、投入されたメダルは投入センサ207bで検出される。逆にソレノイド207aがONの状態のときは、メダルセレクタ207内で投入センサ207bに到達する通路がロックアウトされてメダルの投入が受け付けられなくなり、遊技者がメダルを投入しても、メダルセレクタ207を通って返却樋213に流れたメダルはメダル用受皿201に戻る。このとき合わせて投入センサ207aの機能が無効化されるので、メダル投入によるベットまたはメダルの貯留のいずれも行われなくなる。
メダル放出装置110は、払い出されたメダルを1枚ずつ検出する払出センサ110eを放出口110c内に有しており、この払出センサ110eからメダル1枚ごとの払出メダル信号がメイン基板409に入力されている。また、遊技メダル用補助収納箱111にはメダル満タンセンサ111aが設けられており、内部に貯留されたメダルの貯留数が所定数量を超えた場合、メダルが所定数量を超えた検出信号をメイン基板409に出力する。このとき画像表示体500、エラーランプ604等によりメダル貯留の異常を知らせるエラー表示が行われ、遊技者やホール従業員等に異常が発生したことが報知される。
一方、メイン基板409からは、図柄変動表示装置300やメダル放出装置110に対して制御信号が出力される。すなわち、前述した各リール駆動モータ341a、341b、341cの起動及び停止を制御するための駆動パルス信号がメイン基板409から出力される。またメダル放出装置110には、有効ライン上に停止した図柄の組み合わせの種類に応じてメイン基板409から駆動信号が入力され、これを受けてメダル放出装置110はメダルの払い出し動作を行う。このときメダル放出装置110内に払い出しに必要な枚数のメダルが不足しているか、あるいはメダルが全く無い状態であった場合、払出センサ110eによる枚数検出が滞ることとなる。そして所定時間(例えば3秒間)が経過すると、払出センサ110eより払い出しメダルの異常信号がメイン基板409へ出力され、これを受けてメイン基板409は、メダルの払い出しに異常が発生したことを知らせる内容をエラーランプ604や画像表示体500等に表示させて遊技者やホール従業員等に異常が発生したことを報知する。
スロットマシン1は、メイン基板409の他に演出制御基板510を備えており、この演出制御基板510にはCPU1118やROM1120、RAM1122、入出力インタフェース1130、VDP(Video Display Processor)1124、AMP(オーディオアンプ)1126、音源IC1128等が実装されている。演出制御基板510はメイン基板409から各種の指令信号を受け、画像表示体500の表示や照明装置502等の発光(または点灯、点滅、消灯等)及びスピーカ512の作動を制御している。
ここで、本発明の実施形態の演出制御基板510では、メイン基板409から出力される各種コマンド(例えば、上述したウェイトコマンド、タイムアップコマンド、スタートコマンド、当選役コマンド、リール停止コマンド、設定値コマンド等の情報コマンド)を受信すると、CPU1118を通じてそれらコマンドをRAM1122に一旦記憶させる。
そして、ROM1120内に格納されている演出プログラムを参照しつつ記憶されたコマンドに基づいて、画像表示体500への演出画像の表示や照明装置502等の発光(または点灯、点滅、消灯等)及びスピーカ512の作動を制御することとなる。これにより、メイン基板409による制御によって進行される遊技に合わせた演出が実現されることになる。
特に、本発明の実施形態のスロットマシン1では、後述する通常ゲーム、CRTゲーム中、LRTゲーム中において、画像表示体500にて誘発演出、有利度合い示唆演出又は期待度演出を実行する。
具体的には、図柄表示窓401に図柄停止結果が表示され、遊技者にゲーム結果が示された後に誘発演出の実行を開始し、次のゲームにおいて始動レバー210の操作後にウェイト状態となると誘発演出の実行を終了するとともに、有利度合い示唆演出又は期待度演出の実行を開始する。
この有利度合い示唆演出は、上述した設定値コマンドに基づいて、後述する設定キースイッチ112aにおいて決定したスロットマシン1の設定値を示唆する演出及び設定値を示唆するまでの時間等を示唆する演出である。
また、期待度演出は、上述した当選役コマンドに基づいて、当選役が後述するボーナスゲームの作動に係る当選役(BB、RB、CRB)が決定した場合、又は、ボーナスフラグ持ち越し中等であることを示唆する演出である。誘発演出及び有利度合い示唆演出についての詳細は後述する。
また、ROM1120には、画像表示体500に表示する演出画像(例えば、後述する誘発演出画像2501、有利度合い示唆演出画像2502、期待度演出画像2503等)に対応する演出画像データ等を記憶する。さらに、RAM1122は、制御プログラムの実行等により決定した画像データ等の各種データを記憶する。
RAM1122は、遅延時間(ウェイト状態)中の時間を所定の記憶領域に累積的に加算して記憶する。そして、累積的に加算した累積ウェイト時間に基づいて、演出制御基板510のCPU1118は、画像表示体500において実行する有利度合い示唆演出に対応する演出画像を決定する。なお、累積ウェイト時間は、例えば後述する電源スイッチ112cにより電源OFFの状態とした場合に累積ウェイト時間をクリアにする。そして、電源ONの状態では常に累積的にウェイト時間を加算する。
なお、本発明の実施形態では、演出制御基板510のCPU1118は、図柄表示窓401に図柄停止結果が表示され、遊技者にゲーム結果が示された後に、予め定められた既存の演出を繰り返し実行することにより遊技速度を加速させうる加速促進手段として機能する。
また、演出制御基板510のCPU1118は、遊技機の有利度合いを示唆する有利度合い示唆演出実行手段と、遅延された遅延時間中(ウェイト状態中)に有利度合いを示唆することにより、遅延時間を遊技者にとって有益にしうる遅延時間有益化手段として機能する。
さらに、メイン基板409に外部中継端子板131を設けた場合には、スロットマシン1はこの外部中継端子板131を介して遊技場のホールコンピュータ1200に接続される。外部中継端子板131はメイン基板409から送信される各種信号(投入メダル信号や払出メダル信号、遊技ステータス等)をホールコンピュータ1200に中継する役割を担っている。
その他、電源装置112には、設定キースイッチ112aやリセットスイッチ112b、電源スイッチ112c等が付属している。これらスイッチ類はいずれもスロットマシン1の外側に露出しておらず、扉形前面部材200を開けることではじめて操作可能となる。このうち電源スイッチ112cは、スロットマシン1への電力供給をON−OFFするためのものであり、設定キースイッチ112aはスロットマシン1の設定(例えば設定1〜6)を変更するためのものである。またリセットスイッチ112bはスロットマシン1で発生したエラーを解除するためのものであり、更には設定キースイッチ112aとともに設定を変更する際にも操作される。
上記設定キースイッチ112aの詳細は、まず、スロットマシン1を電源スイッチ112cにより電源OFFの状態とし、その状態で操作する。具体的には、設定キースイッチ112aに所定のキーを差し込んでキーを右へ90度回転させる。次に、設定キースイッチ112aにキーが差し込まれた状態でスロットマシン1を電源ONにする。電源ONは、電源装置112の電源スイッチ112cを操作することによって行なう。電源ONにすると、現在のスロットマシン1の設定がクレジット表示部に表示される(例えば、設定1の場合にはクレジット表示部に「1」が表示される)。
次に、リセットスイッチ112bを操作する。リセットスイッチ112bを操作すると、所定の表示部に表示されていた設定値に1が加算された数値が表示される。但し、表示されている数値が4の場合は、加算されずに表示される値が1に戻る。このようにリセットスイッチ112bを操作して、所定の表示部に所望の設定の値が表示されると、始動レバー210を操作する。始動レバー210を操作することによって、設定が確定する。そして、キーを左へ90度回転させ、設定キースイッチ112aに差し込まれているキーを抜く。そして、次に電源投入されたときには、先ほど設定した設定値でスロットマシン1が動作する。
なお、本発明の実施形態では、上述した設定キースイッチ112aは、遊技機の有利度合いを決定する有利度合い決定手段として機能する。
以上がスロットマシン1の内部構成例である。スロットマシン1によるゲームは、遊技者がメダルの掛け数を決定した状態で始動レバー210を操作すると各リール301a、301b、301cが回転し、この後、遊技者がリール停止ボタン211a、211b、211cを操作すると、対応する各リール301a、301b、301cが停止制御され、そして、全てのリール301a、301b、301cが停止すると、有効ライン上での図柄の組み合わせ態様からゲーム結果を判断し、必要に応じて該当する当選役に対応する規定数のメダルが付与される。
[当選役と図柄の組み合わせ]
ここで、スロットマシン1の当選役(入賞役と呼ばれるものを含む)と、それに対応する図柄の組み合わせについて、図49を用いて具体的に説明をする。図49は、スロットマシン1の各当選役と対応する図柄の組み合わせ及びその特典(遊技特典、以下では遊技特典という)を示したものである。なお、この図49は、遊技者に向けた配当表(各当選役の遊技特典の簡単な説明を表記したもの)として表示パネル501等に表記するものとしてもよい。
前述したとおり、各リール301a、301b、301cには、それぞれリール帯321a、321b、321cが付されている。リール帯ごとに図柄の順番や図柄の種類等はそれぞれ異なった順番になっており、例えば、複数の当選役に対応する図柄の組み合わせ態様が重複して図柄表示窓401内に表示されることの無いものとなっている。なお、図柄表示窓401内に複数の当選役に対応する図柄の組み合わせ態様が重複して表示されなければ、いくつかのリール帯の図柄の順番や図柄の種類が同じであってもよい。
そして、全てのリール301a、301b、301cを停止させた際に図柄表示窓401内に表示される表示内容(図柄の組み合わせ態様)から所定の当選役に対応する図柄の組み合わせ態様が表示されたか否かが判断される。具体的には、図柄表示窓401内で前述の有効ライン(2BETラインのうちの下段ライン、3BETラインのうちの右下がりライン)のいずれか1つのラインに所定の当選役に対応する図柄の組み合わせ態様が表示されているか否かが判断される。すなわち、スロットマシン1では有効ラインは2つ(2つのライン)ということになる(これにより複数の当選役に対応する図柄の組み合わせ態様が重複して図柄表示窓401内に表示されないものとなる)。
以下では、所定の当選役に対応する図柄の組み合わせ態様がいずれか一つの有効ライン上に表示された場合のことを、(所定の)当選役に対応する図柄(これを当選役図柄という)の組み合わせが揃う、あるいは当選役図柄が揃った、という。
スロットマシン1の図柄には、「赤7図柄」、「白7図柄」、「青7図柄」、「チェリー図柄」、「ベル図柄」、「リプレイ図柄」、「リプベル図柄」、さらには「星図柄」、「ハート図柄」、「雲図柄」があることは既に述べたとおりであるが、このうち、「赤7図柄」、「白7図柄」、「青7図柄」は他の図柄に比べて目立ち易く、識別しやすい図柄となっている。ここでいう識別のし易さとは、リールの回転中や、リールの停止した状態を含めて遊技者が容易に図柄を識別することができる度合いの高さのことをいう。このうち、「赤7図柄」は、各リール301a、301b、301cの1つしかなく、加えて色彩も赤と他の図柄に比べて視認しやすい。また「白7図柄」は左リール301aに1つしかなく、加えて色彩も白とこれも他の図柄に比べて視認しやすいものである。これらの図柄はリールの回転中もその色彩や図柄の大きさから、遊技者が目標の図柄にすることが容易である。
これらの図柄はそれだけでは象徴的な図柄(図柄1つだけでは当選役に対応しない)に過ぎないものであるが、所定の組み合わせとなることにより当選役に対応する図柄の組み合わせとなるものである。すなわち、所定の遊技特典が付与される。具体的に図49に示された各当選役に対応する所定の図柄の組み合わせ態様について説明する。
[ビッグボーナス、レギュラーボーナス、チェリーラッシュボーナス]
図49で、BBと示されている当選役が、ビッグボーナス(以下ではBBと呼称する)である。このBBには対応する図柄(BB図柄)の組み合わせ態様として「赤7図柄−赤7図柄−赤7図柄」が予め決められている。つまり、全て「赤7図柄」からなる図柄の組み合わせが1つの有効ライン上に揃うと、BB図柄が揃ったということになる。
BB図柄が揃うと、ビッグボーナスゲーム(以下、BBゲームという)という遊技特典が付与される。このBBゲームでは、メダルの獲得が容易な複数回にわたるゲームが集中して行われることになる。これは、規定枚数のメダル(例えば、300枚)を払い出すまで継続して実行される。払い出されたメダルが規定枚数分に到達すると(あるいは規定枚数を超えた場合としてもよい)、BBゲームは終了となる。
また、スロットマシン1では、BB図柄が揃った際(BB図柄が揃った当該ゲーム)には、メダルは付与されない。つまり、BB図柄が揃うことはBBゲームへ移行する契機としての役割を持っていることになる。また、BB図柄は各リール301a、301b、301cにそれぞれ1つずつしか配置されていないため(図46参照)、BB図柄を図柄表示窓401内に正確に狙って停止操作(リール停止ボタン211a、211b、211cを押す操作)を行わないと、BB図柄を揃えることができない。このように目的の図柄(この例ではBB図柄)を狙って停止操作を行うこと、即ち「目押し」は、スロットマシン1に代表される回胴式遊技機における技量(または技術、遊技者が意図して行う必要がある操作)の一つである。
よって、遊技者の「目押し」の技量が高ければ(主に遊技に熟練した遊技者等、遊技の熟練度が高い遊技者)、目的の図柄を狙った位置(例えば、図柄表示窓401内)に表示させる(停止させる)ことが容易なものとなる。一方、遊技者の「目押し」の技量が低ければ(主に遊技に未熟な遊技者等、遊技の熟練度が低い遊技者)、目的の図柄を狙った位置(例えば、図柄表示窓401内)に表示させる(停止させる)ことが容易なものとはならない(困難であるといえる)。
さらに、BB図柄が揃うと、BBゲーム終了後にCRTゲームという遊技特典が付与される(詳細は後述する)。このCRTゲームでは、所定のゲーム回数にわたり遊技者に有利な状態が継続するものである(例えば、所定の当選役に一定期間当選しやすくなるなど)。すなわち、BB図柄が揃うと、BBゲームでメダルを獲得できることに加えて、遊技者に有利な状態になるという付加的な特典(例えば、さらにメダルを多く獲得できる等)が付与されるということになる。
また、RBと示されている当選役は、レギュラーボーナス(以下ではRBと呼称する)である。RB図柄が揃うこととなる図柄の組み合わせ態様は「白7図柄−赤7図柄−赤7図柄」となっている。
RB図柄が揃うと、レギュラーボーナスゲーム(以下、RBゲームという)という、BBゲームに準じたメダルの獲得が容易な複数回にわたるゲームが集中して行われる遊技特典が付与される。これは、規定枚数のメダル(例えば、20枚)を払い出すまで継続して実行される。払い出されたメダルが規定枚数分に到達すると(あるいは規定枚数を超えた場合としてもよい)、RBゲームは終了となる。なお、規定のゲーム回数だけ(例えば7回)継続させて、この規定のゲーム回数に到達すると、RBゲームを終了させるものとしてもよいし、あるいは、規定枚数分に到達するか、規定のゲーム回数に到達するか、のいずれかの条件が満たされた場合にRBゲームを終了させるものであってもよい。
RB図柄が揃った場合も当該ゲームではメダルの付与はされず、RBゲームへ移行する契機としての役割のみとなっている。また、RB図柄を構成する各図柄(赤7図柄、白7図柄)も、BB図柄の場合と同様、各リール301a、301b、301cにそれぞれ1つずつしか配置されていないため(図46参照)、目押しが必要な図柄となる。
さらに、RBゲーム終了後にはLRTゲームという遊技特典が付与される(詳細は後述する)。このLRTゲームも上記CRTゲームと同様に所定のゲーム回数にわたり遊技者に有利な状態が継続するものである(例えば、所定の当選役に一定期間当選しやすくなるなど)。すなわち、RB図柄が揃うと、RBゲームでメダルを少量獲得したうえで、遊技者に有利な状態になるという付加的な特典(例えば、さらにメダルを多く獲得できる等)が付与されるということになる。
そして、CRBと示されている当選役は、チェリーラッシュボーナス(以下ではCRBと呼称する)である。CRB図柄が揃うこととなる図柄の組み合わせ態様は「リプベル図柄−ベル図柄−リプレイ図柄」となっている。
CRB図柄が揃うと、チェリーラッシュボーナスゲーム(以下、CRBゲームという)という遊技特典が付与される。このCRBゲームでは、上記RBゲーム等に準じたメダルの獲得が容易な複数回にわたるゲームが集中して行われることになる。これは、規定枚数のメダル(例えば、35枚)を払い出すまで継続して実行される。払い出されたメダルが規定枚数分に到達すると(あるいは規定枚数を超えた場合としてもよい)、CRBゲームは終了となる。CRBゲームでは、複数の当選役(後述するベル及びチェリー)の双方に毎ゲーム当選した状態となる。すなわち、CRBゲームでは、ベル図柄及びチェリー図柄のいずれも揃えることが可能な状態ということになる(詳細は後述する)。
CRB図柄が揃った際(CRB図柄が揃った当該ゲーム)にも、メダルは付与されず、CRB図柄が揃うことはCRBゲームへ移行する契機としての役割のみとなっている。
そして、CRB図柄の組み合わせを構成する各図柄(リプベル図柄、ベル図柄、リプレイ図柄)は各リール301a、301b、301cに満遍なく配置されているため(図46参照)、CRB図柄については、BB図柄及びRB図柄とは異なり、目押しの必要なく揃えることができるものとなっている。
さらに、CRBゲーム終了後にも遊技特典としてLRTゲームが付与される(詳細は後述する)。すなわち、CRB図柄が揃うと、CRBゲームでメダルを少量獲得できることに加えて、遊技者に有利な状態になるという付加的な特典(例えば、さらにメダルを多く獲得できる等)が付与されるということになる。
このように、スロットマシン1ではBBゲーム、RBゲーム、CRBゲームという3つのボーナスゲームにより遊技者がメダルを集中して獲得できる機会が設けられている。ただし、遊技者が大量のメダルを獲得することが可能なものはBBゲームだけである。また、スロットマシン1では、1回のゲームで払い出されるメダルの最大枚数(例えば、15枚)が予め決められており、1回のゲーム結果として払い出されるメダルの枚数はこの最大枚数を超えないものとなっている。このことから、RBゲーム及びCRBゲームにて獲得可能なメダルの枚数は、1回のゲームで獲得可能な最大枚数(15枚)に比べれば多いものの、BBゲームにて獲得可能なメダルの枚数に比べると相当に少ない(約1/10程度)となっている。つまり、上記最大枚数に近い枚数メダルの払い出しが連続して行われることによって獲得可能な枚数とほとんど変わりない獲得枚数となっている。
[リプレイ]
図49で、リプレイと示されている当選役には、対応する図柄(リプレイとなる図柄)の組み合わせ態様として「リプベル図柄−リプレイ図柄−リプレイ図柄」が予め決められている。
リプレイ図柄が揃うと、リプレイゲームという遊技特典が付与される。このリプレイゲームでは、改めてメダルを投入もしくはベット操作をすることなく、次回のゲームとして行うゲームを再遊技として実行できることをいう。その場合の有効ライン数は、リプレイ図柄が揃った当該ゲームの有効ライン数と同じとなる。
また、リプレイ図柄が揃った際にもメダルは付与されず、リプレイゲームへ移行する契機としての役割を持たせている。このリプレイゲームの遊技特典の特徴は、メダルの払出しを行わない代わりに次回のゲームで新たにメダルを消費する(新たにメダルを掛ける)必要がないことである。またリプレイはメダルの払い出しを伴わない当選役であるため、例えばその当選確率を高くすることにより、当選頻度が高くなったとしてもホールにとって不利益となることは非常に少ないといえる。従って、スロットマシン1では、概ね7回に1回程度は当選する確率としている(詳細は後述)。これにより、遊技者が消費するメダルの量(一定時間当たりにつき消費するメダル数)をある程度一定の範囲に保つことが可能となる。つまり、リプレイという当選役にゲーム進行における過剰なメダルの消費を抑える役割を持たせることができるということになる。
また、各リール301a、301b、301cにリプレイ図柄をそれぞれ満遍なく配置する(例えば、リプレイ図柄からリプレイ図柄までの間に配置する他の図柄(リプレイ図柄とは異なる種類の図柄のこと)を1個から最大でも4個までにする)ことにより、リプレイ図柄を目押しの必要なく揃えることのできるものとすることができる。なお、この図柄の配置と目押しの必要性との関係等については後述のリール停止処理にて説明する。
[ベル]
図49で、ベルと示されている当選役には、対応する図柄(ベル図柄)の組み合わせ態様として「リプベル図柄−ベル図柄−ベル図柄」が予め決められている。
ベル図柄が揃うと、規定枚数(例えば、6枚)のメダルの払い出しが行われる。このときのメダルの払い出しは当該ゲームにて行われる。つまり、ベル図柄が揃うと6枚のメダルの払出しという遊技特典が付与される。従って、ベルはゲームを進めるうえでメダルの増加を期待できたり、メダルの消費を抑えることが期待できたりする当選役であるといえる。ただし、ベルに当選する頻度が高くなると、遊技者はゲームを進めていくだけでメダルを増加させることが可能となってしまい(BBやRBに当選しなくともメダルが増加してしまうこととなってしまう)、スロットマシン1のゲーム性が損なわれてしまう。また、遊技者が過度のメダルを獲得することが容易となり、ホールとの利益バランスが崩れるという事態を招いてしまうことも危惧される。これらのことから、ベルという当選役には、ゲーム進行の中で遊技者がメダルを大量消費してしまうことを抑える程度の役割を持たせるに留め、リプレイに比べて当選確率を低く抑えている。従って、ベル図柄、リプベル図柄についても、前述のリプレイ図柄と同様、各リール301a、301b、301cに満遍なく配置して目押しの必要なく揃えられるものとしても問題ない。なお、この図柄の配置と目押しの必要性との関係等については後述のリール停止処理にて説明する。
[チェリー]
図49で、チェリーと示されている当選役には、対応する図柄(チェリー図柄)が予め決められている。また、チェリー図柄については、「ANY−ANY−チェリー図柄」というように、チェリー図柄が1つ(この例では、右リール301cのみ)あればそれだけでチェリー図柄が揃ったとみなされる。ここでいう「ANY」とはいずれの図柄でもよいことを示す。そして、チェリー図柄が揃うと、当該ゲームにて規定枚数(例えば、15枚)のメダルの払い出しが行われる。つまり、チェリー図柄が揃うと15枚のメダルの払い出しという遊技特典が付与される。
従って、チェリー図柄は、全てのリールが停止した状態における図柄の組み合わせ態様により揃ったと判定されるのではなく、少なくとも1つのリールについてのみ、当該リールが停止した状態において有効ライン上に表示された図柄により揃ったと判定されるものであるといえる。ただし、メダルの払い出しは全てのリール停止後に行われる。なお本発明の実施形態のスロットマシン1では上記でいう「少なくとも1つのリール」を右リール301cとしている。
また、スロットマシン1では、有効ラインが2BETラインのうちの下段ラインまたは3BETラインのうちの右下がりラインのいずれかのみとなっているため、チェリー図柄が図柄表示窓401内に表示される場合、右リール301cの下段位置のみに表示される。このとき右リール301cの下段位置に表示されたチェリー図柄は、上記の2つの有効ラインともに含まれることとなる。つまり、下段ライン及び右下がりラインに重複してチェリー図柄が揃っているということになる。従って、このときの払い出し枚数は、〔 15枚×2=30枚 〕となるはずである。ところが、スロットマシン1では、1回のゲームでのメダルの最大払出枚数を15枚としている。従って、この場合の払い出しは15枚(最大値、上限)ということになる。
チェリーについても、前述のベルと同様に、ゲームの進行の中で遊技者がメダルを大量消費してしまうことを抑える程度の役割を持たせるに留め、リプレイに比べて当選確率を低く抑えている。従って、チェリー図柄についても、前述のリプレイ図柄等と同様、各リール301a、301b、301c(特に右リール301c)に満遍なく配置(この場合は、チェリー図柄からチェリー図柄までの間に配置する他の図柄を1個から最大4個までとする)ことにより、チェリー図柄を目押しの必要なく揃えることのできるものとしても問題ない。なお、この図柄の配置と目押しの必要性との関係等については後述のリール停止処理にて説明する。
これらのことから、チェリーは、少なくとも1つのリールについてのみ、当該リールが停止した状態において有効ライン上に当該チェリー図柄が表示されれば揃ったと判定される当選役であり、なおかつ、最大枚数の払い出しのある当選役であることになる。
また、前述したベルとチェリーはともにメダルの払い出しという遊技特典に対応した当選役であることから、以下では、必要に応じてこれらをまとめて「小役」と呼ぶ。
なお、スロットマシン1では、ベルとチェリーの2つを小役として説明したが、これらの他にさらに小役を設けることもできる。例えば、ベル図柄、チェリー図柄とは異なる種類の図柄を設けて、これに対応するメダルの払い出し枚数(規定枚数)を異ならせて上記の小役と区別したり、あるいは各リール301a、301b、301cの図柄の配置数を少なくして、目押しの必要な当選役図柄として難易度をつけたりすることも可能である。
[BBゲーム専用役]
さらに、BBゲーム(及びRBゲーム)中のみ有効となる当選役としてBBゲーム専用役がある。このBBゲーム専用役に対応する図柄(BBゲーム専用役図柄)の組み合わせ態様は「リプベル図柄−リプレイ図柄−ベル図柄」が予め決められている。
BBゲーム(以下ではRBゲームも含める)中にBBゲーム専用役図柄が揃うと、規定枚数(例えば、15枚)のメダルの払い出しが行われる。このときのメダルの払い出しは当該ゲームにて行われる。つまり、BBゲーム専用役図柄が揃うと15枚のメダルの払出しという遊技特典が付与される。つまり、BBゲーム専用役は、BBゲーム中限定の小役ともいえる。そして、BBゲーム中はこのBBゲーム専用役を揃いやすくすることにより、メダルの獲得が容易な複数回にわたるゲームを集中して実行することができる。従って、BBゲーム専用役図柄の組み合わせを構成する各図柄(リプベル図柄、リプレイ図柄、ベル図柄)も前述のとおり各リール301a、301b、301cに満遍なく配置されているため、BBゲーム専用役図柄についても目押しの必要なく揃えることができるものとなっている。
なお、RBゲームでは、上記BBゲーム専用役とは異なる当選役を設けてもよい。さらには、BBゲーム専用役のようなボーナスゲーム中限定の小役を設けずに、上記ベルやチェリーを代わりに用いるものとしてもよい(その場合、ボーナスゲーム中ではそれぞれのメダルの払い出し枚数を変えるなどしてもよい)。
[ハズレ]
図49に示された当選役のいずれにも該当しない場合は、ハズレとなる。そして、ハズレとなった当該ゲームでは、メダルの付与は行われず、また次回以降のゲームに変化を及ぼすこともない。なお、ハズレは遊技者に当該ゲーム及び次回以降のゲームにおいて何の遊技特典も付与しない当選役であるともいえる。
スロットマシン1の図柄のうち、「ハート図柄」及び「雲図柄」、「星図柄」については、上記のいずれの当選役図柄の組み合わせ態様にも含まれない図柄である。従って、これらの図柄はハズレ図柄でということになる。また上記にいずれかの当選役図柄であっても、図柄の組み合わせ態様としてみた場合に当選役図柄が揃ったとみなされない場合には、ハズレ(ハズレとなる図柄の組み合わせ態様)ということになる。
以上がスロットマシン1におけるそれぞれの当選役と、それぞれの当選役に対応する図柄の組み合わせ態様である。これらからいえることは、スロットマシン1では、BB図柄及びRB図柄を除く全ての当選役図柄が目押しの必要なく揃えることができるということである。つまり、遊技者は毎回のゲームに特に目押しを行うことにより絶えず緊張(集中するため)を強いられて疲労してしまうといったことが極力軽減され、スムーズなゲームの進行が可能となる。
なお、これらの図柄は上記で説明した図柄や図柄の組み合わせ態様に限定されるものではない。また、上記の図柄に加えて複数種類の図柄を新たに設けることもできる。そして、当選役の種類をさらに増やすことや、あるいは減らすこともできる。さらに、上記で述べた当選役は全てを必ず設けることに限定されるものではなく、適宜必要な種類の当選役を選ぶこととしてもよい。
次に、メイン基板409のCPU1110の制御によるメインフローチャート及び内部抽選データテーブルについて説明する。図50はスロットマシンにおける基本的な1ゲームの処理手順を示すフローチャートである。図51は始動処理の処理手順を示すフローチャートである。図52は抽出乱数値の当たり値判定テーブルである。図53はRTゲーム中における抽出乱数値の当たり値判定テーブルである。図54はリール停止処理の処理手順を示すフローチャートである。図55は判定処理の処理手順を示すフローチャートである。図56はBBゲーム開始処理の処理手順を示すフローチャートである。図57はBBゲーム終了判定処理の処理手順を示すフローチャートである。図58はRBゲーム開始処理の処理手順を示すフローチャートである。図59はRBゲーム終了判定処理の処理手順を示すフローチャートである。図60はCRBゲーム開始処理の処理手順を示すフローチャートである。図61はCRBゲーム終了判定処理の処理手順を示すフローチャートである。図62はRTゲーム開始処理の処理手順を示すフローチャートである。図63はRTゲーム終了判定処理の処理手順を示すフローチャートである。
[ゲーム処理]
はじめに、スロットマシン1におけるゲーム処理の流れについて説明する。以下のゲーム処理は、メイン基板409(主にCPU1110等)にて実行される制御プログラム上の処理手順に沿って進行する。
図50は、スロットマシン1における基本的な1ゲームの処理手順を一通り示している。先ずステップS1では、ゲームスタートに備えるための初期設定を実行する。特に電源の立ち上げ時等においては、前述した各種装置の接続及び作動状況を確認するとともに、バックアップデータの有無を確認し、バックアップデータが存在する場合には、電源断前の状態に復帰させる処理を実行する。
なお、上述したように、メイン基板409(CPU1110)は、設定キースイッチ112aで決定した設定値を特定するための設定値コマンドを演出制御基板510(CPU1118)側へ送信する。
次のステップS2では、投入口203から投入されたメダルの枚数により、あるいはすでに貯留されているメダルがある場合にはMAX投入ボタン206(あるいは1枚投入ボタン205)の押下操作により掛け数が決定され、始動レバー210の操作待ちの状態となる。すなわち、1回のゲームの掛け数が決定され、始動レバー210の操作が可能な状態となるまでがBET処理にて実行される。
ステップS3では、ステップS2において操作待ちの状態となった始動レバー210の操作によりゲームをスタートさせるとともに、いずれかの当選役を内部抽選の結果とするか否かを決定するための内部抽選処理を実行する。この内部抽選処理とは、次のステップS4にて回転を開始する全てのリール301a、301b、301cが停止状態(遊技者の停止操作により停止状態となること)となる前の段階において、いずれかの当選役を当該ゲームの抽選結果とするかを決定するために実行されるものである。すなわち、この抽選の抽選結果がいずれかの当選役に該当する場合に限り、該当する当選役が許容されるのである。
なお、上述したように、メイン基板409(CPU1110)は、内部抽選処理において決定した当選役を特定するための当選役コマンドを演出制御基板510(CPU1118)側へ送信する。
次にステップS4では、ステップS3の内部抽選処理の終了に伴い全てのリール301a、301b、301cの回転を開始させるリール回転処理を実行する。このリール回転処理においては、全てのリール301a、301b、301cの回転が開始された時点でリール停止ボタン211a、211b、211cの押下操作を有効とし、リール停止ボタン211a、211b、211cが有効になったことを知らせる操作有効ランプ(図示しない)を点灯させるとともに、次回のリール回転処理が実行されるまでのタイマカウントを開始する。なお、操作有効ランプは各リール停止ボタン211a、211b、211cにそれぞれ内蔵されるランプである。
ステップS5では、遊技者によるリール停止ボタン211a、211b、211cの押下操作が受け付けられて、その受け付け順に操作有効ランプを消灯させるとともに、対応するリール301a、301b、301cの回転を停止させるリール停止処理を実行する。
なお、上述したように、メイン基板409(CPU1110)は、リール停止ボタン211a、211b、211cがそれぞれ押下操作されると(操作信号をそれぞれ検出すると)、リール停止コマンド(第1リール停止コマンド、第2リール停止コマンド、第3リール停止コマンド)を演出制御基板510側へ送信する。
次のステップS6では、ステップS5において全てのリール301a、301b、301cの回転が停止状態になったと判定した時点で、有効ライン上に表示された表示内容(図柄の組み合わせ態様)と、上記のステップS3において決定された内部抽選の結果として許容されているものを照合して当選役の判定を行う判定処理を実行する。
ステップS7では、ステップS6において判定された当選役に対応する遊技特典の内容に基づくメダルの払出処理を実行する。また当選役がBBやRB、CRB、リプレイの場合には、それぞれ遊技状態の変更や再遊技等の各種遊技特典に付与を実行する。
以上が、スロットマシン1の基本的な1ゲームの処理手順である。ここで、ステップS2(BET処理)、ステップS3(内部抽選処理)、ステップS4(リール回転処理)は、一連の操作として遊技者により行われるものである。従って、これらの処理(ステップS2、ステップS3、ステップS4)をまとめて始動処理と呼ぶ。以下ではこの始動処理の具体的な説明をする。
[始動処理]
図51は、始動処理で行われる各処理を具体的に示したものである。
始動処理では、まずステップS101にてメダルの投入または1枚投入ボタン205、MAX投入ボタン206の操作が待ち受けられる。MAXベット操作またはメダル投入があると、ステップS101の判定が満たされ、ステップS102に移る。なお、この判定はMAXベットに相当するメダルの投入(つまり、3枚以上のメダルの投入)やMAXベットとなる1枚投入ボタン205、MAX投入ボタン206の操作が有った場合にのみ満たされるものとしている。
次のステップS102では、受付処理として、ベット数(この例ではMAXベットのみ)を決定するとともに、ベット数に応じた有効ラインランプを点灯させる。
ステップS103では、始動レバー210の操作を有効化する。始動レバー210の操作が有効化されると、この始動レバー210の操作が受け付けられるまで操作待ちの状態となり、次のステップS104に移る。
次のステップS104では、始動レバー210の操作が有効化されているか、またその場合は始動レバー210の操作が受け付けられたかを判定する。先のステップS103にて始動レバー210の操作が有効化されている場合、遊技者による始動レバー210の操作が受け付けられると、この判定が満たされ、次のステップS105へ移る。
なお、上述したように、メイン基板409(CPU1110)は、始動レバー210の操作が受け付けられると(操作信号を検出すると)、演出制御基板510側へスタートコマンドを送信する。
また、上記のステップS101にて遊技者がベット操作またはメダル投入をしない、あるいはMAXベットに至らないうちはステップS101の判定が満たされず、ステップS104に移る。このときはステップS104の判定も満たされず、ステップS101に戻り、以降の処理を繰り返す。
また、リプレイゲームでは、新たにメダルのベットを必要としない。これは、後述するリプレイゲーム処理にてMAXベットコマンドがRAM1114に格納されている場合、自動的にMAXベット状態にする。これにより、ステップS101の判定が満たされることになる。
ステップS105では、ステップS104での始動レバー210の操作を受けて、始動レバー210の操作を無効化する。
次にステップS106では、始動レバー210の操作があると、これを契機として乱数の抽出を行う。乱数の抽出を行った後、次のステップS107に移る。なお、このときの乱数を抽出するタイミングについては、始動レバー210の操作後直ぐに行っても所定時間(例えば0.5秒後など)後に行うなど、プログラミングの過程で適切な抽出タイミングを設定することができる。
ステップS107では、フラグ処理として、抽出された乱数値(以下では、抽出乱数値という)からいずれの当選役に該当するかを判定(乱数値の照合)する。この判定では、後述する当たり値判定テーブルにて抽出乱数値を照合する。ここで行われる乱数値の照合とは、予め決められた当選役の乱数値に、抽出乱数値が該当(合致、一致)するか否かを判定することである。このとき抽出乱数値がいずれかの当選役に該当すると判定された場合、該当する当選役に応じたフラグをON(=1)にする。そして、このときON(=1)となった当該当選役に対応するフラグのことを当該当選役当選フラグという。
そして、フラグ処理では、当該ゲームにて抽出乱数値の照合を行う際に、判定の基準となる当たり値判定テーブルを決定する場合、後述するBBゲーム中フラグなどのゲーム状態フラグを参照して当該ゲームにおける当たり値判定テーブルを決定する。すなわち、当該ゲームにてON(=1)状態となっているゲーム状態フラグに対応する当たり値判定テーブルをセットして抽出乱数値の照合を行う。ゲーム状態フラグには、BBゲーム中フラグのほか、RBゲーム中フラグ、CRBゲーム中フラグ、CRTゲーム中フラグ、LRTゲーム中フラグがある。そして、これらのゲーム状態フラグのいずれもOFF(=0)状態となっている場合には、常に通常ゲーム中フラグをON(=1)状態とする。
一方、ステップS107にて、抽出乱数値がいずれの当選役にも該当しないと判定された場合、いずれの当選役にも該当しない「ハズレ」となり、ハズレフラグをONにする。ここで、当選フラグまたはハズレフラグ(これらを総称して成立フラグという)とは、該当する成立フラグがONになっているときに限り、その成立フラグに該当した当選役図柄を揃えることが可能となるものである。従って、ハズレフラグが成立フラグに該当する場合は、いずれの当選役図柄も揃えることができないことになる。上記のステップS106及びステップS107はスロットマシン1の内部にて乱数抽選を行っているということもでき、以下ではこれらのステップのことを、まとめて内部抽選、あるいは内部抽選を行う等という。なお、この乱数の抽出からフラグ処理までは内部抽選(前述の図50のステップS3)に相当する。
次のステップS108では、前回の始動処理(具体的には当該ゲームの1回前のゲーム)にてスタートさせたウェイトタイマがタイムアップ(例えば、4.1秒経過)したか否かを判定する。なお、このウェイトタイマと呼ばれるタイマは、当該ゲームにおいてリールの回転が開始されたときから次回のゲームでリールの回転が開始されるまでの所定時間(例えば、4.1秒)の経過を計測するものである。ここで、ウェイトタイマがタイムアップ(既に4.1秒経過した)となった場合にはこの判定が満たされ、次のステップS109に移る。また、この判定はウェイトタイマがタイムアップするまでループする。
なお、上述したように、所定の時間(例えば、4.1秒)を経過していない場合は、演出制御基板510側へウェイトコマンドを送信し、所定の時間が経過した場合は、演出制御基板510側へタイムアップコマンドを送信する。
ステップS109では、全てのリール301a、301b、301cの回転を開始させる。そして全てのリール301a、301b、301cの回転の速さが一定となると、それぞれのリール停止ボタン211a、211b、211cの操作有効ランプを点灯させる。この点灯により、遊技者はリール停止ボタン211a、211b、211cの押下操作が有効になったことを知ることとなる。
なお、スロットマシン1では、回転を開始したリールは遊技者による停止操作(リール停止ボタン211a、211b、211cの押下操作)が受け付けられるまで上記の一定の速さで回転を維持し続けるものである。
次にステップS110では、ウェイトタイマをリセットするとともに、次回の始動処理までウェイトタイマをスタートさせ始動処理は終了となる。
[内部抽選確率]
上記のとおり、スロットマシン1では、内部抽選の結果(抽出乱数値の照合の結果)が当該ゲームで該当する当選役(以下では、該当当選役をいう)として許容される。これが、所定の当選役に当選となる、ということである。ここで該当当選役が許容された当該ゲームの結果は、前述した「成立フラグ」として、内部抽選の結果を示す情報コマンドとして以降の処理(リール停止処理、判定処理、払出処理等)に反映されることになる。
スロットマシン1では、乱数抽出を行う際の乱数値の範囲(これを抽出範囲という)を予め決めておくものである。この抽出範囲は、例えば、0から16383までの整数値(つまり、214=16384個の乱数)と決めることができる。なお、スロットマシン1では、抽出範囲の乱数値を0から16383まで(214=16384個の乱数値)としているが、0から32767まで(215=32768個の乱数値)や、0から65535まで(216=65536個の乱数値)をとるものとしてもよい。乱数の抽出範囲を拡大すると、その分だけ抽出可能な乱数値の範囲(いわゆる分母)が大きくなるので特定の乱数値が偏って抽出されるといった事象が起こりにくくなる。
上記の抽出範囲内においては、さらにそれぞれの当選役に対応する乱数値が予め割り当てられている。例えば、抽出範囲(0から16383)内の乱数値のうち、BBに対応する乱数値を「1」とすれば、抽出乱数値が「1」となった場合に、内部抽選の結果は「BBに当選した」ということになり、BBの内部抽選フラグ(成立フラグ、この場合は前述の当選フラグともいう)が当該ゲームでの情報コマンドとして処理されることになる。また、これを利用すると、抽出範囲及びBBに対応する乱数値から、BBの当選確率(BBが内部抽選の結果として選び出される確率、抽選確率)を算出することができる。上記の例(BB)でいえば、〔 BBに対応する乱数値の総個数/抽出範囲内の乱数値の総個数 〕が、1/16384となり、BBの当選確率は1/16384であるということになる。
このように全ての当選役にはそれぞれ対応する乱数値が決められており、これらの乱数値は、それぞれの当選役に対応する当たり値と呼ばれる。上記の例(BB)では、抽出範囲内の乱数値「1」がBBに対応する当たり値ということになる。また、当たり値が複数存在する場合、例えば、BBの当たり値を抽出範囲内の連続する乱数値「1」、「2」、「3」、「4」とすれば、BBの当たり値の範囲は乱数値「1」から「4」までとなる。そして、抽出乱数値が乱数値「1」から「4」までのいずれかに該当すると判定される(照合される)と、内部抽選の結果として「BBに当選した」ということになる。
このことから全ての当選役はその当たり値の範囲が決められ、内部抽選で抽出乱数値がいずれかの当選役の当たり値の範囲に該当するか否かが判定されることになる。このとき、抽出乱数値がいずれの当選役の当たり値の範囲にも該当しない場合は、ハズレ、となる。すなわち、ハズレの当たり値(ハズレ値)の範囲は、全ての当選役の当たり値の範囲以外ということになる。なお、当たり値は当選許容値とも呼ばれることもある。
図52(図52(a)、図52(b)、図52(c)、図52(d))は、スロットマシン1の全ての当選役についての当たり値と内部抽選確率を具体的に示している。なお、これらはそれぞれ、当たり値判定テーブルとして予めROM1112等に格納されているものである。
図52(a)は、通常状態のゲーム(通常ゲームという)における各当選役及びハズレの当たり値の範囲(乱数値の範囲)を示したものである(通常判定テーブルという)。ここで、BB及びRBについては、それぞれBBのみ、あるいはRBのみとなる当たり値の範囲(単独当選当たり値という)と、BB+その他の当選役(ベル、チェリー)、RB+小役(ベル、チェリー)となる当たり値の範囲(共有当選当たり値)に分けられている。
上記のBB及びRBの単独当選当たり値は、ベルやリプレイ、チェリー等の当たり値と同様に、その該当する当選役1つのみに対応している。すなわち、この図52(a)では、例えば、
抽出乱数値が「2000」の場合は、ベルの当たり値に該当する。
抽出乱数値が「4000」の場合は、リプレイの当たり値に該当する。といったことになり、同様に、
抽出乱数値が「1」の場合は、BBの当たり値に該当する。
抽出乱数値が「60」の場合は、RBの当たり値に該当する。
抽出乱数値が「80」の場合は、CRBの当たり値に該当する。というように、1つの抽出乱数値に対して、1つの当選役のみが対応するものである。
一方、BB及びRBの共有当選当たり値は、図52(a)では、例えば、
抽出乱数値が「10」の場合は、BB+ベルの当たり値に該当する。
抽出乱数値が「62」の場合は、RB+チェリーの当たり値に該当する。というように、1つの抽出乱数値に対して、複数(この場合2つ)の当選役が対応するものである。つまり、抽出乱数値が共有当選当たり値に該当する場合、複数の当選役のいずれにも当選したということになる。これは、前述したフラグ処理(図51のステップS107参照)にて、BB及びその他の当選役(ベルまたはチェリー)の2つの当選フラグを、あるいはRB及び小役(ベルまたはチェリー)の2つの当選フラグ(内部抽選フラグ)を同時にONにするということである。もちろん、小役同士(ベルとチェリー)での共有当選当たりを設けてもよい。
そして、BB及びRBについては、単独当選当たり値及び共有当選当たり値を合計(合算)した当たり値の範囲がBB全体及びRB全体の当たり値ということになり、このことからBB全体及びRB全体の当選確率を算出することができる。
すなわち、
BB(全体) 60/16384(1/273.06)
RB(全体) 3/16384(1/5461.33)というように、BB全体の当選確率、RB全体の当選確率が算出される。
また、図52(a)では、CRBについては、共有当選当たり値は設けていない。さらに、BB(BB全体)、CRB、RB(RB全体)の当選確率を比べてみると、CRBはBBに比べると当選しにくく(つまり当選確率が低い)、RBに比べると当選しやすい(つまり当選確率が高い)といえる。
図52(b)は、BBゲームにおける各当選役及びハズレの当たり値の範囲(乱数値の範囲)を示したものである(BBゲーム判定テーブルという)。
これによれば、BBゲーム中は、BB及びRB、さらにCRBの抽選も行われないことになる。BBゲーム中は、このときのみ有効となる(当たり値が存在することになる)BBゲーム専用役の当たり値が抽出範囲の大半以上を占めている(当たり値の総数11250個)。従って、BBゲーム中は、約3回に2回程度はBBゲーム専用役に当選することが多くなるといえる。また、BBゲーム専用役の当たり値が増加した代わりに、ハズレに該当する当たり値は大幅に減少(当たり値の総数2334個)している。このため、BBゲーム中は、通常ゲームに比べて極めてハズレとなる可能性が低くなるということもいえる。
図52(c)は、RBゲームにおける各当選役及びハズレの当たり値の範囲(乱数値の範囲)を示したものである(RBゲーム判定テーブルという)。
これによれば、RBゲーム中は、BB及びRB、さらにCRBの抽選は行われないことになる。そして、上記の図52(b)で説明したBBゲーム中との違いは、RBゲーム中は、BBゲーム専用役の抽選は行わず、ベル及びチェリーのいずれかのみに当選する可能性があるということである。このとき、ベルの当たり値の範囲がほとんどを占めている(当たり値の総数15984個)ため、ほぼ毎回ベルに当選することが多くなるといえる。なお、RBゲーム中は、ハズレに該当する当たり値が0となるため、ハズレになることがない。
図52(d)は、CRBゲームにおける各当選役及びハズレの当たり値の範囲(乱数値の範囲)を示したものである(CRBゲーム判定テーブルという)。
これによれば、CRBゲーム中は、BB及びRB、さらにCRBの抽選は行われないことになる。そして、上記のBBゲーム中、RBゲーム中との違いは、CRBゲーム中は、BBゲーム専用役の抽選は行わず、ベル及びチェリーのいずれかのみに当選する可能性があるということである。このとき、チェリーの当たり値の範囲がほとんどを占めている(当たり値の総数15984個)ため、ほぼ毎回チェリーに当選することが多くなるといえる。なお、CRBゲーム中は、ハズレに該当する当たり値が0となるため、ハズレになることがない。
既に前述したが、CRBゲーム中は、ベル及びチェリーの双方に当選した状態となる。すなわち、CRBゲーム判定テーブルにしたがった抽選によって、ベル、チェリーのいずれかが結果として選び出された場合、当該当選役フラグ(例えば、チェリー)をON(=1)にするとともに、他方の当選役フラグ(例えば、ベル)もON(=1)にするということになる。
[RTゲーム]
スロットマシン1ではBBゲームの終了後からCRTゲーム(チャンスリプレイタイムゲーム)が開始される。
そして、RBゲーム及びCRBゲーム、いずれの終了後からLRTゲーム(ロングリプレイタイムゲーム)が開始される。
ここで、RTゲームとは、所定のゲーム回数(ゲーム期間)リプレイの当選確率を通常ゲームに比べて当選しやすくした状態を継続させるものである。このRTゲームを、開始するための条件等(所定のゲーム回数などを含む)によってさらに分けたものが、CRTゲーム、LRTゲームである。そして、CRTゲームでは所定のゲーム回数を100回、LRTゲームでは所定のゲーム回数は4000回としている。なお、以下では特に説明のないかぎり、RTゲームと呼ぶ場合はCRTゲーム、LRTゲームの双方を含むものとする。
そして、RTゲーム中にBB、RB及びCRBのいずれかに当選すると、上記所定のゲーム回数にまだ到達していない場合であってもRTゲームは終了となる。
また、RTゲーム中は、遊技者に向けてその遊技状態がRTゲーム中であることを認識(識別)できる態様にて実行させる。具体的には、RTゲーム中であることの表示(画像表示体500等による)や、効果音(スピーカ512等による)により識別可能なものとする。
また、LRTゲームはCRTゲームに比べて所定のゲーム回数が相当に多く(約40倍)なっている。そして、約273回に1回はBBに当選する可能性があることから(図52(a)参照)、LRTゲーム中にBBに当選する確率は非常に高いといえる。このことから、LRTゲームは、次回BB当選略確定RTとも呼ばれるものである。すなわち、LRTゲームは、ほぼBBの当選によって終了する可能性が高いものとなる。これに対して、CRTゲームは、所定のゲーム回数に到達することによって終了する可能性が高いものであるといえる。
図53は、RTゲームにおける各当選役及びハズレの当たり値の範囲(乱数値の範囲)を示したものである(RTゲーム判定テーブルという)。このRTゲーム判定テーブルは、CRTゲーム中及びLRTゲーム中いずれにも用いられるものである。リプレイ以外の当選役の当たり値については前述した通り(図52(a)と同じ)であるため説明は省略する。すなわち、RTゲーム中は通常ゲームでリプレイとなっていた当たり値に加えて、さらにハズレとなっていた当たり値の多くがリプレイの当たり値に変更されるため、リプレイの当選確率が約1/1.38にまで高く変更されている。このように、RTゲームでは、リプレイに当選する可能性が高くなるため、ハズレとなる可能性が低くなる。つまり、再遊技となることが増えるため、遊技者が新たにメダルを掛ける(次々にメダルを消費する)度合い(割合)が通常ゲームに比べて減少することになる。従って、RTゲームは、遊技者にとって有利な条件でゲームを行うことのできるものであるといえる。
なお、RTゲーム判定テーブルをCRTゲーム及びLRTゲームに共通して用いるものとしたが、これに限定されない。つまり、それぞれ別の判定テーブルを用いるものであってもよい。また、この例ではRTゲームにて、リプレイを通常ゲームに比べて当選しやすい当選役としたがこれに限定されない。すなわち、小役(ベルやチェリー)としてもよい。このようにすると、RTゲーム中は、小役となる可能性が高くなり、通常ゲームに比べてメダルが払い出される機会が増えることとなる。つまり、遊技者が消費するメダルの量と、払い出されるメダルの量とにあまり差が生じなくなる(メダルを増やせる可能性もあることとなる)。または、リプレイ及び小役ともども当選しやすい当選役としてもよい。この場合は、RTゲーム中にメダルを増やしていくことも可能となる。
なお、上述したように、スロットマシン1には設定キースイッチ112aにより設定を変更可能な複数の設定値(設定値1から4までの4段階)を設けている(それぞれ図示はしない)。そして、それぞれの設定値では内部抽選確率に格差(段階的な差、極端な差など)がつけられている。この設定値は、設定値1<設定値2<設定値3<設定値4、というように設定値が高くなるほど当選役(特にBB、CRB、RB等)の内部抽選確率が優遇されるようになっている。例えば、設定値1に比べると設定値4ではBBの当選確率が高く決められているのでBBに当選する可能性が高いといったようなことである。このように段階的な設定値を設けることにより、設定値ごとに特徴を持たせて遊技者が設定値の推測する際の手掛かりとしたり、ホール等の経営に合わせた設定値にてスロットマシン1の運用をしたり、といったことが可能となる。なお、上記のような設定値に限られることはない。また、上記の図52及び図53は設定値4に相当する内部抽選確率を示したものである。
なお、本発明の実施形態では、遊技者が設定値の推測をする際の手掛かりとして、上述したように有利度合い示唆演出を実行する。この有利度合い示唆演出は、演出画像等により設定値ごとに特徴を持たせた演出を実行する。詳細は後述する。
[リール停止処理]
始動処理が終了すると、一定速度で回転を続けているリールを停止させるための操作(停止操作、つまりリール停止ボタン211a、211b、211cの押下操作)待ちの状態となる。図54では、一例として「テーブル方式」によるリール停止処理の内容を示している。以下では、リール停止制御の処理の流れを説明する。
リール停止処理では、まずステップS201で、当該ゲームでの内部抽選の結果を示す内部抽選フラグにしたがってリール停止制御テーブルを選択する。このリール停止制御テーブルは予め全ての内部抽選フラグについてパターンが用意されており、これらは読み出し専用のテーブルデータとしてメイン基板409のROM1112に格納されている。
上記のステップS201にて内部抽選フラグに基づいてリール停止制御テーブルが選択された状態になると、各リール停止ボタン211a、211b、211cの押下操作が受け付けられるまで待ち受け状態となる(ステップS202、S210、S217)。これらの待ち受け状態で、左リール301a、中リール301b、右リール301cの各リールがすでに停止しているか否か、あるいは第1リール停止フラグがONとなっていない状態(F=0、つまりOFFの状態)であるか否かを判定するとともに、合わせてリール停止ボタン211a、211b、211cのいずれかが押下されたかについても判定する。全てのリール停止ボタン211a、211b、211cの押下操作が受け付けられるまでは、ステップS209の判定が満たされず、ステップS202以降の処理を繰り返す。
ここで、リール停止ボタン211a、211b、211cの押下操作の受け付けられた順番(停止操作手順)を、それぞれ「順押し」、「逆押し」、「中押し」と呼ばれる停止操作手順(または押し順ともいう)に分ける。
上記の「順押し」の停止操作手順とは、左リール301aを第1番目に停止させる操作手順(つまり、左リール停止ボタン211aを第1番目に押下操作する手順)のことをいい、第2番目以降に停止させるリールの操作順番より、〔 左リール→中リール→右リール 〕、あるいは、〔 左リール→右リール→中リール 〕となる2つの停止操作手順にさらに分けられる。これら2つをまとめて「順押し」と呼ぶ。なお、後者の停止操作手順は特に「順はさみ押し」とも呼ばれる場合もある。
上記の「逆押し」の停止操作手順とは、「順押し」と反対に右リール301cを第1番目に停止させる操作手順(つまり、右リール停止ボタン211cを第1番目に押下操作する手順)のことをいい、第2番目以降に停止させるリールの操作順番より、〔 右リール→中リール→左リール 〕、あるいは、〔 右リール→左リール→中リール 〕となる2つの停止操作手順にさらに分けられる。これら2つをまとめて「逆押し」と呼ぶ。なお、後者の停止操作手順は特に「逆はさみ押し」とも呼ばれる場合もある。
上記の「中押し」の停止操作手順とは、中リール301bを第1番目に停止させる操作手順(つまり、中リール停止ボタン211bを第1番目に押下操作する手順)のことをいい、第2番目以降に停止させるリールの操作順番より、〔 中リール→左リール→右リール 〕、あるいは、〔 中リール→右リール→左リール 〕となる2つの停止操作手順にさらに分けられる。これら2つをまとめて「中押し」と呼ぶ。
ステップS202では、左リール301aが停止状態となったことを示すフラグ(左リール停止フラグLF)がOFF(LF=0)であり、なおかつ、左リール停止ボタン211aの押下操作が受け付けられたかを判定する。ステップS201で、リール停止ボタン211a、211b、211cの押下操作の待ち受け状態から「順押し」の停止操作手順に沿って最初(第1番目)に左リール停止ボタン211aが押下されたとすると、ステップS202の判定が満たされ、ステップS203に移る。
ステップS203では、第1リール停止フラグがOFF(F=0)であるか判定する。ここでいう「第1リール」とは第1番目に停止操作が受け付けられる、あるいは第1番目に停止するリールのことをいう。この例(「順押し」)では、左リール301aの停止操作が第1番目に受け付けられるので、第1リール停止フラグがOFFの状態(F=0)となっている。従って、ステップS203の判定は満たされ、次のステップS204に移る。
次のステップS204では、左リール301aについて第1リール停止処理が行われる。この第1リール停止処理では、内部抽選フラグに対応するリール停止制御テーブルに基づいて内部抽選フラグに対応する当選役図柄の停止位置の制御を実行する。
ステップS206では、残りの中リール301b、右リール301cのリール停止制御テーブルを決定する。前述のとおり、スロットマシン1の有効ラインは右下がりラインと下段ラインの2ラインのみであるため、この時点で残りのリール(中リール301b、右リール301c)の停止制御テーブルは1つに決定することができる。つまり、第1停止リール(この場合は左リール301a)の図柄表示窓401内の図柄(これを停止目と呼ぶ、以下同様)のうち特に上段位置または下段位置の図柄が当選役図柄となる可能性のある図柄であった場合、その該当図柄を基準とした有効ライン上に残りのリール(中リール301b、右リール301c)の該当当選役図柄を揃えることの可能なリール停止制御テーブルを選択することになる。これにより、BB図柄、RB図柄以外の当選役図柄については目押しの必要なく揃えることができることになる(詳細はリール停止制御にて説明する)。
ステップS207では、第1リール停止フラグをON(F=1)として、次のステップS208に移る。
次いでステップS208では、左リール停止フラグLFをON(LF=1)として、ステップS209に移る。
そして、ステップS209では、全てのリール301a、301b、301cが停止状態となったかを判定する。この例では、まだ左リール停止フラグLFがONとなっただけであり、中リール301b及び右リール301cはまだ回転中であることから、この判定が満たされず、ステップS202に戻り以降の処理を繰り返し実行する。
そして、再びステップS202以降の処理が実行される場合、すでに左リール301aは停止状態となっているのでステップS202の判定は満たされず、ステップS210に移る。
ステップS210では、中リール301bが停止状態となったことを示すフラグ(中リール停止フラグMF)がOFF(MF=0)であり、なおかつ、中リール停止ボタン211bの押下操作が受け付けられたかを判定する。ここでは「順押し」の停止操作手順に沿うため、中リール停止ボタン211bの押下操作が受け付けられることとなる。従って、ステップS210の判定が満たされ、次のステップS211に移る。
ステップS211では、上記のステップS203と同様に第1リール停止フラグがOFF(F=0)であるか判定する。そして、この時点ではすでに第1リール停止フラグはON(F=1)となっているため、この判定が満たされず、ステップS213に移る。
ステップS213では、中リール停止処理として、内部抽選フラグに対応するリール制御テーブル(この場合は上記のステップS206で決定したリール停止制御テーブル)に基づいて該当当選役図柄の停止位置の制御を実行する。そして、このとき中リール301bは第2番目に停止するリール(第2リール)となり、ステップS212、S214、S215は全て迂回され、ステップS216に移り、中リール停止フラグMFをON(MF=1)としてステップS209に移る。
そして、再度ステップS209では、左リール301a及び中リール301bが停止状態となっただけであり、まだ右リール301cは回転中で停止状態(右リール停止フラグRFがOFFとなっている)となっていないので、この判定が満たされず、ステップS202に戻り、再度以降の処理を繰り返し実行する。
さらに、3度目のステップS202以降の処理では、先ずステップS217で右リール停止フラグMFがOFF(MF=0)であり、なおかつ、右リール停止ボタン211cの押下操作が受け付けられたかを判定していくことになるが、以降のステップS218、S220等の処理は、上記のステップS210以降の処理(ステップS211、S213)と同様であるため詳細な説明は省略する。
そして、ステップS223にて、右リール停止フラグRFをON(MF=1)として、ステップS209に移る。
最後にステップS209では、この時点において、全てのリール301a、301b、301cが停止状態となっていることから、この判定が満たされ、リール停止処理が終了する。
なお、「中押し」の停止操作手順の場合も上記と同様の説明ができるため詳細は省略する。ただし、「逆押し」の停止操作手順の場合は上記の説明と一部異なる点があるため、以下に説明する。
「逆押し」の停止操作手順で、上記の「順押し」あるいは「中押し」の停止操作手順と異なる点は、ステップS221(第1リール停止処理の後に残りのリール停止制御テーブルの決定)についてである。すなわち、「逆押し」の停止操作手順では、右リール301cのみが停止状態となり、なおかつ、右リール301cの停止目のうち、下段位置にいずれかの当選役図柄があった場合、まだ2つの有効ラインのいずれにも該当当選役図柄を揃えることが可能である。従って、ステップS221の段階では、いずれの有効ラインにも該当当選役図柄を揃えることのできるリール停止制御テーブルを複数用意しておき、いずれかを選び出すものとすればよい。
[リール停止制御]
上記のリール停止処理では、成立フラグに対応した当選役図柄(該当当選役図柄)を極力図柄表示窓401内に引き込むリール停止制御を行う(いわゆる、引き込み制御といわれる)。具体的には、遊技者によるリールの停止操作が受け付けられた時点で、図柄表示窓401内に停止させることが可能な範囲(該当当選役図柄を引き込むことが可能な範囲、例えば、図柄4個分)を予め決めておき、その範囲内に該当当選役図柄がある場合、これを図柄表示窓401内に引き込んでリールを停止させる制御を実行する。なお、ここでいう「引き込むことが可能な範囲」とは、リールの停止操作が受け付けられてから当該リールが停止するまでに、リールの回転方向にみて移動が可能な図柄の最大数のことをいう。例えば、引き込み可能な範囲を最大で図柄4個分とすれば、当該リールの停止操作が受け付けられた場合、その位置を基点にしてさらに図柄4個分までリールの回転移動が可能となる。
従って、このようなリール停止制御によれば、リールの停止操作が受け付けられた時点で、図柄表示窓401内に該当当選役図柄がなかったとしても、該当当選役図柄が引き込み可能な範囲内にあれば、その該当当選役図柄を図柄表示窓401内にまで移動させたうえで停止させることが可能となる。また、この引き込み制御を行うことにより、遊技者は該当当選役図柄の目押しのタイミングが多少早かったとしても、引き込み可能範囲内に当該当選役図柄があれば、その当該当選役図柄を図柄表示窓401内に引き込んで停止させることができる。従って、取りこぼし(当該当選役図柄を揃えることができずに当該当選役に対応する遊技特典を獲得できずにその遊技特典が消滅してしまうこと)が生じることを極力抑えることができる。
スロットマシン1では、BB及びRB以外の当選役が成立フラグとなる場合には、遊技者の目押しを必要とせずに必ず該当当選役図柄を揃えることができる(前述の図46参照)。これは、ベル、リプレイについては、対応するそれぞれの当選役図柄が最大で4個分の図柄おきに配置されているからである。そして、CRBについても同様に目押しを必要とせずに揃えることができる。
また、チェリーについては、判定の対象となるのは、右リール301cのチェリー図柄であり、これも最大で4個分の図柄おきに配置されているため、目押しを必要とせずにチェリー図柄を揃えることができる。
既に前述したが、特にCRBゲーム中は、ベル及びチェリーの双方に当選した状態となっている。さらにこのとき、ベル及びチェリーのいずれを優先して揃えることができるかについては、「チェリー>ベル」という優先順位(CRBゲーム中の優先順位という)が設けられている。すなわち、CRBゲーム中には、ベル図柄に優先してチェリー図柄を揃えさせようとする引き込み制御を実行する。
なお、引き込み制御の実行は、CRB中に限らず、小役同士(ベルとチェリー)の共有当選当たりの場合には、どのフラグが成立しているか、どのリール停止ボタン211a、211b、211cが停止操作されたか、リール停止ボタン211a、211b、211cがどのようなタイミングで停止操作されたかを条件に、予め定められた停止テーブルを使用して図柄の停止制御(引き込み制御)を行ってもよい。例えば、チェリーとベルが共有当選当たりしたときに、第1停止が左リール停止ボタン211aの場合はチェリーの図柄組み合わせを優先し、第1停止が右リール停止ボタン211cの場合はベルの図柄組み合わせを優先するように引き込み制御を行ってもよい。
ここで、チェリー図柄についてさらに着目すると、左リール301a上では、チェリー図柄からチェリー図柄までのあいだに他の図柄が6個分配置されている(図46参照)。これにより、左リール301aでは、リールのどの位置で停止操作が受け付けられても、必ずチェリー図柄を上段位置あるいは下段位置のいずれかに引き込んで停止させることができる。
例えば、配列番号12番(以下では、単に○○番という)の赤7図柄あるいは11番のハート図柄を図柄表示窓401内の下段位置付近に目押しした場合、そのまま停止すると「リプベル図柄(10番)→ハート図柄(11番)→赤7図柄(12番)」と図柄表示窓401内の上段位置から下段位置に停止することになる。しかし、上記引き込み制御により最大4個の図柄分だけ移動可能とすると、11番のハート図柄から8番の青7図柄までリール回転方向に移動して停止させることができる。この結果、図柄表示窓401内には「チェリー図柄(6番)→リプベル図柄(7番)→青7図柄(8番)」となり、チェリー図柄を上段位置に停止させることができる。
このことから、チェリー図柄が揃うこととなる場合には、左リール301a上にもチェリー図柄を停止させる(引き込む)ものとすることが望ましい。これは、チェリーが成立フラグに該当する場合、実際の判定対象となる右リール301c上(下段位置)に加えて左リール301a上(上段位置あるいは下段位置)にもチェリー図柄が停止することを意味する。このようにすれば、左リール301a上(上段位置あるいは下段位置)にチェリー図柄が表示されれば、右リール301c上(下段位置)にもチェリー図柄が表示されるという印象を遊技者に強く持たせることができる。従って、右リール301c上(下段位置)にはチェリー図柄が停止しているが、左リール301a上(上段位置あるいは下段位置)にはチェリー図柄が停止していない状態をいわゆるリーチ目とすることも可能となる。
また、共有当選当たり値の当選役の場合は、BB図柄(またはRB図柄)を優先的に引き込むものとしている。ただし、BB図柄(またはRB図柄)は目押しが必要な図柄であるため、BB図柄(またはRB図柄)が引き込み不可能なとき(引き込み可能範囲にない)には他方の当選役図柄を引き込むものとする。そして、既に説明したとおり、このとき他方の当選役図柄は取りこぼすことなく揃えることが可能となる。従って、共有当選当たり値の当選役に該当する場合には、BB図柄または他方の当選役(小役)図柄のいずれかを必ず揃えることができる。
上述した共有当選当たりでは、BB図柄又はRB図柄を優先的に引き込む場合について説明したが、小役を優先的に引き込むように構成することも出来る。また、例えば、小役以外にも上述したリプレイ(再遊技)が当選役として規定していることから、優先順位をリプレイ>小役>ボーナス、または、リプレイ>ボーナス>小役と規定して引き込むように構成してもよい。この場合、小役を優先的に引き込むように構成した場合であれば、小役を揃えることによりメダルが払出されてメダルの増加に寄与することとなるし、ボーナスを優先的に引き込むように構成した場合であれば、遊技を円滑に進行することができる。
以上のことから、スロットマシン1では、BB図柄及びRB図柄以外の当選役図柄については、目押しを必要とせずに揃えることができる。つまり、BB及びRB以外の当選役については「取りこぼし」を生じることがないということになる。従って、目押しの技量の差により、遊技者ごとに利益の差が大きくなる(メダルの獲得枚数に大幅な差が生じることなど)ことを極力解消することができる。
以上がテーブル方式によるリール停止処理の一例である。これとは別にコントロール方式によるリール停止処理があるが、これについても公知の処理を適用可能であるため、ここでは具体的な説明を省略する。また、本発明の実施形態においてコントロール方式またはテーブル方式のいずれのリール停止処理を実行してもよく、どの方式を採用するかは制御プログラムを構築するにあたって適宜決定すればよい。
ただし、このようなリール停止制御が行われる場合には、以下のようなデメリットもある。すなわち、まず、リールの停止操作タイミングとずれてリール301a〜301cが停止表示されることが多くなることから、遊技者としては、リールの停止操作タイミングに対し、リール301a〜301cが本来はどのようなタイミングにて停止されるのかを認識し難くなってしまう。
このため、ようやく所望の当選フラグ(例えばBBなどのボーナス)が内部的に成立された状態(内部抽選フラグとなった状態)に移行しても、遊技者が、同フラグが内部的に成立される前の状態(BBなどのボーナス図柄が揃わないように停止制御される状態)のイメージを持ったままリールの停止操作を行ってしまうと、所望のタイミングにてリール301a〜301cを停止表示させることが困難となり、ひいては遊技興趣が低下してしまう。特に、スロットマシンの機種やメーカによって停止タイミングが異なる場合があり、これによって所望のタイミングにてリール301a〜301cを停止表示させることが一層困難とされてしまう。
[判定処理]
リール停止処理が終了すると、図柄表示窓401内にていずれかの有効ライン上に当選役図柄が揃っているか(いずれかの当選役に該当する図柄の組み合わせ態様が表示されているか)否かについて判定を行う。図55では、この判定処理の内容を具体的に説明する。
リール停止処理により全てのリール301a、301b、301cが停止した状態となると、図柄表示窓401内の停止目の態様から、いずれかの有効ライン上に当選役図柄が揃っているか(当選役に対応する図柄の組み合わせ態様が表示されているか)否かを判定する。なお、特に全てのリールが停止状態となった場合の停止目のことは出目と呼ばれることもある。
ステップS301、S302、S303では、それぞれ、CRBゲーム中であるか、RBゲーム中であるか、BBゲーム中であるかを判定する。これは後述するCRBゲーム中フラグ、RBゲーム中フラグ、BBゲーム中フラグというゲーム状態フラグのON状態(=1)、OFF状態(=0)を判定することである。
CRBゲーム中フラグがON(=1)となっていると、ステップS301の判定が満たされ、ステップS390に移る。同様にして、RBゲーム中フラグがON(=1)となっていると、ステップS302の判定が満たされ、ステップS380に移る。またBBゲーム中フラグがON(=1)となっているとステップS303の判定が満たされ、ステップS370に移る。
CRBゲーム中フラグ、RBゲーム中フラグ及びBBゲーム中フラグのいずれもOFF(=0)となっている場合、ステップS301、S302、S303の判定がいずれも満たされず、ステップS304に移る。
ステップS304で、RTゲーム終了判定処理(詳細は後述する)を実行した後、いずれかの有効ライン上に揃っている当選役図柄に応じて、さらに以下のステップS310、S320、S330、S340、S350のいずれかに移る。
ステップS310では、BB図柄が揃っているかを判定する。いずれかの有効ライン上にBB図柄が揃っている場合(「赤7図柄−赤7図柄−赤7図柄」、この判定が満たされ、次のステップS312に移る。
次のステップS312では、BBゲーム開始処理を実行する。ここでは、BBゲームとして、メダルの獲得が容易な複数回にわたるゲームが集中して行われるための処理をすることになる(詳細は後述する)。
ステップS320では、RB図柄が揃っているかを判定する。いずれかの有効ライン上にRB図柄が揃っている場合(「白7図柄−赤7図柄−赤7図柄」、この判定が満たされ、次のステップS322に移る。
次のステップS322では、RBゲーム開始処理を実行する。ここでは、RBゲームとして、BBゲームに準じたメダルの獲得が容易な複数回にわたるゲームが集中して行われるための処理をすることになる(詳細は後述する)。
ステップS330では、CRB図柄が揃っているかを判定する。いずれかの有効ライン上にCRB図柄が揃っている場合(「リプベル図柄−ベル図柄−リプレイ図柄」、この判定が満たされ、次のステップS332に移る。
次のステップS332では、CRBゲーム開始処理を実行する。ここでは、CRBゲームとして、BBゲームに準じたメダルの獲得が容易な複数回にわたるゲームが集中して行われるための処理をすることになる(詳細は後述する)。
ステップS340では、リプレイ図柄が揃っているかを判定する。いずれかの有効ライン上にリプレイ図柄が揃っている場合(「リプベル図柄−リプレイ図柄−リプレイ図柄」)、この判定が満たされ、次のステップS342に移る。
次のステップS342では、リプレイゲーム処理を実行する。このリプレイゲーム処理では、当該ゲームでのベット数と同じベット数(この例ではMAXベット)にて次回のゲームを開始させるために、MAXベットコマンドをRAM1114に一旦記憶させる。このコマンドに基づき、次回のゲームを再遊技として開始させることができる。
そして、ステップS344では、リプレイ当選フラグをOFF(=0)にして処理を終了する。
ステップS350では、小役図柄が揃っているかを判定する。いずれかの有効ライン上に小役図柄が揃っている場合(「リプベル図柄−ベル図柄−ベル図柄」または「ANY−ANY−チェリー図柄」)、この判定が満たされ、次のステップS352に移る。
次のステップS352では、揃っている小役図柄に応じた規定枚数のメダルの払い出しを実行する(メダル放出装置110より規定枚数のメダルを払い出す)。そして、メダルの払出枚数を表示する(払出枚数表示LED612に表示する)。これにより、遊技者には当該小役に対応した規定枚数のメダルが払い出されたことが報知(告知、表示)される。
そして、ステップS354では、該当する小役当選フラグをOFF(=0)にして処理を終了する。
有効ライン上にいずれの当選役図柄も揃っていない場合、上記のステップS310、S320、S330、S340、S350のいずれの判定も満たされず、ステップS360に移る。なお、このときの出目は「ハズレ目(バラバラな図柄の組み合わせ態様)」とも呼ばれる。
ステップS360では、ハズレ処理を実行する。このハズレ処理では、この時点でON(=1)状態となっている当選フラグがBB及びRBを除く他の当選フラグの場合、当該当選フラグをOFF(=0)にする。また、いずれの当選フラグもON(=1)となっていない場合(このときはハズレフラグがON(=1)となっている)には、ハズレフラグをOFF(=0)にする。
従って、当該当選フラグが、BB当選フラグ、RB当選フラグ、のいずれにも該当しない場合、この時点で「取りこぼし」が確定することになる。なお、スロットマシン1では、この「取りこぼし」が生じる当選役は無いものであるが、小役等には「取りこぼし」が生じる可能性を持たせた当選役を含めてもよい。
一方、当該当選フラグがBB当選フラグ及びRB当選フラグのいずれかに該当して当該遊技でボーナスを揃えることが出来なかった場合には、当該当選フラグはOFFとならず、次ゲーム以降に持ち越される。これにより、BB及びRBについては取りこぼしを生じることがなく、該当する当選役図柄を揃えることができるまで当該当選フラグが持ち越されていくことになる。従って、遊技者は、BB、RBといった他の当選役に比べて利益の度合いの高い当選役の取りこぼしを心配することがなくBB、RBの遊技特典は必ず獲得できるという安心感を持ってゲームに臨むことができる。また、特に目押しの技量の低い遊技者にとっては、BB図柄(あるいはRB図柄)を揃えるまで何度でも目押しの練習ができることになる。
上記のステップS304からステップS360までの処理は、通常ゲーム、RTゲームの場合に実行する処理となる。次にステップS370以降の処理について説明する。ここでの処理は、BBゲーム、RBゲーム及びCRBゲームの場合に実行する処理である。
まず、ステップS370では、BBゲーム時払出役図柄が揃っているかを判定する。ここでいう「BBゲーム時払出役」とは、ベル、チェリーに加えてBBゲーム専用役を含めたBBゲーム中にメダルの払い出しがある当選役の総称である。そして、いずれかの有効ライン上にBBゲーム時払出役図柄が揃っている場合(「リプベル図柄−ベル図柄−ベル図柄」、または「ANY−ANY−チェリー図柄」、または「リプベル図柄−リプレイ図柄−ベル図柄」)、この判定が満たされ、次のステップS372に移る。
次のステップS372では、揃っているBBゲーム時払出役図柄に応じた規定枚数のメダルの払い出しを実行する(メダル放出装置110より規定枚数のメダルを払い出す)。そして、メダルの払出枚数を表示する(払出枚数表示LED612に表示する)これにより、遊技者には当該BBゲーム時払出役に対応した規定枚数のメダルが払い出されたことが報知(告知、表示)される。
ステップS372に次いで、ステップS374では、BBゲーム終了判定処理を実行する(詳細は後述する)。その後、ステップS376に移り、RTゲーム開始処理(詳細は後述する)を実行する。
また、上記のステップS370の判定が満たされない場合、ステップ378に移り、当該成立フラグをOFF(=0)にする。特にこの例では、取りこぼしが生じないため、当該成立フラグにはハズレフラグが該当する。すなわち、ステップS378では、当該ハズレフラグをOFF(=0)にする。
次にステップS380以降の説明をする。ステップS380では、RBゲーム時払出役図柄が揃っているかを判定する。なお、この「RBゲーム時払出役」も、前述のBBゲーム時払出役と同様にRBゲーム中に払い出しがある当選役の総称である(この場合は、ベル、チェリーが該当する)。そして、いずれかの有効ライン上にRBゲーム時払出役図柄が揃っている場合、この判定が満たされ、次のステップS382に移る。
次のステップS382では、揃っているRBゲーム時払出役図柄に応じた規定枚数のメダルの払い出しを実行する(メダル放出装置110より規定枚数のメダルを払い出す)。そして、メダルの払出枚数を表示する(払出枚数表示LED612に表示する)これにより、遊技者には当該RBゲーム時払出役に対応した規定枚数のメダルが払い出されたことが報知(告知、表示)される。
ステップS382に次いで、ステップS384では、RBゲーム終了判定処理を実行する(詳細は後述する)。その後、ステップS386に移り、RTゲーム開始処理(詳細は後述する)を実行する。
また、上記のステップS380の判定が満たされない場合、前述のステップ378に移り、当該成立フラグをOFF(=0)にする。これは先に説明したため、説明は省略する。
次にステップS390以降の説明をする。ステップS390では、CRBゲーム時払出役図柄が揃っているかを判定する。なお、この「CRBゲーム時払出役」も、前述のRBゲーム時払出役と同じであるため、説明は省略する。いずれかの有効ライン上にCRBゲーム時払出役図柄が揃っている場合、この判定が満たされ、次のステップS392に移る。
次のステップS392では、揃っているCRBゲーム時払出役図柄に応じた規定枚数のメダルの払い出しを実行する(メダル放出装置110より規定枚数のメダルを払い出す)。そして、メダルの払出枚数を表示する(払出枚数表示LED612に表示する)これにより、遊技者には当該CRBゲーム時払出役に対応した規定枚数のメダルが払い出されたことが報知(告知、表示)される。
ステップS392に次いで、ステップS394では、CRBゲーム終了判定処理を実行する(詳細は後述する)。その後、ステップS386に移り、RTゲーム開始処理(詳細は後述する)を実行する。
また、上記のステップS390の判定が満たされない場合、ステップ396に移り、当該成立フラグをOFF(=0)にする。これは先に説明したステップS378と同じ内容であるため、説明は省略する。
[BBゲーム開始処理]
前述の図55のステップS310の判定が満たされた場合、BBゲーム開始処理を実行する。このBBゲーム開始処理について図56を用いて説明する。
まず、ステップS401では、BBフラグがON(=1)となっているかを判定する。ステップS401の判定が満たされると、ステップS404に移る。ステップS404では、BBゲーム中フラグをON(=1)にする。また図示はしないが、このときBBフラグをOFF(=0)にする。次いでステップS406にて、BBゲーム中の累計払出枚数カウントをクリアする。これにより、次のゲームから累計払出枚数の累算が実行される。そして、次ゲームからは、通常ゲームと同様の掛け数3ベット(3枚掛け)にてBBゲームが開始される。
また、ステップS401の判定が満たされない場合、ステップS402に移り、エラー処理を実行する。このような場合となるのは、BBフラグがOFF(=0)であるにも関わらず、BB図柄が揃ってしまうような場合が該当する。すなわち、何らかの不正な手段(例えば、ゴト行為)が行われたか、あるいはスロットマシン1に故障が生じたか、いずれかの場合に起こり得るものである。従って、エラー処理では、エラーランプ604の点灯や、その他前述のLED等にエラー発生を知らせる表示を行う。
[BBゲーム終了判定処理]
続いて、前述の図55のステップS374のBBゲーム終了判定処理について図57を用いて説明する。
まず、ステップS451では、前述の図55のステップS372にてメダルの払い出しがあったことを受けて、BBゲーム中の累計払出枚数に当該ゲームの払出枚数を加算する。
次にステップS452では、累計払出枚数が300枚を超えたかを判定する。このステップS452の判定が満たされない場合、ステップS454に移り、BBゲーム中の累計払出枚数を表示する(払出枚数表示LED612等に表示する。なお、累計払出枚数は表示用のLED等を別途設けてこれに表示するものとしてもよい)。また、ステップS452の判定が満たされると、ステップS460に移る。本実施例では、BBゲーム中の累計払出枚数を300枚としたが、これに限られない。例えば、BBの種類を複数設定し、それぞれのボーナス毎に終了規定枚数を設定してもよい。
ステップS460では、BBゲーム中フラグをOFF(=0)にした後、ステップS462にてCRTゲーム開始フラグをON(=1)にして処理を終了する。
[RBゲーム開始処理]
前述の図55のステップS320の判定が満たされた場合、RBゲーム開始処理を実行する。このRBゲーム開始処理について図58を用いて説明する。
まず、ステップS501では、RBフラグがON(=1)となっているかを判定する。ステップS501の判定が満たされると、ステップS504に移る。ステップS504では、RBゲーム中フラグをON(=1)にする。また図示はしないが、このときRBフラグをOFF(=0)にする。次いでステップS506にて、RBゲーム中の累計払出枚数カウントをクリアする。これにより、次のゲームから累計払出枚数の累算が実行される。そして、次ゲームからは、通常ゲームと同様の掛け数3ベット(3枚掛け)にてRBゲームが開始される。このことにより、遊技者は通常ゲームと比べて特別な違和感を覚えることなくゲームを行うことができる。
また、ステップS501の判定が満たされない場合、ステップS502に移り、エラー処理を実行する。このような場合となるのは、RBフラグがOFF(=0)であるにも関わらず、RB図柄が揃ってしまうような場合が該当する。すなわち、何らかの不正な手段(例えば、ゴト行為)が行われたか、あるいはスロットマシン1に故障が生じたか、いずれかの場合に起こり得るものである。従って、エラー処理では、エラーランプ604の点灯や、その他前述のLED等にエラー発生を知らせる表示を行う。
[RBゲーム終了判定処理]
続いて、前述の図55のステップS384のRBゲーム終了判定処理について図59を用いて説明する。
まず、ステップS551では、前述の図55のステップS382にてメダルの払い出しがあったことを受けて、RBゲーム中の累計払出枚数に当該ゲームの払出枚数を加算する。
次にステップS552では、累計払出枚数が20枚を超えたかを判定する。このステップS552の判定が満たされない場合、ステップS554に移り、RBゲーム中の累計払出枚数を表示する(払出枚数表示LED612等に表示する。なお、累計払出枚数は表示用のLED等を別途設けてこれに表示するものとしてもよい)。また、本実施例では、RBゲーム中の累計払出枚数を20枚としたが、これに限られない。例えば、RBの種類を複数設定し、それぞれのボーナス毎に終了規定枚数を設定してもよい。また規定された遊技数を消化した場合に終了するように設定してもよい。
また、ステップS552の判定が満たされると、ステップS556に移る。
ステップS556では、RBゲーム中フラグをOFF(=0)にした後、ステップS558にてLRTゲーム開始フラグをON(=1)にして処理を終了する。
[CRBゲーム開始処理]
前述の図55のステップS330の判定が満たされた場合、CRBゲーム開始処理を実行する。このCRBゲーム開始処理について図60を用いて説明する。
まず、ステップS601では、CRBフラグがON(=1)となっているかを判定する。ステップS601の判定が満たされると、ステップS604に移る。ステップS604では、CRBゲーム中フラグをON(=1)にする。また図示はしないが、このときCRBフラグをOFF(=0)にする。次いでステップS606にて、CRBゲーム中の累計払出枚数カウントをクリアする。これにより、次のゲームから累計払出枚数の累算が実行される。そして、次ゲームからは、通常ゲームと同様の掛け数3ベット(3枚掛け)にてCRBゲームが開始される。このことにより、遊技者は通常ゲームと比べて特別な違和感を覚えることなくゲームを行うことができる。
既に前述した通り、CRBゲーム中は、CRBゲーム中の優先順位により、チェリー図柄を優先的に揃えることのできる状態となっている。従って、CRBゲーム中は、効率よくメダルを獲得していくことができる。これにより、35枚という累計払出枚数に数回のゲームで到達することが可能となる。また、このような数回だけメダルの払い出しが連続的に行われることは、通常ゲームであっても十分ありえることであるため、「通常ゲームとほぼ見分けの付かない遊技状態にて、いずれかの当選役(主にはチェリー)が連続して当選するような状況」を作り出すことができる。
また、ステップS601の判定が満たされない場合、ステップS602に移り、エラー処理を実行する。このエラー処理は前述したものと同じであるため説明は省略する。
[CRBゲーム終了判定処理]
続いて、前述の図55のステップS394のCRBゲーム終了判定処理について図61を用いて説明する。
まず、ステップS651では、前述の図55のステップS392にてメダルの払い出しがあったことを受けて、CRBゲーム中の累計払出枚数に当該ゲームの払出枚数を加算する。
次にステップS652では、累計払出枚数が35枚を超えたかを判定する。このステップS652の判定が満たされない場合、処理は終了となる。なお、CRBゲーム中は累計払出枚数等の表示(払出枚数表示LED612や、その他LED等の表示手段による表示)は一切行われないものである。
また、ステップS652の判定が満たされると、ステップS660に移る。
ステップS660では、CRBゲーム中フラグをOFF(=0)にした後、ステップS662にてLRTゲーム開始フラグをON(=1)にして処理を終了する。
なお、この例では、BBゲーム、RBゲーム及びCRBゲームそれぞれ規定枚数を超えるメダルの払い出しがあった場合に終了するものとしたが、これに限定されない。すなわち、ゲーム回数が規定回数を超えた場合に終了するものとしてもよいし、これらを適宜組み合わせたものであってもよい。また、上記BBゲーム及びRBゲームについては、通常ゲームと異なる掛け数にて行うものとしてもよい。このようにすると、遊技者は、通常ゲームとは明らかに異なるゲームであることを明確に認識することができる。
[RTゲーム開始処理]
RTゲーム開始処理について、図62を用いて詳細に説明する。前述の図55の判定処理において、ステップS374、S384、S394を経由する場合、RTゲーム開始処理を実行する。なお、このRTゲーム開始処理は上記ステップS374、S384、S394のいずれを経由した場合も同じ内容の処理が実行される。
まず、ステップS801では、CRTゲーム開始フラグがON(=1)であるかを判定する。この判定が満たされた場合、ステップS802では、CRTゲーム回数を「50回」にセットする。
そして、次のステップS804では、CRTゲーム中フラグをON(=1)にする。また、図示はしないが、このときCRTゲーム開始フラグをOFF(=0)にする。これにより、次ゲームからCRTゲームが開始される。
一方、ステップS801の判定が満たされない場合、ステップS810に移り、LRTゲーム開始フラグがON(=1)であるかを判定する。この判定が満たされた場合、ステップS812では、LRTゲーム回数を「4000回」にセットする。
そして、次のステップS814では、LRTゲーム中フラグをON(=1)にする。また、図示はしないが、このときLRTゲーム開始フラグをOFF(=0)にする。これにより、次ゲームからLRTゲームが開始される。
また、上記のステップS801、S810の判定がいずれも満たされない場合、いずれの処理も行われず終了となる。なお、本実施例では、ボーナス終了後にのみRTゲーム開始処理を行っているが、これに限られない。例えば、ボーナス遊技中、及びボーナスフラグ持ち越し中ではない遊技中に、特定の出目(例えばベルの組合せが表示されることや、ベルを取りこぼした時に表示される取りこぼし目)が表示された場合にも、RT開始処理を行うようにしてもよい。また、遊技状態毎において特定の出目が出現した場合にも、RT開始処理を行うか否かを決めるようにしてもよい。
[RTゲーム終了判定処理]
次にRTゲーム終了判定処理について、図63を用いて詳細に説明する。前述の図55の判定処理において、ステップS301、S302、S303のいずれの判定も満たされない場合、このRTゲーム終了判定処理が実行される。
まず、ステップS901では、RTゲーム中フラグ(CRTゲーム中フラグ、またはLRTゲーム中フラグのいずれか)がON(=1)となっているかを判定する。この判定が満たされない場合、いずれの処理も行われず終了となる。
そして、ステップS901の判定が満たされると、次のステップS902では、RTゲーム回数を「1」だけ減算して、ステップS904に移る。
ステップS904では、残りのRTゲーム回数が「0」であるかを判定する。RTゲーム回数が「0」であれば、この判定が満たされ、次のステップS906に移り、RTゲーム中フラグ(CRTゲーム中フラグまたはLRTゲーム中フラグ)をOFF(=0)にする。なお、本実施例では、RTの回数を規定遊技回数としているが、規定遊技回数を定めず、他のRT開始契機を満たすまで継続する(RTゲーム中フラグをOFFにしない)こととしてもよい。
一方、ステップS904の判定が満たされない場合、ステップS910に移り、BBフラグ、RBフラグ及びCRBフラグ、のいずれかがON(=1)となっているかを判定する。この判定が満たされる場合とは、当該RTゲームにて、BB、RB及びCRBのいずれかに当選した場合が該当する。
そして、ステップS910の判定が満たされると、次にステップS906に移り、RTゲーム中フラグをOFF(=0)にして処理を終了する。ここでの処理は、すなわち、RTゲームがBB、RB及びCRBのいずれかの当選によって終了となることを示している。
ステップS910の判定が満たされない場合、処理は終了となる。
[演出動作の制御]
以上は、メイン基板409による制御の例であるが、スロットマシン1では、ゲームの進行にあわせて演出制御基板510により各種演出動作の制御を実行する。これはメイン基板409から出力される各種コマンド(例えば、上述したウェイトコマンド、タイムアップコマンド、スタートコマンド、当選役コマンド、リール停止コマンド、設定値コマンド等の情報コマンド、出力信号)に基づいて、演出制御基板510(主にCPU1118等)にて実行するものである。
特に、本発明の実施形態では、上述した通常ゲーム、CRTゲーム、LRTゲーム中(ボーナスゲーム以外のゲーム中)において、図柄表示窓401に図柄停止結果が表示され、遊技者にゲーム結果が示された後に誘発演出の実行を開始し、次のゲームにおける始動レバー210操作後にウェイト状態となると誘発演出の実行を終了するとともに有利度合い示唆演出又は期待度演出の実行を開始する。
前述の通りメイン基板409から出力された各種コマンドは、一旦、RAM1122に記憶される。そして、当該コマンドに基づき、予め用意された演出態様を選択し、実行するものである。このような演出態様は、演出態様データテーブル(例えば、後述する図64参照)としてROM1120内に格納されており、当該コマンドに対応する演出態様が複数用意されている。
例えば、本発明の実施形態の演出態様としては、上述した誘発演出、有利度合い示唆演出又は期待度演出の演出態様として、誘発演出画像2501、有利度合い示唆演出画像2502、期待度演出画像2503が用意されている(後述する図65から図72参照)。
また、例えば、誘発演出、有利度合い示唆演出又は期待度演出以外の演出態様としては、当該ゲームのみで完結するもの(以下、単発演出態様という)や、複数のゲームにわたって行われるもの(以下、連続演出態様という)などが含まれる。このうち、単発演出態様には、当該当選フラグを示唆する演出(示唆演出、告知演出、詳細は後述する)、メダルの払い出しを知らせる演出(払出演出、なお、払い出し枚数までを知らせる態様でもよい)などがある。
上記示唆演出は、遊技者に当該当選フラグを直接的に知らせる演出(告知演出)とは異なり、当該当選フラグを間接的に知らせる演出のことをいう、例えば、当該当選フラグに該当する当選役の形、色などを表現した表示等を行うといったことである。また、示唆演出は、当該当選フラグがない場合(つまり、ハズレの場合)にも行われる。この場合には、ハズレであることを気付きにくい内容の演出とする(例えば、いずれの当選役とも取れるような曖昧な内容)。これにより、当該ゲームがハズレであることを遊技者に気付きにくくすることができる。
上記告知演出は、例えば、当該当選フラグがBBであった場合、又は、ボーナスフラグが持ち越されている場合には、「ボーナス確定!」等、遊技者が当該ゲームでいずれの当選役となったかを明確に知ることのできるものである。この演出は、特にBBやRBなど遊技者にとって喜ばしい当選役(メダルを大量に獲得できるため)について実行させるとより効果的である。すなわち、遊技者がBB等に当選した際に、そのことを祝福する意味合いを持たせることができるからである。
また、連続演出態様としては、BBゲーム、RBゲーム、等の遊技状態に対応したものがある。これらは、遊技状態がどのようになっているかを明確にするものであり、遊技者はこれらの演出(連続演出)が行われることにより、現在の遊技状態が通常ゲーム中であるのか、BBゲーム中であるのか、といった区別を付けることが容易となる。
そして、RTゲーム中は、開始から終了まで、その旨を遊技者が認識できるような演出を実行させてもよい。例えば、CRTゲームの回数をカウントする表示や、規定回数に近づくにつれて危機感迫る効果音を発生させることなどである。このようにすると、遊技者はCRTゲームの残り回数がどれほどあるのか確認しながらゲームを進めていくことができる。
また、LRTゲームでは、LRTゲームの回数のカウント表示は特に行わないものであってもよい。これはLRTゲームが4000回という遊技者から見て相当に長いゲーム期間であるため、規定回数の終わりをほとんど気にする必要が無いからである。そして、上記回数のカウント表示を行わないことは、例えば、遊技者がLRTゲームの規定回数を知り得ていない場合、いつまでRTゲーム(LRTゲーム)が続くのか分からずハラハラしながらRTゲームを続けられるという効果を奏することができる。
連続演出、示唆演出、告知演出は、誘発演出、有利度合い示唆演出、期待度演出と同時に実行してもよい。また、誘発演出、有利度合い示唆演出、期待度演出を実行する通常ゲーム、CRTゲーム、LRTゲーム以外のゲーム中(例えば、ボーナスゲーム中)に、連続演出、示唆演出、告知演出を実行してもよい。
また、以上の演出態様は、画像表示体500による画像の表示や、スピーカ512等による効果音の発生、LED装飾等による発光や点灯等、として実行させることができる。このような演出態様は、遊技者が長い時間ゲームを続けている場合など、退屈な印象を与えづらくすることができるものである。なお、演出態様は、画像表示体500、スピーカ512、LED装飾等で実行されることに限られるものではない。例えば、画像表示体500に代えて、ELディスプレイ(Electroluminescence Display)や、ドットLEDを用いてもよい。さらに、キャラクタを模した人形や、可動可能な模型等や、サイドリール(例えば、各リールとは別の位置に配され、演出の一環として遊技者の操作に因らずにその始動と停止を実行するもの)や、あるいは、ランプなどの照明(例えば、回転灯に代表される回転可能なライト等)を設けて各種演出を実行させるものとしてもよい。
次に、図64から図76を参照して、上述した基本的なスロットマシン1の構成のほか、本発明の実施形態における特徴的な構成や動作等について説明する。図64は演出に関するデータテーブルを示す図である。図65から図73は画像表示体における表示例を示す図である。図74は実行決定処理の処理手順を示すフローチャートである。図75は演出態様決定処理の処理手順を示すフローチャートである。図76は演出実行処理の処理手順を示すフローチャートである、図77は演出の実行タイミングを示すタイミングチャートである。
本発明の実施形態に係るスロットマシン1は、特に、図柄表示窓401に図柄停止結果が表示され、遊技者にゲーム結果が示された後に、予め定められた既存の演出を繰り返し実行することにより同じ演出が実行されることで遊技者が演出を見ようと思わなくなることから遊技速度を加速させる誘発演出と、遊技速度が加速されることで、所定時間(4.1秒)の経過が難しくなり上述したウェイト状態が働くことにより遊技操作の進行が遅延した遅延時間中に、上述した設定値に基づいて有利度合いを示唆する。これにより、遅延時間が単なる待ち時間にすぎず、待ち時間により遊技操作の進行が妨げられたにもかかわらず、この遅延時間を遊技者にとって有益とする。
つまり、本発明に係るスロットマシン1は、例えば、以下のように構成することができる。
各々に複数の図柄が付された複数の可動体と、遊技の開始操作の検出を行う開始操作検出手段と、前記開始操作検出手段により行われる開始操作の検出に基づいて内部抽選により内部当選役を決定する抽選手段と、回転状態にある前記複数の可動体を個別に停止させるための複数の停止操作の検出を行う停止操作検出手段と、前記内部抽選の結果と前記停止操作検出手段により検出した停止操作とにより前記複数の可動体の停止を制御する停止制御手段と、前記停止制御手段による停止制御に基づいて、図柄の組み合わせを表示することによりゲームの結果を示す図柄表示手段と、遊技に関する演出を実行する演出実行手段と、を備える遊技機であって、
前記開始操作検出手段により開始操作が検出されから、次遊技で前記開始操作検出手段により開始操作が検出するまでの時間が予め定められた所定の時間を経過していない場合に、前記予め定められた所定の時間が経過するまで遊技操作に対する遊技の進行を遅延する遊技遅延手段と、
前記停止制御手段により前記図柄表示手段に図柄停止結果が表示され遊技者にゲーム結果が示された後に、予め定められた既存の演出を繰り返し実行することにより遊技速度を加速させうる加速促進手段と、
前記遊技機の有利度合いを決定する有利度合い決定手段と、
前記演出実行手段にて前記有利度合いを示唆する有利度合い示唆演出実行手段と、
前記遊技遅延手段によって遅延された遅延時間中に前記有利度合い示唆演出実行手段で有利度合いを示唆することにより、前記遅延時間を遊技者にとって有益にしうる遅延時間有益化手段と、を有することを特徴とする遊技機。
この構成によれば、遊技者にゲーム結果が示された後に既存の演出(上述した誘発演出)を実行することにより同じ演出が実行されることで遊技者が演出を見ようと思わなくなることから遊技速度が加速する。遊技速度が加速すると既定の遊技時間(1ゲームの時間)が予め定められた所定時間(4.1秒)を経過しないことから遅延時間が発生する。そして、この発生した遅延時間を有益な時間とする(上述した設定値を示唆する有利度合い示唆演出を実行して遅延時間を有益な時間とする)ことにより遊技者が遊技を止めてしまうことによる稼動低下を防止する。
特に、本発明の実施形態では、遅延時間の累積時間(累積ウェイト時間)が長くなるほど、有利度合い示唆演出により上述した設定値を示唆しやすくし、遅延時間の累積時間が長くなるほど有利度合い示演出により設定値を明確に示唆する。
また、遅延時間の累積時間が所定の累積時間となると、残り数ゲーム後に有利度合い示唆演出により設定値を示唆することを報知する演出を実行する。
そして、上述したように、ゲーム結果を示した後に上述した誘発演出をゲーム毎に実行することにより演出に注目しなくなり期待を持つことができないことから、遊技速度が加速して1ゲームにかかる時間が所定時間(4.1秒)を経過せず遅延時間(ウェイト状態)となる。しかし、この遅延時間で有利度合い示唆演出を実行して設定値を示唆することにより、遅延時間が遊技の進行が妨げられて興趣の低下をもたらす時間であるにもかかわらず、遊技速度を速くしてこの遅延時間を増やすことにより、遊技者にとって設定値が判明するという有益が得られることとなる。
また、遅延時間の累積時間(累積ウェイト時間)が長くなるほど、有益な有利度合い示唆演出を実行することにより、実行される有利度合い示唆演出がより有益な示唆となるように遊技速度が加速する。つまり、遊技者自らが遅延時間を作り出しながら遊技をし続けることで設定値を推測しやすくなるという有益を得られるため、遊技者に設定示唆を行えるというメリットを与えつつ、ホールが求める稼動を提供することができる。
なお、本発明の実施形態では、予め定められた既存の演出を繰り返し実行することにより遊技速度を加速させうる加速促進手段として誘発演出を実行する場合について説明する。また、遊技の進行が遅延された遅延時間中に実行することにより、遅延時間を遊技者にとって有益にする遅延時間有益化手段として有利度合い示唆演出を実行する場合について説明する。
誘発演出を実行することにより遊技速度が高速になるため、遊技ホールの稼働率を向上しつつ、遅延時間で有利度合い示唆演出を実行することにより遊技者に設定推測を楽しませる。このため、遊技時間の大部分で無駄のない遊技期間を搭載した斬新な遊技機を提供することができる。
そして、本発明の実施形態では、誘発演出として、所定の遊技状態(上述した通常ゲーム、CRTゲーム、LRTゲーム中)においてゲーム毎に同一の演出を実行することにより遊技速度を加速させる場合について説明する。
また、所定の場合(後述する実行処理データテーブルにより第2の処理データが決定した場合)には、前回のゲームにおける始動レバー210の操作を契機に実行した内部抽選の結果(上述した成立フラグ)に基づく期待度演出を実行し、上述した有利度合い示唆演出を実行しない場合について説明する。この場合、ウェイト状態中の時間を遊技の結果に対する期待を持たせる時間とすることができる。
特に、リーチ目を表示するように構成された遊技機の場合、ゲーム毎に同一の演出内容である誘発演出が実行されることにより遊技速度が高速になることから、表示されたリーチ目を見逃して期待感が低下する。しかし、遊技速度が高速となりリーチ目を見逃しても、有利度合い示唆演出の実行に変わって期待度演出を実行することにより、期待感を持たせることができる。
また、本発明の実施形態では、有利度合い示唆演出と期待度演出との演出内容が同じ場合について説明する。これにより有利度合い示唆演出と期待度演出とが曖昧になることから、遊技者に有利度合い示唆演出が実行されたにもかかわらずボーナスゲームの作動に係る当選役が決定したかもしれないと思わせて期待感を煽ることができる。また、期待度演出が実行されたにもかかわらず設定値が示唆されたと思わせて設定値を複数値推測することで設定推測を盛り上げて遊技性を向上することができる。
このように、遅延時間を利用して、有利度合い示唆演出を実行することにより遊技者に設定示唆を行えるメリットを与えて遊技の開始を待つだけという遊技と関係がない遅延時間を無駄な時間とすることなくホールが求める稼動を提供することができる。
[演出に関するデータテーブルの構成]
次に、図64(a)から図64(e)を参照して、ROM1120に記憶されているデータテーブルの構成について説明する。本発明の実施形態では、ROM1120には、上述した通常ゲーム、CRTゲーム、LRTゲーム中において演出制御基板510(CPU1118)が参照するデータテーブルであって、実行処理データテーブル、演出態様データテーブル等が記憶されている。
はじめに、図64(a)及び図64(b)を参照して、実行処理データテーブルについて説明する。実行処理データテーブルは、上述した通常ゲーム、CRTゲーム、LRTゲーム中に演出制御基板510(CPU1118)で実行を決定する実行処理データと、実行処理データに対応する乱数値とを規定している。実行処理データには、第1の処理データと第2の処理データとが規定されている。
この実行処理データテーブルは、CPU1118により有利度合い示唆演出の実行を決定する際に用いられる。なお、有利度合い示唆演出の詳細は図64(c)を参照して後述する。
具体的には、CPU1118は、始動レバー210の操作信号を検出したことに基づくスタートコマンドをメイン基板409(CPU1110)から受信すると、演出実行用の乱数値を抽出する。そして、実行処理データテーブルを参照し、抽出した乱数値に応じて「第1の処理データ」又は「第2の処理データ」のいずれかの実行処理データを決定する。
上述した実行処理データのうち、第1の処理データとは、CPU1118において実行する有利度合い示唆演出として、「演出画像データB」を決定する処理である(後述する図64(c)参照)。一方、第2の処理データとは、CPU1118において実行する期待度演出として、「演出画像データC」を決定する処理である(後述する図64(c)参照)。
図64(a)に示す実行処理データテーブルは、上述した図50のステップS3の内部抽選処理において決定した当選役がボーナスゲームの作動に係らない当選役(リプレイ、ベル、チェリー)又はハズレが決定した場合に、演出制御基板510(CPU1118)が参照する第1のデータテーブルである。
一方、図64(b)に示す実行処理データテーブルは、上述した図50のステップS3の内部抽選処理において決定した当選役がボーナスゲームの作動に係る当選役(BB、RB、CRB)が決定した場合、又は、上述したボーナスフラグ持ち越し中に、演出制御基板510(CPU1118)が参照する第2のデータテーブルである。
具体的には、CPU1118は、後述する内部抽選処理において決定した当選役を特定するための当選役コマンドを受信すると、この受信した当選役コマンドに基づいて、第1のデータテーブルを参照する。そして、抽出した演出実行用の乱数値に応じて「第1の処理データ」又は「第2の処理データ」を決定する。
上述した図64(a)及び図64(b)に示す実行処理データには、乱数抽出を行う際の乱数値の範囲(抽出範囲)が規定されている。この抽出範囲には、0から16383までの整数値(つまり、16384個の乱数)が規定されており、それぞれ対応する乱数値が予め割り当てられている。
具体的には、抽出範囲(0から16383)内の乱数値のうち、図63(a)に示す実行処理データテーブルでは、「第1の処理データ」の乱数値の個数は「15984」個、「第2の処理データ」の乱数値の個数は「400」個と規定している。一方、図63(b)に示す実行処理データテーブルでは、「第1の処理データ」の乱数値の個数は「400」個、「第2の処理データ」の乱数値の個数は「15984」個と規定している。
なお、CPU1118において決定される実行処理データは、乱数値の個数が多い実行処理データほど決定される確率が高い。
このため、決定した当選役がボーナスゲームの作動に係らない当選役(リプレイ、ベル、チェリー)及びハズレの場合には、図64(a)に示す実行処理データテーブルを参照することにより、乱数値の個数が多く規定されている「第1の処理データ」が実行処理データとして決定される確率が高いこととなる。
一方、乱数値の個数が少なく規定されている「第2の処理データ」は(図64(a))、実行処理データとして決定される確率が低いことにより、稀に実行処理データとして決定される場合がある。
また、決定した当選役がボーナスゲームの作動に係る当選役(BB、RB、CRB)及びボーナスフラグ持ち越し中の場合には、図64(b)に示す実行処理データテーブルを参照することにより、乱数値の個数が多く規定されている「第2の処理データ」が実行処理データとして決定される確率が高いこととなる。
一方、乱数値の個数が少なく規定されている「第1の処理データ」は(図64(b))、実行処理データとして決定される確率が低いことにより、稀に実行処理データとして決定される場合がある。
なお、上述した実行処理データテーブルによって決定した実行処理データは、後で図64(c)を参照して説明する演出態様データテーブルにおいて、演出制御基板510(CPU1118)にて誘発演出、有利度合い示唆演出又は期待度演出を実行するための演出画像データを決定する際に参照する。
次に、図64(c)を参照して、演出態様データテーブルについて説明する。演出態様データテーブルは、上述した通常ゲーム、CRTゲーム、LRTゲーム中にCPU1118で実行を決定した実行処理データと、この実行処理データに対応して画像表示体500に表示するための演出画像データとを規定している。
この演出態様データテーブルは、上述した実行処理データテーブルにより決定した実行処理データに基づいて、画像表示体500において実行する誘発演出、有利度合い示唆演出又は期待度演出に対応する画像データを決定する際に用いられる。
具体的には、画像表示体500において実行する誘発演出に対応する演出画像データと、図64(a)又は図64(b)を参照して決定した実行処理データに基づいて、画像表示体500において実行する有利度合い示唆演出に対応する演出画像データ又は画像表示体500において実行する期待度演出に対応する演出画像データを決定する。なお、誘発演出の演出画像データは、図64(a)又は図64(b)を参照して決定した実行処理データにかかわらず、同一の誘発演出の演出画像データを決定する(演出画像データAを決定する)。
実行処理データには、「第1の処理データ」と「第2の処理データ」とが規定されている。この「第1の処理データ」又は「第2の処理データ」は、図64(a)又は図64(b)を参照して決定した実行処理データに基づいていずれかの実行処理データを決定する。
「第1の処理データ」は、演出画像データとして、「演出画像データA」と「演出画像データB」が規定されている。また、「第2の処理データ」は、演出画像データとして、「演出画像データA」と「演出画像データC」が規定されている。
「演出画像データA」は、上述したように、図64(a)又は図64(b)を参照して決定した実行処理データにかかわらずに決定する演出の演出画像データである。この「演出画像データA」は、通常ゲーム、CRTゲーム、LRTゲーム中に、リール停止ボタン211a、211b、211cからの停止指示により、全てのリール301a、301b、301cが停止すると実行を開始する誘発演出に対応する演出画像データである。
また、「演出画像データA」は、図64(a)又は図64(b)を参照して決定した実行処理データにかかわらず決定する演出画像データであることから、通常ゲーム、CRTゲーム、LRTゲーム中、画像表示体500において遊技毎に同一の誘発演出が実行される。
この「演出画像データA」が決定されると、通常ゲーム、CRTゲーム、LRTゲーム中、遊技毎に画像表示体500において、一端から他端に向かって猫のキャラクタ2601が走り、この猫のキャラクタ2601が画像表示体500の略中央で止まる演出画像(動画像)が表示される演出が実行される(例えば、後述する図65(a)及び図65(b)参照)。
「演出画像データB」は、上述したように、図64(a)又は図64(b)を参照して決定した実行処理データに基づいて決定されると、後述する図64(d)を参照して決定する「演出画像データB−0」から「演出画像データB−6」のいずれかの演出画像データを決定する。この「演出画像データB」は、始動レバー210操作後のウェイト状態中に実行する有利度合い示唆演出に対応する演出画像データである。
「演出画像データC」は、上述したように、図64(a)又は図64(b)を参照して決定した実行処理データに基づいて決定される。この「演出画像データC」は、始動レバー210操作後のウェイト状態中に実行する期待度演出に対応する演出画像データである。
なお、期待度演出は、有利度合い示唆演出と近似する演出画像を画像表示体500に表示することにより有利度合い示唆演出と同一の演出内容を実行する(例えば、図71(c)及び図72(c)参照)。詳細は後述する。
そして、図64(a)又は図64(b)を参照して決定した実行処理データが第1の処理の場合には、「演出画像データA」と「演出画像データB」が演出画像データとして決定される。一方、決定した実行処理データが第2の処理データの場合には、「演出画像データA」と「演出画像データC」が演出画像データとして決定される。
つまり、上述したように、決定した当選役がボーナスゲームの作動に係らない当選役(リプレイ、ベル、チェリー)及びハズレの場合には、第1の処理データが決定される確率が高いことから(図64(b)参照)、「演出画像データA」と「演出画像データB」が演出画像データとして決定する確率が高くなる。これにより、決定した当選役がボーナスゲームの作動に係らない当選役及びハズレの場合には、有利度合い示唆演出が実行される確率が高くなる。
一方、決定した当選役がボーナスゲームの作動に係る当選役(BB、RB、CRB)及びボーナスフラグ持ち越し中の場合には、第2の処理データが決定される確率が高いことから(図64(c)参照)、「演出画像データA」と「演出画像データC」が演出画像データとして決定する確率が高くなる。これにより、決定した当選役がボーナスゲームの作動に係る当選役及びボーナスフラグ持ち越し中の場合には、期待度演出が実行される確率が高くなる。
次に、図64(d)を参照して、有利度合い示唆演出データテーブルについて説明する。有利度合い示唆演出データテーブルは、ウェイト状態中の累積閾値データと、この累積閾値データに対応して画像表示体500に表示するための演出画像データとを規定している。
この有利度合い示唆演出データテーブルは、上述した実行処理データテーブルにより決定した実行処理データに基づいて、画像表示体500に表示する演出に対応する演出画像データとして「演出画像データB」が決定された場合に、ウェイト状態時間の累積値に基づいて演出画像データを決定する際に用いられる。
具体的には、上述したRAM1122にウェイト状態中の時間を累積的に加算した累積ウェイト時間に基づいて画像表示体500において実行する有利度合い示唆演出に対応する演出画像データを決定する。
累積閾値データには、「第1閾値未満(例えば、3000秒)」、「第1閾値以上第2閾値未満(例えば、3000秒以上4000秒未満)」、「第2閾値以上第3閾値未満(例えば、4000秒以上5000秒未満)」、「第3閾値以上第4閾値未満(5000秒以上6000秒未満)」、「第4閾値以上(6000秒以上)」が規定されている。これらの累積閾値データは、上述したRAM1122に記憶されたウェイト状態中の時間を累積的に加算した累積ウェイト時間のデータに基づいていずれかの累積閾値データを決定する。
「第1閾値未満」の累積閾値データには、「演出画像データB−0」の演出画像データが規定されている。「第1閾値以上第2閾値未満」の累積閾値データには、「演出画像データB−1」の演出画像データが規定されている。「第2閾値以上第3閾値未満」の累積閾値データには、「演出画像データB−2、B−3」の演出画像データが規定されている。
「第3閾値以上第4閾値未満」の累積閾値データには、「演出画像データB−4、B−5」の演出画像データが規定されている。「第4閾値以上」の累積閾値データには、「演出画像データB−6」の演出画像データが規定されている。
「演出画像データB−0」が決定されると、画像表示体500の略中央で止まっていた猫のキャラクタ2601が画像表示体500から消える演出画像(動画像)が表示され、誘発演出が延長される(後述する図65(c)参照)。
「演出画像データB−1」が決定されると、画像表示体500の略中央で止まっていた猫のキャラクタ2601と他のキャラクタ2602が表示され、有利度合い示唆演出の実行が数ゲーム後に行われることを示唆する演出画像(動画像)を表示する有利度合い示唆演出が実行される(後述する図66(c)参照)。
「演出画像データB−2」が決定されると、画像表示体500の略中央で止まっていた猫のキャラクタ2601が画像表示体500の他端へ走って消え、設定値が奇数であることを示唆する演出画像(動画像)を表示する有利度合い示唆演出が実行される(後述する図67(c)参照)。
「演出画像データB−3」が決定されると、画像表示体500の略中央で止まっていた猫のキャラクタ2601が2匹に増えて画像表示体500の他端へ走って消え、設定値が偶数であることを示唆する演出画像(動画像)を表示する有利度合い示唆演出が実行される(後述する図68(c)参照)。
「演出画像データB−4」が決定されると、画像表示体500の略中央でとまっていた猫のキャラクタ2601の元気がなくなる演出画像(動画像)が表示され、設定値が低いことを示唆する有利度合い示唆演出が実行される(後述する図69(c)参照)。
「演出画像データB−5」が決定されると、画像表示体500の略中央でとまっていた猫のキャラクタ2601が大きく飛び跳ねる演出画像(動画像)が表示され、設定値が高いことを示唆す有利度合い示唆演出が実行される(後述する図70(c)参照)。
「演出画像データB−6」が決定されると、画像表示体500の略中央でとまっていた猫のキャラクタ2601が大きく飛び跳ねるとともに設定値を示唆する演出画像(動画像)が表示され、設定値を明確に示唆する有利度合い示唆演出が実行される(後述する図71(c)参照)。また、後述するように、設定値を明確に報知するような有利度合い示唆演出を実行する場合がある(後述する図73(c)参照)。
なお、図64(a)又は図64(b)を参照して実行処理データとして第2の処理データが決定されることにより「演出画像データC」が決定されると、画像表示体500の略中央でとまっていた猫のキャラクタ2601が指でVの字を作るジェスチャーをする演出画像(動画像)が表示され、前のゲームにおける始動レバー210の操作を契機に実行した内部抽選の結果(上述した成立フラグ)に基づいて期待度演出が実行される(後述する図72(c)参照)。
ここで、上述したように、有利度合い示唆演出と期待度演出との演出内容が同一の演出内容となる場合があるため、有利度合い示唆演出と期待度演出とが曖昧になる。例えば、図71(c)に示す有利度合い示唆演出の演出画像と図72(c)に示す期待度演出の演出画像とが近似しているため、実行する有利度合い示唆演出と期待度演出との演出内容が同一となる。
これにより、例えば、図71(c)に示す有利度合い示唆演出が実行されたにもかかわらず、猫のキャラクタ2601が大きく飛び跳ねていることから、遊技者にボーナスゲームの作動に係る当選役が決定したかもしれないと思わせて期待感を煽ることができる。
また、例えば、図72(c)に示す期待度演出が実行されたにもかかわらず、猫のキャラクタ2601が指でVの字を作るジェスチャーをしていることから、遊技者に設定値が「2」であることを示唆していると思わせて設定推測を盛り上げることができる。このように、本発明の実施形態では、有利度合い示唆演出と期待度演出との演出内容を同一とすることで遊技性を向上している。
なお、上述した図64(d)の有利度合い示唆演出データテーブルには、それぞれの閾値に1又は2の演出画像データが規定されている場合について説明したが、これに限定されず、それぞれの閾値に多数の演出画像データが規定されていてもよい。この場合、抽選により実行する1の演出画像データを決定して実行するように構成してもよい。
次に、図64(e)を参照して、実行内容データテーブルについて説明する。実行内容データテーブルは、乱数値と、この乱数値に対応する内容データを規定している。
この実行内容データテーブルは、CPU1118により決定した演出画像データに基づいて有利度合い示唆演出を実行する際に用いられる。
具体的には、CPU1118は、始動レバー210の操作信号を検出したことに基づくスタートコマンドをメイン基板409(CPU1110)から受信すると、実行内容用の乱数値を抽出する。そして、実行内容データテーブルを参照し、抽出した乱数値に応じて図64(a)から図64(d)を参照することにより決定した演出画像データに基づいて有利度合い示唆演出を実行するか否かを決定する。
実行内容データテーブルには、乱数抽出を行う際の乱数値の範囲(抽出範囲)が規定されている。この抽出範囲には、0から16383までの整数値(つまり、16384個の乱数)が規定されており、それぞれ対応する乱数値が予め割り当てられている。
内容データには、決定した演出画像データをキャンセルする内容に対応するデータと、決定した演出画像データを実行する内容に対応するデータとが規定されている。
具体的には、抽出範囲(0から16383)内の乱数値のうち、「キャンセル」の乱数値の個数は「16184」個、「実行」の乱数値の個数は「600」個と規定している。
なお、CPU1118において決定される実行内容データは、乱数値の個数が多い実行処理データほど決定される確率が高い。このため、決定した演出画像データをキャンセルする確率が多く、決定した演出画像データを実行する確率が少ない。このため、数回に1回は、決定した演出画像データをキャンセルせずに実行を決定することにより、有利度合い示唆演出を実行する。
このように、累積ウェイト時間が所定の閾値(例えば、第1閾値以上(図64(d)参照))に達した後も、有利度合い示唆演出が実行される可能性が低いため、頻繁に有利度合い示唆演出が実行されることで遊技者が有利度合い示唆演出を見ようと思わなくなることによる興趣の低下を防止することができる。
[画像表示体の表示例]
次に、図65から図73を参照して、画像表示体500において実行される演出態様の例について説明する。図65は、上述した有利度合い示唆演出データテーブル(図64(d)参照)において「演出画像データB−0」が決定された場合に画像表示体500に表示される演出画像の例である。図66は、上述した有利度合い示唆演出データテーブル(図64(d)参照)において「演出画像データB−1」が決定された場合に画像表示体500に表示される演出画像の例である。図67は、上述した有利度合い示唆演出データテーブル(図64(d)参照)において「演出画像データB−2」が決定された場合に画像表示体500に表示される演出画像の例である。
また、図68は、上述した有利度合い示唆演出データテーブル(図64(d)参照)において「演出画像データB−3」が決定された場合に画像表示体500に表示される演出画像の例である。図69は、上述した有利度合い示唆演出データテーブル(図64(d)参照)において「演出画像データB−4」が決定された場合に画像表示体500に表示される演出画像の例である。図70は、上述した有利度合い示唆演出データテーブル(図64(d)参照)において「演出画像データB−5」が決定された場合に画像表示体500に表示される演出画像の例である。図71は、上述した有利度合い示唆演出データテーブル(図64(d)参照)において「演出画像データB−6」が決定された場合に画像表示体500に表示される演出画像の例である。図72は、上述した演出態様データテーブル(図64(c)参照)において「演出画像データC」が決定された場合に画像表示体500に表示される演出画像の例である。図73は、有利度合い示唆演出により設定を明確に示唆した場合に表示される演出画像の例である。
はじめに、図65(a)から図65(c)を参照して、有利度合い示唆演出データテーブル(図64(d)参照)において「演出画像データB−0」が決定された場合の画像表示体500に表示される表示例について説明する。具体的には、画像表示体500に表示される演出画像に対応する演出画像データとして、「演出画像データA」及び「演出画像データB−0」(図64(d)参照)が決定された場合の表示例について説明する。
図65(a)又は図65(b)に示すように、リール停止ボタン211a、211b、211cからの停止指示により全てのリール301a、301b、301cが停止すると、画像表示体500において実行される誘発演出に応じて誘発演出画像2501が画像表示体500に表示される。
ここでは、「演出画像データA」(図64(c)参照)に対応する演出画像が表示される例を示す。図65(a)に示すように、画像表示体500には、猫のキャラクタ2601が一端から中央へ向かって走る演出画像(動画像)が表示される。
次に、図65(b)に示すように、画像表示体500の一端から中央に向かって走っていた猫のキャラクタ2601が画像表示体500の略中央で止まる演出画像(動画像)が表示される。
そして、図65(c)に示すように、始動レバー210操作後にウェイト状態となると、画像表示体500において実行されていた誘発演出が終了し、この誘発演出に続く有利度合い示唆演出に応じて有利度合い示唆演出画像2502が画像表示体500に表示される。
ここでは、「演出画像データB−0」(図64(d))に対応する演出画像が表示される例を示す。図65(c)に示すように、画像表示体500の略中央で止まっていた猫のキャラクタ2601が画像表示体500の他端へ走って消えていく演出画像(動画像)が表示された場合の表示例を示す。
つまり、「演出画像データA」と「演出画像データB−0」が決定されたことにより、有利度合い示唆演出に対応する演出画像は表示されず、誘発演出を延長して実行するため、全てのリール301a、301b、301cが停止した後から、始動レバー210操作後のウェイト状態が終了するまでの間に、猫のキャラクタ2601が画像表示体500の一端から他端へ向かって走り画像表示体500から消える演出画像(動画像)が表示される。
次に、図66(a)から図66(c)を参照して、有利度合い示唆演出データテーブル(図64(d)参照)において「演出画像データB−1」が決定された場合の画像表示体500に表示される表示例について説明する。具体的には、画像表示体500に表示される演出画像に対応する演出画像データとして、「演出画像データA」及び「演出画像データB−1」(図64(d)参照)が決定された場合の表示例について説明する。
図66(a)又は図66(b)に示すように、図65(a)及び図65(b)を参照して説明した画像表示体500の表示例と同様、リール停止ボタン211a、211b、211cからの停止指示により、全てのリール301a、301b、301cが停止すると、画像表示体500において実行される誘発演出に応じて誘発演出画像2501が画像表示体500に表示される。
なお、上述したように、図64(a)又は図64(b)を参照して決定した実行処理データにかかわらず「演出画像データA」の実行が決定されることから、通常ゲーム、CRTゲーム、LRTゲーム中は、全てのリール301a、301b、301cが停止すると、遊技毎にほぼ同一の誘発演出画像2501が画像表示体500に表示される(図66の(a)及び(b)に示す演出画像)。
そして、図66(c)に示すように、始動レバー210操作後にウェイト状態となると、画像表示体500において実行された誘発演出が終了し、この誘発演出に続く有利度合い示唆演出に応じて有利度合い示唆演出画像2502が画像表示体500に表示される。
ここでは、「演出画像データB−1」(図64(d))に対応する演出画像が表示される例を示す。図66(c)に示すように、画像表示体500の略中央で止まっていた猫のキャラクタ2601の他にキャラクタ2602が出現し、数ゲーム以内に設定値を示唆する有利度合い示唆演出を実行することを報知する演出画像(動画像)が表示される。なお、例えば、「あと10ゲームウェイト状態となると設定値を示唆するよ」という文字等を一緒に表示して明確に報知してもよい。
つまり、有利度合い示唆演出データテーブル(図64(d)参照)において累積ウェイト時間が第1閾値以上第2閾値未満である場合には、上述した累積ウェイト時間を参照して第2閾値までのウェイト時間から設定値を示唆するゲームまでのゲーム数を報知する。例えば、平均1ゲームでウェイト時間が1秒の場合、累積ウェイト時間が第2閾値まで残り20秒のときは「あと20ゲームウェイト状態となると設定値を示唆するよ」と明確に報知する。
このように、残り何ゲームで設定値を示唆する有利度合い示唆演出の実行が開始するかを報知することにより、遊技者に対して遊技速度の加速を促進することができる。
次に、図67(a)から図68(c)を参照して、有利度合い示唆演出データテーブル(図64(d)参照)において「演出画像データB−2」又は「演出画像データB−3」が決定された場合の画像表示体500に表示される表示例について説明する。具体的には、画像表示体500に表示される演出画像に対応する演出画像データとして、「演出画像データA」と、「演出画像データB−2」又は「演出画像データB−3」(図64(d)参照)が決定された場合の表示例について説明する。
図67(a)、(b)又は図68(a)、(b)に示すように、図65(a)及び図65(b)を参照して説明した画像表示体500の表示例と同様、リール停止ボタン211a、211b、211cからの停止指示により、全てのリール301a、301b、301cが停止すると、画像表示体500において実行される誘発演出に応じて誘発演出画像2501が画像表示体500に表示される。
なお、上述したように、図64(a)又は図64(b)を参照して決定した実行処理データにかかわらず「演出画像データA」の実行が決定されることから、通常ゲーム、CRTゲーム、LRTゲーム中は、全てのリール301a、301b、301cが停止すると、遊技毎にほぼ同一の誘発演出画像2501が画像表示体500に表示される(図67及び図68の(a)及び(b)に示す演出画像)。
そして、図67(c)に示すように、始動レバー210操作後にウェイト状態となると、画像表示体500において実行された誘発演出が終了し、この誘発演出に続く有利度合い示唆演出に応じて有利度合い示唆演出画像2502が画像表示体500に表示される。
ここでは、「演出画像データB−2」又は「演出画像データB−3」(図64(d))に対応する演出画像が表示される例を示す。図67(c)に示すように、「演出画像データB−2」が決定されると画像表示体500の略中央で止まっていた猫のキャラクタ2601が画像表示体500の他端へ走って消え、設定値が奇数であることを示唆する演出画像(動画像)が表示される。なお、「設定値は奇数だよ」という文字等を一緒に表示してもよい。
また、図68(c)に示すように、「演出画像データB−3」が決定されると画像表示体500の略中央で止まっていた猫のキャラクタ2601が2匹に増えて画像表示体500の他端へ走って消え、設定値が偶数であることを示唆する演出画像(動画像)が表示される。なお、「設定値は偶数だよ」という文字等を一緒に表示してもよい。
次に、図69(a)から図70(c)を参照して、有利度合い示唆演出データテーブル(図64(d)参照)において「演出画像データB−4」又は「演出画像データB−5」が決定された場合の画像表示体500に表示される表示例について説明する。具体的には、画像表示体500に表示される演出画像に対応する演出画像データとして、「演出画像データA」と、「演出画像データB−4」又は「演出画像データB−5」(図64(d)参照)が決定された場合の表示例について説明する。
図69(a)、(b)又は図70(a)、(b)に示すように、図65(a)及び図65(b)を参照して説明した画像表示体500の表示例と同様、リール停止ボタン211a、211b、211cからの停止指示により、全てのリール301a、301b、301cが停止すると、画像表示体500において実行される誘発演出に応じて誘発演出画像2501が画像表示体500に表示される。
なお、上述したように、図64(a)又は図64(b)を参照して決定した実行処理データにかかわらず「演出画像データA」の実行が決定されることから、通常ゲーム、CRTゲーム、LRTゲーム中は、全てのリール301a、301b、301cが停止すると、遊技毎にほぼ同一の誘発演出画像2501が画像表示体500に表示される(図69及び図70の(a)及び(b)に示す演出画像)。
そして、図69(c)又は図70(c)に示すように、始動レバー210操作後にウェイト状態となると、画像表示体500において実行された誘発演出が終了し、この誘発演出に続く有利度合い示唆演出に応じて有利度合い示唆演出画像2502が画像表示体500に表示される。
ここでは、「演出画像データB−4」又は「演出画像データB−5」(図64(d))に対応する演出画像が表示される例を示す。図69(c)に示すように、「演出画像データB−4」が決定されると画像表示体500の略中央で止まっていた猫のキャラクタ2601の元気がなくなる演出画像(動画像)が表示され、設定値が低いことを示唆する有利度合い示唆演出が実行される。なお、「設定値は低設定(設定2以下)だよ」という文字等を一緒に表示してもよい。
また、図70(c)に示すように、「演出画像データB−5」が決定されると画像表示体500の略中央で止まっていた猫のキャラクタ2601が大きく飛び跳ねる演出画像演出画像(動画像)が表示され、設定値が高いことを示唆する有利度合い示唆演出が実行される。なお、「設定値は高設定(設定3以上)だよ」いう文字等を一緒に表示してもよい。
次に、図71(a)から図71(c)を参照して、有利度合い示唆演出データテーブル(図64(d)参照)において「演出画像データB−6」が決定された場合の画像表示体500に表示される表示例について説明する。具体的には、画像表示体500に表示される演出画像に対応する演出画像データとして、「演出画像データA」及び「演出画像データB−6」(図64(d)参照)が決定された場合の表示例について説明する。
図71(a)又は図71(b)に示すように、図65(a)及び図65(b)を参照して説明した画像表示体500の表示例と同様、リール停止ボタン211a、211b、211cからの停止指示により、全てのリール301a、301b、301cが停止すると、画像表示体500において実行される誘発演出に応じて誘発演出画像2501が画像表示体500に表示される。
なお、上述したように、図64(a)又は図64(b)を参照して決定した実行処理データにかかわらず「演出画像データA」の実行が決定されることから、通常ゲーム、CRTゲーム、LRTゲーム中は、全てのリール301a、301b、301cが停止すると、遊技毎にほぼ同一の誘発演出画像2501が画像表示体500に表示される(図71の(a)及び(b)に示す演出画像)。
そして、図71(c)に示すように、始動レバー210操作後にウェイト状態となると、画像表示体500において実行された誘発演出が終了し、この誘発演出に続く有利度合い示唆演出に応じて有利度合い示唆演出画像2502が画像表示体500に表示される。
ここでは、「演出画像データB−6」(図64(d))に対応する演出画像が表示される例を示す。図71(c)に示すように、「演出画像データB−6」が決定されると画像表示体500の略中央で止まっていた猫のキャラクタ2601が大きく飛び跳ねるとともに設定値に対応する数字を示す演出画像(動画像)が表示され、設定値を明確に示唆する有利度合い示唆演出が実行される。なお、例えば、「設定値は2だよ」という文字等を一緒に表示して、より明確に設定値を示唆してもよい。
このようにして、累積ウェイト時間に基づいて演出画像データを決定して、決定した演出画像データに基づいて有利度合い示唆演出を実行する。つまり、累積ウェイト時間が長くなると設定値が偶数か奇数かが示唆され、それよりも長くなると設定値の高低が示唆され、さらに長くなると設定値が明確に示唆されるため、遊技者にとってウェイト時間を作れば作るほど有益となる。
次に、図72(a)から図72(c)を参照して、演出態様データテーブル(図64(c)参照)において「演出画像データC」が決定された場合の画像表示体500に表示される表示例について説明する。具体的には、画像表示体500に表示される演出画像に対応する演出画像データとして、「演出画像データA」及び「演出画像データC」(図64(c)参照)が決定された場合の表示例について説明する。
図72(a)又は図72(b)に示すように、図65(a)及び図65(b)を参照して説明した画像表示体500の表示例と同様、リール停止ボタン211a、211b、211cからの停止指示により、全てのリール301a、301b、301cが停止すると、画像表示体500において実行される誘発演出に応じて誘発演出画像2501が画像表示体500に表示される。
なお、上述したように、図64(a)又は図64(b)を参照して決定した実行処理データにかかわらず「演出画像データA」の実行が決定されることから、通常ゲーム、CRTゲーム、LRTゲーム中は、全てのリール301a、301b、301cが停止すると、遊技毎にほぼ同一の誘発演出画像2501が画像表示体500に表示される(図72の(a)及び(b)に示す演出画像)。
そして、図72(c)に示すように、始動レバー210操作後にウェイト状態となると、画像表示体500において実行された誘発演出が終了し、この誘発演出に続く期待度演出に応じて期待度演出画像2503が画像表示体500に表示される。
また、上述したように、有利度合い示唆演出と期待度演出との演出内容が同一の演出内容となる場合があるため、有利度合い示唆演出と期待度演出とが曖昧になる。例えば、図71(c)に示す有利度合い示唆演出が実行されたにもかかわらず、猫のキャラクタ2601が大きく飛び跳ねていることから、遊技者にボーナスゲームの作動に係る当選役が決定したかもしれないと思わせて期待感を煽ることができる。
また、例えば、図72(c)に示す期待度演出が実行されたにもかかわらず、猫のキャラクタ2601が指でVの字を作るジェスチャーをしていることから、遊技者に設定値を示唆していると思わせて設定推測を盛り上げることができる。このように、本発明の実施形態では、有利度合い示唆演出と期待度演出との演出内容を同一とすることで遊技性を向上している。
なお、本発明の実施形態では、図73(c)に示すように、上述した累積ウェイト時間が所定の閾値(例えば、第4閾値)以上の場合には、「設定は2だよ」と設定値を明確に報知するような有利度合い示唆演出を実行する場合がある。このように明確な示唆を行うことにより、遊技者は設定値を明確に知るという最終的な目的に向かって遊技を進行することができる。
このようにして、決定した当選役がボーナスゲームの作動に係る当選役、又は、ボーナスフラグ持ち越し中の場合には、例えば、走ってきた猫のキャラクタ2601が画像表示体500の略中央で指によってVの字を作るジェスチャーをする演出画像(動画像)が表示される頻度が高くなることから、遊技者に対してボーナスに当選しているかもしれないという期待感を向上させることができる。
なお、上述した画像表示体500において実行される演出態様の例では、ウェイト状態中に有利度合い示唆演出画像2502、期待度演出2503を画像表示体500に表示することにより誘発演出に続いて有利度合い示唆演出又は期待度演出を実行する場合について説明したが、ウェイト状態とならない場合には、誘発演出画像2501のみを画像表示体500に表示することにより誘発演出のみを実行する。
つまり、前回のゲームにおいてリール301a、301b、301cの回転が開始されたときから、今回のゲームでリールの回転が開始されるまでの時間が所定時間(例えば、4.1秒)を経過している場合には、有利度合い示唆演出又は期待度演出の実行をキャンセルして誘発演出のみを実行する。
これにより、「演出画像データB−0」(図64(c)参照)が決定された場合と同様に、全てのリール301a、301b、301cが停止した後から、始動レバー210が操作されるまでの間に、猫のキャラクタ2601が画像表示体500の一端から他端へ向かって走り、画像表示体500の略中央で止まっていた猫のキャラクタ2601が消える演出画像(動画像)が表示される(図67(c)参照)。
なお、上述したように、図64(a)又は図64(b)を参照して決定した実行処理データが第2の処理データの場合には、「演出画像データA」と「演出画像データC」が演出画像データとして決定されるため、有利度合い示唆演出を実行せずに期待度演出を実行する。このように、期待度演出を実行することにより、ボーナスゲームの作動に係る当選役に対する報知により遊技の結果に対する期待を持たせつつ、設定値を示唆することができる。
[演出処理]
次に、図74から図76を参照して、本発明の実施形態の実行決定処理、演出態様決定処理、演出実行処理について説明する。この実行決定処理、演出態様決定処理、演出実行処理では、演出制御基板510(主に、CPU1118)にて実行される制御プログラム上の処理手順に沿って進行する。
はじめに、図74を参照して、実行決定処理について説明する。この実行決定処理では、まず、演出制御基板510のCPU1118は、始動レバー210の操作信号を検出したことに基づくスタートコマンドをメイン基板409のCPU1110から受信すると、演出用乱数値(上述した演出実行用の乱数値と実行内容用の乱数値)を抽出する(ステップS2001)。CPU1118は、この抽出した演出用乱数値により、実行処理データを決定する実行決定処理を行う。
なお、演出実行用の乱数値と実行内容の乱数値は、演出用乱数値として抽出した1の乱数値に基づいてそれぞれ実行処理データと演出画像データとを決定してもよい。また、演出実行用の乱数値と実行内容用の乱数値とをそれぞれ抽出することにより実行処理データと演出画像データとを決定してもよい。
次に、CPU1118は、上述した内部抽選処理において決定した当選役を特定するための当選役コマンドをCPU1110から受信すると、当選役が所定の当選役又は持ち越し中か否かを判定する(ステップS2002)。具体的には、上述した図50のステップS3の内部抽選処理において決定した当選役がボーナスゲームの作動に係る当選役(BB、RB、CRB)又はボーナスフラグ持ち越し中であるか否かを判定する。
CPU1118は、当選役が所定の当選役又は持ち越し中ではないと判定した場合、つまり、上述した図50のステップS3の内部抽選処理において決定した当選役がボーナスゲームの作動に係らない当選役(リプレイ、ベル、チェリー)又はハズレが決定したと判定した場合には(ステップS2002:NO)、第1のデータテーブルを参照する(ステップS2003)。具体的には、CPU1118は、決定した当選役がボーナスゲームの作動に係らない当選役及びハズレの場合には、上述した図64(a)の実行処理データテーブルを参照する。
一方、CPU1118は、当選役が所定の当選役又は持ち越し中であると判定した場合、つまり、上述した図50のステップS3の内部抽選処理において決定した当選役がボーナスゲームの作動に係る当選役(BB、RB、CRB)が決定した場合又はボーナスフラグ持ち越し中であると判定した場合には(ステップS2002:YES)、第2のデータテーブルを参照する(ステップS2004)。具体的には、CPU1118は、決定した当選役がボーナスゲームの作動に係る当選役(BB、RB、CRB)又はボーナスフラグ持ち越し中の場合には、上述した図64(b)の実行処理データテーブルを参照する。
そして、CPU1118は、演出態様決定処理を実行する(ステップS2005)。この処理では、CPU1118は、実行処理データテーブル(図64(a)及び図64(b))を参照して決定した演出画像データに基づいて演出画像データ登録処理を実行する。
次に、図75を参照して、演出態様決定処理について説明する。この演出態様決定処理では、まず、演出制御基板510のCPU1118は、図73のステップS2001の処理で抽出した演出実行用の乱数値に基づいて演出画像データデータを決定する演出態様決定処理を行い、「第1の処理データ」が決定したか否かを判定する(ステップS3001)。具体的には、ステップS2001において抽出した演出用乱数値(演出実行用の乱数値)が「第1の処理データ」又は「第2の処理データ」(図64(a)及び(b)参照)のいずれかに該当するか否かを判定し、判定の結果、「第1の処理データ」を決定したか否かを判定する。
CPU1118は、実行処理データを決定する演出態様決定処理を行い、「第1の処理データ」が決定していないと判定した場合には(ステップS3001:NO)、「演出画像データA」の演出画像データ登録処理をし(ステップS3002)、「演出画像データC」の演出画像データ登録処理を実行する(ステップS3003)。
一方、CPU1118は、実行処理データを決定する演出態様決定処理を行い、「第1の処理データ」を決定したと判定した場合には(ステップS3001:YES)、RAM1122に記憶されたウェイト状態中の時間を累積的に加算した累積ウェイト時間データと、図50のステップS1においてメイン基板のCPU1110から送信された設定コマンドに基づいてRAM1122に記憶された設定値コマンドデータから登録する演出画像データBを決定して登録する。
つまり、実行処理データを決定する実行決定処理を行い、「第1の処理データ」を決定したと判定した場合には(ステップS3001:YES)、累積ウェイト時間が第1閾値未満であるか否かを判定する(ステップS3004)。つまり、上述したRAM1122にウェイト状態中の時間を累積的に加算した累積ウェイト時間が第1閾値未満か否かを判定する。
CPU1118は、累積ウェイト時間が第1閾値未満であると判定した場合には(ステップS3004:YES)、上述した有利度合い示唆演出データテーブル(図64(d))に基づいて「演出画像データA」の演出画像データ登録処理をし(ステップS3005)、「演出画像データB−0」の演出画像データ登録処理を実行する(ステップS3006)。上述したように、「演出画像データB−0」が登録されると、有利度合い示唆演出は実行せず、誘発演出が延長されて実行される。このため、「演出画像データB−0」の演出画像データ登録処理を実行せず、「演出画像データA」のみを登録し、次のスタートコマンドを受信するまで誘発演出の実行を延長するように構成してもよい。
一方、CPU1118は、累積ウェイト時間が第1閾値未満ではないと判定した場合には(ステップS3004:NO)、累積ウェイト時間が第1閾値以上第2閾値未満であるか否かを判定する(ステップS3007)。つまり、上述したRAM1122にウェイト状態中の時間を累積的に加算した累積ウェイト時間が第1閾値以上第2閾値未満か否かを判定する。
CPU1118は、累積ウェイト時間が第1閾値以上第2閾値未満であると判定した場合には(ステップS3007:YES)、上述した有利度合い示唆演出データテーブル(図64(d))に基づいて「演出画像データA」の演出画像データ登録処理をし(ステップS3008)、上述したRAM1122の設定値データを参照して「演出画像データB−1」の演出画像データ登録処理を実行する(ステップS3009)。
また、RAM1122に記憶された累積ウェイト時間から、第2閾値までの残り時間を算出して「演出画像データB−1」を登録することにより、残り何ゲームで設定値を報知する有利度合い示唆演出の実行が開始するかを報知することができる。
一方、CPU1118は、累積ウェイト時間が第1閾値以上第2閾値未満ではないと判定した場合には(ステップS3007:NO)、累積ウェイト時間が第2閾値以上第3閾値未満であるか否かを判定する(ステップS3010)。つまり、上述したRAM1122にウェイト状態中の時間を累積的に加算した累積ウェイト時間が第2閾値以上第3閾値未満か否かを判定する。
CPU1118は、累積ウェイト時間が第2閾値以上第3閾値未満であると判定した場合には(ステップS3010:YES)、上述した有利度合い示唆演出データテーブル(図64(d))に基づいて「演出画像データA」の演出画像データ登録処理をし(ステップS3011)、上述したRAM1122の設定値データを参照して「演出画像データB−2」又は「演出画像データB−3」の演出画像データ登録処理を実行する(ステップS3012)。このように、RAM1122の設定値データを参照することにより、設定値の偶数又は奇数を示唆することができる。
一方、CPU1118は、累積ウェイト時間が第2閾値以上第3閾値未満ではないと判定した場合には(ステップS3010:NO)、累積ウェイト時間が第3閾値以上第4閾値未満であるか否かを判定する(ステップS3013)。つまり、上述したRAM1122にウェイト状態中の時間を累積的に加算した累積ウェイト時間が第2閾値以上第3閾値未満か否かを判定する。
CPU1118は、累積ウェイト時間が第3閾値以上第4閾値未満であると判定した場合には(ステップS3013:YES)、上述した有利度合い示唆演出データテーブル(図64(d))に基づいて「演出画像データA」の演出画像データ登録処理をし(ステップS3014)、上述したRAM1122の設定値データを参照して「演出画像データB−4」又は「演出画像データB−5」の演出画像データ登録処理を実行する(ステップS3015)。このように、RAM1122の設定値データを参照することにより、設定値の高低を示唆することができる。
一方、CPU1118は、累積ウェイト時間が第3閾値以上第4閾値未満ではないと判定した場合には(ステップS3013:NO)、累積ウェイト時間が第4閾値以上であるとして、上述した有利度合い示唆演出データテーブル(図64(d))に基づいて「演出画像データA」の演出画像データ登録処理をし(ステップS3016)、上述したRAM1122の設定値データを参照して「演出画像データB−6」の演出画像データ登録処理を実行する(ステップS3017)。このように、RAM1122の設定値データを参照することにより、例えば、「設定値は2だよ」という文字等を表示して明確に設定値を示唆することができる。
演出画像データ登録処理が終了すると、次に、CPU1118は、演出実行処理を実行する(ステップS2018)。この処理では、CPU1118は、リール停止ボタン211a、211b、211cからの停止指示により、全てのリール301a、301b、301cが停止すると、登録処理をした演出画像データに基づいて、誘発演出、有利度合い示唆演出又は期待度演出を実行する処理を行う。
次に、図76を参照して、演出実行処理について説明する。この演出実行処理では、演出制御基板510のCPU1118は、有利度合い示唆の実行又は有利度合い示唆の実行をキャンセルする処理を行う。はじめに、演出制御基板510のCPU1118は、リール停止ボタン211a、211b、211cの操作信号検出により、全てのリール301a、301b、301cが停止したことを示すリール停止コマンドをメイン基板409(CPU1110)から受信(第1リール停止コマンドから第3リール停止コマンドを受信)すると、演出画像データAに対応する演出Aを実行する処理を行う(ステップS4001)。
つまり、上述したように、第1の処理データ又は第2の処理データ(図64(a)及び(b)参照)のいずれかが決定したか否かにかかわらず、全てのリール301a、301b、301cが停止すると演出画像データAに対応する誘発演出を実行する演出実行処理を行う。
次に、CPU1118は、メイン基板409のCPU1110からウェイトコマンドを受信したか否かを判定する(ステップS4002)。具体的には、上述したように、CPU1110により、前回のゲームにおいてリール301a、301b、301cの回転が開始されてから所定時間(例えば、4.1秒)を経過しているか否が判定され、所定の時間を経過していない場合に送信されるウェイトコマンドを受信したか否かを判定する。
CPU1118は、所定時間を経過し、ウェイトコマンドを受信していないと判定した場合には(ステップS4002:NO)、演出画像データB又は演出画像Cに対応する演出の実行をキャンセルする処理を実行する(ステップS4003)。
つまり、ウェイトコマンドを受信していないため、図74の演出態様決定処理において登録した演出画像データに対応する有利度合い示唆演出又は期待度演出の実行をキャンセルすることにより、誘発演出のみを実行する。
一方、CPU1118は、所定時間を経過しておらず、ウェイトコマンドを受信したと判定した場合には(ステップS4002:YES)、演出実行を決定したか否かを判定する(ステップS4004)。具体的には、図73のステップS2001により抽出した乱数値を参照し、抽出した乱数値に応じて図64(a)から図64(d)を参照することにより有利度合い示唆演出の実行を決定、又は、図64(a)から図64(d)を参照することにより期待度演出の実行を決定したか否かを判定する。
CPU1118は、演出実行を決定していないと判定した場合には(ステップS4004:NO)、演出画像データBに対応する演出の実行をキャンセルする(ステップS4005)。
つまり、図74のステップS2001で抽出した演出実行用の乱数値に応じて「第1の処理データ」により(図64(a)及び図64(b)参照)、演出画像データとして「演出画像データB」を決定したが、図73のステップS2001で抽出した実行内容用の乱数値に応じて実行内容データテーブル(図64(e)参照)を参照することにより「演出画像データB」をキャンセルする内容のデータが決定した場合には、決定した「演出画像データB」に対応する演出の実行をキャンセルする。
一方、CPU1118は、演出実行を決定したと判定した場合には(ステップS4004:YES)、演出画像データB又は演出画像データCに対応する演出を実行する(ステップS4006)。
つまり、図74のステップS2001で抽出した演出実行用の乱数値に応じて「第1の処理データ」により(図64(a)及び図64(b)参照)、演出画像データとして「演出画像データB」を決定し、図73のステップS2001で抽出した実行内容用の乱数値に応じて実行内容データテーブル(図64(e)参照)を参照することにより「演出画像データB」を実行する内容のデータが決定した場合には、決定した「演出画像データB」に対応する演出を実行する。
また、図74のステップS2001で抽出した演出実行用の乱数値に応じて「第2の処理データ」により(図64(a)及び図64(b)参照)、演出画像データとして「演出画像データC」を決定した場合には、決定した「演出画像データC」に対応する演出を実行する。
上述したステップS4001において、CPU1118により演出画像データAに対応する演出Aが実行されると、画像表示体500には、猫のキャラクタ2601が一端から中央へ向かって走り、画像表示体500の略中央で止まる演出画像(動画像)が表示される(図65から図71の(a)及び(b)参照)。
そして、上述したステップS4006において、CPU1118により演出画像データBに対応する演出Bが実行されると、画像表示体500の略中央で止まっていた猫のキャラクタ2601等により設定値を示唆する有利度合い示唆演出画像2502を画像表示体500に表示して有利度合い示唆演出を実行する(図65から図71の(c)参照)。
また、上述したステップS4006において、CPU1118により演出画像データCに対応する演出Cが実行されると、画像表示体500の略中央で止まっていた猫のキャラクタ2601が指でVの字を作るジェスチャーをする等の演出画像を画像表示体500に表示して期待度演出を実行する(図72(c)参照)。
一方、前回のゲームにおいてリール301a、301b、301cの回転が開始されてから所定時間を経過しており、ウェイトコマンドを受信していない場合には、上述したステップS4002において演出画像データB又は演出画像データCに対応する演出の実行をキャンセルする。
また、ウェイトコマンドを受信した場合であっても、実行内容データテーブル(図64(e)参照)を参照することにより「演出画像データB」をキャンセルする内容のデータが決定した場合には、決定した「演出画像データB」に対応する演出の実行をキャンセルする(図65参照)。
これにより、累積ウェイト時間が所定の閾値(例えば、第1閾値以上(図64(d)参照))に達した後も、有利度合い示唆演出が実行される可能性が低いため、頻繁に有利度合い示唆演出が実行されることで遊技者が有利度合い示唆演出を見ようと思わなくなることによる興趣の低下を防止することができる。
なお、上述したように、当選役が所定の当選役又は持ち越し中か否かにより、乱数値を異ならせて規定した第1のデータテーブル(図64(a)の実行処理データテーブル)又は第2のデータテーブル(図64(b)の実行処理データテーブル)のいずれかを参照して期待度演出に対応する演出画像Cを選択している。このため、演出画像データCに対応する演出画像の出現率が異なることとなる。
つまり、決定した当選役がボーナスゲームの作動に係る当選役、又は、ボーナスフラグ持ち越し中の場合には、期待度演出を実行する頻度が高くなることから、期待度演出に対応する演出画像(動画像)が表示されると、ボーナスに当選しているかもしれないという期待感を向上させることができる。
また、決定した当選役がボーナスゲームの作動に係る当選役、又は、ボーナスフラグ持ち越し中の場合には、期待度演出とともに上述した告知演出を表示してもよいし、単独で告知演出を表示してもよい。これにより、遊技者はボーナスに当選したことを明確に知ることができ、ボーナスに当選したことを祝福する意味合いを持たせることができる。
そして、上述したように、決定した当選役がボーナスゲームの作動に係る当選役、又は、ボーナスフラグ持ち越し中ではない場合には、累積ウェイト時間に基づいて画像表示体500において有利度合い示唆演出を実行する頻度が高くなることから、有利度合い示唆演出に対応する演出画像(動画像)が表示されることにより、ボーナス当選への報知を邪魔することなく、設定値を示唆することができる。
また、上述したように、有利度合い示唆演出と期待度演出との演出内容が同一の演出内容となる場合があるため、有利度合い示唆演出と期待度演出とが曖昧になる。例えば、図71(c)に示す有利度合い示唆演出の演出画像と図72(c)に示す期待度演出の演出画像とが近似しているため、実行する有利度合い示唆演出と期待度演出との演出内容が同一となる。
これにより、例えば、図71(c)に示す有利度合い示唆演出が実行されたにもかかわらず、猫のキャラクタ2601が大きく飛び跳ねていることから、遊技者にボーナスゲームの作動に係る当選役が決定したと思わせて期待感を煽ることができる。
また、例えば、図72(c)に示す期待度演出が実行されたにもかかわらず、猫のキャラクタ2601が指でVの字を作るジェスチャーをしていることから、遊技者に設定値が「2」であることを示唆さしていると思わせて設定推測を盛り上げることができる。このように、有利度合い示唆演出と期待度演出との演出内容を同一とすることで遊技性を向上している。
また、累積ウェイト時間が所定の閾値(例えば、第4閾値)以上の場合には、有利度合い示唆演出を実行することにより「設定は2だよ」と設定値を明確に報知する(図73(c)参照)。このように明確な示唆を行うことにより、遊技者は設定値を明確に知るという最終的な目的に向かって遊技を進行することができる。
[演出実行タイミング]
次に、図77を参照して、演出制御基板510のCPU1118において実行する誘発演出、有利度合い示唆演出又は期待度演出の演出開始及び演出終了タイミングについて説明する。図77(a)は、メイン基板409のCPU1110からウェイトコマンドを受信していない場合の演出開始及び演出終了タイミングを示すタイミングチャートである。図77(b)は、CPU1110からウェイトコマンドを受信した場合の演出開始及び演出終了タイミングを示すタイミングチャートである。
はじめに、図77(a)を参照して、CPU1110からウェイトコマンドを受信していない場合の誘発演出の演出開始及び演出終了タイミングについて説明する。図77(a)に示すように、時間t1の時点でCPU1118は、今回のゲームにおいて全てのリール301a、301b、301cが停止したことを示すリール停止コマンドをCPU1110から受信すると(図柄表示窓401に図柄停止結果が停止表示されると)、第1演出(誘発演出)の実行を開始する(例えば、図65の(a)及び(b)参照)。
次に、時間t2の時点でCPU1118は、次ゲームの開始時となるスタートコマンドをCPU1110から受信すると、第1演出の実行を終了する。ここで、CPU1110から受信したコマンドに基づいて、前回のゲームにおいてリール301a、301b、301cの回転が開始されてから所定時間(例えば、4.1秒)を経過したと判定したため、第2演出(有利度合い示唆演出又は期待度演出)の実行をキャンセルする。
つまり、CPU1118は、CPU1110からスタートコマンドを受信した時間t2の時点でウェイトコマンドを受信していない場合には、第2演出の実行をキャンセルすることにより第2演出の実行を中止する。また、始動レバー210の操作を契機に誘発演出を終了することとなるため、画像表示体500には略中央で止まっていた猫のキャラクタ2601が消える演出画像が表示される(図67(c)参照)。
次に、図77(b)を参照して、CPU1110からウェイトコマンドを受信した場合の誘発演出、有利度合い示唆演出又は期待度演出の演出開始及び演出終了タイミングについて説明する。図77(b)に示すように、時間t11の時点でCPU1118は、今回のゲームにおいて全てのリール301a、301b、301cが停止したことを示すリール停止コマンドをCPU1110から受信すると(図柄表示窓401に図柄停止結果が停止表示されると)、第1演出(誘発演出)の実行を開始する(例えば、図65の(a)及び(b)参照)。
次に、時間t12の時点でCPU1118は、次のゲームの開始時となるスタートコマンドに基づくウェイトコマンドをCPU1110から受信すると、第1演出を終了するとともに第2演出(有利度合い示唆演出又は期待度演出)の実行を開始する。
つまり、時間t12の時点でCPU1110は、所定の時間(例えば4.1秒)より短い遊技間隔で次遊技の開始操作である始動レバー210の操作がなされたことを検出すると、ウェイト機能によりウェイト時間W(時間t12から時間t13までの時間)が経過するまで次遊技の開始を遅らせる。このため、時間t12から時間t13の間は遊技開始待ち時間(ウェイト状態)となる。
そして、CPU1118は、CPU1110から所定の時間を経過していない場合に送信されるウェイトコマンドを受信すると第2演出の実行を開始する。この第2演出は、ウェイト時間Wの経過後の時間t13の時点でCPU1110から送信されるタイムアップコマンドを受信すると、第2演出の実行を終了する(ウェイト時間Wの経過を契機に終了する)。
このように、CPU1118は、図64(a)から図64(d)を参照して「演出画像データB−1」から「演出画像データB−6」が決定した場合において、CPU1110からウェイトコマンドを受信した場合には、演出画像データB(演出画像データB−1から演出画像データB−6)に対応する第2演出(有利度合い示唆演出)を実行する(図65から図72参照)。
また、CPU1118は、図64(a)から図64(c)を参照して「演出画像データC」が決定した場合において、CPU1110からウェイトコマンドを受信した場合には、演出画像データCに対応する期待度演出を実行する(図72参照)。
なお、上述したように、「演出画像データB−0」(図64(c)参照)が決定された場合には、「演出画像データB」に対応する有利度合い示唆演出は実行しないため、誘発演出が延長されて実行される。
また、上述したように、ウェイトコマンドを受信した場合であっても、実行内容データテーブル(図64(e)参照)を参照することにより「演出画像データB」をキャンセルする内容のデータが決定した場合には、決定した「演出画像データB」に対応する演出の実行をキャンセルするため、誘発演出が延長されて実行される。
このようにして、本発明の実施形態では、CPU1118は全てのリール301a、301b、301cが停止したことを示すリール停止コマンドをCPU1110から受信すると誘発演出の実行を開始する。
つまり、ゲームの結果を表示する前であるリール301a、301b、301cのいずれかが回転状態である場合、遊技者は図柄表示窓401に停止表示する図柄の組み合わせに期待感を持つが、本発明の実施形態では、図柄表示窓401に図柄が停止表示することによりゲームの結果を示した後に誘発演出の実行を開始し、また、誘発演出がゲーム毎に同一の演出内容であるため、遊技者はこの誘発演出に注目しなくなり期待感を持たなくなる。
そして、ゲーム毎に同一の演出内容である誘発演出が実行されることにより、同じ演出が実行されることで遊技者が演出を見ようと思わなくなることから演出に注目しなくなり、期待感を持つことができないことから遊技速度が高速となる。そして、遊技速度が高速となると、所定の時間(例えば4.1秒)より短い遊技間隔で次遊技の開始操作がなされたとして、ウェイト機能によりウェイト時間が経過するまで次の遊技の開始を待つウェイト状態となる。
つまり、このウェイト機能により遊技の進行が妨げられて興趣の低下をもたらす。ここで、本発明の実施形態では、遊技の進行が妨げられて、遊技者にとって興趣の低下をもたらす時間をあえて増やしておき、この興趣の低下をもたらす時間を有益な情報を与える時間とすることにより、遊技者が遊技を止めてしまうことによる稼動低下を防止する。
そして、誘発演出の実行により発生を誘発したウェイト状態を利用して有利度合い示唆演出を実行する。実行する有利度合い示唆演出は、設定値を示唆する遊技者にとって有益な情報を含む演出である。
なお、前回のゲームにおいて操作された始動レバー210の操作を契機に実行した内部抽選の結果(上述した成立フラグ)がボーナスゲームの作動に係る当選役、又は、ボーナスフラグ持ち越し中の場合には、ウェイト状態を利用して期待度演出を実行する頻度が高い。
一方、前回のゲームにおいて操作された始動レバー210の操作を契機に実行した内部抽選の結果(上述した成立フラグ)がボーナスゲームの作動に係る当選役、又は、ボーナスフラグ持ち越し中ではない場合には、有利度合い示唆演出を実行する頻度が高い。このため、ボーナス当選への報知を邪魔することなく、設定値を示唆することができる。
また、有利度合い示唆演出は、設定値を示唆する演出の他に、累積ウェイト時間を参照して所定の閾値までのゲーム数等を報知する演出を実行する。例えば、「あと20ゲームウェイト状態となると設定値を示唆するよ」という報知を行う。この場合、例えば、平均1ゲームでウェイト時間が1秒の場合、累積ウェイト時間が第2閾値(図64(d)参照)まで残り20秒のときは「あと20ゲームウェイト状態となると設定値を示唆するよ」という報知を行ってもよい。
また、遊技速度によっては第2閾値(図64(d)参照)まで届かない場合があるため、例えば、「ウェイトによる待機時間が10秒になると設定値を示唆するよ」という報知を行ってもよい。
このように、残り何ゲームで有利度合い示唆演出の実行が開始するか等を報知することにより、さらに遊技者に対して遊技速度の加速を促進することができる。
また、設定値を示唆する有利度合い示唆演出は、累積ウェイト時間に基づいて演出画像データを決定して、決定した演出画像データに基づいて実行する。つまり、累積ウェイト時間が長くなると設定値が偶数か奇数かが示唆され、それよりも長くなると設定値の高低が示唆され、さらに長くなると設定値が明確に示唆されるため、遊技者にとってウェイト時間を作れば作るほど有益となる。
このようにして、ウェイト状態中に有利度合い示唆演出を実行して設定値を示唆することにより、ウェイト時間が遊技の進行が妨げられて興趣の低下をもたらす時間であるにもかかわらず、遊技速度を速くしてこのウェイト時間を増やすことにより、遊技者にとって設定値が判明するという有益が得られることとなる。
また、遅延時間の累積時間(累積ウェイト時間)が長くなるほど、有益な有利度合い示唆演出を実行することにより、実行される有利度合い示唆演出がより有益な示唆となるように遊技速度が加速する。つまり、遊技者自らが遅延時間を作り出しながら遊技をし続けることで設定値を推測しやすくなるという有益を得られるため、遊技者に設定示唆を行えるというメリットを与えつつ、ホールが求める稼動を提供することができる。
そして、上述したように、当選役が所定の当選役又は持ち越し中か否かにより、乱数値を異ならせて規定した第1のデータテーブル(図64(a)の実行処理データテーブル)又は第2のデータテーブル(図64(b)の実行処理データテーブル)のいずれかを参照して有利度合い示唆演出に対応する演出画像(演出画像データB)又は期待度演出に対応する演出画像(演出画像C)を選択している。このため、上述した「演出画像データB」又は「演出画像データC」の出現率が異なることとなる。
そして、決定した当選役がボーナスゲームの作動に係る当選役、又は、ボーナスフラグ持ち越し中の場合には、「演出画像データC」が決定され、期待度演出を実行する頻度が高くなることから、ボーナスに当選しているかもしれないという期待感を向上させることができる。
一方、決定した当選役がボーナスゲームの作動に係る当選役、又は、ボーナスフラグ持ち越し中ではない場合には、「演出画像データB」が決定され、有利度合い示唆演出を実行する頻度が高くなることから、ボーナス当選への報知を邪魔することなく、設定値を示唆することができる。
特に、リーチ目を表示するように構成された遊技機の場合、ゲーム毎に同一の演出内容である誘発演出が実行されることにより遊技速度が高速になることから、図柄表示窓401に表示されたリーチ目を見逃し、期待感を持つことができない。しかし、本発明の実施形態では、遊技速度が高速となりリーチ目を見逃しても期待度演出により期待感を持たせることができる。
また、有利度合い示唆演出と期待度演出との演出内容が同一の演出内容となる場合があるため、有利度合い示唆演出と期待度演出とが曖昧になる。例えば、図71(c)に示す有利度合い示唆演出が実行されたにもかかわらず、猫のキャラクタ2601が大きく飛び跳ねていることから、遊技者にボーナスゲームの作動に係る当選役が決定したと思わせて期待感を煽ることができる。
さらに、例えば、図72(c)に示す期待度演出が実行されたにもかかわらず、猫のキャラクタ2601が指でVの字を作るジェスチャーをしていることから、遊技者に設定値を示唆さしていると思わせて設定推測を盛り上げることができる。このように、有利度合い示唆演出と期待度演出との演出内容を同一とすることで遊技性を向上することができる。
また、累積ウェイト時間が所定の閾値(例えば、第4閾値)以上の場合には、「設定は2だよ」と設定値を明確に報知するような有利度合い示唆演出を実行して明確な示唆を行うことにより、遊技者は設定値を明確に知るという最終的な目的に向かって遊技を進行することができる。
以上、本発明の実施形態では、期待度演出の実行を開始する前に遊技者によって操作された始動レバー210の操作を契機に実行した内部抽選の結果(上述した成立フラグ)により、実行する期待度演出の内容を異ならせる場合について説明したが、これに限定されない。例えば、遊技状態が有利な遊技状態(例えば、BBゲーム、RBゲーム、CRBゲーム等のボーナスゲーム)へ移行することを示唆する演出を有利度合い示唆演出に変わってして実行してもよい。この場合でも、期待度演出を有利な遊技状態等への期待感を待たせる演出とすることができる。
[その他の態様]
本発明の実施形態を「ゲーム結果が示された後に表示後演出を実行する」という観点から見ることによって、以下のようなその他の態様(技術思想)を抽出することができる。
(態様1)
各々に複数の図柄が付された複数の可動体と、遊技の開始操作の検出を行う開始操作検出手段と、前記開始操作検出手段により行われる開始操作の検出に基づいて内部抽選により内部当選役を決定する抽選手段と、回転状態にある前記複数の可動体を個別に停止させるための複数の停止操作の検出を行う停止操作検出手段と、前記内部抽選の結果と前記停止操作検出手段により検出した停止操作とにより前記複数の可動体の停止を制御する停止制御手段と、前記停止制御手段による停止制御に基づいて、図柄の組み合わせを表示することによりゲームの結果を示す図柄表示手段と、遊技に関する演出を実行する演出実行手段と、を備える遊技機であって、
前記開始操作検出手段により開始操作が検出されから、次遊技で前記開始操作検出手段により開始操作が検出するまでの時間が予め定められた所定の時間を経過していない場合に、前記予め定められた所定の時間が経過するまで遊技操作に対する遊技の進行を遅延する遊技遅延手段と、
前記停止制御手段により前記図柄表示手段に図柄停止結果が表示され遊技者にゲーム結果が示された後に、予め定められた既存の演出を繰り返し実行することにより遊技速度を加速させうる加速促進手段と、
前記遊技機の有利度合いを決定する有利度合い決定手段と、
前記演出実行手段にて前記有利度合いを示唆する有利度合い示唆演出実行手段と、
前記遊技遅延手段によって遅延された遅延時間中に前記有利度合い示唆演出実行手段で有利度合いを示唆することにより、前記遅延時間を遊技者にとって有益にしうる遅延時間有益化手段と、
前記遅延時間が長いほど前記有利度合い示唆演出実行手段による有利度合いを示唆しやすくする有利度合い示唆増加手段と、を有することを特徴とする遊技機。
(態様2)
各々に複数の図柄が付された複数の可動体と、内部抽選により内部当選役を決定する抽選手段と、前記抽選手段による内部抽選を行うための始動操作手段と、前記複数の可動体の回転開始を指示する始動制御手段と、回転状態にある前記複数の可動体を個別に停止させるための複数の停止操作手段と、回転状態にある前記複数の可動体が停止したときに前記抽選結果に基づいてゲームの結果が図柄の組み合わせにより表示される図柄表示手段と、前記内部抽選の結果と前記停止操作手段の停止操作とにより前記複数の可動体の停止を制御し、前記図柄表示手段に図柄の組み合わせを表示させる停止制御手段と、遊技に関する演出を実行する演出実行手段と、を備える遊技機であって、
前回のゲームにおいて前記始動制御手段からの回転開始指示に基づく複数の可動体の回転開始から、今回のゲームにおいて前記始動制御手段からの回転開始指示に基づく前記複数の可動体の回転開始までの時間を計時する計時手段と、
今回のゲームにおける前記始動操作手段からの回転開始指示を受けたときに、前記計時手段による計時時間が予め定められた時間を超えていなかった場合、該予め定められた時間が経過するまで、該始動操作手段からの回転開始指示に基づく前記可動体の回転開始を待機させる可動体回転開始待機手段と、
前記停止制御手段により前記図柄表示手段に図柄停止結果が表示され遊技者にゲーム結果が示された後に、予め定められた既存の演出を繰り返し実行することにより遊技速度を加速させうる誘発演出実行手段と、
前記遊技機の有利度合いを決定する有利度合い決定手段と、
前記演出実行手段にて前記有利度合いを示唆する有利度合い示唆演出実行手段と、
前記遅延時間が長いほど前記有利度合い示唆演出実行手段による有利度合いを示唆しやすくする有利度合い示唆増加手段と、を有することを特徴とする遊技機。
態様1及び態様2の構成によれば、遊技者にゲーム結果が示された後に既存の演出(上誘発演出)を実行することにより遊技速度が加速する。遊技速度が加速すると既定の遊技時間(1ゲームの時間)が予め定められた所定時間(4.1秒)を経過しないことから遅延時間(ウェイト時間)が発生する。そして、この発生した遅延時間を有益な時間とする(設定値を示唆する有利度合い示唆演出を実行して遅延時間を有益な時間とする)ことにより遊技者が遊技を止めてしまうことによる稼動低下を防止する。
特に、有利度合い示唆増加手段により、遅延時間の累積時間(累積ウェイト時間)が長くなるほど、有利度合い示唆演出により上述した設定値を示唆しやすくし、遅延時間の累積時間が長くなるほど有利度合い示演出により設定値を明確に示唆する。
また、有利度合い示唆増加手段により、遅延時間の累積時間が所定の累積時間となると、残り数ゲーム後に有利度合い示唆演出により設定値を示唆することを報知する演出を実行する。これにより、残り何ゲームで設定値を示唆する有利度合い示唆演出の実行が開始するかを報知することにより、遊技者に対して遊技速度の加速を促進することができる。
そして、ゲーム結果を示した後に上述した誘発演出をゲーム毎に実行することにより、同じ演出が実行されることで遊技者が演出を見ようと思わなくなることから演出に注目しなくなり期待を持つことができないことから、遊技速度が加速して1ゲームにかかる時間が所定時間(4.1秒)を経過せず遅延時間(ウェイト状態)となる。しかし、この遅延時間で有利度合い示唆演出を実行して設定値を示唆することにより、遅延時間が遊技の進行が妨げられて興趣の低下をもたらす時間であるにもかかわらず、遊技速度を速くしてこの遅延時間を増やすことにより、遊技者にとって設定値が判明するという有益が得られることとなる。
また、遅延時間の累積時間(累積ウェイト時間)が長くなるほど、有益な有利度合い示唆演出を実行することにより、実行される有利度合い示唆演出がより有益な示唆となるように遊技速度が加速する。つまり、遊技者自らが遅延時間を作り出しながら遊技をし続けることで設定値を推測しやすくなるという有益を得られるため、遊技者に設定示唆を行えるというメリットを与えつつ、ホールが求める稼動を提供することができる。
さらに、有利度合い示唆演出として、設定値を示唆する演出の他に、累積ウェイト時間を参照して所定の閾値までのゲーム数等を報知する演出を実行するように構成することにより、例えば、「あと20ゲームウェイト状態となると設定値を示唆するよ」という報知を行うことができる。なお、ゲーム数を報知する場合には、遊技速度によっては所定の累積ウェイト時間(第2閾値、(図64(d)参照))まで届かない場合があるため、例えば、「ウェイト時間が10秒で設定値を示唆するよ」という報知を行うように構成してもよい。
また、例えば、平均1ゲームでウェイト時間が1秒の場合、累積ウェイト時間が所定の閾値(第2閾値、(図64(d)参照))まで残り20秒のときは「あと20ゲームウェイト状態となると設定値を示唆するよ」という報知を行うように構成してもよい。
さらに、誘発演出を実行することにより遊技速度が高速になるため、遊技ホールの稼働率を向上しつつ、遅延時間で有利度合い示唆演出を実行することにより遊技者に設定推測を楽しませる。このため、遊技時間の大部分で無駄のない遊技期間を搭載した斬新な遊技機を提供することができる。
態様1及び態様2の構成によれば、所定の場合(実行処理データテーブルにより第2の処理データが決定した場合)、前回のゲームにおける始動レバーの操作を契機に実行した内部抽選の結果に基づく演出(期待度演出)を実行して有利度合い示唆演出を実行しないように構成することにより、ウェイト状態中の時間を遊技の結果に対する期待を持たせる時間とすることができる。
特に、リーチ目を表示するように構成された遊技機の場合、ゲーム毎に同一の演出内容である誘発演出が実行されることにより遊技速度が高速になることから、図表示されたリーチ目を見逃して期待感が低下する。しかし、遊技速度が高速となりリーチ目を見逃しても、有利度合い示唆演出の実行に変わって期待度演出を実行することにより、期待感を持たせることができる。
また、有利度合い示唆演出と期待度演出との演出内容が同一の演出内容となるように構成することにより、有利度合い示唆演出と期待度演出との演出内容を曖昧にする。例えば、図71(c)に示す有利度合い示唆演出が実行されたにもかかわらず、猫のキャラクタ2601が大きく飛び跳ねていることから、遊技者にボーナスゲームの作動に係る当選役が決定したのではないかと思わせて期待感を煽ることができる。
また、例えば、図72(c)に示す期待度演出が実行されたにもかかわらず、猫のキャラクタ2601が指でVの字を作るジェスチャーをしていることから、遊技者に設定値が「2」であることを示唆していると思わせて設定推測を盛り上げることができる。このように、有利度合い示唆演出と期待度演出との演出内容を同一とすることで遊技性を向上することができる。
さらに、例えば、図73(c)に示すように、上述した累積ウェイト時間が所定の閾値(例えば、第4閾値)以上の場合には、「設定は2だよ」と設定値を明確に報知するような有利度合い示唆演出を実行するように構成する。このように明確な示唆を行うことにより、遊技者は設定値を明確に知るという最終的な目的に向かって遊技を進行することができる。
このように、遅延時間を利用して、有利度合い示唆演出を実行することにより遊技者に設定示唆を行えるメリットを与えることにより遊技の開始を待つだけという遊技と関係がない遅延時間を無駄な時間とすることなくホールが求める稼動を提供することができる。
以上、本発明のスロットマシンを図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置き換えることができる。
例えば、上述した本発明の実施形態では、遊技機は、複数の図柄の変動表示を停止して表示される図柄に基づいて特定の入賞態様が成立するように、遊技者の操作により変動表示を停止可能に構成されているスロットマシンの場合について説明したが、これに限定されない。例えば、遊技機は、コインやメダル、遊技球、トークン等の他、遊技者に付与された、もしくは付与される遊技価値の情報を記憶したカード等の遊技媒体を用いて遊技するものであってもよい。
また、本発明の実施形態では、画像表示体500において誘発演出、有利度合い示唆演出、期待度演出を実行する場合について説明したが、これに限定されない。例えば、スピーカ512による効果音、遊技者に振動を伝える振動装置等によって、又はこれらと共に上述した演出を実行してもよい。
さらに、本発明の実施形態では、通常ゲーム、CRTゲーム、LRT中(ボーナスゲーム以外のゲーム中)に誘発演出、有利度合い示唆演出、期待度演出を実行する場合について説明したが、これに限定されない。例えば、上述したBBゲーム中、RBゲーム中、CRBゲーム中等のボーナスゲームにおいてこれらの演出を実行してもよい。
また、本発明の実施形態では、通常ゲーム、CRTゲーム、LRTゲーム中に誘発演出をゲーム毎に実行する場合について説明したがこれに限定されない。例えば、数十回に1回、又は、数百回に1回、誘発演出を実行しないように構成してもよい。また、通常ゲーム、CRTゲーム、LRTゲーム中に限らず全てのゲーム毎に誘発演出を実行してもよい。
さらに、本発明の実施形態では、実行する誘発演出は同一の演出内容である場合について説明したがこれに限定されない。例えば、互いに共通性を有しており、互いの演出内容が同一又は類似する演出内容であってもよい。例えば、観念上の繋がりを有する演出や登場するキャラクタ画像等が共通性を有する演出を誘発演出として実行してもよい。
以上、上記のように構成したとしても、本発明の実施形態に係るスロットマシン1と同様の作用効果を得ることができる。