JP2018042066A - 撮像装置およびその制御方法、プログラム - Google Patents

撮像装置およびその制御方法、プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】映像が大きく変化した場合でも、D(ダイナミック)レンジと測光値との差を表示し、Dレンジの決定を支援する処理を行うこと。【解決手段】撮像装置の制御部は、Dレンジの変更に応じて撮像素子に係る露出制御と、撮像画像データのガンマ補正の制御を行う。制御部はDレンジ決定のアシストモードが設定された場合、現在のDレンジを算出(S302)して表示し(S303)、Dレンジ変更量を算出する(S304)。制御部はガンマ補正前の画像データから複数の測光値を取得し(S306)、画像データごとに最大測光値を算出する(S307)。制御部はアシストモードが設定された時点から現在までの最大測光値のピークホールド値を算出し、新たに算出された最大測光値が現在のピークホールド値よりも大きい場合、ピークホールド値を最大測光値で更新し(S309)、表示部の画面上に現在のDレンジと併せて表示させる制御を行う(S310)。【選択図】 図3

Description

本発明は、撮像装置のダイナミックレンジの変更処理に関する。
適正露出時よりも画像のダイナミックレンジ(以下、Dレンジともいう)を拡大する方法として、適正露出より低い露出(露出アンダー)で撮影し、ガンマ補正(階調補正)によって輝度を調整する方法がある。ガンマ補正特性は、設定されたDレンジに応じた入力レベルの範囲と、予め定められた出力レベルの範囲との対応付けを規定する特性である。設定されたDレンジまで、あらかじめ準備された入射光に対する出力の関係となるようにDレンジに応じてガンマ補正特性を変更することで、拡大前よりも広い範囲の入射光と出力との関係を所定の状態に保った状態で出力が可能となる。
Dレンジ拡大とともにガンマ補正特性を変更する方法が提案されている。特許文献1では、Dレンジ拡大とともにガンマ補正特性の高輝度部の傾きをなだらかにすることによって高輝度部の階調を有効に使用する方法が開示されている。Dレンジが狭い状態でも、階調特性の高輝度部の傾きを変化させることで高輝度部の階調を有効に利用できる。また特許文献2では、被写体の入射光量の最大反射率に応じて、Dレンジをシフトするとともにガンマ補正特性を最大反射率に応じた特性に変更しつつ、基準入射光量に対する出力を維持する方法が開示されている。この方法では、最大反射率が高いときにガンマ値を1に近づけ、最大反射率が低いときにはガンマ値を0に近づける。こうすることで、最大反射率が高い場合にコントラストを下げ、最大反射率が低い場合にコントラストを高めている。
特開2004−120511号公報 特開2006−81037号公報
ところで、露出アンダーでの撮影と、ガンマ補正特性の変更とを組み合わせてDレンジを拡大する場合には、露出状態を露出アンダーにした分に応じて、ガンマ補正特性を変更することにより、入出力の関係を維持できる。この場合、ガンマ補正は信号の増幅を伴うことから、S/N(信号対ノイズ)比の低下を招く原因となり得る。このため、撮影条件によっては所定範囲内にDレンジを縮小して、S/N比を向上させることも必要となる。その際、撮影時の映像に対してDレンジが所定範囲内に収まるか否かを、ユーザが目視で確認することは煩雑であり、かつ、正否の判断が困難である。
この問題に対して、ダイナミックレンジを変更する際の目安として、所定の測光値とDレンジに対する差分値を表示し、ユーザに提示する方法が考えられる。しかしながら、測光値が飽和している場合には差分値を正しく算出することができない。特に、撮像装置のパンニング操作等が行われ、画角内に含まれる被写体の変化が大きい場合には、Dレンジが大きく変化する。この場合、Dレンジを合わせるべき明るさであるか否かの判断が困難である。
本発明は、映像が大きく変化した場合でも、ダイナミックレンジと測光値との差を表示し、Dレンジの決定を支援する処理を行うことを目的とする。
本発明の一実施形態の装置は、被写体を撮像して画像データを出力する撮像手段と、前記画像データの階調補正を行う補正手段と、前記階調補正が行われる前の前記画像データを取得して前記画像データごとに測光値を算出する算出手段と、取得する前記画像データに係る現在のダイナミックレンジを所定のダイナミックレンジに変更する際にダイナミックレンジの決定を支援するモードを設定する設定手段と、ダイナミックレンジが変更される場合、前記撮像手段の露出を制御するとともに、前記階調補正の特性を制御する制御手段と、を備える。前記制御手段は、前記設定手段により前記モードが設定された時点から現在までに算出された前記測光値のピークホールド値を算出して保持し、現在のダイナミックレンジの情報および前記ピークホールド値を表示手段に表示させる制御を行い、設定された前記モードにて操作により決定されたダイナミックレンジを受け付ける処理を行う。
本発明によれば、映像が大きく変化した場合でも、ダイナミックレンジと測光値との差を表示し、Dレンジの決定を支援する処理を行うことができる。
本発明の実施形態に係る撮像装置の外観図である。 本発明の実施形態に係る撮像装置の構成を示すブロック図である。 第1実施形態における処理を説明するフローチャートである。 第1実施形態における表示例を示す図である。 第1実施形態におけるDレンジアシスト前後のガンマ補正特性例を示す図である。 被写体画像に対する測光枠を示す模式図である。 第2実施形態における処理を説明するフローチャートである。 第2実施形態における表示例を示す図である。
以下に本発明の各実施形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。撮影の際にダイナミックレンジが十分でないと高輝度被写体の画像信号が飽和する場合があるため、Dレンジの変更が必要となる。本明細書では撮像装置にてユーザがDレンジを決定する際に支援する機能を「Dレンジ決定アシスト」と称する。Dレンジ決定アシストを実行するモードを「Dレンジ決定アシストモード」、または単にアシストモードと称する。
[第1実施形態]
図1は、撮像装置の例としてデジタルビデオカメラ100を示す外観図である。以下では、被写体側を前側と定義して各部の位置関係を説明する。表示部28はカメラ本体部の側面にて開閉可能に取り付けられ、画像や各種情報を画面に表示する。録画スイッチ61は撮影指示を行うための操作部材であり、カメラ本体部の後面部に配置される。モード切替スイッチ60は各種モードを切り替えるための操作部材であり、カメラ本体部の側面部に配置される。操作部70はユーザから各種操作の指示を受け付ける各種ボタン、十字キー等の操作部材により構成され、カメラ本体部の側面部や表示部28の筐体に配置される。コネクタ112はカメラ本体部の側面部に配置され、接続ケーブルとデジタルビデオカメラ100とを接続する部材である。
電源スイッチ72はカメラ本体部の上面部に配置され、ユーザが電源オン操作と電源オフ操作との切り替えに使用する。記録媒体200はメモリカードやハードディスク等の記録媒体である。記録媒体スロット201はカメラ本体部の後面部に配置され、記録媒体200が格納される。記録媒体スロット201に格納された記録媒体200は、デジタルビデオカメラ100との通信が可能となる。
図2は、デジタルビデオカメラ100の内部構成例を示すブロック図である。撮像レンズ103はズームレンズ、フォーカスレンズを含むレンズ群であり、被写体からの光を結像させる。絞り101は光量調整用部材である。NDフィルタ104は減光用の光学フィルタである。撮像部22は光学像を電気信号に光電変換する撮像素子を備える。撮像素子は、CCD(電荷結合素子)型イメージセンサやCMOS(相補型金属酸化膜半導体)型イメージセンサ等である。また、撮像部22は電子シャッタによる蓄積の制御や、アナログゲイン、読み出し速度の変更等の機能を備える。バリア102は、撮像レンズ103を含む撮像光学系の構成部材を覆うことにより、撮像レンズ103、絞り101、撮像部22等の汚れや破損を防止する。撮像部22は撮像信号をA(アナログ)/D(デジタル)変換器23に出力する。
A/D変換器23は、撮像部22から出力されるアナログ信号をデジタル信号に変換し、画像処理部24およびメモリ制御部15に出力する。画像処理部24は、A/D変換器23からのデータ、または、メモリ制御部15からのデータに対し、所定の画素補間、リサイズ処理や色変換処理、ガンマ補正、デジタルゲインの付加等の処理を行う。また画像処理部24は、撮像画像データを用いて所定の演算処理を行い、演算結果をシステム制御部50に送信する。システム制御部50は画像処理部24から送信された演算結果に基づいて露出制御、焦点検出および焦点調節制御、ホワイトバランス制御等を行う。これにより、TTL(スルー・ザ・レンズ)方式のAF(オートフォーカス)処理、AE(自動露出)処理、AWB(オートホワイトバランス)処理等が行われる。なお、本実施形態では、絞り値やシャッタ速度の変更やNDフィルタの挿抜、アナログおよびデジタルゲイン量を調整することで、露出変更が可能である。また、システム制御部50の指令により画像処理部24は表示用の重畳データを作成し、画像表示用のデータに対して重畳データを重畳する処理を実行する。撮影時のアイリス情報、STOP情報(例えば、1STOPごとにDレンジが2倍変化するストップ数)、フォーカス情報等の撮影情報が重畳される。
ジャイロセンサ25はデジタルビデオカメラ100の角速度を検出することによって動きを検出する。ジャイロセンサ25の検出信号はシステム制御部50が取得して処理する。
A/D変換器23の出力データは、画像処理部24およびメモリ制御部15を介して、或いは、メモリ制御部15を介してメモリ32に直接書き込まれる。メモリ32は、撮像部22によって撮像されてA/D変換器23がデジタルデータに変換した画像データや、表示部28に表示するための画像データを記憶する。メモリ32は、所定時間に亘る動画像および音声の記憶に十分な記憶容量を有する。また、メモリ32は画像表示用メモリ(ビデオメモリ)を兼ねている。D/A変換器13は、メモリ32から読み出された画像表示用のデータをアナログ信号に変換して表示部28に出力する。表示部28はLCD(液晶ディスプレイ)等の表示デバイスを備え、画像表示用のデータにしたがって画面上に画像を表示する。A/D変換器23によって一度A/D変換されてメモリ32に蓄積されたデジタル信号をD/A変換器13がアナログ信号に変換し、表示部28に逐次転送して画像を表示することで、電子ビューファインダ機能によるスルー画像表示を行うことができる。
不揮発性メモリ56は、電気的に消去および記録可能なメモリであり、例えばEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)等が用いられる。不揮発性メモリ56は、システム制御部50の動作用の定数、プログラム等を記憶している。ここでいう、プログラムとは、後述するフローチャートの処理を実行するためのプログラムのことである。
システム制御部50はCPU(中央演算処理装置)を備え、デジタルビデオカメラ100全体を制御する。システム制御部50は不揮発性メモリ56に記憶されたプログラムを実行することで各種処理を行う。システムメモリ52にはRAM(ランダム・アクセス・メモリ)が用いられる。システムメモリ52は、システム制御部50の動作用の定数、変数、不揮発性メモリ56から読み出したプログラム等を記憶する。また、システム制御部50はメモリ32、D/A変換器13、表示部28等を制御することにより表示制御を行う。システムタイマ53は各種制御に用いる時間を計測する計時部である。
ユーザはモード切替スイッチ60、録画スイッチ61、操作部70を用いて、システム制御部50に各種の動作を指示する。モード切替スイッチ60は、システム制御部50のモードを切り替える操作部材である。例えばモードは、静止画記録モード、動画記録モード、再生モード、Dレンジ決定アシストモードである。ユーザはモード切替スイッチ60を操作することで、所望のモードに直接切り替えることができる。録画スイッチ61は撮影待機状態と撮影状態を切り替える際にユーザが使用する操作部材である。システム制御部50は、録画スイッチ61の操作指示を受け付けた場合、撮像部22の信号読み出しから記録媒体200への動画データの書き込みまでの一連の動作を開始させる。
操作部70は、例えば表示部28に表示される種々の機能アイコンをユーザが選択操作する際に使用し、場面ごとに適宜機能が割り当てられた機能ボタンを有する。例えば終了ボタン、戻りボタン、画像送りボタン、ジャンプボタン、絞込みボタン、属性変更ボタン等がある。ユーザがメニューボタンを操作すると、表示部28は各種の設定可能なメニュー項目を画面に表示する。ユーザは、表示部28に表示されたメニュー画面を見ながら、上下左右の4方向ボタンやSETボタンを用いて各種設定を行える。
電源スイッチ72は、ユーザがカメラの電源のON操作またはOFF操作に使用する。電源制御部80は、電池検出回路、DC−DCコンバータ、通電するブロックを切り替えるスイッチ回路等により構成される。電源制御部80は電池の装着の有無、電池の種類、電池残量を検出し、検出結果およびシステム制御部50の指示に基づいてDC−DCコンバータを制御し、記録媒体200を含む各部へ電力を供給する。電源部30は1次電池または2次電池、ACアダプタ等を備える。記録媒体I/F部18は記録媒体200とのインターフェース部である。記録媒体200は、撮像された画像のデータを記録するメモリカード等の記録媒体であり、半導体メモリや磁気ディスク等から構成される。
次に本実施形態における動作について説明する。本実施形態では最大の測光値に対する、現在の撮像部22が表示可能な明るさのダイナミックレンジとの差分を表示する機能(以下、Dレンジアシストという)を利用して、ユーザはDレンジを決定することができる。以下では、ユーザ操作によってDレンジアシストが有効に設定された場合において、撮影時に設定可能なDレンジに変更する例を示す。本実施形態ではDレンジに応じて露出状態およびガンマ補正特性を変更し、Dレンジアシストの設定が有効となった場合に、最大測光値(PeakHold値)とDレンジを表示する処理が実行される。
本実施形態における各処理は、システム制御部50のCPUが不揮発性メモリ56に記憶されたプログラムをシステムメモリ52に展開して実行することにより実現される。図3に示すフローチャートを参照して、本実施形態における処理を説明する。
まずDレンジアシストの状態について判断処理が実行される(S301)。ユーザは操作部材を用いて、Dレンジアシストの有効または無効を設定することができる。S301でDレンジアシストの設定が無効であると判断された場合、下記処理を行わずに終了する。またS301にてDレンジアシストの設定が有効であると判断された場合、S302の処理へ進む。
S302でシステム制御部50は、現在の露出設定に基づいてDレンジを算出し、算出結果である現在のDレンジの情報を表示する制御を行う(S303)。表示方法としては、映像にDレンジ情報を重畳する表示形態や、Dレンジ情報を別途表示する形態がある。本実施形態では、映像にDレンジ情報を重畳して表示させる形態を説明する。図4にDレンジ情報の表示例を示す。図4はDレンジ表示情報を画面の右側に配置し、左側の画像表示領域420に撮像画像を配置した例を示す。図4に示す範囲400は、現在のDレンジ情報に対応するDレンジを示しており、垂直バーの長さによってDレンジ範囲が分かるように表示される。なお、現在のDレンジの範囲400を示す垂直バーは、実際には後述の指標401が表示される左側の垂直バー410に重なった画像として表示されるが、図示の便宜上、並列配置された垂直バー表示として説明する。範囲400を表示する第1の画像データと、垂直バー410を表示する第2の画像データは画像処理部24により生成され、システム制御部50の制御指令にしたがって表示部28の画面上に表示される。なお範囲400のバー表示は例示であって、表示方法は任意であり、特に限定されない。
次にシステム制御部50は、Dレンジの変更量を算出する(S304)。Dレンジの変更量をDchangeと表記し、現在のDレンジをDnowと表記する。撮像装置にて設定可能な最大のDレンジをDmaxと表記すると、Dレンジの変更量は下記(式1)から算出される。
Dchange=log(Dmax/Dnow) (式1)
(式1)中のlog()は、2を底とする対数関数を表わす。例えば最大のDレンジを800%とし、現在のDレンジを400%とする。この場合、Dレンジ変更量は1段である。また現在のDレンジを300%とすると、Dレンジ変更量は約1.52段となる。(式1)で目標のDレンジとして最大のDレンジを例示するが、目標のDレンジの値については、αを1未満の係数として最大のDレンジから算出される所定範囲内(例えばα・Dmax≦目標Dレンジ<Dmax)の値でもよい。
次にシステム制御部50は、S304で算出したDレンジ変更量に応じて、露出とガンマ補正特性を変更する(S305)。露出については絞り101、NDフィルタ104、撮像部22における電子シャッタ制御、アナログゲイン設定等で変更される。電子シャッタ制御による変更例として、Dレンジ変更前の電子シャッタ値(秒時)を1/60とし、Dレンジ変更量を1段とする場合を想定する。この場合、システム制御部50は電子シャッタ値を1/120に変更する。露出変更方法については、撮像素子から信号が出力される前に変更できる手段を用いた方法であれば任意であり、特に限定されない。
システム制御部50は露出変更と同時に、画像処理部24内におけるガンマ補正回路の設定変更により、ガンマ補正特性を変更する。Dレンジアシストの設定前の入力をXと表記し、出力をYと表記する。Dレンジアシスト時には「X×Dnow/Dmax」の出力がYとなるようにガンマ補正特性が変更される。また、Dレンジアシストの設定前の入力の最大値をXmaxと表記し、出力の最大値をYmaxと表記する。Dレンジアシスト時には入力Xmax×Dnow/Dmaxの時にYmaxとし、それ以上の入力に対する出力はYmaxとする。図5を参照して、Dレンジアシスト前後のガンマ補正特性について具体例を説明する。
図5はDnowが400%であって、Dmaxが800%の例を示す。横軸はガンマ補正回路の入力ビットを表わし、縦軸は出力ビットを表わす。Dレンジアシスト前のガンマ補正特性501を実線で示し、Dレンジアシスト後のガンマ補正特性502を1点鎖線で示している。Dnow/Dmaxが1/2(=400%/800%)であるので、Dレンジアシスト前の入力Xに対する出力Yと、Dレンジアシスト後の入力X/2に対する出力Yとが同じになるガンマ補正特性を示している。またDレンジアシスト後には、Xmax/2のときの出力がYmaxとなり、Xmax/2より大きい範囲ではYmaxを維持する特性である。システム制御部50はDnowに応じて決定したガンマ補正特性に基づく設定値を、画像処理部24に送信し、画像処理部24内のガンマ補正回路に設定する。これにより、階調補正特性が変更される。
次にシステム制御部50は測光値を取得する(S306)。画像処理部24はガンマ補正回路を通過する前の画像データから測光値を算出する。測光値は、画像データを複数の特定のサイズに区切り、区切られた枠の中の画像データに係るそれぞれの輝度信号の平均値を算出した値である。図6を参照して具体例を説明する。図6は撮像された画像に対する測光枠の表示例として、縦方向に8分割で横方向に8分割とし、8×8の枠に区切った場合を例示する。
図6(A)は被写体の画像例601を示し、図6(B)は被写体の画像602と測光枠603を例示する。この例では、システム制御部50は各測光枠内の画像データに関する64個の輝度平均値を取得する。なお図6では64個の枠を例示したが、枠数や枠形状は任意に設定可能である。また、測光値として輝度信号の平均値を用いる例を示したが、枠ごとの明るさがわかればよいので、積分値で表してもよいし、APEX単位で表わしたEV値等の明るさの指標となる値を用いてもよい。また、本実施形態では測光対象とする画像データを、画像データ全体(1面)としているが、特定の領域内の画像データを対象としてもよい。特定の領域とは、例えばユーザ操作等により指定された画像領域であり、当該領域内の画像データが測光データとして使用される。
次に、システム制御部50は64個の測光値から最大測光値を算出する(S307)。取得した測光値の中から最大値が算出され、その値が最大測光値として決定される。次にシステム制御部50は現在のピークホールド値(PeakHold値と記す)と、S307で決定された最大測光値を比較し、最大測光値が現在のPeakHold値よりも大きいか否かを判定する(S308)。PeakHold値とは、Dレンジアシストの開始時点から現在までの最大測光値のうちで最も大きい測光値を保持した値である。PeakHold値よりも最大測光値の方が大きい場合、S309の処理に進み、最大測光値が現在のPeakHold値以下である場合、S310の処理に進む。
S309でシステム制御部50はPeakHold値に、S307で算出した最大測光値を代入して更新を行い、S310へ進む。S310にてシステム制御部50はPeakHold値を画像処理部24に送信する。画像処理部24はPeakHold値を表現する第3の画像データを生成する。生成された画像データはメモリ制御部15とD/A変換器13を経て表示部28の画面に表示される。図4に具体例を示す。PeakHold値6.0は指標401を用いて表示される。垂直バー410の長さは撮像装置における最大Dレンジに対応する範囲を表す。PeakHold値を指示する指標401の表示画像は、垂直バー410上に重ねた画像として生成され、PeakHold値の位置が表示される。ユーザは指標401を目安として操作部材を用いてDレンジの設定操作を行い、システム制御部50はアシストモードにて決定されたDレンジ設定情報を受け付けてDレンジ変更処理を実行する。なお、PeakHold値を表現する画像についてはポインタ表示に限らず、所定の図形を用いた表示でもよく、その表現方法は特に限定されない。
図3の処理ではDレンジ決定アシストモード時にDレンジ変更量を算出する例を示した。Dレンジ変更量についてはDレンジアシスト時に限らず、常に計算できるので、Dレンジアシストの設定状態にかかわらずシステム制御部50が算出を行ってもよい。その際には、Dレンジアシスト時以外での処理負荷の増加に留意すべきである。
本実施形態では、現在のDレンジ範囲とPeakHold値との関係が画像表示によってユーザに提示される。測光値が最大のDレンジの範囲内であれば、現在のDレンジを超えた測光値であっても高輝度部の階調を維持した状態で、ユーザは現在のDレンジと測光値の関係を把握できる。そして、Dレンジが大きく変化した場合にユーザは、その変化中の最大測光値を知ることができる。つまりユーザは最大でどのDレンジまで必要であるかが明確に分かるので、Dレンジを変更する際の目安とすることができる。本実施形態によれば、パンニング等で映像が大きく変化し、Dレンジが大きく変化する場合でも、ユーザは設定したアシストモードにおいて、容易にDレンジを決定することができる。
[第2実施形態]
次に本発明の第2実施形態を説明する。第1実施形態では、Dレンジと測光値との差分をユーザに提示して、Dレンジ変更の際に目安とする例を示した。しかしながら、ユーザがパンニング等を行った場合、映像が大きく変化している最中の一瞬だけDレンジが高い場合に、その都度Dレンジを高く設定することはS/N比を不必要に低下させることになりかねない。そこで本実施形態では、映像が大きく変化している場合のDレンジ変化の影響を抑えて、Dレンジアシストを行う例を説明する。本実施形態にて第1実施形態の場合と同様の構成要素については既に使用した符号を用いることで、それらの詳細な説明を省略し、主に相違点を説明する。
図7のフローチャートを参照して、本実施形態における処理を説明する。S301からS307の処理は、図3にて説明済みであるため、S701からS705の処理を説明する。S307からS701へ進み、システム制御部50は画像データが前回の画像データからどの程度変化しているかを検出するために、その変化の量を示す映像変化量を算出する。映像変化量の算出処理では、例えば、ジャイロセンサ25により得られる角速度からカメラの動き量が算出され、当該動き量が映像変化量として使用される。あるいは今回の画像データと前回の画像データとの差分が算出され、当該差分の値と方向をベクトル化した動きベクトルの大きさが映像変化量として使用される。または、前回の画像データに対するDレンジの変化量を算出して、これを映像変化量に使用してもよい。これらは例示であって、映像変化量の算出方法が特定の方法に限定されるわけではない。
次にシステム制御部50は、S701で算出した映像変化量を所定の閾値と比較し、映像変化量が閾値以上であるかどうかを判断する(S702)。映像変化量が閾値以上であると判断された場合、S308に進み、映像変化量が閾値未満であると判断された場合にはS703に進む。なお、当該閾値としては、例えば、算出した映像変化量が、デジタルビデオカメラ100のパンニング動作などによりダイナミックレンジが変化しているか否かを判別出来るような値であればどのようなものであってもよい。
S703でシステム制御部50は、Dレンジアシストが有効に設定された時点から最大の明るさの目安となる指標値(以下、RoughPeak値という)と、最大測光値とを比較する。システム制御部50は、現在のRoughPeak値よりも最大測光値の方が大きいか否かを判定する。現在のRoughPeak値よりも最大測光値の方が大きい値であると判定された場合、S704の処理に進む。また現在のRoughPeak値が最大測光値以上であると判定された場合、S308の処理へ進む。
S704でシステム制御部50は、RoughPeak値を算出する。RoughPeak値の算出処理では、例えば、出現率で重み(重み付けの度合い)を乗算した最大測光値がRoughPeak値として算出される。画像データごとの最大測光値の出現率(出現頻度)に応じた重み付け演算を行う理由は、最大測光値がどのぐらいの頻度で出現しているかを指標値に加味するためである。あるいは、映像変化量を指標値に加味するために、映像変化量が少ないほど重み付け係数値を増して、当該係数値を最大測光値に乗算した値がRoughPeak値として算出される。これらの算出方法は一例であり、RoughPeak値の算出方法が特定の方法に限定されるわけではない。S704の処理後、S308へ進む。
S308では、現在のPeakHold値と最大測光値とが比較される。現在のPeakHold値よりも最大測光値の方が大きい場合、PeakHold値に最大測光値を代入する処理が行われ(S309)、S705へ進む。また、最大測光値が現在のPeakHold値以下である場合、S705へ進む。
S705でシステム制御部50は、PeakHold値とRoughPeak値を画像処理部24に送信する。画像処理部24はPeakHold値を表現する画像データとRoughPeak値を表現する画像データを生成する。図8に具体例を示す。垂直バー410上には、PeakHold値を表わす指標401と、RoughPeak値を表わす指標801が表示される。つまり、PeakHold値7.0は指標401を用いて表示され、RoughPeak値6.0は指標801を用いて表示される。PeakHold値やRoughPeak値を表現する指標画像については、任意のポインタや図形等により表現可能である。ユーザは指標401および801を目安として操作部材を用いてDレンジの設定操作を行い、システム制御部50はアシストモードにて決定されたDレンジ設定情報を受け付けてDレンジ変更処理を実行する。
本実施形態では、Dレンジアシスト時にPeakHold値とRoughPeak値が表示されてユーザに提示される。ユーザはそれらの表示値を見て、最大Dレンジを把握しつつ、最低限どの程度のDレンジまでカバーすべきかという指標値がわかるため、映像全体を俯瞰しながらDレンジの変更および決定の操作を行うことができる。
[変形例]
前記実施形態の変形例では、映像変化量に対応する重み付け係数値を測光値に乗算して現在のピークホールド値を算出する処理が行われる。例えば、図3、図7のS309にてシステム制御部50はPeakHold値に最大測光値を代入するのではなく、算出した映像変化量に対応する重み付け係数値を最大測光値に乗算して現在のピークホールド値を算出する。システム制御部50はアシストモードが設定された時点から算出される最大測光値と現在のピークホールド値とを比較し、最大測光値が現在のピークホールド値よりも大きい場合にピークホールド値を更新する。あるいはシステム制御部50は画像データごとの最大測光値の出現頻度に応じた重み付け係数値を当該最大測光値に乗算して現在のピークホールド値を算出する。システム制御部50はアシストモードが設定された時点から算出される最大測光値と現在のピークホールド値とを比較し、最大測光値が現在のピークホールド値よりも大きい場合にピークホールド値を更新する。
ピークホールド値についても映像変化量や画像データごとの最大測光値の出現頻度に応じた重み付け処理を行うことにより、映像変化に対応したDレンジアシスト処理を実現できる。
以上、本発明をその好適な実施形態に基づいて詳述してきたが、本発明はこれら特定の実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の様々な形態も本発明に含まれる。上述の実施形態の一部を適宜組み合わせてもよい。
[その他の実施形態]
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
22‥‥撮像部
24‥‥画像処理部
25‥‥ジャイロセンサ
28‥‥表示部
50‥‥システム制御部

Claims (14)

  1. 被写体を撮像して画像データを出力する撮像手段と、
    前記画像データの階調補正を行う補正手段と、
    前記階調補正が行われる前の前記画像データを取得して前記画像データごとに測光値を算出する算出手段と、
    取得する前記画像データに係る現在のダイナミックレンジを所定のダイナミックレンジに変更する際にダイナミックレンジの決定を支援するモードを設定する設定手段と、
    ダイナミックレンジが変更される場合、前記撮像手段の露出を制御するとともに、前記階調補正の特性を制御する制御手段と、を備え、
    前記制御手段は、前記設定手段により前記モードが設定された時点から現在までに算出された前記測光値のピークホールド値を算出して保持し、現在のダイナミックレンジの情報および前記ピークホールド値を表示手段に表示させる制御を行い、設定された前記モードにて操作により決定されたダイナミックレンジを受け付ける処理を行う
    ことを特徴とする撮像装置。
  2. 現在のダイナミックレンジを表示する第1の画像データと、設定可能な最大のダイナミックレンジを表示する第2の画像データと、前記ピークホールド値を表示する第3の画像データを生成する画像処理手段を備え、
    前記制御手段は、前記設定手段により前記モードが設定された場合、新たに算出された前記測光値が前記ピークホールド値よりも大きい場合に当該ピークホールド値が前記測光値と同じ値となるように更新し、更新されたピークホールド値を示す前記第3の画像データと、前記第1および第2の画像データを前記表示手段に表示させる制御を行う
    ことを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
  3. 前記制御手段は、被写体を撮像することで取得された映像の変化量を算出し、前記映像の変化量が閾値以上である場合、前記ピークホールド値を更新しない
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の撮像装置。
  4. 前記制御手段は、前記映像の変化量に対応する重み付けの度合いを前記測光値に乗じて現在のピークホールド値を算出し、前記設定手段により前記モードが設定された時点から算出される前記測光値が現在のピークホールド値よりも大きい場合に前記ピークホールド値を更新する
    ことを特徴とする請求項3に記載の撮像装置。
  5. 前記制御手段は、前記画像データごとの最大測光値の出現頻度に対応する重み付けの度合いを当該最大測光値に乗じて現在のピークホールド値を算出し、前記設定手段により前記モードが設定された時点から算出される前記最大測光値が現在のピークホールド値よりも大きい場合に前記ピークホールド値を更新する
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の撮像装置。
  6. 前記制御手段は、前記設定手段により前記モードが設定された時点から映像の明るさに関する指標値を算出し、当該指標値を前記表示手段に表示させる制御を行う
    ことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の撮像装置。
  7. 前記制御手段は、被写体を撮像することで取得された映像の変化量を算出し、前記映像の変化量が閾値より小さい場合であって、前記設定手段により前記モードが設定された時点から算出された前記測光値が前記指標値よりも大きい場合に当該指標値が前記測光値と同じ値となるように更新し、前記映像の変化量が閾値以上である場合には前記指標値を更新しない
    ことを特徴とする請求項6に記載の撮像装置。
  8. 前記制御手段は、撮像された映像の変化量を算出し、前記映像の変化量に対応する重み付けの度合いを前記測光値に乗じて現在の指標値を算出し、前記設定手段により前記モードが設定された時点から算出される前記測光値が現在の指標値よりも大きい場合に前記指標値を更新する
    ことを特徴とする請求項6に記載の撮像装置。
  9. 前記制御手段は、前記画像データごとの最大測光値の出現頻度に対応する重み付けの度合いを当該最大測光値に乗じて現在の指標値を算出し、前記設定手段により前記モードが設定された時点から算出される前記最大測光値が現在の指標値よりも大きい場合に前記指標値を更新する
    ことを特徴とする請求項6に記載の撮像装置。
  10. 前記補正手段は前記画像データのガンマ補正を行う手段であり、
    前記制御手段は、現在のダイナミックレンジから前記モードで決定されたダイナミックレンジへの変更量に対応して前記露出を変更する制御および前記補正手段の特性を変更する制御を行う
    ことを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載の撮像装置。
  11. 前記モードが設定された場合に前記補正手段は、前記モードの設定前の入力Xに対して現在のダイナミックレンジを乗じて目標のダイナミックレンジを除した値として算出される出力が、前記モードの設定前の補正手段の出力Yと等しくなる特性に変更される
    ことを特徴とする請求項10に記載の撮像装置。
  12. 前記モードの設定前の入力Xの最大値をXmaxとし、前記モードの設定前の出力Yの最大値をYmaxとするとき、前記モードが設定された場合の前記補正手段の特性において、Xmaxに現在のダイナミックレンジを乗じて目標のダイナミックレンジを除した値に等しいか又は当該値よりも大きい入力に対する出力はYmaxである
    ことを特徴とする請求項11に記載の撮像装置。
  13. 被写体を撮像して画像データを出力する撮像手段を備えた撮像装置の制御方法であって、
    前記画像データの階調補正を行う補正工程と、
    前記階調補正が行われる前の前記画像データを取得して前記画像データごとに測光値を算出する算出工程と、
    取得する前記画像データに係る現在のダイナミックレンジを所定のダイナミックレンジに変更する際にダイナミックレンジの決定を支援するモードを設定する設定工程と、
    ダイナミックレンジが変更される場合、前記撮像手段の露出を制御するとともに、前記階調補正の特性を制御する制御工程と、を備え、
    前記制御工程では、前記設定工程で前記モードが設定された場合に、前記モードが設定された時点から現在までに算出された前記測光値のピークホールド値を算出して保持し、
    現在のダイナミックレンジの情報および前記ピークホールド値を表示手段に表示させる制御を行い、設定された前記モードにて操作により決定されたダイナミックレンジを受け付ける処理を行う
    ことを特徴とする撮像装置の制御方法。
  14. コンピュータを、請求項1から12のいずれか1項に記載の撮像装置が備える前記制御手段として機能させるプログラム。
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