JP2018041704A - 熱輻射光源および光源装置 - Google Patents

熱輻射光源および光源装置 Download PDF

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Abstract

【課題】供給されたエネルギーに対して輻射効率の高い熱輻射光源および光源装置を提供する。【解決手段】半導体から成る部材に、半導体の吸収端に対応する波長よりも短波長の光で共振するように屈折率分布が形成された光学構造を有する光学構造体2を備えた熱輻射光源1が、光学構造体2の基板3に配置された微小金属構造体4と、基板3を支持し、微小金属構造体4に電流を供給する高融点金属細線5とを備える。【選択図】図1

Description

本発明は、半導体から成る部材に、半導体の吸収端に対応する波長よりも短波長の光で共振するように屈折率分布が形成された光学構造を有する光学構造体を基板上に備えた熱輻射光源およびこれを用いた光源装置に関する。
一般に、物体を加熱すると、物体を構成する物質および物体の温度に応じた波長スペクトルを有する光、すなわち輻射光を生じる光源(熱輻射光源)となる。この熱輻射光源にフォトニック結晶を適用すると、特定の波長の光を効率よく発することができるため、種々活用が進められている。
このような活用例としては、熱光発電装置の光源として用いる場合(特許文献1)や、照明用の白熱電球として用いる場合(特許文献2)などを例示できる。
特許文献2は、支持部となるステムで支持されたフィラメントの表面にフォトニック結晶の光学構造体を設けた熱輻射光源の構造を開示している。このフィラメントには、その両端にくびれ部分が設けられている。フィラメントからステムに対して熱伝導で熱が逃げるため、通常はフィラメントの両端が、フィラメントの中心部に対して温度が低くなる。したがって、フィラメントに温度分布が生ずることになる。しかし、当該くびれ部分を設けることで、フィラメントの温度分布を緩和できるためである。
国際公開第2014/136671号 特開2005−276556号
上記のような支持部を備えた熱輻射光源は、熱輻射光源に供給されたエネルギーが当該支持部からの熱伝導により漏えいするため、輻射光に変換される輻射効率が低下するおそれがある。
本発明は、かかる実状に鑑みて為されたものであって、その目的は、供給されたエネルギーに対して輻射効率の高い熱輻射光源および光源装置を提供することにある。
上記目的を達成するための本発明に係る熱輻射光源の特徴構成は、
半導体から成る部材に、前記半導体の吸収端に対応する波長よりも短波長の光で共振するように屈折率分布が形成された光学構造を有する光学構造体を備えた熱輻射光源において、
前記光学構造体の基板に配置された微小金属構造体と、前記基板を支持し、前記微小金属構造体に電流を供給する高融点金属細線とを備えた点にある。
上記構成によれば、高融点金属細線からエネルギーとして供給された電力により、微小金属構造体が発熱するため、微小金属構造体から基板への熱伝導により、基板上に配置された光学構造体の温度を昇温させることができる。つまり、微小金属構造体が光学構造体を加熱する熱源たる発熱素子/電気ヒータとして機能する。そして加熱された光学構造体は、その光学構造により、熱エネルギーを、特定の波長分布に制御された輻射光に変換する。
このように、光学構造体を加熱して特定の波長分布に制御された輻射光を得る場合に、熱源は微小な微小金属構造体であるため、熱源からの制御されない輻射光を抑制して、熱エネルギーの損失発生を回避できる。
また、光学構造体を、細線であり熱伝導量が小さい高融点金属細線で、微小金属構造体を介して支持することで、光学構造体からの熱伝導を抑制することができるため、エネルギーの損失発生を回避できる。
したがってこの熱輻射光源は、供給されたエネルギーを損失することなく、輻射光に変換することができる。すなわち、供給されたエネルギーに対して輻射効率の高い熱輻射光源を提供することができる。
本発明に係る熱輻射光源の更なる特徴構成は、
前記微小金属構造体が、前記基板に直接接合されている点にある。
上記構成によれば、電気ヒータとして機能する微小金属構造体と、微小金属構造体から熱の供給を受ける光学構造体との熱的な接続が良好となり熱伝導効率が向上する。そして、微小金属構造体から光学構造体への熱伝導効率が向上するため、微小金属構造体と光学構造体との熱の分布がより均一になる。つまり、微小金属構造体の温度が、光学構造体に対して、相対的に近くなる。その結果、微小金属構造体からの制御されない輻射光を抑制できる。したがって、供給されたエネルギーに対して輻射効率の高い熱輻射光源を提供することができる。
本発明に係る熱輻射光源の更なる特徴構成は、
前記微小金属構造体が、前記高融点金属細線と同種の金属を含む点にある。
上記構成によれば、微小金属構造体と高融点金属細線とを接続する場合に、物理的な接続が良好となる。そのため、高融点金属細線が、熱輻射光源を確実に支持できるようになる。
微小金属構造体は、電気ヒータとして機能するため発熱するが、このように発熱する部位には有機物で成る接着剤や低融点金属で成るハンダのような介在物を用いて接着して接続することは困難である。介在物を用いて接続する場合、有機物を用いた場合は熱で損傷し、低融点金属を用いた場合は高温で溶融するためである。また、他の介在物を用いて接続する場合にも、熱膨張率などの相違により、加熱される使用時と、冷却される停止時との間で応力を生じて接続不良を生じ得るため好ましくない。
しかし、微小金属構造体と、高融点金属細線とが同種の金属を含み、もしくは同種の金属で成る場合には、微小金属構造体と、高融点金属細線との接続が確実となる。微小金属構造体と、高融点金属細線との接続部分の接続状態として、相互拡散などの接合により接続することが可能となるためである。
本発明に係る熱輻射光源の更なる特徴構成は、
前記微小金属構造体が、前記高融点金属細線と直接接合されている点にある。
上記構成によれば、高融点金属細線は、当該高融点金属細線と接合されて、前記微小金属構造体と、高融点金属細線との接続を確実なものとすることができる。
本発明に係る熱輻射光源の更なる特徴構成は、
前記基板として、赤外線を透過可能な材料で形成された赤外透明基板を備えた点にある。
上記構成によれば、光学構造体を支持する基板からの赤外領域の輻射光を抑制することができる。
本発明に係る熱輻射光源の更なる特徴構成は、
前記微小金属構造体の表面積の、前記光学構造体の輻射面の面積に対する比率が0.35以下である点にある。
上記構成によれば、微小金属構造体からの制御されない輻射光を抑制できる。微小金属構造体からの制御されない輻射光は、微小金属構造体の表面積に応じて発生するが、熱輻射光源として良好に機能させるためには微小金属構造体の表面積は、前記光学構造体の輻射面の面積に対する比率で少なくとも0.35以下とするのが好適である。当該比率は、好ましくは1/100以下、さらに好ましくは1/1000以下とするのが良い。
ここで、光学学構造体の輻射面の面積とは、光学構造体のある基板の部分の面積(基盤の片面の面積)を言う。
本発明に係る熱輻射光源の更なる特徴構成は、
前記高融点金属細線の断面積の、前記光学構造体の輻射面の面積に対する比率が7.2×10−3以下である点にある。
上記構成によれば、高融点金属細線からの制御されない輻射光を抑制できる。
微小金属構造体からの制御されない輻射光は、高融点金属細線の表面積に応じて発生するが、高融点金属細線の表面積は、高融点金属細線の断面積の縮小に応じて小さくなる。そのため、熱輻射光源として良好に機能させるためには高融点金属細線の断面積は、前記光学構造体の輻射面の面積に対する比率で7.2×10−3以下とするのが好適である。当該比率は、好ましくは1.0×10−4以下、さらに好ましくは1.0×10−5とするのが良い。
本発明に係る熱輻射光源の更なる特徴構成は、
前記光学構造体が700℃以上に加熱される点にある。
上記構成によれば、波長が1800nmより小さい輻射光を実用的に得ることができる。当該輻射光を効率よく得るためには、少なくとも700℃以上、好ましくは800℃以上、さらに好ましくは1000℃以上とするのが良い。
本発明に係る光源装置の特徴構成は、
前記熱輻射光源が70Pa以下の真空中にある点にある。
上記構成によれば、空気による熱伝導でエネルギーを損失することなく、熱輻射光源で効率よくエネルギーを輻射光に変換することができる。すなわち、供給されたエネルギーに対して輻射効率の高い光源装置を提供することができる。
空気による熱伝導でエネルギーの損失を抑制するためには、熱輻射光源を、少なくとも70Pa以下、好ましくは10Pa以下、さらに好ましくは1Pa以下の環境下とするのが良い。
熱輻射光源および光源装置の全体構造を示す断面図 熱輻射光源の構造図 熱輻射光源の基板および光学構造の説明図 熱輻射光源の基板、微小金属構造および高融点金属細線の構造の説明図 熱輻射光源の波長と強度の関係の一例を示す図 熱輻射光源の側方断面の拡大図 熱輻射光源の微小金属構造体の形状、光学構造の配置の別の例を説明する図
図1から図6に基づいて、本発明の実施形態に係る光源装置10および熱輻射光源1について説明する。
まず、本発明の実施形態に係る光源装置10および熱輻射光源1に係る概略構成を説明する。
本実施形態に係る、半導体から成る部材に、半導体の吸収端に対応する波長よりも短波長の光で共振するように屈折率分布が形成された光学構造を有する光学構造体2を備えた熱輻射光源1は、光学構造体2の基板3に配置された微小金属構造体4と、基板3を支持し、微小金属構造体4に電流を供給する高融点金属細線5とを備えている。
この熱輻射光源1は、以下のようにして輻射光を発する。
まず、高融点金属細線5から供給されたエネルギーである電流を微小金属構造体4で熱のエネルギーに変換する。そして、微小金属構造体4で変換した熱エネルギーを、基板3が熱伝導で光学構造体2に供給する。光学構造体2は、供給された熱エネルギーを波長を制御された輻射光に変換する。
本実施形態に係る、光源装置10は、可視光および赤外線に対して透明な窓8を備えた真空容器6の真空空間7に熱輻射光源1を備えて構成されている。熱輻射光源1は、光学構造体2の屈折部21を備える面を、窓8に向けた状態で、高融点金属細線5で、真空容器6の内部の支柱61に吊下げられて支持されている。
熱輻射光源1が発した輻射光は、窓8から、光源装置10の外部へ取り出すことができる。
以下、本発明の実施形態に係る光源装置10および熱輻射光源1に含まれる各部分について詳述する。
真空容器6は、熱輻射光源1から輻射光を得る場合に、熱輻射光源1を、輻射光を発生させるために好適な環境下に維持した状態で、熱輻射光源1から、輻射光を取り出すための容器である。
真空容器6は、内部に所定の真空状態の空間である真空空間7を形成可能な密閉容器である。真空容器6には、支柱61と窓8が設けられている。
本例の真空容器6は、内部に、棒状の支柱61を4本備え、4本の高融点金属細線5を介して熱輻射光源1を真空空間7中で支持している。熱輻射光源1は、本例では高融点金属細線5以外の部分で真空容器6と物理的にも熱的にも隔離された状態にある。
真空容器6は、本例ではステンレス材で形成されている。真空容器6の内面は鏡面加工されており、可視光や赤外線を反射可能な状態になっている。
本例では、内面の鏡面加工はステンレス地のままであるが、さらに金メッキなどする場合もある。
真空容器6は、熱輻射光源1の輻射光を外部に取り出すため窓8を備えている。熱輻射光源1は、光学構造体2の屈折部21を備える面を、窓8に平行に向けた状態で、真空空間7中で支持されている。
窓8は、本例では、可視光から赤外光の領域の光を真空容器6の外部に取り出すために、石英ガラスで形成されたものを使用している。
真空空間7は、熱輻射光源1の熱が空気などの気体を介した熱伝導を十分に回避できる程度の高い真空状態に保たれている。
この真空状態は、少なくとも70Pa以下、好ましくは10Pa以下、さらに好ましくは1Pa以下とする。本例では真空空間7が、10Paの真空に保たれている場合を例示している。
基板3は、平板状の基板であり、その片面に、光学構造体2を備えている。つまり、基板3は、光学構造体2を支持する基板である。
また、基板3は、微小金属構造体4から供給された熱エネルギーを、熱伝導により光学構造体2に供給する熱伝導部材として機能する。
基板3は、赤外透明基板31で構成することができる。
基板3は、赤外透明基板31と供に、さらに第二赤外透明基板32および第三赤外透明基板33とを備える場合がある。
本例では、図3、4に、基板3として、赤外透明基板31と、第二赤外透明基板32および第三赤外透明基板33とを備える場合を示している。
本例では、基板3は、赤外透明基板31の片面に第二赤外透明基板32を備え、第二赤外透明基板32の赤外透明基板31に対する他面に第三赤外透明基板33を備え、赤外透明基板31、第二赤外透明基板32および第三赤外透明基板33の順に積層されている。
また、光学構造体2は、第三赤外透明基板33の赤外透明基板31に対する他面側の表面にさらに積層した状態で設けられている。
基板3の光学構造体2を備える面が、主に輻射面として機能する。
基板3は、たとえばその厚みが0.5μmから1000μm程度の平板を用いることができる。基板3の厚みは、好ましくは0.5μmから500μm、さらに好ましくは1.0μmから300μm程度である。
本例では、基板3は、たとえば300μmの厚みの平板を用いた場合を示している。
基板3は、たとえば数mmから数十mmの直径ないし辺を有する円板や方形ないし角板とすることができる。基板3は、平板状であれば、その外周の形状として角形や円形などを取り得る。
本例では、基板3は、およそ10mm角の正方形に設けられている場合を示している。
赤外透明基板31は、可視光や赤外線を透過可能な材料で形成される。
赤外透明基板31を形成する材料として用いることができる可視光や遠赤外線に含まれる波長の光を透過可能な材料を例示すると、MgO(酸化マグネシウム)、SiO2(酸化ケイ素)、SiC(シリコンカーバイド)、ダイヤモンド、サファイア、アルミニウムナイトライド、ガリウムナイトライド、フッ化カルシウム、フッ化マグネシウム、ジンクセレン、フッ化バリウム、酸化ジルコニウム、酸化ハフニウム、酸化チタン、酸化イットリアなどを用いることができる。
本例では、赤外透明基板31として酸化マグネシウムで成る基板を用いている。
赤外透明基板31は、本例では、平板状に形成されている。赤外透明基板31の厚みは、0.5μmから500μm程度に構成される。赤外透明基板31の厚みは、好ましくは1.0μmから300μm程度である。
本例では、赤外透明基板31として、厚み300μmの酸化マグネシウムの平板を用いた場合を例示している。
第二赤外透明基板32は、赤外透明基板31を形成する材料とは異なる材料で、赤外線を透過可能な材料で形成される。
第二赤外透明基板32として用いることができる可視光や遠赤外線に含まれる波長の光を透過可能な材料を例示すると、MgO(酸化マグネシウム)、SiO2(酸化ケイ素)、SiC(シリコンカーバイド)、ダイヤモンド、サファイア、アルミニウムナイトライド、ガリウムナイトライド、フッ化カルシウム、フッ化マグネシウム、ジンクセレン、フッ化バリウム、酸化ジルコニウム、酸化ハフニウム、酸化チタン、酸化イットリアなどを用いることができる。
本例では第二赤外透明基板32として、厚み15nmのサファイアを用いた場合を例示している。第二赤外透明基板32の厚みは通常、0.5nmから1000nmとすればよい。第二赤外透明基板32の厚みは好ましくは、1nmから500nm、さらに好ましくは5nmから200nmとするのが良い。第二赤外透明基板32の厚みは、薄く形成すると、可視光や遠赤外線の透過率が向上するためである。
第三赤外透明基板33は、赤外透明基板31および第二赤外透明基板32を形成する材料とは異なる材料で、赤外線を透過可能な材料で形成される。
第三赤外透明基板33として用いることができる可視光から遠赤外線に含まれる波長の光を透過可能な材料を例示すると、MgO、SiO、SiC、ダイヤモンド、サファイア、アルミニウムナイトライド、ガリウムナイトライド、フッ化カルシウム、フッ化マグネシウム、ジンクセレン、フッ化バリウム、酸化ジルコニウム、酸化ハフニウム、酸化チタン、酸化イットリアなども好適に用いることができる。
本例では、第三赤外透明基板33としては厚み15nmの酸化ハフニウムを用いた場合を例示している。第三赤外透明基板33の厚みは通常、0.5nmから1000nmとすればよい。第三赤外透明基板33の厚みは好ましくは、1nmから500nm、さらに好ましくは5nmから200nmとするのが良い。第三赤外透明基板33の厚みは、薄く形成すると、可視光や遠赤外線の透過率が向上するためである。
光学構造体2は、半導体から成る部材に、半導体の吸収端に対応する波長よりも短波長の光で共振するように屈折率分布が形成された光学構造を有する。光学構造体2は、本例ではいわゆるフォトニック結晶と呼ばれる光学構造としている。
光学構造体2は、フォトニック結晶として、基板3から供給された熱をその光学構造に対応する波長を含む輻射光に変換する機能を有する。
光学構造体2は、本例では、半導体からなる屈折部21を、屈折部21の半導体よりも光屈折率の小さな基板3上に規則的に配列した構造を光学構造として含んで備える。本例の屈折部21は、基板3の第三赤外透明基板33に物理理的に接続されて熱的に伝熱可能に接続された状態にある。したがって、屈折部21は基板3から熱エネルギーを伝熱で受け取ることができる。
屈折部21は、本例では、第三赤外透明基板33上に突起した状態で、円柱状に形成されている。本例では、光学構造体2は、第三赤外透明基板33上に一層でなる場合を示している。
本例では、光学構造体2として、第三赤外透明基板33の、輻射光を主に放出させようとする方向にある面に、屈折部21を正方格子状に配列した構成を例示している。
なお、屈折部21の配列は、フォトニック結晶として適切な機能を発揮する配列等であれば、いずれの配列状態も採り得る。すなわち、本例で例示した正方格子状の配列に限られない。例えば三角千鳥格子状の配列や、その他の規則性を有する配置、配列をも含み得る。
また、屈折部21の配列は、二次元的な配置・配列には限定されず、三次元的な配置・配列をも含み得る。
屈折部21は、半導体で形成される。本例に言う半導体としては、真性半導体が含まれる。
また、真性半導体としては、単一元素でなる半導体と、化合物半導体とを含む。
本例では屈折部21は、真性半導体であるSi(シリコン)の結晶で形成されている。
屈折部21として用いることのできる半導体としては、Si結晶のほかに、化合物半導体であり、真性半導体であるSiCなども、好適に用いることもできる。
屈折部21は、いわゆるシリコン基板を、フォトマスク法やエッチング法で浸食して形成することができる。
例えば、当該シリコン基板を基板3上に積層した積層基板を、これらフォトマスク法やエッチング法で浸食して形成することができる。
図3は屈折部21の形状および配列の一例を説明するために、光学構造体2および基板3の一部を切り出して拡大した図である。
屈折部21の形状および配列の一例を挙げると、屈折部21の直径Dはおよそ300nmである。また、屈折部21の高さhはおよそ800nmである。屈折部21は正方格子状に配列され、正方格子の周期長a(隣り合う屈折部21の中心間の距離)はおよそ600nmである。
図5に、1200℃の場合の黒体(材質はSiC)の輻射の波長スペクトル(図5中のラインBB)と、1200℃の場合の本例で例示したフォトニクス結晶を用いた光学構造体2の場合の輻射の波長スペクトル(図5中のラインEM)とを例示する。図5中、「I」は、波長ごとの輻射光の強度(Intensity)を示す。
本例で例示したフォトニクス結晶を用いた光学構造体2の場合の輻射光のエネルギーは波長λが1800nm以下に集中しており、熱輻射光源1として好ましい特徴を持つことが示されている。
基板3の赤外透明基板31と、第二赤外透明基板32と、第三赤外透明基板33を形成する材料と、屈折部21を形成する材料との関係について補足する。
屈折部21を形成する材料にSi(シリコン)の結晶を用い、赤外透明基板31として酸化マグネシウムで成る基板を用いる場合、第二赤外透明基板32を形成する材料としては、サファイア、ないし、酸化ハフニウムが特に好適である。また、第三赤外透明基板33を形成する材料としては、サファイア、ないし、酸化ハフニウムが特に好適である。
本例では、第二赤外透明基板32を形成する材料として、サファイア、または、酸化ハフニウムを用いる場合には、第三赤外透明基板33を形成する材料としては、それぞれ、酸化ハフニウム、または、サファイアを用いることとし、第二赤外透明基板32と、第三赤外透明基板33とは、それぞれ異なる組み合わせにするとよい。
このように、基板3の赤外透明基板31や、第二赤外透明基板32、および第三赤外透明基板33を形成する材料と、屈折部21を形成する材料との組み合わせを適切に選択すると、後述するように熱輻射光源1の耐久性が向上し、また、性能が向上する場合があり好ましい。
たとえば、シリコンは、屈折部21を形成する材料として特に優れている。また、酸化マグネシウムは、赤外透過性が高く、基板3を形成する材料として特に優れている。
しかし、シリコンと酸化マグネシウムとは熱輻射光源1が使用されるような高温環境下において互いに接触状態にある場合、徐々に複合酸化物(たとえば、MgSiO)を形成し、熱輻射光源1の輻射効率が経時的に低下する場合がある。
そこで、シリコンと、酸化マグネシウムとの間に、それぞれシリコンや酸化マグネシウムと自然に複合酸化物を形成しないサファイアや、酸化ハフニウムの層を第二赤外透明基板32、第三赤外透明基板33、として介在させると、シリコンと酸化マグネシウムとの複合酸化物の形成を回避して、熱輻射光源1の輻射効率の低下を回避することができる。
特にサファイアを第二赤外透明基板32に用いる場合には、酸化ハフニウムを第三赤外透明基板33に用いるのが好ましく、酸化ハフニウムを第二赤外透明基板32に用いる場合には、サファイアを第三赤外透明基板33に用いるのが好ましい。これらの組み合わせは、コストや強度、その他の所望の特性に応じて適時使い分けが可能である。
微小金属構造体4および高融点金属細線5について説明する。
図4および図6に、基板3上にある微小金属構造体4および高融点金属細線5、および微小金属構造体4と高融点金属細線5の接続部である接続部51を拡大した図を示す。なお、図4においては、光学構造体2の図示を省略している。光学構造体2を形成する屈折部21は、図6に示すように、基板3の表面(片面)のうち、微小金属構造体4を配置しない表面の一部または全域に配置することができる。図6の場合は、基板3の表面(片面)のうち、微小金属構造体4を配置しない表面の全域に屈折部21を配置した場合を示している。
微小金属構造体4は、基板3に直接接合された状態で、基板3に配置される高融点金属でなる導電性の、所定の厚みのあるおよそ平板状の構造体である。本例では、微小金属構造体4をおよそ直方体に形成した場合を示している。
高融点金属細線5は、高融点金属でなる金属細線である。本例では、高融点金属細線5は円形断面の線材である場合を示している。
高融点金属細線5は、基板3を支持する支持部であり、また、微小金属構造体4に電流を供給する電力導線として機能する。
微小金属構造体4は、高融点金属細線5から電流を供給されて、いわゆる電気ヒータのような発熱体/発熱素子として機能する。
微小金属構造体4は、発熱体として機能する場合、たとえば500℃から1500℃程度の高温に発熱することができるものが用いられている。微小金属構造体4は、典型的には700℃から1300℃程度の高温に発熱させて用いる。
微小金属構造体4は、主に金属で形成されている。微小金属構造体4は、主に金属で形成された第一金属層41と、第二金属層42とを備える。本例では、微小金属構造体4は、さらに、金属では無い第三層43と、第四層44とを備える。
本例では、その一方の面を基板3に直接接合された第四層44と、第四層44の他方の面上にさらに積層された第三層43と、第三層43の他方の面上にさらに積層された第二金属層42と、第二金属層42の他方の面上にさらに積層された第一金属層41とで成るレイヤ構造(層構造)を有する場合を例示している。
したがって微小金属構造体4は、基板3と直接接続されており、また、基板3と熱的に接続されており、微小金属構造体4は基板3を加熱することができる。
微小金属構造体4は、このように高温に発熱させて用いるため、高融点の金属で形成される。微小金属構造体4の材質としては例えば、白金、タングステン、チタン、モリブデン、タンタルなどが用いられる。微小金属構造体4の材質は、高温に発熱させて用いる場合に、溶融しない材質を選択する。
微小金属構造体4は、本例では第一金属層41に白金を、第二金属層42にチタンを用いた場合を例示している。また、第三層43に酸化ケイ素、第四層44にシリコンを用いた場合を例示している。なお、第三層43は、サファイアを用いる場合もある。
高融点金属細線5は、高温で用いられる微小金属構造体4に接続されるため、微小金属構造体4の場合と同様に、高融点の金属で形成される。
高融点金属細線5の材質としては例えば、白金、タングステン、チタン、モリブデン、タンタルなどが用いられる。高融点金属細線5の材質は、微小金属構造体4を高温に発熱させて用いる場合に、溶融しない材質を選択する。
高融点金属細線5は、本例では白金の場合を示している。
本例では、高融点金属細線5は、微小金属構造体4の第一金属層41と、接続部51で接続される。
第一金属層41は、高融点金属細線5と同種の金属で形成すると好適である。接続部51がそれぞれ同種の金属どうして接続された接続部51となる場合に、その接続が強固になるためである。
本例では、第一金属層41と高融点金属細線5とは、それぞれ同じ材質である白金で形成されているため、接続部51は強固に接合して接続することができる。
なお、第一金属層41と高融点金属細線5との接続方法は、第一金属層41と高融点金属細線5とが直接かつ確実に接続されるものではあれば方法は問わない。
本例では、第一金属層41と高融点金属細線5とは、超音波溶着法(ウエッジボンディング法)で直接、接合状態で接続された場合を例示している。つまり、第一金属層41と高融点金属細線5とは、それぞれ互いの金属部分(白金)が相互拡散して接続部51で接合し、一体の接続部51を形成している。本例では、直接かつ確実に接続される接続方法として、例えば、レーザー溶接で接続する方法も好適である。
微小金属構造体4は、本例では、基板3の光学構造体2を備える面と同じ面に直接接合されている。つまり、微小金属構造体4は、第三赤外透明基板33に直接接合されている。
本例では、第三赤外透明基板33に微小金属構造体4を電子線蒸着で形成した場合を例示している。
微小金属構造体4は、本例では図2および図6に示すように、基板3上の光学構造体2を備える面のおよそ外周部分に偏在するように配置するように、2つ配置した一例を示している。
2つの微小金属構造体4は、基板3上に、それぞれ互いに対向する位置に設けられている。また、およそ正方形の基板3上の一辺の、およそ中央部に近接して配置されている。
2つの微小金属構造体4にはそれぞれ2本、合計4本の高融点金属細線5が接続されている。
微小金属構造体4を、基板3上の光学構造体2を備える面のおよそ外周部分に偏在するように配置することで、微小金属構造体4に接続される高融点金属細線5が、基板3を支持する場合に、図1に示すように、高融点金属細線5が光学構造体2からの輻射光を遮蔽する位置関係となることを回避することができる。
微小金属構造体4は、基板3の面積(平板の片面の面積、つまり輻射面の面積)に対して、およそ0.35以下の比率となる面積とするのが好適である。当該比率は、好ましくは1/100以下、さらに好ましくは1/1000とするのが良い。微小金属構造体4を複数備える場合は、その複数個の合計の面積が、上記比率となるようにするとよい。
ここで、基板3の面積とは、基板3の片面の面積を言う。また光学構造体2をそなえて輻射面となる側の面の面積を言う。
微小金属構造体4は、本例では直方体の場合を示している。
微小金属構造体4の厚みは、100nmから1000nm程度の厚みとするのが良い。特に、100nmから700nm程度とするのが好適である。本例では、微小金属構造体4の厚みは、250nmの場合を例示している。
また、本例の微小金属構造体4は、直方体としてその厚みと共に、長辺と短辺とを備える。本例では、当該長辺は300μm、当該短辺は100μmの場合を示している。
微小金属構造体4として、白金で成る第一金属層41とチタンで成る第二金属層42とを積層する場合、第一金属層41に対する第二金属層42の厚みの比率は、例えば2/700から2の範囲を取り得る。第一金属層41に対する第二金属層42の厚みの比率は、好ましくは、2/7から1/50の範囲である。
なお、微小金属構造体4の面積を小さくしたい場合には、白金で成る第一金属層41に対してチタンで成る第二金属層42の厚みの比率をやや大きく取る(第二金属層42の厚みを厚くする)ことが好ましい。微小金属構造体4に所定の電流を通流した場合の発熱量が大きくなるためである。
第一金属層41として、白金を用いる場合、第一金属層41の厚みは100nmから700nmとするのが好適である。第一金属層41の厚みが薄すぎると微小金属構造体4と高融点金属細線5との接続不良となりやすくなる。第一金属層41の厚みが厚すぎる場合には、微小金属構造体4が発熱しにくくなる。
第二金属層42として、チタンを用いる場合、その厚みは2nmから200nmとするのが好適である。第二金属層42の厚みは、特に好ましくは10nmから100nmとするのがよい。第二金属層42の厚みが厚すぎる場合には、微小金属構造体4が発熱しにくくなる。
第三層43として、酸化ケイ素またはサファイアを用いる場合、その厚みはたとえば50nmから300nmとするのが好適である。
第四層44として、シリコンを用いる場合、その厚みは例えば200nmから1000nmとするのが好適である。通常、第四層44の厚みは、屈折部21の高さhと等しくするのが良い。本例では、図6に示すように、屈折部21の高さhと同じとしている。
高融点金属細線5は、基板3の面積に対して、その断面積が、1.2×10−3以下の比率とするのが好適である。当該比率は、好ましくは1.0×10−4以下、さらに好ましくは1.0×10−5とするのが良い。高融点金属細線5を複数本備える場合も、高融点金属細線5の複数本の断面積の合計は上記比率の範囲でよい。
本実施形態の熱輻射光源1が優れた性能を発揮することを示すため、1800nm未満の波長の輻射光を得たい場合に、所定の熱輻射光源1の構成で効率よく1800nm未満の波長の輻射光の輻射効率が得られることを示す動作例を、表1から表4に示す。
以下表1から表4に示す動作例は、基板3が酸化マグネシウムでなる赤外透明基板31の一層でなり、光学構造体2は、シリコンで形成された屈折部21が正方格子状に配列された光学構造を備え、微小金属構造体4は、白金で成る第一金属層41とチタンでなる第二金属層42とで成り、高融点金属細線5は白金でなる場合の熱輻射光源1の1800nm未満の波長の輻射光の輻射効率を示すものである。
また、以下表1から表4に示す動作例は、以下の使用条件の場合の例である。以下に示す以外の動作条件は、表毎に別途示す。
・基板3:10mm×10mmの正方形で厚み50μm
・ヒータ電極:3個
・外部温度:25℃
・第一金属層41:厚み300nm
・第二金属層42:厚み40nm
・第三層43:厚み50nm
・第四層44:厚み800nm
・高融点金属細線5:長さ20mmで6本
表1は、0.1Pa(100mPa)の真空環境下における、熱輻射光源1の使用温度を1200℃、1000℃、800℃、700℃とした場合の動作例であり、微小金属構造体4と、高融点金属細線5とをそれぞれ以下の一定の条件で形成した場合の動作例である。
〔表1の動作条件〕
・真空条件:100mPa
・熱輻射光源1の使用温度:1200℃、1000℃、800℃、700℃と変化させた場合
・微小金属構造体4の面積:一個あたり0.03mm(合計3個で0.09mm
・高融点金属細線5の直径:20μm
表1より、本例の熱輻射光源1の、1800nm未満の波長の輻射光の輻射効率は、少なくとも10%を超える高い輻射効率を発揮することが分かる。したがって、本実施形態の熱輻射光源1を用いれば、供給されたエネルギーに対して10%を超える輻射効率の高い光源装置10を提供することも可能となる。
Figure 2018041704
表2は、0.1Pa(100mPa)の真空環境下における、熱輻射光源1の使用温度を1000℃とした場合の動作例であり、微小金属構造体4の面積を0.03μmから35μmの範囲で変更し、高融点金属細線5の直径を一定とした場合の動作例である。
〔表2の動作条件〕
・真空条件:100mPa
・熱輻射光源1の使用温度:1000℃
・微小金属構造体4の面積の合計:それぞれの条件で、35mm、10mm、1mm、0.1mm、0.03mmと変化させた場合
・高融点金属細線5の直径:20μm
表2より、本例の熱輻射光源1の、1800nm未満の波長の輻射光の輻射効率は、少なくとも10%を超える高い輻射効率を発揮することが分かる。したがって、本実施形態の熱輻射光源1を用いれば、供給されたエネルギーに対して10%を超える輻射効率の高い光源装置10を提供することも可能となる。
Figure 2018041704
表3は、0.1Pa(100mPa)の真空環境下における、熱輻射光源1の使用温度を1000℃とした場合の動作例であり、微小金属構造体4の面積を0.03mmで一定とし、高融点金属細線5の直径を11μmから390μmの範囲で形成した場合の動作例である。
〔表3の動作条件〕
・真空条件:100mPa
・熱輻射光源1の使用温度:1000℃
・微小金属構造体4のひとつあたりの面積:0.03mm(合計0.09mm
・高融点金属細線5の直径:390μm(6本合計の断面積0.72mm)、146μm(6本合計の断面積0.1mm)、46.0μm(6本合計の断面積0.01mm)、14.6μm(6本合計の断面積0.001mm)、20μm(6本合計の断面積0.0019mm
表3より、本例の熱輻射光源1の、1800nm未満の波長の輻射光の輻射効率は、少なくとも10%を超える高い輻射効率を発揮することが分かる。したがって、本実施形態の熱輻射光源1を用いれば、供給されたエネルギーに対して10%を超える輻射効率の高い光源装置10を提供することも可能となる。
Figure 2018041704
表4は、真空条件を0.01Pa(10mPa)から70Paと変化させた真空環境下における、熱輻射光源1の使用温度を1000℃とした場合の動作例であり微小金属構造体4と、高融点金属細線5とをそれぞれ以下の一定の条件で形成した場合の動作例である。
〔表4の動作条件〕
・真空条件:0.01Pa(10mPa)、0.1Pa(100mPa)、1Pa、10Pa、70Pa
・熱輻射光源1の使用温度:1000℃
・微小金属構造体4の面積:0.03m
・高融点金属細線5の直径:20μm
表4より、本例の熱輻射光源1の、1800nm未満の波長の輻射光の輻射効率は、少なくとも10%を超える高い輻射効率を発揮することが分かる。したがって、本実施形態の熱輻射光源1を用いれば、供給されたエネルギーに対して10%を超える輻射効率の高い光源装置10を提供することも可能となる。
Figure 2018041704
〔別実施形態〕
(1)上記実施形態では、微小金属構造体4は、基板3の光学構造体2を備える面と同じ面に直接接合されて配置した例を説明した。
しかし、微小金属構造体4は、基板3の光学構造体2を備える面の他面に配置してもよい。
(2)上記実施形態では、微小金属構造体4は、基板3上の光学構造体2を備える面のおよそ外周部分に偏在するように配置する例を説明した。
しかし、微小金属構造体4は、基板3上のいずれの位置に配置してもよい。
(3)上記実施形態では、基板3は、赤外透明基板31と、第二赤外透明基板32と、第三赤外透明基板33とを備える3層で成る場合を説明した。
しかし、基板3は、赤外透明基板31のみの一層で形成される場合や、赤外透明基板31と第二赤外透明基板32との2層で形成される場合もある。
(4)上記実施形態では、真空容器6は、熱輻射光源1から、輻射光を取り出すための容器として、内部に所定の真空状態の空間である真空空間7を形成可能なステンレス材で形成されている密閉容器であり、窓8が設けられている例を説明した。
しかし、真空容器6は、ステンレス材で形成する場合に限られず、例えば、石英ガラスで形成する場合もある。この場合は、上記実施形態のように窓8から熱輻射光源1が発した輻射光を光源装置10の外部へ取り出すのではなく、真空容器6全体から熱輻射光源1が発した輻射光を取り出すことができる。
(5)上記実施形態では、微小金属構造体4の形状が直方体の場合を例示した。
しかし、微小金属構造体4の形状は直方体には限られず、例えば、図7に示すように、直方体を湾曲させて曲線を含む形状とすることもできる。微小金属構造体4の形状は、電流を通流して発熱させる発熱体として機能させるための電気抵抗の調整や、配置・レイアウトの都合により、適宜、適した形状とすることができる。
なお、図7の場合は、微小金属構造体4の形状は、直方体を湾曲させて往復するような曲線を含む形状としているが、この場合も、基板3の表面(片面)のうち、微小金属構造体4を配置しない表面の全域に屈折部21を配置することができる。
(6)上記実施形態では、図2において、2つの微小金属構造体4に、それぞれ2本、合計4本の高融点金属細線5が接続されている場合を例示した。
しかし、微小金属構造体4は、図7に示すように、ひとつの基板3に対して3つ以上配置する場合もある。この場合は、それぞれの微小金属構造体4に、それぞれ2本の高融点金属細線5が接続される。
なお、上記実施形態(別実施形態を含む、以下同じ)で開示される構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示される構成と組み合わせて適用することが可能であり、また、本明細書において開示された実施形態は例示であって、本発明の実施形態はこれに限定されず、本発明の目的を逸脱しない範囲内で適宜改変することが可能である。
本発明は、熱光発電装置に用いる熱輻射光源や、センサ機器の光源装置、照明用光源として有用に用いることができる。
1 :熱輻射光源
2 :光学構造体
3 :基板
4 :微小金属構造体
5 :高融点金属細線
10 :光源装置
31 :赤外透明基板

Claims (9)

  1. 半導体から成る部材に、前記半導体の吸収端に対応する波長よりも短波長の光で共振するように屈折率分布が形成された光学構造を有する光学構造体を備えた熱輻射光源において、
    前記光学構造体の基板に配置された微小金属構造体と、前記基板を支持し、前記微小金属構造体に電流を供給する高融点金属細線とを備えた熱輻射光源。
  2. 前記微小金属構造体が、前記基板に直接接合されている請求項1に記載の熱輻射光源。
  3. 前記微小金属構造体が、前記高融点金属細線と同種の金属を含む請求項1または2に記載の熱輻射光源。
  4. 前記微小金属構造体が、前記高融点金属細線と直接接合されている請求項3に記載の熱輻射光源。
  5. 前記基板として、赤外線を透過可能な材料で形成された赤外透明基板を備えた請求項1〜4のいずれか一項に記載の熱輻射光源。
  6. 前記微小金属構造体の表面積の、前記光学構造体の輻射面の面積に対する比率が0.35以下である請求項1から5のいずれか一項に記載の熱輻射光源。
  7. 前記高融点金属細線の断面積の、前記光学構造体の輻射面の面積に対する比率が7.2×10−3以下である、請求項1から6のいずれか一項に記載の熱輻射光源。
  8. 前記光学構造体が700℃以上に加熱される請求項1から7のいずれか一項に記載の熱輻射光源。
  9. 請求項1から8のいずれか一項に記載の前記熱輻射光源が70Pa以下の真空中にある光源装置。
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