JP2018041219A - 視点取得システムおよび視点取得プログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】利用者の意図を反映して視点を補正することが可能な技術の提供。【解決手段】利用者の視点を検出する視点検出部と、優先度が対応づけられたオブジェクトを表示部に表示させるオブジェクト表示部と、前記優先度が高い前記オブジェクト内の位置を前記視点とする補正を行う視点補正部と、前記表示部における表示内容の変化に応じて前記優先度を変化させる優先度制御部と、を備える視点取得システムが構成される。【選択図】図3
Description
本発明は、視点取得システムおよび視点取得プログラムに関する。
従来、利用者の視線方向と手動操作の検出結果に基づいてディスプレイ画面上にカーソルを表示する技術が知られている。例えば、特許文献1においては、利用者の注視位置にカーソルを表示することや、注視位置に最も近いボタンにカーソルを表示する技術が開示されている。
上述した従来技術において、視点には誤差が生じ得る。従って、従来の技術において検出された視点に誤差が生じていると、利用者が注視位置にカーソルを表示させたいと意図しているのに注視位置に最も近いボタンにカーソルが表示される場合や、逆に、注視位置に最も近いボタンにカーソルを表示させたいと意図しているのに注視位置にカーソルが表示されてしまう場合があり、利用者の意図を反映できないことがあった。
本発明は、前記課題にかんがみてなされたもので、利用者の意図を反映して視点を補正することが可能な技術を提供することを目的とする。
本発明は、前記課題にかんがみてなされたもので、利用者の意図を反映して視点を補正することが可能な技術を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため、視点取得システムは、利用者の視点を検出する視点検出部と、優先度が対応づけられたオブジェクトを表示部に表示させるオブジェクト表示部と、優先度が高いオブジェクト内の位置を視点とする補正を行う視点補正部と、表示部における表示内容の変化に応じて優先度を変化させる優先度制御部と、を備える。
また、上記の目的を達成するため、視点取得プログラムは、コンピュータを、利用者の視点を検出する視点検出部、優先度が対応づけられたオブジェクトを表示部に表示させるオブジェクト表示部、優先度が高いオブジェクト内の位置を視点とする補正を行う視点補正部、表示部における表示内容の変化に応じて優先度を変化させる優先度制御部、として機能させる。
すなわち、視点がオブジェクト内に存在し得る構成において、検出された視点をオブジェクトの優先度に基づいて補正し、優先度が高いオブジェクト内の位置を視点と見なす。従って、視点の検出精度が高くなくても、優先度に基づいて視点を特定することができる。ただし、表示部における表示内容が変化し得る場合、優先度が常に一定であると表示内容の変化に対応して視点を補正することができない。そこで、優先度制御部は、表示部における表示内容の変化に応じて優先度を変化させる。この構成によれば、表示内容が変化しても、当該変化に応じた優先度によって視点を補正することが可能になり、表示内容に応じて変化し得る利用者の意図を反映して視点を補正することが可能である。
ここでは、下記の順序に従って本発明の実施の形態について説明する。
(1)視点取得システムの構成:
(2)視点取得処理:
(3)他の実施形態:
(1)視点取得システムの構成:
(2)視点取得処理:
(3)他の実施形態:
(1)視点取得システムの構成:
図1は、本発明の一実施形態である視点取得システムを実現するナビゲーションシステム10の構成を示すブロック図である。本実施形態にかかる視点取得システムは、車両に搭載されたナビゲーションシステム10の機能の一部として実現される。ナビゲーションシステム10は、CPU、RAM、ROM等を備える制御部20を備えており、制御部20は、当該ROMや記録媒体30に記録された所望のプログラムを実行することができる。
図1は、本発明の一実施形態である視点取得システムを実現するナビゲーションシステム10の構成を示すブロック図である。本実施形態にかかる視点取得システムは、車両に搭載されたナビゲーションシステム10の機能の一部として実現される。ナビゲーションシステム10は、CPU、RAM、ROM等を備える制御部20を備えており、制御部20は、当該ROMや記録媒体30に記録された所望のプログラムを実行することができる。
本実施形態において、制御部20は、図示しないナビゲーションプログラムを実行することができ、当該ナビゲーションプログラムを実行することにより、図示しないGPS信号等に基づいてナビゲーションシステム10が搭載された車両を指定の目的地まで誘導する。また、ナビゲーションプログラムは、誘導案内に関する処理以外にも各種の処理を制御部20に実行させることが可能である。例えば、制御部20は、ナビゲーションプログラムにより、表示部(後述するディスプレイ40)をユーザインタフェースとして機能させ、利用者から各種の指示を受け付けることができる。
車両は、ディスプレイ40(表示部)および視線検出センサ42を備えている。ディスプレイ40は、図示しないインタフェースを介して制御部20と接続されており、制御部20は、ディスプレイ40に対して制御信号を出力することにより、任意の座標を指定し、任意の画像をディスプレイ40に表示させることができる。また、ディスプレイ40は、タッチパネルディスプレイであり、利用者はディスプレイ40に表示された画像をユーザインタフェースとして各種の操作入力を行うことができる。従って、本実施形態においてディスプレイ40は、操作入力装置を兼ねた表示部である。
視線検出センサ42は、赤外線出力部と少なくとも2個の赤外線カメラとを備えている。当該赤外線カメラは、運転者の顔を視野に含むように車室内の構造体(例えば、インストルメントパネルの壁面)に取り付けられている。赤外線カメラは、赤外線出力部から出力された赤外線によって撮影された利用者(運転者)の目の像に基づいて、目の位置および利用者の視線方向(ベクトル)を検出し、出力する。制御部20は、当該出力に基づいて、予め定義された3次元空間内で目の位置および視線方向を特定することができる。視線方向は、例えば、両眼のそれぞれにおいて設定された基準点と、眼球の動きに応じて位置が変化する動点とを結ぶ方向として取得され、他にも種々の方式が採用されてよい。また、両眼のそれぞれにおいて特定された視線方向の平均値等によって利用者の視線方向を1方向に特定することができるが、視線方向の特定方法も種々の方法が採用され得る。
以上の構成において、制御部20は、ディスプレイ40をユーザインタフェースとして利用し、利用者による指示を受け付けることができる。本実施形態においては、視点による指示の入力が可能である。すなわち、制御部20は、利用者の視点を検出し、視点を含むオブジェクトが利用者によって指示されたとみなすことができる。
当該視点による指示の受け付けを行う際に視点を特定するため、ナビゲーションプログラムは、視点取得プログラム21を備えている。視点取得プログラム21は、視点検出部21aとオブジェクト表示部21bと視点補正部21cと優先度制御部21dとを備えている。
視点検出部21aは、利用者の視点を検出する機能を制御部20に実現させるプログラムモジュールである。本実施形態においては、視点の検出領域となるディスプレイ40の画面の位置が、車室内空間の位置を規定する3次元座標系によって予め特定されている。制御部20は、視線検出センサ42の出力に基づいて、利用者の目の位置および視線方向を取得し、画面の位置が規定された3次元座標系内で利用者の目の位置および視線方向を特定する。そして、当該目の位置から視線方向に延びる仮想的な線と、ディスプレイ40の画面との交点を視点として特定する。画面上に視点が存在しない場合、例えば、視点が不定とされてもよいし、他の構造体(例えば、インストルメントパネル等)上に存在すると判定されても良い。
オブジェクト表示部21bは、優先度が対応づけられたオブジェクトを表示部に表示させる機能を制御部20に実現させるプログラムモジュールである。すなわち、制御部20は、ナビゲーション処理の過程で地図等のオブジェクトや利用者に選択肢を提供するためのボタン等のオブジェクトを表示するための画像情報を生成することができる。そして、制御部20は、ディスプレイ40に制御信号を出力し、当該画像情報に基づいてオブジェクトによって構成される各種の画面を表示させる。
なお、オブジェクトは、視点が当該オブジェクト上に存在すると判定され得る任意の表示対象であり、本実施形態においては、地図およびボタンがオブジェクトに相当する。本実施形態においては、記録媒体30に地図情報30aおよびアイコン情報30bが記録されている。地図情報30aは、地図を構成する各要素(ノード、道路、施設等)の位置や画像情報を含んでおり、制御部20は、地図情報30aを参照して、任意の領域の地図を示す画像情報を生成することができる。
アイコン情報30bは、ディスプレイ40に各種のボタンを表示するための画像情報を含んでおり、制御部20は、アイコン情報30bを参照して、種々のボタンを示す画像情報を生成することができる。なお、本実施形態においては、地図やボタンなどのオブジェクトに対してオブジェクト毎の優先度が予め対応づけられており、当該優先度は、ディスプレイ40における表示内容毎に決められている。
すなわち、表示内容が異なると、利用者が視認している位置も変化し得るため、各表示内容において利用者が視認している可能性が高いオブジェクトの優先度が予め特定され、表示内容に対応づけられる。本実施形態においては、地図情報30aおよびアイコン情報30bに、各オブジェクトの優先度を示す情報が含まれている。
視点補正部21cは、優先度が高いオブジェクト内の位置を視点とする補正を行う機能を制御部20に実現させるプログラムモジュールである。すなわち、制御部20は、優先度制御部21dの処理により(詳細は後述)ディスプレイ40に表示された各オブジェクトの優先度を特定し、視点補正部21cの処理により、最も優先度が高い領域に視点が存在すると見なす補正を行う。本実施形態において各オブジェクトの優先度は、オブジェクト毎に設定された値と、視点からオブジェクトまでの距離とに基づいて設定される。オブジェクト毎に設定された値は、上述のように地図情報30aおよびアイコン情報30bに含まれている。
一方、実際に視点が存在する確率は、利用者が視認している部位に応じて変化し得る。すなわち、視点に誤差があるとしても、視点として検出された位置は当該部位を反映しており、検出された位置から最大誤差以上離れた部位を利用者が視認している可能性は少ない。そこで、本実施形態においては、視点からオブジェクトまでの距離が小さいほど優先度が高くなるように、視点(として検出された位置)からの距離毎の優先度が予め決められている。
そこで、制御部20は、オブジェクト毎に設定された優先度の値と、視点からオブジェクトまでの距離によって特定された優先度の値との和を算出することにより、各オブジェクトの優先度を特定する。そして、制御部20は、優先度が最も高い領域内が視点の位置であると見なすことにより、視点を補正する。
優先度制御部21dは、表示部における表示内容の変化に応じて優先度を変化させる機能を制御部20に実現させるプログラムモジュールである。すなわち、制御部20は、地図情報30aやアイコン情報30bを参照し、ディスプレイ40に現在表示している表示内容に対応した優先度(オブジェクト毎に設定された値)を特定する。そして、制御部20は、当該表示内容毎にオブジェクト毎に設定された値を、視点補正部21cでの処理に利用する。この結果、制御部20は、表示内容によって変化し得るオブジェクト毎の優先度と、検出された視点からオブジェクトまでの距離に応じた優先度との和によって特定された優先度に基づいて視点を補正することができる。
以上の構成において優先度は、ディスプレイ40における表示内容に応じて変化し得るため、表示内容の変化に応じた優先度によって視点を補正することが可能になる。従って、視点の検出精度が高くなくても、優先度に基づいて利用者が視認している可能性が高い部位を視点として特定することができ、表示内容に応じて変化し得る利用者の意図を反映して視点を補正することが可能である。
(2)視点取得処理:
次に上述の構成における視点取得処理を詳細に説明する。図2は、当該視点取得処理を示すフローチャートである。本実施形態において制御部20は、ディスプレイ40の表示内容を変化させる場合に視点取得処理を実行する。なお、ここでは、ディスプレイ40の表示内容が2個のレイヤに対する描画内容の重ね合わせによって生成される構成において、下のレイヤに背景、現在地地図、スクロール地図のいずれかが描画され、上のレイヤにボタンが描画される例を説明する。むろん、ボタンが描画されない場合、上のレイヤへの描画は行われない。
次に上述の構成における視点取得処理を詳細に説明する。図2は、当該視点取得処理を示すフローチャートである。本実施形態において制御部20は、ディスプレイ40の表示内容を変化させる場合に視点取得処理を実行する。なお、ここでは、ディスプレイ40の表示内容が2個のレイヤに対する描画内容の重ね合わせによって生成される構成において、下のレイヤに背景、現在地地図、スクロール地図のいずれかが描画され、上のレイヤにボタンが描画される例を説明する。むろん、ボタンが描画されない場合、上のレイヤへの描画は行われない。
なお、背景は、例えば、黒の単色や既定の模様の画像などによって構成される。現在地地図は、車両の現在地がディスプレイ40の既定の位置に表示されるように描画された地図であり、スクロール地図は利用者の指示(現在地地図へのスワイプ操作等)によってスクロールしている(またはスクロールした後の)地図である。
視点取得処理が開始されると、制御部20は、オブジェクト表示部21bの処理により、画面を描画する(ステップS100)。すなわち、制御部20は、変化後の表示内容を特定し、変化後に表示すべきオブジェクトを特定する。また、制御部20は、各オブジェクトを予め決められたレイヤの予め決められた位置に配置し、下のレイヤに存在するオブジェクトに対して上のレイヤに存在するオブジェクトを重ねる(上位レイヤのオブジェクトを優先的に表示する)ことで画面の描画を行う。そして、制御部20は、描画された画面の画像情報をディスプレイ40に出力することで、変化後の表示内容をディスプレイ40に表示させる。
次に、制御部20は、優先度制御部21dの処理により、下のレイヤの描画内容を判定する(ステップS105)。すなわち、制御部20は、ステップS100にてディスプレイ40の画面を描画した際に、下のレイヤに描画した内容が背景、現在地地図、スクロール地図のいずれであったのかを判定する。
ステップS105において、下のレイヤの描画内容が背景であると判定された場合、表示領域を低優先度に設定する(ステップS110)。本実施形態においては、ディスプレイ40の表示領域を構成する各画素に対して、当該画素にて表示されるオブジェクトに応じた優先度を対応づける。このため、制御部20は、ディスプレイ40における背景の表示領域の各画素を低優先度に設定する。低優先度を示す値は種々の値とすることができ、図3Aにおいては、表示領域の全域に背景が描画された表示領域の全域が低優先度を示す0に設定された例を示している。
ステップS105において、下のレイヤの描画内容がスクロール地図であると判定された場合、表示領域を高優先度に設定する(ステップS120)。すなわち、制御部20は、ディスプレイ40におけるスクロール地図の表示領域の各画素を高優先度に設定する。高優先度を示す値は種々の値とすることができ、図4Aにおいては、表示領域の全域にスクロール地図が描画されたことにより、全域が高優先度を示す10に設定された例を示している。ステップS105において、下のレイヤの描画内容が現在地地図であると判定された場合、表示領域を中優先度に設定する(ステップS115)。すなわち、制御部20は、ディスプレイ40における現在地図の表示領域の各画素を中優先度に設定する。中優先度を示す値は種々の値とすることができ、図3A、図4Aの例に整合する値としては、0〜10の間の値、例えば、5等の値を採用可能である。
すなわち、オブジェクトが背景である場合と地図である場合とでは、オブジェクトの意味が異なるため、その意味に応じて視認される可能性が変化し得る。そこで、本実施形態においては、利用者が積極的に視認し得るオブジェクトである地図の優先度を、利用者が必ずしも積極的に視認しないオブジェクトである背景の優先度より高くなるように予め優先度が決定されている。
さらに、本実施形態においては、利用者による指示によって表示内容が変化することによってディスプレイ40に表示されたオブジェクトの優先度が、他のオブジェクトの優先度よりも高くなるように予め優先度が決定されている。具体的には、スクロール地図の優先度が現在地地図の優先度よりも高くなるように、優先度が決められている。すなわち、スクロール地図は利用者が現在の表示内容と異なる地図を視認しようとする意図を持って利用者が指示を行うことで表示されるため、通常状態で表示される現在地地図と比べて利用者が視認しようとする可能性が高い。そこで、本実施形態においては、利用者による指示によって表示されるスクロール地図の優先度を、通常状態で表示される現在地地図の優先度よりも高くしている。
次に、制御部20は、優先度制御部21dの処理により、上のレイヤが存在するか否かを判定する(ステップS125)。すなわち、制御部20は、ステップS100にてディスプレイ40の画面を描画した際に、ボタンを表示するために上のレイヤに描画を行ったか否かを判定し、上のレイヤに描画を行った場合、上のレイヤが存在すると判定する。ステップS125において、上のレイヤが存在すると判定された場合、制御部20は、ボタン領域を高優先度に設定する(ステップS130)。すなわち、制御部20は、上のレイヤに描画されたボタンが占める領域を特定し、当該領域内の各画素を高優先度に設定する。
図3Bおよび図4Bにおいては、ディスプレイ40の表示領域内におけるボタン領域を符号Bで示している。当該ボタン領域が高優先度であることを示す値が10である場合、ボタン領域を構成する各画素については下のレイヤの描画内容に関わらず、ボタン領域の優先度とされる。従って、図3Aのように下のレイヤが背景であることによって優先度が0となっている状況であれば、図3Bに示すように符号Bで示すボタン領域の優先度が10,他の領域の優先度が0になる。
一方、図4Aのように下のレイヤがスクロール地図であることによって優先度が10となっている状況であれば、図4Bに示すように符号Bで示すボタン領域の優先度が10,他の領域の優先度も10となり、結果としては、全領域について優先度が10になる。図示は省略しているが、下のレイヤが現在地地図であることによって優先度が5となっているならば、ボタン領域の優先度が10,他の領域の優先度が5になる。なお、本実施形態においては、ボタン領域の優先度は特定の値であるが、むろん、表示内容(例えば、ボタンの大きさ等)に応じて優先度が変化しても良い。
ステップS130が実行された場合、または、ステップS125において上のレイヤが存在すると判定されない場合、全画素について優先度の特定が完了するため、オブジェクト毎の優先度が特定された状態となる。次に、制御部20は、視点検出部21aの処理により、視点を検出する(ステップS135)。すなわち、制御部20は、視線検出センサ42の出力に基づいて、車室内の空間上の位置を規定する3次元座標系において利用者の目の位置および視線方向を取得する。さらに、制御部20は、当該目の位置から視線方向に延びる仮想的な線と、ディスプレイ40の画面との交点を特定する。そして、当該交点の位置を画面座標系の位置に変換することにより、利用者の視点の位置をディスプレイ40上で特定する。
次に、制御部20は、優先度制御部21dの処理により、視点を中心とした同心円領域の優先度を設定する(ステップS140)。すなわち、制御部20は、ステップS135によって視点をディスプレイ40の表示領域のいずれかの画素の位置として特定しているため、当該画素を中心とし、半径の異なる複数の円形領域を表示領域内に定義する。そして、中心に近い円形領域内の画素に高優先度の値を対応づけ、中心から遠い円形領域内の画素ほど小さい優先度を対応づける。
図3Cおよび図4Cにおいては、視点として検出された位置が位置Peであり、当該位置Peを中心に3個の同心円が定義された例を示している。図3Cおよび図4Cにおいては、各円形の周によって区切られた領域内の画素に同一の優先度を対応づけており、優先度の値の例を図内に示している。すなわち、最小の円形の領域内の画素には優先度20,次に大きい円形の領域内の画素には優先度15,次に大きい円形の領域内の画素には優先度5が対応づけられ、円形の領域の外部には優先度0が対応づけられている。
次に、制御部20は、優先度制御部21dの処理により、優先度の和を計算して全領域の優先度を特定する(ステップS145)。すなわち、制御部20は、ステップS130(またはステップS110、S115、S120のいずれか)で設定された優先度と、ステップS140で設定された優先度の和を画素毎に算出し、各画素の優先度として特定する。図3Dにおいては、図3A〜図3Cの例によって最終的に特定される優先度の例を示し、図4Dにおいては、図4A〜図4Cの例によって最終的に特定される優先度の例を示している。これらの例に示すように、ステップS145によれば、ボタン領域や視点の検出位置を中心とした円形領域で区切られた各領域毎の各画素について優先度が特定された状態になる。
次に、制御部20は、視点補正部21cの処理により、視点を補正する(ステップS150)。すなわち、制御部20は、ステップS145で優先度が特定された画素の中で、優先度の値が最も大きい画素を特定し、当該画素のいずれかに視点が存在するとみなす。なお、視点は優先度の値が最も大きい画素のいずれかに存在すると見なされれば良いが、本実施形態においては、優先度の値が最も大きい画素のうち、視点の検出位置から最も近い位置が視点の位置であると見なされる。
例えば、図3Dに示す例においては、視点として検出された位置Peに近いボタンBm内に、優先度の値が最も大きい25になっている画素が存在する。従って、優先度が25の画素のうち、視点として検出された位置Peに最も近い位置Paが視点であると補正される。一方、図4Dに示す例においては、視点として検出された位置Peはスクロール地図が表示された領域内であるため、視点として検出された位置Peを中心とした最小の円内の画素における優先度の値が最も大きい値30となっている。従って、この場合、補正は行われず、視点として検出された位置Peが視点の位置として特定される。以上のようにして視点が特定されると、制御部20は、当該視点を含むオブジェクト(図3DであればボタンBm、図4Dであればスクロール地図)が利用者によって指示されたと見なす。
以上の構成によれば、利用者によるスクロールの指示が行われたことにより、利用者がスクロール地図の指示を意図していると推定される状況において、視点によってスクロール地図が指示されたと見なすことができる。従って、利用者の意図に応じた視点の補正を行うことが可能である。
さらに、以上の構成によれば、表示内容に応じてオブジェクトの優先度が変化するため、単純に、視点として検出された位置から近いオブジェクトが視認されていると判定されるのではなく、オブジェクト毎の優先度も加味されて視認されているか否か判定される。この結果、図3D,図4Dに示すように、ディスプレイ40に同一のボタンが表示され、視点の検出位置が同一であったとしても、表示内容により、補正後の視点が異なる位置になり得る。
(3)他の実施形態:
以上の実施形態は本発明を実施するための一例であり、表示部における表示内容の変化に応じて優先度を変化させ、優先度に基づいて視点を補正する限りにおいて、他にも種々の実施形態を採用可能である。例えば、視点取得システムは、ナビゲーションシステム以外のシステム、例えば、汎用コンピュータシステムに適用されていても良い。また、視点取得システムは、複数の装置(例えば、クライアントとサーバ)によって実現されるシステムであっても良い。
以上の実施形態は本発明を実施するための一例であり、表示部における表示内容の変化に応じて優先度を変化させ、優先度に基づいて視点を補正する限りにおいて、他にも種々の実施形態を採用可能である。例えば、視点取得システムは、ナビゲーションシステム以外のシステム、例えば、汎用コンピュータシステムに適用されていても良い。また、視点取得システムは、複数の装置(例えば、クライアントとサーバ)によって実現されるシステムであっても良い。
さらに、視点取得システムを構成する視点検出部21a、オブジェクト表示部21b、視点補正部21c、優先度制御部21dの少なくとも一部が複数の装置に分かれて存在していても良い。例えば、オブジェクト表示部21bがディスプレイ40内の制御部で実現されても良いし、視点検出部21aが視線検出センサ42内の制御部で実現されても良い。むろん、上述の実施形態の一部の構成が省略されてもよいし、処理の順序が変動または省略されてもよい。
さらに、視点が利用される態様としては、視点が存在するオブジェクトを利用者が指示しているとみなす態様に限定されず、種々の利用態様が採用されてよい。例えば、視点と操作入力との組み合わせに基づいて、利用者が指定したオブジェクトを特定する際に表示内容に応じた優先度で視点が補正される構成とされても良い。
視点検出部は、利用者の視点を検出することができればよく、種々の構成を採用可能である。例えば、上述の実施形態のように、利用者の目を撮影するカメラの出力に基づいて利用者の目の動作を特定することにより視線を特定し、視線と予め特定されたディスプレイ画面との交点を視点と見なす構成等を採用可能である。検出対象となる目は1個であっても良いし、2個であっても良いが、精度を高めるためには検出対象の目は2個であることが好ましい。2個の目の視線が特定された場合における視点は、各目の視線に基づいて特定された各視点から統計的に特定されても良いし、利き目によるバイアスに基づいて視点が特定されても良い。
さらに、視点は、利用者が視認している表示部上の位置であれば良く、表示部に表示されたオブジェクトのいずれが視認されているかを特定することができればよい。従って、視点は、少なくとも表示部上で特定されれば良い。
オブジェクト表示部は、優先度が対応づけられたオブジェクトを表示部に表示させることができればよい。すなわち、表示部に表示されるオブジェクトには優先度が対応づけられている。オブジェクトは、視点が当該オブジェクト上に存在すると判定され得る任意の表示対象(背景も含む)である。従って、表示部に表示される任意の画像がオブジェクトとなり得る。例えば、ボタンの画像や地図の画像、背景の画像等がオブジェクトとなり得る。
優先度は、視点が存在する確率に対応していればよい。例えば、優先度は、オブジェクト毎に設定された値と、視点からオブジェクトまでの距離とに基づいて設定され、表示内容の変化に応じてオブジェクト毎に設定された値が変化する構成であっても良い。すなわち、オブジェクトの大きさや形状、位置、意味(ボタン、背景、地図等)など、オブジェクトの特徴に応じて視認される可能性が変化し得るため、オブジェクト毎に優先度が決められると、このようなオブジェクトの特徴に応じた優先度をオブジェクトに対応づけることができる。
また、実際に視点が存在する確率は、利用者が視認している部位に応じて変化し得る。そして、視点に誤差があるとしても、視点として検出された位置は当該部位を反映している。そこで、優先度は視点の位置に応じて動的に変化することが好ましい。なお、誤差があるとしても、通常は視点として検出された位置に近いオブジェクトを視認している可能性が高いため、視点からオブジェクトまでの距離が小さいほど優先度が高くなるように(例えば、距離の逆数によって)優先度が決められることが好ましい。
そして、オブジェクト毎に設定された値と、視点からオブジェクトまでの距離に基づいて優先度が決定されることにより、単純に、視点として検出された位置から近いオブジェクトが視認されていると判定されるのではなく、オブジェクト毎の優先度も加味されて視認されているか否か判定される。この結果、表示内容に応じた視認確率が反映された状態でオブジェクトが視認されているか否かが特定される。なお、視点からオブジェクトまでの距離の特性が、表示内容毎に変化しても良い。むろん、優先度は、他にも種々の態様で定義されて良く、例えば、利用者が視認している可能性が高いオブジェクトの優先度を高めるように、人工知能によって優先度の値が決められても良い。
視点補正部は、優先度が高いオブジェクト内の位置を視点とする補正を行うことができればよい。すなわち、表示部に複数のオブジェクトが表示されている場合、各オブジェクトの優先度を特定し、優先度が相対的に高いオブジェクト(例えば、最も優先度が高いオブジェクトや比較対象のオブジェクトの中で最も優先度が高いオブジェクト等)内に視点が存在すると見なすことができるように視点を補正することができればよい。補正後の視点の位置は、種々の手法で特定されて良く、例えば、オブジェクトの外周において視点の検出位置から最も近い位置が視点の位置であると見なされる構成等を採用可能である。
優先度制御部は、表示部における表示内容の変化に応じて優先度を変化させることができればよい。すなわち、表示内容が異なると、利用者が視認している位置も変化し得るため、表示内容に応じて各表示内容において利用者が視認している可能性が高いオブジェクトの優先度を高くすることができればよい。優先度は表示内容によって変化し得るため、異なる表示内容のそれぞれにおいて同一のオブジェクトが表示されているとしても、表示内容が異なれば同一のオブジェクトのそれぞれにおける優先度が異なり得る。例えば、同一のボタンの背景に単なる背景の画像が表示されている場合と、背景に地図の画像が表示されている場合とでボタンの優先度が異なる構成等が挙げられる。
さらに、表示内容の変化は、上述の実施形態のように利用者による指示によって発生する構成であっても良い。すなわち、利用者が指示を行った場合、利用者が何らかの意図を持っていることが推定される。従って、当該指示に応じて表示内容が変化する場合において利用者がオブジェクトを視認する際には、当該意図に応じたオブジェクトを視認している可能性が高い。そこで、利用者による指示によって表示内容が変化した場合に、利用者の指示に関連したオブジェクト(例えば、利用者の指示によって変化したオブジェクト)の優先度を他のオブジェクトと比較して高くすれば、利用者の意図に応じた視点の補正を行うことが可能である。利用者による指示に関連したオブジェクトは、上述の実施形態におけるスクロール地図以外にも種々のオブジェクトが想定され、利用者の指示によって検索が行われた場合における検索結果や、車両内の電装品の設定を変更した後の変更結果(エアコンの温度変更後の設定温度等)を示すオブジェクトなど、種々のオブジェクトが想定可能である。
さらに、表示内容の変化は、表示部に表示されたオブジェクトの変化である構成であっても良い。すなわち、オブジェクトが変化した場合、利用者が変化したオブジェクトを視認している可能性が高い。例えば、表示内容の変化前に表示されていなかったオブジェクトが変化後に表示された場合、当該オブジェクトは、変化前において表示されていたオブジェクトよりも利用者に視認されている可能性が高い。
そこで、表示内容の変化に伴ってオブジェクトが変化した場合に、変化したオブジェクト(新たに表示されたオブジェクトや形状、大きさ、表示文字等が変化したオブジェクト等)の優先度を他のオブジェクトと比較して高くすれば、利用者が視認している可能性の高いオブジェクトの優先度を高くすることが可能である。このような構成は、例えば、上述の実施形態において、ステップS100とステップS135との間のいずれかのタイミングで、ステップS100で描画された画面において、描画前に表示されていなかったオブジェクト(例えば、ポップアップウィンドウ等)を特定し、当該オブジェクトを、描画前に表示されていたオブジェクトよりも高い優先度にする構成等によって実現可能である。
さらに、本発明のように、表示部における表示内容の変化に応じて優先度を変化させ、優先度に基づいて視点を補正する手法は、プログラムや方法としても適用可能である。また、以上のようなシステム、プログラム、方法は、単独の装置として実現される場合や、複数の装置によって実現される場合が想定可能であり、各種の態様を含むものである。例えば、以上のような手段を備えたナビゲーションシステム、携帯端末や方法、プログラムを提供することが可能である。また、一部がソフトウェアであり一部がハードウェアであったりするなど、適宜、変更可能である。さらに、システムを制御するプログラムの記録媒体としても発明は成立する。むろん、そのソフトウェアの記録媒体は、磁気記録媒体であってもよいし光磁気記録媒体であってもよいし、今後開発されるいかなる記録媒体においても全く同様に考えることができる。
10…ナビゲーションシステム、20…制御部、21…視点取得プログラム、21a…表示制御部、21b…視点検出部、21c…視点取得部、30…記録媒体、30a…地図情報、40…ディスプレイ、42…視線検出センサ
Claims (5)
- 利用者の視点を検出する視点検出部と、
優先度が対応づけられたオブジェクトを表示部に表示させるオブジェクト表示部と、
前記優先度が高い前記オブジェクト内の位置を前記視点とする補正を行う視点補正部と、
前記表示部における表示内容の変化に応じて前記優先度を変化させる優先度制御部と、
を備える視点取得システム。 - 前記表示内容の変化は、利用者による指示によって発生する、
請求項1に記載の視点取得システム。 - 前記表示内容の変化は、前記表示部に表示された前記オブジェクトの変化である、
請求項1または請求項2のいずれかに記載の視点取得システム。 - 前記優先度は、
前記オブジェクト毎に設定された値と、前記視点から前記オブジェクトまでの距離とに基づいて設定され、
前記表示内容の変化に応じて前記オブジェクト毎に設定された値が変化する、
請求項1〜請求項3のいずれかに記載の視点取得システム。 - コンピュータを、
利用者の視点を検出する視点検出部、
優先度が対応づけられたオブジェクトを表示部に表示させるオブジェクト表示部、
前記優先度が高い前記オブジェクト内の位置を前記視点とする補正を行う視点補正部、
前記表示部における表示内容の変化に応じて前記優先度を変化させる優先度制御部、
として機能させる視点取得プログラム。
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CN113138734A (zh) * | 2020-01-20 | 2021-07-20 | 北京芯海视界三维科技有限公司 | 用于显示的方法、装置和产品 |
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- 2016-09-06 JP JP2016173977A patent/JP2018041219A/ja active Pending
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