JP2018040657A - 検査装置及び検査方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】検査対象物の欠陥を精度良く検出できる検査装置を提供する。【解決手段】検査装置4は、検査対象物の高さ方向の距離を検出し、高さの空間分布に関する検査画像として取得する検査画像取得部11と、基準対象物の高さ方向の距離を検出することにより取得された、高さの空間分布に関する基準画像及び前記検査画像を共通の特徴領域に基づいて位置合わせする位置合わせ部12と、位置合わせされた前記検査画像と前記基準画像との差分を差分画像として取得する差分画像取得部13と、前記差分画像に基づいて、前記検査対象物の欠陥の有無を判定する欠陥判定部16と、を備える。【選択図】図2

Description

本発明は、立体物の検査装置及び検査方法に関する。
立体物の表面における凹凸等の欠陥を検査する装置として、ロボットアームを用いて照明とカメラ位置、角度を制御することにより、立体物の表面全体で鏡面反射光を観察する検査装置が提案されている(特許文献1参照)。
特開2008−46103号公報
上述した従来の検査装置は、検査対象物として、表面の勾配が比較的緩やかに変化する立体物を想定しているため、表面の勾配が急激に変化する領域では鏡面反射光を良好に観測できないことが考えられる。また、従来の検査装置において、照明とカメラの位置、角度の制御は、予め登録された設定通りに実施される。そのため、検査時に検査対象物の位置、角度にばらつきが生じた場合、検査対象物の表面全体で鏡面反射光を観測することができず、凹凸等の欠陥のない領域が疑似欠陥として検出されることがあった。
本発明の課題は、検査対象物の欠陥を精度良く検出できる検査装置及び検査方法を提供することである。
本発明は、以下のような解決手段により、課題を解決する。なお、理解を容易にするために、本発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、これに限定されるものではない。また、符号を付して説明した構成は、適宜改良してもよく、また、少なくとも一部を他の構成物に代替してもよい。
第1の発明は、検査対象物の高さ方向の距離を検出し、高さの空間分布に関する検査画像として取得する検査画像取得部(11)と、基準対象物の高さ方向の距離を検出することにより取得された、高さの空間分布に関する基準画像及び前記検査画像を共通の特徴領域に基づいて位置合わせする位置合わせ部(12)と、位置合わせされた前記検査画像と前記基準画像との差分を差分画像として取得する差分画像取得部(13)と、前記差分画像に基づいて、前記検査対象物の欠陥の有無を判定する欠陥判定部(16)と、を備える検査装置(4)である。
第2の発明は、第1の発明の検査装置であって、前記検査画像の輪郭を抽出し、輪郭画像を作成する輪郭画像作成部(14)と、前記差分画像と前記輪郭画像との差分を補正差分画像として取得する補正差分画像取得部(15)と、を備え、前記欠陥判定部(16)は、前記補正差分画像に基づいて、前記検査対象物の欠陥の有無を判定することを特徴とする検査装置(4)である。
第3の発明は、第2の発明の検査装置であって、前記輪郭画像作成部(14)は、前記輪郭画像に対して膨張フィルタを適用した膨張フィルタ画像及び収縮フィルタを適用した収縮フィルタ画像をそれぞれ作成し、前記膨張フィルタ画像及び前記収縮フィルタ画像に基づいて差分演算を行うことを特徴とする検査装置(4)である。
第4の発明は、基準対象物の高さ方向の距離を検出し、高さの空間分布に関する基準画像として取得する基準画像取得工程と、検査対象物の高さ方向の距離を検出し、高さの空間分布に関する検査画像として取得する検査画像取得工程と、前記基準画像及び前記検査画像を共通の特徴領域に基づいて位置合わせする位置合わせ工程と、位置合わせされた前記検査画像と前記基準画像との差分を差分画像として取得する差分画像取得工程と、前記差分画像に基づいて、前記検査対象物の欠陥の有無を判定する欠陥判定工程と、を含む検査方法である。
第5の発明は、第4の発明の検査方法であって、前記検査画像の輪郭を抽出し、輪郭画像を作成する輪郭画像作成工程と、前記差分画像と前記輪郭画像との差分を補正差分画像として取得する補正差分画像取得工程と、を含み、前記欠陥判定工程では、前記補正差分画像に基づいて、前記検査対象物の欠陥の有無を判定することを特徴とする検査方法である。
第6の発明は、第5の発明の検査方法であって、前記輪郭画像作成工程では、前記輪郭画像に対して膨張フィルタを適用した膨張フィルタ画像及び収縮フィルタを適用した収縮フィルタ画像をそれぞれ作成し、前記膨張フィルタ画像及び前記収縮フィルタ画像に基づいて差分演算を行うことを特徴とする検査方法である。
本発明に係る検査装置及び検査方法によれば、検査対象物の欠陥を精度良く検出することができる。
実施形態の検査システム1を説明する図である。 検査システム1の機能的な構成を示すブロック図である。 基準画像20及び検査画像30を説明する図である。 テンプレート領域40による位置合わせを説明する図である。 差分画像50を説明する図である。 検査画像30の輪郭部分のずれと差分画像50を説明する図である。 検査画像30から作成される輪郭画像60を説明する図である。 差分画像50及び輪郭画像60から得られる補正差分画像70を説明する図である。 補正差分画像取得部15の二値化処理を説明する図である。 検査装置4による欠陥検査の処理手順を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施形態ついて説明する。なお、本明細書に添付した図面は、いずれも模式図であり、理解しやすさ等を考慮して、各部の形状、縮尺、縦横の寸法比等を、実物から変更又は誇張している。
図1は、本実施形態の検査システム1を説明する図である。図1(A)は、検査システム1の構成を説明する図である。図1(A)では、搬送ステージ3のステージ面3aと平行な面において、互いに直交する2方向をX方向、Y方向とする。X方向は、距離検出部2からライン状に投射される光のラインと平行な方向である。Y方向は、検査対象物Fの搬送方向Dと平行な方向である。図1(B)は、検査対象物Fの高さ方向の距離と高さの空間分布に関する検査画像との関係を説明する図である。図2は、検査システム1の機能的な構成を示すブロック図である。
本実施形態の検査システム1は、検査対象物Fの表面における欠陥を検出するシステムである。本実施形態の検査システム1が検出する欠陥としては、検査対象物Fの表面に生じた凹凸等である。
検査システム1は、図1(A)に示すように、距離検出部2と、搬送ステージ3と、検査装置4と、を備える。
距離検出部2は、検査対象物Fの高さ方向の距離を検出し、高さの空間分布に関する画像を検査画像として取得する装置である。検査対象物Fの高さ方向とは、搬送ステージ3のステージ面3aと直交する方向である。本実施形態の検査システム1は、距離検出部2に対して検査対象物Fが相対的に搬送される。検査対象物Fの高さ方向の距離は、距離検出部2において一定の時間間隔で検出される。
なお、本実施形態において、距離検出部2は、検査対象物Fだけでなく、基準対象物(後述)の高さ方向の距離を検出し、高さの空間分布に関する画像を検査画像として取得するが、ここでは、検査対象物Fの検査画像を取得する例について説明する。
距離検出部2は、例えば、イメージセンサ、レーザ光源、投光レンズ、受光レンズ等(不図示)を備えたレーザ変位センサにより構成される。距離検出部2は、ライン状に走査された光が、搬送ステージ3のステージ面3a及び検査対象物Fの搬送方向Dとそれぞれ直交するように支持機構(不図示)により支持されている。
距離検出部2は、レーザ光源から照射されたレーザ光を、投光レンズによりライン状に走査して検査対象物Fに投射する。そして、距離検出部2は、検査対象物Fで反射した光を、受光レンズを介してイメージセンサの各画素で受光し、高さの空間分布に関する画像に変換する。
ここで、検査対象物Fの高さ方向の距離と高さの空間分布に関する検査画像について説明する。
図1(B)の上段は、検査対象物Fの高さのプロファイルを示すグラフである。上段のグラフにおいて、横軸は走査方向を示し、縦軸は検査対象物Fの高さ方向の距離を示している。また、図1(B)の下段は、上段に示す検査対象物Fの高さのプロファイルと対応するイメージセンサの各画素における高さ方向の距離の値を示している。
距離検出部2は、検出された検査対象物Fの高さ方向の距離を、図1(B)の下段に示すように、検査対象物Fの高さ方向の距離の値を表す画素列に変換する。この画素列において、検査対象物Fが存在していない領域で反射した光を受光した画素は、高さ方向の距離の値が「0」となる。また、検査対象物Fの存在している領域で反射した光を受光した画素は、高さ方向の距離の値が「10」となる。この画素列は、図1(A)に示すY方向に沿って取得される。そのため、検査対象物Fの高さの空間分布に関する検査画像は、図3(後述)に示すような二次元の画像となる。
なお、本実施形態において、検査対象物Fの高さ方向の距離を示す「0」、「10」等の数値は、説明を容易にするために設定したものである。例えば、1画素を8ビットで表現した場合、高さ方向の距離として、256段階(0〜255)の数値が設定される。また、本実施形態では、検査対象物Fの高さ方向の距離を、ステージ面3aからの距離で表しているが、距離検出部2から検査対象物Fまでの距離を高さ方向の距離としてもよい。
距離検出部2の動作は、後述する検査装置4の検査画像取得部11(図2参照)により制御される。なお、距離検出部2において、基準対象物(後述)の高さの空間分布に関する画像を基準画像として取得することもできる。距離検出部2で取得される検査画像の具体例については、後述する。
搬送ステージ3は、検査対象物Fを搬送方向Dに沿って一定の速度で搬送する装置である。搬送ステージ3の動作は、検査装置4の検査画像取得部11により制御される。
次に、検査装置4について説明する。検査装置4は、図2に示すように、表示部6、入力部7、記憶部8、制御部9及び画像処理部10を備える。
表示部6は、後述する検査画像、差分画像、輪郭画像(後述)等を表示可能なディスプレイ装置である。
入力部7は、検査装置4に対して、各種データのほか、操作指示、動作指示等を入力可能な装置である。入力部7は、例えば、キーボード、マウス等により構成される。
記憶部8は、制御部9、画像処理部10等で実行されるプログラム、データ等が記憶される記憶装置である。記憶部8は、例えば、半導体メモリにより構成される。
制御部9は、検査システム1の動作を統括的に制御する回路であり、CPU(中央処理装置)、メモリ等を含むマイクロプロセッサにより構成される。制御部9は、記憶部8からオペレーティングシステム、アプリケーションプログラムを読み出して実行することにより、各ハードウェアと協働して、各種の機能を実現する。なお、後述する画像処理部10の機能は、その一部又は全部を制御部9で実行するようにしてもよい。
画像処理部10は、CPU、メモリ等を含むマイクロプロセッサにより構成される。画像処理部10は、記憶部8から欠陥検査用のアプリケーションプログラムを読み出して実行することにより、各ハードウェアと協働して、検査対象物の欠陥の有無を判定する。
画像処理部10は、検査画像取得部11、位置合わせ部12、差分画像取得部13、輪郭画像作成部14、補正差分画像取得部15及び欠陥判定部16を備える。
以下、画像の具体例(図3〜図9)を参照しながら、画像処理部10を構成する各部の機能ついて説明する。なお、以下に説明する具体例では、図1に示すような直方体を検査対象物とする。
図3は、基準画像20及び検査画像30を説明する図である。図3(A)は、基準画像20の一例を示す図である。図3(B)は、検査画像30の一例を示す図である。
検査画像取得部11は、距離検出部2の動作を制御して、検査対象物の高さの空間分布に関する画像を検査画像として取得する。ここで、検査画像取得部11で取得される検査画像30を説明する前に、基準画像20について説明する。
基準画像20は、基準対象物(不図示)の高さの空間分布に関する画像である。基準画像20としては、例えば、CADで作成された基準対象物の画像、欠陥のない基準対象物から取得されたマスター画像等を用いることができる。本実施形態では、欠陥のない基準対象物から取得されたマスター画像を基準画像20とする。この基準画像20は、距離検出部2において、基準対象物の高さ方向の距離を検出することにより取得された画像である。CADで作成された基準対象物の画像を利用する場合は、距離検出部2を用いることなく、CADデータから基準画像20を作成すればよい。
図3(A)に示すように、基準画像20において、基準対象物の存在しない部分の高さ方向の距離は「0」となり、基準対象物の存在している領域の高さ方向の距離は「10」となる。図3(A)では、基準対象物の輪郭部分(段差)に対応する位置を太線で示している。
図3(B)に示す検査画像30には、中央付近に凹部31が存在している。凹部31は、検査対象物の平坦面に生じた窪み状の欠陥である。後述する欠陥判定部16において、欠陥は、大きさ、位置、形状等に応じて判定される。そのため、同じ窪みであっても、例えば、大きさが小さい場合等においては、欠陥と判定されないこともある。図3(B)に示す検査画像30において、凹部31における高さ方向の距離は、「7」を示している。
図3(B)では、検査対象物及び凹部31の輪郭部分に対応する位置を太線で示している。上述した基準画像20及び検査画像30は、例えば、記憶部8に記憶される。
位置合わせ部12は、基準画像20及び検査画像30をテンプレート領域40に基づいて位置合わせする。図4は、テンプレート領域40による位置合わせを説明する図である。図4(A)は、テンプレート領域40を示す図である。図4(B)は、基準画像20に対して検査画像30のXY方向の位置を補正する場合を示した図である。図4(C)は、基準画像20に対して検査画像30の角度を補正する場合を示した図である。
図4(A)に示すテンプレート領域40は、基準画像20と検査画像30とを位置合わせする際に使用される共通の特徴領域である。テンプレート領域40は、基準画像20において、コントラストが高く且つ周囲に類似する高さの空間分布が存在していない領域が設定される。図4(A)に示す例では、基準画像20において、左上隅の8×8画素の領域をテンプレート領域40としている。
位置合わせ部12は、検査画像30において、テンプレート領域40と一致又は類似する領域を特定し、基準画像20に対して検査画像30の位置及び角度の補正量を算出する。基準画像20に対して検査画像30の位置を補正する場合は、図4(B)に示すように、検査画像30を位置の補正量に応じてXY方向に移動させる。また、基準画像20に対して検査画像30の角度を補正する場合は、図4(C)に示すように、検査画像30を角度の補正量に応じて回転させる。位置合わせされた基準画像20及び検査画像30は、位置及び角度の補正量と共に記憶部8に記憶される。
なお、本実施形態では、基準画像20に対して検査画像30の位置及び角度を補正する例について説明したが、検査画像30に対して基準画像20の位置及び角度を補正してもよい。
差分画像取得部13は、位置合わせされた検査画像30と基準画像20とを差分演算し、差分画像50を取得する。図5は、差分画像50を説明する図である。図5(A)は、検査画像30に欠陥のない場合の差分画像50を示す図である。図5(B)は、検査画像30に欠陥のある場合の差分画像50を示す図である。
検査画像30に欠陥がない場合、差分画像50の各画素の値は、図5(A)に示すように、すべて「0」となる。一方、本実施形態の検査画像30は、欠陥となる凹部31があるため、差分画像50は、図5(B)に示すように、凹部31に対応する部分の画素の値は「3」となる。
後述する二値化処理において、閾値を「3」に設定し、閾値未満の画素を「白」、閾値以上の画素を「黒」とした場合、凹部31に対応する部分の画素が黒画素となり、それ以外の画素は白画素となる。そのため、後述する欠陥判定では、検査対象物に欠陥があると判定される。なお、閾値を「4」に設定した場合、凹部31に対応する部分の4画素を含めてすべての画素は白画素となる。そのため、欠陥判定では、検査対象物に欠陥がないと判定される。このように、二値化処理の閾値をどのレベルに設定するかによって、欠陥検出の感度を調整することができる。
また、検査対象物に表面の勾配が急激に変化する領域(例えば、段差)がある場合、位置合わせ部12において、基準画像20と検査画像30とを位置合わせしても、検査画像30の輪郭部分(太線)にずれが生じることがある。検査画像30の輪郭部分のずれは、位置補正の精度、検査対象物に固有の歪み等により生じる。検査画像30の輪郭部分にずれが生じると、差分画像50に疑似欠陥となり得る画素が現れる。以下、図6を参照しながら説明する。
図6は、検査画像30の輪郭部分のずれと差分画像50を説明する図である。図6(A)は、輪郭部分にずれが生じている検査画像30を示す図である。図6(B)は、基準画像20を示す図である。図6(C)は、差分画像50を示す図である。図6(A)〜図6(C)は、いずれも画像の一部を示している。
図6(A)に示すように、検査画像30の輪郭部分(太線)は、図6(B)に示す基準画像20の輪郭部分に対して、図中の横方向に2列分のずれが生じている。この状態で検査画像30と基準画像20とを差分演算すると、図6(C)に示すように、差分画像50に疑似欠陥となり得る画素が現れる。即ち、図6(C)において、太線を付した範囲の画素は、疑似欠陥となり得る画素である。これらの画素は、値が「10」となるため、二値化処理すると黒画素となる。一方、基準画像20に対して、検査画像30の輪郭部分にずれが生じていなければ、図5(A)に示すように、差分画像50の各画素は、すべて「0」となる。そのため、二値化処理すると、すべてが白画素となる。
後述する輪郭画像作成部14及び補正差分画像取得部15は、検査画像30の輪郭部分に生じたずれ(ノイズ)をキャンセルするための処理を実行する。
輪郭画像作成部14は、検査画像30の輪郭を抽出し、輪郭画像60を作成する。
図7は、検査画像30から作成される輪郭画像60を説明する図である。図7(A)は、検査画像30を示す図である。図7(B)は、輪郭画像60を示す図である。図7(A)及び図7(B)は、いずれも画像の一部を示している。
輪郭画像作成部14は、図7(A)に示す検査画像30の横方向に一次微分フィルタを適用して、フィルタリング処理することにより、図7(B)に示すような輪郭画像60を作成する。図7(B)に示す輪郭画像60には、輪郭として抽出された画素の位置に、検査画像30の横方向に生じた2列分のずれと同じずれが現れている。
なお、輪郭画像作成部14は、輪郭画像60を作成する前に、検査画像30に対して膨張フィルタを適用した膨張フィルタ画像及び収縮フィルタを適用した収縮フィルタ画像をそれぞれ作成し、この膨張フィルタ画像及び収縮フィルタ画像に基づいて差分演算を行う。この膨張フィルタ画像及び収縮フィルタ画像に基づく差分演算は、検査画像30からノイズを除去するために実施される。膨張フィルタ画像及び収縮フィルタのフィルタサイズを調整することにより、欠陥判定部16(後述)において検出感度を低下させる領域の範囲を制御することができる。
補正差分画像取得部15は、差分画像取得部13で取得された差分画像50と、輪郭画像作成部14で作成された輪郭画像60とを差分演算し、補正差分画像70を取得する。図8は、差分画像50及び輪郭画像60から得られる補正差分画像70を説明する図である。図8(A)は、差分画像50を示す図である。図8(B)は、輪郭画像60を示す図である。図8(C)は、補正差分画像70を示す図である。図8(A)〜図8(C)は、いずれも画像の一部を示している。
図8(A)に示す差分画像50は、先に説明した差分画像取得部13で取得された画像である。この差分画像50には、検査画像30の輪郭部分に生じたずれに起因する2列分のずれが現れている。同様に、図8(B)に示す輪郭画像60には、輪郭として抽出された画素の位置に、検査画像30の横方向に生じた2列分のずれと同じずれが現れている。そのため、差分画像50と輪郭画像60とを差分演算すると、図8(C)に示すような補正差分画像70が得られる。この差分演算において、差分画像50に生じた2列分のずれは、同じ検査画像30から作成された輪郭画像60の2列分のずれにより相殺される。そのため、得られた補正差分画像70の画素は、すべて「0」となる。このように、差分画像50と輪郭画像60とを差分演算することにより、差分画像50に存在していた疑似欠陥となり得る画素(図6(C)参照)が除去された補正差分画像70を得ることができる。
補正差分画像取得部15は、差分画像50と輪郭画像60とを差分演算して得た補正差分画像70を、二値化処理する。
図9は、補正差分画像取得部15の二値化処理を説明する図である。図9(A)は、欠陥のない補正差分画像70を二値化処理した画像である。図9(B)は、欠陥の現れた補正差分画像70を二値化処理した画像である。二値化処理において、閾値は「3」に設定されているため、閾値未満の画素は「白」、閾値以上の画素は「黒」となる。
図9(A)に示すように、欠陥のない補正差分画像70は、すべてが白画素となる。一方、図9(B)に示すように、欠陥の現れた補正差分画像70は、欠陥に対応する領域が黒画素となり、それ以外の領域はすべて白画素となる。
欠陥判定部16は、補正差分画像取得部15により得られた補正差分画像に基づいて、検査対象物の欠陥の有無を判定する。本実施形態において、図9(A)に示す補正差分画像70は、すべてが白画素である。そのため、欠陥判定部16は、検査対象物に欠陥がないと判定する。一方、図9(B)に示す補正差分画像70は、中央部分に黒画素が含まれる。そのため、欠陥判定部16は、検査対象物には欠陥があると判定する。
なお、本実施形態の欠陥判定部16では、補正差分画像70に黒画素が1つでも含まれる場合に、検査対象物に欠陥があると判定するが、黒画素の有無だけに限らず、黒画素の数、位置、形状等に応じて、検査対象物の欠陥の有無を判定するようにしてもよい。
また、図9(A)及び(B)に示す補正差分画像70は、いずれも検査画像30の輪郭部分に生じたずれの影響が除去されているため、疑似欠陥と判定され得る黒画素が現れていない。これによれば、欠陥判定部16において、検査画像30の輪郭部分に生じたずれの影響により現れる黒画素を欠陥と判定することがないため、疑似欠陥の検出数を少なくすることができる。欠陥判定部16の判定結果は、検査画像30と関連付けて記憶部8に記憶される。
次に、上述した検査装置4による欠陥検査の処理手順を、図10を参照しながら説明する。図10は、検査装置4による欠陥検査の処理手順を示すフローチャートである。
ステップS1において、検査画像取得部11は、基準対象物の高さの空間分布に関する基準画像を取得する。ステップS1において、検査画像取得部11は、例えば、図3(A)に示すような基準画像20を取得する。
ステップS2において、検査画像取得部11は、距離検出部2の動作を制御して、検査対象物の高さの空間分布に関する検査画像を取得する。ステップS2において、検査画像取得部11は、例えば、図3(B)に示すような検査画像30を取得する。
ステップS3において、位置合わせ部12は、基準画像20及び検査画像30をテンプレート領域40に基づいて位置合わせする。位置合わせ部12は、基準画像20のテンプレート領域40と一致又は類似する領域を特定し、基準画像20に対して検査画像30の位置及び角度の補正量を算出する。
ステップS4において、位置合わせ部12は、例えば、図4(B)に示すように、基準画像20に対して、検査画像30を位置の補正量に応じてXY方向に移動させる。また、位置合わせ部12は、例えば、図4(C)に示すように、基準画像20に対して、検査画像30を角度の補正量に応じて回転させる。
ステップS5において、差分画像取得部13は、位置合わせされた検査画像30と基準画像20とを差分演算し、差分画像を取得する。ステップS5において、差分画像取得部13は、例えば、図5(B)に示すような差分画像50を取得する。なお、検査画像30に欠陥となる画素が含まれていない場合、差分画像取得部13は、例えば、図5(A)に示すような差分画像50を取得する。
ステップS6において、輪郭画像作成部14は、検査画像30の輪郭を抽出し、輪郭画像を作成する。ステップS6において、輪郭画像作成部14は、例えば、図7(B)に示すような輪郭画像60を作成する。
続いて、補正差分画像取得部15は、差分画像取得部13で取得された差分画像50と、輪郭画像作成部14で作成された輪郭画像60とを差分演算し、補正差分画像を取得する。ステップS6において、補正差分画像取得部15は、例えば、図8(C)に示すような補正差分画像70を取得する。
ステップS7において、補正差分画像取得部15は、補正差分画像70を二値化処理する。ステップS7において、補正差分画像取得部15は、例えば、図9(B)に示すような二値化された補正差分画像70を作成する。
ステップS8において、欠陥判定部16は、二値化された補正差分画像70に基づいて、検査対象物の欠陥の有無を判定する。欠陥判定部16は、図9(A)に示すように、補正差分画像70のすべてが白画素であれば、検査対象物に欠陥がないと判定する。また、欠陥判定部16は、図9(B)に示すように、補正差分画像70に黒画素が含まれる場合、検査対象物に欠陥があると判定する。欠陥判定部16は、判定結果を検査画像30、補正差分画像70等と関連付けて記憶部8に記憶する。
上述した検査装置4を備えた本実施形態の検査システム1によれば、例えば、以下のような効果を奏する。
本実施形態の検査装置4は、検査対象物の高さ方向の距離を検出し、高さの空間分布に関する検査画像30として取得する検査画像取得部11を備える。そのため、検査装置4は、検査対象物の表面における勾配の緩急に係わらず、検査対象物(立体物)の全面で安定的に検査画像30を取得することができる。
また、検査装置4は、基準画像20及び検査画像30を共通の特徴領域であるテンプレート領域40に基づいて位置合わせする位置合わせ部12と、位置合わせされた検査画像30と基準画像20との差分を差分画像50として取得する差分画像取得部13と、を備える。これによれば、検査時に検査対象物の位置、角度にばらつきが生じた場合でも、位置合わせ部12において、検査対象物の位置、角度のばらつきが補正され、検査対象物の表面全体で良好に検査画像30を取得することができる。また、検査対象物に段差があり、検査画像30に輪郭部分が含まれる場合であっても、差分画像取得部13において、検査画像30と基準画像20との差分が差分画像50として取得される。この差分画像50では、検査画像30及び基準画像20のそれぞれの輪郭部分が相殺されるため、輪郭部分が疑似欠陥として検出される不具合を少なくできる。
したがって、本実施形態の検査装置4によれば、検査対象物の表面の勾配が急激に変化する場合及び検査時に検査対象物の位置、角度にばらつきが生じた場合においても、検査対象物の欠陥を精度良く検出することができる。
本実施形態の検査装置4は、検査画像30の輪郭を抽出し、輪郭画像60を作成する輪郭画像作成部14と、差分画像50と輪郭画像60との差分を補正差分画像70として取得する補正差分画像取得部15と、を備える。
位置合わせ部12において、基準画像20と検査画像30とを位置合わせしても、位置補正の精度、検査対象物に固有の歪み等により、検査画像30の輪郭部分にずれが生じることがある。しかし、本実施形態の検査装置4は、補正差分画像取得部15において、差分画像50と輪郭画像60とが差分演算され、差分画像50に生じたずれと輪郭画像60に生じたずれが相殺された補正差分画像70が取得される。この補正差分画像70には、疑似欠陥となり得る画素が含まれないため、輪郭部分に生じたずれが疑似欠陥として検出される不具合をより少なくできる。
また、輪郭画像作成部14は、輪郭画像60に対して膨張フィルタを適用した膨張フィルタ画像及び収縮フィルタを適用した収縮フィルタ画像をそれぞれ作成し、これら膨張フィルタ画像及び前記収縮フィルタ画像に基づいて差分演算を行うため、検査画像30からより効果的にノイズを除去することができる。また、輪郭画像作成部14において、膨張フィルタ画像及び収縮フィルタのフィルタサイズを調整して、欠陥判定部16において検出感度を低下させる領域の範囲を制御することにより、疑似欠陥の検出数を少なくすることができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、前述した実施形態に限定されるものではなく、後述する変形形態のように種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の技術的範囲内である。実施形態に記載した効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、実施形態に記載したものに限定されない。なお、上述の実施形態及び後述する変形形態は、適宜組み合わせて用いることもできるが、詳細な説明は省略する。
(変形形態)
本実施形態では、距離検出部2において、基準対象物の高さ方向の距離を検出することにより取得されたマスター画像を基準画像20とする例について説明したが、これに限定されない。基準画像20は、CADで作成された基準対象物の画像であってもよい。同様に、検査画像30は、遠隔地に設置された距離検出部2で取得された画像であってもよい。その場合、検査画像30は、記憶媒体に記憶されていてもよいし、ネットワークを介して受信してもよい。
本実施形態では、検査対象物の高さ方向の距離を、距離検出部2において一定の時間間隔で検出する例について説明したが、これに限らず、検査対象物の高さ方向の距離を、距離検出部2において一定の位置間隔で検出してもよい。
本実施形態では、距離検出部2が固定され、検査対象物Fが搬送ステージ3により搬送される例について説明したが、これに限定されない。検査対象物Fが固定され、距離検出部2が搬送される構成としてもよい。即ち、距離検出部2と検査対象物Fは、互いに相対移動するように構成されていればよい。
本実施形態では、検査対象物を直方体(図1参照)として例について説明したが、これに限定されない。検査対象物は、立体物であればどのような形状でもよい。
1 検査システム
2 距離検出部
3 搬送ステージ
4 検査装置
11 検査画像取得部
12 位置合わせ部
13 差分画像取得部
14 輪郭画像作成部
15 補正差分画像取得部
16 欠陥判定部

Claims (6)

  1. 検査対象物の高さ方向の距離を検出し、高さの空間分布に関する検査画像として取得する検査画像取得部と、
    基準対象物の高さ方向の距離を検出することにより取得された、高さの空間分布に関する基準画像及び前記検査画像を共通の特徴領域に基づいて位置合わせする位置合わせ部と、
    位置合わせされた前記検査画像と前記基準画像との差分を差分画像として取得する差分画像取得部と、
    前記差分画像に基づいて、前記検査対象物の欠陥の有無を判定する欠陥判定部と、
    を備える検査装置。
  2. 請求項1に記載の検査装置であって、
    前記検査画像の輪郭を抽出し、輪郭画像を作成する輪郭画像作成部と、
    前記差分画像と前記輪郭画像との差分を補正差分画像として取得する補正差分画像取得部と、を備え、
    前記欠陥判定部は、前記補正差分画像に基づいて、前記検査対象物の欠陥の有無を判定すること、
    を特徴とする検査装置。
  3. 請求項2に記載の検査装置であって、
    前記輪郭画像作成部は、前記輪郭画像に対して膨張フィルタを適用した膨張フィルタ画像及び収縮フィルタを適用した収縮フィルタ画像をそれぞれ作成し、前記膨張フィルタ画像及び前記収縮フィルタ画像に基づいて差分演算を行うこと、
    を特徴とする検査装置。
  4. 基準対象物の高さ方向の距離を検出し、高さの空間分布に関する基準画像として取得する基準画像取得工程と、
    検査対象物の高さ方向の距離を検出し、高さの空間分布に関する検査画像として取得する検査画像取得工程と、
    前記基準画像及び前記検査画像を共通の特徴領域に基づいて位置合わせする位置合わせ工程と、
    位置合わせされた前記検査画像と前記基準画像との差分を差分画像として取得する差分画像取得工程と、
    前記差分画像に基づいて、前記検査対象物の欠陥の有無を判定する欠陥判定工程と、
    を含む検査方法。
  5. 請求項4に記載の検査方法であって、
    前記検査画像の輪郭を抽出し、輪郭画像を作成する輪郭画像作成工程と、
    前記差分画像と前記輪郭画像との差分を補正差分画像として取得する補正差分画像取得工程と、を含み、
    前記欠陥判定工程では、前記補正差分画像に基づいて、前記検査対象物の欠陥の有無を判定すること、
    を特徴とする検査方法。
  6. 請求項5に記載の検査方法であって、
    前記輪郭画像作成工程では、前記輪郭画像に対して膨張フィルタを適用した膨張フィルタ画像及び収縮フィルタを適用した収縮フィルタ画像をそれぞれ作成し、前記膨張フィルタ画像及び前記収縮フィルタ画像に基づいて差分演算を行うこと、
    を特徴とする検査方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN116228746A (zh) * 2022-12-29 2023-06-06 摩尔线程智能科技(北京)有限责任公司 缺陷检测方法、装置、电子设备、存储介质和程序产品
JP2023092491A (ja) * 2021-12-21 2023-07-03 サムス カンパニー リミテッド 製造工場で物品を搬送するモバイルロボットの動作方法

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