JP2018040474A - 免震装置 - Google Patents

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清水 健一
Kenichi Shimizu
健一 清水
三浦 篤
Atsushi Miura
篤 三浦
浩治 西尾
Koji Nishio
浩治 西尾
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Abstract

【課題】免震装置の現行寸法を保ったままで、当初の想定を超える地震の揺れが発生しても上方の物体に対して、その揺れを最小限に抑制できる免震装置を提供する。【解決手段】下面側に4本のボール溝45〜48を設けた第1プレート40と、上面側に4本のボール溝61〜64を設けた第2プレート60と、第1プレート40のボール溝45〜48と第2プレート60のボール溝61〜64に嵌め込まれて、両ボール溝45〜48、61〜64を滑りまたは転がり可能なボールBと、を有する免震装置100とする。また、第1プレート40のボール溝45〜48と第2プレート60のボール溝61〜64とはボールBを介して互いに逆向きの鏡面対称とする。さらに、ボール溝61〜64は、第1曲線部61A、62Aと、それに連なる第2曲線部61B、62Bと、のみから構成して、ボール溝45〜48、61〜64はS字型または逆S字型のいずれかの形態とする。【選択図】図4

Description

本発明は、上方に積載する物体に対して地震による揺れを抑制する免震装置に関する。
これまでの免震装置は、想定される地震の大きさからその加速度を算出した後、その加速度を減衰するための応答変位量や応答加速度を設定して、設計されてきた。例えば、特許文献1に開示されている免震装置は、上部および下部の部品に溝を設けて、その両方の溝にはまり込む球(ボール)を挟んだ構成となっていた。
そして、両方の溝を直線形状と曲線形状との混成形状として、互いの溝が交差する角度(以下、交差角という)を最大90°となるように設定することで地震が発生した際に、当該球が溝内を移動することで発生する摩擦力によって、応答加速度を減衰することができる。
また、特許文献2に開示されている免震装置は上記の特許文献1と同様の構成であり、なおかつ溝の形態を直線形状としたものである。このような溝形態とすることで、溝長さを伸ばし、球が移動できる距離、すなわちストロークを伸ばすことでも地震が発生した際の応答加速度を減衰することができる。
特許第4517359号公報 特許第5110597号公報
しかし、特許文献1および2に開示されている免震装置では最大ストロークを超えるほど大きな地震が発生した場合、球が溝の端部に衝突した瞬間に上方の物体に衝撃が発生する。発生した衝撃により上方の物体が転倒する場合には、上方の物体は破損する恐れがある。そのような物体の破損を防止するために特許文献2に示す免震装置では、当該装置を構成する部品のストローク長を延長する方法や溝の端部に緩衝材を設ける方法がある。
ところが、部品のストローク長を延長することで免震装置が大型化するという問題がある。また、部品の溝の端部に緩衝材を設けることで製造工程が複雑化し、なおかつ製造原価も上がるという問題が発生する。
そこで、本発明においては免震装置の現行寸法を保ったままで(大型化することなく)、当初想定していた地震の揺れが発生しても上方の物体に対して、その揺れを最小限に抑制できる免震装置を提供することを課題とする。
前述した課題を解決するために、本発明の免震装置は下面側に少なくとも4本のボール溝を設けた第1プレートと、上面側に少なくとも4本のボール溝を設けた第2プレートと、これらの第1および第2プレートの両方のボール溝に嵌め込まれて、両ボール溝を滑りまたは転がり移動可能に設けられたボールと、を有する免震装置において、第1プレートのボール溝と第2プレートのボール溝とは、ボールを介して互いに逆向きの鏡面対称となるように構成する。そして、両方のボール溝は第1曲線部と、第1曲線部に連なる第2曲線部と、のみから構成して、両方のボール溝の形態をS字型または逆S字型とする。
また、ボール溝を構成する第1曲線部および第2曲線部は円弧または楕円弧のいずれかの形態とすることもできる。そして、第1曲線部、第2曲線部は、同じ形態の円弧同士または楕円弧同士で構成してもよいし、互いに異なる円弧同士または楕円弧同士の組み合わせでも構わない(円弧と楕円弧との組み合わせでもよい)。さらに、ボール溝の深さについては第1曲線部と第2曲線部との境界位置(連接点)を最も深くして、この境界位置から離れるに従って(第1曲線部および第2曲線部の各端部へ近づくにつれて)浅くすることもできる。
本発明の免震装置を以上の構成とすることで、地震の発生により本発明の免震装置が作動、特に地震による応答変位が大きくなった際に両プレートの両ボール溝同士で形成される交差角が大きくなる。
本発明の免震装置は、地震の発生により本発明の免震装置の応答変位が大きくなると、両プレートの両ボール溝同士で形成される交差角も大きくなる。特に、ボール溝が円弧や楕円弧の曲線形状のみから形成されている場合には、地震の発生による免震装置の応答変位が大きくなるにしたがって交差角を大きくする(最大交差角は180°)ことでボールとボール溝との間の摩擦係数を大きくして、免震機能としての減衰効果を高める。
そのため、本発明の免震装置の従来の免震装置の寸法(現行寸法)を保ったままで、かつウレタンゴム等の衝突防止材を設けることなく、当初想定していた地震の揺れが発生しても上方の物体に対して、その揺れを最小限に抑制できるという効果を奏する。
(a)は本発明の免震装置を構成する下プレート60の平(上)面図、(b)は側面図、(c)は底面図である。 (a)は本発明の免震装置を構成する中間プレート40の平(上)面図、(b)は側面図、(c)は底面図、(d)は背面図である。 (a)は本発明の免震装置を構成する上プレート20の平(上)面図、(b)は正面図、(c)は底面図である。 (a)はボールが中立位置時の本発明の実施の形態を示す免震装置100の斜視図、(b)は平面図である。 (a)は中間プレート40(又は上プレート20)が図でみて横(右)方向に移動したときの免震装置100の斜視図、(b)は平面図である。 (a)は上プレート20が図でみて縦(上)方向に移動したときの免震装置100の斜視図、(b)は平面図である。 (a)は図でみて中間プレート40が横(右)方向に移動し、上プレート20が縦(上)方向に移動したときの免震装置100の斜視図、(b)は平面図である。 本発明の実施の形態を示す免震装置を構成する第1プレート30および第2プレート50の一部分を示す模式図(初期の交差角(向かい合う各プレートのボール溝同士が成す角度)θ=20°の場合)であり、(a)は第1プレート30の平面図、(b)は第2プレート50の底面図、(c)は第1プレート30および第2プレート50の中立位置での平面図、(d)は第2プレート50が横(左)方に移動したときの平面図、(e)は第2プレート50がさらに横方向に移動しボール溝31、51の端部31E、51EにボールB10が位置したときの平面図である。 本発明の実施の形態を示す免震装置を構成する第1プレート70および第2プレート90の一部分を示す模式図(初期の交差角(向かい合う各プレートのボール溝同士が成す角度)θ=40°の場合)であり、(a)は第1プレート70の平面図、(b)は第2プレート90の底面図、(c)は第1プレート70および第2プレート90の中立位置での平面図、(d)は第2プレート90が横(左)方に移動したときの平面図、(e)は第2プレート90がさらに横方向に移動しボール溝71、91の端部71E、91EにボールB11が位置したときの平面図である。 本発明の免震装置の実施形態であるタイプA(実線のもの)およびB(破線のもの)の各場合におけるボール溝の形態と大きさを示す模式図である。 本発明の免震装置の実施形態であるタイプAおよびBの各場合における原点かたの距離(上プレートと下プレートとの相対距離)と上下プレートのボール溝同士が形成する交差角の変化を示すグラフである。 初期の交差角θ=40°(タイプB)の免震装置を用いたボールとボール溝間に発生する摩擦係数を測定する摩擦特性測定試験結果である。
本発明の免震装置の第一の実施の形態について図を参照して説明する。本実施の形態では、免震装置を構成する第1プレートと第2プレートから構成される単位(ユニット)を一組とした場合に、これらのユニットを上下方向に二組使用する(積層する)ことで二軸方向に移動することのできる免震装置の構造について以下に説明する。
図1の(a)は本発明の免震装置を構成する下プレート60の平(上)面図、(b)は側面図、(c)は底面図である。図2の(a)は本発明の免震装置を構成する中間プレート40の平(上)面図、(b)は側面図、(c)は底面図、(d)は背面図である。図3の(a)は本発明の免震装置を構成する上プレート20の平(上)面図、(b)は正面図、(c)は底面図である。
なお、本実施の形態では上プレート20は本発明の免震装置を構成する第1プレート、下プレート60は本発明の免震装置を構成する第2プレートにそれぞれ相当する。また、中間プレート40は下プレート60(第2プレート)との関係では第1プレートに相当し、 上プレート20(第1プレート)との関係では第2プレートに相当する。
図1(a)に示すように、四角形の下プレート60の上面60aの四隅にはS字型または逆S字型の4本のボール溝61〜64が互いに左右対称となるように設けられている。また、中央部には取付、取外し可能なT字断面のガイド1は、図1(b)および(c)に示すように図でみて横方向に複数のボルト5で取り付けられている。
S字型または逆S字型のボール溝61、62は、楕円弧の形状を呈した第1曲線部61A、62Aおよび第2曲線部61B、62Bから構成されている。また、第1曲線部61A、62Aと第2曲線部61B、62Bとは、第1曲線部61A、62Aと第2曲線部61B、62Bとの境界である連接点Cを中心として点対称にされている。
ここで、ボール溝61、62の中心軸はガイド1に沿った方向(下プレート60の移動方向)に対して、それぞれ±θ/2の角度となるように斜めに配置されている。なお、以上の説明は2本のボール溝61、62に関するものであるが、残りの2本のボール溝63、64についても同様の構成とする。
図2(c)に示すように、四角形の中間プレート40の下面40bの四隅にS字型または逆S字型の4本のボール溝45〜48が設けられている。また、図2(b)に示すように中央部には逆T字断面のガイド溝4が図でみて横方向に設けられている。ボール溝45、46は楕円弧の形状を呈した第1曲線部45A、46Aおよび第2曲線部45B、46Bから構成されている。また、第1曲線部45A、46Aと第2曲線部45B、46Bとは、第1曲線部45A、46Aと第2曲線部45B、46Bとの境界である連接点Cを中心として点対称にされている。
ここで、ボール溝45、46の中心軸はガイド溝4に沿った方向に対して±θ/2の角度となるように斜めに配置されている。即ち、中間プレート40の下面40bボール溝45、46の配置は、図1(a)に示す下プレート60の上面60aに設けられたボール溝61、62対しては左右逆向きに配置した構成となっている。
また、図2(a)に示すように、四角形の中間プレート40の上面40aの四隅にも下面40bと同様に4本のボール溝41〜44が設けられている。また、中央部には逆T字断面のガイド溝2が図でみて縦方向に設けられている。上面40aの形状は、下面40bを上面になるように180°ひっくり返し(天地を逆にする)、そのままいずれかの向きに90°回転させたものであり、上下とも各面からみて同形状とされている。
さらに、図3(c)に示すように四角形の上プレート20の下面20bの四隅にS字型または逆S字型の4本のボール溝21〜24が設けられている。また、図3(a)および(b)に示すように中央部には取付、取外し可能なT字断面のガイド3が図でみて縦方向に設けられている。上プレート20は前述した下プレート60と全く同じものであるが、下プレート60とは各プレートに設けられたボール溝同士が対向するように配置される。同時に、上プレート20は免震装置を構成する際に下プレート60とは互いに90°回転させた状態となっている。
即ち、上プレート20の形態は下プレート60を180°ひっくり返して(天地を逆にして)、いずれかの向きに90°回転させたものである。また、ボール溝61と22、62と23、63と24、64と21は同じ形状であり、かつボール溝21と22、24と23はガイド3を中心にして互いに線対称である。
図1ないし3に示すように、ガイド1、3のT字断面の先端の幅W1、W3は、ガイド溝2、4の底部の溝幅W2、W4より若干小さく、開口幅W6より広い幅にされ、互いに嵌合させることにより摺動可能にされている。また、上下方向に対しては隙間が設けられてある程度上下方向に移動できるが、上下方向には互いに外れないようにされている。
なお、図示しないボール溝の深さについてはボール溝の両端部から中央部へ行くにしたがって徐々に深くなり、中央部の深さが最も深くされている。つまり、免震装置の各プレートが移動した後も原点位置(移動前の当初の位置)に自然復帰するようにされており、ボールの動きに対してプレート間が広がるようにされている。
このため、ボールが中央位置(連接点)Cではガイド1、3の先端と、ガイド溝2、4の底とが互いに触れない程度に接近するような寸法にされており、ボールがボール溝の端部に達したときは、ガイド又はガイド溝によりプレートが互いに離れる側には広がらないような寸法にされている。
次に、図1ないし図3にて図示した各プレート20、40、60から構成した免震装置100について図4〜7を用いて説明する。図4の(a)はボールが中立位置時の本発明の実施の形態を示す免震装置100の斜視図、(b)は平面図である。図5の(a)は中間プレート40(又は上プレート20)が図でみて横(右)方向に移動したときの免震装置100の斜視図、(b)は平面図である。図6の(a)は上プレート20が図でみて縦(上)方向に移動したときの斜視図、(b)は平面図である。図7の(a)は図でみて中間プレート40が横(右)方向に移動し、上プレート20が縦(上)方向に移動したときの免震装置100の斜視図、(b)は平面図である。
なお、図5(b)においては、上プレート20の下面20bと中間プレート40の上面40aについての図示は省略している。また、図6(b)においては、下プレート60の上面60aと中間プレート40の下面40bについては図示は省略している。
図4ないし7に示すように本発明の免震装置100は、免震対象物とされるサーバーや美術品などの物品が載置される上プレート20と、固定床等の基台に取付固定される下プレート60と、上プレート20と下プレート60との間に複数のボール溝が上下面に設けられた中間プレート40と、互いに向かい合う2本のボール溝同士に嵌まり込んでいる複数のボールとから構成されている。
本発明の免震装置100は、以下の手順で組み立てられる。図4(a)に示す免震装置100の上半分の構成について、まず中間プレート40の下面40bを上向くになるように床上に置く。この時ガイド1を未取付状態で、中間プレート40と下プレート60のそれぞれのボール溝を互いに対向させながら、ボール溝のほぼ中心にボールが位置するようにして、中間プレート40、ボールB1〜B8、上下逆さにした下プレート60を積み上げる。
この状態で、ガイド1を下プレート60又は中間プレート40のガイド溝4に差し込み、ガイド1を下プレート60に複数のボルト5で固定する。この状態で中間プレート40と下プレート60を上下ひっくり返し(天地を逆にして)、図4(a)に示す免震装置100の下半分の構成のように配置する。
次に、ガイド3を未取付状態でそれぞれの線状のボール溝を互いに対向させて、ボール溝のほぼ中心にボールB1〜B8が位置するようにして、中間プレート40、ボール、上プレート20を順に積み上げる。この状態で、ガイド3を上プレート20又は中間プレート40のガイド溝2に差し込み、ガイド3を上プレート20に複数のボルト5で固定する。
この手順により、図4(a)に示すように、容易に免震装置100として組み立てられ、各プレート20、40、60に設けられた各ボール溝間にボールがそれぞれ滑り回転可能に狭持され、ガイド1、3又はガイド溝2、4に沿って各プレート20、40、60が水平方向へ相対運動可能になる。
かかる構成の免震装置100において、図4でみて横(右)方向に上プレート20または中間プレート40を移動させた場合について述べる。上プレート20が右に力を受けると、図5(a)に示すように、上側のガイド3又はガイド溝2により、上プレート20と中間プレート40とは移動できない。そこで、下側のガイド1又はガイド溝4に沿って上プレート20と中間プレート40とが一体になって右方向に動く。また、左方向にも同様に移動できる。
次に、図4(a)でみて縦(上)方向に上プレート20を移動させた場合について述べる。上プレート20が上に力を受けると、同様に図6(a)に示すように、縦方向のガイド3又はガイド溝2に沿って、上プレート20は中間プレート40に対して上方に動くことになる。従って、上プレート20が上方に移動することとなる。また、同様に下方向にも移動できる。中間プレート40と下プレート60は横方向ガイド1又はガイド溝4により縦方向には互いに相対移動できない。
このように、上プレート20と下プレート60とは、中間プレート40を挟んで互いに90度方向に揺動することができるので、図7(a)に示すように、上プレート20と下プレート60とは中間プレート40を基準にして水平方向に揺動可能とされ、地震等の揺れに対する免震装置100として有効に働くものとなる。
なお、本実施の形態においては、ボール溝を直接プレートに加工したが、ボール溝を別部材としてプレートに取り付けるようにしてもよい。 また、本実施の形態では二軸方向移動する場合について述べたが、上又は下プレートと中間プレートを一組とすれば一軸の免震装置となる。
次に、本発明の免震装置を構成する第1プレートおよび第2プレートの各プレートの移動に伴うボールとボール溝との位置関係について図8および図9を用いて説明する。図8は本発明の実施の形態を示す免震装置を構成する第1プレート30および第2プレート50の一部分を示す模式図(初期の交差角(向かい合う各プレートのボール溝同士が成す角度)θ=20°の場合)であり、(a)は第1プレート30の平面図、(b)は第2プレート50の底面図、(c)は第1プレート30および第2プレート50の中立位置での平面図、(d)は第2プレート50が横(左)方に移動したときの平面図、(e)は第2プレート50がさらに横方向に移動しボール溝31、51の端部31E、51EにボールB10が位置したときの平面図である。なお、図8(c)ないし(e)において、説明のため第1プレート30側を実線で示し、第2プレート50側を点線で示している。
図8(a)に示すように第1プレート30の下面30bには、ボール溝31は中心Cを通り外方に向かって中心から離隔する方向に曲がる第1曲線部31A、第2曲線部31Bが両側に形成されている。第1曲線部31Aと第2曲線部31Bは共にボール溝31の中心Cを中心点として点対称にされて、外方に向かって延びている。また、ボール溝31は中心Cを通り第1プレート30の移動方向に平行な軸L0と中心Cにおけるボール溝31の接線L1とがなす角度θ/2だけ傾いた状態で第1プレート30の下面30bに設けられている。
また、図8(b)に示すように第2プレート50の上面50aには、ボール溝51が第1プレート30のボール溝31と同形状に形成されている。すなわち、第2プレート50の上面50aには、ボール溝51は中心Cを通り外方に向かって中心から離隔する方向に曲がる曲線部51A、51Bが両側に形成されている。第1曲線部51Aと第2曲線部51Bは共にボール溝51の中心Cを中心点として点対称にされて、外方に向かって延びている。また、ボール溝51は中心Cを通り第1プレート50の移動方向に平行な軸L0と中心Cにおけるボール溝51の接線L1とがなす角度θ/2だけ傾いた状態で第2プレート50の上面50aに設けられている。
図8(c)に示すように、第1プレート30を固定して、第2プレート50を図の左右方向に移動可能にボールB10を介して、第1プレート30および第2プレート50の曲線状のボール溝31、51の中心Cで対向させるように組立てられている(第2プレート50の移動方向は水平方向の一軸方向に沿って移動可能となるように規制されて、即ち図で見て左右方向に移動可能に規制されているものとする)。従って、2本のボール溝31、51は互いにθの交差角で交差することとなり、その移動方向が二等分線方向に一致する。このため、ボールB10は転がり又はすべりの複合摩擦となり、交差角θに応じた摩擦係数を持って移動することとなり、ボール溝31、51で大きな摩擦による減衰作用を得ることができる。
さらに、地震の揺れが発生すると、図8(d)に示すようにボールB10はボール溝31、51の端部31E、51Eに接近する。このとき、ボール溝31、51の交差角θはさらに大きくなり、さらに大きな摩擦による減衰作用を生ずる。そして、当初想定されていた揺れを超える地震が発生した場合には、図8(e)に示すように最終的に第2プレート50は最大ストローク位置まで到達する。この時、両ボール溝31、51内のボールB10はボール溝31、51の端部31E、51Eに到達し、2本のボール溝31、51がなす角度(交差角)θ=180°となるので、その位置で第2プレート50の移動は停止する。
図9は本発明の実施の形態を示す免震装置を構成する第1プレート70および第2プレート90の一部分を示す模式図(初期の交差角(向かい合う各プレートのボール溝同士が成す角度)θ=40°の場合)であり、(a)は第1プレート70の平面図、(b)は第2プレート90の底面図、(c)は第1プレート70および第2プレート90の中立位置での平面図、(d)は第2プレート90が横(左)方に移動したときの平面図、(e)は第2プレート90がさらに横方向に移動しボール溝71、91の端部71E、91EにボールB11が位置したときの平面図である。なお、図9(c)ないし(e)において、説明のため第1プレート70側を実線で示し、第2プレート90側を点線で示している。
図9(a)に示すように第1プレート70の下面70bには、ボール溝71は中心Cを通り外方に向かって中心から離隔する方向に曲がる第1曲線部71A、第2曲線部71Bが両側に形成されている。第1曲線部71Aと第2曲線部71Bは共にボール溝71の中心Cを中心点として点対称にされて、中心側に戻ることなく外方に向かって延びている。また、ボール溝71は中心Cを通り第1プレート70の移動方向に平行な軸L0と中心Cにおけるボール溝71の接線L1とがなす角度角度θ/2だけ傾いた状態で第1プレート70の下面70bに設けられている。
また、図9(b)に示すように第2プレート90の上面90aには、ボール溝91が第1プレート70のボール溝71と同形状に形成されている。すなわち、第2プレート90の上面90aには、ボール溝91は中心Cを通り外方に向かって中心から離隔する方向に曲がる第1曲線部91A、第2曲線部91Bが両側に形成されている。第1曲線部91Aと第2曲線部91Bは共にボール溝91の中心Cを中心点として点対称にされて、中心側に戻ることなく外方に向かって延びている。また、ボール溝91は中心Cを通り第1プレート70の移動方向に平行な軸L0と中心Cにおけるボール溝91の接線L1とがなす角度θ/2だけ傾いた状態で第2プレート90の上面90aに設けられている。
図9(c)に示すように、第1プレート70を固定して、第2プレート90を図の左右方向に移動可能にボールB11を介して、第1プレート70および第2プレート90の曲線状のボール溝71、91の中心Cで対向させるように組立てられている(第2プレート90の移動方向は水平方向の一軸方向に沿って移動可能となるように規制されて、即ち図で見て左右方向に移動可能に規制されているものとする)。従って、2本の曲線部71、91は互いにθの交差角で交差することとなり、その移動方向が二等分線方向に一致する。このため、ボールB11は転がり又はすべりの複合摩擦となり、交差角θに応じた摩擦係数を持って移動することとなり、曲線部71、91で大きな摩擦による減衰作用を得ることができる。
さらに、地震の揺れが発生すると、図9(d)に示すようにボールB11はボール溝71、91の端部71E、91Eに接近する。このとき、ボール溝71、91の交差角θはさらに大きくなり、さらに大きな摩擦による減衰作用を生ずる。そして、当初想定されていた揺れを超える地震が発生した場合には、図9(e)に示すように最終的に第2プレート90は最大ストローク位置まで到達する。この時、両ボール溝71、91内のボールB11はボール溝71、91の端部71E、91Eに到達し、その位置で第2プレート90の移動は停止する。
なお、上記の実施の形態ではボール溝を形成する第1曲線部と第2曲線はいずれも同じ楕円弧から形成される場合について説明したが、本発明の免震装置を構成するボール溝の第1曲線部と第2曲線部は互いに異なる円弧や楕円弧から形成することもできる。例えば、美術品や芸術品の様な左右両側(横方向や幅方向)で非対称の形状であることからその重心位置が左右のいずれかの側に偏っている物品の場合を想定する。この場合、その物品が転倒するか否か(転倒しやすいかどうか)はその重心位置により変化する。
上述したようにボール溝の第1曲線部と第2曲線部を互いに異なる円弧や楕円弧から形成すると、地震が発生した際の応答変位も第1曲線部と第2曲線部との間では自ずから異なる。つまり、免震装置の応答変位が比較的に小さい曲線部となる位置に上述した物品の転倒し難い側を配置する。これは、物品が転倒し難い方向については免震機能として必要とされる応答変位は比較的に小さくても済むためである。これに対して、免震装置の応答変位が比較的に大きい曲線部となる位置には上述した物品の転倒しやすい側を配置する。これは、物品が転倒しやすいので地震による揺れが発生した場合に免震機能として必要となる応答変位を比較的に大きくしておくためである。
本発明の免震装置を用いて、上下プレートに設けられたボール溝とボールと間の摩擦係数の変化を測定する摩擦特性測定試験を行ったので、その試験結果について図面を用いて説明する。まず、本試験に用いた免震装置は上下の各プレート寸法がたて、よこ300mm四方のものであり、各プレートのボール溝とボールとの移動距離(ストローク)が±130mmとした。また、上下の両プレートのボール溝同士の初期の交差角は、θ=20°の場合(タイプA)とθ=40°の場合(タイプB)の2種類のもの(タイプAおよびBのボール溝の形態はそれぞれ異なる楕円弧から構成されている)を準備した。
本発明の免震装置の実施形態であるタイプA(実線のもの)およびB(破線のもの)の各場合におけるボール溝の形態と大きさを示す模式図を図10に示す。タイプAおよびBのボール溝の形態は、図10に示すように2種類の異なる楕円弧(楕円全周の4分の1長さ)が原点の位置を中心に点対称の形態を呈している。
また、本発明の免震装置の実施形態であるタイプAおよびBの各場合における原点からの距離(上プレートと下プレートとの相対距離)と上下プレートのボール溝同士が形成する交差角の変化を示すグラフを図11に示す。図11に示すように、タイプAおよびBともに原点からの移動距離が比較的に短い(免震装置の応答変位が比較的に小さい)範囲では交差角の増加幅も比較的に緩やかである。
しかし、プレートの移動距離(免震装置の応答変位)が一定値以上になると、タイプAおよびBの免震装置ともに交差角が急激に増加し、図11に示すように原点からの移動距離が65mmである最大ストローク位置(ストロークエンド)ではその交差角が180°になる。その交差角が急激に増加する理由は、ボール溝の形態が楕円弧であることに起因したものである。
本試験である摩擦特性測定試験には、初期の交差角θ=40°(タイプB)の免震装置を用いて行った。本試験では、免震装置を構成する上プレート上に16.45〜50.85×9.8Nまでの異なる重り(計5水準)を載せた状態で原点から所定の位置まで移動する際にボールとボール溝間に発生する摩擦係数の最大値を測定したので、その測定結果(グラフ)を図12に示す。図12のグラフでは横軸が原点からの移動距離(応答変位)を示し、縦軸がボールとボール溝との間の摩擦係数を表す。
図12に示すように応答変位が9cmまでの範囲では、それにより発生する摩擦係数は0.05〜0.1までの範囲で比較的にその変化率は小さい。ところが、応答変位が9cmを超えると、それに対応する摩擦係数が急激に増加して、応答変位が13cm(最大ストローク位置)の場合にはそれに対応する摩擦係数が0.35〜0.4に到達した。
また、本発明の免震装置におけるボールとボール溝との摩擦係数は、図12に示すように上プレートに載せた重りの如何に関わらずほぼ同じ挙動(変化)を示した。すなわち、本試験結果から本発明の免震装置の(ボールとボール溝との間の)摩擦係数は荷重によらない、いわゆる載荷依存性が無いことがわかった。
特に、本実施例ではボール溝同士の交差角θを適宜選択でき、さらに交差角を変化できるので、所望の摩擦係数を容易に得られるばかりでなく、予想より過大な地震にも対処でき種々の載荷物、地域、場所に幅広く活用できるものとなった。
20 上プレート(第1プレート)
21〜24 ボール溝
30 第1プレート
31 ボール溝
31A 第1曲線部
31B 第2曲線部
40 中間プレート(第1プレート、第2プレート)
41〜48 ボール溝
45A、46A 第1曲線部
45B、46B 第2曲線部
50 第2プレート
51 ボール溝
51A 第1曲線部
51B 第2曲線部
60 下プレート(第2プレート)
61〜64 ボール溝
61A、62A 第1曲線部
61B、62B 第2曲線部
70 第1プレート
71 ボール溝
71A 第1曲線部
71B 第2曲線部
90 第2プレート
91 ボール溝
91A 第1曲線部
91B 第2曲線部
100 免震装置
B1〜B8、B10、B11 ボール

Claims (4)

  1. 下面側に少なくとも4本のボール溝が設けられた第1プレートと、上面側に少なくとも4本のボール溝が設けられた第2プレートと、前記第1プレートのボール溝および前記第2プレートのボール溝に嵌め込まれて、前記両ボール溝を滑りまたは転がり移動可能に設けられたボールと、を有しており、前記第1プレートのボール溝と、前記第2プレートのボール溝とは、前記ボールを介して互いに逆向きの鏡面対称となるように構成された免震装置であって、
    前記ボール溝は、第1曲線部と、前記第1曲線部に連なる第2曲線部と、のみから構成されており、前記ボール溝はS字型または逆S字型のいずれかの形態を呈していることを特徴とする免震装置。
  2. 前記第1曲線部および前記第2曲線部は、円弧または楕円弧のいずれかの形態を呈していることを特徴とする請求項1に記載の免震装置。
  3. 前記第1曲線部と前記第2曲線部とは、互いに異なる円弧または楕円弧の形態を呈していることを特徴とする請求項2に記載の免震装置。
  4. 前記ボール溝の深さは、前記第1曲線部と前記第2曲線部との境界位置が最も深く、前記境界位置から離れるに従って浅くなることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の免震装置。
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