JP2018039634A - 廃棄物収容容器 - Google Patents
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Abstract
【課題】熱を用いて滅菌処理を行う場合であっても変形を抑制しつつ、複数の廃棄物収容容器を効率よく滅菌処理可能とする。【解決手段】底板202、及び底板202の外周縁から筒状に立ち上がる側壁201を備え、側壁201の立ち上がり方向に互いに入れ子状に積み重ね可能な容器本体部(廃棄物収容容器)2であって、側壁201の外面から外方に向けて張り出すとともに、側壁201の周方向に沿って延在する下側フランジ部22を備え、下側フランジ部22における底板202側の面は、入れ子状に積み重ねられたときに他の容器本体部2の側壁201の開口端部2bに当接する。【選択図】図5
Description
本発明は、廃棄物収容容器に関する。
例えば、病院等から排出される医療廃棄物等の廃棄物は、容器に収容された状態で病院等から回収されて廃棄物処理施設に送られる。このような廃棄物を収容する廃棄物収容容器が、例えば特許文献1に記載されている。特許文献1に記載された廃棄物収容容器は、内部の廃棄物が取り出された後、洗浄処理及び滅菌処理が行われて再び使用される。
ここで、作業の効率化のために、複数の廃棄物収容容器を積み重ねて滅菌処理装置内に搬入し、複数の廃棄物収容容器をまとめて滅菌処理することが求められている。この場合、例えば高温の蒸気等の熱を用いて滅菌処理を行うと、廃棄物収容容器が熱によって変形し易い状態となっているため、積み重ね状態によっては廃棄物収容容器が変形してしまうことがある。
そこで、本発明は、熱を用いて滅菌処理を行う場合であっても変形を抑制しつつ、複数の廃棄物収容容器を効率よく滅菌処理可能な廃棄物収容容器を提供することを目的とする。
本発明は、底板及び前記底板の外周縁から筒状に立ち上がる側壁を備え、側壁の立ち上がり方向に互いに入れ子状に積み重ね可能な廃棄物収容容器であって、側壁の外面から外方に向けて張り出すとともに、側壁の周方向に沿って延在するフランジ部を備え、フランジ部における底板側の面は、入れ子状に積み重ねられたときに他の廃棄物収容容器の側壁の端部に当接する。
この廃棄物収容容器では、側壁の端部すなわち廃棄物収容容器の開口端部が、他の廃棄物収容容器のフランジ部の底板側の面に当接する。これにより、廃棄物収容容器の開口部を下側に向けて、廃棄物収容容器同士を互いに入れ子状に上下方向に積み重ねたときに、上側の廃棄物収容容器の開口端部が下側の廃棄物収容容器のフランジ部の面で支持される。また、廃棄物収容容器の開口部を上側に向けて、廃棄物収容容器同士を互いに入れ子状に上下方向に積み重ねたときに、下側の廃棄物収容容器の開口端部は、上側の廃棄物収容容器のフランジ部の面を支持する。このように、側壁の周方向に沿って延在するフランジ部に開口端部を当接させることで、フランジ部と開口端部との当接領域を広く確保することができる。すなわち、廃棄物収容容器同士を互いに入れ子状に上下方向に積み重ねたときに開口端部に加わる荷重を、広い範囲に分散させることができる。これにより、廃棄物収容容器を互いに入れ子状に積み重ねて熱を用いて滅菌処理を行う場合であっても、廃棄物収容容器の開口端部の変形を抑制しつつ、複数の廃棄物収容容器を効率よく滅菌処理することができる。
フランジ部には、側壁の立ち上がり方向に沿って貫通する孔が設けられていてもよい。また、フランジ部における側壁側の端部には、フランジ部における側壁の立ち上がり方向の一方の面から他方の面にわたる切欠きが設けられていてもよい。この場合、例えば、滅菌処理を行う際に高温の蒸気を用いた場合、一方の廃棄物収容容器の開口端部に他方の廃棄物収容容器のフランジ部の面が当接していても、孔又は切欠きを介して一方の廃棄物収容容器の内部に蒸気を導入することができる。これにより、廃棄物収容容器が互いに入れ子状に積み重ねられていても、滅菌処理を適切に行うことができる。また、フランジ部に孔又は切欠きが設けられていることにより、蒸気を用いた滅菌処理時又は洗浄処理時にフランジ部上に水又は洗浄液等の液体が溜まったとしても、孔又は切欠きを介してフランジ部上から液体を排出することができる。
側壁は四角筒状であり、フランジ部は、側壁の周方向において少なくとも側壁の4つの角部にそれぞれ設けられていてもよい。この場合には、廃棄物収容容器同士を互いに入れ子状に上下方向に積み重ねたときに、廃棄物収容容器が傾くことなく安定して廃棄物収容容器を積み重ねることができる。
本発明によれば、熱を用いて滅菌処理を行う場合であっても変形を抑制しつつ、複数の廃棄物収容容器を効率よく滅菌処理可能な廃棄物収容容器を提供できる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
図1に示す容器100は、廃棄物を収容する容器である。本実施形態において容器100は、病院等から排出された感染性を有する医療廃棄物を収容する。例えば、容器100は、病院等において医療廃棄物が容器内部に投入される。容器100内に医療廃棄物が所定量溜まると、容器100は作業者によって回収されて、廃棄物処理施設へ搬入される。廃棄物処理施設内において、容器100の中から医療廃棄物が取り出されて医療廃棄物に対する種々の処理が行われる。
一方、容器100は、再利用することを前提としている。このため、医療廃棄物が取り出された容器100に対して、洗浄処理及び滅菌処理が行われる。容器100に対する滅菌処理として、熱を用いた処理方法がある。本実施形態では、容器100に対してオートクレーブを用いて滅菌処理を行う。オートクレーブを用いた容器100の滅菌処理では、高圧下において例えば125℃程度の蒸気を用いて20分程度、滅菌処理を行う。
図1に示すように容器100は、蓋部1、容器本体部(廃棄物収容容器)2、及び固定機構3を備えている。なお、図1では、容器本体部2から蓋部1を取り外した状態を示している。蓋部1は、容器本体部2が有する開口部2aを覆う。
先ず、蓋部1の詳細について説明する。図1〜図3に示すように、蓋部1は、蓋本体部11、及びパッキン12(図2参照)を備えている。蓋本体部11は、長方形の平板状に形成され、且つ容器本体部2が有する長方形の開口部2aを覆うことができる大きさに形成されている。
蓋本体部11における容器本体部2に重ねられる側の面には、溝部111が設けられている。溝部111は、容器本体部2の開口部2aの開口端部2bの形状に沿って設けられ、長方形の枠状に延在している。なお、開口端部2bとは、開口部2aを形成する容器本体部2の縁部(側壁201の端部)である。開口部2aを覆うように蓋本体部11が容器本体部2に重ねられたときに、溝部111には、容器本体部2の開口端部2bが嵌め込まれる。溝部111は、容器本体部2の開口端部2bを所定長さ嵌め込み可能な深さを有している。以下、蓋本体部11における容器本体部2に重ねられる側の面を「下面」と呼び、蓋本体部11の下面に対して反対側の面を「上面」と呼ぶことがある。
蓋本体部11の上面には、ズレ防止凹部112が設けられている。ズレ防止凹部112は、長方形の枠状に延在している。ズレ防止凹部112の深さは、一例として、溝部111の深さの1/3程度となっている。
蓋本体部11の下面には、ズレ防止凸部113が設けられている(図2及び図3参照)。ズレ防止凸部113は、ズレ防止凹部112の底部を下面側に向かって突出させることによって形成されている。ズレ防止凸部113は、ズレ防止凹部112の角部に対応する位置、及び角部と角部との間の中間位置に設けられている。本実施形態では、ズレ防止凸部113が6個設けられている。
ズレ防止凹部112の底部には、ズレ防止凸部113と対応する位置に、深型凹部112aが形成される。深型凹部112aは、ズレ防止凸部113を形成するためにズレ防止凹部112の底部を下面側に向かって突出させたことによって形成される。このため、ズレ防止凹部112の底部には、ズレ防止凸部113と同じ数の深型凹部112aが形成されている。
深型凹部112a内には、リブ114が設けられている。リブ114の上端(深型凹部112aの開口側の端部)の高さ位置は、ズレ防止凹部112において深型凹部112aが設けられていない部分の底部の高さ位置と一致している。
蓋本体部11は、オートクレーブを用いた滅菌処理に耐え得る材料によって形成されている。例えば、蓋本体部11の材料として、ポリカーボネートとポリプロピレンとの混合物を用いることができる。
パッキン12は、溝部111の底部に設けられている。パッキン12は、環状に形成されており、長方形の枠状に延在する溝部111の全周にわたって設けられている。パッキン12は、弾性変形可能であり、蓋部1によって容器本体部2の開口部2aが覆われたときに、溝部111の底部と容器本体部2の開口端部2bとの間を封止する。パッキン12は、オートクレーブを用いた滅菌処理に耐え得る材料によって形成されている。例えば、パッキン12の材料として、シリコンを用いることができる。
蓋部1は、容器本体部2から取り外された状態で、互いに積み重ね可能となっている。蓋部1同士を積み重ねる場合、図4に示すように、下側の蓋部1の上面に上側の蓋部1の下面が当接するように互いに積み重ねられる。なお、図4は、蓋部1を積み重ねた状態で、蓋部1を図3におけるIV−IV線に沿った位置で切った断面を示している。
より詳細には、蓋部1を積み重ねる場合、下側の蓋部1のズレ防止凹部112内に、上側の蓋部1のズレ防止凸部113が嵌め込まれることによって、上側の蓋部1の位置決めがされる。また、上側の蓋部1のズレ防止凸部113の突出方向の先端部は、下側の蓋部1の深型凹部112a内に設けられたリブ114の上端部に当接する。これにより、蓋部1同士を積み重ねた場合であっても、蓋部1同士が当接する面積を少なくすることができる。このため、蓋部1同士を積み重ねた状態でオートクレーブを用いた滅菌処理を行う場合であっても、蓋部1の全体に効率よく高温の蒸気を行き渡らせることができる。従って、本実施形態の蓋部1を用いることで、蓋部1を積み重ねた状態でオートクレーブを用いた滅菌処理が可能となり、複数の蓋部1を効率よく滅菌処理することができる。
なお、ズレ防止凸部113の突出高さ、或いはリブ114の上端の高さ位置を変更することで、蓋部1を積み重ねたときの蓋本体部11同士の隙間の大きさを変更することができる。また、蓋部1を互いに積み重ねる場合、蓋部1の溝部111が設けられた側の面を上側に向けて積み重ねてもよく、蓋部1の溝部111が設けられた側の面を下側に向けて積み重ねてもよい。
次に、容器本体部2の詳細について説明する。図1に示すように、容器本体部2は、開口部2aを有する箱状の部材であり、内部に医療廃棄物を収容することができる。本実施形態において、容器本体部2は、略直方体形状の箱体の一面を開口させた形状となっている。開口部2aは、長方形となっている。容器本体部2は、容器部20、上側フランジ部21、及び下側フランジ部(フランジ部)22を備えている。
容器部20は、側壁201、及び底板202(図5参照)を備えている。底板202は、長方形の平板状に形成されている。底板202は、側壁201の外周縁から略長方形の四角筒状に立ち上がっている。側壁201の立ち上がり方向の先端部によって容器本体部2の開口部2aが形成される。また、側壁201の立ち上がり方向の先端部が、開口端部2bとなる。
上側フランジ部21及び下側フランジ部22は、側壁201の開口端部2bの近傍に設けられている。上側フランジ部21及び下側フランジ部22は、側壁201の外面から外方に向けて張り出すとともに、側壁201の周方向に沿って延在している。側壁201に上側フランジ部21及び下側フランジ部22を設けることで、側壁201の変形を抑制することができる。上側フランジ部21は、下側フランジ部22よりも開口端部2b側に位置している。上側フランジ部21は、側壁201の周方向の全周にわたって設けられている。上側フランジ部21には、側壁201の立ち上がり方向に沿って貫通する孔21aが複数設けられている。
下側フランジ部22は、底板202側を向く面を有している。下側フランジ部22は、側壁201の周方向において、少なくとも側壁201の4つの角部の位置にそれぞれ設けられている。ここで、四角筒状の側壁201のうち、互いに対向する1組の壁部を第1壁部組とし、残りの1組の壁部を第2壁部組とする。下側フランジ部22は、第1壁部組及び第2壁部組の少なくとも一方においては、側壁201の周方向において途切れることなく設けられている。本実施形態において下側フランジ部22は、一方の壁部組において、途切れた部分を有している。具体的には、下側フランジ部22は、長方形の四角筒状の側壁201の壁部のうち、側壁201の立ち上がり方向に沿って見たときに、短辺となる2つの壁部においては一部途切れた部分を有している。下側フランジ部22は、長方形の四角筒状の側壁201の壁部のうち、側壁201の立ち上がり方向に沿って見たときに、長辺となる2つの壁部においては途切れることなく設けられている。
下側フランジ部22における側壁201側の端部(下側フランジ部22における側壁201に接続される側の端部)には、複数の切り欠き22aが設けられている。切り欠き22aは、下側フランジ部22における側壁201の立ち上がり方向の一方の面から他方の面にわたって設けられている。これにより、下側フランジ部22における切り欠き22aの壁面と、側壁201の外面とで囲まれた貫通孔が形成される。なお、下側フランジ部22には、切り欠き22aに代えて又は切り欠き22aに加えて、側壁201の立ち上がり方向に沿って貫通する孔が複数設けられていてもよい。
容器本体部2が倒れた際に下側フランジ部22が地面にぶつかることを避けるために、上側フランジ部21における側壁201からの張り出し長さは、下側フランジ部22における側壁201からの張り出し長さよりも長くなっている。具体的には、下側フランジ部22における側壁201からの張り出し長さを、側壁201の縁部と上側フランジ部21の先端部とをつなぐ仮想線に下側フランジ部22が干渉しない長さとする。
これにより、容器本体部2が倒れた際に、上側フランジ部21が地面とぶつかる。ここで、容器本体部2の開口部2aには蓋部1が取り付けられる。容器本体部2に蓋部1が取り付けられた状態において、容器本体部2の開口部2a周りの強度は、下側フランジ部22が設けられている部分の強度に比べて高い。すなわち、容器本体部2は、下側フランジ部22が設けられている部分よりも、上側フランジ部21が設けられている部分の強度が高い。このため、蓋部1が取り付けられた容器本体部2が倒れた際に、上側フランジ部21が地面にぶつかる構成とすることで、容器本体部2が倒れた際に容器部20が破損することを抑制できる。特に、この構成は、容器本体部2の角部に採用することが好ましい。
上側フランジ部21と下側フランジ部22とは、側壁201の外面に設けられたリブによって互いに接続されている。これにより、容器本体部2の強度をより向上させることができる。
側壁201の周方向において、側壁201の4つの角部は、張出角部211、及び直線角部212によってそれぞれ構成されている。張出角部211は、直線角部212よりも容器本体部2の開口部2a側に設けられている。直線角部212は、側壁201の角部を構成する2つの壁部同士を略直線状につないでいる。張出角部211は、側壁201の立ち上がり方向に沿って見たときに、円弧状に湾曲することによって直線角部212よりも外側に張り出している。これにより、側壁201の立ち上がり方向に沿って見たときに、張出角部211の内側面と直線角部212の内側面との間に逃げ領域R(図7参照)が形成される。
側壁201の内面側において、張出角部211と直線角部212との段差部分には、開口部2a側に向かって延びるバネ230が取り付けられている。バネ230は、張出角部211の内側面に押し付けられるようにして取り付けられている(図7参照)。バネ230は、側壁201の立ち上がり方向に沿って見たときに、張出角部211の内側面と直線角部212の内側面との間に形成される逃げ領域Rに位置している。本実施形態において、バネ230は、一例として、ステンレス等の金属製の針金によって形成されている。
バネ230は、側壁201の周方向において側壁201の4つの角部にそれぞれ設けられている。バネ230は、容器本体部2の中に設置される袋の開口側の端部を張出角部211の内側面とによって挟み込むことで、袋を容器本体部2に固定する。ここで、容器本体部2の内部の汚れ防止、及び医療廃棄物の取出しを容易にする等のため、医療廃棄物を容器本体部2の中に直接投入するのではなく、容器本体部2の中にナイロン袋等の袋を設置して、袋の中に医療廃棄物を投入することが望ましい。本実施形態では、バネ230が設けられていることにより、容器本体部2の中に袋を容易に設置することができる。袋を設置する際には、張出角部211の内側面の形状に沿うように円弧状に湾曲したヘラを用いて、袋の端部をバネ230と張出角部211との間に差し込む方法を採用可能である。
側壁201の外周面には、側壁201の立ち上がり方向に沿って延在するリブ203が複数設けられている。
容器本体部2は、オートクレーブを用いた滅菌処理に耐え得る材料によって形成されている。例えば、容器本体部2の材料として、ポリカーボネートとポリプロピレンとの混合物を用いることができる。
図5〜図7に示すように、容器本体部2は、蓋部1が取り外された状態で、側壁201の立ち上がり方向に互いに入れ子状に積み重ね可能となっている。ここで、一方の容器本体部2の内側に他方の容器本体部2を入れ子状に重ねる場合において、説明の便宜上、一方の容器本体部2を容器本体部2Aとし、他方の容器本体部2を容器本体部2Bとして図5〜図7を用いて積み重ね状態を説明する。一方の容器本体部2Aの内側に他方の容器本体部2Bを入れ子状に重ねる場合、他方の容器本体部2Bにおける下側フランジ部22の底板202側の面は、一方の容器本体部2Aの開口端部2bに当接する。また、一方の容器本体部2Aの底板202と、他方の容器本体部2Bの底板202との間には隙間が設けられている。他方の容器本体部2Bにおける一方の容器本体部2A内への嵌り込み深さは、他方の容器本体部2Bに設けられた下側フランジ部22の位置(側壁201の立ち上がり方向の位置)によって決定される。
また、図7に示すように、バネ230が逃げ領域Rに設けられていることにより、一方の容器本体部2Aの内側に他方の容器本体部2Bを入れ子状に重ねたときに、内側に位置する他方の容器本体部2Bの側壁201の外周面に、一方の容器本体部2Aのバネ230が当接しない。また、容器本体部2の底板202側の角部が直線角部212となっている。このため、一方の容器本体部2Aの内側に他方の容器本体部2Bを入れ子状に重ねる際に、他方の容器本体部2Bの直線角部212が一方の容器本体部2Aのバネ230に当接することなく、両者を重ねることができる。このように、容器本体部2の角部に張出角部211及び直線角部212を設けて逃げ領域Rを形成し、逃げ領域Rにバネ230を設けることで、容器本体部2同士を入れ子状に積み重ねた場合であっても、バネ230の破損を防止できる。
側壁201の側面にリブ203が設けられているため、容器本体部2同士を入れ子状に積み重ねたときに、側壁201同士が密着することが防止される。これにより、容器本体部2同士が入れ子状に積み重ねられた状態から容器本体部2を容易に引き抜くことができる。
一方の容器本体部2Aの内側に他方の容器本体部2Bを入れ子状に重ねたときに、一方の容器本体部2Aの開口部2aが他方の容器本体部2によって塞がれることとなる。しかしながら、他方の容器本体部2Bの下側フランジ部22に切り欠き22aが設けられていることにより、この切り欠き22aを介して一方の容器本体部2Aの内部と、外部空間とが連通した状態となる。また、側壁201にリブ203を設けたことにより、容器本体部2同士を入れ子状に積み重ねたときに側壁201同士の間に隙間が設けられる。このため、容器本体部2同士を入れ子状に積み重ねた状態でオートクレーブを用いた滅菌処理を行う場合であっても、側壁201同士の間に効率よく高温の蒸気を行き渡らせることができる。
なお、容器本体部2を入れ子状に積み重ねた状態でオートクレーブを用いて滅菌処理を行う場合、図5に示すように、容器本体部2の開口部2aが上側を向くように容器本体部2同士を積み重ねてオートクレーブ内に入れてもよい。或いは、容器本体部2の開口部2aが下側を向くように容器本体部2同士を積み重ねて、オートクレーブ内に入れてもよい。また、図5〜図7では、2つの容器本体部2を互いに積み重ねた状態を示したが、3つ以上の容器本体部2を互いに順次積み重ねてもよい。
ここで、図6に示すように、底板202の外周部分には、側壁201の立ち上がり方向に対して反対側に突出するズレ防止凸部202aが設けられている。ズレ防止凸部202aは、底板202の外周縁に沿って長方形の枠状に延在している。
容器本体部2の底板202に設けられたズレ防止凸部202aは、蓋部1の上面に設けられたズレ防止凹部112に嵌め込み可能となっている。これにより、図8に示すように、容器本体部2に蓋部1が取り付けられた状態で、容器100同士を上下方向に積み重ねたときに、下側の容器100の蓋部1のズレ防止凹部112内に上側の容器100の底板202のズレ防止凸部202aが嵌め込まれる。従って、容器100同士を上下方向に積み重ねたときに上側の容器100の位置決めがされ、容器100を安定して上下に積み重ねることができる。
また、ズレ防止凸部202aは、底板202の一部分を突出させることによって形成されている。すなわち、容器本体部2の底面(底板202)は、一枚の板によって形成されている。ここで、底板202の一部分を突出させて形成したズレ防止凸部202aに代えて、例えば、底板202にリブを設ける或いは他の部材を取り付けることにより、底板202に凸部を設けることが考えられる。しかしながら、この場合、容器本体部2が落下等したことによって底板202に衝撃が加わると、底板202とリブとの接続部分、或いは底板202と他の部材との接続部分に応力が集中し、容器本体部2の底部が破損し易くなる。これに対し、本実施形態では、底板202を一枚の板によって形成することで、容器本体部2の底部に衝撃が加わった場合であっても、底板202の一カ所に応力が集中し難くなる。これにより、本実施形態の容器本体部2においては、容器本体部2の底部に衝撃が加わった場合であっても、底板202にリブ或いは他の部材を設ける場合と比べて、容器本体部2の底部の破損(割れ等)を抑制できる。
次に、固定機構3の詳細について説明する。固定機構3は、蓋部1が容器本体部2の開口部2aを覆った状態で、蓋部1を容器本体部2に固定する。具体的には、図1及び図2に示すように、固定機構3は、蓋部1に設けられた係合爪31、及び容器本体部2に設けられた爪受け部32を備えている。
係合爪31は、蓋部1の下面の縁部に設けられている。係合爪31は、蓋部1を容器本体部2に重ねたときに、蓋部1の下面の縁部から、容器本体部2の底板202側に向かって立ち上がっている。本実施形態において、係合爪31は、長方形の蓋部1の各辺にそれぞれ2つずつ設けられている。なお、係合爪31を設ける数は、適宜変更することができる。
爪受け部32は、係合爪31と係合する。爪受け部32は、上側フランジ部21のうち、蓋部1が容器本体部2に重ねられたときに係合爪31と対向する部位によって構成されている。すなわち、上側フランジ部21は、爪受け部32の機構を兼ねている。図2に示すように、係合爪31が爪受け部32に係合することで、蓋部1が容器本体部2に固定される。
固定機構3は、容器本体部2の開口端部2bが蓋部1の溝部111内において予め設定された固定深さ位置まで嵌め込まれたときに、蓋部1を容器本体部2に固定する。すなわち、係合爪31は、容器本体部2の開口端部2bが蓋部1の溝部111に嵌め込まれて、開口端部2bが固定深さ位置に到達したときに爪受け部32と係合する(図2に示す状態)。
図2に示すように、パッキン12は、固定機構3による蓋部1の容器本体部2への固定時においては、弾性変形することにより溝部111内において開口端部2bを固定深さ位置に到達させることができる。図9に示すように、パッキン12は、固定機構3による蓋部1の容器本体部2への固定が解除された解除時においては、溝部111内における開口端部2bの嵌め込み深さ位置が固定深さ位置よりも浅い深さ位置となるように、開口端部2bと溝部111の底部とを弾性力によって離間させている。
蓋部1を容器本体部2に固定する場合、作業者は、蓋部1の溝部111内に容器本体部2の開口端部2bが嵌め込まれるようにして蓋部1を容器本体部2に重ねる。そして、作業者は、蓋部1を容器本体部2の底板202側に向けて押圧する。これにより、パッキン12が弾性変形し、溝部111内において開口端部2bが固定深さ位置に到達して、係合爪31が爪受け部32に係合する。係合爪31は、容器本体部2から蓋部1を取り外す方向においては爪受け部32に係合する形状に形成されている。固定機構3によって蓋部1が容器本体部2に固定された状態において、パッキン12は、溝部111の底部と容器本体部2の開口端部2bとによって圧縮されて弾性変形した状態となっている。
蓋部1が容器本体部2に固定された状態から、蓋部1を取り外す場合、作業者は、係合爪31又は蓋部1全体を撓ませて係合爪31の先端部を外側に広げることにより、係合爪31と爪受け部32との係合を解除する。これにより、パッキン12の弾性力によって蓋部1が持ち上がる(図9に示す状態)。固定機構3による固定が解除された状態で、作業者は、蓋部1を容器本体部2から取り外すことができる。ここでは、作業者が蓋部1を取り外す場合を例示したが、廃棄物処理施設内において蓋を取り外すための取り外し装置によって、蓋部1を自動で取り外すこともできる。
蓋部1及び容器本体部2には、無線通信によって情報を読み取り可能なRFID(radio frequency identifier)タグがそれぞれ取り付けられていてもよい。これにより、例えば、廃棄物処理施設内において蓋部1及び容器本体部2に取り付けられたRFIDタグを読み取ることで、蓋部1及び容器本体部2が再利用された回数の管理等を行うことができる。RFIDタグを蓋部1及び容器本体部2に取り付ける場合、RFIDタグの脱落防止のために、外部から直接触れることができない部位に取り付けることが望ましい。例えば、蓋部1にRFIDを取り付ける場合には、蓋部1の溝部111の底面に取り付けることができる。
本実施形態は以上のように構成され、この容器本体部2は、図5に示すように、容器本体部2同士を互いに入れ子状に積み重ねた場合、容器本体部2Aの側壁201の開口端部2bが、他方の容器本体部2Bの下側フランジ部22の底板202側の面に当接する。これにより、容器本体部2の開口部2aを上側に向けて、容器本体部2同士を互いに入れ子状に上下方向に積み重ねたときに、下側の容器本体部2の開口端部2bは、上側の容器本体部2の下側フランジ部22の面を支持する。また、容器本体部2の開口部2aを下側に向けて、容器本体部2同士を互いに入れ子状に上下方向に積み重ねたときに、上側の容器本体部2の開口端部2bが下側の容器本体部2の下側フランジ部22の面で支持される。
このように、側壁201の周方向に沿って延在する下側フランジ部22に容器本体部2の開口端部2bを当接させることで、下側フランジ部22と開口端部2bとの当接領域を広く確保することができる。すなわち、容器本体部2同士を互いに入れ子状に上下方向に積み重ねたときに開口端部2bに加わる荷重を、広い範囲に分散させることができる。ここで、熱を用いて容器本体部2の滅菌処理を行う場合、熱によって容器本体部2が変形し易い状態となることがある。しかしながら、本実施形態の容器本体部2では、上述のように容器本体部2同士を積み重ねたときに、開口端部2bに加わる荷重を広い範囲に分散させることができる。これにより、容器本体部2を互いに入れ子状に積み重ねて熱を用いて滅菌処理を行う場合であっても、容器本体部2の開口端部2bの変形を抑制しつつ、複数の容器本体部2を効率よく滅菌処理することができる。
下側フランジ部22に切り欠き22aを設けることで、例えば、滅菌処理を行う際に高温の蒸気を用いた場合、一方の容器本体部2の開口端部2bに他方の容器本体部2の下側フランジ部22の面が当接していても、切り欠き22aを介して一方の容器本体部2の内部に蒸気を導入することができる。これにより、容器本体部2が互いに入れ子状に積み重ねられていても、滅菌処理を適切に行うことができる。また、下側フランジ部22に切り欠き22aが設けられていることにより、蒸気を用いた滅菌処理時又は洗浄処理時に下側フランジ部22上に水又は洗浄液等の液体が溜まったとしても、切り欠き22aを介して下側フランジ部22上から液体を排出することができる。なお、切り欠き22aに代えて又は切り欠き22aに加えて、下側フランジ部22に孔を設けた場合も、切り欠き22aを設けた場合と同様の効果を奏する。
下側フランジ部22は、側壁201の周方向において少なくとも側壁201の4つの角部にそれぞれ設けられている。この場合には、容器本体部2同士を互いに入れ子状に上下方向に積み重ねたときに、容器本体部2が傾くことなく安定して容器本体部2を積み重ねることができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば、固定機構3において、蓋部1に係合爪31を設け、容器本体部2に爪受け部32を設けたが、この構成に限定されない。例えば、蓋部1に爪受け部32を設け、容器本体部2に係合爪31を設けてもよい。また、実施形態では、係合爪31等を撓ませて係合爪31と爪受け部32との係合を解除する構成としたが、係合爪31を蓋部1又は容器本体部2に対して回動可能に取り付け、バネの弾性力を用いて係合爪31を爪受け部32に係合させる構成であってもよい。この場合、バネを圧縮させつつ係合爪31を回動させることで、係合爪31と爪受け部32との係合を解除することができる。この場合には、係合爪31等を撓ませる必要が無いため、係合爪31等を撓ませることによって生じる係合爪31等の破損を抑制できる。なお、容器本体部2の開口端部2bが蓋部1の溝部111内において固定深さ位置に到達したときに蓋部1と容器本体部2とが固定される構成であれば、係合爪31及び爪受け部32を用いる以外にも、固定機構3の構成として種々の構成を採用できる。
実施形態では、オートクレーブを用いて容器本体部2等を滅菌処理する場合について説明したが、オートクレーブを用いることに限定されず、加熱ヒータを用いる等、熱を用いた種々の滅菌処理方法を採用してもよい。
なお、下側フランジ部22に切り欠き22a又は孔を設けることは、必須では無い。側壁201を略四角筒状としたが、これ以外の形状であってもよい。
2…容器本体部(廃棄物収容容器)、22…下側フランジ部(フランジ部)、22a…切り欠き、201…側壁、202…底板。
Claims (4)
- 底板及び前記底板の外周縁から筒状に立ち上がる側壁を備え、前記側壁の立ち上がり方向に互いに入れ子状に積み重ね可能な廃棄物収容容器であって、
前記側壁の外面から外方に向けて張り出すとともに、前記側壁の周方向に沿って延在するフランジ部を備え、
前記フランジ部における前記底板側の面は、入れ子状に積み重ねられたときに他の前記廃棄物収容容器の前記側壁の端部に当接する、廃棄物収容容器。 - 前記フランジ部には、前記側壁の立ち上がり方向に沿って貫通する孔が設けられている、請求項1に記載の廃棄物収容容器。
- 前記フランジ部における前記側壁側の端部には、前記フランジ部における前記側壁の立ち上がり方向の一方の面から他方の面にわたる切欠きが設けられている、請求項1に記載の廃棄物収容容器。
- 前記側壁は四角筒状であり、
前記フランジ部は、前記側壁の周方向において少なくとも前記側壁の4つの角部にそれぞれ設けられている、請求項1から3のいずれか一項に記載の廃棄物収容容器。
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- 2016-09-09 JP JP2016176527A patent/JP2018039634A/ja active Pending
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