[パチンコ遊技機の構成]
本発明に係る遊技機を実施するための形態を以下に説明する。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1は、パチンコ遊技機を正面から見た正面図である。図2は、主基板における回路構成の一例を示すブロック図である。尚、以下において、図1の手前側をパチンコ遊技機1の前方(前面、正面)側、奥側を背面(後方)側とし、パチンコ遊技機1を前面側から見たときの上下左右方向を基準として説明する。尚、本実施例におけるパチンコ遊技機1の前面とは、該パチンコ遊技機1にて遊技を行う遊技者と対向する対向面である。尚、本実施例におけるフローチャートの各ステップの説明において、例えば「ステップS1」と記載する箇所を「S1」と略記する場合がある。
図1は、本実施例におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(以下、遊技機と略記する場合がある)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、ガイドレール2bによって囲まれた正面視略円形状の遊技領域10が形成されている。この遊技領域10には、遊技媒体としての遊技球が打球発射装置(図示略)から発射されて打ち込まれる。また、遊技機用枠3には、ガラス窓50aを有するガラス扉枠50が左側辺を中心として回動可能に設けられ、該ガラス扉枠50により遊技領域10を開閉できるようになっており、ガラス扉枠50を閉鎖したときにガラス窓50aを通して遊技領域10を透視できるようになっている。
図1に示すように、遊技盤2は、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、メタクリル樹脂等の透光性を有する合成樹脂材にて正面見略四角形状に形成され、前面である遊技盤面に障害釘(図示略)やガイドレール2b等が設けられた盤面板(図示略)と、該盤面板の背面側に一体的に取り付けられるスペーサ部材(図示略)と、から主に構成されている。尚、遊技盤2は、ベニヤ板等の非透光性部材にて正面見略四角形状に構成され、前面である遊技盤面に障害釘(図示略)やガイドレール2b等が設けられた盤面板にて構成されてもよい。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域10の右側下部位置)には、第1特別図柄表示器4Aと、第2特別図柄表示器4Bとが設けられている。第1特別図柄表示器4Aと第2特別図柄表示器4Bはそれぞれ、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成され、変動表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)が、変動可能に表示(変動表示または可変表示ともいう)される。例えば、第1特別図柄表示器4Aと第2特別図柄表示器4Bはそれぞれ、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の特別図柄を変動表示する。尚、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bにおいて表示される特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成されるものに限定されず、例えば7セグメントのLEDにおいて点灯させるものと消灯させるものとの組合せを異ならせた複数種類の点灯パターンが、複数種類の特別図柄として予め設定されていればよい。
以下では、第1特別図柄表示器4Aにおいて変動表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示器4Bにおいて変動表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。
遊技盤2における遊技領域10の中央付近には、演出表示装置5が設けられている。演出表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。演出表示装置5の表示領域では、特図ゲームにおける第1特別図柄表示器4Aによる第1特図の変動表示や第2特別図柄表示器4Bによる第2特図の変動表示のそれぞれに対応して、例えば3つといった複数の変動表示部となる演出図柄表示エリアにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である演出図柄が変動表示される。この演出図柄の変動表示も、変動表示ゲームに含まれる。
一例として、演出表示装置5の表示領域には、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L,5C,5Rが配置されている。特図ゲームにおける変動表示結果として確定特別図柄が停止表示されるときに、演出表示装置5における「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにて、演出図柄の変動表示結果となる確定演出図柄(最終停止図柄)が停止表示される。
このように、演出表示装置5の表示領域では、第1特別図柄表示器4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム、または、第2特別図柄表示器4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームと同期して、各々が識別可能な複数種類の演出図柄の変動表示を行い、変動表示結果となる確定演出図柄を導出表示(あるいは単に「導出」ともいう)する。尚、例えば特別図柄や演出図柄といった、各種の表示図柄を導出表示するとは、演出図柄等の識別情報を停止表示(完全停止表示や最終停止表示ともいう)して変動表示を終了させることである。
「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにて変動表示される演出図柄には、例えば8種類の図柄(英数字「1」〜「8」あるいは漢数字や、英文字、所定のモチーフに関連する8個のキャラクタ画像、数字や文字あるいは記号とキャラクタ画像との組合せなどであればよく、キャラクタ画像は、例えば人物や動物、これら以外の物体、もしくは、文字などの記号、あるいは、その他の任意の図形を示す飾り画像であればよい)で構成される。演出図柄のそれぞれには、対応する図柄番号が付されている。例えば、「1」〜「8」を示す英数字それぞれに対して、「1」〜「8」の図柄番号が付されている。尚、演出図柄は8種類に限定されず、大当り組合せやはずれとなる組合せなど適当な数の組合せを構成可能であれば、何種類であってもよい(例えば7種類や9種類など)。
演出表示装置5の表示領域の下部の左右2箇所には、第1保留記憶表示エリア5D、第2保留記憶表示エリア5Uが設定されている。第1保留記憶表示エリア5D、第2保留記憶表示エリア5Uでは、特図ゲームに対応した変動表示の保留記憶数(特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留記憶表示が行われる。
ここで、特図ゲームに対応した変動表示の保留は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口や、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を、遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生する。すなわち、特図ゲームや演出図柄の変動表示といった変動表示ゲームを実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく変動表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されていることなどにより、変動表示ゲームの開始を許容する開始条件が成立していないときに、成立した始動条件に対応する変動表示の保留が行われる。本実施例では、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生した保留記憶表示を丸型の白色表示とし、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生した保留記憶表示を同様に丸型の白色表示とする。
図1に示す例では、第1特別図柄表示器4A及び第2特別図柄表示器4Bの上方位置に、特図保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aは、第1特図保留記憶数を特定可能に表示する。第2保留表示器25Bは、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。
演出表示装置5の下方には、普通入賞球装置6Aと、普通可変入賞球装置6Bとが設けられている。普通入賞球装置6Aは、例えば所定の球受部材によって常に一定の開放状態に保たれる始動領域(第1始動領域)としての第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置6Bは、図2に示す普通電動役物用となるソレノイド81によって、垂直位置となる通常開放状態と傾動位置となる拡大開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物)を備え、始動領域(第2始動領域)としての第2始動入賞口を形成する。
一例として、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しがたい通常開放状態となる。その一方で、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となる傾動制御により、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすい拡大開放状態となる。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出される。普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出される。第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第1特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第1始動条件が成立する。第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第2特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第2始動条件が成立する。尚、第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数と、第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数は、互いに同一の個数であってもよいし、異なる個数であってもよい。
普通入賞球装置6Aと普通可変入賞球装置6Bの下方位置には、特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、図2に示す大入賞口扉用となるソレノイド82によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。
一例として、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が大入賞口を通過(進入)できなくする。その一方で、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態として、遊技球が大入賞口を通過(進入)しやすくする。このように、特定領域としての大入賞口は、遊技球が通過(進入)しやすく遊技者にとって有利な開放状態と、遊技球が通過(進入)できず遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。尚、遊技球が大入賞口を通過(進入)できない閉鎖状態に代えて、あるいは閉鎖状態の他に、遊技球が大入賞口を通過(進入)しにくい一部開放状態を設けてもよい。
大入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示すカウントスイッチ23によって検出される。カウントスイッチ23によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、特別可変入賞球装置7において開放状態となった大入賞口を遊技球が通過(進入)したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口といった、他の入賞口を遊技球が通過(進入)したときよりも多くの賞球が払い出される。従って、特別可変入賞球装置7において大入賞口が開放状態となれば、その大入賞口に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置7において大入賞口が閉鎖状態となれば、大入賞口に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることが不可能または困難になり、遊技者にとって不利な第2状態となる。
第2保留表示器25Bの上方位置には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bと同様に7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄(「普図」あるいは「普通図」ともいう)を変動可能に表示(変動表示)する。このような普通図柄の変動表示は、普図ゲーム(「普通図ゲーム」ともいう)と称される。
普通図柄表示器20の上方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、通過ゲート41を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。また、第1始動入賞口、第2始動入賞口及び大入賞口とは異なる入賞口として、例えば所定の球受部材によって常に一定の開放状態に保たれる単一または複数の一般入賞口が設けられてもよい。この場合には、一般入賞口のいずれかに進入した遊技球が所定の一般入賞球スイッチによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出されればよい。遊技領域10の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L,8Rが設けられており、さらに遊技領域10の周辺部には、演出用LED9が設けられている。パチンコ遊技機1の遊技領域10における各構造物(例えば普通入賞球装置6A、普通可変入賞球装置6B、特別可変入賞球装置7等)の周囲には、装飾用LEDが配置されていてもよい。遊技機用枠3の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域10に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。例えば、打球操作ハンドルは、遊技者等による操作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力を調整する。打球操作ハンドルには、打球発射装置(図示略)が備える発射モータの駆動を停止させるための単発発射スイッチや、タッチリング(タッチセンサ)が設けられていればよい。
遊技領域10の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、発射装置(図示略)へと供給可能に保持(貯留)する上皿(打球供給皿)が設けられている。遊技機用枠3の下部には、上皿から溢れた余剰球などを、パチンコ遊技機1の外部へと排出可能に保持(貯留)する下皿が設けられている。
下皿を形成する部材には、例えば下皿本体の上面における手前側の所定位置(例えば下皿の中央部分)などに、遊技者が把持して傾倒操作が可能なスティックコントローラ31Aが取り付けられている。スティックコントローラ31Aは、遊技者が把持する操作桿を含み、操作桿の所定位置(例えば遊技者が操作桿を把持したときに操作手の人差し指が掛かる位置など)には、トリガボタンが設けられている。トリガボタンは、遊技者がスティックコントローラ31Aの操作桿を操作手(例えば左手など)で把持した状態において、所定の操作指(例えば人差し指など)で押引操作することなどにより所定の指示操作ができるように構成されていればよい。操作桿の内部には、トリガボタンに対する押引操作などによる所定の指示操作を検出するトリガセンサが内蔵されていればよい。
スティックコントローラ31Aの下部における下皿の本体内部などには、操作桿に対する傾倒操作を検出するコントローラセンサユニット35Aが設けられていればよい。例えば、コントローラセンサユニットは、パチンコ遊技機1と正対する遊技者の側から見て操作桿の中心位置よりも左側で遊技盤2の盤面と平行に配置された2つの透過形フォトセンサ(平行センサ対)と、この遊技者の側から見て操作桿の中心位置よりも右側で遊技盤2の盤面と垂直に配置された2つの透過形フォトセンサ(垂直センサ対)とを組合せた4つの透過形フォトセンサを含んで構成されていればよい。
上皿を形成する部材には、例えば上皿本体の上面における手前側の所定位置(例えばスティックコントローラ31Aの上方)などに、遊技者が押下動作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン31Bが設けられている。プッシュボタン31Bは、遊技者からの押下動作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン31Bの設置位置における上皿の本体内部などには、プッシュボタン31Bに対してなされた遊技者による押下動作を検出するプッシュセンサ35Bが設けられていればよい。
次に、パチンコ遊技機1における遊技の進行を概略的に説明する。パチンコ遊技機1では、遊技領域10に設けられた通過ゲート41を通過した遊技球が図2に示すゲートスイッチ21によって検出されたことといった、普通図柄表示器20にて普通図柄の変動表示を実行するための普図始動条件が成立した後に、例えば前回の普図ゲームが終了したことといった、普通図柄の変動表示を開始するための普図開始条件が成立したことに基づいて、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始される。
この普図ゲームでは、普通図柄の変動を開始させた後、普図変動時間となる所定時間が経過すると、普通図柄の変動表示結果となる確定普通図柄を停止表示(導出表示)する。このとき、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字といった、特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の変動表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字以外の数字や記号といった、普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の変動表示結果が「普図はずれ」となる。普通図柄の変動表示結果が「普図当り」となったことに対応して、普通可変入賞球装置6Bを構成する電動チューリップの可動翼片が傾動位置となる拡大開放制御(傾動制御)が行われ、所定時間が経過すると垂直位置に戻る通常開放制御が行われる。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球が図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出されたことなどにより第1始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第1開始条件が成立したことに基づいて、第1特別図柄表示器4Aによる特図ゲームが開始される。また、普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球が図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出されたことなどにより第2始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第2開始条件が成立したことに基づいて、第2特別図柄表示器4Bによる特図ゲームが開始される。
第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bによる特図ゲームでは、特別図柄の変動表示を開始させた後、特図変動時間としての変動表示時間が経過すると、特別図柄の変動表示結果となる確定特別図柄(特図表示結果)を導出表示する。このとき、確定特別図柄として特定の特別図柄(大当り図柄)が停止表示されれば、特定表示結果としての「大当り」となり、大当り図柄とは異なる特別図柄が確定特別図柄として停止表示されれば「はずれ」となる。尚、大当り図柄とは異なる所定の特別図柄(小当り図柄)が停止表示されるようにしても良く、これら所定表示結果としての所定の特別図柄(小当り図柄)が停止表示される場合には、大当り遊技状態とは異なる特殊遊技状態としての小当り遊技状態に制御すれば良い。
特図ゲームでの変動表示結果が「大当り」になった後には、遊技者にとって有利なラウンド(「ラウンド遊技」ともいう)を所定回数実行する特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。
本実施例におけるパチンコ遊技機1では、一例として、「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄を大当り図柄とし、「−」の記号を示す特別図柄をはずれ図柄としている。尚、小当り図柄を停止表示する場合には、例えば、「2」の数字を示す特別図柄を小当り図柄とすれば良い。尚、第1特別図柄表示器4Aによる特図ゲームにおける大当り図柄やはずれ図柄といった各図柄は、第2特別図柄表示器4Bによる特図ゲームにおける各図柄とは異なる特別図柄となるようにしてもよいし、双方の特図ゲームにおいて共通の特別図柄が大当り図柄やはずれ図柄となるようにしてもよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として「3」、「5」、「7」の数字を示す大当り図柄が停止表示されて特定表示結果としての「大当り」となった後、大当り遊技状態において、特別可変入賞球装置7の大入賞口扉が、所定の上限時間(例えば29秒間や0.1秒間)が経過するまでの期間あるいは所定個数(例えば9個)の入賞球が発生するまでの期間にて、大入賞口を開放状態とする。これにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)とするラウンドが実行される。
ラウンドの実行中に大入賞口を開放状態とした大入賞口扉は、遊技盤2の表面を落下する遊技球を受け止め、その後に大入賞口を閉鎖状態とすることにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって不利な第2状態(閉鎖状態)に変化させて、1回のラウンドを終了させる。大入賞口の開放サイクルであるラウンドは、その実行回数が所定の上限回数(例えば「16」など)に達するまで、繰り返し実行可能となっている。尚、ラウンドの実行回数が上限回数に達する前であっても、所定条件の成立(例えば大入賞口に遊技球が入賞しなかったことなど)により、ラウンドの実行が終了するようにしてもよい。
大当り遊技状態におけるラウンドのうち、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)とする上限時間が比較的に長い時間(例えば29秒など)となるラウンドは、通常開放ラウンドともいう。一方、特別可変入賞球装置7を第1状態(開放状態)とする上限時間が比較的に短い時間(例えば0.1秒など)となるラウンドは、短期開放ラウンドともいう。
尚、小当り図柄(例えば「2」の数字)を停止表示する場合にあっては、これら小当り図柄が確定特別図柄として導出された後に、特殊遊技状態としての小当り遊技状態に制御すれば良い。具体的に小当り遊技状態では、例えば、上記した、実質的には出球(賞球)が得られない短期開放大当り状態と同様に特別可変入賞球装置7において大入賞口を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)に変化させる可変入賞動作を実行すれば良い。
演出表示装置5に設けられた「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L,5C,5Rでは、第1特別図柄表示器4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示器4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームとのうち、いずれかの特図ゲームが開始されることに対応して、演出図柄の変動表示が開始される。そして、演出図柄の変動表示が開始されてから「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにおける確定演出図柄の停止表示により変動表示が終了するまでの期間では、演出図柄の変動表示状態が所定のリーチ状態となることがある。
ここで、リーチ状態とは、演出表示装置5の表示領域にて停止表示された演出図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない演出図柄(「リーチ変動図柄」ともいう)については変動が継続している表示状態、あるいは、全部または一部の演出図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示状態のことである。具体的には、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにおける一部(例えば「左」及び「右」の演出図柄表示エリア5L,5Rなど)では予め定められた大当り組合せを構成する演出図柄(例えば「7」の英数字を示す演出図柄)が停止表示されているときに未だ停止表示していない残りの演出図柄表示エリア(例えば「中」の演出図柄表示エリア5Cなど)では演出図柄が変動している表示状態、あるいは、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにおける全部または一部で演出図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示状態である。
また、リーチ状態となったことに対応して、演出図柄の変動速度を低下させたり、演出表示装置5の表示領域に演出図柄とは異なるキャラクタ画像(人物等を模した演出画像)を表示させたり、背景画像の表示態様を変化させたり、演出図柄とは異なる動画像を再生表示させたり、演出図柄の変動態様を変化させたりすることで、リーチ状態となる以前とは異なる演出動作が実行される場合がある。このようなキャラクタ画像の表示や背景画像の表示態様の変化、動画像の再生表示、演出図柄の変動態様の変化といった演出動作を、リーチ演出表示(あるいは単にリーチ演出)という。尚、リーチ演出には、演出表示装置5における表示動作のみならず、スピーカ8L,8Rによる音声出力動作や、演出用LED9などの発光体における点灯動作(点滅動作)などを、リーチ状態となる以前の動作態様とは異なる動作態様とすることが含まれていてもよい。
リーチ演出における演出動作としては、互いに動作態様(リーチ態様)が異なる複数種類の演出パターン(「リーチパターン」ともいう)が、予め用意されていればよい。そして、それぞれのリーチ態様では「大当り」となる可能性(「信頼度」あるいは「大当り信頼度」ともいう)が異なる。すなわち、複数種類のリーチ演出のいずれが実行されるかに応じて、変動表示結果が「大当り」となる可能性を異ならせることができる。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、はずれ図柄となる特別図柄が停止表示(導出)される場合には、演出図柄の変動表示が開始されてから、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態とならずに、所定の非リーチ組合せとなる確定演出図柄が停止表示されることがある。このような演出図柄の変動表示態様は、変動表示結果が「はずれ」となる場合における「非リーチ」(「通常はずれ」ともいう)の変動表示態様と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、はずれ図柄となる特別図柄が停止表示(導出)される場合には、演出図柄の変動表示が開始されてから、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となったことに対応して、リーチ演出が実行された後に、あるいは、リーチ演出が実行されずに、所定のリーチはずれ組合せとなる確定演出図柄が停止表示されることがある。このような演出図柄の変動表示結果は、変動表示結果が「はずれ」となる場合における「リーチ」(「リーチはずれ」ともいう)の変動表示態様と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、大当り図柄となる特別図柄のうち「3」の数字を示す大当り図柄が停止表示される場合には、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となったことに対応して、所定のリーチ演出が実行された後に、複数種類の大当り組合せのうち、所定の通常大当り組合せ(「非確変大当り組合せ」ともいう)となる確定演出図柄が停止表示される。尚、リーチ演出が実行されずに、確定演出図柄として非確変大当り組合せを停止表示しても良い。
通常大当り組合せ(非確変大当り組合せ)となる確定演出図柄は、例えば演出表示装置5における「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにて変動表示される図柄番号が「1」〜「8」の演出図柄のうち、図柄番号が偶数「2」、「4」、「6」、「8」である演出図柄のいずれか1つが、「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであればよい。通常大当り組合せを構成する図柄番号が偶数「2」、「4」、「6」、「8」である演出図柄は、通常図柄(「非確変図柄」ともいう)と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄が通常大当り図柄となることに対応して、所定のリーチ演出が実行された後に、通常大当り組合せ(非確変大当り組合せ)の確定演出図柄が停止表示される演出図柄の変動表示態様は、変動表示結果が「大当り」となる場合における「非確変」(「通常大当り」ともいう)の変動表示態様(「大当り種別」ともいう)と称される。尚、リーチ演出が実行されずに、確定演出図柄として通常大当り組合せ(非確変大当り組合せ)を停止表示しても良い。「非確変」の大当り種別で変動表示結果が「大当り」となったことに基づいて、通常開放大当り状態に制御され、その終了後には、時間短縮制御(時短制御)が行われる。時短制御が行われることにより、特図ゲームにおける特別図柄の変動表示時間(特図変動時間)は、通常状態に比べて短縮される。尚、時短制御では、後述するように普通図柄の当選頻度が高められて、普通可変入賞球装置6Bへの入賞頻度が高められる、いわゆる電チューサポートが実施される。ここで、通常状態とは、大当り遊技状態等の特定遊技状態などとは異なる通常遊技状態であり、パチンコ遊技機1の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に初期化処理を実行した状態)と同一の制御が行われる。時短制御は、大当り遊技状態の終了後に所定回数(例えば100回)の特図ゲームが実行されることと、変動表示結果が「大当り」となることのうち、いずれかの条件が先に成立したときに、終了すればよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、大当り図柄となる特別図柄のうち、「5」、「7」の数字を示す特別図柄といった確変大当り図柄が停止表示される場合には、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となったことに対応して、演出図柄の変動表示態様が「通常」である場合と同様のリーチ演出が実行された後に、複数種類の大当り組合せのうち、所定の確変大当り組合せとなる確定演出図柄が停止表示されることがある。尚、リーチ演出が実行されずに、確定演出図柄として確変大当り組合せを停止表示しても良い。確変大当り組合せとなる確定演出図柄は、例えば演出表示装置5における「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにて変動表示される図柄番号が「1」〜「8」の演出図柄のうち、図柄番号が「5」または「7」である演出図柄が、「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであればよい。確変大当り組合せを構成する図柄番号が「5」及び「7」である演出図柄は、確変図柄と称される。特図ゲームにおける確定特別図柄として確変大当り図柄が停止表示される場合に、演出図柄の変動表示結果として、通常大当り組合せとなる確定演出図柄が停止表示されることがあるようにしてもよい。
確定演出図柄が通常大当り組合せであるか確変大当り組合せであるかにかかわらず、特図ゲームにおける確定特別図柄として確変大当り図柄が停止表示される変動表示態様は、変動表示結果が「大当り」となる場合における「確変」の変動表示態様(「大当り種別」ともいう)と称される。尚、本実施例では、「確変」の大当り種別のうち、確定特別図柄として「5」、「7」の変動表示結果にて「大当り」となったことに基づいて、通常開放大当り状態に制御され、その終了後には、時短制御とともに確率変動制御(確変制御)が行われる。
これら確変制御が行われることにより、各回の特図ゲームにおいて変動表示結果(特図表示結果)が「大当り」となる確率は、通常状態に比べて高くなるように向上する。確変制御は、大当り遊技状態の終了後に変動表示結果が「大当り」となって再び大当り遊技状態に制御されるという条件が成立したときに、終了すればよい。尚、時短制御と同様に、大当り遊技状態の終了後に所定回数(例えば時短回数と同じ100回や、時短回数とは異なる90回)の特図ゲームが実行されたときに、確変制御を終了してもよい。また、大当り遊技状態の終了後に特図ゲームが開始されるごとに実行される確変転落抽選にて確変制御を終了させる「確変転落あり」の決定がなされたときに、確変制御を終了してもよい。
時短制御が行われるときには、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の変動表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、変動表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動制御を行う傾動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御といった、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすくして第2始動条件が成立する可能性を高めることで遊技者にとって有利となる制御(電チューサポート制御)が行われる。このように、時短制御に伴い第2始動入賞口に遊技球が進入しやすくして遊技者にとって有利となる制御は、高開放制御ともいう。高開放制御としては、これらの制御のいずれか1つが行われるようにしてもよいし、複数の制御が組合せられて行われるようにしてもよい。
高開放制御が行われることにより、第2始動入賞口は、高開放制御が行われていないときよりも拡大開放状態となる頻度が高められる。これにより、第2特別図柄表示器4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立しやすくなり、特図ゲームが頻繁に実行可能となることで、次に変動表示結果が「大当り」となるまでの時間が短縮される。高開放制御が実行可能となる期間は、高開放制御期間ともいい、この期間は、時短制御が行われる期間と同一であればよい。
時短制御と高開放制御がともに行われる遊技状態は、時短状態あるいは高ベース状態ともいう。また、確変制御が行われる遊技状態は、確変状態あるいは高確状態ともいう。確変制御とともに時短制御や高開放制御が行われる遊技状態は、高確高ベース状態とも称される。尚、本実施例では制御される遊技状態としては設定されていないが、確変制御のみが行われて時短制御や高開放制御が行われない確変状態は、高確低ベース状態とも称される。また、確変制御とともに時短制御や高開放制御が行われる遊技状態のみを、特に「確変状態」ということもあり、高確低ベース状態とは区別するために、時短付確変状態ということもある。一方、確変制御のみが行われて時短制御や高開放制御が行われない確変状態(高確低ベース状態)は、高確高ベース状態と区別するために、時短なし確変状態ということもある。確変制御が行われずに時短制御や高開放制御が行われる時短状態は、低確高ベース状態とも称される。確変制御や時短制御及び高開放制御がいずれも行われない通常状態は、低確低ベース状態とも称される。通常状態以外の遊技状態において時短制御や確変制御の少なくともいずれかが行われるときには、特図ゲームが頻繁に実行可能となることや、各回の特図ゲームにおける変動表示結果が「大当り」となる確率が高められることにより、遊技者にとって有利な状態となる。大当り遊技状態とは異なる遊技者にとって有利な遊技状態は、特別遊技状態とも称される。
尚、小当り図柄を停止表示する場合にあっては、前述した小当り遊技状態に制御した後には、遊技状態の変更が行われず、変動表示結果が「小当り」となる以前の遊技状態に継続して制御すれば良い。
パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板15なども搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1における遊技盤2などの背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、演出制御基板12などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板11は、第1特別図柄表示器4Aと第2特別図柄表示器4Bを構成する各LED(例えばセグメントLED)などの点灯/消灯制御を行って第1特図や第2特図の変動表示を制御することや、普通図柄表示器20の点灯/消灯/発色制御などを行って普通図柄表示器20による普通図柄の変動表示を制御することといった、所定の表示図柄の変動表示を制御する機能も備えている。
主基板11には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100や、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送するスイッチ回路110、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号をソレノイド81,82に伝送するソレノイド回路111などが搭載されている。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板15を介して主基板11から伝送された制御信号を受信して、演出表示装置5、スピーカ8L,8R及び演出用LED9といった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。すなわち、演出制御基板12は、演出表示装置5における表示動作や、スピーカ8L,8Rからの音声出力動作の全部または一部、演出用LED9などにおける点灯/消灯動作の全部または一部といった、演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させるための制御内容を決定する機能を備えている。
音声制御基板13は、演出制御基板12とは別個に設けられた音声出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、スピーカ8L,8Rから音声を出力させるための音声信号処理を実行する処理回路などが搭載されている。ランプ制御基板14は、演出制御基板12とは別個に設けられたランプ出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、演出用LED9などにおける点灯/消灯駆動を行うランプドライバ回路などが搭載されている。
図2に示すように、主基板11には、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23からの検出信号を伝送する配線が接続されている。尚、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23は、例えばセンサと称されるものなどのように、遊技媒体としての遊技球を検出できる任意の構成を有するものであればよい。また、主基板11には、第1特別図柄表示器4A、第2特別図柄表示器4B、普通図柄表示器20、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25Cなどの表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号は、中継基板15によって中継される。中継基板15を介して主基板11から演出制御基板12に対して伝送される制御コマンドは、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。演出制御コマンドには、例えば、演出図柄の変動時間及びリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを示す変動パターン指定コマンドや、演出表示装置5における画像表示動作を制御するために用いられる表示制御コマンドや、スピーカ8L,8Rからの音声出力を制御するために用いられる音声制御コマンド、演出用LED9や装飾用LEDの点灯動作などを制御するために用いられるランプ制御コマンドが含まれている。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM(Read Only Memory)101と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM(Random Access Memory)102と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU(Central Processing Unit)103と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O(Input/Output port)105と、を備えて構成される。
一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される。このときには、CPU103がROM101から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU103がRAM102に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU103がRAM102に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
図2に示すように、演出制御基板12には、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM121と、演出制御用CPU120のワークエリアを提供するRAM122と、演出表示装置5における表示動作の制御内容を決定するための処理などを実行する表示制御部123と、演出制御用CPU120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。
一例として、演出制御基板12では、演出制御用CPU120がROM121から読み出した演出制御用のプログラムを実行することにより、演出用の電気部品による演出動作を制御するための処理が実行される。このときには、演出制御用CPU120がROM121から固定データを読み出す固定データ読出動作や、演出制御用CPU120がRAM122に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、演出制御用CPU120がRAM122に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
また、本実施例では、演出表示装置5は遊技盤2よりも背面側に配設され、該遊技盤2に形成された開口2cを通して視認できるようになっている。尚、遊技盤2における開口2cには枠状のセンター飾り枠51が設けられている。また、遊技盤2の背面と演出表示装置5との間には演出ユニット300が設けられており、演出制御基板12には、この演出ユニット300に設けられる各種モータ(第1演出用モータ303、第2演出用モータ330)、ソレノイド、センサ、発光ダイオード(LED)等の複数の電子部品が接続されている。尚、図2において、これら電子部品のうち第1演出用モータ303、第2演出用モータ330以外の図示は省略している。
尚、演出制御基板12の側においても、主基板11と同様に、例えば、予告演出等の各種の演出の種別を決定するための乱数値(演出用乱数ともいう)が設定されている。
図2に示す演出制御基板12に搭載されたROM121には、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のデータテーブルなどが格納されている。例えば、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルを構成するテーブルデータ、各種の演出制御パターンを構成するパターンデータなどが記憶されている。
一例として、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の演出装置(例えば演出表示装置5やスピーカ8L,8R、演出用LED9及び装飾用LED、演出用模型など)による演出動作を制御するために使用する演出制御パターンを複数種類格納した演出制御パターンテーブルが記憶されている。演出制御パターンは、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応して、その制御内容を示すデータなどから構成されている。演出制御パターンテーブルには、例えば特図変動時演出制御パターンと、予告演出制御パターンと、各種演出制御パターン等が、格納されていればよい。
特図変動時演出制御パターンは、複数種類の変動パターンに対応して、特図ゲームにおいて特別図柄の変動が開始されてから特図表示結果となる確定特別図柄が導出表示されるまでの期間における、演出図柄の変動表示動作やリーチ演出、再抽選演出などにおける演出表示動作、あるいは、演出図柄の変動表示を伴わない各種の演出表示動作といった、様々な演出動作の制御内容を示すデータなどから構成されている。予告演出制御パターンは、例えば、予め複数パターンが用意された予告パターンに対応して実行される予告演出となる演出動作の制御内容を示すデータなどから構成されている。各種演出制御パターンは、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応して、その制御内容を示すデータなどから構成されている。
特図変動時演出制御パターンのうちには、例えばリーチ演出を実行する変動パターンごとに、それぞれのリーチ演出における演出態様を異ならせた複数種類のリーチ演出制御パターンが含まれてもよい。
尚、演出図柄の変動表示中において実行される予告演出としては、例えば、後述するように可動部材321が上昇する可動予告や、遊技者がスティックコントローラ31Aまたはプッシュボタン31Bを操作したことを条件に実行される操作予告、所定の画像が段階的に切り替わるステップアップ予告、キャラクタが登場してセリフを喋るセリフ予告、所定の画像が割込み表示されるカットイン予告といった大当りの可能性を示唆する大当り予告演出や、リーチになるか否かを示唆するリーチ予告、擬似連になるか否かを予告する擬似連予告、停止図柄を予告する停止図柄予告、遊技状態が確率変動状態であるか否か(潜伏しているか否か)を予告する潜伏予告といったように、変動表示開始時やリーチ成立時において実行される複数の予告を含む。
[パチンコ遊技機の動作]
次に、本実施例におけるパチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU103は、割込み禁止に設定した後、必要な初期設定を行う。この初期設定では、例えばRAM102がクリアされる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定を行う。これにより、以後、所定時間(例えば、2ミリ秒)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU103へ送出され、CPU103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。初期設定が終了すると、割込みを許可した後、ループ処理に入る。尚、遊技制御メイン処理では、パチンコ遊技機1の内部状態を前回の電力供給停止時における状態に復帰させるための処理を実行してから、ループ処理に入るようにしてもよい。
こうした遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、図14のフローチャートに示す遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。図14に示す遊技制御用タイマ割込み処理を開始すると、CPU103は、まず、所定のスイッチ処理を実行することにより、スイッチ回路110を介してゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23といった各種スイッチから入力される検出信号の状態を判定する(S11)。続いて、所定のメイン側エラー処理を実行することにより、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする(S12)。この後、所定の情報出力処理を実行することにより、例えばパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する(S13)。
情報出力処理に続いて、主基板11の側で用いられる乱数値MR1〜MR4といった遊技用乱数の少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための遊技用乱数更新処理を実行する(S14)。この後、CPU103は、特別図柄プロセス処理を実行する(S15)。特別図柄プロセス処理では、遊技制御フラグ設定部(図示略)に設けられた特図プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bにおける表示動作の制御や、特別可変入賞球装置7における大入賞口の開閉動作設定などを、所定の手順で行うために、各種の処理が選択されて実行される。
特別図柄プロセス処理に続いて、普通図柄プロセス処理が実行される(S16)。CPU103は、普通図柄プロセス処理を実行することにより、普図表示結果判定用の乱数値MR4を用いて普通図柄の変動表示態様を決定し、普通図柄表示器20における表示動作(例えばセグメントLEDの点灯、消灯など)を制御して、普通図柄の変動表示や普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動動作設定などを可能にする。
普通図柄プロセス処理を実行した後、CPU103は、コマンド制御処理を実行することにより、主基板11から演出制御基板12などのサブ側の制御基板に対して制御コマンドを伝送させる(S17)。これらの一例として、コマンド制御処理では、遊技制御バッファ設定部に設けられた送信コマンドバッファの値によって指定されたコマンド送信テーブルにおける設定に対応して、I/O105に含まれる出力ポートのうち、演出制御基板12に対して演出制御コマンドを送信するための出力ポートに制御データをセットした後、演出制御INT信号の出力ポートに所定の制御データをセットして演出制御INT信号を所定時間にわたりオン状態としてからオフ状態とすることなどにより、コマンド送信テーブルでの設定に基づく演出制御コマンドの伝送を可能とする。コマンド制御処理を実行した後には、割込み許可状態に設定してから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
図15は、特別図柄プロセス処理として、図14に示すS15にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、始動入賞判定処理を実行する(S21)。該始動入賞判定処理を実行した後、CPU103は、遊技制御フラグ設定部に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、S22〜S29の処理のいずれかを選択して実行する。
始動入賞判定処理では、まず、第1始動口スイッチ22Aや第2始動口スイッチ22Bによる第1始動入賞や第2始動入賞があったか否かを判定し、入賞があった場合には、特図表示結果判定用の乱数値MR1、大当り種別判定用の乱数値MR2、変動パターン判定用の乱数値MR3を抽出して、第1始動入賞である場合には、第1特図保留記憶部における空きエントリの最上位に格納し、第2始動入賞である場合には、第2特図保留記憶部における空きエントリの最上位に格納する。
S22の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。この特別図柄通常処理では、第1特図保留記憶部や第2特図保留記憶部に記憶されている保留データの有無などに基づいて、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bによる特図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。また、特別図柄通常処理では、特図表示結果判定用の乱数値MR1を示す数値データに基づき、特別図柄や演出図柄の変動表示結果を「大当り」とするか否かを、その変動表示結果が導出表示される前に決定(事前決定)する。さらに、特別図柄通常処理では、特図ゲームにおける特別図柄の変動表示結果に対応して、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bによる特図ゲームにおける確定特別図柄(大当り図柄やはずれ図柄のいずれか)が設定される。特別図柄通常処理では、特別図柄や演出図柄の変動表示結果を事前決定したときに、特図プロセスフラグの値が“1”に更新される。
S23の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この変動パターン設定処理には、変動表示結果を「大当り」とするか否かの事前決定結果などに基づき、変動パターン判定用の乱数値MR3を示す数値データを用いて変動パターンを複数種類のいずれかに決定する処理などが含まれている。変動パターン設定処理が実行されて特別図柄の変動表示が開始されたときには、特図プロセスフラグの値が“2”に更新される。
S22の特別図柄通常処理やS23の変動パターン設定処理により、特別図柄の変動表示結果となる確定特別図柄や特別図柄及び演出図柄の変動表示時間を含む変動パターンが決定される。すなわち、特別図柄通常処理や変動パターン設定処理は、特図表示結果判定用の乱数値MR1、大当り種別判定用の乱数値MR2、変動パターン判定用の乱数値MR3を用いて、特別図柄や演出図柄の変動表示態様を決定する処理を含んでいる。
S24の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この特別図柄変動処理には、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bにおいて特別図柄を変動させるための設定を行う処理や、その特別図柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理などが含まれている。そして、特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達したときには、特図プロセスフラグの値が“3”に更新される。
S25の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この特別図柄停止処理には、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bにて特別図柄の変動を停止させ、特別図柄の変動表示結果となる確定特別図柄を停止表示(導出)させるための設定を行う処理が含まれている。そして、遊技制御フラグ設定部に設けられた大当りフラグがオンとなっているか否かの判定などが行われる。そして、大当りフラグがオンである場合には特図プロセスフラグの値が“4”に更新される。その一方で、大当りフラグがオフである場合には、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
S26の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この大当り開放前処理には、変動表示結果が「大当り」となったことなどに基づき、大当り遊技状態においてラウンドの実行を開始して大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。このときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される。
S27の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間やカウントスイッチ23によって検出された遊技球の個数などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。そして、大入賞口を閉鎖状態に戻すときには、大入賞口扉用のソレノイド82に対するソレノイド駆動信号の供給を停止させる処理などを実行した後、特図プロセスフラグの値が“6”に更新される。
S28の大当り開放後処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大当り開放後処理には、大入賞口を開放状態とするラウンドの実行回数が大入賞口開放回数最大値に達したか否かを判定する処理や、大入賞口開放回数最大値に達した場合に大当り終了指定コマンドを送信するための設定を行う処理などが含まれている。そして、ラウンドの実行回数が大入賞口開放回数最大値に達していないときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される一方、大入賞口開放回数最大値に達したときには、特図プロセスフラグの値が“7”に更新される。
S29の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。この大当り終了処理には、演出表示装置5やスピーカ8L,8R、演出用LED9などといった演出装置により、大当り遊技状態の終了を報知する演出動作としてのエンディング演出が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理や、大当り遊技状態の終了に対応して確変制御や時短制御を開始するための各種の設定(確変フラグや時短フラグのセット)を行う処理などが含まれている。こうした設定が行われたときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
尚、大当り終了処理においては、遊技制御バッファ設定部(図示略)に記憶されている大当り種別バッファ値を読み出して、大当り種別が「非確変大当り」、「確変大当り」のいずれであったかを特定する。そして、特定した大当り種別が「非確変大当り」ではないと判定された場合には、確変制御を開始するための設定(確変フラグのセット)を行う。また、特定した大当り種別が「非確変大当り」である場合には、時短制御を開始するための設定(時短フラグのセットと時短制御中に実行可能な特図ゲームの上限値に対応して予め定められたカウント初期値(本実施例では「100」)を時短回数カウンタにセット)を行う。
次に、演出制御基板12の動作を説明する。図16は、演出制御基板12に搭載されている演出制御用CPU120が実行する演出制御メイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU120は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(例えば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(S50)。
次に、演出制御用CPU120は、演出ユニット300を移動させる慣らし動作(検出時動作)、予告演出(可動体演出)などの演出における演出ユニット300の動作を確認したり(実動作確認動作)、位置検出センサ316,333によって演出ユニット300における可動部302や可動部材321の原点位置(本実施例では傾倒位置や第1位置)を検出したり、その原点位置に可動部302や可動部材321を移動(非検出時動作)させたりする可動部材初期化処理を実行する(S51)。可動部材初期化処理については図18及び図19で後述する。
その後、演出制御用CPU120は、タイマ割込フラグの監視(S52)を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU120は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセット(オン)されていたら、演出制御用CPU120は、そのフラグをクリアし(S53)、以下の処理を実行する。
演出制御用CPU120は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を行う(コマンド解析処理:S54)。このコマンド解析処理において演出制御用CPU120は、受信コマンドバッファに格納されている主基板11から送信されてきたコマンドの内容を確認する。尚、遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信された演出制御コマンドは、演出制御INT信号にもとづく割込処理で受信され、RAMに形成されているバッファ領域に保存されている。コマンド解析処理では、バッファ領域に保存されている演出制御コマンドがどのコマンドであるのか解析する。
次いで、演出制御用CPU120は、演出制御プロセス処理を行う(S55)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置5の表示制御を実行する。
次いで、大当り図柄判定用乱数などの演出用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する演出用乱数更新処理を実行し(S56)、その後、S52に移行する。
図17は、演出制御メイン処理における演出制御プロセス処理(S55)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU120は、先ず、保留表示予告演出の有無とともに保留記憶表示の表示パターンを決定する保留表示予告演出決定処理を実行し(S71)、次いで、演出表示装置5の第1保留記憶表示エリア5D及び第2保留記憶表示エリア5Uにおける保留記憶表示を始動入賞時受信コマンドバッファの記憶内容に応じた表示に更新する保留表示更新処理を実行する(S72)。
その後、演出制御用CPU120は、演出制御プロセスフラグの値に応じてS73〜S79のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。
変動パターンコマンド受信待ち処理(S73):遊技制御用マイクロコンピュータ100から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理でセットされる変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。変動パターンコマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(S74)に対応した値に変更する。
演出図柄変動開始処理(S74):演出図柄の変動が開始されるように制御する。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(S75)に対応した値に更新する。
演出図柄変動中処理(S75):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミング等を制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(S76)に対応した値に更新する。尚、本実施例における演出図柄変動中処理では、可動部302や可動部材321を動作させることによって変動表示結果が大当りとなることを示唆する可動体演出を実行可能となっている。
演出図柄変動停止処理(S76):全図柄停止を指示する演出制御コマンド(図柄確定コマンド)を受信したことにもとづいて、演出図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(S77)または変動パターンコマンド受信待ち処理(S73)に対応した値に更新する。
大当り表示処理(S77):変動時間の終了後、演出表示装置5に大当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り遊技中処理(S78)に対応した値に更新する。
大当り遊技中処理(S78):大当り遊技中の制御を行う。例えば、大入賞口開放中指定コマンドや大入賞口開放後指定コマンドを受信したら、演出表示装置5におけるラウンド数の表示制御等を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了演出処理(S79)に対応した値に更新する。
大当り終了演出処理(S79):演出表示装置5において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(S73)に対応した値に更新する。
[演出ユニットの構造]
次に、図3〜図13に基づいて、演出ユニット300について説明する。図3は、(A)は演出ユニットを示す正面図、(B)は背面図である。図4は、演出ユニットを斜め前から見た状態を示す分解斜視図である。図5は、演出ユニットを斜め後ろから見た状態を示す分解斜視図である。図6は、(A)は可動部が傾倒位置にある状態、(B)は可動部が起立位置にある状態を示す正面図である。図7は、(A)はピニオンギヤ、(B)はラックギヤを示す背面図である。図8は、(A)は可動部材が第1位置にある状態、(B)は第2位置にある状態を示す概略図である。図10は、(A)はピニオンギヤがラックギヤに噛合した状態、(B)はラックギヤを移動させている状態、(C)はラックギヤが規制されている状態を示す概略図である。図11は、(A)〜(D)は規制状態となるまでのギヤの状態を示す要部拡大図である。図12は、(A)は規制状態、(B)はピニオンギヤを第1作動方向へ回転させることで規制解除状態へ変化した状態、(C)は駆動初期状態を示す概略図である。図13は、(A)は規制状態、(B)はピニオンギヤを第2作動方向へ回転させることで規制解除状態へ変化した状態、(C)は駆動初期状態を示す概略図である。
図3〜図6に示すように、演出ユニット300は、遊技盤2と該遊技盤2の背面側に設けられる演出表示装置5との間に設けられ、所定箇所に固設されたベース部301と、該ベース部301に対し回動可能に設けられた可動部302と、可動部302を横向きに傾倒する傾倒位置(図6(A)参照)と縦向きに起立する起立位置(図6(B)参照)と、の間で回動させる第1演出用モータ303と、を有する。
ベース部301には、軸受孔310が貫通して形成されているとともに、該軸受孔310の周辺には、軸受孔310を中心とする円弧形状をなすガイド溝311が形成されている。ベース部301の背面における軸受孔310の右下方位置には、可動部302を回動させる第1演出用モータ303が背面に固設されており、ベース部301を貫通して前側に突出した駆動軸(図示略)の先端には、回転盤312が固着されている。
回転盤312の周縁所定箇所には、前後方向を向く軸部材313が突設されており、該軸部材313には、リンク部材314の下端が回動可能に軸支されている。また、回転盤312の周縁における軸部材313の反対側には検出片315が突設されており、該検出片315が回転盤312の下方に設けられた位置検出センサ316により検出されることで、演出制御用CPU120は可動部302が傾倒位置に位置していることを特定できるようになっている。
可動部302は、回動部材320と、回動部材320の前面側に該回動部材320に対してスライド移動可能に設けられた可動部材321と、回動部材320の背面側にて可動部材321と一体に移動するラックギヤ322と、を有する。可動部材321は、回動部材320に対し回動軸325側の第1位置と該第1位置よりも回動軸325から離れる第2位置と、の間で往復移動可能とされている。
尚、本実施例では、演出制御用CPU120は、可動部302が起立位置にあるときに、可動部材321を第1位置と第2位置との間で移動させる可動体演出を実行するようになっている。また、可動部材321は、第1位置にあるときには演出表示装置5の表示画面の下方に少なくとも一部が退避し、第2位置において演出表示装置5の表示画面の前面側に少なくとも一部が重畳するようになっている(図1参照)。
回動部材320は、左右方向に延びる略板状の部材からなり、前面右側には、軸受孔310に後側から挿入されることで回動軸325と、回動軸325の左側に突設されガイド溝311に後側から挿入される第1ガイド軸326と、回動軸325の右上に突設されガイド溝311に後側から挿入される第2ガイド軸327と、が突設されている。
ガイド溝311を挿通してベース部301の前面側に突出した第2ガイド軸327の先端には、リンク部材314の上端が回動可能に軸支されている。つまり、回転盤312と回動部材320とはリンク部材314を介して連結されている。また、回動軸325の外周には、回動部材320を常時起立位置側へ向けて付勢するコイルバネ328が設けられている。
第1ガイド軸326の左側には、可動部材321を左右方向に案内する直線状のスライド溝329が左右方向に向けて延設されている。回動部材320の前面におけるスライド溝329の上方には、可動部材321をスライドさせるための第2演出用モータ330が固設されており、ベース部301を貫通して後側に突出した駆動軸330aの先端には、ラックギヤ322を作動させるピニオンギヤ331が固着されている。尚、本実施例では、第2演出用モータ330としてステッピングモータが適用されている。
回動部材320の左側の背面には、ラックギヤ322を付勢するための引張バネ323の左端が係止されるフック332が後向きに突設されている。また、右側の背面には、ラックギヤ322の右端に形成された検出片334を検出する位置検出センサ333が設けられており、該検出片334が位置検出センサ333により検出されることで、演出制御用CPU120は可動部材321が第1位置に位置していることを特定できるようになっている。
可動部材321は、円盤状の発光部321Aと、発光部321Aから右側に延びる取付部321Bと、を有する。発光部321Aは、内部に図示しない複数の発光ダイオード(LED)が設けられ、前方に光を出射可能とされている。また、取付部321Bの背面には、2つのボス334a,334bが突設されており、該ボス334a,334bはスライド溝329に挿入され、ラックギヤ322の背面側から螺入されるネジN1によりラックギヤ322が止着されることで、回動部材320前側に配置された可動部材321と回動部材320の後側に配置されたラックギヤ322とが一体化されている。
一体化された可動部材321とラックギヤ322とは、2つのボス334a,334bがスライド溝329に挿入されていることで、回動部材320に対し左右方向にスライド移動可能に案内される。また、ラックギヤ322の右側には、左端が回動部材320のフック332に係止された引張バネ323の右端が係止されるフック335が後向きに突設されている。すなわち、引張バネ323は、一端が回動部材320のフック332に係止され、他端がラックギヤ322のフック335に係止されていることで、可動部材321を常時第2位置側へ向けて付勢する。
このように構成された演出ユニット300は、可動部302は、駆動初期状態において、図6(A)に示すように傾倒位置に位置している。そして、第1演出用モータ303により回転盤312が正面視右周りに回動することにより、リンク部材314により第2ガイド軸327が下方に引かれることで、回動軸325を中心として正面視時計回りに約90度回転し、図6(B)に示す起立位置まで回転する。尚、傾倒位置から起立位置へ回動する際に、コイルバネ328の付勢力が作用するため、第1演出用モータ303にかかる負荷が軽減される。また、第1演出用モータ303を逆駆動させることで、起立位置から傾倒位置へ回動する。
次に、ピニオンギヤ331とラックギヤ322の詳細な構造について説明する。図7(A)に示すように、ピニオンギヤ331は、円盤部材の周面の一部に複数の駆動歯が突設された回転ギヤである。駆動歯は、回転方向に向けて複数突設される駆動歯340Aと、駆動軸330aから歯が噛み合う位置までを半径とするピッチ円における歯厚寸法L2が駆動歯340Aの歯厚寸法L1よりも大きい駆動歯340Bと、ピッチ円における歯厚寸法L3が駆動歯340A,340Bの歯厚寸法L1,L2よりも長寸の駆動歯340Cと、を有している(歯厚寸法L1<L2<L3)。
また、このように駆動歯340A,340B,340Cの歯厚寸法L1,L2,L3がそれぞれ異なることで、駆動歯340Aの先端面342A、駆動歯340Bの先端面342B及び駆動歯340Cの先端面342Cそれぞれにおける周方向の長さ寸法は、歯厚寸法L1,L2,L3の関係と同じである。つまり、先端面342Bの周方向の長さ寸法は、先端面342Aの周方向の長さ寸法より長寸とされ、先端面342Cの周方向の長さ寸法は、先端面342A,342Bの周方向の長さ寸法より長寸とされている。
尚、本実施例では、先端面342A,342Bは平坦面とされ、後述する規制部を構成する先端面342Cは、駆動軸330aを中心とする円弧に沿う湾曲面とされている。
各駆動歯340Aと駆動歯340Aとの間の歯溝寸法L4と、駆動歯340Aと駆動歯340Bとの間の歯溝寸法L5とは同一とされ(歯溝寸法L4=L5)、駆動歯340Aと駆動歯340Cとの間の歯溝寸法L6は、歯溝寸法L4,L5より長寸とされている(L4,L5<L6)。これら駆動歯340A,340B,340Cは、周面の約1/3に亘り形成されており、周面の残りの2/3は、駆動歯を円周方向に欠落させた欠落部341とされている。つまり、ピニオンギヤ331は、駆動歯を有しラックギヤ322に噛合する噛合部と、駆動歯を有せずラックギヤ322に噛合しない非噛合部と、を周面に有する。
尚、本実施例では、ピニオンギヤ331は、図7(A)における時計回りがラックギヤ322を第2位置から第1位置へ、つまり、第1方向へ移動させる第1作動方向であり、反時計回りがラックギヤ322を第1位置から第2位置へ、つまり、第2方向へ移動させる第2作動方向である。
図7(B)に示すように、ラックギヤ322は、棒状部材の側面の一部に複数の従動歯が突設されたギヤである。従動歯は、ピニオンギヤ331側の側面に沿って複数突設される従動歯350Aと、駆動歯が噛み合う位置における歯厚寸法L12が従動歯350Aの歯厚寸法L11よりも大きい従動歯350Bと、歯厚寸法L13が従動歯350A,350Bの歯厚寸法L11,L12よりも長寸の従動歯350Cと、を有している(歯厚寸法L11<L12<L13)。また、各従動歯350A,350B,350Cの先端面は平坦面とされている。
各従動歯350Aと従動歯350Aとの間の歯溝寸法L14と、従動歯350Aと従動歯350Cとの間の歯溝寸法L15とは同一とされ(歯溝寸法L14=L15)、従動歯350Aと従動歯350Bとの間の歯溝寸法L16は、歯溝寸法L14,L15より長寸とされている(L14,L15<L16)。
尚、ラックギヤ322における歯溝寸法L14,L15は、駆動歯340Aの歯厚寸法L1に対応する寸法とされ、歯溝寸法L16は、駆動歯340Bの歯厚寸法L2に対応する寸法とされている。また、ピニオンギヤ331における歯溝寸法L4,L5は、従動歯350Aの歯厚寸法L11に対応する寸法とされ、歯溝寸法L6は、従動歯350Cの歯厚寸法L13に対応する寸法とされている。
これら従動歯350A,350B,350Cは、側面の長手方向の下部から上下方向の略中央まで形成されており、中央から上方は、従動歯を長手方向に欠落させた欠落部351とされている。つまり、ラックギヤ322は、従動歯を有しピニオンギヤ331に噛合する噛合部と、従動歯を有せずピニオンギヤ331に噛合しない非噛合部と、を側面に有する。
尚、本実施例では、ラックギヤ322は、図7(B)における上方の第2位置と下方の第1位置との間で移動する。つまり、ピニオンギヤ331が第1作動方向へ回転することで第2位置から第1位置へ、つまり、第1方向へ移動し、ピニオンギヤ331が第2作動方向へ回転することで第1位置から第2位置へ、つまり、第2方向へ移動するようになっている。
次に、ピニオンギヤ331とラックギヤ322の作動態様について、図8〜図13に基づいて説明する。尚、本実施例では、可動部302が起立位置にあるときに可動部材321が第1位置と第2位置との間で往復動作するため、以下においては、可動部302が起立位置にあるときの上下左右方向を基準として説明する。
尚、本実施例では、可動部302が起立位置にあるときに可動部材321が第1位置と第2位置との間で往復動作する例について説明するが、可動部302が傾倒位置にあるときや回動中に可動部材321が第1位置と第2位置との間で往復動作するようにしてもよい。
図8(A)及び図8(B)に示すように、可動部材321(ラックギヤ322)は、回動部材320に対し、ボス334bがスライド溝329の下端に位置する下方の第1位置と、ボス334aがスライド溝329の上端に位置する上方の第2位置と、の間で上下方向に往復移動可能とされている。
図8(A)に示すように、可動部材321は、第1位置において引張バネ323による上方への付勢力が作用しているが、ピニオンギヤ331とラックギヤ322とが、後述するように駆動歯340Cの先端面342Cに従動歯350Cの歯先が当接することで引張バネ323の付勢力による可動部材321の上方への移動を規制する規制状態(ロック状態)へ変化することで、第2演出用モータ330がオフ状態であっても、可動部材321は第1位置に保持される。尚、規制状態(ロック状態)の詳細については後述する。
図8(B)に示すように、規制状態が解除されると、可動部材321は、引張バネ323の付勢力により上方に移動した後、該引張バネ323により第2位置に保持される。つまり、引張バネ323による付勢力は可動部材321の荷重を上回っている。
次いで、図10(A)に示すように、駆動歯340Bが対応する従動歯350Bに上方から噛合した状態で、図10(B)に示すように、ピニオンギヤ331が第1作動方向へ回動することで、駆動歯340Aと対応する従動歯350Aとが噛合し、ラックギヤ322が引張バネ323による上向きの付勢力に抗して第1方向(下方向)へ移動していく。そして、図10(C)に示すように、駆動歯340Cの先端面342Cに従動歯350Cの歯先が当接することで規制状態となり、ラックギヤ322、つまり、可動部材321が第1位置に保持される。
ここで、規制解除状態から規制状態(ロック状態)へ変化する際の詳細について説明する。図10(A)に示すように、可動部材321が第2位置にある状態において、ピニオンギヤ331が第1作動方向へ回転することで、駆動歯340A,340Bが従動歯350A、350Bに噛合することにより、引張バネ323による上向きの付勢力に抗してラックギヤ322が第1方向へ移動し、可動部材321が第1位置へ向けて下降する。
次いで、図11(A)に示すように、複数のうち駆動歯340Cに隣接する駆動歯340Aと複数のうち従動歯350Cに隣接する従動歯350Aとの噛合が解除される前に、駆動歯340Cと従動歯350Cとが噛合され、駆動歯340Aと従動歯350Aとの噛合が解除される。そして、図11(B)に示すように、駆動歯340Cがラックギヤ322の欠落部351に対向した後、駆動歯340Cの歯先が従動歯350Cの歯面の歯元から歯先へ向けて移動していく。
そして、図11(C)に示すように、ピニオンギヤ331の回転により駆動歯340Cの歯先が従動歯350Cの歯面から離れると、駆動歯340Cと従動歯350Cとの噛合が解除される。つまり、駆動歯340Cは欠落部341に隣接する隣接駆動歯であり、従動歯350Cは欠落部351に隣接する隣接従動歯である(駆動歯340Cは、複数の従動歯のうち第1方向の後側の端部の従動歯350Cに噛合する駆動歯である)ことで、後続の駆動歯と従動歯との噛合によりラックギヤ322を第1方向へ移動させる動力の伝達が途絶えるため、ピニオンギヤ331の回転により駆動歯340Cの歯先が従動歯350Cの歯面から離れ、駆動歯340Cと従動歯350Cとの噛合が解除されると、ラックギヤ322は引張バネ323の付勢力により第2方向へ移動しようとする。
そして、図11(C)に示すように、ピニオンギヤ331がさらに回転すると、駆動歯340Cの先端面342Cが、ラックギヤ322の各従動歯350A,350B,350Cの歯先を通る歯先線Tに交差する。このとき、上記したように、後続の駆動歯と従動歯との噛合によりラックギヤ322を第1方向へ移動させる動力の伝達が途絶えていることで、ラックギヤ322は、引張バネ323の付勢力により第2方向へ移動しようとするため、従動歯350Cの歯先が駆動歯340Cの先端面342Cに押し付けられるように当接する。
このように、従動歯350Cにおける駆動歯340Cに対する接触点Sは、駆動歯340Cの歯面から(図11(A)参照)、駆動歯340Cの歯先へ移動した後(図11(B)参照)、駆動歯340Cの先端面342Cへと移動する(図11(C)参照)。つまり、駆動歯340Cの歯面から歯先へ向けて摺接したまま滑るように先端面342Cへ乗り移る。
その後、従動歯350Cの歯先が先端面342Cにおける周方向の略中央位置に到達した際に第2演出用モータ330がオフ状態となりピニオンギヤ331の回転が停止される(図11(D)参照)。この状態において、先端面342Cが歯先線Tに対し交差するように、第2方向へ向けてラックギヤ322側に傾斜して配置され、また、ラックギヤ322は引張バネ323の付勢力により上方へ向けて付勢されていることで、従動歯350Cの歯先が先端面342Cに押し付けられ、ラックギヤ322の第2方向への移動が規制される規制状態(ロック状態)となる。すなわち、駆動歯340Cと従動歯350Cとは、ラックギヤ322を第2方向(上方向)への移動を規制する規制手段を構成している。
また、ピニオンギヤ331は第2演出用モータ330により回転するギヤであり、規制部を構成する先端面342Cは、ピニオンギヤ331の駆動軸330aを中心とする円弧に沿う湾曲面にて構成されていることで、図11(C)に示すように、従動歯350Cにおける駆動歯340Cに対する接触点Sが駆動歯340Cの歯面から先端面342Cへ移動した後、図11(D)に示す位置までピニオンギヤ331が回転しても、従動歯350Cと先端面342Cとの接触点Sがラックギヤ322の第2方向へ変位することがないので、ピニオンギヤ331の回転に応じてラックギヤ322が微動、つまり、可動部材321が僅かに上昇して遊技者に違和感を与えることを防止できる。
例えば、規制部を構成する先端面342Cが平坦面である場合、図11(C)に示すように、従動歯350Cにおける駆動歯340Cに対する接触点Sが駆動歯340Cの歯面から先端面342Cへ移動した後、図11(D)に示す位置までピニオンギヤ331が回転すると、従動歯350Cと先端面342Cとの接触点S’がラックギヤ322の第2方向へ変位してしまう。また、ピニオンギヤ331を第1作動方向へ回転させて規制状態を解除しようとする際に、先端面342Cが湾曲面の場合に比べて、引張バネ323による付勢力が増大するため、第2演出用モータ330にかかる負荷が大きくなってしまう。よって、先端面342Cは、ピニオンギヤ331の駆動軸330aを中心とする円弧に沿う湾曲面にて構成することが好ましい。
尚、本実施例では、第2演出用モータ330はステッピングモータであるため、基準位置からのステップ数(回転角度)により駆動歯340Cが図11(D)に示す規制位置に停止するようにピニオンギヤ331の回転を停止させることができるが、例えば、駆動歯340Cが図11(D)に示す規制位置にあることを検知するセンサ等を設け、該センサからの検出状況に基づいてピニオンギヤ331の回転を停止させるようにしてもよい。
また、規制状態に変化させる際にピニオンギヤ331の回転を停止する停止位置を、例えば、先端面342Cに従動歯350Cが当接する範囲内の複数個所に設定し、所定回数ごとに異なる個所に停止するようにすることで、繰り返しの停止により先端面342Cの局所が摩耗により変形することを回避することができる。この場合、例えば、先端面342Cを欠落部341の周方向に亘り延設すること等が考えられる。
次に、規制状態の解除方法について説明する。まず、図12(A)に示す規制状態において、ピニオンギヤ331を第1作動方向へ回動させることで、駆動歯340Cが移動して従動歯350Cの歯先が先端面342Cから離れ、欠落部341がラックギヤ322に対向して先端面342Cと歯先線Tとの交差が解除されることで、先端面342Cによる従動歯350Cの規制が解除され、規制状態から規制解除状態へ変化する。
図12(B)に示すように、規制解除状態となることで、ラックギヤ322は引張バネ323の引張力により第2方向へ上昇するため、可動部材321は第1位置から第2位置へ向けて高速で移動する。また、本実施例では、第1位置が駆動初期位置とされているため、図12(C)に示すように、規制解除状態へ変化した後もピニオンギヤ331を第1作動方向へ回転させて、駆動歯340Bが従動歯350Bに噛合する位置に到達したときに第2演出用モータ330をオフ状態としてピニオンギヤ331の回転を停止させる。
よって、可動部材321を第2位置から第1位置へ移動させる際には、ピニオンギヤ331をさらに第1作動方向へ回転させることで、駆動歯340B,340Aと従動歯350B,350Aとの噛合によりラックギヤ322を第1方向へ移動させることができる。このように、ピニオンギヤ331を第1作動方向へ回転させるだけで、可動部材321を第1位置から第2位置へ移動させることができるとともに、第2位置から第1位置へ移動させることもできるため、第2演出用モータ330を制御する演出制御用CPU120の制御負荷を軽減できる。
図13には、規制状態の解除方法の他の例が示されている。図13(A)に示す規制状態において、ピニオンギヤ331を第1作動方向と逆の第2作動方向へ回動させることで、駆動歯340Cが移動して従動歯350Cの歯先が先端面342Cから離れ、先端面342Cと歯先線Tとの交差が解除されるが、従動歯350Cが駆動歯340Cと駆動歯340Aとの間の歯溝に入り込み、図11(A)に示すように、従動歯350Cの歯面が駆動歯340Cの歯面に当接する噛合状態になるため、ラックギヤ322の引張バネ323による第2方向への移動が駆動歯340Cとの当接により規制される。
よって、ピニオンギヤ331をさらに第2作動方向へ回転させることで、ラックギヤ322をピニオンギヤ331の回転により上昇させることができる。すなわち、図12に示すように、規制状態においてピニオンギヤ331を第1作動方向へ回転させることで規制状態を解除した場合、可動部材321は引張バネ323の付勢力により所定速度で第1位置から第2位置へ移動するが、図13に示すように、規制状態においてピニオンギヤ331を第2作動方向へ回転させることで規制状態を解除した場合、可動部材321を任意の速度で第1位置から第2位置へ移動させることができる。
具体的には、ピニオンギヤ331を低速で回転させれば可動部材321を低速で、ピニオンギヤ331を高速で回転させれば可動部材321を高速で上昇させることができる。また、上昇させる途中で停止させたり、上下動させたりするなど、種々の態様にて上昇させることが可能となる。
以上説明したように、本発明の実施例としてのパチンコ遊技機1にあっては、駆動源としての第2演出用モータ330により回転(作動)する駆動ギヤとしてのピニオンギヤ331と、ピニオンギヤ331に噛合される従動ギヤとしてのラックギヤ322と、を備え、ラックギヤ322は、引張バネ323によって、ピニオンギヤ331により移動(作動)する第1方向と反対の第2方向へ付勢されており、ピニオンギヤ331は、駆動歯340A,340B,340Cを一部欠落させた欠落部341と、欠落部341に隣り合う隣接駆動歯としての駆動歯340Cの先端に設けられる規制部としての先端面342Cと、を有し、駆動歯340Cとラックギヤ322の従動歯350Cとの噛合が解除された後、該従動歯350Cが先端面342Cに当接することによりラックギヤ322の第2方向への移動が規制される。
すなわち、駆動歯340Cと従動歯350Cとの噛合が解除され、欠落部341がラックギヤ322に対向すると、第2方向へ付勢されているラックギヤ322の従動歯350Cが先端面342Cに当接することにより該第2方向への移動が規制される。このように、ピニオンギヤ331の駆動歯340Cに設けられた先端面342Cを用いてラックギヤ322の第2方向への移動を規制することができるので、ラックギヤ322や可動部材321の第1方向への移動を規制するための規制手段を別個に設けるなどして部品点数を増加させることなく、駆動ギヤと従動ギヤとによる簡素な構造でラックギヤ322の作動を停止させることができる。
また、前記実施例では、従動ギヤであるラックギヤ322は、引張バネ323により第2方向へ付勢されていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、従動ギヤはバネ部材以外の付勢手段により第2方向へ付勢されていてもよい。また、例えば、可動部302を上下反転して設ける場合、ラックギヤ322は、可動部材321の荷重により常時下方(第2方向)へ付勢されることになるため、自重により第2方向へ付勢されるもの等も含まれる。
また、ピニオンギヤ331は第2演出用モータ330により回転するギヤであり、ラックギヤ322は、第1位置(図8(A)で示す位置)と該第1位置とは異なる第2位置(図8(C)で示す位置)との間で往復作動可能であり、ピニオンギヤ331がラックギヤ322を第1方向へ作動させる第1作動方向に回転することで、駆動歯340A,340B,340Cと従動歯350A,350B,350Cとの噛合により第2位置から第1位置へ移動した後、欠落部341が対向し駆動歯340A,340B,340Cと従動歯350A,350B,350Cとの噛合が解除されることにより、引張バネ323により第2方向へ付勢され、第1位置から第2位置へ作動する。
このように、ピニオンギヤ331を第1作動方向へ回転させるだけでラックギヤ322を往復作動させることができるので、第2演出用モータ330の制御負荷を軽減できる。
また、先端面342Cに従動歯350Cが当接することにより、ラックギヤ322の第2方向への移動が規制される規制状態は、ピニオンギヤ331を、図12に示すように、ラックギヤ322を第1方向へ作動させる第1作動方向または図13に示すように、第1作動方向とは反対の第2作動方向に作動させることで解除可能である。
このようにすることで、ピニオンギヤ331を第1作動方向と第2作動方向のうち一作動方向へ回転させても規制状態が解除されない場合、他方向へ作動させることで解除されるため、ラックギヤ322の従動歯350Cが先端面342Cに噛んでラックギヤ322を移動できなくなることを回避しやすくなる。
また、規制状態において、ピニオンギヤ331を第1作動方向へ回転させたときと第2作動方向へ回転させたときとで、ラックギヤ322の作動態様が異なる。具体的には、図12(B)に示すように、ピニオンギヤ331を第1作動方向へ回転させると、ラックギヤ322は引張バネ323の付勢力にて上昇し、図13(B)に示すように、ピニオンギヤ331を第2作動方向へ回転させると、ラックギヤ322はピニオンギヤ331の回転に応じて上昇することで、ラックギヤ322に一体化されている可動部材321の作動態様を多様化することができる。
また、駆動歯340Cの歯厚寸法L3は、他の駆動歯340A,340Bの歯厚寸法L1,L2よりも長寸とされている(例えば、歯厚寸法L1<L2<L3)。このようにすることで、従動歯350A,350B,350Cと噛合されていない非噛合状態から噛合状態となるときに駆動歯340Cにかかる負荷による破損等を防止できる。また、歯厚寸法L3が広くなることで規制部を構成する先端面342Cも広くなるので、従動歯350Cを規制しやすくなる。
ピニオンギヤ331は第2演出用モータ330により回転するギヤであり、規制部を構成する先端面342Cは、ピニオンギヤ331の駆動軸330aを中心とする円弧に沿う湾曲面にて構成されていることで、従動歯350Cが先端面342Cに当接している状態においてピニオンギヤ331が回転しても、従動歯350Cと先端面342Cとの接触点Sがラックギヤ322の移動方向に変位することがないので、ピニオンギヤ331の回転に応じてラックギヤ322が微動することを防止できる。
また、従動歯において駆動歯340Cに噛合する従動歯350Cの歯厚寸法L13は、他の従動歯350B,350Cの歯厚寸法L11,L12よりも長寸とされている(歯厚寸法L11<L12<L13)このようにすることで、駆動歯340Cと噛合されていない非噛合状態から噛合状態となるときに従動歯350Cにかかる負荷による破損等を防止できる。また、規制部に当接している状態において第2方向へ付勢される力によりかかる負荷による破損等を防止できる。
[演出ユニットのケーブル]
図3、図8および図9を参照して、演出ユニット300には、可動部材321の発光部321AのLEDに電力を供給するケーブル361が設けられる。
図9(A)および図9(B)は、それぞれ、図8(A)および図8(B)の側面を模式的に表したものである。なお、図9においては、見易くするために、可動部材321と回動部材320との間隔、および、回動部材320とラックギヤ322との間隔は、広めに描いているが、実際は、図で示すよりも狭くなっている。
図1で示されるように、ケーブル361は、ベース部301の演出制御基板12からの中継基板に設けられるコネクタ363から、回動部材320に設けられるケーブル361の押さえ部材364を経て、可動部材321の発光部321AのLEDが搭載されるLED基板に設けられるコネクタ362に接続される。
図9(A)で示されるように、可動部材321が第1位置で待機している状態であるときには、ケーブル361の押さえ部材364とコネクタ362との間の部分は、かなり屈曲した状態である。
図9(B)で示されるように、可動部材321が第2位置に進出した状態であるときには、ケーブル361の押さえ部材364とコネクタ362との間の部分は、伸びて余裕が余り無い状態となる。
このため、可動部材321には、ケーブル361によって第2位置から第1位置へ向かう方向の力が掛かる。ケーブル361が伸びた状態においては、ケーブル361の被覆材は樹脂であるので、ケーブル361が冷えている状態のときは、冷えていない状態のときよりも、ケーブル361によって可動部材321に掛かる力は強くなる。
引張バネ323は、第2演出用モータ330によって可動部材321が第2位置になるまで引っ張られる。このため、第2演出用モータ330は、引張バネ323が最も引っ張られた状態の引張力(付勢力)よりも強い力を発生することが可能である。
前述したように、引張バネ323による付勢力は、可動部材321の荷重を上回っている。しかし、引張バネ323による付勢力を強くすると、引張バネ323を引っ張る第2演出用モータ330の出力も強くする必要がある。出力の大きいモータを用いると製造コストが上がるため、モータの出力は必要最小限であることが好ましい。
本実施例における引張バネ323としては、可動部材321の荷重だけではなく、ケーブル361が伸びた状態での可動部材321を引っ張る力、および、第2演出用モータ330のコストも考慮して、必要最小限の付勢力が得られるバネが用いられる。
このため、万一、品質の悪いケーブル361が用いられ、低温で硬くなるような場合、可動部材321を最初に移動させるときに、引張バネ323の付勢力が不足することが考えられる。通常は低温で想定以上に硬くなるようなケーブルが用いられることはない。
しかし、本実施例においては、引張バネ323の付勢力が不足するような事態が生じないようにするために、夜間に放置されて冷えたパチンコ遊技機1を起動するときに、後述の図18のS522〜S529で示すように、可動部材321の動きを慣らすための慣らし動作制御(非検出時動作制御や検出時動作制御)を実行する。可動部材321を第1位置から該第1位置と第2位置との間の検出時動作位置(図20参照)まで移動させる慣らし動作制御(検出時動作制御)を実行することによって、ケーブル361が屈伸させられることでケーブル361を柔軟に慣らすことができる。その結果、引張バネ323の付勢力が不足するような事態を未然に防止することができる。
また、本実施例においては、パチンコ遊技機1が起動されているときは、ケーブル361は、熱を発する物(演出表示装置5、第1演出用モータ303および第2演出用モータ330)の近傍に設けられるため、ケーブル361が熱によって柔軟性が高い状態が保たれる。
図18及び図19は、演出制御メイン処理における可動部材初期化処理(S51)を示すフローチャートである。可動部材初期化処理において演出制御用CPU120は、先ず、演出制御用CPU120は、位置検出センサ316がONとなっているか否か、つまり、可動部302が原点位置である図6(A)に示す傾倒位置に位置しているか否かを判定する(S501)。位置検出センサ316がONとなっている場合は、S512に進み、位置検出センサ316がOFFとなっている、つまり、可動部302が傾倒位置に位置していない場合は、非検出時動作制御の実行回数を計数するための非検出時動作回数カウンタに0をセットする(S502)。そして、可動部302を動作させるための制御速度として、後述する実動作確認用動作制御(ロング初期化動作制御)における最低制御速度(図20、図21参照)を設定し(S503)、第1演出用モータ303を該設定した最低制御速度にて傾倒位置の方向に駆動開始するとともに(S504)、非検出時動作期間タイマのタイマカウントを開始する(S505)。
そして、位置検出センサ316がONとなるかとともに、非検出時動作期間タイマが上限時間に対応する値となったか否かを監視する監視状態に移行する(S506、S507)。第1演出用モータ303を傾倒位置の方向に駆動させることで可動部302が傾倒位置に位置して位置検出センサ316がONとなった場合には、第1演出用モータ303の駆動を停止してS512に進む。一方で、非検出時動作期間タイマが上限時間に対応する値となった場合、つまり、上限時間が経過しても可動部302が傾倒位置(原点位置)に位置しなかった場合には、S508に進んで、非検出時動作回数カウンタに1を加算して(S508)、該加算後の非検出時動作回数カウンタの値が、動作エラー判定回数(例えば3)に達したか否かを判定する(S509)。
S509において非検出時動作回数カウンタの値が動作エラー判定回数に達している場合には、第1演出用モータ303の駆動を停止して原点復帰エラーを記憶し(S510)、S512に進む。つまり、非検出時動作制御において可動部302が原点位置(初期位置)に位置しなかった場合には、動作対象役物(可動部302、可動部材321)について後述する実動作確認用動作制御を実行しないようにする(動作対象役物をデッドエンド状態する)ために原点復帰エラーを記憶し(S510)、S541に進む。
尚、本実施例では、S509において非検出時動作回数カウンタの値が動作エラー判定回数に達している場合には、当該動作対象役物をデッドエンド状態とする形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、S509において非検出時動作回数カウンタの値が動作エラー判定回数に達している場合に、エラー処理(例えば、スピーカ8L,8Rからの音出力や演出表示装置5での画像の表示、演出用LED9の発光によって可動部材初期化処理が中断されたことを報知する。)を開始し、該エラー処理を実行することにより、可動部材初期化処理が中断されることで、演出制御メイン処理がS52に進むことなく中断され、演出制御基板12(演出制御用CPU120など)は起動しない状態(デットエンド状態)にするようにしてもよい。
また、動作対象役物をデッドエンド状態とした場合、演出制御基板12(演出制御用CPU120など)は起動するが、例えば、演出制御用CPU120は、動作対象役物を動作させることを示す入力信号(例えば、演出ボタン等の検出信号)の受付けを無効としたり、該入力信号が入力されても可動役物を動作させないようにするといった処理を実行することが好ましい。
一方、非検出時動作回数カウンタの値が動作エラー判定回数に達していない場合には、S503に戻り、再度、S503〜S509の処理を行うことにより、可動部302を実動作確認用動作制御における最低速度にて傾倒位置に移動させる動作制御(非検出時動作制御)を開始して、前述したS506、S507の監視状態に移行する。
よって、S507にてエラー判定時間が経過したと判定されたとしても、動作エラー判定回数に達するまで繰り返し可動部302を傾倒位置(原点位置)に移動させる動作(非検出時動作)を実行している間に可動部302が傾倒位置(原点位置)にて検出した場合には、S507に進むことなく、S512に進むことになる。
次に、S512においては、位置検出センサ333がONとなっているか否か、つまり、可動部材321が原点位置である図8(A)に示す第1位置に位置しているか否かを判定する(S512)。位置検出センサ333がONとなっている場合は、S522に進み、位置検出センサ333がOFFとなっている、つまり、可動部材321が第1位置に位置していない場合は、非検出時動作制御の実行回数を計数するための非検出時動作回数カウンタに0をセットする(S513)。そして、可動部材321を動作させるための制御速度として、後述する実動作確認用動作制御(ロング初期化動作制御)における最低制御速度(図20、図21参照)を設定し(S514)、第2演出用モータ330を該設定した最低制御速度にて第1方向に駆動開始するとともに(S515)、非検出時動作期間タイマのタイマカウントを開始する(S516)。
そして、位置検出センサ333がONとなるかとともに、非検出時動作期間タイマが上限時間に対応する値となったか否かを監視する監視状態に移行する(S517、S518)。第2演出用モータ330を第1方向に駆動させることで可動部材321が第1位置に位置して位置検出センサ333がONとなった場合には、第2演出用モータ330を停止ししてS522に進む。一方で、非検出時動作期間タイマが上限時間に対応する値となった場合、つまり、上限時間が経過しても可動部材321が第1位置(原点位置)に位置しなかった場合には、S519に進んで、非検出時動作回数カウンタに1を加算して(S519)、該加算後の非検出時動作回数カウンタの値が、動作エラー判定回数(例えば3)に達したか否かを判定する(S520)。
S520において非検出時動作回数カウンタの値が動作エラー判定回数に達している場合には、第2演出用モータ330の駆動を停止して原点復帰エラーを記憶し(S521)、S541に進む。つまり、非検出時動作制御において可動部材321が原点位置(初期位置)に位置しなかった場合には、動作対象役物(可動部302、可動部材321)について後述する実動作確認用動作制御を実行しないようにする(当該動作対象役物をデッドエンド状態する)ために原点復帰エラーを記憶し(S521)、S541に進む。
尚、本実施例では、S520において非検出時動作回数カウンタの値が動作エラー判定回数に達している場合には、当該動作対象役物をデッドエンド状態する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、S520において非検出時動作回数カウンタの値が動作エラー判定回数に達している場合に、エラー処理(例えば、スピーカ8L,8Rからの音出力や演出表示装置5での画像の表示、演出用LED9の発光によって可動部材初期化処理が中断されたことを報知する。)を開始し、該エラー処理を実行することにより、可動部材初期化処理が中断されることで、演出制御メイン処理がS52に進むことなく中断され、演出制御基板12(演出制御用CPU120など)は起動しない状態(デットエンド状態)にするようにしてもよい。
また、動作対象役物をデッドエンド状態とした場合、演出制御基板12(演出制御用CPU120など)は起動するが、例えば、演出制御用CPU120は、可動役物を動作させることを示す入力信号(例えば、演出ボタン等の検出信号)の受付けを無効としたり、該入力信号が入力されても可動役物を動作させないようにするといった処理を実行することが好ましい。
一方、非検出時動作回数カウンタの値が動作エラー判定回数に達していない場合には、S514に戻り、再度、S514〜S520の処理を行うことにより、可動部材321を非検出時動作制御における最低速度にて第1位置に移動させる非検出時動作制御を開始して、前述したS517、S518の監視状態に移行する。
よって、S507にてエラー判定時間が経過したと判定されたとしても、動作エラー判定回数に達するまで繰り返し可動部材321を第1位置(原点位置)に移動させる動作制御(非検出時動作制御)を実行している間に動作対象役物が第1位置(原点位置)にて検出した場合には、S519に進むことなく、S522に進むことになる。
S522において演出制御用CPU120は、検出時動作回数カウンタに0をセットした後、検出時動作プロセスデータをセットし(S523)、検出時動作プロセスタイマのタイマカウントを開始する(S524)。また、本実施例の検出時動作プロセスデータには、動作対象役物としての可動部302と可動部材321とをそれぞれ動作させるための制御速度として、後述する実動作確認用動作制御(ロング初期化動作制御)における最低速度(図20、図21参照)と同じ動作速度で動作対象役物を動作させるための最低制御速度が記述(設定)されている。
次いで、セットされた検出時動作プロセスデータにおいて設定されている最低制御速度に基づいて可動部302と可動部材321とを順次動作させるとともに(S525)、プロセスデータが完了したか否かを判定し(S526)、プロセスデータが完了していない場合には、S525に戻り、動作対象役物を検出時動作プロセスデータに設定されている最低制御速度に基づいて動作させる。図8に示すように、可動部材321は、引張バネ323、または、該引張バネ323よりも可動部材321を第1位置から検出時動作位置に向けて動作させる力が強い第2演出用モータ330によって第1位置から検出時動作位置に向けて動作可能となっているが、可動部材321は、S525では、第2演出用モータ330の駆動力によって第1位置から検出時動作位置に向けて動作し、可動体演出の実行時には、引張バネの弾性力によって第1位置から第2位置に向けて動作する。
このように、検出時動作制御においては、検出時動作プロセスデータが完了するまで、検出時動作プロセスデータに設定されている最低制御速度に基づく最低速度、つまり、実動作確認用動作制御(ロング初期化動作制御)における最低速度にて、原点位置(第1位置や傾倒位置)から一旦離れ、該原点位置(第1位置や傾倒位置)から離れた位置から原点位置(第1位置や傾倒位置)に戻るという動作を行う(図20参照)。尚、原点位置から離れた位置とは、原点位置の近傍位置、つまり、各位置検出センサ316,333により可動部302や可動部材321の被検出部を検出できない位置であって各演出位置(第2位置や傾倒位置)よりも原点位置に近い所定位置(検出時動作位置)として設定されている。
S526の判定において、セットされている検出時動作プロセスデータが完了したと判定した場合にはS527に進んで、位置検出センサ316,333がONとなっているか否か、つまり、可動部302が第1位置に位置しており、且つ可動部材321が傾倒位置に位置しているか否かを判定する(S527)。
位置検出センサ316,333がONになっている場合は、S541に進む。一方、位置検出センサ316,333がONになっていない場合、つまり、可動部302と可動部材321との少なくとも一方が各原点位置(第1位置、傾倒位置)に位置していない場合、検出時動作回数カウンタに1を加算して(S528)、該加算後の検出時動作回数カウンタの値が、動作エラー判定回数(例えば3)に達したか否かを判定する(S529)。検出時動作回数カウンタの値が動作エラー判定回数に達している場合には、S530に進んで原点復帰エラーを記憶し(S530)、S541に進む。つまり、検出時動作制御において動作対象役物が原点位置(初期位置)に位置しなかった場合には、当該動作対象役物について後述する実動作確認用動作制御を実行しないようにする(当該動作対象役物をデッドエンド状態する)ために原点復帰エラーを記憶し、S541に進む。
尚、本実施例では、S529において検出時動作回数カウンタの値が動作エラー判定回数に達している場合には、当該動作対象役物をデッドエンド状態する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、S529において検出時動作回数カウンタの値が動作エラー判定回数に達している場合に、エラー処理(例えば、スピーカ8L,8Rからの音出力や演出表示装置5での画像の表示、演出用LED9の発光によって可動部材初期化処理が中断されたことを報知する。)を開始し、該エラー処理を実行することにより、第2初期化処理が中断されることで、演出制御メイン処理がS52に進むことなく中断され、演出制御基板12は起動しない状態(デットエンド状態)にするようにしてもよい。
また、動作対象役物をデッドエンド状態とした場合、演出制御基板12(演出制御用CPU120など)は起動するが、例えば、演出制御用CPU120は、可動役物を動作させる入力信号(例えば、演出ボタン等の検出信号)の受付けを無効としたり、該入力信号が入力されても可動役物を動作させないようにするといった処理を実行することが好ましい。
尚、S509において非検出時動作回数カウンタの値が動作エラー判定回数に達している場合には、可動部302のみをデッドエンド状態とし、可動部材321については非検出時動作制御や検出時動作制御及び実動作確認用動作制御を行うようにしてもよい。また、S520において非検出時動作回数カウンタの値が動作エラー判定回数に達している場合には、可動部材321のみをデッドエンド状態とし、可動部302がデッドエンド状態でなければ、検出時動作制御や実動作確認用動作制御を行うようにしてもよい。また、S529において検出時動作回数カウンタの値が動作エラー判定回数に達している場合には、位置検出センサ316,333のうち検出がないセンサに対応する動作役物のみデッドエンド状態とし、検出があるセンサに対応する動作役物についてはデッドエンド状態とせずに実動作確認用動作制御を行うようにしてもよい。
S541において演出制御用CPU120は、原点復帰エラーの記憶が有るか否かを判定する。原点復帰エラーの記憶が有る場合は、後述の実動作確認用動作制御を実行するためのS542〜S564の処理を実行せずに可動部材初期化処理を終了する。このようにすることで、本実施例では、これら非検出時動作や検出時動作において原点復帰エラーと判定された動作対象役物(可動部302、可動部材321)については実動作確認用動作制御を行わないようになっている。
一方、原点復帰エラーの記憶が無い場合は、可動部302及び可動部材321用の実動作確認用プロセスデータをセットする(S542)。尚、これら各実動作確認用プロセスデータには、演出において動作対象役物が可動体演出において実際に行う動作と同一の動作を行うように制御速度等が記述(設定)されている。
次いで、実動作確認用プロセスタイマのタイマカウントを開始する(S543)。そして、セットされた実動作確認用プロセスデータにおいて実動作確認用プロセスタイマのタイマカウント値に対応して設定されている制御速度にて動作対象役物を動作させるとともに(S544)、プロセスデータが完了したか否かを判定し(S545)、プロセスデータが完了していない場合には、S544に戻り、可動部302や可動部材321を、その時点の実動作確認用プロセスタイマのタイマカウント値に対応して設定されている制御速度に基づいて動作させる。
このように、実動作確認用プロセスデータが完了するまで、実動作確認用プロセスデータに実動作確認用プロセスタイマのタイマカウント値に対応して設定されている制御速度に基づいて動作させる。速度にて可動部302や可動部材321を動作させることにより、可動部302や可動部材321の制御速度を、時系列的に順次変更して、可動体演出において当該動作対象役物を実際に動作させる際に設定する制御速度と同一の加速または減速を行うことができる。
そして、S545の判定において、セットされている実動作確認用プロセスデータが完了したと判定した場合には、位置検出センサ316がONとなっているか否か、つまり、可動部302が傾倒位置に位置しているか否かを判定する(S546)。位置検出センサ316がONとなっている場合は、可動部302が原点位置(第1位置、傾倒位置)に位置していると判断し、S556に進む。また、位置検出センサ316がOFFとなっている、つまり、可動部302が傾倒位置に位置していない場合は、前述した非検出時動作制御を(図18参照)を行って可動部302を傾倒位置(原点位置)に位置させるためにS547〜S554の処理を行う。
具体的には、非検出時動作制御の実行回数を計数するための非検出時動作回数カウンタに0をセットした後(S547)、制御速度として実動作確認用動作制御(ロング初期化動作制御)における最低速度と同じ動作速度で動作対象役物を動作させるための最低制御速度を設定し(S548)、該設定した最低制御速度に基づいて第1演出用モータ303の傾倒位置への駆動を開始する(S549)。更に、非検出時動作期間タイマのタイマカウントを開始する(S550)。そして、位置検出センサ316がONとなるかとともに、非検出時動作期間タイマが上限時間に対応する値となったか否かを監視する監視状態に移行する(S551、S552)。
第1演出用モータ303を傾倒位置に向けて駆動させることで可動部302が傾倒位置(原点位置)に位置して位置検出センサ316がONとなった場合には、S556に進む。一方、非検出時動作期間タイマが上限時間に対応する値となった場合(S552)、つまり、上限時間が経過しても可動部302が傾倒位置(原点位置)に位置しなかった場合には、非検出時動作回数カウンタに1を加算して(S553)、該加算後の非検出時動作回数カウンタの値が、動作エラー判定回数(例えば3)に達したか否かを判定する(S554)。
非検出時動作回数カウンタの値が動作エラー判定回数に達している場合には、第1演出用モータ303の駆動を停止して原点復帰エラーを記憶し(S555)、処理を終了する。つまり、非検出時動作制御において可動部302が原点位置(初期位置)に位置しなかった場合には、可動部材321について非検出時動作制御を実行しないようにする(可動部302をデッドエンド状態する)ために原点復帰エラーを記憶し(S555)、処理を終了する。
尚、本実施例では、S554において非検出時動作回数カウンタの値が動作エラー判定回数に達している場合には、当該動作対象役物をデッドエンド状態とする形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、S554において非検出時動作回数カウンタの値が動作エラー判定回数に達している場合に、エラー処理(例えば、スピーカ8L,8Rからの音出力や演出表示装置5での画像の表示、演出用LED9の発光によって可動部材初期化処理が中断されたことを報知する。)を開始し、該エラー処理を実行することにより、可動部材初期化処理が中断されることで、演出制御メイン処理がS52に進むことなく中断され、演出制御基板12(演出制御用CPU120など)は起動しない状態(デットエンド状態)にするようにしてもよい。
また、動作対象役物をデッドエンド状態とした場合、演出制御基板12(演出制御用CPU120など)は起動するが、例えば、演出制御用CPU120は、可動役物を動作させることを示す入力信号(例えば、演出ボタン等の検出信号)の受付けを無効としたり、該入力信号が入力されても可動役物を動作させないようにするといった処理を実行することが好ましい。
よって、S552にてエラー判定時間が経過したと判定されたとしても、動作エラー判定回数に達するまで繰り返し可動部302を傾倒位置(原点位置)に移動させる動作(非検出時動作)を実行している間に可動部302が傾倒位置(原点位置)にて検出した場合には、S555に進むことなく、S556に進むことになる。
次に、S556においては、位置検出センサ333がONとなっているか否か、つまり、可動部材321が原点位置である図8(A)に示す第1位置に位置しているか否かを判定する(S556)。位置検出センサ333がONとなっている場合は処理を終了し、位置検出センサ333がOFFとなっている、つまり、可動部材321が第1位置に位置していない場合は、非検出時動作制御の実行回数を計数するための非検出時動作回数カウンタに0をセットする(S557)。そして、可動部材321を動作させるための制御速度として、後述する実動作確認用動作制御(ロング初期化動作制御)における最低制御速度(図20、図21参照)を設定し(S558)、第2演出用モータ330を該設定した最低制御速度にて第1方向に駆動開始するとともに(S559)、非検出時動作期間タイマのタイマカウントを開始する(S560)。
そして、位置検出センサ333がONとなるかとともに、非検出時動作期間タイマが上限時間に対応する値となったか否かを監視する監視状態に移行する(S561、S562)。第2演出用モータ330を第1方向に駆動させることで可動部材321が第1位置に位置して位置検出センサ333がONとなった場合には、第2演出用モータ330を停止しして、処理を終了する。一方で、非検出時動作期間タイマが上限時間に対応する値となった場合、つまり、上限時間が経過しても可動部材321が第1位置(原点位置)に位置しなかった場合には、S563に進んで、非検出時動作回数カウンタに1を加算して(S563)、該加算後の非検出時動作回数カウンタの値が、動作エラー判定回数(例えば3)に達したか否かを判定する(S564)。
S564において非検出時動作回数カウンタの値が動作エラー判定回数に達している場合には、第2演出用モータ330の駆動を停止して原点復帰エラーを記憶し(S565)、処理を終了する。つまり、非検出時動作制御において可動部材321が原点位置(初期位置)に位置しなかった場合には、動作対象役物(可動部302、可動部材321)については、以降に第3制御動作としての実動作制御(可動体演出を実行する制御)を実行しないようにする(当該動作対象役物をデッドエンド状態する)ために原点復帰エラーを記憶し(S565)、処理を終了する。
尚、本実施例では、S564において非検出時動作回数カウンタの値が動作エラー判定回数に達している場合には、当該動作対象役物をデッドエンド状態する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、S564において非検出時動作回数カウンタの値が動作エラー判定回数に達している場合に、エラー処理(例えば、スピーカ8L,8Rからの音出力や演出表示装置5での画像の表示、演出用LED9の発光によって可動部材初期化処理が中断されたことを報知する。)を開始し、該エラー処理を実行することにより、可動部材初期化処理が中断されることで、演出制御メイン処理がS52に進むことなく中断され、演出制御基板12(演出制御用CPU120など)は起動しない状態(デットエンド状態)にするようにしてもよい。
また、動作対象役物をデッドエンド状態とした場合、演出制御基板12(演出制御用CPU120など)は起動するが、例えば、演出制御用CPU120は、可動役物を動作させることを示す入力信号(例えば、演出ボタン等の検出信号)の受付けを無効としたり、該入力信号が入力されても可動役物を動作させないようにするといった処理を実行することが好ましい。
一方、非検出時動作回数カウンタの値が動作エラー判定回数に達していない場合には、S558に戻り、再度、S558〜S564の処理を行うことにより、可動部材321を非検出時動作制御における最低速度にて第1位置に移動させる非検出時動作制御を開始して、前述したS561、S562の監視状態に移行する。
よって、S562にてエラー判定時間が経過したと判定されたとしても、動作エラー判定回数に達するまで繰り返し可動部材321を第1位置(原点位置)に移動させる動作制御(非検出時動作制御)を実行している間に動作対象役物が第1位置(原点位置)にて検出した場合には、S563に進むことなく、処理を終了する。
ここで、これら図18、図19に示す可動部材初期化処理が実行されることによる可動部302、可動部材321の動作態様及び制御内容について、図20、図21を用いて説明する。図20は、演出制御用CPU120が行う非検出時動作制御、検出時動作制御及び実動作確認用動作制御の動作態様を示す概略説明図である。図21は、(A)は実動作確認用動作制御における制御速度を示す説明図、(B)は検出時動作制御における制御速度を示す説明図、(C)は非検出時動作制御における制御速度を示す説明図である。
尚、図20及び図21においては、可動部302と可動部材321の往復動作距離(移動範囲)は同一ではないが、説明の便宜上、同一の概念図を用いて説明することとする。
図20に示すように、可動部302及び可動部材321は、それぞれ原点位置(第1位置、傾倒位置)と演出位置(第2位置、起立位置)との間で往復動作可能に設けられており、原点位置から演出位置への往動作や演出位置から原点位置への復動作は、前述した可動体演出等において実際に行う実動作とされている。
演出制御用CPU120は、可動部材初期化処理を実行したときに可動部302や可動部材321の被検出部(検出片315,334)が位置検出センサ316,333により検出されない場合、つまり、可動部302や可動部材321が何らかの理由(例えば、搬送や遊技島への設置時に原点位置から動いてしまっている場合、前回の動作時に原点復帰できなかった場合(例えば、演出の実行時に発生した動作異常(エラー)から原点復帰できなかった場合など)、遊技機の振動により原点位置から動いてしまった場合など)により原点位置以外の位置(例えば、図20における非検出時動作制御に対応する黒丸で示す位置など、原点位置と演出位置との間の所定位置)にある場合、原点復帰させるための非検出時動作制御を実行する。この非検出時動作制御を実行する場合、可動部302や可動部材321は原点位置から離れた位置にあるため、動作としては可動部302や可動部材321を原点位置方向に移動させる動作のみとされている。
また、演出制御用CPU120は、可動部材初期化処理を実行したときに可動部302や可動部材321の被検出部(検出片315,334)が位置検出センサ316,333により検出された場合、検出時動作制御を実行する。
例えば、被検出部(検出片315,334)が位置検出センサ316,333により確実に検出されるように、被検出部が位置検出センサ316,333により検出されたときから可動部302や可動部材321の原点位置方向への動作が規制されるまでの間に所定の動作可能範囲(例えば、遊び)が設定されている場合などにおいては、原点復帰して停止した位置よりもさらに奥側の位置にずれてしまうことがある。よって、被検出部が位置検出センサ316,333により検出されていても、可動部302や可動部材321をより正確な原点位置に復帰させるための検出時動作制御を行う。
この検出時動作制御は、位置検出センサ316,333による被検出部(検出片315,334)の検出状態を一旦解除するために可動部302や可動部材321を原点位置から離れた位置へ移動させた後に原点位置に復帰させる必要があるが、演出位置まで移動させる必要はないので、可動部302や可動部材321を原点位置から該原点位置の近傍である検出時動作位置まで移動させた後、原点位置に復帰させる。つまり、実動作よりも短い距離で往復動作させる。
また、演出制御用CPU120は、可動部材初期化処理において非検出時動作制御または検出時動作制御を実行した後、実動作確認用動作制御を実行する。実動作確認用動作制御は、可動部302や可動部材321が各種演出等において実際に行う実動作と同一の動作とされている。
次に、演出制御用CPU120が非検出時動作制御、検出時動作制御及び実動作確認用動作制御を実行する際に設定する制御速度について比較する。尚、図21(A)、図21(B)、図21(C)にて示す速度は、演出制御用CPU120が可動部302や可動部材321を動作させるために設定する制御速度であって、可動部302や可動部材321の実際の動作速度とは異なる。つまり、例えば、動作対象役物を動作させる場合において、原点位置と演出位置との間における一の移動区間と他の移動区間に同一の制御速度を設定した場合でも、一の移動区間と他の移動区間とで態様が異なる場合(例えば、バネがある区間とない区間、直線区間と曲線区間)や、同一の移動区間でも上昇する場合と下降する場合においては、動作対象役物を実際に動作させた場合の動作速度は制御速度とは異なることがある。また、複数の動作対象役物に対し同一の制御速度を設定しても、各動作対象役物の大きさ、重量、動作態様、動作距離、駆動機構やケーブル361等があるか否か等の違いがある場合、各動作対象役物の実際の動作速度は必ずしも同一にはならない。複数の動作対象役物を同一性能のステッピングモータにて動作させる場合において、各動作対象役物に対し同一の制御速度を設定しても、各動作対象役物の大きさ、重量、動作態様、動作距離、駆動機構やケーブル361等があるか否か等の違いがある場合、各動作対象役物の実際の動作速度は必ずしも同一にはならない。
図21(A)に示すように、演出制御用CPU120は、実動作確認用動作制御を実行する場合、セットした実動作確認用プロセスデータにおいて実動作確認用プロセスタイマのタイマカウント値に対応して設定されている制御速度に基づいて可動部302や可動部材321を動作させる。すなわち、動作対象役物が正常に動作可能であることを確認するための実動作確認用動作制御では、原点位置と演出位置との間において、可動部302や可動部材321の制御速度を低速→高速→低速の順に変化させる。つまり、演出制御用CPU120は、動作対象役物の可動体演出を実行する場合、第1速度である最低速度(低速)と該最低速度よりも速い第2速度としての最高速度(高速)との範囲内の速度で各動作対象役物が動作するように制御するため、実動作確認用動作制御を実行する場合においても、第1速度である最低速度(低速)と該最低速度よりも速い第2速度としての最高速度(高速)との範囲内の速度で各動作対象役物が動作するように制御する。
すなわち、上記第1速度としての最低速度や第2速度としての最高速度は、動作対象役物の実際の動作速度であって、該動作速度としての最低速度や最高速度となるように制御速度が設定されることになる。尚、以下においては、最低制御速度に基づいて動作対象役物を動作させた場合は最低速度にて動作し、最高制御速度に基づいて動作対象役物を動作させた場合は最高速度にて動作するものとして説明する。
ここで、可動部302や可動部材321の加速時及び減速時における動作速度が、実動作確認用動作制御における最低速度となるように制御速度が設定されている。また、演出位置に移動した後に原点位置に復帰させる際においては、演出位置に停止させるときよりも長い時間にわたり実動作確認用動作制御における最低速度制御することで、可動部302や可動部材321の動作速度を確実に減速させてから位置検出センサ316,333により検出片315,334が検出されるようにしている。
図21(B)に示すように、演出制御用CPU120は、検出時動作制御を実行する場合、原点位置から演出位置まで移動させる期間及び演出位置から原点位置まで移動させる期間において、常に実動作確認用動作制御における最低速度(第1速度)にて動作対象役物が動作するように制御する。つまり、演出制御用CPU120は、第1動作制御としての検出時動作制御における最高速度が、第2動作制御としての実動作確認用動作制御における最低速度以下の速度(本実施例では、実動作確認用動作制御における最低速度と同じ速度)となるように、常に実動作確認用動作制御において設定されている制御速度のうち最も低い最低制御速度に基づいて動作対象役物を動作させる制御を行う。
また、検出時動作制御の場合、実動作確認用動作制御に比べて動作対象役物の動作距離が短いため、実動作確認用動作制御において加速したときの制御速度、つまり高速で動作させると、原点検出センサにて被検出部を確実に検出できなかったり、近距離から動作対象役物が原点位置に復帰して移動規制されたときの衝撃により動作対象役物等が破損したりする虞があるため、実動作確認用動作制御における最低速度にて動作するように制御する。
また、図21(C)に示すように、演出制御用CPU120は、非検出時動作制御を実行する場合、原点位置と演出位置との間の任意の位置から原点位置まで移動させる期間において、常に実動作確認用動作制御における最低速度(第1速度)にて動作するように制御する。つまり、演出制御用CPU120は、第1動作制御としての非検出時動作制御における最高速度(最大動作速度)が、第2動作制御としての実動作確認用動作制御における最低速度以下の速度(本実施例では、実動作確認用動作制御における最低速度と同じ速度)となるように、常に実動作確認用動作制御において設定されている制御速度のうち最も低い最低制御速度に基づいて可動役物を動作させる制御を行う。
この場合、可動部302や可動部材321は原点位置からどの程度離れた位置にあるかが不明であるため、可動部302や可動部材321が原点位置の近傍に位置していた場合、実動作確認用動作制御において加速したときの制御速度、つまり高速で動作させると、位置検出センサ316,333にて検出片315,334を確実に検出できなかったり、近距離から可動部302や可動部材321が原点位置に復帰して移動規制されたときの衝撃により可動部302や可動部材321が破損したりする虞があるため、実動作確認用動作制御における最低速度にて動作するように制御する。
尚、本実施例では、図20及び図21に示すように、非検出時動作制御や検出時動作制御における可動部302や可動部材321の速度を、実動作確認用動作制御における可動部302や可動部材321の最低速度として動作させる形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、非検出時動作制御や検出時動作制御における可動部302や可動部材321の速度は、実動作確認用動作制御における可動部302や可動部材321の最低速度以下であれば任意の速度としてよい。特に、非検出時動作制御や検出時動作制御における可動部302や可動部材321の速度は、実動作確認用動作制御における可動部302や可動部材321の最低速度以下であれば、ケーブル361を構成する樹脂材や金属材の硬さ等の物性に応じた速度とすることで、過度な負荷を与えることなくケーブル361を慣らすようにしてもよい。
また、非検出時動作制御や検出時動作制御における可動部302や可動部材321の速度を、実際の演出(可動体演出)の実行時よりも遅くすることによって、可動部302や可動部材321の動作に伴うケーブル361からの放熱を抑え、ケーブル361の温度を効率よく高めることによって該ケーブル361を効率よく慣らすようにしてもよい。
以上、本実施例におけるパチンコ遊技機1においては、演出制御用CPU120は、パチンコ遊技機1が起動された際に、ケーブル361(配線)を可動させて慣らすための第1動作制御として非検出時動作制御や検出時動作制御を実行する場合、第2動作制御としての実動作確認用動作制御における最低速度以下の速度で可動部302や可動部材321が動作するように制御する。このようにすることにより、第1動作制御において、可動部302や可動部材321はいかなるタイミングでも停止可能な速度で動作するとともに、予めケーブル361を可動させて慣らすことで、第3動作制御としての実動作制御の実行中にケーブル361が可動部302や可動部材321の動作に影響を与えることを防ぐことができる。
尚、本実施例では、パチンコ遊技機1が起動された際に、ケーブル361(配線)を可動させて慣らすための第1動作制御として、原点位置に可動部302や可動部材321を位置させるための非検出時動作制御や検出時動作制御を適用した形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1動作制御は、配線を可動させて慣らすことができるものであれば、必ずしも原点位置に可動部302や可動部材321が位置するように動作させる制御でなくてもよい。つまり、原点位置への復帰動作とは関係なく、配線が可動するように可動体を動作させるものであればよく、また、可動体が原点位置を有しないものであってもよい。また、このような第1動作制御を、非検出時動作制御や検出時動作制御を行った後であって、実動作確認用動作制御を実行する前に実行するようにしてもよい。
また、本実施例では、演出制御用CPU120は、第1動作制御として非検出時動作制御や検出時動作制御を実行する場合、原点位置に位置するように可動部302や可動部材321を動作させるが、このとき第2動作制御としての実動作確認用動作制御における最低速度以下の速度で可動部302や可動部材321が動作するように制御する。このようにすることで、可動部302や可動部材321はいかなるタイミングでも停止可能な速度で動作するため、安全に原点位置に位置させることができる。
具体的には、非検出時動作制御や検出時動作制御では、実動作確認用動作制御に比べて可動部302や可動部材321を原点位置まで移動させる距離が短い場合があるため、非検出時動作制御や検出時動作制御における最高速度を、実動作確認用動作制御における最低速度とすることで、被検出部を検出手段により確実に検出させることができるとともに、可動部302や可動部材321を高速で移動させたまま移動規制された衝撃で破損することを回避できる。また、可動部302や可動部材321を原点位置まで移動させる距離が実動作確認用動作制御に比べて短い非検出時動作制御や検出時動作制御において、予めケーブル361を可動させて慣らすことができるので、遊技中において実行される実動作制御(可動体演出)において、ケーブル361が可動部302や可動部材321の動作に影響を与えることを防ぐことができる。
また、非検出時動作制御や検出時動作制御を実行する場合において、実動作確認用動作制御における最低速度以下の速度で可動部302や可動部材321が動作するように制御する、つまり、実動作確認用動作制御を実行する場合よりも速度を落とすことによって、モータのトルクが増加するので、ケーブル361が硬い状態でも確実に可動部302や可動部材321を動作させることができる。
また、非検出時動作制御や検出時動作制御においては、実動作確認用動作制御を実行する場合よりも可動部302や可動部材321の動作速度が遅くなるように制御することによって、可動部302や可動部材321の動作に伴うケーブル361からの放熱を抑えることができるだけでなく、動作(通電)時間が長くなることで発熱を促すことができる。
また、可動部材初期化処理のS509、S520、S529、S554、S564において非検出時動作回数カウンタの値が動作エラー判定回数に達した(異常が検知された)場合、演出制御用CPU120が可動部材初期化処理においてエラー処理を実行し、スピーカ8L,8Rからの音出力や演出表示装置5での画像の表示、演出用LED9の発光により可動部材初期化処理が中断されたことを報知するようにすれば、可動部302や可動部材321の非検出時動作制御や検出時動作制御における異常に適切に対応することができる。
また、本実施例では、非検出時動作制御や検出時動作制御を、実動作確認用動作制御よりも先に実行することによって、ケーブル361の温度を効率よく高めることによって該ケーブル361を効率よく慣らすことができるので、実動作確認用動作制御において可動部302や可動部材321が良好に動作しないことを防ぐことができる。尚、実動作確認用動作制御を非検出時動作制御や検出時動作制御よりも先に実行してもよい。
また、可動部材初期化処理では、非検出時動作制御や検出時動作制御として原点復帰エラーを記憶した場合、S541の処理を実行することで、S542〜S564の処理を実行せずに可動部材初期化処を終了するので、可動部302や可動部材321が正常に動作しない状態のまま実動作確認用動作制御や実動作制御(可動体演出を実行する制御)が実行されてしまうことを防ぐことができる。
また、本実施例では、可動部材321は、引張バネ323と該引張バネ323よりも可動部材321を第1位置から第2位置に向けて動作させる力(駆動力)の強い第2演出用モータ330との双方で第1位置から第2位置に動作可能となっているとともに、非検出時動作制御、検出時動作制御及び実動作確認用動作制御では、可動部材321を第2演出用モータ330の駆動によって第1位置から検出時動作位置や第2位置に動作させ、これら非検出時動作制御、検出時動作制御及び実動作確認用動作制御が終了した後、つまり、可動部材初期化処理の終了後は、可動部材321を引張バネ323の弾性力によって第1位置から第2位置に動作させることで、非検出時動作制御、検出時動作制御及び実動作確認用動作制御においては、可動部材321を好適に第1位置から検出時動作位置や第2位置に動作させることが可能となっている。
特に検出時動作制御においては、可動部材321を第1位置から該第1位置と第2位置との間の検出時動作位置まで移動させる際に、引張バネ323の引張力により第2方向へ上昇させるのではなく、第2演出用モータ330により最低制御速度で移動させることができるので、検出時動作制御においてケーブル361がいきなり伸びてしまうことを回避できる。
また、本実施例では、検出時動作制御において、第1位置や傾倒位置と検出時動作位置との間で可動部302や可動部材321が動作するように制御する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、検出時動作制御においても、傾倒位置と起立位置との間で可動部302が動作するように制御したり、第1位置と第2位置との間で可動部材321が動作するように制御するようにしてもよい。
尚、本実施例では非検出時動作制御、検出時動作制御及び実動作確認用動作制御では第2演出用モータ330によって可動部材321を第1位置から第2位置に動作させ、非検出時動作制御、検出時動作制御及び実動作確認用動作制御が終了した後は、引張バネ323の弾性力によって可動部材321を第1位置から第2位置に動作させる形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、可動部材321は常に第2演出用モータ330によって第1位置から第2位置に動作させてもよい。
また、ケーブル361は、熱を発する発熱体(演出表示装置5、第1演出用モータ303および第2演出用モータ330)の近傍に位置するように設けられるため、ケーブル361は、熱によって柔軟性が高い状態が保たれ、遊技中にケーブル361が可動部302や可動部材321に与える影響をより小さくすることができる。尚、ケーブル361は、フレキシブルフラットケーブルであってもよいし、被覆線を複数本並べて融着したフラットケーブルであってもよいし、1本の単線,撚線であってもよいし、撚対線であってもよい。
尚、本実施例では、ケーブル361を演出表示装置5や第1演出用モータ303、第2演出用モータ330等の熱を発する発熱体の近傍に位置するよう設ける形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、ケーブル361は、可動部302や可動部材321が第1位置や傾倒位置等の原点位置、または、第2位置や起立位置等の演出位置に配置されている場合にのみ発熱体の近傍に位置してもよい。また、ケーブル361は、発熱体からの放熱を受けることが可能であれば、ケーブル361全体が発熱体の近傍に位置するように設けられていなくともよい。
[変形例]
次に、本発明の変形例について説明する。図22は、(A)〜(D)は本発明の変形例1としての規制手段により規制状態へ変化する状況を示す説明図である。図23は、(A)〜(D)は本発明の変形例2としての規制手段により規制状態へ変化する状況を示す説明図である。図24は、(A)〜(D)は本発明の変形例3としての規制手段により規制状態へ変化する状況を示す説明図である。図25は、(A)は本発明の変形例4としての規制部、(B)は本発明の変形例5としての規制部を示す説明図である。
前記実施例では、駆動ギヤの一例としてピニオンギヤ331が適用され、従動ギヤの一例としてラックギヤ322が適用されていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、駆動ギヤと従動ギヤの種別は種々に変更可能である。
例えば、図22に示す変形例1のように、駆動ギヤG1及び従動ギヤG2の双方を回転ギヤとし、図22(A)〜(D)に示すように、駆動ギヤG1を第1作動方向へ回転させることで、複数の駆動歯のうち欠落部401に隣り合う駆動歯400の先端面402に従動歯410を当接させ、従動ギヤG2の第2方向への移動が規制される規制状態とすることができる。
このように、従動ギヤとして回転ギヤを適用してもよい。また、前記実施例では、隣接駆動歯としての駆動歯340Cに噛合する従動歯350Cの歯厚寸法L13が、他の従動歯350B,350Cの歯厚寸法L11,L12よりも長寸とされていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、隣接駆動歯としての駆動歯400に噛合する従動歯410の歯厚寸法L13が、他の従動歯の歯厚寸法L11,L12よりも長寸とされていなくてもよい。
また、図23に示す変形例2のように、駆動ギヤG3をラックギヤ、従動ギヤG4を回転ギヤとし、図23(A)〜(D)に示すように、駆動ギヤG3を第1作動方向へ移動させることで、複数の駆動歯のうち欠落部401に隣り合う駆動歯400の先端面402に従動歯410が当接させ、従動ギヤG4の第2方向への移動を規制する規制状態とすることができる。このように、駆動ギヤとしてラックギヤを適用してもよい。
また、前記実施例では、規制部としての先端面342Cを有する隣接駆動歯としての駆動歯340Cの歯厚寸法L3は、他の駆動歯340A,340Bの歯厚寸法L1,L2よりも長寸とされていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、駆動歯340Cの歯厚寸法L3は、他の駆動歯340A,340Bの歯厚寸法L1,L2よりも長寸とされていなくてもよい。
具体的には、図24に示す変形例3のように、駆動ギヤG5を回転ギヤ、従動ギヤG6をラックギヤとし、図24(A)〜(D)に示すように、駆動ギヤG5を第1作動方向へ移動させることで、複数の駆動歯のうち欠落部401に隣り合う駆動歯400の先端面402に従動歯410が当接させ、従動ギヤG6の第2方向への移動が規制される規制状態とすることができる。このように、隣接駆動歯としての駆動歯400の先端面402の周方向の長さ寸法は、必ずしも他の駆動歯の先端面の周方向の長さ寸法よりも長寸とされなくてもよく、図24(D)に示すように、先端面402が歯先線Tを交差するようになれば、他の駆動歯の先端面の周方向の長さ寸法とほぼ同じまたは短寸であってもよい。
また、前記実施例では、規制部としての先端面342Cは、駆動軸330aを中心とする円弧に沿う湾曲面とされていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、平坦面、球面あるいは凹状面等にて構成されていてもよい。また、図25(A)の変形例4に示すように、先端面の一部または先端面全域に、従動歯350Cが係止可能な係止凹部420等を形成することで、従動歯350Cが先端面342C上を滑っても、従動歯350Cの歯先が係止凹部420に係止されることで噛みやすくなるので、従動歯350Cが規制部としての先端面342C上を滑って規制状態に変化しにくくなることを抑制できる。
また、前記実施例では、規制部の一例として、欠落部341に隣接する駆動歯340Cの先端面342Cが適用されていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、規制部は駆動歯の先端面にて構成されるものに限定されるものではなく、図25(B)の変形例5に示すように、駆動歯340Cの先端面342Cと、該先端面342Cから欠落部341側へ延設された延設面430と、により構成される規制面としてもよい。すなわち、規制部は、駆動歯の先端面のみにより形成されるものだけでなく、先端面から欠落部側へ延設される延設面など、駆動歯として機能しない部位にて構成されていてもよい。
また、規制部を構成する先端面342C及び延設面430からなる規制面の作動方向の長さ寸法は、前記実施例や変形例に記載のものに限定されるものではなく、例えば、延設面430等の規制面が、欠落部341の長手方向に亘り延設されていてもよい。
また、前記実施例や変形例1〜4では、駆動ギヤは、隣接駆動歯の第1作動方向の後側に駆動歯が欠落した欠落部を有していたが、欠落部とは駆動歯が存在しない部分であり、例えば、扇状のギヤの円弧にのみ駆動歯が形成されているギヤや、隣接駆動歯が第1作動方向の後側の端部に形成されたラックギヤなども、欠落部を有していることになる。
また、従動ギヤにおいても、第1方向の後側に従動歯が欠落した欠落部を有していたが、例えば、扇状のギヤの円弧にのみ従動歯が形成されているギヤや、隣接駆動歯に噛合する従動歯が第1方向の後側の端部に形成されたラックギヤなども、欠落部を有していることになる。
また、前記実施例では、駆動ギヤと従動ギヤの種別として、ラックギヤとピニオンギヤを適用したが、本発明はこれに限定されるものではなく、平歯車、かさ歯車及びはすば歯車等を適用してもよい。
また、前記実施例では、第2演出用モータ330の駆動軸330aに固着されたピニオンギヤ331が駆動ギヤとされ、可動部材321に一体化されたラックギヤ322が従動ギヤとされていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、駆動源により駆動する複数のギヤのうち互いに噛合する2つのギヤが本発明の駆動ギヤと従動ギヤとされていればよい。例えば、ピニオンギヤ331に直接または間接的に噛合するギヤを駆動ギヤとし、該駆動ギヤに噛合するギヤを従動ギヤとしてもよい。また、可動部材321は従動ギヤであるラックギヤ322に直接設けられていなくてもよく、例えば、可動部材321は、ラックギヤ322の動力を伝達する動力伝達機構の一部に設けられていてもよい。
また、前記実施例では、回動部材320に対し可動部材321を第1位置と第2位置との間で移動させる駆動機構として、本発明の駆動ギヤと従動ギヤとを適用していたが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、可動部302を傾倒位置と起立位置との間で駆動させる駆動機構として、本発明の駆動ギヤと従動ギヤとを適用してもよいし、あるいは、他の可動演出ユニットの駆動機構として適用してもよい。また、このように演出用の可動部を駆動させる駆動機構に適用するものだけでなく、例えば、特別可変入賞球装置7の大入賞口用扉などを開閉させるための駆動機構等、遊技用可動部の駆動機構として適用してもよい。
また、前記実施例では、本発明における可動体としての可動部302と可動部材321とを備えた演出ユニット300をパチンコ遊技機1に設ける形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、変形例6として図26に示すように、中央に設けられた演出表示装置の前方に下方側から進出可能な1の可動体を備える役物Y1と、演出表示装置の前方に上方側から落下可能な1の可動体を備える役物Y2と、一部が演出表示装置の表示領域を覆うように設けられ、回転する1の可動体を備える役物Y3を備えるパチンコ遊技機1001のように、1の可動体のみを有する役物を複数備えるものであってもよく、これら各役物Y1〜Y3が動作するときに、各役物Y1〜Y3に対応した演出画像(例えば、エフェクト画像等)を演出表示装置に表示してもよい。尚、これら役物の動作態様(例えば、移動方向や回動方向)や設置数は、上記のものに限らず種々に変更可能である。また、上記以外の動作態様にて動作する可動役物(可動体)を適用してもよい。
また、変形例6として図26に示すように、パチンコ遊技機1001が役物Y1〜Y3を備える場合、役物Y3が備える可動体は特定の位置で回転のみを行い他の位置に向けて動作しない。つまり、原点位置検出を必要としない可動体である。よって、役物Y1が備える可動体と役物Y2が備える可動体については、検出時動作制御及び非検出時動作制御(第1動作制御)と実動作確認動作制御(第2動作制御)を実行する一方で、役物Y3が備える可動体についは、検出時動作制御及び非検出時動作制御(第1動作制御)を実行せずに実動作確認動作制御(第2動作制御)のみを実行してもよい。このようにすることで、必要な可動体だけ第2動作制御を行うことができ、第2動作制御による動作確認時間を短縮することができる。
尚、本変形例6では、パチンコ遊技機1001に、中央に設けられた演出表示装置の前方(演出位置)に下方側(原点位置)から進出可能な1の可動体を備える役物Y1と、演出表示装置の前方(演出位置)に上方側(原点位置)から落下可能な1の可動体を備える役物Y2と、一部が演出表示装置の表示領域を覆うように設けられ、回転する1の可動体を備える役物Y3と、を備える形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら可動体の動作態様や設置数は上記のものに限らず種々に変更可能である。また、上記以外の動作態様にて動作する可動体を適用してもよい。
また、本変形例6では、役物Y3が備える回転する可動体については、第1動作としての検出時動作制御と非検出時動作制御を実行しない形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、該役物Y3が備える可動体についても原点位置と演出位置を設定することにより、該役物Y3が備える可動体においても第1動作制御としての検出時動作制御と非検出時動作制御を実行してもよい。
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
例えば、前記実施例では、一の動作対象役物が有する複数の可動体(可動部302と可動部材321)各々に対して、第1動作制御として非検出時動作制御または検出時動作制御を実行する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1動作制御としては、非検出時動作制御のみを実行するようにしてもよい。尚、第1動作制御として非検出時動作制御のみを実行可能とする場合、位置検出センサ316,333によって可動部302や可動部材321が検出されている場合(位置検出センサ316,333がONの場合)は非検出時動作制御を実行しなくともよい。
また、前記実施例では、演出制御用CPU120が、第1動作制御としての非検出時動作制御や検出時動作制御を実行する場合、第2動作制御としての実動作確認用動作制御における最低速度と同じ速度で可動部302や可動部材321が動作するように制御する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、非検出時動作制御や検出時動作制御において、第2動作制御としての実動作確認用動作制御における最低速度以下の速度で可動部302や可動部材321が動作するように制御すればよく、例えば、実動作確認用動作制御における最低速度よりも遅い動作速度にて可動役物が動作するように制御してもよい。
また、前記実施例では、第1動作制御である非検出時動作制御または検出時動作制御においては、常に予め設定された単一の動作速度(実動作確認用動作制御における最低速度)にて可動部302や可動部材321が動作する、つまり、可動部302や可動部材321が常に一定の速度にて動作するように制御する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、原点位置に復帰する際に、実動作確認用動作制御における最低速度から漸次減速させて最低速度よりも低い速度にて動作するように制御してもよい。つまり、第1動作制御である非検出時動作制御または検出時動作制御においては、実動作確認用動作制御における最低速度よりも低い速度であれば、所定の移動期間において速度が可変するようにしてもよい。
また、前記実施例では、第1動作制御である非検出時動作制御または検出時動作制御においては、それぞれ同一の動作速度(実動作確認用動作制御において設定されている最低制御速度)にて可動部302や可動部材321が動作するように制御する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、非検出時動作制御における最高速度が、検出時動作制御における最低速度以下の速度となるように制御するようになっていれば、例えば、非検出時動作制御と検出時動作制御とで異なる動作速度にて可動部302や可動部材321が動作するように制御してもよい。
また、前記実施例では、エラーなど特定の異常が発生している場合に可動部302や可動部材321が位置検出センサ316,333にて検出されていないとき、非検出時動作期間タイマが上限時間に対応する値になるまで、及び動作エラー判定回数が「3」に達するまで、実動作確認用動作制御における最低速度にて可動部302や可動部材321を原点位置方向へ向けて移動させる制御を繰返し行う形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、検出時動作制御における最低速度よりも低い速度、例えば、エラー用に設定され、比較的大きなトルクが得られる低速である特別速度で可動役物が動作するように制御するようにしてもよい。
また、前記実施例では、可動部材初期化処理において、可動部302や可動部材321が原点位置に位置していない場合(S506、S517、S527、S551、S561でN)には、位置検出センサ316,333がONになるまで設定されたプロセスデータに基づき、実動作確認用動作制御における最低速度にて可動部302や可動部材321が検出時動作を行うように制御する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、可動部302や可動部材321が原点位置に位置していない場合には、その時点から可動部302や可動部材321を実動作確認用動作に制御における最低速度にて原点位置方向へ移動するように制御するようにしてもよい。
また、前記実施例では、可動部材初期化処理における実動作確認用動作制御において、演出制御用CPU120は、可動部302や可動部材321を往動作及び復動作それぞれにおいて加速及び減速して、低速→高速→低速→停止となるように制御する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、可動体演出時の実動作制御や実動作確認用動作制御における動作速度は上記した形態に制御するものに限らず、例えば、低速→高速→低速→高速→低速→停止といったように低速と高速とを複数回繰り返すように制御してもよいし、動作速度が低速→中速→高速の順に変化するように制御してもよい。
また、往動作と復動作とで動作速度の変化態様や最低速度が異なるように制御してもよい。尚、往動作と復動作とで最低速度が異なる場合、非検出時動作制御や検出時動作制御における最高速度を、実動作確認用動作制御において設定されている往動作と復動作とのうち速度が低い方の最低速度以下の速度となるように設定すればよい。
また、前記実施例では、可動部材初期化処理における実動作確認用動作制御において、演出制御用CPU120は、可動部302や可動部材321を加速及び減速して動作速度を変化させる制御を行う形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、単一の動作速度にて可動部302や可動部材321の動作を制御するようにしてもよい。このように単一の動作速度にて可動部302や可動部材321が動作するように制御する場合、該単一の動作速度が、実動作確認用動作制御における最低速度となるため、非検出時動作制御や検出時動作制御における最高速度を、該最低速度以下の速度となるように制御すればよい。
また、前記実施例では、第1動作制御としての非検出時動作制御や検出時動作制御を、パチンコ遊技機1の起動時である可動部材初期化処理において実行する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、起動時以外のタイミング(例えば、役物エラーや他の各種エラーを含むエラー処理の実行後や、図柄の変動開始時や、可動役物演出の実行後など)にて実行するようにしてもよい。
また、前記実施例では、実動作確認用プロセスデータを、実際の可動体演出時の動作と同一の動作内容が記述されたものとした形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら実動作確認動作制御としては、実際の演出における動作速度の各動作を全て含むものであれば、完全に同一の動作でなくともよく、例えば、動作の一部が異なる複数の演出動作がある場合には、異なる複数の演出動作を全て組み込んだ確認専用の動作を記述した実動作確認用プロセスデータとしてもよい。
また、前記実施例では、動作エラー判定回数を「3」とした形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら動作エラー判定回数は、「3」以外の回数に適宜に設定してもよく、S509の動作エラー判定回数、S520の動作エラー判定回数、S529の動作エラー判定回数、S554の動作エラー判定回数、S564の動作エラー判定回数を異ならせてもよい。
また、前記実施例では、遊技機の一例としてパチンコ遊技機1を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、予め定められた球数の遊技球が遊技機内部に循環可能に内封され、遊技者による貸出要求に応じて貸し出された貸出球や、入賞に応じて付与された賞球数が加算される一方、遊技に使用された遊技球数が減算されて記憶される、所謂、封入式遊技機にも本発明を適用可能である。尚、これら封入式遊技機においては遊技球ではなく得点やポイントが遊技者に付与されるので、これら付与される得点やポイントが遊技価値に該当する。また、スロットマシンにも適用可能である。
また、前記実施例では、遊技機の一例としてパチンコ遊技機が適用されていたが、例えば遊技用価値を用いて1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、各々が識別可能な複数種類の図柄を変動表示可能な変動表示装置に変動表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、該変動表示装置に導出された変動表示結果に応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンにも適用可能である。
また、前記実施例では、遊技媒体の一例として、球状の遊技球(パチンコ球)が適用されていたが、球状の遊技媒体に限定されるものではなく、例えば、メダル等の非球状の遊技媒体であってもよい。
なお、今回開示された実施例は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。