JP2018035476A - 繊維集合体の製造装置および繊維集合体の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】繊維の配列性に優れる繊維集合体を提供する。【解決手段】繊維集合体の製造装置は、繊維の原料となる原料樹脂を含む原料液を用いて生成させた繊維を配列させて繊維集合体を製造するものであり、原料液を吐出させるノズルと、ノズルから吐出される原料液を帯電させる帯電手段と、ノズルから原料液を吐出させて生成した繊維を収集するコレクタと、を備える。コレクタは、間隔を開けて対向するように配置された第1電極部および第2電極部からなる電極対を少なくとも1つ備える。第1電極部の最大幅W1を有する部分の両端と第2電極部上の任意の点とを結んで形成される角度の最大値をθ1、第2電極部の最大幅W2を有する部分の両端と第1電極部上の任意の点とを結んで形成される角度の最大値をθ2とするとき、θ1およびθ2が、配列した繊維の予め設定された許容配列ばらつき角度θ以下になるように電極対が配置される。【選択図】図1

Description

本発明は、繊維が配列して堆積した繊維集合体を製造する製造装置および繊維集合体の製造方法に関する。
不織布などの繊維集合体は、例えば、コレクタなどの基材上に繊維を堆積させることにより形成できる。用途によっては、繊維が配列した繊維集合体が求められる。電界紡糸法では、繊維はらせん状に堆積するため、繊維を配列させたい場合は、高速で回転する巻取回転体に巻きつける方法が採られている。また、繊維を配列させるために、コレクタに等電位の2つ以上の電極を設ける方法なども利用されている(特許文献1など)。
特開2015−109431号公報
コレクタに等電位の複数の電極を設けて、各電極に順番に繊維を着地させる方法では、複数の電極間において、双方の電極に垂直な方向だけでなく、斜め方向に繊維が架け渡されることがあるため、繊維の配列性を高めることが難しい。
本発明の一局面は、繊維の原料となる原料樹脂を含む原料液を用いて生成させた繊維を配列させて繊維集合体を製造するための製造装置であって、
前記原料液を吐出させるノズルと、前記ノズルから吐出される原料液を帯電させる帯電手段と、前記ノズルから前記原料液を吐出させて生成した繊維を収集するコレクタと、を備え、
前記コレクタは、間隔を開けて対向するように配置された第1電極部および第2電極部からなる電極対を少なくとも1つ備え、
前記第1電極部の重心から前記第2電極部の重心に向かう方向D1に対して垂直な方向D2における、前記第1電極部の最大幅がW1であり、前記第2電極部の最大幅がW2であり、前記最大幅W1を有する部分の両端と前記第2電極部上の任意の点とを結んで形成される角度の最大値をθ1、前記最大幅W2を有する部分の両端と前記第1電極部上の任意の点とを結んで形成される角度の最大値をθ2とするとき、前記最大値θ1および前記最大値θ2が、配列した前記繊維の予め設定された許容配列ばらつき角度θ以下になるように前記電極対が配置される、繊維集合体の製造装置に関する。
本発明の他の局面は、繊維の原料となる原料樹脂を含む原料液を用いて生成させた繊維を配列させて繊維集合体を製造する製造方法であって、
間隔を開けて対向するように配置された第1電極部および第2電極部からなる電極対を少なくとも1つ備えた、前記繊維を収集するためのコレクタを準備する準備工程と、
前記原料液をノズルから吐出させて、前記繊維を生成させ、前記コレクタに前記繊維を堆積させて前記繊維が配列した繊維集合体を形成する堆積工程と、を備え、
前記準備工程において、前記第1電極部の重心から前記第2電極部の重心に向かう方向D1に対して垂直な方向D2における、前記第1電極部の最大幅がW1であり、前記第2電極部の最大幅がW2であり、前記最大幅W1を有する部分の両端と前記第2電極部上の任意の点とを結んで形成される角度の最大値をθ1、前記最大幅W2を有する部分の両端と前記第1電極部上の任意の点とを結んで形成される角度の最大値をθ2とするとき、前記最大値θ1および前記最大値θ2が、配列した前記繊維の予め設定された許容配列ばらつき角度θ以下になるように前記電極対が配置される、繊維集合体の製造方法に関する。
繊維の配列性に優れる繊維集合体が得られる。
本発明の一実施形態に係る繊維集合体の製造装置を説明するための模式図である。 図1において対向する電極対を模式的に示す上面図である。 本発明の他の実施形態に係る繊維集合体の製造装置が、複数の電極対を有する場合の電極対の状態を模式的に示す上面図である。 本発明の実施形態に係る繊維集合体の製造方法を説明するための模式図である。
本発明の一実施形態に係る繊維集合体の製造装置では、繊維の原料となる原料樹脂を含む原料液を用いて生成させた繊維を配列させて繊維集合体を製造する。製造装置は、原料液を吐出させるノズルと、ノズルから吐出される原料液を帯電させる帯電手段と、ノズルから原料液を吐出させて生成した繊維を収集するコレクタと、を備える。コレクタは、間隔を開けて対向するように配置された第1電極部および第2電極部からなる電極対を少なくとも1つ備える。第1電極部の重心から第2電極部の重心に向かう方向D1に対して垂直な方向D2における、第1電極部の最大幅がW1であり、第2電極部の最大幅がW2であり、最大幅W1を有する部分の両端と第2電極部上の任意の点とを結んで形成される角度の最大値をθ1、最大幅W2を有する部分の両端と第1電極部上の任意の点とを結んで形成される角度の最大値をθ2とするとき、最大値θ1および最大値θ2が、配列した繊維の予め設定された許容配列ばらつき角度θ以下になるように、電極対が配置される。
また、本発明の他の実施形態に係る繊維集合体の製造方法では、繊維の原料となる原料樹脂を含む原料液を用いて、繊維を配列させた繊維集合体を製造する。製造方法は、間隔を開けて対向するように配置された第1電極部および第2電極部からなる電極対を少なくとも1つ備えた、繊維を収集するためのコレクタを準備する準備工程と、原料液をノズルから吐出させて、繊維を生成させ、コレクタに繊維を堆積させて繊維が配列した繊維集合体を形成する堆積工程と、を備える。準備工程において、電極対は、最大値θ1および最大値θ2が、配列した繊維の予め設定された許容配列ばらつき角度θ以下になるように配置される。
電界紡糸法では、一般に、繊維はらせん状に堆積する。間隔を開けて対向するように配置された一対の電極部(電極対とも言う)に繊維を堆積させる場合には、繊維の一方の電極部に近い部分が一方の電極部に引き寄せられて着地し、繊維の他方の電極部に近い部分が他方の電極部に引き寄せられて着地する。電極対の各電極部に交互に繊維の一部が着地することで、繊維が堆積される。しかし、従来の方法では、繊維が電極部に着地する位置の調節は難しいため、対向する電極部に対してほぼ垂直に繊維が架け渡されることもあれば、一方の電極部の一端部と、他方の電極部の他端部(一方の電極部の一端部と対向する他方の電極部の一端部とは反対側の端部)とに架け渡されることもある。そのため、このような複数の電極部を用いる方法では、実際に繊維の配列性を高めることは困難であった。
上記の実施形態では、上記の角度の最大値(最大角度)θ1と、角度の最大値(最大角度)θ2の双方が、配列した繊維の予め設定された許容配列ばらつき角度θ以下になるように第1電極部と第2電極部とからなる電極対を配置する。これにより、第1電極部と第2電極部との間に繊維が斜めに架け渡される場合でも、斜めになる角度を設定値θ以下にすることができる。よって、繊維の配列性が向上した繊維集合体を得ることができる。
図2は、図1において対向する電極対を模式的に示す上面図である。図2では、第1電極部11と、第1電極部11と対向するように配置された第2電極部12とは電極対を構成している。第1電極部11の重心(第1電極部11の面方向における重心)C1から、第2電極部12の重心(第2電極部12の面方向における重心)C2に向かう方向D1に対して、垂直な方向D2における第1電極部11の最大幅をW1、方向D2における第2電極部12の最大幅をW2とする。そして、最大幅W1を有する部分の両端と、第2電極部12上の任意の点とを結んで形成される角度の最大値をθ1とする。同様に、最大幅W2を有する部分の両端と第1電極部11上の任意の点とを結んで形成される角度の最大値をθ2とする。
第1電極部11および第2電極部12を備えるコレクタに繊維を堆積させる場合、繊維は、各電極部11,12間に架け渡されるように堆積される。一般に、最大角度θ1やθ2が大きくなると、繊維は、電極部11,12間に様々な角度で架け渡される可能性が高くなり、配列性が低くなる。それに対し、本実施形態では、最大角度θ1およびθ2を、予め設定された許容配列ばらつき角度θ以下になるように、電極部11,12を配置することで、架け渡される繊維の配列角度のばらつきを小さくすることができる。つまり、電極部11,12間に架け渡される繊維が電極部11および12に対して斜めになったとしても、その角度を小さくすることができる。よって、繊維集合体における繊維の配列性を高めることができる。
なお、許容配列ばらつき角度θとは、繊維を配列させる際に、許容できる繊維の配列角度を言う。繊維の配列角度とは、第1電極部の重心から第2電極部の重心に向かう方向D1に対して、堆積される繊維の平均的な長さ方向がなす角度を言う。
繊維の平均的な長さ方向は、例えば、繊維集合体を上から見たときの走査型電子顕微鏡(SEM)写真に基づいて決定することができる。繊維集合体を上から見たSEM写真において、まず、所定のサイズ(例えば、100μm×100μmや25μm×25μm)の正方形の領域Rを設定する。この領域Rにおいて、ある繊維が、領域Rの対向する2辺と交差する2点間を結んだ直線の方向を、その繊維の平均的な長さ方向とする。
コレクタは、さらに第1電極部と第2電極部との間に絶縁領域を備えていてもよい。そして、製造装置は、さらに絶縁領域を帯電させるためのイオン風放出部を有することが好ましい。この場合、第1電極部および第2電極部間の絶縁領域を帯電させることができるため、同じ極性に帯電した繊維が絶縁領域に反発し、絶縁領域への繊維の直接の堆積が抑制される。これにより、電極間を直線的に架け渡される繊維(繊維が直線に近い状態で架け渡される場合も含む)を得ることができるため、繊維の配列性がさらに向上する。
コレクタは、第1電極部および第2電極部の電極対を1つ備えていてもよく、複数の電極対を備えていてもよい。θ1≦θおよびθ2≦θとすると、形成される繊維集合体の面積が小さくなり易い。複数の電極対をコレクタに設けることで、形成される繊維集合体の面積を大きくすることができ、生産性を向上することができる。
コレクタが複数の電極対を備える場合、製造装置は、ノズルに対する各電極対の電位をそれぞれ個別に変更するための切替手段を備えることが好ましい。切替手段により、1つの電極対がノズルに対して反対の極性となるように接地したり電圧を印加している間、他の電極対をフローティングさせたり、ノズルと同じ極の電圧を印加させたり、フローティングさせた上でノズルと同じ極にイオン風で帯電させたりすることができる。ノズルに対して反対の極性となるように1つの電極対を接地したり電圧を印加しながら、この電極対に繊維を堆積させる間、他の電極対への繊維の堆積が抑制される。よって、隣接する電極対において、一方の電極対の電極部(例えば、第1電極部)と、他方の電極対の電極部(例えば、第2電極部)との間に繊維が架け渡されるのを抑制することができるため、高い配列性を確保し易くなる。
以下に、適宜図面を参照しながら、繊維集合体の製造装置(およびその構成要素)ならびに繊維集合体の製造方法(および各工程)についてより詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る繊維集合体の製造装置(または製造方法の堆積工程)を説明するための模式図である。繊維集合体の製造装置10は、放出体16内に収容した原料液17を吐出させるノズル15と、ノズル15から吐出される原料液17を帯電させる帯電手段18と、ノズル15から吐出させて生成した繊維Fを収集するコレクタ14と、を備えている。コレクタ14は、第1電極部11と、第1電極部11と対向する第2電極部12とを備えている。
繊維Fの堆積工程では、放出体16内に収容した原料液17を、放出体16のノズル15から吐出させて繊維Fを生成させる。生成した繊維Fは、コレクタ14に堆積される。繊維Fがらせん状に落下する際に、繊維Fの第1電極部11に近い部分が第1電極部11に引き付けられて着地し、繊維Fの第2電極部12に近い部分が第2電極部12に引き付けられて着地する。これにより、繊維Fは第1電極部11と第2電極部12との間に架け渡されて配列し、繊維集合体が形成される。
第1電極部11および第2電極部12を少なくとも備えるコレクタ14は、堆積工程に先立って準備される。コレクタ14を準備する際に、第1電極部11と第2電極部とを、前述のように最大角度θ1およびθ2が、許容配列ばらつき角度θ以下となるように配置する。これにより、繊維集合体において、繊維Fの配列性を向上することができる。
図示例では、コレクタ14は絶縁領域13を備えている。絶縁領域13は、少なくとも第1電極部11と第2電極部12との間に形成されていればよく、コレクタ14の第1電極部11および第2電極部12以外の領域全体を絶縁領域13としてもよい。製造装置10は、イオン風放出部19を備えている。絶縁領域13は、イオン風放出部19から放出されるイオン風により帯電され、第1電極部11と第2電極部12との間の絶縁領域13にも繊維Fを堆積させ易くなる。
(繊維集合体の製造装置)
本実施形態に係る製造装置は、コレクタに特徴があり、ノズルおよび帯電手段としては、それぞれ、公知のものを特に制限なく採用することができる。ノズルの形状、ノズル先端の吐出口の形状や個数も特に制限されない。帯電手段は、例えば、ノズルに電圧を印加する電圧印加装置と、第1電極部および第2電極部からなる電極対に接続された対電極とを備えていてもよい。第1電極部および第2電極部は、ノズルと反対の極性に帯電されていればよく、例えば、接地(グランド)させてもよく、ノズルと反対の極性となるように電圧を印加してもよい。ノズルの吐出口と、コレクタとの距離は、製造装置の規模や所望の繊維径にもよるが、例えば、100〜600mmである。
ノズルから吐出された原料液は、帯電した状態でノズルとコレクタとの間の空間(繊維生成空間)を移動中に静電爆発を起し、繊維を生成する。生成した繊維は、コレクタに収集、堆積され、繊維集合体が形成される。
原料液は、通常、繊維の原料樹脂と溶媒と必要に応じて添加剤とを含んでいる。
繊維の原料樹脂としては、例えば、ポリスチレン(PS)などのスチレン樹脂、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリフッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ポリテトラフルオロエチレンなどのフッ素樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン−アクリレート共重合体などの塩素系樹脂、ポリサルホン、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリフェニレンサルファイド、ポリプロピレン、ポリエチレンなどのポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアクリロニトリル、ポリアクリロニトリル−メタクリレート共重合体などのアクリル系樹脂、ポリカーボネート、ポリエステルカーボネートなどのポリカーボネート系樹脂、ポリアミド、アラミドなどのポリアミド系樹脂、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミドなどのポリイミド系樹脂、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアセタール、ポリウレタン、ポリエチレンオキサイド、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、コラーゲン、ポリペプチド等およびこれらの共重合体等の高分子物質を例示できる。
ポリエステル樹脂としては、例えば、ポリカプロラクトン、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリヒドロキシ酪酸、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリ−m−フェニレンテレフタレート、ポリ−p−フェニレンイソフタレート、ポリアリレートなどが挙げられる。
高分子物質は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて使用してもよい。なお、これらは単なる例示であり、これらの高分子物質に限定されるものではない。これらのうち、PESが好ましい。
溶媒としては、繊維の原料(原料樹脂、添加剤など)を溶解し、揮発などにより除去可能なものであれば特に制限されず、原料の種類や製造条件に応じて、水および有機溶媒から適宜選択して使用できる。溶媒としては、非プロトン性の極性有機溶媒が好ましい。このような溶媒としては、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)などのアミド(鎖状または環状アミドなど);ジメチルスルホキシドなどのスルホキシドなどが挙げられる。これらの溶媒は一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
繊維を収集するコレクタは、第1電極部および第2電極部からなる電極対を備えている。第1電極部と第2電極部とは間隔を開けて対向するように配置される。堆積される繊維は、第1電極部と第2電極部とに交互に着地していくことで、配列される。
許容配列ばらつき角度θは、所望する繊維の配列状態に応じて決定すればよい。角度θは、例えば、20°以下であり、15°以下であることが好ましく、10°以下であることがさらに好ましい。角度θをこのような範囲にすることで、繊維の配列性をさらに高めることができる。なお、角度θは、0°以上である。
最大角度θ1およびθ2は、それぞれ、第1電極部および第2電極部のサイズおよび間隔、最大幅W1およびW2、最大幅W1を有する部分と最大幅W2を有する部分とが対向する部分の長さなどを調節することにより、調節することができる。
最大角度θ1およびθ2を調節し易い観点から、第1電極部と第2電極部との間の間隔(第1電極部と第2電極部との間の距離)は、繊維集合体のサイズなどに応じて決定できる。第1電極部と第2電極部との間の間隔は、例えば、1〜30mmであり、好ましくは5〜20mmである。
最大角度θ1およびθ2を調節し易い観点からは、第1電極部および第2電極部の形状(平面形状)は、四角形(正方形、長方形など)であることが好ましい。また、最大角度θ1およびθ2を調節し易い観点から最大幅W1およびW2は、それぞれ、例えば、3〜20mmであり、5〜10mmであることが好ましい。
第1電極部および第2電極部の形状は特に制限されないが、最大角度θ1および最大角度θ2を小さくし易い観点からは、W1を有する部分とW2を有する部分とが対向しない部分ができるだけ小さくなるように(つまり、W1を有する部分とW2を有する部分とができるだけ対向するように)することが好ましい。W1を有する部分とW2を有する部分とが対向する部分の長さは、W1およびW2のそれぞれの、例えば、80%以上であることが好ましく、90%以上であることがさらに好ましい。
コレクタは、第1電極部および第2電極部からなる電極対を少なくとも1つ備えていればよく、複数の電極対を備えていてもよい。電極対の個数は、特に制限されず、各電極部のサイズや間隔、W1およびW2の長さなどに応じて決定すればよい。電極対の個数は、例えば、1〜20であり、1〜10であることが好ましい。
図3は、本発明の他の実施形態に係る繊維集合体の製造装置が、複数の電極対を有する場合の電極対の状態を模式的に示す上面図である。
製造装置は、第1電極部11と第2電極部12とからなる一対の電極対をn個備えている。n個の電極対は、第1電極対101、第2電極対102、第3電極対103、…および第n電極対Nからなる。各電極対において、第1電極部11および第2電極部12は、図2の場合と同様の配置である。第1電極部11と第2電極部12とは、最大角度θ1およびθ2が許容配列ばらつき角度θ以下になるように配置されることで、繊維の配列性は高まるが、電極のサイズが小さくなるため、形成される繊維集合体の面積が小さくなる。そのため、複数の電極対を有する製造装置を用いる場合には、繊維集合体の面積を大きくすることができる。
隣接する電極対間で繊維が着地するのを抑制する観点から、複数の電極対を備える製造装置は、複数の電極対のノズルに対する電位をそれぞれ個別に変更する切替手段120を備えていてもよい。切替手段120は、第1電極対101、第2電極対102、第3電極対103、…第n電極対Nのそれぞれの第1電極部11および第2電極部12とオンオフ可能に接続されている。つまり、切替手段120は、第1電極対101の第1電極部11および第2電極部12のそれぞれに電気的に接続した接点1,1’、第2電極対102の各電極部11,12に電気的に接続した接点2,2’、第3電極対103の各電極部11,12に電気的に接続した接点3,3’、…第n電極対Nの各電極部11,12に電気的に接続した接点n,n’間において、接続状態を切り替え可能である。
例えば、切替手段120と、第1電極対101の電極部11,12との接点1,1’との接続をオンにしている間、他の電極対との接続をオフにして、第1電極対101の電極部11,12間に繊維を堆積させる。次いで、第2電極対102の電極部11,12との接点2,2’との接続をオンにし、他の電極対との接続をオフにして、繊維を第2電極対102の電極部11,12間に堆積させる。このような作業を繰り返して、複数の電極対に繊維集合体を形成することができる。
コレクタにおいて、絶縁領域は、少なくとも第1電極部と第2電極部との間に形成すればよく、第1電極部および第2電極部以外の領域に形成してもよい。また、第1電極部および第2電極部を絶縁領域上に配置してもよい。第1電極部および第2電極部以外の絶縁領域への繊維の直接の堆積を防ぎ、電極部間に直線的に架け渡される繊維(繊維が直線に近い状態で架け渡される場合も含む)を得るためにイオン風放出部を設けて、絶縁領域を帯電させることが好ましい。絶縁領域は、公知の絶縁材料(樹脂など)で構成できる。イオン風放出部も公知のもの、例えば、イオナイザなどが採用できる。イオナイザは、コロナ放電式であってもよく、電離放射線式であってもよい。
(繊維集合体の製造方法)
本発明の他の実施形態に係る繊維集合体の製造方法は、コレクタを準備する工程と、コレクタに繊維を堆積させて繊維集合体を形成する堆積工程とを備える。
図4は、本発明の実施形態に係る繊維集合体の製造方法を説明するための模式図である。コレクタ14の準備工程では、第1電極部11および第2電極部12を備えるコレクタ14を準備する。準備工程では、第1電極部11および第2電極部12からなる電極対を、互いに間隔を開けて対向するように配置する。このとき、図2に示すような最大角度θ1および最大角度θ2が、繊維の予め設定された許容配列ばらつき角度θ以下になるように電極対を配置する。これにより、次工程において繊維を堆積させる際に、繊維の配列性が高い繊維集合体が得られる。このように、準備工程には、最大角度θ1および最大角度θ2を許容配列ばらつき角度θ以下に調節する工程も含まれる。
準備工程では、次工程において繊維が第1電極部11および第2電極部12に架け渡されるように、第1電極部11および第2電極部12のサイズや形状、最大幅W1と最大幅W2、第1電極部11と第2電極部12との間の間隔などを調節することが好ましい。また、第1電極部11と第2電極部12との間の領域に、繊維が直接堆積することを防ぎ、繊維が電極部間にできるだけ直線的に(直線に近い状態も含む)架け渡されるように、少なくとも第1電極部11および第2電極部12の間に、絶縁領域13を設けることが好ましい。準備工程において、図3に示すように、複数の電極対を設けたコレクタを準備してもよい。
堆積工程では、原料液17を用いて生成させた繊維Fをコレクタ14に堆積させて繊維集合体を製造する。より具体的には、原料液17を放出体16が備えるノズル15から吐出させて、繊維Fを生成させ、コレクタ14に繊維Fを堆積させて繊維集合体を形成する。繊維Fは、コレクタ14の第1電極部11および第2電極部12に架け渡されるように堆積される。準備工程において、最大角度θ1およびθ2が許容配列ばらつき角度θ以下になるように第1電極部11および第2電極部12の配置が調節されているため、堆積工程では、繊維Fの配列性を高めることができる。コレクタ14が絶縁領域13を備える場合には、堆積工程において、イオン風放出部19より、イオン風を絶縁領域13に吹きつけ、絶縁領域13を帯電させてもよい。
堆積工程では、繊維Fを電界紡糸により生成させる。電界紡糸では、原料液17を吐出するノズル15とコレクタ14との間に帯電手段18により電圧を印加しながら、ノズル15から原料液17を吐出し、生成した繊維Fを堆積させる。電界紡糸では、原料液17に高電圧を印加することになるため、原料液17は、プラスあるいはマイナスに帯電する。このとき、コレクタ14を原料液17とは逆の極性に帯電させることで、吐出された原料液17がコレクタ14の第1電極部11および第2電極部12に引き寄せられて繊維Fが配列した状態で堆積し、繊維集合体が形成される。コレクタ14は、接地することで原料液17と反対の極性に帯電させてもよく、原料液17とは反対の極性になるようにコレクタ14に電圧を印加してもよい。
本発明の実施形態に係る製造装置や製造方法により製造される繊維集合体において、繊維の平均繊維径は、例えば、50nm〜10μmであり、50nm〜3μmであってもよい。繊維の平均繊維径は、1μm未満(例えば、50nm〜900nm)であってもよい。このような平均繊維径を有する繊維はナノファイバと呼ばれる。
なお、平均繊維径とは、繊維の直径の平均値である。繊維の直径とは、繊維の長さ方向に対して垂直な断面の直径である。そのような断面が円形でない場合には、最大径を直径と見なしてよい。また、繊維集合体の1つの主面(例えば、上面)の法線方向から見たときの、繊維の長さ方向に対して垂直な方向の幅を、繊維の直径と見なしてもよい。平均繊維径は、例えば、繊維集合体に含まれる任意の10本の繊維の任意の箇所の直径の平均値である。
本発明の実施形態に係る製造装置または製造方法により得られる繊維集合体は、微生物または生物組織の培養のための培地(足場)や微生物や生物組織の電位を測定するための基材に適している。繊維集合体は、妊娠検査シート等の体外検査シート、医療用シート等などの用途にも利用することができる。また、繊維集合体の厚みによっては、空気清浄機、あるいは空調機の濾材、電池用の分離シート、燃料電池用のメンブレン、防塵マスク等の防塵布や防塵服、化粧用シート、塵を拭き取る拭取シート等として利用することもできる。
F:繊維、1,2,3,n:第1電極部との接点、 1’,2’,3’,n’:第2電極部との接点、10:繊維集合体の製造装置、11:第1電極部、12:第2電極部、θ1,θ2:最大角度、C1:第1電極部の重心、C2:第2電極部の重心、D1:第1電極部の重心から第2電極部の重心に向かう方向、D2:方向D1に垂直な方向、W1:方向D2における第1電極部の最大幅、W2:方向D2における第2電極部の最大幅、13:絶縁領域、14:コレクタ、15:ノズル、16:放出体、17:原料液、18:帯電装置、19:イオン風放出部、101:第1電極対、102:第2電極対、103:第3電極対、N:第n電極対、120:切替手段

Claims (7)

  1. 繊維の原料となる原料樹脂を含む原料液を用いて生成させた繊維を配列させて繊維集合体を製造するための製造装置であって、
    前記原料液を吐出させるノズルと、前記ノズルから吐出される原料液を帯電させる帯電手段と、前記ノズルから前記原料液を吐出させて生成した繊維を収集するコレクタと、を備え、
    前記コレクタは、間隔を開けて対向するように配置された第1電極部および第2電極部からなる電極対を少なくとも1つ備え、
    前記第1電極部の重心から前記第2電極部の重心に向かう方向D1に対して垂直な方向D2における、前記第1電極部の最大幅がW1であり、前記第2電極部の最大幅がW2であり、前記最大幅W1を有する部分の両端と前記第2電極部上の任意の点とを結んで形成される角度の最大値をθ1、前記最大幅W2を有する部分の両端と前記第1電極部上の任意の点とを結んで形成される角度の最大値をθ2とするとき、前記最大値θ1および前記最大値θ2が、配列した前記繊維の予め設定された許容配列ばらつき角度θ以下になるように前記電極対が配置される、繊維集合体の製造装置。
  2. 前記コレクタは、さらに前記第1電極部と前記第2電極部との間に絶縁領域を備えており、
    前記繊維集合体の製造装置は、さらに前記絶縁領域を帯電させるためのイオン風放出部を有する、請求項1に記載の繊維集合体の製造装置。
  3. 前記コレクタは、複数の前記電極対を備える、請求項1または2に記載の繊維集合体の製造装置。
  4. さらに、前記複数の前記電極対の前記ノズルに対する電位をそれぞれ個別に変更する切替手段を備える、請求項3に記載の繊維集合体の製造装置。
  5. 前記許容配列ばらつき角度θが、20°以下である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の繊維集合体の製造装置。
  6. 繊維の原料となる原料樹脂を含む原料液を用いて生成させた繊維を配列させて繊維集合体を製造する製造方法であって、
    間隔を開けて対向するように配置された第1電極部および第2電極部からなる電極対を少なくとも1つ備えた、前記繊維を収集するためのコレクタを準備する準備工程と、
    前記原料液をノズルから吐出させて、前記繊維を生成させ、前記コレクタに前記繊維を堆積させて前記繊維が配列した繊維集合体を形成する堆積工程と、を備え、
    前記準備工程において、前記第1電極部の重心から前記第2電極部の重心に向かう方向D1に対して垂直な方向D2における、前記第1電極部の最大幅がW1であり、前記第2電極部の最大幅がW2であり、前記最大幅W1を有する部分の両端と前記第2電極部上の任意の点とを結んで形成される角度の最大値をθ1、前記最大幅W2を有する部分の両端と前記第1電極部上の任意の点とを結んで形成される角度の最大値をθ2とするとき、前記最大値θ1および前記最大値θ2が、配列した前記繊維の予め設定された許容配列ばらつき角度θ以下になるように前記電極対が配置される、繊維集合体の製造方法。
  7. 前記堆積工程において、生成した前記繊維は、前記コレクタに向かってらせん状に落下し、前記繊維の前記第1電極部に近い部分が前記第1電極部に引き寄せられて着地し、前記繊維の前記第2電極部に近い部分が前記第2電極部に引き寄せられて着地することで、前記繊維が堆積される、請求項6に記載の繊維集合体の製造方法。
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