JP2018034228A - 締付具 - Google Patents
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Abstract
【課題】ワッシャの位相と、ワッシャを係合させるボルトのフランジ部との位相とを合致させることをより容易とする締付具を提供すること。【解決手段】ボルト14のネジ部18に螺合されるナット16と、ボルト14に通されてナット16から押圧されるワッシャ24と、を保持する保持ツール30を備える締付具であって、ボルト14の軸線X方向における、複数個のワッシャ保持部材34の内の少なくとも1つの段部58の位置が、他のワッシャ保持部材34の段部58の位置とは異なることにより、ワッシャ保持部材34は、ボルト14の軸線X方向に直交する方向に対して傾斜した姿勢にワッシャ24を保持して、ワッシャ24の軸線Y方向をボルト14の軸線X方向に対して交差する位置関係とする締付具。【選択図】図8
Description
本発明は、ナットとワッシャとを保持ツールにて保持する締付具に関する。
所定の取付部材に対し、ボルト・ナットを介して相手材を取り付けることが行われている。例えば、取付部材のボルト孔と相手材のボルト孔を重ね合わせて連通させ、これらのボルト孔に1本のボルトを通した後、ボルト孔から突出したボルトのネジ部にナットを螺合する。ナットと相手材ないし取付部材との間には、ワッシャが介装されることもある。
ナットとボルトの間に十二分な締付トルクを得るときには、ナットランナ等の締付具が用いられる。締付具において、ナットはソケット内に収容され、ソケットごと螺回される。ワッシャを用いる場合には、特許文献1に記載されるように、ナットとワッシャとをソケットで同時に保持する。
そして、ワッシャを用いる場合には、ナットの螺合に先んじてワッシャとボルトの位相合わせを行うことが必要なことがある。特許文献1には、ナットとともに保持されたワッシャの位相と、ワッシャを係合させるボルトの部分との位相とを合致させることが容易な締付具が開示されている。
上記特許文献1に開示されている締付具においては、ワッシャの位相と、ワッシャを係合させるボルトのフランジ部との位相とを合致させることが容易とされるが、それでも、一定の割合で、ワッシャとボルトのフランジ部との当接による位相の合致の堰止を回避することは困難であった。
本発明は、ワッシャの位相と、ワッシャを係合させるボルトのフランジ部との位相とを合致させることをより容易とする締付具を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため本発明は、ボルト(例えば、後述のスタッドボルト14)のネジ部(例えば、後述の第2ネジ部18)に螺合されるナット(例えば、後述の六角フランジナット16)と、前記ボルトに通されて前記ナットから押圧されるワッシャ(例えば、後述のワッシャ24)と、を保持する保持ツール(例えば、後述の保持ツール30)を備える締付具であって、前記ナットを収容するポケット(例えば、後述のポケット38)が形成されたソケット(例えば、後述のソケット32)と、前記ソケットに保持され、前記ポケットの開口に対して接近又は離間する方向に揺動する複数個のワッシャ保持部材(例えば、後述のワッシャ保持爪34)と、前記ワッシャ保持部材を前記ソケット側に指向して弾発付勢する弾発部材(例えば、後述の第1コイルスプリング64)と、を備え、前記ワッシャ保持部材に、前記ワッシャの側周壁の一部が進入する段部(例えば、後述の環状段部58)が陥没形成され、前記ワッシャ保持部材は、前記ポケット内に収容された前記ナットと、側周壁の一部が前記段部に進入した前記ワッシャとの間に進入し、前記ナットと前記ワッシャを離間させる鍔部(例えば、後述の鍔部54)を有し、前記ボルトの軸線(例えば、後述の軸線X)方向における、複数個の前記ワッシャ保持部材の内の少なくとも1つの前記段部の位置が、他の前記ワッシャ保持部材の前記段部の位置とは異なることにより、前記ワッシャ保持部材は、前記ボルトの軸線方向に直交する方向に対して傾斜した姿勢に前記ワッシャを保持して、前記ワッシャの軸線(例えば、後述の軸線Y)方向を前記ボルトの軸線方向に対して交差する位置関係とし、前記ワッシャ保持部材は、前記ナットを前記ネジ部に螺合する際、前記ポケットの開口から離間する方向に揺動して前記鍔部が前記ナットと前記ワッシャの間から離脱する締付具を提供する。
本発明によれば、前記ワッシャ保持部材は、前記ボルトの軸線方向に直交する方向に対して傾斜した姿勢に前記ワッシャを保持する。このため、ワッシャに形成された貫通孔が多角形形状であり、ワッシャが装着されるボルトの部分が、ワッシャに形成された貫通孔と同様の多角形形状である場合であっても、ワッシャと当該ボルトの部分との接触面積を小さくすることができ、多角形形状同士が完全に一致しなくても、互いに係合し始めさせることが可能となる。これにより、ワッシャの位相と、ワッシャを係合させるボルトの部分との位相とを合致させることをより容易とすることができ、ワッシャと当該ボルトの部分とを容易に係合させることができる。
そして、前記ボルトの軸線方向における、複数個の前記ワッシャ保持部材の内の少なくとも1つの長さが、他の前記ワッシャ保持部材の長さとは異なることにより、前記ボルトの軸線方向における、複数個の前記ワッシャ保持部材の内の少なくとも1つの前記段部の位置が、他の前記ワッシャ保持部材の前記段部の位置とは異なる。
このため、簡単な構成により、ワッシャ保持部材が、ボルトの軸線方向に直交する方向に対して傾斜した姿勢にワッシャを保持することを可能とする。
また、前記ボルトの軸線方向において前記ワッシャ保持部材を移動可能とするワッシャ保持部材移動部(例えば、後述の進退装置601)を備え、前記ワッシャ保持部材移動部によって前記ワッシャ保持部材が移動させられることにより、前記ボルトの軸線方向における、複数個の前記ワッシャ保持部材の内の少なくとも1つの前記段部の位置が、他の前記ワッシャ保持部材の前記段部の位置とは異なる。このため、例えば、ワッシャをボルトに係合させるときにのみ、ワッシャ保持部材が、ボルトの軸線方向に直交する方向に対して傾斜した姿勢にワッシャを保持することを可能とする。
本発明によれば、ワッシャの位相と、ワッシャを係合させるボルトのフランジ部との位相とを合致させることをより容易とする締付具を提供することができる。
本発明の第1実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
先ず、ワッシャとボルトの位相合わせについて説明する。図1は、第1部材10と第2部材12とが、スタッドボルト14(ボルト)と六角フランジナット16(ナット)によって連結される様子を示す概略斜視図である。図2は、スタッドボルト14の六角フランジ部22の頂点と、ワッシャ24の六角挿通孔26の頂点との位置関係を示す図であり、(A)は、スタッドボルト14の六角フランジ部22の頂点と、ワッシャ24の六角挿通孔26の頂点との位相が合致した状態を示す要部正面図であり、(B)は、スタッドボルト14の六角フランジ部22の頂点と、ワッシャ24の六角挿通孔26の頂点との間に位相ズレが生じた状態を示す要部正面図である。
スタッドボルト14の第1ネジ部17は、第1部材10に予め螺合されている。第2ネジ部18は、第2部材12に貫通形成されたボルト孔20に通される。六角フランジナット16は、ボルト孔20から突出した第2ネジ部18に螺合される。
先ず、ワッシャとボルトの位相合わせについて説明する。図1は、第1部材10と第2部材12とが、スタッドボルト14(ボルト)と六角フランジナット16(ナット)によって連結される様子を示す概略斜視図である。図2は、スタッドボルト14の六角フランジ部22の頂点と、ワッシャ24の六角挿通孔26の頂点との位置関係を示す図であり、(A)は、スタッドボルト14の六角フランジ部22の頂点と、ワッシャ24の六角挿通孔26の頂点との位相が合致した状態を示す要部正面図であり、(B)は、スタッドボルト14の六角フランジ部22の頂点と、ワッシャ24の六角挿通孔26の頂点との間に位相ズレが生じた状態を示す要部正面図である。
スタッドボルト14の第1ネジ部17は、第1部材10に予め螺合されている。第2ネジ部18は、第2部材12に貫通形成されたボルト孔20に通される。六角フランジナット16は、ボルト孔20から突出した第2ネジ部18に螺合される。
スタッドボルト14には、第2ネジ部18の起端部側に六角フランジ部22が設けられている。六角フランジ部22は、第2部材12のボルト孔20から露呈し、ワッシャ24に貫通形成された六角挿通孔26に挿入される。六角挿通孔26及び六角フランジ部22は正六角形であり、六角挿通孔26の外寸は、六角フランジ部22の外寸に比して若干大きい。
第2ネジ部18に対して六角フランジナット16に十二分な締付トルクを与えるときには、ナットランナ等のソケットで六角フランジナット16及びワッシャ24を保持する。この際、ソケットのポケット内に、六角フランジナット16を奥側、ワッシャ24を手前側として配置する。そして、ナットランナの回転軸を回転させながらソケットを第2ネジ部18に接近させ、ワッシャ24の六角挿通孔26に第2ネジ部18を通し、六角フランジナット16のネジ部を第2ネジ部18に螺合させる。六角フランジナット16のフランジ部28の端面は、最終的にワッシャ24の端面に着座する。
六角挿通孔26に第2ネジ部18を通す際に、図2Aに示すように、六角挿通孔26と六角フランジ部22の頂点同士の位置が合致しているときには、六角フランジ部22が六角挿通孔26に容易に挿入される。これに対して、図2Bに示すように、六角挿通孔26と六角フランジ部22の頂点同士の位置が合致していないときには、ワッシャ24の端面が六角フランジ部22の端面に当接するので、六角フランジ部22の六角挿通孔26への挿入が堰止される。この状態で六角フランジナット16を回転させると、六角フランジ部22と六角フランジナット16との間にワッシャ24が挟まれた状態となる。すると、六角フランジナット16をそれ以上回転させることができなくなる。即ち、六角フランジナット16が螺合途中で停止する。このため、締付トルクを得ることが困難となる。
本実施の形態に係る締付具は、六角挿通孔26と六角フランジ部22の頂点同士の間に図2Bに示す位置ズレ(位相ズレ)が生じているときに、ワッシャ24を回転させて図2Aに示す状態、即ち、位相合わせを行うことが可能である。以下、この点について詳述する。
図3は、本発明の第1実施形態に係る締付具を構成する保持ツール30を示す正面図である。図4は、図3中のA−A線に沿った断面図である。図5は、スタッドボルト14の第2ネジ部18が、ワッシャ保持爪34(ワッシャ保持部材)に保持されたワッシャ24の六角挿通孔26に通された状態を示す要部側面断面図である。
本実施の形態においては、ワッシャ保持爪34は3個設けられている。図3においては、後述する収容溝36の位置が分かるように、ワッシャ保持爪34中の1個を仮想線にて示している。
本実施の形態においては、ワッシャ保持爪34は3個設けられている。図3においては、後述する収容溝36の位置が分かるように、ワッシャ保持爪34中の1個を仮想線にて示している。
図4等に示すように、ソケット32は、ポケット38が形成されたカップ部40と、カップ部40の閉塞端部から突出した小径の筒状軸部42とを有する。図5等に示すように、六角フランジナット16は、カップ部40のポケット38に収容されてソケット32に保持される。
ポケット38の底壁には、図3に示すポケット38の中央を中心とした周方向に、略等間隔で6個の磁石44が埋設されている。これらの磁石44は、六角フランジナット16のドーム状端面に磁着する。六角フランジナット16は磁石44によって吸着保持され、ポケット38から脱落することが困難とされる。
カップ部40の外壁には、カップ部40の軸線方向(図3の紙面の表面と裏面とを結ぶ方向)に沿って延びるとともに、カップ部40の外壁から内壁側に向かって(図3に示すカップ部40の中央に向って)窪んだ3本の収容溝36が形成されている。ワッシャ保持爪34の大部分は、収容溝36に収容されている。
筒状軸部42に近接するカップ部40の端部には、収容溝36の軸線方向の略半分を覆うリング状ブラケット46が外嵌される。リング状ブラケット46は、図示しないボルトでカップ部40に連結されており、リング状ブラケット46がカップ部40から脱落することが阻止されている。カップ部40の先端には、収容溝36に比較して幅広の切欠48(図4参照)が形成されている。ワッシャ保持爪34の先端は、切欠48に侵入する。
図4等に示すように、ワッシャ保持爪34は、長尺な胴部50を有する。胴部50の長手方向(図4に示す胴部50の左右方向)における3つのワッシャ保持爪34の長さ(図4に示す筒状部56の左端から円弧状膨出部52の右端までの長さ)は、全て同じではなく、一つのワッシャ保持爪34の長さは、他の2つのワッシャ保持爪34の長さよりも短い。胴部50の端部には、胴部50の直径方向外方に向かって膨出し、円弧面を有する円弧状膨出部52が胴部50と一体的に設けられている。円弧状膨出部52の最も膨出している部位である最も大径な部位の側壁は、収容溝36の底壁と、リング状ブラケット46の内壁とにそれぞれ点接触している。
ワッシャ保持爪34は、この点接触以外には、ソケット32又はリング状ブラケット46に当接していない(拘束を受けていない)。このため、ワッシャ保持爪34は、収容溝36の底壁と、リング状ブラケット46の内壁とに点接触した部位を支点として、図4中に矢印で示す方向に揺動することが可能である。
また、ワッシャ保持爪34は、胴部50の先端側(図4における胴部50の左側)に連なる鍔部54と、鍔部54の先端側(図4における鍔部54の左側)に連なり中空に形成された筒状部56と、を一体的に有する。これら鍔部54及び筒状部56が、前述のようにカップ部40の切欠48に進入する。
図4等に示すように、鍔部54の外周縁の近傍の部分は、テーパー状に面取りされている。このため、カップ部40のポケット38に収容された六角フランジナット16の軸方向における鍔部54の肉厚は、六角フランジナット16及びワッシャ24に接近するにつれて小さくなる。換言すれば、鍔部54は、六角フランジナット16及びワッシャ24に接近するにつれてテーパー状に薄肉化されている。
筒状部56は、筒状部56の側壁が周方向へ一周するように窪んで切り欠かれた形状を有しており、この窪んだ切り欠きは環状段部58(段部)を形成(陥没形成)する。ワッシャ24の側周壁は、各ワッシャ保持爪34の環状段部58に進入する。前述のように、胴部50の長手方向における一つのワッシャ保持爪34の長さは、同方向における他の2つのワッシャ保持爪34の長さよりも短いため、スタッドボルト14の軸線X方向における、複数個のワッシャ保持爪34の内の1つのワッシャ保持爪34の長さが、他のワッシャ保持爪34の長さとは異なる。このため、スタッドボルト14の軸線X方向において、一のワッシャ保持爪34の環状段部58は、他の2つのワッシャ保持爪34の環状段部58よりも、後退した位置(図4において右寄りの位置)にあり、他の2つのワッシャ保持爪34の環状段部58とは異なる位置にある。
これにより、ワッシャ24の側周壁が各ワッシャ保持爪34の環状段部58に進入することにより保持されるワッシャ24は、図5等に示すように、スタッドボルト14の軸線X方向に直交する方向に対して傾斜した姿勢(図5におけるワッシャ24の下側の部分が左寄りに位置し、上側の部分が右寄りに位置している姿勢)とされ、ワッシャ24の軸線Y方向をスタッドボルト14の軸線X方向に対して交差する位置関係とされる。このようにワッシャ24が保持される姿勢の傾斜の角度の値は、スタッドボルト14の軸に直交する方向において、六角フランジ部22の最大径が、同方向における六角挿通孔26の最大径よりも小さい値をとる範囲内にある。
リング状ブラケット46には、半径方向外方に向かって突出するように3個のスプリング保持部60が設けられている。各スプリング保持部60には、カップ部40を半径方向に貫通するように保持孔62が形成されており、保持孔62には、弾発部材としての第1コイルスプリング64が収容されている。
保持孔62にはボルト止孔66が連なっている。ボルト止孔66が抜止ボルト68で閉塞されることにより、保持孔62からの第1コイルスプリング64の抜け止めがなされると共に、第1コイルスプリング64が圧縮された状態とされる。圧縮された第1コイルスプリング64は、ワッシャ保持爪34の胴部50を、収容溝36の底壁側(ポケット38側)に指向して常時弾発付勢している。この弾発付勢により、ワッシャ保持爪34に外力が作用していないときに、ワッシャ保持爪34が揺動することが防止される。また、スプリング64は、ワッシャ24がワッシャ保持爪34の環状段部58に入った状態では、ワッシャ24を挟む挟み力を発生し、ワッシャ24が脱落することを防止する。
ソケット32の筒状軸部42には、筒状軸部42の内面によって、断面略六角形状で且つ有底の摺動孔70が形成されるとともに、六角柱形状を有する摺動孔70の内壁の角線の位置に歯部72が形成されている。この歯部72に対し、例えば、図示しないナットランナの回転軸の先端である図示しない六角柱形状部の外壁に形成された角線としての歯部が噛合する。また、筒状軸部42及び六角柱状部は、回転軸に保持された第2コイルスプリング74(弾発手段)に囲繞されている。すなわち、保持ツール30は、の噛合と、第2コイルスプリング74の筒状軸部42への係合とによって回転軸に保持されている。この保持により、保持ツール30が前述の図示しない回転軸に取り付けられて締付具としてのナットランナを構成し、上記構成の保持ツール30は、図示しないナットランナの回転軸に取り付けられて用いられる。
なお、ソケット32と図示しない回転軸とは、相対的な摺動を起こすことが可能である。また、第2コイルスプリング74は、保持ツール30を回転軸から離間する方向に弾発付勢している。
図示しないナットランナは、回転付勢手段としての図示しない回転用モータを具備する。回転軸は、この回転用モータの駆動による作用により回転する。図示しない回転軸が回転することに追従して、回転軸の先端に取り付けられた保持ツール30は回転する。
以上のような構成の保持ツール30を有する締付具により、六角フランジナット16をワッシャ24と共に第2ネジ部18に螺合して締付ける工程について説明する。
図6は、スタッドボルト14の第2ネジ部18がワッシャ24の六角挿通孔26に通された後に、ワッシャ24を前進させた際に、スタッドボルト14の六角フランジ部22にワッシャ24の六角挿通孔26の内壁が当接し始めた状態を示す要部側面断面図である。図7は、スタッドボルト14の六角フランジ部22にワッシャ24の六角挿通孔26の内壁が当接した状態を示す要部側面断面図である。図8は、傾斜したワッシャ24の部分であって最も前進した部分に位置する六角挿通孔26の部分に、六角フランジ部22が入った状態を示す要部側面断面図である。図9は、六角挿通孔26に六角フランジ部22が挿入され、更に六角フランジナット16が前進した際に、ワッシャ保持爪34が揺動を開始し、その後、フランジ部がワッシャの端面に当接した状態を示す要部側面断面図である。図10は、ワッシャ保持爪34が揺動を開始した後に、六角フランジナット16が更に前進し、ワッシャ24にフランジナット16が当接した状態を示す要部側面断面図である。
図6は、スタッドボルト14の第2ネジ部18がワッシャ24の六角挿通孔26に通された後に、ワッシャ24を前進させた際に、スタッドボルト14の六角フランジ部22にワッシャ24の六角挿通孔26の内壁が当接し始めた状態を示す要部側面断面図である。図7は、スタッドボルト14の六角フランジ部22にワッシャ24の六角挿通孔26の内壁が当接した状態を示す要部側面断面図である。図8は、傾斜したワッシャ24の部分であって最も前進した部分に位置する六角挿通孔26の部分に、六角フランジ部22が入った状態を示す要部側面断面図である。図9は、六角挿通孔26に六角フランジ部22が挿入され、更に六角フランジナット16が前進した際に、ワッシャ保持爪34が揺動を開始し、その後、フランジ部がワッシャの端面に当接した状態を示す要部側面断面図である。図10は、ワッシャ保持爪34が揺動を開始した後に、六角フランジナット16が更に前進し、ワッシャ24にフランジナット16が当接した状態を示す要部側面断面図である。
先ず、スタッドボルト14の第2ネジ部18を、第2部材12のボルト孔20に、予め通しておく。次に、保持ツール30を回転軸に取り付けることにより、締付具としてのナットランナを構成する。次に、保持ツール30のポケット38に六角フランジナット16を挿入する。六角フランジナット16のドーム状端面は、ポケット38の底壁に設けられた磁石44によって吸着保持される。
次に、ワッシャ保持爪34の環状段部58にワッシャ24の側周壁の一部を進入させる。このために、少なくとも1本のワッシャ保持爪34が、スプリングコイルの弾発付勢力に抗して押し広げられ、残余のワッシャ保持爪34の環状段部58にワッシャ24の側周壁が挿入される。その後、押し広げられたワッシャ保持爪34を解放すれば、ワッシャ保持爪34が第1コイルスプリング64から弾発付勢される。その結果、筒状部56及び鍔部54がポケット38の開口側に向かって揺動する。
筒状部56及び鍔部54は、ソケット32の先端の切欠48に進入する。この際、ワッシャ24の側周壁の一部が環状段部58に挿入されて図3及び図4に示す状態となる。結局、ワッシャ24は、その側周壁が3本のワッシャ保持爪34の環状段部58に挿入されることによってワッシャ保持爪34に保持されている。
ポケット38に収容された六角フランジナット16と、ワッシャ保持爪34に保持されたワッシャ24との間には、ワッシャ保持爪34の鍔部54が介在する。また、鍔部54とフランジナット16とは、第2ネジ部18のネジねじ山1ピッチ〜2ピッチ分に相当する距離で離間している。このとき、前述のように、胴部50の長手方向における一つのワッシャ保持爪34の長さは、同方向における他の2つのワッシャ保持爪34の長さよりも短いため、ワッシャ保持爪34により保持されるワッシャ24は、スタッドボルト14の軸線X方向に直交する方向に対して傾斜した姿勢とされ、ワッシャ24の軸線Y方向をスタッドボルト14の軸線X方向に対して交差する位置関係とされている。
このようにして保持ツール30が六角フランジナット16及びワッシャ24を保持した後、回転用モータが付勢される。これに伴って回転軸及び保持ツール30が回転を開始する。さらに、回転軸及び保持ツール30が、スタッドボルト14(図4参照)に向かって前進する。
保持ツール30が前進動作することにより、先ず、図5に示すように、スタッドボルト14の第2ネジ部18がワッシャ24の六角挿通孔26を通る。この際に、ワッシャ24の六角挿通孔26の内壁が第2ネジ部18の側周壁に当接しても、ワッシャ保持爪34の鍔部54によって、ワッシャ24の六角フランジナット16側への後退が堰止され回避される。
保持ツール30が一層前進すると、図6に示すように、スタッドボルト14の第2ネジ部18が六角フランジナット16の内部のネジ部に螺合され始める。その一方で、ワッシャ24がスタッドボルト14の六角フランジ部22に到達する。ここで、ワッシャ24の六角挿通孔26の頂点の位置と、六角フランジ部22の頂点の位置とが合致していないとき、すなわち、図2Bに示す位相ズレ状態であるときには、六角挿通孔26の内壁が六角フランジ部22に当接する。
六角挿通孔26の内壁が六角フランジ部22に当接することに伴い、ワッシャ24がスタッドボルト14から反力を受ける。この反力により、ワッシャ24へ爪が押付けられ、ワッシャ24が鍔部54に押圧されるようになる。この押圧を受けた鍔部54と、ワッシャ24との間に摩擦力が発生する。また、ワッシャ保持爪34により保持されるワッシャ24は、スタッドボルト14の軸線X方向に直交する方向に対して傾斜した姿勢とされている。このため、六角挿通孔26の内壁の部分であって、最も後退している部分(図7において最も右寄りに位置している部分)は、六角フランジ部22に対して滑りやすい状態となる。また、六角挿通孔26の内壁の部分であって、最も前進している部分(図7において最も左寄りに位置している部分)は、ワッシャ24がスタッドボルト14の軸線Xに直交する方向に対して傾いているため、ワッシャ24と六角フランジ部22との接触面積が小さくなっており、図7〜図8に示すように、六角フランジ部22の角部に係合し始める。すなわち、図2Aに示す位相合わせがなされ始める。このため、回転軸及び保持ツール30に作用している回転付勢力が、ワッシャ保持爪34を介して回転トルクとしてワッシャ24に伝達される。
回転トルクを受けたワッシャ24は、六角挿通孔26の内壁が六角フランジ部22に当接した状態で回転する。この回転の最中に、六角挿通孔26の頂点の位置と、六角フランジ部22の頂点の位置とが合致する。その結果、ワッシャ24が前進し、六角挿通孔26に六角フランジ部22が進入する。
そして、六角挿通孔26に六角フランジ部22が進入して、ワッシャ24は、前進も回転もできなくなる。すなわち、ワッシャ24は、位置決め固定されるとともに位相決めされる。また、ワッシャ保持爪34の鍔部54がワッシャ24と六角フランジナット16の間において隙間がなくなり挟まれた状態で介在しているので、保持ツール30も前進することができなくなる。
その一方では、保持ツール30には、回転用モータの回転付勢力が作用している。このため、保持ツール30の回転が維持される。この際、ソケット32のポケット38内に収容された六角フランジナット16も回転するので、スタッドボルト14の第2ネジ部18に対する六角フランジナット16の螺合が継続する。従って、六角フランジナット16のみが前進する。回転軸の六角柱状部の先端面は、この時点で、摺動孔70の底壁に当接する。
六角フランジナット16が前進することに伴い、六角フランジナット16のフランジ部28が、位置決め固定されたワッシャ24に対して接近する。すなわち、両者の距離が小さくなる。このため、ワッシャ保持爪34の鍔部54に対し、六角フランジナット16からワッシャ24に向かう方向の力、又は、ワッシャ24から六角フランジナット16に向かう方向の力が作用する。
これらの力を鍔部54に受けたワッシャ保持爪34は、収容溝36の底壁と、リング状ブラケット46の内壁とに点接触した円弧状膨出部52の最も大径な部位を支点として、ポケット38の開口から離間する方向に揺動し始める。すなわち、鍔部54が、六角フランジナット16とワッシャ24の間の空間からの離脱を開始する。鍔部54が、直径方向外方に向かうに従ってテーパー状に薄肉化されているので、この離脱によるワッシャ保持爪34の揺動が容易に進行する。
ワッシャ保持爪34が揺動することに伴い、第1コイルスプリング64がワッシャ保持爪34の胴部50によって圧縮される。また、保持ツール30は、第2コイルスプリング74の弾発付勢によって前進する。このときには、摺動孔70内の歯部72が図示しない回転軸の六角柱状部の歯部に沿って摺動する。その結果、六角柱状部の先端面が摺動孔70の底壁から離間する。
六角フランジナット16が一層前進することに伴い、図9に示すように、ワッシャ保持爪34は、一層揺動して鍔部54が六角フランジナット16とワッシャ24の間から離脱し、ワッシャ24又は六角フランジナット16のフランジ部28の側周壁に乗り上げ、そして、図10に示すように乗り越える。従って、保持ツール30がワッシャ保持爪34の鍔部54により前進が堰止されることがなくなる。このため、保持ツール30は、第2コイルスプリング74の弾発付勢を受け、回転しながら更に前進する。これにより六角フランジナット16のドーム状端部が磁石44に再吸着され、その結果、六角フランジナット16に伝達される回転トルクが増加する。
以上のような理由から、第2ネジ部18に対する六角フランジナット16の螺合が一層進行する。六角フランジナット16の螺合が終了すると、六角フランジナット16のフランジ部28がワッシャ24に押し付けられる。換言すれば、ワッシャ24が六角フランジナット16から押圧されるようになり、スタッドボルト14の第2ネジ部18と六角フランジナット16との間に十二分な締付トルクが得られる。
このように、ソケット32にワッシャ保持爪34を設けて保持ツール30を構成したことにより、ワッシャ24とスタッドボルト14の位相合わせを行うことが容易となる。このため、スタッドボルト14の第2ネジ部18に対し、ワッシャ24を介装した状態で六角フランジナット16を容易に螺合することができる。以上により、第1部材10と第2部材12がスタッドボルト14と六角フランジナット16によって連結されるに至る。
第2ネジ部18に対する六角フランジナット16の螺合が終了すると、回転軸及び保持ツール30が後退する。この際、六角フランジナット16がポケット38内から露呈してソケット32から離脱する。そして、ワッシャ保持爪34の胴部50が第2コイルスプリング74からの弾発付勢を受け、鍔部54及び筒状部56がポケット38の開口側に向かうように揺動する。この揺動の支点も、前述の点接触箇所である。鍔部54及び筒状部56は、図4に示すように、カップ部40の切欠48に進入する。
本実施形態によれば、以下の効果が奏される。
本実施形態では、締付具は、ボルトとしてのスタッドボルト14のネジ部(第2ネジ部18)に螺合されるナット(六角フランジナット16)と、スタッドボルト14に通されて六角フランジナット16から押圧されるワッシャ24と、を保持する保持ツール30を備える。
締付具は、六角フランジナット16を収容するポケット38が形成されたソケット32と、ソケット32に保持され、ポケット38の開口に対して接近又は離間する方向に揺動する複数個のワッシャ保持部材としてのワッシャ保持爪34と、ワッシャ保持爪34をソケット32側に指向して弾発付勢する弾発部材としての第1コイルスプリング64と、を備える。
ワッシャ保持爪34には、ワッシャ24の側周壁の一部が進入する段部としての環状段部58が陥没形成される。ワッシャ保持爪34は、ポケット38内に収容された六角フランジナット16と、側周壁の一部が環状段部58に進入したワッシャ24との間に進入し、六角フランジナット16とワッシャ24とを離間させる鍔部54を有する。
スタッドボルト14の軸線X方向における、複数個のワッシャ保持爪34の内の1つの環状段部58の位置が、他のワッシャ保持爪34の環状段部58の位置とは異なることにより、ワッシャ保持爪34は、スタッドボルト14の軸線X方向に直交する方向に対して傾斜した姿勢にワッシャ24を保持して、ワッシャ24の軸線Y方向をスタッドボルト14の軸線X方向に対して交差する位置関係とし、ワッシャ保持爪34は、六角フランジナット16を第2ネジ部18に螺合する際、ポケット38の開口から離間する方向に揺動して鍔部54が六角フランジナット16とワッシャ24の間から離脱する。
本実施形態では、締付具は、ボルトとしてのスタッドボルト14のネジ部(第2ネジ部18)に螺合されるナット(六角フランジナット16)と、スタッドボルト14に通されて六角フランジナット16から押圧されるワッシャ24と、を保持する保持ツール30を備える。
締付具は、六角フランジナット16を収容するポケット38が形成されたソケット32と、ソケット32に保持され、ポケット38の開口に対して接近又は離間する方向に揺動する複数個のワッシャ保持部材としてのワッシャ保持爪34と、ワッシャ保持爪34をソケット32側に指向して弾発付勢する弾発部材としての第1コイルスプリング64と、を備える。
ワッシャ保持爪34には、ワッシャ24の側周壁の一部が進入する段部としての環状段部58が陥没形成される。ワッシャ保持爪34は、ポケット38内に収容された六角フランジナット16と、側周壁の一部が環状段部58に進入したワッシャ24との間に進入し、六角フランジナット16とワッシャ24とを離間させる鍔部54を有する。
スタッドボルト14の軸線X方向における、複数個のワッシャ保持爪34の内の1つの環状段部58の位置が、他のワッシャ保持爪34の環状段部58の位置とは異なることにより、ワッシャ保持爪34は、スタッドボルト14の軸線X方向に直交する方向に対して傾斜した姿勢にワッシャ24を保持して、ワッシャ24の軸線Y方向をスタッドボルト14の軸線X方向に対して交差する位置関係とし、ワッシャ保持爪34は、六角フランジナット16を第2ネジ部18に螺合する際、ポケット38の開口から離間する方向に揺動して鍔部54が六角フランジナット16とワッシャ24の間から離脱する。
これにより、ワッシャ保持爪34は、スタッドボルト14の軸線X方向に直交する方向に対して傾斜した姿勢にワッシャ24を保持する。このため、ワッシャ24に形成された貫通孔が6角形状の六角挿通孔26であり、スタッドボルト14の六角フランジ部22が6角形形状である場合であっても、六角フランジ部22とワッシャ24との接触面積を小さくすることができ、6角形状同士が完全に一致しなくても、互いに係合し始めさせることが可能となる。これにより、ワッシャ24の位相と、ワッシャ24を係合させるスタッドボルト14の六角フランジ部22との位相とを合致させることをより容易とすることができ、ワッシャ24と六角フランジ部22とを容易に係合させることができる。
また、スタッドボルト14の軸線X方向における、複数個のワッシャ保持爪34の内の少なくとも1つの長さが、他のワッシャ保持爪34の長さとは異なることにより、スタッドボルト14の軸線X方向における、複数個のワッシャ保持爪34の内の少なくとも1つの環状段部58の位置が、他のワッシャ保持爪34の環状段部58の位置とは異なる。これにより、簡単な構成により、ワッシャ保持爪34が、スタッドボルト14の軸線X方向に直交する方向に対して傾斜した姿勢にワッシャ24を保持することを可能とする。
次に、本発明の第2実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。図11は、本発明の第2実施形態に係る締付具を構成する保持ツール30Aを示す断面図である。
以下、上記第1実施形態と同じ構成については同じ符号を付し、その詳細な説明を省略する。本実施形態に係る締付具の保持ツール30Aは、ワッシャ保持爪34をスタッドボルト14の軸線X方向へ進退可能な、ワッシャ保持部材移動部としての進退装置601を有する点で、第1実施形態における締付具の保持ツール30の構成とは異なる。
以下、上記第1実施形態と同じ構成については同じ符号を付し、その詳細な説明を省略する。本実施形態に係る締付具の保持ツール30Aは、ワッシャ保持爪34をスタッドボルト14の軸線X方向へ進退可能な、ワッシャ保持部材移動部としての進退装置601を有する点で、第1実施形態における締付具の保持ツール30の構成とは異なる。
進退装置601は、図11に示すように、スプリング保持部60内に配置されており、スプリング等のコンパクト且つ簡易的な反発物により構成される。駆動部は、胴部50の円弧状膨出部52の後端部(図11における円弧状膨出部52の右端部)に接続されており、ワッシャ保持爪34を、スタッドボルト14の軸線X方向へ進退可能である。
本実施形態によれば、以下の効果が奏される。
本実施形態では、スタッドボルト14の軸線X方向においてワッシャ保持部材を移動可能とするワッシャ保持部材移動部としての進退装置601を備えている。これにより、進退装置601によってワッシャ保持爪34が移動させられることにより、スタッドボルト14の軸線X方向における、複数個のワッシャ保持爪34の内の少なくとも1つの環状段部58の位置が、他のワッシャ保持爪34の段部58の位置とは異なるようにすることができる。そして、例えば、ワッシャ24をスタッドボルト14に係合させるときにのみ、ワッシャ保持爪34が、スタッドボルト14の軸線X方向に直交する方向に対して傾斜した姿勢にワッシャ24を保持することを可能とする。
本実施形態では、スタッドボルト14の軸線X方向においてワッシャ保持部材を移動可能とするワッシャ保持部材移動部としての進退装置601を備えている。これにより、進退装置601によってワッシャ保持爪34が移動させられることにより、スタッドボルト14の軸線X方向における、複数個のワッシャ保持爪34の内の少なくとも1つの環状段部58の位置が、他のワッシャ保持爪34の段部58の位置とは異なるようにすることができる。そして、例えば、ワッシャ24をスタッドボルト14に係合させるときにのみ、ワッシャ保持爪34が、スタッドボルト14の軸線X方向に直交する方向に対して傾斜した姿勢にワッシャ24を保持することを可能とする。
本発明は、上記した実施の形態に特に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
例えば、本実施形態では、ワッシャ保持爪34は、3つ設けられていたが、この構成に限定されない。また、ポケット38の底壁には、ポケット38の中央を中心とした周方向に、略等間隔で6個の磁石44が埋設されていたが、この構成に限定されない。
また、本実施形態では、スタッドボルト14の軸線X方向における、複数個のワッシャ保持爪34の内の1つのワッシャ保持爪34の長さが、他の2つのワッシャ保持爪34の長さとは異なっていたが、この構成に限定されない。例えば、ワッシャ保持部材(ワッシャ保持爪)の数が4つの場合には、スタッドボルト14の軸線X方向において、4つのワッシャ保持部材の段部のうちの2つが、他の2つの段部よりもワッシャ24及びフランジナット16の進行方向の上流側(図5の右側)に位置すればよく、ワッシャ保持部材の数が5つ以上の場合には、スタッドボルト14の軸線X方向において、3つの異なる位置に、複数個のワッシャ保持部材の段部がそれぞれ配置される必要がある。
例えば、本実施形態では、ワッシャ保持爪34は、3つ設けられていたが、この構成に限定されない。また、ポケット38の底壁には、ポケット38の中央を中心とした周方向に、略等間隔で6個の磁石44が埋設されていたが、この構成に限定されない。
また、本実施形態では、スタッドボルト14の軸線X方向における、複数個のワッシャ保持爪34の内の1つのワッシャ保持爪34の長さが、他の2つのワッシャ保持爪34の長さとは異なっていたが、この構成に限定されない。例えば、ワッシャ保持部材(ワッシャ保持爪)の数が4つの場合には、スタッドボルト14の軸線X方向において、4つのワッシャ保持部材の段部のうちの2つが、他の2つの段部よりもワッシャ24及びフランジナット16の進行方向の上流側(図5の右側)に位置すればよく、ワッシャ保持部材の数が5つ以上の場合には、スタッドボルト14の軸線X方向において、3つの異なる位置に、複数個のワッシャ保持部材の段部がそれぞれ配置される必要がある。
また、締付具の構成や保持ツールを構成する各部材の構成は、本実施形態における締付具の構成や保持ツール30、30Aを構成する各部材の構成に限定されない。例えば、ワッシャ24の挿通孔は円孔であってもよいし、六角フランジナット16に代替して六角ナット等を螺合するようにしてもよい。また、保持ツール30をトルクレンチ等に取り付けて締付具を構成するようにしてもよい。
また、円弧面を有する円弧状膨出部52が胴部50と一体的に設けられていたが、この構成に限定されない。即ち、円弧状膨出部52のように円弧面を有していなくてもよく、収容溝36の底壁と、リング状ブラケット46の内壁とにそれぞれ点接触する形状を有する部材が、円弧状膨出部52に代えて用いられてもよい。
また、筒状部56は、筒状部56の側壁が周方向へ一周するように窪んで切り欠かれた形状を有しており、この窪んだ切り欠きは環状段部58(段部)を形成(陥没形成)したが、この構成に限定されない。例えば、筒状部は、筒状部の側壁が周方向へ一周するように窪んで切り欠かれていなくてもよい。
また、ソケット32の筒状軸部42には、筒状軸部42の内面によって、断面略六角形状で且つ有底の摺動孔70が形成されるとともに、六角柱形状を有する摺動孔70の内壁の角線の位置に歯部72が形成されており、この歯部72に対し、ナットランナの回転軸の先端である六角柱形状部の外壁に形成された角線としての歯部が噛合したが、この構成に限定されない。例えば、当該六角柱形に代えて、四角柱形でもよい。
14…スタッドボルト
16…六角フランジナット
17…第1ネジ部
18…第2ネジ部
24…ワッシャ
30、30A…保持ツール
32…ソケット
34…ワッシャ保持爪(ワッシャ保持部材)
38…ポケット
54…鍔部
58…環状段部
64…第1コイルスプリング
601…進退装置(ワッシャ保持部材移動部)
16…六角フランジナット
17…第1ネジ部
18…第2ネジ部
24…ワッシャ
30、30A…保持ツール
32…ソケット
34…ワッシャ保持爪(ワッシャ保持部材)
38…ポケット
54…鍔部
58…環状段部
64…第1コイルスプリング
601…進退装置(ワッシャ保持部材移動部)
Claims (3)
- ボルトのネジ部に螺合されるナットと、前記ボルトに通されて前記ナットから押圧されるワッシャと、を保持する保持ツールを備える締付具であって、
前記ナットを収容するポケットが形成されたソケットと、
前記ソケットに保持され、前記ポケットの開口に対して接近又は離間する方向に揺動する複数個のワッシャ保持部材と、
前記ワッシャ保持部材を前記ソケット側に指向して弾発付勢する弾発部材と、を備え、
前記ワッシャ保持部材に、前記ワッシャの側周壁の一部が進入する段部が陥没形成され、
前記ワッシャ保持部材は、前記ポケット内に収容された前記ナットと、側周壁の一部が前記段部に進入した前記ワッシャとの間に進入し、前記ナットと前記ワッシャを離間させる鍔部を有し、
前記ボルトの軸線方向における、複数個の前記ワッシャ保持部材の内の少なくとも1つの前記段部の位置が、他の前記ワッシャ保持部材の前記段部の位置とは異なることにより、前記ワッシャ保持部材は、前記ボルトの軸線方向に直交する方向に対して傾斜した姿勢に前記ワッシャを保持して、前記ワッシャの軸線方向を前記ボルトの軸線方向に対して交差する位置関係とし、
前記ワッシャ保持部材は、前記ナットを前記ネジ部に螺合する際、前記ポケットの開口から離間する方向に揺動して前記鍔部が前記ナットと前記ワッシャの間から離脱する締付具。 - 前記ボルトの軸線方向における、複数個の前記ワッシャ保持部材の内の少なくとも1つの長さが、他の前記ワッシャ保持部材の長さとは異なることにより、前記ボルトの軸線方向における、複数個の前記ワッシャ保持部材の内の少なくとも1つの前記段部の位置が、他の前記ワッシャ保持部材の前記段部の位置とは異なる、請求項1に記載の締付具。
- 前記ボルトの軸線方向において前記ワッシャ保持部材を移動可能とするワッシャ保持部材移動部を備え、
前記ワッシャ保持部材移動部によって前記ワッシャ保持部材が移動させられることにより、前記ボルトの軸線方向における、複数個の前記ワッシャ保持部材の内の少なくとも1つの前記段部の位置が、他の前記ワッシャ保持部材の前記段部の位置とは異なる、請求項1に記載の締付具。
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