JP2018032465A - 多孔質炭素電極基材、及びそれを用いたガス拡散層 - Google Patents
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Abstract
【課題】燃料電池に用いた際に短絡が生じにくい、表面において結着が不充分な炭素短繊維が十分に除去された多孔質炭素電極基材を提供する。【解決手段】多孔質炭素電極基材の一方の幅方向の端部A1上の任意の点A1(2)の接線または端部Aに対して、垂線1(3)を引いたとき、垂線1と他方の幅方向の端部B(4)との交点B1(5)として、続いて点A1から引いた直線の終点と端部Aとが重なる点A2(6)として、点A2の接線または端部Aに対して、垂線2(7)を引いたとき、垂線2と端部Bとの交点B2(8)とした際に、点A1から点A2の距離と点B1から点B2の距離の差が、−0.015×w mm以上0.015×w mm以下であるとことを特徴とする、多孔質炭素電極基材。ここでwは多孔質炭素電極基材の幅(点A1から点B1の直線距離)を指す。【選択図】図1
Description
本発明は、燃料電池などに好適な多孔質炭素電極基材、及びそれを用いたガス拡散層に関する。
燃料電池、例えば、固体高分子型燃料電池は、高分子電解質膜を一対の触媒層で挟んだ膜電極接合体にガス拡散層を介してそれぞれ反応ガス(燃料ガスおよび酸化剤ガス)を供給して電気化学反応を引き起こすことにより、物質の持つ化学エネルギーを直接電気エネルギーに変換する。
燃料電池のガス拡散層は、カーボンペーパー等の多孔質炭素電極基材を撥水処理するとともに触媒層と接する側の表面にマイクロポーラス層を設けて構成されており、多孔質炭素電極基材の炭素繊維の毛羽が高分子電解質膜を貫通すると、短絡や貫通した部分を起点とした高分子電解質膜の劣化により、燃料電池の性能が低下するおそれがある。特に初期の発電への影響は小さくても、燃料電池の起動、停止の繰り返しによる膜の膨潤、収縮の繰り返しにより、短絡や高分子電解質膜の劣化が進行し燃料電池の耐久性を低下させる。
そこで、特許文献1には、多孔質炭素電極基材の、少なくとも一方の表面を吸引する方法、少なくとも一方の面を刷毛で掃く方法、により突出した毛羽を除去する多孔質炭素電極基材の製造方法が示されている。
また、特許文献2には、多孔質電極基材の結合剤の含浸量を単調に少なくなるよう勾配を形成させ、突出した毛羽を減らし、また、厚さ方向に圧縮した多孔質炭素電極基材の製造方法が示されている。
特許文献1の多孔質電極基材の製造方法では、毛羽の除去が十分ではなく、電解質膜を損傷して燃料電池の性能が低下する恐れがあった。また、毛羽の切断処理または破断処理に伴う物理的な力により多孔質炭素電極基材を破損する恐れがある。
特許文献2の多孔質電極基材の製造方法においては、厚さ方向の圧縮を実施する際、ロールプレス機等での実施について開示されているが、記載内容で加工を実施した場合、多孔質電極基材に破断が生じてしまうことがあるため、連続的な加圧を十分実施することができない、または実施することができても多孔質電極基材が破断する恐れがある。また、多孔質電極基材を巻き取る際、端部が揃わず、巻き姿が乱れるという問題も生じる。
そこで本発明は、かかる従来の技術の欠点を改良し、毛羽の除去を十分に行い、破断が生じない多孔質炭素電極基材を提供することをその目的とする。
本発明の上記目的は、以下の発明によって解決された。つまり本発明は以下である。
多孔質炭素電極基材の一方の幅方向の端部(以下、この端部を端部Aとする)上の任意の点(以下、この点を点A1とする)の接線または端部Aに対して、垂線(以下、この垂線を垂線1とする)を引いたとき、垂線1と他方の幅方向の端部(以下、この端部を端部Bとする)との交点を点B1として、続いて点A1から引いた10mの直線の終点と端部Aとが重なる点を点A2として、点A2の接線または端部Aに対して、垂線(以下、この垂線を垂線2とする)を引いたとき、垂線2と端部Bとの交点を点B2とした際に、点A1から点A2の距離と点B1から点B2の距離の差が、−0.015×w mm以上0.015×w mm以下であるとことを特徴とする、多孔質炭素電極基材。
ここでwは、多孔質炭素電極基材の幅(点A1から点B1の直線距離)を指す。
本発明によれば、連続的な加圧を実施した際、破断が生じにくく、また巻き取った際に端部がそろって巻き姿に乱れのない多孔質炭素電極基材を得ることができる。
本発明は、多孔質炭素電極基材の一方の幅方向の端部(以下、この端部を端部Aとする)上の任意の点(以下、この点を点A1とする)の接線または端部Aに対して、垂線(以下、この垂線を垂線1とする)を引いたとき、垂線1と他方の幅方向の端部(以下、この端部を端部Bとする)との交点を点B1として、続いて点A1から引いた10mの直線の終点と端部Aとが重なる点を点A2として、点A2の接線または端部Aに対して、垂線(以下、この垂線を垂線2とする)を引いたとき、垂線2と端部Bとの交点を点B2とした際に、点A1から点A2の距離と点B1から点B2の距離の差が、−0.015×w mm以上0.015×w mm以下であるとことを特徴とする、多孔質炭素電極基材である。ここでwは、多孔質炭素電極基材の幅(点A1から点B1の直線距離)を指す。以下、本発明の多孔質炭素電極基材について説明する。
多孔質炭素電極基材としては、炭素繊維が樹脂炭化物で結着されていて、孔を有してさえいれば、特に限定されない。例えば、カーボンクロスやカーボンペーパーが好ましく用いられるが、表面平滑性が高く、電気的接触が良好で、且つ機械的強度が高い性質を有するカーボンペーパーがより好ましい。
カーボンペーパーは、炭素短繊維を抄造することで得られる炭素短繊維シートを原料として作製される。炭素短繊維を構成する炭素繊維としては、ポリアクリロニトリル(PAN)系、ピッチ系、レーヨン系等の炭素繊維を用いることができる。なかでも、機械強度に優れ、しかも、適度な柔軟性を有する電極基材が得られることから、PAN系やピッチ系、特にPAN系の炭素繊維を用いるのが好ましい。
本発明の炭素短繊維は、平均繊維長が3〜20mmの炭素繊維を意味する。つまり炭素短繊維は、上述した炭素繊維をカットすることによって得られる。
炭素短繊維を分散した炭素短繊維シートは、乾式抄紙法及び湿式抄紙法のいずれによっても得ることができる。多孔質炭素電極基材の細孔構造を制御するため、炭素短繊維シート中には炭素短繊維と同質量以下の耐炎化糸、有機繊維、パルプを混合抄紙してもよい。
また、形態保持性やハンドリング性等を向上させるためには、炭素短繊維シートにポリビニルアルコール、セルロース、ポリエステル、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂等の有機質バインダを含有させることが好ましく、その場合はこれらの合計が1〜30質量%の範囲であることが好ましい。
また、形態保持性やハンドリング性等を向上させるためには、炭素短繊維シートにポリビニルアルコール、セルロース、ポリエステル、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂等の有機質バインダを含有させることが好ましく、その場合はこれらの合計が1〜30質量%の範囲であることが好ましい。
さて、本発明においては、得られた炭素短繊維シートに、樹脂を含浸するなどして、炭素短繊維及び樹脂を含む組成物を準備して、この組成物を加熱して、前記樹脂を炭化させることで、多孔質炭素電極基材とすることができる。
炭素短繊維及び樹脂を含む組成物として、樹脂を含む炭素短繊維シート(これを複合シートという)を用いる場合には、このシートの加熱による炭化の前に、加熱及び加圧して成形しておくのも好ましい。この成形により、多孔質炭素電極基材の厚みや空孔率をより適切化できる。成形する際の温度は100〜250℃が好ましく、加える圧力は0 .01〜5MPa が好ましい。
本発明に係る多孔質炭素電極基材について、図1は、本発明の多孔質炭素電極基材の幅方向の端部の関係を示しており、以下説明する。本発明は、多孔質炭素電極基材の一方の幅方向の端部(以下、この端部を端部A(1)とする)上の任意の点(以下、この点を点A1(2)とする)の接線または端部Aに対して、垂線(以下、この垂線を垂線1(3)とする)を引いたとき、垂線1と他方の幅方向の端部(以下、この端部を端部B(4)とする)との交点を点B1(5)として、続いて点A1から引いた10mの直線の終点と端部Aとが重なる点を点A2(6)として、点A2の接線または端部Aに対して、垂線(以下、この垂線を垂線2(7)とする)を引いたとき、垂線2と端部Bとの交点を点B2(8)した際に、点A1から点A2の距離と点B1から点B2の距離の差が、−0.015×w mm以上0.015×w mm以下であることを特徴とする。ここでwは多孔質炭素電極基材の幅を意味し、より詳細には点A1から点B1の直線距離を指す。
ここで、接線または端部Aのいずれに対して垂線を引くかの考え方は、端部Aが曲線の場合は端部Aの接線に対して垂線を引きし、端部Aが直線の場合は接線を得ることができないので、端部Aに対して垂線を引くこととする。
また、点A1から引いた10mの直線の終点と端部Aとが重なる点とは、点A1を始点として、10mの直線を引き、その終点と端部Aが重なるようにした際の10mの直線の終点と端部Aが重なる点を指す。
また、点A1から点A2の距離とは、点A1と点A2の最短距離を指すものではなく、端部A上の点A1から点A2の距離を指す。同様に、点B1から点B2の距離とは、点B1と点B2の最短距離を指すものではなく、端部B上の点B1から点B2の距離を指す。
本発明の多孔質炭素電極基材は、点A1から点A2の距離と点B1から点B2との距離の差が−0.015×wmm以上0.015×wmm以下である。このとき、wは、多孔質炭素電極基材の幅(点A1から点B1の直線距離)を指す。点A1から点A2の距離と点B1から点B2との距離の差が−0.015×wmm未満であるか、または0.015×wmmを超えると、連続して加圧する加工を行った場合に、多孔質炭素電極基材がたるみ、破断が生じてしまう。その他に、多孔質炭素電極基材のたるみにより、多孔質炭素電極基材をロール状に巻き取る際、多孔質炭素電極基材の端部が揃わず、巻き姿が乱れてしまう。このため本発明では、点A1から点A2の距離と点B1から点B2との距離の差が−0.015×wmm以上0.015×wmm以下であることが重要である。
多孔質炭素電極基材の、点A1から点A2の距離と点B1から点B2との距離の差を−0.015×wmm以上0.015×wmm以下に調整するためには、例えば、炭素短繊維シートを得る際に、水を抄紙媒体とする湿式抄紙法を用いることで、分散性がよい均一なシートができるため、樹脂が炭化する際の伸縮による体積変動の左右差を抑制することができる。
点A1から点A2の距離と点B1から点B2との距離の差を−0.015×wmm以上0.015×wmm以下に調整するためには、炭素短繊維シートへ樹脂を含ませる際に、樹脂が炭化する際の伸縮による体積変動の左右差を抑制するため、複合シートの幅方向の目付の差を−5g/m2以上5g/m2以下とすることが望ましい。
複合シートの成形を行う場合に、樹脂が炭化する際の伸縮による体積変動の左右差を抑制して、点A1から点A2の距離と点B1から点B2との距離の差を−0.015×wmm以上0.015×wmm以下に調整するため、成形時の複合シートの幅方向へ与える温度差を−25℃以上25℃以下とすることが望ましく、さらに望ましい範囲は−15℃以上15℃以下である。また、成形後の複合シートの幅方向の厚みの差異を−20μm以上20μm以下とすることが望ましく、さらに望ましい範囲は−10μm以上10μm以下である。
複合シートの焼成を行う際は、樹脂が炭化する際の温度の左右差による伸縮による体積変動の左右差を抑制して、点A1から点A2の距離と点B1から点B2との距離の差を−0.015×wmm以上0.015×wmm以下に調整するため、焼成に用いる炉内温度の幅方向の左右差が−100℃以上100℃以下とすることが望ましく、さらに望ましい範囲は−25℃以上25℃以下である。
本発明の多孔質炭素電極基材は、少なくとも一方の表面から測定した短絡電流の平均値が10mA以下であることが好ましい。
多孔質炭素電極基材の短絡電流の平均値を10mA以下にするための手段を以下に例示するが、これに限定されるものではない。
毛羽を除去する観点から、炭素短繊維シートを得る際には、水を抄紙媒体とする湿式抄紙法を用いることで、炭素短繊維がシート面を向きやすいため好ましい。すなわち湿式抄紙法を用いると、炭素短繊維がシートを貫く方向に向きにくいため、燃料電池の膜を貫通する短絡を起こしにくく短絡電流を低く抑えることができ、しかも、炭素短繊維の分散性のよい均質なシートが得られるため、多数の測定点において短絡電流を低く抑えることができるため好ましい。
炭素短繊維シートの製造にあたっては、炭素短繊維シート中の炭素短繊維の目付が10〜50g/m2になるようにするのが好ましい。炭素短繊維シート中の炭素短繊維の目付を10〜50g/m2とすることで、得られる多孔質炭素電極基材の機械強度が優れたものとなり、同時に十分な柔軟性を維持することができる。さらに炭素短繊維シート中の炭素短繊維の目付を10〜50g/m2とすることで、炭素短繊維がシートを貫く方向に向くことを抑制できるため、燃料電池の膜を貫通する短絡を抑えることができ、結果として短絡電流を低く抑え、同時に多数の測定点における短絡電流も低く抑えることができる。炭素短繊維シート中の炭素短繊維の目付は15〜35g/m2であることがより好ましい。
多孔質炭素電極基材から突出した炭素短繊維を除去するため、多孔質炭素電極基材を連続的に加圧し、多孔質炭素電極基材表面の炭素短繊維を折ることも好ましい。方法としては、平板による間欠プレス、ロールベルトによるベルトプレス、カレンダロールによるロールプレスが挙げられる。
多孔質炭素電極基材の、一方の表面に最も近い50%充填率を有する面から、他方の表面に最も近い50%充填率を有する面までの区間において、前記多孔質炭素電極基材を面直方向に3等分して得られる層について、一方の表面に近い層と他方の表面に近い層とで、層の充填率が異なることが好ましい。ここで50%充填率とは、多孔質炭素電極基材の一方の表面から他方の表面に向かって、一定の長さ毎に面の充填率を測定し、続いて得られた面の充填率の平均値を求め、さらに得られた平均値の50%の値をいう。さらに層の充填率とは、層を形成する面の充填率を用いて得られる平均値をいう。
ここで面直方向とは、厚み方向の意味である。
また、一方の表面に近く層の充填率が最も大きい層を層X、他方の表面に近く層の充填率が層Xよりも小さい層を層Yとすると、層Yの充填率を1とした時に、層Xの充填率が1.03以上であることがさらに好ましい。
さらに、多孔質炭素電極基材の、一方の表面に最も近い50%充填率を有する面から、他方の表面に最も近い50%充填率を有する面までの区間において、前記多孔質炭素電極基材を面直方向に3等分して得られる層について、一方の表面に近く層の充填率が最も大きい層を層X、他方の表面に近く層の充填率が層Xよりも小さい層を層Y、層Xと層Yの間に位置する層を層Zとすると、層の充填率が、層X、層Y、層Zの順に小さくなることが好ましい。
そして層Yの充填率を1とした時に、層Xの充填率が1.03以上であり、層Zの充填率が0.97以下であることがさらに好ましい。
層の充填率を層X、層Y、層Zの順に小さくした本発明の多孔質炭素電極基材は、多孔質炭素電極基材を構成する炭素短繊維の平均直径や多孔質炭素電極基材の密度、加熱、炭化前の複合シート中の樹脂の分布を厚さ方向に制御する方法によって得られるが、樹脂の分布を制御する方法を用いることがより好ましい。樹脂の分布を厚さ方向に制御する方法は、前述の炭素短繊維シートに樹脂を含浸させた複合シートにおいて、樹脂の含浸量の異なる3枚の複合シートを用意し、これらを積層成形して炭化することで得る方法や、炭素短繊維シートなどの多孔体に樹脂を含浸する際に樹脂の付着量に分布が形成される樹脂付与方法を用いることで樹脂付着量に分布を持つ1枚の複合シートを用意し、積層せずに成形して炭化する方法で得ても良いが、樹脂の含浸量の異なる複合シートを積層することにより得る場合には、積層界面で充填率の急激な変化が生じ易いことから、1枚の複合シートから作製される方法が好ましい。また、1枚の複合シートから作製する方法は、得られる多孔質炭素電極基材の厚さを小さくすることが容易であるため、厚さを好ましい範囲に調整するためにも好適である。
本発明のガス拡散層は、多孔質炭素電極基材の少なくとも一方の表面に、マイクロポーラス層を有する。マイクロポーラス層は、炭素粒子とフッ素樹脂によって構成され、多孔質炭素電極基材の表面に設けられる。
炭素粒子については特に限定されないが、カーボンブラック、“VGCF”(登録商標)(昭和電工(株)製)、カーボンナノチューブ等が好ましい。またフッ素樹脂についても特に限定されないが、PTFE、FEP、PFAなどの完全フッ素化した樹脂が好ましい。
ガス拡散層は、多孔質炭素電極基材のいずれの表面にマイクロポーラス層を形成しても構わないが、多孔質炭素電極基材において短絡電流の平均値が10mAとなっている側の面(以下、面Aという)にマイクロポーラス層を有することが好ましい。面Aは炭素短繊維などの突き出しが少ないため、面Aは凸部の少ない平滑な面である。このような面Aにマイクロポーラス層を形成することで、得られるガス拡散層のマイクロポーラス層もさらに凸部の少ないものとすることができ、結果としてこのようなガス拡散層を用いて得られる燃料電池は短絡が生じにくいものとなる。なおマイクロポーラス層は、その一部が多孔質炭素電極基材の内部に浸入していてもよい。本発明のガス拡散層においては、多孔質炭素電極基材の一方の表面にマイクロポーラス層を設け、さらにマイクロポーラス層と高分子電解質膜が接するように燃料電池に組み込むことにより、保湿性、排水性向上、膜の短絡防止に寄与することができる。
<多孔質炭素電極基材の作製>
東レ株式会社製ポリアクリロニトリル系炭素繊維“トレカ”T−300―6K(平均単繊維系:7μm、単繊維数6,000本)を12mmの長さにカットし、水を抄造媒体として抄造し、されにポリビニルアルコールの10質量%水性分散液に含浸し、乾燥して、炭素短繊維の目付が32g/m2の帯状炭素短繊維シートを得た。ポリビニルアルコールの付着量は、炭素短繊維シートに対して質量比で約0.20に相当する。
東レ株式会社製ポリアクリロニトリル系炭素繊維“トレカ”T−300―6K(平均単繊維系:7μm、単繊維数6,000本)を12mmの長さにカットし、水を抄造媒体として抄造し、されにポリビニルアルコールの10質量%水性分散液に含浸し、乾燥して、炭素短繊維の目付が32g/m2の帯状炭素短繊維シートを得た。ポリビニルアルコールの付着量は、炭素短繊維シートに対して質量比で約0.20に相当する。
次に、中越黒鉛工業製鱗片状黒鉛BF−5A(平均粒径5μm)、フェノール樹脂、メタノールを4:18:81の質量比で混合した分散液を上記炭素短繊維シートに、炭素短繊維シート100%に対してフェノール樹脂が質量比で90%、炭素繊維シートの幅方向の左右での目付の差が−5g/m2以上5g/m2以内になるように含浸し、140℃で乾燥させた後、0.5MPaの加圧下に200℃で1.5分加熱し、フェノール樹脂を硬化させて、複合シートを得た。このとき、成形時の上記炭素短繊維シートの幅方向へ与える温度差は−25℃以上25℃未満となるよう制御した。また、成形後の炭素短繊維シートの幅方向の厚みの差異が、−20μm以上20μm以内となるよう制御した。
フェノール樹脂としては、レゾール型フェノール樹脂とノボラック型フェノール樹脂とを1:1の質量比で混合した樹脂を用いた。
次に、上記複合シートを窒素ガス雰囲気に保たれた最高温度が2,400℃の加熱炉に導入し、多孔質炭素電極基材を得た。加熱は最高温度800℃の低温炉、最高温度2,400の高温炉での2段階加熱を行った。この際、低温路での平均昇温速度は約2900℃/分、高温炉での平均昇温速度は4,200℃/分であり、焼成に用いる炉内温度の幅方向の左右差が−100℃以上100℃以下になるよう制御した、焼成後、ロール状に巻き取った。
得られた多孔質炭素電極基材を巻き出し、以下の手順で多孔質炭素電極基材の長さを測定した。
[多孔質炭素電極基材の長さの測定法]
図1に基づき、測定方法を説明する。
平地に10mの直線を引き、その直線に多孔質電極基材の一方の幅方向の端部Aを沿わせる。この直線の始点と、端部A上の任意の点A1を重ね合わせる。次に、直線の終点と、この端部Aが重なる点を点A2とする。平地に引いた10mの直線上の中点(以下点Dとする)から、垂線(以下垂線3とする)を引く。垂線3と端部Aとの交点(以下点Dとする)との距離CDを測定する。
多孔質炭素電極基材の端部A及び端部Bは、直線B1A1と直線B2A2の交点(以下点Eとする)から点A1の距離(距離EA1)、及び点Eから点B1の距離(距離EB1)を半径とする、同一中心角(∠A1EA2)を持つ円の弧と見なせる。
円の弧長Lは、弦長d、矢高h(円弧の高さ)、半径Rのいずれか2つが定まれば、次式により求められる。ここでθは中心角を指す。
L=R×θ
d=2×R×sin(θ/2)
h=R×(1―cos(θ/2)
この関係を本測定に当てはめると、弦長dは、直線A1A2の距離となるため、d=10[m]、矢高hは、距離CDの実測値となる。これらの値から、点A1から点A2の距離(以下、弧A1A2の長さ、とも記す)を求めることができる。
L=R×θ
d=2×R×sin(θ/2)
h=R×(1―cos(θ/2)
この関係を本測定に当てはめると、弦長dは、直線A1A2の距離となるため、d=10[m]、矢高hは、距離CDの実測値となる。これらの値から、点A1から点A2の距離(以下、弧A1A2の長さ、とも記す)を求めることができる。
また、弧B1B2は、同一中心角(∠A1EA2)の弦であることから、基材幅分半径の大きい円の弧となるため、点A1から点A2の距離と点B1から点B2の距離(以下、弧B1B2の長さ、とも記す)の差は
弧A1A2−弧B1B2=A1B1×θ
と表される。
弧A1A2−弧B1B2=A1B1×θ
と表される。
[焼成後処理]
多孔質炭素電極基材の長さの測定を行った後、この多孔質炭素電極基材の両面にクラフト紙(目付70g/m2)を配し、85N/cmの線圧でカレンダー加工を行った。カレンダー加工を行った多孔質炭素電極基材にドクターエシャリッヒ社製の非接触式ダスト除去クリーナー スタティックエア08型を用いて、多孔質炭素電極基材の両面に、3.0L/分/mmの空気を吹き付け、両面から4.5L/分/mmの空気を吸引した。
加工後の多孔質炭素電極基材の厚さは143μmであり、層X、Z、Yの充填率が異なった。物性を表に示す。充填率の高い層X側の面を面Aとして短絡電流の測定を行った。
[短絡電流の測定法]
多孔質炭素電極基材の短絡電流は、以下の(1)〜(3)の手順により測定した。
(1)高分子電解質膜“Nafion”(登録商標)NR211(DuPont社製)膜厚25μmを、多孔質炭素電極基材の一方の表面と重ねた。ここで多孔質炭素電極基材は1辺4cmの正方形、高分子電解質膜は1辺5.5cm以上の正方形として、高分子電解質膜の各辺と多孔質炭素電極基材の各辺とを平行にして、高分子電解質膜の中心と多孔質炭素電極基材の中心とが一致するように重ねた。
(2)前記の重ねた高分子電解質膜と多孔質炭素電極基材を、金メッキしたステンレスブロック電極2個で挟み(挟む面は1辺5cmの正方形)、多孔質炭素電極基材の占める16cm2の面積に圧力が1.0MPaとなるように加圧した。この際、2つの金メッキしたステンレスブロック電極が直接接触しないように、ステンレスブロック電極の挟む面の各辺と多孔質炭素電極基材の各辺とを平行にして、ステンレスブロック電極の中心と多孔質炭素電極基材の中心とが一致するように挟んだ。
(3)デジタルマルチメーター(KEITHLEY Model196 SYSTEM DMM)を用いて金メッキしたステンレスブロック電極間に1.0Vの直流電圧を印加し、電極間の電流を測定し、得られた値を短絡電流とした。
そして短絡電流の平均値は、多孔質炭素電極基材の測定サンプルを変更して(1)から(3)を20回繰り返し、得られた値を平均することによって求める。
[層の充填率]
層X、層Y、および層Zの充填率は、三次元計測X線CTによって得た。多孔質炭素電極基材の一方の表面から他方の表面に向かって一定の長さ毎に面直方向全域を三次元X線CTでスキャンすることで、当該多孔質炭素電極基材の三次元データを取得した。このような三次元データを解析することによって、測定した面における充填率を取得でき、面の充填率を用いて特定の層の充填率を求めた。
なお、上述の一定の長さ(以下、スライスピッチという)は任意に設定することができるが、多孔質炭素電極基材を構成する炭素短繊維の平均直径の3分の1以下とした。
多孔質炭素電極基材の面直方向(厚み方向)における所定の位置における面の充填率は、3次元データにおける当該位置のスライス画像を、画像処理プログラムである「J−trim」を用い、輝度で明るさの最大と最小を256段階に区切り、最小から175階調段階の部分を閾値として二値化を行なった。全体の面積中の、二値化された明るい側の面積の割合が、所定の位置における面の充填率である。この所定の位置における面の充填率を、多孔質炭素電極基材の一方の表面から他方の表面に至るまで、一定の長さ毎に求め、面直方向における一定の長さ毎の面の充填率の分布を得た。
なお、面の充填率を算出するための1回の測定視野はスライスピッチに依存するが、測定視野の合計が5mm2以上となるように複数回の測定を行って平均値を求め層の充填率を求めた。
測定に用いる三次元X線CTは、島津製作所製SMX−160CTSまたは同等の装置とした。
また実施例においては、炭素短繊維の平均直径が7μmであるため、スライスピッチは2.1μm、測定視野1070μmとして、測定視野を5mm2以上として面の充填率を求めたため、1つの面の充填率を求める際の測定回数を7回とした。
(実施例1)
上記の<多孔質炭素電極基材の作製>に記載した方法に従って、幅wが350mmの多孔質炭素電極基材およびガス拡散電極基材を得た。点A1から点A2の距離と点B1から点B2の距離の差を測定したところ、−0.015×w mm以上0.015×w mm以下の範囲内となった。また、同様の方法で作成した多孔質炭素電極基材について、連続加圧時の破断頻度(破断回数/加工長)は、表1に示す通り、良好であった。
上記の<多孔質炭素電極基材の作製>に記載した方法に従って、幅wが350mmの多孔質炭素電極基材およびガス拡散電極基材を得た。点A1から点A2の距離と点B1から点B2の距離の差を測定したところ、−0.015×w mm以上0.015×w mm以下の範囲内となった。また、同様の方法で作成した多孔質炭素電極基材について、連続加圧時の破断頻度(破断回数/加工長)は、表1に示す通り、良好であった。
(実施例2)
樹脂組成物の混合液を全体から多く取り除いた以外は実施例1と同様にして、幅wが350mmの多孔質炭素電極基材を得た。点A1から点A2の距離と点B1から点B2の距離の差を測定したところ、−0.015×w mm以上0.015×w mm以下の範囲内となった。物性を表1に示す。
(実施例3)
樹脂組成物の混合液を全体から多く取り除き、さらに複合シート作成時の乾燥をより高温で行った以外は実施例1と同様にして、幅wが350mmの多孔質炭素電極基材を得た。乾燥をより高温で行ったのは、乾燥時の厚さ方向への樹脂移動を抑制する目的である。点A1から点A2の距離と点B1から点B2の距離の差を測定したところ、−0.015×w mm以上0.015×w mm以下の範囲内となった。物性を表1に示す。
樹脂組成物の混合液を全体から多く取り除いた以外は実施例1と同様にして、幅wが350mmの多孔質炭素電極基材を得た。点A1から点A2の距離と点B1から点B2の距離の差を測定したところ、−0.015×w mm以上0.015×w mm以下の範囲内となった。物性を表1に示す。
(実施例3)
樹脂組成物の混合液を全体から多く取り除き、さらに複合シート作成時の乾燥をより高温で行った以外は実施例1と同様にして、幅wが350mmの多孔質炭素電極基材を得た。乾燥をより高温で行ったのは、乾燥時の厚さ方向への樹脂移動を抑制する目的である。点A1から点A2の距離と点B1から点B2の距離の差を測定したところ、−0.015×w mm以上0.015×w mm以下の範囲内となった。物性を表1に示す。
(実施例4)
樹脂組成物の混合液を表面または裏面どちらか1方向から多く取り除き、さらに複合シート作成時の乾燥をより高温で行った以外は実施例3と同様にして、幅wが350mmの多孔質炭素電極基材を得た。乾燥をより高温で行ったのは、乾燥時の厚さ方向への樹脂移動を抑制する目的である。点A1から点A2の距離と点B1から点B2の距離の差を測定したところ、−0.015×w mm以上0.015×w mm以下の範囲内となった。物性を表1に示す。
樹脂組成物の混合液を表面または裏面どちらか1方向から多く取り除き、さらに複合シート作成時の乾燥をより高温で行った以外は実施例3と同様にして、幅wが350mmの多孔質炭素電極基材を得た。乾燥をより高温で行ったのは、乾燥時の厚さ方向への樹脂移動を抑制する目的である。点A1から点A2の距離と点B1から点B2の距離の差を測定したところ、−0.015×w mm以上0.015×w mm以下の範囲内となった。物性を表1に示す。
(実施例5〜8)
カレンダー加工による突き出し毛羽除去処理を行わなかった以外は実施例1〜4と同様にして、幅wが350mmの多孔質炭素電極基材を得た。点A1から点A2の距離と点B1から点B2の距離の差を測定したところ、−0.015×w mm以上0.015×w mm以下の範囲内となった。そして両面について短絡電流の平均値を測定したが、表においては平均値が小さな値を示した側の面の値を記す。
カレンダー加工による突き出し毛羽除去処理を行わなかった以外は実施例1〜4と同様にして、幅wが350mmの多孔質炭素電極基材を得た。点A1から点A2の距離と点B1から点B2の距離の差を測定したところ、−0.015×w mm以上0.015×w mm以下の範囲内となった。そして両面について短絡電流の平均値を測定したが、表においては平均値が小さな値を示した側の面の値を記す。
(比較例1)
上記の<多孔質炭素電極基材の作製>記載した方法において、含浸時に、炭素繊維シートの幅方向の左右で目付の差が−5g/m2以上5g/m2以内の範囲から逸脱した以外は、実施例1と同様にして、幅wが350mmの多孔質炭素電極基材を得た。点A1から点A2の距離と点B1から点B2の距離の差を測定したところ、−0.015×w mm以上0.015×w mm以下の範囲より逸脱した。また、同様の方法で作成した多孔質炭素電極基材について、連続加圧時の破断頻度(破断回数/加工長)は、表1に示す通り、破断が確認された。
(比較例2)
上記の<多孔質炭素電極基材の作製>記載した方法において、成形時の炭素短繊維シートの幅方向へ与える温度差は−25℃以上25℃未満の範囲から逸脱した以外は、実施例1と同様にして、幅wが350mmの多孔質炭素電極基材を得た。点A1から点A2の距離と点B1から点B2の距離の差を測定したところ、−0.015×w mm以上0.015×w mm以下の範囲より逸脱した。また、同様の方法で作成した多孔質炭素電極基材について、連続加圧時の破断頻度(破断回数/加工長)は、表1に示す通り、破断が確認された。
上記の<多孔質炭素電極基材の作製>記載した方法において、含浸時に、炭素繊維シートの幅方向の左右で目付の差が−5g/m2以上5g/m2以内の範囲から逸脱した以外は、実施例1と同様にして、幅wが350mmの多孔質炭素電極基材を得た。点A1から点A2の距離と点B1から点B2の距離の差を測定したところ、−0.015×w mm以上0.015×w mm以下の範囲より逸脱した。また、同様の方法で作成した多孔質炭素電極基材について、連続加圧時の破断頻度(破断回数/加工長)は、表1に示す通り、破断が確認された。
(比較例2)
上記の<多孔質炭素電極基材の作製>記載した方法において、成形時の炭素短繊維シートの幅方向へ与える温度差は−25℃以上25℃未満の範囲から逸脱した以外は、実施例1と同様にして、幅wが350mmの多孔質炭素電極基材を得た。点A1から点A2の距離と点B1から点B2の距離の差を測定したところ、−0.015×w mm以上0.015×w mm以下の範囲より逸脱した。また、同様の方法で作成した多孔質炭素電極基材について、連続加圧時の破断頻度(破断回数/加工長)は、表1に示す通り、破断が確認された。
(比較例3)
上記の<多孔質炭素電極基材の作製>記載した方法において、成形後の炭素短繊維シートの幅方向の厚みの差異が、−20μm以上20μm以内の範囲から逸脱した以外は、実施例1と同様にして、幅wが350mmの多孔質炭素電極基材を得た。点A1から点A2の距離と点B1から点B2の距離の差を測定したところ、−0.015×w mm以上0.015×w mm以下の範囲より逸脱した。また、同様の方法で作成した多孔質炭素電極基材について、連続加圧時の破断頻度(破断回数/加工長)は、表1に示す通り、破断が確認された。
上記の<多孔質炭素電極基材の作製>記載した方法において、成形後の炭素短繊維シートの幅方向の厚みの差異が、−20μm以上20μm以内の範囲から逸脱した以外は、実施例1と同様にして、幅wが350mmの多孔質炭素電極基材を得た。点A1から点A2の距離と点B1から点B2の距離の差を測定したところ、−0.015×w mm以上0.015×w mm以下の範囲より逸脱した。また、同様の方法で作成した多孔質炭素電極基材について、連続加圧時の破断頻度(破断回数/加工長)は、表1に示す通り、破断が確認された。
(比較例4)
上記の<多孔質炭素電極基材の作製>記載した方法において、焼成に用いる炉内温度の幅方向の左右差が−100℃以上100℃以下の範囲から逸脱した以外は、実施例1と同様にして多孔質炭素電極基材を得た。点A1から点A2の距離と点B1から点B2の距離の差を測定したところ、−0.015×w mm以上0.015×w mm以下の範囲より逸脱した。また、同様の方法で作成した、幅wが350mmの多孔質炭素電極基材について、カレンダー部での破断頻度(破断回数/加工長)は、表1に示す通り、破断が確認された。
上記の<多孔質炭素電極基材の作製>記載した方法において、焼成に用いる炉内温度の幅方向の左右差が−100℃以上100℃以下の範囲から逸脱した以外は、実施例1と同様にして多孔質炭素電極基材を得た。点A1から点A2の距離と点B1から点B2の距離の差を測定したところ、−0.015×w mm以上0.015×w mm以下の範囲より逸脱した。また、同様の方法で作成した、幅wが350mmの多孔質炭素電極基材について、カレンダー部での破断頻度(破断回数/加工長)は、表1に示す通り、破断が確認された。
ここで層Xの充填率比とは、層Yの充填率を1とした場合の層Xの充填率を意味し、層Zの充填率比とは、層Yの充填率を1とした場合の層Zの充填率を意味する。
1 端部A
2 点A1
3 垂線1
4 端部B
5 点B1
6 点A2
7 垂線2
8 点B2
9 点C
10 点D
11 点E
2 点A1
3 垂線1
4 端部B
5 点B1
6 点A2
7 垂線2
8 点B2
9 点C
10 点D
11 点E
Claims (6)
- 多孔質炭素電極基材の一方の幅方向の端部(以下、この端部を端部Aとする)上の任意の点(以下、この点を点A1とする)の接線または端部Aに対して、垂線(以下、この垂線を垂線1とする)を引いたとき、垂線1と他方の幅方向の端部(以下、この端部を端部Bとする)との交点を点B1として、続いて点A1から引いた10mの直線の終点と端部Aとが重なる点を点A2として、点A2の接線または端部Aに対して、垂線(以下、この垂線を垂線2とする)を引いたとき、垂線2と端部Bとの交点を点B2とした際に、点A1から点A2の距離と点B1から点B2の距離の差が、−0.015×w mm以上0.015×w mm以下であるとことを特徴とする、多孔質炭素電極基材。
ここでwは、多孔質炭素電極基材の幅(点A1から点B1の直線距離)を指す。 - 少なくとも一方の表面から測定した短絡電流の平均値が10mA以下であることを特徴とする、請求項1に記載の多孔質炭素電極基材。
- 一方の表面に最も近い50%充填率を有する面から、他方の表面に最も近い50%充填率を有する面までの区間において、前記多孔質炭素電極基材を面直方向に3等分して得られる層について、一方の表面に近い層と他方の表面に近い層とで、層の充填率が異なることを特徴とする、請求項1または2に記載の多孔質炭素電極基材。
ここで50%充填率とは、多孔質炭素電極基材の一方の表面から他方の表面に向かって、一定の長さ毎に面の充填率を測定し、続いて得られた面の充填率の平均値を求め、さらに得られた平均値の50%の値をいう。
さらに層の充填率とは、層を形成する面の充填率を用いて得られる平均値をいう。 - 一方の表面に最も近い50%充填率を有する面から、他方の表面に最も近い50%充填率を有する面までの区間において、前記多孔質炭素電極基材を面直方向に3等分して得られる層について、一方の表面に近い層の充填率が最も大きい層を層X、他方の表面に近い層の充填率が層Xよりも小さい層を層Y、層Xと層Yの間に位置する層を層Zとすると、層の充填率が、層X、層Y、層Zの順に小さくなることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の多孔質炭素電極基材
ここで50%充填率とは、多孔質炭素電極基材の一方の表面から他方の表面に向かって、一定の長さ毎に面の充填率を測定し、続いて得られた面の充填率の平均値を求め、さらに得られた平均値の50%の値をいう。
さらに層の充填率とは、層を形成する面の充填率を用いて得られる平均値をいう。 - カーボンペーパーからなることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の多孔質炭素電極基材。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の多孔質炭素電極基材の少なくとも一方の表面に、マイクロポーラス層を有するガス拡散層。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2016161676A JP2018032465A (ja) | 2016-08-22 | 2016-08-22 | 多孔質炭素電極基材、及びそれを用いたガス拡散層 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2019163953A1 (ja) | 2018-02-26 | 2019-08-29 | 日本発條株式会社 | ウェーブスプリング |
JP2020095892A (ja) * | 2018-12-14 | 2020-06-18 | 東レ株式会社 | 多孔質炭素電極基材およびその製造方法 |
-
2016
- 2016-08-22 JP JP2016161676A patent/JP2018032465A/ja active Pending
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